(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】空気圧縮装置、モータの防塵方法
(51)【国際特許分類】
F04B 39/06 20060101AFI20240902BHJP
F04B 39/12 20060101ALI20240902BHJP
F04C 29/04 20060101ALI20240902BHJP
F04C 29/12 20060101ALI20240902BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20240902BHJP
F04B 39/00 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
F04B39/06 D
F04B39/12 101A
F04C29/04 H
F04C29/12 A
H02K7/14 B
F04B39/00 106C
(21)【出願番号】P 2019023060
(22)【出願日】2019-02-12
【審査請求日】2022-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】黒光 将
(72)【発明者】
【氏名】田中 源平
(72)【発明者】
【氏名】川畑 慶太
(72)【発明者】
【氏名】久我 崇
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-226285(JP,A)
【文献】特開2002-305857(JP,A)
【文献】特開平09-149595(JP,A)
【文献】実開平07-009064(JP,U)
【文献】特開2002-064956(JP,A)
【文献】中国実用新案第201851363(CN,U)
【文献】国際公開第2016/157448(WO,A1)
【文献】特開2014-093919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/06
F04B 39/16
F04B 39/12
F04C 29/04
F04C 29/12
H02K 7/14
F04B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気を生成する圧縮機と、
前記圧縮機を駆動するモータと、
前記圧縮空気を前記モータの内部に導入して当該内部の圧力を高める空気導入部と
を備え、
前記モータは、回転体部および静止体部を有し、
前記モータの軸方向の一端面において、前記回転体部と前記静止体部との間にラビリンスが設けられ、
前記圧縮空気の導入口が、前記回転体部を挟んで前記ラビリンスとは反対側の端面に設けられ
、
前記回転体部は、前記モータのロータとは別体であり、かつ前記モータの出力軸に固定されて前記ロータと一体的に回転可能であり、
前記静止体部は、前記モータのステータとは別体である
空気圧縮装置。
【請求項2】
前記空気導入部は、前記モータの内部を陽圧にする請求項1に記載の空気圧縮装置。
【請求項3】
前記モータと一体的に回転して空気流を発生させる多翼ファンと、
前記空気流によって前記圧縮空気を冷却する冷却器と
をさらに備え、
前記空気導入部は、前記冷却器で冷却された前記圧縮空気を前記モータの内部に導入するように構成され、
本空気圧縮装置は、鉄道車両の床下に設けられる請求項1または2に記載の空気圧縮装置。
【請求項4】
モータの駆動力により圧縮空気を生成するステップと、
前記圧縮空気を前記モータの内部に導入して当該内部の圧力を高めるステップと、
を含み、
前記モータは、回転体部および静止体部を有し、前記モータの軸方向の一端面において、前記回転体部と前記静止体部との間にラビリンスが設けられ、前記圧縮空気の導入口が、前記回転体部を挟んで前記ラビリンスとは反対側の端面に設けられ
、前記回転体部は、前記モータのロータとは別体であり、かつ前記モータの出力軸に固定されて前記ロータと一体的に回転可能であり、前記静止体部は、前記モータのステータとは別体である、モータの防塵方法。
【請求項5】
前記モータの内部の空気を前記ラビリンスから排出するステップをさらに含む請求項4に記載のモータの防塵方法。
【請求項6】
前記モータと一体的に回転する多翼ファンにより空気流を発生させるステップと、
前記空気流によって前記圧縮空気を冷却するステップと
をさらに含み、
