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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】ガス検知装置
(51)【国際特許分類】
   B64U 10/16 20230101AFI20240902BHJP
   G01M 3/02 20060101ALI20240902BHJP
   B64U 101/67 20230101ALN20240902BHJP
   B64U 101/26 20230101ALN20240902BHJP
【FI】
B64U10/16
G01M3/02 B
B64U101:67
B64U101:26
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023145518
(22)【出願日】2023-09-07
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】507396035
【氏名又は名称】株式会社GEOソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 正憲
(74)【代理人】
【識別番号】100221707
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100099977
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 章吾
(74)【代理人】
【識別番号】100104259
【弁理士】
【氏名又は名称】寒川 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100229116
【弁理士】
【氏名又は名称】日笠 竜斗
(72)【発明者】
【氏名】春名 正基
(72)【発明者】
【氏名】藤井 達士
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-232091(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0204189(US,A1)
【文献】国際公開第2017/022556(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64U 10/16
G01M 3/02
B64U 101/67
B64U 101/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象面から発生するガスを検知するガス検知装置であって、
回転翼の回転によって、移動飛行又は停止飛行される無人飛行体と、
前記無人飛行体に配置され、牽引部材を繰り出し及び巻き取る巻揚機と、
記検査対象面から発生するガスを検知し、ガス濃度を測定するガスセンサーと、
を備え、
前記ガスセンサーは、
前記牽引部材に取付けられ、
前記無人飛行体は、
前記無人飛行体及び前記検査対象面の間に、前記回転翼の回転による下降気流の及ばない無気流領域を形成する飛行高度において、前記検査対象面の上空に停止飛行され、
前記巻揚機は、
前記無人飛行体の停止飛行中に、前記牽引部材を繰り出して、前記ガスセンサーを前記無気流領域内に下降して、前記検査対象面に検知間隔を隔てて対向配置する
ことを特徴とするガス検知装置。
【請求項2】
前記検査対象面との間の距離を検出する距離センサーを備え、
前記ガスセンサー及び前記距離センサーは、
前記牽引部材に取付けられ、
前記巻揚機は、
前記無人飛行体の停止飛行中に、前記牽引部材を繰り出して、前記ガスセンサー及び前記距離センサーを前記無気流領域に下降して、前記検査対象面に検知間隔を隔てて対向配置し、
前記距離センサーの検出した距離が前記検知間隔になると、前記牽引部材の繰り出しを停止する
ことを特徴とする請求項1に記載のガス検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面、ガス管の表面(外周面)等の検査対象面から発生(流出)するガスを検知するガス検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス漏れを検知する技術として、特許文献1は、ガス検知装置を開示する。ガス検知装置は、複数のプロペラを有する無人飛行体(ドローン)と、無人飛行体に設置されるガス検知部を備える。
ガス検知装置において、無人飛行体は、各プロペラの回転によって、ガスパイプラインに沿って飛行され、ガス検知部によってガス漏れを検査する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6703756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、無人飛行体をガスパイプラインに沿って飛行すると、無人飛行体のプロペラの回転による下降気流(ダウンウォッシュ)によって、ガスの滞留する範囲の空気が攪拌されて、正確にガス濃度等を検知できない。
【0005】
本発明は、無人飛行体の下降気流の影響を受けることなく、検査対象面から発生(流出)するガスを正確に検知(測定)できるガス検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る発明は、検査対象面から発生するガスを検知するガス検知装置であって、回転翼の回転によって、移動飛行又は停止飛行される無人飛行体と、前記無人飛行体に配置され、牽引部材を繰り出し及び巻き取る巻揚機と、前記検査対象面から発生するガスを検知し、ガス濃度を測定するガスセンサーと、を備え、前記ガスセンサーは、前記牽引部材に取付けられ、前記無人飛行体は、前記無人飛行体及び前記検査対象面の間に、前記回転翼の回転による下降気流の及ばない無気流領域を形成する飛行高度において、前記検査対象面の上空に停止飛行され、前記巻揚機は、前記無人飛行体の停止飛行中に、前記牽引部材を繰り出して、前記ガスセンサーを前記無気流領域内に下降して、前記検査対象面に検知間隔を隔てて対向配置することを特徴とするガス検知装置である。
請求項1では、無人飛行体は、無人飛行体(回転翼)及び検査対象面の間に、回転翼の回転による下降気流の及ばない無気流領域(回転翼の回転による下降気流の影響を受けない領域、又は回転翼の回転による下降気流の発生しない領域)を形成可能な飛行高度において、検査対象面の上空に停止飛行される構成も採用できる。
請求項1では、無人飛行体は、無人飛行体(回転翼)及び検査対象面の間に、回転翼の回転による下降気流の及気流領域(回転翼の回転による下降気流の影響を受ける領域、又は回転翼の回転による下降気流の発生する領域と、下降気流の及ばない領域(下降気流の影響を受けない領域、下降気流の発生しない領域)を形成する飛行高度(形成可能な飛行高度)において、検査対象面の上空に停止飛行される構成も採用できる。
請求項1では、無人飛行体は、検査対象面の上空に停止飛行され、巻揚機は、無人飛行体の停止飛行中に、牽引部材を繰り出して、無人飛行体(回転翼)及び検査対象面の間において、回転翼の回転による下降気流が想定される領域を外れた位置(領域)にガス検知器を下降して、ガス検知器を検査対象面に検知間隔を隔てて対向配置する構成も採用できる。
本発明の請求項2に係る発明は、前記検査対象面との間の距離を検出する距離センサーを備え、前記ガスセンサー及び前記距離センサーは、前記牽引部材に取付けられ、前記巻揚機は、前記無人飛行体の停止飛行中に、前記牽引部材を繰り出して、前記ガスセンサー及び前記距離センサーを前記無気流領域に下降して、前記検査対象面に検知間隔を隔てて対向配置し、前記距離センサーの検出した距離が前記検知間隔になると、前記牽引部材の繰り出しを停止することを特徴とする請求項1に記載のガス検知装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ガス検知器を無気流領域内に降下して、検査対象面に検知間隔(間隔)を隔てて対向配置することで、無気流領域内において、ガス検知器によって検査対象面から発生(流出)するガスを検知(測定)できる。
