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特許7547119印刷システム、管理サーバシステム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】印刷システム、管理サーバシステム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240902BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
G06F3/12 336
G06F3/12 303
G06F3/12 347
G06F3/12 329
G06F3/12 324
G06F3/12 387
B41J29/38
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020142846
(22)【出願日】2020-08-26
(65)【公開番号】P2022038375
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】塩原 徹矢
(72)【発明者】
【氏名】川嵜 敬二
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-239144(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0235418(US,A1)
【文献】特開2013-186674(JP,A)
【文献】特開2021-064210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1サーバシステムと管理サーバシステムとを含む印刷システムであって、
前記第1サーバシステムは、
ユーザからの指示に基づき、前記第1サーバシステムに第1の印刷装置に関連する第1の情報を登録する登録手段を有し、
前記管理サーバシステムは、
ユーザからの指示に基づき、前記第1サーバシステムに登録された前記第1の印刷装置と、前記第1サーバシステム及び前記管理サーバシステムとは異なる第2サーバシステムに登録された第2の情報に対応する第2の印刷装置と、を対応付けるための第3の情報を保存部に保存する制御手段を有し、
ユーザからの印刷指示を受け付けた情報処理装置から送信される印刷ジョブは、前記第3の情報に基づき、前記第1サーバシステム及び前記第2サーバシステムを介して、前記の印刷装置で受信されることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記管理サーバシステムは、前記情報処理装置から送信され、前記第1サーバシステムより受信された前記印刷ジョブを、前記第3の情報に基づいて、前記第2サーバシステムに出力し、当該出力された前記印刷ジョブは前記第2の印刷装置で受信されることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記管理サーバシステムは、前記第1サーバシステムより受信した前記印刷ジョブに基づいて、データ形式の異なる印刷ジョブを生成し、当該生成した印刷ジョブを前記第2サーバシステムに出力することを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記管理サーバシステムは、前記第1サーバシステムによりユーザの認証情報が認証された場合、管理画面を表示させる第1表示制御手段をさらに備え
前記登録手段は、前記管理画面におけるユーザの指示に基づき、前記第1サーバシステムに前記第1の情報を登録することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記管理サーバシステムは、
前記第1サーバシステムによりユーザの認証情報が認証された場合、前記第1サーバシステムにおいて登録されている前記第1の情報を取得する取得手段と、
前記第2サーバシステムによりユーザの前記第2サーバシステムの認証情報が認証された場合、前記第2サーバシステムに登録すべき印刷装置を選択させるための選択画面を表示させる第2表示制御手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記選択画面において前記第2の印刷装置が選択された場合、前記第1の印刷装置と前記第2の印刷装置とを対応付けるための前記第3の情報を前記保存部に保存することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記第の印刷装置は仮想プリンタであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記第1サーバシステムには、前記第1の印刷装置から取得された情報を用いて前記第1の情報が登録されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記第1サーバシステムにおいて、前記第1の情報を登録することが可能なユーザのユーザ権限は、前記管理サーバシステムにおいて前記第3の情報を保存部に保存させる指示をすることが可能なユーザのユーザ権限より広いことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項9】
ユーザからの指示に基づき、第1サーバシステムに登録された第1の印刷装置と、前記第1サーバシステム及び管理サーバシステムとは異なる第2サーバシステムに登録された第2の情報に対応する第2の印刷装置と、を対応付けるための第3の情報を保存部に保存する制御手段を有し、
ユーザからの印刷指示を受け付けた情報処理装置から送信される印刷ジョブは、前記第3の情報に基づき、前記第1サーバシステム及び前記第2サーバシステムを介して、前記の印刷装置で受信されることを特徴とする管理サーバシステム。
【請求項10】
第1サーバシステムと管理サーバシステムとを含む印刷システムの制御方法であって、
前記第1サーバシステムにより、ユーザからの指示に基づき、前記第1サーバシステムに第1の印刷装置に関連する第1の情報を登録するステップと、
前記管理サーバシステムにより、ユーザからの指示に基づき、前記第1サーバシステムに登録された前記第1の印刷装置と、前記第1サーバシステム及び前記管理サーバシステムとは異なる第2サーバシステムに登録された第2の情報に対応する第2の印刷装置と、を対応付けるための第3の情報を保存部に保存するステップとを有し、
ユーザからの印刷指示を受け付けた情報処理装置から送信される印刷ジョブは、前記第3の情報に基づき、前記第1サーバシステム及び前記第2サーバシステムを介して、前記第2の印刷装置で受信されることを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、管理サーバシステム、及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PC等の情報処理装置からクラウド上のサーバを経由して印刷を実行する構成が知られている。具体的には、情報処理装置からクラウド上に構成されたクラウド印刷サービスシステムに対して印刷要求を発行し、クラウド印刷サービスシステム上で関連付けられた印刷装置に対して印刷要求を送信する。複数のユーザで一つの印刷装置を共有利用する場合、クラウド印刷サービスシステム上に登録された印刷装置のユーザとして、複数のユーザを登録する必要がある。特許文献1では、印刷装置にあらかじめクラウド印刷サービスを利用するための管理者用IDを保持しておくことで、クラウド印刷サービスシステム上の印刷装置のユーザを簡易に追加する構成が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6672596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、クラウド印刷サービスシステム上に既に登録されている印刷装置に、ユーザを簡易に追加可能な手法について言及している。しかしながら近年、在宅ワークニーズの増加等に伴い、仕事の資料を自宅で印刷するため、ユーザが、自宅の印刷装置を新たにクラウド印刷サービスシステムに登録して利用したい場合がある。なお、クラウド印刷に限らず、その他の印刷サーバシステムにおいても同様のケースがあり得る。そこで、本発明の一態様では、印刷サーバシステムを介して印刷装置を利用可能とするための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述のような課題を解決するため、本発明の一態様の印刷システムは、第1サーバシステムと管理サーバシステムとを含む印刷システムであって、前記第1サーバシステムは、ユーザからの指示に基づき、前記第1サーバシステムに第1の印刷装置に関連する第1の情報を登録する登録手段を有し、前記管理サーバシステムは、ユーザからの指示に基づき、前記第1サーバシステムに登録された前記第1の印刷装置と、前記第1サーバシステム及び前記管理サーバシステムとは異なる第2サーバシステムに登録された第2の情報に対応する第2の印刷装置と、を対応付けるための第3の情報を保存部に保存する制御手段を有し、ユーザからの印刷指示を受け付けた情報処理装置から送信される印刷ジョブは、前記第3の情報に基づき、前記第1サーバシステム及び前記第2サーバシステムを介して、前記の印刷装置で受信されることを特徴とする印刷システム。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様により、印刷サーバシステムを介して印刷装置を利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】印刷システムの構成図。
図2】情報処理装置及びクラウド印刷サービスシステムのハードウェア構成を示すブロック図。
図3】クラウド印刷サービスシステムのソフトウェア構成を説明する機能ブロック図。
図4】第一クラウド印刷サービスが管理する各種設定情報の例。
図5】第一クラウド印刷サービスへの仮想プリンタの登録フローを説明するシーケンス図。
図6】第二クラウド印刷サービスへの印刷装置の登録フローを説明するシーケンス図。
図7】仮想プリンタと第二クラウド印刷サービス登録プリンタの関連付けフローを説明するシーケンス図。
図8】クラウド印刷管理サービスが管理する情報の例。
