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特許7546989作業動画編集システム、動画編集プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】作業動画編集システム、動画編集プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/91 20060101AFI20240902BHJP
   H04N 5/92 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
H04N5/91
H04N5/92 010
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024024650
(22)【出願日】2024-02-21
【審査請求日】2024-02-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523011532
【氏名又は名称】エピソテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内藤 優太
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-155961(JP,A)
【文献】特開2017-046230(JP,A)
【文献】特開2017-135592(JP,A)
【文献】特開2007-323222(JP,A)
【文献】特開2008-171211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76 - 5/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め撮影された複数作業工程を一連の作業工程とした一つの作業動画ファイルを記憶する記憶部と、
前記記憶部で記憶処理した前記作業動画ファイルに基づいて作業動画を再生する再生部と、
前記再生部で再生処理した前記作業動画を含む作業動画編集画面を表示する表示部と、
前記表示部に表示した前記作業動画をオペレータが作業工程ごとに分割編集操作するための操作部と、
前記記憶・再生・表示の実行並びに前記操作部を用いた分割編集操作に応じた分割編集処理の実行を制御する制御部と、
を備えた動画編集端末を用いた作業動画編集システムであって、
前記表示部は、
前記作業動画編集画面の一部として区画されて前記作業動画を表示する作業動画表示画面部と、
前記作業動画表示画面部の側方に区画されて一つ以上の分割作業情報枠を表示する分割作業情報表示画面部と、
前記作業動画表示画面部の下方に区画されて前記作業動画の総時間枠を表示するとともに当該総時間枠に対する再生開始から現在再生時間までの案分に応じた再生進行位置をレベル表示するレベル表示画面部と、
オペレータによる前記分割編集操作に供する複数の分割編集用アイコンを表示するアイコン表示画面部と、
を備え、
前記制御部は、
オペレータが前記作業動画を視認しつつ前記複数の分割編集用アイコンのうちの分割開始位置指定アイコンを指定操作するごとに前記作業動画を分割すると同時に、前記レベル表示画面部に分割位置を示す分割開始位置識別アイコンを表示し、
オペレータが前記作業動画の分割を終了したとして前記複数の分割編集用アイコンのうちの保存アイコンを指定操作した際には、分割開始指定される毎を分割区間とした複数の作業動画ファイルを時系列に識別及び再生可能となるように紐付けした新たな一連の作業動画ファイルであるマニュアルデータを作成して、作成した前記マニュアルデータを前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする作業動画編集システム。
【請求項2】
請求項1に記載の作業動画編集システムにおいて、
前記表示部は、
オペレータによって前記分割開始位置指定アイコンが指定操作されたことを契機として、前記作業動画編集画面での前記作業動画の表示が停止されるとともに前記作業動画編集画面から表示切替されて、オペレータによる前記操作部の操作によって作業タイトルの入力を受け付けるためのタイトル入力画面をさらに備え、
前記分割作業情報枠は、
オペレータによって前記分割開始位置指定アイコンが指定操作された際の再生時間と、
前記タイトル入力画面で入力された作業タイトルと、
を備える、
ことを特徴とする作業動画編集システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の作業動画編集システムにおいて、
前記操作部は、
前後に指定された分割開始位置を一つの分割区間として、当該分割区間の分割開始位置の変更又は削除、当該分割区間の再分割、当該分割区間の削除又は前記再分割後の何れか一方の削除、作業タイトルの変更、をオペレータによる編集操作として許容するための一つ以上のアイコンをさらに含む、
ことを特徴とする作業動画編集システム。
【請求項4】
予め撮影された複数作業工程を一連の作業工程とした一つの作業動画ファイルを記憶部に記憶処理する記憶機能と、
前記記憶部で記憶処理した前記作業動画ファイルに基づいて作業動画を再生部で再生処理する再生機能と、
前記再生部で再生処理した前記作業動画を含む作業動画編集画面を表示部に表示処理する表示機能と、
前記表示部に表示した前記作業動画をオペレータによる操作部の操作に応じて作業工程ごとに分割編集操作処理するための操作機能と、
前記各機能の実行並びに前記操作部を用いた分割編集操作に応じた分割編集処理の実行を制御部で制御する制御機能と、
をコンピュータ機能を備えた動画編集端末に実行させるための動画編集プログラムであって、
前記制御部は、
前記作業動画編集画面の一部として区画された作業動画表示画面部に前記作業動画を表示する作業動画表示機能と、
前記作業動画表示画面部の側方に区画された分割作業情報表示画面部に一つ以上の分割作業情報枠を表示する分割作業情報表示機能と、
