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特許7547126基板貼合装置、及び半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】基板貼合装置、及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20240902BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
H01L21/02 B
H01L21/68 N
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020150678
(22)【出願日】2020-09-08
(65)【公開番号】P2022045156
(43)【公開日】2022-03-18
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川田原 奨
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/093284(WO,A1)
【文献】特開2015-146339(JP,A)
【文献】特開平06-084735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板を吸着し、第1の磁力発生部を有する第1の吸着ステージと、
前記第1の基板に対向して配され、第2の基板を吸着し、前記第1の磁力発生部に対向する第2の磁力発生部を有する第2の吸着ステージと、
を備え、
前記第1の吸着ステージは、第1の吸着面を有し、
前記第1の磁力発生部は、前記第1の吸着面に沿った方向に配列された複数の第1のコイルを含み、
前記第2の吸着ステージは、第2の吸着面を有し、
前記第2の磁力発生部は、前記第2の吸着面に沿った方向に配列された複数の第2のコイルを含む
基板貼合装置。
【請求項2】
前記第1の吸着ステージは、
前記複数の第1のコイルの間に配され、前記第1の基板を吸着可能である第1の吸着部と、
前記複数の第1のコイルの間に配され、前記第1の基板上の基準マークを撮像する第1の撮像素子と、
をさらに有し、
前記第2の吸着ステージは、
前記複数の第2のコイルの間に配され、前記第2の基板を吸着可能である第2の吸着部と、
前記複数の第2のコイルの間に配され、前記第2の基板上の基準マークを撮像する第2の撮像素子と、
をさらに有する
請求項1に記載の基板貼合装置。
【請求項3】
前記複数の第1のコイルのうちの1つと前記複数の第1のコイルのうちの前記1つとは異なる少なくとも1つを互いに独立して制御し、前記複数の第2のコイルのうちの1つと前記複数の第2のコイルのうちの前記1つとは異なる少なくとも1つを互いに独立して制御するコントローラをさらに備えた
請求項2に記載の基板貼合装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記複数の第1のコイルのうち隣接する2つを互いに異極となるように制御し、前記複数の第1のコイルのうち隣接する2つを互いに異極となるように制御する
請求項3に記載の基板貼合装置。
【請求項5】
前記コントローラは、互いに対向する前記複数の第1のコイルのうちの1つと前記複数の第2のコイルのうちの1つとに対して互いに逆極性で磁力を発生させ、前記複数の第1のコイルのうち、磁力を発生させるコイルの個数を時間の経過と共に増加させ、前記複数の第2のコイルのうち、磁力を発生させるコイルの個数を時間の経過と共に増加させる
請求項3に記載の基板貼合装置。
【請求項6】
前記コントローラは、互いに対向する前記複数の第1のコイルのうちの1つと前記複数の第2のコイルのうちの1つとに対して互いに逆極性で磁力を発生させ、前記複数の第1のコイルのうち、磁力を発生させるコイルを時間の経過と共に前記第1吸着面中心から、前記第1吸着面外周領域へ拡大させ、前記複数の第2のコイルのうち、磁力を発生させるコイルを時間の経過と共に前記第2吸着面中心から、前記第2吸着面外周領域へ拡大させる
請求項3に記載の基板貼合装置。
【請求項7】
前記第1の吸着ステージは、前記複数の第1のコイルを前記第1の基板側で平面的に覆う第1の弾性部材をさらに有し、
前記第2の吸着ステージは、前記複数の第2のコイルを前記第2の基板側で平面的に覆う第2の弾性部材をさらに有する
請求項1に記載の基板貼合装置。
【請求項8】
前記第1の基板の面形状に応じて前記複数の第1のコイルを互いに独立して制御し、前記第2の基板の面形状に応じて前記複数の第2のコイルを互いに独立して制御するコントローラをさらに備えた
請求項7に記載の基板貼合装置。
【請求項9】
第1の基板が吸着された第1の吸着ステージで第1の磁力発生部に電流を供給して磁力を発生させるとともに第2の基板が吸着された第2の吸着ステージで第2の磁力発生部に電流を供給して第1の磁力発生部との間で互いに引き合う磁力を発生させることと、
前記第1の吸着ステージで前記第1の磁力発生部に電流を供給して磁力を発生させる領域を拡大し、前記第2の吸着ステージで前記第2の磁力発生部に電流を供給して磁力を発生させる領域を拡大させることと、
前記第1の基板及び前記第2の基板を基板貼合装置に搬入させることと、
前記第1の吸着ステージに前記第1の基板を吸着させ、前記第2の吸着ステージに前記第2の基板を吸着させることと、
第1の撮像素子を用いて前記第1の基板の基準マークを撮像し、第2の撮像素子を用いて前記第2の基板の基準マークを撮像して、前記第1の基板と前記第2の基板との位置合わせを行うことと、
前記第1の基板と前記第2の基板とを互いに接近させた後に、前記第1の吸着ステージで磁力を発生させる領域を拡大し、前記第2の吸着ステージで磁力を発生させる領域を拡大して、前記第1の基板と前記第2の基板とを貼合して積層基板を形成することと、
前記積層基板を前記基板貼合装置から搬出することと、
を備えた半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1の吸着ステージ及び前記第2の吸着ステージで磁力を発生させることは、
前記第1の基板の中央部及び前記第2の基板の中央部で磁力を発生開始させることを含み、
前記第1の吸着ステージ及び前記第2の吸着ステージで磁力を発生させる領域を拡大させることは、
前記第1の基板の中央部及び前記第2の基板の中央部からそれぞれ外側へ磁力を発生させる領域を拡大させることを含む
