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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/51 20060101AFI20240902BHJP
   A61F 13/42 20060101ALI20240902BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20240902BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20240902BHJP
   A61F 13/537 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
A61F13/51 100
A61F13/42 H
A61F13/47 100
A61F13/511 200
A61F13/537 310
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018182941
(22)【出願日】2018-09-27
(65)【公開番号】P2020049023
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-08-26
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 有一
【合議体】
【審判長】神山 茂樹
【審判官】木原 裕二
【審判官】岩谷 一臣
(56)【参考文献】
【文献】実開平7-33916(JP,U)
【文献】特開昭61-28002(JP,A)
【文献】特開平5-59602(JP,A)
【文献】特開2007-61418(JP,A)
【文献】特開昭50-83155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84,A61L15/16-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向中央を含む股間部と、前後方向中央より前側に延びる前側部分と、前後方向中央より後側に延びる後側部分とを有し、
前記股間部を含む範囲に内蔵された吸収体と、
前記吸収体の表側を覆う液透過性のトップシートと、
前記トップシートの裏側に隣接する中間シートとを備えた、
使い捨ておむつにおいて、
前記トップシートは、前記股間部の少なくとも一部を含む範囲に剥離可能に設けられた剥離部を有しており、
前記剥離部は、その全体を剥離して当該使い捨ておむつから取り除くことが可能であり、
前記トップシートのうち、前記剥離部は尿知覚効果を有するとともに、前記トップシート以外は尿知覚効果を有せず、
前記剥離部を剥離した部位の全体にわたり前記中間シートが露出するように構成され、
使用に際して、前記剥離部を剥離していないトイレトレーニング用の状態と、前記剥離部を剥離して当該使い捨ておむつから取り除いたトイレトレーニング用ではない状態とを選択して着用するものである、
ことを特徴とする、使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記トップシートの両側部を含む部分に固定された付根部分と、この付根部分から延び出た本体部分、この本体部分の前後方向両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分と、前記本体部分のうち前後の倒伏部分間に位置する非固定の起き上がり部分と、前記起き上がり部分の少なくとも先端部に固定されたギャザー弾性部材とを有する起き上がりギャザーを備え、
前記トップシートは、裏側に隣接する部材に対して剥離可能とされた第1部分と、裏側に隣接する部材に固定された第2部分とを有し、
前記第1部分は、前記トップシートの幅方向の中間に位置するとともに、前記トップシートの前後方向全体にわたっており、
前記第2部分は、前記トップシートにおける前記第1部分の両脇に位置し、前記トップシートの前後方向全体にわたっており、
前記トップシートは、その前端から後端まで、前記第1部分の両側部をそれぞれ通り連続する、一対のミシン目を有しており、
前記ミシン目は、前記倒伏部分と対応する前後方向の位置では前記倒伏部分よりも幅方向の中央側に、及び前記起き上がり部分と対応する前後方向の位置では前後両端部除いた全体が展開状態における前記起き上がり部分の裏に隠れる位置にそれぞれ設けられており、
前記トップシートにおける前記一対のミシン目の間の部分が前記剥離部であり、
前記トップシートは、その全体にわたり尿知覚効果を有している、
請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記トップシートの両側部を含む部分に固定された付根部分と、この付根部分から延び出た本体部分、この本体部分の前後方向両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分と、前記本体部分のうち前後の倒伏部分間に位置する非固定の起き上がり部分と、前記起き上がり部分の少なくとも先端部に固定されたギャザー弾性部材とを有する起き上がりギャザーを備え、
