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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】反射素子、光検出装置、及び光走査装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20240902BHJP
   G02B 26/12 20060101ALI20240902BHJP
   B41J 2/47 20060101ALI20240902BHJP
   H04N 1/113 20060101ALI20240902BHJP
   G02B 5/122 20060101ALN20240902BHJP
【FI】
G02B26/10 A
G02B26/12
B41J2/47 101D
H04N1/113
G02B5/122
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020170306
(22)【出願日】2020-10-08
(65)【公開番号】P2022062353
(43)【公開日】2022-04-20
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 亜希
(72)【発明者】
【氏名】寺村 昌泰
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-106839(JP,A)
【文献】特開2004-191423(JP,A)
【文献】特開平08-029603(JP,A)
【文献】特開平06-027400(JP,A)
【文献】特開平10-186251(JP,A)
【文献】特開平04-130410(JP,A)
【文献】特開平07-199101(JP,A)
【文献】特開平06-003610(JP,A)
【文献】特開平02-090121(JP,A)
【文献】特開平11-133324(JP,A)
【文献】特開平05-323221(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0253994(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B26/10 -26/12
G02B 5/12 - 5/136
B41J 2/47
H04N 1/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光束を反射する反射素子と、
前記反射素子からの前記光束を受光する受光素子と、
前記光源からの光束を偏向して被走査面を主走査方向に走査する偏向器とを備え、
前記反射素子は第1、第2、及び第3の反射面を有し、
前記第1及び第2の反射面は第1の稜線を形成するように互いに接しており、
前記第2及び第3の反射面は第2の稜線を形成するように互いに接しており、
前記第3及び第1の反射面は第3の稜線を形成するように互いに接しており、
前記第1及び第2の稜線は互いに非垂直であり、前記第2及び第3の稜線は互いに非垂直であり、前記第3及び第1の稜線は互いに垂直であり、
前記第1の反射面の単位法線ベクトルと前記第2の反射面の単位法線ベクトルとの内積の値をS、前記第1の反射面の単位法線ベクトルと前記第3の反射面の単位法線ベクトルとの内積の値をT、前記第2の反射面の単位法線ベクトルと前記第3の反射面の単位法線ベクトルとの内積の値をUとしたとき、
【数1】
【数2】
【数3】
なる条件を満たすことを特徴とする光走査装置
【請求項2】
前記偏向器からの前記光束は、前記第1乃至第3の反射面の夫々によって一回ずつ反射されて前記受光素子に入射することを特徴とする請求項に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記反射素子からの前記光束は、前記偏向器によって偏向され前記受光素子に入射することを特徴とする請求項又はに記載の光走査装置。
【請求項4】
前記反射素子からの前記光束を偏向する偏向素子を備えることを特徴とする請求項乃至の何れか一項に記載の光走査装置。
【請求項5】
前記偏向素子の入射面及び出射面は主走査断面において互いに非平行であることを特徴とする請求項に記載の光走査装置。
【請求項6】
前記偏向器からの光束を前記被走査面に導光する結像光学系を備え、
前記偏向素子は、前記結像光学系の光軸方向において前記偏向器と前記被走査面との間に設けられていることを特徴とする請求項又はに記載の光走査装置。
【請求項7】
前記結像光学系は、前記偏向素子と一体化された結像光学素子を含むことを特徴とする請求項に記載の光走査装置。
【請求項8】
前記反射素子からの前記光束は、前記偏向素子によって偏向されて前記受光素子に入射することを特徴とする請求項4乃至7の何れか一項に記載の光走査装置。
【請求項9】
前記偏向器からの光束を前記被走査面に導光する結像光学系を備え、
前記受光素子は、前記結像光学系の光軸方向において前記偏向器と前記被走査面との間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の光走査装置。
【請求項10】
前記受光素子による受光のタイミングに基づいて前記光源の発光タイミングを調整する制御部を備えることを特徴とする請求項乃至の何れか一項に記載の光走査装置。
【請求項11】
