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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】膨張管腔捻じれ保護及びバルーン輪郭
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/10 20130101AFI20240902BHJP
【FI】
A61M25/10 550
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020082461
(22)【出願日】2020-05-08
(65)【公開番号】P2020185383
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】62/845,747
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/845,683
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/845,711
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/845,699
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/601,185
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515248931
【氏名又は名称】ニューラヴィ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ブレンダン・ケーシー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ギルバリー
(72)【発明者】
【氏名】メーブ・ホリアン
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・ケリー
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・ベイル
【審査官】星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-521286(JP,A)
【文献】特開2003-250896(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0174363(US,A1)
【文献】特開平11-262529(JP,A)
【文献】特開平08-010334(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0265233(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル(100)であって、
細長い管状部材(110)であって、
近位端(112)、
遠位端(114)、
上部(122)、
底部(124)、及び
外側表面(126)、
2つの内側表面であって、
前記近位端(112)と前記遠位端(114)との間に延在している内側中空管腔(130)と、
前記近位端(112)と前記遠位端(114)との間に延在している膨張管腔(200)と、を構成し、
前記膨張管腔(200)が、前記内側中空管腔(130)よりも小さく、
前記膨張管腔(200)が、前記内側中空管腔(130)の外側で前記細長い管状部材(110)の前記上部(122)又は底部(124)部分のうちの少なくとも1つに近接して位置している、2つの内側表面、
内側コア厚さ(142)を有する内側コア(140)、を備える、細長い管状部材(110)と、
前記膨張管腔(200)に接続されたバルーン(210)であって、
前記遠位端(114)から延在し、前記細長い管状部材(110)に固定されている、バルーン(210)と、
ワイヤ(300)を含む分割ワイヤ構成(510)であって、前記ワイヤ(300)は、前記膨張管腔(200)の下側に延在する部分と前記膨張管腔(200)の上側に延在する部分とに分離される、分割ワイヤ構成(510)と、を備える、カテーテル(100)。
【請求項2】
前記バルーン(210)が、前記細長い管状部材(110)の前記遠位端(114)を越えて延在している、請求項1に記載のカテーテル(100)。
【請求項3】
前記バルーン(210)が、結合層(240)によって前記細長い管状部材(110)に固定されている、請求項1に記載のカテーテル(100)。
【請求項4】
前記ルーン(210)が、接合部(600)によって前記細長い管状部材(110)に固定された継ぎ目のないバルーンであり、前記継ぎ目のないバルーン(210)が、偏心的に膨張する、請求項1に記載のカテーテル(100)。
【請求項5】
前記分割ワイヤ構成(510)が、編組パターンを備える、請求項1に記載のカテーテル(100)。
【請求項6】
前記ワイヤ(300)は、前記膨張管腔(200)の下側に延在する前記部分と前記膨張管腔(200)の上側に延在する前記部分とに分岐している、請求項1に記載のカテーテル(100)。
【請求項7】
前記ワイヤ(300)は、前記膨張管腔(200)の下側に延在する前記部分と前記膨張管腔(200)の上側に延在する前記部分とを有する分岐区画と、非分岐区画とを有し、前記非分岐区画は前記内側中空管腔(130)の周りに延在する、請求項6に記載のカテーテル(100)。
【請求項8】
前記膨張管腔(200)は扁平な形状を有する、請求項1に記載のカテーテル(100)。
【請求項9】
前記膨張管腔(200)が、前記細長い管状部材(110)の長手方向軸に直交する断面において幅及び高さを有し、前記幅が前記高さよりも大きく、前記外側表面(126)から前記内側中空管腔(130)までの長さよりも大きい、請求項1に記載のカテーテル(100)。
【請求項10】
前記膨張管腔(200)は前記外側表面(126)に面した第1の表面と前記内側中空管腔(130)に面した第2の表面と2つの側部とで画定されており、前記第1の表面は凹面であり、前記第2の表面は凸面である、請求項1に記載のカテーテル(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年5月9日に出願された米国仮出願第62/845,683号、2019年5月9日に出願された米国仮出願第62/845,699号、2019年5月9日に出願された米国仮出願第62/845,711号、及び2019年5月9日に出願された米国仮出願第62/845,747号の利益を主張するものであり、これらのそれぞれの全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療器具に関し、より具体的には、脈管手術中に血管を閉塞するためのバルーンデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルは、患者の脈管に入る柔軟な管状構造とすることができる。カテーテルは、様々な目的及び用途に使用することができる。例えば、カテーテルは、脈管内の特定の目的とする領域に導入され、その後、内部にある他の末梢中心静脈又は動脈デバイスを、管腔を通して導入するためのガイドとして働くことができる。このようなデバイスは、単一管腔又は多重管腔カテーテル、凝血塊捕捉デバイス、バルーンカテーテルなどを含むことができる。
【0004】