前記トップシートは、裏側に隣接する部材に対して剥離可能とされた第1部分と、裏側に隣接する部材に固定された第2部分とを有し、
前記第1部分は、前記トップシートの幅方向の中間に位置するとともに、前記トップシートの前後方向全体にわたっており、
前記第2部分は、前記トップシートにおける前記第1部分の両脇に位置し、前記トップシートの前後方向全体にわたっており、
前記トップシートは、その前端から後端まで、前記第1部分の両側部をそれぞれ通り連続する、一対のミシン目を有しており、
前記ミシン目は、展開状態における前記起き上がりギャザーよりも幅方向の中央側を通るように、前後方向に沿って直線的に設けられており、
前記トップシートにおける前記一対のミシン目の間の部分が前記剥離部であり、
前記第1部分は、前記ミシン目から側方に離間した位置まで延びており、
前記剥離部を剥離したときに前記ミシン目よりも側方に残留する残留部分を、前記裏側に折り返して前記ミシン目の切り口を隠すことが可能である、
請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記剥離部は、前後少なくとも一方の端部に位置する摘み部と、この摘み部以外の部分に位置する仮止め部とを有し、
前記摘み部は、裏側に隣接する部材に固定されておらず、前記仮止め部は、裏側に隣接する部材に剥離可能に接合されている、
請求項2又は3記載の使い捨ておむつ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるトイレトレーニングに用いられる使い捨ておむつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
トイレトレーニング用の使い捨ておむつは、装着者に排尿を知覚させるために、湿潤や冷感による不快感を強調する工夫を施したものである。
【0003】
トイレトレーニングを行う場合、昼間はトイレトレーニング用の使い捨ておむつを用いるが、夜間は快眠のために、トイレトレーニング用ではない通常の使い捨ておむつを用いることが多い。また、昼間であっても、外出中は通常の使い捨ておむつを用いることがある。このため、使用者は、トイレトレーニング用及び夜用の2種類の使い捨ておむつを用意しなければならない、という問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平08-071106号公報
【文献】特開2016-032555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の主たる課題は、トイレトレーニング用及び通常用として兼用できる使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した使い捨ておむつは以下のとおりである。
<第1の態様>
前後方向中央を含む股間部と、前後方向中央より前側に延びる前側部分と、前後方向中央より後側に延びる後側部分とを有し、
前記股間部を含む範囲に内蔵された吸収体を有し、
前記吸収体の表側を覆う液透過性のトップシートを有する、
使い捨ておむつにおいて、
前記トップシートは、前記股間部の少なくとも一部を含む範囲に剥離可能に設けられた剥離部を有しており、
前記トップシートのうち、前記剥離部は尿知覚効果を有するとともに、前記トップシート以外は尿知覚効果を有しない、
ことを特徴とする、使い捨ておむつ。
【0007】
(作用効果)
本使い捨ておむつでは、トップシートの剥離部を剥離せずにそのまま使用すれば、その剥離部の尿知覚効果によりトイレトレーニング用として用いることができる。一方、夜間や外出の際には、トップシートの剥離部を剥離し、取り除いてしまえば尿知覚効果の減少した通常の使い捨ておむつとして使用することができる。したがって、トイレトレーニング用及び通常用として兼用できることはもちろん、その変更は極めて容易である。
なお、「尿知覚効果を有する」とは、排尿時に装着者による尿の知覚を促すような工夫がなされているものをいい、「尿知覚効果を有しない」とはそのような工夫がないものいう。
【0008】
<第2の態様>
トップシートの両側部を含む部分に固定された付根部分と、この付根部分から延び出た本体部分、この本体部分の前後方向両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分と、前記本体部分のうち前後の倒伏部分間に位置する非固定の起き上がり部分と、前記起き上がり部分の少なくとも先端部に固定されたギャザー弾性部材とを有する起き上がりギャザーとを備えており、
前記トップシートは、裏側に隣接する部材に対して剥離可能とされた第1部分と、裏側に隣接する部材に固定された第2部分とを有し、