請求項乃至10の何れか一項に記載の光走査装置と、該光走査装置により前記被走査面に形成される静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像された前記トナー像を被転写材に転写する転写器と、転写された前記トナー像を前記被転写材に定着させる定着器とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項乃至10の何れか一項に記載の光走査装置と、外部機器から出力された信号を画像データに変換して前記光走査装置に入力するプリンタコントローラとを備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射素子に関し、特に光走査装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光走査装置においてはコンパクトな書き出し位置検出手段を設けることで小型化が図られている。
特許文献1は、偏向器によって偏向された後に平面ミラーによって光源へ戻るように反射された光束を光源内に設けられた受光素子が受光することで書き出し位置を検出することができる光走査装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-323221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている光走査装置では、外乱の発生に伴って平面ミラーの姿勢が変化すると受光素子における光束の入射位置が変化するため、書き出し位置の検出精度が低下してしまう。
また特許文献1に開示されている光走査装置では、平面ミラーによって反射された光束は光源内の発光素子を通過するため、受光素子に入射する際の光量が低下してしまう。
そこで本発明は、姿勢が変化しても受光素子における光束の入射位置や光量の変化を抑制することができる反射素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る光走査装置は、光源からの光束を反射する反射素子と、反射素子からの光束を受光する受光素子と、光源からの光束を偏向して被走査面を主走査方向に走査する偏向器とを備え、反射素子は第1、第2、及び第3の反射面を有し、第1及び第2の反射面は第1の稜線を形成するように互いに接しており、第2及び第3の反射面は第2の稜線を形成するように互いに接しており、第3及び第1の反射面は第3の稜線を形成するように互いに接しており、第1及び第2の稜線は互いに非垂直であり、第2及び第3の稜線は互いに非垂直であり、第3及び第1の稜線は互いに垂直であり、第1の反射面の単位法線ベクトルと第2の反射面の単位法線ベクトルとの内積の値をS、第1の反射面の単位法線ベクトルと第3の反射面の単位法線ベクトルとの内積の値をT、第2の反射面の単位法線ベクトルと第3の反射面の単位法線ベクトルとの内積の値をUとしたとき、
【数1】
【数2】
【数3】
なる条件を満たすことを特徴とする。

【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、姿勢が変化しても受光素子における光束の入射位置や光量の低下を抑制することができる反射素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第一実施形態に係る光検出装置の断面図及び拡大断面図。
図2】第一実施形態に係る光検出装置が備える反射素子の斜視図及び断面内投影図。
図3】第一実施形態の変形例に係る光検出装置が備える反射素子の斜視図及び断面内投影図。
図4】第二実施形態に係る光走査装置の主走査断面図、拡大主走査断面図及び開口手段の正面図。
図5】第三実施形態に係る光走査装置の主走査断面図及び拡大主走査断面図。
図6】第三実施形態に係る光走査装置において受光素子によって受光される光の出力の時間変化を示した図。
図7】実施形態に係る画像形成装置の要部副走査断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本実施形態に係る反射素子を添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお以下に示す図面は、本実施形態を容易に理解できるようにするために、実際とは異なる縮尺で描かれている場合がある。
【0009】
[第一実施形態]
図1(a)、(b)及び(c)はそれぞれ、第一実施形態に係る光検出装置500の要部断面図、反射素子106の近傍における拡大断面図及び受光素子100の近傍における拡大断面図を示している。
なお図1(b)において、反射素子106は投影して示されている。
【0010】
図2(a)及び(b)はそれぞれ、本実施形態に係る光検出装置500が備える反射素子106の要部斜視図及びXZ断面内投影図を示している。
また図2(c)及び(d)はそれぞれ、本実施形態に係る光検出装置500が備える反射素子106のYZ断面内投影図及びXY断面内投影図を示している。
【0011】
なお本実施形態に係る光検出装置500では、図2(a)に示されているように、反射素子106は立方体の外形を有しており、互いに直交する三つの軸をそれぞれ、X軸、Y軸及びZ軸としている。
また、図1(a)乃至(c)及び図2(a)乃至(d)における矢印は、光束の進行方向を示している。
【0012】
