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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】美容兼用衛生マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20240902BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20240902BHJP
   A45D 44/22 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
A41D13/11 A
A62B18/02 C
A45D44/22 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020193724
(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公開番号】P2022082263
(43)【公開日】2022-06-01
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000114628
【氏名又は名称】ヤーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】小島 英明
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2151743(KR,B1)
【文献】特開2020-147886(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02962596(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 7/00-33/00
A45D 44/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
美容作用を及ぼすことのできる美容兼用衛生マスクであって、
使用者の顎部分を覆う第1マスクと、口部分を覆う第2マスクとを連結して形成した美容兼用衛生マスクであって、
該第1マスクは中央線の左右を構成するそれぞれ平面状の左半面及び右半面を含み、
該第2マスクは中央線の左右を構成するそれぞれ平面状の左半面及び右半面を含み、
該第2マスクの該左半面、該第1マスクの該左半面、該第1マスクの該右半面、該第2マスクの該右半面の順に中央線を重ねた状態で端部を連結固定し、外側に向けて力を作用させない状態でも凸状となるように該第1マスク及び該第2マスクの各中央線が同一な湾曲形状であって
連結時の該第1マスクと該第2マスクの重複部分が、該第1マスクの上端から高さ方向に50%以上である、
ことを特徴とする美容兼用衛生マスク。
【請求項2】
前記連結固定の方法が縫合であって、
前記第2マスクの前記左半面、前記第1マスクの前記左半面、前記第1マスクの前記右半面、前記第2マスクの前記右半面の順に中央線を重ねた状態で、該中央線を覆う縫合カバーを外側に被せて縫合する、
請求項1に記載の美容兼用衛生マスク。
【請求項3】
前記第1マスクの下縁線が該左半面及び該右半面のそれぞれにおいて、装着時に下顎骨を覆うように下向きの膨出部を備えた
請求項1又は2に記載の美容兼用衛生マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生マスクであって、顎ラインの引き締め等の美容効果を有する美容兼用衛生マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
衛生マスクは、感染症の防止や花粉症対策として従来から広く用いられており、近年ではファッションの一部として取り入れる者もいる。そのため色や柄、意匠にこだわった衛生マスクも多数流通している。
【0003】
一方、衛生マスクは長い時間にわたって装着するため、負担が少なく快適な使用性も求められる。例えば特許文献1には、製作が容易で加温性、フィット性に優れることを目的とした使い捨て立体マスクが開示されている。本文献では、マスク本体と、このマスク本体の左右両側に設けられた一対の耳掛け部とを備え、マスク本体は左右の不織布シートをこのマスク本体の略中央で上下方向の略円弧状の接合縁2により接合して成る。同時に、左右の不織布シートに、発熱粉体の反応熱により着用者の顔面の被発熱部位を加温する発熱シートを設けた構成が開示されている。
【0004】
また、美容効果に着目した従来技術もある。特許文献2では、目の下のしわやたるみを改善し、ほうれい線を目立たなくすることを目的とした美容マスクが開示されている。発泡樹脂からなるシートをパットして着用者の顔面を被覆するマスク本体の目の下、ほうれい線、口の両端に当たる部分に設け、マスク本体の両側に顔面を固着するための締め付けゴムを備えている。
【0005】
美容効果だけに注目したマスクも提案されている。特許文献3では、伸縮性を有するシート状基材からなり、口の周り及び頬を覆い、口角及び頬を耳に向かって引張する第一の引張体と、第一の引張体の下部に、下顎を覆い下顎を顎先から耳に向かって引張する第二の引張体とを設け、前記第一の引張体には一対の第一の耳掛け部を設け、前記第二の引張体には一対の第二の耳掛け部を設け、前記第一の引張体と前記第二の引張体との間には、両側端から中心に向かう切込み部を設けた構成が開示されている。このマスクは装着が容易で、引き上げ効果に着目したものであり、通常のマスクとしての用法を考慮したものではない。
