(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
G03G21/16 123
G03G21/16 119
(21)【出願番号】P 2020150402
(22)【出願日】2020-09-08
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩沢 亮
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-189552(JP,A)
【文献】特開2005-252998(JP,A)
【文献】特開2007-169021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/00
B41J 2/47
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部から排出される記録材が載置される載置部と、
前記画像形成部の上方に配置され原稿画像を読み取る画像読取部と、
を備える画像形成装置であって、
前記画像読取部は、前記画像形成部に対して閉じた第1位置と前記画像形成部に対して開いた第2位置との間で移動可能であり、
前記載置部は、前記画像読取部が前記第1位置と前記第2位置との間で移動するのに連動して、前記画像形成部の上部に設けられた開口を覆う閉位置と前記開口を開放する開位置との間で移動可能であり、
前記画像形成装置においてユーザが前記載置部から記録材を取り出すために開放された側を取り出し側として、
前記載置部が前記開位置にあり、前記画像読取部が前記第2位置にある状態において、前記載置部は、前記
第2位置における前記画像読取部の前記取り出し側の端部と
前記開位置における前記載置部の前記取り出し側の端部との間の距離を、前記
第1位置における前記画像読取部の前記取り出し側の端部と
前記閉位置における前記載置部の前記取り出し側の端部との間の距離より大きくする方向に移動可能であ
り、
前記画像読取部が前記第1位置にあるときに前記載置部を前記閉位置で支持する第1支持部を有し、
前記画像読取部は、前記画像読取部が前記第2位置にあるときに前記載置部を前記開位置で前記画像読取部に対し回動可能に支持する第2支持部を有し、
前記載置部は、前記画像読取部が前記第1位置と前記第2位置との間で移動するのに連動して、前記載置部が前記第1支持部によって支持される状態と前記載置部が前記第2支持部によって支持される状態との間で移動し、
前記第2支持部は、前記画像読取部が前記第2位置にあるときに、前記載置部の積載面のうち、前記載置部の回動中心よりも前記取り出し側にある積載面を前記画像読取部から離す向きに回動可能に支持することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像読取部が前記第2位置にあるときに、前記載置部の積載面のうち、前記載置部の回動中心よりも前記取り出し側の積載面を前記画像読取部に近づける向きに付勢する付
勢部材を備える請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
記録材に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部から排出される記録材が載置される載置部と、
前記画像形成部の上方に配置され原稿画像を読み取る画像読取部と、
を備える画像形成装置であって、
前記画像読取部は、前記画像形成部に対して閉じた第1位置と前記画像形成部に対して開いた第2位置との間で移動可能であり、
前記載置部は、前記画像読取部が前記第1位置と前記第2位置との間で移動するのに連動して、前記画像形成部の上部に設けられた開口を覆う閉位置と前記開口を開放する開位置との間で移動可能であり、
前記画像形成装置においてユーザが前記載置部から記録材を取り出すために開放された側を取り出し側として、
前記載置部が前記開位置にあり、前記画像読取部が前記第2位置にある状態において、前記載置部は、前記第2位置における前記画像読取部の前記取り出し側の端部と前記開位置における前記載置部の前記取り出し側の端部との間の距離を、前記第1位置における前記画像読取部の前記取り出し側の端部と前記閉位置における前記載置部の前記取り出し側の端部との間の距離より大きくする方向に移動可能であり、
前記画像読取部は、前記画像読取部が前記第1位置と前記第2位置との間で移動する際に常に前記載置部を支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記画像読取部が前記第2位置にあるときに、前記載置部を前記取り出し側に向かって引き出し可能に支持する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記載置部を前記取り出し側と反対側に向かって付勢する付勢部材を備える請求項
3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記載置部は、積載面に載置された記録材の前記取り出し側とは反対側の端部に接触する壁部を有する請求項1~
