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特許7547210処置ドメインに特化したプロトコルに基づいた処置テンプレートを使用してカスタマイズされたラン表示要素を管理するシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】処置ドメインに特化したプロトコルに基づいた処置テンプレートを使用してカスタマイズされたラン表示要素を管理するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 7/00 20060101AFI20240902BHJP
   A61C 7/08 20060101ALI20240902BHJP
   A61C 7/10 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
A61C7/00
A61C7/08
A61C7/10
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2020560259
(86)(22)【出願日】2019-04-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019029990
(87)【国際公開番号】W WO2019213129
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】62/664,684
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501214845
【氏名又は名称】アライン テクノロジー, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Align Technology,Inc.
【住所又は居所原語表記】2820 Orchard Parkway San Jose CA 95134 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】レヴィン,アディ
(72)【発明者】
【氏名】ラプシン,アントン
(72)【発明者】
【氏名】フォローディアン,ベナム,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー,エリック,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】テンジン,コンスタンティン
(72)【発明者】
【氏名】シェコーニン,アンドレイ
(72)【発明者】
【氏名】ステレンタル,レネ,エム.
(72)【発明者】
【氏名】ソコロヴィ,パヴェル
(72)【発明者】
【氏名】ラモス,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】マラシキン,エフゲニー
(72)【発明者】
【氏名】シヴァコヴァ,アンナ
(72)【発明者】
【氏名】フラナガン,マイケル
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0129991(US,A1)
【文献】特開2011-156416(JP,A)
【文献】特開2014-091047(JP,A)
【文献】特表2010-528748(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0324919(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の為の処置をプランニングする方法であって、前記方法は、
プロセッサが、処置する患者に関して選択された処置プロトコルを受け取り、前記選択された処置プロトコルは、ユーザによって処置プロトコルのリストから選択され、
前記プロセッサが、1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイをユーザに提示し、
前記プロセッサが、前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を前記ユーザから受け取り、
前記プロセッサが、前記選択された処置プロトコル修正提案を、特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションであって、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含む一組の修正インストラクションに変換し、
前記プロセッサが、前記選択された処置プロトコルを、特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションに基づいて修正して、最終処置プロトコルを形成し、
前記プロセッサが、前記最終処置プロトコルを使用して処置プランを生成する、
ことを含む方法。
【請求項2】
更に、前記プロセッサが、前記処置プランに基づいて1つ以上の処置器具を生成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の処置器具は歯科器具を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の処置器具は歯科矯正器具を含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザによって、患者を処置する為のプランを最初に要求することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プロセッサが、前記ユーザに、前記1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイを提示することは、異なる時点での前記1人以上のサンプル患者への選択された処置プロトコルの効果を示す複数の処置ステージを示すことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
更に、前記プロセッサが、前記1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを提示するステップと、前記選択された処置プロトコルへの修正提案を受け取るステップと、前記修正提案を変換するステップと、前記選択された処置プロトコルを修正するステップを反復的に繰り返すことを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザに、前記1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイを提示することは、前記プロセッサが、前記処置プロトコルを、サンプル患者の歯のライブラリからの前記1人以上のサンプル患者の歯の1つ以上のデジタルモデルに適用することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記プロセッサが、以前のユーザの事例に基づいており前記処置プロトコルのリストに含まれている、前記ユーザに対してカスタマイズされたユーザ専用処置プロトコルを生成することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
患者の為の処置をプランニングする方法であって、前記方法が、
プロセッサが、歯科矯正処置プロトコルのリストから選択された、処置する患者の歯に関する処置プロトコルを受け取り、前記歯科矯正処置プロトコルのリスト内の処置プロトコルは、以前のユーザの事例に基づいてユーザに対してカスタマイズされ、
前記プロセッサが、ユーザに、サンプル患者の歯のライブラリからの、1人以上のサンプル患者の歯に適用された、選択された処置プロトコルを示すディスプレイを提示し、
前記プロセッサが、前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を前記ユーザから受け取り、
前記プロセッサが、前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を、特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションであって、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含む一組の修正インストラクションに変換し、
前記プロセッサが、前記選択された処置プロトコルを、特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションに基づいて修正して、最終処置プロトコルを形成することを補助し、
前記プロセッサが、前記最終処置プロトコルを使用して処置プランを生成する、
ことを含む方法。
【請求項11】
前記プロセッサが、前記処置プランに基づいて1つ以上の歯科矯正処置器具を生成することを更に含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の歯科矯正器具は1つ以上のシェルアライナーを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
更に、前記ユーザによって、患者を処置する為のプランを最初に要求することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記ユーザに、1人以上のサンプル患者の歯に適用された、選択された処置プロトコルを示すディスプレイを提示することは、異なる時点での前記1人以上のサンプル患者への選択された処置プロトコルの効果を示す複数の処置ステージを示すことを含む請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記1人以上のサンプル患者に適用された、選択された処置プロトコルを提示するステップと、前記選択された処置プロトコルへの修正提案を受け取るステップと、前記修正提案を変換するステップと、前記ユーザが最終処置プロトコルを承認する迄、前記選択された処置プロトコルを修正するステップを反復的に繰り返すことを更に含む請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記1人以上のサンプル患者に適用された、選択された処置プロトコルを示すディスプレイを前記ユーザに提示するステップは、前記プロセッサが、前記選択された処置プロトコルを、サンプル患者の歯のライブラリからの前記1人以上のサンプル患者の歯の1つ以上のデジタルモデルに適用することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記プロセッサが、以前のユーザの事例に基づいており処置プロトコルのリストに含まれている、前記ユーザに対してカスタマイズされたユーザ専用処置プロトコルを生成することを更に含む請求項10に記載の方法。
【請求項18】
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合され、1つ以上のプロセッサによって実行された場合にコンピュータ実装方法を実行するインストラクションを記憶している1つ以上の記憶媒体を含み、前記コンピュータ実装方法は、
処置する患者用の処置プロトコルのリストから選択された処置プロトコルを受け取り、前記処置プロトコルのリスト内の選択された処置プロトコルは、以前のユーザの事例に基づいてユーザに対してカスタマイズされており、
1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイをユーザに提示し、
前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を前記ユーザから受け取り、
前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を、特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションであって、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含む一組の修正インストラクションに変換し、
前記選択された処置プロトコルを、特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションに基づいて修正して、最終処置プロトコルを形成し、
前記最終処置プロトコルに基づいて前記ユーザに処置プランを提供することを含むシステム。
【請求項19】
前記コンピュータ実装方法は更に、1つ以上の処置器具を生成することによって前記患者に最終処置プロトコルを適用することを含む請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記コンピュータ実装方法が更に、前記ユーザに処置プランを提供することの一環として、患者によって装着される一連の歯科矯正器具を含む処置プランを提供することを含む請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記コンピュータ実装方法が更に、前記ユーザによって、患者を処置する為のプランを最初に要求することを含む請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記コンピュータ実装方法が更に、1人以上のサンプル患者の選択を受け取り、前記選択された処置プロトコルを、前記選択された1人以上のサンプル患者に適用することを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記コンピュータ実装方法が更に、前記1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイを前記ユーザに提示することの一環として、異なる時点での前記1人以上のサンプル患者への選択された処置プロトコルの効果を示す複数のステージを示すことを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
前記コンピュータ実装方法が更に、前記1人以上のサンプル患者に適用された、前記選択された処置プロトコルを提示するステップと、前記処置プロトコルへの修正提案を受け取るステップと、前記修正提案を変換するステップと、前記ユーザが最終処置プロトコルを承認する迄、前記選択された処置プロトコルを修正するステップを反復的に繰り返すことを更に含む請求項18に記載のシステム。
【請求項25】
前記コンピュータ実装方法が更に、前記ユーザに提示することの一環として、前記選択された処置プロトコルを、前記サンプル患者の歯のライブラリからの1人以上のサンプル患者の歯の1つ以上のデジタルモデルに適用することを含む請求項20に記載のシステム。
【請求項26】
前記コンピュータ実装方法が更に、以前のユーザの事例に基づいており処置プロトコルのリストに含まれている、前記ユーザに対してカスタマイズされたユーザ専用処置プロトコルを生成することを含み、前記ユーザ専用処置プロトコルは、
前記患者を処置する為のインストラクションを前記ユーザから受け取り、
以前に処置された患者からのユーザの優先選択を分析し、
前記ユーザの優先選択及び受け取ったインストラクションを適用して、特定領域専用歯科矯正処置言語でのユーザ専用処置プロトコルを生成し、
新たな処置プロトコルを1人以上のサンプル患者に対して検証する、
ことによって作成される請求項18に記載のシステム。
【請求項27】
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合され、1つ以上のプロセッサによって実行された場合にコンピュータ実装方法を実行するインストラクションを記憶している1つ以上の記憶媒体を含み、前記コンピュータ実装方法は、
歯科矯正処置プロトコルのリストから選択された、患者の歯を処置する為の処置プロトコルを受け取り、前記歯科矯正処置プロトコルのリスト内の処置プロトコルは、以前のユーザの事例に基づいてユーザに対してカスタマイズされており、
サンプル患者の歯のライブラリから、1人以上のサンプル患者の歯に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイをユーザに提示し、
前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を前記ユーザから受け取り、
前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を、特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションであって、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含む一組の修正インストラクションに変換し、
前記選択された処置プロトコルを、特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションに基づいて修正して、最終処置プロトコルを形成し、
前記最終処置プロトコルに基づいて前記ユーザに処置プランを提供することを含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2018年4月30日に出願された、「特定領域専用歯科矯正処置言語を使用した歯科矯正処置の為のシステム及び方法(SYSTEMS AND METHODS FOR ORTHODONTIC TREATMENT USING A DOMAIN-SPECIFIC ORTHODONTIC TREATMENT)」というタイトルの米国仮特許出願第62/664,684号の優先権を主張し、この出願は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(参照による援用)
本明細書で言及する全ての公報及び特許出願は、個々の公報又は特許出願が恰も具体的且つ個々に参照により組み込まれたと示されたのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本技術分野は、特定領域専用(domain-specific)コンピュータシステム及び方法を使用した処置プランニングに関し、より詳細には、医療(例えば、歯科、歯科矯正等)処置プランニング等の、処置プランニングに使用される特定領域専用コンピュータシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0004】
