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特許7546998トレーサビリティ管理サーバ、トレーサビリティ管理方法及びトレーサビリティ管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】トレーサビリティ管理サーバ、トレーサビリティ管理方法及びトレーサビリティ管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240902BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024079206
(22)【出願日】2024-05-15
【審査請求日】2024-05-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523412452
【氏名又は名称】クレアトゥラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザッカリー トーマス ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】服部 倫康
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-134563(JP,A)
【文献】特開2013-196253(JP,A)
【文献】特開2019-008758(JP,A)
【文献】特開2024-007612(JP,A)
【文献】特開2009-020679(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0024553(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2023-0046017(KR,A)
【文献】『J-クレジットにおいて「水稲栽培における中干し期間の延長」が新たな方法論として承諾されました!』(インターネット),農林水産省,日本,2023年03月01日,<インターネット:URL: https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/b_kankyo/230301.html><検索日:2024年5月29日検索>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体クレジットを第1の単位量毎に細分した1以上の第1の単位量クレジットをそれぞれ識別する1以上の第1の単位量IDを含む全体クレジットデータを取得し、
個別クレジットデータであって、
前記全体クレジットに対応する1以上の個別クレジットであって、前記1以上の個別クレジットの総量は前記全体クレジットの量と等しい、1以上の個別クレジットと、
各個別クレジットを創出した創出源を識別する創出源IDと、
各創出源で各個別クレジットを創出するために実施されたアクティビティと、
が紐づけられた個別クレジットデータを取得する
データ取得部と、
各第1の単位量クレジットを前記第1の単位量より小さい第2の単位量毎に細分した複数の第2の単位量クレジットをそれぞれ識別する複数の第2の単位量IDを、各第1の単位量クレジットを識別する各第1の単位量IDに紐づけ、
各個別クレジットと総量が等しい一部の第2の単位量クレジットをそれぞれ識別する一部の第2の単位量IDに、当該個別クレジットを創出した創出源を識別する創出源IDを紐づけ、
各創出源IDに、当該創出源IDにより識別される創出源で実施されたアクティビティを紐づけることにより、
前記1以上の第1の単位量IDそれぞれに対して、前記複数の第2の単位量ID、前記1以上の創出源ID及びアクティビティの組を紐づけたトレーサビリティデータを生成し、記録媒体に記録する
トレーサビリティデータ生成部と、
前記トレーサビリティデータに基づき、前記第2の単位量IDに紐づけられた創出源IDにより識別される創出源を示す情報と、当該創出源で実施されたアクティビティとをGUI画面上で表示することにより、
前記全体クレジットのトレーサビリティを前記第2の単位量単位で見せるとともに、どの創出源で創出されたクレジットを購入するか又はどのようなアクティビティにより創出されたクレジットを購入するかを、需要者が前記第2の単位量単位で選別することを可能にする
トレーサビリティデータ提示部と、
を具備するトレーサビリティ管理サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載のトレーサビリティ管理サーバであって、
前記データ取得部は、さらに、
前記全体クレジットの少なくとも一部を購入した購入者を識別する購入者IDと、前記購入者の購入クレジットとが紐づけられた購入者データを取得し、
前記トレーサビリティデータ生成部は、