本実施形態に係る光検出装置500は、受光素子100、光源101、結像手段102、104、105及び反射素子106を備えている。
【0013】
受光素子100としては、フォトダイオード等が用いられ、後述するように反射素子106によって反射された光束を受光する。そして、図1(a)及び(c)に示されているように、受光素子100は、光束の光路に沿って光源101に対して反射素子106とは反対側に設けられている。
光源101としては、半導体レーザー等が用いられ、反射素子106に向けて光束を出射する。
【0014】
結像手段102は、紙面に平行、すなわち光軸に平行な所定の断面(以下、第1の断面と称する)内において有限のパワー(屈折力)を有しており、光源101から出射した光束を第1の断面内において集光する。
このようにして、光源101から出射した光束は、一次結像点103の近傍において第1の断面内で集光される。
【0015】
結像手段104及び105は、第1の断面内において有限のパワーを有しており、一次結像点103を通過した光束を第1の断面内において再び集光する。
【0016】
反射素子106は、図2(a)乃至(d)に示されている構造を有する。そして反射素子106は、結像手段104及び105を通過した光束を第1の断面内においては光軸に対して入射光束とは異なる角度で、光軸に平行且つ第1の断面に垂直な第2の断面内においては光軸に対して入射光束と同一の角度で反射するように配置されている。
【0017】
具体的には、図2(a)乃至(d)に示されているように、反射素子106は、第1の反射面1061、第2の反射面1062及び第3の反射面1063を有している。
そして、第1の反射面1061と第2の反射面1062とが稜線106a(第1の稜線)を形成するように互いに接していると共に、第2の反射面1062と第3の反射面1063とが稜線106b(第2の稜線)を形成するように互いに接している。
【0018】
また、第3の反射面1063と第1の反射面1061とが稜線106c(第3の稜線)を形成するように互いに接している。
そして、図2(a)に示されているように、反射素子106において第1乃至第3の反射面1061乃至1063は、光束を反射する凹形状の空間を形成している。
【0019】
ここで、本実施形態に係る光検出装置500が備える反射素子106では、稜線106aと稜線106bとが互いになす角度は90度とは異なっており、稜線106cと稜線106bとが互いになす角度は90度とは異なっている。すなわち、稜線106aと稜線106bとは互いに非垂直であり、稜線106cと稜線106bとは互いに非垂直である。
具体的には、稜線106a及び106cはそれぞれ、稜線106bに対して角度91°をなしている。一方、稜線106aと稜線106cとが互いになす角度は90度となっている。
また、図1(b)及び図2(a)に示されているように、第1の反射面1061の対角線1061dと稜線106bとが互いになす角度(90°+θ)は、91.41°となっている。
【0020】
そして、結像手段104及び105を通過した後、反射素子106に入射した光束は、最初に第1の反射面1061上の点Aにおいて反射された後、第2の反射面1062上の点Bにおいて反射され、最後に第3の反射面1063上の点Cにおいて反射される。
すなわち、反射素子106に入射した光束は、第1乃至第3の反射面1061乃至1063の夫々によって一回ずつ反射される。
【0021】
このようにして、入射光束及び出射光束それぞれの進行方向は、図2(b)に示されているXZ断面内及び図2(c)に示されているYZ断面内では互いに非平行である一方で、図2(d)に示されているXY断面内では互いに略平行になる。
【0022】
そして反射素子106では、第1の反射面1061、第2の反射面1062及び第3の反射面1063それぞれの法線の単位ベクトル(以下、単位法線ベクトルと称する。)n1061、n1062及びn1063はそれぞれ、以下の表1のように表される。
【表1】
【0023】
従って、第1の反射面1061の単位法線ベクトルn1061と第2の反射面1062の単位法線ベクトルn1062との内積をSと表したとき、内積Sは、以下の式(1)のように求められる。
S=n1061・n1062=0.01745 ・・・(1)
【0024】
また、第1の反射面1061の単位法線ベクトルn1061と第3の反射面1063の単位法線ベクトルn1063との内積をTと表したとき、内積Tは、以下の式(2)のように求められる。
T=n1061・n1063=0.01745 ・・・(2)
【0025】
同様に、第2の反射面1062の単位法線ベクトルn1062と第3の反射面1063の単位法線ベクトルn1063との内積をUと表したとき、内積Uは、以下の式(3)のように求められる。
U=n1062・n1063=0 ・・・(3)
【0026】
すなわち、本実施形態に係る光検出装置500では、内積S、内積T及び内積Uの絶対値をそれぞれ|S|、|T|及び|U|と表したとき、以下の条件式(4)、(5)及び(6)が満たされている。
【数4】
【数5】
【数6】
【0027】
条件式(4)、(5)及び(6)の少なくとも一つにおいて上限値以上になると、反射素子106によって反射された光束が、入射光束の進行方向に対して角度が大きすぎる方向に出射されるため、受光素子100に効率よく入射させることが困難になる。