前記圧力を高めるステップは、冷却された前記圧縮空気を前記モータの内部に導入するステップを含む請求項4または5に記載のモータの防塵方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気を生成する空気圧縮装置およびモータの防塵方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両に設置されてその鉄道車両において用いられる圧縮空気を生成する空気圧縮装置が知られている。例えば、特許文献1には、圧縮機駆動部と圧縮機とを備え、これらがカップリングを介して連結される空気圧縮装置が記載されている。この空気圧縮装置では、圧縮機、圧縮機駆動部、カップリングケース、冷却ファンおよび圧縮機で圧縮された圧縮空気を冷却するアフタークーラーが収容ケースに収容される。また、この空気圧縮装置は、圧縮機に油を供給するための機構と、油を伴って圧縮された圧縮空気から油を回収するための機構とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、空気圧縮装置を検討し以下の認識を得た。
鉄道車両には空気圧縮装置が搭載される。鉄道車両は、砂塵等の粉塵が多い地域を走行することもあるため、鉄道車両用空気圧縮装置には、粉塵から悪影響を受けない配慮が必要である。この装置には、圧縮機を駆動するためにモータが使用される。モータは、ギャップを介して対向するロータとステータとを備える。このギャップに粉塵が入ると、モータの回転を妨げ、動作不良や故障の原因となり得る。
【0005】
モータのケーシングを密封する対策も考えられるが、この場合、シール等の部品が増え、コスト面、製造面で不利である。回転体とケースの間の隙間を小さくする対策も考えられるが、加工や組立が難しくなり、生産性やコスト競争力が低下する。このような課題は、鉄道車両用の空気圧縮装置に限らず、他の種類の空気圧縮装置についても生じ得る。
これらから、本発明者は、特許文献1に記載の空気圧縮装置には、モータへの粉塵の侵入を低減する観点から改善すべき余地があることを認識した。
【0006】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、モータへの粉塵の侵入を低減可能な空気圧縮装置を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の空気圧縮装置は、圧縮空気を生成する圧縮機と、圧縮機を駆動するモータと、圧縮空気をモータの内部に導入して当該内部の圧力を高める空気導入部とを備える。
【0008】
この態様によると、モータ内部の圧力を高めることができる。
【0009】
なお、以上の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記録した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、モータへの粉塵の侵入を低減可能な空気圧縮装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態に係る空気圧縮装置の構成を模式的に示す系統図である。
【
図2】
図1の空気圧縮装置が鉄道車両に設置された状態を示す模式図である。
【
図3】
図1の空気圧縮装置の圧縮機と送風ファンを概略的に示す正面図である。
【
図4】
図1の空気圧縮装置の圧縮機と送風ファンを概略的に示す別の正面図である。
【
図5】
図1の空気圧縮装置の送風ファンからの空気の流れを概略的に示す図である。
【
図6】
図1の空気圧縮装置の圧縮機駆動部と多翼ファンとの周辺を概略的に示す側断面図である。
【
図7】
図6の圧縮機駆動部のラビリンス部の周辺を拡大して示す側断面図である。
【
図8】
図6の圧縮機駆動部のバランスウエイトの周辺を示す正面図である。
【
図9】
図6の圧縮機駆動部のバランスウエイトの周辺を示す背面図である。
【
図10】
図1の空気圧縮装置の冷却器を概略的に示す斜視図である。
【
図11】
図10の冷却器の空気の流れを説明する模式図である。
【
図12】第1変形例に係る空気圧縮装置の圧縮機の周辺を概略的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0013】
[第1実施形態]
図1~
図11を参照して、本発明の第1実施形態に係る空気圧縮装置100の構成を説明する。一例として、空気圧縮装置100は、鉄道車両の床下に設けられ、その車両に圧縮空気を供給する空気圧縮装置として使用されうる。
図1は、空気圧縮装置100の構成を模式的に示す系統図である。
図2は、空気圧縮装置100が鉄道車両90に設置された状態を示す模式図である。この図では、理解を容易にするため、軸受ホルダ38および多翼ファン16の一部を破断し、送風ファン28を実際の比率より小さく表記している。
【0014】