請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、基板貼合装置、及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板貼合装置は、2枚の基板を2つの吸着ステージに吸着させ、2つの吸着ステージを互いに近づけることで、2枚の基板を貼り合わせる。このとき、2枚の基板を適切に貼り合わせることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3318776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの実施形態は、2枚の基板を適切に貼り合わせることができる基板貼合装置、及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態によれば、第1の吸着ステージと第2の吸着ステージとを有する基板貼合装置が提供される。第1の吸着ステージは、第1の基板を吸着する。第1の吸着ステージは、第1の磁力発生部を有する。第2の吸着ステージは、第1の基板に対向して配される。第2の吸着ステージは、第2の基板を吸着する。第2の吸着ステージは、第2の磁力発生部を有する。第2の磁力発生部は、第1の磁力発生部に対向する。第1の吸着ステージは、第1の吸着面を有し、第1の吸着面に沿った方向に配列された複数の第1のコイルを含む。第2の吸着ステージは、第2の吸着面を有し、第2の吸着面に沿った方向に配列された複数の第2のコイルを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態にかかる基板貼合装置が適用された製造システムの構成を示す図である。
図2図2は、実施形態にかかる基板貼合装置の構成を示す図である。
図3図3は、実施形態における吸着ステージの構成を示す図である。
図4図4は、実施形態における電磁素子の構成を示す図である。
図5図5は、実施形態にかかる基板貼合装置の構成を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態にかかる基板貼合装置の動作を示す図である。
図7図7は、実施形態にかかる基板貼合装置の動作を示す図である。
図8図8は、実施形態にかかる基板貼合装置の動作を示す図である。
図9図9は、実施形態にかかる基板貼合装置の動作を示す図である。
図10図10は、実施形態にかかる基板貼合装置の動作を示す図である。
図11図11は、実施形態にかかる基板貼合装置の動作を示す図である。
図12図12は、実施形態にかかる基板貼合装置の動作を示す図である。
図13図13は、実施形態にかかる基板貼合装置の動作を示す図である。
図14図14は、実施形態の第1の変形例における吸着ステージの構成を示す図である。
図15図15は、実施形態の第2の変形例にかかる基板貼合装置の構成を示す図である。
図16図16は、実施形態の第2の変形例における吸着ステージの構成を示す図である。
図17図17は、実施形態の第2の変形例にかかる基板貼合装置の動作を示す図である。
図18図18は、実施形態の第2の変形例にかかる基板貼合装置の動作を示す図である。
図19図19は、実施形態の第2の変形例にかかる基板貼合装置の動作を示す図である。
図20図20は、実施形態の第3の変形例における吸着ステージの構成を示す図である。
図21図21は、実施形態の第4の変形例にかかる基板貼合装置の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる基板貼合装置を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(実施形態)
実施形態にかかる基板貼合装置は、2枚の基板(例えば、2枚のウェハ)を2つの吸着ステージに吸着させ、2枚の基板を貼り合わせる。例えば、2枚の基板の電極同士を接合して半導体集積回路を構成することで、半導体集積回路を高密度化、高機能化できる。すなわち、対となる2枚の基板のそれぞれの表面に接合電極を形成し、2枚の基板を重ね合わせて電極同士を接合し、基板の積層を完成させる。積層基板では、その貼り合わせの界面にボイド(空洞)があると、積層基板に要求される機能(例えば、電極同士の電気的な接合)の実現が困難になる可能性がある。
【0009】
2枚の基板を貼り合わせる貼合技術では、第1の基板をストライカー等の押圧部材で第2の基板側に押し付けて2枚の基板を貼り合わせることがある。このとき、第1の基板の端は、自重で第2の基板に接触し得る。基板における中心部で押圧部材により圧力を掛けた部分は圧着されるが、基板における外周部は基板の自重で意図しない圧力がかかることがある。これにより、基板の縁が接合してしまうと、基板内側の空気(ボイド欠陥の種)が抜けきらない可能性が大きい。すなわち、基板における外周部が外周部より内側の部分より先に圧着してしまうと空気が抜けきらなくなりボイド欠陥のタネになる。そのため、基板貼合装置には、界面におけるボイド(空洞)の生成が抑制されるような貼合動作が望まれる。
【0010】
それに対して、下側の吸着ステージ内に複数の電磁石を配置し、上側の吸着ステージに磁性盤を配置して、基板貼合装置を構成することが考えられる。この場合、基板貼合装置は、2枚の基板を2つの吸着ステージに吸着させた状態で複数の電磁石を互いに独立に制御して磁力を発生させ磁性盤をヨークとして機能させる。これにより、2枚の基板間に2次元的に分布した加圧力を作用させることができるようにも考えられる。
【0011】
しかし、この基板貼合装置では、上側の吸着ステージの磁性盤に意図しない残留磁気が発生し、磁性ダストが磁性盤に引き付けられたまま維持される懸念がある。基板貼合装置は、上側の吸着ステージに磁性ダストが引き付けられたままであると、上側の吸着ステージの表面の平坦性が悪化し、上側の吸着ステージで基板を吸着できなくなる可能性がある。あるいは、上側の吸着ステージで基板を吸着できたとしても、基板貼合装置は、2枚の基板を貼り合わせる際に、貼り合わせの界面にボイド(空洞)を生成させたり基板を破損させたりする可能性がある。
【0012】
また、基板レベルでの集積化については、2次元における微細化に代えて、3次元メモリ(例えば、3次元フラッシュメモリ)に代表されるような3次元的な回路パターンの積層による高集積化が行われる。その結果として、高積層化による異方的な応力歪により、基板レベルでの大きな反りが発生し、基板の表面形状が複雑なトポグラフィになることがある。この場合、基板貼合装置は、平坦且つ剛性の高い磁性盤で上側から基板に加圧力を作用させると、基板表面の複雑なトポグラフィに追従できずに、基板を破損させる可能性がある。
【0013】
そこで、本実施形態では、基板貼合装置において、2次元的に磁力を調整可能な電磁気力発生部を上下の吸着ステージのそれぞれに設けることで、磁性ダストを低減しつつ基板表面のトポグラフィに追従した貼り合わせができるようにする。
【0014】
具体的には、基板貼合装置は、上下の吸着ステージにそれぞれ基板を吸着させ、上下の電磁気力発生部における所定箇所(例えば、中央部)で選択的に電磁気力を発生させる。これにより、基板貼合装置は、上下の電磁気力発生部における所定箇所で上下の基板に加圧力を作用させ、上下の基板を所定箇所で互いに接触させる。基板貼合装置は、上下の電磁気力発生部で所定箇所を起点として平面方向に順次に電磁気力を発生させる領域を広げていき、上下の基板の接触端を平面方向に進展させる。このとき、基板貼合装置は、電流の大きさを調整することなどにより電磁気力の大きさを任意に調整でき、基板表面のトポグラフィに追従するように加圧力の大きさを調整しながら基板へ作用させることができる。これにより、基板表面のトポグラフィに追従しつつ貼り合わせの界面におけるボイド(空洞)の生成を抑制しながら上下の基板を貼り合わせることができる。基板貼合装置は、上下の基板を貼り合わせた後に、上下の電磁気力発生部による電磁気力の発生を解除する。基板貼合装置は、貼り合わせ後の積層基板が搬出された後に、上下の電磁気力発生部で貼り合わせ時と逆極性の電磁気力を発生させてもよい。これにより、上下の吸着ステージに磁化した部分がある場合に、その部分を消磁できるので、磁性ダストを容易に除去できる。したがって、磁性ダストを低減しつつ基板表面のトポグラフィに追従した貼り合わせを実現できる。
