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特許7547199低い熱抵抗率を有する電気絶縁性サーマルコネクタ
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  • 特許-低い熱抵抗率を有する電気絶縁性サーマルコネクタ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】低い熱抵抗率を有する電気絶縁性サーマルコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20240902BHJP
   C04B 35/581 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
H05K7/20 F
C04B35/581
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020516542
(86)(22)【出願日】2018-09-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 US2018051725
(87)【国際公開番号】W WO2019060402
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】62/561,408
(32)【優先日】2017-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ダージン,スコット・ビー
【審査官】佐久 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-143227(JP,A)
【文献】実開昭49-040364(JP,U)
【文献】特開2007-150186(JP,A)
【文献】特開2012-239116(JP,A)
【文献】特開2013-222950(JP,A)
【文献】特開2014-220294(JP,A)
【文献】特開2008-270325(JP,A)
【文献】特開2016-076573(JP,A)
【文献】特開2000-261271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H01L 23/34-23/46
H01G 4/00- 4/40
C04B 35/581
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーマルコネクタであって、
第1の端部においての第1の端部面と、第2の端部においての第2の端部面とを有する電気絶縁性棒材であって、前記第2の端部面は、X方向において前記第1の端部面の反対側にあり、前記棒材は、前記X方向に直交するY方向においての幅を有し、前記棒材は、上部面と、Z方向において前記上部面から偏移させられる下部面とを有し、前記Z方向は、前記XおよびY方向の各々に直交前記棒材は、第1の側部表面と、前記Y方向において前記第1の側部表面の反対側にある第2の側部表面とをさらに有する、電気絶縁性棒材と、
前記下部面に取り付けられ、前記第1の端部に近接する第1の端子と、
前記上部面に取り付けられ、前記第1の端部に近接する第2の端子と、
前記棒材の前記第1の側部表面および前記第2の側部表面の少なくとも一方に形成され、電気同調を提供するように構成される伝導性トレースと、
前記棒材の前記第1の端部面に取り付けられ、前記第1の端子を前記第2の端子と接続する第1の端部面端子と
を備え、
前記第1の端子、前記第2の端子および前記第1の端部面端子は、前記電気絶縁性棒材の表面に取り付けられ、
前記コネクタは、前記第1および第2の端子を含む、前記Z方向においての全体の厚さを有し、前記全体の厚さは、1.27mmより大きく、3.81mm未満である、サーマルコネクタ。
【請求項2】
前記電気絶縁性棒材は、約22℃において約150W/m・℃から約300W/m・℃の熱伝導率を有する材料を含む、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項3】
前記電気絶縁性棒材は、窒化アルミニウムを含む、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項4】
前記電気絶縁性棒材は、酸化ベリリウムを含む、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項5】
前記下部面に取り付けられ、前記第2の端部に近接する第3の端子と、
前記上部面に取り付けられ、前記第2の端部に近接する第4の端子と
をさらに備える、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項6】
前記棒材の前記第2の端部面に取り付けられ、前記第3の端子を前記第4の端子と接続する第2の端部面端子をさらに含む、請求項に記載のサーマルコネクタ。
【請求項7】
前記第1の端子は、前記棒材の前記第1の端部面にわたって、前記棒材の前記幅に広がる、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項8】
前記サーマルコネクタの全体の長さは、約2.5mmから約12.7mmの間である、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項9】
前記サーマルコネクタの全体の幅は、約5.1mmから約10.2mmの間である、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項10】
前記サーマルコネクタの熱抵抗は、約22℃において約2℃/Wから約10℃/Wの間である、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項11】