前記第1部分は、前記トップシートの幅方向の中間に位置するとともに、前記トップシートの前後方向全体にわたっており、
前記第2部分は、前記トップシートにおける前記第1部分の両脇に位置し、前記トップシートの前後方向全体にわたっており、
前記トップシートは、その前端から後端まで、前記第1部分の両側部をそれぞれ通り連続する、一対のミシン目を有しており、
前記ミシン目は、前記倒伏部分と対応する前後方向の位置では前記倒伏部分よりも幅方向の中央側に、及び前記起き上がり部分と対応する前後方向の位置では前記付根部分よりも幅方向の中央側に設けられており、
前記一対のミシン目の間の部分が前記剥離部である、
第1の態様の使い捨ておむつ。
【0009】
(作用効果)
本使い捨ておむつでは、一対のミシン目の間の部分が剥離部となる。よって、ミシン目を切り離さずにそのまま使用すれば、その間に位置する部分(剥離部)の尿知覚効果によりトイレトレーニング用として用いることができる。一方、夜間や外出の際には、一対のミシン目を切り離して、その間に位置する部分(剥離部)を剥離し、取り除いてしまえば尿知覚効果の減少した通常の使い捨ておむつとして使用することができる。つまり、尿知覚効果は股間部こそ重要であり、股間部における尿知覚効果がなくなるということは、通常使用に足ることを意味する。また、トップシートの全体にわたり尿知覚効果用の薬液を含有させた場合のように、トップシートの剥離部分以外(ミシン目の外側)にも尿知覚効果を有する場合、剥離部を剥離しても尿知覚効果は残ることになるが、その面積は剥離部よりも格段に小さく、しかもその部分は起き上がりギャザーの存在により隠れるか、若しくは露出するとしても肌に触れにくいか、又は尿で濡れにくい部分であるため、尿知覚効果は格段に減少しており、通常使用に足るということができる。
なお、「第1部分の両側部」とは、第1部分内だけでなく、第1部分及び第2部分の境界を含み、第2部分内は含まない意味である。
【0010】
<第3の態様>
前記トップシートは、前記剥離部の側方まで尿知覚効果を有しており、
前記ミシン目は、前記起き上がり部分と対応する前後方向の位置では、展開状態における前記起き上がり部分の先端の位置よりも幅方向の外側に設けられている、
第2の態様の使い捨ておむつ。
【0011】
(作用効果)
トップシートは、剥離部の側方まで尿知覚効果をもたせる(全体を濡れやすい素材とする等)と、製造が容易という点では好ましい。しかし、この場合、剥離部を剥離しても尿知覚効果が残ることは前述のとおりである。そこで、本態様のようにミシン目の位置を起き上がり部分と重なる位置まで入り込ませ、剥離部を剥離した際に残る部分のうち大部分が起き上がりギャザーの起き上がり部分で隠れるようにするのは好ましい。この場合、剥離部を剥離すると、倒伏部分と対応する前後方向の位置では、剥離部の側方に残る尿知覚効果を有する部分は露出するが、そこは尿で濡れにくい部分であるため、尿知覚効果は格段に減少しており、通常使用に足るものとなる。
【0012】
<第4の態様>
前記ミシン目は、前記倒伏部分と対応する前後方向の位置では前記倒伏部分よりも幅方向の中央側に離間しており、
前記第1部分は、前記ミシン目から側方に離間した位置まで延びており、
前記剥離部を剥離したときに前記ミシン目よりも側方に残留する残留部分が、前記裏側に折り返し可能である、
第2又は3の態様の使い捨ておむつ。
【0013】
(作用効果)
前記剥離部を剥離したときに残るミシン目の切り口は、肌触りを悪化させるおそれがある。これに対して、本態様のように、剥離部を剥離したときに前記ミシン目よりも側方に残留する残留部分が、裏側に折り返し可能であると、ミシン目の切り口を隠すことができ、ミシン目の切り口による肌触りの悪化を防止できるため好ましい。
【0014】
<第5の態様>
前記剥離部は、前後少なくとも一方の端部に位置する摘み部と、この摘み部以外の部分に位置する仮止め部とを有し、
前記摘み部は、裏側に隣接する部材に固定されておらず、前記仮止め部は、裏側に隣接する部材に剥離可能に接合されている、
第2~4のいずれか1つの態様の使い捨ておむつ。
【0015】
(作用効果)
このような摘み部を有することにより、剥離部の剥離開始が容易となる。また、摘み部以外に仮止め部を設けることにより、トップシートが浮いたり、皺が寄ったりするのを防止でき、もって見栄えや装着感、吸収性能に悪影響が出るのを防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、トイレトレーニング用及び通常用として兼用できるようになる、等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】展開状態のパッドタイプ使い捨ておむつの表側を示す平面図である。
図2】展開状態のパッドタイプ使い捨ておむつの裏側を示す平面図である。
図3図1のA-A線で示す片側(反対側は対称に現れる)の断面図である。
