(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】ベルト転写方式の複合機及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240902BHJP
B65H 7/02 20060101ALI20240902BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240902BHJP
B41J 29/387 20060101ALI20240902BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
G03G21/00 390
B65H7/02
G03G21/00 384
B41J29/00 Z
B41J29/387
B41J29/38
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023029853
(22)【出願日】2023-02-28
(62)【分割の表示】P 2021524293の分割
【原出願日】2019-11-01
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】10-2018-0133119
(32)【優先日】2018-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0138618
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521189190
【氏名又は名称】イ,ミョンシン
【氏名又は名称原語表記】LEE,Myung Shin
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】イ,ミョンシン
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特許第7386554(JP,B2)
【文献】特開2004-276515(JP,A)
【文献】特開2006-160484(JP,A)
【文献】特開平05-213490(JP,A)
【文献】特開平08-286586(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0321527(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0116067(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B65H 7/02
B41J 29/00
B41J 29/387
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトに転写されたイメージを転写ローラ及びベルトローラ間に挟持されて進行するシートに印刷し、プリンタエンジンコントローラを含むベルト転写方式の複合機において、
前記複合機は、前記複合機のプリンタエンジンコントローラを制御する制御装置をさらに含み、
前記
制御装置は、
前記複合機内のセンサ又は駆動部とプリンタエンジンコントローラとの間に提供されるスイッチ
をさらに含み、
前記制御装置が、前記スイッチをオンオフ(On/Off)スイッチングしてセンサの信号又は駆動部の信号を制御し、
前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に既に挟持されたシートに印刷するイメージはそのまま印刷し、
前記制御装置がシートの進行方向に沿ってその次のシートに印刷されてはいけないと判断した場合、
前記制御装置が、
スイッチングにより、シートの進行方向に沿ってその次のシートに印刷される、既に転写ベルトに転写された、イメージは、その次のシートに印刷されないように、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間にその次のシートが挟持される前に、シートの移送経路上においてその次のシートの進行を停止させ、
スイッチングにより、シートの移送経路上において進行が停止されたその次のシートを維持した状態で、前記転写ベルトに既に転写されたイメージを削除した後、進行が停止されたその次のシートが、シートの移送経路に沿って印刷されたシートの排出口を介して白紙のまま排出されるようにすることを特徴とする、ベルト転写方式の複合機。
【請求項2】
前記制御装置は、その次のシートがピックアップローラによりピックアップされた後、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に挟持される前に、その次のシートの進行が停止されるように制御することを特徴とする、請求項1に記載のベルト転写方式の複合機。
【請求項3】
前記ピックアップローラ及び前記転写ローラ間には、フィードローラ及び給紙されるシートのスキューを補正するためのレジストローラの一つ以上と、一つ以上のローラを駆動するクラッチ又はモータを含む駆動部とが提供され、
前記制御装置は、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間にその次のシートが挟持される前に前記駆動部をスイッチングして、その次のシートの進行を停止させることを特徴とする、請求項2に記載のベルト転写方式の複合機。