図9】クラウド印刷管理サービスを介した印刷フローを説明するシーケンス図。
図10】クラウド印刷管理サービスのソフトウェア構成を説明する機能ブロック図。
図11】クラウド印刷管理サービスのフロントエンドを説明する図。
図12】仮想プリンタと第二クラウド印刷サービス登録プリンタの関連付けフローを説明するシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0009】
<<実施形態1>>
<印刷システムの構成>
図1は、本発明の実施形態に係る印刷システムの構成を説明する図である。LAN(Local Area Network)102上には印刷装置111と印刷装置112が接続されている。ここでは、印刷装置を総称して印刷装置110と呼ぶこともある。
【0010】
なお、印刷装置111は、IPP(IPP:Internet Printing Protocol)仕様と、クラウド印刷の標準仕様と、に基づく印刷に対応(サポート)している印刷装置である。印刷装置111は、クラウド印刷の標準仕様の一例として、IPP Shared Infrastructure Extensions(以下、IPP-Infraと呼ぶ)と称されるクラウド印刷を実行するための標準仕様に基づくクラウド印刷機能に基づく印刷をサポートしている。一方、印刷装置112は、クラウド印刷の標準仕様に基づく印刷をサポートしていないが、プリンタベンダーが提供する独自のクラウド印刷サービスはサポートしているものとする。なお、印刷装置110は、インクを紙面上に吐出することで印刷するインクジェットプリンタを例に説明するが、他の方法(例えば電子写真方式)で印刷が実行されても良い。
【0011】
AP101が構築するLAN100には、タブレット131、スマートフォン132、PC133が接続されている。なお以下では、タブレット131、スマートフォン132、PC133などを総称して、情報処理装置130と呼ぶこともある。LAN100とLAN102はインターネット103に接続されている。インターネット103上には、クラウド上で管理者による管理機能を備えた印刷サービスを提供する第一クラウドサーバシステム(以下、第一クラウド印刷サービスシステム)120が接続されている。また、インターネット103上には、プリンタベンダーによって提供され、プリンタを購入したユーザが利用可能なクラウド上の印刷サービスを提供する第二クラウドサーバシステム(以下、第二クラウド印刷サービスシステム)121が接続されている。加えて、管理サーバシステムとしての管理クラウドサーバシステム(以下、クラウド印刷管理サービスシステム)122が接続されている。
【0012】
情報処理装置130は、インターネット103を介して、第一クラウド印刷サービスシステム120、第二クラウド印刷サービスシステム121、及びクラウド印刷管理サービスシステム122と通信することができる。印刷装置111は、インターネット103を介して、第一クラウド印刷サービスシステム120と通信することができる。また、印刷装置112は、インターネット103を介して、第二クラウド印刷サービスシステム121と通信することができる。
【0013】
第一クラウド印刷サービスシステム120は、クラウド印刷システムの標準仕様の一例として、IPP-Infraに基づくクラウド印刷機能をサポートしている。第一クラウド印刷サービスシステムは、IPP仕様に基づく印刷データを一次保存する。そして、IPP-Infraに基づくクラウド印刷仕様をサポートしている印刷装置111等からの要求に応じて、IPP-Infraの仕様に基づき、印刷装置に印刷データを送信することができる。
【0014】
情報処理装置130内のOS(オペレーティングシステム)には、IPP仕様(IPP:Internet Printing Protocol)に基づく印刷データを生成可能なIPP-Clientモジュールと呼ぶプログラムが標準搭載されている。情報処理装置130は、このIPP-Clientモジュールを利用し、IPP仕様に基づく印刷データを生成することができる。ユーザからの印刷指示に基づき情報処理装置130が第一クラウド印刷サービスシステム120に対して印刷ジョブを送信すると、第一クラウド印刷サービスシステム120は、クラウド上にその印刷ジョブを留め置く。
【0015】
IPP-Infra仕様に基づくクラウド印刷をサポートした印刷装置である印刷装置111は、第一クラウド印刷サービスシステム120に印刷ジョブが保存されると、第一クラウド印刷サービスシステム120に印刷ジョブを要求する。印刷装置111は、第一クラウド印刷サービスシステム120に対して、印刷ジョブの取得を定期的に要求してもよい。若しくは、ユーザが、印刷装置111上で、印刷ジョブの取得を指示したことを受けて、第一クラウド印刷サービスシステム120に対して、印刷ジョブの取得を要求するよう構成してもよい。若しくは、第一クラウド印刷サービスシステム120に印刷ジョブが保存されると、印刷装置111に対して、第一クラウド印刷サービスシステム120に印刷ジョブが保存されたことを示す通知を発行するように構成してもよい。この場合、印刷装置111は、印刷ジョブが保存されたことを示す通知を受信すると、第一クラウド印刷サービスシステム120に対して印刷ジョブの取得を要求する。
【0016】
クラウド印刷サービスシステム120は、印刷装置111からの要求を受け、第一クラウド印刷サービスシステム120に留め置かれている印刷ジョブを印刷装置111に対して送信する。これにより印刷装置111は、印刷ジョブを取得して印刷を実行する。
【0017】
ここで、第一クラウド印刷サービスシステム120を利用するためには、第一クラウド印刷サービスシステム120上で管理者権限を持つユーザ(以下、「管理者」とも呼ぶ)が、第一クラウド印刷サービスシステム120上に印刷装置111を登録する必要がある。具体的には、事前にユーザが印刷装置111を操作して、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録する処理を実行する。
【0018】
なお、本実施形態では、第一クラウド印刷サービスシステム120に仮想プリンタを登録することも可能である。この仮想プリンタの登録処理については、図5を用いて後述する。
【0019】
第二クラウド印刷サービスシステム121は、プリンタベンダーが提供するクラウド印刷サービスシステムである。印刷装置112は、プリンタベンダーが提供する独自の印刷サービスをサポートしているため、第二クラウド印刷サービスシステム121からの印刷ジョブを受信可能である。第二クラウド印刷サービスシステム121を利用するために、ユーザは事前に印刷装置112を操作して、第二クラウド印刷サービスシステム121上に印刷装置112を登録する必要がある。これによりユーザは、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録された印刷装置112に対して第二クラウド印刷サービスシステム121を介して印刷を指示することができる。
【0020】
クラウド印刷管理サービスシステム122は、第一クラウド印刷サービスシステム120と、第二クラウド印刷サービスシステム121と、の橋渡しをする役割を担う。クラウド印刷管理サービスシステム122は、第一クラウド印刷サービスシステム120に対して、第一クラウド印刷サービスシステム120に対応(サポート)したプリンタとして振る舞う仮想プリンタを、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録するよう要求する。そして、クラウド印刷管理サービスシステム122は、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタを、第二クラウド印刷サービス121に登録されているプリンタ(ここでは印刷装置112)と関連付けるための処理を行う。これにより、ユーザは、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタを選択して印刷指示することで、印刷装置112が印刷を実行することが可能となる。具体的には、クラウド印刷管理サービスシステム122は、第一クラウド印刷サービスシステム120から仮想プリンタが受信した印刷ジョブを取得し、第二クラウド印刷サービス121に対して印刷ジョブを送信する。そして第二クラウド印刷サービスシステム121が印刷装置112に対して印刷ジョブを送信することで、印刷装置112は印刷を行うことができる。
【0021】
尚、本実施形態の第一クラウド印刷サービスシステム120、第二クラウド印刷サービスシステム121、クラウド印刷管理サービスシステム122のそれぞれは、1台のサーバによりそれぞれ構成されていている例を説明する。ただし、各サービスシステムは、クラウド上の複数のサーバが連携して動作することで各機能を実行するよう構成されていてもよい。また、ローカルネットワーク上のサーバ装置であってもよい。また、本実施形態では、印刷システムの一例として上記の構成例で説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。情報処理装置130、第一クラウド印刷サービスシステム120、第二クラウド印刷サービスシステム121、クラウド印刷管理サービスシステム122、及び印刷装置112がネットワークを介して通信可能に接続されていればよい。またネットワークは無線であっても有線であっても良い。
【0022】
<情報処理装置及びクラウド印刷サービスシステムのハードウェア構成>
図2は、情報処理装置133のハードウェア構成を示すブロック図である。本図における情報処理装置133は、情報処理装置130の一例としてPCであり、入力インタフェース210、CPU211、ROM212、RAM213、外部記憶装置214、出力インタフェース215、及び入出力インタフェース216を有する。また、入力インタフェース210には、キーボード218、ポインティングデバイス217などの入力デバイスが接続され、出力インタフェース215には、表示部219などの表示デバイスが接続されている。
【0023】
ROM212には、初期化プログラムが格納され、外部記憶装置214には、アプリケーションプログラム群、オペレーティングシステム(OS)、その他の各種のデータが格納されている。RAM213は、外部記憶装置214にストアされる各種のプログラムの実行の際のワークメモリ等として使用される。また情報処理装置130は、ネットワークI/F220を介してLAN100に接続されている。