4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記載置部は、前記画像読取部の前記第2位置への移動に連動して前記載置部が前記開位置に移動した状態から、前記画像読取部の前記取り出し側の端部と前記載置部の前記取り出し側の端部との間の距離が、前記状態における前記画像読取部の前記取り出し側の端部と前記載置部の前記取り出し側の端部との間の距離より小さくなる方向に移動可能に支持される請求項1~
5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、画像形成部の上部に画像読取部を具備する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、画像形成部の上部に画像読取部を備え、画像形成部と画像読取部との間に、画像形成部から排出される記録材が載置される載置部が配置された複合機がある。このような複合機においては、画像形成部のトラブル処理や、内部の清掃、消耗部品の交換などのメンテナンスを行うために、画像読取部と載置部が画像形成部に対して上方に回動し、画像形成部の内部を開放できるように構成されている。特許文献1には、載置部を閉じたまま画像読取部を開放し、画像読取部を開位置で保持する構成や、画像読取部を開位置で保持した状態で載置部を開き、画像読取部とともに開位置で保持する構成が記載されている。また、画像読取部及び載置部を開位置で保持した状態から画像読取部を回動させることで、画像読取部及び載置部を閉じる構成が記載されている。また、特許文献2には、ラッチ解放ボタンを押し、画像読取部及び載置部を同時に開放した後、画像読取部及び載置部をさらに上方へ押し上げるとリンク部材が画像読取部及び載置部を支持し、開状態を維持する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-18038号公報
【文献】特開2005-189551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術では、画像形成部の内部にアクセスするために、画像読取部を保持位置まで開く操作をし、その後、載置部を開く操作を行うので、ユーザの操作回数が多い。画像読取部及び載置部が同時に開くため、画像読取部と載置部の隙間が狭いと、搬送方向に短いシートを取り出す操作や載置部に落下した小さな異物を除去する操作などを容易に行えない。本発明は、画像形成部の上部に載置部を挟んで画像読取部を備え、画像形成部の内部や載置部へのアクセスが容易な画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、
記録材に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部から排出される記録材が載置される載置部と、
前記画像形成部の上方に配置され原稿画像を読み取る画像読取部と、
を備える画像形成装置であって、
前記画像読取部は、前記画像形成部に対して閉じた第1位置と前記画像形成部に対して開いた第2位置との間で移動可能であり、
前記載置部は、前記画像読取部が前記第1位置と前記第2位置との間で移動するのに連
動して、前記画像形成部の上部に設けられた開口を覆う閉位置と前記開口を開放する開位置との間で移動可能であり、
前記画像形成装置においてユーザが前記載置部から記録材を取り出すために開放された側を取り出し側として、
前記載置部が前記開位置にあり、前記画像読取部が前記第2位置にある状態において、前記載置部は、前記第2位置における前記画像読取部の前記取り出し側の端部と前記開位置における前記載置部の前記取り出し側の端部との間の距離を、前記第1位置における前記画像読取部の前記取り出し側の端部と前記閉位置における前記載置部の前記取り出し側の端部との間の距離より大きくする方向に移動可能であり、
前記画像読取部が前記第1位置にあるときに前記載置部を前記閉位置で支持する第1支持部を有し、
前記画像読取部は、前記画像読取部が前記第2位置にあるときに前記載置部を前記開位置で前記画像読取部に対し回動可能に支持する第2支持部を有し、
前記載置部は、前記画像読取部が前記第1位置と前記第2位置との間で移動するのに連動して、前記載置部が前記第1支持部によって支持される状態と前記載置部が前記第2支持部によって支持される状態との間で移動し、
前記第2支持部は、前記画像読取部が前記第2位置にあるときに、前記載置部の積載面のうち、前記載置部の回動中心よりも前記取り出し側にある積載面を前記画像読取部から離す向きに回動可能に支持することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の画像形成装置によれば、画像形成部の上部に載置部を挟んで画像読取部を備え、画像形成部の内部や載置部へのアクセスが容易な画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態1における複合機10の断面構成概略図である。
【
図2】実施形態1における複合機10の第1姿勢(閉状態)の断面概略図である。
【
図3】実施形態1における複合機10の第2姿勢の断面概略図である。
【
図4】実施形態1における複合機10の第3姿勢の断面概略図である。