また条件式(4)及び(5)の少なくとも一つにおいて下限値より小さくなると、反射素子106によって反射された光束が、入射光束の進行方向に対して角度が小さすぎる方向に出射されるため、受光素子100に効率よく入射させることが困難になる。
【0028】
このようにして、図1(b)に示されているように、反射素子106からは、第1の断面内においては入射光束に対して角度2θ=2.82°をなすと共に、第2の断面内においては入射光束に対して同一方向の逆向きに光束が出射する。
【0029】
これにより、図1(a)及び(c)に示されているように、反射素子106によって反射された光束は、結像手段105、104及び102を再び通過することで、光源101に入射することなく、受光素子100に効率よく導光されることができる。
【0030】
また本実施形態に係る光検出装置500では、図3(a)乃至(d)に示されているような反射素子116を用いることも可能である。
【0031】
図3(a)及び(b)はそれぞれ、反射素子116の要部斜視図及びXZ断面内投影図を示している。
また図3(c)及び(d)はそれぞれ、反射素子116のYZ断面内投影図及びXY断面内投影図を示している。
【0032】
具体的には、反射素子116は、第1の反射面1161、第2の反射面1162及び第3の反射面1163を有している。
そして、第1の反射面1161と第2の反射面1162とが稜線116aを形成するように互いに接していると共に、第2の反射面1162と第3の反射面1163とが稜線116bを形成するように互いに接している。
また、第3の反射面1163と第1の反射面1161とが稜線116cを形成するように互いに接している。
【0033】
そして、反射素子116を本実施形態に係る光検出装置500に配置した際に、反射素子116に入射した光束は、最初に第1の反射面1161上の点Aにおいて反射された後、第2の反射面1162上の点Bにおいて反射され、最後に第3の反射面1163上の点Cにおいて反射される。
これにより、入射光束及び出射光束それぞれの進行方向は、図3(b)に示されているXZ断面内及び図3(c)に示されているYZ断面内では互いに略平行である一方で、図3(d)に示されているXY断面内では互いに非平行になる。
【0034】
そして反射素子116では、第1の反射面1161、第2の反射面1162及び第3の反射面1163それぞれの法線の単位ベクトル(単位法線ベクトル)n1161、n1162及びn1163はそれぞれ、以下の表2のように表される。
【表2】
【0035】
従って、第1の反射面1161の単位法線ベクトルn1161と第2の反射面1162の単位法線ベクトルn1162との内積をSと表したとき、内積Sは、以下の式(7)のように求められる。
S=n1161・n1162=0 ・・・(7)
【0036】
また、第1の反射面1161の単位法線ベクトルn1161と第3の反射面1163の単位法線ベクトルn1163との内積をTと表したとき、内積Tは、以下の式(8)のように求められる。
T=n1161・n1163=0 ・・・(8)
【0037】
同様に、第2の反射面1162の単位法線ベクトルn1162と第3の反射面1163の単位法線ベクトルn1163との内積をUと表したとき、内積Uは、以下の式(9)のように求められる。
U=n1162・n1163=-0.0392 ・・・(9)
【0038】
すなわち、反射素子116では、上記の条件式(4)乃至(6)が満たされている。
【0039】
なお本実施形態に係る光検出装置500では、以下の条件式(4a)、(5a)及び(6a)が満たされていることが好ましい。
【数7】
【数8】
【数9】
【0040】
また本実施形態に係る光検出装置500では、以下の条件式(4b)、(5b)及び(6b)が満たされていることがさらに好ましい。
【数10】
【数11】
【数12】
【0041】
以上のように、本実施形態に係る光検出装置500では、上記に示した構成を有する反射素子106を用いることで、反射素子106の姿勢が変化しても、受光素子100に光束を高精度に戻すことができる。
これにより、光源101から出射した光束の、結像手段102、104及び105等を通過することによる光量の変化量を測定することで、光検出装置500における光学系を高精度に評価することができる。
【0042】
なお、本実施形態に係る光検出装置500では、反射素子106によって反射された光束を、光源101に近接した所定の範囲に設けられた受光素子100に入射させるため、入射光束及び反射光束それぞれの進行方向が互いになす角度2θは6度以下であることが好ましい。
【0043】
[第二実施形態]
図4(a)及び(b)はそれぞれ、第二実施形態に係る光走査装置600の要部主走査断面図及び反射素子209の近傍における拡大主走査断面図を示している。
また図4(c)は、第二実施形態に係る光走査装置600が備える開口手段208の正面図を示している。
また図4(d)は、第二実施形態に係る光走査装置600の偏向素子210の近傍における拡大主走査断面図を示している。
なおここで、図4(a)乃至(d)における矢印は、光束の進行方向を示している。
【0044】
また以下の説明において、主走査方向とは、偏向器の回転軸及び光学系の光軸に垂直な方向である。副走査方向とは、偏向器の回転軸に平行な方向である。主走査断面とは、副走査方向に垂直な断面である。副走査断面とは、主走査方向に垂直な断面である。
従って以下の説明において、主走査方向及び副走査断面は、入射光学系と走査光学系とで異なることに注意されたい。