前記購入クレジットと総量が等しい一部の第2の単位量クレジットをそれぞれ識別する一部の第2の単位量IDに、当該購入クレジットを購入した購入者を識別する購入者IDをさらに紐づけることにより、前記記録媒体に記録された前記トレーサビリティデータを更新し、
前記トレーサビリティデータ提示部は、
前記トレーサビリティデータに基づき、各購入者を識別する購入者IDが紐づけられた前記第2の単位量IDに紐づけられた創出源IDにより識別される創出源を示す情報と、当該創出源で実施されたアクティビティとをGUI画面上で表示することにより、
各購入者がどの創出源で創出されたクレジットを購入したか又はどのようなアクティビティにより創出されたクレジットを購入したかを、前記第2の単位量単位で示す購入履歴を公開する
トレーサビリティ管理サーバ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のトレーサビリティ管理サーバであって、
前記トレーサビリティデータ提示部は、
地図画像から抽出された複数の創出源のエリアをそれぞれ示す関心領域を、前記地図画像上で前記複数の創出源のエリアに重畳表示し、
前記トレーサビリティデータにおける各創出源IDとアクティビティとの紐づけに基づいて、前記複数の創出源でそれぞれ実施されたアクティビティを、前記地図画像上に表示することにより、
前記創出源のエリアを示す関心領域と、前記創出源で実施されたアクティビティとを前記地図画像上で閲覧可能に表示する
トレーサビリティ管理サーバ。
【請求項4】
請求項に記載のトレーサビリティ管理サーバであって、
前記1以上の創出源は、複数の圃場であり、
前記アクティビティは、中干期間延長アクティビティであり、
前記関心領域は、圃場を示すポリゴンであり、
前記トレーサビリティデータ提示部は、前記複数の圃場をそれぞれ示すポリゴンと、当該複数の圃場でそれぞれ実施された中干期間延長アクティビティとを、前記複数の圃場を示す地図画像上で閲覧可能に提示する
トレーサビリティ管理サーバ。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のトレーサビリティ管理サーバであって、
前記全体クレジットはCO2e(トン)で表現され、
前記第1の単位量は1トンであり、
前記第2の単位量は1kg以下である
トレーサビリティ管理サーバ。
【請求項6】
トレーサビリティ管理サーバのコンピュータが、トレーサビリティ管理プログラムを実行することにより、
全体クレジットを第1の単位量毎に細分した1以上の第1の単位量クレジットをそれぞれ識別する1以上の第1の単位量IDを含む全体クレジットデータを取得するステップと、
個別クレジットデータであって、
前記全体クレジットに対応する1以上の個別クレジットであって、前記1以上の個別クレジットの総量は前記全体クレジットの量と等しい、1以上の個別クレジットと、
各個別クレジットを創出した創出源を識別する創出源IDと、
各創出源で各個別クレジットを創出するために実施されたアクティビティと、
が紐づけられた個別クレジットデータを取得するステップと、
各第1の単位量クレジットを前記第1の単位量より小さい第2の単位量毎に細分した複数の第2の単位量クレジットをそれぞれ識別する複数の第2の単位量IDを、各第1の単位量クレジットを識別する各第1の単位量IDに紐づけ、
各個別クレジットと総量が等しい一部の第2の単位量クレジットをそれぞれ識別する一部の第2の単位量IDに、当該個別クレジットを創出した創出源を識別する創出源IDを紐づけ
各創出源IDに、当該創出源IDにより識別される創出源で実施されたアクティビティを紐づけることにより、
前記1以上の第1の単位量IDそれぞれに対して、前記複数の第2の単位量ID、前記1以上の創出源ID及びアクティビティの組を紐づけたトレーサビリティデータを生成し、記録媒体に記録するステップと、
前記トレーサビリティデータに基づき、前記第2の単位量IDに紐づけられた創出源IDにより識別される創出源を示す情報と、当該創出源で実施されたアクティビティとをGUI画面上で表示することにより、前記全体クレジットのトレーサビリティを前記第2の単位量単位で見せるとともに、どの創出源で創出されたクレジットを購入するか又はどのようなアクティビティにより創出されたクレジットを購入するかを、需要者が前記第2の単位量単位で選別することを可能にするステップと、
を実行するトレーサビリティ管理方法。
【請求項7】
トレーサビリティ管理サーバのコンピュータを、
全体クレジットを第1の単位量毎に細分した1以上の第1の単位量クレジットをそれぞれ識別する1以上の第1の単位量IDを含む全体クレジットデータを取得し、
個別クレジットデータであって、
前記全体クレジットに対応する1以上の個別クレジットであって、前記1以上の個別クレジットの総量は前記全体クレジットの量と等しい、1以上の個別クレジットと、
各個別クレジットを創出した創出源を識別する創出源IDと、
各創出源で各個別クレジットを創出するために実施されたアクティビティと、
が紐づけられた個別クレジットデータを取得する