バルーンガイドカテーテルは、虚血性脳卒中処置において使用され、診断用及び治療用デバイスのための導管として機能し、かつ、患者からの凝血塊の安全な回収を補助するための流れ停止及び/又は流れ制御及び/又は逆流も提供することができる。これらのバルーンガイドカテーテルは、蛇行する脈管を通って標的部位(典型的には、前方脈管において使用される場合には患者の内頸動脈)に送達されるのに十分に可撓性であり、かつ他のデバイスがカテーテルを通って前進、操作、及び引き出される間、その位置に安定したままであるのに十分に堅牢でなければならない。そのような用途で使用されるバルーンガイドカテーテルは、用いられ得る最大の治療用カテーテル(中間カテーテル又は吸引カテーテルなど)を内部管腔を通して前進させることができ、凝血塊を安全に回収するために遠位開口部サイズを最大化するために、可能な限り大きな内部管腔を有すること、ことが望ましい。また、使用される任意のガイド又はシースは、患者への外傷を最小限にし、かつカテーテルが患者から取り外されると閉鎖されなければならない入口の穴のサイズを最小限にするために、可能な限り小さい外径を有することも望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、これらの相反する要件に対処し、大きな管腔及び低い輪郭を有する可撓性バルーンガイドを提供する新しいデバイスが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、デバイス用の導管として機能するためのみならず、カテーテルを固定し、血流を停止させ、かつカテーテルの主要な中央管腔を吸引する際の改善された吸引有効性を生じさせるための、内頸動脈内へのカテーテルの設置を容易にする。本発明は、カテーテルの遠位端の可撓性の増加を通じて、及び継ぎ目のないバルーンの形状及び輪郭を通じて、そのような目的を達成する。
【0007】
処置は、ガイドワイヤ(複数可)、マイクロカテーテル、ステントリーバ、又は中間カテーテルなどのデバイス用の導管として機能するように、バルーンガイドカテーテルを内頸動脈内に配置することを含み得る。ガイドカテーテルの設置は、アクセス血管を保護し、処置時間を短縮することができる。バルーンは、バルーンガイドカテーテルの主要な中央管腔を吸引するとき、及び/又は中間カテーテルを通して吸引するとき、及び/又はステントリーバ若しくは他の血栓除去デバイスを操作するときに、治療部位の近くにバルーンガイドカテーテルを固定し、血流を停止させ、かつ改善された吸引有効性を生じさせることができる。血管蛇行性に応じて、バルーンガイドカテーテルは、血管、並びに頚動脈ループ及びサイホン状の幾何学的形状によって作り出された極端な角形成にさらされ得る。蛇行性は、カテーテル及び膨張管腔に力を引き起こす場合がある。場合によっては、極端な角形成及び/又は力により、膨張管腔内に「捻じれ」又は「捻れ」が引き起こされる場合がある。
【0008】
捻じれた膨張管腔は、バルーンガイドカテーテルのバルーンへの流れ及びバルーンからの流れを阻止することがあり、これにより、バルーンの膨張又は収縮の速度が低減され得る。場合によっては、捻じれた膨張管腔は、バルーンの完全な故障、又はバルーンの完全な膨張不能若しくは収縮不能をもたらし得る。これは、機能していないバルーンガイドカテーテルを除去する必要があり得るため、医師が血流停止せずに処置を行う必要があり得るため、又はバルーンを収縮させるためにマンドレルが膨張管腔を通して挿入される必要があり得るため、処置中に合併症を引き起こし得る。
【0009】
また、血栓除去デバイスがバルーンカテーテル内に回収されるときに、柔らかい凝血塊が血栓除去デバイスから切れて、カテーテル先端部(先端部の近位及びバルーンの遠位)上に留まり得ることも試験中に観察されている。これは、バルーンとカテーテルの遠位端との間にデッドスペースが存在するときに起こり得る。バルーンを収縮させるときに、これらの断片は遠位方向に移動し、遠位血管の塞栓をもたらし、潜在的に、更なる処置時間又は患者の健康への影響をもたらす可能性がある。
【0010】
既存の技術における欠陥に対処するために、本開示の発明は、カテーテル内に補強ワイヤ構成を組み込み、バルーン輪郭及び/又は形状を変更する。ワイヤ構成は、膨張管腔の上及び下で編組され、それによってカテーテル及び細長い管状部材を補強することができる。本開示の発明はまた、バルーン形状及び輪郭を促進するための結合層、溶接部、及び接合部も組み込む。本開示の発明は、ワイヤ構成設計並びにバルーン輪郭及び/又は形状により捻じれの可能性を最小限に抑えながら、カテーテルの遠位端の可撓性を高めることができる。
【0011】
本明細書では、蛇行する解剖学的構造を通じたカテーテルの追跡及び凝血塊除去の最大化、並びに当分野の他の問題に対処することができる、膨張管腔捻じれ保護及びバルーン輪郭のための様々な例示的なデバイスを開示する。
【0012】
デバイスは、概して、細長い管状部材及びバルーンを含むことができる。
【0013】
細長い管状部材は、近位端、遠位端、外側表面、上部、及び底部を有することができる。細長い管状部材は、内側中空管腔、内側コア、及び膨張管腔を有する。内側中空管腔は、細長い管状部材の近位端と遠位端との間に延在することができる。内側管腔は、凝血塊捕捉を最大限にするようにサイズ決定することができ、凝血塊回収デバイスのための導管として使用するために適応され得る。内側管腔の内径は、約0.088インチとすることができる。内側コアは、内側コア厚さを有する細長い管状部材の近位端と遠位端との間に延在することができる。膨張管腔は、細長い管状部材の近位端におけるポートと、細長い管状部材の遠位端におけるバルーンの内側との間に延在することができる。細長い管状部材は、膨張管腔を固定するように構成されたワイヤを有することができる。
【0014】
膨張管腔は、バルーンを膨張及び収縮させるための導管として機能することができる。膨張管腔は、カテーテルの近位端におけるポートに接続し、細長い管状部材の長さの大部分に延在し、バルーンの内側に接続することができる。膨張管腔は、限定されるものではないが特定の円弧半径寸法を含む、任意の数の形状を有し得る。膨張管腔は、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PPTFE)、ポリエチレン(polyethylene、PE)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、フッ素化エチレンプロピレン(fluorinated ethylene propylene、FEP)等のスリーブであり得る。膨張管腔は、およそ又は約0.2mmのCSAを有する三日月形であり得る。
【0015】
細長い管状部材は、2つの膨張管腔を含むことができる。各膨張管腔は、バルーンを膨張及び収縮させるための導管として機能することができる。膨張管腔の組み合わせは、流体が、フラッシング中に2つの膨張管腔のうちの一方に入り、他方の膨張管腔から出ることができるように、バルーン及び膨張管腔を流体でフラッシングするための連続経路として機能することができる。膨張管腔の組み合わせは、バルーンの膨張及び収縮を促進するための追加の流路を提供することができる。膨張管腔の組み合わせは、流路の冗長性を提供することができ、膨張管腔のうちの一方が遮断されるか、捻じれるか、又はさもなければ損なわれた場合には、膨張管腔のうちの他方を使用してバルーンを膨張及び収縮させることができる。
【0016】
細長い管状部材は、3つの膨張管腔を含むことができる。各膨張管腔は、バルーンを膨張及び収縮させるための導管として機能することができる。第3の管腔は、追加の冗長性のために追加の膨張管腔を用いて説明されるように、2つの膨張管腔を有する利点を提供することができる。
【0017】
膨張管腔は断面積を有することができ、又は複数の膨張管腔の組み合わせは、約0.15mm~約0.20mm、約0.20mm~約0.25mm、及び/又は約0.25mm~約0.30mmである断面積を集合的に有することができる。総膨張管腔断面積は、2つ以上の膨張管腔から構成され得る。
【0018】
細長い管状部材は、細長い管状部材の長さの少なくとも一部分又は大部分に沿って膨張管腔を固定するように構成されたワイヤを含むことができる。ワイヤは、膨張管腔の捻じれ保護を提供することができる。ワイヤ構成は、カテーテルのトルク及びカテーテルの遠位端の可撓性を高めることができる。ワイヤ構成はまた、可撓性を増加させ、カテーテルの全体的な硬さを低下させながら、細長い管状部材の強度に寄与することもできる。
【0019】
