IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】音声指向型拡声器グリル
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20240902BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20240902BHJP
   H04R 1/30 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
H04R1/02 101G
H04R1/02 102B
H04R1/02 103
H04R1/02 104Z
B60R11/02 S
H04R1/30 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019002438
(22)【出願日】2019-01-10
(65)【公開番号】P2019126029
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-12-24
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-31
(31)【優先権主張番号】62/616,974
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592051453
【氏名又は名称】ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】パトリック グロロー
(72)【発明者】
【氏名】カイル コンセッシ
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】片岡 利延
【審判官】木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-535203号公報
【文献】特開2000-074018号公報
【文献】特開平04-325338号公報
【文献】仏国特許出願公開第02620293号明細書
【文献】特開昭61-082712号公報
【文献】米国特許第05687246号明細書
【文献】国際公開第2016/031325号
【文献】特開2009-260524号公報
【文献】特表2001-502878号公報
【文献】国際公開第2017/160594号
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/02
H04R 1/30
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のヘッドレストに含まれるスピーカシステムであって、前記スピーカシステムが、
変換器出力において、音波を発生させるように適合した変換器と、
前記変換器出力に結合され、前記変換器からの前記音波を、ホーン出力に向かってガイドするように適合されたホーンと、
グリルであって、前記グリルが、前記グリルの湾曲ジョイントを介して前記ホーンに直接結合され、前記湾曲ジョイントが、前記グリルの平滑で連続した内側表面を形成し、前記グリルが、複数のアパーチャを備え、前記グリルが、前記ホーン出力からの前記音波を再度方向付けるように適合されており、前記グリルが、前記ヘッドレストの側部の前面と同一平面である、グリルと
を備える、スピーカシステム。
【請求項2】
前記グリルが、外側フレームと、内側メッシュ部分と、タブと、レッジとを備え、
前記タブが、前記外側フレームの外周の周りに配置されており、
前記レッジが、前記タブに垂直であり、前記内側メッシュ部分から外に延びている、請求項1に記載のスピーカシステム。
【請求項3】
前記変換器が、第1の変換器出力において、音波を発生させるように適合した第1の変換器を備え、前記ホーンが、第1のホーンを備え、前記第1のホーンが、前記第1の変換器出力に結合され、前記第1の変換器からの前記音波を、第1のホーン出力に向かってガイドするように適合され、前記グリルが、第1のグリルを備え、前記第1のグリルが、前記第1のグリルの第1の湾曲ジョイントを介して前記第1のホーンに結合され、前記第1のホーン出力からの前記音波を再度方向付けるように適合され、前記スピーカシステムが、
第2の変換器出力において、音波を発生させるように適合した第2の変換器と、
前記第2の変換器出力に結合され、前記第2の変換器からの前記音波を、第2のホーン出力に向かってガイドするように適合された第2のホーンと、
第2のグリルであって、前記第2のグリルの第2の湾曲ジョイントを介して前記第2のホーンに結合され、前記第2のホーン出力からの前記音波を再度方向付けるように適合され、前記第1のグリルと前記第2のグリルとの各々が、前記第1のホーン出力及び前記第2のホーン出力からのそれぞれの前記音波を共通の方向に再度方向付けるように適合されている、第2のグリルと
をさらに備える、請求項1または2に記載のスピーカシステム。
【請求項4】
前記スピーカシステムが、前記ヘッドレスト内に配置され、前記第1の変換器、前記第1のホーン、及び前記第1のグリルが、前記ヘッドレストの垂直軸に関し、前記第2の変換器、前記第2のホーン、及び前記第2のグリルとは反対側に位置している、請求項3に記載のスピーカシステム。
【請求項5】
前記ヘッドレスト内に配置された前記第1の変換器、前記第1のホーン、及び前記第1のグリルの各々が、前記垂直軸に関し、前記第2の変換器、前記第2のホーン、及び前記第2のグリルとそれぞれ鏡像のように対称になっている、請求項4に記載のスピーカシステム。
【請求項6】
前記共通の方向が、前記垂直軸に対して垂直である、請求項5に記載のスピーカシステム。
【請求項7】
前記ヘッドレストの中心領域が、前記車両の乗員の頭部を支持するように適合されており、前記共通の方向が、前記第1のグリルから、前記乗員の前記頭部が前記ヘッドレストの前記中心領域によって支持されている場合には、前記乗員の耳を通過して延びる、請求項4に記載のスピーカシステム。
【請求項8】
前記共通の方向が、前記ヘッドレストの前記中心領域の乗員に向いた前面に対して垂直である、請求項7に記載のスピーカシステム。
【請求項9】
前記第1のグリル及び前記第2のグリルが、前記ヘッドレストの前記前面のある部分を形成し、前記共通の方向が、前記ヘッドレストの前記前面に対して垂直である、請求項4に記載のスピーカシステム。
【請求項10】
前記第1の変換器からの前記音波が、前記第1のホーンを通して第1の方向に伝播し、前記第1の方向が、前記共通の方向に対して25度から35度の間で角度が付けられている、請求項4に記載のスピーカシステム。
【請求項11】
前記第1の湾曲ジョイントが、前記第1のグリルと前記第1のホーンとの間に弧を形成する内側表面と、前記第1のグリルと前記第1のホーンとの間に直角を形成する外側表面とを含む、請求項3に記載のスピーカシステム。
【請求項12】
前記第1のグリルと前記第2のグリルとの各々が、繰返しの、非線形のアパーチャのパターンを含んでいる、請求項3に記載のスピーカシステム。
【請求項13】
前記第1のグリルにおける前記アパーチャのパターンが、前記第1のホーンの曲率に基づくものであり、前記第2のグリルにおける前記アパーチャのパターンが、前記第2のホーンの曲率に基づくものである、請求項12に記載のスピーカシステム。
【請求項14】
車両のヘッドレストに含まれるスピーカシステムであって、前記スピーカシステムが、
前記ヘッドレストの中心平面の両側に配置された第1の変換器と第2の変換器と、
前記第1の変換器と前記第2の変換器とにそれぞれ結合された第1のホーンと第2のホーンと、
前記第1のホーンと前記第2のホーンとにそれぞれ直接結合された第1のグリルと第2のグリルとであって、前記第1のグリルと前記第2のグリルとが、前記第1のホーン及び前記第2のホーンからの音声を、前記中心平面に平行な共通の方向に再度方向付けるように構成されている、第1のグリルと第2のグリルと
を備え、
前記第1のグリルが、前記第1のグリルの第1の湾曲ジョイントを介して前記第1のホーンに結合され、
前記第2のグリルが、前記第2のグリルの第2の湾曲ジョイントを介して前記第2のホーンに結合され、
前記第1の湾曲ジョイントが、前記第1のグリルの平滑で連続した内側表面を形成し、
前記第2の湾曲ジョイントが、前記第2のグリルの平滑で連続した内側表面を形成し、
前記第1のグリル及び前記第2のグリルが、前記ヘッドレストの側部の前面と同一平面である、スピーカシステム。
【請求項15】
前記ヘッドレストの中心領域が、前記車両の乗員の頭部を支持するように適合されており、前記共通の方向が、前記第1のグリルから、前記乗員の前記頭部が前記ヘッドレストの前記中心領域によって支持されている場合には、前記乗員の耳を通過して延びる、請求項14に記載のスピーカシステム。
