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特許7547038外科用ステープル留め器具のためのコネクタ機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】外科用ステープル留め器具のためのコネクタ機構
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A61B17/072
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019152879
(22)【出願日】2019-08-23
(65)【公開番号】P2020044327
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】16/131,359
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ケネス エム. カッポラ
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-159153(JP,A)
【文献】特開2011-119255(JP,A)
【文献】特開平06-096818(JP,A)
【文献】特開平04-327844(JP,A)
【文献】特開2002-367718(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0168625(US,A1)
【文献】実開昭60-129081(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068 - 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープル留め器具であって、前記外科用ステープル留め器具は、
ハンドルアセンブリと動作可能に係合するように構成されている近位本体部分と、
前記近位本体部分から延在するツールアセンブリであって、前記ツールアセンブリは、アンビルアセンブリと、前記アンビルアセンブリに対して旋回可能に固定されている顎部材と、前記顎部材内に配置されている第1のコネクタアセンブリとを含み、前記第1のコネクタアセンブリは、第1のコネクタハウジングと、前記第1のコネクタハウジングから延在する第1のコネクタ部材および第2のコネクタ部材とを含み、前記顎部材は、開口部とフランジとを含み、前記第1のコネクタハウジングは、スロットとボスとを含み、前記ボスは、前記フランジが前記スロット内に受容されたときに、前記開口部内に受容されるように構成されている、ツールアセンブリと、
前記ツールアセンブリの前記顎部材内に選択的に受容可能なカートリッジアセンブリであって、前記カートリッジアセンブリは、前記カートリッジアセンブリが前記顎部材内に受容されたときに、前記第1のコネクタアセンブリと電気的に接続するように構成されている第2のコネクタアセンブリを含み、前記第2のコネクタアセンブリは、第2のコネクタハウジングと、前記第2のコネクタハウジング内に配置されている第1の接触部材および第2の接触部材とを含み、前記第1のコネクタアセンブリの前記第1のコネクタ部材および前記第2のコネクタ部材は、前記カートリッジアセンブリが前記ツールアセンブリの前記顎部材内に受容されたときに、前記第2のコネクタハウジングの前記第1の接触部材および前記第2の接触部材とそれぞれ係合するように構成されている、カートリッジアセンブリと
を備え、
前記第1のコネクタハウジングは、前記フランジを前記スロットの中に受容することによって前記顎部材に固定されており、前記カートリッジアセンブリを前記顎部材内に装填する間、前記第1のコネクタアセンブリに対するトルク抵抗は、前記フランジが前記スロット内に受容されたときに前記ボスを前記開口部内に受容することによって提供される、外科用ステープル留め器具。
【請求項2】
前記カートリッジアセンブリは、カートリッジ本体と支持板とを含む、請求項1に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項3】
前記外科用ステープル留め器具は、前記近位本体部分に動作可能に固定されているハンドルアセンブリをさらに含む、請求項1に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項4】
前記第1のコネクタアセンブリおよび前記第2のコネクタアセンブリは、前記カートリッジアセンブリを前記ハンドルアセンブリと電気的に接続するためのコネクタ機構を形成している、請求項3に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項5】
前記第1のコネクタ部材および前記第2のコネクタ部材のそれぞれは、面取りされた前縁を含む、請求項1に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項6】