【0015】
より具体的には、基板貼合装置1が適用された製造システム100は、図1に示すように構成され得る。図1は、基板貼合装置1が適用された製造システム100の構成を示す図である。製造システム100は、複数の基板貼合装置1-1~1-4、搬送系2、及び搬入出部3を有する。各基板貼合装置1は、同様に構成され得る。各基板貼合装置1は、上側の基板を吸着するための吸着ステージと下側の基板を吸着するための吸着ステージとを有する。以下では、吸着ステージの主面に垂直な方向をZ方向とし、Z方向に垂直な平面内で互いに直交する2方向をX方向及びY方向とする。
【0016】
搬送系2は、各基板貼合装置1-1~1-4を横断するように配されている。例えば、搬送系2は、X方向に延びた搬送レール2bと、搬送レール2bに沿ってX方向に移動可能な搬送ロボット2aと、Y方向に延びた搬送レール2dと、搬送レール2dに沿ってY方向に移動可能な搬送ロボット2cとを有する。基板貼合装置1-1~1-4は、搬送系2の+Y側に配されるとともに、搬送レール2bに沿ったX方向に配列されている。基板貼合装置1-1~1-2は、搬送レール2bの-Y側に配されるとともに、搬送レール2bに沿ってX方向に配列されている。基板貼合装置1-3~1-4は、搬送レール2bの+Y側に配されるとともに、搬送レール2bに沿ってX方向に配列されている。
【0017】
搬入出部3は、搬送系2に隣接して配されている。搬入出部3は、複数の載置台(複数のFOUP)3a~3dを有する。複数の載置台3a~3dは、搬送系2の-X側に配されるとともに、搬送レール2dに沿ってY方向に配列されている。各載置台3a~3dには、複数枚(例えば、25枚)の基板を収容するカセットがそれぞれ載置される。
【0018】
搬送系2は、各載置台3a~3dと各基板貼合装置1-1~1-4との間で貼り合わせ前の基板又は貼り合わせ後の積層基板を搬送可能である。これにより、複数の基板貼合装置1-1~1-4による貼合動作を互いに並行して行うことができ、複数組の基板の貼合動作を効率的に行うことができる。
【0019】
また、各基板貼合装置1は、図2に示すように構成され得る。図2は、基板貼合装置1の構成を示す図である。
【0020】
基板貼合装置1は、吸着ステージ10、吸着ステージ20、及びコントローラ60を有する。
【0021】
吸着ステージ10及び吸着ステージ20は、使用時に互いに対向するように配される。吸着ステージ10は、略平板状の外形を有するステージベース11を有し、吸着ステージ20は、略平板状の外形を有するステージベース21を有する。ステージベース11は、ステージベース21に対向する側に主面11aを有し、ステージベース21は、ステージベース11に対向する側に主面21aを有する。主面11a及び主面21aは、それぞれ、Z方向に略垂直である。
【0022】
吸着ステージ10は、ステージベース11に加えて、電磁気力発生部12、吸着部13、駆動機構14、及び撮像部15を有する。
【0023】
ステージベース11は、XY方向に延びた平板状の部材であり、-Z側から+Z方向に凹んだ凹み部を有する。
【0024】
電磁気力発生部12は、ステージベース11の凹み部に収容されている。電磁気力発生部12は、コントローラ60による制御に従い、2次元的に分布した電磁気力を発生可能である。電磁気力発生部12は、複数の電磁素子12a-1~12a-nを有する。複数の電磁素子12a-1~12a-nは、XY方向に配列されているとともに、それぞれ、Z方向に変位可能に構成されている。各電磁素子12a-1~12a-nは、電磁石であってもよい。
【0025】
例えば、複数の電磁素子12a-1~12a-nは、ステージベース11の主面11aに、図3に示すように、放射状に配される。図3は、吸着ステージ10の構成を示す平面図である。図3は、吸着ステージ10をZ方向に透視した平面構成として、複数の電磁素子12a-1~12a-nの配列がXY方向の十字状配列とそれをZ軸周りに回転させた斜め十字状配列との組み合わせである場合を例示している。十字状配列の中心と斜め十字状配列の中心とは、それぞれ、ステージベース11の中心近傍に配される。
【0026】
吸着部13は、複数の電磁素子12a-1~12a-nの間に配される。吸着部13は、真空チャック機構又は静電チャック機構である。吸着部13は、真空チャック機構である場合、図2に示すように、複数の吸着孔13a-1~13a-k、真空配管13b、及び真空ポンプ13cを有する。各吸着孔13aは、真空配管13bを介して真空ポンプ13cに連通されている。真空ポンプ13cは、コントローラ60による制御に従い、真空配管13bを介して吸着孔13aを真空排気し得る。これにより、吸着部13は、基板を吸着可能である。
【0027】
駆動機構14は、コントローラ60による制御に従い、ステージベース11をXYZ方向に駆動することで複数の電磁素子12a-1~12a-nを一括してグローバルに移動させる。複数の電磁素子12a-1~12a-nは、コントローラ60による制御に従い、個別に電磁気力を発生可能である。各電磁素子12a-1~12a-nは、その主要部が+Z方向及び-Z方向に変位可能にステージベース11に支持されている。
【0028】
例えば、各電磁素子12aは、図4(a)、図4(b)に示すように、筐体12a1、コイル12a2、緩衝部材12a3、導線12a4、導線12a5、及び弾性部材12a8を有する。筐体12a1は、-Z側が開放されZ方向を長手方向とする略直方体形状を有する。コイル12a2は、筐体12a1内に収容され、Z方向に電磁力を発生可能に導線が巻き回されている。コイル12a2は、一端が導線12a4を介してコントローラ60に電気的に接続され、他端が導線12a5を介してコントローラ60に電気的に接続されている。緩衝部材12a3は、XY方向に延びた略平板形状を有し、筐体12a1を-Z側から閉塞している。緩衝部材12a3は、電磁素子12aが基板を加圧する際に基板の裏面に加わる力を緩衝させるとともに加圧面12a6と基板の裏面との平行度のずれを吸収することで基板の裏面に加わる力を均一化させる。緩衝部材12a3は、例えば、ゴムなどの弾性体で形成することができる。弾性部材12a8は、図4(b)に示すように、筐体12a1における加圧面12a6と反対側の面12a7をステージベース11の内壁面11bに接続し、弾性変形可能に筐体12a1を支持する。弾性部材12a8は、例えば、ゴムなどの弾性体で形成することができる。これにより、図4(b)に点線の矢印で示すように、筐体12a1及び緩衝部材12a3は、+Z方向及び-Z方向に変位可能である。
【0029】
図4(a)に示す導線12a4及び導線12a5は、コイル12a2及びコントローラ60の間に電気的に接続され、コイル12a2で発生すべき電磁気力に応じた向きに電流が流される。図4(a)に2点鎖線で示すように、コントローラ60→導線12a4→コイル12a2→導線12a5→コントローラ60の向きに電流が流れると、電磁素子12aは、加圧面12a6をN極、面12a7をS極とする磁石として機能する。図4(a)に1点鎖線で示すように、コントローラ60→導線12a5→コイル12a2→導線12a4→コントローラ60の向きに電流が流れると、電磁素子12aは、加圧面12a6をS極、面12a7をN極とする磁石として機能する。