【0006】
さらに、特許文献4は、口を覆う伸縮マスクと、顎を持ち上げるバンドを接続タブで接続し、伸縮マスクの内側にフィルタを備えた構成が開示されている。バンドは伸縮マスクによって覆われて、外から見えないことを特徴としているほか、伸縮マスクは口や鼻の形状に合わせた立体的な形状、あるいは伸縮性により肌に密着する形態を成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2011-143277号公報
【文献】特許第4697563号
【文献】特開2010-259621号公報
【文献】韓国特許第2151743号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来技術によると、さまざまな態様、目的のマスクが提案されているものの、構造が複雑でコストが高くなったり、目的が限定されていたりして、多用途、低コストなマスクとなっていない。
【0009】
そこで本発明は、日常で感染症の予防や花粉対策も可能であって、使用者に負担を強いることなく顎ラインの引き締め等の美容効果を奏し、かつ製造も容易な美容兼用衛生マスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は次のような美容兼用衛生マスクを提供する。
使用者の顎部分を覆う第1マスクと、口部分を覆う第2マスクとを連結して形成した美容兼用衛生マスクであって、第1マスクは中央線の左右を構成するそれぞれ平面状の左半面及び右半面を含み、第2マスクは中央線の左右を構成するそれぞれ平面状の左半面及び右半面を含む。そして、第1マスク及び第2マスクの各中央線が外側に向けて凸状の同一な湾曲形状であって、第2マスクの左半面、第1マスクの左半面、第1マスクの右半面、第2マスクの右半面の順に中央線を重ねた状態で端部を連結固定する。
このような構成において、連結時の第1マスクと第2マスクの重複部分が、第1マスクの上端から高さ方向に50%以上であることを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の実施態様によれば、上記の第1マスク及び第2マスクの中央線と反対側端部には耳に懸架するための孔部がそれぞれ開口し、第1マスクの孔部を耳に懸架すると下顎部が上方に引き揚げられるように作用する美容兼用衛生マスクを提供することができる。
【0012】
本発明の第3の実施態様によれば、上記の第1マスクの下縁線が左半面及び右半面のそれぞれにおいて、装着時に下顎骨を覆うように下向きの膨出部を備えた構成でもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記構成により次のような効果を奏する。
すなわち、顎部分を覆う第1マスクによって顎をサポートして弛みや引き締め等の美容効果を奏すると共に、主として第2マスクによって衛生マスクとしての効果を備える。
特に、第1マスク及び第2マスクをいずれも平面状の材料で形成することで、複雑な成形が必要なく、また折り畳み時にも平面を保った製品形態とすることができる。また、第2マスクの左半面、第1マスクの左半面、第1マスクの右半面、第2マスクの右半面の順に中央線を重ねた状態で端部を連結固定する製造方法によって製造コストの低減を図ることができる。
【0014】
第1マスクと第2マスクの重複部分が、第1マスクの上端から高さ方向に50%以上としたことで、第1マスクと第2マスクの重複部分が確実に固定される。さらに感染防止や花粉症対策として口の周辺においてマスクが2重となることや、外気が下から漏れて流入しにくく、マスク本来の性能の向上にも寄与する。
【0015】
耳に懸架するための孔部を備える構成によれば、いずれも平面状に形成される本発明の美容兼用衛生マスクにおいて、ごく容易に耳掛け部位を形成することができる。また、広い面積で耳と接触させることができるので、比較的強い引張力で懸架する第1マスクの装着においても耳への負担が軽減される。
【0016】
下向きの膨出部によって下顎骨を覆う構成によれば、顎全体をサポートすることで負担が少なく、長時間快適に使用することができる。同時に、顎のラインを漏れなく引き揚げることで肉がはみ出したり、跡が残ることを防ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る美容兼用衛生マスクの右側面図。
図2】本発明に係る美容兼用衛生マスクの構造を示す説明図。
図3】美容兼用衛生マスクを装着した状態を示す説明図。
図4】本発明に係る美容兼用衛生マスクを開いた状態の背面図。
図5】美容兼用衛生マスクの別実施例1を示す説明図
図6】美容兼用衛生マスクの別実施例2を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記に限定されるものではない。図1は本発明に係る美容兼用衛生マスクの右側面図であり、図2は、美容兼用衛生マスクの構造を示す説明図である。
【0019】