前記作業動画表示画面部の下方に区画されたレベル表示画面部に前記作業動画の総時間枠を表示するとともに当該総時間枠に対する再生開始から現在再生時間までの案分に応じた再生進行位置をレベル表示するレベル表示機能と、
オペレータによる前記分割編集操作に供する複数の分割編集用アイコンをアイコン表示画面部に表示するアイコン表示機能と、
を実行するとともに、
オペレータが前記作業動画を視認しつつ前記複数の分割編集用アイコンのうちの分割開始位置指定アイコンを指定操作するごとに前記作業動画の分割処理を実行すると同時に、前記レベル表示画面部に分割位置を示す分割開始位置識別アイコンの表示処理を実行し、
さらに、オペレータが前記作業動画の分割を終了したとして前記複数の分割編集用アイコンのうちの保存アイコンを指定操作した際には、分割開始指定される毎を分割区間とした複数の作業動画ファイルを時系列に識別及び再生可能となるように紐付けした新たな一連の作業動画ファイルであるマニュアルデータの作成処理を実行して、作成した前記マニュアルデータを前記記憶部へ記憶する記憶処理を実行する、
ことを特徴とする動画編集プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載の動画編集プログラムが記録されており、コンピュータ機能を備えた動画編集端末により読み取りが可能であることを特徴とする記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業動画編集システム、動画編集プログラム及び記録媒体に係わり、特に、予め撮影された複数作業工程を一連の作業工程とした一つの作業動画ファイルを分割するための作業動画編集システム、動画編集プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、予め撮影された長尺(長時間)の動画データに基づいて、当該動画データを短い時間に編集するとともに、必要に応じてテロップやワイプ等の追加、音声やBGMの追加、様々な形態の編集を可能とした動画編集システムがが知られている(例えば、特許文献1~特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-098752号公報
【文献】特開2010-178010号公報
【文献】特許5517532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した作業動画編集システムにあっては、既存の動画編集のように、一連の動画データのうちの必要区間を開始・終了地点を指定して必要な動画区間としたうえで、他の編集(テロップ・BGM等)を追加するといった作業を行うものであった。
【0005】
したがって、例えば、工場等における一連の作業や、料理等における一連の作業など、撮影時にはそのまま継続して作業を行い、研修等のために各自が一連若しくは必要な作業部分のみ視聴したいという場合に、その必要な区間の開始・終了地点を指定していたのでは、例えば、前区間の終了地点と次区間の開始地点とが同じ場合、その指定が困難であるなど、必要以上に複雑な作業を強いられてしまうという問題が生じていた。
【0006】
一方、一連の作業工程を教育等のためのサンプル動画として撮影する場合、無駄なく作業を区切って行うことができれば、編集作業は不要となるものの、撮影の開始・停止のための機材操作或いは指示を行ったとしても、その部分が余分な動画として残ってしまうため、結果的に何らかの編集作業が必要となってしまうという問題も生じる。
【0007】
そこで、本願発明者等は、その一連の作業を撮影し、その動画データに対して作業工程の開始位置のみを指定すれば、工程の終了位置を特定せずとも、サンプル動画を工程ごとに分割して作成すること、換言すれば、暗黙知状態から簡単に形式知化することを目的とした動画マニュアル作成ツールとすることにより、簡素な編集作業を実現することができるとの考えに至った。
【0008】
本発明の目的は、一連の作業を録画した動画データの全体を工程ごとに容易に複数に分割することができ、しかも、分割した動画データを時系列に保存することができる作業動画編集システム、動画編集プログラム及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本願発明の作業動画編集システムは、予め撮影された複数作業工程を一連の作業工程とした一つの作業動画ファイルを記憶する記憶部と、前記記憶部で記憶処理した前記作業動画ファイルに基づいて作業動画を再生する再生部と、前記再生部で再生処理した前記作業動画を含む作業動画編集画面を表示する表示部と、前記表示部に表示した前記作業動画をオペレータが作業工程ごとに分割編集操作するための操作部と、前記記憶・再生・表示の実行並びに前記操作部を用いた分割編集操作に応じた分割編集処理の実行を制御する制御部と、を備えた動画編集端末を用いた作業動画編集システムであって、前記表示部は、前記作業動画編集画面の一部として区画されて前記作業動画を表示する作業動画表示画面部と、前記作業動画表示画面部の側方に区画されて一つ以上の分割作業情報枠を表示する分割作業情報表示画面部と、前記作業動画表示画面部の下方に区画されて前記作業動画の総時間枠を表示するとともに当該総時間枠に対する再生開始から現在再生時間までの案分に応じた再生進行位置をレベル表示するレベル表示画面部と、オペレータによる前記分割編集操作に供する複数の分割編集用アイコンを表示するアイコン表示画面部と、を備え、前記制御部は、オペレータが前記作業動画を視認しつつ前記複数の分割編集用アイコンのうちの分割開始位置指定アイコンを指定操作するごとに前記作業動画を分割すると同時に、前記レベル表示画面部に分割位置を示す分割開始位置識別アイコンを表示し、オペレータが前記作業動画の分割を終了したとして前記複数の分割編集用アイコンのうちの保存アイコンを指定操作した際には、分割開始指定される毎を分割区間とした複数の作業動画ファイルを時系列に識別及び再生可能となるように紐付けしたマニュアルデータを作成して、新たな一連の作業動画ファイルとして前記記憶部に記憶する、ことを特徴とする。
【0010】