【請求項4】
前記制御装置は、フィードローラクラッチをオフスイッチングさせて、前記フィードローラが回転しないことにより、その次のシートが前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に挟持される前に進行を停止させ、前記プリンタエンジンコントローラが、その次のシートがシートの移送経路上に停止していることを認知できないように制御し、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に既に挟持されたシートが定常的に印刷されるようにし、
進行が停止されたその次のシートを維持した状態で、前記転写ベルトに既に転写されたイメージを削除した後、前記フィードローラクラッチをオンスイッチングさせて、前記フィードローラが回転することにより、その次のシートが白紙のまま排出されるようにすることを特徴とする、請求項3に記載のベルト転写方式の複合機。
【請求項5】
前記フィードローラクラッチに連結する第2のフィードクラッチスイッチ、前記第2のフィードクラッチスイッチに連結するプリンタフィードクラッチスイッチ、及び、第1のフィードクラッチスイッチをさらに含み、
前記制御装置は、前記第1のフィードクラッチスイッチ及び前記第2のフィードクラッチスイッチをオンオフスイッチングすることを特徴とする、請求項4に記載のベルト転写方式の複合機。
【請求項6】
前記制御装置は、ドアオープンセンサスイッチ、フィードセンサスイッチ、イグジットセンサスイッチ、及び、ビンフルセンサスイッチを各々オンオフスイッチングして、前記プリンタエンジンコントローラが、前記転写ベルトに既に転写されたイメージを削除し、進行が停止したその次のシートが、シートの移送経路に沿って排出口を介して白紙のまま排出されるように、前記プリンタエンジンコントローラを制御することを特徴とする、請求項1乃至5の何れか一項に記載のベルト転写方式の複合機。
【請求項7】
ペーパートレイから始まるシートの移送経路上に設置される保安用紙感知センサをさらに含み、
前記保安用紙感知センサによる感知値に応じて、保安用紙であるか否かを判定し、保安用紙の場合には定常的に印刷されるようにし、一般用紙の場合には白紙のまま排出されるように制御することを特徴とする、請求項1乃至6の何れか一項に記載のベルト転写方式の複合機。
【請求項8】
ベルトに転写されたイメージを転写ローラ及びベルトローラ間に挟持されて進行するシートに印刷し、プリンタエンジンコントローラを含むベルト転写方式の複合機のための制御装置であって、
前記制御装置は、前記複合機内のセンサ又は駆動部とプリンタエンジンコントローラとの間に提供されるスイッチをさらに含み、
前記制御装置が、前記スイッチをオンオフ(ON/OFF)スイッチングしてセンサの信号又は駆動部の信号を制御し、
前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に既に挟持されたシートに印刷するイメージはそのまま印刷し、
前記制御装置が、シートの進行方向に沿ってその次のシートに印刷されてはいけないと判断した場合、
前記制御装置が、
スイッチングにより、シートの進行方向に沿ってその次のシートに印刷される、既に転写ベルトに転写された、イメージは、その次のシートに印刷されないように、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間にその次のシートが挟持される前に、シートの移送経路上おいてその次のシートの進行を停止させ、
スイッチングにより、シートの移送経路上において進行が停止されたその次のシートを維持した状態で、前記転写ベルトに既に転写されたイメージを削除した後、進行が停止されたその次のシートが、シートの移送経路に沿って印刷されたシートの排出口を介して白紙のまま排出されるようにすることを特徴とする、ベルト転写方式の複合機のための制御装置。
【請求項9】
フィードローラクラッチをオフスイッチングさせて、フィードローラが回転しないことにより、その次のシートが前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に挟持される前に進行を停止させ、前記プリンタエンジンコントローラが、その次のシートがシートの移送経路上に停止していることを認知できないように制御し、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に既に挟持されたシートが定常的に印刷されるようにし、
進行が停止されたその次のシートを維持した状態で、前記転写ベルトに既に転写されたイメージを削除した後、前記フィードローラクラッチをオンスイッチングさせて、前記フィードローラが回転することにより、その次のシートが白紙のまま排出されるようにすることを特徴とする、請求項8に記載のベルト転写方式の複合機のための制御装置。
【請求項10】
前記制御装置が、ドアオープンセンサとプリンタエンジンコントローラとの間に提供されるスイッチをスイッチングすることで、前記プリンタエンジンコントローラは、ドアが開放された後に閉鎖されたと認識することを特徴とする、請求項8に記載のベルト転写方式の複合機のための制御装置。