前記全体の厚さは、約1.4mmから約2.16mmの間である、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項12】
前記全体の厚さは、約1.45mmから約1.6mmの間である、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項13】
前記サーマルコネクタは、前記サーマルコネクタの前記全体の厚さの3.2倍から4.9倍の間の全体の長さを有する、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項14】
前記サーマルコネクタは、前記サーマルコネクタの前記全体の厚さの5倍から6.2倍の間の全体の長さを有する、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項15】
前記サーマルコネクタは、前記X方向においての全体の長さを有し、前記サーマルコネクタの前記全体の長さおよび全体の幅の各々は、約8.9mmから約10.2mmの間である、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項16】
前記第1の端子または前記第2の端子のうちの少なくとも1つは、金を含む、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項17】
前記第1の端子または前記第2の端子のうちの少なくとも1つは、磁化材料を含む、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項18】
前記サーマルコネクタは、約22℃において約2.2℃/Wから約3.0℃/Wの間の熱アスペクト抵抗パラメータを有し、前記熱アスペクト抵抗パラメータは、前記サーマルコネクタの熱抵抗により除算される、前記サーマルコネクタのアスペクト比の比であり、前記アスペクト比は、前記サーマルコネクタの全体の幅により除算される、前記サーマルコネクタの全体の長さである、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【請求項19】
少なくとも1つの穴が、電気同調を提供するように前記棒材内に形成される、請求項1に記載のサーマルコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年9月21日の出願日を有する、米国仮特許出願第62/561,408号の出願利益を主張するものであり、その米国仮特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
電力増幅器回路などの電気回路は、通常動作の間に熱を生成する。発熱は、電気回路の様々な構成要素の温度を不必要に増大し得る。この熱が、例えば吸熱器への放散により、十分に管理されないならば、電気デバイスは過熱し、電気構成要素への損傷を結果的に生じさせ得る。しかしながら、電気構成要素を直接的に吸熱器に接続することは、不必要に、電気構成要素と吸熱器との間の電気接続、すなわち、電流の流れを創出し、電気構成要素および回路の動作を乱し得る。このため、低い熱抵抗および高い電気抵抗を有するサーマルコネクタ(thermal connector)に対する必要性が、現在存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の1つの実施形態によれば、サーマルコネクタが開示される。サーマルコネクタは、第1の端部においての第1の端部面と、第2の端部においての第2の端部面とを有する電気絶縁性棒材(electrically insulating beam)を含み得る。第2の端部面は、X方向において第1の端部面の反対側にあり得る。棒材は、X方向に直交するY方向においての幅を有し得る。棒材は、さらには、上部面と、Z方向において上部面から偏移させられる下部面とを有し得るものであり、そのZ方向は、XおよびY方向の各々に直交する。サーマルコネクタは、下部面に取り付けられ、第1の端部に近接する第1の端子と、上部面に取り付けられ、第1の端部に近接する第2の端子とを含み得る。コネクタは、第1および第2の端子を含む、Z方向においての全体の厚さを有し得る。全体の厚さは、1.27mm(0.05インチ)より大きく、3.81mm(0.15インチ)未満であり得る。
【0004】
当業者に向けられる、本発明の最良の形態を含む、本発明の完全および実施可能な開示が、本明細書の残りの部分において、より詳しく記載されており、その記載では、添付の図が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の態様によるサーマルコネクタの1つの実施形態の斜視図である。
図2】本発明の態様によるサーマルコネクタの別の実施形態の斜視図である。
図3】電子デバイスを吸熱器と接続する、図1において示されるサーマルコネクタの実施形態の斜視図である。
図4】電子デバイスを吸熱器と接続する、図2において示されるサーマルコネクタの実施形態の斜視図である。
図5】電子デバイスを吸熱器と接続する、図1において示されるサーマルコネクタの実施形態の斜視図である。
図6A】電気同調(electrical tuning)を提供するように構成される伝導性トレースを含むサーマルコネクタの実施形態の斜視図である。
図6B】電気同調を提供するように構成される伝導性トレースを含むサーマルコネクタの別の実施形態の斜視図である。
図7】電気同調を提供するように中に形成される穴を有するサーマルコネクタの実施形態の斜視図である。
図8】電気構成要素、レーザダイオードの例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書および図面においての参照符号の繰り返しの使用は、本発明の同じまたは類似した、特徴部または要素を表すことを意図される。