【請求項16】
車両用のヘッドレストであって、前記ヘッドレストが、
前記ヘッドレストの中心平面の両側に配置された第1の変換器と第2の変換器と、
前記第1の変換器と前記第2の変換器とにそれぞれ結合された第1のホーンと第2のホーンと、
前記第1のホーンと前記第2のホーンとにそれぞれ直接結合された第1のグリルと第2のグリルとであって、前記第1のグリルと前記第2のグリルとが、前記第1のホーン及び前記第2のホーンからの音声を、前記ヘッドレストの前記中心平面に平行な共通の方向に再度方向付けるように構成されている、第1のグリルと第2のグリルと
を備え、
前記第1のグリルが、前記第1のグリルの第1の湾曲ジョイントを介して前記第1のホーンに結合され、
前記第2のグリルが、前記第2のグリルの第2の湾曲ジョイントを介して前記第2のホーンに結合され、
前記第1の湾曲ジョイントが、前記第1のグリルの平滑で連続した内側表面を形成し、
前記第2の湾曲ジョイントが、前記第2のグリルの平滑で連続した内側表面を形成し、
前記第1のグリル及び前記第2のグリルが、前記ヘッドレストの側部の前面と同一平面である、ヘッドレスト。
【請求項17】
前記ヘッドレストの中心領域が、前記車両の乗員の頭部を支持するように適合されており、前記共通の方向が、前記第1のグリルから、前記乗員の前記頭部が前記ヘッドレストの前記中心領域によって支持されている場合には、前記乗員の耳を通過して延びる、請求項16に記載のヘッドレスト。
【請求項18】
前記共通の方向が、前記ヘッドレストの前記中心領域の乗員に向いた前面に対して垂直である、請求項17に記載のヘッドレスト。
【請求項19】
前記第1のグリル及び前記第2のグリルが、前記ヘッドレストの前記前面のある部分を形成し、前記共通の方向が、前記ヘッドレストの前記前面に対して垂直である、請求項16に記載のヘッドレスト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、「AUDIO DIRECTING LOUDSPEAKER GRILL」と題され、2018年1月12日に出願された、米国仮出願第62/616,974号の優先権を主張する。上に列挙した出願の内容全体は、すべての目的に関し、参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、拡声器のための変換器及び関連する指向型グリルの構成に関する。
【背景技術】
【0003】
拡声器は、様々な環境において使用される場合があり、また、スタンドアロンのハウジング内にパッケージングされるか、他の構造に組み込まれる場合がある。たとえば、車両の環境においては、拡声器は、ドア、ダッシュボード、後方デッキ、及びヘッドレストに組み込まれる場合がある。ヘッドレストに取り付けられたスピーカは、潜在的な傾聴者の頭部及び耳にヘッドレストが近いこと、ならびに、スピーカ要素に利用可能である空間を制限するヘッドレストの安全性の特徴に起因する特定の課題を生じる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
車両のヘッドレストが、快適性及び衝撃吸収のために、圧縮可能な材料を含む、ヘッドレストの中心の、専用のヘッドサポート領域を有する場合がある。したがって、ヘッドレストに組み込まれたスピーカの構成要素は、ヘッドレストのそれぞれの側部に配置されている場合がある。しかし、ヘッドレスト内のスピーカに利用可能である空間により、スピーカが、関連するシートの乗員の頭部の位置に対してある角度で配置されることになる場合がある。たとえば、スピーカは、シートの乗員の耳から外側に離れるように角度が付される場合があり、それにより、シートの乗員の傾聴の経験を低減する。
【0005】
本開示は、音声が、関連するシートの乗員の耳を通過してほぼ直線状に伝わるように、音声出力を再度方向付ける、ヘッドレストに組み込まれるスピーカの構成を提供する。たとえば、本開示のスピーカは、導波管、ホーン、ベゼル、または、導波管(複数可)、ホーン(複数可)、もしくはベゼルの任意の組合せに結合された変換器を含んでいる。この変換器は次いで、導波管、ホーン、及び/またはベゼル(ヘッドレストの内側)と、ヘッドレストの外部との間の界面となる、再度方向付けるグリルに結合されている。再度方向付けるグリルは、導波管、ホーン、及び/またはベゼルと、ヘッドレストの外部との間の平滑な界面を提供するように、湾曲している場合がある。
【0006】
実施形態が、音声を、車両の乗員などの傾聴者に向けて再度方向付けるスピーカシステムに関して開示されている。スピーカシステムは、傾聴者が座るシートのヘッドレストなどの、車両のヘッドレストに組み込まれている場合がある。他の実施例では、スピーカシステムは、中心チャネルまたはモノクロ音源を提供するように、リアシートの中心のスピーカ領域、または、車両キャビンの他の位置などの、別のエリアに組み込まれている場合がある。例示的スピーカシステムは、第1の変換器出力において、音波を発生させるように適合した第1の変換器と、第2の変換器出力において、音波を発生させるように適合した第2の変換器と、第1の変換器出力に結合され、第1の変換器からの音波を、第1のホーン出力に向かってガイドするように適合された第1のホーンと、第2の変換器出力に結合され、第2の変換器からの音波を、第2のホーン出力に向かってガイドするように適合された第2のホーンと、を含んでいる。例示的スピーカシステムは、第1のグリルであって、第1のグリルの第1の湾曲ジョイントを介して第1のホーンに結合され、第1のホーン出力からの音波を再度方向付けるように適合した第1のグリルと、第2のグリルであって、第2のグリルの第2の湾曲ジョイントを介して第2のホーンに結合され、第2のホーン出力からの音波を再度方向付けるように適合し、第1のグリルと第2のグリルとの各々が、第1のホーン出力及び第2のホーン出力からのそれぞれの音波を共通の方向に再度方向付けるように適合されている、第2のグリルと、をさらに含んでいる。
【0007】
別の例示的スピーカシステムは、中心平面の両側に配置された第1の変換器と第2の変換器と、第1の変換器と第2の変換器とにそれぞれ結合された第1のホーンと第2のホーンと、第1のホーンと第2のホーンとにそれぞれ結合された第1のグリルと第2のグリルとであって、第1のグリルと第2のグリルとが、第1のホーン及び第2のホーンからの音声を、中心平面に平行な共通の方向に再度方向付けるように構成されている、第1のグリル及び第2のグリルと、を含んでいる。
【0008】
本開示は、ヘッドレストの中心平面の両側に配置された第1の変換器と第2の変換器と、第1の変換器と第2の変換器とにそれぞれ結合された第1のホーンと第2のホーンと、第1のホーンと第2のホーンとにそれぞれ結合された第1のグリルと第2のグリルとであって、第1のグリルと第2のグリルとが、第1のホーン及び第2のホーンからの音声を、ヘッドレストの中心平面に平行な共通の方向に再度方向付けるように構成されている、第1のグリル及び第2のグリルと、を含む、ヘッドレストとをも提供している。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
変換器出力において、音波を発生させるように適合した変換器と、
前記変換器出力に結合され、前記変換器からの前記音波を、ホーン出力に向かってガイドするように適合されたホーンと、
湾曲ジョイントを介して前記ホーンに結合され、前記ホーン出力からの前記音波を再度方向付けるように適合したグリルと、を備えた、スピーカシステム。
(項目2)
前記変換器と前記ホーンとの間に配置されたパッドリングまたはベゼルをさらに備えた、上記項目に記載のスピーカシステム。
(項目3)
前記変換器が、第1の変換器出力において、音波を発生させるように適合した第1の変換器を備え、前記ホーンが、前記変換器出力に結合され、前記第1の変換器からの前記音波を、第1のホーン出力に向かってガイドするように適合された第1のホーンを備え、前記グリルが、第1のグリルであって、前記第1のグリルの第1の湾曲ジョイントを介して前記第1のホーンに結合され、前記第1のホーン出力からの前記音波を再度方向付けるように適合した前記第1のグリルを備え、前記スピーカシステムが、
第2の変換器出力において、音波を発生させるように適合した第2の変換器と、
前記第2の変換器出力に結合され、前記第2の変換器からの前記音波を、第2のホーン出力に向かってガイドするように適合された第2のホーンと、