【請求項11】
前記制御装置が、フィードセンサとプリンタエンジンコントローラとの間に提供されるスイッチをスイッチングすることで、前記プリンタエンジンコントローラは、移送経路上にシートがないと認識することを特徴とする、請求項8に記載のベルト転写方式の複合機のための制御装置。
【請求項12】
前記制御装置が、イグジットセンサとプリンタエンジンコントローラとの間に提供されるスイッチをスイッチングすることで、前記プリンタエンジンコントローラは、移送経路上にシートがないと認識することを特徴とする、請求項8に記載のベルト転写方式の複合機のための制御装置。
【請求項13】
前記制御装置が、ビンフルセンサとプリンタエンジンコントローラとの間に提供されるスイッチをスイッチングすることで、前記プリンタエンジンコントローラは、移送経路上にシートがないと認識することを特徴とする、請求項8に記載のベルト転写方式の複合機のための制御装置。
【請求項14】
ペーパートレイから始まるシートの移送経路上に設置される保安用紙感知センサをさらに含み、
前記保安用紙感知センサによる感知値に応じて、保安用紙であるか否かを判定し、保安用紙の場合には定常的に印刷されるようにし、一般用紙の場合には白紙のまま排出されるように制御することを特徴とする、請求項8乃至13の何れか一項に記載のベルト転写方式の複合機のための制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルト転写方式の複合機及びその制御方法に関し、より詳細には、保安用紙感知センサを適用して、保安用紙と一般用紙とを区別して印刷できるように構成し、一般用紙を白紙のまま出力するベルト転写方式の複合機及びその制御方法に関する。本発明における複合機とは、プリンタ、ファックス、複写機、スキャナーの機能を統合した複合機だけでなく、プリンタ、ファックス、複写機、スキャナーの個別機能のみを具現する装置も含む。
【背景技術】
【0002】
最近、企業の急速な発展と共に、企業の文書の流出に対する保安方案が要求されている。このような文書の流出に対する保安方案としては、保安用紙を適用した文書保安技術が開発されていたが、このような保安用紙は、用紙(シート)に特殊物質を挿入したり、特殊物質を用いて印刷したりするものであって、アモルファスやそれと類似な非晶質(non-crystalline state又はamorphous)、磁性物質(合金)、ナノサイズの金属ワイヤ、磁気共鳴の特性を持つ素材の物質を用いて、特定の周波数に共振して物質の特性を区別し得る信号を発生する用紙(シート)という。
【0003】
このような保安用紙は、電磁気方式(EM、Electromagnetic)のセンサにより検出される。すなわち、センサにより発生された交流磁場に保安用紙内の軟磁性物質が接近すれば、交流磁場に変化が発生し、このような変化によって発生する高周波のスペクトラムを検出することで、保安用紙であるか否かを検出することになる。このようなセンサは、交流磁場を発生させる送信コイルと、前記送信コイルにより発生した交流磁場の変化を感知する受信コイルと、前記送信コイルから発生する交流磁場を制御し、前記受信コイルから受信する信号を処理する電子システムとを含むことができる。
【0004】
他方、保安用紙は、用紙の全体にわたって不規則に散布された多数の導電性の微細金属片を含むことのできるが、このような微細金属片は、導電性を有して磁場の中で誘導電流を発生させるものであれば、どのような種類の金属でも良い。一例として、用紙に含まれた金属片は、使用者が目視で識別し難い程度に微細なサイズを有することのできるが、例えば、厚さ0.1~3μm、長さ0.3~4cm、幅0.1~0.5mmの微細金属片であり得る。このように、導電性の微細金属片が散布された保安用紙は、インダックティブセンサ(inductive sensor)から発生した1次磁場が、給紙される用紙の微細金属片に渦電流(eddy current)を誘導させ、この渦電流により2次に発生する磁場が、インダックティブセンサにより発生した1次磁場に影響を及ぼして、その強度を変化させることになる。したがって、インダックティブセンサは、自身が発生させた磁場の強度の変化の有無に応じて、保安用紙検出信号を後述する制御装置に転送することになる。
【0005】
図1及び
図2は、保安用紙用複合機として適用できるベルト転写方式の複合機に係る本発明の背景技術を説明するための図である。
図1及び
図2に示すように、一般に、ベルト転写方式の複合機におけるシートの印刷過程を説明すれば、一旦、印刷が開始されると、LSU(Laser Scanner Unit)50によりレーザを印刷しようとする画像に合うようにOPCドラム70に照射して、OPCドラム70に画像を形成することになり、画像の形成されたOPCドラム70がトナーの付着されたローラと接触して、ローラ及びドラム間にかかる電圧の電位差により、OPCドラム70の画像(イメージ)が形成された部分のみにトナーが付着される。トナーの付着されたOPCドラム70は、転写ベルト60と接触して、OPCドラム70及び転写ベルト60間にかかる電位差により、OPCドラム70に付着されているトナーが転写ベルト60に移動することになる。例えば、カラープリンタの場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のような順に、各カラー(Color)トナーが転写ベルト60に移動することになる。参考として、前記カラー(Color)の順序は複合機のメーカーにより異なることもできる。転写ベルト60に移動したトナーは、転写ベルト60の回転移動により、転写ベルト60及び転写ローラ19間に給紙装置から供給されるシートと貼り合うことになり、転写ベルト60及び転写ローラ19間の電位差により、転写ベルト60のトナーがシート10に移動することで、シート10に画像が形成される。トナーにより画像が形成されたシート10は、定着器22を通過しながら、熱によりトナーがシート10に融着され、最終の印刷過程が終了することになる。
