(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】ビジョンを用いた電池モジュール組立装置及びこれを用いた組立方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/516 20210101AFI20240902BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20240902BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20240902BHJP
【FI】
H01M50/516
H01M50/213
H01M50/271 S
(21)【出願番号】P 2022546536
(86)(22)【出願日】2021-04-26
(86)【国際出願番号】 KR2021005213
(87)【国際公開番号】W WO2021235715
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0061105
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ソク・ウォン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン・ミン・オ
(72)【発明者】
【氏名】ゴン・テ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ス・ジュン・アン
(72)【発明者】
【氏名】チュン・クウォン・カン
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1900403(KR,B1)
【文献】特開2011-033663(JP,A)
【文献】特開2017-126522(JP,A)
【文献】特開2013-026383(JP,A)
【文献】特開2001-343905(JP,A)
【文献】特開2015-122145(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0071077(KR,A)
【文献】韓国登録特許第1810659(KR,B1)
【文献】特開2019-179653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/213
H01M 50/271
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒型電池セルをモジュールケースに収納した電池モジュールが着座された状態で前後にまたは左右に移動する移送部と、
前記移送部の移動経路に沿って配置された複数のビジョン部であって、前記モジュールケースが置かれた位置のねじれた程度とともに、前記モジュールケースに収納された円筒型電池セルの位置を確認するビジョン部と、
前記ビジョン部により確認された前記モジュールケースが置かれた位置のねじれた程度及び前記モジュールケースに収納された円筒型電池セルの位置に基づいて、前記電池モジュールに収納された円筒型電池セルの電極とバスバーとを電気的に連結するボンディング部と、
を含
み、
前記電池モジュールは、収納された前記円筒型電池セルの上部を覆うカバーケースをさらに含み、
前記カバーケースは、上方に所定の高さに突出した突部、及び前記円筒型電池セルの上面一部を露出させるように形成された開放部を含む、ビジョンを用いた電池モジュール組立装置。
【請求項2】
前記移送部は、前記電池モジュールの底面と密着する着座台と、前記着座台の角に位置する所定の高さを有する複数のガイド部と、を含む、請求項
1に記載のビジョンを用いた電池モジュール組立装置。
【請求項3】
前記ガイド部の上面にはL字形のマーカーが形成されている、請求項
2に記載のビジョンを用いた電池モジュール組立装置。
【請求項4】
前記ビジョン部は、照明部、及び前記電池モジュールをスキャンするビジョンカメラを含む、請求項1から
3のいずれか一項に記載のビジョンを用いた電池モジュール組立装置。
【請求項5】
前記円筒型電池セルの異物を除去する洗浄部をさらに含む、請求項1から
4のいずれか一項に記載のビジョンを用いた電池モジュール組立装置。
【請求項6】
前記洗浄部はレーザー装置である、請求項
5に記載のビジョンを用いた電池モジュール組立装置。
【請求項7】
前記ビジョン部は、第1ビジョン部と、第2ビジョン部と、を含み、前記第1ビジョン部、前記洗浄部、及び前記第2ビジョン部の順に位置する、請求項
5または
6に記載のビジョンを用いた電池モジュール組立装置。
【請求項8】
前記ビジョン部は、第1ビジョン部と、第2ビジョン部と、を含み、前記第1ビジョン部、前記第2ビジョン部、及び前記洗浄部の順に位置する、請求項
5または
6に記載のビジョンを用いた電池モジュール組立装置。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか一項に記載のビジョンを用いた電池モジュール組立装置を用いた、電池モジュール組立方法であって、
円筒型電池セルをモジュールケースに収納した電池モジュールを移送部に着座させる第1段階と、
前記移送部を移動させる第2段階と、
前記移送部の移動経路上に位置するビジョン部を介して前記モジュールケースが置かれた位置のねじれた程度とともに、前記モジュールケースに収納された円筒型電池セルの位置を確認する第3段階と、
前記ビジョン部を介して確認された前記モジュールケースが置かれた位置のねじれた程度及び前記モジュールケースに収納された円筒型電池セルの位置に基づいて、前記電池モジュールに収納された円筒型電池セルの電極とバスバーとをボンディングする第4段階と、