データ取得部と、
各第1の単位量クレジットを前記第1の単位量より小さい第2の単位量毎に細分した複数の第2の単位量クレジットをそれぞれ識別する複数の第2の単位量IDを、各第1の単位量クレジットを識別する各第1の単位量IDに紐づけ、
各個別クレジットと総量が等しい一部の第2の単位量クレジットをそれぞれ識別する一部の第2の単位量IDに、当該個別クレジットを創出した創出源を識別する創出源IDを紐づけ
各創出源IDに、当該創出源IDにより識別される創出源で実施されたアクティビティを紐づけることにより、
前記1以上の第1の単位量IDそれぞれに対して、前記複数の第2の単位量ID、前記1以上の創出源ID及びアクティビティの組を紐づけたトレーサビリティデータを生成し、記録媒体に記録する
トレーサビリティデータ生成部と、
前記トレーサビリティデータに基づき、前記第2の単位量IDに紐づけられた創出源IDにより識別される創出源を示す情報と、当該創出源で実施されたアクティビティとをGUI画面上で表示することにより、
前記全体クレジットのトレーサビリティを前記第2の単位量単位で見せるとともに、どの創出源で創出されたクレジットを購入するか又はどのようなアクティビティにより創出されたクレジットを購入するかを、需要者が前記第2の単位量単位で選別することを可能にする
トレーサビリティデータ提示部
として動作させるトレーサビリティ管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カーボンクレジットのトレーサビリティ管理サーバ、トレーサビリティ管理方法、トレーサビリティ管理プログラム及び非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーボンクレジットが広がりつつある。カーボンクレジットの仕組みによれば、事業者(クレジット創出者)が温室効果ガスの排出削減又は吸収量の増加につながるプロジェクトを実施することでクレジットを創出する。一方、企業や地方自治体、個人(クレジット購入者)は創出されたクレジットを購入しカーボンオフセットや法令対応等の用途に活用する。
【0003】
カーボンクレジットは、温室効果ガス排出量が多い従来手法から、温室効果ガス排出量が少ない手法への移行へのインセンティブを促すための主要な経済的ツールである。カーボンクレジットの取引を有効に行うためには、そのカーボンクレジットの信頼性が高く、市場価値を持つ必要がある(特許文献1)。市場価値を持つカーボンクレジットの一例として、日本では、国がクレジットを認証するJ-クレジット制度が存在する。
【0004】
J-クレジット等のカーボンクレジット制度には、「プログラム型プロジェクト」がある(https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/kankyou_keizai/japancredit/pdf/220428_tyuusyoukigyou_r1.pdf)。プログラム型プロジェクトでは、農家、個人、中小企業等の小規模な削減活動が取り纏められ1件のプロジェクトとして登録される。プログラム型プロジェクトの運営管理者が、一括して、プログラム型プロジェクトの登録申請、モニタリング報告、認証申請等を行う。また、二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)制度等では、複数の圃場を集めたプロジェクト型プロジェクトで水田のメタン削減の事業を推進する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第7460228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の各プロジェクトでは、複数の圃場の一括申請という性質により、クレジット購入検討者やクレジット購入者が、自身が購入するクレジットの創出源を知ることが出来ない。さらに、クレジット購入者(企業)の顧客等が、クレジット購入者(企業)が購入するクレジットの創出源を知ることが出来ない。また、クレジット創出者が、自身が創出したクレジットの販売先を知ることが出来ない。即ち、創出源毎のクレジットのトレーサビリティが得られない。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本開示の目的は、クレジットのトレーサビリティを管理することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一形態に係るトレーサビリティ管理サーバは、
全体クレジットを第1の単位量毎に細分した1以上の第1の単位量クレジットをそれぞれ識別する1以上の第1の単位量IDを含む全体クレジットデータと、
前記全体クレジットを構成する1以上の個別クレジットと、前記1以上の個別クレジットをそれぞれ創出した1以上の創出源を識別する1以上の創出源IDとが紐づけられた個別クレジットデータと
を取得するデータ取得部と、