処置プランニングは、所望の結果を導くことを補助する為にあらゆる医療処置で使用され得る。例えば、処置プランニングは歯科矯正で使用されてよく、一連の患者着脱可能器具(例えば、歯科矯正アライナー、口蓋エキスパンダー等)を使用する歯科処置は、患者の処置、特に不正咬合の処置に非常に便利である。処置プランニングは典型的に、歯科医療従事者(例えば、歯科医、矯正歯科医、歯科技工士等)と連携して、最終構成の患者の歯のモデルを生成し、次に、処置プランを、逐次装着されることになっている個々の器具に対応する幾つかの中間ステージ(ステップ)に細分することによって実行される。このプロセスはインタラクティブであってよく、歯の移動の拘束と、歯科医療従事者の優先選択に基づいて、ステージングと、又幾つかの場合には最終標的位置の調整を行う。
【0005】
この処置プランニングプロセスは、複雑である多くのマニュアルステップを含み得、歯科矯正ノルムの高レベルの知識を要し得る。更に、連続して実行されるステップ故に、プロセスは相当な時間を要し得る。マニュアルステップは、デジタルプランニングの為のモデルの作成、提案された処置プラン(ステージングを含む)のレビューと修正、及びアライナー機構(aligner feature)の配置(歯又はアライナー自体に配置された機構を含む)を含み得る。これらのステップは、初期処置プランを歯科医療従事者に提示する前に実行され得るが、歯科医療従事者は次に、このプランを更に修正し、追加処理の為にこの処置プランを返送して処置プランを調整し、最終処置プロトコルが完成して患者に提供されるまでこの工程を繰り返し(反復し)てもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
処置プランニングの為の既存のシステム及び方法は時間が掛かり得る上に、歯科医療従事者に限られた選択肢及び制御しか提供できない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
患者の為の処置をプランニングする為のシステム、方法及び/又はコンピュータ可読媒体が本明細書に記載される。これらの処置プランは、限定はしないが、シェルアライナー、口蓋エキスパンダー等のうち1つ以上を含む処置プラン等の歯科矯正処置プランを含み得る。本明細書に記載のこれらのシステム、方法及び/又はコンピュータ可読媒体は、医療処置プランニング(例えば、歯科処置プランニング、歯科矯正処置プランニング、外科的処置プランニング、矯正処置プランニング等)を含む処置プランニングの高度に技術的な課題への技術的解決策を提供する。一般に、これらの方法は、特定領域専用処置言語を使用して、処置テンプレート(処置プロトコルとも呼ばれる)の一部としてユーザの(例えば、医師、療法士、歯科医、矯正歯科医等)優先選択を暗号化することを含んでよい。特定領域専用処置言語での処置テンプレートはマニュアル式に読まれてもよく(例えば、ユーザ、技工士等によって)、又、機械可読であってもよく、プロセッサによって一組の処置プランニングインストラクションに構文解析されて、それが処置プランニングエンジンによって1つ以上の患者事例に適用されてもよい。処置プランニングエンジンは、処置プランニングインストラクションを、患者に関する情報(例えば、患者の歯又は関連する身体領域の走査等の患者口腔の情報)と共に使用して、その患者専用の1つ以上の処置プランを自動生成してもよい。処置プラン(複数可)は、ユーザのカスタマイズされた処置テンプレートから導出される処置プランニングインストラクションを使用して生成される為、結果として得られる処置プラン(複数可)もユーザに対してカスタマイズされ得る。結果として得られる処置プランはユーザによってレビューされ承認され得る。
【0008】
例えば、本明細書に記載のシステム、方法及び/又はコンピュータ可読媒体は、歯科矯正処置プランニングの高度に技術的な課題への技術的解決策を提供し、特定領域専用処置言語を使用して、処置テンプレートの一部としてユーザ(例えば、医師、歯科医、矯正歯科医等)優先選択を暗号化することを含み得る。特定領域専用歯科矯正処置言語での処置テンプレートはマニュアル式に読まれてもよく(例えば、ユーザ、技工士等によって)、又、機械可読であってもよく、プロセッサによって一組の処置プランニングインストラクションに構文解析されて、それが処置プランニングエンジンによって1つ以上の患者事例に適用されてもよい。歯科矯正処置プランニングエンジンは、処置プランニングインストラクションを、患者の口腔に関する情報(患者の歯の走査等)と共に使用して、その患者専用の1つ以上の処置プランを自動生成してもよい。処置プラン(複数可)は、ユーザのカスタマイズされた処置テンプレートから導出される処置プランニングインストラクションを使用して生成される為、結果として得られる処置プラン(複数可)もユーザに対してカスタマイズされ得る。結果として得られる処置プランはユーザによってレビューされ承認され得る。
【0009】
処置プランは、患者の生理機能を変えて所望の結果を達成する又は結果に近づく為の一連のステップ、デバイス及び/又はスケジュールを指す。幾つかの事例では、処置プランは歯科矯正処置プランであり、患者の歯列弓を変えて所望の結果を達成する又は結果に近づく為の一連のステップ、デバイス及び/又はスケジュールを指す。便宜上、本明細書に記載の例において、歯科矯正及び/又は歯科処置プランは「歯科矯正処置プラン」又は単に「処置プラン」と呼ばれ得るが、外科的処置プラン、矯正処置プラン等の他のタイプの処置プランも含まれ得ることを理解されたい。
【0010】
歯科矯正処置プランは、患者の歯列弓を変える為に使用され得る1つ以上の歯科器具(歯科アライナーを含む)を識別し得る。歯科矯正処置プランは、それに加えて、又は代替的に、1つ以上の歯科器具を伴う場合及び/又は伴わない場合両方を含めて、患者の歯列弓を修正するステップを含み得る。幾つかの変形形態では、歯科矯正処置プランは患者の歯列弓を作製する(例えば、患者の歯のうち1つ以上を抜く、シェーピングする、トリミングする、又は別途変えることによって)ことを含み得る。歯科矯正処置プランは、患者の歯のうち1つ以上の移動(及び/又は不動性)を示してもよく、それは、移動のタイミング又はシーケンシングを示す(開始、持続時間、終了)ことを含む。歯科矯正処置プランは、歯科器具のうち1つ以上(順序系列)を設計する及び/又は製作するステップを含み得る。歯科矯正処置プランは、1つ以上の歯科器具を装着するタイミングを示す歯科器具のスケジュールを含み得る。
【0011】
歯科矯正処置をプランニングする為の処置テンプレート(例えば、処置プロトコル)は、歯科処置(複数可)のタイプ又はカテゴリについてのユーザの(例えば、矯正歯科医の、歯科医の、医師の、歯科技工士の、等)一般的及び/又は特定の優先選択の記述を指し得る。優先選択は、例えば、歯の移動の制限(例えば、処置の一環として、どの歯が移動してはいけないかを示す)、隣接面削合(IPR)を使用すべきか、及び/又は、処置中にどのように、又は何処にIPRを実行すべきか、アタッチメントを使用すべきか、使用される場合、何処に(例えば、どの歯に)アタッチメントを配置すべきか、歯間距離の変更、抜歯、レベリング戦略(例えば、「切縁で揃える」又は「歯肉縁で揃える」)等を含み得る。処置テンプレートは、1つ以上の優先選択を含む任意の適切な個数の優先選択を示し得る。優先選択はカテゴリ上のものであっても、及び/又は条件上のものであってもよい(例えば、1つ以上の他の条件に依存する優先選択)。処置テンプレートは処置プロトコルとも呼ばれ得る。
【0012】
本明細書に記載の何れの処置テンプレートも特定領域専用歯科矯正処置言語で表現され得る。特定領域専用歯科矯正処置言語は、その特定の歯科矯正適用領域専用であり、条件ステートメントの為のセマンティクス並びに歯科矯正用語に対する予め定義されたリファレント(例えば、歯の名称、歯科矯正処置、解剖学的リファレント、等)を含む、歯科矯正処置専用の形式文法を含む。特定領域専用歯科矯正処置言語は、動詞/名詞及び歯科処置ステージのオプションの因数で表された臨床的設定、歯位置及び/又は歯科矯正状態に言及する条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び/又は、順序シーケンスの指示を含み得る。従って特定領域専用処置歯科矯正処置言語は、歯、歯位置及び/又は歯の移動を名称で直接言及し得る為、対人可読であると共に機械可読でもある。特に、特定領域専用歯科矯正処置言語は、プロセッサによって、1つ以上の処置プランニングエンジンによって実行され得る処置プランニングインストラクションに構文解析され得る。
【0013】
処置プランニングインストラクションは、機械可読形式で表された、歯科矯正処置をプランニングする為のルールを含み得る。例えば、処置プランニングインストラクションは、特定領域専用処置歯科矯正処置言語から、テキストオンリーデータ交換フォーマット、例えばJSON等のデータ交換フォーマットへと構文解析され得る。歯科矯正処置プランニングインストラクションは、歯の最終位置決め、ステージング(staging)、アタッチメント及び歯科器具機構等に関するルールを含み得る。1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンは歯科矯正処置プランニングインストラクションを実行してよい。本明細書で使用する場合、インストラクションは処置テンプレートからの情報の全部又は一部を含み得るが、多くの処置プランに一般的な情報を含む追加情報も含み得る。この追加情報は処置テンプレートと統合され得る(例えば、構文解析された形式の特定領域専用処置言語)。
【0014】
歯科矯正処置プランニングエンジンは、処置プランニングインストラクション及び/又は患者情報(例えば、患者の歯のデジタルモデル)を受け取り、歯科矯正処置プランニングインストラクションを患者情報に適用して1つ以上の歯科矯正処置プランを生成し得るソフトウェア、ハードウェア及び/又はファームウェア(又はこれらの何らかの組み合わせ)を指し得る。口腔内スキャナからの走査等の3D容積走査を含む、患者の歯の任意の適切なデジタルモデルが使用され得る。
【0015】
例えば、本明細書では、歯科矯正処置の為の歯科矯正処置プランを生成する方法が記載される。これらの方法は何れも、1つ以上のプロセッサを有するシステムに、歯科矯正処置をプランニングする為の処置テンプレートを受け取り、処置テンプレートは特定領域専用歯科矯正処置言語で表され、1つ以上のプロセッサによって、選択された処置テンプレートを、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンによって実行可能な歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析し、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンによって、歯科矯正処置プランニングインストラクションを実行して、患者の歯のデジタルモデルの為の1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを含み得る。
【0016】
歯科矯正処置プランニングインストラクションを実行することは、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正器具(例えば、歯科矯正アライナー、口蓋エキスパンダー等)を含む1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを含み得る。歯科矯正処置プランは、歯科矯正器具の装着(例えば、隣接面削合、アタッチメント施用、等)の前/その最中に歯を修正する為のインストラクションも含み得る。
【0017】
選択された処置テンプレートを構文解析することは、選択された処置テンプレートを、JSON等のテキストオンリーデータ交換フォーマットを含むデータ交換フォーマットに変換することを含み得る。処置テンプレートは、歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)への送信前、送信中又は送信後に構文解析され得る。
【0018】
歯科矯正処置をプランニングする為の処置テンプレートを受け取ることは、ユーザからの、処置テンプレートのライブラリからの処置テンプレートの選択の要求を含み得る。ライブラリから処置テンプレートを選択する為にユーザインターフェースが配設され得る。例えば、これらの方法は何れも、選択された処置テンプレートをユーザに表示し、ユーザが処置テンプレート内の歯科矯正処置プランニング言語(例えば、特定領域専用歯科矯正処置言語)を修正することを可能にすることを含み得る。テンプレートを修正することは、ユーザにグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提示すること含み得、GUIは、処置テンプレートを修正するユーザ選択パラメータを受け取る。
【0019】
特定領域専用歯科矯正特定領域専用歯科矯正処置言語は、ユーザの優先選択情報を取得する為に1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を作成する為の1つ以上の指令を含み得る。従って、処置テンプレート(特定領域専用歯科矯正処置言語での)は、ユーザ又はユーザと共働する技工士に、処置テンプレート及び/又は歯科矯正処置プランニングインストラクションに含まれ得る追加優先選択情報を修正又は提供するように促してよい。
【0020】
本明細書に記載の何れの方法及びシステムにおいても、処置テンプレートを生成及び/又は修正する間に、及び/又は処置テンプレートを歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析する間に、及び/又は歯科矯正処置プランニングインストラクションを実行して1つ以上の歯科矯正処置プランを生成する間に、レコード又はログ(例えば、ログトレース)が生成され得る。ログは、歯科矯正処置プランニングインストラクション、使用される設定、使用される患者情報及びトラブルシューティングを補助し得る任意の他のパラメータを記録してよい。例えば、これらの方法は何れも、(例えば、別個のステップとして、又は歯科矯正処置プランニングインストラクションを実行するステップの一環として)、処置テンプレートの実行のログトレースを生成することを含み得る。
【0021】
特定領域専用歯科矯正処置言語は、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含み得る。歯位置を指す条件ステートメントは、if及びforループステートメントを含み得る。
【0022】
別の変形例では、歯科矯正処置の為の歯科矯正処置プランを生成する方法は、1つ以上のプロセッサを有するシステムに、歯科矯正処置をプランニングする為の処置テンプレートを受け取り、処置テンプレートは、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含む特定領域専用歯科矯正処置言語で表され、1つ以上のプロセッサによって、選択された処置テンプレートを1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンによって実行可能な歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析し、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンによって、歯科矯正処置プランニングインストラクションを実行して、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正アライナーを含む患者の歯のデジタルモデルの為の1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを含み得る。
【0023】
本明細書に記載の方法のうち多くを実行し得るシステムも本明細書に記載される。例えば、歯科矯正処置の為の歯科矯正処置プランを生成する為のシステムを含むシステムは、1つ以上のプロセッサと、その1つ以上のプロセッサに結合された1つ以上の記憶媒体を含み得、記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行された場合にコンピュータ実装方法を実行するインストラクションを記憶し、コンピュータ実装方法は、1つ以上のプロセッサを有するシステムに、歯科矯正処置をプランニングする為の処置テンプレートを受け取り、処置テンプレートは特定領域専用歯科矯正処置言語で表され、1つ以上のプロセッサによって、選択された処置テンプレートを、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンによって実行可能な歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析し、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンによって、歯科矯正処置プランニングインストラクションを実行して、患者の歯のデジタルモデルの為の1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを含み得る。
【0024】
コンピュータ実装方法は更に、歯科矯正処置プランニングインストラクションを実行することの一環として、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正アライナーを含む1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを含み得る。コンピュータ実装方法は更に、選択された処置テンプレートをデータ交換フォーマットに変換することを含み得る。
【0025】
コンピュータ実装方法は、処置テンプレートを受け取ることの一環として、ユーザから、処置テンプレートのライブラリからの処置テンプレートの選択を要求し、及び/又はユーザから、処置テンプレートのライブラリからの処置テンプレートの選択を要求して、ユーザに選択された処置テンプレートを表示し、ユーザが処置テンプレートを修正することを可能にすることを含み得る。
【0026】
これらのシステムは何れも、処置テンプレートの適用のログトレースを生成することを含み得る。
【0027】