本論考は、単に例示的な実施形態の説明であり、本発明のより広範な態様を限定するようには意図されず、それらのより広範な態様は、例示的な構築において具現化されるということが、当業者により理解されるべきである。
【0007】
一般的に言えば、本発明は、電気構成要素から吸熱器への熱放散を改善するために、電気構成要素と、吸熱器、または他の熱的箇所との間に接続され得るサーマルコネクタに向けられる。サーマルコネクタは、吸熱器および電気構成要素への接続に関して一助となるための、各々の端部においての1つまたは複数の端子を有し得る。端子は、電気的に別個であり得るものであり、棒材は、高い電気抵抗を有し得るものであり、そのことによって、端子の間の電流の流れは、防止され得る、または実質的に防止され得る。この構成は有利であり得るものであり、なぜならば、その構成は、構成要素の動作を乱し得る、構成要素を吸熱器に電気的に接続することを伴わずに、電気構成要素から吸熱器に熱を放散させ得るからである。
【0008】
I.巻き付けられない端子を伴うサーマルコネクタ
図1を参照すると、サーマルコネクタ10は、第1の端部16においての第1の端部面14と、第2の端部20においての第2の端部面18とを有する電気絶縁性棒材12を含み得る。第2の端部面18は、X方向22において第1の端部面14の反対側にあり得る。一部の実施形態において、第1の端部面14は、第2の端部面18と平行であり得る。棒材12は、X方向22に直交するY方向24においての幅を有し得る。一部の実施形態において、棒材12の幅は、サーマルコネクタ10の全体の幅25に等しくあり得る。棒材12は、さらには、上部面26と、下部面28とを有し得る。下部面28は、Z方向30において上部面26から偏移させられ得るものであり、そのZ方向30は、XおよびY方向22、24の各々に直交する。一部の実施形態において、棒材12の上部および下部面26、28は、平行であり得る。サーマルコネクタ10は、棒材12の下部面28に取り付けられ、第1の端部16に近接する第1の端子32を含み得る。サーマルコネクタ10は、上部面26に取り付けられ、棒材12の第1の端部16に近接する第2の端子34を含み得る。
【0009】
なおも図1を参照すると、一部の実施形態において、サーマルコネクタ10は、4つの端子を有し得る。例えば、上述で論考された第1および第2の端子32、34に加えて、サーマルコネクタ10は、棒材12の下部面28に取り付けられ、第2の端部20に近接する第3の端子36を含み得る。サーマルコネクタ10は、さらには、上部面26に取り付けられ、第2の端部20に近接する第4の端子38を含み得る。
【0010】
各々の端子は、それぞれの端部面に近接するそれぞれの縁部へと延在し得る。例えば、第1の端子32は、棒材12の下部面28と、棒材12の第1の端部面14との間の縁部に沿って、棒材12の下部面28上に延在し得る。第2の端子34は、棒材12の上部面26と第1の端部面14との間の縁部に沿って、棒材12の上部面26上に延在し得る。同様に、第3の端子36は、棒材12の第2の端部面18と下部面28との間の縁部に沿って、棒材12の下部面28上に延在し得る。最後に、第4の端子38は、棒材12の上部面26と第2の端部面18との間の縁部に沿って、棒材12の上部面26上に延在し得る。
【0011】
第1の端子32は、棒材12の下部面28と平行な下部表面40を有し得るものであり、第2の端子34は、棒材12の上部面26と平行な上部表面42を有し得る。コネクタの全体の厚さ44は、例えば、Z方向30においての、第1の端子32の下部表面40と、第2の端子34の上部表面42との間の距離と定義され得る。しかしながら、一部の実施形態において、サーマルコネクタ10は、棒材12の上部面26上の、第2および/または第4の端子34、38を含まないことがある。そのような実施形態において、全体の厚さ44は、Z方向30においての、第1の端子32の下部表面40と、棒材12の上部面26との間の距離と定義され得る。
【0012】
端子の各々は、(明確さのために第3の端子36のみに対して図1において標示される)X方向22においてのそれぞれの端子長さ46と、Z方向30においてのそれぞれの端子厚さ48とを有し得る。Z方向30においてのサーマルコネクタ10の全体の厚さ44は、Z方向30においての端子のそれぞれの厚さを含み得る。
【0013】
一部の実施形態において、サーマルコネクタ10は、Y方向24においての全体の長さ51を有し得る。サーマルコネクタ10の全体の長さ51および全体の幅25は、図1において示されるように、棒材12の長さおよび幅それぞれに等しくあり得る。例えば、端子は、上部および下部面26、28の縁部を越えて延在しないことがある。しかしながら、他の実施形態において、端子のうちの1つまたは複数は、棒材12の上部および/または下部面26、28のそれぞれの縁部を越えて延在し得る。その事例において、サーマルコネクタ10の全体の長さ51および/または全体の幅25は、棒材12のそれぞれの長さおよび/または幅より大きくあり得る。このことは、有利には、電気構成要素および/または吸熱器をサーマルコネクタ10に接続するための、より大きい端子を提供し得る。
【0014】
II.巻き付けられた端子を伴うサーマルコネクタ
図2を参照すると、一部の実施形態において、サーマルコネクタ10は、棒材12の第1の端部16の周囲に巻き付く、または延在する第1の巻き付け型(wrap-around)端子52を含み得るものであり、そのことによって、第1の巻き付け型端子52は、棒材12の上部面26、および、棒材12の下部面28の両方に取り付けられる。第1の巻き付け型端子52は、先の実施形態と同様に、第1の端子32と、第2の端子34とを含み得るものであり、さらには、第1の端部面端子53を含み得る。第1の端部面端子53は、第1の端子32を第2の端子34と接続し得るものであり、棒材12の(図1において示される)第1の端部面14に取り付けられ得る。1つの実施形態において、第1の巻き付け型端子52は、単一の連続的な端子であり得る。例えば、第1の端子32、第2の端子34、および、第1の端部面端子53は、第1の巻き付け型端子52の一部分であり得る。加うるに、第1の巻き付け型端子52は、任意の適した技法を使用して形成され得るものであり、例えば、単一ステップにおいて形成され得る。