細長い管状部材は、膨張管腔の上に延びるワイヤの全てが実質的に互いに平行に延び、膨張管腔の領域内で互いに交差しないようなパターンにある編組ワイヤマトリックスで補強され得る。膨張管腔の下に延びるワイヤについても同様である。これらは、膨張管腔の両側で互いに交差するが、膨張管腔の上方又は下方では交差しない。これにより、ワイヤが膨張管腔を挟んで破裂させ、漏れを引き起こす可能性を最小限に抑えられる。
【0020】
ワイヤ構成は、膨張管腔の上及び下に分割する編組構成とすることができる。ワイヤ構成は、二重ワイヤ二倍ダイヤモンドであり得る。細長い管状部材が2つの膨張管腔を含む場合、ワイヤ構成は、膨張管腔の両方に巻き付く二重ワイヤ二倍ダイヤモンドであり得る。
【0021】
膨張管腔は、膨張管腔を含まないカテーテルと比較してカテーテルの硬さを増加させることができるが、ワイヤ構成は、既知のバルーンガイドカテーテルと比較してカテーテルの曲げ硬さを低下させるのに役立ち得る。したがって、ワイヤ構成は、硬さを低下させること、及び/又は膨張管腔による硬さの増大を潜在的に相殺する可撓性を増大させることができ、既知のバルーンガイドカテーテルと比較して可撓性が増大したバルーンガイドカテーテルが得られる。ワイヤ構成によってもたらされる硬さの低下及び/又は可撓性の増大により、デバイスの挿入中により容易な配向を可能にすることができる。
【0022】
細長い管状部材は、その長さにわたって均一な硬さを有することができ、硬さは、細長い管状部材の長さに沿って変化する。所望の硬さを達成するために、所望の硬さ特性を有する材料及び/又は添加剤を、細長い管状部材の構築に使用することができる。材料及び/又は添加剤は、異なる硬さを有する部分を作製するために、細長い管状部材の長さに沿って変化させることができ、各部分は異なる硬さ又はデュロメータのものである。個々の硬さを制御するために、追加の層又は添加剤を提供することができる。いくつかの実施例では、細長い管状部材の硬さは、近位端から遠位端まで減少し得る。あるいは、細長い管状部材の硬さは、近位端から遠位端まで増加し得る。いくつかの実施例では、硬さ勾配は、細長い管状部材の長さに沿って徐々に遷移することができる。特定の実施例では、硬さの遷移は、局所的な硬さ及び潜在的な捻じれ点を防止することができる。
【0023】
加えて、細長い管状部材の強度、可撓性、及び/又は硬さは、ワイヤの数、異なるワイヤ材料、又は限定されるものではないが編組、コイル状、二倍、及び分割コイル構成を含むワイヤ構成の使用によって変化させることができる。例えば、ワイヤはポリマーマトリックスを補強することができ、したがって、膨張管腔を支持し、捻じれから保護することができる。膨張管腔のワイヤ構成は、一重、二重、及び三重管腔に関して実施することができる。編組ワイヤ構成は、膨張管腔の下方に存在し得るのに対して、コイル構成は、膨張管腔の上方及び/又は周囲に存在し得る。加えて、ワイヤ構成は、膨張管腔の可撓性及び構造的支持の必要性を満たす多数のワイヤ及び巻き付け構成からなることができる。ワイヤ構成は、二倍ワイヤ構成であり得る。ワイヤ構成は、ワイヤが膨張管腔の上方及び下方に編組された分割ワイヤ構成を含み得る。加えて、ワイヤ構成は、細長い管状部材の長さにわたってダイヤモンド設計と、膨張管腔軸の上の二重コイル設計とを有する二重ワイヤを含むことができる。個々のワイヤ自体の輪郭は、丸く、正方形に、又は矩形にされている。
【0024】
細長い管状部材は、巻き付きワイヤの少なくとも一部分を被覆する外側ジャケットを含むことができ、細長い管状部材の摩擦の低減された外側表面を提供する。カテーテルが脈管を通ってナビゲートされるとき、外側ジャケットは、血管を傷つける若しくは摩損することなく、又は治療部位に送達されるカテーテルに抵抗する過度の摩擦力を生成することなく、血管の内部に接触するための滑らかな表面を提供するのに有効であり得る。
【0025】
細長い管状部材は、膨張管腔の少なくとも一部分を被覆する裏当て層を含み得る。裏当て層は、膨張管腔と、重なり合った編組ワイヤとの間に位置付けられ、膨張管腔上へのワイヤの移動による破裂、ピンホール、及び摩損の可能性を低減することができる。裏当て層は、Pebax(登録商標)、ウレタン材料、PUなどを含むことができる。裏当て層は、膨張管腔の周囲に保護層を提供することができ、破裂、ピンホール、及び摩損のリスクを最小限に抑えることができる。
【0026】
膨張管腔及び裏当て層は、膨張管腔が損なわれると、裏当て層が損なわれた部分を封止するのに有効であるように適合した材料を含むことができ、それによって膨張管腔が漏出するのを防止する。裏当て層がPebax(登録商標)で構築された一部の用途では、ウレタン材料は、PTFE(例えば、浸漬PTFE)を含む膨張管腔の損なわれた部分を封止するのに有効であり得る。
【0027】
ポリマー裏当て層は、外側ジャケットの材料と適合する材料を含むことができる。外側ジャケットは、定位置に積層される。製造中、裏当て層及び外側ジャケットは、製造プロセス中に互いに溶融することができる。
【0028】
ポリマー裏当て層は、内側コアと適合する材料を含むことができる。内側コアは、PTFEからできてもよく、裏当て層は、PUで作製することができる。
【0029】
バルーンは、細長い管状部材の遠位端に位置することができる。バルーンは、カテーテルの固定、血流の停止、及びカテーテルの主要な中央管腔を吸引するときの改善された吸引有効性の発生を可能にすることができる。
【0030】
バルーンは、溶接接合部によって細長い管状部材に接続することができ、溶接接合部は、いくつかの実施形態では、バルーンと、以下、結合層と称される中間材料との間に作製されている。バルーンは、多数の材料から作製することができ、被覆されてもよく、被覆されなくてもよく、粘着性であってもよく、又は非粘着性であってもよい。いくつかの既知のデバイスでは、カテーテルバルーンはシリコーンから作製される。なぜなら、この材料が非常に高い回復可能な弾性ひずみを有し、非常に柔らかく従順なバルーンを作製するために使用することができるからである。しかしながら、シリコーンは、他の材料に接合するのに非常に困難な材料である。これは、カテーテルの遠位端の硬さ及び輪郭に追加することができる接着性接合部を必要とする場合がある。ポリマー配合物における最近の開発により、シリコーンと同様の材料特性を有するが、他の材料に溶融、押出、及び溶接することができる新規なポリマーエラストマー合金が得られている。本発明のカテーテルは、好ましくは、ChronoPrene(登録商標)とウレタン材料(AdvanSource BiomaterialsからのPolyblend1100など)とのブレンドから作製されたバルーンを含み、これは他の同様の材料に溶接することができ、より多くの可撓性及び低い輪郭構築物を可能にする。このような溶接部の良好な形成は、バルーン材料と、ウレタン又はPebax(登録商標)材料のいずれかとのブレンドから作製された別の材料(結合層)を提供することによって更に補助することができる。したがって、この結合層は、バルーン材料と、細長い管状部材(ジャケット材料)の外側層の構築物に使用される材料との両方と適合するように構成され、バルーンをジャケット材料に直接溶接することによって達成され得るよりもはるかに良好なリフロー挙動及びはるかにより良好な溶接を可能にする。
【0031】
バルーンは、継ぎ目のないバルーンとして設計することができる。継ぎ目のないバルーンは、バルーンが細長い管状部材の遠位端を越えて到達又は延在することができ、カテーテルの遠位端におけるいかなるデッドスペースも最小限に抑えるように設計することができる。
【0032】
継ぎ目のないバルーンの輪郭及び/又は形状は、細長い管状部材の一方側に1つ又は2つ以上の接合部が挙げられるが、これらに限定されない、任意の数の手法で拘束され得る。接合部又は複数の接合部は、任意の数の形状及び又はパターンであり得る。接合部は、継ぎ目のないバルーンが膨張すると、周囲方向に膨張しないことを確実にすることができる。接合部は、膨張時に継ぎ目のないバルーンが2つ以上のセクションを有することを確実にし得る。
【0033】