前記第1の接触部材および前記第2の接触部材のそれぞれは、コイルばねを含む、請求項1に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項7】
前記第1の接触部材および前記第2の接触部材のそれぞれは、板ばねを含む、請求項1に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項8】
各板ばねは、傾斜した係合面を含む、請求項7に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項9】
各板ばねは、前記第1のコネクタ部材または前記第2のコネクタ部材とそれぞれ係合したときに、内側に撓むように構成されている、請求項8に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項10】
前記第2のコネクタアセンブリは、前記第2のコネクタハウジング上に支持されている封止部材を含む、請求項1に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項11】
前記封止部材は、前記第1のコネクタアセンブリの前記第1のコネクタ部材および前記第2のコネクタ部材を受容するための第1のアパーチャおよび第2のアパーチャを含む、請求項10に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項12】
前記封止部材は、前記第1のコネクタ部材および前記第2のコネクタ部材が前記第1のアパーチャおよび前記第2のアパーチャを通って受容されたときに、洗浄アクションを提供する、請求項11に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項13】
前記洗浄アクションは、スキージまたは拭き取りアクションである、請求項12に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項14】
前記第2のコネクタアセンブリは、識別チップを含み、前記カートリッジアセンブリの仕様が前記識別チップにロードされている、請求項1に記載の外科用ステープル留め器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、識別チップを有する交換可能なカートリッジアセンブリを含む外科用ステープル留め器具に関する。より具体的には、本開示は、外科用ステープル留め器具のカートリッジアセンブリの識別チップをステープル留め器具のハンドルアセンブリに接続するための電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
外科用ステープルの列を組織に適用するための外科用ステープル留め器具は、当技術分野において既知であり、動力式ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリから遠位方向に延在している本体部分と、本体部分の遠位端において支持され、かつ本体部分に対して関節運動可能であるステープル留めエンドエフェクタと、を典型的に含む。ステープル留めエンドエフェクタは、離間位置と接近位置との間で互いに対して移動可能である第1および第2の顎を含む。第1の顎は、アンビルアセンブリを支持し、第2の顎は、カートリッジアセンブリを支持する。カートリッジアセンブリは、外科手術中にエンドエフェクタの再使用を可能にするために交換可能であり得る。交換可能なカートリッジアセンブリは、異なる特性、例えば、厚さ、密度を有する組織上での使用のために様々な構成で提供され得る。例えば、異なるカートリッジアセンブリは、異なるサイズのステープルおよび/またはステープルの異なる構成を有し得る。
【0003】
多くのカートリッジアセンブリは、識別チップを含み、この識別チップは、ハンドルアセンブリが、取り付けられたカートリッジアセンブリと動作するようにプログラムされていることを確実にするために、外科手術ステープル留め器具の本体部分を通って延在する導体によってハンドルアセンブリに電気的に結合される。カートリッジアセンブリを外科用ステープル留め器具に取り付ける間、カートリッジアセンブリの不適切な装填は、カートリッジアセンブリと外科用ステープル留め器具との間の電気的接続への損傷をもたらし得る。同様に、外科手術中に電気的接続部を流体にさらすと、外科用ステープル留め器具の動作に損傷を与え、著しく影響を及ぼす可能性がある。カートリッジアセンブリの装填中および外科用ステープル留め器具の使用中の電気的接続への損傷を防止するために、改善された電気的接続を有するカートリッジアセンブリを提供することは有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、コネクタ機構を含む外科用ステープル留め器具が提供される。外科用ステープル留め器具は、ハンドルアセンブリと動作可能に係合するように構成された近位本体部分と、近位本体部分から延在するツールアセンブリと、を含む。ツールアセンブリは、アンビルアセンブリと、アンビルアセンブリに対して旋回可能に固定された顎部材と、顎部材内に配設された第1のコネクタアセンブリと、を含む。