【0030】
図2に示す撮像部15は、複数の電磁素子12a-1~12a-nの間に配される(図3参照)。撮像部15は、複数の撮像素子15a-1~15a-kを有する。複数の撮像素子15a-1~15a-kは、コントローラ60による制御に従い、アライメント時において、可視光又は赤外光を受光して基板上の基準マークを撮像する。各撮像素子15a-1~15a-kは、CCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサ等のカメラを含んでもよい。
【0031】
吸着ステージ20は、ステージベース21に加えて、電磁気力発生部22、吸着部23、駆動機構24、及び撮像部25を有する。
【0032】
ステージベース21は、XY方向に延びた平板状の部材であり、-Z側から+Z方向に凹んだ凹み部を有する。
【0033】
電磁気力発生部22は、ステージベース21の凹み部に収容されている。電磁気力発生部22は、コントローラ60による制御に従い、2次元的に分布した電磁気力を発生可能である。電磁気力発生部22は、複数の電磁素子22a-1~22a-nを有する。複数の電磁素子12a-1~12a-nは、XY方向に配列されているとともに、それぞれ、Z方向に変位可能に構成されている。各電磁素子22a-1~22a-nは、電磁石であってもよい。
【0034】
例えば、複数の電磁素子22a-1~22a-nは、ステージベース21の主面21aに、図3に示すように、放射状に配される。図3は、吸着ステージ20の構成を示す平面図である。図3は、吸着ステージ20をZ方向に透視した平面構成として、複数の電磁素子22a-1~22a-nの配列がXY方向の十字状配列とそれをZ軸周りに回転させた斜め十字状配列との組み合わせである場合を例示している。十字状配列の中心と斜め十字状配列の中心とは、それぞれ、ステージベース21の中心近傍に配される。
【0035】
吸着部23は、複数の電磁素子22a-1~22a-nの間に配される。吸着部23は、真空チャック機構又は静電チャック機構である。吸着部23は、真空チャック機構である場合、図2に示すように、複数の吸着孔23a-1~23a-k、真空配管23b、及び真空ポンプ23cを有する。各吸着孔23aは、真空配管23bを介して真空ポンプ23cに連通されている。真空ポンプ23cは、コントローラ60による制御に従い、真空配管23bを介して吸着孔23aを真空排気し得る。これにより、吸着部23は、基板を吸着可能である。
【0036】
駆動機構24は、コントローラ60による制御に従い、ステージベース21をXYZ方向に駆動することで複数の電磁素子22a-1~22a-nを一括してグローバルに移動させる。複数の電磁素子22a-1~22a-nは、コントローラ60による制御に従い、個別に電磁気力を発生可能である。各電磁素子22a-1~22a-nは、その主要部が+Z方向及び-Z方向に変位可能にステージベース21に支持されている。
【0037】
例えば、各電磁素子22aは、図4(a)、図4(b)に示す構成を上下反転させた構成を有する。各電磁素子22aにおいて、コイルの一端に接続された導線と他端に接続された導線は、コイル及びコントローラ60の間に電気的に接続され、コイルで発生すべき電磁気力に応じた向きに電流が流される。図4(a)を上下反転させた構成において2点鎖線で示す向きに電流が流れると、電磁素子22aは、+Z側の加圧面をN極、-Z側の面をS極とする磁石として機能する。図4(a)を上下反転させた構成において1点鎖線で示す向きに電流が流れると、電磁素子22aは、+Z側の加圧面をS極、-Z側の面をN極とする磁石として機能する。
【0038】
このとき、互いに対向する電磁素子12a及び22aは、加圧面の磁極が異極であれば、図4(c)に点線の矢印で示すように互いに引っ張る電磁気力を及ぼし合い、それぞれ、-Z方向及び+Z方向に変位し得る。電磁素子12a及び22aは、加圧面の磁極が同極であれば、図4(d)に点線の矢印で示すように互いに反発する電磁気力を及ぼし合い、それぞれ、+Z方向及び-Z方向に変位し得る。
【0039】
図2に示す撮像部25は、複数の電磁素子22a-1~22a-nの間に配される(図3参照)。撮像部25は、複数の撮像素子25a-1~25a-kを有する。複数の撮像素子25a-1~25a-kは、コントローラ60による制御に従い、アライメント時において、可視光又は赤外光を受光して基板上の基準マークを撮像する。各撮像素子25a-1~25a-kは、CCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサ等のカメラを含んでもよい。
【0040】
コントローラ60は、吸着ステージ10に基板W1が吸着され、吸着ステージ20に基板W2が吸着されるように制御する。コントローラ60は、吸着ステージ10に基板W1が吸着され、吸着ステージ20に基板W2が吸着された状態で、吸着ステージ10及び吸着ステージ20を相対的に近付けて、基板W1の表面と基板W2の表面とを互いに近接した状態にする。コントローラ60は、基板W1の表面と基板W2の表面とが近接した状態で、複数の電磁素子12a-1~12a-nを互いに独立して制御し、複数の電磁素子22a-1~22a-nを互いに独立して制御する。
【0041】
コントローラ60は、それぞれが互いに対向する電磁素子12a及び電磁素子22aを含む複数組で2次元的に分布する電磁気力を発生させ、上側の基板W1及び下側の基板W2の間に2次元的に分布する加圧力を作用させる。これにより、コントローラ60は、上側の基板W1及び下側の基板W2を互いに接触させ、上側の基板W1及び下側の基板W2の接触端を平面方向に進展させる。例えば、コントローラ60は、複数の電磁素子12a-1~12a-n,22a-1~22a-nのうち電磁気力を発生させる電磁素子12a,22aを中央部の電磁素子から同心円状に徐々に増やしていく。すなわち、コントローラ60は、電磁気力を発生させる電磁素子12a,22aの領域を、図3に示す領域R1→領域R2→領域R3→領域R4→領域R5→領域R6と徐々に広げていく。これにより、コントローラ60は、上側の基板W1及び下側の基板W2を互いに中央部で接触させ、上側の基板W1及び下側の基板W2の接触端を中央部から外側へ進展させる。この結果、貼り合わせの界面におけるボイド(空洞)の生成を抑制しながら上側の基板W1及び下側の基板W2を貼り合わせることができる。すなわち、基板W1,W2の中心部から空気を押し出すように磁場・負荷をかけて基板W1,W2を接合することができる。
【0042】
なお、ボイドの生成が抑制できれば、上側の基板W1及び下側の基板W2の接触端は、中央部以外の所定箇所であってもよい。この場合でも、コントローラ60は、複数の電磁素子12a-1~12a-n,22a-1~22a-nのうち電磁気力を発生させる電磁素子を所定箇所の電磁素子から同心円状に徐々に増やしていく。これにより、コントローラ60は、上側の基板W1及び下側の基板W2の接触端を平面方向に進展させることで、基板W1,W2の接触端から空気を押し出すように磁場・負荷をかけて基板W1,W2を接合することができる。
【0043】
次に、基板貼合装置1の動作について図5図13を用いて説明する。図5は、基板貼合装置1の動作を示すフローチャートである。図6図13は、基板貼合装置1の動作を示す断面図である。