第2のグリルであって、前記第2のグリルの第2の湾曲ジョイントを介して前記第2のホーンに結合され、前記第2のホーン出力からの前記音波を再度方向付けるように適合し、前記第1のグリルと前記第2のグリルとの各々が、前記第1のホーン出力及び前記第2のホーン出力からのそれぞれの前記音波を共通の方向に再度方向付けるように適合されている、前記第2のグリルと、をさらに備えた、上記項目のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
(項目4)
前記スピーカシステムが、ある構造内に配置され、前記第1の変換器、前記第1のホーン、及び前記第1のグリルが、前記構造の垂直軸に関し、前記第2の変換器、前記第2のホーン、及び前記第2のグリルとは反対側に位置している、上記項目のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
(項目5)
前記構造内に配置された前記第1の変換器、前記第1のホーン、及び前記第1のグリルの各々が、前記垂直軸に関し、前記第2の変換器、前記第2のホーン、及び前記第2のグリルとそれぞれ鏡像のように対称になっている、上記項目のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
(項目6)
前記共通の方向が、前記垂直軸に対して垂直である、上記項目のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
(項目7)
前記構造が、車両のヘッドレストであり、前記ヘッドレストの中心領域が、前記車両の乗員の頭部を支持するように適合されており、前記共通の方向が、前記第1のグリルから、前記乗員の前記頭部が前記ヘッドレストの前記中心領域によって支持されている場合には、前記乗員の耳を通過して延びる、上記項目のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
(項目8)
前記共通の方向が、前記ヘッドレストの前記中心領域の乗員に向いた前面に対して垂直である、上記項目のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
(項目9)
前記第1のグリル及び前記第2のグリルが、前記構造の前面のある部分を形成し、前記共通の方向が、前記構造の前記前面に対して垂直である、上記項目のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
(項目10)
前記第1の変換器からの前記音波が、前記第1のホーンを通して第1の方向に伝播し、前記第1の方向が、前記共通の方向に対して25度から35度の間で角度が付けられている、上記項目のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
(項目11)
前記第1の湾曲ジョイントが、前記第1のグリルと前記第1のホーンとの間に弧を形成する内側表面と、前記第1のグリルと前記第1のホーンとの間に直角を形成する外側表面とを含む、上記項目のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
(項目12)
前記第1のグリルと前記第2のグリルとの各々が、繰返しの、非線形のアパーチャのパターンを含んでいる、上記項目のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
(項目13)
前記第1のグリルにおける前記アパーチャのパターンが、前記第1のホーンの曲率に基づくものであり、前記第2のグリルにおける前記アパーチャのパターンが、前記第2のホーンの曲率に基づくものである、上記項目のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
(項目14)
中心平面の両側に配置された第1の変換器と第2の変換器と、
前記第1の変換器と前記第2の変換器とにそれぞれ結合された第1のホーンと第2のホーンと、
前記第1のホーンと前記第2のホーンとにそれぞれ結合された第1のグリルと第2のグリルとであって、前記第1のグリルと前記第2のグリルとが、前記第1のホーン及び前記第2のホーンからの音声を、前記中心平面に水平な共通の方向に再度方向付けるように構成されている、前記第1のグリル及び前記第2のグリルとを備えた、スピーカシステム。
(項目15)
前記第1のグリルが、第1の湾曲ジョイントを介して前記第1のホーンに結合されており、前記第2のグリルが、第2の湾曲ジョイントを介して前記第2のホーンに結合されている、上記項目のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
(項目16)
前記スピーカシステムが、車両のヘッドレストに含まれ、前記ヘッドレストの中心領域が、前記車両の乗員の頭部を支持するように適合されており、前記共通の方向が、前記第1のグリルから、前記乗員の前記頭部が前記ヘッドレストの前記中心領域によって支持されている場合には、前記乗員の耳を通過して延びる、上記項目のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
(項目17)
車両用のヘッドレストであって、
前記ヘッドレストの中心平面の両側に配置された第1の変換器と第2の変換器と、
前記第1の変換器と前記第2の変換器とにそれぞれ結合された第1のホーンと第2のホーンと、
前記第1のホーンと前記第2のホーンとにそれぞれ結合された第1のグリルと第2のグリルとであって、前記第1のグリルと前記第2のグリルとが、前記第1のホーン及び前記第2のホーンからの音声を、前記ヘッドレストの前記中心平面に水平な共通の方向に再度方向付けるように構成されている、前記第1のグリル及び前記第2のグリルとを備えている、前記ヘッドレスト。
(項目18)
前記ヘッドレストの中心領域が、前記車両の乗員の頭部を支持するように適合されており、前記共通の方向が、前記第1のグリルから、前記乗員の前記頭部が前記ヘッドレストの前記中心領域によって支持されている場合には、前記乗員の耳を通過して延びる、上記項目のいずれか一項に記載のヘッドレスト。
(項目19)
前記共通の方向が、前記ヘッドレストの前記中心領域の乗員に向いた前面に対して垂直である、上記項目のいずれか一項に記載のヘッドレスト。
(項目20)
前記第1のグリル及び前記第2のグリルが、前記ヘッドレストの前面のある部分を形成し、前記共通の方向が、前記ヘッドレストの前記前面に対して垂直である、上記項目のいずれか一項に記載のヘッドレスト。
(摘要)
実施例が、音声を、車両の乗員などの傾聴者に向けて再度方向付けるスピーカシステムに関して提供される。スピーカシステムは、車両のヘッドレストに組み込まれている場合がある。例示的スピーカシステムは、第1の変換器出力において、音波を発生させるように適合した変換器と、変換器出力に結合され、変換器からの音波を、ホーン出力に向かってガイドするように適合されたホーンと、湾曲ジョイントを介してホーンに結合され、ホーン出力からの音波を再度方向付けるように適合したグリルと、を含んでいる。例示的スピーカシステムは、変換器とホーンとの間に配置されたパッドリングまたはベゼルをさらに含む場合がある。
【0009】
本開示は、添付の図面を参照して、非限定的な実施形態の以下の詳細な説明を読むことで、よりよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、ヘッドレストの表面に組み込まれたグリルのセットを有する、例示的ヘッドレストの斜視図を示す。
図2A】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、図1のヘッドレスト内のスピーカシステムの部分の構成要素の例示的配置を示す。
図2B】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、図1のヘッドレスト内のスピーカシステムの部分の構成要素の上面図を示す。
図2C】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、図2Bのスピーカシステムの部分の構成要素の上部断面図を示す。
図3】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、ヘッドレスト内の例示的スピーカシステムの上面図を示す。
図4A】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、ヘッドレストの外側表面が外された状態の、図3のヘッドレスト内に配置された例示的スピーカシステムの正面図を示す。
図4B】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、図3のヘッドレスト内に配置された例示的スピーカシステムの、ある角度からの上面図を示す。