各第1の単位量クレジットを前記第1の単位量より小さい第2の単位量毎に細分した複数の第2の単位量クレジットをそれぞれ識別する複数の第2の単位量IDを、各第1の単位量クレジットを識別する各第1の単位量IDに紐づけ、
各個別クレジットと総量が等しい一部の第2の単位量クレジットをそれぞれ識別する一部の第2の単位量IDに、当該個別クレジットを創出した創出源を識別する創出源IDを紐づけることにより、
前記1以上の第1の単位量IDそれぞれに対して、前記複数の第2の単位量ID及び前記1以上の創出源IDの組を紐づけたトレーサビリティデータを生成するトレーサビリティデータ生成部と
を具備する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、クレジットのトレーサビリティを管理することができる。
【0010】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の概要を示す。
図2】本実施形態のトレーサビリティ管理サーバの機能的構成を示す。
図3】トレーサビリティ管理サーバの動作フローを示す。
図4】トレーサビリティ管理サーバが管理するデータを示す。
図5】プロジェクト参加者のGHG削減活動を表す細分化されたデジタルMRVデータのトラッキングを示す。
図6】個々のプロジェクト参加者に起因するGHG排出削減量のトラッキングを示す。
図7】カーボンクレジットの創出源へのトレーサビリティを示す。
図8】デジタルMRVデータへの連続的なドリルダウンを可能にするGUI画面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0013】
1.トレーサビリティ管理サーバの機能的構成
【0014】
図1は、本実施形態の概要を示す。図2は、本実施形態のトレーサビリティ管理サーバの機能的構成を示す。
【0015】
トレーサビリティ管理サーバ1は、トレーサビリティ管理サーバ1のコンピュータがトレーサビリティ管理プログラムを実行することにより、データ取得部101、トレーサビリティデータ生成部102及びトレーサビリティデータ提示部103として動作する。
【0016】
本実施形態では、カーボンクレジットのプロジェクトの方法論として、「水稲栽培における中干期間」の延長を一例として説明する。しかしながら、カーボンクレジットのプロジェクトの方法論は限定されない。省エネルギー、再生可能エネルギー、工業プロセス、農業、廃棄物、森林等の分野のあらゆる方法論(https://japancredit.go.jp/about/methodology/)を適用可能である。
【0017】
カーボンクレジット制度の一例としてJ-クレジット制度がある。J-クレジット制度では、水稲栽培における中干し期間の延長が特定の条件を満たすと、事業主(例えば、稲作農家)に対してクレジットを認証する(https://japancredit.go.jp/pdf/methodology/AG-005_v1.0.pdf)。具体的には、水稲栽培において、中干しの期間を、プロジェクト実施水田におけるプロジェクト実施前の直近2か年以上の実施日数の平均より7日間以上延長すると、クレジット適用が認証され得る。クレジット適用が認証された場合、ベースライン排出量(排水期間を延長しなかった場合に想定される排出量)に対する、プロジェクト実施後(排水期間を延長した場合に想定される排出量)の排出量の差分に基づき、クレジットの価値が算出される。
【0018】
2.トレーサビリティ管理サーバの動作フロー
【0019】
図3は、トレーサビリティ管理サーバの動作フローを示す。
【0020】
前提として、クレジット申請者11(プロジェクトの運営管理者)に、クレジット発行者12(例えば、クレジット制度事業事務局)から、クレジット(以下、「全体クレジット」と称する)が発行される。本明細書において、全体クレジットとは、1件のプロジェクトに対して発行されるクレジットの総量である。クレジット申請者11は、トレーサビリティ管理サーバ1の運営事業者と同一でもよいし、異なってもよい。プロジェクトでは、農家等の小規模な削減活動が取り纏められ1件のプロジェクトとして登録される。プロジェクトのクレジット申請時、クレジット申請者11は、様々な地域の複数の農家や複数の圃場のCO2e量(二酸化炭素換算量)を区別可能に申請するのではなく、様々な地域の全農家や全圃場の総CO2e量に基づきクレジットをクレジット発行者12に対して申請する。
【0021】
トレーサビリティ管理サーバ1のデータ取得部101は、全体クレジットデータ200と、個別クレジットデータ300とを取得する(ステップS1、ステップS2)。
【0022】
図4は、トレーサビリティ管理サーバが管理するデータを示す。
【0023】
