(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】ガス管内へのカメラ挿入装置、及びガス管内へのカメラ挿入方法
(51)【国際特許分類】
F16L 55/00 20060101AFI20240902BHJP
F16L 55/28 20060101ALI20240902BHJP
F16L 41/04 20060101ALI20240902BHJP
G01M 3/00 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
F16L55/00 Z
F16L55/00 D
F16L55/28
F16L41/04
G01M3/00 Z
(21)【出願番号】P 2020172602
(22)【出願日】2020-10-13
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 龍児
(72)【発明者】
【氏名】安部 浩
(72)【発明者】
【氏名】今野 実
【審査官】広瀬 雅治
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-061787(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02469286(GB,A)
【文献】特開2002-061786(JP,A)
【文献】実開平05-062116(JP,U)
【文献】特開2008-220462(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0276566(US,A1)
【文献】特開2003-232486(JP,A)
【文献】特開2016-171665(JP,A)
【文献】特開平08-135853(JP,A)
【文献】特開平03-292490(JP,A)
【文献】特開2002-147682(JP,A)
【文献】特開平02-304295(JP,A)
【文献】米国特許第05025670(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/00
F16L 55/28
F16L 41/04
G01M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の樹脂製のガス管に取り付けられ、前記ガス管が延びる方向に対して直角に延びる分岐部を有する樹脂製の継手と、
前記分岐部の下流側に設けられる配管部品を閉塞する閉塞部材と、
前記閉塞部材に設けられ、弾性的に開閉して管内カメラを挿通可能とするパッキン部と、
前記閉塞部材と前記継手の間に
設けられた開閉可能なシャッター装置と、
前記シャッター装置の前記継手側と反対側に接続され、前記ガス管に対する直角方向から傾斜した方向に延び、前記閉塞部材が取り付けられる挿入管と、
を有するガス管内へのカメラ挿入装置。
【請求項2】
既設の樹脂製のガス管を露出させる第1工程と、
露出した前記ガス管に樹脂製の継手を取り付ける第2工程と、
前記継手からのガスの漏出を抑制しつつ、前記継手の分岐部を通じて前記ガス管にカメラ挿入孔を穿孔する第3工程と、
弾性的に開閉して管内カメラを挿通可能とするパッキン部を有する閉塞部材を前記継手の前記分岐部に取り付けて該分岐部を閉塞する第4工程と、
前記管内カメラを前記パッキン部から前記継手内に挿入し、更に前記カメラ挿入孔を通じて前記ガス管内に挿入する第5工程と、
を有するガス管内へのカメラ挿入方法。
【請求項3】
前記第3工程において、前記継手に開閉可能なシャッター装置を設けて前記継手からのガスの漏出を抑制する請求項2に記載のガス管内へのカメラ挿入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス管内へのカメラ挿入装置、及びガス管内へのカメラ挿入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地中に埋設されたガス管の周囲を掘削し、露出したガス管の一部を切断し、ガス管の内部に検査装置を挿入する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来例のように、ガス管の一部を切断するには、工事の間ガスの供給を停止する必要がある。
【0005】
ガスの供給を維持しつつ既設の樹脂製のガス管(PE管)内をカメラで観察するには、ガス管の一部を例えば約600mmの長さの鋼管で構成されるバルブ付挿入管に取り替えて行っている。この場合、バイパス管の設置、ガス遮断、ガス管の一部の切断、バルブ付挿入管の取付け、管内カメラ検査、バルブ付挿入管を取り外し元のガス管に戻す原状復帰、及び仮復旧という工程が必要であった。この結果、ガス管の新設や取替時と同様な工事が発生してしまい、多大な費用と加工時間を要していた。