例えば、システムは、1つ以上のプロセッサと、その1つ以上のプロセッサに結合された1つ以上の記憶媒体を含み得、記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行された場合にコンピュータ実装方法を実行するインストラクションを記憶し、コンピュータ実装方法は、1つ以上のプロセッサを有するシステムに、歯科矯正処置をプランニングする為の処置テンプレートを受け取り、処置テンプレートは、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含む特定領域専用歯科矯正処置言語で表され、1つ以上のプロセッサによって、選択された処置テンプレートを、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンによって実行可能な歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析し、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンによって、歯科矯正処置プランニングインストラクションを実行して、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正アライナーを含む、患者の歯のデジタルモデル専用の1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを含む。
【0028】
歯科矯正処置の為の処置テンプレートを作成する方法も本明細書に記載される。例えば、歯科矯正処置の為の処置テンプレートを作成する方法は、歯の最終位置決め、歯の移動のステージング、歯上のアタッチメント、患者の歯の初期位置に基づいて患者を処置する為の条件付き操作、患者の歯の最終位置に基づいて患者を処置する為の条件付き操作、臨床症状の存在に基づいて患者を処置する為の条件付き操作のうち2つ以上に関する歯科医療従事者の処置優先選択を収集し、歯科医療従事者の優先選択を特定領域専用歯科矯正処置言語で記述して処置テンプレートを形成することを含み、特定領域専用歯科矯正処置言語は、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含み、更に、処置テンプレートは、対人可読と機械可読の両方であって、1つ以上のプロセッサによって、歯科矯正プランを生成する為に、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンによって実行可能な歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析されるように構成される。
【0029】
歯科矯正処置の為の処置テンプレートを作成する方法は、歯科矯正処置の為の歯科矯正処置プランを生成する方法の一部として含まれてもよく、又は別個であってもよい。
【0030】
これらの方法は何れにおいても、処置テンプレートは、処置テンプレートを歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析し、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンを使用して、歯科矯正処置プランニングインストラクション、及び歯の制御デジタルモデルを実行して、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正アライナーを含む1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することによって検査され得る。
【0031】
これらの方法は何れも、処置テンプレートを処置テンプレートのライブラリに記憶することも含み得る。
【0032】
これらの方法は何れも、付加的に又は代替的に、1つ以上のプロセッサによって、選択された処置テンプレートを、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンによって実行可能な歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析し、及び/又は1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンを使用して、患者の歯のデジタルモデルに関する歯科矯正処置プランニングインストラクションを実行し、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正アライナーを含む1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを含み得る。
【0033】
方法は、処置テンプレートを表示して、ユーザが処置テンプレート内の歯科矯正処置プランニング言語を修正すること可能にすることも含み得る。例えば、記述することは、ユーザにグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提示することを含み得、GUIは、処置テンプレートを修正するユーザ選択されたパラメータを受け取る。
【0034】
収集することは、歯の最終位置決め、歯の移動のステージング、歯上のアタッチメント、患者の歯の初期位置に基づいて患者を処置する為の条件付き操作、患者の歯の最終位置に基づいて患者を処置する為の条件付き操作、臨床症状の存在に基づいて患者を処置する為の条件付き操作のうち2つ以上(例えば、3つ以上、4つ以上等)に関する歯科医療従事者の処置優先選択を収集することを含み得る。例えば、収集することは、歯の最終位置決め、歯の移動のステージング、歯上のアタッチメント、患者の歯の初期位置に基づいて患者を処置する為の条件付き操作、患者の歯の最終位置に基づいて患者を処置する為の条件付き操作、臨床症状の存在に基づいて患者を処置する為の条件付き操作に関する歯科医療従事者の処置優先選択を受け取ることを含み得る。
【0035】
歯科矯正処置の為の歯科矯正処置プランを生成する方法は、1つ以上のプロセッサによって、処置テンプレートにアクセスすることを含み得、処置テンプレートは、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示、歯科矯正処置中の歯の移動に関するルールを、1つ以上のプロセッサによって識別し、ルールを、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンによって実行され得るデータ交換フォーマットでの一組の歯科矯正処置プランニングインストラクションに変換して、歯のデジタルモデルから1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを含む、特定領域専用歯科矯正処置言語で表現された一組の歯科矯正処置優先選択を含む。
【0036】
これらの方法は何れも、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンを使用して、歯科矯正処置プランニングインストラクション及び患者の歯のデジタルモデルを実行して、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正アライナーを含む1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することも含み得る。
【0037】
システムは、1つ以上のプロセッサと、その1つ以上のプロセッサに結合された1つ以上の記憶媒体を含み得、記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行された場合にコンピュータ実装方法を実行するインストラクションを記憶し、コンピュータ実装方法は、1つ以上のプロセッサによって、処置テンプレートにアクセスすることを含み、処置テンプレートは、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含む特定領域専用歯科矯正処置言語で表された、一組の歯科矯正処置優先選択を含み、歯科矯正処置中の歯の移動に関するルールを、1つ以上のプロセッサによって識別し、ルールを、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジンによって実行され得るデータ交換フォーマットでの一組の歯科矯正処置プランニングインストラクションに変換して、歯のデジタルモデルから1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを含む。
【0038】
一般に本明細書では、患者の為の処置をプランニングする方法が記載される。上述のように、これらの処置プランニング方法は、1つ以上の外科的処置及び複数のステップを有する特定の外科的処置を実行する為の処置プラン等の医療処置プランであり得る。幾つかの変形形態では、これらの医療及び/又は外科的ステップはロボティックツールによって実行されてよく、処置の全ての又は一部のステージは、処置プランによってプランニングされた1つ以上のロボティック操縦(運動、エネルギーの印加等)を含み得る。患者の生体構造のデジタルモデルが、外科的処置を設計する為に使用され得る。幾つかの変形形態では、これらの医療及び/又は外科的ステップは歯科矯正(例えば、ブレース、補綴物等)の使用に対応する。例えば、本明細書に記載の処置プランは、患者の姿勢、歩容又は筋骨格系を修正する為の処置プランに関し得る。上記で既述のように、本明細書に記載の処置プランは、歯を移動させる及び/又は元に戻す為の一連の歯科アライナー(例えば、シェルアライナー)の使用等の歯科矯正処置を含むがそれに限定されない1つ以上の歯科処置にも関する。
【0039】
例えば、本明細書では、処置プロトコルのリストから選択された、患者を処置する為の処置プロトコルをユーザから受け取り、処置プロトコルのリスト内の処置プロトコルはユーザの以前の事例に基づいてユーザ向けにカスタマイズされ、1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイをユーザに提示し、処置プロトコルへの修正提案をユーザから受け取り、処置プロトコルへの修正提案を、特定領域専用処置言語でのインストラクションへの一組の修正に変換し、選択された処置プロトコルを、特定領域専用処置言語での一組の修正インストラクションに基づいて修正して、最終処置プロトコルを形成し、最終処置プロトコルに基づいてユーザに処置プランを提示する(例えば、最終処置プロトコルを患者の歯のデジタル表現に適用することによって)ことを含む、患者の処置をプランニングする為の方法が記載される。
【0040】
一般に、処置プロトコルは、最終処置プロトコルを患者(例えば、被術者)に適用することによって処置プランを生成する為に使用され得る一組のインストラクションを指し得る。本明細書に記載の方法及び装置(システム)は、処置プランを生成する為に使用され得る処置プロトコルを生成する為に使用され得る。
【0041】
これらの方法及び方法を実行し得る装置(例えば、システム)は何れも、患者の歯のデジタル表現に最終処置プロトコルを適用し、この処置プランに基づいて1つ以上の処置器具(例えば、アライナー、口蓋エキスパンダー等の歯科矯正器具)を生成することも含み得る。例えば、1つ以上の処置器具は、歯科矯正器具等の歯科器具を含み得る。
【0042】
これらの方法及び方法を実行し得る装置(例えば、システム)は何れも、更に、最初に、ユーザによって、患者を処置する為のプランを要求することを含み得る。ユーザは、ユーザインターフェースを使用して、処置プラン(本明細書に記載の方法を実行する1つ以上のプロセッサを含む、システムからの歯科矯正処置プラン等)を要求してもよい。
【0043】
これらの方法及び方法を実行し得る装置(例えば、システム)は何れも、1人以上のサンプル患者の選択を受け取り、選択された処置プロトコルを選択された1人以上のサンプル患者に適用することを含み得る。例えば、ユーザ(医師、歯科医、矯正歯科医等)は、サンプル患者のリストを提示されてもよく、ユーザインターフェースを介してサンプル患者から選択してもよく、代替的に、ユーザとは別の技工士が、サンプル患者のうち1人以上を選択してもよい。代替的に、システムは、1人以上のサンプル患者から自動選択してもよい。
【0044】
1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイをユーザに提示することは、異なる時点での1人以上のサンプル患者への選択された処置プロトコルの効果を示す複数の処置ステージを示すことを含み得る。歯科矯正処置プランを生成するにあたり、ユーザは、ディスプレイ及び/又はユーザインターフェースを介して、処置プランの最終ステージ及び/又は1つ以上の他のステージでの歯の位置を示す、サンプル患者の歯列のグラフィックイメージ(例えば、デジタル表現又はモデル)を提示され得る。幾つかの変形形態では、ユーザは、各ステージでモデル化された歯の位置を示す複数の処置ステージを、ユーザインターフェースを介して走査又はレビューしてもよい。幾つかの変形形態では、ユーザは、処置プラン行程中の経時的な患者の歯列の変化を示すアニメーションを提示され得る。ユーザインターフェースは、ユーザが、1つ以上のディスプレイに亘って歯の見え方を調整(ズームイン/アウト、歯のうち一部/全部を除去、処置プランの機構の除去/表示)することを可能にしてもよい。
【0045】
これらの方法及び方法を実行し得る装置(例えば、システム)何れにおいても、方法又は装置(例えば、システム)は、サンプル患者のリストの代わりに、又はそれに加えて、患者の歯のデジタルモデルを使用して処置プロトコルの効果を予測してもよい。従って、サンプル患者が使用されるプロセスの何れのステップにおいても、患者はその患者に対応し得る。例えば、幾つかの変形形態では、方法は、患者の歯のデジタルモデルを(例えばユーザから)受け取ることを含み得る。
【0046】
処置プロトコルを生成するステップは、これらの方法及び方法を実行し得る装置(例えば、システム)何れにおいても反復的に繰り返され得る。例えば、方法は、1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを提示するステップと、処置プロトコルへの修正提案を受け取るステップと、修正提案を変換するステップと、選択された処置プロトコルを修正するステップを反復的に繰り返すことを含み得る。これらのステップはユーザが最終処置プロトコルを承認する迄繰り返され(反復され)得る。
【0047】
これらの方法及び方法を実行し得る装置(例えば、システム)何れにおいても、1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイをユーザに提示することは、処置プロトコルを、サンプル患者の歯のライブラリからの1人以上のサンプル患者の歯の1つ以上のデジタルモデルに適用することを含み得る。
【0048】
これらの方法又は方法を実行可能な装置は何れも、以前のユーザの事例に基づいており処置プロトコルのリストに含まれている、ユーザ向けにカスタマイズされた、ユーザ専用処置プランを作成することを含み得る。ユーザ専用処置プロトコルは、例えば、以前に処置された患者からのユーザの優先選択を分析し、ユーザの優先選択と受け取ったインストラクション(例えば、処置プランに関する要求の一環としてユーザから提供された)を適用して、特定領域専用処置言語でのユーザ専用処置プロトコルを生成することによって作成され得る。幾つかの事例では、これは、新たな処置プロトコルを1人以上のサンプル患者に対して検証することも含み得る。
【0049】
例えば、患者の為の処置をプランニングする方法は、ユーザから、患者の歯を処置する為の歯科矯正処置プロトコルのリストから選択された処置プロトコルを受け取り、歯科矯正処置プロトコルのリスト内の処置プロトコルは、以前のユーザの事例に基づいてユーザに対してカスタマイズされ、ユーザに、サンプル患者の歯のライブラリからの、1人以上のサンプル患者の歯に適用された、選択された処置プロトコルを示すディスプレイを提示し、処置プロトコルへの修正提案をユーザから受け取り、提案された処置プロトコルへの修正を、特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションに変換し、選択された処置プロトコルを、特定領域専用歯科矯正処置言語での修正インストラクションのセットに基づいて修正して最終処置プロトコルを形成し、最終処置プロトコルに基づいてユーザに処置プランを提示することを含み得る。
【0050】
これらの方法又は方法を実行可能なシステムは何れも、最終処置プロトコルを患者に適用して処置プランを生成し、この処置プランを使用して1つ以上の歯科矯正器具を生成することも含み得る。例えば、1つ以上の歯科矯正器具は、1つ以上のアライナー(例えばシェルアライナー)を含み得る。
【0051】
上述のように、本明細書では、本明細書に記載の方法を実行可能可能な、又は実行するように構成されたシステムも記載される。例えば、本明細書では、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに結合され、1つ以上のプロセッサによって実行された場合に、コンピュータ実装方法を実行するインストラクションを記憶する1つ以上の記憶媒体を含むシステムが記載され、コンピュータ実装方法は、患者を処置する為の、処置プロトコルのリストから選択された処置プロトコルをユーザから受け取り、処置プロトコルのリスト内の処置プロトコルは、以前のユーザの事例に基づいてユーザに対してカスタマイズされ、1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイをユーザに提示し、処置プロトコルへの修正提案をユーザから受け取り、処置プロトコルへの修正提案を、特定領域専用処置言語での一組の修正インストラクションに変換し、選択された処置プロトコルを、特定領域専用処置言語での一組の修正インストラクションに基づいて修正して、最終処置プロトコルを形成し、最終処置プロトコルに基づいてユーザに処置プランを提示することを含む。
【0052】
システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに結合され、1つ以上のプロセッサによって実行された場合に、コンピュータ実装方法を実行するインストラクションを記憶する1つ以上の記憶媒体を含み、コンピュータ実装方法は、歯科矯正処置プロトコルのリストから選択された、患者を処置する為の処置プロトコルをユーザから受け取り、歯科矯正処置プロトコルのリスト内の処置プロトコルは、以前のユーザの事例に基づいてユーザに対してカスタマイズされ、サンプル患者の歯のライブラリから、1人以上のサンプル患者の歯に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイをユーザに提示し、処置プロトコルへの修正提案をユーザから受け取り、処置プロトコルへの修正提案を、特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションに変換し、選択された処置プロトコルを、特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションに基づいて修正して、最終処置プロトコルを形成し、この最終処置プロトコルに基づいてユーザに処置プランを提示することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0053】
本発明の新規の特徴は、以下の特許請求の範囲で詳細に記載される。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的実施形態を記載する以下の詳細な説明と添付の図面を参照することによって得られる。
【0054】
図1A】歯科矯正処置プランニングシステムの一例を示す図である。
図1B】処置テンプレートエンジンの一例を示す図である。
図1C】特定領域専用歯科矯正処置言語構文解析エンジンの一例を示す図である。
図1D】歯科矯正処置の為の歯科矯正処置プランを生成する方法の一例のフローチャートである。
図2A】1つ以上の歯科矯正処置プランを生成する方法の一例の模式図である。
図2B】歯科矯正処置プラン形成の為のシステムの一例を示す図である。
図2C】歯科矯正処置の為の処置テンプレートを作成する方法の一例の模式図である。
図2D】歯科矯正処置の為の歯科矯正器具シーケンスを生成する方法の一例を示す図である。
図3】歯科矯正処置プランニングエンジンによって実行可能な歯科矯正処置プランニングインストラクションを生成する方法の一例の図である。
図4】特定領域専用歯科矯正処置言語要素の一例を示す図である。
図5A】処置テンプレートの為の特定領域専用歯科矯正処置言語で記載され得るユーザ優先選択(この例では、後交叉咬合)の一例を示し、後交叉咬合を改善するデフォルト優先選択を示す図である。
図5B】処置テンプレートの為の特定領域専用歯科矯正処置言語で記載され得るユーザ優先選択(この例では、後交叉咬合)の一例を示し、後交叉咬合を改善しない優先選択を示す図である。
図6A】処置テンプレート向けの特定領域専用歯科矯正処置言語で記載され得るユーザ優先選択(この例において、咬合ランプアタッチメント)の一例を示す図であり、デフォルト優先選択が咬合ランプ無しとして示されている図である。
図6B】処置テンプレート向けの特定領域専用歯科矯正処置言語で記載され得るユーザ優先選択(この例において、咬合ランプアタッチメント)の一例を示す図であり、開咬及び/又は回転した側歯がある場合以外は全事例に関して、咬合ランプが付随する小臼歯上に配置されたアタッチメントを使用する優先選択を示す図である。
図7A】処置テンプレート向けの特定領域専用歯科矯正処置言語で記載され得るユーザ優先選択(この例において、歯上のアタッチメントの位置)の一例を示す図であり、アタッチメントを歯の中間領域に配置するデフォルト優先選択を示す図である。
図7B】処置テンプレート向けの特定領域専用歯科矯正処置言語で記載され得るユーザ優先選択(この例において、歯上のアタッチメントの位置)の一例を示す図であり、アタッチメントを歯肉付近に配置する優先選択を示す図である。
図8A】処置テンプレート向けの特定領域専用歯科矯正処置言語で記載され得るユーザ優先選択(この例において、ターゲットオーバーバイト)の一例を示す図であり、ターゲットオーバーバイトを修正しないデフォルト優先選択を示す図である。
図8B】処置テンプレート向けの特定領域専用歯科矯正処置言語で記載され得るユーザ優先選択(この例において、ターゲットオーバーバイト)の一例を示す図であり、ターゲットオーバーバイトを、選択された目標(例えば0.1~1mm)以内に修正する優先選択を示す図である。
図9A】処置テンプレート向けの特定領域専用歯科矯正処置言語で記載され得るユーザ優先選択(この例において、口蓋側咬合ランプアタッチメント)の一例を示す図であり、前歯部イントルージョンの為に口蓋側咬合ランプアタッチメントを含まないデフォルト優先選択を示す図である。
図9B】処置テンプレート向けの特定領域専用歯科矯正処置言語で記載され得るユーザ優先選択(この例において、口蓋側咬合ランプアタッチメント)の一例を示す図であり、下顎前歯部イントルージョンの為に口蓋側咬合ランプアタッチメントを含む優先選択を示す図である。
図10(i)】乃至
図10(vi)】特定領域専用歯科矯正処置言語の為の例示的文法及び語法を示す表である。
図11】特定領域専用歯科矯正処置言語における処置テンプレートの一例の図である。
図12A】処置テンプレートを作成する為のユーザインターフェースの一例の図である。
図12B】処置テンプレートを作成する為のユーザインターフェースの一例の図である。
図13A】乃至
図13D】処置テンプレートを修正する為のユーザインターフェースの一例の図である。
図14A】乃至
図14B】特定領域専用歯科矯正処置言語で記載された処置テンプレートを構文解析する例を示す図である。
図15】特定領域専用歯科矯正処置言語での処置テンプレートを使用して1つ以上の歯科矯正処置プランを生成する一例を示す図である。
図16】特定領域専用歯科矯正処置言語システムを使用して患者の為の処置をプランニングする方法の一例を示す図である。
図17】ユーザ専用処置プロトコルを作成する方法又はプロセスの別の例を示す図である。
図18】処置プロトコルを使用して処置プランを生成する為の方法のサブスクリプティブフローを示すプロセス図である。
図19】本発明に記載のようにユーザ専用プロトコルを作成及び/又は修正する方法を示す模式図である。
図20】本明細書に記載の記述エディタの為のユーザインターフェースの一例を示す図である。
図21】特定領域専用歯科矯正処置言語エディタ用のユーザインターフェースの一変形例の一例の図である。
図22】例示的プロトコル管理ユーザインターフェースを示す図である。
図23】新たなプロトコルを作成する為のユーザインターフェースの一例を示す図である。
図24】プロトコルの名称をアーカイブ、削除、公開又は修正する為のユーザインターフェースの一例を示す図である。
図25】システムが検証に使用し得る事例のリストを示すユーザインターフェースの一例の図である。
図26】ユーザ専用処置プロトコルの処置レビューと検証の為のユーザインターフェースの一例の図である。
図27】種々のユーザ優先選択を示すユーザインターフェース例の図である。
図28】デバイスプランニング環境内のシステム例を示す図である。
図29】処置プランに関するカスタマイズされたユーザインターフェース要素をユーザデバイス上に表示するランタイム要素を構成する例示的方法のフローチャートを示す図である。
図30】処置プランに関するカスタマイズされたユーザインターフェース要素をユーザデバイス上に表示するカスタマイズされたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を構成する例示的方法のフローチャートを示す図である。
図31】処置プランニングを補助する為の音声認識の使用を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
一般に、医療処置プランニングは、ユーザが患者に対してカスタマイズされた処置プロトコルを作成することを可能にする。例えば、歯科矯正処置プランニングは、ユーザが患者に対してカスタマイズされた処置プロトコルを作成することを可能にする。そのようなプロトコルは、最終位置決め、ステージング、アタッチメント及びアライナー機構に関するルールを含み得、処置目標、歯の初期位置又は最終位置、又は種々の臨床的状態の存在に応じて条件付き動作を定義してもよい。マニュアル歯科矯正処置プランニングは、典型的に単純なパラメータファイルを使用する歯科矯正処置プランニングアルゴリズムによって支援される場合でも、遅く且つ複雑であり得る。このことは、ユーザが高度のカスタマイゼーションを要する場合に特に該当するが、高度のカスタマイゼーションは、それらのプロトコルをマニュアルで(それは労働集約的であり且つ不整合な結果をもたらし得る)適用すること、又は共有コードベースに特殊ルールを符号化すること(それは長い検証サイクルをもたらし得る)の何れかによって調整され得る。
【0056】
本開示は、特に歯科矯正処置プランニングを含む処置プランニングに関する技術的課題及び/又は歯科矯正処置プランの一環としての歯科器具(例えば、アライナー)の製作に関する技術的課題を解決するシステム、方法、コンピューティングデバイス可読媒体及びデバイスに関する。特定領域専用歯科矯正処置言語に暗号化され得る処置テンプレートの形成、修正及び処理を補助する為に自動エージェント(機械学習モデルを使用するものを含めて)が使用され得る。幾つかの実装では、本明細書に記載の自動エージェントは処置テンプレートを提供し、処置テンプレートは歯科矯正処置プランニングインストラクションに変換されて、患者データの1つ以上のセット(例えば、患者の歯の走査)と使用されて、1つ以上の歯科矯正処置プランを生成する。歯科矯正処置プランは、歯科アライナー等の歯科器具を製作する為の記述又はインストラクションを含み得る。
【0057】
(例示的構造及びシステム)
図28は、デバイスプランニング環境2800内のシステムの一例を示す図である。デバイスプランニング環境2800は、コンピュータ可読媒体2802、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804、臨床的プロトコルマネジャー(CPM)システム(複数可)2806、処置プランニングシステム(複数可)2808及び器具製作システム(複数可)2810を含む。歯科矯正処置プランニングシステム2800の構成要素(モジュールを含む)のうち1つ以上は、互いに結合されても(例えば、図28に示した例示的カップリングを介して)、又は図28には明示されていないモジュールに結合されてもよい。コンピュータ可読媒体2802は、限定はしないが、バス、有線ネットワーク、無線ネットワーク又はそれらの何らかの組み合わせを含むあらゆるコンピュータ可読媒体を含み得る。
【0058】
コンピュータシステムは、1つのエンジンの一部として、又は複数のエンジンを介した1つのエンジンとして実装され得る。本明細書で使用する場合、エンジンは、1つ以上のプロセッサ又はその一部を含む。1つ以上のプロセッサの一部は、レジスタのサブセット、マルチスレッドプロセッサの1つ以上のスレッド専用のプロセッサの部分、プロセッサが、エンジンの機能性の一部を実行する為に全面的または部分的に専念していた期間のタイムスライス等の、任意の所与の1つ以上のプロセッサを含むハードウェアの全体未満のハードウェアの何らかの部分を含み得る。従って、第1のエンジンと第2のエンジンは、1つ以上の専用プロセッサを有し得る、又は、第1のエンジンと第2のエンジンは、1つ以上のプロセッサを互いに、又は他のエンジンと共有できる。実装特有の配慮、又は他の配慮に応じて、エンジンは集中型でもよく、又はその機能性が分散されてもよい。エンジンは、ハードウェア、ファームウェア、又はプロセッサによる実行の為にコンピュータ可読媒体で具体化されたソフトウェアを含み得る。プロセッサは、本明細書の図面を参照して説明するように、実装されたデータ構造及び方法を使用してデータを新たなデータに変換する。
【0059】
本明細書に記載のエンジン、又は、本発明に記載のシステム及びデバイスがそれによって実装され得るエンジンは、クラウドベースのエンジンであり得る。本明細書で使用する場合、クラウドベースのエンジンは、クラウドベースのコンピューティングシステムを使用してアプリケーション及び/又は機能性を実行できるエンジンである。アプリケーション及び/又は機能性の全部又は一部は、複数のコンピューティングデバイスに亘って分散され得るものであり、1つのみのコンピューティングデバイスに限定される必要はない。幾つかの実施形態では、クラウドベースのエンジンは、機能性及び/又はモジュールをエンドユーザのコンピューティングデバイスにローカルにインストールせずに、エンドユーザがウェブ・ブラウザ又はコンテナアプリケーションを介してアクセスする機能性及び/又はモジュールを実行できる。
【0060】
本明細書で使用する場合、データストアは、表、カンマ区切り値(CSV)ファイル、伝統的データベース(例えば、SQL)、又は他の適用可能な既知の又は便利な構成フォーマットを含む任意の適用可能なデータの構成を有するリポジトリを含むことを意図している。データストアは、例えば、専用機で、ファームウェアで、ハードウェアで、それらの組み合わせで、或いは適用可能な既知の又は便利なデバイス又はシステム上の物理的コンピュータ可読媒体で具体化されたソフトウェアとして実装され得る。データベースインターフェース等のデータストア関連構成要素は、データストアの「一部」、他のシステム構成要素の一部、又はそれらの組み合わせとして考慮され得るが、データストア関連構成要素の物理的位置及び他の特性は、本明細書に記載の技術の理解にとって重要ではない。
【0061】
データストアはデータ構造を含み得る。本明細書で使用する場合、データ構造は、データが所与のコンテキスト内で効率的に使用され得るように、データをコンピュータ内に記憶し編成する特定の方式に関連付けられる。データ構造は一般に、アドレスと、それ自体がメモリ内に記憶されプログラムによって操作され得るビットストリングによって指定されるそのメモリ内の任意の場所にデータを取り込み記憶するコンピュータの能力に基づいている。従って、或る種のデータ構造は、データアイテムのアドレスを算術演算で計算することに基づくが、その一方で、他のデータ構造は、データアイテムのアドレスを構造自体に記憶することに基づく。多くのデータ構造は、両方の原理を、時として自明ではない方式で組み合わせて使用する。データ構造の実装は通常、その構造のインスタンスを作成し操作する一組の手順を記述することを伴う。本明細書に記載のデータストアはクラウドベースのデータストアであり得る。クラウドベースのデータストアは、クラウドベースのコンピューティングシステム及びエンジンに匹敵するデータストアである。
【0062】
処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、ユーザとインタラクトして、ユーザに患者の為の処置プランを管理する能力を提供するように構成された1つ以上のコンピュータシステムを含み得る。この文脈における「ユーザ」は、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804にアクセスできる及び/又は使用できる任意の個人を指し得、歯科医、矯正歯科医、足病医、医師、外科医等を含む任意の医療専門家を含み得る。
【0063】
幾つかの実装では、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、処置プランに従って処置される患者に関する患者データを収集する為のエンジンを含む。
【0064】
本明細書で使用する場合、「患者データ」は、患者に関するデータを含み得る。患者データは、処置される人体の特定の部分に関する情報等の解剖学的情報の表現を含み得る。解剖学的情報の例は、特定の時間における患者の歯列、骨、器官等の表現を含む。患者データは、処置プラン前、最中又は後での解剖学的情報を表し得る。例として、患者データは、歯科矯正又は修復処置プラン前、最中又は後での患者の歯列の状態及び/又は意図された状態を表し得る。患者データは、患者の生体構造の走査、デジタルインプレッション等からを含む種々の技術を用いてキャプチャされ得る。
【0065】
本明細書で使用する場合、「処置プラン」は、医学的状態を処置する為の一組のインストラクションを含み得る。処置プランは、限定はしないが、処置目標、目標を達成する為に使用される特定の器具、進展を測る指標、処置の長さ及び/又は処置コスト等の他の情報を指定し得る。本明細書で記載する場合、幾つかの実装では、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、ユーザに歯の不正咬合を処置する為の歯科矯正処置プランを提供する。処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、患者が有し得る医学的状態に対処する為に、ユーザに患者の歯列の為の修復処置プラン及び他のタイプの医療処置プランをも提供してよい。幾つかの実装では、処置プランは、その内容が恰も完全に本明細書に記載されたかの如くに組み込まれている、「自動処置プランニング(Automated Treatment Planning)」というタイトルの米国特許出願第16/178,491号に記載の処置プランのような自動及び/又はリアルタイム処置プランを含み得る。処置プランは、コンピュータ可読媒体2802を介して処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804のユーザに処置プランを提供する処置技工士等の、処置技工士によって提供される処置インストラクションをも含み得る。
【0066】
様々な実装において、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、ユーザが処置プランを実装する器具を視覚化する、相互作用する、及び/又は製作することを可能にするように構成される。一例として、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、ユーザに、患者の歯を初期位置から最終位置の方に移動させて歯の不正咬合を修正する歯科矯正器具のバーチャル表現を表示するユーザインターフェースを提供してもよい。処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は同様に、修復器具及び/又は他の医療器具を表示してもよい。処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、ユーザが、器具を、その上に支持されたUIを介して修正することを可能にしてもよい。様々な実装において、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804はユーザが、例えば器具製作システム(複数可)2810を介して器具を製作することを可能にする。(器具製作システム(複数可)2810は処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804に対してリモートであってもよいがその必要はなく、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804に近接して配置され得ることに留意されたい。)