また、本願発明の動画編集プログラムは、予め撮影された複数作業工程を一連の作業工程とした一つの作業動画ファイルを記憶部に記憶処理する記憶機能と、前記記憶部で記憶処理した前記作業動画ファイルに基づいて作業動画を再生部で再生処理する再生機能と、前記再生部で再生処理した前記作業動画を含む作業動画編集画面を表示部に表示処理する表示機能と、前記表示部に表示した前記作業動画をオペレータによる操作部の操作に応じて作業工程ごとに分割編集操作処理するための操作機能と、前記各機能の実行並びに前記操作部を用いた分割編集操作に応じた分割編集処理の実行を制御部で制御する制御機能と、をコンピュータ機能を備えた動画編集端末に実行させるための動画編集プログラムであって、前記制御部は、前記作業動画編集画面の一部として区画された作業動画表示画面部に前記作業動画を表示する作業動画表示機能と、前記作業動画表示画面部の側方に区画された分割作業情報表示画面部に一つ以上の分割作業情報枠を表示する分割作業情報表示機能と、前記作業動画表示画面部の下方に区画されたレベル表示画面部に前記作業動画の総時間枠を表示するとともに当該総時間枠に対する再生開始から現在再生時間までの案分に応じた再生進行位置をレベル表示するレベル表示機能と、オペレータによる前記分割編集操作に供する複数の分割編集用アイコンをアイコン表示画面部に表示するアイコン表示機能と、を実行するとともに、オペレータが前記作業動画を視認しつつ前記複数の分割編集用アイコンのうちの分割開始位置指定アイコンを指定操作するごとに前記作業動画の分割処理を実行すると同時に、前記レベル表示画面部に分割位置を示す分割開始位置識別アイコンの表示処理を実行し、さらに、オペレータが前記作業動画の分割を終了したとして前記複数の分割編集用アイコンのうちの保存アイコンを指定操作した際には、分割開始指定される毎を分割区間とした複数の作業動画ファイルを時系列に識別及び再生可能となるように紐付けしたマニュアルデータの作成処理を実行して、新たな一連の作業動画ファイルとして前記記憶部への記憶処理を実行する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、一連の作業を録画した動画データの全体を工程ごとに容易に複数に分割することができ、しかも、分割した動画データを時系列に保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の作業動画編集システムの一例を示し、(A)は作業動画編集システムのブロック図、(B)は表示画面による作業動画編集画面の表示例を示す説明図、(C)は表示画面によるタイトル入力画面の表示例を示す説明図、である。
図2】本発明の作業動画編集システムの一例を示し、複数の分割開始位置を指定した状態の作業動画編集画面の表示例を示す説明図である。
図3】本発明の作業動画編集システムの一例を示し、一連の作業動画に対する分割位置の指定が終了した状態の作業動画編集画面の表示例を示す説明図である。
図4】本発明の作業動画編集システムの一例を示し、再編集作業時における作業動画編集画面の表示例を示す説明図である。
図5】本発明の作業動画編集システムの一例を示し、再分割した状態の作業動画編集画面の表示例を示す説明図である。
図6】本発明の作業動画編集システムの一例を示し、制御部で実行する処理ルーチンの一例のフロー図である。
図7】本発明の作業動画編集システムの一例を示し、再生画面の一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の一実施形態に係る作業動画編集システムについて、図面を参照して説明する。
【0014】
図1(A)において、作業動画編集システム1は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ機能を備えた動画編集端末2を用いている。なお、動画編集端末2は、例えば、デスクトップ型やノート型などのパーソナルコンピュータ(以下、単に「PC」と略称する場合もある。)に加え、タブレット端末やスマートフォン(以下、単に「スマホ」と略称する場合もある。)等での利用が可能である。また、スマホには、PCと同期させたスマーホ(以下、「PC/s同期のスマホ」と略称する場合もある。)でもよい。
【0015】
動画編集端末2は、電気通信回線を通じてクラウド3との通信を可能とする通信部4と、オペレーティングシステム(以下、単に「OS」と略称する。)や各種アプリケーション(以下、単に「アプリ」と略称する。)等を記憶した記憶部5、図示を略すキーボード・マウス・タッチパネルといった操作部6、動画を再生する再生部7、再生した動画を表示する表示部8、記憶部5に記憶したOSやアプリのプログラムに従って通信部4・記憶部5・操作部6・再生部7・表示部8を制御する制御部9、を備える。
【0016】
クラウド3には、予め撮影された複数作業工程を一連の作業工程とした作業動画ファイルが格納されている。
【0017】
通信部4は、クラウド3に格納されている作業動画ファイルから、オペレータが操作部6を操作して選択した一つの作業動画ファイルを電気通信回線を通じてダウンロードするようになっている。
【0018】
記憶部5は、通信部4を介してクラウド3からダウンロードした一つの作業動画ファイルを記憶するようになっている。なお、記憶部5は、OS等を記憶したROM形式の記憶部と作業動画ファイル等を記憶するRAM形式の記憶部とを含み、別途、クラウド3や可搬式メモリ(USBメモリやSDカードメモリなど)を利用することができる。したがって、制御部9は、これら各種の記憶媒体を対象として、予め撮影された複数作業工程を一連の作業工程とした一つの作業動画ファイルを記憶部5に記憶処理する記憶機能を実行するものである。
【0019】
なお、このクラウド3の利用は必須ではなく、例えば、ビデオカメラ(図示せず)で撮影した作業動画の作業動画ファイルを動画編集端末2の記憶部5に複写(又は移動)させてもよい。同様に、作業動画端末2をスマホ又はタブレット端末とした場合、その撮影機能を利用して作業等がを撮影し、その作業動画ファイルをそのまま利用してもよい。
【0020】
再生部7は、記憶部5に記憶した作業動画ファイルに基づいて作業動画を再生する。表示部8は、再生部7で再生処理した作業動画を画面表示する。