【0044】
基板貼合装置1は、基板W1及び基板W2の搬入(Wafer loading)を行う(S1)。例えば、図6(a)に示すように、基板貼合装置1は、吸着ステージ10及び吸着ステージ20を互いにZ方向に離間させる。このとき、コントローラ60は、吸着部13及び吸着部23による吸着動作を解除しており、電磁気力発生部12及び電磁気力発生部22による電磁気力の発生を解除している。搬送ロボット2cは、搬入出部3から基板W1及び基板W2を取り出す。搬送ロボット2cは、アームの+Z側の面に基板W1を吸着し、アームの-Z側の面に基板W2を吸着し、基板W1及び基板W2を搬送ロボット2aへ渡す。搬送ロボット2aは、アームの+Z側の面に基板W1を吸着し、アームの-Z側の面に基板W2を吸着し、基板W1及び基板W2を吸着ステージ10及び吸着ステージ20へ搬送する。搬送ロボット2aは、アームを+Y方向に移動させ、図6(b)に示すように、基板W1及び基板W2を、Z方向における吸着ステージ10及び吸着ステージ20の間に位置させる。
【0045】
基板貼合装置1は、基板W1及び基板W2の吸着ステージ10及び吸着ステージ20への吸着(Wafer Chucking)を行う(S2)。例えば、搬送ロボット2aは、アームを-Z方向に移動させ、図7(a)に示すように、基板W2を吸着ステージ20の主面21aに載置する。コントローラ60は、吸着部23(図2参照)を制御し、吸着部23で基板W2を主面21aに吸着する。それに伴い、搬送ロボット2aは、アームの-Z側の面への基板W2の吸着を解除する。また、搬送ロボット2aは、アームを+Z方向に移動させ、図7(a)に示すように、基板W1を吸着ステージ10の主面11aに載置する。コントローラ60は、吸着部13(図2参照)を制御し、吸着部13で基板W1を主面11aに吸着する。それに伴い、搬送ロボット2aは、アームの+Z側の面への基板W1の吸着を解除する。搬送ロボット2aは、アームを-Y方向に移動させ、図7(b)に示すように、アームをZ方向における吸着ステージ10及び吸着ステージ20の間から退避させる。
【0046】
基板貼合装置1は、基板W1及び基板W2に対してプリアライメント(Pre-Alignment)を行う(S3)。プリアライメントは、基板W1及び基板W2の相対的なXY位置を大まかに合わせるアライメントである。例えば、図8(a)に示すように、基板貼合装置1は、吸着ステージ10におけるN個の撮像素子で基板W2上のN個の基準マークを撮像し、基板W2のXY位置の目標位置から大まかなずれΔP12を算出し、駆動機構24でずれΔP12を補正するように吸着ステージ20をXY方向に駆動する。基板貼合装置1は、吸着ステージ20におけるN個の撮像素子で基板W1上のN個の基準マークを撮像し、基板W1のXY位置の目標位置から大まかなずれΔP11を算出し、駆動機構14でずれΔP11を補正するように吸着ステージ10をXY方向に駆動する。
【0047】
なお、基板貼合装置1は、プリアライメントを、吸着ステージ10,20上の基準マークを互いに撮像して位置合わせすることで行ってもよい。
【0048】
基板貼合装置1は、基板W1及び基板W2に対してファインアライメント(Fine-Alignment)を行う(S4)。ファインアライメントは、プリアライメントで合わせられた位置をベースに、基板W1及び基板W2の相対的なXY位置を精密に合わせるアライメントである。例えば、図8(a)に示すように、基板貼合装置1は、吸着ステージ10におけるN(>N)個の撮像素子で基板W2上のN個の基準マークを撮像し、基板W2のXY位置の目標位置から精密なずれΔP22を算出し、駆動機構24でずれΔP22を補正するように吸着ステージ20をXY方向に駆動する。基板貼合装置1は、吸着ステージ20におけるN個の撮像素子で基板W1上のN個の基準マークを撮像し、基板W1のXY位置の目標位置から精密なずれΔP21を算出し、駆動機構14でずれΔP21を補正するように吸着ステージ10をXY方向に駆動する。
【0049】
なお、基板貼合装置1は、ファインアライメントを、吸着ステージ10,20上の基準マークを互いに撮像して位置合わせすることで行ってもよい。
【0050】
基板貼合装置1は、上下の吸着ステージ10,20を相対的に近づける。例えば、基板貼合装置1は、上側の吸着ステージ10の下降(Upper-Stage move)を行う(S5)。図8(b)に示すように、基板貼合装置1は、ステージベース21の位置を固定した状態で、駆動機構14でステージベース11を-Z方向へ移動させる。これにより、基板貼合装置1は、Z方向において吸着ステージ10を吸着ステージ20へ近づける。基板貼合装置1は、上下の基板W1,W2が接触する直前に、駆動機構14を制御して、ステージベース11の下降速度を減速させる。上下の基板W1,W2が上下の電磁気力発生部12,22に軽く接触(圧力センサーや側面からのカメラ等で確認)したことが確認された後、上側の吸着ステージ10の下降ロックを解除する。これにより、図9(a)に示すように、上下の基板W1,W2には、上側の吸着ステージ10の自重で比較的小さい圧力がかかっている状態になる。
【0051】
基板貼合装置1は、上下の電磁気力発生部12,22における中央部で選択的に電磁気力を発生(Electromagnet-ON)させる(S6)。図9(b)に示すように、基板貼合装置1は、中央付近の領域R1(図3参照)に属する電磁素子12a,22aに選択的に制御電流を供給する。このとき、基板貼合装置1は、互いに対向する電磁素子12a,22aの加圧面側が異極となるように、それぞれの制御電流の向きを制御する。また、基板貼合装置1は、上下の基板W1,W2に対する加圧力が適切な大きさになるように、それぞれの制御電流の大きさを制御する。これにより、基板貼合装置1は、領域R1において、電磁素子12a,22aから上下の基板W1,W2に加圧力を作用させ、上下の基板W1,W2を互いに接触させる。
【0052】
基板貼合装置1は、上下の電磁気力発生部12,22における電磁気力を発生させる領域を徐々に増加(Add Pressure)する(S7)。基板貼合装置1は、複数の電磁素子12a-1~12a-n,22a-1~22a-nのうち電磁気力を発生させる電磁素子12a,22aを中央部の電磁素子から同心円状に徐々に増やしていく。
【0053】
図10(a)に示すように、基板貼合装置1は、領域R2(図3参照)に属する電磁素子12a,22aに選択的に制御電流を供給する。これにより、基板貼合装置1は、上側の基板W1及び下側の基板W2の接触端を領域R1に応じた位置から領域R2に応じた位置へ進展させる。そして、基板貼合装置1は、領域R3(図3参照)に属する電磁素子12a,22aに選択的に制御電流を供給する。これにより、基板貼合装置1は、上側の基板W1及び下側の基板W2の接触端を領域R2に応じた位置から領域R3に応じた位置へ進展させる。
【0054】
図10(b)に示すように、基板貼合装置1は、領域R4(図3参照)に属する電磁素子12a,22aに選択的に制御電流を供給する。これにより、基板貼合装置1は、上側の基板W1及び下側の基板W2の接触端を領域R3に応じた位置から領域R4に応じた位置へ進展させる。そして、基板貼合装置1は、領域R5(図3参照)に属する電磁素子12a,22aに選択的に制御電流を供給する。これにより、基板貼合装置1は、上側の基板W1及び下側の基板W2の接触端を領域R4に応じた位置から領域R5に応じた位置へ進展させる。