接合された継ぎ目のないバルーンは、柔らかな凝血塊の捕獲を最小限に抑えながら、凝血塊捕捉を最大化する内側中空管腔を通じた医療用デバイスの回収を容易にすることができる。既知のバルーンガイドカテーテルでは、柔らかな凝血塊は、カテーテルと、バルーンの遠位にある血管壁との間の「デッドスペース」により、カテーテルの遠位端を剪断することができる。既知のバルーンガイドカテーテルのバルーンを収縮させると、場合によっては、これらの柔らかな凝血塊は遠位方向に移動し、遠位血管の塞栓を生じ、潜在的に追加の処置時間又は患者の健康への影響をもたらす可能性がある。接合された継ぎ目のないバルーンは、最小限に又は「デッドスペース」を有さないように成形することができ、それによって、前述の合併症の可能性を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することが重視されている。図は、限定としてではなく単なる例示として、本発明のデバイスの1つ又は2つ以上の実装形態を描写している。
図1】本発明の細長い管状部材の一部分の上面斜視図である。
図2A】本発明の膨張した継ぎ目のないバルーンの上面斜視図である。
図2B】本発明の収縮した継ぎ目のないバルーンの上面斜視図である。
図3】本発明の膨張管腔捻じれ保護ワイヤ構成の切り抜きの上面斜視図である。
図4A】本発明の膨張管腔捻じれ保護ワイヤ構成及び膨張した継ぎ目のないバルーンの上面斜視図である。
図4B】本発明の膨張管腔捻じれ保護ワイヤ構成及び収縮した継ぎ目のないバルーンの上面斜視図である。
図5】本発明の膨張管腔捻じれ保護ワイヤ構成の側面図である。
図6A】本発明の膨張管腔捻じれ保護ワイヤ構成及び膨張した継ぎ目のないバルーンの側面図である。
図6B】本発明のバルーンガイドカテーテル、膨張した継ぎ目のないバルーン、及び膨張管腔捻じれ保護ワイヤ構成の断面図である。
図6C】本発明のバルーンガイドカテーテル及び膨張した継ぎ目のないバルーンの断面図である。
図7A】本発明の膨張管腔捻じれ保護ワイヤ構成及び収縮した継ぎ目のないバルーンの側面図である。
図7B】本発明のバルーンガイドカテーテル、収縮した継ぎ目のないバルーン、及び膨張管腔捻じれ保護ワイヤ構成の断面図である。
図7C】本発明のバルーンガイドカテーテル及び収縮した継ぎ目のないバルーンの断面図である。
図8】本発明のバルーンガイドカテーテル、膨張した継ぎ目のないバルーン、及び膨張管腔捻じれ保護ワイヤ構成の上面図である。
図9】本発明のバルーンガイドカテーテル、収縮した継ぎ目のないバルーン、及び膨張管腔捻じれ保護ワイヤ構成の上面図である。
図10】本発明の更なる膨張管腔捻じれ保護ワイヤ構成の側面図である。
図11】本発明の膨張管腔捻じれ保護分割コイルワイヤ構成の側面図である。
図12】本発明の膨張管腔捻じれ保護分割コイルワイヤ構成の切り抜きの上面斜視図である。
図13A】本発明の接合された膨張した継ぎ目のないバルーンの上面斜視図である。
図13B】本発明の接合された収縮した継ぎ目のないバルーンの上面斜視図である。
図14A】本発明の接合された膨張した継ぎ目のないバルーンの側面図である。
図14B】本発明の接合された収縮した継ぎ目のないバルーンの側面図である。
図15A】本発明の膨張したバルーンガイドカテーテルの遠位部分の側面図である。
図15B】近位ルアーに挿入された本発明のバルーンガイドカテーテルの近位部分の側面図である。
図16A】二重膨張管腔及び補強ワイヤを有する、本発明の細長い管状部材の断面図である。
図16B】二重膨張管腔及び補強ワイヤを有する、本発明の細長い管状部材の断面図である。
図16C】3つの膨張管腔を有する、本発明の細長い管状部材の断面図である。
図16D】細長い管状部材の円周の両側に位置付けられた二重膨張管腔を有する、本発明の細長い管状部材の断面図である。
図17A】本発明の二重膨張管腔カテーテル及び近位ルアーの斜視図である。
図17B】本発明の細長い管状部材の断面図である。
図18A】バルーン及び膨張管腔をフラッシングするように構成された、本発明の近位ルアーの断面図である。
図18B】二重管腔を通してバルーンを同時に収縮させるように構成された、本発明の近位ルアーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、カテーテル100を例示する。例示されるように、カテーテル100は、細長い管状部材110を有し得る。細長い管状部材110は、近位端112、遠位端114、上部122、底部124、及び外側表面126と、内側中空管腔130の2つの内側表面と、膨張管腔200と、内側コア140とを有することができる。内側中空管腔130は、細長い管状部材110の近位端112から細長い管状部材110の遠位端114まで延在し得る。膨張管腔200は、細長い管状部材110の近位端112と細長い管状部材110の遠位端114との間に延在し得る。膨張管腔200は、内側中空管腔130よりも小さくすることができる。膨張管腔200は、細長い管状部材110の上部122又は細長い管状部材の底部124におおよそ、及び内側中空管腔130の外側に位置し得る。
【0036】
図2Aは、カテーテル100の膨張した継ぎ目のないバルーン210の輪郭を例示する。継ぎ目のないバルーン210は、結合層240によって細長い管状部材110に固定され得る。継ぎ目のないバルーン210は、細長い管状部材110の遠位端114を越えて延在し得る。継ぎ目のないバルーン210は、例示されるように膨張させることができる。
【0037】
結合層240は、バルーン及びシャフトジャケット材料の両方を溶接することができる材料を含むことができる。ジャケットは、カテーテル100の遠位部分の少なくとも数センチメートルにわたってポリウレタン材料を含むことができる。結合層240は、バルーン材料とポリウレタンジャケット材料との50/50ブレンドを含むことができる。バルーン210は、ジャケット上に溶接され得る。
【0038】
図2Bは、カテーテル100の収縮した継ぎ目のないバルーン210の輪郭を例示する。継ぎ目のないバルーン210は、結合層240によって細長い管状部材110に固定され得る。継ぎ目のないバルーン210は、細長い管状部材110の遠位端114を越えて延在し得る。継ぎ目のないバルーン210は、例示されるように収縮させることができる。
【0039】
図3は、細長い管状部材110の断面を含むカテーテル100の膨張管腔捻じれ保護のワイヤ300のワイヤ構成400を例示する。ワイヤ構成400は、細長い管状部材110内に位置し得るワイヤ300を、膨張管腔200の上方及び下方に置かせ得る。ワイヤ構成400は、より可撓性のカテーテル100、及びカテーテル100の近位端112から遠位端114へのトルクの伝達を可能にする。これにより、ユーザーが近位端112にトルクを印加して、遠位端114を必要な方向により容易に配向させて、脈管を通ってカテーテルを前進させる一方で、依然として膨張管腔200の完全性を維持することを可能にする。特定のカテーテル100は、患者の内股から、心弓を通じて、患者の頭蓋骨内部の神経血管の中へ上に前進させることができ、したがって、距離及び蛇行がかなりのものであることに留意されたい。
【0040】
配線400は、アーチ状構造を支持する、飛行機格納庫又は地上バンカーのコンクリート補強における鉄筋と同様に作用する。膨張管腔200の上方及び下方の細長い管状部材110のポリマーマトリックスでワイヤネットワーク400を補強することにより、捻じれを低減又は防止するのに役立つ。
【0041】
製造中、編組ワイヤ300は、編組機上の膨張管腔200に遭遇したときに、膨張管腔200の上及び下方に置かれるように分離する。ワイヤは、カテーテル100のポリマーマトリックスを補強し、したがって、PE若しくはPET若しくはFEPなどの標準的なスリーブを有する薄いPTFEスリーブ又は管腔、あるいはスリーブなし(すなわち、「生押出管腔」)が支持され、捻じれから保護される。いくつかの実施例では、編組200は、シャフトのトルク能力及び押し込み能力を高めるために、細長い管状部材110の大部分に沿って本質的に存在する。他の実施例は、コイルの形状を変化させて、編組と比較してカテーテル100の曲げ硬さを低下させることができる。PTFE管腔は曲げ硬さに加え、コイルはこの硬さを低下させるのに役立つ。硬さは、デバイスの挿入中にデバイスが配向するための優先度を与え、編組の代わりにコイルを追加することにより、血管内の屈曲部の周りのこの「ホイップ(whip)」配向を減少させる。