【
図5】実施形態1における複合機10の第4姿勢の断面概略図である。
【
図6】実施形態1における複合機10の第5姿勢の断面概略図である。
【
図7】実施形態2における複合機10の第1姿勢(閉状態)の断面概略図である。
【
図8】実施形態2における複合機10の第2姿勢の断面概略図である。
【
図9】実施形態2における複合機10の第3姿勢の断面概略図である。
【
図10】実施形態2における複合機10の第4姿勢の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について説明をする。実施形態1では、画像形成部100の上部に画像読取部200を具備した複合機10を例示して説明する。また実施形態1における座標軸を、
図1に示すように水平方向をX軸、垂直方向をZ軸とし、搬送されるシートSの紙幅方向をY軸と定義する。
【0009】
まず
図1を用いて、実施形態1の複合機10の構成及び画像形成プロセスについて説明する。
図1は複合機10の概略断面図である。画像形成装置としての複合機10は大きく分けて画像形成部100と画像読取部200からなる。
【0010】
画像形成部100は転写部11、シート搬送装置12、レーザースキャナユニット13、定着装置14、両面装置15、排紙トレイ101、給紙カセット16を備え、記録材であるシートSに画像を形成する。給紙カセット16に収納された記録材であるシートSがプリント命令と共にシート搬送装置12により転写部11に送られる。転写部11は、画像形成部100に対して着脱可能なプロセスカートリッジ20を有し、プロセスカートリッジ20内には像担持体である感光ドラム21を備えている。プリント命令の画像情報に基づき、レーザースキャナユニット13からレーザー光が照射され、感光ドラム21の表面上に静電潜像が形成される。この静電潜像は不図示の現像装置によって現像され、感光ドラム21の表面上にトナー画像が形成される。トナー画像は送り込まれた記録材であるシートSに転写された後、定着装置14へ搬送される。定着装置14によってトナー画像が記録材であるシートSに定着されることで1面目のプリントが完了する。その後、シートSは搬送ローラ対により排紙トレイ101の積載面102に排出されるか、又は両面装置15へ搬送される。両面装置15へ搬送されたシートSは両面搬送パスを通り、再び転写部11へ送られ1面目と同様のプロセスで2面目のプリントが行われる。2面目のプリントが完了したシートSは搬送ローラ対により、画像形成部から排出されるシートSが載置される載置部である排紙トレイ101の積載面102に排出される。ここで、画像形成装置としての複合機10においてユーザが載置部としての排紙トレイ101からシートSを取り出すために開放された側、すなわち画像形成部100と画像読取部200の間の隙間がある側(
図1において右側)を取り出し側とする。
【0011】
画像読取部200は、原稿画像を読み取る公知のフラットベット型のスキャナであり、内部構造についても従来のフラットベット型スキャナと同様であるので、その説明を省略する。画像読取部200は画像形成部100の上方に配置され原稿画像を読み取る。画像読取部200は、画像形成部100に対して回動中心201を中心に回動可能に取り付けられており、ユーザが画像読取部200の前方部分202付近を
図1で半時計回りに持ち上げることで開くことができる。
【0012】
次に
図2を用いて、複合機10の開閉機構について詳細に説明する。
図2は複合機10の第1姿勢(閉状態)を示した概略断面図である。第1姿勢は、画像読取部200及び排紙トレイ101は画像形成部100に対して閉じた状態であり、プリント動作などの複合機10の通常動作は第1姿勢において行われる。第1姿勢における排紙トレイ101は、画像形成部100の上部に設けられた開口を覆う閉位置にある。第1姿勢における画像読取部200は画像形成部100に対して閉じた位置である第1位置にある。画像読取部200には不図示の位置決め形状が設けられており、画像形成部100に設けられた不図示の位置決め形状と係合することで画像読取部200の位置が決まる。排紙トレイ101にはボスA103及びボスB104がY軸方向両端部に対称に設けられており、画像形成部100に設けられた溝A106及び溝B107とそれぞれ係合することで排紙トレイ101の位置が決まる。画像形成部100の溝A106及び溝B107は、画像読取部200が画像形成部100に対して閉じた位置である第1位置にあるときに載置部である排紙トレイ101を閉位置で支持する第1支持部である。画像読取部200には保持部A203及び保持部B204がY軸方向両端部に対称に設けられる。第1姿勢において、ボスA103と第1支持部としての溝A106とは接触しており、保持部A203に設けられた底A206とボスA103との間には隙間が存在する。また、ボスB104と第1支持部としての溝B107とは接触しており、保持部B204に設けられた底B207とボスB104との間には隙間が存在する。またボスB104と画像形成部100に設けられたバネ固定部108との間には引張りバネ109が配置され、ボスB104を介して排紙トレイ101を下方向(画像形成部100方向)に常に付勢している。また、排紙トレイ101は、排出されたシートSを積載するための積載面102と、積載されたシートSの搬送方向上流側端部(取り出し側とは反対側の端部)と接触することで積載されたシートSを整列させるための壁部である立ち壁105を有する。