【0021】
操作部6は、表示部8に表示した作業動画をオペレータが作業工程ごとに分割編集操作するための機能を具備しており、動画編集端末2の種類等に応じて、適宜、図示を略すキーボード・マウス・タッチパネルを含むものである。
【0022】
制御部9は、記憶部5に記憶したOSやアプリのプログラムに従って通信部4・記憶部5・操作部6・再生部7・表示部8を制御する他、これらを本実施の形態に係る動画編集プログラムに従って制御する。したがって、記憶部5には、予め動画編集プログラムを利用するためのアプリケーションがインストールされ、これによって記憶・再生・表示の実行並びに操作部6を用いた分割編集操作に応じた分割編集処理の実行を制御部9で制御するようになっている。
【0023】
一方、表示部8には、タッチパネル方式を含む液晶表示パネルを用いるのが好ましい。また、表示部8の表示画面80は、図1(B)に示す作業動画編集画面と、図1(C)に示すタイトル入力画面とに切り替えられるようになっている。
【0024】
図1(B)に示す作業動画編集画面は、その一部として区画されて作業動画を表示する作業動画表示画面部81と、作業動画表示画面部81の側方に区画されて一つ以上の分割作業情報枠82a,82b・・を表示する分割作業情報表示画面部82と、作業動画表示画面部81の下方に区画されて作業動画の総時間枠83aを表示するとともに当該総時間枠83aに対する再生開始から現在再生時間までの案分に応じた再生進行位置をレベル表示するレベル表示画面部83と、オペレータによる分割編集操作に供する複数の分割編集用アイコン(後述する)を表示するアイコン表示画面部84と、を備える。
【0025】
分割作業情報枠82a,82b・・は、詳細には後述するが、オペレータが分割開始指定の操作をするごとに増えるようになっている。
【0026】
最上段の分割作業情報枠82aは、分割開始指定を実行する前から表示されるようになっている。この分割作業情報枠82aには、当該枠の対象となる動画の開始時間、すなわち、動画再生時間(「00:00」)85a、作業タイトル(例えば、仮のタイトルとして「1st Step」)85bに加え、次に分割開始指定が実行されるまで、すなわち、当該枠の対象区間に対する作業動画ファイル(データ)を後述するマニュアルデータの作成対象外とする旨を指定する対象外指定アイコン85c、作業タイトルを変更するためにタイトル入力画面に切り替えるタイトル入力アイコン85d、が表示されている。
【0027】
次段(以降)の分割作業情報枠82b(図2図5に示す分割作業情報枠82c~82h)には、当該区画の動画再生時間85a、作業タイトル85b、対象外指定アイコン85c、タイトル入力アイコン85d、に加え、分割開始指定を取り消すための取り消しアイコン85e、が表示されている。
【0028】
なお、分割区間の数が多くなり分割作業情報枠82a,82b・・の表示数が増え、分割作業情報表示画面部82の表示区画内に収まりきらない分割作業情報枠82a,82b・・が存在している場合(若しくはその直前等)には、必要に応じて表示領域を移動する縦スクロールバー82jが表示される(図3図5参照)。
【0029】
アイコン表示画面部84は、オペレータによる分割編集操作に供する複数の分割編集用アイコンとして作業動画編集画面の適宜位置に配置されている。ここでは、作業動画表示画面部81を全画面表示に切り替える全画面表示アイコン84aと、保存アイコン84b、一時保存アイコン84c、分割開始位置指定アイコン84d、再生進行時間/全体時間表示アイコン84e、先送りアイコン84f、後戻りアイコン84g、再生速度UPアイコン84h、再生速度DOWNアイコン84i、再生速度表示アイコン84j、再生・停止指定アイコン84k、画面回転アイコン84m、分割開始位置識別アイコン84n、を含んでいる。
【0030】
なお、以下の説明において、オペレータによる上記各種のアイコン等の指定操作には、操作部6としてのマウスを用い、マウスポインタ86(図1(b)及び図4にのみ図示)を合わせてマウスクリックする場合のほか、タッチパネル方式の画面のタップ操作等を含ませることができるが、以下の説明においては、便宜上マウスを用いる場合として説明する。同様に、文字入力等の場合においても、操作部6としてのキーボードを用いた場合で説明する。また、以下の説明においては、単に「オペレータによる(又は「によって」)指定操作」及び「オペレータによる(又は「によって」)入力操作」が実行されるものとして表現し、操作部6並びにその具体的な機器や手法等の表現は、特に必要な場合を除いて省略する。また、オペレータによる「指定操作」及び「入力操作」の少なくとも何れか一方を含む場合に「編集操作」として総称する場合もある。
【0031】
全画面アイコン84aは、オペレータによる指定操作によって全画面表示に切り替えた際には、図示を略す縮小画面表示アイコンが表示され、切り替えが可能となっている。
【0032】
保存アイコン84bは、一連の一つの作業動画ファイルに対する分割に関する作業が終了した場合に、各分割動画が一連の一つの作業動画として活用可能なマニュアルデータを作成したうえで、そのファイルを記憶部5に記憶する際にオペレータによって指定操作される。
【0033】
一時保存アイコン84cは、例えば、一連の一つの作業動画ファイルに対する分割に関する作業が途中である場合に、その状態の一時保存作業動画ファイルを作成したうえで、そのファイルを記憶部5に記憶する際にオペレータによって指定操作される。
【0034】
分割開始位置指定アイコン84dは、オペレータが作業動画を視認しつつ、次の作業が開始されると判断した際にオペレータによって指定操作される。
【0035】
再生進行時間/全体時間表示アイコン84eは、現在再生中の動画の進行時間と全体の動画時間との割合を時間(数字)で表示するものである。そこで、アイコン機能を具備させることにより、例えば、進行時間をオペレータによって入力操作(数字入力)、若しくはマウスホイールのロール機能を利用することで、その指定した時間の再生へと飛ばすことができる。
【0036】