これにより、回転翼の回転による下流気流の影響を受けることなく、ガスの滞留する範囲において、正確なガスのデータ(ガス濃度データ)を検知(測定)することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ガス検知装置(無人飛行体、巻揚機、ガス検器、距離検知器、カメラ、支持体及び水平維持装置)を示す正面図である。
図2】ガス検知装置(無人飛行体)を示す平面図(上面図)である。
図3】ガス検知装置(無人飛行体、巻揚機)を示す底面図(下面図)である。
図4】ガス検知装置において、無人飛行体の無線受信器、機体制御部、ローターモーター及び電源を示すブロック図である。
図5図1の一部拡大図であって、巻揚機を示す正面図である。
図6】ガス検知装置において、巻揚機の無線受信部、巻揚げ制御部、電動モーター、繰り出し量検知部、記憶部及び電源を示すブロック図である。
図7図3のA部拡大図である。
図8】ガス検知装置において、ガス検知ユニット(無線受信部、ガス検知制御部、ガス検知器、無線通信部)、距離検知ユニット(無線受信器、距離検知制御部、距離検知器、無線送信部)、カメラユニット(無線受信部、カメラ制御部、カメラ、無線送信部)を示すブロック図である。
図9】ガス検知装置において、操作装置を示すブロック図である。
図10】ガス検知装置において、表示装置を示すブロック図である。
図11】無人飛行体1において、回転翼の回転による下降気流の及ぶ領域と、回転翼の回転による下降気流の及ばない領域を示す図である。
図12】無人飛行体を離発着地点に設置した正面図である。
図13】飛行高度において、無人飛行体を検査対象面の上空に停止飛行させた正面図である。
図14】無人飛行体の停止飛行中に、牽引部材を繰り出して、ガス検知器を検査対象面の測定箇所に検知間隔(検知距離)隔てて対向配置した正面図である。
図15図14のA部拡大図である。
図16】ガス検知装置における一連の処理工程を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るガス検知装置について、図1乃至図16を参照して説明する。
【0010】
図1乃至図16において、ガス検知装置X(ガス検出装置/ガス検知システム)は、検査対象面Fから発生(流出)するガスを検知(検出)する。検査対象面Fは、例えば、地面、ガス管の表面(外周面)である。ガスは、例えば、人間(動物)に有毒なガス(有毒ガス)であって、例えば、可燃性ガス、二酸化硫黄(硫黄)、硫化水素、塩素ガス(演奏系ガス)である。可燃性ガスは、液化プロパンガス(LPG:液化石油ガス)、天然ガス(都市ガス:メタンを主成分として、エタンやプロパン等を含むガス)である。
【0011】
ガス検知装置Xは、図1乃至図10に示すように、無人飛行体1、巻揚機2、支持体3(支持部材)、ガス検知ユニット4(ガス検知器5)、距離検知ユニット6(距離検知器7)、カメラユニット8(カメラ9)、水平維持装置10(レベラー)、操作装置11及び表示装置12を備える。
【0012】
無人飛行体1は、図1乃至図3に示すように、無人飛行機(UAV:unmanned aerial vehicle)であって、例えば、オクトコプター(ドローン)である。無人飛行体1(ドローン)は、図1乃至図4に示すように、機体15、複数(8つ)のローターユニット16、無線受信部17、機体制御部18及び記憶部19(機体記憶部)を有する。
【0013】
機体15は、図1乃至図3に示すように、機体部21、複数(8つ)のローターアーム22、及び複数(一対)の支持脚23,24を有する。
【0014】
機体部21は、図1乃至図4に示すように、機体15(機体部)の機体中心線αの方向A(上下方向)に機体表面21A(上面)及び機体裏面21B(下面)を有する。
【0015】
各ローターアーム22は、図1乃至図3に示すように、機体15の機体中心線αを中心とする周方向において、各ローターアーム22の間に同一の角度(例えば、45度の角度)を隔てて配置される。各ローターアーム22は、機体部21から外方向に放射状に延在される。
【0016】
各支持脚23,24は、図1及び図3に示すように、各支持脚23,24の間に間隔を隔てて、機体部21の機体裏面21B(下面)に配置される。各支持脚23,24は、機体部21の機体裏面21Bに取付けられて、機体部21の機体裏面21Bから下方向に突出して延在(配置)される。各支持脚23,24は、機体部21の機体裏面21Bから突出する突出端に脚端面23A,24Aを有する。
【0017】
各ローターユニット16は、図1乃至図3に示すように、各ローターアーム22の先端側に取付けられる。各ローターユニット16は、回転翼25(プロペラ)、及びローターモーター26(電動モーター)を有する。
各ローターユニット16のローターモーター26は、各ローターアーム22の先端側に固定される。
回転翼25は、図1乃至図3に示すように、ローターモーター26のモーター軸26A(回転軸)に連結されて、ローターモーター26にて回転される。各ローターユニット16のローターモーター26は、図4に示すように、電源27に接続される。
【0018】
無線受信部17は、図4に示すように、機体部21内(機体15内)に搭載(配置)されて、機体制御部18及び電源27に接続される。無線受信部17は、操作装置11(無線送信部76)からの飛行態様指令(飛行態様信号)を受信して、飛行態様指令[移動飛行指令(移動飛行信号)、停止飛行指令(停止飛行信号)]を機体制御部18に出力する。
【0019】
機体制御部18は、例えば、CPU(central processing unit/中央演算処理装置)であって、図4に示すように、機体部21内(機体15内)に搭載(配置)される。機体制御部18は、図4に示すように、各ローターユニット16のローターモーター26、無線受信部17及び電源27に接続される。
【0020】
機体制御部18は、図4に示すように、無線受信部17から飛行態様指令(飛行態様信号)を入力して、各ローターユニット16のローターモーター26の回転(回転数、回転方向)を制御することで、無人飛行体1を移動飛行(上昇飛行、下降飛飛行、前後左右移動、左移動、右移動等)及び停止飛行(ホバリング飛行/ホバリング)させる。無人飛行体1は、各回転翼25(プロペラ)の回転によって、移動飛行又は停止飛行される。
【0021】
巻揚機2は、電動式のウインチ(電動巻揚機/電動ウインチ)であって、図1図2及び図5に示すように、巻揚本体35(筐体/ハウジング)、回転体36(巻取ドラム)、動力伝達機構37(減速ギア機構)、電動モーター38(巻取りモーター)、牽引部材39(線状部材)、無線受信部40、繰り出し量検知部41、巻揚げ制御部42、記憶部43及び電源44を有し、牽引部材39を繰り出し及び巻き取る。巻揚機2は、牽引部材39を回転体36から繰り出し、牽引部材39を回転体36に巻取る。
【0022】
巻揚本体35(筐体/ハウジング)は、図1及び図5に示すように、巻揚本体35内に収納空間δを有する。
【0023】
回転体36(巻取りドラム)は、例えば、円筒状に形成される。回転体36は、図1及び図5に示すように、巻揚本体35の収納空間δに配置される。回転体36は、巻揚本体35内において、巻揚本体35に回転自在に軸支(支持)される。
【0024】
動力伝達機構37は、図1及び図5に示すように、巻揚本体35内に配置される。動力伝達機構37は、複数の歯車を有し、巻揚本体35内(筐体内)において、回転体36の筒中心線σの方向Bの一方の筒端36Aに連結(接続)される。
【0025】
電動モーター38(巻取りモーター)は、回転体36を回転する。電動モーター38は、図1及び図5に示すように、巻揚本体35内(筐体内)に配置される。電動モーター38は、巻揚本体35内において、回転体36の筒中心線σの方向Bの一方の筒端36Aに対向配置される。電動モーター38は、動力伝達機構37に連結(接続)される。電動モーター38のモーター軸38A(回転軸)は、図1及び図5に示すように、動力伝達機構37に連結(接続)される。電動モーター38(モーター軸38A)は、動力伝達機構37を介して回転体36(巻取りドラム)に連結(接続)される。電動モーター38は、動力伝達機構37(減速ギア機構)を介して回転体36を回転(正回転/逆回転)する。