【0006】
本発明は、管内カメラをガス管に挿入して観察する際の大幅な作業時間短縮と大きなコスト削減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係るガス管内へのカメラ挿入装置は、既設の樹脂製のガス管に取り付けられ、前記ガス管からの分岐部を有する樹脂製の継手と、前記分岐部又は前記分岐部の下流側に設けられる配管部品を閉塞する閉塞部材と、前記閉塞部材に設けられ、弾性的に開閉して管内カメラを挿通可能とするパッキン部と、を有する。
【0008】
このガス管内へのカメラ挿入装置では、樹脂製のガス管に該ガス管からの分岐部を有する樹脂製の継手が取り付けられ、該分岐部を閉塞する閉塞部材に、弾性的に開閉して管内カメラを挿通可能とするパッキン部が設けられている。ガス管のうち分岐部と交わる部位には、穿孔機を用いて、該分岐部を通じてカメラ挿入孔を穿孔することができる。カメラ挿入孔を穿孔することで、管内カメラを閉塞部材のパッキン部から継手の分岐部内に挿入し、更にカメラ挿入孔を通じてガス管内に挿入することができる。
【0009】
これにより、ガスの供給を維持しつつガス管内にカメラを挿入する際に、ガス管を露出させるための広範囲の掘削、バイパス管の設置、ガス遮断、ガス管の一部の切断、バルブ付挿入管の取付け、バルブ付挿入管を取り外し元のガス管に戻す原状復帰といった作業が不要になる。
【0010】
第2の態様は、第1の態様に係るガス管内へのカメラ挿入装置において、前記閉塞部材と前記継手の間に開閉可能なシャッター装置が設けられている。
【0011】
このガス管内へのカメラ挿入装置では、閉塞部材と継手の間に開閉可能なシャッター装置が設けられているので、穿孔機によりカメラ挿入孔を穿孔する前後のガスの漏出を更に抑制することができ、穿孔後は安全に穿孔機を取り外すことができる。
【0012】
第3の態様は、第2の態様に係るガス管内へのカメラ挿入装置において、前記シャッター装置の前記継手側と反対側に、前記ガス管に対する直角方向から傾斜した方向に延びる挿入管が接続され、該挿入管に前記閉塞部材が取り付けられている。
【0013】
このガス管内へのカメラ挿入装置では、シャッター装置の継手側と反対側に、ガス管に対する直角方向から傾斜した方向に延びる挿入管が接続され、該挿入管に閉塞部材が取り付けられている。したがって、管内カメラをガス管内に該ガス管に対する直角方向から挿入する場合と比較して、管内カメラをガス管内に円滑に出し入れすることができる。
【0014】
第4の態様に係るガス管内へのカメラ挿入方法は、既設の樹脂製のガス管を露出させる第1工程と、露出した前記ガス管に樹脂製の継手を取り付ける第2工程と、前記継手からのガスの漏出を抑制しつつ、前記継手の分岐部を通じて前記ガス管にカメラ挿入孔を穿孔する第3工程と、弾性的に開閉して管内カメラを挿通可能とするパッキン部を有する閉塞部材を前記継手の前記分岐部に取り付けて該分岐部を閉塞する第4工程と、前記管内カメラを前記パッキン部から前記継手内に挿入し、更に前記カメラ挿入孔を通じて前記ガス管内に挿入する第5工程と、を有する。
【0015】
このガス管内へのカメラ挿入方法では、第1工程において、既設の樹脂製のガス管を露出させ、第2工程において、露出したガス管に樹脂製の継手を取り付ける。次に、第3工程において、継手からのガスの漏出を抑制しつつ、継手の分岐部を通じてガス管にカメラ挿入孔を穿孔し、第4工程において、弾性的に開閉して管内カメラを挿通可能とするパッキン部を有する閉塞部材を継手の分岐部に取り付けて該分岐部を閉塞する。そして、第5工程において、管内カメラをパッキン部から継手内に挿入し、更にカメラ挿入孔を通じてガス管内に挿入する。
【0016】
これにより、ガスの供給を維持しつつガス管に管内カメラを挿入するあたり、ガス管を露出させるための広範囲の掘削、バイパス管の設置、ガス遮断、ガス管の一部の切断、バルブ付挿入管の取付け、バルブ付挿入管を取り外し元のガス管に戻す原状復帰といった作業が不要になる。
【0017】
第5の態様は、第4の態様に係るガス管内へのカメラ挿入方法において、前記第3工程において、前記継手に開閉可能なシャッター装置を設けて前記継手からのガスの漏出を抑制する。
【0018】
このガス管内へのカメラ挿入方法では、継手に、開閉可能なシャッター装置を設けて継手からのガスの漏出を抑制するので、穿孔機によりカメラ挿入孔を穿孔する前後のガスの漏出を更に抑制することができ、穿孔後は安全に穿孔機を取り外すことができる。