先送りアイコン84fは、現在再生中の動画の再生時間を所定時間(例えば、1秒)だけ先送りする際にオペレータによって指定操作される。
【0037】
後戻りアイコン84g、現在再生中の動画の再生時間を所定時間(例えば、1秒)だけ後戻りする際にオペレータによって指定操作される。
【0038】
再生速度UPアイコン84hは、現在再生中の再生速度(標準で等倍速)に対して、例えば、0.5倍単位で早くする場合に、その都度オペレータによって指定操作される(例えば、最大8倍速)。
【0039】
再生速度DOWNアイコン84iは、現在再生中の再生速度(標準で等倍速)に対して、例えば、0.25倍単位で遅くする場合に、その都度オペレータによって指定操作される(例えば、最大0.25倍速)。
【0040】
再生速度表示アイコン84jは、現在再生中の動画の再生速度を表示するものである。そこで、アイコン機能を具備させることにより、例えば、再生倍速をオペレータによって入力操作(数字入力)、若しくはマウスホイールのロール機能を利用することで、その指定した速度での再生へと変更することができる。
【0041】
再生・停止指定アイコン84kは、動画の再生中は三角マーク(図1図3、及び図5参照)、動画の停止中は縦二本線マーク(図4参照)で認識可能に表示されている。
【0042】
画面回転アイコン84mは、現在作業動画表示画面部81で表示中の動画を、例えば、図示例の横長・縦長へと時計回り方向に90°回転させるもので、その都度(計4回で元に戻る)オペレータによって指定操作される。
【0043】
分割開始位置識別アイコン84nは、オペレータによって分割開始位置指定アイコン84dが指定操作されるごとに、総時間枠83aと重なってその位置を認識することができるように表示され、後述するように分割開始位置の変更等の際にオペレータによって指定操作されるアイコン機能を具備している。
【0044】
図1(C)に示すように、表示部8の表示画面80がタイトル入力画面となっている場合、その画面上には、作業タイトルのテキスト入力枠86a、入力完了の際にオペレータによって指定操作されるOKアイコン86b、入力をキャンセル(結果的に開始指定をキャンセル)する際にオペレータによって指定操作されるCancelアイコン86c、が表示される。
【0045】
なお、このタイトル入力画面は、オペレータによって分割開始位置指定アイコン84dが指定操作された際に、分割開始位置識別アイコン84nの追加表示と同時に動画の再生が停止(以下、この停止状態を「再生停止」とも称する。)されたうえで、画面表示が切り替えられる。また、オペレータによってタイトル入力アイコン85dが指定操作された場合においても、再生停止されたうえで、画面表示が切り替えられる。
【0046】
これにより、制御部9は、オペレータが作業動画を視認しつつ複数の分割編集用アイコンのうちの分割開始位置指定アイコン84dが指定操作されるごとに作業動画を分割すると同時に、レベル表示画面部83に分割位置を示す分割開始位置識別アイコン84nを表示するように、再生部7及び表示部8を制御する。
【0047】
さらに、制御部9は、作業動画の分割編集が終了したとしてオペレータによって複数の分割編集用アイコンのうちの保存アイコン84bが指定操作された際には、分割開始指定されるごとを分割区間とした複数の作業動画ファイルを時系列に識別及び再生可能となるように紐付けしたマニュアルデータを作成して、新たな一連の作業動画ファイルとして記憶部5に記憶するよう制御する。
【0048】
次に、図1乃至図5を参照しつつ、オペレータによる分割編集操作の一例を説明する。
【0049】
まず、オペレータが分割編集操作対象となる作業動画ファイルを指定すると、現在作業動画表示画面部81に対象動画の再生が開始される。
【0050】
この際、動画の再生開始直後は、撮影開始(撮影ボタン押下)から実際の作業開始に至るまでの準備段階等の映像が撮影されている場合が多く、作業マニュアル用の動画としても不要とする場合が多い。
【0051】
そこで、図1(B)に示すように、分割作業情報表示画面部82には、再生開始当初から分割作業情報枠82aが表示される。ここで、動画再生時間85aには時間「00:00」、作業タイトル85bには、仮のタイトルとして「1st Step」が表示されている。
【0052】
なお、この区間(後に、最初の分割開始位置指定アイコン84dが指定操作されるまでの動画区間)は不要とする場合が多いものの、この区間を必要動画として含ませるか否かをオペレータが選択できるよう、対象外指定アイコン85c及びタイトル入力アイコン85dが利用可能となっている。
【0053】
一方、この分割作業情報枠82aにおいては、動画再生時間85aが時間「00:00」であることから、分割開始指定を取り消すための取り消しアイコン85eは利用する可能性がないために表示されていない。
【0054】
そして、オペレータによって分割開始位置指定アイコン84dが指定操作されると、再生停止(縦二本線マークに切り替え表示)すると同時に、総時間枠83aと重なるとともに当該操作時の時間と一致する位置に分割開始位置指定アイコン84dが表示され、図1(C)に示すように、表示画面80がタイトル入力画面に切り替えられる。なお、再生停止及び分割開始位置指定アイコン84dの表示は、制御部9によるタイトル入力画面への切り替えが略同時に実行されるため、肉眼視できるとは限らない。
【0055】
次に、オペレータは、キーボード等の操作部6を用いて作業タイトル(例えば、「工具を取る」)を入力した後にOKアイコン86bを指定操作すると、図1(B)に示す表示状態へと復帰する。
【0056】
分割作業情報表示画面部82には、分割作業情報枠82aに加え、その下段に分割作業情報枠82bが表示される。ここで、に分割作業情報枠82bの動画再生時間85aには時間「00:13」、作業タイトル85bには、タイトルとして「工具を取る」が表示されている。なお、オペレータによってOKアイコン86bが指定操作されると、作業動画編集画面に切り替えられるが、動画の再生については、再生・停止指定アイコン84kの縦二本線マークの指定操作によって再生を再開(三角マークに表示切替)してもよいし、画面切り替えと同時に再生を開始しても良い。