【0006】
前述したベルト転写方式の複合機の印刷過程において、シート10がペーパートレイ(Paper Tray)80からピックアップローラ(Pick Up Roller)11によりピックアップされる前に、既に転写ベルト60に印刷される(画像が形成される)ことにより、保安用紙感知センサ20がペーパートレイ80内に設置される場合と、
図2に示すように、保安用紙感知センサ20がシート10の移送経路上に設置される場合とも、シート10がピックアップされ、ピックアップされたシート10が移送経路で動く瞬間になって始めて保安用紙であるか一般用紙であるかが感知できるため、保安用紙の感知時には特別に問題ないが、一般用紙の感知時には、感知前に既に転写ベルト60に形成された画像が一般用紙に移送されて印刷されてしまう問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前記のような従来のベルト転写方式の複合機の問題点を認識し、転写ベルトに形成された画像を、どのような理由でも、用紙に印刷しなくて排出できるベルト転写方式の複合機及びその制御方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は、保安用紙用ベルト転写方式の複合機に適用される場合、保安用紙感知センサを適用して、保安用紙と一般用紙とを区別して印刷し、一般用紙と感知されたシートには画像が形成されなくて排出できる保安用紙用ベルト転写方式の複合機及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、ベルトに転写されたイメージを転写ローラ及びベルトローラ間に挟持されて進行するシートに印刷するベルト転写方式の複合機において、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に既に挟持されたシートに印刷するイメージはそのまま印刷し、シートの進行方向に沿ってその次のシートに印刷されてはいけない場合、シートの進行方向に沿ってその次のシートに印刷される、既に転写ベルトに転写された、イメージは、その次のシートに印刷されないように、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間にその次のシートが挟持される前に、シートの移送経路上においてその次のシートの進行を停止させ、シートの移送経路上において進行が停止されたその次のシートを維持した状態で、前記転写ベルトに既に転写されたイメージを削除した後、進行が停止されたその次のシートが、シートの移送経路に沿って印刷されたシートの排出口を介して白紙のまま排出されるように制御する制御装置を含むベルト転写方式の複合機を提供する。
【0010】
また、前記制御装置は、その次のシートがピックアップローラによりピックアップされた後、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に挟持される前に、その次のシートの進行が停止されるように制御することが望ましい。
【0011】
また、前記ピックアップローラ及び前記転写ローラ間には、フィードローラ及び給紙されるシートのスキュー(skew)を補正するためのレジストローラの一つ以上と、これを駆動するクラッチ又はモータを含む駆動部とが提供され、前記制御装置は、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間にその次のシートが挟持される前に前記駆動部を制御して、その次のシートの進行を停止させることが望ましい。
【0012】
また、前記制御装置は、フィードローラクラッチをオフ(OFF)させて、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に既に挟持されたシートが定常的に印刷されるようにし、所定時間の経過後、前記フィードローラクラッチをオン(ON)させて、その次のシートが白紙のまま排出されるようにすることが望ましい。
【0013】
また、前記フィードローラクラッチに連結する第2のフィードクラッチスイッチ、前記第2のフィードクラッチスイッチに連結するプリンタフィードクラッチスイッチ、及び、第1のフィードクラッチスイッチをさらに含み、前記制御装置は、前記第1のフィードクラッチスイッチ及び前記第2のフィードクラッチスイッチをオンオフ制御することが望ましい。
【0014】