【0067】
処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、ユーザが患者と処置プランについて協議することを可能にするUIをユーザに提供するように構成され得る。一例として、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、ユーザに患者データ(例えば、処置される症状の描写)の一部並びに症状を是正する為の処置オプションを表示してもよい。処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、処置プランを実装する為に処方される潜在的器具を表示してもよい。一例として、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、ユーザに、歯科矯正処置プランに従って患者の歯列を第1の位置から標的位置の方に移動させるように構成された一連の歯科矯正器具を表示してもよい。処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は更に、処置プランの種々のステージでの特定の器具の効果を描写するように構成され得る。幾つかの実装では、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2805は、図18に示すように処置プロトコルを使用して処置プランを生成する方法のサブスクリプティブフローを実装してよい。
【0068】
処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、ユーザが処置プランとインタラクトすることを可能にするように構成され得る。幾つかの実装では、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、ユーザが処置優先選択を指定することを可能にする。本明細書で使用する場合、「処置優先選択」は、症状を処置する場合にユーザが優先する特定の処置オプション及び/又は処置ツールを含み得る。処置優先選択は、臨床的設定、処置目標、器具属性、好ましい移動の範囲、特定の処置を実装する為の特定のステージ等を含み得る。歯科矯正コンテキストにおける臨床的設定の例は、処置のタイプの承認又は否認、特定の歯(例えば、臼歯)への種々のタイプの運動の使用、特定の処置(例えば、隣接面削合(IPR))の使用、特定の歯への歯科矯正アタッチメントの使用等を含む。歯科矯正コンテキストにおける処置目標の例は、処置の長さ/コスト、歯の意図された最終及び/又は中間位置等を含む。歯科矯正コンテキストにおける移動の範囲の例は、処置の種々のステージに亘り歯が移動することになっている特定の距離及び/又は角度、及び/又は処置の種々のステージに亘り歯に掛かる特定の力を含む。特定の処置を実装する特定のステージは、例えば歯科矯正コンテキストにおいて、アタッチメント、フック、咬合ランプを実装する、及び/又は手術又は隣接面削合等の処置を実行する特定の処置ステージを含む。
【0069】
本明細書で更に説明するように、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は、ユーザに、ユーザの処置優先選択を、ユーザにとって便利な方式で構築する処置プレートに基づいてカスタマイズされたGUI要素を提供するように構成され得る。カスタマイズされたGUI要素は、フォーム、テキストボックス、UIボタン、選択可能なUI要素等を含み得る。幾つかの実装では、カスタマイズされたGUI要素は、処置優先選択をリストして、ユーザに、処置優先選択を受諾、拒否及び/又は修正する能力を提供してよい。カスタマイズされたGUI要素は、処置プランの部分を受諾又は拒否する、及び/又は処置プランの部分を修正する能力を提供してもよい。幾つかの実装では、ユーザのカスタマイズされたGUI要素は、処置プランに推奨される器具の部分を修正する能力を提供する。例えば、処置関連UI要素は、力系、歯の運動の速度、歯科矯正又は修復処置プランの特定のステージで実装されるアライナー、クラウン、ベニア等の部分の角度及び/又は配向を修正する能力を提供し得る。
【0070】
本明細書で使用する場合、「処置テンプレート」は「処置特定領域専用プロトコル」で表された構造化データを含み得る。(幾つかの例では、処置テンプレートはCPMシステム(複数可)2608によって生成され、処置プランニングシステム(複数可)2808上のデータストアに記憶され、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804上にカスタマイズされたGUI要素を作成する処置プランニングシステム(複数可)2808上のエンジンによって構文解析される。)
【0071】
本明細書で使用する場合、「処置特定領域専用プロトコル」は、処置プランニングに特化したコンピュータ言語、ランタイムオブジェクト(例えば、アプリケーション、プロセス等)、解釈されたアイテム(例えば、実行されたスクリプト)等を含み得る。処置特定領域専用プロトコルは、患者データ及び/又はその集合に特化した属性、記述及び/又は処置プランとのインタラクションに特化した属性、及び処置プランを実装する為に使用される器具に特化した属性を含み得る。本開示は、歯科矯正特定領域専用プロトコルの詳細な例を提供する。本明細書の例は、修復及び/又は歯科特定領域専用プロトコル及びその他の医療特定領域専用プロトコルに適用され得ることに留意されたい。
【0072】
幾つかの実装では、処置テンプレートは、カスタマイズされたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を含む。カスタマイズされたGUI要素は、処置特定領域専用プロトコルを使用して生成され得る。本発明で言及する場合、或るユーザ用の処置テンプレートは、別のユーザ用の処置テンプレートのテンプレートライブラリに基づいてカスタマイズされ得る。一例として、ユーザ用の処置テンプレートは、別のユーザの処置テンプレートから導出され得る、及び/又は別途基づき得る(例えば、その処置テンプレートにおける処置優先選択は、別のユーザの処置優先選択から導出され得る及び/又は別途基づき得る)。パブリックテンプレートは別のユーザの処置優先選択を導出する基盤を提供し得る。プライベートテンプレートは特定のユーザの処置優先選択を導出する基盤を提供し得る。付加的に、カスタマイズされたGUI要素は、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804上のアプリケーション及び/又はプロセスの実行中に自動生成されてよい。カスタマイズされたGUI要素は、特定のユーザに関与する処置プランの属性を表示するように動作してよい。
【0073】
CPMシステム(複数可)2806は、処置特定領域専用プロトコルを使用して処置テンプレートを作成するように構成された1つ以上のコンピュータシステムを含み得る。幾つかの実装では、CPMシステム(複数可)2806は、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804のユーザに対してリモートであり得るCPM技工士によって操作されるが、CPM技工士はリモートである必要はない。CPMシステム(複数可)2806は自動エージェントによって操作されてもよい。CPMシステム(複数可)2806は、特定のユーザ用の処置テンプレートを、これらのユーザの処置優先選択の非構造化表現に基づいて作成する為のツールを含み得る。幾つかの実装では、CPMシステム(複数可)2806は、ユーザの過去の処置優先選択を、電話インタビュー、eメール、協議をメモした記録等を介して得るように構成される。CPMシステム(複数可)2806は、技工士に、処置優先選択を、処置特定領域専用プロトコル用に編成され得る方式で構築する為の編集ツールを提供してもよい。様々な実装において、CPMシステム(複数可)2806は、処置特定領域専用プロトコルの作成と編集をサポートするように構成される。一例として、CPMシステム(複数可)2806は、技工士が、特定のユーザ用の処置優先選択を構築する処置特定領域専用スクリプトを作成及び/又は編集することを可能にするように構成され得る。処置特定領域専用プロトコルを作成又は編集する方法の一例のフローチャートが図19に示されている。CPMシステム(複数可)2806によってサポートされる編集ツールの例示的スクリーンキャプチャが図20及び21に示されている。
【0074】
CPMシステム(複数可)2806は、技工士に、特定のユーザに関して既に作成済みである及び/又は有効である処置特定領域専用プロトコルのセットを提供するように構成され得る。様々な実装において、CPMシステム(複数可)2806は、技工士に、新たな処置特定領域専用プロトコルを作成し、既存の処置特定領域専用プロトコルを編集し、及び/又は既存の処置特定領域専用プロトコルにアクションを起こすことを可能にする。図22~25は、処置特定領域専用プロトコルの作成、編集及び/又はアクションを起こす例示的スクリーンキャプチャを示す。
【0075】
付加的に、CPMシステム(複数可)2806は、処置特定領域専用プロトコルを検証して、処置特定領域専用プロトコルが正確である、又は別途処置優先選択に則していることを確認する為の検証ツールを提供してもよい。一例として、CPMシステム(複数可)2806は、特定の処置特定領域専用プロトコルが処置プランニングソフトウェア内でどのように見えるかの視覚的描写を提供してもよい。本明細書に記載する場合、CPMシステム(複数可)2806は、検証を定量化する為の1つ以上の検証指標を用いてもよい。歯科矯正コンテキストに関与し得る検証指標の例は、四分円毎のアーチ拡張指標、オーバージェット指標、オーバーバイト指標、上下切歯軸角指標及び/又は、処置プランが最小又は閾値歯根移動プロトコルに準拠しているかどうかのフラグを含む。図26は、CPMシステム(複数可)2806によって提供される検証ツールの例示的スクリーンキャプチャを示す。
【0076】
CPMシステム(複数可)2806は、図1A及び1Bに示された処置テンプレートエンジン104と、図1A及び1Cに示された特定領域専用歯科矯正処置言語構文解析エンジン106の1つ以上の要素を含み得る。
【0077】
処置プランニングシステム(複数可)2808は、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804に処置プランを提供するように構成された1つ以上のコンピュータシステムを含み得る。処置プランニングシステム(複数可)2808は、患者データ及びユーザに関連する処置優先選択を受け取ってもよい。処置プランニングシステム(複数可)2808は更に、ユーザに関連する処置優先選択を含む患者データに関する処置プランを提供してもよい。処置プランニングシステム(複数可)2808は、本明細書に更に記載するように、自動及び/又はリアルタイム処置プランニングを実装してもよい。
【0078】
処置プランニングシステム(複数可)2808は、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804に処置プランを提供するように構成された1つ以上のエンジンを含み得る。処置プランニングシステム(複数可)2808は、ユーザに関連する患者データと処置優先選択を受け取ってもよい。処置プランニングシステム(複数可)2808は更に、ユーザに関連する処置優先選択を含む患者データに関する処置プランを提供してもよい。様々な実装において、処置プランニングシステム(複数可)2808は、医学的状態を処置するインストラクションで処置プランを識別及び/又は計算する。処置プランは、処置目標、特定の結果、中間結果、及び/又は、目標/結果を達成する為に使用される推奨器具を指定してもよい。処置プランは、処置長さ及び/又は指標も含んでよい。様々な実装において、処置プランニングシステム(複数可)2808は、歯の不正咬合を処置する為の歯科矯正処置プラン、患者の歯列の為の修復処置プラン、医療処置プラン等を計算する。処置プランは、自動及び/又はリアルタイム要素を含んでもよく、「自動処置プランニング(Automated Treatment Planning)」というタイトルの米国特許出願第16/178,491号に記載の技術を含んでよい。様々な実装において、処置プランニングシステム(複数可)2808は処置技工士によって管理される。本明細書に記載する場合、処置プランはユーザの処置優先選択を鑑みて患者データを含んでもよい。
【0079】
処置プランニングシステム(複数可)2808は、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804のユーザが、処置プランを実装する器具を視覚化する、それと相互作用する、及び/又は製作することを可能にするエンジンを含み得る。処置プランニングシステム(複数可)2808は、患者の歯を、初期位置から、歯の不正咬合を修正する為の最終位置に方に移動させる歯科矯正器具のバーチャル表現を表示するUIをサポートしてよい。処置プランニングシステム(複数可)2808は同様に、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804を、修復器具及び/又は他の医療器具の表現を表示するように構成するエンジンを含み得る。処置プランニングシステム(複数可)2808は、例えば、器具製作システム(複数可)2810によって器具の製作をサポートしてよい。
【0080】
幾つかの実装では、処置プランニングシステム(複数可)2808は、ユーザが処置プランを患者と協議することを可能にするカスタマイズされたGUIを提供する。処置プランニングシステム(複数可)2808は、患者データ、処置すべき状態、及び/又は処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804に表示する処置オプションを与えてよい。処置プランニングシステム(複数可)2808は、処置プラン(例えば、患者の歯列を、歯科矯正処置プランに従って第1の位置から標的位置の方に移動させるように構成された一連の歯科矯正器具、処置プランの種々のステージでの特定の器具の効果等)を実装する為に処方される潜在的器具を与えてよい。幾つかの実装では、処置プランニングシステム(複数可)2808は、処置プロトコルを使用して図1に示すような処置プランを生成する方法の為のサブスクリプティブフローをサポートする。
【0081】
処置プランニングシステム(複数可)2808は、処置プランとのユーザインタラクションをサポートする為のエンジンを含み得る。処置プランニングシステム(複数可)2808は、CPMシステム(複数可)2806によって処置特定領域専用プロトコル内に生成されるものを含めて、処置優先選択を使用してよい。様々な実装において、処置プランニングシステム(複数可)2808は、ユーザの処置優先選択をユーザにとって便利な方式で構築する処置テンプレートを処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804に提供する。本明細書に記載する場合、処置テンプレートは、構造化データ、UI要素(フォーム、テキストボックス、UIボタン、選択可能なUI要素等)等を含み得る。
【0082】
処置プランニングシステム(複数可)2808は、処置特定領域専用プロトコルに従って表現された処置テンプレートを記憶するように構成された1つ以上のデータストアを含み得る。処置プランニングシステム(複数可)2808は更に、処置テンプレートを処理する、例えば構文解析して、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804上にカスタマイズされたGUI要素を形成する為の1つ以上の処理エンジンを含み得る。本明細書に記載する場合、処理エンジンは、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804上のカスタマイズされたGUI要素をサポートする為に、処置テンプレートをスクリプト又は他のランタイム要素に変換してもよい。本明細書に記載する場合、処置テンプレートは、CPMシステム(複数可)2806によって作成及び/又は検証されていてよい。
【0083】
幾つかの実装では、処置プランニングシステム(複数可)2808は、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804に、処置特定領域専用プロトコルを使用して生成されたカスタマイズされたGUI要素を提供する。カスタマイズされたGUI要素は、処置テンプレートに基づいていてよく、処置テンプレートは、ユーザ向けに、他のユーザ用の処置テンプレートのテンプレートライブラリに基づいてカスタマイズされ得る。処置テンプレートは、パブリック及び/又はプライベート処置を含み得る。幾つかの実装では、処置プランニングシステム(複数可)2808は、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804上のアプリケーション及び/又はプロセスによる表示の為にカスタマイズされたGUI要素を生成する。カスタマイズされたGUI要素は、特定のユーザに関連する処置プランの属性を表示するように動作してよい。
【0084】
処置プランニングシステム(複数可)2808は、図1Aに示された処置プランニングエンジン(複数可)102、患者デジタル歯モデルエンジン110、歯科矯正処置プランデータストア116、処置プランニングインストラクション114、処置テンプレートデータストア112及び患者デジタル歯データストア117の1つ又はそれ以上の要素を含み得る。処置プランニングシステム(複数可)2808は、図1A及び1Bに示された処置テンプレートエンジン104と、図1A及び1Cに示された特定領域専用歯科矯正処置言語構文解析エンジン106の1つ以上の要素を含み得る。