【0055】
図11(a)に示すように、基板貼合装置1は、領域R6(図3参照)に属する電磁素子12a,22aに選択的に制御電流を供給する。これにより、基板貼合装置1は、上側の基板W1及び下側の基板W2の接触端を領域R5に応じた位置から領域R6に応じた位置へ進展させる。これにより、基板W1及び基板W2が貼り合わされた積層基板SWが形成される。
【0056】
基板貼合装置1は、指定圧力到達後、上下の電磁気力発生部12,22による電磁気力の発生を解除(Electromagnet-Off)させる(S8)。図11(b)に示すように、基板貼合装置1は、すべての電磁素子12a,22aに対する制御電流の供給を停止する。これにより、上下の電磁気力発生部12,22による電磁気力の発生が停止される。
【0057】
基板貼合装置1は、積層基板SWの吸着ステージ10への吸着の解除(Upper-Stage wafer Unchucking)を行う(S9)。図11(b)に示すように、コントローラ60は、吸着部13(図2参照)を制御し、吸着部13による積層基板SWの主面11aへの吸着を解除する。
【0058】
基板貼合装置1は、上下の吸着ステージ10,20を相対的に遠ざける。例えば、基板貼合装置1は、上側の吸着ステージ10の上昇(Upper-Stage move)を行う(S10)。図11(b)に示すように、基板貼合装置1は、ステージベース21の位置を固定した状態で、駆動機構14でステージベース11を+Z方向へ移動させる。これにより、基板貼合装置1は、Z方向において吸着ステージ10を吸着ステージ20から遠ざける。
【0059】
基板貼合装置1は、積層基板SWの吸着ステージ20への吸着の解除(Lower-Stage wafer Unchucking)を行う(S11)。図12(a)に示すように、コントローラ60は、吸着部23(図2参照)を制御し、吸着部23による積層基板SWの主面21aへの吸着を解除する。
【0060】
基板貼合装置1は、積層基板SWの搬出(Wafer Unload)を行う(S12)。例えば、図12(a)に示すように、搬送ロボット2aは、アームを+Y方向に移動させ、アームを、Z方向における吸着ステージ10及び吸着ステージ20の間に位置させる。搬送ロボット2aは、アームを-Z方向に移動させ、アームの-Z側の面に積層基板SWを吸着する。
【0061】
図12(b)に示すように、搬送ロボット2aは、アームを若干+Z方向に移動させてから、アームを-Y方向に移動させ、積層基板SWを、Z方向における吸着ステージ10及び吸着ステージ20の間の位置から退避させる。搬送ロボット2aは、積層基板SWを搬送ロボット2cへ渡す。搬送ロボット2cは、積層基板SWを搬入出部3へ収納する。積層基板SWは、他の搬送系により、次の工程の装置へ搬送される。
【0062】
基板貼合装置1は、吸着ステージ10,20に対してクリーニング及び消磁(Stage Cleaning Degaussing)を行う(S13)。例えば、図13(a)に示すように、基板貼合装置1は、電磁素子12aに貼合時と逆向きの制御電流を供給し、電磁素子12aが貼合時(図11(a)参照)と逆極性で磁力を発生させるようにする。これにより、吸着ステージ10に磁化した部分がある場合に、その部分を消磁できる。同様に、基板貼合装置1は、電磁素子22aに貼合時と逆向きの制御電流を供給し、電磁素子22aが貼合時(図11(a)参照)と逆極性で磁力を発生させるようにする。これにより、吸着ステージ20に磁化した部分がある場合に、その部分を消磁できる。
【0063】
図13(b)に示すように、基板貼合装置1は、すべての電磁素子12a,22aに対する制御電流の供給を停止する。これにより、各電磁素子12a,22aによる電磁気力の発生が停止される。このとき、吸着ステージ10及び吸着ステージ20が消磁されているので、磁性ダストMDが容易に除去され得る。
【0064】
その後、基板貼合装置1は、次の基板W1’,W2’を搬入し、基板W1’,W2’に対して、S1以降の処理を行う。
【0065】
以上のように、本実施形態では、基板貼合装置1において、2次元的に磁力を調整可能な電磁気力発生部12,22を上下の吸着ステージ10,20のそれぞれに設ける。これにより、磁性ダストを低減しつつ基板表面のトポグラフィに追従した貼り合わせを実現できる。
【0066】
なお、電磁気力発生部12,22の複数の電磁素子12a,22aは、吸着ステージ10,20のステージベース11,21の主面11a,21aに2次元的に配列されていればよく、その配列は、放射状の配列に限定されない。例えば、電磁気力発生部12i,22iの複数の電磁素子12ai,22aiは、図14に示すように、吸着ステージ10,20のステージベース11,21の主面11a,21aに同心円状に配列された構成であってもよい。図14は、実施形態の第1の変形例における吸着ステージ10,20の構成を示す図である。電磁素子12ai-1,22ai-1は、実施形態の領域R1(図3参照)に対応して複数の電磁素子が一体化されたものとみなせる。電磁素子12ai-1,22ai-1は、XY平面視において、略円形状を有する。電磁素子12ai-2,22ai-2は、電磁素子12ai-1,22ai-1から離間しつつ電磁素子12ai-1,22ai-1を円環状に囲うように配され、実施形態の領域R2(図3参照)に対応して複数の電磁素子が一体化されたものとみなせる。電磁素子12ai-6,22ai-6は、電磁素子12ai-5,22ai-5から離間しつつ電磁素子12ai-5,22ai-5を円環状に囲うように配され、実施形態の領域R6(図3参照)に対応して複数の電磁素子が一体化されたものとみなせる。
【0067】
このように、複数の電磁素子12ai,22aiがステージベース11,21の主面11a,21aに同心円状に配列された構成によれば、コントローラ60は、上下の基板を互いに中央部で接触させ上下の基板の接触端を中央部から外側へ進展させることが容易である。
【0068】
あるいは、基板貼合装置1jは、図15に示すように、弾性部材16j,26jが電磁気力発生部12,22の複数の電磁素子12a,22aを覆っていてもよい。図15は、実施形態の第2の変形例にかかる基板貼合装置1jの構成を示す図である。
【0069】
弾性部材16jは、主としてXY方向に延びながらステージベース11の凹み部に収容されているとともに、電磁気力発生部12の複数の電磁素子12a-1~12a-nを平面的に覆っている。弾性部材16jは、複数の電磁素子12a-1~12a-nのうち最も外側の電磁素子12aの側面の一部をさらに覆っていてもよい。弾性部材16jは、例えば、ゴムなどの弾性体で形成することができる。弾性部材16jの表面は、吸着ステージ10の表面を構成する。複数の電磁素子12a-1~12a-nは、それぞれ、緩衝部材12a3及び弾性部材12a8(図4(a)参照)が省略され筐体12a1における加圧面12a6が弾性部材16jの裏面に固定されていてもよい。これにより、コントローラ60は、各電磁素子12a-1~12a-nのZ変位を互いに独立に制御することで、吸着ステージ10jの表面形状を任意に変化させることができる。
【0070】