【0057】
以下、オペレータは、動画を再生しつつ適宜分割操作を繰り返すことにより、例えば、図2に示すように、その都度、順次分割開始位置識別アイコン84nが追加表示されるとともに、分割作業情報枠82c,82d・・が下段に追加表示される。
【0058】
そして、動画を最後まで視聴して開始位置の指定が終了した際、例えば、図3に示すように、動画の最終部分においては、動画の開始部分と同様に実際の作業が終了してから撮影終了(撮影ボタン押下)までの区間がマニュアル動画としては不要である場合が多い。
【0059】
このため、オペレータは、作業内容に変えて不要区間である旨を認識するためのテキスト、例えば、「不要部分」と入力しておく。
【0060】
そこで、オペレータは、この区間に対する分割作業情報枠82gの対象外指定アイコン85cを指定操作することで分割作業のマニュアル動画の対象から外すことができる。同様に、分割作業情報枠82aについても対象外指定アイコン85cを指定操作することで分割作業のマニュアル動画の対象から外すことができる。
【0061】
なお、この対象外指定アイコン85cが指定操作された場合、対象となる分割作業情報枠82aや分割作業情報枠82gは、その表示状態(背景)が他の枠よりも暗くなる等に表示切替することも可能である。
【0062】
また、複数に分割した任意の区間を再生したい場合には、図4に示すように、その区間に対応する枠、例えば、分割作業情報枠82g又は対応する分割開始位置識別アイコン84nを指定操作すると、その区間の再生が開始される。
【0063】
なお、再生中の区間がどの作業に該当するのかを認識し易くするため、分割作業情報枠82gや分割開始位置識別アイコン84nの枠を他の枠よりも太く表示する、枠の色を他の枠と変える、点滅表示する、などの切り替えも可能である。さらに、レベル表示画面部83は指定された区間のみを対象としてレベル表示することも可能である。
【0064】
また、マウスを操作してマウスポインタ86をレベル表示画面部83に合わせ、クリック指定又はドラッグ移動することで再生位置の指定又は変更をすることも可能である。
【0065】
そして、この再生中に、オペレータによって分割開始位置指定アイコン84dが指定操作されると、この区間が再分割される。
【0066】
これにより、上述したテキスト入力等の分割操作の実行が可能となり、図5に示すように、新たな分割作業情報枠82hを分割作業情報枠82dと分割作業情報枠82eとの間に追加することができる。
【0067】
そして、これら分割編集操作(並びに分割再編集操作)が完了すると、オペレータによって保存アイコン84bを指定操作することで、分割された複数の作業動画ファイルを時系列に識別及び再生可能となるように紐付けしたマニュアルデータが作成される。
【0068】
次に、上述した分割編集作業における制御部9の制御例を、図6のフロー図に基づいて説明する。なお、各ステップの説明において、オペレータによる操作は、テキスト入力操作の場合を除き、単にアイコン指定の有無を判定するトリガーとして説明する。また、以下に示す制御部9による制御対象は、主としたものを例示するものであり、限定的な制御対象とするものではない。
【0069】
(ステップS1)
ステップS1において、制御部9は、オペレータの操作部6の操作に応じて、例えば、通信部4を制御してクラウド3から対象動画をダウンロードするとともに、その作業動画ファイルを記憶部5に記憶し、ステップS2へと以降する。
【0070】
(ステップS2)
ステップS2において、制御部9は、再生部7及び表示部8を制御して、オペレータによる分割編集操作に供する複数の分割編集用アイコン(アイコン84a~84n等)をアイコン表示画面部84に表示するアイコン表示機能を実行しつつ、表示部8の作業動画表示画面部81に作業動画の再生(及び表示)を開始すると同時に、分割作業情報枠82aの表示を展開、並びに、レベル表示画面部83のレベル表示と再生進行時間/全体時間表示アイコン84eの起動を開始し、ステップS3へと移行する。
【0071】
(ステップS3)
ステップS3において、制御部9は、動画再生等を継続しつつ、分割開始位置指定アイコン84dの指定操作があったかを判定する。制御部9は、分割開始位置指定アイコン84dの指定操作があったと判定した場合(Yes)にはステップS4へと移行する。制御部9は、分割開始位置指定アイコン84dの指定操作があったと判定しなかった場合(No)には引き続きこのステップS3のルーチンを継続する。
【0072】
(ステップS4)
ステップS4において、制御部9は、再生部7を制御して動画を再生停止すると同時に、表示部8を制御して再生・停止指定アイコン再生84kの表示を三角マークから縦二本線マークへの切り替え表示並びに分割開始位置識別アイコン84nを表示させ、ステップS5へと移行する。
【0073】
(ステップS5)
ステップS5において、制御部9は、表示部8を制御して表示画面80の表示を作業動画編集画面からタイトル入力画面へと切り替え、ステップS6へと移行する。
【0074】
(ステップS6)
ステップS6において、制御部9は、テキスト入力枠86aの入力如何に拘わらず、Cancelアイコン86cが指定操作されたかを判定する。制御部9は、Cancelアイコン86cが指定操作されたと判定した場合(Yes)には、ステップS7へと移行する。制御部9は、Cancelアイコン86cが指定操作されたと判定しなかった場合(No)には、ステップS8へと移行する。
【0075】
(ステップS7)
ステップS7において、制御部9は、表示部8を制御して、テキスト入力枠86aに何らかのテキスト入力があった場合には、その入力を消去したうえで表示画面80の表示をタイトル入力画面から作業動画編集画面へと切り替え復帰させる。これと同時に、制御部9は、表示部8を制御して、分割開始位置識別アイコン84n並びに分割作業情報枠82(タイミングに応じた任意の枠)の表示を消去したうえで、再生部7を制御して動画再生を再開し、ステップS3へとループする。
【0076】
(ステップS8)