【0045】
本実施形態に係る光走査装置600は、光源201、第1の開口絞り202、アナモコリメータレンズ203及び第2の開口絞り204を備えている。
また本実施形態に係る光走査装置600は、偏向器205、第1のfθレンズ206、第2のfθレンズ207及び開口手段208を備えている。
また本実施形態に係る光走査装置600は、反射素子209、偏向素子210、結像手段211及び受光素子212を備えている。
【0046】
光源201としては、半導体レーザー等が用いられ、偏向器205に向けて光束を出射する。
第1の開口絞り202は、光源201から射出された光束の副走査断面内における光束径を制限する。
【0047】
アナモコリメータレンズ203は、第1の開口絞り202を通過した光束を主走査断面内において平行光束に変換する。なおここで、平行光束とは厳密な平行光束だけでなく、弱発散光束や弱収束光束等の略平行光束を含むものとする。
またアナモコリメータレンズ203は、副走査断面内において有限のパワー(屈折力)を有しており、第1の開口絞り202を通過した光束を副走査方向に集光する。
【0048】
第2の開口絞り204は、アナモコリメータレンズ203を通過した光束の主走査断面内における光束径を制限する。
【0049】
このようにして、光源201から出射した光束は、偏向器205の近傍において副走査方向にのみ集光され、主走査方向に長い線像として結像される。
なお本実施形態に係る光走査装置600では、第1の開口絞り202、アナモコリメータレンズ203及び第2の開口絞り204によって入射光学系75が構成される。
【0050】
偏向器205は、不図示のモーター等の駆動手段により回転することによって、入射した光束を偏向走査する。なお偏向器205は、例えばポリゴンミラーで構成される。
【0051】
第1のfθレンズ206(第1の結像光学素子)及び第2のfθレンズ207は、主走査断面内と副走査断面内とで異なるパワーを有するアナモフィック結像レンズである。
本実施形態に係る光走査装置600では、第1のfθレンズ206及び第2のfθレンズ207によって走査光学系(結像光学系)85が構成される。
なお、第2のfθレンズ207の副走査断面内における屈折力は、第1のfθレンズ206の副走査断面内における屈折力よりも強く、すなわち走査光学系85の中で最も強い。
【0052】
このようにして、偏向器205によって偏向された光束は走査光学系85によって不図示の被走査面上に集光(導光)され走査される。
【0053】
開口手段208は、偏向器205によって所定の方向に偏向された後、第1のfθレンズ206及び第2のfθレンズ207を通過した光束の主走査断面内及び副走査断面内における光束径を制限する。
具体的に開口手段208には、図4(b)及び(c)に示されているように、第1のfθレンズ206及び第2のfθレンズ207を通過した光束が通過する第1の開口部2081が形成されている。
なお開口手段208には、後述するように反射素子209によって反射された光束が通過することで主走査断面内及び副走査断面内における光束径を制限するように構成された第2の開口部2082も形成されている。
【0054】
反射素子209は、図2(a)乃至(d)に示されている反射素子106と同一の構造を有する反射素子である。
そして図4(b)に示されているように、反射素子209は、開口手段208を通過した光束を主走査断面内においては異なる方向、副走査断面内においては同一方向の逆向きに反射する。
【0055】
偏向素子210は、図4(d)に示されているように、反射素子209によって反射された後に第2のfθレンズ207を再び通過した光束の進行方向を変化させる(偏向する)手段であり、例えばクサビ形状を有する光学素子で構成される。換言すると、偏向素子210の入射面及び出射面は、主走査断面において互いに非平行である。
そして偏向素子210は、走査光学系85の光軸方向において、偏向器205と被走査面との間に設けられている。なお、偏向素子210の頂角は10°に設定されている。
【0056】
結像手段211は、偏向素子210及び第1のfθレンズ206を通過した後、偏向器205によって再び偏向された光束を受光素子212の近傍に集光する手段であり、例えば凸レンズで構成される。
受光素子212は、結像手段211を通過した光束を受光する受光素子であり、例えばフォトダイオードで構成される。
【0057】
すなわち、本実施形態に係る光走査装置600では、反射素子209によって反射された光束を偏向器205を介して受光素子212に入射させることができる。
また、本実施形態に係る光走査装置600では、受光素子212は、走査光学系85の光軸方向において偏向器205と被走査面との間に設けられている。
【0058】
また図4(c)には、開口手段208に平行な断面内に投影された反射素子209も示されている。
反射素子209は、第1の反射面2091、第2の反射面2092及び第3の反射面2093を有する。
【0059】
そして、第1の反射面2091と第2の反射面2092とが稜線209aを形成するように互いに接していると共に、第2の反射面2092と第3の反射面2093とが稜線209bを形成するように互いに接している。
また、第3の反射面2093と第1の反射面2091とが稜線209cを形成するように互いに接している。
【0060】