【0015】
第2の巻き付け型端子54が、同様に構成され得るものであり、そのことによって、第2の巻き付け型端子54は、棒材12の第2の端部20の周囲に巻き付き、棒材12の上部面26、および、棒材12の下部面28の両方に取り付けられる。例えば、第2の巻き付け型端子54は、先の実施形態と同様に、第3の端子36と、第4の端子38とを含み得るものであり、加うるに、第2の端部面端子55を含み得る。第2の端部面端子55は、棒材12の(図1において示される)第2の端部面18に取り付けられ得るものであり、第3の端子36を第4の端子38と接続し得る。1つの実施形態において、第2の巻き付け型端子54は、単一の連続的な端子であり得る。例えば、第3の端子36、第4の端子38、および、第2の端部面端子55は、第2の巻き付け型端子54の一部分であり得る。加うるに、第2の巻き付け型端子54は、任意の適した技法を使用して形成され得るものであり、例えば、単一ステップにおいて形成され得る。
【0016】
一部の実施形態において、第1の巻き付け型端子52は、棒材12の第1の端部面14にわたって、棒材12の幅に広がり得るものであり、そのことによって、棒材12の幅は、コネクタ10の全体の幅25に相当する。第2の巻き付け型端子54は、同様に、棒材12の第2の端部面18にわたって、棒材12の幅に広がり得る。例えば、第1の巻き付け型端子52は、棒材12の上部面26に近接する、および/または、その上部面26と平行である、上部表面42を有し得る。第1の巻き付け型端子52は、さらには、棒材12の下部面28に近接する、および/または、その下部面28と平行である、下部表面40を有し得る。コネクタ10の全体の厚さ44は、第1の巻き付け型端子52の上部表面42と、第1の巻き付け型端子の下部表面40との間の、Z方向30においての距離と定義され得る。
【0017】
端子の各々は、(明確さのために第2の巻き付け型端子54に関してのみ標示される)X方向22においてのそれぞれの端子長さ46と、Z方向30においての端子厚さ48とを有し得る。一部の実施形態において、上部表面42に取り付けられる第1の巻き付け型端子52の一部分は、下部面28に取り付けられる第1の巻き付け型端子52の一部分とは異なる長さを有し得る。他の実施形態において、これらの長さは、図2において示されるように、同じまたは同様であり得る。
【0018】
第1および第2の巻き付け型端子52、54は、さらには、(明確さのために第2の端子54のみに関して標示される)棒材12方向の第1および第2の端部面14、18に沿ったX方向22においてのそれぞれの端子厚さ56を有し得る。一部の実施形態において、第2の巻き付け型端子54のX方向22においての端子厚さ56は、近似的に、第2の巻き付け型端子54のZ方向30においての端子厚さ48に等しくあり得るものであり、そのことによって、第2の巻き付け型端子54は、均一の厚さを有する。一部の実施形態において、第1の巻き付け型端子52は、同様に構成され得る。他の実施形態において、Z方向30においての端子厚さ48は、例えば、X方向22においての端子厚さ56とは異なり得る。
【0019】
図2を参照すると、サーマルコネクタ10の全体の長さ51は、第1および第2の巻き付け型端子52、54のX方向22においての各々のそれぞれの端子厚さ56を含み得る。サーマルコネクタ10は、さらには、X方向22においての全体の幅25を有し得る。一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の幅25は、棒材12の幅に等しくあり得るものであり、なぜならば、第1および第2の巻き付け型端子52、54のそれぞれの幅は、棒材12の幅以下であり得るからである。しかしながら、他の実施形態において、第1および第2の巻き付け型端子52、54は、棒材12の幅より大きいそれぞれの幅を有し得るものであり、そのことによって、第1または第2の巻き付け型端子52、54のうちの少なくとも1つは、Y方向24においての棒材12の縁部を越えて延在する。このことは、電気構成要素60および/または吸熱器62をサーマルコネクタ10に接続するための、より大きい端子を提供し得る。
【0020】
III.寸法、特質、および材料
上述で触れられたように、Z方向30においてのサーマルコネクタ10の全体の厚さ44は、Z方向30においての第1および第2の端子32、34の厚さ48を含み得る。一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の厚さ44は、1.27mm(0.05インチ)より大きく、3.81mm(0.15インチ)未満であり得る。例えば、一部の実施形態において、全体の厚さ44は、約1.40mm(0.055インチ)から約2.54mm(0.1インチ)の間であり、他の実施形態において、約1.40mm(0.055インチ)から約2.16mm(0.085インチ)の間であり、他の実施形態において、約1.42mm(0.056インチ)から約1.78mm(0.07インチ)の間であり、他の実施形態において、約1.45mm(0.057インチ)から約1.60mm(0.063インチ)の間であり得る。一部の実施形態において、全体の厚さ44は、約1.52mm(0.06インチ)以上であり得る。例えば、厚さは、約1.52mm(0.06インチ)から約3.556mm(0.14インチ)の間であり、他の実施形態において、約1.78mm(0.07インチ)から約3.30mm(0.13インチ)の間であり、他の実施形態において、約2.03mm(0.08インチ)から約3.05mm(0.12インチ)の間であり、他の実施形態において、約2.29mm(0.09インチ)から約2.79mm(0.11インチ)の間であり、他の実施形態において、約2.54mm(0.1インチ)から約3.81mm(0.15インチ)の間であり得る。