ステップS8において、制御部9は、OKアイコン86bが指定操作されたかが判定される。制御部9は、OKアイコン86bが指定操作されたかと判定した場合(Yes)にはステップS9へと移行する。制御部9は、OKアイコン86bが指定操作されたと判定しなかった場合(No)には、引き続きこのルーチンを監視(テキスト入力待ち)する。
【0077】
(ステップS9)
ステップS9において、制御部9は、表示部8を制御して分割作業情報枠82(タイミングに応じた任意の枠)に対して、入力された作業タイトルのテキスト(入力無しの場合は空欄)等を展開するとともに、再生部7を制御して動画再生を再開(又は待機)し、ステップS10へと移行する。
【0078】
(ステップS10)
ステップS10において、制御部9は、動画の再生が終了したかが判定される。制御部9は、動画の再生が終了したと判定した場合(Yes)には、再生部7を制御して動画の再生を停止させ、ステップS11へと移行する。制御部9は、動画の再生が終了したと判定しなかった場合(No)には、再生部7を制御して引き続き動画の再生を継続するとともにこのルーチンの監視を継続する。
【0079】
(ステップS11)
ステップS11において、制御部9は、何らかのアイコン指定操作等によって編集操作がなされたかが判定される。制御部9は、何らかのアイコン指定操作等によって編集操作がなされたと判定した場合(Yes)には、ステップS12へと移行する。制御部9は、何らかのアイコン指定操作等によって編集操作がなされたと判定しなかった場合(No)には、ステップS13へと移行する。
【0080】
(ステップS12)
ステップS12において、制御部9は、ステップS11において何らかのアイコン指定操作等がなされたため、当該編集操作の実行を許容するとともに、再生部7や表示部8等の制御を実行し、ステップS9へとループする。
【0081】
なお、ここでのオペレータによる編集操作には、例えば、操作部6を操作して、前後に指定された分割開始位置を一つの分割区間として、当該分割区間の分割開始位置の変更(例えば、分割開始位置識別アイコン84nの移動等)又は削除(取り消しアイコン85eの指定操作)、当該分割区間の再分割(分割開始位置識別アイコン84nの追加指定操作等)、当該分割開始区間の削除(対象外指定アイコン85cの指定操作)又は再分割後の何れか一方の削除(対象外指定アイコン85cの指定操作)、作業タイトルの変更、一時保存(一時保存アイコン84cの指定操作)等を許容する。
【0082】
(ステップS13)
ステップS13において、制御部9は、保存アイコン84bが指定操作されたかが判定される。制御部9は、保存アイコン84bが指定操作されたと判定した場合(Yes)には、ステップS14へと移行する。制御部9は、保存アイコン84bが指定操作されたと判定しなかった場合(No)には、ステップS11へとループしてこのルーチンを監視する。
【0083】
(ステップS14)
ステップS14において、制御部9は、分割開始指定されるごとを分割区間とした複数の作業動画ファイルを時系列に識別及び再生可能となるように紐付けしたマニュアルデータを作成して、新たな一連の作業動画ファイルとして記憶部5に記憶するよう制御し、このルーチンを終了する。
【0084】
このように、制御部9は、例えば、記憶部5に記憶された動画編集プログラムにしたがって、予め撮影された複数作業工程を一連の作業工程とした一つの作業動画ファイルを記憶部5に記憶処理する記憶機能と、記憶部5で記憶処理した作業動画ファイルに基づいて作業動画を再生部7で再生処理する再生機能(ステップS2,ステップS9等)と、再生部7で再生処理した作業動画を含む作業動画編集画面を表示部8に表示処理する表示機能(ステップS2,ステップS9等)と、表示部8に表示した作業動画をオペレータによる操作部6の操作に応じて作業工程ごとに分割編集操作処理するための操作機能(ステップS3,ステップS11等)と、各機能の実行並びに操作部6を用いた分割編集操作に応じた分割編集処理の実行を制御部9で制御する制御機能(ステップS5,ステップS8等)と、をコンピュータ機能を備えた動画編集端末2に実行させる。
【0085】
また、制御部9は、例えば、記憶部5に記憶された動画編集プログラムにしたがって、
作業動画編集画面の一部として区画された作業動画表示画面部81に作業動画を表示する作業動画表示機能(ステップS2等)と、作業動画表示画面部81の側方に区画された分割作業情報表示画面部82に一つ以上の分割作業情報枠82a,82b・・を表示する分割作業情報表示機能(ステップS9)と、作業動画表示画面部81の下方に区画されたレベル表示画面部83に作業動画の総時間枠83aを表示するとともに当該総時間枠83aに対する再生開始から現在再生時間までの案分に応じた再生進行位置をレベル表示するレベル表示機能(ステップS2等)と、オペレータによる分割編集操作に供する複数の分割編集用アイコンをアイコン表示画面部84に表示するアイコン表示機能(ステップS2等)と、を実行する。
【0086】
さらに、制御部9は、オペレータが作業動画を視認しつつ複数の分割編集用アイコンのうちの分割開始位置指定アイコン84dを指定操作するごとに作業動画の分割処理を実行する(ステップS3でYes)と同時に、レベル表示画面部83に分割位置を示す分割開始位置識別アイコン84nの表示処理を実行し(ステップS4)、さらに、オペレータが作業動画の分割を終了したとして複数の分割編集用アイコンのうちの保存アイコン84bを指定操作した際には、分割開始指定されるごとを分割区間とした複数の作業動画ファイルを時系列に識別及び再生可能となるように紐付けしたマニュアルデータの作成処理を実行して(ステップS14)、新たな一連の作業動画ファイルとして記憶部5への記憶処理を実行する(ステップS14)。
【0087】
一方、このようにマニュアルデータ化された新たな一連の作業動画ファイルは、図7に示すスマホ90等によって再生が可能である。
【0088】
スマホ90の表示画面91には、作業動画表示画面部92、作業動画の総時間枠93aを含むレベル表示画面部93、マニュアル化の際に必要とされた時系列の分割作業ごとの分割作業情報枠94a,94b・・94e、再生選択された工程の全行程分の再生程を認識するための分数字95、が表示される。