全体クレジットデータ200は、1件のプロジェクトに対してクレジット申請者11により申請され、クレジット発行者12より発行された全体クレジット203の総量を示す。クレジット申請者11は、申請者ID201により識別される。1件のプロジェクトは、プロジェクトID202により識別される。即ち、全体クレジットデータ200は、申請者ID201及びプロジェクトID202の組み合わせ毎のデータである。全体クレジット203はトンで表現されるCO2e量である。全体クレジット203は、第1の単位量毎に細分される。第1の単位量は、全体クレジット203の単位(トン)により表現される基準量であり、即ち、第1の単位量=1トンである。第1の単位量のクレジット、即ち、1トンのCO2eを「第1の単位量クレジット」と称する。全体クレジットデータ200は、1以上(典型的には複数)の第1の単位量ID204を含む。1以上の第1の単位量ID204は、1以上の第1の単位量クレジット(1トンのCO2e)をそれぞれ識別する。例えば、全体クレジット203が3トンである場合、全体クレジットデータ200は、1トン目の第1の単位量クレジット(第1の単位量ID204Aにより識別される)と、2トン目の第1の単位量クレジット(第1の単位量ID204Bにより識別される)と、3トン目の第1の単位量クレジット(第1の単位量ID204Cにより識別される)との集合を示す。
【0024】
個別クレジットデータ300は、1件の全体クレジットデータ200に対応し、申請者ID201及びプロジェクトID202の組み合わせ毎のデータである。個別クレジットデータ300は、個別クレジット301と、創出源ID302と、アクティビティ303とが紐づけられる。個別クレジット301は、全体クレジット203を構成する1以上(典型的には複数)の個別クレジット301であり、1件のプロジェクトを構成する複数の小プロジェクトで創出されたクレジットである。例えば、全体クレジット203が3トンである場合、個別クレジットデータ300は、1.8トンの個別クレジット301Aと、1.2トンの個別クレジット301Bとを含む。1以上の創出源ID302は、1以上の個別クレジット301をそれぞれ創出した1以上の創出源13を識別する。例えば、創出源13は、圃場、地方自治体、農家(団体や個人)等でよい。創出源13が圃場である場合、創出源ID302は地番でよい。アクティビティ303は、1以上の創出源13それぞれで1以上の個別クレジット301を創出するために実施された具体的なアクティビティを示し、例えば、中干期間延長アクティビティを示す。中干期間の判定は、圃場毎に衛星データにより行えばよい。
【0025】
本例では、個別クレジットデータ300において、創出源13Aを識別する創出源ID302Aと、創出源13Aで創出された個別クレジット301A(1.8トン)と、創出源13Aで実施されたアクティビティ303Aが紐づけられる。創出源13Bを識別する創出源ID302Bと、創出源13Bで創出された個別クレジット301B(1.2トン)と、創出源13Bで実施されたアクティビティ303Bが紐づけられる。
【0026】
クレジット申請者11がトレーサビリティ管理サーバ1の運営事業者と異なる場合、トレーサビリティ管理サーバ1は、クレジット申請者11から全体クレジットデータ200及び個別クレジットデータ300を取得すればよい。一方、クレジット申請者11がトレーサビリティ管理サーバ1の運営事業者と同じである場合、トレーサビリティ管理サーバ1は、クレジット申請者11から個別クレジットデータ300を取得し、クレジット発行者12から発行された全体クレジットデータ200を取得すればよい。
【0027】
トレーサビリティ管理サーバ1のトレーサビリティデータ生成部102は、トレーサビリティデータ400を生成し、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する(ステップS3)。トレーサビリティデータ400は、1件の全体クレジットデータ200に対応し、申請者ID201及びプロジェクトID202の組み合わせ毎のデータである。トレーサビリティデータ400は、対応する全体クレジットデータ200及び個別クレジットデータ300を関連付け、さらに、個別クレジットデータ300を細分したデータである。
【0028】
トレーサビリティデータ生成部102は、各第1の単位量クレジット(1トンのCO2e)を第2の単位量毎に細分した複数の第2の単位量クレジットをそれぞれ識別する複数の第2の単位量ID401を、各第1の単位量ID204に紐づける。各第1の単位量ID204は、各第1の単位量クレジット(1トンのCO2e)を識別する。第2の単位量は、第1の単位量(1トン)より小さい。第2の単位量は、例えば、1kg以下(1kg、1g)であり、本例では第2の単位量=1kgとする。第2の単位量クレジットは、第2の単位量のクレジット、即ち、1kgのCO2eである。1個の第1の単位量クレジット(第1の単位量ID204Aにより識別される)は、1000個の第2の単位量クレジット(1kgのCO2e)の集合である。この1000個の第2の単位量クレジットの個々は、1000個の第2の単位量ID401によりそれぞれ識別される。具体的には、全体クレジット203が3トンである場合、1トン目の第1の単位量クレジット(第1の単位量ID204Aにより識別される)に、1000個の第2の単位量ID401A1~ID401Anが紐づけられる。2トン目の第1の単位量クレジット(第1の単位量ID204Bにより識別される)に、1000個の第2の単位量ID401B1~ID401Bnが紐づけられる。3トン目の第1の単位量クレジット(第1の単位量ID204Cにより識別される)に、1000個の第2の単位量ID401C1~ID401Cnが紐づけられる。従って、全体クレジット203が3トンである場合、トレーサビリティデータ400は、3000個の第2の単位量ID401を含む。