【0021】
一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の長さ51は、約2.54mm(0.1インチ)から約1.27mm(0.5インチ)の間であり、一部の実施形態において、約3.81mm(0.15インチ)から約6.35mm(0.25インチ)の間であり、一部の実施形態において、約5.08mm(0.2インチ)から約10.16mm(0.4インチ)の間であり、一部の実施形態において、約6.35mm(0.25インチ)から約11.43mm(0.45インチ)の間であり、一部の実施形態において、約7.62mm(0.3インチ)から約10.16mm(0.4インチ)の間であり、一部の実施形態において、約8.89mm(0.35インチ)から9.65mm(0.38インチ)の間であり得る。
【0022】
一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の幅25は、約0.25mm(0.05インチ)から約10.16mm(0.4インチ)の間であり、一部の実施形態において、約0.51mm(0.02インチ)から約10.16mm(0.4インチ)の間であり、一部の実施形態において、約2.03mm(0.08インチ)から約7.62mm(0.3インチ)の間であり、一部の実施形態において、約2.03mm(0.08インチ)から約2.54mm(0.1インチ)の間であり、一部の実施形態において、約5.08mm(0.2インチ)から約7.62mm(0.3インチ)の間であり、一部の実施形態において、約7.62mm(0.3インチ)から約10.16mm(0.4インチ)の間であり得る。
【0023】
一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の長さ51は、サーマルコネクタ10の全体の厚さ44より約1倍から約6倍の間だけ大であり、一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の厚さ44より約2倍から約6倍の間だけ大であり、一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の厚さ44より約2倍から約3.5倍の間だけ大であり得る。
【0024】
他の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の長さ51は、サーマルコネクタ10の全体の厚さ44より約3.2倍から約4.9倍の間だけ大であり、一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の厚さ44より約3.5倍から約4.5倍の間だけ大であり、一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の厚さ44より約3.8倍から約4.2倍の間だけ大であり得る。他の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の長さ51は、サーマルコネクタ10の全体の厚さ44より5倍から6.2倍の間だけ大であり、一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の厚さ44より約5.5倍から6.2倍の間だけ大であり、一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の厚さ44より約6.0倍から6.2倍の間だけ大であり得る。
【0025】
一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の長さ51および全体の幅25の各々は、約8.89mm(0.35インチ)から約10.16mm(0.4インチ)の間であり得る。例えば、一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の長さ51および全体の幅25の各々は、約9.14mm(0.36インチ)から約9.65mm(0.38インチ)の間であり得る。
【0026】
一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の全体の長さ51にわたる熱抵抗は、約22℃において約2℃/Wから約10℃/Wの間であり、一部の実施形態において、約22℃において3℃/Wから約7℃/Wの間であり得る。図1において描写される実施形態に対して、熱抵抗は、例えば、第1の端子32と第3の端子36との間の熱流れと関連付けられ得る。図2において描写される実施形態に対して、熱抵抗は、例えば、第1の端子32と第2の端子34との間の熱流れと関連付けられ得る。
【0027】