第1のコネクタアセンブリは、第1のコネクタハウジングと、第1のコネクタハウジングから延在する第1および第2のコネクタ部材と、を含む。外科用ステープル留め器具は、ツールアセンブリの顎部材内に選択的に受容可能なカートリッジアセンブリを更に含む。カートリッジアセンブリは、カートリッジアセンブリが顎部材内に受容されたときに、第1のコネクタアセンブリと電気的に接続するように構成された第2のコネクタアセンブリを含む。第2のコネクタアセンブリは、第2のコネクタハウジングと、第2のコネクタハウジング内に配設された第1および第2の接触部材と、を含む。第1のコネクタアセンブリの第1および第2のコネクタ部材は、カートリッジアセンブリがツールアセンブリの顎部材内に受容されたときに、第2のコネクタハウジングのそれぞれの第1および第2の接触部材と係合するように構成される。
【0005】
実施形態では、カートリッジアセンブリは、カートリッジ本体と、支持板と、を含む。外科用ステープル留め器具は、近位本体部分に動作可能に固定されたハンドルアセンブリを更に含んでもよい。第1および第2のコネクタアセンブリは、カートリッジアセンブリをハンドルアセンブリと電気的に接続するためのコネクタ機構を形成してもよい。第1および第2のコネクタ部材は、面取りされた前縁を各々含んでもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1および第2の接触部材は、コイルばねを各々含む。代替的に、第1および第2の接触部材は、板ばねを各々含んでもよい。板ばねの各々は、傾斜した係合面を含んでもよい。板ばねの各々は、それぞれの第1または第2のコネクタ部材と係合したときに、内側に撓むように構成されてもよい。
【0007】
カートリッジアセンブリの第2のコネクタアセンブリは、第2のコネクタハウジング上に封止部材支持体を含んでもよい。封止部材は、第1のコネクタアセンブリの第1および第2のコネクタ部材を受容するための第1および第2のアパーチャを含んでもよい。封止部材は、第1および第2のコネクタ部材が第1および第2のアパーチャを通って受容されたときに、洗浄アクションを提供してもよい。洗浄アクションは、スキージまたは拭き取りアクションであってもよい。
【0008】
第1のコネクタアセンブリは、フランジおよび支柱接続によって顎部材に固定されてもよい。第2のコネクタアセンブリは、識別チップを含んでもよい。カートリッジアセンブリの仕様は、識別チップにロードされてもよい。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
外科用ステープル留め器具であって、
ハンドルアセンブリと動作可能に係合するように構成された近位本体部分と、
上記近位本体部分から延在するツールアセンブリであって、上記ツールアセンブリが、アンビルアセンブリと、顎部材に対して旋回可能に固定された上記顎部材と、上記顎部材内に配設された第1のコネクタアセンブリと、を含み、上記第1のコネクタアセンブリが、第1のコネクタハウジングと、上記第1のコネクタハウジングから延在している第1および第2のコネクタ部材と、を含む、ツールアセンブリと、
上記ツールアセンブリの上記顎部材内に選択的に受容可能なカートリッジアセンブリであって、上記カートリッジアセンブリが、上記カートリッジアセンブリが上記顎部材内に受容されたときに、上記第1のコネクタアセンブリと電気的に接続するように構成された第2のコネクタアセンブリを含み、上記第2のコネクタアセンブリが、第2のコネクタハウジングと、上記第2のコネクタハウジング内に配設された第1および第2の接触部材と、を含み、上記第1のコネクタアセンブリの上記第1および第2のコネクタ部材が、上記カートリッジアセンブリが上記ツールアセンブリの上記顎部材内に受容されたときに、上記第2のコネクタハウジングの上記それぞれの第1および第2の接触部材と係合するように構成されている、カートリッジアセンブリと、を備える、外科用ステープル留め器具。
(項目2)
上記カートリッジアセンブリが、カートリッジ本体と、支持板と、を含む、上記項目に記載の外科用ステープル留め器具。
(項目3)
上記近位本体部分に動作可能に固定されたハンドルアセンブリを更に含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め器具。
(項目4)
上記第1および第2のコネクタアセンブリが、上記カートリッジアセンブリを上記ハンドルアセンブリと電気的に接続するためのコネクタ機構を形成している、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め器具。
(項目5)
上記第1および第2のコネクタ部材が、面取りされた前縁を各々含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め器具。
(項目6)
上記第1および第2の接触部材が、コイルばねを各々含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め器具。
(項目7)