図4図1のB-B線で示す片側(反対側は対称に現れる)の断面図である。
図5図1のC-C線で示す片側(反対側は対称に現れる)の断面図である。
図6】パッドタイプ使い捨ておむつの使用方法を概略的に示す斜視図である。
図7】展開状態のパッドタイプ使い捨ておむつの表側を示す平面図である。
図8】剥離部を取り除いた後の、(a)展開状態のパッドタイプ使い捨ておむつの表側、及び(b)剥離部を示す平面図である。
図9】剥離部を取り除いた後の、図3に相当する断面図である
図10】剥離部を取り除いた後の、図4に相当する断面図である。
図11】展開状態のパッドタイプ使い捨ておむつの表側を示す平面図である。
図12】展開状態のパッドタイプ使い捨ておむつの表側を示す平面図である。
図13】剥離部を取り除いた後の、図12のA-A線で示す片側(反対側は対称に現れる)の断面図である。
図14】剥離部を取り除いた後の、図12のB-B線で示す片側(反対側は対称に現れる)の断面図である。
図15】展開状態のパッドタイプ使い捨ておむつの表側を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、使い捨ておむつの一つである、パッドタイプ使い捨ておむつの例について添付図面を参照しつつ説明する。図1図5は、パッドタイプ使い捨ておむつ200を示している。このパッドタイプ使い捨ておむつ200は、前後方向LDの中央201を含む股間部Mと、前後方向LDの中央201よりも前側に延在する前側部分F1及び前後方向LDの中央201よりも後側に延在する後側部分B1とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)L1は200~480mm程度、全幅W1は120~200mm程度とすることができる。
【0019】
パッドタイプ使い捨ておむつ200は、股間部Mを含む範囲に内蔵された吸収体23と、吸収体23の表側を覆う液透過性のトップシート22と、吸収体23の裏側を覆う液不透過性シート21とを有している。以下、各部の素材及び特徴部分について順に説明する。なお、以下の説明における不織布としては、部位や目的に応じて公知の不織布を適宜使用することができる。不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布の柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、不織布の構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となったものを含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となった撥水性繊維を含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も用いることができる。
【0020】
(吸収体)
吸収体23としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。必要に応じて、吸収体23はクレープ紙や不織布(図示せず)により包むことができる。また、吸収体23の形状は、長方形状等、適宜の形状とすることができるが、図示例では、股間部Mを含む前後方向LDの範囲に、前後両側よりも幅の狭い括れ部23nを有する形状(略砂時計形状)となっている。吸収体23における繊維目付け及び吸収性ポリマーの目付けは適宜定めることができるが、繊維目付けは100~600g/m2程度とするのが好ましく、また吸収性ポリマーの目付け0~400g/m2程度とするのが好ましい。
【0021】
(液不透過生シート)
吸収体23の裏側には、液不透過性シート21が設けられている。液不透過性シート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。図示例では、液不透過性シート21が吸収体23の周囲にはみ出しているが、吸収体23の周囲にはみ出していなくてもよい。
【0022】
液不透過性シート21の外面(裏面)は、外装シート25により覆われている。外装シート25としては各種の不織布を用いることができる。
【0023】
(トップシート)
吸収体23の表側は、トップシート22により覆われている。図示例ではトップシート22の側縁から吸収体23が一部はみ出しているが、吸収体23の側縁が食み出さないようにトップシート22の幅を広げることもできる。トップシート22としては、有孔又は無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。
【0024】
(中間シート)
トップシート22の裏側に隣接して中間シート24が設けられていると好ましい。中間シート24は前後方向等に一部重なるように複数枚配置されていてもよい。中間シート24としては、有孔又は無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどを用いることができる。中間シート24の素材は、トップシート22と同じ素材であっても、異なる素材であってもよい。