【0024】
なお、タブレット131、スマートフォン132、第一クラウド印刷サービスシステム120、第二クラウド印刷サービスシステム121、及びクラウド印刷管理サービスシステム122のそれぞれのハードウェア構成も、図2に示す情報処理装置133のハードウェア構成と同じであるため説明を省略する。
【0025】
<クラウド印刷サービスシステムのソフトウェア構成>
図3は、実施形態に係る第一クラウド印刷サービスシステム120のソフトウェア構成を説明する機能ブロック図である。以降、各ソフトウェア及び機能ブロックを、各処理の主体として説明することもあるが、実際には、対応するプログラムをCPU211が実行することで、対応する機能が実現されることになる。
【0026】
第一クラウド印刷サービスシステム120は、アカウント管理部301と、クラウド印刷部302を有している。アカウント管理部301は、アカウント情報管理部303と認証処理部304を有している。アカウント情報管理部303は、第一クラウド印刷サービスシステム120を利用するユーザ情報の管理を行う。ユーザ情報は、情報保存部305に格納される。認証処理部304は、アカウントとパスワードの正当性の検証や、第一クラウド印刷サービスシステム120にアクセスするための権限情報を示すトークンの発行等を行う。
【0027】
クラウド印刷部302は、管理メッセージ処理部306、IPP通信メッセージ部307、制御API処理部308、プリンタ管理部309、印刷ジョブ処理部310を有している。管理メッセージ処理部306は、第一クラウド印刷サービスシステム120の仕様に基づいた、管理メッセージの受信、生成、送信を行う。IPP通信メッセージ処理部307は、IPP通信メッセージの受信と、生成と、送信を行う。制御API処理部308は、制御APIを受信し、要求に従った処理の実行や、各種設定の変更を行う。プリンタ管理部309は、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録されているプリンタの管理を行う。プリンタに関する各種情報は、情報保存部305に格納される。印刷ジョブ処理部310は、第一クラウド印刷サービスシステム120に対して発行されIPP通信メッセージ処理部307が受信した印刷ジョブの保存や編集を行う。また、印刷ジョブ処理部310は、IPP通信メッセージ処理部307が受信した印刷ジョブの取得要求に伴う依頼に応じて、印刷ジョブをIPP通信メッセージ処理部307に渡す。
【0028】
第一クラウド印刷サービスシステム120は、以上の構成により、IPP-Infra仕様に基づくクラウドプリントにおける、サーバとしての役割を担う。また、プリンタ管理部309により、複数のプリンタを登録することができる。なお、第一クラウド印刷サービスシステム120には、クラウド印刷管理サービスシステム122からの要求に基づき仮想プリンタを登録することもできる。また、第一クラウド印刷サービスシステム120は、アカウント管理部301を有しており、クラウドサービスのユーザを管理するディレクトリサービスとしても機能する。なお、アカウント管理部301とクラウド印刷部302は、別々のサービスとして構成しても良い。
【0029】
なお、第二クラウド印刷サービスシステム121のソフトウェア構成も、図3に示す第一クラウド印刷サービスシステム120のソフトウェア構成と同等である。ただし、使用するプロトコルが第一クラウド印刷サービスシステム120と異なる場合、第二クラウド印刷サービスシステム121の通信メッセージ処理部は、第一クラウド印刷サービスシステム120のIPP通信メッセージ処理部307とは異なる構成となる。つまり、第二クラウド印刷サービスシステム121の通信メッセージ処理部は、第二クラウド印刷サービスシステム121が使用するプロトコルでデータを処理する。
【0030】
<クラウド印刷管理サービスシステムのソフトウェア構成>
図10は、本実施形態に係るクラウド印刷管理サービスシステム122のソフトウェア構成を説明する機能ブロック図である。以降、各ソフトウェア及び機能ブロックを、各処理の主体として説明することもあるが、実際には、対応するプログラムをCPU211が実行することで、対応する機能が実現されることになる。
【0031】
クラウド印刷管理サービスシステム122は、第一クラウド印刷管理部1001と、第二クラウド印刷管理部1002、フロントエンド管理部1003、情報保存部1004を有している。第一クラウド印刷管理部1001は、主に第一クラウド印刷サービスシステム120に関わる処理を担う。第一クラウド印刷管理部1001は、認証処理部1011、情報取得処理部1012、仮想プリンタ登録処理部1013、ジョブ取得処理部1014を有している。認証処理部1011は、第一クラウド印刷サービスシステム120に対して、認証要求の発行や、第一クラウド印刷サービスシステム120を利用するためのトークンの要求、及び取得を行う。情報取得処理部1012は、認証処理部1011が取得したトークンを用いて、第一クラウド印刷サービスシステム120の登録されたプリンタ等の情報を取得する。仮想プリンタ登録処理部1013は、管理者から指示を受け、第一クラウド印刷サービスシステム120に仮想プリンタを登録させる。登録した仮想プリンタの情報(仮想プリンタ情報)は、情報保存部1004に保存される。ジョブ取得処理部1014は、ユーザが仮想プリンタを選択することによりユーザの情報処理装置から第一クラウド印刷サービスシステム120に送信され、前記第一クラウド印刷サービスシステム120に留め置かれた印刷ジョブを取得する。
【0032】
第二クラウド印刷管理部1002は、主に第二クラウド印刷サービスシステム121に関わる処理を担う。第二クラウド印刷管理部1002は、認証処理部1021、情報取得処理部1022、利用プリンタ登録処理部1023、データ変換部1024、印刷ジョブ処理部1025を有する。認証処理部1021は、第二クラウド印刷サービスシステム121に対して、認証要求の発行や、第二クラウド印刷サービスシステム121を利用するためのトークンの要求、及び取得を行う。情報取得処理部1022は、認証処理部1021が取得したトークンを用いて、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録されたプリンタに関わる情報などを、第二クラウド印刷サービスシステム121から取得する。なお、このプリンタに関わる情報は、第二クラウド印刷サービスシステム121への登録処理時において、プリンタから送信されている。
【0033】
利用プリンタ登録処理部1023は、第二クラウド印刷サービス121に登録されたプリンタ(第二クラウド印刷サービスシステム121で利用可能なプリンタ)と、前記第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタと、を関連付けて情報保存部1004に保存する。第二クラウド印刷サービス121で利用可能な印刷装置の情報(プリンタ情報)は、情報取得処理部1022を通して第二クラウド印刷サービスシステム121から取得できる。また、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタと、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録された利用プリンタと、の関連付けを示す情報は、情報保存部1004に保存される。つまり、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタ情報と、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録されたプリンタ情報と、は互いに関連付けて情報保存部1004に保存される。
【0034】
データ変換部1024は、ジョブ取得処理部1014が第一クラウド印刷サービスシステム120から取得した印刷ジョブを、第二クラウド印刷サービスシステム121が解釈可能な形式のデータに変換する。つまり、データ変換部1024は、データ形式を変換した印刷ジョブを生成する。印刷ジョブ処理部1025は、データ変換部1024が変換したデータを含む印刷ジョブを、第二クラウド印刷サービスシステム121に対して送信する。フロントエンド管理部1003は、管理者やユーザが所望の操作を指示するためのコントロールの提供や、管理者やユーザ権限でログインしているユーザに対して登録情報や指示に対する状態などを表示制御するためのUIの提供を行う。
【0035】
クラウド印刷管理サービスシステム122は、以上の構成により、第一クラウド印刷サービスシステム120に対して仮想プリンタの登録を行わせる。そして、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタの情報と、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録された印刷装置の情報と、を関連付けて保存する。これにより、ユーザが、第一クラウド印刷サービスシステム120の仮想プリンタに対して発行した印刷ジョブを、第二クラウド印刷サービスシステム121を通してプリンタが受信し、印刷することができる。
【0036】
<クラウド印刷サービスが管理する情報>
図4は、実施形態に係る第一クラウド印刷サービスシステム120が管理する各種設定情報のうち代表的な情報の例を模式的に示した表である。第一クラウド印刷サービスシステム120は、複数の会社等のグループにより利用可能に構成され、ある会社は別の会社の情報を閲覧できないように構成される。1つのグループをテナント(ディレクトリ)と呼び、図4は、XYCompanyという名称のテナントの設定情報を示す。
【0037】
設定401は管理者名であり、対応する値として、このテナントの各種設定の変更権限を持つ管理者権限のユーザIDが格納されている。管理者名の値に、複数のユーザIDを格納しても良い。なお、管理者権限は、第一クラウド印刷サービスシステム120において、印刷装置の登録に関する許可権限を与えるユーザを示し、管理者権限のユーザを管理者と呼ぶこともある。また、ユーザ権限は管理者権限よりも制限された権限であり、例えば、管理者権限であれば変更可能な設定(例えば、後述の設定404、405、406等の値)は、ユーザ権限では変更することはできない。