上記第1および第2の接触部材が、板ばねを各々含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め器具。
(項目8)
上記板ばねの各々が、傾斜した係合面を含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め器具。
(項目9)
上記板ばねの各々が、上記それぞれの第1または第2のコネクタ部材と係合したときに、内側に撓むように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め器具。
(項目10)
上記第2のコネクタアセンブリが、上記第2のコネクタハウジング上に封止部材支持部を含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め器具。
(項目11)
上記封止部材が、上記第1のコネクタアセンブリの上記第1および第2のコネクタ部材を受容するための第1および第2のアパーチャを含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め器具。
(項目12)
上記封止部材が、上記第1および第2のコネクタ部材が上記第1および第2のアパーチャを通って受容されたときに、洗浄アクションを提供する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め器具。
(項目13)
上記洗浄アクションが、スキージまたは拭き取りアクションである、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め器具。
(項目14)
上記第1のコネクタアセンブリが、フランジおよび支柱接続によって上記顎部材に固定されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め器具。
(項目15)
上記第2のコネクタアセンブリが、識別チップを含み、上記カートリッジアセンブリの仕様が、上記識別チップにロードされている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め器具。
(摘要)
外科用ステープル留め器具は、本体部分と、本体部分から延在するツールアセンブリと、を含む。ツールアセンブリは、顎部材と、顎部材内に配設された第1のコネクタアセンブリと、を含む。第1のコネクタアセンブリは、第1のコネクタハウジングと、第1のコネクタハウジングから延在する第1および第2のコネクタ部材と、を含む。外科用ステープル留め器具は、顎部材内に選択的に受容可能なカートリッジアセンブリを更に含む。カートリッジアセンブリは、第1のコネクタアセンブリと電気的に接続するように構成された第2のコネクタアセンブリを含む。第2のコネクタアセンブリは、第2のコネクタハウジングと、第2のコネクタハウジング内に配設された第1および第2の接触部材と、を含む。第1のコネクタアセンブリの第1および第2のコネクタ部材は、カートリッジアセンブリがツールアセンブリの顎部材内に受容されたときに、第2のコネクタハウジングのそれぞれの第1および第2の接触部材と係合するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示のコネクタ機構の様々な実施形態を、図面を参照して本明細書に記載する。
【0010】
図1】本開示の実施形態によるコネクタ機構を有する装填ユニットを含む、外科用ステープル留め器具の斜視図である。
図2図1に示される外科用ステープル留め器具の装填ユニットの側面斜視図である。
図3】装填ユニットの顎部材に装填される前の輸送ウェッジを含む、装填ユニットのカートリッジアセンブリを有する、図2に示される装填ユニットの正面斜視図である。
図4図3に示されるカートリッジアセンブリの側面斜視端面図である。
図5】第1のコネクタアセンブリを含む、図3に示される示された詳細領域の拡大図である。
図6】第2のコネクタアセンブリを含む、図4に示される示された詳細領域の拡大図である。
図7図2に示される装填ユニットの顎部材内に固定された、図3に示される第1のコネクタアセンブリの側面斜視図である。
図8図7に示される、示された詳細領域の拡大図である。
図9図7に示される第1のコネクタアセンブリおよび顎部材の近位部分の、部品が分離されている側面斜視図である。
図10図9に示される第1のコネクタアセンブリの側面斜視図である。
図11図4に示される第2のコネクタアセンブリおよびカートリッジアセンブリの近位部分の斜視図である。
図12図11に示される第2のコネクタアセンブリおよびカートリッジアセンブリの近位部分の、部品が分離されている斜視図である。
図13】本開示の一実施形態による第2のコネクタアセンブリの斜視端面図である。
図14】本開示の別の実施形態による第2のコネクタアセンブリの斜視端面図である。
図15図14の切断線15-15に沿った断面図である。
図16図3に示される第1のコネクタアセンブリと、図4に示された第2のコネクタアセンブリと、仮想線で示されるアンビルアセンブリと、を含む図2に示される装填ユニットの側面斜視図である。