また、前記制御装置は、ドアオープンセンサスイッチ、フィードセンサスイッチ、イグジットセンサスイッチ、及び、ビンフルセンサスイッチを各々オンオフ制御して、進行が停止したその次のシートが、シートの移送経路に沿って排出口を介して白紙のまま排出されるように制御することが望ましい。
【0015】
また、ペーパートレイから始まるシートの移送経路上に設置される保安用紙感知センサをさらに含み、前記制御装置は、前記保安用紙感知センサによる感知値に応じて、保安用紙であるか否かを判定し、保安用紙の場合には定常的に印刷されるようにし、一般用紙の場合には白紙のまま排出されるように制御することがより望ましい。
【0016】
また、前記制御装置は、判定すべきシートが移送経路上に移送される過程において、前記保安用紙感知センサの周辺に当該シートがない時点において前記保安用紙感知センサにより感知された第1の感知値と、移送経路上において判定すべきシートに対して前記保安用紙感知センサにより感知された一つ以上の第2の感知値とを比較して、前記比較値が、既定の基準以上であれば保安用紙と判定し、既定の基準以下であれば一般用紙と判定することが望ましい。
【0017】
さらに、本発明は、ペーパートレイから始まるシートの移送経路上において、給紙されるシートが保安用紙であるか一般用紙であるかを判定し、ベルトに転写されたイメージを前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に挟持されて進行するシートに印刷するベルト転写方式の保安用複合機の制御方法において、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に既に挟持された保安用紙に印刷されるイメージはそのまま印刷するが、シートの進行方向に沿ってその次のシートが一般用紙と判定される場合、シートの進行方向に沿って一般用紙に印刷される、既に転写ベルトに転写された、イメージは、一般用紙に印刷されないように、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に一般用紙が挟持される前に、シートの移送経路上において一般用紙の進行を停止させ、シートの移送経路上において進行が停止された一般用紙を維持した状態で、前記転写ベルトに既に転写されたイメージを削除した後、進行が停止された一般用紙をシートの移送経路に沿って印刷されたシートの排出口を介して白紙のまま排出するように制御するベルト転写方式の保安用複合機の制御方法を提供する。
【0018】
ここで、一般用紙がピックアップローラによりピックアップされた後、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に挟持される前に、一般用紙の進行が停止されるように制御することができる。
【0019】
ここで、前記ピックアップローラ及び前記転写ローラ間には、フィードローラ及び給紙されるシートのスキューを補正するためのレジストローラの一つ以上と、これを駆動するクラッチ又はモータを含む駆動部とが提供され、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に一般用紙が挟持される前に前記駆動部を制御して、一般用紙の進行を停止させることもできる。
【0020】
ここで、フィードローラクラッチをオフ(OFF)させて、前記転写ローラ及び前記ベルトローラ間に既に挟持された保安用紙が定常的に印刷されるようにし、所定時間の経過後、前記フィードローラクラッチをオン(ON)させて、一般用紙が白紙のまま排出されるようにできる。
【0021】
ここで、前記フィードローラクラッチに連結する第2のフィードクラッチスイッチ、前記第2のフィードクラッチスイッチに連結するプリンタフィードクラッチスイッチ、及び、第1のフィードクラッチスイッチをさらに含み、前記第1のフィードクラッチスイッチ及び前記第2のフィードクラッチスイッチをオンオフ制御することができる。
【0022】
ここで、ドアオープンセンサスイッチ、フィードセンサスイッチ、イグジットセンサスイッチ、及び、ビンフルセンサスイッチを各々オンオフ制御して、進行が停止した一般用紙が、シートの移送経路に沿って排出口を介して白紙のまま排出されるように制御することができる。
【0023】
ここで、望ましくは、判定すべきシートが移送経路上に移送される過程において、前記保安用紙感知センサの周辺に当該シートがない時点において前記保安用紙感知センサにより感知された第1の感知値と、移送経路上において判定すべきシートに対して前記保安用紙感知センサにより感知された一つ以上の第2の感知値とを比較して、前記比較値が、既定の基準以上であれば保安用紙と判定し、既定の基準以下であれば一般用紙と判定することもできる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ベルト転写方式の複合機において、転写ローラ及びベルトローラ間に挟持される前のシート(その次のシート又は一般用紙)に、どのような理由でも、転写ベルトに転写された画像(イメージ)が印刷されてはいけない場合、既に転写ローラ及びベルトローラ間に挟持されたシート(又は保安用紙)は定常的に印刷し、その次のシート又は一般用紙は印刷されなくて白紙のまま排出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】ベルト転写方式の複合機において本発明の背景技術を説明するための図である。