一部の実施形態において、サーマルコネクタ10は、幅により除算される長さとして算出される、全体の長さ51と全体の幅25との間のアスペクト比を有し得る。「熱アスペクト抵抗」パラメータが、(例えば、図1において描写されるサーマルコネクタ10の実施形態に対する、第1の端子32と第3の端子36との間の)サーマルコネクタ10の長さにわたるサーマルコネクタ10の熱抵抗に対する、アスペクト比の比と定義され得る。「熱アスペクト抵抗」パラメータは、アスペクト比により除算される熱抵抗と定義され得る。「熱アスペクト抵抗」パラメータ値は、サーマルコネクタ10の、そのサイズに基づく有効性を指し示すものであり得る。例えば、低い「熱アスペクト抵抗」は、サーマルコネクタ10が、サーマルコネクタ10の長さにわたる低い熱抵抗を有するということのみではなく、さらには、サーマルコネクタ10が、ある程度高いアスペクト比を有し、そのことによって、そのサーマルコネクタ10は、その幅と比較して、ある程度の長さに広がり得るということを指示し得る。一部の実施形態において、「熱アスペクト抵抗」パラメータは、約22℃において約2.2C/Wから約4.3C/Wの間であり得る。一部の実施形態において、「熱アスペクト抵抗」パラメータは、約22℃において約2.2C/Wから約3.0C/Wの間であり得る。一部の実施形態において、「熱アスペクト抵抗」パラメータは、約22℃において約2.5℃/Wから約4.1℃/Wの間であり得る。一部の実施形態において、「熱アスペクト抵抗」パラメータは、約22℃において約2.5C/Wから約3.2℃/Wの間であり得る。一部の実施形態において、「熱アスペクト抵抗」パラメータは、約22℃において約3.9℃/Wから約4.3℃/Wの間であり得る。
【0028】
当技術分野において知られているように、材料の熱抵抗率および熱伝導率は、反比例で関係付けられる。かくして、低い熱抵抗率は、高い熱伝導率と相関する。一部の実施形態において、電気絶縁性棒材12は、一般的に低い熱抵抗率(例えば、約6.67×10-3m・℃/W未満)と、一般的に高い電気抵抗率(例えば、約1014Ω・cmより大きい)とを有する任意の適した材料から作製され得る。6.67×10-3m・℃/Wの熱抵抗率は、約150W/m・℃の熱伝導率に相当する。換言すれば、棒材12に対する適した材料は、約150W/m・℃より大きいなどの、一般的に高い熱伝導率を有し得る。
【0029】
例えば、一部の実施形態において、電気絶縁性棒材12は、約22℃において約100W/m・℃から約300W/m・℃の間の熱伝導率を有する材料から作製され得る。他の実施形態において、電気絶縁性棒材12は、約22℃において約125W/m・℃から約250W/m・℃の間の熱伝導率を有する材料から作製され得る。他の実施形態において、電気絶縁性棒材12は、約22℃において約150W/m・℃から約200W/m・℃の間の熱伝導率を有する材料から作製され得る。
【0030】
一部の実施形態において、棒材12は、窒化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、任意の適したセラミック材料、および、それらの混合物を含み得る。
【0031】
一部の実施形態において、電気絶縁性棒材12は、窒化アルミニウムを含み得る。例えば、一部の実施形態において、電気絶縁性棒材12は、窒化アルミニウムを含む任意の適した組成物から作製され得る。一部の実施形態において、棒材12は、主として窒化アルミニウムから作製され得る。例えば、棒材12は、添加物または不純物を内包し得る。他の実施形態において、電気絶縁性棒材12は、酸化ベリリウムを含む。例えば、一部の実施形態において、電気絶縁性棒材12は、酸化ベリリウムを含む任意の適した組成物から作製され得る。一部の実施形態において、棒材12は、主として酸化ベリリウムから作製され得る。例えば、棒材12は、添加物または不純物を内包し得る。
【0032】
一部の実施形態において、端子は、基層を覆う外層を含み得る。基層は、一部の実施形態において磁性であり、他の実施形態において非磁性であり得る。外層は、例えば耐食性材料を含む、任意の適した材料から形成され得る。例えば、一部の実施形態において、端子は、金、銀、白金、ニッケル、および/または、それらの混合物もしくは化合物の外層を含み得る。例えば、1つの実施形態において、第1の端子32または第2の端子34のうちの少なくとも1つは、金を含み得る。一部の実施形態において、第1の端子32または第2の端子34のうちの少なくとも1つは、磁性材料を含み得る。一部の実施形態において、磁性材料が基層であり得るものであり、外層が、磁性材料を覆って配設され得る。例えば、1つの実施形態において、端子のうちの1つまたは複数は、磁性または磁化金属などの磁性基層を覆って配設される金の外層を含み得る。一部の実施形態において、基層は、銅または鋼などの金属を含み得る。別の実施形態において、端子のうちのより多くのもののうちの1つは、例えばセラミックなどの非磁性基層を覆って配設される金などの外層を含み得る。他の実施形態において、外層は、金、銀、白金、ニッケル、銅、鋼、および/または、任意の他の適した材料であり得る。同様に、他の実施形態において、基層は、金、銀、白金、ニッケル、銅、鋼、および/または、任意の他の適した材料であり得る。なおまた、一部の実施形態において、端子は、外層を含まないことがある。
【0033】
一部の実施形態において、サーマルコネクタ10は、相対的に低い静電容量値を有し得る。このことは、有利には、無線波などの電場との実質的な干渉を防止し得る。例えば、サーマルコネクタ10は、無線周波数増幅器などの、サーマルコネクタ10が接続される電気構成要素の性能との干渉を、実質的に、結果的に生じさせないことがある。例えば、一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の静電容量は、0.2pF以下であり得る。一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の静電容量は、0.15pF以下であり得る。一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の静電容量は、0.13pF以下であり得る。一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の静電容量は、0.10pF以下であり得る。一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の静電容量は、0.08pF以下であり得る。一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の静電容量は、0.01pF以上であり得る。一部の実施形態において、サーマルコネクタ10の静電容量は、0.001pF以上であり得る。