図17図16に示される線17-17に沿った図13に示される、第2のコネクタアセンブリの断面端面図である。
図18図16の線18-18に沿った第2のコネクタアセンブリの断面端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本開示による外科用ステープル留め器具のコネクタ機構の実施形態が、ここで図面を参照して詳細に説明され、これらの図面では、同様の参照番号は、いくつかの図の各々における同一または対応する要素を指している。この説明において、「近位」という用語は、概して、臨床医により近い、器具の部分を指すために使用される一方、「遠位」という用語は、概して、臨床医からより遠い、器具の部分を指すために使用される。
【0012】
本開示の実施形態は、交換可能なカートリッジアセンブリと外科用ステープル留め器具のツールアセンブリとの間の改善された接続に対処する。
【0013】
図1は、本開示の例示的実施形態による、コネクタ機構を含む外科用ステープル留め器具を示しており、概して、外科用ステープル留め器具10として示されている。外科用ステープル留め器具として例示されているが、本開示の態様は、ハンドルアセンブリと電気的に通信する交換可能なユニットを含む他の種類のエンドエフェクタと共に使用するために改変されてもよい。外科用ステープル留め器具10は、動力式ハンドルアセンブリ12と、アダプタアセンブリ14と、装填ユニット100と、を含む。ハンドルアセンブリ12およびアダプタアセンブリ14は、装填ユニット100の動作をもたらすように構成されている。例示的なハンドルおよびアダプタアセンブリの構造および機能の詳細な説明については、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、共同所有された米国特許第9,055,943号(「‘943特許」)を参照されたい。装填ユニット100は、外科用ステープル留め器具10のアダプタアセンブリ14に選択的に固定されるものとして図示および記載されているが、装填ユニット100は、アダプタアセンブリ14の遠位端上で直接支持され、かつ/またはハンドルアセンブリ12によって直接支持され得ることが想定される。
【0014】
図1および図2を参照すると、装填ユニット100は、近位本体部分102と、ツールアセンブリ104と、を含む。装着アセンブリ106は、ツールアセンブリ104に固定されており、かつ装填ユニット100の近位本体部分102に旋回可能に結合されて、ツールアセンブリ104を近位本体部分102に旋回可能に固定する。装填ユニット100は、実質的に、米国特許出願公開第2016/0249929号(「‘929公開」)に説明されているとおりである。‘929公開は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。したがって、装填ユニット100は、本開示の態様を完全に開示するのに必要な範囲でのみ説明される。
【0015】
図3図6を参照すると、装填ユニット100のツールアセンブリ104は、アンビルアセンブリ108と、ツールアセンブリ100の顎部材110内に受容可能な交換可能なカートリッジアセンブリ120と、を含む。アンビルアセンブリ108および顎部材110は、開放位置(図2)と接近位置(図16)との間で互いに対して移動可能である。カートリッジアセンブリ120は、支持板122と、支持板122内に固定的に受容されるカートリッジ本体124と、を含む。カートリッジ本体124は、複数のステープル(図示せず)を支持する。輸送部材126は、カートリッジ本体124内にステープルを保持するために、および/または装填ユニット100の早期発射を防止するために、カートリッジ本体124に解放可能に固定される。
【0016】
カートリッジ本体124および支持板122は、参照により本明細書に組み込まれている‘943特許に記載されているように、スナップ嵌め接続によって顎部材110に取り付けられている。カートリッジアセンブリ120を顎部材110に固定する他の形態が企図され、スナップ嵌め接続の代わりにまたはそれに加えて使用されてもよい。
【0017】
装填ユニット100のツールアセンブリ104は、顎部材110(図5)内に配設された第1のまたは雄型のコネクタアセンブリ140と、カートリッジアセンブリ120に固定された第2のまたは雌型のコネクタアセンブリ160(図6)と、を有する、コネクタ機構130(図16)を含む。更に詳細に後述するように、カートリッジアセンブリ120が装填ユニット100の顎部材110に装填されたときに、コネクタ機構130の第2のコネクタアセンブリ160は、コネクタ機構130の第1のコネクタアセンブリ140に電気的に結合して、カートリッジアセンブリ120の仕様、例えば、ステープルのサイズ、数、および/または構成を、外科用ステープル留め器具10のハンドルアセンブリ12(図1)に提供する。
【0018】