【0013】
この第1姿勢における画像読取部200の前面部205と排紙トレイ101の前面部110の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離を開口距離A1とする。画像読取部200の前面部205は、画像読取部200の取り出し側の端部である。排紙トレイ101の前面部110は、載置部としての排紙トレイ101の取り出し側の端部である。画像読取部200の前面部205は、画像読取部200の前方部分202付近の+X方向及び-Z方向の角部を指している。排紙トレイ101の前面部110は、排紙トレイ101の積載面102の+X方向端部を指している。開口距離A1は、ユーザが複合機10の前面から排紙トレイ101の積載面102又は壁部である立ち壁105に向かう方向(-X方向)(取り出し側とは反対側)に手などでアクセスする際、最初に手を入れる領域(隙間)のZ方向の大きさである。A4サイズやレターサイズなどの大サイズのシートSに画像形成した場合、排出されたシートSの下流側端部は排紙トレイ101の前面部110付近に位置する。従って、ユーザは、画像読取部200と排紙トレイ101との間の隙間の奥まで(-X方向に)手を入れなくても、排紙トレイ101に排出された大サイズのシートSを排紙トレイ101から取り出すことができる。そのため、第1姿勢において、ユーザは、排紙トレイ101に排出された大サイズのシートSを排紙トレイ101から取り出すことが可能である。開口距離A1は大きいほうが排紙トレイ101からシートSを取り出すユーザの操作性は良好になるが、開口距離A1を大きくすると複合機10のサイズが大きくなってしまう。
【0014】
また、第1姿勢における排紙トレイ101の前面部110と画像形成部100の外装端部111の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離を開口距離B1とする。画像形成部100の外装端部111は、画像形成部100の前方部分112付近における排紙トレイ101の前面部110に最も近い角部を指している。開口距離B1は、ユーザが画像形成部100の内部に手などでアクセスする際、最初に手を入れる領域(隙間)のX方向の大きさである。ユーザは、プロセスカートリッジ20を交換する操作や、画像形成部100の内部に残留したシートSを除去する操作(ジャム処理)において、最初に開口距離B1の隙間に手を入れる。第1姿勢では、排紙トレイ101は画像形成部100に対して閉じているため、開口距離B1は0に近く、ユーザは画像形成部100の内部に手を入れることができない。
【0015】
次に、
図3は、複合機10の第2姿勢を示した概略断面図である。第2姿勢は、第1姿勢から画像読取部200を開放方向(
図3で反時計回り)にα°回動させた姿勢である。第2姿勢において、画像読取部200の前面部205と排紙トレイ101の前面部110の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離A2になり、第1姿勢における開口距離A1よりも大きくなる。これにより、画像読取部200の前面部205と排紙トレイ101の前面部110との隙間にユーザが手を入れる際の操作性が向上する。このため、大サイズのシートSよりも搬送方向の長さが短いA5サイズや封筒サイズなどの中サイズのシートSをユーザが排紙トレイ101から取り出す際の操作性が良好である。また、画像読取部200は不図示のラッチにより回動が規制されるため、ユーザが画像読取部200から手を離しても複合機10は第2姿勢を保ったまま静止することができる。従って、ユーザは、複合機10を第2姿勢に保つために画像読取部200を手で支える必要がないため、排紙トレイ101からシートSを取り出す際の操作性が良好である。第2姿勢において、画像読取部200は、第1姿勢から開放方向(
図3で反時計回り)にα°回動しているため、保持部A203及び保持部B204の位置は第1姿勢から開放方向に移動する。これにより、排紙トレイ101のボスA103は、画像読取部200の保持部A203の底A206と接触する。一方、排紙トレイ101のボスB104は、画像形成部100の溝B107と接触するが、画像読取部200の保持部B204の底B207との間には隙間が存在したままである。
【0016】
また、第2姿勢における排紙トレイ101の前面部110と画像形成部100の外装端部111の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離B2となり、第1姿勢における開口距離B1と同じく0に近いままである。よって、複合機10が第1姿勢にあるときと同じく、ユーザは画像形成部100の内部に手を入れることができない。
【0017】
次に、