【0019】
第6の態様は、第4の態様に係るガス管内へのカメラ挿入方法において、前記第2工程において、前記継手の取付け後に前記分岐部にガスの漏出を抑制可能な出入口を有するバッグを取り付け、前記第3工程において、前記出入口を通じて穿孔機を前記バッグ内に入れ、前記穿孔機により前記カメラ挿入孔を穿孔し、前記第4工程及び前記第5工程において、前記穿孔機を取り外し、前記管内カメラを、前記パッキン部を通じて前記閉塞部材に通すと共に、前記カメラ挿入孔を通じて前記ガス管内に挿入し、前記閉塞部材を前記継手の前記分岐部に取り付け、前記穿孔機及び前記バッグを取り外す。
【0020】
このガス管内へのカメラ挿入方法では、第2工程において、継手の取付け後に分岐部にガスの漏出を抑制可能な出入口を有するバッグを取り付ける。また、第3工程において、出入口を通じて穿孔機をバッグ内に入れ、穿孔機によりカメラ挿入孔を穿孔する。そして、第4工程及び第5工程において、穿孔機を取り外し、管内カメラを、パッキン部を通じて閉塞部材に通すと共に、カメラ挿入孔を通じてガス管内に挿入し、閉塞部材を継手の分岐部に取り付け、穿孔機及びバッグを取り外す。
【0021】
バッグにより継手からのガスの漏出を抑制するので、穿孔機によりカメラ挿入孔を穿孔する前後のガスの漏出を抑制しつつ、ガス管内をカメラで観察することが可能になる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、管内カメラをガス管に挿入して観察する際の大幅な作業時間短縮と大きなコスト削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】土壌に埋設された既設のガス管を示す断面図である。
【
図2】土壌を掘削しガス管の一部を露出させた状態を示す断面図である。
【
図3】第1実施形態及び第2実施形態に係り、ガス管に継手が取り付けられた状態を示す断面図である。
【
図4】第1実施形態に係り、継手にシャッター装置及び穿孔機が取り付けられた状態を示す断面図である。
【
図5】
図4において、シャッター装置に挿入管が接続され、挿入管にキャップが取り付けられ、キャップのパッキン部から管内カメラがガス管に挿入された状態を示す断面図である。
【
図6】第2実施形態に係り、ガス管に継手が取り付けられ、継手にバッグが取り付けられ、穿孔機が出入口からバッグ内に入れられ継手に取り付けられた状態を示す断面図である。
【
図7】
図6において、穿孔機が取り外され、管内カメラがパッキン部を通じてキャップに通され、該キャップが継手に取り付けられた状態を示す断面図である。
【
図8】
図7において、穿孔機及びバッグを取り外した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一又は同様の構成要素であることを意味する。なお、以下に説明する実施形態において重複する説明及び符号については、省略する場合がある。また、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0025】
(ガス管内へのカメラ挿入装置)
図5において、本実施形態に係るガス管内へのカメラ挿入装置10は、例えば都市ガスの導管としてのガス管20の内部を観察するため、ガス管20(例えばPE管)の内部へ管内カメラ18の挿入を可能にするための装置であり、継手12と、閉塞部材の一例としてのキャップ14と、パッキン部16と、を有している。
【0026】
継手12は、既設の樹脂製のガス管20に取り付けられる樹脂製の部材であり、一般に「サドル」とも称される。継手12は、例えば、ガス管20の外周に固定される台座部12Aと、台座部12Aに立設された分岐部12Bとを一体的に有している。継手12がガス管20に取り付けられた状態において、分岐部12Bはガス管20が延びる方向に対して例えば直角に延びている。分岐部12Bの先端外周には、キャップ14等を取付け可能とするための雄ねじ部12Cが形成されている。また、台座部12Aにおける分岐部12Bとの接続部分には、貫通孔(図示せず)が設けられている。
【0027】
キャップ14は、継手12の分岐部12B又は分岐部12Bの下流側に設けられる配管部品(例えば、後述する挿入管24)を閉塞する部材であり、また、キャップ14は、
図7、
図8に示されるように、分岐部12Bに直接取り付けることも可能となっている。つまり、キャップ14は、ガス管20に管内カメラ18を挿入する際の入口部分を閉塞する部材であり、分岐部12B又はその下流側からのガスの漏出を抑制する。
【0028】