本実施形態の空気圧縮装置100は、圧縮機10と、圧縮機駆動部14と、多翼ファン16と、冷却器22と、除湿器24と、空気導入部26と、送風ファン28と、空気吸込み部32と、圧縮空気送出部34と、インバータ制御装置40と、収容ケース36と、を含む。空気圧縮装置100は、空気吸込み部32から吸い込んだ空気を圧縮機10で圧縮し、冷却器22で冷却し、除湿器24で除湿して圧縮空気送出部34から送出し、車両90に供給する。
【0015】
以下、圧縮機10の回転軸10aの中心軸線Laに沿った方向を「軸方向」といい、その中心軸線Laを中心とする円の円周方向、半径方向をそれぞれ「周方向」、「径方向」とする。また、以下、便宜的に、軸方向の一方側(図中右側)を入力側といい、他方側(図中左側)を反入力側という。この例では、モータ12は圧縮機10の入力側に設けられ、圧縮機10はモータ12の反入力側に設けられる。
【0016】
空気吸込み部32は、収容ケース36に設置され、圧縮機10で圧縮される空気(外気)を吸い込むための機構として機能する。空気吸込み部32は、吸入配管32bを通じて圧縮機10に連通するように形成されている。空気吸込み部32には、吸込空気が通過する際に砂塵等の粉塵の通過を抑制する吸込みフィルタ32aが設けられている。吸込みフィルタ32aは、網目を用いた濾過器であってもよい。
【0017】
圧縮空気送出部34は、後述の冷却器22で冷却され、除湿器24で除湿された圧縮空気Ar10dを送出する機構として機能する。圧縮空気送出部34は、収容ケース36の外部に設置される圧縮空気溜め92に対して生成された圧縮空気Ar10dを供給する。
圧縮空気送出部34は、除湿器24と圧縮空気溜め92とを連通する経路に設けられた弁機構34dを含んでもよい。弁機構34dは、除湿器24側が所定圧力以上のとき、圧縮空気Ar10dの圧縮空気溜め92側への通過を許容し、圧縮空気溜め92からの逆流を防止する逆止弁であってもよい。
【0018】
図2、
図3~
図5を参照して、圧縮機10を説明する。これらの図は、
図2の矢印Fから視た圧縮機10と送風ファン28を示す。
図3は、圧縮機10と送風ファン28を概略的に示す正面図である。
図4は、固定スクロール部10jを外した状態を示す。
図5は、旋回スクロール部10hを外した背面空間10gを示す。本実施形態の圧縮機10は、回転軸10aと、胴部10bと、吸入口10cと、吐出口10eと、空冷フィン10fと、旋回スクロール部10hと、固定スクロール部10jと、背面空間10gとを備えるスクロール式の空気圧縮機である。
【0019】
圧縮機10は、吸入口10cが空気吸込み部32と連通し、空気吸込み部32から吸入配管32bを通じてポンプ空間10dに吸い込まれた空気Ar32を圧縮する。空気吸込み部32と圧縮機10の吸入口10cとの間に弁機構32dが設けられる。弁機構32dは、圧縮機10が作動して圧縮機10側が負圧となることで開く。吐出口10eは冷却器22に連通しており、圧縮された空気は、吐出口10eから冷却器22に吐出される。
【0020】
胴部10bは、ポンプ空間10dを画定する円周状の外周壁である。胴部10bは、ポンプ空間10dに固定スクロール10mと旋回スクロール10nとを環囲する。固定スクロール部10jは、外側に複数の空冷フィン10fが設けられた固定円盤部10kと、固定円盤部10kの内側に固定された固定スクロール10mを含む。固定円盤部10kの中央に吐出口10eが設けられる。旋回スクロール部10hは、旋回円盤部10pと、旋回円盤部10pに固定された旋回スクロール10nを含む。旋回円盤部10pの中心に、入力側に伸びる回転軸10aが固定される。旋回円盤部10pの入力側、すなわち旋回スクロール部10hの背面側に、背面空間10gが設けられる。背面空間10gには、送風ファン28から冷却用の空気が導入され、旋回円盤部10pと回転軸10aとが強制空冷される。送風ファン28については後述する。
【0021】
旋回スクロール10nおよび固定スクロール10mは、同一形状の渦巻き体である。圧縮機10は、固定された固定スクロール10mに対して、旋回スクロール10nを回転軸10aと一体に旋回運動させることにより、圧縮空間の体積を変化させて空気を圧縮する。圧縮機10は、外周から空気を吸込み、中心に向かって圧縮作用を行う。圧縮機10は無給油タイプであってもよい。
【0022】
図2、
図3~
図5を参照して、送風ファン28を説明する。送風ファン28は、冷却用の空気(以下、冷却風Ar28という)を圧縮機10に送出する送風機構である。送風ファン28は、冷却風Ar28を旋回スクロール部10hの背面側の背面空間10gに供給して、主に旋回スクロール部10hを冷却する。
【0023】