【0038】
図4に示すテナントには、プリンタ1というプリンタと、プリンタ2というプリンタの、2つのプリンタが登録されている。ここでいうプリンタとは、第一クラウド印刷サービスシステム120上に登録された仮想的なプリンタ(仮想プリンタ)であり、ユーザにより仮想プリンタを指定して発行された印刷要求に基づく印刷ジョブは、対応する仮想プリンタに蓄積される。そしてクラウド印刷管理サービスシステム122から印刷ジョブの取得要求があると、仮想プリンタは印刷ジョブを送信し、仮想プリンタからは印刷ジョブは削除される。なお、第一クラウド印刷サービスシステム120には、仮想プリンタではなく、第一クラウド印刷サービスシステム120をサポートしているプリンタ(印刷装置111)を登録することができる。つまり、印刷装置111の情報を登録可能であり、第一クラウド印刷サービスシステム120から印刷装置111に印刷ジョブを送信することができる。
【0039】
なお、第一クラウド印刷サービスシステム120には3つ以上のプリンタを登録することも可能であり、その場合は、登録されているプリンタの数分の情報が格納される。設定402は、プリンタ名であり、対応する値として、そのプリンタの名称が格納される。設定403はデバイスIDであり、対応する値として、そのプリンタを一意に特定するIDが値として格納される。設定404は共有設定であり、登録プリンタを他のユーザが利用可能な状態(共有状態)であるか否かを示す値が設定される。設定405は初期設定であり、第一クラウド印刷サービスシステム120上のこのプリンタに対して印刷する際の、デフォルト状態における印刷設定を示す。なお、この印刷設定は管理者権限のユーザであれば変更可能である。
【0040】
設定406は登録プリンタを利用可能なユーザを示し、第一クラウド印刷サービスシステム120上に登録されているプリンタを利用可能なユーザを示す。ここでは、UserAとUserBという二人のユーザ(ユーザ権限のユーザ)が登録されているが、三人以上であっても構わない。設定404、405、406の値は、管理者によって変更可能である。設定407はプリンタ能力を示す値であり、このプリンタで指定可能な印刷設定とその設定値が値として格納される。設定408はプリンタステータスであり、登録されているプリンタの情報に紐づく実際の印刷装置の現在のステータスが値として格納される。よって、このステータスは、関連付けられている実際の印刷装置の状態に従って変化する。
【0041】
以上のように、第一クラウド印刷サービスシステム120は、1以上のプリンタを登録することができる。また、それぞれのプリンタに対して利用可能なユーザを設定することができる。
【0042】
<第一クラウド印刷サービスシステムへの仮想プリンタの登録シーケンス>
ここで、第一クラウド印刷サービスシステム120に仮想プリンタを登録する方法を説明する。図5は、実施形態に係る第一クラウド印刷サービスシステム120への仮想プリンタの登録フローを説明するシーケンス図である。以降、各ソフトウェア及び機能ブロックを、各処理の主体として説明することもあるが、実際には、対応するプログラムをCPU211が実行することで、対応する機能が実現されることになる。なお、図5において、管理者の情報処理装置は、図1の情報処理装置130のうちのいずれかを示すものとする。
【0043】
管理者の情報処理装置は、管理者からの指示に基づき、S501で、クラウド印刷管理サービスシステム122に対してログイン要求を行う。本実施形態におけるクラウド印刷管理サービスシステム122は、ログインにあたって第一クラウド印刷サービスシステム120の認証を要する。そのため、クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS502で第一クラウド印刷サービスシステム120に認証要求を発行する。
【0044】
ステップS503では、第一クラウド印刷サービスシステム120は、第一クラウド印刷サービスシステム120の認証画面の情報を管理者の情報処理装置に送信し、管理者の情報処理装置上に認証画面が表示される。
【0045】
ステップS504で、管理者により、第一クラウド印刷サービスシステム120の管理者権限を有するアカウントのユーザIDとパスワードが認証情報として入力され、その認証情報が第一クラウド印刷サービスシステム120に送信される。
【0046】
ステップS505では、第一クラウド印刷サービスシステム120は、入力された認証情報の検証を行い、認証情報が、第一クラウド印刷サービスシステム120における管理者権限のアカウントの認証情報か判定する。判定の結果、認証情報が認証されたら、認証されたことをクラウド印刷管理サービスシステム122に通知する。
【0047】
ステップS506では、クラウド印刷管理サービスシステム122は、認証通知を受けたことに基づき、管理者用の管理画面の情報を管理者の情報処理装置へ送信する。管理者の情報処理装置では管理画面が表示される。
【0048】
図11(a)は、クラウド印刷管理サービスシステム122が提供する管理画面の一例を示す図である。管理者は、管理画面を通して、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録済みの仮想プリンタの確認及び削除と、仮想プリンタの新規登録を行うことができる。管理者は、テキストボックス1111に新規登録したい仮想プリンタのプリンタ名を入力し、ボタン1112を押下することで、新規仮想プリンタの登録を行うことができる。
【0049】
ステップS507で、管理画面1101に入力された第一クラウド印刷サービスシステム120への仮想プリンタの登録指示は、クラウド印刷管理サービスシステム122に送信される。
【0050】
ステップS508では、登録指示を受けたクラウド印刷管理サービスシステム122は、第一クラウド印刷サービスシステム120に対して、仮想プリンタの登録要求を行う。登録要求にはプリンタ名(設定402)や、デバイスID(設定403)などの情報が含まれる。これらの情報は、管理者が登録指示をする際に指定される。ただし、管理者からの指定を受けずにクラウド印刷管理サービス122が決定してもよい。第一クラウド印刷サービスシステム120へプリンタの登録を行うには、登録権限を有するユーザ(つまり管理権限のユーザ)の認証が必要になる。そこで、第一クラウド印刷サービスシステム120は、ステップS509で、S508の応答として認証ページへのアクセスに用いるURLを送信する。
【0051】
ステップS510では、クラウド印刷管理サービスシステム122は、登録指示をした管理者が第一クラウド印刷サービスシステム120に対して認証を行うため、リダイレクトする。そして、ステップS511で第一クラウド印刷サービスシステム120は、認証画面の情報を管理者の情報処理装置に送信し、認証画面を表示させる。
【0052】
ステップS512で、管理者により、認証画面において、第一クラウド印刷サービスシステム120の管理者権限を有するアカウントのユーザIDとパスワードが認証情報として入力され、その認証情報が第一クラウド印刷サービスシステム120に送信される。第一クラウド印刷サービスシステム120では、管理者により入力されたユーザIDとパスワードの正当性と、当該ユーザIDが登録権限を有している管理者権限かの検証を行う。その結果、認証情報が認証された場合は要求を受けたプリンタの登録を行う。つまり、第一クラウド印刷サービスシステム120は、クラウド印刷管理サービスシステム122から登録要求された仮想プリンタの情報(プリンタ情報)を登録する。尚、ここでは、プリンタ登録のためS511~512で再度認証を行う構成としているが、プリンタの登録にあたっての認証がS502~S505の認証ステップで代替できる場合、S511~S512の認証ステップは省略できる構成も考えられる。
【0053】
ステップS513では、第一クラウド印刷サービスシステム120は、プリンタの登録が完了すると、要求元であるクラウド印刷管理サービスシステム122に対して、登録が完了したことを示す情報を通知する。第一クラウド印刷サービスシステム120からの通知を受け、クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS514で、登録した仮想プリンタの情報を保存する。保存する情報については、図8を用いて後述する。
【0054】
最後に、クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS515で、登録が完了したことを示す情報を管理者の情報処理装置に送信する。この情報を受け、管理者の情報処理装置は登録完了を管理者に通知する。通知方法としては、クラウド印刷管理サービスシステム122が表示するページで登録が完了した旨の表示を行う方法が考えられるが、これに限定されるものではない。
【0055】
以上のフローによって、クラウド印刷管理サービスシステム122からの要求に基づき、第一クラウド印刷サービスシステム120に、第一クラウド印刷サービスシステム120をサポートしたプリンタを装った仮想プリンタが登録される。管理者は、第一クラウド印刷サービスシステム120にアクセスすることで、登録した仮想プリンタを利用可能なユーザ(図4の設定406)を設定することができる。管理者によって利用可能なユーザに登録されたユーザは、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録されたユーザ権限のアカウントでログインして認証を受けることで、仮想プリンタに対して印刷要求を行うことができる。
【0056】
尚、管理者が登録する仮想プリンタは一つである必要はない。登録された仮想プリンタは、図4のプリンタ能力(設定407)で示すように、使用可能な機能が登録されている。同一の仮想プリンタを利用する全てのユーザは、登録された機能の範囲での印刷設定を行うことができる。一方で、ユーザが使用する印刷装置の機能は機種によって異なるため、共通の仮想プリンタを使用することで機種ごとの機能を使えないとう可能性がある。例えば、両面印刷機能を備えるプリンタと、備えないプリンタが存在した場合、仮想プリンタには全てのプリンタで仕様可能な機能のみ設定可能とすると、両面機能を備えたプリンタでも両面印刷機能が使えないことになる。管理者が、仮想プリンタに対して、想定されるすべての機能が使用できるように登録することも可能だが、その場合は使用できない機能も設定できることになる。そこで、例えば、管理者が、両面印刷を設定できる仮想プリンタと、両面印刷を設定できない仮想プリンタの2つを登録し、ユーザは自身の所有している印刷装置に応じて、どちらを使うか切り替えるようにしてもよい。さらには、管理者が、ユーザ毎や対応づけられる印刷装置の数だけ、予め仮想プリンタを登録しておくことも可能である。