を含む、電池モジュール組立方法。
【請求項10】
前記第4段階に先立ち、前記円筒型電池セルの上面のボンディングされる部分を洗浄する段階をさらに遂行する、請求項
9に記載の電池モジュール組立方法。
【請求項11】
前記第3段階では前記ビジョン部を介して前記電池モジュールの位置を2回確認し、前記洗浄する段階は前記2回の位置確認段階の間に遂行する、請求項
10に記載の電池モジュール組立方法。
【請求項12】
前記第3段階では前記ビジョン部を介して前記電池モジュールの位置を2回確認し、前記洗浄する段階は前記2回の位置確認段階の後に遂行する、請求項
10に記載の電池モジュール組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年05月21日付の韓国特許出願第2020-0061105号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明はビジョンを用いた電池モジュール組立装置及びこれを用いた組立方法に関し、より詳しくは電池セルとバスバーとを電気的に連結するにあたり、連結すべき位置を正確に把握し、さらに異物による接触不良を最小化することができる、ビジョンを用いた電池モジュール組立装置及びこれを用いた組立方法に関する。
【背景技術】
【0003】
製品群による適用容易性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけではなく電気的駆動源によって駆動する電気車両(EV:Electric Vehicle)またはハイブリッド車両(HEV:Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に応用されている。このような二次電池は化石燃料の使用を画期的に減少させることができるという一次的な利点だけではなく、エネルギーの使用による副産物が全然発生しないという点で環境に優しくエネルギー効率性の向上のための新しいエネルギー源として注目されている。
【0004】
現在、広く使われる二次電池の種類には、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッカド電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、すなわち単位電池セルの作動電圧は約2.5V~4.5Vであるので、これより高い出力電圧が要求される場合には、複数の電池セルを直列に連結して電池モジュールを構成することもある。
【0005】
もちろん、必要な充放電容量によって多数の電池モジュールを並列または直列に連結してバッテリーパックを構成することもある。
【0006】
一方、所要出力電圧を満たすための電池モジュールには複数の円筒型電池セルが収納され、このような電池セルは、エネルギー密度を高めるために、バスバーを介して互いに連結される。しかし、円筒型電池セルの場合、正極と負極とが非常に近接して位置しているだけではなく、該当極性を帯びる部分の面積が小さくてバスバーとの連結が容易でない。
【0007】
これに関連して、
図1は従来技術による電池セルをボンディングするための装置を示す図である。
図1を参照すると、電池モジュール組立装置は、電池モジュールを装置に供給する供給部、供給された電池モジュールを作業位置に移動させる移送部、移送された電池モジュールをスキャンするビジョン方式カメラ、及び電池モジュールのボンディング作業を遂行する溶接部を含んでなる。移送部によって移送された電池モジュールをビジョン方式カメラでスキャンして座標を設定し、その情報に基づいて溶接部の位置に移動してボンディング作業を遂行する装置である。
【0008】
前記従来技術はビジョン方式カメラを用いてボンディング作業位置を設定して遂行するが、電池モジュールを明るくする光源体がなくて正確な位置把握が難しく、特に溶接部に到逹するまでほこりなどの各種の異物によって汚染される可能性があり、溶接不良をもたらすことがあるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記のような問題点を解決するために、モジュールケースとモジュールケースに収納された電池セルの位置を正確にスキャンして、電池セルとバスバーを所定の位置でボンディングすることができる、ビジョンを用いた電池モジュール組立装置及びこれを用いた組立方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、電池セルのボンディング部位に付着された異物を除去することによってボンディング不良を最小化することができる、ビジョンを用いた電池モジュール組立装置及びこれを用いた組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記のような問題点を解決するための本発明による電池モジュール組立装置は、円筒型電池セル(120)を収納した電池モジュールが着座された状態で前後にまたは左右に移動する移送部(200)、前記電池モジュール(100)の位置を確認するビジョン部、及び前記電池モジュール(100)に収納された円筒型電池セル(120)の電極とバスバー(210)とを電気的に連結するボンディング部(500)を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明による組立装置において、前記電池モジュール(100)は、収納された前記円筒型電池セル(120)の上部を覆うカバーケース(140)をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明による組立装置において、前記カバーケース(140)は、上方に所定の高さに突