本実施形態の送風ファン28は、プロペラ28bを有する電動の軸流送風機である。
図5に示すように、送風ファン28は、プロペラ28bの回転軸線L28が圧縮機10の回転軸10aに直交するように、圧縮機10の側部に配置される。送風ファン28の上流側に、金網等で形成された外気フィルタ28aが設けられる。送風ファン28の下流側に、冷却風Ar28を旋回スクロール部10hの中心部に案内する送風ダクト28gが設けられる。
【0024】
送風ダクト28gは、圧縮機10に近づくに連れて断面積が小さくなる略四角錐台状を有する。冷却風Ar28は、送風ダクト28gの内面に沿って絞られ、旋回スクロール部10hの中心部を重点的に冷却する。旋回スクロール部10hの中心部は最も高温になるので、そこを重点的に冷却することで冷却効果を高めうる。背面空間10gの下流側に排気ダクト28hが設けられる。この例では、排気ダクト28hの上流側は送風ダクト28gと対向し、下流側は下方に向いている。
【0025】
図2、
図6を参照して軸受ホルダ38を説明する。
図6は、圧縮機駆動部14と多翼ファン16との周辺を概略的に示す側断面図である。軸受ホルダ38は、圧縮機10の入力側に設けられ、回転軸10aを軸支する軸受38h、38jを支持する部分である。軸受ホルダ38は、中空円筒状の円筒部38aと、円筒部38aから径方向で外向きに延びる複数のフィン38fとを有する。フィン38fは、その径方向外端が軸方向で圧縮機10に近づくに連れて径方向外側へ延びる3角形状を呈する。この例では、円筒部38aの外周には、4枚のフィン38fが周方向に90°間隔で設けられる。軸受ホルダ38は、圧縮機10で発生した熱を発散して、軸受38h、38jの過剰な温度上昇を抑える機能も有する。
【0026】
軸受38h、38jは、圧縮機10の近くに配置される第1軸受38hと、モータ12の近くに配置される第2軸受38jとを含む。第1、第2軸受38h、38jは、回転軸10aを回転自在に支持する。第1、第2軸受38h、38jは、円筒部38aの中空部に軸方向に離隔されて保持される。
【0027】
軸受ホルダ38の一部は、多翼ファン16の内周部に軸方向に進入している。また、圧縮機10の回転軸10aを支持する軸受38jの少なくとも一部は、多翼ファン16と軸方向に重なり合っている。この場合、重なり合わない場合と比べて、軸方向空間を有効利用できる。
【0028】
図2、
図6、
図7を参照して圧縮機駆動部14を説明する。
図7は、圧縮機駆動部14のラビリンス部12fの周辺を拡大して示す側断面図である。圧縮機駆動部14は、圧縮機10を回転駆動するモータ12と、バランスウエイト15とを主に含む。
【0029】
モータ12を説明する。モータ12は、出力軸12aと、ロータ12kと、ステータ12sと、ケーシング12cと、ラビリンス部12fとを含む。本実施形態では、モータ12の出力軸12aは、圧縮機10の回転軸10aと一体的に設けられる。ロータ12kは、周方向に複数の磁極を有するマグネット12mを有し、出力軸12aの外周に固定される。
【0030】
ステータ12sは、磁気的空隙を介してロータ12kを環囲するステータコア12jと、ステータコア12jに巻かれたコイル12gとを有する。ステータ12sは、その外周部がケーシング12cの内周面に固定される。ケーシング12cは、筒部12dと、底部12eとを有し、ロータ12kとステータ12sとを包囲する外殻として機能する。この例では、ケーシング12cは、反入力側が開放され入力側に底部12eが設けられる有底円筒形状を有する。底部12eには、空気導入部26から空気を取り入れる導入口12hが設けられる。
【0031】
ラビリンス部12fは、筒部12dの反入力側を塞ぐ部材で、この例では円盤状を呈する。ラビリンス部12fは、出力軸12aに固定される回転体部12nと、筒部12dに固定される静止体部12pとを含む。この例で、回転体部12nは円板状を呈し、静止体部12pはドーナツ状を呈する。回転体部12nは、後述するバランスウエイト15を兼ねている。回転体部12nと、静止体部12pとの間にはラビリンス12rが設けられる。この例で、ラビリンス12rは屈曲する隙間を組み合わせた迷路である。ラビリンス部12fは、ラビリンス12rを有することによりモータ12内部への粉塵の侵入を減らしている。
【0032】
また、導入口12hから導入される圧縮空気Ar10eは、ラビリンス12rから外部に向けて流れるため、ラビリンス12rの粉塵は、この気流により外部に排出されやすくなる。
【0033】