【0025】
中間シート24は、前後方向LD及び幅方向WDの少なくとも一方においてトップシート22より広くても、狭くても、同じでもよい。中間シート24は、後述する剥離部の全部を含む範囲に設けられていると好ましい。なお、図示例ではトップシート22及び中間シート24の寸法は、前後方向LD及び幅方向WDの両方でほぼ同じとなっているため、中間シート24の幅方向WDの範囲は後述する剥離部よりも広い範囲となっている。
【0026】
(エンドフラップ部)
パッドタイプ使い捨ておむつ200の前後端部は、吸収体23の前後端よりも前後両側にそれぞれ延び出た、吸収体23の存在しないエンドフラップ部EFとなっている。エンドフラップ部EFを構成する素材は特に限定されるものではないが、図示例では、液不透過性シート21、外装シート25及びトップシート22における、吸収体23の前後両側に延び出た部分となっている。
【0027】
(サイドフラップ部)
また、パッドタイプ使い捨ておむつ200の両側部は、吸収体の側方に延び出たサイドフラップ部SFとなっている。サイドフラップ部SFを構成する素材は特に限定されるものではないが、図示例では、液不透過性シート21、外装シート25、トップシート22、及びギャザーシート62における、吸収体23の幅方向WDの両側に延び出た部分となっている。これらを含め、素材の貼り合わせは、図中に点模様で示されたホットメルト接着剤の他、ヒートシール、超音波シール等の素材溶着により行うことができる。
【0028】
(起き上がりギャザー)
トップシート22上を横方向に移動する尿を遮り、横漏れを防止するために、使い捨ておむつの表面の幅方向WDの両側には、トップシート22の側部から肌側に立ち上がる(突出する)起き上がりギャザー60が前後方向全体にわたり設けられている。
【0029】
図示例の起き上がりギャザー60は、サイドフラップ部SFを含む領域に固定された付根部分65と、この付根部分65から延び出た本体部分66と、この本体部分66の前後方向両端部が倒伏状態に固定されて形成された倒伏部分67と、本体部分66のうち前後の倒伏部分67間に位置する非固定の起き上がり部分68と、この起き上がり部分68の少なくとも先端部に、前後方向に伸張した状態で固定されたギャザー弾性部材63とを有している。起き上がりギャザー60は、先端で折り返されたギャザーシート62により形成されており、ギャザー弾性部材63は、図示例のように各複数本、間隔を空けて設ける他、各1本設けることができる。ギャザー弾性部材63を有する部分の伸長率は特に限定されないが、通常の場合150~350%が好ましく、200~300%がより好ましい。
【0030】
図示例の起き上がりギャザー60の付根部分65は、サイドフラップ部SFにのみ設けられており、液不透過性シート21の側部及び外装シート25の側部に接合されているが、サイドフラップ部SFから吸収体23と重なる領域の側部まで延びていてもよい。
【0031】
起き上がりギャザー60の本体部分66は、前後方向LDの両端部が倒伏部分67となっているものの、その間の部分は非固定の起き上がり部分68とされており、この起き上がり部分68がギャザー弾性部材63の収縮力により起き上るようになる。おむつの装着時には、おむつが舟形に体に装着され、そしてギャザー弾性部材63の収縮力が作用するので、ギャザー弾性部材63の収縮力により起き上がりギャザー60が起き上がり、脚周りに弾力的に密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
【0032】
ギャザーシート62の素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコーンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。ギャザー弾性部材63としては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
【0033】
(サイドギャザー)
各サイドフラップ部SFは、股間部Mを含む前後方向LDの範囲に、前後方向LDに延びる細長状のサイド弾性部材64を有しており、このサイド弾性部材64を有する領域は、サイド弾性部材64の収縮により前後方向LDに収縮しているとともに前後方向LDに伸長可能である伸縮領域A1(サイドギャザー)を有している。サイド弾性部材64は、図示例のように、ギャザーシート62の接合部分のうち接合始端近傍の幅方向WD外側において、ギャザーシート62と液不透過性シート21との間に設けるほか、サイドフラップ部SFにおける液不透過性シート21と外装シート25との間に設けることもできる。サイド弾性部材64は、図示例のように各側に1本のみ設ける他、各側に複数本設けることもできる。サイド弾性部材64としては、ギャザー弾性部材63と同様の素材を使用することができる。