【0026】
牽引部材39(線状部材)は、ワイヤー、チェーン、ロープ等である。牽引部材39は、図1及び図5に示すように、一方の部材端39A側(一方の先端側)側を回転体36に固定して、回転体36に巻取られて、回転体36に配置される。牽引部材39は、他方の部材端39B側(他方の先端側)を巻揚本体35内(収納空間δ)から引出されて配置される。
【0027】
無線受信部40は、図6に示すように、巻揚本体35(筐体)に搭載(配置)されて、巻揚げ制御部42及び電源44に接続される。無線受信部40は、操作装置11(無線送信部80)からの繰り出し指令(繰り出し信号)、巻取り指令(巻取り信号)及び停止指令(停止信号)を受信して、繰り出し指令(繰り出し信号)、巻取り指令(巻取り信号)及び停止指令(停止信号)を巻揚げ制御部42に出力する。
【0028】
繰り出し量検知部41は、図6に示すように、巻揚本体35(筐体)に搭載(配置)されて、巻揚げ制御部42及び電源44に接続される。繰り出し量検知部41は、回転体36から繰り出される牽引部材39の繰り出し量、及び回転体36に巻き取られる牽引部材39の巻取り量を検出して、繰り出し量信号(繰り出し量データ)及び巻取り量信号(巻取り量データ)を巻揚げ制御部42に出力する。
【0029】
巻揚げ制御部42は、例えば、CPU(central processing unit/中央演算処理装置)であって、図6に示すように、巻揚本体35(筐体)に搭載(配置)される。巻揚げ制御部42は、無線受信部40、繰り出し量検知部41、電動モーター38、記憶部43及び電源44に接続される。
【0030】
巻揚げ制御部42は、図6に示すように、無線受信部40から繰り出し指令(繰り出し信号)及び巻取り指令(巻取り信号)を入力すると、電動モーター38を回転(正回転/逆回転)する。巻揚げ制御部42は、無線受信部40から停止指令(停止信号)を入力すると、電動モーター38の回転を停止する。
巻揚げ制御部42は、図6に示すように、繰り出し量検知部41から繰り出し量信号を入力すると、繰り出し量信号を繰り出し量データとして記憶部43に出力する。
【0031】
記憶部43(巻揚げ記憶部)は、図6に示すように、例えば、RAM(Random Access Memory)であって、巻揚本体35(筐体)に搭載(配置)される。記憶部43は、巻揚げ制御部42及び電源44に接続される。記憶部43は、巻揚げ制御部42から繰り出し量信号を入力すると、繰り出し量信号を繰り出し量データとして記憶する。
【0032】
巻揚機2は、図1図3及び図5に示すように、無人飛行体1に配置される。巻揚機2は、機体部21の機体裏面21Bに配置されて、機体裏面21Bから機体部21(機体15/無人飛行体1)に取付けられる。
【0033】
巻揚機2は、図1図3及び図5に示すように、無人飛行体1において、各支持脚23,24の間に配置される。巻揚機2は、回転体36の筒中心線σを各支持脚23,24の間に向けて、巻揚本体35を各支持脚23,24の間の機体部21の機体裏面21Bに取付けて、無人飛行体1(機体部21)に固定される。巻揚機2は、回転体36の筒中心線σを、機体部21の機体中心線αに直交して、各支持脚23,24の間に配置される。
巻揚機2は、図1及び図5に示すように、牽引部材39の他方の部材端39Bを各支持脚23,24の脚端面23A,23Bに向けて配置され、巻揚本体35を機体部21の機体裏面21Bから機体部21(機体15)に取付けて、無人飛行体1(機体部21)に固定される。
巻揚機2は、牽引部材39の他方の部材端39B(他方の先端)を機体部21(機体裏面21B)と反対側(下方向)に向けて、無人飛行体1(機体部21)に固定される。
【0034】
支持体3は、図1図3及び図7示すように、ガス検知ユニット4(ガス検知器5)、距離検知ユニット6(距離検知器7)、及びカメラユニット8(カメラ9)を支持する。
【0035】
支持体3は、図1図3及び図7に示すように、例えば、支持基板51、及び支持板52(支持縦板)を有する。支持基板51は、矩形の板状に形成され、板厚さ方向に板表面51A及び板裏面51Bを有する。支持板52は、支持基板51の長手方向C(板長さ方向)の一方の板長さ端51a側に配置されて、支持基板51に固定される。支持板52は、板裏面51Bから支持基板51に固定される。支持板52は、支持基板51の板裏面51B(板表面51A)に直交(交差)して、支持基板51の板裏面51Bから突出して配置される。
【0036】
ガス検知ユニット4は、図1図2及び図7に示すように、支持体3に取付けられて、支持体3にて支持される。ガス検知ユニット4は、図8に示すように、無線受信部55,ガス検知制御部56、及びガス検知器5を有する。
【0037】
無線受信部55は、図8に示すように、支持体3に搭載(配置)されて、ガス検知制御部56、及び電源68に接続される。無線受信部55は、操作装置11(無線送信部82)からのガス検知開始指令(ガス検知開始信号/開始信号)を受信して、ガス検知開始指令(開始指令)をガス検知制御部56に出力する。
【0038】
ガス検知制御部56は、図8に示すように、支持体3に搭載(配置)されて、無線受信部55、ガス検知器5及び電源68に接続される。
ガス検知制御部56は、無線受信部55からガス検知開始指令(ガス検知開始信号)を入力すると、ガス検知器5によるガス検知(ガス測定)を開始させる。
【0039】
ガス検知器5は、ガス[有害ガス:プロパンガス、都市ガス、硫黄(硫黄)、硫化水素、塩素ガス(演奏系ガス)等]を検知し、ガス濃度を測定するガスセンサー(ガス濃度センサー)である。ガス検知器5は、例えば、半導体式ガス検知器(半導体式ガスセンサー)、接触燃焼式ガス検知器(接触燃焼式ガスセンサー)、電気化学式ガス検知器(電気化学式ガスセンサー)である。ガス検知器5は、検査対象面Fから発生(流出)するガスの種類(可燃性ガス、二酸化硫黄、硫化水素、塩素ガス等)に応じて、可燃性ガスセンサー、二酸化硫黄センサー、硫化水素センサー、塩素ガスセンサーを使用する。
【0040】
ガス検知器5は、図1図3及び図7に示すように、支持体3に取外し自在に配置される。ガス検知器5は、支持基板51の板裏面51Bに当接して、支持基板51(支持体3)に取外し自在に取付けられて、支持体3(支持基板51)に支持される。ガス検知器5は、検知(測定)するガスの種類に応じて、可燃性ガスセンサー、二酸化硫黄センサー、硫化水素センサー、塩素ガスセンサーの何れかを、支持基板51に取外し自在に取付けられる。
ガス検知器5は、ガス検知制御部56及び電源68に接続される。ガス検知器5は、ガス表示部57を有し、検出(測定)したガス濃度等(ガス濃度データ)をガス表示部57に表示する。
【0041】
距離検知ユニット6は、図1図3及び図7に示すように、支持体3に取付けられて、支持体3にて支持される。距離検知ユニット6は、図8に示すように、無線受信部58、距離検知制御部59、及び距離検知器7を有する。
【0042】
無線受信部58は、図8に示すように、支持体3に搭載(配置)されて、距離検知制御部59及び電源68に接続される。無線受信部58は、操作装置11(無線送信部84)からの距離検知開始指令(距離検知開始信号/開始信号)を受信して、距離検知開始指令(開始指令)を距離検知制御部59に出力する。
【0043】
距離検知制御部59は、図8に示すように、支持体3に搭載(配置)されて、無線受信部58、距離検知器7及び電源68に接続される。距離検知制御部59は、無線受信部58から距離検知開始指令(距離検知開始信号)を入力すると、距離検知器7による距離の検知(距離の測定)を開始させる。
【0044】
距離検知器7は、検査対象面F(地面G)との間の距離を検知する距離センサーである。距離検知器7は、光を発する発光部、及び光を受光する受光部を有する光学方式の距離センサー(反射型センサー)である。