【0085】
器具製作システム(複数可)2810は、器具を製作するように構成された1つ以上のコンピュータシステムを含み得る。本明細書で論じる場合、製作される器具の例は、歯科器具並びに非歯科器具を含む。歯科器具の例は、アライナー、他のポリマー系歯科器具、クラウン、ベニア、ブリッジ、リテーナ、歯科サージカルガイド等を含む。非歯科器具の例は、矯正デバイス、補聴器、サージカルガイド、医療インプラント等を含む。
【0086】
器具製作システム(複数可)2810は、器具を間接的及び/又は直接成形するように構成された熱成形システムを含み得る。器具製作システム(複数可)2810は、器具を間接的に製作する為のインストラクションを実装してよい。一例として、器具製作システム(複数可)2810は、ポジ形状モールド又はネガ形状モールドの上で器具を熱成形するように構成され得る。歯科器具の間接的製作は、以下のステップのうち1つ以上を包含し得る:患者の歯列のポジ形状又はネガ形状モールドを標的配置に製作する(例えば、付加製造、ミリング等によって)、器具シェルを生成する為にモールド上に材料の一枚以上のシートを熱成形する、シェル上に1つ以上の構造を成形する(例えば、切削、エッチング等によって)、及び/又は1つ以上の構成要素をシェルに結合する(例えば、押出、付加構造、スプレー、熱成形、接着剤、ボンディング、締め金具等によって)。随意で、本明細書に記載の1つ以上の補助器具構成要素(例えば、ゴム、ワイヤ、ばね、棒、アーチエキスパンダー、口蓋エキスパンダー、ツインブロック、拘束ブロック、咬合ランプ、前方整位型スプリント、咬合床、架工歯、フック、ブラケット、ヘッドギアチューブ、バンパー管、口蓋棒、枠組、ピン及び管器具(pin-and-tube apparatus)頬側シールド、頬筋弓(buccinator bow)、ワイヤシールド、口蓋側フランジ及びパッド、リップパッド又はバンパー、突起、ディボット等)が、別個に成形されて、器具シェルが製作された後でシェルに結合されてもよい(例えば、接着剤、ボンディング、留め金具、取り付け機能等によって)。
【0087】
器具製作システム(複数可)2810は、器具を直接製作するように構成された直接製作システムを含み得る。一例として、器具製作システム(複数可)2810は、付加製造技術(本明細書では「3D印刷」とも呼ばれる)又は除去加工技術(例えば、ミリング)を使用するように構成されたコンピュータシステムを含み得る。幾つかの実施形態では、直接製作は、物体形状を画定する為に物理的テンプレート(例えば、モールド、マスク等)を使用せずに物体(例えば、歯科矯正器具又はその一部分)を成形することを包含する。付加製造技術は以下を含み得る:(1)物体が液体フォトポリマー樹脂槽から層毎に構築される液槽光重合法(例えば、光造形法)、(2)連続式又はドロップオンデマンド(DOD)手法何れかを使用して材料がビルドプラットフォームに噴射される材料噴射、(3)ビルド材料(例えば、粉体ベースの材料)と結合材料(例えば、液体結合剤)の交互の層が印刷ヘッドに堆積される結合剤噴射、(4)材料がノズルを通じて引き込まれ、加熱され、層毎に堆積される熱溶解積層法(FDM)、(5)限定はしないが、直接金属レーザ焼結法(DMLS)、電子ビーム溶解(EBM)、選択的熱焼結(SHS)、選択的レーザ溶解(SLM)及び選択的レーザ焼結(SLS)を含む粉末床溶融結合、(6)限定はしないが、ラミネートオブジェクト製造(LOM)及び超音波付加製造(UAM)を含むシートラミネーション、及び(7)限定はしないが、レーザ直接積層法(laser engineering net shaping)、有向光製造法、直接金属堆積、及び3Dレーザクラッディングを含む指向性エネルギー堆積。例えば、光造形法は、本明細書の器具のうち1つ以上を直接製作する為に使用され得る。幾つかの実施形態では、光造形法は、光(例えば、紫外光)を用いた、所望の断面形状に応じた感光性樹脂(例えば、フォトポリマー)の選択的重合を包含する。物体形状は、複数の対象断面を逐次重合することによって層毎に構築され得る。別の例として、器具製作システム(複数可)2810は、選択的レーザ焼結を用いて器具を直接製作するように構成され得る。幾つかの実施形態では、選択的レーザ焼結は、レーザビームを用いて、物体形状を構築する為に所望の断面形状に従って粉末材料の層を選択的に溶融することを包含する。更に別の例として、器具製作システム(複数可)2810は、熱溶解積層法によって器具を直接製作するように構成され得る。幾つかの実施形態では、熱溶解積層法は溶解を含み、又、物体を成形する為に熱可塑性ポリマーの薄型フィラメントを層毎に選択的に堆積することを含む。更に別の例では、器具製作システム(複数可)2810は、材料噴射を実装して器具を直接製作するように構成され得る。幾つかの実施形態では、材料噴射は、物体形状の連続した層を形成する為に1つ以上の材料をビルド面に噴射又は押出すことを包含する。
【0088】
幾つかの実施形態では、器具製作システム(複数可)2810は、直接製作システムと間接製作システムの組み合わせを含み得る。幾つかの実施形態では、器具製作システム(複数可)2810は、物体形状を層毎にビルドアップして、連続した層が個々のビルドステップで形成されるように構成され得る。代替的に、又は組み合わせて、器具製作システム(複数可)2810は、本明細書では「連続式直接製作」と呼ばれる物体の形成の連続式ビルドアップを使用するように構成され得る。種々のタイプの連続式直接製作システムが使用され得る。一例として、幾つかの実施形態では、器具製作システム(複数可)2810は、「連続式液体界相印刷」を使用してもよく、連続式液体界相印刷では物体が、物体のビルド面と、重合抑制「デッドゾーン」との間に部分硬化樹脂の勾配を形成することによって光重合性樹脂のリザーバから連続的にビルドアップされる。幾つかの実施形態では、重合勾配を形成する為に半透膜を用いて光重合抑制剤(例えば、酸素)のデッドゾーンへの移送を制御する。連続式液体界相印刷システムの例は、米国特許出願公開第2015/0097315号、2015/0097316号、及び2015/0102532号(米国特許第9,205,601号、第9,216,546号及び第9,211,678号に相当する米国特許番号に対応する)に記載されており、これらの開示は夫々、全体が参照により本明細書に組み込まれる。別の例として、器具製作システム(複数可)2810は、照射されたフォトポリマーの硬化深さが運度速度によって制御されるように、照射ステージ中にビルドプラットフォームの連続運動によって物体形状の連続式ビルドアップを達成するように(例えば、垂直又はZ方向に沿って)構成され得る。従って、ビルド面上への材料の連続式重合が達成され得る。例示的システムは米国特許第7,892,474号に記載されており、その開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0089】
別の例では、器具製作システム(複数可)2810は、固体ストランドを包囲する硬化型液体材料から構成される複合材料を押出すように構成され得る。複合材料は、物体を成形する為に連続式3D経路に沿って押出され得る。例示的システムは、米国特許9,511,543号に対応する米国特許出願公開第2014/0061974号に記載されており、その開示は全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0090】
更に別の例では、器具製作システム(複数可)2810は、ビルドプラットフォームが連続的に回転され上昇される間に液体フォトポリマーが合焦された放射線で硬化される「ヘリオリソグラフィ」手法を実装してもよい。従って、物体形状は螺旋状ビルドパスに沿って連続的にビルドアップされ得る。そのようなシステムの例は、米国特許第9,321,215号に対応する米国特許出願公開第2014/0265034号に記載されており、その開示は全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0091】
器具製作システム(複数可)2810は、図1Aに示される器具製作エンジン(複数可)118の1つ以上の要素を含み得る。
【0092】
デバイスプランニング環境2800のシステムは、処置プランニングに関するカスタマイズされたGUIを提供するように動作し得る。幾つかの実装では、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804、CPMシステム(複数可)2806及び処置プランニングシステム(複数可)2808は、以下の処置特定領域専用プロトコルに従って表される処置テンプレートを作成するように動作し得る。CPMシステム(複数可)2806は、電話でのインタビュー、eメール交換、メッセージ、ノートにメモされた会話等を通して処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804から処置優先選択の非構造化表現を収集してよい。技工士又は自動エージェントは、CPMシステム(複数可)2806上のツールを使用して処置特定領域専用プロトコルに従ってユーザ用の処置テンプレートを作成してもよい。CPMシステム(複数可)2806は更に、処置テンプレートを検証して、処置テンプレートが所与のユーザ及び/又は処置結果に合致することを検証してもよい。CPMシステム(複数可)2806は、処置プランニングシステム(複数可)2808に、実行時に記憶及び/又は使用する処置テンプレートを提供してもよい。
【0093】
更に、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804、処置プランニングシステム(複数可)2808、及び/又は器具製作システム(複数可)2810は、所与の患者向けの処置プラン及び/又は器具を提供する為に動作してもよい。本明細書に記載する場合、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804は患者データを収集してよい。患者データによって、その処置優先選択が処置テンプレートと共に以前に記憶されたユーザは、処置プランニングシステム(複数可)2808内のエンジンを使用して1つ以上の処置プランを収集してもよい。処置プランニングシステム(複数可)2808は、処置テンプレートを収集して、処置プランのコンテキストにおける処置優先選択を表すカスタマイズされたGUI要素を効率的且つ効果的に生成する為に、処置特定領域専用プロトコルを使用してこれらの処置テンプレートを構文解析してよい。ユーザは、処置プランニングインターフェースシステム(複数可)2804を使用して処置プランと相互作用してよい。様々な実装において、ユーザ及び/又は処置プランニングシステム(複数可)2808は、器具製作システム2810で器具を製作する為のインストラクションを提供する。
【0094】
図1Aは、歯科矯正処置プランニングシステム100の一例を示す図である。歯科矯正処置プランニングシステム100のモジュールは、1つ以上のエンジン、プロセッサ及びデータストアを含み得る。
【0095】
歯科矯正処置プランニングシステム100は、コンピュータ可読媒体、歯科矯正処置プランニングエンジン102、処置テンプレートエンジン104、患者デジタル歯モデルエンジン110、特定領域専用歯科矯正処置言語構文解析エンジン106、歯科矯正処置プランデータストア116、歯科矯正処置プランニングインストラクションデータストア114及び処置テンプレートデータストア112を含み得る。歯科矯正処置プランニングシステム100の1つ以上の構成要素(モジュールを含む)は、互いに結合されても(例えば、図1Aに示された例示的カップリングを介して)、又は図1Aに明示されていないモジュールに結合されてもよい。コンピュータ可読媒体は、限定はしないが、バス、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又はそれらの何らかの組み合わせを含む任意のコンピュータ可読媒体を含み得る。
【0096】
歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)102は、歯科矯正処置プランニングインストラクションのルールを患者の歯のデジタルモデルに適用することによって歯科矯正処置プランを生成するように構成された1つ以上のプロセッサを含み得る。歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)は1つ以上のプロセッサ(例えば、1つ以上のプロセッサ108)上で稼働し、歯科矯正処置プランニングインストラクションを補填する、又は歯科矯正処置プランニングインストラクションによって修正された他のルール(デフォルトルール)を含み得る。幾つかの変形形態では、歯科矯正処置プランニングエンジンは、患者から取得されたアーチフォーム用の歯科矯正処置プランニングを学習するように構成された1つ以上の自動エージェントを実装する。
【0097】
様々な実装において、処置テンプレートエンジン(複数可)104は、処置テンプレートを特定領域専用歯科矯正処置言語で生成、集計、及び/又は収集するように構成された1つ以上の自動エージェントを実装してよい。処置テンプレートエンジン(複数可)は、リスト、表示等の為の1つ以上の出力(スクリーン、プリンタ等)103を含み得、歯科矯正処置プランを使用し、処置テンプレートの1つ又は複数のライブラリを含む1つ以上のデータストア(例えば、処置テンプレートデータストア)に接続してよい。処置テンプレートエンジンは、1つ以上の処置テンプレートを選択、修正、記憶、レビュー等を行う為の1つ以上のユーザインターフェース(UI)を含み得る。
【0098】
幾つかの実装では、患者デジタル歯モデルエンジン(複数可)110は、患者の歯列弓に関する情報を受け取る、収集、選択及び/又は処理する為に使用され得る。幾つかの変形形態では、患者の歯列弓に関する情報は、患者の歯のインプレッションを走査する等によって直接又は間接に取得された、患者の歯列弓又はその一部分の走査である。幾つかの実装では、患者情報は、ハンドヘルド型光学スキャナ(例えば、口腔内スキャナ)からのデジタル走査である。患者デジタル歯モデルは、1つ以上の患者デジタル歯モデルを収集、アクセス、受け取る、記憶、処理及び/又は修正してよい。デジタル歯モデルは、患者の歯列弓のうち一方又は両方の3Dモデルであり得る、及び/又は、患者の歯列弓(複数可)の記述を含み得る、及び/又は、患者に関する(例えば、患者の年齢、ジェンダー、健康、予め存在する(既往症)状態等)データ(メタデータを含む)を含み得る。
【0099】
様々な実装において、歯科矯正処置プランニングシステムは、処置テンプレートデータストア110にアクセスすることを含めて処置テンプレートを収集する、患者デジタル歯モデルデータストア117にアクセスすることを含めて患者デジタル歯モデル情報を収集する、及び/又は、処置テンプレートを構文解析して、歯科矯正処置プランニングインストラクションデータストア114にアクセスし得る特定領域専用歯科矯正処置言語構文解析エンジン106を使用して、処置テンプレートを、歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)102の為の実行可能なインストラクションに変換するように構成された1つ以上の自動エージェントを実装する。
【0100】
歯科矯正処置プランニングシステムによって生成された歯科矯正処置プランは、記憶され、送信され、レビューされ、及び/又は修正される(例えば、反復的に)。歯科矯正処置プランニングシステム100は、患者の歯列弓(複数可)のモデル化された/予測された構成及び/又は処置ステップ及び/又は必要な器具を出力/表示することを含めて、歯科矯正処置プラン(複数可)を出力/表示してよく、歯科矯正処置プランニングシステム100は、歯科矯正処置プラン(複数可)を歯科矯正処置プランデータストア116に記憶してよい。随意で、歯科矯正処置プランニングシステム100は器具製作エンジン(複数可)118を含み得る。器具製作エンジン(複数可)118は、アライナー等の歯科器具を製作するように構成された1つ以上の自動エージェントを実装してもよい。アライナーの例は、米国特許第5,975,893号及びPCT出願公開第WO98/58596号に詳細に記載されており、それは、あらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。米国特許第5,975,893号に記載の技術を利用した歯科器具のシステムは、カリフォルニア州サンホセ市のアラインテクノロジー社(Align Technology, Inc.)から、Invisalign Systemの商標名で商業的に入手可能である。本明細書の記述を通して、用語「歯科矯正アライナー」、「アライナー」又は「歯科アライナー」の使用は、歯科アプリケーションに関する用語「器具」及び「歯科器具」の一例である。他の器具/歯科器具は、口蓋エキスパンダー、咬合ランプ等を含み得る。明瞭にする為、実施形態は今後、歯科アライナーの使用及び適用の文脈で説明されるが、別途明示しない限り、これらの装置及び方法はあらゆる歯科器具に適用され得ることを理解されたい。器具製作エンジン(複数可)118は、3D印刷システム、熱成形システム又はそれらの何らかの組み合わせの一部であり得る。
【0101】
図1Bは、処置テンプレートエンジン(複数可)104の一例を示す図である。処置テンプレートエンジン(複数可)104は、歯科医療従事者優先選択収集エンジン124、処置テンプレート修正エンジン120、特定領域専用歯科矯正処置言語スクリプトエンジン122、及び/又は処置テンプレート試験エンジン126を含み得る。自動処置テンプレートエンジン(複数可)104のモジュールのうち1つ以上は、互いに結合されても(例えば、図1Bに示された例示的カップリングを介して)、又は図1Bに明示されていないモジュールに結合されてもよい。処置テンプレートエンジンは、歯科矯正処置プランニングインストラクションデータストア124にアクセスしてもよく、(又、モジュール124,120,122,126のうち何れも)、歯科矯正処置プランニングインストラクションデータストア124にアクセスしてもよい。
【0102】