ここで図7図9を参照すると、装填ユニット100のツールアセンブリ106(図1)の顎部材110は、カートリッジアセンブリ120(図4)を受容するためのチャネル111を画定する。顎部材110は、チャネル111内に延在するフランジ112(図9)を含む。更に詳細に後述するように、フランジ112の自由端のタブ112a(図8)は、チャネル111内にコネクタ機構130(図15)の第1のコネクタアセンブリ140を固定するように構成されている。顎部材110は、第1のコネクタアセンブリ140のボス144(図10)を受容するための、フランジ112に隣接して配設された開口部113(図9)を画定する。
【0019】
加えて図10を参照すると、コネクタ機構130の第1のコネクタアセンブリ140は、第1のコネクタハウジング142を含む。第1のコネクタハウジング142は、スロット143を画定し、それを通って、ツールアセンブリ106の顎部材110のフランジ112が受容される。図8に示すように、顎部材110のフランジ112が第1のコネクタハウジング142のスロット143を通って受容されたときに、フランジ112の自由端に形成または支持されるタブ112aは、第1のコネクタハウジング142と係合し、第1のコネクタアセンブリ140を顎部材110に固定する。この様態で、第1のコネクタアセンブリ140は、スナップ保持によって顎部材110に固定される。第1のコネクタハウジング142は、ボス144を含む。上記のように、ボス144は、フランジ112がスロット143内に受容されたときに、顎部材110の開口部113(図9)内に受容されるように構成される。顎部材110の開口部113内に第1のコネクタハウジング142のボス144を受容することは、顎部材110内にカートリッジアセンブリ120を装填する間に、第1のコネクタアセンブリ140に追加のトルク抵抗を提供する。
【0020】
第1のコネクタアセンブリ140がフランジ112および開口部113によってツールアセンブリ106の顎部材110に固定されているように示されているが、第1のコネクタアセンブリ140は、任意の好適な様態で顎部材110に固定され得ることが想定される。例えば、第1のコネクタアセンブリ140は、顎部材110にヒートステーク、接着、溶接、または他の方法で固定されてもよい。
【0021】
続けて図10を参照すると、第1および第2のコネクタ部材146、148は、第1のコネクタハウジング142から外向きに延在し、かつカートリッジアセンブリ120が顎部材110のチャネル111内に受容されたときに、コネクタ機構130の第2のコネクタアセンブリ160(図6)と係合するように位置決めおよび構成される。実施形態では、かつ図示されるように、第1および第2のコネクタ部材146、148の各々の前部分146a、148aは、第1のコネクタアセンブリ140の、コネクタ機構130の第2のコネクタアセンブリ160との係合を容易にするために、それぞれ面取りされている。実施形態では、第1および第2のコネクタ部材146、148は、サイズが約0.05インチ×0.015インチであり、厚さ0.0075インチの金属薄板を折り曲げることによって形成されている。実施形態では、第1および第2のコネクタ部材146、148は、0.050インチだけ離間配置されている。代替的に、他の寸法特性が想定される。
【0022】
図11および図12を参照すると、カートリッジアセンブリ120のカートリッジ本体124は、カートリッジ本体124の近位部分124aから延在する突起126を含む。突起126は、コネクタ機構130の第2のコネクタアセンブリ160を受容するための凹部127を画定する。突起126は、凹部127の開口端部とは反対側に切り欠き127aを更に画定する。切り欠き127aは、第2のコネクタハウジング162のタブ166aを受容して、第2のコネクタハウジング162をカートリッジ本体124に固定するように構成されている。突起126は、第2のコネクタアセンブリ160が凹部127内に受容され、かつカートリッジアセンブリ120が顎部材110内に装填されたときに、第2のコネクタアセンブリ160が顎部材110に固定されている第1のコネクタアセンブリ140と係合するように構成されている。
【0023】
第2のコネクタアセンブリ160は、基部部分164と、延長部分166と、を有する、第2のコネクタハウジング162を含み、かつ第1および第2の凹部163、165を画定する(図15)。更に詳細に後述するように、第1および第2の接触部材、例えば、コイルばね182、184(図13)または板ばね192、194(図15)は、それぞれの第1および第2の凹部163、165(図13)または163’、165’(図15)内に動作可能に配設される。
【0024】