モータ12は、インバータ制御装置40(駆動回路)からステータ12sのコイル12gに駆動電流が供給されることにより、磁気的空隙に界磁磁界を発生させる。モータ12は、この界磁磁界とロータ12kのマグネット12mとの作用により、ロータ12kおよび出力軸12aに回転駆動力を発生させる。出力軸12aの回転駆動力は、回転軸10aを通じて圧縮機10を駆動する。回転軸10aを支持する軸受は、圧縮機駆動部14の外部の軸受ホルダ38に設けられており、圧縮機駆動部14の内部には設けられていない。
【0034】
図1、
図2を参照して、インバータ制御装置40を説明する。インバータ制御装置40は、モータ12を駆動制御するためのインバータ電源装置として機能する。インバータ制御装置40は、収納箱42に収納されることによって、粉塵あるいは雨水から保護される。収納箱42は金属製であってもよい。インバータ制御装置40は、コイル12gに駆動電流を供給するスイッチングパワーモジュールや平滑コンデンサ等の電子部品(いずれも不図示)を含む。
【0035】
これらの電子部品は、動作時に自己発熱するため収納箱42内の温度が上昇する。箱内の温度が高くなると、これらの電子部品の寿命が短くなり、故障の原因となりうる。本実施形態では、収納箱42は、空気吸込み部32と圧縮機10の吸入口10cとの間の吸込空気Ar32の経路上に設けられる。この例では、収納箱42は、空気吸込み部32と弁機構32dの間に設けられている。つまり、吸込空気Ar32の一部または全部は、収納箱42内を通過して圧縮機10側に送出される。吸込空気Ar32が収納箱42内を通過することによって、箱内は強制換気され、インバータ制御装置40の電子部品が空冷される。この場合、収納箱42内の温度上昇が抑制され、電子部品の寿命が延びる。
【0036】
図8、
図9も参照してバランスウエイト15を説明する。
図8は、バランスウエイト15の周辺を示す正面図である。
図9は、バランスウエイト15の周辺を示す背面図である。回転振動を抑えるため、多翼ファン16およびロータ12k等に対して、回転バランス(ダイナミックバランス)のアンバランス量を、個別に低減する加工(以下、「バランス調整」という)を施すことが考えられる。この場合、バランス調整後の各部材の残留アンバランス量の累積によって、残留アンバランスの総量が大きくなることもあり、また、加工工数が増える点で不利である。このため、本実施形態は、バランス調整部15bを有するバランスウエイト15を備える。この例のバランスウエイト15は、金属製の円板状部材で、上述したようにラビリンス部12fの回転体部12nを兼ねており、多翼ファン16の円盤部16bの入力側に固定されている。
【0037】
多翼ファン16、ロータ12k、回転軸10aおよびバランスウエイト15は一体的に構成され、この状態でバランスウエイト15に対してアンバランス総量を低減するバランス調整が施されている。バランス調整工程は、多翼ファン16、ロータ12k、回転軸10aおよびバランスウエイト15を一体化してワークを形成する。ワークをバランス検査装置で回転させてアンバランスの量と位置を特定する。検査装置の特定結果に応じて、バランスウエイト15のバランス調整部15bに対して質量の付加または削除を行う。質量の付加または削除は、バランスウエイト15の片面または両面のバランス調整部15bについて行われてもよい。
図8、
図9に示すように、バランス調整部15bは、バランスウエイト15の径方向中間領域の平坦なドーナツ状の部分である。
【0038】
図6、
図7を参照して多翼ファン16を説明する。多翼ファン16は、その中心部から外周部に向けて発生させた気流を送出ダクト16dに集めて送出する送風機として機能する。多翼ファン16は、シロッコファンと称されることがある。多翼ファン16は、円盤部16bと、複数のブレード16cと、ケーシング16eと、送出ダクト16dとを含む。
【0039】
円盤部16bは、中心が回転軸10aに固定された中空円板状の部材である。複数のブレード16cは、円盤部16bの外周近傍において、円盤部16bから反入力側に延びる。複数のブレード16cは周方向に所定の角度ごとに配置される。ケーシング16eは、円盤部16bおよび複数のブレード16cを環囲する円筒状の部材である。
【0040】
図7に示すように、円盤部16bは、モータ12の反入力側にアキシャル隙間16gを挟んで配置される。アキシャル隙間16gの幅W16は、円盤部16bの厚さH16より狭くてもよい。軸方向において、ブレード16cは、第2軸受13eと軸方向にオーバーラップしている。
【0041】
送出ダクト16dは、ケーシング16eから冷却器22に延びる筒状の部材である。送出ダクト16dの下部16hは、ケーシング16eの上部から上方に延びる略角筒状の部分である。送出ダクト16dの上部16jは、下部16hの上部から冷却器22の下部に連通する部分である、上部16jは、上側が広い略四角錐台状を呈する。