距離検知器7(反射型センサー)は、図1図3及び図7に示すように、支持体3に配置される。距離検知器7は、支持基板51の長手方向Cにおいて、ガス検知器5及び支持板52に間隔を隔てて、ガス検知器5及び支持板52の間に配置される。距離検知器7は、発光部及び受光部(図示しない)を支持基板51の板裏面51Bと反対側(下方向)に向けて配置される。距離検知器7は、支持基板51の板裏面51Bに当接して、支持基板51(支持体3)に取付けられて、支持体3(支持基板51)に支持される。
距離検知器7(反射型センサー)は、図8に示すように、距離検知制御部59及び電源68に接続される。距離検知器7は、距離表示部60を有し、検知(測定)した距離(距離データ)を距離表示部60に表示する。
【0045】
カメラユニット8は、図1図3及び図7に示すように、支持体3に取付けられて、支持体3にて支持される。カメラユニット8は、図8に示すように、無線受信部65、カメラ制御部66無線送信部67及びカメラ9を有する。
【0046】
無線受信部65は、図8に示すように、支持体3に搭載(配置)されて、カメラ制御部66及び電源68に接続される。無線受信部65は、操作装置11(無線送信部82)からの撮影開始指令(撮影開始信号)を受信して、撮影開始指令(撮影開始信号)をカメラ制御部66に出力する。
【0047】
カメラ制御部66は、図8に示すように、支持体3に搭載(配置)されて、無線受信部65、無線送信部67、カメラ9及び電源68に接続される。
カメラ制御部66は、無線受信部65から撮影開始指令(撮影開始信号)を入力すると、カメラ9による撮影を開始させる。
カメラ制御部66は、カメラ9の撮影した画像(ガス表示部57及びガス表示部57に表示されるガス濃度の画像、距離表示60及び距離表示部60に表示される距離の画像)を入力すると、無線送信部67に出力する。
【0048】
無線送信部67は、図8に示すように、支持体3に搭載(配置)されて、カメラ制御部66及び電源68に接続される。無線送信部67は、カメラ制御部66から画像(ガス表示部57及びガス表示部57に表示されるガス濃度の画像、距離表示部60、及び距離表示部60に表示される距離の画像)を入力すると、画像(画像データ)を表示装置12(無線受信部90)に送信する。
【0049】
カメラ9は、図1図3及び図7に示すように、支持体3に配置される。カメラ9は、支持基板51の長手方向Cにおいて、距離検知器7に間隔を隔てて、距離検知器7及び支持板52の間に配置される。カメラ9は、カメラ光軸をガス検知器5及び距離検知器7に向けて配置される。カメラ9は、支持板52に当接して、支持板52(支持体3)に取付けられる。カメラ9は、支持体3(支持板52)に支持される。
カメラ9は、図8に示すように、カメラ制御部66及び電源68に接続される。カメラ9は、ガス検知器5のガス表示部57及びガス表示部57に表示されるガス濃度(ガス濃度データ)、距離検知器7の距離表示部60及び距離表示部60に表示される距離(距離データ)を撮影して、画像データとしてカメラ制御部66に出力する。
【0050】
水平維持装置10は、図1に示すように、支持体3に配置されて、支持体3(支持基板51)に固定される。水平維持装置10は、支持基板51(矩形の支持基板)の板中心に位置して、支持基板51の板表面51Aに配置される。水平維持装置10は、支持基板51の板表面51Aに当接して、板表面51Aから支持基板51に取付けられて、支持体3に固定される。
【0051】
水平維持装置10は、図1に示すように、無人飛行体1の各支持脚23,24に間隔を隔てて、各支持脚23,24の間に配置される。水平維持装置10は、巻揚機2の牽引部材39の他方の部材端39Bに取付けられて、巻揚機2(牽引部材39)に連結される。水平維持装置10は、牽引部材39を回転体36に巻取った状態において、巻揚機2(巻揚本体35)及び各支持脚23,24の脚端面23A,24Aの間に配置される。水平維持装置10は、支持体3、ガス検知ユニット4(ガス検知器5)、距離検知ユニット6(距離検知器7)及びカメラユニット8(カメラ9)を水平に支持する。水平維持装置10は、牽引部材39に対して、支持体3(ガス検知器5、距離検知器7及びカメラ9)を水平に維持する。
【0052】
支持体3、ガス検知器5、距離検知器7及びカメラ9は、図1図3及び図7に示すように、水平維持装置10を牽引部材39に取付けると、無人飛行体1の各支持脚23,24の間に間隔を隔てて、各支持脚23,24の間に配置される。支持体3、ガス検知器5、距離検知器7及びカメラ9は、牽引部材39を回転体36に巻取った状態において、巻揚機2(巻揚本体35)及び各支持脚23,24の脚端面23A,24Aの間に配置される。
支持体3は、水平維持装置10を介して牽引部材39(他方の部材端39B)に取付けられて連結される。ガス検知器5、距離検知器7及びカメラ9は、支持体3、水平維持装置10を介して牽引部材39(他方の部材端39B)に取付けられて連結される。
【0053】
操作装置11は、図9に示すように、飛行操作部75及び無線送信部76を有する。飛行操作部75は、操縦レバー78を有し、無線送信部76及び電源95に接続される。
【0054】
操縦レバー78は、操作によって、無人飛行体1の飛行態様指令(飛行態様信号)を無線送信部76に出力する。
【0055】
無線送信部76は、図9に示すように、飛行操作部75(操縦レバー78)及び電源95に接続される。
無線送信部76は、操縦レバー78から飛行態様指令(移動飛行指令、停止飛行指令)を入力すると、飛行態様指令(飛行態様信号)を無線受信部17(無人飛行体1)に送信する。
【0056】
操作装置11は、図9に示すように、巻取り操作部79、及び無線送信部80を有する。
【0057】
巻取り操作部79は、図9に示すように、無線送信部80及び電源95に接続される。巻取り操作部79は、巻取り操作(操作)によって、巻取り指令(巻取り信号)を無線送信部80に出力する。巻取り操作部79は、繰り出し操作(操作)によって、繰り出し指令(繰り出し信号)を無線送信部80に出力する。巻取り操作部79は、停止操作(操作)によって、停止指令(停止信号)を無線送信部80に出力する。
【0058】
無線送信部80は、図9に示すように、巻取り操作部79から巻取り指令(巻取り信号)、繰り出し指令(繰り出し信号)、停止指令(停止信号)を入力すると、巻取り指令、繰り出し指令、停止指令を無線受信部40(巻揚機2)に送信する。
【0059】
操作装置11は、図9に示すように、ガス検知操作部81、及び無線送信部82を有する。
【0060】
ガス検知操作部81は、図9に示すように、無線送信部82及び電源95に接続される。ガス検知操作部81は、操作によって、ガス検知開始指令(ガス検知開始信号)を無線送信部82に出力する。
【0061】
無線送信部82は、図9に示すように、ガス検知操作部81及び電源95に接続される。無線送信部82は、ガス検知操作部81からガス検知開始指令(ガス検知開始信号)を入力すると、ガス検知開始指令を無線受信部55(ガス検知器5)に送信する。
【0062】
操作装置11は、図9に示すように、距離検知操作部83、及び無線送信部84を有する。
【0063】
距離検知操作部83は、図9に示すように、無線送信部84及び電源95に接続される。距離検知操作部83は、操作によって、距離検知開始指令(距離検知開始信号)を無線送信部84に出力する。
【0064】
無線送信部84は、図9に示すように、距離検知操作部83及び電源95に接続される。無線送信部84は、距離検知操作部83から距離検知開始指令(距離検知開始信号)を入力すると、距離検知開始指令を無線受信部58(距離検知器7)に送信する。
【0065】
操作装置11は、図9に示すように、カメラ操作部85及び無線送信部86を有する。
【0066】
カメラ操作部85は、図9に示すように、無線送信部86及び電源95に接続される。カメラ操作部85は、操作によって、撮影開始指令(撮影開始信号)を無線送信部86に出力する。
【0067】
無線送信部86は、図9に示すように、カメラ操作部85及び電源95に接続される。無線送信部86は、カメラ操作部85から撮影開始指令(撮影開始信号)を入力すると、撮影開始指令を無線受信部65(カメラ9)に送信する。
【0068】
表示装置12は、図10に示すように、無線受信部90及び表示部91を有する。
【0069】