図4は、複合機10の第3姿勢を示した概略断面図である。第3姿勢は、第2姿勢から画像読取部200をさらに開いた状態であり、第3姿勢における画像読取部200は、第1姿勢における画像読取部200に対し、開放方向にβ°回動させた位置にある。第3姿勢における排紙トレイ101は、画像形成部100の上部に設けられた開口を開放する開位置にある。第3姿勢における画像読取部200は画像形成部100に対して開いた位置である第2位置にある。第2姿勢から第3姿勢に変化する途中で、排紙トレイ101のボスB104と、画像読取部200の保持部B204の底B207とは、これらの間に存在していた隙間がなくなり、接触する。また、排紙トレイ101のボスA103と、画像読取部200の保持部A203の底A206とは、第2姿勢の状態で接触している。従って、第2姿勢から第3姿勢に変化する途中で、画像読取部200の回動に連動して排紙トレイ101が持ち上げられる。画像読取部200の保持部A203と保持部B204は、画像読取部200が画像形成部100に対して開いた位置である第2位置にあるときに排紙トレイ101を開位置で支持する第2支持部である。排紙トレイ101には、ボスB104に取り付けられた引張りバネ109の付勢力により、
図4において反時計回りの
モーメントが常にかかっている。そのため、第3姿勢において持ち上げられた排紙トレイ101は、ボスA103と画像読取部200の保持部A203の底A206が接触し、かつ、ボスB104と画像読取部200の保持部B204の底B207が接触した状態で、静止する。よって排紙トレイ101は第2姿勢と比較してボスA103を回動中心としてθ1°だけ
図4において反時計回りに回動した位置で静止する。そのため、第3姿勢における画像読取部200の前面部205と排紙トレイ101の前面部110の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離A3になり、第2姿勢における開口距離A2よりも小さくなる。
【0018】
また、第3姿勢における排紙トレイ101の前面部110と画像形成部100の外装端部111の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離B3になり、第2姿勢における開口距離B2よりも大きくなる。開口距離B3は、ユーザが画像形成部100の内部に手などでアクセスし、プロセスカートリッジ20を交換する操作や画像形成部100の内部に残留したシートSの除去(ジャム処理)する操作を行うために十分な大きさである。また、画像読取部200は、不図示のラッチにより回動が規制されるため、ユーザが画像読取部200から手を離しても複合機10は第3姿勢を保ったまま静止することができる。以上の構成から、ユーザは、第1姿勢にある複合機10において、画像読取部200を開放方向にβ°回動させるという1回の操作で、複合機10を第3姿勢にして画像読取部200及び排紙トレイ101を開放位置に移動させることができる。従って、良好な操作性を実現できる。
【0019】
次に、
図5は、複合機10の第4姿勢を示した概略断面図である。第4姿勢は、第3姿勢から排紙トレイ101を下方(
図5で時計回り)にγ°回動させた状態である。第3姿勢において、ユーザが排紙トレイ101の前面部110を下方に押し下げることで、排紙トレイ101はボスA103を中心として時計回りに回動する。これによりボスB104は画像読取部200の保持部B204の底B207から離れ、排紙トレイ101は画像読取部200に設けられた突き当て面208に突き当たるまで時計回りに回動可能である。排紙トレイ101のボスA103を支持する画像読取部200の保持部A203は、載置部としての排紙トレイ101を開位置で画像読取部200に対し回動可能に支持する第2支持部である。
【0020】
第4姿勢における画像読取部200の前面部205と排紙トレイ101の前面部110の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離A4になり、第2姿勢における開口距離A2及び第3姿勢における開口距離A3よりも大きくなる。そのため、排紙トレイ101の最深部へアクセスが容易になる。従って、先述した中サイズのシートSよりも搬送方向の長さがさらに短いA6サイズや葉書サイズなどの小サイズのシートSを取り出す際には、第2姿勢よりも第4姿勢のほうが取り出しやすい。すなわち、排紙トレイ101は、第3姿勢の開位置における画像読取部200の前面部205と排紙トレイ101の前面部110との間の距離を、第1姿勢の閉位置における前面部205と前面部110との間の距離より大きくする方向に移動可能である。画像読取部200の第3姿勢への移動に連動して排紙トレイ101が第3姿勢の開位置に移動した状態から、前面部205と前面部110との間の開口距離が第3姿勢の開位置における開口距離より大きくなる方向に排紙トレイ101を移動させることができる。第2支持部としての画像読取部200の保持部A203は、画像読取部200が第3姿勢(第2位置)にあるときに、排紙トレイ101の積載面102のうち回動中心であるボスA103よりも取り出し側を画像読取部200から離す向きに回動可能に支持する。また、第4姿勢における排紙トレイ101の前面部110と画像形成部100の外装端部111の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離B4になり、開口距離B3よりも小さくなる。