封止部材168は、第2のコネクタアセンブリ160の第2のコネクタハウジング162の基部部分164に固定されてもよい。実施形態では、かつ図示されるように、封止部材168(図12)は、第2のコネクタハウジング162の基部部分164に外側被覆される。代替的に、封止部材168は、コネクタハウジング162に接着されるか、または他の方法で固定される、例えば、Oリングなどの周囲のビードを含んでもよい。封止部材168は、第1および第2の接触部材、例えば、第2のコネクタハウジング162の第1および第2の凹部163、165内に、それぞれ受容されるコイルばね182、184(図13)または板ばね192、194(図15)へのアクセスを提供するための、第1および第2のアパーチャ167、169を画定する。第2のコネクタアセンブリ160の第2のコネクタハウジング162と第1のコネクタアセンブリ140の第1のコネクタハウジング142との間に封止を提供することに加えて、封止部材168は、第1および第2のコネクタ部材146、148(図5)が封止部材168のそれぞれの第1および第2のアパーチャ167、169を通って受容されたときに、洗浄アクション、例えば、スキージまたは拭き取りアクションを提供してもよい。封止部材168はまた、装填ユニット100および外科用ステープル留め器具10(図1)に静電放電保護を提供してもよい。
【0025】
第2のコネクタアセンブリ160の第2のコネクタハウジング162の延長部166は、第2のコネクタハウジング162をカートリッジ本体124の突起126の凹部127内に固定するためのタブ166a(図11)を含む。より具体的には、第2のコネクタハウジング162のタブ166aは、第2のコネクタハウジング162の延長部166が凹部127内に受容されて、第2のコネクタハウジング162を突起126内にスナップ保持によって固定するときに、突起126に形成された切り欠き127a内に受容される。
【0026】
第2のコネクタアセンブリ160は、識別チップ170(図13)を更に含む。識別チップ170は、第2のコネクタハウジング162の基部部分164内もしくは第2のコネクタハウジング162の延在部分166内に配設されてもよく、または基部164と延在部166との間に延在してもよい。代替的に、識別チップ170は、カートリッジアセンブリ120内の他の場所に配設されてもよく、適切な方法を使用して第2のコネクタアセンブリ160に電気的に接続されてもよい。
【0027】
識別チップ170は、カートリッジアセンブリ120の仕様、例えば、カートリッジサイズ、ステープル配置、ステープル長、締め付け距離、製造日、モデル番号、ロット番号、有効期限などを含む情報を記憶すること、および情報のうちの少なくともいくつかをハンドルアセンブリ12(図1)に送信することが可能な任意の市販のチップを含んでもよい。一実施形態では、識別チップ170は、消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリチップ(「EPROM」または「EEPROM」)を含む。実施形態では、EPROMは、UVで消去可能であり、EEPROMは、電気で消去可能である。この様態で、取り付けられたカートリッジアセンブリ120の構成は、ハンドルアセンブリ12に中継されてもよく、それによって、例えば、ハンドルアセンブリ12の発射力および/または発射行程の長さが特定のカートリッジアセンブリ120に適応するように調整されてもよい。
【0028】
データが識別チップ170に書き込まれ得るように、EPROMまたはEEPROMの代わりに、識別チップ170が読み取り/書き込みRAMなどの読み取り/書き込みメモリチップであり得ることが想定される。例えば、空のもしくは部分的に発射された装填ユニットの再使用を防止するために、または任意の他の目的のために、使用情報は、装填ユニット100が完全にもしくは部分的に発射されたことを識別する識別チップ170に書き込まれてもよい。
【0029】
図13を参照すると、第2のコネクタアセンブリ160の第1の実施形態では、第1および第2の接触部材は、第1および第2のコイルばね182、184を含む。第1および第2のコイルばね182、184は、第2のコネクタハウジング162のそれぞれの第1および第2の凹部163、165内に受容される。第1および第2のコイルばね182、184は、顎部材110内でカートリッジアセンブリ120を受容する間に、第1のコネクタアセンブリ140のそれぞれの第1および第2のコネクタ部材146、148によって係合されるように構成されている。第1および第2のコネクタ部材146、148がそれぞれの第1および第2のコイルばね182、184と係合したときに、第1および第2のコイルばね182、184は、図17の矢印「A」によって示されるように圧縮して、第1および第2のコネクタ部材146、148とそれぞれの第1および第2のコイルばね182、184との間の電気的接触を確実にする。
【0030】
実施形態では、第1および第2のコイルばね182、184は、圧縮ばねである。例えば、第1および第2のばね182、184は、英国のLee Springによって提供される圧縮ばねであってもよい。実施形態では、圧縮ばねは、0.024インチの外径、0.031インチの孔径、0.004インチのワイヤ径、0.039インチの自由長さ、11.24ポンド/インチの圧縮率、0.026インチの密着長さ、0.012インチのロッド径を有してもよく、かつ/またはステンレス鋼もしくは他の好適な導電材料で形成されてもよい。代替的に、他のばねの種類および寸法が想定される。
【0031】