【
図2】ベルト転写方式の複合機において本発明の背景技術を説明するための図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るベルト転写方式の複合機においてシートの移送経路及び一般用紙排出動作を説明するための図である。
【
図4】本発明の一実施例に係るベルト転写方式の複合機において一般用紙排出動作を説明するためのブロック図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るベルト転写方式の複合機において一般用紙排出動作を説明するための順序図である。
【
図6】本発明の一実施例に係るベルト転写方式の複合機において一般用紙排出動作のためのスイッチング制御を説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施例に係るベルト転写方式の複合機において一般用紙排出動作のためのスイッチング制御を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
前述したように、本発明における複合機とは、プリンタ、ファックス、複写機、スキャナの機能を統合した複合機だけでなく、プリンタ、ファックス、複写機、スキャナの個別機能のみを具現する装置も含む。一般に、複合機は、プリンタ、ファックス、複写機、スキャナの機能を全部具現できるものであるが、本発明は、後述する説明から確認されるように、給紙されるシートが一般用紙であるか保安用紙であるかを区別し、それに応じて印刷(プリンティング)作業を遂行するので、複合機ではないプリンタ、ファックス又は複写機を示すものと理解してもよい。すなわち、プリンタ又は複写機だけで機能しても、給紙されるシートに応じて本発明で後述する説明による機能が具現できれば、本発明の範囲に属するものである。他方、前述した全ての機能を具現する通常の複合機も、当然本発明の範囲に属するものである。
【0027】
以下、本発明の説明において、保安用紙感知センサにより保安用紙であるか一般用紙であるかを判定し、保安用紙の場合には定常的に印刷し、一般用紙の場合には印刷しないようにするのを一例として説明しているが、本発明は必ずしもこれに限定されず、どのような理由でも、ベルト転写方式の複合機において転写ローラ及びベルトローラ間に挟持される前のシート(‘その次のシート’又は‘一般用紙’として記載される)に、既に転写ベルトに転写された画像(イメージ)が印刷されてはいけない場合に適用できる。すなわち、既に転写ローラ及びベルトローラ間に挟持されたシート(本発明の好適な一実施例によれば‘保安用紙’に該当)は定常的に印刷し、その次のシート又は一般用紙は印刷しなくて白紙のまま排出するものを対象とする。換言すれば、本発明は、既に転写ローラ及びベルトローラ間に挟持されたシートは定常的に印刷し、その次のシートは既に転写ベルトに転写された画像(イメージ)が印刷されてはいけないニーズがある場合に適用できる。よって、本発明の範囲は、後述する好適な実施例の記載により制限されず、後述する請求の範囲の記載により定義されるべきである。
【0028】
図3は、本発明の一実施例に係るベルト転写方式の複合機においてシートの移送経路及び一般用紙排出動作を説明するための図、
図4は、本発明の一実施例に係るベルト転写方式の複合機において一般用紙排出動作を説明するためのブロック図、
図5は、本発明の一実施例に係るベルト転写方式の複合機において一般用紙排出動作を説明するための順序図である。
【0029】
図3乃至
図5を参照すれば、本発明に係るベルト転写方式の複合機100は、シート10の移送経路上に設置される保安用紙感知センサ20と、保安用紙感知センサ20による感知値に応じて保安用紙であるか一般用紙であるかを認識する制御装置30とを含み、シート10が一般用紙と認識される場合、フィードローラクラッチ(Feed Roller Clutch)14をオフ(OFF)させ、所定時間の経過後、フィードローラクラッチ(Feed Roller Clutch)14をオン(ON)させてシートが白紙のまま出力されるようにする。以下、図面を参照して、本発明に係るベルト転写方式の複合機100について具体的に説明する。
【0030】
シート10がペーパートレイ(Paper Tray)80からピックアップローラ(Pick Up Roller)11によりピックアップされ、移送経路(ペーパートレイから始まってシートが複合機内において給紙-印刷-排出の経路を示す)に移送されるとき、移送経路上に位置した保安用紙感知センサ20は、感知値を制御装置30に転送し、制御装置30が既定の基準値と比較して保安用紙であるか否かを認識する。一実施例によれば、制御装置30は、判定すべきシート10が移送経路上に移送される過程において、保安用紙感知センサ20の周辺に当該シート10がない時点において保安用紙感知センサ20により感知された第1の感知値と、移送経路上で認識すべきシート10に対して保安用紙感知センサ20により感知された一つ以上の第2の感知値とを比較して、比較値が、既定の基準以上であれば保安用紙と判定し、既定の基準以下であれば一般用紙と判定する。
【0031】