【0034】
サイド弾性部材64は伸縮領域A1のみに存在していてもよいし、伸縮領域A1よりも前側、後側又はその両側にわたり存在していてもよい。後者の場合、伸縮領域A1以外は、サイド弾性部材64が一か所又は多数個所で細かく切断されていたり、サイド弾性部材64を挟むシートに固定されていなかったり、あるいはその両方であったりすることにより、非伸縮領域A2(実質的には、弾性部材を設けないことに等しい)とされる。伸縮領域A1の前後方向LDの範囲は適宜定めることができるが、少なくとも股間部Mを含むことが望ましく、吸収体23が括れ部23nを有する場合にはその前後端部とほぼ同じ前後位置まで、前後方向LDの両側に延びていることが好ましい。
【0035】
(粘着剤層)
このパッドタイプ使い捨ておむつ200は、図6に示すように下着100に取り付けることができる。この際、図2図3及び図5に示すように、パッドタイプ使い捨ておむつ200の裏面、つまり図示例では外装シート25の裏面には、粘着剤層30が設けられていると、パッドタイプ使い捨ておむつ200を下着に固定することができる。粘着剤層30は、図示例のように、剥離シート31により剥離可能に被覆しておき、使用時に剥離シート31を剥離して粘着剤層30を露出させるのが望ましい。
【0036】
図示例では、粘着剤層30を前後方向に沿って連続的に設けているが、前側部分F1及び後側部分B1のそれぞれに設けたり、いずれか一方のみに設けたり、股間部M等の前後方向の中間部のみに設けたりしても良い。粘着剤層30を複数設ける場合、前側部分F1及び後側部分B1に各少なくとも一つは設けるのが好ましい。
【0037】
粘着剤層30は、その全体が吸収体23と重なる領域内に収まるような寸法及び配置となっているのが好ましい。具体的には、粘着剤層30の幅W3は吸収体23の幅W2の70~80%程度、前後方向長さL3(前後方向に複数設ける場合は総長さ)は吸収体23の全長L2の60~95%程度、又は物品全長L1の50~95%程度であるのが好ましい。粘着剤層30は吸収体23と重なる領域からエンドフラップ部EFまで延びていてもよい。
【0038】
(剥離部)
特徴的には、図3図4及び図7に示すように、トップシート22は、股間部Mの少なくとも一部を含む範囲に剥離可能に設けられた剥離部22pを有しており、トップシート22のうち、剥離部22pは尿知覚効果を有するとともに、トップシート22以外は尿知覚効果を有しないものとなっている。「尿知覚効果を有する」とは、排尿時に装着者による尿の知覚を促すような工夫がなされているものをいい、「尿知覚効果を有しない」とはそのような工夫がないものいう。尿知覚効果を有するトップシート22としては、代表的なものでは保水性素材(レーヨンやパルプ等を含有する不織布)からなるものや、撥水剤が内添又は外添されたもの、又はソルビトール等の温度変化物質を含有するもの等を例示することができる。トップシート22は、剥離部22pが尿知覚効果を有する限り、トップシート22の全体にわたり尿知覚効果を有していてもよいし、剥離部22pのみに尿知覚効果を有していてもよい。後者の場合、剥離部22pの全体に尿知覚効果を有していても、剥離部22pの一部に尿知覚効果を有していてもよい。
【0039】
よって、本パッドタイプ使い捨ておむつ200では、図7に示すように、トップシート22の剥離部22pを剥離せずにそのまま使用すれば、その剥離部22pの尿知覚効果によりトイレトレーニング用として用いることができる。一方、夜間や外出の際には、図8図10に示すように、トップシート22の剥離部22pを剥離し、取り除いてしまえば尿知覚効果の減少した通常の使い捨ておむつとして使用することができる。したがって、トイレトレーニング用及び通常用として兼用できることはもちろん、その変更は極めて容易である。なお、剥離部22pを剥離した部位には、中間シート24が露出し、トップシート22の代わりを担う。このため、中間シート24は、剥離部22pの全部を含む範囲、つまり、剥離部22p部と同じか又は前後方向LD及び幅方向WDの少なくとも一方において股間部Mよりも広い範囲に設けられることが好ましい。
【0040】
使い捨ておむつにおける剥離部22pの範囲は、股間部Mの少なくとも一部を含む範囲、つまり股間部Mの一部と同じか又は前後方向LD及び幅方向WDの少なくとも一方において股間部Mの一部よりも広い範囲であればよい。例えば、図7図11及び図12に示すように、剥離部22pの両側縁は、起き上がりギャザー60の倒伏部分67の幅方向WD中央側に隣接する位置を通り、トップシート22の前後方向LD全体にわたり直線的に連続していてもよい。この場合、剥離部22pの前縁及び後縁はトップシート22の前縁及び後縁に一致し、図示例のようにトップシート22が使い捨ておむつの前縁から後縁まで延びている場合、剥離部22pの前縁及び後縁はパッドタイプ使い捨ておむつ200の前縁及び後縁に一致する。
【0041】