【0021】
第4姿勢において、ユーザが排紙トレイ101を下方(
図5で時計回り)に押し下げる
力を解除すると、付勢部材である引張りバネ109の付勢力により排紙トレイ101はボスA103を中心として反時計回りに回動し第3姿勢に戻る。付勢部材である引張りバネ109は、画像読取部200が第3姿勢(第2位置)にあるときに、排紙トレイ101の積載面102のうち回動中心としてのボスA103よりも取り出し側の積載面を画像読取部200に近づける向きに付勢する付勢部材である。ユーザは、第4姿勢において目的の操作を完了した後、排紙トレイ101から手を離せば、自動的に第3姿勢に戻る。目的の操作のために第4姿勢に変化させても第3姿勢に容易に戻すことができるため、画像形成部100の内部へのアクセスなどの操作性が低下しない。第4姿勢から第3姿勢に戻る際に排紙トレイ101が急激に回動することを抑制するためにダンパーを設けてもよい。また、ユーザが誤って排紙トレイ101の積載面102に異物を落下させてしまう場合がある。複合機10の誤作動を防ぐために、このような場合に異物が画像形成部100内部に落下しないようにすることが望ましい。実施形態1においては、第1姿勢から第4姿勢までのいずれの姿勢においても、排紙トレイ101の壁部である立ち壁105によって、異物が画像形成部100の内部に落下することが抑制される。さらに、第4姿勢では排紙トレイ101の最深部へのアクセスが容易であるため、排紙トレイ101の積載面102にある異物を除去する操作性が良い。
【0022】
次に、
図6は、複合機10の第5姿勢を示した概略断面図である。第5姿勢は、第3姿勢から排紙トレイ101を上方(
図6で反時計回り)にθ2°回動させた状態である。第3姿勢において、ユーザが排紙トレイ101の前面部110を上方に押し上げることで、排紙トレイ101はボスB104を中心として反時計回りに回動する。これによりボスA103は画像読取部200の保持部A203の底A206から離れ、排紙トレイ101が画像読取部200に接触するまで反時計回りに移動可能である。
【0023】
第5姿勢における画像読取部200の前面部205と排紙トレイ101の前面部110の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離A5になり、第3姿勢における開口距離A3よりも小さくなる。すなわち、載置部としての排紙トレイ101は、第3姿勢において開位置にあるときに、画像読取部200の取り出し側の端部である前面部205と排紙トレイ101の取り出し側の端部である前面部110との間の距離を小さくする方向にさらに移動可能である。画像読取部200の移動に連動して排紙トレイ101が第3姿勢の開位置に移動した状態から、前面部205と前面部110との間の開口距離が第3姿勢の開位置における開口距離より小さくなる方向に、排紙トレイ101を移動させることができる。また、第5姿勢における排紙トレイ101の前面部110と画像形成部100の外装端部111の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離B5になり、第3姿勢における開口距離B3よりも大きくなる。そのため、プロセスカートリッジ20を交換する操作や、画像形成部100の内部に残留したシートSを除去する操作(ジャム処理)の操作性が良い。
【0024】
実施形態1の複合機10の画像読取部200及び排紙トレイ101は、以上説明した第1姿勢から第5姿勢まで移動可能に構成される。画像読取部200は、画像形成部100に対して閉じた第1位置としての第1姿勢と、画像形成部100に対して開いた第2位置としての第3姿勢と、を含む第1姿勢から第5姿勢までの間で移動可能である。排紙トレイ101は、画像形成部100が第1位置(第1姿勢)と第2位置(第3姿勢)との間で移動するのに連動して、画像形成部100の上部に設けられた開口を覆う閉位置と開口を開放する開位置との間で移動可能である。画像読取部200の移動に連動して、排紙トレイ101が第1支持部である画像形成部100の溝A106及び溝B107により支持される状態と、第2支持部である画像読取部200の保持部A203及び保持部B204により支持される状態との間で移動する。ユーザは、カートリッジ交換やジャム処理の操作を行う場合、複合機10を第1姿勢から第3姿勢又は第5姿勢に変化させるという最小限の操作で、複合機10を画像形成部100の内部に容易にアクセス可能な状態にできる。
また、ユーザは、排紙トレイ101から小サイズのシートSや異物を取り出す操作を行う場合、複合機10を第1姿勢から第4姿勢に変化させるという最小限の操作で、画像読取部200と排紙トレイ101の間の隙間を拡げることができる。従って、排紙トレイ101の奥まで容易にアクセス可能な状態にできる。このように、ユーザは、目的の操作に応じて画像読取部200及び排紙トレイ101の位置を第1姿勢から第5姿勢に簡単な操作で変化させることができるため、操作性の良好な複合機10を提供することができる。
【0025】