本発明にかかる美容兼用衛生マスク(以下、単にマスクと言う。)(1)は、主として使用者の顎部分を覆う第1マスク(2)と、口部分を覆う第2マスク(3)とを連結して形成されている。第1マスク(2)と第2マスク(3)は、使用者の顔の中央に配置される中央線(4)に対して対称に左半面と右半面が含まれる。図1においては左半面が図示されており、第2マスクの左半面(31)、第1マスクの左半面(21)が重なっている。
【0020】
図2に示すように、背面には順に第1マスクの右半面(22)、第2マスクの右半面(32)が層を成す。
従って、マスク(1)は平面状の4つのシートを積層して構成したものであり、第1マスク(2)及び第2マスク(3)の各中央線(4)が外側、すなわち顔の前方に向けて凸状の同一な湾曲形状(5)を成している。そして、第2マスクの左半面(31)、第1マスクの左半面(21)、第1マスクの右半面(22)、第2マスクの右半面(32)の順に中央線(4)を重ねた状態で端部を連結固定する。
【0021】
本実施例では、中央線(4)を覆う縫合カバー(6)を4つのシートの外側に被せて縫合部(61)で重ねた状態で縫合している。
なお、縫合カバー(6)を用いずに4つのシートをそのまま縫合してもよい。あるいは圧着、熱圧着、接着剤による接着などいずれかの方法で連結固定してもよい。
【0022】
このように、第2マスクの左半面(31)、第1マスクの左半面(21)、第1マスクの右半面(22)、第2マスクの右半面(32)の端部を縫合するだけで形成できるので、製造が容易であり、低コスト化を図ることができる。衛生用品であるマスクは交換頻度が多く、できるかぎり低廉に提供することが好ましいことから、本発明の構造が好ましい。
【0023】
本実施例による第1マスク(2)は、前端側が上記した通りの湾曲部(23)であり、略均等な曲率で形成される。湾曲部(23)の上端から後方に向かって略水平な直線部(24)として下唇の直下を横方向に接し、さらに耳に懸架するために上方に向かう傾斜部(25)を成す。傾斜部(25)は幅が4cmないし7cm程度の帯状である。
【0024】
傾斜部(25)には耳に懸架する第1孔部(26)を有する。第1孔部(26)は左右方向に長径、上下方向に短径な楕円形であり、本実施例における長径は約5cm、短径は約3.5cmである。このようなサイズによると傾斜部(25)のシート部分の幅Lがそれぞれ1cm程度確保されるので、耳に懸架した際にも接触面積が大きく負担を軽減することができる。
【0025】
さらに傾斜部(25)の下縁から前方に向かって、下顎骨を覆うように下向きの膨出部(27)を有する。膨出部(27)は、傾斜部(25)の下縁線を延長した仮想線(V)よりも7mmないし15mm、特に9mmないし12mm程度膨出させた形状が好ましい。膨出部(27)からは再び略水平に湾曲部(23)に連続する。
なお、本発明の実施において膨出部(27)を設けずに下縁線からそのまま湾曲部(23)に到る曲線で形成してもよい。
【0026】
図3は、美容兼用衛生マスクを装着した状態を示す説明図である。本図に示されるように、第1マスク(2)を装着すると、使用者の顎全体を覆いながら第1孔部(26)に向けてリフトアップする態様となり、顎ラインの引き締め等の美容効果を奏することができる。このとき、膨出部(27)を設けることで顎全体がサポートされ、負担が少なく、長時間快適に使用することができる。
【0027】
次に、第1マスク(3)は、前端側が同じく湾曲部(33)であり、第1マスクの湾曲部(23)と重なる部分は同じ曲率、それよりも上はさらに大きな曲率あるいは略直線状で形成される。湾曲部(33)の上端から後方に向かって鼻の突起に対応する凸部(34)を経て、後方に向けて僅かに上向きに傾斜した傾斜部(35)の上縁が頬上部に、傾斜部(35)の下縁が顔前面の下端部分にそれぞれあたるように傾斜して形成される。
傾斜部(35)の下縁はほぼ等しい傾斜のまま湾曲部(33)に連続する。
【0028】
傾斜部(35)は幅が7cmないし10cm程度で後方に向けて幅が狭くなる帯状であって、耳に懸架する第2孔部(36)を有する。第2孔部(36)も左右方向に長径、上下方向に短径な楕円形であり、本実施例における長径は約7cm、短径は約5cmである。第1孔部(26)と同じく、傾斜部(35)のシート部分の幅が1cm以上確保されるので、耳に懸架した際にも接触面積が大きく負担を軽減することができる。
【0029】
第2マスク(3)は第1マスク(2)と異なり、感染症の予防や花粉対策など衛生マスクとして機能する。第2マスク(3)の上記形状によって平面状のシートで構成しながらも口と鼻が確実に覆われるだけでなく、第2マスク(3)と縫合された第1マスク(2)が下顎を支点として上方に向けて密着しながら顔の下端部を覆うことにより、さらに高い衛生効果を奏することができる。
【0030】
図4は、本発明に係る美容兼用衛生マスクを開いた状態の背面図である。本実施例において、連結時の第1マスク(2)と第2マスク(3)の重複部分(A)が、第1マスクの上端(28)から高さ方向に全て、すなわち100%重複している。すなわち第1マスク(2)と第2マスク(3)の中央線における下端は一致している。重複部分が十分に長いことで、両者の連結が確実となり耐久性が向上する。また、前方から見た時の違和感を少なくする効果もある。
【0031】