剥離部22pの両側縁は、倒伏部分67の幅方向WDの中央側の縁と一致していてもよいが、図7に示すように近接している(例えば5mm以下)か、又は図12に示すようにある程度離間(例えば5mm超15mm以下)していてもよい。図15に示すように、剥離部22pは、トップシート22の露出部分(起き上がりギャザー60により隠れない部分)における前後方向LDの中間(例えば吸収体23の前後縁よりも中央側)にのみ設けることもできる。
【0042】
図示しないが、トップシート22は、その全体が剥離部22pであってもよい。つまり、トップシート22の両側縁が倒伏部分67よりも幅方向WDの中央側に位置しており、トップシート22の全体が剥離可能となっていてもよい。この場合、トップシート22の両側縁と起き上がりギャザー60の付根部分65との間は中間シート24で覆われていることが好ましい。
【0043】
起き上がりギャザー60の付根部分65がトップシート22の両側部を含む部分に固定されている一般的な構造(一方の起き上がりギャザー60の付根部分65から、他方の起き上がりギャザー60の付根部分65までがトップシート22で覆われている構造)では、剥離部22pは以下のように設けられていることが好ましい。すなわち、図3及び図4に示すように、トップシート22は、裏側に隣接する部材(図示例では中間シート24)に対して剥離可能とされた第1部分221と、裏側に隣接する部材(図示例では中間シート24)に固定された第2部分222とを有している。第1部分221は、トップシート22の幅方向WDの中間に位置するとともに、トップシート22の前後方向LD全体にわたっている。第2部分222は、トップシート22における第1部分221の両脇に位置し、トップシート22の前後方向LD全体にわたっている。そして、トップシート22は、その前端から後端まで、第1部分221の両側部をそれぞれ通り連続する、一対のミシン目80を有しており、このミシン目は、倒伏部分67と対応する前後方向LDの位置では倒伏部分67よりも幅方向WDの中央側に、及び起き上がり部分68と対応する前後方向LDの位置では付根部分65よりも幅方向WDの中央側に設けられている。なお、「第1部分221の両側部」とは、第1部分221内だけでなく、第1部分221及び第2部分222の境界を含み、第2部分222内は含まない意味である。
【0044】
本パッドタイプ使い捨ておむつ200では、一対のミシン目80の間の部分が剥離部22pとなる。よって、図7に示すように、ミシン目80を切り離さずにそのまま使用すれば、その間に位置する部分(剥離部22p)の尿知覚効果によりトイレトレーニング用として用いることができる。一方、夜間や外出の際には、図8図10に示すように、一対のミシン目80を切り離して、その間に位置する部分(剥離部22p)を剥離し、取り除いてしまえば尿知覚効果の減少した通常の使い捨ておむつとして使用することができる。つまり、尿知覚効果は股間部Mこそ重要であり、股間部Mにおける尿知覚効果がなくなるということは、通常使用に足ることを意味する。また、トップシート22の全体にわたり尿知覚効果用の薬液を含有させた場合のように、トップシート22の剥離部22p分以外(ミシン目80の外側)にも尿知覚効果を有する場合、剥離部22pを剥離しても尿知覚効果は残ることになるが、その面積は剥離部22pよりも格段に小さく、しかもその部分は起き上がりギャザー60の存在により隠れるか、若しくは露出するとしても肌に触れにくいか、又は尿で濡れにくい部分であるため、尿知覚効果は格段に減少しており、通常使用に足るということができる。
【0045】
トップシート22は、剥離部22pの側方まで尿知覚効果をもたせる(全体を濡れやすい素材とする等)と、製造が容易という点では好ましい。しかし、この場合、剥離部22pを剥離しても尿知覚効果が残ることは前述のとおりである。そこで、このような場合、図11に示すように、ミシン目80は、起き上がり部分68と対応する前後方向LDの位置では、展開状態における起き上がり部分68の先端の位置よりも幅方向WDの外側に設けられていると好ましい。このようにミシン目80の位置を起き上がり部分68と重なる位置まで入り込ませ、剥離部22pを剥離した際に残る部分のうち大部分が起き上がりギャザー60の起き上がり部分68で隠れるようにするのは好ましい。この場合、剥離部22pを剥離すると、倒伏部分67と対応する前後方向LDの位置では、剥離部22pの側方に残る尿知覚効果を有する部分は露出するが、そこは尿で濡れにくい部分であるため、尿知覚効果は格段に減少しており、通常使用に足るものとなる。
【0046】
また、図12に示すように、ミシン目80は、倒伏部分67と対応する前後方向LDの位置では倒伏部分67よりも幅方向WDの中央側に離間しており、第1部分221は、ミシン目80から側方に離間した位置まで延びており、図13及び図14に示すように、第1部分221のうち剥離部22pを剥離したときにミシン目80よりも側方に残留する残留部分85が、中間シート24側に折り返し可能であるのも好ましい。剥離部22pを剥離したときに残るミシン目80の切り口は、肌触りを悪化させるおそれがある。これに対して、剥離部22pを剥離したときにミシン目80よりも側方に残留する残留部分85が、中間シート24側に折り返し可能であると、ミシン目80の切り口を隠すことができ、ミシン目80の切り口による肌触りの悪化を防止できる。