出した突部(141)と、前記円筒型電池セル(120)の上面一部を露出させるように形成された開放部(142)とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明による組立装置において、前記移送部(200)は、前記電池モジュール(100)の底面と密着する着座台(210)と、前記着座台(210)の角に位置する所定の高さを有する複数のガイド部(211)とを含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明による組立装置において、前記ガイド部(211)の上面には「L」字形のマーカー(211’)が形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明による組立装置において、前記ビジョン部(300)は、照明部、及び前記電池モジュール(100)をスキャンするビジョンカメラを含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明による組立装置において、前記円筒型電池セル(120)の異物を除去する洗浄部(400)をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明による組立装置において、前記洗浄部(400)はレーザー装置であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明による組立装置において、前記ビジョン部(300)は、第1ビジョン部(310)と、第2ビジョン部(320)とを含み、前記第1ビジョン部(310)、前記洗浄部(400)、及び前記第2ビジョン部(320)の順に位置することを特徴とする。
【0021】
また、本発明による組立装置において、前記ビジョン部(300)は、第1ビジョン部(310)と第2ビジョン部(320)とを含み、前記第1ビジョン部(310)、前記第2ビジョン部(320)、及び前記洗浄部(400)の順に位置することを特徴とする。
【0022】
また、本発明による組立方法は、円筒型電池セル(120)を収納した電池モジュールを移送部(200)に着座させる第1段階と、前記移送部(200)を移動させる第2段階と、前記移送部(200)の移動経路上に位置する前記ビジョン部を介して前記電池モジュール(100)の位置を確認する第3段階と、前記電池モジュール(100)に収納された前記円筒型電池セル(120)の電極とバスバー(210)とをボンディングする第4段階とを含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明による組立方法において、前記第4段階に先立ち、前記円筒型電池セル(120)の上面のボンディングされる部分を洗浄する段階をさらに遂行することを特徴とする。
【0024】
また、本発明による組立方法において、前記第3段階では、前記ビジョン部を介して前記電池モジュール(100)の位置を2回確認し、前記洗浄する段階は前記2回の位置確認段階の間に遂行することを特徴とする。
【0025】
また、本発明による組立方法において、前記第3段階では、前記ビジョン部を介して前記電池モジュール(100)の位置を2回確認し、前記洗浄する段階は前記2回の位置確認段階の後に遂行することを特徴とする。
【0026】
また、本発明による電池パックは前述した組立方法によって得られた電池モジュールを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によるビジョンを用いた電池モジュール組立装置及びこれを用いた組立方法によれば、複数のビジョン部が電池モジュールをスキャンし、その結果に基づいて円筒型電池セルとバスバーとをボンディングするので、正確な位置でのボンディング作業が可能であるという利点がある。
【0028】
また、本発明によるビジョンを用いた電池モジュール組立装置及びこれを用いた組立方法によれば、ボンディングすべき位置のみを洗浄する洗浄部を備えているので、異物によるボンディング不良を最小化することができるという利点がある。
【0029】
さらに、本発明によるビジョンを用いた電池モジュール組立装置及びこれを用いた組立方法によれば、高照度の照明部を備えているので、ビジョンカメラによるスキャン結果の信頼性を向上させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】従来技術によるバッテリーセルをボンディングするための装置を示す図である。
【
図2】本発明の好適な実施例による電池モジュールを示す斜視図である。
【
図3】本発明の好適な実施例による円筒型電池セルの断面図である。
【
図4】本発明の好適な実施例によるビジョンを備えた電池モジュール組立装置の全体斜視図である。
【
図5】本発明の好適な実施例によるビジョンを備えた電池モジュール組立装置の内部拡大斜視図である。
【
図6】本発明の好適な実施例によるレーザーを用いて電池セルのボンディング部を洗浄することを説明するための拡大斜視図である。
【
図7】本発明の好適な実施例による電池セルとバスバーとをワイヤでボンディングすることを説明するための拡大斜視図である。
【
図8】本発明の好適な実施例による電池モジュールの組立方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本出願で、「含む」、「有する」または「備える」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、構成要素、部分品またはこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0032】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけではなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0033】