図4C】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、図3のヘッドレスト内に配置された例示的スピーカシステムの、真上からの上面図を示す。
図5A】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、ヘッドレストの外側表面を伴わない、図3のヘッドレスト内に配置された例示的スピーカシステムの一方側の詳細な等角側部斜視図を示す。
図5B】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、図3のヘッドレスト内に配置された例示的スピーカシステムの一方側の、異なる詳細な等角の上部斜視図を示す。
図6A】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、図3のヘッドレスト内に配置された例示的スピーカシステムの一方側の断面図を示す。
図6B】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、異なる角度からの図3のヘッドレスト内に配置された例示的スピーカシステムの一方側の詳細な断面図を示す。
図6C】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、異なる角度からの図3のヘッドレスト内に配置された例示的スピーカシステムの一方側の詳細な断面図を示す。
図7A】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、例示的グリルの正面図を示す。
図7B】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、図7Aの例示的グリルの背面図を示す。
図7C】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、図7Aの例示的グリルの断面の斜視図を示す。
図7D】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、図7Aの例示的グリルの断面の頂部斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1人または複数人の乗員ために楽しい傾聴経験を提供するために、ヘッドレスト(または車両内の複数のヘッドレスト)は、音声を伝播させるための、ヘッドレスト内に埋め込まれたホーン、及び、音声出力の方向を制御するためのグリルを含むスピーカシステムを伴って適合されている場合がある。前述のグリルのセットの、ヘッドレストの前面における配置の実施例が、図1に示されている。図2Aから図2Cは、ヘッドレスト内のスピーカシステムの一方側の配置の様々な図を示している。乗員に対するスピーカシステムの各要素の配置が、図2B及び図2Cに示されている。付随するハードウェアを含む、ヘッドレストに包含された例示的スピーカシステムが、図3に示されている。図4Aから図4Cは、外側表面を伴わない、スピーカシステムの要素の配置及び幾何学形状に着目した、例示的スピーカシステムに適合したヘッドレストの様々な図を示す。スピーカシステムの一方側のより詳細な図が、ホーンとグリルとの間の結合を示すために、異なる斜視のシークエンスから、図5A及び図5Bに与えられている。図6Aから図6Cは、幾何学形状、表面厚さ、及び、スピーカシステムの支持要素に対するホーンの向きを強調するための、グリルに結合された例示的ホーンを示す断面図である。グリルの実施形態は、図7Aから図7Dに示され、グリルの複数のアパーチャの配置を示すための、グリルの前面図、背面図、及び断面図を示している。このアパーチャは、(たとえば、図1から図6Cの例示的ヘッドレストなど、ヘッドレストに含まれる場合)音声を乗員の耳の先に向けることを補助する。
【0012】
ここで図1に移ると、自動車、実用車、映画館、及び/または他の環境のためのシートに使用されるヘッドレストなどのヘッドレスト100は、上端部110、側部112のセット、及び下端部114を有する、概して台形のアウトラインを有し得る。基準軸102のセットが、示されている各図間での比較のために与えられ、垂直な「y」方向104、水平な「x」方向106、及び横の「z」方向108を示している。側部112は、垂直方向104に関して傾斜しており、それにより、各側部112の頂部間の距離が、各側部112の底部間の距離よりも短くなっている。上端部110が側部112の頂部と交差し、下端部114が側部112の底部と交差する領域が湾曲している場合がある。上端部110と側部112とは、それぞれ水平方向と垂直方向とに沿ってわずかに湾曲している場合があり、下端部114は、それぞれ水平方向に沿って実質的に直線状である場合がある。ヘッドレスト100は、横方向108に沿って測定して、ある厚さを有する場合がある。この厚さは、下端部114においてもっとも大であり、垂直方向104に沿って、上端部110に向かって、厚さが非線形的に減少する。
【0013】
ヘッドレスト100の中心領域116は、ヘッドサポートとして作用する場合があり、また、乗員の頭のクッションになるように、発泡材料などの圧縮可能な材料で形成されている場合がある。中心領域116は、横方向108で測定してある厚さを有する場合がある。この厚さは、中心領域116の外側で、水平方向106に延びるヘッドレスト100の側部118のセットよりも大である。グリル120のセットは、ヘッドレストの前面121に組み込まれている場合がある。グリルは、各々が、音声を透過可能である構造を含み得る。この構造は、音波がグリルを通過することを可能にしつつ、関連するスピーカシステム(たとえば、図2Aから図2Cに関して以下に記載するスピーカシステム)を物理的に保護する。
【0014】
前面は、ヘッドレストの異なる領域において、異なる深さ(横方向108の位置)に配置されている場合がある。たとえば、側部118の領域の前面121は、中心領域116の前面121に対して凹状になっている場合がある。グリルのセット120は、側部118の各々に配置されている場合がある。たとえば、各グリル120は、(側部118の領域において)ヘッドレストの前面121内に組み込まれている場合がある。この方法で、(側部118の領域内の)ヘッドレストの前面121のある部分が、グリル120によって形成され得る。各グリル120は、矢印122によって示される、ヘッドレスト100の側部112よりも短い場合がある、ある長さを有している場合がある。グリルのアスペクト比は、ホーン及びグリルの性能(たとえば、音声の指向性、伝播性など)に影響する場合がある。一実施例では、グリルのアスペクト比(たとえば、長さ対幅)は、4:1である場合がある。各グリル120は、前面121の高さに沿ってほぼ垂直に延びる中心軸123に関し、鏡像のように対称になっている場合がある。各グリル120は、矢印124によって示される最大の幅を有している場合がある。この幅は、側部118の矢印126によって示される幅よりも短い。グリル120の前面(図1に見ることができる表面)は、前面121の関連する領域の湾曲に沿っている場合がある。
【0015】
ヘッドレスト100は、図2Aから図2C及び/または図3から図6Cに関して以下に記載するスピーカシステムなどのスピーカシステム、及び/または、音声の周波数、ボリュームなどを制御するように実行可能である、乗員によって操作されるデバイスとの通信のためにケーブル130のセットと嵌合するプラグ128をも含む場合がある。
【0016】
図1に示すヘッドレストは、スピーカシステムに適合したヘッドレストの構成の一実施例である。ヘッドレスト100の第2の実施例は、ヘッドレストの表面に配置された異なる数のグリルを含む場合がある。別の実施例では、グリルは、代替的な形状またはサイズを有している場合がある。それとして、本開示の範囲が、本明細書に記載のグリルの数、形状、またはサイズによって限定されるべきではないことを理解されたい。
【0017】
ヘッドレスト100は、ヘッドレスト100の内部に配置された例示的スピーカシステム200を有して図2Aから図2Cに示されている。このスピーカシステムは、簡略化のために、一方側が省略されている。基準軸102のセットが、示されている各図間での比較のために与えられ、垂直方向104、水平方向106、及び横方向108を示している。図2Aに示すように、ヘッドレスト100の外部には、図1に関して上述したように、上端部110、下端部114、及び側部112のセットが含まれる場合がある。ヘッドレスト100は、側部118のセットをも含む場合がある。この側部118内には、グリル120のセットが配置されている場合がある。
【0018】