【0042】
膨張管腔200の例示的なワイヤ保護は、カテーテル内の二重及び三重管腔(図示せず)に対して行うことができる。他の実施例では、ワイヤ構成400は、特定の円弧半径寸法の一重管腔に理想的に適している。
【0043】
細長い管状部材110の断面は、膨張管腔200の上方及び下方のワイヤ300の位置付け(すなわちワイヤ構成400)を例示する。ワイヤ構成400は、強度に寄与し、カテーテル100の硬さを低下させる。更に、ワイヤ構成400は、ワイヤ300と比較して、カテーテルの曲げ硬さを低下させるのに役立つ。膨張管腔200は、カテーテル100の硬さを増加させることができ、ワイヤ構成は、硬さを低下させ、かつ/又は可撓性を増加させることができる。硬さ及び/又は可撓性は、デバイスの挿入中にデバイスが配向するための優先度を与えることができ、ワイヤ構成400は、従来技術のデバイスで見られる課題を軽減する。
【0044】
硬さ及び可撓性はまた、様々な数のワイヤ300、異なるワイヤ300材料又はワイヤ構成400を使用することに加えて、異なる硬さ又はデュロメータのものであるシャフトの各部分に異なる材料を使用することによって変更することもでき、ワイヤ構成としては、編組、コイル、二倍500、及び分割コイル510構成が挙げられるが、これらに限定されない。編組ワイヤ構成400は、膨張管腔200の下方に存在することができ、その一方で、コイル構成は、膨張管腔200の上方及び/又は周囲に存在することができる。更に、ワイヤ構成400は、二倍ワイヤ構成500を含む任意の数のワイヤ300からなることができる。ワイヤ構成400は、ワイヤ300が膨張管腔200の上方及び下方に編組された分割ワイヤ構成510を含むことができる。代替的に、細長い管状部材110は、同じ材料で作製することができ、追加的な層又は添加剤を提供して、個々の硬さを制御することができる。これらの例を組み合わせて、必要とされる可撓性及び/又は硬さを提供することができる。細長い管状部材は、その長さにわたって均一な硬さを有し得るか、又は変化し得ることに留意されたい。一実施例として、細長い管状部材110の硬さは、近位端112から遠位端114まで減少し得る。別の実施例として、細長い管状部材110の硬さは、近位端112から遠位端114まで増加してもよい。硬さの任意の遷移は、特定の例において、局所的な硬さを防止することができる。
【0045】
図4Aは、カテーテル100の膨張した継ぎ目のないバルーン210の輪郭及びワイヤ300のワイヤ構成400を例示する。継ぎ目のないバルーン210は、結合層240によって細長い管状部材110に固定され得る。継ぎ目のないバルーン210は、細長い管状部材110の遠位端114を越えて延在し得る。継ぎ目のないバルーン210は、例示されるように膨張させることができる。ワイヤ300によるワイヤ構成400の補強は、継ぎ目のないバルーン210の膨張を妨げない。この実施例では、継ぎ目のないバルーン210は、内側中空管腔130に同心状に膨張することができ、又は膨張したバルーンの外縁は、内側中空管腔130の中心からほぼ等距離である。膨張管腔200の位置に基づいて、いくらかの偏心が存在し得る。
【0046】
図4Bは、カテーテル100の収縮した継ぎ目のないバルーン210の輪郭及びワイヤ300のワイヤ構成400を例示する。継ぎ目のないバルーン210は、結合層240によって細長い管状部材110に固定され得る。継ぎ目のないバルーン210は、細長い管状部材110の遠位端114を越えて延在し得る。継ぎ目のないバルーン210は、例示されるように収縮させることができる。ワイヤ300によるワイヤ構成400の補強は、継ぎ目のないバルーン210の収縮を妨げない。いくつかの実施例では、収縮時に、継ぎ目のないバルーン210は、細長い管状部材110と同じ外側輪郭を有することができ、カテーテル100に挿入及び除去のための均一な直径/輪郭を与えることができる。
【0047】
図5は、カテーテル100の編組及びコイルワイヤ構成400の側面図を例示する。ワイヤ300は、膨張管腔200の上方及び下方に置かれ得る。編組ワイヤ構成400により、多くの他の要因の中でも、コスト及び重量を最小限に抑えながら、より硬いカテーテル100を可能にする。編組設計により、カテーテル100の近位端112から遠位端114へのトルクの伝達を容易にする。これにより、ユーザーが近位端112にトルクを印加して、遠位端114を必要な方向により容易に配向させて、脈管を通ってカテーテルを前進させる一方で、依然として膨張管腔200の完全性を維持することを可能にする。
【0048】
図6Aは、カテーテル100の膨張した継ぎ目のないバルーン210の輪郭並びに編組及びコイルワイヤ構成400を例示する。継ぎ目のないバルーン210は、結合層240によって細長い管状部材110に固定され得る。継ぎ目のないバルーン210は、細長い管状部材110の遠位端114を越えて延在し得る。継ぎ目のないバルーン210は、例示されるように膨張させることができる。ワイヤ300による編組ワイヤ構成400の補強は、継ぎ目のないバルーン210の膨張を妨げない。
【0049】
図6Bは、カテーテル100の膨張した継ぎ目のないバルーン210の輪郭及びワイヤ構成400を示す、断面B-Bにわたる図6Aの断面を例示する。断面は、細長い管状部材110内の膨張管腔200の上方及び下方のワイヤ300の位置を示す。断面はまた、継ぎ目のないバルーン210、膨張管腔200、及びワイヤ300の相対位置、並びにどのようにワイヤ構成400が継ぎ目のないバルーン210の膨張を妨げないかを例示する。
【0050】
図6Cは、カテーテル100の膨張した継ぎ目のないバルーン210の輪郭及びワイヤ構成400を示す、断面C-Cにわたる図6Aの断面を例示する。断面は、継ぎ目のないバルーン210、結合層240、内側コア140、及び内側中空管腔130の相対位置、並びにどのように結合層240が継ぎ目のないバルーン210の膨張を妨げないかを例示する。
【0051】
膨張時のバルーン210は、流体剪断を最小限に抑えながら、血管を効果的に遮断するアスペクト比及び高さを有することができる。バルーンの高さは、約0.004インチ~約0.008インチであり得る。いくつかの用途では、バルーンの高さは、約0.0055インチ~約0.0065インチであり得る。膨張時のバルーン210は、図6Aに例示されるような側から見たとき、実質的に台形の輪郭を有することができ、バルーン210の近位端上でより小さい幅に先細りし、バルーンの遠位端上にあるときにより大きい幅に拡張する。先細りは、バルーンの角度付き表面と細長い管状部材110に平行な線との間の角度である角度θを画定することができる。膨張時のバルーン210は、直径約0.088インチの内側管腔130を有する細長い管状部材110上で使用されるとき、70°未満の角度θを画定することができる。膨張時のバルーン210は、直径約0.088インチの内側管腔130を有する細長い管状部材110上で使用されるとき、約60°~約65°の角度θを画定することができる。
【0052】
図7Aは、カテーテル100の収縮した継ぎ目のないバルーン210の輪郭並びに編組及びコイルワイヤ構成400を例示する。継ぎ目のないバルーン210は、結合層240によって細長い管状部材110に固定され得る。継ぎ目のないバルーン210は、細長い管状部材110の遠位端114を越えて延在し得る。継ぎ目のないバルーン210は、例示されるように収縮させることができる。ワイヤ300による編組及びコイルワイヤ構成400の補強は、継ぎ目のないバルーン210の収縮を妨げない。
【0053】
図7Bは、カテーテル100の収縮した継ぎ目のないバルーン210の輪郭及びワイヤ構成400を示す、断面B-Bにわたる図7Aの断面を例示する。断面は、細長い管状部材110内の膨張管腔200の上方及び下方のワイヤ300の位置を示す。断面はまた、継ぎ目のないバルーン210、膨張管腔200、及びワイヤ300の相対位置、並びにどのようにワイヤ構成400が継ぎ目のないバルーン210の収縮を妨げないかを例示する。