以下、本発明によるビジョンを用いた電池モジュール組立装置及びこれを用いた組立方法について添付図面を参照しながら説明する。
【0034】
図2は本発明の好適な実施例による電池モジュールを示す斜視図であり、
図3は本発明の好適な実施例による円筒型電池セルの断面図である。
【0035】
図2及び
図3を参照して説明すると、本発明による電池モジュール100は、モジュールケース110、円筒型電池セル120、バスバー130、及びカバーケース140を含んでなる。
【0036】
まず、外形が略六面体であるモジュールケース110は円筒型電池セル120を収納することができるように空間部を備えており、円筒型電池セル120が直立したままで端子が外部に露出されるように、モジュールケース110の上端部には多数の開口部(図示せず)が形成されている。
【0037】
一方、
図3に示すように、本発明の電池モジュールに収納される電池セルは円筒型電池セル120であり、巻取型構造の電極組立体121を金属缶122に収納し、金属缶122内に電解液を注入した後、キャップアセンブリー123の開放上端に電極端子が形成されているキャップアセンブリー123を結合して製作することができる。
【0038】
ここで、電極組立体121は、正極121(a)、負極121(b)、及び分離膜121(c)を順に積層して丸い形態に巻き取ることで製造される。
【0039】
電極組立体121の中央部位に形成された貫通形の巻心部124には円筒状のセンターピン125が挿入されている。センターピン125は一般的に所定の強度を付与するために金属材からなる。このようなセンターピン125は電極組立体121を固定及び支持する作用とともに充放電及び作動の際に内部反応によって発生するガスを放出する通路として作用する。
【0040】
一方、キャップアセンブリー123の上端中央部位には正極端子123(a)が突設されており、金属缶122の残り部位は負極端子123(b)をなす。
【0041】
もちろん、キャップアセンブリー123の上端に正極端子123(a)及び負極端子123(b)が露出されるか突出している円筒型電池セル120であれば、特に限定されない。
【0042】
前記のような多数の円筒型電池セル120を直列にまたは並列に連結するためのバスバー130は円筒型電池セル120から所定の距離だけ離隔したままで並んで位置している。
【0043】
カバーケース140はモジュールケース110に収納された円筒型電池セル120の上部を保護するためのものであり、円筒型電池セル120の上面を露出させるための開放部142を備えており、また上部からの外部衝撃から円筒型電池セル120を保護することができるように、所定の高さに突出した複数の突部141が形成されている。
【0044】
図4は本発明の好適な実施例によるビジョンを備えた電池モジュール組立装置の全体斜視図であり、
図5は本発明の好適な実施例によるビジョンを備えた電池モジュール組立装置の内部拡大斜視図である。
【0045】
図4及び
図5を参照すると、本発明による電池モジュール組立装置は、移送部200、ビジョン部300、洗浄部400、及びボンディング部500を含んでなる。
【0046】
移送部200はボンディングされるべき円筒型電池セル120が収納された状態の電池モジュール100を前後方(X軸方向)に移動させるための構成である。具体的には、移送部200は、電池モジュール100の底面と密着したままで電池モジュール100を支持する平板構造の着座台210と、着座台210の移動経路を提供するレール220とを含んでなる。
【0047】
ここで、着座台210の角には所定の高さを有する複数のガイド部211を備えることが好ましく、ガイド部211の上面には「L」字形のマーカー211’が刻まれていることがより好ましい。これに関連しては後述する。
【0048】
ビジョン部300は、着座台210に着座されて移送される電池モジュール100の上面をスキャンしてモジュールケース110が所定の位置に着座されたかを確認し、そしてモジュールケース110に収納された円筒型電池セル120の位置をスキャンした後、その結果を洗浄部400とボンディング部500に伝送するための構成である。
【0049】
前記のような機能を遂行するためのビジョン部300は、第1ビジョン部310と第2ビジョン部320とを含んでなる。具体的には、第1ビジョン部310は、相対的に前方、すなわち作業者または別途の着座手段(図示せず)によって着座台210に電池モジュール100が着座した後、1次的にスキャンすることができる位置に備えられ、第1ビジョンカメラ311と第1照明部312とを含んでなる。
【0050】
ここで、第1照明部312は互いに所定の距離で離隔した一対からなることができ、第1ビジョンカメラ311は一対の第1照明部312の上部に位置し、移動する電池モジュール100の上面をスキャンする。
【0051】
すなわち、前述したガイド部211のマーカー211’を基準に、モジュールケース110が置かれた位置のねじれた程度とモジュールケース110に収納された円筒型電池セル120の位置をスキャンするものである。
【0052】
第2ビジョン部320は第1ビジョン部310よりも相対的に後方に位置し、第2ビジョンカメラ321と第2照明部322とを含んでなる。第2ビジョンカメラ321及び第2照明部322は前述した第1ビジョンカメラ311及び第1照明部312と構成及び機能が同一である。
【0053】