処置テンプレートエンジン104は特定領域専用歯科矯正処置言語で記述された処置テンプレートを生成してよい。例えば、処置テンプレートエンジン104は、ユーザ用の処置テンプレートを最初から生成してもよく、又は、処置テンプレートエンジン104は、例えば処置テンプレートデータストア112に記憶された処置テンプレートのうち1つ以上(例えば、ライブラリ)からの既存の処置テンプレートを修正してもよい。歯科医療従事者優先選択収集エンジン(複数可)124は、ユーザ(例えば、歯科医療従事者)の優先選択情報を集計してよく、又、優先選択データを要求及び受け取る為の1つ以上のユーザインターフェースを含み得る。処置テンプレートエンジンは、歯科医療従事者の優先選択を、特定領域専用歯科矯正処置言語スクリプトエンジン122の補助によって処置テンプレートに暗号化してよい。特定領域専用歯科矯正処置言語での処置テンプレートの形成中又はその後に、処置テンプレートエンジンは、例えば、処置テンプレート試験エンジン126を使用して(幾つかの事例では、反復して)処置テンプレートを試験してもよい。処置テンプレートは、処置テンプレートを歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析する(又は構文解析を試みる)ことによって試験され得る。構文解析における問題は、ユーザに(出力を介して)通知し、問題のある部分の修正を可能にすることを含めて、処置テンプレートエンジンの一部としてフラグ付けされ対処され得る。幾つかの変形形態では、試験することは更に、歯科矯正処置プランニングインストラクション及び患者歯科情報の「テストケース」又は患者の歯のデジタルモデル等の実際の患者歯科情報を使用するかの何れかにおいて、歯科矯正処置プランニングインストラクションを実行するか、又は実行をシミュレートすることを含み得る。ユーザ(例えば、歯科医療従事者)は、歯科矯正処置プランを閲覧して、結果として得られる歯科矯正処置プラン(複数可)に基づいて、ユーザが満足するまで処置テンプレートを修正してよい。一旦ファイナライズされると、処置テンプレートは記憶され(例えば、処置テンプレートデータストアに)、後事の使用の為にユーザにインデックス付けされる。
【0103】
図1Cは、特定領域専用歯科矯正処置言語構文解析エンジン(複数可)106の一例を示す図である。特定領域専用歯科矯正処置言語構文解析エンジン(複数可)106は、処置テンプレートアクセスエンジン128、歯移動ルールエンジン130、及び/又は歯科矯正処置プランニングインストラクション変換エンジン132を含み得る。特定領域専用歯科矯正処置言語構文解析エンジン(複数可)106のモジュールのうち1つ以上は互いに結合されてもよく(例えば、図1Cに示された例示的カップリングを介して)、又は図1Cには明示されていないモジュールに結合されてもよい。特定領域専用歯科矯正処置言語構文解析エンジン(複数可)はデータ交換フォーマットデータストア134も含み得、又、モジュール128、130、132のうち何れも、データ交換フォーマットデータストア134にアクセスしてよい。
【0104】
特定領域専用歯科矯正処置言語構文解析エンジン106は、一組の歯科矯正処置プランニングインストラクションを処置テンプレート(処置テンプレートの特定領域専用歯科矯正処置言語を含めて)に少なくとも部分的に基づいて構築してもよい。処置テンプレートアクセスエンジンは、特定領域専用歯科矯正処置言語で記述された処置テンプレートを取得してよい。処置テンプレートは処置テンプレートデータストア112に記憶されてよい。取得された処置テンプレートは次に、歯科矯正処置プランニングインストラクション変換エンジン132によって変換され、歯科矯正処置プランニングインストラクション変換エンジン132は、特定領域専用歯科矯正処置言語を、歯移動ルールエンジン130と連携して一組のルール(例えば、歯科矯正処置プランニングインストラクション)に構文解析し得る。歯移動ルールエンジン130は、処置テンプレートによって指定されない優先選択又はアクションに関するデフォルトルールを設定してもよい。処置テンプレート及び歯移動ルールエンジン130によって指定された歯を処置する(例えば、移動させる)為のルールは、データ交換フォーマットデータストア134にアクセスすることによる場合を含めてデータ交換フォーマットで表され得る。歯科矯正処置プランニングインストラクションをデータ交換フォーマットで表すことは、歯科矯正処置プランニングインストラクションを歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)102内の患者専用データ(例えば、患者の歯のデジタルモデル)に適用する場合に、それらが歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)によって実行されて、1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを可能にする。
【0105】
図1Dは、ユーザ用に(例えば、ユーザ用に作成、修正される、及び/又はユーザによって選択される)処置テンプレートを使用して患者に特化した歯科矯正処置プランを両方生成する方法の一例である。この方法は、歯科矯正処置プランを使用して一連の歯科器具(例えばアライナー)を形成するステップも含む。図1Dにおいて、処置テンプレートは、例えば、136で、歯科矯正処置をプランニングする為の処置テンプレートを生成、選択、受け取ることによって収集され得、処置テンプレートは特定領域専用歯科矯正処置言語で表される。従って、収集することは、最初から生成すること、及び/又は既存の歯科矯正処置プランから修正又は導出することの何れかを含む。歯科矯正処置プランは、特定領域専用歯科矯正処置言語で記述される。歯科矯正処置プランは、138でストレージ/メモリから回収され得、1つ以上の歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)に、患者の歯の3Dデジタルモデル等の一組の患者専用データを提供し得る。
【0106】
歯科矯正処置プランは、140で歯科矯正処置プランニングエンジンを構文解析する前又は後の何れかに、一組の歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析され得る。一旦構文解析されると、142で、歯科矯正処置プランニングインストラクションは、患者専用データ上で動作する歯科矯正処置プランニングエンジンによって実行されて、歯科矯正処置プランを生成する。一旦歯科矯正処置プラン(複数可)が作成されると、144で歯科矯正処置プランは提示、レビュー及び/又は処理される。随意で(破線で示すように)、歯科矯正処置プランは、処置テンプレートを修正することによって修正され得る。幾つかの変形形態では、結果として得られる歯科矯正処置プランは次に、146で、一連の歯科器具(例えば、歯科アライナー)を成形する為に使用され得、それはユーザ及び/又は患者に送信され得る。
【0107】
図2Aは、処置テンプレート作成プロセスの一変形例の概要である。図2Aに、歯科矯正処置プラン(複数可)220を生成する為に使用される情報の流れが示されている。この例において、プロセスは、ログトレース(「処置プランニングプロトコルトレース」又は「TPPトレース」)を用いて追跡可能である。TPPトレースは、歯科矯正処置プランニングインストラクションからの(処置テンプレートからの)ログであるか、又は、各歯科矯正処置プランを生成する場合に発火した(fired)ルールである。ログトレースは、トラブルシューティングに、及びアナリティクスに使用され得る。歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)218によって単一の歯科矯正処置プラン又は複数の歯科矯正処置プランが生成され得る。幾つかの歯科矯正処置プランニングエンジンは、複数の代替歯科矯正処置プランを提供するように構成される。複数の異なる歯科矯正処置プランを生成する為に使用される変数は、処置テンプレートの一部としてを含めてユーザによって指示され得る。これらの変数は、ステージ数(例えば、12、18、20、24、30等)、アタッチメントの使用/アタッチメントなし等を含み得る。事実上、ユーザ優先選択のうち何れを変更して代替歯科矯正処置プランを生成してもよい。結果として得られる歯科矯正処置プランは、別個に提供されても、又は、アレイ、データセット等として提供されてもよい。
【0108】
歯科矯正処置プランニングエンジン218は、歯科矯正処置プランニングインストラクション224(本明細書では「処置プランニングプロトコル」又はTPPとも呼ばれる)を受諾、収集、ロード又は別途受け取ってもよい。図2Aに図示の例では、歯科矯正処置プランニングインストラクションは、特定領域専用歯科矯正処置言語から歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析された後、例えば、変換された後で処置テンプレート216から編成される。図2Aで、処置テンプレートからのルールは、自動生成する(例えば、「ジェネリック」)ルール214又は歯科矯正処置プランニングインストラクションのフラグメントと結合されてよい。処置テンプレートからの歯科矯正処置プランニングインストラクション及び自動生成されたルールの部分(複数可)は随意で、マニュアルでコード化された歯科矯正処置プランニングインストラクション212と結合されて歯科矯正処置プランニングインストラクション224の最終セットを形成してもよい。一般に、歯科矯正処置プランニングインストラクションは、歯科矯正処置プランニングエンジンによって呼び出され得るインタープリタ型言語(例えば、「処置」)218をエンコードされ得る。歯科矯正処置プランニングインストラクション224は図2Aでは、処置テンプレート216、マニュアルで暗号化されたルール212、及び自動生成ルール214からのインストラクションの組み合わせとして示されているが、幾つかの変形形態では、歯科矯正処置プランニングインストラクションは、処置テンプレートからのみ、又は処置テンプレートと自動生成ルールからのみ、又は処置テンプレートとマニュアルでコード化されたフラグメントからのみ導出されてもよい。
【0109】
処置テンプレート自体は、技工士210及び/又は医師208等のユーザ(例えば、歯科医療従事者)によって作成され編集され得る。ユーザは、患者情報を歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)218に提供してもよい。例えば、ユーザは、歯科矯正処置プラン(複数可)を生成する為に使用され得る、例えば、患者の歯のデジタルモデル(例えば、3D表面及び/又はボリューメトリックモデル)を含み得る患者レコード222を提供してもよい。それに加えて、226で、ユーザは、異なるアライナー製品(例えば、ステージ数)を含めて、複数の歯科矯正処置プランを生成する場合にどのパラメータを変えるか等の、歯科矯正処置プランニングエンジンへの追加パラメータをも指定してよい。例えば、226で、どの歯科製品(例えば、歯科アライメント製品)を使用するかを選択することによって、ユーザは、異なる製品臨床パラメータに対応する複数の異なる歯科矯正処置プランを生成する場合にどのオプションを変えるかを選択してよい。上述のように、随意で、これらの可変パラメータは、処置テンプレートに、例えば、その特定のユーザ用の一般的デフォルトとして指定されてよい。
【0110】
図2Bは、或るユーザ専用歯科矯正処置プランを選択、修正又は設計する為の1つの方法の別の図を示す。図2Bにおいて、ユーザ308自身が歯科矯正処置プラン302を生成(例えば、選択、修正、作成)してもよく、又は、ユーザは技工士310と協働してもよい。一般に、処置テンプレートは特定領域専用歯科矯正処置言語で表される。例えば、ユーザ及び/又は技工士は、歯科矯正処置オプションに関するユーザ優先選択を特定領域専用歯科矯正処置言語に変換するユーザインターフェースを提供され得る、及び/又はユーザ及び/又は技工士は、処置テンプレートを特定領域専用歯科矯正処置言語で直接記述してもよい。随意で、デンタルラップ(例えば、サービスプロバイダー)は処置テンプレート304を直接修正してもよい。幾つかの変形形態では、各処置テンプレートは、例えば、歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)318によって使用される何らかの基準及び/又はデフォルト歯科矯正処置プランニングインストラクション(ルール)を含むように自動的に、修正され得る。
【0111】
一旦処置テンプレートドラフトが完成すると、ドラフトは、試験され得る、及び/又は、一組の歯科矯正処置プランニングインストラクション324に構文解析されることによって直接使用され得る。歯科矯正処置プランニングインストラクションは典型的に、歯科矯正処置プランニングエンジンによって実行可能である。
【0112】
これらの何れの例においても、処置テンプレートは、精査又は試験及び/又は修正される。例えば、処置テンプレートは、歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析された後で、歯科矯正処置プランニングエンジン318に提示されて、患者歯科情報の試験セット(例えば、「患者の」歯の試験デジタルモデル)を用いて、試験歯科矯正処置プランを生成してもよい。情報の試験セットは、例えば歯科矯正処置プランニングデータベース330に記憶されてよい。この歯科矯正処置プランは、各状態での患者の(又は試験患者の)歯のシミュレーション(画像、3Dモデル、図等)、及び/又は、各ステージで使用される歯科器具の記述(文書、数式、画像等)を含む、歯科矯正処置プランの諸ステージを示す文書及び/又は画像を含み得る。ユーザ308は、試験結果を自身で、又は技工士310と連携してレビューし、処置テンプレートを修正してよい。図2Bはテストケースを示しているが、同じフィードバックは実際の患者データにも提供され得る。
【0113】
図2Cは、特定の用途(例えば、医師等の歯科医療従事者)向けの処置テンプレートの作成の別の例を模式的に示す。図2Cでは、歯科医療従事者は技工士と協力して、処置テンプレートを特定領域専用歯科矯正処置言語にコード化してよい。テンプレートは、例えば、他の事例/テンプレートからの既存の優先選択、同じユーザに関する他の事例からの履歴データ、ユーザからの過去のコメント、及び現在のインタビュー情報等に基づいてユーザの優先選択を記入され得る。処置テンプレートはテストケースをレビューすることによって検証(試験)されてよく、ユーザ及び/又は技工士によってレビューされて反復的に修正されてよい。処置テンプレートは次にシステム(例えば、歯科矯正処置プランニングシステム)内にセーブ又は記憶されて、そのユーザ又は他のユーザによってテンプレートとして使用され得る。例えば、処置テンプレートは、ユーザ識別インジケータ(例えば、数字、英数字等)又はユーザに属するコードでマークされてもよい。処置テンプレートは、パブリックとして(他のユーザがその修正版を選択及び/又は形成できるということを意味する)マークされても、又はプライベートとマークされてもよい。その後テンプレートは1つ以上の事例の歯科矯正処置プランを生成する為に即座に使用されても又は後で使用されてもよい。一旦ユーザテンプレート(複数可)が完成すると、患者の歯科矯正処置プランの生成及び/又は歯科矯正処置プランに準拠した歯科器具を生成することは、効率化された方式で迅速に実行され得る。
【0114】
例えば、図2Dに示すように、ユーザ処置テンプレートはそのユーザ(例えば、その歯科医療従事者)の任意の患者に適用され得る。患者の歯列弓は直接的又は間接的の何れかで走査されてよく、この患者歯科情報(例えば、患者の歯のデジタルモデル)は記憶されて、ユーザ選択された歯科矯正処置プランと共に、1つ以上の歯科矯正処置プランを生成する為に歯科矯正処置プランニングエンジンに適用され得る。処置テンプレートはシステムによって事前検証され記憶されている可能性がある為、このプロセスは迅速に、例えば数分以内に行われ得る。患者及び/又はユーザは次に1つ以上の歯科矯正処置プランを閲覧して、どの歯科矯正処置プランで進めるかを選択し、その歯科矯正処置プランに対応する歯科器具(例えば、アライナー)が製作され得る。代替的に、図2Dに示すように、歯科矯正処置プランはユーザによって修正されてもよく、ユーザは処置テンプレートを修正してよく、修正済み歯科矯正処置プランは再び歯科矯正処置プランニングエンジンにフィードバックされ得る。
【0115】
処置テンプレートは典型的にユーザ処置優先選択を記録する。対人可読であると共に機械可読であり、歯科矯正処置向けに合わせた特定領域専用歯科矯正処置言語の使用は、歯科矯正処置プランニング及び歯科矯正デバイス製作における高レベルの融通性と効率を提供する。例えば、特定領域専用歯科矯正処置言語は、多くの異なる歯科矯正処置プランニングプロトコルの自動を可能にして、ユーザ(例えば、医師)、技工士及びR&D職員の間のコミュニケーションを促進する。特定領域専用歯科矯正処置言語は、条件ステートメントの為のセマンティクスを含む為、又、より多くの構成オプションを公開する為、単純なパラメータファイルよりも多くの融通性を付加する。特定領域専用歯科矯正処置言語は、TPPを編集する為及び視覚化する為に使用されてよく、従って、簡潔で且つ理解し易い。特定領域専用歯科矯正処置言語スクリプトは、インタープリタ型言語内で実行可能なコードに自動変換されてよい。
【0116】
処置テンプレートは、歯科矯正処置プランを生成する為に歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)に提供される歯科矯正処置プランニングインストラクションの全部又は一部(例えばフラグメント)に変換されてよい。歯科矯正処置プランニングインストラクションは典型的に、処置がどのようにプランニングされるかの完全な仕様書である。特定領域専用歯科矯正処置言語は、歯科矯正処置プランニングインストラクションの構成可能な部分を記述し得る言語である。特定領域専用歯科矯正処置言語は歯科矯正処置プランニングインストラクションの完全なセットではあり得ないが、それは、歯科矯正処置プランニングインストラクションのうち何らかの部分がハードコードされ得るからである。
【0117】