【0057】
<第二クラウド印刷サービスシステムへの印刷装置の登録シーケンス>
次に、第二クラウド印刷サービスシステム121に印刷装置を登録する方法について説明する。図6は、実施形態に係る第二クラウド印刷サービスシステム121への印刷装置の登録フローを説明するシーケンス図である。以降、各ソフトウェア及び機能ブロックを、各処理の主体として説明することもあるが、実際には、対応するプログラムをCPU211が実行することで、対応する機能が実現されることになる。なお、図6においてユーザの情報処理装置は、図1の情報処理装置130のうちのいずれかを示すものとする。
【0058】
ユーザは、ステップS601で、印刷装置112を操作し、第二クラウド印刷サービスシステム121への登録を指示する。印刷装置112は、ユーザからの指示を受け、ステップS602で、第二クラウド印刷サービスシステム121にアクセスして、登録要求を行う。
【0059】
第二クラウド印刷サービスシステム121は、ステップS603で、認証ページへのアクセスに用いるURLを印刷装置112に送信する。印刷装置112は、ステップ604でユーザの情報処理装置に対して前述のURLを送信する。なお、ここでは、印刷装置112は、ユーザの情報処理装置にURLを通知する方法を記載しているが、通知方法としては、これに限定されない。例えば、印刷装置112は印刷装置112自身が備える表示部にこのURLを表示することでユーザに通知してもよい。また、印刷装置112は、URLを印刷することでユーザに通知してもよい。また、印刷装置112がWebブラウザを備えている場合、通知されたURL先のページである認証画面を表示部に表示してもよい。この場合、ユーザは印刷装置112の表示部に表示された認証画面において認証情報を入力することもできる。つまり、以下のステップS605以降のユーザの情報処理装置で行われる処理を印刷装置112で行うこともできる。
【0060】
ユーザの情報処理装置は、通知されたURLに基づき、ステップS605で、第二クラウド印刷サービスシステム121の認証ページにアクセスする。第二クラウド印刷サービスシステム121は、ステップS606で、ユーザに対して認証ページ(認証画面)を表示する。尚、ユーザが第二クラウド印刷サービスシステム121のアカウントを有していない場合に備えて、第二クラウド印刷サービスシステム121が表示した認証画面にアカウント作成のリンクが設けられていることが好ましい。ユーザは、ステップS607で、第二クラウド印刷サービスシステム121のアカウントのユーザIDとパスワードを認証情報として入力する。
【0061】
第二クラウド印刷サービスシステム121は、ステップS607で、入力された認証情報の検証を行う。その結果、認証情報が認証された場合、第二クラウド印刷サービスシステム12は、要求を受けた印刷装置112の登録を行う。つまり、登録要求を受けた印刷装置112の情報(プリンタ情報)が第二クラウド印刷サービスシステム121に登録される。
【0062】
登録が完了すると、第二クラウド印刷サービスシステム121は、ステップ608で、印刷装置112に対して登録が完了したことを示す情報を通知する。印刷装置112は、ステップ609で、ユーザに対して登録が完了したことを通知する。なお、ここでは、ユーザの情報処理装置に表示することで通知しているが、通知方法としては、印刷装置112が備えた表示部に表示することで通知してもよい。
【0063】
以上のフローによって、ユーザは、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録されたアカウントでログインして認証を受けることで、第二クラウド印刷サービスシステム121を介して印刷装置112へ印刷指示することが可能となる。
【0064】
<クラウド印刷管理サービスへの印刷装置の登録フロー>
次に、クラウド印刷管理サービス122からの要求に基づき第一クラウド印刷サービスに登録された仮想プリンタと、第二クラウド印刷サービスに登録された印刷装置と、を関連付ける方法について説明する。図7は、第一クラウド印刷サービスに登録された仮想プリンタに対して、第二クラウド印刷サービスに登録された印刷装置を関連付けるフローを説明するシーケンス図である。以降、各ソフトウェア及び機能ブロックを、各処理の主体として説明することもあるが、実際には、対応するプログラムをCPU211が実行することで、対応する機能が実現されることになる。なお、図7において、ユーザの情報処理装置は、図1の情報処理装置130のうちのいずれかを示すものとする。
【0065】
ユーザの情報処理装置は、ユーザからの指示に基づき、S701で、クラウド印刷管理サービスシステム122に対してログイン要求を行う。本実施形態におけるクラウド印刷管理サービスシステム122は、ログインにあたって第一クラウド印刷サービスシステム120の認証を要する。そのため、クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS702で第一クラウド印刷サービスシステム120に認証要求を発行する。
【0066】
ステップS703では、第一クラウド印刷サービスシステム120は、第一クラウド印刷サービスシステム120の認証画面の情報をユーザの情報処理装置に送信し、ユーザの情報処理装置上に認証画面が表示される。
【0067】
ステップS704では、ユーザにより、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録されているアカウントのユーザIDとパスワードが認証情報として入力される、その認証情報が第一クラウド印刷サービスシステム120に送信される。
【0068】
ステップS705では、第一クラウド印刷サービスシステム120は、入力された認証情報の検証を行い、認証情報が、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録されているアカウントの認証情報か判定する。判定の結果、認証情報が認証されたら、認証されたことを示す情報をクラウド印刷管理サービスシステム122に通知する。
【0069】
クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップ706で、第一クラウド印刷サービスシステム120のリソースにアクセスするために必要なトークンの生成要求を、第一クラウド印刷サービスシステム120に発行する。第一クラウド印刷サービスシステム120は、ステップS707にて、S704で入力されたユーザIDに与えられた権限情報を含むトークンをクラウド印刷管理サービスシステム122に送信する。その後、クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS708にて、取得したトークンを用いて、第一クラウド印刷サービスシステム120に対し、ユーザが利用可能な登録プリンタを問い合わせる。
【0070】
第一クラウド印刷サービスシステム120は、ステップS709にて、クラウド印刷管理サービスシステム122に対して、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録されたプリンタの中で、認証したユーザIDで利用可能なプリンタの情報を送信する。なお、ここで送信されるプリンタの情報は、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタの情報だけでなく、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された物理的なプリンタの情報が含まれていてもよい。第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された物理的なプリンタとは、例えば、第一クラウド印刷サービスシステム120をサポートしている印刷装置111である。
【0071】
クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS710で、S709で取得した利用可能プリンタの情報の中から、クラウド印刷管理サービスシステム122の要求に基づき登録された仮想プリンタの情報を抽出する。これにより、ユーザがクラウド印刷管理サービスシステム122を介して利用可能なプリンタが決定される。クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS711で、S710で決定した情報に基づき、ユーザに利用可能プリンタを提示する。具体的には、クラウド印刷管理サービスシステム122は、ユーザの情報処理装置に、利用可能プリンタが表示されたユーザメニュー画面の情報を送信する。
【0072】
図11(b)は、クラウド印刷管理サービスシステム122が提供する、ユーザメニュー画面1102の一例を示す模式図である。ユーザはユーザメニュー画面1102を介して、管理者が第一クラウド印刷サービスに登録した仮想プリンタのうち、自身の利用可能なプリンタを確認することができる。ここでは、2つの仮想プリンタが登録されている様子を示す。なお、プリンタ名の隣に表示されている印刷ボタン1122は、印刷指示を行うためのアイテムである。図7の処理が完了した後に、この印刷ボタン1122が指示されると、クラウド印刷管理サービスシステム122は第一クラウド印刷サービスシステム120に存在する印刷ジョブを取得し、第二クラウド印刷サービス121に送信するトリガーとなる。また、編集ボタン1121は、仮想プリンタに関連付けるプリンタを新たに登録したり、編集したりするためのアイテムである。後述する図11(c)は、図11(b)の編集ボタン1121を押下することで表示される画面である。以下では、図11(b)のユーザメニュー画面1102で、編集ボタン1121が指示されたケースを説明する。この編集ボタン1121は、第一クラウド印刷サービスシステム120において利用可能な仮想プリンタと、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録されているプリンタを関連付けるためのユーザ指示に相当する。