ヘッドレスト100の内部には、金属もしくはプラスチックなどの剛性材料、または、発泡材料などの圧縮可能な材料で形成されている場合がある、内側ケーシングまたは他の構造202が含まれる場合があり、また、乗員の頭部のクッションのために、中心領域116の圧縮可能な材料によって覆われた前面を有している。したがって、内側ケーシングまたは構造202の前面と、ヘッドレストの前面121(図1に示す)との間の領域には、圧縮可能な材料及び/または空気が含まれる場合がある。ヘッドレスト100の内部には、ヘッドレスト100の構造的な保全性を提供する、金属またはいくつかの他の剛性材料で形成された内側フレームワーク204も含まれる場合がある。内側フレームワーク204は、乗員によって操作されるコントローラからの信号を受信し、変換器212に信号を送信するように適合した(図2Cに示す)電子デバイス205または他の回路をも支持している場合がある。図2Aに示す一対のロッド206は、内側フレームワーク204に結合されており、ほぼ垂直方向104に沿ってヘッドレスト100の下端部114の外に延びている。ロッド206は、車両シートの本体内のポートのセット内にスライドして、ヘッドレスト100をシートの本体に取り付けるように構成されている場合がある。
【0019】
内側ケーシングまたは構造202、及び内側フレームワーク204は、ヘッドレスト100の内部で、垂直方向104に整列している場合がある。また、スピーカシステム200の第1の側部は、ほぼ垂直方向104に沿って整列し、内側フレームワーク204とグリル120との間に配置された平坦な表面をも有する場合がある。スピーカシステム200は、支持プレート208と、スピーカシステム200の各側部が固定されるオプションのコネクタまたは他の内部構造210と、音波を放射するための変換器212と、音波を伝播させるためのホーン214とを備えている場合がある。ホーン214は、ホーンによって伝播された音波がグリル内の開口(たとえば、アパーチャ)を通過するように、グリル120に結合されている場合がある。以下に論じるように、グリルの開口(たとえば、アパーチャ)は、ホーンからの音波を再度方向付けて、(たとえば、ヘッドレストの前面に対して垂直な方向に)乗員の耳のそばを直接通過するように構成されている場合がある。支持プレートは、角が丸くなった正方形である場合があり、また、支持プレートの上端部及び下端部から垂直方向104に沿って延びるタブ207のセットを含む場合がある。変換器212は、円形の外側形状を有する場合がある。ホーン214は、円錐状の外側形状を有する場合がある。
【0020】
ヘッドレスト100の上面図が図2Bに示されている。この図では、乗員の頭部を示す球216が、ヘッドレスト100に接触して示されている。球216の後部領域が、ヘッドレスト100の中心領域116の前面によって周囲が囲まれて示されている。図示のスピーカシステム200の側部は、中心軸218を有する場合がある。この中心軸218は、中心軸218が内側フレームワークの平面とともに鈍角を形成し、また、スピーカシステム200が、スピーカシステムが球216のカーブを収容することを可能にする外向きの角度を有するように、横方向108に対して傾いている。スピーカシステム200は、横方向108に平行(たとえば、スピーカシステムの中心軸218と同軸)なロッド201を介して内側フレームワーク204に接続されている。スピーカシステム200の2つの側部は、内部構造210を介して互いに接続されている場合がある。この内部構造は、内部構造210の中心部分が、内側ケーシングまたは構造202の湾曲した前面209と整列するように湾曲し得るように、変形が可能である可撓性材料または剛性材料で形成されている場合がある。
【0021】
ヘッドレスト100の断面図が、図2Bと同じ斜視からであるが、図2Aに示す破線220に沿って切られて、図2Cに与えられている。この断面は、内側ケーシングまたは構造202により、内側フレームワーク204内に包含された電子要素を保護するための前面バリアを提供する場合があることを示している。スピーカシステム200は、接続ロッド201を介して内側フレームワーク204に接続され得、支持プレート208の平坦な表面に結合される。支持プレート208の、接続ロッド201に結合した表面とは反対側の平坦な表面は、円形の放射表面エリアまたは他の幾何学形状を有し得る変換器212と、面を共有して接触している。変換器212は、比較的薄いシェルの中空チャンバであり、外側端部222がグリル120でキャップがされている、ホーン214の内側端部224に結合している場合がある。外側端部222は、ホーン214の内側端部224よりも小である直径を有する場合がある。
【0022】
図1から図2Cのヘッドレスト100と同様に使用されるヘッドレスト300の別の実施例の上面図が、図3に示されている。この図では、図2Aから図2Cのスピーカシステム200の実施例である場合があるスピーカシステム302の両側が、ヘッドレスト300の内部に含まれている。図2Aから図2Cのスピーカシステム200の構成要素の記載は、図3から図6Cのスピーカシステム302の同様の名称の構成要素にも適用され得、また、逆もあり得ることを理解されたい。
【0023】
スピーカシステム302の側部は、ヘッドレスト300の中心軸301に関して鏡像のように対称になり得る。基準軸102のセットが、示されている各図間での比較のために与えられ、水平方向106及び横方向108を示している。図3は、スピーカシステム200の図2B及び図2Cに示した中心軸218と同様に、(図2B及び図2Cに示した内側フレームワーク204に関して記載するように)内側フレームワーク306の平面に対し、スピーカシステム302の側部の中心軸304の傾斜した配置で示されている。ホーン308のセットが図3に示されている。このホーン308は、図2B及び図2Cに示すホーン214の実施例である場合がある。図2B及び図2Cに示す内側ケーシングまたは構造202に類似である場合がある内側構造310は、アウトラインによって概略的に提供され、また、内側構造310内に包含され得る内容物を示している。内側構造310は、図1から図2Cに示す中心領域116と同様である場合がある、ヘッドレスト300の中心領域314によって覆われ得る、湾曲した前面312を含み得る。中心領域314は、発泡材料などの、圧縮可能な材料を含む場合がある。複数の電子要素316(たとえば、ワイヤ、コネクタ、付属品など)が、内側構造310内に包含され得、また、内側フレームワーク306によって支持された、図2Cに示す電子デバイスまたは他の回路205などの電子デバイスと、図2Aから図2Cに示す変換器212などの変換器(複数可)との間の連続した通信を提供し得る。
【0024】
スピーカシステムは、ヘッドレスト300の両側に配置された2つの変換器321を含んでいる。この変換器321は、図2Aから図2Cに示す変換器212の実施例である場合があり、及び/または、図2Aから図2Cに示す変換器212を含む場合がある。変換器321は、変換器に印加された電気信号に基づく音声信号を生成するための圧縮ドライバまたは他の放射機構を含む場合がある。変換器321の各々は、異なるホーン308と関連付けられる場合があり、それにより、所与の変換器321によって生成された音波が、関連付けられたホーン308を通して伝播するようになっている。各変換器321は、パッドリングまたはベゼル319とも呼ばれるそれぞれのフランジ(関連付けられたホーン308のそれぞれの内側端部318から延びる)と、それぞれの支持プレート320との間に位置する場合がある。それぞれのネジ322は、ホーン308の各々を、関連付けられた支持プレート320に固定する場合がある。各ホーン308のベゼル319は、関連付けられた中心軸304からそれぞれの外側方向に延びる場合がある。各ホーン308に関し、それぞれの外側端部326は、それぞれのグリル328に結合されている場合がある。グリル328は、ヘッドレスト300のそれぞれの側部330の前面に配置されている場合があり、また、破線の平行四辺形332によって示すような、平面のセットと整列した平坦な表面を有する場合がある。この平行四辺形332は、中心軸304と横方向108との両方に対して傾斜している。グリル328は、関連付けられたホーン308からの音声を、乗員(たとえば、図4Cに示すとともに、以下に論じるように、ヘッドレスト300によって頭が支持された乗員)の耳を通過する共通の方向305に再度方向付けるためのサイズ、位置、及び/または他の幾何学形状を有する複数のアパーチャを含む場合がある。共通の方向は、ヘッドレスト300の垂直軸に対して垂直、及び/または、中心軸301(または、「y」方向及び「z」方向に延びるとともに、中心軸を含む「y-z」中心平面)に対して平行である場合がある。共通の方向は、図4B及び図4Cに示すように、ヘッドレスト300の、乗員に向いた前面に対して垂直である場合もある。中心軸304と共通の方向305との間の角度は、いくつかの実施例では、25度から35度のレンジ内にある場合がある。グリル328は、グリル328が、乗員の耳に向く角度になっているように、内側に傾いている場合があり、及び/または、グリル328は、側部330の前面と同一平面である場合がある。例示的なグリル328の角度は、後の図の記載においてさらに詳細に記載する。