【0042】
多翼ファン16は、圧縮機10の回転軸10aを支持する軸受38jの少なくとも一部と軸方向に重なり合ってもよい。この場合、多翼ファン16が軸受38jと重なり合わない場合と比べて、空気圧縮装置100の軸方向長さを短くできる。
【0043】
図2、
図6、
図10、
図11を参照して冷却器22を説明する。冷却器22は、圧縮機10から供給される高温(例えば、200℃~250℃)の圧縮空気を室温よりやや高い温度(例えば、40℃~50℃)まで冷却して除湿器24に供給する。冷却器22は、単独の冷却器で構成されてもよいが、本実施形態は、複数の冷却器がシーリースに接続されて構成される。本実施形態の冷却器22は、圧縮機10からの圧縮空気を一次冷却する第1冷却器18と、第1冷却器18で冷却された圧縮空気を二次冷却する第2冷却器20とを備える。
【0044】
第1冷却器18および第2冷却器20は、屈曲パイプ18p、20pと、このパイプをそれぞれ収容するパイプ収容部18c、20cと、を有する。屈曲パイプ18p、20pは、蛇行して複数の屈曲部を有し、パイプの一端から他端に向けて圧縮空気を流す。パイプ収容部18c、20cは、上下に薄い角筒状の外壁を有し、上下に冷却用の空気流を流す風洞として機能する。
【0045】
パイプ収容部18c、20cの下部には、屈曲パイプ18p、20pを支持する金網部18m、20mが固定される。パイプ収容部20cの上面は開放され、パイプ収容部18cの上面には金網部20nが固定される。このように、パイプ収容部18c、20cは、空気流が上下に通過しやすい構成を有する。
【0046】
屈曲パイプ18pの一端に設けられた第1導入部18bは、第1冷却器18のパイプ収容部18cの側壁から外部に突出している。第1導入部18bは、圧縮機10の吐出口10eに連通する。屈曲パイプ18pの他端に設けられた第1導出部18eは、第1冷却器18のパイプ収容部18cの側壁から外部に突出している。第1導出部18eは、第2導入部20bに連通する。
【0047】
屈曲パイプ20pの一端に設けられた第2導入部20bは、第2冷却器20のパイプ収容部20cの底部から外部に突出している。第2導入部20bは、第1導出部18eに連通する。屈曲パイプ20pの他端に設けられた第2導出部20eは、第2冷却器20のパイプ収容部20cの側壁から外部に突出している。第2導出部20eは、除湿器24に連通する。
【0048】
パイプ収容部18cは、パイプ収容部20cの上側に配置される。多翼ファン16から送出される空気流Ar16aは、ダクト16dを通じて、パイプ収容部20cの下面に供給される。空気流Ar16aは、金網部20mの隙間と、屈曲パイプ20pの隙間とを流れ、パイプ収容部20cの上面から排出される。空気流Ar16aが、屈曲パイプ20pの外周面を通過することで、屈曲パイプ20pの圧縮空気は冷却される。
【0049】
パイプ収容部20cから排出される空気流Ar16bは、パイプ収容部18cの下面に供給される。空気流Ar16bは、金網部18mの隙間と、屈曲パイプ18pの隙間と、金網部20nの隙間とを流れ、パイプ収容部18cの上面から排出される。空気流Ar16bが、屈曲パイプ18pの外周面を通過することで、屈曲パイプ18pの圧縮空気Ar20cは冷却される。パイプ収容部18cから排出された空気は、大気に拡散される。
【0050】
このように、多翼ファン16から送出された空気流Ar16aは、先に第2冷却器20に供給され、一次冷却された後の圧縮空気を二次冷却するために使用される。第2冷却器20から排出された空気流Ar16bは、第1冷却器18に供給され、圧縮空気の一次冷却に使用される。空気流Ar16aを、先に一次冷却に使用する場合と比べて、二次冷却における圧縮空気と冷却空気との温度差が大きくなりので、冷却効率を高くできる。
【0051】
冷却器22は、所望の冷却効果が得られる限りどこに配置されてもよい。本実施形態の冷却器22は、空気圧縮装置100の上下方向中心より上側に配置されている。特に、冷却器22は、多翼ファン16と鉄道車両90の床との間に配置されている。多翼ファン16からのから送出された空気流Ar16aの経路を短くして、余計な配管スペースを省ける。また、多翼ファン16の前後方向に配置する場合と比べて空気圧縮装置100の前後長を短くできる。
【0052】
除湿器24は、冷却器22と、圧縮空気送出部34とを連通する経路に設けられる。冷却された圧縮空気Ar10cに対して除湿を行う中空糸膜式の除湿装置である。除湿器24は、乾燥剤が含まれたフィルタ要素を含んでもよい。除湿器24において、圧縮空気送出部34から送出される圧縮空気Ar10dに対する最終的な除湿が行われることになる。圧縮空気Ar10dは、圧縮空気送出部34を介して圧縮空気溜め92に送出される。