無線受信部90は、図10に示すように、表示部91及び電源97に接続される。無線受信部90は、無線送信部67からカメラ9の撮影した画像(ガス表示部57及びガス表示部57に表示されるガス濃度の画像データ、距離表示部6及び距離表示部60に表示される距離の画像データ)を入力すると、画像(画像データ)を表示部91に出力する。
無線受信部90は、無線送信部67(ガス検知器5)から画像(画像データ)を受信すると、画像データ(ガス表示部57及びガス表示部57に表示されるガス濃度の画像データ、距離表示部60及び距離表示部60に表示される距離の画像データ)を表示部に出力する。
【0070】
表示部91は、図10に示すように、例えば、液晶ディスプレイであって、無線受信部90及び電源97に接続される。表示部91は、無線受信部90から画像(ガス表示部57の画像、距離表示部60の画像)を入力すると、画像(ガス表示部57に表示されるガス濃度の画像データ、距離表示部60に表示される距離の画像データ)を表示する。
【0071】
次に、ガス検知システムにおける一連の処理工程について、図12乃至図16を参照して説明する。
【0072】
<停止飛行高度等決定工程:図16:ST10>
停止飛行高度等決定工程(図16:ST10)は、無人飛行体1(ガス検知装置X)を停止飛行させ高度H(飛行高度の値H)を、ガス検知前に、予め測定(検知)して決定する。
【0073】
ガス検知装置Xにおいて、検査対象面Fからのガス流出(ガス漏れ)を検査する者(以下、「検査者」という)は、図11に示すように、無人飛行体1を停止飛行させる飛行高度の値H(飛行高度)を測定(検出)して決定(設定)する。
【0074】
飛行高度の値H(飛行高度)は、図11に示すように、ガス検知に実際に用いるガス検知装置Xと、例えば、流速検知器101(流量検知器)を使用して測定(検知)する。
ガス検知装置Xは、図11に示すように、牽引部材39を回転体36に巻取って、支持体3、ガス検知ユニット4(ガス検知器5)、距離検知ユニット6(距離検知器7)、カメラユニット8及び水平維持装置10を各支持脚23,24の間に配置(位置)すると共に、巻揚本体35及び各支持脚23,24の各脚端面23A,24Aの間に配置(位置)する。ガス検知器5、距離検知器7及びカメラ9は、牽引部材39を回転体36に巻取った状態において、巻揚本体35(巻揚機2)及び各支持脚23,24の各脚端面23A,24Aの間の収納位置Pに配置(位置)される。収納位置Pは、機体15の機体中心線αの方向Aにおいて、ガス検知器5(距離検知器7)及び各支持脚23,24の脚端面23A,24Aの間にセンサー収納間隔εを隔て、カメラ9及び各支持脚23,24の脚端面23A,24Aの間のカメラ収納間隔γを隔てる位置である(以下、「収納位置P」という)。
【0075】
飛行高度の値H(飛行高度)の測定(検知)は、図11に示すように、無風状態の屋外又は屋内にて実施する。流速検知器101(流量検知器)は、無風状態の屋外又は屋内に設置される。流速検知器101は、無風状態の屋外又は屋内の地面G(床面)から高さLに設置される。高さLは、例えば、150cm(センチメートル)~200cm(センチメートル)の範囲の任意の一の高さである。
ガス検知装置Xは、牽引部材39を回転体36に巻取って、ガス検知器5、距離検知器7及びカメラ9を収納位置P1に配置し、無人飛行体1の各支持脚23,24の脚端面23A,24Aを地面G(床面)に当接して、無人飛行体1を無風状態の屋外又は屋内の地面G(床面)着陸させる。
【0076】
検査者は、図9に示すように、ガス検知装置Xにおいて、距離検知操作部83を操作して、距離検知開始指令(距離検知開始信号)を無線送信部84に出力する。
【0077】
無線送信部84は、図8及び図9に示すように、距離検知操作部83から距離検知開始指令を入力すると、距離検知開始指令を無線受信部58に送信する。
【0078】
無線受信部58は、図8に示すように、無線送信部84から距離検知開始指令を受信すると、距離検知開始指令を距離検知制御部59に出力する。
【0079】
距離検知制御部59は、図8に示すように、無線受信部58から距離検知開始指令を入力すうと、距離検知器7による距離の検知(測定)を開始させる。
【0080】
検査者は、図8及び図9に示すように、ガス検知装置Xにおいて、カメラ操作部85を操作して、撮影開始指令(撮影開始信号)を無線送信部86に出力する。
【0081】
無線送信部86は、図9に示すように、カメラ操作部85から撮影開始指令を入力すると、撮影開始指令を無線受信部65(カメラ9)に送信する。
【0082】
無線受信部65は、図9に示すよう、無線送信部86から撮影開始指令(撮影開始信号)を受信すると、撮影開始指令をカメラ制御部66に出力する。
【0083】
カメラ制御部66は、図8に示すように、無線受信部65から撮影開始指令を入力すると、カメラ9による撮影を開始させる。
【0084】
カメラ9は、図8に示すように、距離検知器7の距離表示部60,距離表示部60に表示される距離(距離データ)、ガス検知器5のガス表示部57を撮影して、画像データをカメラ制御部66に出力する。
【0085】
カメラ制御部66は、図8に示すように、カメラ9から画像データ(距離表示部60、距離表示部66に表示される距離データの画像データ)を入力すると、画像データを無線送信部67に出力する。
【0086】
無線送信部67は、図8及び図10に示すように、カメラ制御部66から画像データ(距離表示部60、距離表示部60に表示される距離データの画像データ)を入力すると、画像データを無線受信部90に送信する。
【0087】
無線受信部90は、図10に示すように、無線送信部67から画像データ(距離表示部60、距離表示部60に表示される距離データの画像データ)を受信すると、画像データを表示部91に出力する。
【0088】
表示部91は、図10に示すように、無線受信部90から画像データを入力すると、距離表示部60、距離表示部60に表示される距離データを表示する。
【0089】
検査者は、距離検知器7による検知(測定)を開始し、カメラ9の撮影を開始すると、図9に示すように、操縦レバー78(飛行操作部75)を操作して、上昇飛行指令(上昇飛行信号)を無線送信部76に出力する。
【0090】
無線送信部76は、図4及び図9に示すように、操縦レバー78から上昇飛行指令を入力すると、上昇飛行指令を無線受信部17に送信する。
【0091】
無線受信部17は、図4に示すように、無線送信部76から上昇飛行指令を受信すると、上昇飛行指令を機体制御部18に出力する。
【0092】
機体制御部18は、図4に示すように、無線受信部17から上昇飛行指令(上昇飛行信号)を入力すると、各ローターユニット16のローターモーター26(各回転翼25)の回転を制御して、無人飛行体1を地面Gから離陸して、上昇飛行させる。
【0093】
検査者は、無人飛行体1の上昇飛行において、表示部91に表示される距離(距離データ)を見つつ、流速検知器101(流量検知器)の測定(検知)する流速(流量)Vaが零(Va=0)となる、距離(距離データ)を確認する。距離検知器7の測定(検知)する距離(距離データ)は、無人飛行体1の飛行高度の値H(飛行高度)となる。
【0094】
流速検知器101(流量検知器)の測定(検知)する流速(流量)Va=0(零)となる、無人飛行体1の距離(飛行高度の値H)は、図11に示すように、無人飛行体1の各回転翼25の回転による下降気流DW(ダウンオウッシュ)の及ばない(各回転翼25の回転による下降気流の影響を受けない)距離(飛行高度の値H)である。
屋外又は屋内の地面G(床面)から飛行高度Hで停止飛行する無人飛行体1は、図11に示すように、無人飛行体1(各回転翼25)及び地面G(床面)の間に、各回転翼25の回転による下降気流の及ぶ領域AD(各回転翼25の回転による下降気流の影響を受ける領域)、及び各回転翼25の回転による下降気流の及ばない領域ND(各回転翼25の回転による下降気流の影響を受けない領域)を形成する。各回転翼25の回転による下降気流の及ばない領域(無気流領域)は、地面G(床面)から高さLの領域である。
飛行高度の値H(飛行高度データ)に基づいて、検知間隔W(検知距離)を決定(設定)する。検知間隔W(検知距離W)は、無気流領域NDの高さLより小さい間隔(短い距離)である。