【0025】
図3に示す例示的ヘッドレスト300の正面図、角度が付けられた上面図、真上からの上面図が、図4Aから図4Cに示されている。基準軸102のセットが、示されている各図間での比較のために与えられ、垂直方向104、水平方向106、及び横方向108を示している。ヘッドレスト300の外側表面は、図4Aから図4C(及び、以下に記載する図5Aから図6C)では、簡略化のために省略され、ヘッドレスト300のグリル328とともに、内部要素を示している。図4Aに示されるヘッドレスト300の、乗員からもっとも遠くに位置する要素を始点に、内側フレームワーク306は、水平部分334及び、垂直部分336のセットを含む場合がある。ロッド338のペアは、内側フレームワーク306の垂直部分336の第1の端部340のセットから、ほぼ垂直方向104に沿って下方に延びている場合がある。内側構造310は、(たとえば、ヘッドレストが上昇/下降された際に)ロッド338のペアを上下にスライドするように適合されている場合がある。内側構造310の前面312は、形状が概して正方形である場合があり、また、内側フレームワーク306の水平部分334の前側に位置し、内側構造310の前面312の頂部344が、水平方向106において、水平部分334の全幅にわたって延びている場合がある。内側構造310の前面312の底部346は、いくつかの実施例では、内側フレームワーク306の垂直部分336間の距離と同じ幅である場合がある。
【0026】
フィッティング348は、内側構造310の前面312に配置されて、内側構造310の前面312の後方の電子要素316を固定する場合がある。矩形の切欠き開口350のセットは、スピーカシステム302に隣接して、内側構造310の前面312に配置されて、前面312の前方から内側構造310の前面312の後方への、ワイヤまたはケーブルなどの電子要素316の通過を可能にする場合がある。電子要素316は、変換器と電子デバイスとの間の通信を可能にする場合がある。電子デバイスの実施例は、内側フレームワーク306によって支持された、図2Cに示す電子デバイス205である。
【0027】
スピーカシステム302は、垂直方向104において、内側フレームワーク306の垂直部分336の長さに沿って、垂直部分336の第2の端部342から下方に延びている。スピーカシステム302は、スピーカシステムのある部分が、内側構造310の前面312のある部分と重なるように、幅に沿って、水平方向106に沿っても延びている。支持プレート320及びホーン308は、内側フレームワーク306及び内側構造310の前方に、(乗員が存在する場合には)図4Cに示す乗員401などの、乗員の位置に向けて配置されている。グリル328は、ホーン308の前方に配置され、かつ、垂直方向104で測定して、支持プレート320よりも長い。グリル328は、垂直方向104において、内側フレームワーク306の垂直部分336よりも短い。
【0028】
ヘッドレスト300のある角度からの上面図が、図4Bに示されている。ヘッドレスト300に適合したスピーカシステム302が、変換器321のセットが配置され得る、ホーン308の内側端部318において、支持プレート320とホーンベゼル319との間にギャップを伴って示されている。図4B及び図4Cに示す支持プレートは、横方向の軸108に対して傾いている場合があり、それにより、スピーカシステム302を通って延びる中心軸304の各々が、図4Cに見られるように、内側フレームワーク306の水平部分334の平面と鈍角352を形成するようになっている。ホーン308のベゼル319は、支持プレート320と平行であり得、このため、同様に傾斜している。スピーカシステム302の中心軸304に対するグリル328の内向きの角度が、図3で上述したように、図4Cにおいて示されている。
【0029】
ヘッドレスト300の詳細な等角斜視図が、スピーカシステム302の一方の側部に注目して、図5Aに示されている。基準軸102のセットが、示されている各図間での比較のために与えられ、垂直方向104、水平方向106、及び横方向108を示している。スピーカシステム302が、図3図4B、及び図4Cに示す変換器321などの変換器が配置され得る、支持プレート320とホーン308のベゼル319との間にギャップを伴って、再び示されている。ホーン308は、外側表面309が湾曲し、ホーン308の内側端部318における直径が外側端部326よりも大であるコーン形状である場合がある。スピーカシステム302は、図5A及び図5Bに示すように、受領プレート354が、ホーン308の外側表面309に取り付けられ、グリル328と嵌合する形状になるように適合される場合がある。
【0030】
受領プレート354は、受領プレート354の外側表面に沿って配置された複数のスロット356を含む場合がある。この複数のスロット356は、グリル328の外側フレーム327の周囲の周りに配置された複数のタブ358が、受領プレート354のスロット356にスライドし得るように構成されている。グリル328の外側フレーム327は、グリル328の内側の穴のパターン329を囲んでいる。この外側フレーム327は、横方向108において、グリル328の外側フレーム327の平坦な表面を越えて、外側に延びる平坦な表面を有する場合がある。外側フレーム327は、水平方向106、第1の側部362、及び第2の側部364に対して傾斜した下端部363を有する場合がある。ここで、グリル328の外側フレーム327の側部362及び364は、垂直方向104に対して平行である場合がある。第1の側部362は、グリル328の外側フレーム327の下端部363の角度に起因して、第2の側部364よりも長い場合がある。
【0031】
スピーカシステム302の一方側の別の詳細な図が、スピーカシステム302の頂部から、図5Bに示されている。ホーン308は、ホーン308の内側端部318と結合するか、内側端部318から延びるベゼル319を含む場合がある。このベゼル319は、ホーン308の外側端部326より大である直径を有する場合がある。他の実施例では、ホーン308は、パッドリングである場合がある、ベゼル319に結合され得る。内側端部318と外側端部326との間のホーンの外側表面309は、湾曲している場合があり、水平方向106で取られるホーンの断面は、環状である場合がある。ホーンは、1つまたは複数のネジ322を介して支持プレート320に接続されている場合がある。ホーン308のベゼル319は、ホーン308の内側チャンバ368の開口でもある開口366をも含む場合がある。
【0032】
受領プレート354は、ホーン308の外側表面309及び外側端部326に取り付けられている場合がある。受領プレート354は、グリル328と嵌合する形状になっている場合があり、このため、グリル328の外側フレーム327の外側幾何学形状にマッチする(たとえば、相補的であるか同一である)外側幾何学形状を有する場合がある。受領プレート354の外周の周りに配置されたスロット356は、複数のスロットリッジ370によって境界が形成されている場合がある。スロットリッジ370は、水平方向106に沿って整列した部分によって接続された、横方向108に沿って整列した2つの部分を含む場合があり、スロットリッジ370は、受領プレート354の外壁372のセットから外側の伸びている場合がある。グリル328の外側フレーム327から外側に延びるタブ358は、スロット356内にスライドするように適合されるとともに、グリル328を受領プレート354に固定する場合がある。
【0033】
グリル328は、図5Aに示すとともに上述したように、第2の側部364よりも長い第1の側部362を有する場合があり、また、上端部374をも含む場合がある。この上端部374は、上端部374の、第2の側部364との結合部において湾曲している場合がある。グリル328は、境界376を有する外側フレーム327を含む場合がある。この境界376は、外側フレーム327と同じであるか、異なる材料で形成されている場合がある。グリル328は、やはり、複数のアパーチャ378を備え得る内側穴パターン329をも含む場合がある。この複数のアパーチャ378は、内側穴パターン329内で密に配置されている場合がある。
【0034】