【0054】
図7Cは、カテーテル100の収縮した継ぎ目のないバルーン210の輪郭及びワイヤ構成400を示す、断面C-Cにわたる図7Aの断面を例示する。断面は、継ぎ目のないバルーン210、結合層240、内側コア140、及び内側中空管腔130の相対位置、並びにどのように結合層240が継ぎ目のないバルーン210の収縮を妨げないかを例示する。
【0055】
図8は、カテーテルの膨張した継ぎ目のないバルーン210の輪郭及びワイヤ構成400を示す上面図を例示する。図は、継ぎ目のないバルーン210、膨張管腔200、及びワイヤ300の相対位置、並びにどのようにワイヤ構成400が継ぎ目のないバルーン210の膨張を妨げないかを例示する。図はまた、膨張管腔200の上方のコイル構成を例示する。
【0056】
図9は、カテーテルの収縮した継ぎ目のないバルーン210の輪郭及びワイヤ構成400を示す上面図を例示する。図は、継ぎ目のないバルーン210、膨張管腔200、及びワイヤ300の相対位置、並びにどのようにワイヤ構成400が継ぎ目のないバルーン210の収縮を妨げないかを例示する。図はまた、膨張管腔200の上方のコイル構成を例示する。
【0057】
図10及び11は、可能なワイヤ構成400の側面図を例示する。具体的には、図10は、二倍ワイヤ構成500を例示し、図11は、分割ワイヤ構成510を例示する。
【0058】
図12は、細長い管状部材110の断面を含む、カテーテル100の膨張管腔捻じれ保護のワイヤ300の分割ワイヤ構成510を例示する。ワイヤ構成400は、膨張管腔200の上方及び下方に編組された、細長い管状部材110内に位置し得るワイヤ300を有することができる。分割ワイヤ構成510により、より可撓性のカテーテル100、及びカテーテル100の近位端112から遠位端114へのトルクの伝達を可能にする。これにより、ユーザーが近位端112にトルクを印加して、遠位端114を必要な方向により容易に配向させて、脈管を通ってカテーテルを前進させる一方で、依然として膨張管腔200の完全性を維持することを可能にする。特定のカテーテル100は、患者の内股から、心弓を通じて、患者の頭蓋骨内部の神経血管の中へ上に前進させることができ、したがって、距離及び蛇行がかなりのものであることに留意されたい。
【0059】
図13Aは、カテーテル100の膨張した接合600された継ぎ目のないバルーン210の輪郭、及びワイヤ300のワイヤ構成400を例示する。継ぎ目のないバルーン210は、膨張時に付随的に膨張しないように、結合層240及び/又は接合部600によって細長い管状部材110に固定され得る。継ぎ目のないバルーン210は、細長い管状部材110の遠位端114を越えて延在し得る。継ぎ目のないバルーン210は、例示されるように膨張させることができる。ワイヤ300によるワイヤ構成400の補強は、継ぎ目のないバルーン210の膨張を妨げない。
【0060】
一実施例では、継ぎ目のないバルーン210は、接合部600によって細長い管状部材110の片側に拘束され得る。接合部600は、任意の数の形状及び又はパターンであり得る。接合部600が継ぎ目のないバルーン210を細長い管状部材110に接続することで、膨張時に継ぎ目のないバルーン210が付随的に膨張しないことを確保する。接合600された継ぎ目のないバルーン210により、内側中空管腔130を通じた医療デバイスの回収を容易にし、柔らかな凝血塊の捕獲を最小限に抑えながら、凝血塊の捕捉を最大限にする。柔らかな凝血塊は、カテーテル100を剪断し、カテーテル100の遠位端114上に留まることができる。継ぎ目のないバルーン210を収縮させると、これらの柔らかな凝血塊は遠位方向に移動し、結果として遠位血管の塞栓をもたらし、潜在的に、追加の処置時間をもたらし得るか、又は患者の健康に影響を及ぼし得る。
【0061】
図13Bは、カテーテル100の収縮した接合600された継ぎ目のないバルーン210の輪郭、及びワイヤ300のワイヤ構成400を例示する。継ぎ目のないバルーン210は、結合層240及び/又は接合部600によって細長い管状部材110に固定され得る。継ぎ目のないバルーン210は、細長い管状部材110の遠位端114を越えて延在し得る。継ぎ目のないバルーン210は、例示されるように収縮させることができる。ワイヤ300によるワイヤ構成400の補強は、継ぎ目のないバルーン210の収縮を妨げない。
【0062】
図14Aは、カテーテル100の膨張した接合600された継ぎ目のないバルーン210の輪郭、及びワイヤ構成400を例示する。継ぎ目のないバルーン210は、膨張時に付随的に膨張しないように、結合層240及び/又は接合部600によって細長い管状部材110に固定され得る。継ぎ目のないバルーン210は、細長い管状部材110の遠位端114を越えて延在し得る。継ぎ目のないバルーン210は、例示されるように膨張させることができる。ワイヤ300による編組ワイヤ構成400の補強は、継ぎ目のないバルーン210の膨張を妨げない。
【0063】
図14Bは、カテーテル100の収縮した接合600された継ぎ目のないバルーン210の輪郭、及びワイヤ構成400を例示する。継ぎ目のないバルーン210は、結合層240及び/又は接合部600によって細長い管状部材110に固定され得る。継ぎ目のないバルーン210は、細長い管状部材110の遠位端114を越えて延在し得る。継ぎ目のないバルーン210は、例示されるように収縮させることができる。ワイヤ300による編組及びコイルワイヤ構成400の補強は、継ぎ目のないバルーン210の収縮を妨げない。
【0064】
偏心度又は膨張の非対称性は、接合部600の配置によって変更することができる。継ぎ目のないバルーン210は、細長い管状部材110の小さい又は大きい円弧のいずれかにわたって接合600され得る。また、偏心は、上部と底部の間で内側コア厚さ144を変化させることによって課され得、内側中空管腔130は、カテーテル100の中心軸の中心から外れている。
【0065】
ほとんどの実施例では、継ぎ目のないバルーン210は、生理食塩水又は他の中性流体を使用して患者の血管の内側で膨張される。流体は、膨張管腔200の近位端112内にポンプ圧送され、継ぎ目のないバルーン210を充填する。流体容積及び/又は圧力は、バルーン210が血管管腔と係合するように保ち、バルーン210を通過する流れを防止するために一定に保持される。収縮させるために、流体は、同じ管腔200を通して引き出される。
【0066】
図15Aは、膨張したバルーン210を有する本発明のバルーンガイドカテーテル100の遠位部分を例示する。カテーテル100は、ワイヤ300の上に延在する管状ジャケット250を含み得る。管状ジャケット250は、膨張管腔200の遠位端204を越えて、バルーンガイドカテーテル100の遠位部分の上に延在し得る。バルーン210は、バルーン材料と軟質ウレタン(Pellethane 80Aなど)とのブレンドから形成された中間(又は結合層)ジャケット材料250に対して近位側及び遠位側に溶接することができる。ジャケット250は、膨張管腔200とバルーン210の内部との間の流路を可能にする開口部252を含むことができる。
【0067】
カテーテル100の遠位先端部114は、この中間(若しくは結合層)材料から、又はバルーン材料自体から形成されてもよく、又は中間(若しくは結合層)材料と適合した別の軟質材料を形成することができる。
【0068】
遠位先端部材料は、内側PTFEライナをわずかに越えて延在することができ、主要なカテーテル管腔130の内側コア140は、剪断のリスクを最小限に抑えて柔らかな凝血塊を受け入れるように広がることができる非常に柔らかい先端部を形成する。放射線不透過性マーカバンド260は、カテーテル100の遠位端114のすぐ近位に位置決めすることができ、カテーテル補強編組300は、このマーカ260の下で終端して、露出した編組ワイヤ300のリスクを最小限に抑えることができる。膨張管腔200は、バルーン210の下で終端することができ、膨張管腔200の管腔がバルーン210の内部と連通して膨張/収縮を可能にするために、削り出し又は切り欠き212を追加することができる。