【0095】
<ガス検知器取付工程:図16のST11>
ガス検知器取付工程(図16のST11)では、検査対象面Fから発生(流出)するガスに対応するガス検知器5を支持体3(支持基板51)に取付ける。
【0096】
ガス検知装置Xは、牽引部材39を回転体36に巻取って、ガス検知器5、距離検知器7及びカメラ9を収納位置Pに配置している。
【0097】
検査者は、図1及び図12に示すように、検査対象面Fから発生(流出)する可燃性ガスに対応する可燃性ガスセンサー5を支持体3(支持基板51)に取付ける。検査者は、検査対象面Fから発生(流出)する二酸化硫黄に対応する二酸化硫黄センサー5を支持体3(支持基板51)に取付ける。検査者は、検査対象面Fから発生(流出)する硫化水素に対応する硫化水素センサー5を支持体3(支持基板51)に取付ける。検査者は、検査対象面Fから発生(流出)する硫化水素に対応する硫化水素センサー5を支持体3(支持基板51)に取付ける。検査者は、検査対象面Fから発生(流出)する塩素ガスに対応する塩素ガスセンサー5を支持体3(支持基板51)に取付ける。
【0098】
<無人飛行体設置工程:図16のST12>
無人飛行体設置工程(図16のST12)では、無人飛行体1を離発着地点Dの地面Gに設置(着陸)させる。
【0099】
検査者は、図12に示すように、ガス検知センサー5を支持体3に取付けると、ガス検知装置X(無人飛行体1、巻揚機2、支持体3、ガス検知ユニット4、距離検知ユニット6、カメラユニット8及び水平維持装置10)を、検査対象面Fから離れた安全な離発着地点Dの地面Gに配置(設置)する。ガス検知装置Xは、図12に示すように、ガス検知器5、距離検知器7を離発着地点Dの地面Gに向けて、無人飛行体1の各支持脚23,24の脚端面23A,24Aを離発着地点Dの地面Gに当接して、無人飛行体1を離発着地点Dの地面Gに着陸させる。無人飛行体1は、各支持脚23,24の脚端面23A,24Aを離発着地点Dの地面Gに当接して、離発着地点Dの地面Gに着陸されて設置される。
【0100】
<移動飛行工程:図16のST13>
移動飛行工程(図16のST13)では、無人飛行体1を検査対象面Fの測定箇所の上空に移動飛行させる。
【0101】
検査者は、図9に示すように、操作装置11において、操縦レバー78(飛行操作部75)を操作して、移動飛行指令(移動飛行信号)を無線送信部76に出力する。操縦レバー78は、移動飛行操作(操作)に基づいて、移動飛行指令(移動飛行信号)を無線送信部76に出力する。
【0102】
無線送信部76は、図9に示すように、操縦レバー78(飛行操作部75)から移動飛行指令(移動飛行信号)を入力すると、移動飛行指令を無線受信部17(無人飛行体1)に送信する。
【0103】
無人飛行体1において、無線受信部17は、無線送信部76から移動飛行指令を受信すると、移動飛行指令を機体制御部18に出力する。
【0104】
機体制御部18は、図4に示すように、無線受信部17から移動飛行指令(移動飛行信号)を入力すると、各ローターユニット16のローターモーター26の回転(各回転翼25の回転)を制御して、無人飛行体1を離発着地点Dから離陸して、移動飛行(上昇飛行、下降飛行、前後左右移動、左移動、右移動)させる。
【0105】
検査者は、図13に示すように、操縦レバー78を操作(操縦)して、無人飛行体1(ガス検知装置X)を検査対象面Fの上空に移動飛行する。
【0106】
検査者は、図9に示すように、無人飛行体1(ガス検知装置X)を検査対象面Fの測定箇所F1の上空に移動飛行すると、操縦レバー78(飛行操作部75)を操作して、停止飛行指令(停止飛行信号)を無線送信部76に出力する。操縦レバー78は、停止飛行操作(操作)に基づいて、停止飛行指令(停止飛行信号)を無線送信部76に出力する。
【0107】
無線送信部76は、図9に示すように、操縦レバー78から停止飛行指令(停止飛行信号)を入力すると、停止飛行指令を無線受信部17(無人飛行体1)に送信する。
【0108】
無人飛行体1において、無線受信部17は、無線送信部76から停止飛行指令(停止飛行信号)を受信すると、停止飛行指令を機体制御部18に出力する。
【0109】
機体制御部18は、図4及び図13に示すように、無線受信部17から停止飛行指令を入力すると、各ローターユニット16のローターモーター26(各回転翼25)の回転を制御して、無人飛行体1を検査対象面Fの測定箇所F1の上空に停止飛行(ホバリング)させる。無人飛行体1は、ガス検知器5、距離検知器7を検査対象面Fに向けて停止飛行される。
【0110】
<停止飛行工程:図16のST14>
停止飛行工程(図16のST14)では、無人飛行体1を飛行高度Hにおいて、検査対象面Fの測定箇所の上空に停止飛行(ホバリング/ホバリング飛行)させる。
【0111】
検査者は、図9に示すように、操作装置11において、カメラ操作部85を操作して。撮影開始指令(撮影開始信号)を無線送信部86に出力する。
【0112】
無線送部86は、図9に示すように、カメラ操作部85から撮影開始指令(撮影開始信号)を入力すると、撮影開始指令(撮影開始信号)を無線受信部65(カメラ9)に送信する。
【0113】
無線受信部65は、図8に示すように、無線送信部86から撮影開始指令(撮影開始信号)を受信すると、撮影開始指令(撮影開始信号)をカメラ制御部66に出力する。
【0114】
カメラ制御部66は、図8に示すように、無線受信部65から撮影開始指令(撮影開始信号)を入力すると、カメラ9による撮影を開始させる。
【0115】
カメラ9は、図8に示すように、ガス検知器5のガス表示部57及びガス表示部57に表示されるガス濃度(ガス濃度データ)を撮影し、距離検知器7の距離表示部60及び距離表示部60に表示される距離(距離データ)を撮影して、画像データとしてカメラ制御部66に出力する。
【0116】
カメラ制御部66は、図8に示すように、カメラ9から画像データを入力すると、画像データを無線送信部67に出力する。
【0117】
無線送信部67は、図8に示すように、カメラ制御部66からカメラ9の撮影した画像データを入力すると、画像データを無線受信部90(表示装置12)に送信する。
【0118】
無線受信部90は、図10に示すように、無線送信部67からカメラ9の撮影した画像(画像データ)を入力すると、画像データを表示部91に出力する。
【0119】
表示部91は、図10に示すように、無線受信部90から画像データを入力すると、ガス表示部57、ガス表示部57に表示されるガス濃度(ガス濃度データ)、距離表示部60、距離表示部60に表示される距離(距離データ)を表示する。
【0120】
検査者は、図9に示すように、操作装置11において、距離検知操作部83を操作して、距離検知開始指令(距離検知開始信号)を無線送信部84に出力する。距離検知操作部83は、操作に基づいて、距離検知開始指令を無線送信部84に出力する。
【0121】
無線送信部84は、図8に示すように、距離検知操作部83から距離検知開始指令を入力すると、距離検知開始指令を無線受信部58(距離検知ユニット6)に送信する。
【0122】
距離検知ユニット6において、無線受信部58は、図8に示すように、無線送信部84から距離検知開始指令(距離検知開始信号)を受信すると、距離検知開始指令を距離検知制御部59に出力する。
【0123】
距離検知制御部59は、図8に示すように、無線受信部58から距離検知開始指令を入力すると、距離検知器7による距離の検知(測定)を開始させる。
【0124】
距離検知器7は、図8に示すように、検知(測定)する距離(距離データ)を距離表示部60に表示する。
【0125】
検査者は、図9に示すように、操縦レバー78を操作(下降飛行操作、上昇飛行操作)して、下降飛行指令又は上昇飛行指令を無線送信部76に出力する。
【0126】
無線送信部76は、図9に示すように、操縦レバー78から下降飛行指令又は上昇飛行指令を入力すると、下降飛行指令(下降飛行信号)又は上昇飛行指令(上昇飛行信号)を無線受信部17(無人飛行体1)に送信する。
【0127】