弾性部材26jは、主としてXY方向に延びながらステージベース21の凹み部に収容されているとともに、電磁気力発生部22の複数の電磁素子22a-1~22a-nを平面的に覆っている。弾性部材26jは、複数の電磁素子22a-1~22a-nのうち最も外側の電磁素子22aの側面の一部をさらに覆っていてもよい。弾性部材26jは、例えば、ゴムなどの弾性体で形成することができる。弾性部材26jの表面は、吸着ステージ20の表面を構成する。複数の電磁素子22a-1~22a-nは、それぞれ、緩衝部材22a3及び弾性部材22a8(図4(a)参照)が省略され筐体22a1における加圧面22a6が弾性部材26jの裏面に固定されていてもよい。これにより、コントローラ60は、各電磁素子22a-1~22a-nのZ変位を互いに独立に制御することで、吸着ステージ20jの表面形状を任意に変化させることができる。
【0071】
コントローラ60は、複数の電磁素子12a-1~12a-n,22a-1~22a-nのうち電磁気力を発生させる電磁素子12a,22aを中央部の電磁素子から同心円状に徐々に増やしていくとともに、電磁素子12a,22aへ供給する制御電流の量を2次元的に変えてもよい。
【0072】
例えば、コントローラ60は、電磁気力を発生させる電磁素子12a,22aの領域を、図16に示す領域R1→領域R21,R22,R23,R24→領域R31,R32,R33,R34→領域R41,R42,R43,R44と徐々に広げていく。図16は、実施形態の第2の変形例における吸着ステージ10j,20jの構成を示す図であり、弾性部材16j,26jを取り除いた状態の平面構成を示す。このとき、領域R21,R22,R23,R24の間で電磁素子12a,22aへ供給する制御電流の量を変えてもよく、領域R31,R32,R33,R34の間で電磁素子12a,22aへ供給する制御電流の量を変えてもよく、領域R41,R42,R43,R44の間で電磁素子12a,22aへ供給する制御電流の量を変えてもよい。
【0073】
例えば、基板貼合装置1jは、図17(a)~図19(b)に示すように、吸着ステージ10j,20jの表面形状を基板の裏面形状に合わせて変化させる動作を行ってもよい。図17(a)~図19(b)は、基板貼合装置1jの動作を示す図である。
【0074】
基板貼合装置1jは、吸着ステージ10で基板W1を吸着し、吸着ステージ20で積層基板SW’を吸着する。積層基板SW’は、複数の基板W6~W2が順に積層されて構成される。基板貼合装置1jは、上側の吸着ステージ10を下降させ、上下の基板W1、積層基板SW’が上下の弾性部材16j,26jに軽く接触したことが確認された後、上側の吸着ステージ10の下降ロックを解除する。これにより、図17(a)に示すように、上下の基板W1、積層基板SW’には、上側の吸着ステージ10jの自重で比較的小さい圧力がかかっている状態になる。
【0075】
図17(b)に示すように、基板貼合装置1jは、中央付近の領域R1(図16参照)に属する電磁素子12a,22aに選択的に制御電流を供給する。このとき、基板貼合装置1jは、互いに対向する電磁素子12a,22aの加圧面側が異極となるように、それぞれの制御電流の向きを制御する。また、基板貼合装置1jは、上下の基板W1、積層基板SW’に対する加圧力が適切な大きさになるように、それぞれの制御電流の大きさを制御する。これにより、基板貼合装置1jは、領域R1において、電磁素子12a,22aから弾性部材16j,26jを介して、上下の基板W1、積層基板SW’に加圧力を作用させ、上下の基板W1、積層基板SW’を互いに接触させる。
【0076】
このとき、弾性部材16j,26jは、領域R1において、基板W1、積層基板SW’の裏面形状に追従するように変形する。これにより、基板貼合装置1jは、上下の吸着ステージ10j,20jは、加圧時における基板W1、積層基板SW’との接触面積を容易に増加でき、加圧時の裏面形状内の応力分散を実現できる。
【0077】
図18(a)に示すように、基板貼合装置1jは、領域R21、R22,R23,R24(図16参照)に属する電磁素子12a,22aに選択的に制御電流を供給する。
【0078】
このとき、基板貼合装置1jは、基板W1、積層基板SW’の裏面形状に応じて、領域R21,R22,R23,R24の間で電磁素子12a,22aへ供給する制御電流の量を変えてもよい。これにより、弾性部材16j,26jは、領域R21、R22,R23,R24において、基板W1、積層基板SW’の裏面形状に追従するように変形する。これにより、基板貼合装置1jは、上側の基板W1及び下側の積層基板SW’の接触端を領域R1に応じた位置から領域R21~R24に応じた位置へ進展させながら、加圧時における基板W1、積層基板SW’との接触面積を容易に増加でき、加圧時の裏面形状内の応力分散を実現できる。
【0079】
図18(b)に示すように、基板貼合装置1jは、領域R31、R32,R33,R34(図16参照)に属する電磁素子12a,22aに選択的に制御電流を供給する。
【0080】
このとき、基板貼合装置1jは、基板W1、積層基板SW’の裏面形状に応じて、領域R31,R32,R33,R34の間で電磁素子12a,22aへ供給する制御電流の量を変えてもよい。これにより、弾性部材16j,26jは、領域R31、R32,R33,R34において、基板W1、積層基板SW’の裏面形状に追従するように変形する。これにより、基板貼合装置1jは、上側の基板W1及び下側の積層基板SW’の接触端を領域R21~R24に応じた位置から領域R31~R34に応じた位置へ進展させながら、加圧時における上下の基板W1、積層基板SW’との接触面積を容易に増加でき、加圧時の裏面形状内の応力分散を実現できる。
【0081】
図19(a)に示すように、基板貼合装置1jは、領域R41、R42,R43,R44(図16参照)に属する電磁素子12a,22aに選択的に制御電流を供給する。
【0082】
このとき、基板貼合装置1jは、基板W1、積層基板SW’の裏面形状に応じて、領域R41,R42,R43,R44の間で電磁素子12a,22aへ供給する制御電流の量を変えてもよい。これにより、弾性部材16j,26jは、領域R41、R42,R43,R44において、基板W1、積層基板SW’の裏面形状に追従するように変形する。これにより、基板貼合装置1jは、上側の基板W1及び下側の積層基板SW’の接触端を領域R31~R34に応じた位置から領域R41~R44に応じた位置へ進展させながら、加圧時における基板W1、積層基板SW’との接触面積を容易に増加でき、加圧箇所における応力分散を実現できる。これにより、基板W1及び積層基板SW’が貼り合わされた積層基板SW”が形成される。
【0083】
図19(b)に示すように、コントローラ60は、吸着部13(図2参照)を制御し、吸着部13による積層基板SW”の主面への吸着を解除する。基板貼合装置1jは、ステージベース21の位置を固定した状態で、駆動機構14でステージベース11を+Z方向へ移動させる。これにより、基板貼合装置1jは、Z方向において吸着ステージ10jを吸着ステージ20jから遠ざける。
【0084】
このように、弾性部材16j,26jが電磁気力発生部12,22の複数の電磁素子12a,22aを覆った構成によれば、上下の電磁気力発生部12,22から弾性部材16j,26jを介して貼り合わせるべき基板間に加圧力を作用させることができる。これにより、基板表面のトポグラフィにさらに追従した貼り合わせを実現でき、貼り合わせ時に加圧箇所における応力分散を実現でき、貼り合わせるべき基板の破損を防止できる。