場合に応じて、保安用紙感知センサ20は、ペーパートレイ80内の所定位置に提供されることで、ペーパートレイ80に積載されて給紙されるシートが保安用紙であるか一般用紙であるかを感知することもできる。
【0032】
制御装置30がシート10を一般用紙と認識した場合、ベルト転写方式の複合機100のファームウエア又は制御装置30によりフィードローラクラッチ(Feed Roller Clutch)14をオフ(OFF)させ、フィードローラ(Feed Roller)18の回転を強制的に停止させる。フィードローラ(Feed Roller)18の回転が停止されると、転写ベルト60は、転写ローラ19及びベルトローラ31間にシート10がない状態において、継続回転して自動的に既に転写ベルト60に転写されたイメージ(画像)をベルトクリーナ(Belt Cleaner)32により削除するが、移送経路上において一般用紙の以前の保安用紙(既に転写ローラ及びベルトローラ間に挟持された紙を示す)は、定常的に印刷されて排出される。
【0033】
一般に、シート10の移送を停止させる方法において、ベルト転写方式の複合機100のフィードセンサ(Feed Sensor)12やそれからの信号、或いは、ドアオープンセンサ(Door Open Sensor)23やそれからの信号などを加工して、ジャム(JAM)信号を発生させる場合、ベルト転写方式の複合機100の全ての動作が同時に停止するため、定常的に印刷されている以前の保安用紙も共に停止して、定着器の熱により保安用紙(又は保安用紙に印刷されたイメージや画像)の損傷を発生させる恐れがある。よって、本発明では、ファームウエア又は制御装置30が、転写ローラ19及びベルトローラ31間に挟持される前のその次のシート10を一般用紙と認識(判定)した場合、本発明に係るベルト転写方式の複合機100のファームウエア又は制御装置30により、フィードローラクラッチ(Feed Roller Clutch)14を制御して、強制的にオフ(OFF)信号を発生させることで、ベルト転写方式の複合機100のプリンタエンジンコントローラ40がその次のシート10又は一般用紙が停止していることを認知できないようにすることで、移送経路上において一般用紙の以前の(既に転写ローラ及びベルトローラ間に挟持された)保安用紙は、定常的な印刷過程を完了することになる。
【0034】
以後、本発明に係るベルト転写方式の複合機100のファームウエア又は制御装置30により、ドアオープンセンサ23を制御して(又はその信号を加工して)(本発明の説明の記載において、センサを制御するという意味は、センサから信号を加工することを含む)、プリンタエンジンコントローラ40が、ドア21が開放された後に閉鎖されたと認識するようにすれば、プリンタエンジンコントローラ40により、本発明に係るベルト転写方式の複合機100は初期化動作を遂行することになるが、このとき、本発明に係るベルト転写方式の複合機100のファームウエア又は制御装置30により、フィードセンサ(Feed Sensor)12をはじめとする紙移送経路上のセンサを制御して(その信号を加工したり制御したりするという意味である)、シートが無いことをプリンタエンジンコントローラ40が認識するようにし、このとき、ベルト転写方式の複合機100のファームウエア又は制御装置30により、フィードローラクラッチ14(Feed Roller Clutch)をオン(ON)させて、ベルト転写方式の複合機100が初期化動作を遂行するとき、一般用紙を定常的に排出するようにする。
【0035】
このとき、本発明に係るベルト転写方式の複合機100が、初期化動作を維持するために、本発明に係るベルト転写方式の複合機100のファームウエア又は制御装置30により、一般用紙が通過するフィードセンサ(Feed Sensor)12、イグジットセンサ(Exit Sensor)25及びビンフルセンサ(Bin Full sensor)29を制御して、一般用紙が排出するまで、プリンタエンジンコントローラ40が、シートが通過しない(シートが移送経路上に無い)ことを認識するように、該センサが制御できる(他方、該センサからの信号を加工して制御できる)。これに関する具体的な説明は、
図6及び
図7を参照して後述する。
【0036】
また、本発明の一実施例では、フィードローラクラッチ14に連結する第2のフィードクラッチスイッチ(Second Feed Clutch Switch)17、第2のフィードクラッチスイッチ17に連結するプリンタフィードクラッチスイッチ(Printer Feed Clutch Switch)15及び第1のフィードクラッチスイッチ(First Feed Clutch Switch)16を備え、保安用複合機100のファームウエア又は制御装置30により、第1のフィードクラッチスイッチ16及び第2のフィードクラッチスイッチ17をオンオフ制御するが、これに関する具体的な説明も
図6及び
図7を参照して後述する。プリンタフィードクラッチスイッチ15は、プリンタエンジンコントローラ40により制御される。
【0037】
図6は、本発明の一実施例に係るベルト転写方式の複合機において一般用紙排出動作のためのスイッチング制御を説明するための図、
図7は、本発明の一実施例に係るベルト転写方式の複合機において一般用紙排出動作のためのスイッチング制御を説明するためのタイミングチャートである。
【0038】
図6及び