図14図18を参照すると、第2のコネクタアセンブリ160の第2の実施形態では、第1および第2の接触部材は、第1および第2の板ばね192、194を含む。第1および第2の板ばね192、194は、第2のコネクタハウジング162’のそれぞれの第1および第2の凹部163’、165’(図15)内に受容される。第1および第2の板ばね192、194は、装填ユニット100の顎部材110内にカートリッジアセンブリ120を受容する間に、第1のコネクタアセンブリ140のそれぞれの第1および第2のコネクタ部材146、148によって係合されるように構成されている。第1および第2のコネクタ部材146、148がそれぞれの第1および第2の板ばね192、194と係合したときに、第1および第2の板ばね192、194の係合部分192b、194bは、図18に示されている矢印「B」および「C」でそれぞれ示されるように内側に撓んで、第1および第2のコネクタ部材146、148とそれぞれの第1および第2の板ばね182、184との間の電気的接触を確実にする。
【0032】
実施形態では、かつ図示されるように、第1および第2の板ばね192、194は、それぞれ細長い本体部分192a、194a、およびそれぞれ係合部分192b、194bを各々含む。各係合部分192b、194bは、それぞれ図18に示されている矢印「B」および「C」によって示されるように、それぞれの第1および第2の板ばね192、194の内向きの撓みを容易にするための傾斜面193、195を含んでもよい。実施形態では、第1および第2の板ばね192、194は、17~7PH RH 950の材料から形成され、かつ/または0.005インチの厚さを含む。実施形態では、第1および第2の板ばね192、194は、0.020インチだけ撓むように構成されている。代替的に、他のばねの種類および特徴が想定される。
【0033】
図16を参照すると、装填ユニット100は、カートリッジアセンブリ120がツールアセンブリ104の顎部材110内に受容された状態で示されている。カートリッジアセンブリ120が顎部材110内に受容されると、コネクタ機構130の第2のコネクタアセンブリ160は、コネクタ機構130の第1のコネクタアセンブリ140と係合する。より具体的には、図17を参照すると、カートリッジアセンブリ120が顎部材110内に受容されたときに、第1のコネクタアセンブリ140の第1および第2のコネクタ部材146、148(図5)が第2のコネクタアセンブリ160の第1および第2のコイルばね182、184(図13)と係合して、図17の矢印「A」で示されるように、第1および第2のコイルばね182、184を圧縮させて、第1および第2のコネクタ部材146、148とそれぞれの第1および第2のコイルばね182、184との間の電気的接続を確実にする。
【0034】
上記のように、第2のコネクタハウジング162の基部部分164上の封止部材168は、洗浄アクション、例えばスキージまたは拭き取りアクションを提供して、第1および第2のコネクタ部材146、148が封止部材168のそれぞれのアパーチャ167、169(図6)を通って受容されたときに、それぞれの第1および第2のコネクタ部材146、148からいかなる残屑も除去する。
【0035】
代替的に、図18を参照すると、カートリッジアセンブリ120が顎部材110と共に受容されるとき、第1のコネクタアセンブリ140の第1および第2のコネクタ部材146、148は、第2のコネクタアセンブリ160の第1および第2の板ばね192、194とそれぞれ係合して、図18の矢印「B」および「C」によってそれぞれ示されるように、第1および第2の板ばね192、194を内側に撓ませて、第1および第2のコネクタ部材146、148とそれぞれの第1および第2の板ばね192、194との間の電気的接続を確実にする。それぞれの第1および第2のコネクタ部材146、148の面取りされた前縁146a、148a、ならびに/またはそれぞれの第1および第2の板ばね192、194の傾斜面193、195のいずれかまたは両方は、第1および第2の板ばね192、194の内側への撓みを容易にする。
【0036】
カートリッジアセンブリ120が装填ユニット100のツールアセンブリ104の顎部材110内に適切に装填されると、外科用ステープル留め器具10(図1)は、従来の様態で動作する。
【0037】
当業者であれば、本明細書において具体的に説明され、添付の図面に例示される装置および方法が、非限定的かつ例示的な実施形態であることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して例示または説明される要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の要素および特徴と組み合わせることができることが想到される。同様に、当業者であれば、上述の実施形態に基づく本開示の更なる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、具体的に図示および説明されているものによって限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図18