【0034】
サーマルコネクタ10は、任意の適した技法を使用して製造または製作され得る。例えば、棒材12は、基板またはウェハから切り分けられ得るものであり、端子は、次いで、各々の棒材12上に形成され得る。代替的には、端子は、板形状の材料上に形成され得るものであり、次いで、板形状の材料は、サーマルコネクタ10へと切り分かれ得る。端子は、例えば、棒材12上への化学または蒸気堆積を含む、任意の適した工程を使用して形成され得る。代替的には、一部の実施形態において、端子は、棒材12の端部を液体形式の端子材料内に浸漬し、次いで、端子材料が硬化することを可能とすることにより形成され得る。端子は、次いで、追加的に、例えば研削または研磨を含む、任意の適した方法を使用して、成形され得る、または仕上げられ得る。一部の実施形態において、上述の工程は、複数個の層、例えば、磁性または非磁性層を覆う金めっきを有する端子を生み出すために繰り返され得る。
【0035】
IV.接続
図3を参照すると、1つの実施形態において、サーマルコネクタ10は、電気構成要素60と、吸熱器62、または任意の他の適した構成要素との間に直接的に接続され得る。例えば、サーマルコネクタ10の第3の端子36は、電気構成要素の取り付けつまみ64と接続され得るものであり、第1の端子32は、吸熱器62と接続され得る。熱は、(矢印63により示されるように)電気構成要素60の取り付けつまみ64から、第3の端子36を通り、棒材12を通り、外へと、第1の端子32を通り、吸熱器62へと流れ得る。
【0036】
他の実施形態において、複数個の熱導体が、単一の電気構成要素に並列または直列で接続され得る。例えば、複数個の熱導体は、単一の熱導体の長さより長い距離に広がるように、端部と端部とをつなぐ構成で、直列で接続され得る。複数個の熱導体は、さらには、例えば、単一の電気構成要素と吸熱器との間に並列で接続され得る。他の実施形態において、複数個の吸熱器が、複数個のサーマルコネクタ10を使用して、電気構成要素に接続され得る。
【0037】
最後に、一部の実施形態において、サーマルコネクタ10は、第1の電気構成要素を、吸熱器として作用し得る第2の電気構成要素と接続し得る。例えば、第2の電気構成要素は、それ自体は吸熱器ではないが、吸熱器と接続され得るものであり、そのことによって、熱は、第1の電気構成要素から、第2の電気構成要素を通り、吸熱器内へと流れ得る。当業者は、なおも他の構成が、上述の開示に基づいて可能であるということを理解するであろう。
【0038】
一部の実施形態において、サーマルコネクタ10は、電気構成要素に直接的に結合され得るものであり、そのことは、適した取り付けつまみ64を欠く電気構成要素にとって特に有利であり得る。例えば、サーマルコネクタ10は、図4において示されるように、電気構成要素60を吸熱器62と直接的に熱的に接続し得る。図4において示されるサーマルコネクタ10は、図2において示されるような巻き付け型端子を有する。棒材12の第2の端部20を覆って延在する、サーマルコネクタ10の第2の巻き付け型端子54の一部分が、電気構成要素の外部面66に直接的に取り付けられ得る。同様に、棒材12の第1の端部16を覆って延在する、第1の巻き付け型端子52の一部分が、吸熱器62の面に取り付けられ得る。この構成は、有利には、電気構成要素60または吸熱器62のうちの少なくとも1つとの、より大きい接触表面を提供し得る。
【0039】
図5を参照すると、1つの実施形態において、電気構成要素60は、1つまたは複数のサーマルコネクタ10の上部上に積層され得るものであり、そのことによって、第2および第4の端子34、38は、電気構成要素60に取り付けられ、第1および第3の端子32、36は、吸熱器62に取り付けられる。熱は、(矢印63により示されるように)第2および第4の端子から、棒材12を通り、外へと、第1および第3の端子32、36を通り、吸熱器62へと流れ得る。
【0040】
端子と、電気構成要素60および/または吸熱器62との間の接続は、例えばはんだ付けなどの、任意の適した方法を使用して形成され得る。例えば、サーマルコネクタ10は、サーマルコネクタ10のそれぞれの端子に取り付く、または、それらの端子を接続する相互接続を使用して接続され得る。相互接続は、伝導性金属などの伝導性材料から作製され得る。1つの実施形態において、相互接続は、相対的に平坦であり得るものであり、または、増大される表面積を有するものであり得る。後者に関しては、相互接続は、突出部/隆起部を有し得るものであり、または、さらには、電線、編組、コイル、その他から形成され得る。この点において、相互接続の具体的な寸法および構成は、必ずしも制限されない。その形式に関わらず、銅、スズ、ニッケル、アルミニウム、その他、ならびに、合金および/または被覆された金属などの、種々の異なる伝導性材料の任意のものが用いられ得る。所望されるならば、伝導性材料は、任意選択で、鞘材料によって絶縁され得る。
【0041】
V.電気同調
一部の実施形態において、サーマルコネクタ10は、サーマルコネクタ10が接続される回路および/または構成要素による電気同調を提供する特徴部を含み得る。そのような特徴部は、例えばインピーダンス整合を提供するために、サーマルコネクタの、無線周波数および/またはマイクロ波周波数の、応答および/または特性を改変することができる。
【0042】