ここで、同じ機能を果たすビジョン部が第1ビジョン部310及び第2ビジョン部320の一対である理由は、ボンディングの正確性を高め、不良率を最小化するためである。
【0054】
すなわち、本発明は、精密な動きが要求される洗浄部400及びボンディング部500の移動距離を最小化するように、円筒型電池セル120が収納された状態のモジュールケース110がレール220に沿って移動する。したがって、第1ビジョン部310の結果と第2ビジョン部320の結果とを比較分析して、移動過程中にねじれがなかったかを再確認するためである。
【0055】
図6は本発明の好適な実施例によるレーザーを用いて電池セルのボンディング部を洗浄することを説明するための拡大斜視図である。
【0056】
円筒型電池セル120をモジュールケース110に収納する過程や円筒型電池セル120がモジュールケース110に収納された状態で移動する過程でほこりや油脂などの各種の異物が電極の表面に付着することがあり、これは溶接不良につながることがある。
【0057】
本発明は、このような溶接不良によって廃棄される電池モジュールを最少化するように、洗浄部400を備える。具体的には、洗浄部400は胴体の下端にチップ部410を備えており、チップ部410を介してレーザーを照射して円筒型電池セル120の上面を洗浄する。
【0058】
特に、レーザーは第1ビジョン部310及び第2ビジョン部320によって得られたスキャン結果に基づいて溶接すべき部位のみを洗浄することができる。したがって、エネルギーを低減するとともに電池モジュールを速かに組み立てることができる。
【0059】
一方、洗浄部400は、第1ビジョン部310、洗浄部400、及び第2ビジョン部320の順に位置するか、第1ビジョン部310、第2ビジョン部320、及び洗浄部400の順に位置することができる。
【0060】
図7は本発明の好適な実施例による電池セルとバスバーとをワイヤでボンディングすることを説明するための拡大斜視図である。
【0061】
電池セルの正極とバスバー、かつ負極とバスバーを電気的に連結するためのボンディング部500は尖っている形状のノズル部510を下端に備えており、ノズル部510を通って溶融した伝導性金属が吐き出される。
【0062】
すなわち、ボンディング部500は上下左右にかつ前後方向に移動可能であり、第1ビジョン部310及び第2ビジョン部320によって得られたスキャン結果によって収納された円筒型電池セル120の正極とバスバー、かつ負極とバスバーを繰り返し移動しながらワイヤWの形状にボンディングする。
【0063】
図8は本発明の好適な実施例による電池モジュールの組立方法を示すフローチャートである。
【0064】
本発明によるビジョンを用いた電池モジュール組立装置を用いた組立方法は、円筒型電池セル120を収納した電池モジュールを移送部200に着座させる第1段階と、移送部200を移動させる第2段階と、移送部200の移動経路上に位置するビジョン部を介して電池モジュール100の位置を確認する第3段階と、電池モジュール100に収納された円筒型電池セル120の電極とバスバー210とをボンディングする第4段階とを含んでなる。
【0065】
一方、前記第3段階では電池モジュール100の位置を2回確認することが好ましく、第4段階以前に洗浄する段階をさらに遂行することがより好ましい。
【0066】
すなわち、第3段階では、第1ビジョン部310、洗浄部400、及び第2ビジョン部320が順次位置することにより、電池モジュール100の1次位置確認及び洗浄と電池モジュール100の2次位置確認の順に遂行することができる。この場合、洗浄過程で電池モジュール100の位置が少しずれてもボンディングの前にもう一度、電池モジュール100の位置を確認することができるので、ボンディング位置を正確に把握することができる。
【0067】
また、第3段階では、第1ビジョン部310、第2ビジョン部320、及び洗浄部400が順次位置することにより、電池モジュール100の1次位置確認、電池モジュール100の2次位置確認、及び洗浄の順に遂行することができる。この場合には、洗浄直後にボンディング作業を遂行するので異物が付着される可能性が低く、よって異物によるボンディング不良を最小化することができる。
【0068】
本発明によるビジョンを用いた組立方法によって組み立てられた電池モジュールは一つ以上が集まって電池パックを構成することができる。
【0069】
以上で本発明の内容の特定部分を詳細に記述したが、当該分野で通常の知識を有する者にこのような具体的技術はただ好適な実施様態であるだけで、これによって本発明の範囲が限定されるものではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であるというのは当業者に明らかなものであり、このような変形及び修正も添付の特許請求の範囲に属するものであるというのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0070】
100 電池モジュール
110 モジュールケース
120 円筒型電池セル
121 電極組立体
121(a) 正極
121(b) 負極
121(c) 分離膜
122 金属缶
123 キャップアセンブリー
123(a) 正極端子
123(b) 負極端子
124 巻心部
125 センターピン
130 バスバー
140 カバーケース
141 突部
142 開放部
200 移送部
210 着座台
211 ガイド部
211’ マーカー
220 レール
300 ビジョン部
310 第1ビジョン部
311 第1ビジョンカメラ
312 第1照明部
320 第2ビジョン部
321 第2ビジョンカメラ
322 第2照明部
400 洗浄部
410 チップ部
500 ボンディング部
510 ノズル部
W ワイヤ