ヘッドレスト300の内側要素の異なる断面図が、図6Aから図6Cに示されている。基準軸102のセットが、示されている各図間での比較のために与えられ、垂直方向104、水平方向106、及び横方向108を示している。スピーカシステムの断面は、垂直方向においてヘッドレストの長さの約半分下方の、水平軸106及び横軸108によって形成された平面で取られている。また、図示の図は、異なる角度からの斜視である。図6Aでは、グリル328の内側穴パターン329のアパーチャ378は、内側穴パターン329の厚さを通って延びる貫通穴として示されている。凹部380は、受領プレート354の外壁372のスロットリッジ370によって囲まれている場合がある。スロットリッジ370は、ホーン308の外側表面309に取り付けられており、外壁372の高さに沿って伸びる場合がある。
【0035】
図6Bでは、スピーカシステム302の断面の異なる視野の角度により、ホーン308の内側チャンバ368内への凹部380の突出を示している。グリル328の内側表面と、グリル328の外側フレーム327が受領プレートの内壁382と嵌合する領域の内側表面との図が提供されている。グリル328の外側フレーム327は、外側フレーム327の第2の側部364の内側表面の切欠き384を含む場合がある。この切欠き384は、凹部380の頂部と同じ高さにある場合がある。切欠き384の上では、受領プレート354の内壁382との第2の側部364の嵌合により、グリル328の平滑で連続した表面である湾曲ジョイント386が形成されている場合がある。湾曲ジョイント386は、図6Cの上面図から見られる場合がある。湾曲ジョイント386の内側表面386aは、湾曲ジョイントの外側表面386bとは異なる形状を有する場合がある。たとえば、湾曲ジョイント386の内側表面386aは、グリル328の内側穴パターン329からホーン308の内側表面に延びる、平滑な半円または弧を備えている場合がある。湾曲ジョイントの外側表面386bは、グリル328とホーン308との間で移行する際に、直角で、より大である表面エリアとカーブとを有する場合がある。
【0036】
図6Cにおける外側フレーム327の第2の側部364の内側表面は、横方向108と整列し、垂直方向104の第2の側部364の高さに沿い、第2の側部364の、外側フレーム327の下端部363との結合部を始点とする、直線状である場合がある。垂直方向104に、第2の側部364に沿って上方に移動し、凹部380の頂部の高さに達すると、切欠き384は、グリル328の外側フレーム327の第2の側部364の内側表面に配置され得る。切欠き384の上の内側表面は、第2の側部364の長さに沿って上方に延び得る湾曲ジョイント386になる場合がある。湾曲ジョイント386は、波を、乗員の一対の耳の近くに位置するグリル328を通って出るように反らすことにより、スピーカシステム302を通って伝播する音波の指向性の補助をする場合がある。
【0037】
いくつかの実施例では、グリル328は、グリルの材料に基づき、少なくともいくつかの音波の指向性を提供し得る。グリル328がプラスチックまたはプラスチック複合材料で構成された実施例では、グリル328は、スピーカシステム302を通って伝播する音波を、選択された角度(たとえば、ヘッドレストの前方/乗員を向いた表面に垂直)でグリル328を出る出力音波を伝播させるように再度方向付けるように形成されている場合がある。たとえば、プラスチックまたはプラスチック複合材料で形成されたグリルは、音波の再度の方向性を生じさせるように、ホーン及びベゼルに組み込まれている場合がある。グリル、及び/または、組み込まれたグリル/ベゼル/ホーンは、形状または角度をグリルのアパーチャに導入することにより、音波の方向性を提供する場合がある。そのような実施例では、グリル、ベゼル、及び/またはホーンは、記載のように音波を再度方向付ける場合がある。グリル328が、金属または金属複合材料で構成された実施例では、グリル328は、音波を再度方向付けない場合がある、及び/または、プラスチックまたはプラスチック複合材料のグリルによって提供される再度の方向付けよりも弱い再度の音波の方向付けが提供される場合がある(たとえば、グリルは再度方向付けることなく音声を通過させる場合がある)。そのような実施例では、ベゼル及び/またはホーンは、記載のように音波を再度方向付ける場合がある。
【0038】
図6Bを参照すると、複数のアパーチャ378が、グリル328の内側穴パターン329の厚さを通って延びる貫通穴として示されている。水平方向106に沿う、互いに対するアパーチャ378の整列は、水平方向106に対して平行ではない場合がある。本明細書に記載のアパーチャ378の配置は、本開示の範囲を限定するべきではないことを理解されたい。アパーチャ378の任意選択的な配置及び整列は、音波のチャンネルを、スピーカシステム302を通し、グリル328を通して出すために、ホーン308及びグリル328の角度付けなど、スピーカシステム302の他の要素に基づいて選択され得る。
【0039】
図6B及び図6Cに提供される図には、グリル328の平面388が、ホーン308のベゼル319の平面390とは平行ではない場合があることが示されている。グリル328の平面388は、グリル328の外側フレーム327の第2の側部364が、横方向108に沿って、グリル328の外側フレーム327の第1の側部362よりも大である距離だけ、ベゼル319から離間し得るように、ベゼル319の平面390に対して角度が付けられている場合がある。外側フレーム327の第2の側部364は、乗員から、外側フレームの第1の側部362よりも離れて配置されている場合があり、このため、ベゼル319の平面390に対するグリル328の角度が付けられた平面388は、グリル328が、乗員の耳に向かって内側に傾くことを可能にする場合がある。
【0040】
ここで図7Aから図7Dに移ると、図1から図2Cのグリル120、及び/または、図3から図6Cのグリル328の実施例である場合がある、例示的グリル700が、正面図、背面図、及び2つの角度の断面図から示されている。基準軸102のセットが、示されている各図間での比較のために与えられ、垂直方向104、水平方向106、及び横方向108を示している。グリル700は、直線状であり、湾曲している場合がある第2の側部704よりも長い場合がある第1の側部702を有し得る。図7A及び図7Bに示すように、グリルは、第1の側部702の頂部を繋ぐ上端部706の第1の端部708が、垂直方向104において、第2の側部704の頂部を繋ぐ上端部706の第2の端部710よりも高い場合があるように、水平方向106に対して角度が付された上端部706をも含む場合がある。上端部706の第1の端部708と、第1の側部702の頂部との結合は、鋭い角を形成する場合があるが、上端部706の第2の端部710と、第2の側部704の頂部との結合は、湾曲している場合がある。
【0041】
グリル700の下端部712は、第1の側部702の底部に結合する下端部712の第1の端部714が、垂直方向104において、第2の側部704の底部と結合する下端部712の第2の端部716よりも低い場合があるように、水平方向106に対して角度が付されている場合もある。グリル700の下端部712の第1の端部714と、第1の端部714の底部との結合は、鋭い角を形成する場合がある。グリル700の下端部712の第2の端部716と、第2の側部716の底部との結合は、湾曲している場合がある。
【0042】
水平方向106に測定したグリル700の幅は、グリル700の幅が、グリル700の頂部において、底部よりも狭まり得るように、垂直方向104に沿うグリル700の長さに沿ってテーパが付されている場合がある。外側フレーム718は、複数の密に離間したアパーチャ722を含み得る内側メッシュ部分720の周囲を囲む場合がある。内側メッシュ部分720におけるアパーチャ722の、もっとも外側の境界によって形成されるアウトラインは、グリル700の外側形状に類似している場合がある。外側フレーム718は、グリルの下端部712に沿って、垂直方向104に沿って測定して、もっとも厚さがある場合があり、第2の側部704及び上端部706に沿って、水平方向106と垂直方向104とのそれぞれで測定して、ほぼ等しい厚さであり、第1の側部702に沿って、水平方向106で測定して、もっとも薄い場合がある。
【0043】
複数のタブ724は、グリル700の外側フレーム718の外周の周りに配置され得、グリル700の外側フレーム718の側部に沿って接続された、矩形形状を有し得る。図7Bは、タブ724が、外側フレーム718の後方表面から外側に延び得、また、タブ724に垂直かつ、グリル700の内側メッシュ部分720から外に延びるレッジ726に結合し得ることを示している。結合したタブ724とレッジ726とを、より近付いて見た図が、図7Dに示され得る。タブ724とレッジ726との対が、図5Aから図6Cに示すような受領プレート354などの受領プレートのマッチングスロット内にスライドするように構成され得る。ここで、レッジ726は、タブ724をスロット内にロックし、それにより、グリル700を、図3から図6Cに示すスピーカシステム302(たとえば、スピーカシステム302のホーン308)などのスピーカシステムに固定する。