そして反射素子209に入射した光束は、最初に第1の反射面2091によって反射された後、第2の反射面2092によって反射され、最後に第3の反射面2093によって反射される。
また本実施形態に係る光走査装置600では、稜線209a及び209cはそれぞれ、稜線209bに対して角度91°をなしている。
【0061】
反射素子209を上記のように設計することで、反射素子209の各反射面によって反射された光束は、入射光束に対して角度をなした状態で進行する。
また本実施形態に係る光走査装置600では、主走査断面内において第2の反射面2092より第1の反射面2091の方が走査光学系85の光軸に近接するように反射素子209を配置している。
【0062】
これにより、反射素子209によって反射された光束を第1のfθレンズ206及び第2のfθレンズ207それぞれの主走査方向端部に導光することができるため、光源201に入射させずに、受光素子212に効率よく導光することができる。
【0063】
以上のように、本実施形態に係る光走査装置600では、上記に示した構成を有する反射素子209を用いることで、反射素子209の姿勢が変化しても、受光素子212に光束を高精度に戻すことができる。
これにより、光源101から出射した光束の、入射光学系75及び走査光学系85を通過することによる光量の変化量を測定することで、光走査装置600における光学系を高精度に評価することができる。
【0064】
[第三実施形態]
図5(a)及び(b)は、第三実施形態に係る光走査装置700の主走査断面図及び第1のfθレンズ306の近傍における拡大主走査断面図を示している。
また図5(c)は、第三実施形態に係る光走査装置700の第1のfθレンズ306の端部近傍における拡大主走査断面図を示している。
【0065】
なお、本実施形態に係る光走査装置700は、第1のfθレンズ206及び偏向素子210の代わりに第1のfθレンズ306を設けている以外は、第二実施形態に係る光走査装置600と同一の構成であるため、同一の部材には同一の符番を付して説明を省略する。
また、図5(a)及び(b)における矢印は、光束の進行方向を示している。
【0066】
本実施形態に係る光走査装置700では、第1のfθレンズ306(第1の結像光学素子)が偏向器205によって偏向された光束を被走査面313上に導光する機能と、反射素子209によって反射された後、第2のfθレンズ207を再び通過した光束の進行方向を変化させる機能とを有している。
【0067】
具体的には、第1のfθレンズ306は、被走査面313を走査する光束が通過する領域においては主走査断面内と副走査断面内とで異なるパワーを有するアナモフィック結像レンズである。
そして、偏向器205によって偏向された光束が例えば感光ドラムである被走査面313上に集光(導光)され、被走査面313は偏向器205によって主走査方向に走査される。
【0068】
また第1のfθレンズ306は、被走査面313を走査する光束が通過する領域とは異なる領域、すなわち一方の主走査方向端部に偏向部3061を有している。
そして、反射素子209によって偏向された後、第2のfθレンズ207を再び通過した光束が偏向部3061において偏向される。
すなわち、本実施形態に係る光走査装置700では、反射素子209によって反射された光束の進行方向を変化させる偏向素子が、第1のfθレンズ306に一体に形成されている。
【0069】
本実施形態に係る光走査装置700では、第1のfθレンズ306及び第2のfθレンズ207によって走査光学系85が構成される。
そして、第2のfθレンズ207の副走査断面内における屈折力は、第1のfθレンズ306の副走査断面内における屈折力より強く、すなわち走査光学系85の中で最も強い。
【0070】
また本実施形態に係る光走査装置700において、第1のfθレンズ306の偏向部3061は、図5(b)に示されているように、主走査断面内において反射素子209からの光束を走査光学系85の光軸に向けて偏向することで偏向器205に入射させる形状を有している。
これにより、主走査断面内において光源201と反射素子209との間に配置された受光素子212に光束を導光することができる。
【0071】
また第1のfθレンズ306の偏向部3061は、図5(c)に示されているように、主走査方向の内側端部から外側端部に向けて肉厚が薄くなる形状を有している。
そして、第1のfθレンズ306の偏向器205側の光学面306aのうち、偏向部3061に対応する部分は、光軸を含む主走査断面内において、残りの部分(すなわち、結像に寄与する部分)の偏向部3061側の端部における傾きに対して角度φだけ傾いている。
なお、本実施形態に係る光走査装置700では、角度φは18°に設定されている。
【0072】
また反射素子209は、光軸方向において偏向器205と被走査面313との間に配置されているため、偏向部3061に凸のパワーを与えることで、受光素子212に光束をより高精度に導光することが可能となる。
【0073】
図6は、本実施形態に係る光走査装置700において受光素子212によって受光される光の出力の時間変化を示している。
【0074】
本実施形態に係る光走査装置700では、受光素子212は、光源201が発光している間、常に所定の量の光を受光している。
そして、本実施形態に係る光走査装置700では、不図示の同期検知手段による同期検知によって、偏向器205の回転位相の基準となる位置を決定することができ、基準時刻(0マイクロ秒)を決めることができる。