このような観点から重複部分は第1マスクの上端(28)から高さ方向に50%以上であることが好ましい。例えば、図示における重複部分(B)は第2マスク(3)の下端が仮に点(37)にあった場合を示しており、この場合には高さ方向に概ね80%が重複している、ということになる。重複部分としては50%以上、特に70%以上が好ましい。また、第1マスク(2)の下端が第2マスク(3)の下端よりも上に位置していてもよい。
【0032】
従来技術では下のバンドと上の伸縮部分をタブ等で連結する構成が知られているが、本発明では4つのシートから成ること、端部を十分に重複させて縫合により連結固定すること等により、製造が容易であることに加えて耐久性や美感も向上させている。
【0033】
本発明の実施においてマスク(1)の素材は、不織布、ガーゼ、ポリウレタン等のポリマー材料等の周知のマスク素材を用いることができる。不織布で構成する場合には製造コストを安く、頻繁に交換可能な製品が提供できるし、ポリウレタンで構成すれば耐久性が高く、高級感のある製品が提供できる。
【0034】
また、第1マスク(2)と第2マスク(3)の素材を変えてもよい。第1マスク(2)はリフトアップを行うために伸縮性に富む素材が好ましいことからポリウレタンの他、シリコン、ゴム等の可撓性、伸縮性材料を用いることができる。一方、第2マスク(3)は衛生効果のため通気性とフィルター性能が必要であることから不織布やガーゼ、発泡性のポリウレタン等が好ましい。
従って、本発明では第1マスク(2)の伸縮性を第2マスク(3)の伸縮性を相対的に高く設定することができる。
【0035】
(別実施例1)
図5は、本発明に係る美容兼用衛生マスク(1)の別実施例1を示す説明図である。説明の便利のために、背面側から見た時の左半分を図示している。
別実施例では第1マスク(2)においてフェイスラインをしっかりとホールドできるように滑り止め部材を配置する例を示す。最も簡単な例としては、第1マスク(2)の素材を肌への密着性の良いシリコン材料として、全体的に引き上げることもできるが、通気性などの観点から部分的に滑り止め部材(7)を設けてもよい。
【0036】
滑り止め部材(7)の例として、第1マスク(2)の表面に凹凸を設けて摩擦係数を上げることによって、肌と滑りにくくすることもできる。図示されるように引張方向に直交する突条(71)を設けてホールド性を高めてもよい。
あるいは、滑り止め部材(7)としてシリコンやゴムなどの別部材を貼付して肌と滑りにくくすることもできる。
【0037】
滑り止め部材(7)の配置位置は、任意であるが、特に膨出部(27)に設けることが好適である。当該部位が特に引張が作用しやすいこと、下顎部から頬にかけて全体的に引き上げられること、下顎骨により比較的強く当たっても負担を感じにくいことなどの諸点から膨出部(27)が特に好ましい。
【0038】
滑り止め部材(7)によってリンパを刺激することもできる。顎のまわりにはオトガイ下リンパ節、顎下リンパ節、扁桃リンパ節、上深頸リンパ節、耳介前リンパ節など多くのリンパ節が集中しており、第1マスク(2)が滑り止め部材(7)によってリンパを刺激することで顔のむくみを取り、フェイスラインの補正と共に相乗的な効果を得ることができる。
【0039】
第1マスク(2)上に複数の小突起を設けて、点的な刺激を与えながら滑り止め部材(7)としてもよい。例えば、下顎部から頬にかけては肺や腸、生殖器などのツボがあることが知られており、これらのツボを刺激することもできる。なお同様の小突起は第2マスク(3)に設けてもよい。
【0040】
第1マスク(2)を遠赤外線を放出する材料で形成、あるいはそれを混成して保温作用を行うこともできる。リンパの刺激や、血行を促進することによってさらに美容効果を高めることができる。
【0041】
(別実施例2)
図6は、本発明に係る美容兼用衛生マスク(1)の別実施例2を示す説明図である。説明の便利のために、背面側から見た時の左半分を図示している。
本実施例では、第1マスク(2)の伸縮性を第2マスクに電気刺激を付与する刺激部を設けてもよい。
【0042】
例えば、図示されるように導電性部材からなる電極領域(72)(72)を設けて、公知の電気的な美容作用であるマイクロカレントやEMSなどの電気的刺激を与えるように構成してもよい。その場合、図示しない電源供給部からそれぞれに適した交流電流等を通電する。導電性部材は、導電性シリコンで構成してもよいし、銀糸等を編み込んで構成してもよい。
【0043】
小型の電極(73)を複数配置することもできる。多数の金属の電極からEMSに適した電流を通電することもできる。
このような構成では、マスク(1)と一体的に形成したことで、外出先でも目立たず、気軽に使用できる美容兼用衛生マスクとして利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 美容兼用衛生マスク
2 第1マスク
21 左半面
22 右半面
23 湾曲部
24 直線部
25 傾斜部
26 第1孔部
27 膨出部
3 第2マスク
31 左半面
32 右半面
33 湾曲部
34 凸部
35 傾斜部
36 第2孔部
4 中央線
5 湾曲形状
6 縫合カバー
7 滑り止め部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6