【0053】
空気導入部26は、除湿器24で除湿された圧縮空気Ar10dをモータ12のケーシング12c内部に導入する。圧縮空気Ar10dを導入することによりケーシング12c内部の圧力を外気圧より高い陽圧にして粉塵の侵入を低減できる。空気導入部26は、底部12eに設けられた導入口12hに圧縮空気Ar10dを送出する。空気導入部26は、圧縮空気Ar10dを除湿器24からケーシング12cに導く経路状に弁機構26dが設けられる。弁機構26dは、除湿器24側が所定圧力以上のとき、圧縮空気Ar10dのケーシング12c側への通過を許容し、ケーシング12cから除湿器24への逆流を遮る逆止弁であってもよい。
【0054】
収容ケース36は、圧縮機10、圧縮機駆動部14、多翼ファン16、冷却器22と、除湿器24、空気導入部26、送風ファン28、空気吸込み部32、圧縮空気送出部34およびインバータ制御装置40の収納箱42を収容する。
【0055】
本発明の一態様の概要は、次の通りである。本発明のある態様の空気圧縮装置100は、圧縮空気を生成する圧縮機10と、圧縮機10を駆動するモータ12と、圧縮空気をモータ12の内部に導入して当該内部の圧力を高める空気導入部26とを備える。
【0056】
この態様によれば、モータ12の内部の圧力を高めて当該内部への粉塵の侵入を低減できる。
【0057】
空気圧縮装置100では、空気導入部26は、モータ12の内部を陽圧にするように構成されてもよい。この場合、モータ12の内部から外部への空気流を形成して粉塵の外部への排出を促すことができる。
【0058】
空気圧縮装置100では、モータ12は、回転体部12nおよび静止体部12pを有し、回転体部12nと静止体部12pとの間にラビリンス12rが設けられ、圧縮空気の導入口が、回転体部12nを挟んでラビリンス12rとは反対側に設けられてもよい。この場合、ラビリンス12rから外部に向かっての気流が形成されやすくなり、ラビリンス12rに付着した粉塵をラビリンス12rから排出できる。
【0059】
空気圧縮装置100は、モータ12と一体的に回転して空気流を発生させる多翼ファン16と、空気流によって圧縮空気を冷却する冷却器22とをさらに備えてもよい。空気導入部26は、冷却器22で冷却された圧縮空気をモータ12の内部に導入するように構成されてもよい。空気圧縮装置100は、鉄道車両の床下に設けられてもよい。この場合、モータ12の回転で多翼ファン16を回転させることができるので、空気流を発生させるために別のモータを設ける必要がない。また、冷却前の圧縮空気を導入する構成と比べて、モータ12の温度上昇を抑えられる。
【0060】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態は、モータの防塵方法である。この防塵方法は、モータ12の駆動力により圧縮空気を生成するステップと、圧縮空気をモータ12の内部に導入して当該内部の圧力を高めるステップと、を含む。この態様によれば、モータ12の内部の圧力を高めて当該内部への粉塵の侵入を低減できる。
【0061】
上述の防塵方法は、モータ12の内部の空気をモータ12の回転体部12nと静止体部12pとの隙間から排出するステップをさらに含んでもよい。この場合、モータ12の内部から隙間を介して外部への空気流を形成して粉塵の外部への排出を促すことができる。
【0062】
上述の防塵方法は、回転体部12nと静止体部12pとの隙間は、回転体部12nと静止体部12pとの間に形成されたラビリンス12rであってもよい。この場合、ラビリンス12rに付着した粉塵をラビリンス12rから排出できる。
【0063】
上述の防塵方法は、モータ12と一体的に回転する多翼ファン16により空気流を発生させるステップと、空気流によって圧縮空気を冷却するステップとをさらに含み、圧力を高めるステップは、冷却された圧縮空気をモータ12の内部に導入するステップを含んでもよい。この場合、モータ12の回転で多翼ファン16を回転させることができので、空気流を発生させるために別のモータを設ける必要がない。また、冷却前の圧縮空気を導入する構成と比べて、モータ12の温度上昇を抑えられる。
【0064】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態は、空気圧縮装置である。この空気圧縮装置100は、圧縮空気を生成する圧縮機10を駆動するモータ12を備え、モータ12の内部は陽圧にされている。モータ12の内部を陽圧にするために、圧縮機10により生成された圧縮空気を空気導入部26によりモータ12のケーシング12c内部に導入してもよいし、別の空気生成装置から送出された空気をケーシング12c内部に導入してもよい。