【0089】
従って、作業者は、再生したい作業工程を分割作業情報枠94a,94b・・94eから選択指定するだけで、所望の動画を再生することができる。
【0090】
このように、本実施の形態に係る作業動画編集システム1においては、既存の動画編集ソフトを用いた場合のように一連の動画データのうちの必要区間に対して分割開始点と分割終了点とを指定する、といった手間は必要としないことを特徴としている。
【0091】
すなわち、作業工程分割に特化した動画編集機能を具備することにより、オペレータは、動画を再生しつつ、各作業工程の開始タイミング(作業分割タイミング)でアイコン指定操作により分割点を指定し、対応する作業タイトルを入力する。そして、一通りの分割作業を行った後、保存アイコン84bを指定操作するだけで作業工程毎に分割された動画マニュアルを完成させることができる。
【0092】
したがって、各作業工程毎に動画が分割、ならびに各作業にタイトルが割り振られるため、振り返り時に書門情報を得るための時間を要しない。また、各作業工程の動画は自動でリピート再生することを可能とすることにより、利用者が実際の作業中に動画再生等の操作を最低限とすることができ、作業しながらの作業動画の観覧も効率的に行うことができる。
【0093】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0094】
(1)不要区間の編集を再生時に含ませる
一般に、一連の作業工程を教育等のためにサンプル動画として撮影した場合、無駄なく作業を行うことができれば、その作業工程の開始位置のみを指定すれば、作業工程の終了位置を特定せずとも、サンプル動画を作業工程ごとに分割して作成することができる。
【0095】
一方、例えば、作業工程で使用する素材(工具・部品・食材など)を間違えたために適正な素材に交換したというように、不測に作業工程として不要となる部分が撮影されていることもある。
【0096】
同様に、複数の同一若しくは類似の作業工程の繰り返し、例えば、タイヤ4本に対する同一作業や魚の両面の鱗取りといった類似作業のように、タイヤ3本分の離脱作業や魚の片面の鱗取りといった作業はマニュアル化することなく省略したい(不要となる)場合もある。
【0097】
そこで、このような不要となる部分が予めわかっている場合、前の作業工程の終わり、或いは、次の作業工程の開始前に残ってしまうのは好ましくない。
【0098】
したがって、このような不要部分(不要区間)の開始位置を通常の分割開始位置の指定と同様に指定すれば、次の作業工程の動画として残したい部分の開始位置までの区間を予め不要区間とすることができる。
【0099】
(2)不要区間の自動削除
タイトル入力画面でタイトルを入力する際、不要区間の場合には、オペレータがどの区間を不要としたかを認識するために、タイトル欄には『削除』『不要』『不必要』等の文字をテキスト入力するようになっている。したがって、このような不要に関するテキスト入力があった場合、制御部の文字認識機能によって、当該区間に対するデリートコマンドとして受け付けるようにしてもよい。これにより、当該区間に対して対象外指定アイコン85cを指定操作しなくても、自動的に削除対象とすることが可能となる。
【0100】
(3)割り込み操作
上述した分割編集操作において、オペレータによる一時保存アイコン84c、対象外指定アイコン85c、タイトル入力アイコン85d、取り消しアイコン85e、の各指定操作は、再生途中に割り込みの分割編集操作として用いてもよい。
【0101】
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明した。しかしながら、本発明の技術的思想の範囲は、ここで説明した実施の形態に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想の範囲内において、様々な変更や修正、組み合わせなどを行うことに想到できることは明らかである。したがって、これらの変更や修正、組み合わせなどの技術も、当然に本発明の技術的思想の範囲に属するものである。
【0102】
なお、以上において、図1(A)の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0103】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0104】
1 作業動画編集システム
2 動画編集端末
3 クラウド(記憶部)
4 通信部
5 記憶部
6 操作部(マウス・キーボード・タッチパネル)
7 再生部
8 表示部
9 制御部
81 作業動画表示画面部
82 分割作業情報表示画面部
82a 分割作業情報枠
82b 分割作業情報枠
83 レベル表示画面部
83a 総時間枠83a
84 アイコン表示画面部
84b 保存アイコン
84c 一時保存アイコン
84d 分割開始位置指定アイコン
84n 分割開始位置識別アイコン
【要約】
【課題】一連の作業を録画した動画データの全体を作業工程ごとに容易に複数に分割することができ、しかも、分割した動画データを時系列に保存することができる。
【解決手段】作業動画を表示する作業動画表示画面部81と、分割作業情報枠82a,82bを表示する分割作業情報表示画面部82と、作業動画の総時間枠83aを含むレベル表示画面部83と、複数の分割編集用アイコンを表示するアイコン表示画面部84と、を備え、制御部9は、分割開始位置指定アイコン84dが操作されるごとに作業動画を分割すると同時に、レベル表示画面部83に分割位置を示す分割開始位置識別アイコン84nを表示し、保存アイコンが指定操作された際には、分割開始指定されるごとを分割区間とした複数の作業動画ファイルを時系列に識別及び再生可能となるように紐付けしたマニュアルデータを作成し、新たな一連の作業動画ファイルとして記憶部5に記憶する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7