【0069】
このカテーテル100の硬さは、遠位から近位へと徐々に増加させることができる。硬さ勾配は、ポリマージャケット材料250の異なるセグメントの係数によって主に生成され得る。ポリマージャケット材料250は、編組300及び膨張管腔200上でカテーテル100の上に積層され得る。この積層プロセスは、理想的には、ジャケット材料を十分に溶融して、膨張管腔の下に流すことを可能にし、膨張管腔の裏当て層及び主要なカテーテル管腔のPTFEライナに一体化する。
【0070】
図15Bは、近位ルアー700に挿入された本発明のバルーンガイド100の近位部分を例示する。外側ジャケット250、ワイヤ300、及び膨張管腔200内の削り出し又は切り欠き152は、膨張管腔200を通る流路を近位ルアー700の角度付きポート702に提供することができ、したがって、このポート702を通るバルーン膨張/収縮の制御を容易にすることができる。
【0071】
図16A~Dは、複数の膨張管腔200a、200b、200c、200dを使用した様々な代替の膨張管腔構成を例示する。各細長い管状部材110a、110b、110c、110dの内側中空管腔130a、130b、130c、130dは、読者を導くためにそれぞれの図において特定される。
【0072】
複数の膨張管腔を有するカテーテルは、カテーテルの準備を補助し、バルーンの膨張及び収縮を容易にすることができる。準備中、1つ又は2つ以上の膨張管腔は、バルーンを膨張させるために50/50コントラスト混合物の注入を受けることができ、1つ又は2つ以上の異なる膨張管腔は、システム及びコントラスト混合物内の空気の通気又は排気として使用することができる。したがって、二重膨張管腔を有するカテーテルでは、コントラスト混合物は第1の膨張管腔に入り、細長い管状部材に沿って遠位方向に移動し、バルーンに入り、その遠位端で第2の膨張管腔に入り、細長い管状部材に沿って近位方向に移動し、第2の膨張管腔からカテーテルを出る。通気に使用される膨張管腔(例えば、前の実施例では、二重管腔カテーテル内の第2の膨張管腔)を通気管腔とも称され得る。記載されるような膨張管腔及び通気管腔を利用することにより、準備中に膨張管腔、通気管腔、及びバルーンから空気を抜くことができる。処置中、全ての管腔を並行して使用して、同時に膨張又は同時に収縮させることができる。したがって、複数の膨張管腔は、一重管腔カテーテルと比較してバルーンのより速い膨張及び収縮を促進することができる。複数の膨張管腔はまた、冗長性を提供することができる。1つの膨張管腔が捻じれ、遮断され、さもなければ損なわれた場合、いくつかの用途では、残りの動作可能な膨張管腔又は管腔が、バルーンに及びバルーンから十分な流れを提供して、バルーンを膨張及び/又は収縮させることができる。
【0073】
図16Aは、補強ワイヤ300aが膨張管腔200aの両方の上及び下を一緒に延びるワイヤパターンを有する、2重膨張管腔200aを有する細長い管状部材110aの断面を例示する。
【0074】
図16Bは、補強ワイヤ300bが各膨張管腔200bの上及び下を個々に延びるワイヤパターンを有する、二重膨張管腔200bを有する細長い管状部材110bの断面を例示する。図16Bに例示されるように構成されると、ワイヤ300bは膨張管腔200bを分離することができ、それによって膨張管腔200bは、細長い管状部材110bが屈曲するにつれて、シフトして重複することが抑制される。
【0075】
図16Cは、3つの膨張管腔200cを有する細長い管状部材110cの断面を例示する。例示されていないが、3つを超える膨張管腔を有する他の変形も想定される。
【0076】
図16Dは、約180度離れたオフセットで、細長い管状部材110dの円周の両側に位置決めされた二重膨張管腔200dを有する細長い管状部材110dの断面を例示する。
【0077】
図17Aは、バルーンをフラッシングし、膨張させ、収縮させるように構成された近位ルアー700に接続された二重膨張管腔カテーテル100を例示する。図17Bは、図17Aに例示した細長い管状部材110として使用することができる細長い管状部材110の断面を例示する。当業者であれば、図17Aに例示したカテーテル100として、代替構成を有する二重膨張管腔カテーテルを使用できることを認識及び理解するであろう。例えば、図16A図16B、及び図16Dに例示されるような細長い管状部材110a、110b、110dを有するカテーテルが好適である。
【0078】
図17A及び図17Bを集合的に参照すると、カテーテル100は、膨張管腔200の一方又は両方からバルーン210内への流路を提供する細長い管状部材110dの開口部であるバルーンの下に位置決めされた膨張ポート252を含むことができる。カテーテル100は、二重膨張管腔カテーテル100内の各膨張管腔200に1つずつの、2つの膨張ポート252を含むことができる。
【0079】
近位ルアー700は、膨張管腔及びバルーンをフラッシングして膨張させるための流体を提供するために使用することができ、かつバルーンを収縮させるための吸引を提供するために使用することができる、2つの膨張管腔ポート702、704を含むことができる。近位ルアー700は、近位ルアー700内で互いから膨張管腔を隔離するように、又は近位ルアー700内の2つの膨張管腔間の流路を提供するように、移動され得る弁710を含むことができる。
【0080】
図18A及び図18Bは、二重膨張管腔200、200a、200b、200dを有する細長い管状部材110、110a、110b、110dを受容することができる近位ルアー700の断面図を例示する。図18Aは、2つの膨張管腔が近位ルアー700内で互いに隔離されるように、弁710が隔離位置にある近位ルアー700を例示する。図18Bは、2つの膨張管腔が近位ルアー700内で互いに連通するように、弁710が連通位置にある近位ルアー700を例示する。
【0081】
図18Aを参照すると、弁710が隔離位置にあるとき、近位ルアー700は、膨張管腔及びバルーンをフラッシングするために使用され得る。50/50コントラスト混合物などの流体は、第1のポート702に注入され得、そのポートを通って細長い管状部材110の切り欠き152b内に流入し、膨張管腔のうちの一方に流体流動をもたらす。流体は、矢印によって示されるようにシステムを通って流れることができる。注入された流体は、細長い管状部材110を通って遠位に、バルーン210の下の膨張ポート252を通って、バルーン210内へと流れ、バルーンの下の膨張ポート252に戻ることができ、細長い管状部材110を通って近位に、細長い管状部材110内の第2の切り欠き152aの外へ、近位ルアー700内へ、弁710の開口部を通って、近位ルアー内の第2のポート704から出ることができる。近位ルアー700はまた、近位開口部712を含むことができ、その近位開口部を通して、デバイスが、細長い管状部材110の近位端112の中に、かつ細長い管状部材110の内側管腔130を通って送達され得る。
【0082】
ルアー700はまた、空気流を可能にするが、第2のポート704と連通している液体に対して不透過性であるフィルタを含むことができ、これにより、第1のポート702内に流入した流体は、膨張管腔及びバルーンを流体で充填し、膨張管腔及びバルーンから空気を抜くことができる。
【0083】
図18Bを参照すると、弁710が連通位置にあるとき、近位ルアー700は、二重管腔カテーテルの両方の膨張管腔を通じて同時にバルーンを膨張又は収縮させるために使用され得る。図18Bは、矢印によって示されるような収縮中の流体流動を例示する。膨張の場合、流体流動は、矢印によって示されるように反対方向である。連通位置では、近位ルアー700内の第2のポート704を遮断することができ、2つの膨張管腔を接続するチャネルを遮断解除することができる。収縮させるために、近位ルアー700の第1のポート702に真空を適用することができる。真空は、矢印によって示されるように近位ルアー700を通って運ばれ、細長い管状部材110内の各切り欠き152a、152bを介して二重管腔から流体を引き出すことができる。真空は、膨張管腔の両方を通ってバルーンに運ばれ、それによって、両方の膨張管腔を同時に介してバルーンから流体を抽出することができる。膨張の場合、加圧流体源が、近位ルアー700の第1のポート702に設けられ得、流体流動は、記載されるように反対方向である。