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2について説明する。実施形態2において、本発明が適用される複合機10の基本構成は実施形態1と同様であるため、実施形態1と同一又は相当する機能や構成を有する要素には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0026】
図7を用いて、実施形態2の複合機10の構成について説明する。
図7は複合機10の第1姿勢(閉状態)を示した概略断面図である。第1姿勢は、画像読取部200及び排紙トレイ101は画像形成部100に対して閉じた状態であり、プリント動作などの複合機10の通常動作は第1姿勢において行われる。第1姿勢における排紙トレイ101は、画像形成部100の上部に設けられた開口を覆う閉位置にある。第1姿勢における画像読取部200は画像形成部100に対して閉じた位置である第1位置にある。実施形態1と同様、画像形成装置としての複合機10は大きく分けて画像形成部100と画像読取部200からなり、原稿画像を読み取る画像読取部200は公知のフラットベット型のスキャナである。原稿画像を読み取る画像読取部200にはレール溝215がY軸方向両端部に対称に設けられ、排紙トレイ101のY軸方向両端部に対称に設けられたボスA103及びボスB104を支持している。また、排紙トレイ101のボスB104と画像読取部200に設けられたバネ固定壁217との間には引張りバネ109が配置されている。これにより、排紙トレイ101はボスB104を介して-X方向に常に付勢され、ボスB104が画像読取部200に設けられた突き当て面218に接触する位置で静止している。
【0027】
次に複合機10の開閉機構について詳細に説明する。第1姿勢における画像読取部200の前面部205と排紙トレイ101の前面部110の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離を開口距離C1とする。開口距離C1は、ユーザが複合機10の前面方向から排紙トレイ101の積載面102又は壁部である立ち壁105に向う方向(-X方向)に手などでアクセスする際、最初に手を入れる領域(隙間)のZ方向の大きさである。画像読取部200の前面部205は、画像読取部200の取り出し側の端部である。排紙トレイ101の前面部110は、載置部としての排紙トレイ101の取り出し側の端部である。
【0028】
また、第1姿勢における排紙トレイ101の前面部110と画像形成部100の外装端部111の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離を開口距離D1とする。開口距離D1は、ユーザが画像形成部100の内部に手などでアクセスする際、最初に手を入れる領域(隙間)のX方向の大きさである。第1姿勢では、排紙トレイ101は画像形成部100に対して閉じているため、開口距離D1は0に近い。
【0029】
次に、
図8は複合機10の第2姿勢を示した概略断面図である。第2姿勢は、第1姿勢から画像読取部200を開放方向(
図8で反時計回り)にδ°回動させた姿勢であり、例えばユーザがプロセスカートリッジ20を交換する操作に適した姿勢である。第2姿勢における排紙トレイ101は、画像形成部100の上部に設けられた開口を開放する開位置にある。第2姿勢における画像読取部200は画像形成部100に対して開いた位置である第2位置にある。排紙トレイ101のボスA103とボスB104は、画像読取部200のレール溝215によって支持されているため、第1姿勢から第2姿勢に変化する途中で、画像読取部200の回動に連動して排紙トレイ101が持ち上げられる。第2姿勢に
おける画像読取部200の前面部205と排紙トレイ101の前面部110の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離C2になり、開口距離C2は第1姿勢における開口距離C1と同じ値である。また、第2姿勢における排紙トレイ101の前面部110と画像形成部100の外装端部111の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離D2になり、第1姿勢における開口距離D1よりも大きい。また、第2姿勢において画像読取部200は不図示のラッチにより回動が規制されるため、ユーザが画像読取部200から手を離しても複合機10は第2姿勢を保ったまま静止する。
【0030】
次に、
図9は複合機10の第3姿勢を示した概略断面図である。第3姿勢は、第2姿勢から排紙トレイ101を複合機10の前方(+X方向)に引き出した姿勢である。第2姿勢において、ユーザが排紙トレイ101の前面部110を複合機10の前方に引き出すと、排紙トレイ101のボスA103及びボスB104は、画像読取部200のレール溝215内をスライドして移動する。このときボスB104は付き当て面218と離れ、ボスA103が画像読取部200に設けられた規制面219に突き当たるまで移動可能である。すなわち、支持部としてのレール溝215は、画像読取部200が第2位置(第2姿勢)にあるときに、載置部としての排紙トレイ101を取り出し側に向かって引き出し可能に支持する。
【0031】