【0073】
ステップS712では、ユーザ指示に基づき、クラウド印刷管理サービスシステム122に対して利用プリンタの関連付けの登録を指示する。この利用プリンタとは、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録されているプリンタである。第二クラウド印刷サービスシステム121にアクセスするためには、ユーザによる第二クラウド印刷サービスシステム121への認証が必要になる。そのため、クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS713で、第二クラウド印刷サービスシステム121へ認証要求を発行する。
【0074】
第二クラウド印刷サービスシステム121は、ステップS714で、ユーザの情報処理装置に対して認証画面の情報を送信し、ユーザの情報処理装置上に認証画面が表示される。ステップS715では、ユーザにより、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録されているアカウントのユーザIDとパスワードが認証情報として入力される。
【0075】
第二クラウド印刷サービスシステム121は、ステップS715で入力された認証情報に基づき検証を行い、認証情報が第二クラウド印刷サービスシステム121に登録されているアカウントの認証情報か判定する。判定の結果、認証情報が認証された場合、第二クラウド印刷サービスシステム121は、ステップS716で、認証されたことを要求元のクラウド印刷管理サービスシステム122に通知する。
【0076】
クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップ717で、第二クラウド印刷サービスシステム121のリソースにアクセスするためのトークンの生成要求を、第二クラウド印刷サービスシステム121に対して発行する。
【0077】
第二クラウド印刷サービスシステム121は、ステップS718にて、S715で入力されたユーザIDに与えられた権限情報を含むトークンをクラウド印刷管理サービスシステム122に送信する。その後、クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS719にて、取得したトークンを用いて、第二クラウド印刷サービスシステム121に対し、ユーザが利用可能な第二クラウド印刷サービスシステム121に登録されたプリンタを問い合わせる。
【0078】
第二クラウド印刷サービスシステム121は、ステップS720にて、クラウド印刷管理サービスシステム122に対して、利用可能なプリンタの情報を送信する。これにより、クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS721にて、ユーザにより第二クラウド印刷サービスシステム121に登録されているプリンタを提示することが可能となる。具体的には、クラウド印刷管理サービスシステム122は、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録されているプリンタの一覧を含むプリンタ登録画面の情報をユーザの情報処理装置に送信する。
【0079】
図11(c)は、プリンタ登録画面(選択画面)の一例を示す図である。プリンタ登録画面1103は、第二クラウド印刷サービスシステム121で利用可能なプリンタが列挙されている。ここでは、PrinterAとPrinterBの2つのプリンタが登録されている様子を示す。なお、この2つのプリンタは、図1の印刷装置112のように、第二クラウド印刷サービスシステム121をサポートしている物理的な印刷装置を示す。ユーザは、列挙されたプリンタの中から所望のプリンタを選択し、OKボタン1131を押下することで、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録されている仮想プリンタに対して、その選択プリンタを関連付ける登録処理が指示されることになる。
【0080】
ステップS722では、ユーザの情報処理装置は、図11(c)でOKボタン1131が押下されることにより、クラウド印刷管理サービスシステム122に登録指示を発行する。クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS723で、ユーザ指示に基づき関連付け情報を保存する保存処理を実行する。この保存処理により、クラウド印刷管理サービスシステム122の保存部には、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタの情報と、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録されているプリンタの情報と、が関連付けて保存される。保存される情報については、図8を用いて後述する。
【0081】
以上のフローによって、管理者がクラウド印刷管理サービスシステム122を介して第一クラウド印刷サービスシステム120に登録した仮想プリンタと、ユーザが第二クラウド印刷サービスに登録した印刷装置と、を対応付けることができる。尚、クラウド印刷管理サービスシステム122は、第二クラウド印刷サービスシステム121から登録されている印刷装置の能力情報を取得し、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタのプリンタ能力407に反映することもできる。特に、仮想プリンタを単一のユーザが使用する場合、プリンタ能力を更新することで、使用する印刷装置の能力を適切に利用できるようになる。
【0082】
<クラウド印刷管理サービスが管理する情報>
図8は、ステップS514、及びS723で保存される情報の一例を示す図である。仮想プリンタ情報800は、クラウド印刷管理サービスシステム122が第一クラウド印刷サービスシステム120に登録した仮想プリンタを示す情報である。仮想プリンタ情報800は、PrinterID801とPrinterName802で構成される。PrinterID801は、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録されたプリンタを一意に識別するためのIDである。PrinterName802は、PrinterID801に対応する仮想プリンタの名称情報である。仮想プリンタ情報800は、第一クラウド印刷サービスシステム120への仮想プリンタ登録フローのS514で登録される。
【0083】
仮想プリンタ情報800は、子要素として任意数のユーザ情報810を持つ。ユーザ情報810は、UserID811、UsePrinterID812、UsePrinterName813から構成される。UserID811は、使用可能なユーザを一意に識別するためのIDである。UsePrinterID812は、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録されたプリンタを一意に識別するためのIDである。UsePrinterName813は、UsePrinterID812に対応する印刷装置の名称情報である。ユーザ情報810は、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタに対して、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録された印刷装置を関連付けて保存する処理であるステップS723で登録される。
【0084】
図8の例では、管理者は、クラウド印刷管理サービスシステム122を通して、「XYCompany Printer 1」と、「XYCompany Printer 2」の2つの仮想プリンタを第一クラウド印刷サービスシステム120に登録している。管理者は、第一クラウド印刷サービスシステム120にアクセスして、クラウド印刷管理サービスシステム122の要求に基づき登録された仮想プリンタに対して、利用可能なユーザの設定を行う。管理者が、UserAを、「XYCompany Printer 1」の利用ユーザに設定すると、UserAは、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された「XYCompany Printer 1」に対して印刷要求を行うことができる。また、UserAは、クラウド印刷管理サービスシステム122にアクセスし、「XYCompany Printer 1」が利用可能であることを認識することができる。Userは、クラウド印刷管理サービスシステム122を通して「XYCompany Printer 1」に対して、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録した「Printer A」を割り当てている。これによって、UserAが、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された「XYCompany Printer 1」に対して発行した印刷ジョブは、クラウド印刷管理サービスシステム122を介し、第二クラウド印刷サービスを通して「Printer A」で印刷される。以下では、具体的な印刷フローについて説明する。
【0085】
<クラウド印刷管理サービスを介した印刷フロー>
図9は、クラウド印刷管理サービスシステム122を介した印刷フローを説明するシーケンス図である。図以降、各ソフトウェア及び機能ブロックを、各処理の主体として説明することもあるが、実際には、対応するプログラムをCPU211が実行することで、対応する機能が実現されることになる。なお、図9のユーザの情報処理装置は、図1の情報処理装置130のいずれかを示すものとする。
【0086】
まず、ユーザの情報処理装置は、ステップS901で、第一クラウド印刷サービスシステム120を利用するために、ユーザ指示に基づき、第一クラウド印刷サービスシステム120に対して認証要求を発行する。認証は、動作環境に予め登録された情報によって自動的に実施してもよい。また、第一クラウド印刷サービスシステム120が認証画面を提供して、その認証画面において、ユーザが第一クラウド印刷サービスシステム120のアカウントのユーザIDとパスワードを入力することによって実施してもよい。