【0047】
剥離部22pは、裏側に隣接する部材(図示例では中間シート24)に剥離可能に接合された仮止め部81を有することが好ましい。仮止め部81を設けることにより、トップシート22が浮いたり、皺が寄ったりするのを防止でき、もって見栄えや装着感、吸収性能に悪影響が出るのを防止することができる。仮止め部81を、ホットメルト接着剤により形成する場合には、その塗布量を少なくする(例えば0.5~1.0g/m2程度とし)ことにより実現することができる。また、仮止め部81は、トップシート22又はその裏側に隣接する部材の少なくとも一方の溶着により形成することもでき、その場合には溶着部の面積を小さくすることにより実現することができる。さらに、仮止め部81は、粘着剤により形成することもでき、その場合には剥離後に粘着剤が剥離部22pとともに除去され、剥離部22pの裏側の部材に残らないようになっていることが望ましい。
【0048】
仮止め部81は、連続的に設けられていても断続的に設けられていてもよい。仮止め部81は、幅方向WDにおいて、図3図4及び図7に示す例のようにミシン目80よりも側方まで設けられていてもよいし、図12~14に示す例のようにミシン目80よりも中央側にしか設けられていなくてもよい。また、仮止め部81は前後方向LDにおいて前端及び後端まで設けられていてもよいが、前端部及び後端部の少なくとも一方には設けられていなくてもよい。すなわち、剥離部22pにおける前後少なくとも一方の端部に、裏側に隣接する部材(図示例では中間シート24)に固定されていない摘み部82を有すると、剥離部22pの剥離開始が容易となるため好ましい。
【0049】
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
【0050】
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
【0051】
・「表側」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
【0052】
・「表面」とは部材の、パンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
【0053】
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
【0054】
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したもの)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter-MAX ME-500)でゲル強度を測定する。
【0055】
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
【0056】
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
【0057】
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
【0058】
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
【0059】
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、上記例のようなパッドタイプ使い捨ておむつに限られず、テープタイプやパンツタイプの使い捨ておむつ等、他の使い捨ておむつにも利用可能なものである。
【符号の説明】
【0061】
A1…伸縮領域、A2…非伸縮領域、B1…後側部分、F1…前側部分、LD…前後方向、LO…脚開口、M…股間部、SF…サイドフラップ部、WD…幅方向、21…液不透過性シート、22…トップシート、22p…剥離部、23…吸収体、23n…括れ部、24…中間シート、25…外装シート、30…粘着剤層、31…剥離シート、60…起き上がりギャザー、62…ギャザーシート、63…ギャザー弾性部材、64…サイド弾性部材、65…付根部分、66…本体部分、67…倒伏部分、68…起き上がり部分、80…ミシン目、81…仮止め部、82…摘み部、85…残留部分、100…下着、200…パッドタイプ使い捨ておむつ、221…第1部分、222…第2部分。
図1
図2
図3
図4
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図10
図11
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