【0085】
あるいは、電磁気力発生部12k,22kの複数の電磁素子12ai,22aiは、図20に示すように、吸着ステージ10k,20kの主面11a,21aに同心円状に配列されつつ2次元的に分割された構成であってもよい。図20は、実施形態の第3の変形例における吸着ステージ10k,20kの構成を示す図であり、弾性部材16j、26jを取り除いた状態の平面構成を示す。電磁素子12ak-1,22ak-1は、第2の変形例の領域R1(図16参照)に対応して複数の電磁素子が一体化されたものとみなせる。電磁素子12ak-1,22ak-1は、XY平面視において、略円形状を有する。電磁素子12ak-21~12ak-28,22ak-21~22ak-28は、電磁素子12ak-1,22ak-1から離間しつつ電磁素子12ak-1,22ak-1を円環状に囲うように配され、第2の変形例の領域R21~R24(図16参照)に対応して複数の電磁素子が一体化されたものとみなせる。電磁素子12ak-21,12ak-25,22ak-21,22ak-25が領域R21に対応し、電磁素子12ak-22,12ak-26,22ak-22,22ak-26が領域R22に対応し、電磁素子12ak-23,12ak-27,22ak-23,22ak-27が領域R23に対応し、電磁素子12ak-24,12ak-28,22ak-24,22ak-28が領域R24に対応している。・・・電磁素子12ak-41~12ak-44,22ak-41~22ak-44は、電磁素子12ak-31~12ak-38,22ak-31~22ak-38から離間しつつ電磁素子12ak-31~12ak-38,22ak-31~22ak-38を円環状に囲うように配され、第2の変形例の領域R41~R44(図16参照)に対応して複数の電磁素子が一体化されたものとみなせる。電磁素子12ak-41,22ak-41が領域R41に対応し、電磁素子12ak-42,22ak-42が領域R42に対応し、電磁素子12ak-43,22ak-43が領域R43に対応し、電磁素子12ak-44,22ak-44が領域R44に対応している。
【0086】
このように、複数の電磁素子12ak,22akがステージベース11,21の主面11a,21aに同心円状に配列されつつ2次元的に分割された構成によれば、コントローラ60は、上下の基板を互いに中央部で接触させ上下の基板の接触端を中央部から外側へ進展させながら加圧時における上下の基板の接触面積を容易に増加でき、加圧箇所における応力分散を容易に実現できる。
【0087】
あるいは、基板貼合装置1jにおいて、コントローラ60は、電磁気力発生部12,22を、図21に示すように、上下で対向する電磁素子12a,22aが異極となる領域と同極となる領域が混在するように制御してもよい。図21は、実施形態の第4の変形例にかかる基板貼合装置1jの動作を示す図である。
【0088】
例えば、上下の基板W21,W22の裏面形状がおわん型に反っておりその高低差が大きい場合、コントローラ60は、内側の領域Rinにおいて上下で対向する電磁素子12a,22aが異極となるように制御し、外側の領域Rinにおいて上下で対向する電磁素子12a,22aが同極となるように制御する。これにより、内側の領域Rinで対向する電磁素子12a,22aが引き合うのに対して、外側の領域Routで対向する電磁素子12a,22aが反発し合うので、弾性部材16j,26jをおわん型の反り形状に追従して大きな高低差で変形させることができる。したがって、上下の基板の裏面形状が高低差の大きい形状である場合に、上下の基板の裏面形状に追従した貼合動作を実現できる。
【0089】
(付記1)
第1の基板を吸着し、第1の電磁気力発生部を有する第1の吸着ステージと、
前記第1の基板に対向して配され、第2の基板を吸着し、前記第1の電磁気力発生部に対向する第2の電磁気力発生部を有する第2の吸着ステージと、
を備えた基板貼合装置。
(付記2)
前記第1の電磁気力発生部は、平面方向に配列された複数の第1の電磁素子を含み、
前記第2の電磁気力発生部は、前記複数の第1の電磁素子に対向し平面方向に配列された複数の第2の電磁素子を含む
付記1に記載の基板貼合装置。
(付記3)
前記第1の吸着ステージは、前記複数の第1の電磁素子の間に配され、前記第1の基板を吸着可能である第1の吸着部をさらに有し、
前記第2の吸着ステージは、前記複数の第2の電磁素子の間に配され、前記第2の基板を吸着可能である第2の吸着部をさらに有する
付記2に記載の基板貼合装置。
(付記4)
前記複数の第1の電磁素子を互いに独立して制御し、前記複数の第2の電磁素子を互いに独立して制御するコントローラをさらに備えた
付記2に記載の基板貼合装置。
(付記5)
前記コントローラは、前記第1の基板及び前記第2の基板を互いに接触させ、前記第1の基板及び前記第2の基板の接触端を平面方向に進展させる
付記4に記載の基板貼合装置。
(付記6)
前記コントローラは、前記第1の基板及び前記第2の基板を互いに中央部で接触させ、前記第1の基板及び前記第2の基板の接触端を中央部から外側へ進展させる
付記5に記載の基板貼合装置。
(付記7)
前記第1の吸着ステージは、前記第1の電磁気力発生部を前記第1の基板側で平面的に覆う第1の弾性部材をさらに有し、
前記第2の吸着ステージは、前記第2の電磁気力発生部を前記第2の基板側で平面的に覆う第2の弾性部材をさらに有する
付記1に記載の基板貼合装置。
(付記8)
前記第1の吸着ステージは、前記複数の第1の電磁素子を前記第1の基板側で平面的に覆う第1の弾性部材をさらに有し、
前記第2の吸着ステージは、前記複数の第2の電磁素子を前記第2の基板側で平面的に覆う第2の弾性部材をさらに有する
付記2に記載の基板貼合装置。
(付記9)
前記第1の基板の面形状に応じて前記複数の第1の電磁素子を互いに独立して制御し、前記第2の基板の面形状に応じて前記複数の第2の電磁素子を互いに独立して制御するコントローラをさらに備えた
付記8に記載の基板貼合装置。
(付記10)
第1の基板が吸着された第1の吸着ステージで電磁気力を発生させるとともに第2の基板が吸着された第2の吸着ステージで電磁気力を発生させ、前記第1の基板及び前記第2の基板を互いに接触させることと、
前記第1の吸着ステージで発生される電磁気力及び前記第2の吸着ステージで発生される電磁気力を制御し、前記第1の基板及び前記第2の基板の接触端を進展させることと、
を備えた半導体装置の製造方法。
(付記11)
前記接触させることは、
前記第1の基板及び前記第2の基板を互いに中央部で接触させることを含み、
前記進展させることは、
前記第1の基板及び前記第2の基板の接触端を中央部から外側へ進展させることを含む
付記10に記載の半導体装置の製造方法。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
1 基板貼合装置、10,20,10j,20j,10k,20k 吸着ステージ、12,22,12i,22i,12k,22k 電磁気力発生部、12a,22a,12ai,22ai,12ak,22ak 電磁素子、13,23 吸着部、16j,26j 弾性部材、60 コントローラ。
図1
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