図7を参照して、本発明に係るベルト転写方式の複合機100において、フィードローラクラッチ及び各々のセンサをオンオフ制御する動作をタイミングチャートにより具体的に説明する。
図7のタイミングチャートに示すように、(1)の区間において、プリンタフィードクラッチスイッチ15は、プリンタエンジンコントローラ40からフィードクラッチ信号により制御されてオン(ON)状態になり、シートが一般用紙と認識される場合、保安用複合機100のファームウエア又は制御装置30により、第2のフィードクラッチスイッチコントロール(Second Feed Clutch Switch Control)Cがロー(Low)になって第2のフィードクラッチスイッチ17を遮断させ、フィードローラクラッチ14の動作がオフ(OFF)され、フィードローラ18が回転しないことによりシートが移送経路で停止されることになる。
【0039】
このとき、(2)の区間において、保安用複合機100のファームウエア又は制御装置30により、ドアオープンセンサスイッチコントロール(Door Open Sensor SW Control)をオフ(OFF)させた後にオン(ON)させる場合、ドアオープンイン(Door Open IN)の状態のように実際にドア21が何らの変化が無いことにも(閉鎖されていても)かかわらず、プリンタエンジンコントローラ40に伝達されるドアオープンアウト(Door Open Out)がロー(Low)になった後にハイ(High)に復帰されることで、プリンタエンジンコントローラ40はドア21が開放された後に閉鎖されたと認識し、ベルト転写方式の複合機100が初期化動作(ベルト転写方式の複合機100内のモータが全部回転しながら、残存する転写ベルト60のイメージを削除し、初期化させる動作)を開始することになる。
【0040】
このとき、(3)の区間のように、ドアオープンセンサスイッチコントロール(Door Open Sensor SW Control)がロー(Low)になった時点から初期化動作が終了する時点まで、シートの移送経路上にある全てのセンサ(フィードセンサ12、イグジットセンサ25、ビンフルセンサ28)の出力を、保安用複合機100のファームウエア又は制御装置30により、フィードセンサスイッチコントロール(Feed sensor SW Control)、イグジットセンサスイッチコントロール(Exit Sensor SW Control)、ビンフルセンサスイッチコントロール(Bin Full Sensor SW Control)によりオフ(OFF)させる場合、ベルト転写方式の複合機100内にシートがあっても、プリンタエンジンコントローラ40はシートがないと判断して、初期化動作が継続進行することになる。
【0041】
このとき、ベルト転写方式の複合機100の全てのモータが回転するため、(4)の区間のように、保安用複合機100のファームウエア又は制御装置30により、第1のフィードクラッチスイッチコントロール(First Feed Clutch Switch Control)Bがハイ(High)になって、第1のフィードクラッチスイッチ(First Feed Clutch Switch)16をオン(ON)させる場合、フィードローラ(Feed Roller)18が回転しながら、ベルト転写方式の複合機100内にあるシート10を移送させて外部に排出することになる。
【0042】
前述した場合は、初期化動作時にシートの移送に必要な全ての駆動モータが回転する場合であり、複合機の種類に応じてシートの移送に必要な一部のモータが初期化動作時に回転しない場合もあり得る。このような場合には、初期化動作時に回転しないモータを回転させてシートを移送させることで、一般用紙が排出できる。現在複合機に用いられるモータは、殆どがステップモータ(step motor)又はBLDC(blushless DC)モータの2種類に区分されるが、そのドライバを制御することにより前述と同様に制御できる。より具体的には、前述した(1)乃至(4)の区間制御をそのまま遂行し、モータが回転しない場合、P/Sスイッチコントロール(P/S Switch Control)をオン(ON)させて複合機側モータ制御信号を遮断し、センサ側モータ制御信号を連結してモータを回転させ、これによりシートを外部に排出できることになる。
【0043】
本発明は、前述した特定の形態に制限されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱しない範囲内において当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも多様な変形実施が可能であることは勿論であり、そのような変更は特許請求の範囲の記載の範囲内にあることになる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明によれば、ベルト転写方式の複合機において、転写ローラ及びベルトローラ間に挟持される前のシート(その次のシート又は一般用紙)に、どのような理由でも、転写ベルトに転写された画像(イメージ)が印刷されてはいけない場合、既に転写ローラ及びベルトローラ間に挟持されたシート(又は保安用紙)は定常的に印刷され、その次のシート又は一般用紙は印刷されなくて白紙のまま排出することが可能になる。