【0084】
本明細書に含まれる記述は、本発明の実施形態の例であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。本明細書で記述されるように、本発明は、デバイスの数多くの変形及び修正形態を想到する。これらの修正形態は、本発明が関係する技術分野の当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲内であることが意図される。
【0085】
〔実施の態様〕
(1) カテーテル(100)であって、
細長い管状部材(110)であって、
近位端(112)、
遠位端(114)、
上部(122)、
底部(124)、及び
外側表面(126)、
2つの内側表面であって、
前記近位端(112)と前記遠位端(114)との間に延在している内側中空管腔(130)と、
前記近位端(112)と前記遠位端(114)との間に延在している膨張管腔(200)と、を構成し、
前記膨張管腔(200)が、前記内側中空管腔(130)よりも小さく、
前記膨張管腔(200)が、前記内側中空管腔(130)の外側で前記細長い管状部材(110)の前記上部(122)又は底部(124)部分のうちの少なくとも1つに近接して位置している、2つの内側表面、
内側コア厚さ(142)を有する内側コア(140)、を備える、細長い管状部材(110)と、
前記膨張管腔(200)に接続されたバルーン(210)であって、
前記遠位端(114)から延在し、前記細長い管状部材(110)に固定されている、バルーン(210)と、を備える、カテーテル(100)。
(2) 前記バルーン(210)が、前記細長い管状部材(110)の前記遠位端(114)を越えて延在している、実施態様1に記載のカテーテル(100)。
(3) 前記バルーン(210)が、結合層(240)によって前記細長い管状部材(110)に固定されている、実施態様1に記載のカテーテル(100)。
(4) 前記継ぎ目のないバルーン(210)が、接合部(600)によって前記細長い管状部材(110)に固定されており、前記継ぎ目のないバルーン(210)が、偏心的に膨張する、実施態様1に記載のカテーテル(100)。
(5) 前記膨張管腔(200)の下又は上のいずれかにワイヤ(300)を分離する、前記ワイヤ(300)を含むワイヤ構成パターン(400)を更に備える、実施態様1に記載のカテーテル(100)。
【0086】
(6) 前記ワイヤ構成(400)が、編組パターンを備える、実施態様5に記載のカテーテル(100)。
(7) 前記膨張管腔(200)の下及び上の両方にワイヤ(300)を分離する、前記ワイヤ(300)を含む分割ワイヤ構成(500)を更に備える、実施態様1に記載のカテーテル(100)。
(8) 前記ワイヤ構成(400)が、編組パターンを備える、実施態様7に記載のカテーテル(100)。
(9) カテーテル(100)であって、
実質的に管状の内側コアと、
内部を通る第1の管腔を含み、前記管状の内側コアの長さの大部分に延在する第1の膨張スリーブと、
前記第1の膨張スリーブを前記管状の内側コアの外側表面に固定している巻き付きワイヤメッシュと、
前記管状の内側コアの遠位部分に取り付けられ、前記第1の膨張スリーブの前記第1の管腔と流体連通しているバルーンと、を備える、カテーテル(100)。
(10) 前記第1の膨張スリーブが、実質的に三日月形の断面を含む、実施態様9に記載のカテーテル(100)。
【0087】
(11) 前記第1の膨張スリーブと前記巻き付きワイヤメッシュとの間に配設されたポリマー層を更に備える、実施態様9に記載のカテーテル(100)。
(12) 前記管状の内側コアを取り囲むポリマージャケットスリーブを更に備える、実施態様11に記載のカテーテル(100)。
(13) 前記ポリマージャケットスリーブが、前記膨張スリーブと前記巻き付きワイヤメッシュとの間に配設された前記ポリマー層と融合されており、前記ポリマージャケットスリーブが、前記第1の膨張スリーブ内の損傷した開口部を効果的に封止する、実施態様12に記載のカテーテル(100)。
(14) 前記巻き付きワイヤメッシュが、前記第2の膨張スリーブを前記管状の内側コアの前記外側表面に固定している、実施態様9に記載のカテーテル(100)。
(15) 前記巻き付きワイヤメッシュが、前記第1の膨張スリーブ及び前記第2の膨張スリーブの上及び下を集合的に一緒に延びるワイヤを備える、実施態様14に記載のカテーテル(100)。
【0088】
(16) 前記巻き付きワイヤメッシュが、前記第1の膨張スリーブ及び前記第2の膨張スリーブの上及び下を個々に延びるワイヤを備えることによって、前記第1の膨張スリーブが前記第2の膨張スリーブから分離されている、実施態様14に記載のカテーテル(100)。
(17) ルアー(700)であって、
実施態様1に記載のカテーテルの近位部分を受容するようにサイズ決めされた入口と、
第2の開口部(152a)と連通するように構成された通気ポート(704)と、
第1の開口部(152b)と連通するように構成されたポンプポート(702)と、
前記カテーテル(100)の内側中空管腔(130)へのデバイスの挿入を可能にするように構成された近位開口部(712)と、を備える、ルアー(700)。
(18) 隔離位置から連通位置へと移動可能な弁を更に備え、前記弁が前記隔離位置にあるとき、前記ルアー(700)は、前記第2の開口部(152a)への又は前記第2の開口部(152a)からの流れを、前記第1の開口部(152b)への又は前記第1の開口部(152b)からの流れから隔離するように構成されており、前記弁が前記連通位置にあるとき、前記ルアー(700)は、前記第2の開口部(152a)と前記第1の開口部(152b)との間に流体経路を提供するように構成されている、実施態様17に記載のルアー(700)。
(19) 前記バルーンが、より大きな直径の遠位端及びより小さな直径の近位端を特徴とする実質的に台形の輪郭を有するように膨張する、実施態様9に記載のカテーテル(100)。
(20) 前記バルーンが、前記台形の輪郭の非平行な側に平行な線と、前記管状の内側コアの前記遠位部分に平行な線との間で測定可能な角度を画定するように膨張し、前記角度が、測定すると70度未満である、実施態様19に記載のカテーテル(100)。
【0089】
(21) 前記巻き付きワイヤメッシュが、
前記第1の膨張スリーブの外側表面にわたって延在する第1の複数のワイヤセグメントと、
前記第1の膨張スリーブの内側表面の下に延在する第2の複数のワイヤセグメントと、を備え、
前記第1の複数のワイヤセグメント内の前記ワイヤセグメントの大部分はそれぞれ、互いに実質的に平行であり、
前記第2の複数のワイヤセグメント内の前記ワイヤセグメントの大部分はそれぞれ、互いに実質的に平行であり、
前記第1の複数のワイヤセグメントのうちの一部が、前記第2の複数のワイヤセグメントのうちの一部と交差する、実施態様9に記載のカテーテル。
(22) 第1の膨張管腔、第2の膨張管腔、及びバルーンを含むバルーンガイドカテーテルを操作するための方法であって、
流体を前記第1の膨張管腔内に流し、前記バルーンを通して、前記第2の膨張管腔から流出させることによって、前記バルーンガイドカテーテルの内外に前記流体を流動させる工程を含む、方法。
(23) 前記流体を前記第1の膨張管腔及び前記第2の膨張管腔内に同時に提供することによって、前記バルーンを膨張させる工程を更に含む、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記第1の膨張管腔及び前記第2の膨張管腔において同時に吸引を提供することによって、前記バルーンを収縮させる工程を更に含む、実施態様22に記載の方法。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図16D
図17A
図17B
図18A
図18B