第3姿勢における画像読取部200の前面部110と排紙トレイ101の前面部110の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離C3になり、第2姿勢における開口距離C2よりも大きくなる。従って、排紙トレイ101の積載面102や奥にある立ち壁105へアクセスしやすくなる。すなわち、載置部としての排紙トレイ101は、第2姿勢において開位置にあるときに、画像読取部200の取り出し側の端部である前面部205と排紙トレイ101の取り出し側の端部である前面部110との間の距離を大きくする方向に移動可能である。
【0032】
また第3姿勢における排紙トレイ101の前面部110と画像形成部100の外装端部111の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離D3になり、数値としては第2姿勢における開口距離D2よりも大きくなる。第3姿勢では、排紙トレイ101の形状によっては立ち壁105付近が外装端部111と近くなるため、開口距離D3と開口距離D2の大小関係によらず、画像形成部100の内部へのアクセスなどの操作性については第2姿勢と大差ない場合がある、
【0033】
第3姿勢において、ユーザが排紙トレイ101を複合機10の前方に引き出す力を解除すると、ボスB104を介して作用する引張りバネ109の付勢力により、排紙トレイ101は複合機10の後方(取り出し方向とは反対側)へ向かって移動する。引張りバネ109は、排紙トレイ101を取り出し側とは反対側に向かって付勢する付勢部材である。ボスB104が突き当て面218に接触するまで排紙トレイ101が移動すると、第2姿勢に戻る。そのため、ユーザは、第3姿勢において目的の操作を完了した後、排紙トレイ101から手を離せば、自動的に第2姿勢に戻るため、画像形成部100の内部へのアクセスなどの操作性が低下しない。第3姿勢から第2姿勢に戻る際に排紙トレイ101が急激に移動することを抑制するためにダンパーを設けてもよい。
【0034】
次に、
図10は複合機10の第4姿勢を示した概略断面図である。第4姿勢は、第3姿勢から排紙トレイ101を上方(
図10で反時計回り)にθ3°回動させた状態である。第3姿勢において、ユーザが排紙トレイ101の前面部110を上方に押し上げることで、排紙トレイ101はボスB104を中心として反時計回りに回動する。これにより排紙トレイ101が画像読取部200に接触するまで反時計回りに移動可能である。
【0035】
第4姿勢における画像読取部200の前面部205と排紙トレイ101の前面部110の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離C4になり、第3姿勢における開口距離C3よりも小さくなる。すなわち、載置部としての排紙トレイ101は、第2姿勢において開位置にあるときに、画像読取部200の取り出し側の端部である前面部205と排紙トレイ101の取り出し側の端部である前面部110との間の距離を小さくする方向に移動可能である。また、第4姿勢における排紙トレイ101の前面部110と画像形成部100の外装端部111の断面方向(Y軸に垂直な断面に平行な方向)の最短距離は開口距離D4になり、第3姿勢における開口距離D3よりも大きくなる。そのため、プロセスカートリッジ20を交換する操作や、画像形成部100の内部に残留したシートSを除去する操作(ジャム処理)の操作性が良い。
【0036】
実施形態2の複合機10の画像読取部200及び排紙トレイ101は、以上説明した第1姿勢から第4姿勢まで移動可能に構成される。画像読取部200は、画像形成部100に対して閉じた第1位置としての第1姿勢と、画像形成部100に対して開いた第2位置としての第2姿勢と、を含む第1姿勢から第4姿勢までの間で移動可能である。排紙トレイ101は、画像形成部100が第1位置(第1姿勢)と第2位置(第2姿勢)との間で移動するのに連動して、画像形成部100の上部に設けられた開口を覆う閉位置と開口を開放する開位置との間で移動可能である。画像読取部200のレール溝215は、画像読取部200が第1位置(第1姿勢)と第2位置(第2姿勢)との間で移動する際に常に排紙トレイ101を支持する支持部である。ユーザは、カートリッジ交換やジャム処理の操作を行う場合、複合機10を第1姿勢から第2姿勢又は第4姿勢に変化させるという最小限の操作で、複合機10を画像形成部100の内部に容易にアクセス可能な状態にできる。また、ユーザは、排紙トレイ101から小サイズのシートSや異物を取り出す操作を行う場合、複合機10を第1姿勢から第3姿勢に変化させるという最小限の操作で、画像読取部200と排紙トレイ101の間の隙間を拡げることができる。従って、排紙トレイ101の奥まで容易にアクセス可能な状態にできる。このように、ユーザは、目的の操作に応じて画像読取部200及び排紙トレイ101の位置を第1姿勢から第4姿勢に簡単な操作で変化させることができるため、操作性の良好な複合機10を提供することができる。
【符号の説明】
【0037】
10:複合機、100:画像形成部、101:排紙トレイ、102:積載面、110:前面部、200:画像読取部、205:前面部