【0044】
湾曲ジョイント728が、図7Bにおいて、グリル700の後方側に示されている。この部分は、図6Bに示す、グリル328の第2の側部364と、受領プレート354の内壁382との間の湾曲ジョイント386の一部である場合がある。湾曲ジョイントは、垂直方向104において、グリル700の第2の側部704の長さの中心部分に沿って延びている。湾曲ジョイント728の曲率は、グリル328の第2の側部364と、受領プレート354の内壁382との間の湾曲ジョイント386により、図6Bに示すように、受領プレートの内壁の同様に湾曲したジョイントの曲率にマッチするように適合されて、平滑で連続した表面を形成し得る。湾曲ジョイント728の曲率は、図7C及び図7Dに提供される断面図にも示されている。
【0045】
湾曲ジョイント728は、水平方向106において、グリル700の幅に沿って、内側メッシュ部分720と、グリル700の第1の側部702(外側フレーム718の第1の側部702である場合もある)との間に形成された、対照的な鋭い角度の垂直ジョイント730とは反対側に位置している。湾曲ジョイント728と垂直ジョイント730との両方は、グリル700の外側フレーム718のリップ732の、グリル700の後方に向かって、横方向108に沿って延びる場合がある、外側フレーム718の平坦な表面との結合から形成され得る。図7Cは、内側メッシュ部分720の前方の平坦な表面が、横方向108に沿って、グリル700の外側フレーム718の前方の平坦な表面を越えて外側に延びる場合があることも示している。
【0046】
図7Dに示すグリル700の断面の上面図は、矢印740によって示される、グリル700の内側メッシュ部分720の厚さが、内側メッシュ部分720の幅にわたって比較的一様であることを示している。矢印742によって示すように、グリル700の外側フレーム718のリップ732の深さは、やはり、グリル700の幅に沿って一様である。矢印744によって示される、グリル700の幅の一部分は、水平方向106に対してわずかに湾曲している場合があり、それにより、グリル700の第2の側部704が、グリル700の中心領域より低くなっている。
【0047】
この方法で、図1から図2Cのグリル120、図3から図6Cのグリル328、及び/または図7Aから図7Dのグリル700などのグリルの対を利用する、図2Aから図2Cに示すスピーカシステム200、及び、図3から図6Cに示すスピーカシステム302などのスピーカシステムは、図1から図2Cに示すヘッドレスト100、及び/または、図3から図6Cのヘッドレスト300などのヘッドレストに適合される際に、音声を、乗員の耳を通過して直線状に伝播させ得る。一実施例では、図2Aから図2Cに示す変換器212、及び、図3から図6Cのいくつかの図に示す変換器221などの変換器に結合された、図2B及び図2Cに示すホーン214、ならびに、図3から図6Cに示すホーン308などの、スピーカシステムのホーンの角度は、音声を、乗員の耳から離れるように向けられた方向にガイドし得、それにより、乗員の傾聴経験を低減する。別の実施例では、ホーンからの音声を乗員に再度方向付ける、再度方向付けるためのアパーチャを含むように、図1から図2Cに示すグリル120、図3から図6Cに示すグリル328、及び、図7Aから図7Dに示すグリル700などのグリルのセットを構成することにより、音声は、スピーカシステムを通して反らされ得、かつ、グリルを通って外に、乗員の耳を通過するようにチャンネルを通され、それにより、乗員にとっての音声の品質を向上させる。スピーカシステムを通しての音声の伝播は、ホーンの内側チャンバの形状、グリルと受領プレートとの間の接続の曲率などの、システムの内部の要素のセットによって補助され得る。スピーカシステムの技術的効果は、音声を伝播させ、スピーカシステムの要素によって提供される一連の偏向を通し、音波を乗員の耳により近接するように向ける、ヘッドレストに適合されたスピーカシステムを通して、変換器によって放射することである。
【0048】
図1から図7Dは、様々な構成要素の相対的な配置を伴う、例示的構成を示している。互いに直接接触して示されているか、直接結合して示されている場合、そのような要素は、少なくとも1つの実施例において、それぞれ、直接接触しているか、直接結合しているものと言及される場合がある。同様に、互いに近接しているか隣接して示された要素は、それぞれ、少なくとも1つの実施例では、互いに近接しているか隣接している場合がある。実施例として、互いに面を共有して接触して位置する構成要素は、面共有接触と言及される場合がある。別の実施例として、間に空間のみを伴って互いから離れて位置し、他の構成要素を伴わない要素は、少なくとも一実施例では、それとして言及される場合がある。さらに別の実施例では、互いに上/下に示された要素、互いに対して反対側に示された要素、または、互いに左/右に示された要素は、互いに対し、それとして言及される場合がある。さらに、図示のように、少なくとも1つの実施例では、もっとも頂部の要素または要素のポイントは、構成要素の「頂部(top)」と言及される場合があり、もっとも底部の要素または要素のポイントは、構成要素の「底部(bottom)」と言及される場合がある。本明細書で使用される場合、頂部/底部、上方/下方、上/下は、図の垂直軸に対するものであり、互いに対する図の要素の配置を記載するために使用される場合がある。それとして、他の要素の上に示された要素は、一実施例では、他の要素の垂直方向の上に位置している。さらに別の実施例では、図内に示された要素の形状は、それら形状を有するものとして言及される場合がある(たとえば、円形、直線状、平坦、湾曲している、丸くなっている、面取されている、角度が付されている、など)。さらに、互いに交差して示された要素は、少なくとも一実施例では、交差要素、または、互いに交差していると言及される場合がある。さらにまた、別の要素内に示されるか、別の要素の外に示された要素は、一実施例では、それとして言及される場合がある。
【0049】
各実施形態の記載は、説明及び記載の目的で提供されたものである。本明細書に開示の構成及びルーチンは、例示的性質のものであり、追加の要素を含み、及び/または、要素を省略する場合があることを理解されたい。本明細書に開示の特定の実施形態は、多くの変形形態が可能であることから、限定的意味では解釈されない。たとえば、上述の技術は、他の対象上に配置されたスピーカシステムまたはスタンドアロンのスピーカシステムに適用することができる。本開示の主題は、すべて新規のもので、かつ、明らかではない、様々なシステム及び構成、ならびに、本明細書に開示の他の特徴、機能、及び/または特性の、組合せ及びサブの組合せを含んでいる。
【0050】
本出願で使用される場合、単数で述べられ、「a」または「an」のワードに続く要素またはステップは、そのような除外が述べられていない限り、複数の前述の要素またはステップを除外しないものとして理解されるものとする。さらに、本開示の「1つの実施形態」または「1つの実施例」に対する参照は、やはり述べられた特徴を組み込んでいるさらなる実施形態の存在を除外するものとして解釈されることは意図されていない。「first」、「second」、及び「third」などの用語は、単にラベルとして使用されているものであり、数値上の要請、または、その対象上での特定の位置的順番を課すことを意図するものではない。
【0051】
添付の特許請求の範囲は、新規であり明らかではないものと見なされる、上述の開示からの主題を特に指摘している。これら特許請求の範囲は、「an」が付された要素または「a first」が付された要素、またはそれらの均等を参照する場合がある。そのような特許請求の範囲は、1つまたは複数のそのような要素の組込みを、そのような要素を2つ以上必要もせず、排除もせずに、含むものと理解されるものとする。開示の特徴、機能、要素、及び/または特性の他の組合せ及びサブの組合せは、本出願の特許請求の範囲の補正を通して、または、本出願または関連出願における新たな請求項の提供を通して、請求される場合がある。そのような特許請求の範囲は、オリジナルの特許請求の範囲の範囲より広いか、狭いか、等しいか、異なるかに関わらず、やはり、本開示の主題内に含まれるものと解釈される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D