無人飛行体1において、無線受信部17は、図4に示すように、無線送信部76から下降飛行指令又は上昇飛行指令を受信すると、下降飛行指令又は上昇飛行指令を機体制御部18に出力する。
【0128】
機体制御部18は、図4及び図13に示すように、無線受信部17から下降飛行指令又は上昇飛行指令を入力すると、各ローターユニット16のローターモーター26(各回転翼25)の回転を制御して、無人飛行体1を検査対象面Fに対して上昇飛行又は下降飛行させる。
【0129】
検査者は、図9及び図13に示すように、操縦レバー78を操作(下降飛行操作、上昇飛行操作)して、無人飛行体1(ガス検知装置X)を検査対象面Fの上空で下降飛行又は上昇飛行させることで、無人飛行体1(ガス検知装置X)を飛行高度の値H(飛行高度データ)まで下降飛行又は上昇飛行させる。
検査者は、図10及び図13に示すように、表示部91に表示される距離データ(距離表示部60に表示される距離)を見つつ、操縦レバー78を下降飛行操作又は上昇飛行操作して、無人飛行体1を検査対象面Fに対して下降飛行又は上昇飛行して、表示部91の距離データが飛行高度の値H(飛行高度データ)であると、操縦レバー78を下降飛行操作(又は上昇飛行操作)から停止飛行操作して、停止飛行指令(停止飛行信号)を無線送信部76に出力する。
【0130】
無線送信部76は、図9に示すように、操縦レバー78から停止飛行指令(停止飛行信号)を入力すると、停止飛行指令を無線受信部17(無人飛行体1)に送信する。
【0131】
無線受信部17は、図4に示すように、無線送信部76から飛行停止指令を受信すると、停止飛行指令を機体制御部18に出力する。
【0132】
機体制御部18は、図4に示すように、無線受信部17から停止飛行指令(停止飛行信号)を入力すると、各ローターユニット16のローターモーター26(各回転翼25)の回転を制御して、無人飛行体1(ガス検知装置X)を検査対象面Fに対して飛行高度の値H(飛行高度H)に停止飛行(ホバリング)させる。無人飛行体1は、検査対象面F(測定箇所F1)の上空に飛行停止(ホバリング)される。
【0133】
停止飛行工程(図16のST14)において、無人飛行体1は、図13に示すように、各回転翼25(無人飛行体1)及び検査対象面Fの間に、各回転翼25の回転による下降気流の及ぶ領域AD(気流領域)、及び各回転翼25の回転による下降気流の及ばない領域ND(無気流領域)を形成する飛行高度Hにおいて、検査対象面Fの上空に停止飛行される。
【0134】
無人飛行体1(ガス検知装置X)を飛行高度H(飛行高度の値)で停止飛行すると、無人飛行体1は、図11及び図13に示すように、無人飛行体1(各回転翼25)及び検査対象面Fの間に、各回転翼25の回転による下降気流DWの及ぶ領域AD(気流領域)、及び各回転翼25の回転による下降気流DWの及ばない領域ND(無気流領域)を形成する。
【0135】
各回転翼25の回転による下降気流の及ぶ領域AD(各回転翼25の回転による下降気流の影響を受ける領域)は、図11及び図13に示すように、各回転翼25(無人飛行体1)及び検査対象面Fの間において、飛行高度の値Hから高さLを減算した領域に形成される。各回転翼25の回転よる下降気流の及ばない領域ND(各回転翼25の回転による下降気流DWの影響を受けない領域)は、各回転翼25及び検査対象面Fの間において、検査対象面Fから高さLの領域に形成される。各回転翼25の回転による下降気流DWの及ばない領域NDは、気流領域に連続して形成される。
【0136】
<ガス検知器下降工程:図16のST15>
ガス検知器下降工程(図16のST)では、無人飛行体1の停止飛行中に、牽引部材39を回転体36から繰り出して、ガス検知器5、距離検知器7及びカメラ9を無人飛行体1(巻揚機2)から無気流領域ND内(各回転翼25の回転による下降気流DWの及ばない領域内)に下降して、ガス検知器5を検査対象面Fの測定箇所の検知間隔W(検知距離)を隔てて対向配置する。
【0137】
検査者は、図9に示すように、無人飛行体1を飛行高度Hに停止飛行させると、巻取り操作部79を操作(繰り出し操作)して、繰り出し指令を無線送信部80に出力する。巻取り操作部79は、操作(繰り出し操作)に基づいて、繰り出し指令(繰り出し信号)を無線送信部80に出力する。
【0138】
無線送信部80は、図9に示すように、巻取り操作部79から繰り出し指令を入力すると、繰り出し指令(繰り出し信号)を無線受信部40(巻揚機2)に送信する。
【0139】
巻揚機2において、無線受信部40は、図6に示すように、無線送信部80から繰り出し指令を入力すると、繰り出し指令を巻揚げ制御部42に出力する。
【0140】
巻揚げ制御部42は、図6及び図14に示すように、無線受信部40から繰り出し指令(繰り出し信号)を入力すると、電動モーター38を駆動して、回転体36を回転(逆回転)して、牽引部材39を回転体36から繰り出す。回転体36に巻取られた牽引部材39は、回転体36の回転(逆回転)によって、回転体36から繰り出される。支持体3、ガス検知ユニット4(ガス検知器5)、距離検知ユニット6(距離検知器7)、カメラユニット8(カメラ9)及び水平維持装置10は、牽引部材39の繰り出しによって、停止飛行中の無人飛行体1(巻揚機2)から検査対象面Fの測定箇所F1に向けて下降される。
【0141】
巻揚げ制御部42は、図6に示すように、無線受信部40から繰り出し指令を入力すると、繰り出し量検知部41による繰り出し量の検出(測定)を開始する。繰り出し量検知部41は、回転体36から繰り出される牽引部材39の繰り出し量を検知(測定)して、繰り出し量信号(繰り出し量データ)を巻揚げ制御部42に出力する。
【0142】
検査者は、図14及び図15に示すように、表示部91に表示される距離データ(距離表示部60に表示される距離データの画像)を見つつ、表示部91に表示される距離データ(距離表示部60に表示される距離)が検知間隔Wになると、巻取り操作部79を停止操作して、停止指令(停止信号)を無線送信部80に出力する。
【0143】
無線送信部80は、図9に示すように、巻取り操作部79から停止指令(停止信号)を入力すると、停止指令(停止信号)を無線受信部40(巻揚機2)に送信する。
【0144】
無線受信部40は、図6に示すように、無線送信部80(操作装置11)から停止指令(停止信号)を受信すると、停止指令(繰り出し停止指令)を巻揚げ制御部42に出力する。
【0145】
巻揚げ制御部42は、図6に示すように、無線受信部40(操作装置11)から停止指令(停止信号)を入力すると、電動モーター38を停止して、牽引部材39の繰り出しを停止する。
これにより、ガス検知器5及び距離検知器7は、図14及び図15に示すように、牽引部材39の繰り出しによって、停止飛行中の無人飛行体1(巻揚機2)から無気流領域ND内(各回転翼25の回転による下降気流DWの及ばない領域内)に下降されて、検査対象面Fの測定箇所F1に検知間隔W(検知距離)を隔てて対向配置される。ガス検知器5及び距離検知器7は、無気流領域ND内において、検査対象面Fの測定箇所F1に検知間隔W(検知距離)を隔てて、検査対象面Fの測定箇所F1の上空に配置される。
カメラ9は、図14及び図15に示すように、牽引部材39の繰り出しによって、停止飛行中の無人飛行体1(巻揚機2)から無気流領域ND内(各回転翼25の回転による下降気流DWの及ばない領域内)に下降されて、検査対象面Fの測定箇所F1に間隔V(距離)を隔てて対向配置される。巻揚げ制御部42(巻取り制御部)は、繰り出し量検知部41から繰り出し量信号(繰り出し量データ)を入力して、電動モーター38の停止時の繰り出し量信号(牽引部材39の繰り出し停止時の繰り出し量信号)を繰り出し量データとして記憶部43に記憶する。
ガス検知器下降工程(図16のST15)において、巻揚機2は、図14及び図15に示すように、無人飛行体1の停止飛行中に、牽引部材39を回転体36から繰り出して、ガス検知器5を無気流領域ND内(各回転翼25の回転による下降気流DWの及ばない領域内)に下降して、ガス検知器5を検査対象面Fの測定箇所F1に検知間隔W(検知距離)を隔てて対向配置する。