パッキン部16は、キャップ14に設けられ、弾性的に開閉して管内カメラ18を挿通可能とする例えばゴム膜状の部材である。このパッキン部16は、キャップ14のうち管内カメラ18を挿通した部分からのガスの漏出を抑制するために用いられる。
【0029】
キャップ14と継手12の間に、開閉可能なシャッター装置22が設けられていてもよい。
図5に示される例では、分岐部12Bにシャッター装置22が取り付けられている。また、シャッター装置22の継手12側と反対側に、ガス管20に対する直角方向から傾斜した方向に延びる挿入管24が接続され、挿入管24にキャップ14が取り付けられている。なお、シャッター装置22及び挿入管24を省略し、分岐部12Bにキャップ14を直接取り付けてもよい(
図7、
図8参照)。
【0030】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。
図5において、本実施形態に係るガス管内へのカメラ挿入装置10では、樹脂製のガス管20に該ガス管20からの分岐部12Bを有する樹脂製の継手12が取り付けられ、該分岐部12Bを閉塞するキャップ14に、弾性的に開閉して管内カメラ18を挿通可能とするパッキン部16が設けられている。ガス管20のうち分岐部12Bと交わる部位には、穿孔機28を用いて、該分岐部12Bを通じてカメラ挿入孔30を穿孔することができる(
図4)。カメラ挿入孔30を穿孔することで、管内カメラ18をキャップ14のパッキン部16から継手12の分岐部12B内に挿入し、更にカメラ挿入孔30を通じてガス管20内に挿入することができる。
【0031】
これにより、ガスの供給を維持しつつガス管20内にカメラを挿入する際に、ガス管20を露出させるための広範囲の掘削、バイパス管(図示せず)の設置、ガス遮断、ガス管20の一部の切断、バルブ付挿入管(図示せず)の取付け、バルブ付挿入管を取り外し元のガス管20に戻す原状復帰といった作業が不要になる。
【0032】
図4に示されるように、キャップ14と継手12の間に開閉可能なシャッター装置22が設けられている場合、穿孔機28によりカメラ挿入孔30を穿孔する前後のガスの漏出を更に抑制することができ、穿孔後は安全に穿孔機28を取り外すことができる。
【0033】
図5に示されるように、シャッター装置22の継手12側と反対側に、ガス管20に対する直角方向から傾斜した方向に延びる挿入管24が接続されている場合には、該挿入管24にキャップ14が取り付けられている。したがって、管内カメラ18をガス管20内に該ガス管20に対する直角方向から挿入する場合と比較して、管内カメラ18をガス管20内に円滑に出し入れすることができる。
【0034】
このように、本実施形態によれば、管内カメラ18をガス管20に挿入して観察する際の大幅な作業時間短縮と大きなコスト削減を図ることができる。具体的な例を挙げると、工事時間が少なくとも120分短縮できる。また、本体工事費が1/3になり、掘削ボリュームが約1/10になるため、残土処分費、復旧材購入費用の大幅削減が可能になる。
【0035】
(ガス管内へのカメラ挿入方法の第1例)
図1から
図5において、このガス管内へのカメラ挿入方法は、既設の樹脂製のガス管20を露出させる第1工程S1と、露出したガス管20に樹脂製の継手12を取り付ける第2工程S2と、継手12からのガスの漏出を抑制しつつ、継手12の分岐部12Bを通じてガス管20にカメラ挿入孔30を穿孔する第3工程S3と、弾性的に開閉して管内カメラ18を挿通可能とするパッキン部16を有するキャップ14を継手12の分岐部12Bに取り付けて該分岐部12Bを閉塞する第4工程S4と、管内カメラ18をパッキン部16から継手12内に挿入し、更にカメラ挿入孔30を通じてガス管20内に挿入する第5工程S5と、を有する。
【0036】
第1工程S1では、
図1の状態から土壌26を掘削して、
図2に示されるように、土壌26に埋設されている既設のガス管20を露出させる。このとき、継手12を取り付けられる程度に土壌26を掘削すればよいので、ガス管20の一部を切断してバルブ付挿入管(図示せず)を取り付ける場合と比較して、掘削範囲が大幅に小さくなる。
図3において、第2工程S2では、樹脂製の継手12が露出したガス管20に取り付けられる。このとき、継手12の台座部12Aをガス管20の外周面に例えば融着する。
【0037】