【0075】
また、所定の時間において、偏向器205によって所定の方向に偏向された光束が反射素子209に入射した後、反射素子209によって反射された光束が、上記に示したように偏向器205によって再び偏向されることで受光素子212に戻る。
そのため図6に示されているように、受光素子212における出力Iでは、常に受光している光の出力に加えて、所定の時間において反射素子209から受光素子212に戻る光の出力が重畳される。
【0076】
このとき、図6に示されているように閾値Pを設定することで、反射素子209によって反射された光束が受光素子212に戻る時刻をt(マイクロ秒)に決めることができる。
これにより、開口手段208の位置を時刻t(マイクロ秒)と偏向器215による走査速度V(mm/s)とから求めることができる。
【0077】
すなわち、本実施形態に係る光走査装置700では、不図示の同期検知手段において光束を受光したタイミング(すなわち、時刻0)と受光素子212において光束を受光したタイミング(すなわち、時刻t)とに基づいて、不図示の制御部がそれらの受光の間の時間を演算することができる。
これにより、例えば昇温等によって生じる走査光学系85による結像位置の変化を検知することができる。
そして演算された時間に基づいて、光源201の発光タイミングを調整することができる。
【0078】
以上のように、本実施形態に係る光走査装置700では、上記に示した構成を有する反射素子209を用いることで、反射素子209の姿勢が変化しても、受光素子212に光束を高精度に戻すことができる。
これにより、被走査面313における走査タイミングを精度良く調整することができ、高精度な印字を行うことが可能となる。
【0079】
以上、好ましい実施形態について説明したが、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0080】
例えば、第一乃至第三実施形態に係る装置では、光束を表面で反射する反射素子を用いているが、これに限らず光束を内面で全反射する反射素子を用いても同様の効果が得られる。
また、第一乃至第三実施形態に係る装置では、アナモコリメータレンズを用いているが、これに限らずコリメータレンズとシリンドリカルレンズとを組み合わせた光学系を用いても同様の効果が得られる。
また、上記に示した本実施形態に係る反射素子は、光検出装置や光走査装置に限らず、他の光学装置に用いることも可能である。
【0081】
[モノクロ画像形成装置]
図7(a)は、第二及び第三実施形態のいずれかに係る光走査装置を備える画像形成装置1204の要部副走査断面図を示している。
【0082】
図7(a)に示されているように、画像形成装置1204には、パーソナルコンピュータ等の外部機器1217からコードデータDcが入力される。
そして、入力されたコードデータDcは、装置内のプリンタコントローラ1211によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。
【0083】
次に、変換された画像データDiは、第二及び第三実施形態のいずれかに係る光走査装置である光走査ユニット1200に入力される。
そして光走査ユニット1200からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム1203が出射され、光ビーム1203によって感光ドラム1201の感光面が主走査方向に走査される。
【0084】
静電潜像担持体(感光体)たる感光ドラム1201は、モーター1215によって図7(a)に示されているように時計廻りに回転させられる。
そして、この回転に伴って、感光ドラム1201の感光面が光ビーム1203に対して主走査方向と直交する副走査方向に移動する。
【0085】
また感光ドラム1201の上方には、感光ドラム1201の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ1202が表面に当接するように設けられている。
そして、帯電ローラ1202によって帯電された感光ドラム1201の表面に、光走査ユニット1200によって走査される光ビーム1203が照射されるようになっている。
【0086】
上述したように、光ビーム1203は画像データDiに基づいて変調されており、光ビーム1203を照射することによって感光ドラム1201の表面に静電潜像が形成される。
そして、形成された静電潜像は、感光ドラム1201における光ビーム1203の照射位置よりもさらに回転方向の下流側において感光ドラム1201に当接するように配設された現像器1207によってトナー像として現像される。
【0087】
次に、現像器1207によって現像されたトナー像は、感光ドラム1201の下方において感光ドラム1201に対向するように配設された転写ローラ1208によって被転写材たる用紙1212上に転写される。
なお、用紙1212は感光ドラム1201の前方(図7(a)において右側)の用紙カセット1209内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。
そして、用紙カセット1209の端部には給紙ローラ1210が配設されており、用紙カセット1209内の用紙1212が搬送路へ送り込まれる。
【0088】