巻揚機2は、無人飛行体1の停止飛行中に、牽引部材を繰り出して、無人飛行体1(回転翼25)及び検査対象面Fの測定箇所F1の間において、回転翼25の回転による下降気流DWが想定される領域ADを外れた位置(領域/回転翼の回転による下降気流DWの及ばない領域ND)にガス検知器5を降下して、ガス検知器5を検査対象面Fの測定箇所F1に検知間隔W(検知距離)を隔てて対向配置する。
【0146】
<ガス検知(測定)工程:図16のST16>
ガス検知(測定)工程(図16のST16)では、ガス検知器5によって、検査対象面Fの測定箇所F1から発生(流出)するガス(ガス濃度)を検知(測定)する。
【0147】
検査者は、図10に示すように、表示部91に表示される距離データ(距離表示部60に表示される距離データ)を見て、距離データが検知間隔W(検知距離)になると、ガス検知操作部81を操作して、ガス検知開始指令(ガス検知開始信号)を無線送信部82に出力する。ガス検知操作部81は、図9に示すように、操作に基づいて、ガス検知開始指令(ガス検知開始信号)を無線送信部82に出力する。
【0148】
無線送信部82は、図9に示すように、ガス検知操作部81からガス検知開始指令を入力すると、ガス検知開始指令(ガス検知開始信号)を無線受信部55(ガス検知器5)に送信する。
【0149】
ガス検知ユニット4において、無線受信部55は、図8に示すように、無線送信部82(操作装置11)からガス検知開始指令を受信すると、ガス検知開始指令(ガス検知開始指令)をガス検知制御部56に出力する。
【0150】
ガス検知制御部56は、図8に示すように、無線受信部55からガス検知開始指令(ガス検知開始信号)を入力すると、ガス検知器5によるガス検知(ガス濃度の検知)を開始させる。
【0151】
ガス検知器5は、図8に示すように、検査対象面Fの測定箇所F1から発生(流出)するガス(ガス濃度)を検知(測定)して、ガス濃度をガス表示部57に表示する。
【0152】
カメラ9は、図8に示すように、ガス検知器5のガス表示器57及びガス表示器57に表示されるガス濃度(ガス濃度データ)を撮影して、画像(画像データ)としてカメラ制御部66に出力する。
【0153】
カメラ制御部65は、図8に示すように、カメラ9の撮影した画像データ(ガス表示部57、及びガス表示部57に表示されるガス濃度の画像)を無線送信部67に出力する。
【0154】
無線送信部67は、図8に示すように、カメラ制御部66からカメラの撮影した画像データを入力すると、画像データを無線受信部90(表示装置12)に送信する。
【0155】
無線受信部90は、図8に示すように、無線送信部67からカメラ9の撮影した画像(ガス表示部57、ガス表示部57に表示されたガス濃度、距離表示部66、距離表示部60に表示される距離データの画像)を受信すると、画像データを表示部91に出力する。
【0156】
表示部91は、図10に示すように、無線受信部90からカメラ9の撮影した画像(ガス表示部57,ガス表示部57に表示されるガス濃度、距離表示部60,距離表示部60に表示される距離データの画像)を入力すると、カメラ9の撮影した画像(ガス表示部57及びガス表示部57に表示されるガス濃度の画像、距離表示部60及び距離表示部60に表示される距離データの画像)を表示する。
検査者は、表示部91に表示されるガス濃度を見ることで、検査対象面Fの測定箇所F1から発生(流出)するガス、及びガス濃度を認識できる。
【0157】
<ガス検知器上昇工程:図16のST17>
ガス検知器上昇工程(図16のST17)では、無人飛行体1の停止飛行中に、繰り出した牽引部材39を回転体36に巻取って、ガス検知器5、距離検知器7及びカメラ9を無気流領域ND内から無人飛行体1(収納位置P)まで上昇させる。
【0158】
検査者は、図9に示すように、表示部91に表示されるガス濃度を見て確認すると、巻取り操作部79を巻取り操作して、巻取り指令(巻取り信号)を無線送信部80に出力する。巻取り操作部79は、巻取り操作に基づいて、巻取り指令(巻取り信号)を無線送信部80に出力する。
【0159】
無線送信部80は、図9に示すように、巻取り操作部79から巻取り指令を入力すると、巻取り指令(巻取り信号)を無線受信部40(巻揚機2)に送信する。
【0160】
無線受信部40は、図6に示すように、無線送信部80から巻取り指令を受信すると、巻取り指令を巻揚げ制御部42に出力する。
【0161】
巻揚げ制御部42は、図6に示すように、無線受信部40から巻取り指令(巻取り信号)を入力すると、記憶部43から繰り出し量データを読み出す。
【0162】
巻揚げ制御部42は、図6に示すように、無線受信部40から巻取り指令を入力すると、繰り出し量検知部41による巻取り量の検知(測定)を開始する。
【0163】
繰り出し量検知部41は、図6に示すように、回転体36に巻取られる牽引部材39の巻取り量を検知(測定)して、巻取り量信号(巻取り量データ)を巻揚げ制御部42に出力する。
【0164】
巻揚げ制御部42は、図6及び図13に示すように、無線受信部40から巻取り指令(巻取り信号)を入力すると、電動モーター38を駆動して、回転体36を回転(正回転)して、繰り出した牽引部材39を回転体36に巻取る。繰り出された牽引部材39は、回転体36の回転(正回転)によって、回転体36に巻取られる。
支持体3、ガス検知ユニット4(ガス検知器5)、距離検知ユニット6(距離検知器7)、カメラユニット8(カメラ9)及び水平維持装置10は、図13及び図14に示すように、牽引部材39の巻取りによって、無気流領域ND内から無人飛行体1(収納位置P)に向けて上昇される。
【0165】
巻揚げ制御部42は、図6及び図13に示すように、繰り出し量検知部41から入力する巻取り量信号(巻取り量データ)が繰り出し量データになると、電動モーター38を停止して、牽引部材39の巻取りを停止する。
これにより、支持体3、ガス検知ユニット4(ガス検知器5)、距離検知ユニット6(距離検知器7)、カメラユニット8(カメラ9)及び水平維持装置10は、図1及び図13に示すように、牽引部材39の巻取りによって、無気流領域NDから収納位置P(停止飛行中の無人飛行体1の収納位置P)に上昇されて、収納位置Pに配置(位置)される。
ガス検知器上昇工程(図16:ST17)において、巻揚機2は、図13に示すように、無人飛行体1の停止飛行中に、繰り出した牽引部材39を回転体36に巻取って、ガス検知器5(距離検知器7、カメラ9等)を収納位置P1まで上昇して、収納位置Pに配置(位置)する。
【0166】
ガス検知装置Xでは、図16のST13~ST17を繰り返すことで、検査対象面Fの複数の測定箇所F1において、ガス検知器5によって各測定箇所F1から発生(流出)するガス(ガス濃度)を検知(測定)する。
【0167】
検査者は、図12に示すように、操縦レバー78を操作して、無人飛行体1を移動飛行することで、無人飛行体1を離発着地点D(地面G)に着陸させて、ガス検知を終了する。
【産業上の利用可能性】
【0168】
検査対象面から発生(流出)するガスを検知(測定)するのに最適である。
【符号の説明】
【0169】
X ガス検知装置
1 無人飛行体
2 巻揚機
5 ガス検知器
25 回転翼(プロペラ)
39 牽引部材
F 検査対象面
F1 測定箇所
AD 気流領域(領域)
ND 無気流領域(領域)
DW 下降気流
【要約】
【課題】 本発明は、無人飛行体の下降気流の影響を受けることなく、検査対象面から発生(流出)するガスを正確に検出(測定)できるガス検知装置を提供する。
【解決手段】 回転翼25の回転によって、移動飛行又は停止飛行される無人飛行体1と、無人飛行体1に配置され、牽引部材39を繰り出し及び巻き取る巻揚機2と、牽引部材39に取付けられ、検査対象面Fから発生するガスを検知するガス検知器5を備える。無人飛行体1は、無人飛行体1及び検査対象面Fの間に、回転翼25の回転による下降気流の及ばない無気流領域NDを形成する飛行高度において、検査対象面Fの上空に停止飛行される。巻揚機2は、無人飛行体1の停止飛行中に、牽引部材39を繰り出して、ガス検知器5を無気流領域ND内に下降して、検査対象面Fに検知間隔Wを隔てて対向配置する。
【選択図】 図14
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16