【0087】
第一クラウド印刷サービスシステム120は、ステップS902で、入力された認証情報に従い認証を行う。これによって、ユーザは第一クラウド印刷サービスシステム120に対して印刷要求を行うことができるようになる。
【0088】
ユーザの情報処理装置は、ステップS903で、第一クラウド印刷サービスシステム120に対して、印刷ジョブを送信する。具体的には、OSが提供するドライバ機能もしくはアプリケーションの画面で、ユーザが対象のプリンタを選択して印刷を指示することにより、印刷ジョブが送信される。送信された印刷ジョブは、第一クラウド印刷サービスシステム120の仮想プリンタによって受信され、蓄積される。
【0089】
次に、ステップS904にて、ユーザの情報処理装置は、クラウド印刷管理サービスシステム122にアクセスして、ジョブの取得指示を行う。これは、例えば図11(b)のユーザメニュー画面1102において、印刷要求を行った仮想プリンタの印刷ボタン1122を押下することで実行する。尚、本実施形態ではクラウド印刷管理サービスシステム122が第一クラウド印刷サービスシステム120に対してジョブを取りにいく構成を記載しているが、これに限定されない。印刷ジョブが第一クラウド印刷サービスシステム120に格納されたら、クラウド印刷管理サービス122に通知が行く構成でもよい。その場合、ステップS904でユーザが指示を行う必要はなく、クラウド印刷管理サービス122は、第一クラウド印刷サービスシステム120からの通知を受けて印刷ジョブを取得する構成になる。
【0090】
クラウド印刷管理サービスシステム122が、第一クラウド印刷サービスシステム120が格納している印刷ジョブを取得するためには、第一クラウド印刷サービスシステム120のリソースにアクセスするためのトークンが必要となる。そこで、クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS905にて、第一クラウド印刷サービスシステム120に対して、トークンの生成要求を送信する。このトークンは、登録されたデバイスにアクセスするためのものであり、トークンの要求には第一クラウド印刷サービスシステム120に仮想プリンタを登録した際に受信した情報が必要になる。トークンの生成に必要な情報は、ステップS513で仮想プリンタの登録が完了した際に、第一クラウド印刷サービスシステム120からクラウド印刷管理サービスシステム122に対して通知される。クラウド印刷管理サービスシステム122は、登録した仮想プリンタの情報と併せてトークン要求に必要な情報を保存しておくことで、必要なタイミングでトークンの要求を行うことができる。この情報は、本実施形態では、図8のPrinterIDを使用することを想定するが、必要な情報が他にもある場合は登録時に合わせて保存することが好ましい。
【0091】
第一クラウド印刷サービスシステム120は、ステップS906で、登録された仮想プリンタに対する印刷要求で格納された印刷ジョブの取得に必要なトークンを、クラウド印刷管理サービスシステム122に送信する。クラウド印刷管理サービスシステム122はトークンを取得すると、ステップS907で、第一クラウド印刷サービスに対して、印刷ジョブの取得要求を送信する。1つの仮想プリンタに対して、複数のユーザが利用可能な場合は、ジョブの取得要求にユーザ情報を付加することで、アクセスしたユーザのジョブのみを取得する。
【0092】
第一クラウド印刷サービスシステム120は、S908で、クラウド印刷管理サービスシステム122に対して、トークンをサポートした仮想プリンタの印刷ジョブを送信する。クラウド印刷管理サービスシステム122は印刷ジョブを取得すると、ステップS909で、取得した印刷ジョブの印刷データを第二クラウド印刷サービスシステム121が解釈可能なフォーマットに変換する。例えば、第一クラウド印刷サービスシステム120から取得した印刷データのPDLがXPSだった場合に、これを第二クラウド印刷サービスシステム121が解釈できるPDFに変換することが考えられる。尚、第一クラウド印刷サービスシステム120から取得した印刷ジョブの印刷データが、そのまま第二クラウド印刷サービスシステム121で解釈可能なフォーマットの場合、ステップS909の変換は不要となる。
【0093】
次に、クラウド印刷管理サービスシステム122は、第二クラウド印刷サービスシステム121を利用するために、ステップS910で、第二クラウド印刷サービスシステム121に対して認証要求を発行する。認証は、クラウド印刷管理サービスシステム122に予め登録された情報によって自動的に実施してもよい。また、第二クラウド印刷サービスシステム121が認証画面を提供してもよい。この場合、ユーザがその認証画面に、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録しているアカウントのユーザIDとパスワードを認証情報として入力することによって、認証を実施してもよい。
【0094】
第二クラウド印刷サービスシステム121は、ステップS911で、認証情報に従い認証を行う。これによって、ユーザは第二クラウド印刷サービスシステム121を介して登録した印刷装置112で行うことができるようになる。
【0095】
次に、クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS912で、第二クラウド印刷サービスシステム121を利用するために必要なトークンを取得するために、第二クラウド印刷サービスシステム121に対して、トークンの生成要求を送信する。
【0096】
第二クラウド印刷サービスシステム121は、ステップS913で、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録された印刷装置に対して印刷を行わせる際に必要なトークンをクラウド印刷管理サービスシステム122に送信する。
【0097】
クラウド印刷管理サービスシステム122は、トークンを取得すると、S914で、第二クラウド印刷サービスシステム121に対して、S909でフォーマット変換した印刷データを含む、第二クラウド印刷サービスシステム121が解釈可能な印刷ジョブを送信する。
【0098】
第二クラウド印刷サービスシステム121は印刷ジョブを受け取ると、S915で、印刷装置112が解釈可能なフォーマットの印刷データを生成する。つまり、第二クラウド印刷サービスシステム121は、印刷データのフォーマットを、印刷装置112が解釈可能なフォーマットに変換する。
【0099】
第二クラウド印刷サービスシステム121は、S916で、印刷データを印刷装置112に送信する。印刷装置112は、第二クラウド印刷サービスシステム121から受信した印刷データに基づき印刷を実行する。
【0100】
なお、図9の説明では、第二クラウド印刷サービスシステム121が印刷装置112に対して印刷データを送信する構成としているが、印刷装置112が第二クラウド印刷サービスを定期的に監視する構成でもよい。この場合、第二クラウド印刷サービスシステム121に印刷ジョブが格納されたら、印刷装置112が印刷データを取得する構成となる。
【0101】
以上のフローにより、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタに対する印刷ジョブは、クラウド印刷管理サービスシステム122を介して、第二クラウド印刷サービスシステム121に送信される。そして、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録された印刷装置112によって印刷される。
【0102】
尚、クラウド印刷管理サービスシステム122は、第二クラウド印刷サービスシステム121に対してジョブを送信したのちに、第二クラウド印刷サービスシステム121の状態を確認しながら、ジョブのタイミング制御や、ユーザに対するステータスの通知を行う構成が考えられる。ジョブの状態をユーザに通知することで、ユーザはジョブの処理状況を確認することができる。ステータスの通知方法としてはクラウド印刷管理サービスシステム122のフロントエンド機能により画面表示する方法が考えられるが、これに限定されるものではない。また、複数の印刷ジョブを扱う場合、クラウド印刷管理サービスシステム122が、第二クラウド印刷サービスシステム121によって先発のジョブの処理が完了したことを確認してから、次のジョブの印刷要求を行うとよい。これにより、第二クラウド印刷サービスシステム121にかかる負荷を低減することができる。加えて、印刷が成功したのかを判断することで、印刷に対する課金システムを構築する場合に、印刷結果に対して正しく課金することも可能となる。
【0103】
本実施形態により、ユーザは、例えば自宅の印刷装置がIPP-Infraのような標準仕様をサポートしていない場合であっても、第一クラウド印刷サービスシステム120を介した印刷を印刷装置に実行させることが可能となる。
【0104】
<<実施形態2>>
実施形態1では、ユーザは第二クラウド印刷サービスシステム121に対して予めユーザのアカウント登録を行い、第二クラウド印刷サービスシステム121内では、登録したアカウントと印刷装置とが紐づいて登録されている。そして、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタと、第二クラウド印刷サービスシステム121のアカウントと紐づいて第二クラウド印刷サービスシステム121に登録されているプリンタと、を関連付ける構成としている。
【0105】
本実施形態では、第二クラウド印刷サービスシステム121のユーザ登録(アカウント登録)を行わずに、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録された印刷装置を利用する構成を説明する。なお、実施形態1と共通する説明は省略し、異なる点について主に説明する。なお、本実施形態の場合、実施形態1の図6で説明した第二クラウド印刷サービスシステム121への登録シーケンスは不要となる。つまり、図5の第一クラウド印刷サービスシステム120への仮想プリンタ登録シーケンスを実行したら、図6をスキップして図12を実行することができる。
【0106】