【0029】
トレーサビリティデータ生成部102は、全ての第2の単位量ID401に、1以上の個別クレジット301を創出した創出源13を識別する1以上の創出源ID302を紐づける。トレーサビリティデータ生成部102は、各創出源ID302に、当該創出源ID302により識別される創出源13で実施されたアクティビティ303をさらに紐づける。本例では、3トンの全体クレジット203は、1.8トンの個別クレジット301Aと、1.2トンの個別クレジット301Bとを含む。この場合、3000個の第2の単位量ID401のうち、1800個の第2の単位量ID401に、個別クレジット301A(1.8トン)を創出した創出源13Aを識別する創出源ID302Aと、創出源13Aで実施されたアクティビティ303Aとが紐づけられる。1200個の第2の単位量ID401に、個別クレジット301B(1.2トン)を創出した創出源13Bを識別する創出源ID302Bと、創出源13Bで実施されたアクティビティ303Bとが紐づけられる。この様に、トレーサビリティデータ生成部102は、各個別クレジット301と総量が等しい一部の第2の単位量クレジットをそれぞれ識別する一部の第2の単位量ID401に、当該個別クレジット301を創出した創出源13を識別する創出源ID302と、創出源13で実施されたアクティビティ303とを紐づける。
【0030】
この様に、トレーサビリティデータ生成部102は、1以上の第1の単位量ID204それぞれに対して、複数の第2の単位量ID401及び1以上の創出源ID302の組を紐づけ、さらに、各創出源ID302に、当該創出源ID302により識別される創出源13で実施されたアクティビティ303をさらに紐づけたトレーサビリティデータ400を生成する。
【0031】
トレーサビリティ管理サーバ1のトレーサビリティデータ提示部103は、クレジット申請者11、創出源13である農家(団体や個人)及び需要者14に、トレーサビリティデータ400が示す情報を各人の電子機器(パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等)のウェブブラウザやアプリケーション上で閲覧可能に提示する(ステップS4)。トレーサビリティデータ提示部103は、「トレーサビリティデータ400が示す情報」として、トレーサビリティデータ400中の創出源ID302により識別される創出源13の情報(例えば、A県、A県B市、A県B市C町、A県B市C町のD組合、A県B市C町の農家Eさん、A県B市C町の圃場F番等)を提示すればよい。需要者14は、全体クレジット203の少なくとも一部の購入を検討する閲覧者である。創出源13が圃場である場合、トレーサビリティデータ提示部103は、複数の圃場をそれぞれ示すポリゴンと、当該複数の圃場でそれぞれ実施された中干期間延長アクティビティとを、複数の圃場を示す地図画像16上で閲覧可能に提示してもよい。地図画像16上で、ポリゴンは圃場に重畳表示される。
【0032】
これにより、クレジット申請者11や創出源13である農家は、自ら創出した全体クレジット203のトレーサビリティを1kg単位で見ることが出来る。また、需要者14は、全体クレジット203のうち、どの創出源13で創出されたクレジットを購入するか、どのようなアクティビティ303により創出されたクレジットを購入するか等を積極的に選別することが出来る。また、需要者14に創出源13やアクティビティ303を知らせることから、クレジット申請者11や創出源13である農家にとっては、将来的により高付加価値のクレジットを創出するインセンティブとなる。
【0033】
トレーサビリティ管理サーバ1のデータ取得部101は、全体クレジット203の少なくとも一部が購入者15(需要者14の一部)により購入された後、購入者データ500を取得する(ステップS5)。購入者データ500は、全体クレジット203の少なくとも一部を購入した購入者15を識別する購入者ID501と、購入者15の購入クレジット502とが、少なくとも紐づけられる。購入クレジット502は、CO2e量である。購入クレジット502は、典型的にはトンで表現されるが、トンより小さい単位(kg等)で表現されてもよい。購入者15が創出源ID302を指定して購入した場合には、購入者データ500は、購入されたクレジットの創出源ID302をさらに含む。