以上のようにして未定着トナー像が転写された用紙1212は、感光ドラム1201の後方(図7(a)において左側)に配置されている定着器へと搬送される。
定着器は、内部に定着ヒータ(不図示)を有する定着ローラ1213と定着ローラ1213に圧接するように配設された加圧ローラ1214とで構成されている。
そして、転写ローラ1208から搬送されてきた用紙1212を定着ローラ1213と加圧ローラ1214との圧接部によって加圧しながら加熱することにより、用紙1212上の未定着トナー像が定着される。
【0089】
また、定着ローラ1213の後方には排紙ローラ1216が配設されており、定着された用紙1212は、画像形成装置1204の外部に排出される。
【0090】
なお図7(a)においては図示していないが、プリンタコントローラ1211は、上述のデータ変換に加えて、モーター1215等の画像形成装置1204内の各部材や、光走査ユニット1200内のポリゴンモーター等の制御も行う。
【0091】
[カラー画像形成装置]
図7(b)は、第二及び第三実施形態のいずれかに係る光走査装置を備える画像形成装置90の要部副走査断面図を示している。
【0092】
画像形成装置90は、四個の光走査装置が各々並行して像担持体である感光ドラム面上に画像情報を記録するタンデムタイプのカラー画像形成装置である。
画像形成装置90は、第二及び第三実施形態のいずれかに係る光走査装置と同一の構成である光走査装置11、12、13及び14、像担持体としての感光ドラム23、24、25及び26を備えている。
また画像形成装置90は、現像器15、16、17及び18、搬送ベルト91、プリンタコントローラ93及び定着器94を備えている。
【0093】
図7(b)に示されているように、画像形成装置90には、パーソナルコンピュータ等の外部機器92からR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号が入力される。
そして、入力された色信号は、装置内のプリンタコントローラ93によって、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各画像データ(ドットデータ)に変換される。
【0094】
次に、変換された画像データはそれぞれ、光走査装置11、12、13及び14に入力される。
そして、光走査装置11、12、13及び14からは、各画像データに応じて変調された光ビーム19、20、21及び22が射出され、光ビーム19、20、21及び22によって感光ドラム23、24、25及び26の感光面が主走査方向に走査される。
【0095】
感光ドラム23、24、25及び26それぞれの表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ(不図示)が表面に当接するように設けられている。
そして、帯電ローラによって帯電された感光ドラム23、24、25及び26の表面に、光走査装置11、12、13及び14によって光ビーム19、20、21及び22が照射されるようになっている。
【0096】
上述したように、光ビーム19、20、21及び22は各色の画像データに基づいて変調されており、光ビーム19、20、21及び22を照射することによって感光ドラム23、24、25及び26の表面に静電潜像が形成される。
そして、形成された静電潜像は、感光ドラム23、24、25及び26に当接するように配設された現像器15、16、17及び18によってトナー像として現像される。
【0097】
次に、現像器15、16、17及び18によって現像されたトナー像は、感光ドラム23、24、25及び26に対向するように配設された不図示の転写ローラ(転写器)によって搬送ベルト91上を搬送される不図示の用紙(被転写材)上に多重転写され、一枚のフルカラー画像が形成される。
そして、未定着トナー像が転写された用紙は、さらに感光ドラム23、24、25及び26の後方(図7(b)において左側)に設けられた定着器94へと搬送される。
【0098】
定着器94は、内部に定着ヒータ(不図示)を有する定着ローラとこの定着ローラに圧接するように配設された加圧ローラとで構成されている。
そして、転写部から搬送されてきた用紙が定着ローラと加圧ローラとの圧接部によって加圧しながら加熱されることにより、用紙上の未定着トナー像が定着される。
さらに、定着器94の後方には不図示の排紙ローラが配設されており、排紙ローラは定着された用紙を画像形成装置90の外部に排出せしめる。
【0099】
画像形成装置90は、四個の光走査装置11、12、13及び14を並べ、各々がC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色に対応している。
そして画像形成装置90では、四個の光走査装置11、12、13及び14の各々が並行して感光ドラム23、24、25及び26の感光面上に画像信号(画像情報)を記録することで、カラー画像を高速に印字することができる。
【0100】
なお、外部機器92としては、例えばCCDセンサを備えたカラー画像読取装置が用いられてもよい。
この場合には、このカラー画像読取装置と画像形成装置90とで、カラーデジタル複写機が構成される。
【符号の説明】
【0101】
106 反射素子(反射素子)
1061 第1の反射面
1062 第2の反射面
1063 第3の反射面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7