図6Aを参照すると、1つまたは複数の伝導性トレース100が、サーマルコネクタ10の上部表面26上に形成され得る。伝導性トレース100は、例えば端子材料および層を参照して上述で説明されたように、任意の適した材料から形成され得るものであり、1つまたは複数の層を有し得る。例えば、伝導性トレース100は、金、銀、白金、ニッケル、銅、鋼、および/または、任意の他の適した材料を含み得る。
【0043】
トレース100は、第2の端子34と電気的に接続され(または、一体で形成され)得る。トレース100は、全体的には、第4の端子38の方に延在する「L」形状を有し得る。トレース100のサイズおよび寸法は、所望される電気同調効果を提供するように選択され得る。
【0044】
図6Bを参照すると、電気同調(例えば、インピーダンス整合)を提供するように構成される伝導性トレース102を含む、サーマルコネクタ10の別の実施形態が示される。伝導性トレース102は、サーマルコネクタ10の側部表面104上に形成され得る。第2の側部表面106は、側部表面104と平行であり、側部表面104の反対側にあり得る。トレース102のサイズおよび寸法は、所望される電気同調効果を提供するように選択され得る。
【0045】
伝導性トレースは、サーマルコネクタ10の表面(例えば、下部表面40、上部表面42、第1の端部面14、第2の端部面18、および/または、側部表面104、106の1つもしくは両方)の任意のものの上に形成され得るということが理解されるべきである。さらにまた、トレースは、サーマルコネクタ10の端子(例えば、第1の端子32、第2の端子34、第3の端子36、および/または、第4の端子38)の任意のものと電気的に接続され得る。しかしながら、伝導性トレースは、一般的には、熱源と吸熱器との間の電気流れを手助けすることになる方式では接続されない。加えて、伝導性トレースは、端子32、34、36、38のうちの2つ以上の間に物理的に配置され得る。
【0046】
そのようなトレースの数、サイズ、および形状は、1つまたは複数の所望される電気同調特性(例えば、インピーダンス、共振周波数、挿入損失、反射損失、その他)を提供するように選択され得る。このため、トレースは、サーマルコネクタ10を電気的に同調させるように選択され得る、種々の適した形状および幾何構造を有し得る。例として、トレースは、「L」または「T」形状を有し得る。同様に、トレースの数は、例えば1から10以上の間で変動し得る。
【0047】
図7を参照すると、一部の実施形態において、1つまたは複数の穴108が、サーマルコネクタ10を電気的に同調させるように、サーマルコネクタ10の棒材12および/または端子(例えば、第1の端子32、第2の端子34、第3の端子36、および/または、第4の端子38)内に形成され得る。そのような穴108は、レーザ穿孔を含む、種々の適した技法を使用して形成され得る。そのような穴108のサイズおよび/または数は、サーマルコネクタ10を電気的に同調させて、例えばインピーダンス整合を提供するように選択され得る。図7を参照すると、穴108の対が、サーマルコネクタ10の、上部面26から下部面28に延在し得る。他の実施形態において、穴は、側部表面102、104の間に、または、端部面14、20の間に延在し得る。加うるに、例えば1から10以上を含む、任意の適した数の穴が設けられ得る。
【0048】
VI.用途
本明細書において開示されるサーマルコネクタ10の様々な実施形態は、任意の適した熱源と吸熱器との間に接続され得る。例えば、サーマルコネクタ10は、端子パッドまたは伝導性トレースなどの熱源に接続され、接地されたカバーまたはサーマルビアに接続され得る。サーマルビアは、プリント回路板の層内に形成され得るものであり、吸熱器と接続し得る。例えば、サーマルコネクタ10は、層の第1の表面上でサーマルビアと接続され得るものであり、サーマルビアは、層を通って延在して、第1の表面の反対側にある第2の表面上に配置される吸熱器と接続し得る。
【0049】
サーマルコネクタ10は、さらには、トランジスタ(例えば、MOSFET)の端子の間に接続され得る。例えば、サーマルコネクタ10は、ゲート端子と接地端子との間に接続され得る。別の例として、サーマルコネクタ10は、ソース端子と接地端子との間に接続され得る。
【0050】
本明細書において開示されるサーマルコネクタ10の様々な実施形態は、例えば、電力増幅器、濾波器、合成器、コンピュータ構成要素、電力供給装置、および/またはダイオードなどの、任意の適した電気構成要素による用途を見出し得る。電力増幅器型の具体例は、窒化ガリウム(GaN)電力増幅器、高無線周波数増幅器、および同類のものを含む。本明細書において説明されるような、熱的構成要素との接続に適したものであり得るダイオードの例は、ダイオードの型の中でもとりわけ、レーザにおいての使用に対して特異的に適合させられるダイオードを含み得る。例えば、図8を参照すると、一部の実施形態において、サーマルコネクタ10は、レーザダイオード66と吸熱器62との間の熱的接続を形成または改善するために使用され得る。一部の実施形態において、サーマルコネクタ10は、モニタフォトダイオード68と吸熱器62との間の熱的接続を形成または改善するために使用され得る。
【0051】

後に続く表は、本発明の態様による様々な例示的な実施形態に対する寸法および熱的特質を示す。
【0052】
【表1】
【0053】
本発明の、これらおよび他の、変更形態および変形形態が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者により実践され得る。加えて、様々な実施形態の態様は、全部において、または一部においての両方で入れ替えられ得るということが理解されるべきである。さらにまた、当業者は、前述の説明が、単に例としてのものであり、そのような添付される特許請求の範囲においてさらに説明されるほど、本発明を限定することを意図されないということを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8