【0034】
トレーサビリティ管理サーバ1のトレーサビリティデータ生成部102は、購入者データ500に基づきトレーサビリティデータ400を生成(更新)し、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する(ステップS6)。トレーサビリティデータ生成部102は、購入クレジット502と総量が等しい一部の第2の単位量クレジットをそれぞれ識別する一部の第2の単位量ID401に、当該購入クレジット502を購入した購入者15を識別する購入者ID501をさらに紐づけることで、トレーサビリティデータ400を生成(更新)する。例えば、購入者ID501により識別される購入者15が3トンの全体クレジット203のうち、2トンの購入クレジット502を購入したとする。この場合、トレーサビリティデータ生成部102は、トレーサビリティデータ400に含まれる3000個の第2の単位量ID401のうち、2000個の第2の単位量ID401に購入者ID501を紐づける。購入者15が創出源ID302を指定して購入した場合には、トレーサビリティデータ生成部102は、この創出源ID302が紐づけられた第2の単位量ID401に購入者ID501を紐づける。なお購入されていないクレジットの第2の単位量ID401(図4の例では、第2の単位量ID401C1~第2の単位量ID401Cn)には、購入者ID501は紐づけられない。
【0035】
トレーサビリティ管理サーバ1のトレーサビリティデータ提示部103は、購入者データ500に基づき更新されたトレーサビリティデータ400が示す情報を、クレジット申請者11、創出源13である農家(団体や個人)、需要者14及び購入者15に閲覧可能に提示する(ステップS7)。即ち、トレーサビリティデータ提示部103は、各購入者15を識別する購入者ID501が紐づけられた1以上の創出源ID302により識別される1以上の創出源13を示す情報と、当該1以上の創出源で実施されたアクティビティ303とを閲覧可能に提示する。
【0036】
これにより、クレジット申請者11や創出源13である農家は、自ら創出した全体クレジット203の購入者15を1kg単位で見ることが出来る。購入者15は、どの創出源13で創出されたクレジットを購入したか、どのようなアクティビティ303により創出されたクレジットを購入したか等を積極的に公開することが出来る。また、閲覧者は、どの購入者15がどの創出源13で創出されたクレジットを購入したか、どのようなアクティビティ303により創出されたクレジットを購入したか等を積極的に知ることが出来る。また、購入者15が自らの購入履歴を具体的に公開できることから、クレジット申請者11や創出源13である農家にとっては、将来的により高付加価値のクレジットを創出するインセンティブとなる。
【0037】
以上の様に、本実施形態によれば、複数の圃場の一括申請という性質があるにも拘らず、クレジット購入検討者やクレジット購入者が、自身が購入するクレジットの創出源を知ることが出来る。さらに、クレジット購入者(企業)の顧客等が、クレジット購入者(企業)が購入するクレジットの創出源を知ることが出来る。また、クレジット創出者が、自身が創出したクレジットの販売先を知ることが出来る。即ち、創出源毎のクレジットのトレーサビリティが得られる。
【0038】
3.本実施形態のコンセプト
【0039】
本実施形態のコンセプトである自然ベースのカーボンクレジットのトレーサビリティのためのシステムを説明する。
【0040】
背景として、CO2オフセット(カーボンクレジット)は、ほぼ常にメトリックトン(tCO2またはCO2換算トン)で処理される。また、カーボンクレジットは、自然に地理的領域に結びついている創出源プロジェクトにリンクされているが、現在のところ、所与のトンとその正確な地理的創出源をリンクする方法はない。
【0041】
これを説明するために、持続可能な農業プロジェクトから特定の1トンのCO2eを例とする。現状、何千人もの農家のうちの誰が、その特定のトンを構成するGHG(温室効果ガス)を削減したかを知る方法は無い。実際に、所与のタイムフレームの間に所与のプロジェクトから創出されたtCO2eは全て、同じプロジェクトや同じタイムフレームから創出された他のどのtCO2eとも区別できない。
【0042】
その理由は、従来より、MRV(削減されたGHGの計算をサポートする測定(Measurement)、報告(Report)及び検証(Verification)アクティビティ)は、一般に、手動で、統計サンプルを使用して実行される。自然ベースのプロジェクトの場合、プロジェクト境界は、数万ヘクタール以上となることもある。その大規模性と実用性により、排出削減量は広域にわたって推定される。
【0043】