【0065】
この構成によれば、モータ12のケーシング12c内部を陽圧にして粉塵の侵入を減らせる。
【0066】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。上述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除などの多くの設計変更が可能である。上述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。
【0067】
[変形例]
以下、変形例について説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0068】
[第1変形例]
図12を参照して、第1変形例に係る空気圧縮装置200を説明する。本変形例は、実施形態に対して、圧縮機10の吸入口に過給器210が設けられる点で相違し、他の構成は同じであるため過給器210について重点的に説明する。
図12は、圧縮機10の周辺を示す正面図であり、
図3に対応する。
【0069】
スクロール式圧縮機では、外周部が負圧になるため、外部と内部との圧力差によって粉塵を吸入し易い。粉塵の侵入を減らすため、圧縮機10には、外周面をシールするフェースシール(不図示)が設けられている。しかし、フェースシールには合口部と呼ばれる隙間があり、この隙間から粉塵が侵入する。このため、本変形例では、圧縮機10の吸入口10cに過給器210が設けられる。
【0070】
過給器210は、圧縮機10の内圧を高めうるものであれば特に限定はない。本変形例の過給器210は、モータ210mで回転する羽根車210bを有する。過給器210は、上流の空気を加圧し、下流の空気を大気圧以上にして、圧縮機10の吸入口10cに供給する。過給器210は、弁機構32dと吸入口10cとの間の経路に設けられる。過給器210を設けることにより、圧縮機10の吸入口10c近傍、すなわち圧縮機10の外周部の内圧を高め、負圧による粉塵の侵入を抑制できる。
【0071】
[その他の変形例]
実施形態の説明では、モータ12の出力軸12aが圧縮機10の回転軸10aと一体である例を示したが、これに限られない。例えば、モータの出力軸は、圧縮機の回転軸とは別体としカップリング等で連結されてもよい。
【0072】
実施形態の説明では、弁機構26dが逆止弁である例を示したが、これに限られない。例えば、弁機構26dは、二次側の圧力を調整可能な二次圧力調整弁(減圧弁)であってもよい。
【0073】
実施形態の説明では、モータ12が表面磁石型のDCブラシレスモータである例を示したが、これに限られない。モータは、圧縮機を駆動できるものであればなんでもよく、例えば、磁石埋め込み型モータ、ACモータ、ブラシ付モータ、ギア付モータ等の別の種類のモータであってもよい。
【0074】
実施形態の説明では、モータ12は、軸受を含まず、ステータとロータとがそれぞれ圧縮機にビルトインされる例を示したが、これに限られない。例えば、モータは、モータケース内に軸受とロータとステータが一体化された非ビルトイン構造であってもよい。
【0075】
実施形態の説明では、ラビリンス部12fの回転体部12nがバランスウエイト15を兼ねる例を示したが、これに限られない。ラビリンス部の回転体部は、バランスウエイトとは別に設けられてもよい。
【0076】
実施形態の説明では、圧縮機10がスクロール式である例を示したがこれに限られない。圧縮機は、圧縮空気を生成しうるものであればなんでもよく、例えば、スクリュー式やレシプロ式等の別の種類の空気圧縮機であってもよい。
【0077】
上述の変形例は、第1実施形態と同様の作用・効果を奏する。
【0078】
上述した実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0079】
10・・圧縮機、 12・・モータ、 12c・・ケーシング、 12n・・回転体部、 12p・・静止体部、 12r・・ラビリンス、 14・・圧縮機駆動部、 15・・バランスウエイト、 15b・・バランス調整部、 16・・多翼ファン、 18・・第1冷却器、 20・・第2冷却器、 22・・冷却器、 24・・除湿器、 26・・空気導入部、 26d・・弁機構、 28・・送風ファン、 32・・空気吸込み部、 34・・圧縮空気送出部、 38・・軸受ホルダ、 40・・インバータ制御装置、 42・・収納箱、 90・・鉄道車両、 100・・空気圧縮装置。