以下、図12を用いて本実施形態の構成における、クラウド印刷管理サービスへの印刷装置の登録フローを説明する。図12は、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタに対して、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録された印刷装置を関連付けるフローを説明するシーケンス図である。なお、図12のステップS701~ステップS712までの処理は、図7で説明した処理と同様であるため、説明を省略する。以降、各ソフトウェア及び機能ブロックを、各処理の主体として説明することもあるが、実際には、対応するプログラムをCPU211が実行することで、対応する機能が実現されることになる。
【0107】
クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS712でプリンタの登録指示を受けると、ステップS1201で、ユーザの情報処理装置130に対して登録コードの入力要求を行う。登録コードとは、ユーザが印刷装置を操作して登録コードの発行指示を行うことで、発行される情報である。印刷装置は、登録コードの発行指示を受けると、第二クラウド印刷サービスシステム121に対して、登録コードの発行要求を行う。また、印刷装置は、第二クラウド印刷サービスシステム121に対して、登録コードの発行要求と併せて、印刷装置自身を一意に識別する識別情報を通知する。第二クラウド印刷サービスシステム121は、印刷装置の識別情報と対応付けた登録コードを発行して印刷装置に送信する。印刷装置は、第二クラウド印刷サービスシステム121から返却された登録コードをユーザに通知する。通知方法としては、印刷装置が備えるディスプレイに表示する方法が考えられるが、これに限定されるものではない。また、第二クラウド印刷サービスシステム121は、印刷装置からの登録コード要求を受けて発行した登録コードを保存しておき、登録コードを用いた登録要求に使用する。ユーザは、通知された登録コードを見て、情報処理装置130に表示されているクラウド印刷管理サービスシステム122の提供する画面内にその登録コードを入力する。
【0108】
情報処理装置130は、ステップ1202で、ユーザが入力した登録コードをクラウド印刷管理サービスシステム122に送信する。クラウド印刷管理サービスシステム122は、ステップS1203で、受け取った登録コードを用いて、第二クラウド印刷サービスシステム121に対して登録要求を行う。
【0109】
第二クラウド印刷サービスシステム121は、ステップS1204で、クラウド印刷管理サービスシステム122から受け取った登録コードと、発行時に保存しておいた登録コードと、比較し、一致したら登録を行う。つまり、第二クラウド印刷サービスシステム121に印刷装置(登録コードの発行要求を行った印刷装置)の情報が登録される。
【0110】
印刷装置の登録が完了すると、第二クラウド印刷サービスシステム121は、ステップS1205で、クラウド印刷管理サービスシステム122に対して印刷時に使用するプリンタIDを送信する。プリンタIDは、登録コードと対応付けて保存された識別情報で特定される印刷装置に対して印刷要求を行う際に利用する。クラウド印刷管理サービスシステム122は、プリンタIDと付加して印刷要求を行うことで、第二クラウド印刷サービスシステム121を介して、登録コードに紐づけられた印刷装置への印刷要求が可能となる。
【0111】
クラウド印刷管理サービスシステム122は、S1206で、仮想プリンタとプリンタIDの関連付け情報を保存する保存処理を実行する。この保存処理により、クラウド印刷管理サービスシステム122の保存部には、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタの情報と、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録された印刷装置の情報と、が関連付けて保存される。
【0112】
なお、本実施形態において、図12の登録フローを行った場合、図9の印刷フローにおけるステップS910~S911の認証は、クラウド印刷管理サービスシステム122に予め割り当てられた認証用情報を用いて行われる。これにより、ユーザは印刷のたびに、第二クラウド印刷サービスシステム121にログインする必要がない。また、クラウド印刷管理サービスシステム122は、S914で印刷ジョブの送信を行うに際に、S1206で保存した情報に基づき、仮想プリンタに関連付けられたプリンタIDを第二クラウド印刷サービスシステム121に送信する。よって、第二クラウド印刷サービスシステム121は、受け取ったプリンタIDに従い、対応した印刷装置に対して印刷ジョブの送信を行うことが可能となる。
【0113】
このように、本実施形態においても、印刷装置がIPP-Infraのような標準仕様をサポートしていない場合であっても、第一クラウド印刷サービスシステム120を介した印刷が可能となる。
【0114】
<<実施形態3>>
実施形態1では、予め、印刷装置を第二クラウド印刷サービスシステム121に登録する処理が図6に示すシーケンスに従って行なわれる。その後、図7のシーケンスに基づき、第一クラウド印刷サービスシステム120に登録された仮想プリンタと、第二クラウド印刷サービスシステム121に登録された印刷装置を関連付ける処理が行われる。
【0115】
PCを使用するユーザは一般的に、PCにインストールしたプリンタドライバを介してアプリケーションからの印刷を行う場合が多い。その場合は、クラウド印刷サービスを用いず印刷を行うことができる。そのため、クラウド印刷サービスへの登録が煩わしく感じることも考えられる。
【0116】
そこで、本実施形態では、実施形態1における第二クラウド印刷サービスシステム121の役割をプリンタドライバが実行するよう構成する。そして、クラウド印刷管理サービスシステム122の役割を担うクラウド印刷管理アプリケーションを、管理者及びユーザのPCにインストールする。これにより、第一クラウド印刷サービスシステム120を介した印刷を実行するという実施形態1と同様の効果を得られる。以下、詳細に説明する。
【0117】
本実施形態では、PCにインストールされるクラウド印刷管理アプリケーションは、1つ目の機能として、第一クラウド印刷サービスシステム120に対して仮想プリンタを登録する機能を備える。つまり、図5のクラウド印刷管理サービスシステム122の機能を、管理者の情報処理装置にインストールされたクラウド管理アプリケーションが実行する。言い換えると、管理者の情報処理装置が、図5のクラウド印刷管理サービスシステム122としても機能する。このような構成の場合、仮想プリンタ登録時に第一クラウド印刷サービスシステム120から取得する、トークンの取得に必要な情報は、クラウド印刷管理アプリケーションに通知され、保存される。
【0118】
クラウド印刷管理アプリケーションの2つ目の機能として、ユーザが利用可能な仮想プリンタとプリンタドライバを関連付ける機能を備える。つまり、図7のクラウド印刷管理サービスシステム122の機能を、ユーザの情報処理装置にインストールされたクラウド印刷管理アプリケーションが実行する。言い換えると、ユーザの情報処理装置が、図7のクラウド印刷管理サービスシステム122としても機能する。
【0119】
クラウド印刷管理アプリケーションの3つ目の機能として、第一クラウド印刷サービスシステム120から印刷ジョブを取得し、関連付けられたプリンタドライバが解釈可能なフォーマットの印刷データをプリンタドライバに送信する機能を有する。つまり、図9のクラウド印刷管理サービスシステム122の機能を、ユーザの情報処理装置にインストールされたクラウド印刷管理アプリケーションが実行する。言い換えると、ユーザの情報処理装置が、図9のクラウド印刷管理サービスシステム122としても機能する。なお、本実施形態では、上述したとおり、第二クラウド印刷サービスシステム121の役割はユーザの情報処理装置にインストールされたプリンタドライバが担う。つまり、ユーザの情報処理装置は、図9の第二クラウド印刷サービスシステム121としても機能することになる。
【0120】
このような構成の場合、クラウド印刷管理アプリケーションは、第一クラウド印刷サービスシステム120から印刷ジョブを取得し、予め関連付けられたプリンタドライバに印刷ジョブを送信する。これにより、そのプリンタドライバをサポートした印刷装置で印刷を実行することができる。
【0121】
以上の構成により、本実施形態においても、印刷装置がIPP-Infraのような標準仕様をサポートしていない場合であっても、第一クラウド印刷サービスシステム120を通した印刷が可能となる。尚、クラウド印刷管理アプリケーションは、管理者用とユーザ用で別アプリケーションであってもよい。
【0122】
<<実施形態4>>
上述した実施形態は、以下の処理を実行することによっても実行される。すなわち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUまたはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。これによって、上述した目的を達成することができる。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0123】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0124】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施例の機能が実現されるだけでない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0125】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれてもよい。そして、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ってもよい。その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【符号の説明】
【0126】
112 印刷装置
120 第一クラウド印刷サービスシステム
121 第二クラウド印刷サービスシステム
122 クラウド印刷管理サービスシステム
図1
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