しかしながら、衛星リモートセンシング、ドローン、IoTセンサなどのような高度にスケーラブルなデジタルMRVレバレッジ技術の出現により、現在、はるかに細分化されたデータを収集することが可能である。例えば、衛星リモートセンシングを用いて、持続可能な農業プロジェクトに参加している全ての小規模農家のGHG削減活動を監視することができる。これにより、例えば個々の農業分野に対応するkg単位のGHG排出削減量を推定するなど、はるかに細分化されたGHG排出削減量を計算することが可能になる。
【0044】
逆に、農業プロジェクトから発生する一定トンのCO2eを例とすると、その特定トンについてGHG削減活動が行われた実際の創出源の農地に遡ることも可能である。以下に、それを可能にするトレーサビリティシステムを説明し、例示する。
【0045】
図5に示す様に、プロジェクト参加者のGHG削減活動を表す細分化されたデジタルMRVデータをトラッキングする。デジタルMRVデータは、農地を表す地上のポリゴンに紐づけられ、処理され、衛星画像データベース601に保存される。地球観測衛星は画像データを取得し、衛星画像データベース601に書き込む。画像データから複数の農地602を示すポリゴン(関心領域)が抽出される。データが処理され、処理結果は、個々の農地に紐づけられてデジタルMRVデータベース603に書き込まれる。
【0046】
図6に示す様に、個々のプロジェクト参加者に起因するGHG排出削減量(kg以下)をトラッキングする。細分化されたデジタルデータを収集することにより、個々の農地毎のGHG排出削減量を算出することが出来る。デジタルMRVデータベース603は、各農地602のGHG削減アクティビティを記憶している。排出モデル604は、デジタルMRVデータベース603内のトラッキングされたアクティビティに基づき、農地602毎のGHG排出削減量605を推定する。排出モデル604は、各農地602のGHG排出削減量605を出力する。
【0047】
図7に示す様に、カーボンクレジット606固有のシリアルナンバー又は購入時に割り当てられた番号等を用いて、発行されたカーボンクレジット606の創出源へのトレーサビリティを可能にする。個別にトラッキングされたカーボンクレジットの排出削減量605は、個々の創出源である農地602に遡ることが出来る。
【0048】
図8に示す様に、一意に番号が付いた個々のカーボンクレジット(又はその集合)から、プロジェクト参加者の個々の又はグループ毎のデジタルMRVデータへの連続的なドリルダウンを可能にするGUI画面を提供する。具体的には、カーボンクレジット購入証明書607のリンクからシステムにアクセスする。オンラインシステムがカーボンクレジット購入情報を表示する。クレジット購入データ画面608のリンクから、農地リスト609がGUI画面上で表示される。農地リスト609は、カーボンクレジット創出源である農地のリストである。農地リスト609のリンクから、GHG削減詳細情報、例えば、個々の農家や農地の詳細情報610が、GUI画面上で表示される。詳細情報610のリンクから、農地のデジタルMRV詳細データ611(例えば、農家のアクティビティを示す)が、GUI画面上で表示される。
【0049】
本実施形態は、J-クレジット制度やJ-クレジット制度以外のプログラム型プロジェクト、また、JCM制度等で行われる複数の圃場を集めるプロジェクト型プロジェクトにも適用可能である。本実施形態は、IT及び金融の力を掛け合わせた信頼性と経済合理性のある気候変動ソリューションを通じて自然資本を回復し、クライアントの生物多様性も見据えた企業価値の向上に貢献する。本実施形態は、SDGsの目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」及び目標13「気候変動に具体的な対策を」に貢献する。本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0050】
1 トレーサビリティ管理サーバ
101 データ取得部
102 トレーサビリティデータ生成部
103 トレーサビリティデータ提示部
200 全体クレジットデータ
300 個別クレジットデータ
400 トレーサビリティデータ
500 購入者データ
【要約】      (修正有)
【課題】クレジットのトレーサビリティを管理するトレーサビリティ管理サーバを提供する。
【解決手段】トレーサビリティ管理サーバ1は、データ取得部101が全体クレジットデータ200の取得を行うとともに個別クレジットデータ300の取得を行い、トレーサビリティデータ生成部102がトレーサビリティデータを生成し、トレーサビリティデータ提示部103がクレジット申請者、創出源である農家(団体や個人)及び需要者に、生成したトレーサビリティデータの提示を行う。データ取得部はまた、トンで表現されるCO2e量である全体クレジットの少なくとも一部が購入者15(需要者14の一部)により購入されると、購入者データ500の取得を行い、取得した購入データに基づきトレーサビリティデータの更新を行う。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8