図4において、第3工程S3では、継手12の分岐部12Bを通じてガス管20にカメラ挿入孔30を穿孔する。このとき、穿孔機28が用いられる。穿孔機28は、例えば駆動部28Aと、軸部28Bを有し、軸部28Bにはホールカッター28Cが取り付けられる。駆動部28Aによりホールカッター28Cを回転させ、該ホールカッター28Cをガス管20に押し当てることにより、ガス管20にカメラ挿入孔30を穿孔することができる。駆動部28Aは、例えば手動により軸部28Bを回転させることが可能な構成となっている。なお、第3工程S3において、継手12に開閉可能なシャッター装置22を設けて継手12からのガスの漏出を抑制してもよい。この場合、穿孔機28の取付けの際にシャッターを開き、穿孔機28の取外し後にシャッターを閉じることで、分岐部12Bからのガスの漏出を抑制できる。したがって、穿孔機28によりカメラ挿入孔30を穿孔する前後のガスの漏出を更に抑制することができ、穿孔後は安全に穿孔機28を取り外すことができる。
【0038】
第4工程では、キャップ14を継手12の分岐部12Bに取り付けて該分岐部12Bを閉塞する。
図5に示される例では、分岐部12Bにシャッター装置22が取り付けられ、シャッター装置22の継手12側と反対側に挿入管24が接続されているので、キャップ14は該挿入管24に取り付けられる。そして、第5工程S5では、管内カメラ18をキャップ14のパッキン部16から継手12内に挿入し、更にカメラ挿入孔30を通じてガス管20内に挿入する。
図5に示される例では、管内カメラ18をキャップ14のパッキン部16から挿入管24に挿入し、シャッター装置22のシャッターを開いて更に分岐部12Bに挿入し、カメラ挿入孔30を通じてガス管20内に挿入する。
【0039】
これにより、ガス管20を通じたガスの供給を維持しつつガス管20に管内カメラ18を挿入するあたり、ガス管20を露出させるための広範囲の掘削、バイパス管(図示せず)の設置、ガス遮断、ガス管20の一部の切断、バルブ付挿入管(図示せず)の取付け、バルブ付挿入管を取り外し元のガス管20に戻す原状復帰といった作業が不要になる。
【0040】
(ガス管内へのカメラ挿入方法の第2例)
図6から
図8において、このガス管内へのカメラ挿入方法は、上記したガス管内へのカメラ挿入方法の第1例の一部を変更した方法である。
【0041】
具体的には、
図6に示される第2工程S2において、ガス管20への継手12の取付け後に、分岐部12Bに、ガスの漏出を抑制可能な出入口34を有するバッグ32を取り付ける。このバッグ32は、ガスを透過させない素材で構成され、内部を目視できるように少なくとも一部が透明とされている。バッグ32は、例えば継手12における分岐部12Bの根元部に、該継手12との間の気密性を確保した状態で取り付けられている。また、バッグ32は、分岐部12B及び穿孔機28を収容可能な形状及び容積を有している。バッグ32には、穿孔機28を出し入れしたり、作業者の腕(図示せず)を出し入れしたりするための出入口34が設けられている。出入口34には、気密性を確保しつつ弾性的に開閉可能なパッキン部(図示せず)が設けられている。
【0042】
図6に示されるように、第3工程S3において、出入口34を通じて穿孔機28をバッグ32内に入れ、穿孔機28により分岐部12Bを通じてカメラ挿入孔30を穿孔する。次に、
図7に示されるように、第4工程S4及び第5工程S5において、バッグ32内で穿孔機28を取り外し、管内カメラ18を、パッキン部16を通じてキャップ14に通すと共に、カメラ挿入孔30を通じてガス管20内に挿入する。キャップ14を継手12の分岐部12Bに取り付ける。そして、穿孔機28及びバッグ32を取り外すと、
図8に示されるように、キャップ14からガス管20内に管内カメラ18が挿入された状態となる。
【0043】
この例では、バッグ32により継手12からのガスの漏出を抑制するので、穿孔機28によりカメラ挿入孔30を穿孔する前後のガスの漏出を抑制しつつ、ガス管20内をカメラで観察することが可能となる。
【0044】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0045】
例えば、本実施形態に係るガス管20内へのカメラ挿入装置10の構成を、他の管内用の検査機器をガス管20内に挿入するために用いてもよい。つまり、本発明は、ガス管内への検査機器挿入装置であってもよい。検査機器としては、濃度計、成分センサ、超音波探傷器等が考えられる。
【0046】
閉塞部材の一例としてキャップ14を挙げたが、閉塞部材はこれに限られず、プラグ等の部材であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 ガス管へのカメラ挿入装置
12 継手
12B 分岐部
14 キャップ(閉塞部材)
16 パッキン部
18 管内カメラ
20 ガス管
22 シャッター装置
24 挿入管
28 穿孔機
30 カメラ挿入孔
32 バッグ
34 出入口