例えば、図3は、処置テンプレート並びに自動的及び/又はマニュアルで追加された部分を含めて、構成要素部分からの歯科矯正処置プランニングインストラクション(例えば、歯科矯正処置プランニングプロトコル、又はTPP)の形成を示す、歯科矯正処置プランニングインストラクションの完全なセットの生成を示している。図3において、処置テンプレート351は、歯科矯正処置プランニングインストラクション353に構文解析され、これらのインストラクションは、共通の歯科矯正処置プランニングインストラクション357であり得る自動生成された追加歯科矯正プランニングインストラクション357と結合される。随意で、追加歯科矯正処置プランニングインストラクション355が追加され得る。最終歯科矯正処置プランニングインストラクション359は、歯科矯正処置プランニングインストラクションの合成されたセットであってよく、歯科矯正処置プランニングエンジンによって直接実行可能であり得る。これらの歯科矯正処置プランニングインストラクションは、歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)によって直接処理され得るデータ交換フォーマットであり得る。
【0118】
例えば、歯科矯正処置プランニングインストラクションの完全セット向けのソースコードは、全ての歯科矯正処置プランニングインストラクションセットに共通である部分(例えば、部分的にC++であり部分的に特定領域専用歯科矯正処置言語である等のコンピュータ言語の組み合わせで記述され得る)と、特定の歯科矯正処置プランニングエンジン専用の部分を含む3つの部分から構成され得る。その特定の歯科矯正処置プランニングエンジン専用の部分は特定領域専用歯科矯正処置言語で記述されてよく、処置テンプレートから生成され得る。幾つかの変形形態では、第2の部分(例えば、処置テンプレート)のみが使用されるが、それは第2の部分が「共通の」インストラクションをデフォルトとして含み得るからである。
【0119】
(特定領域専用歯科矯正処置言語)
特定領域専用歯科矯正処置言語は、歯科矯正措置に特化した構文及び文法を含み得る。例えば、特定領域専用歯科矯正処置言語は、歯科矯正処置プランニングステージのうち1つ以上に影響し得る臨床的設定に特化した文法を含み得る。特定領域専用歯科矯正処置言語は、動詞及び名詞、及びオプションの因数を含み得る。例えば:「disable class_correction」、「restrict movements(teeth:molars)」、「limit ipr(teeth:anteriors,max_amount:0.30mm)」、「set filters(any_product,open_bite,overjet,ipr,attachments)」、「put hook(on:canines)」。
【0120】
特定領域専用歯科矯正処置言語は、初期位置、最終位置、歯列弓における処置目標又は歯の存在又は他の条件、及び歯列弓の処置を指す条件「if」ステートメントを含む条件ステートメントをも含み得る。例えば:「if(initially open_bite>0.5mm)...」、「if(performing intrusion(upper anteriors)>0.5mm)...」、「if(performing extrusion(lower molars)>0.5mm and initially posterior_open_bite>0.3mm)...」。
【0121】
特定領域専用歯科矯正処置言語は、例えば、ミリメートル、度又はパーセンテージ等:「50%」、「1.5mm」、「-0.5mm」、「30度」等の、歯科矯正処置に適切な単位で与えられた値をも含む。
【0122】
特定領域専用歯科矯正処置言語は歯のタイプ及び数に直接言及してもよく、「犬歯」、「臼歯」、「犬歯及び臼歯」、「上顎左側臼歯及び下顎左側臼歯」、「上顎第2小臼歯及び下顎第2小臼歯」、「第2乳臼歯」、「上顎乳歯前歯部」等の歯の範囲及び個々の歯名を使用してよい。
【0123】
特定領域専用歯科矯正処置言語は、歯の範囲、四分円に亘り、又は各顎に関して一組のインストラクションを繰り返す「for」ループ等のループを含み得る。例えば、
for each tooth(of: canines){
if (performing rotation > 30degrees) // Repeated for each single tooth independently postpone movement(direction: rotation);
put attachment(teeth: mesial, type: optimized);
}
【0124】
及び:
for each quadrant (of: [upper left, upper right]) { ... }
for each jaw {
if (performing intrusion(teeth: anteriors) > 0.5mm) {
put attachment(on: canine, type: CRT, size: 3mm, direction: horizontal,
min_distance_from_occlusal: 1mm);
put attachment(on: 1st premolar, type: CRT, size: 3mm, direction: horizontal,
min_distance_from_occlusal: 1mm);
}
}
【0125】
特定領域専用歯科矯正処置言語は、リスト(例えば順序が重要な場合、一連のエンティティ)を含み得るが、それは例えば、「apply movement_separation(teeth:anteriors,order:[lingual_root_torque,intrusion])」;「apply sequential_movement(movement: mesialization,overlap:0%,order:[incisors,canines])」である。
【0126】
特定領域専用歯科矯正処置言語は、ネストしたコードブロックも含み得るが、例としては:
if (performing extrusion(upper molars) > 0.5mm) {
if (not performing distalization(upper molars)) {
apply sequential_movement(direction: extrusion, teeth: [upper premolars, upper molars]);
} else {
apply sequential_movement(direction: extrusion, teeth: [upper molars, upper premolars]);
}
}
【0127】
特定領域専用歯科矯正処置言語は更に、異なるテンプレート又はテンプレートの異なる部分を再使用してもよく、それらを名指ししてもよい。例えば:「use template Dr.XYZ」;「use template XYZ」。
【0128】
特定領域専用歯科矯正処置言語は、歯科矯正処置プランニングアルゴリズムによって構文解析されず、ユーザ又は他の当事者とのコミュニケーションにのみ使用されるコメントを含み得る。
【0129】
例えば、図4は、種々の設定(例えば、位置)及びコンディショナルを示す、特定領域専用歯科矯正処置言語の一般的ステートメントの概要の一例である。特定領域専用歯科矯正処置言語は、歯科矯正処置に関するユーザ特有の優先選択を含むと共にそれを暗号化するのに適しており且つそのように特別に構成されている。図5A-5B、6A-6B、7A-7B、8A-8B及び9A-9Bは、ユーザ優先選択と見なされ得、特定領域専用歯科矯正処置言語に直接暗号化され言及され得る種のパラメータの例を示す。
【0130】
例えば、図5A-5Bは、特定領域専用歯科矯正処置言語によって設定され得る後交叉咬合優先選択の一例を示す。図5Aは、図示のように、歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)が後交叉咬合を改善するように自動的に努めるデフォルト優先選択を示す。代替的に、ユーザは、図5Bに示されるように後交叉咬合を改善することを選択せず、代わりに後交叉咬合を維持してもよい。
【0131】
図6A-6Bでは、特定領域専用歯科矯正処置言語は、ユーザが小臼歯上に咬合ランプアタッチメントを含めるか否かに関する優先選択を指示することを可能にしてよい。図6Aではデフォルトは小臼歯咬合ランプアタッチメントを含めないとしているが、その一方で図6Bでは小臼歯咬合ランプアタッチメントが含まれる。幾つかの変形形態では、何れの優先選択の場合とも同様に、ユーザは、その状態下では歯科矯正機構(例えば、この例では小臼歯咬合ランプ)が含まれるか含まれない1つ以上の状態を選択してもよい。例えば、ユーザは、側部回転がある場合以外の全事例において小臼歯咬合ランプを含めるということを明示してもよい。
【0132】
図7A-7Bは、患者の歯上のアタッチメントの位置に関する特定領域専用歯科矯正処置言語の優先選択オプションを示す。この例において、デフォルト優先選択は、図7Aに示されるように、アタッチメント(歯上への器具の保持を補助する為に、歯科器具上の場所に固定又は結合し得る)を中心に置くことである。ユーザインターフェースは、回転(x,y,z度)、歯冠並進移動(x,y,zmm)、歯根並進移動(例えば、x,y,zmm)、歯根尖移動(x,y,mm)、FACC測定値(中間から遠位幅、頬側から口蓋側幅、mm)、及び/又はアタッチメント(タイプ、記述、視認性)等を示し得る。幾つかの変形形態では、ユーザは、図7Bに示されるように、アタッチメントが可能な限り歯肉付近に配置されるべきであることを特定領域専用歯科矯正処置言語で指示してよい。
【0133】
図8A-8Bは、特定領域専用歯科矯正処置言語でのターゲットオーバーバイト補正の優先選択の例を示す。例えば、図8Aでは、デフォルト806パラメータは、ターゲットオーバーバイトが例えば、1.3~1.6mmの間(図8Aでは、最終位置は1.45529mmである)、例えば約1.5mmであるということである。ユーザは別の範囲を選択してもよい。例えば、ユーザは所与のmmでの値(例えば、約0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm等)のターゲットオーバーバイトを特定領域専用歯科矯正処置言語で選択してもよい。ユーザインターフェースは満足(初期、自動設定及び最終をmmで)を表示してもよい。図8Bでは、所与の値のターゲット理想オーバーバイト808はmmであり得る(例えば、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm等)。
【0134】
図9A-9Bは、口蓋側咬合ランプアタッチメントのユーザ優先選択の選択を特定領域専用歯科矯正処置言語で示す。図9Aでは、下顎前歯部イントルージョンの為の口蓋側咬合ランプなしのデフォルト優先選択が示されている。対照的に、図9Bに示されるように、ユーザは、歯科矯正処置プランが下顎前歯部イントルージョンの為の口蓋側咬合ランプを含めるべきであることを特定領域専用歯科矯正処置言語で指示してもよい。
【0135】
複数の他の優先選択及び状態が特定領域専用歯科矯正処置言語で指示されてよい。図10(i)-10(vi)に示された表は、特定領域専用歯科矯正処置言語の為の文法及び構文の例を示す。この表は、歯科矯正処置特化コンテキスト並びに数値範囲、歯範囲、及びリスト用いた条件文(例えば、「if」)言語を示す。
【0136】
図11は、特定領域専用歯科矯正処置言語で記述された処置テンプレートの一部分の一例である。この例において、処置テンプレートは両方とも対人可読である(点、パッシブアライナー、アーチ拡張、レベリング、トリミング等に関するユーザ特有の優先選択でパブリックプロトコルを記述する)。この処置テンプレートは次に、一組の歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析されてよい。
【0137】
ユーザ及び/又は技工士は処置テンプレートを設定してもよい。例えば、図12A-12Bは、処置テンプレートを作成又は修正する為のユーザインターフェースの例を示す。
図12Aにおいて、例えば、ユーザは、新たなテンプレートを、デフォルトテンプレート(これが選択された状態を図示している)として、業界標準テンプレートとして、特定の「オピニオンリーダー」テンプレートとして、又は彼等のカスタムテンプレートとして生成することを選択してもよい。ユーザインターフェースは、ユーザにユーザ選択を入力することを可能にしてもよく、すると、開始テンプレートが提供されて、ユーザが修正し、将来の使用に備えてセーブできる(ユーザは開始テンプレートをそのまま使用してもよい)ようになる。
【0138】
システムは、ユーザがパラメータ優先選択を選択することを可能にする追加ユーザインターフェースを含み得る。例えば、図12Bは、ユーザ及び/又は技工士が、処置の為に歯の移動制限を選択し得るユーザインターフェースを示す。ユーザインターフェースはその選択を、特定領域専用歯科矯正処置言語で処置テンプレートに自動的に暗号化してもよい。
【0139】
一般に、特定領域専用歯科矯正処置言語は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の動的作成をサポートする為の特別指令を含み得る。例えば、テンプレートパラメータは処置テンプレートスクリプトで宣言されてもよく、医師が、利用可能なテンプレートのライブラリからテンプレートをカスタマイズしその導関数を作成することを可能にしてもよい。例えば、テンプレートがインストラクション「expose template_parameter(arch_form)」を含む場合、UI制御が自動生成され得、それはユーザが、テンプレートを導出する場合に好ましいアーチフォームを選択することを可能にする。
【0140】
ケースパラメータはテンプレートスクリプトで宣言されてよく、ユーザ(例えば、医師)が、処置テンプレートを用いる各事例に関してそれらのテンプレートに関連する臨床パラメータを処方することを可能にし得る。例えば、処置テンプレートスクリプトがインストラクション「expose case_parameter(ap_correction)」を含む場合、UI制御が生成され得、ユーザが各新たな事例に関するAP補正を有効化又は無効化することを可能にする。
【0141】
例えば、図13A-13Dは、既存の処置テンプレートを修正する為のユーザインターフェースを示す。図13Aにおいて、特定領域専用歯科矯正処置言語での処置テンプレートは、特定領域専用歯科矯正処置言語に、プロトコル用のパラメータを選択する為のグラフィカルユーザインターフェース(GUI1305)を指す項(指令)を含めることによってカスタマイズされ得る。特定領域専用歯科矯正処置言語の左側に示された処置テンプレートは、ユーザ(又はユーザと協働している技工士)に、可能な値のリストから値を入力するように促すグラフィカルユーザインターフェースを起動する項「?」を含み、その値は、この例では前部IPR限度である。次にユーザは値を選択してよく(例えば、「0.50mm」)、値は、左側に示すように処置テンプレートと自動的に置換される。従って、幾つかの変形形態では、特定領域専用歯科矯正処置言語は、特定のGUIを介してどのパラメータが入力され得るかを指示する項又は指令を含み得、ユーザによって処置テンプレートがレビューされるときにGUIを呼び出してもよい。GUIの呼び出しの結果(ユーザ選択)が入力されてよく、元の処置テンプレートの改訂版が置換用語と共に記憶され得る。この手法は、どのパラメータがカスタマイズ可能であるかの制御を可能にし得る。GUIはレディメードの制御の集合から動的に作成され得る。GUI制御は1つ以上の伝統的ドロップダウン及びチェックボックスから、又は特別に設計されたグラフィック制御から構成されてよい。
【0142】
幾つかの変形形態では、カスタマイゼーションは、特定領域専用歯科矯正処置言語に基づく特別な呼び出し(例えば、GUIを呼び出す)というよりも、標準的構成の一部であり得る。例えば、図13Bは、既存のプロトコルの上にインストラクションを追加することによってプロトコルが修正され得る一変形例を示す。プロトコルカスタマイゼーションは、インストラクションをオーバーライドする為のセマンティクスを用いた既存のテンプレート上への追加拘束条件によって表され得る。例えば、ベーステンプレートが「enable passive_aligners」を有し、オーバーライドが「disable passive_aligners」を含む場合、オーバーライドが打ち勝つ。同様に如何なる矛盾するインストラクションのペアも、所定の勝者を有し得る。図13Bにおいて、例えば、元の処置テンプレートが、前部歯用の隣接面削合限度が最大0.30mmであるべきであると指示し(「limit ipr(teeth:anteriors,max_amount:0.30mm)」)、ユーザインターフェースはユーザが新たな分量(0.50mm)を入力することを可能にし、この新たな値は元の値をオーバーライドする。
【0143】
幾つかの変形形態では、処置テンプレートは、ユーザ及び/又は技工士によってオン又はオフにされ得る、優先選択の別の変形例を含み得る。例えば、特定領域専用歯科矯正処置言語は、処置テンプレートの部分を有効化/無効化する指令を含み得、それは別の優先選択であり得る。例えば、図13Cは、2つ(又はそれ以上)の代替案の間でトグルするGUI1305を呼び出す指令(「?」)を含む処置テンプレートの一例を示し、この例において、開咬プロトコル又は過蓋咬合プロトコルを使用する。テンプレートの最終版は、図13Cの右側に示されるように無効化された部分(及びその指令)を除去していてもよい。
【0144】
別のカスタマイゼーション手法が図13Dに示されている。この例において、ユーザは処置テンプレートコードを見て、それを直接操作する為の制限付き能力を得る。編集は、削除及びパラメータ修正を含み得る。従って、ユーザインターフェースはテンプレートの対人可読特定領域専用歯科矯正処置言語を示し得、それを除去又は修正する為のユーザ制御を提供し得る。図13Dにおいて、上左側は未修正の処置テンプレートを示し、カーサはパラメータ除去の為のオプションをハイライトしており(選択可能な「X」及びハイライトで示されている)、上右側は、このパラメータが除去された結果として得られる処置テンプレートを示している。図13Dにおいて、下左側では、パラメータ値は、カーサが上に来たときにハイライトされて示され、次にユーザは、図13Dの右側に示すように新たな値を直接指示してよい。
【0145】
これらの例において、結果は特定領域専用歯科矯正処置言語で表され、マニュアルでコード化されたプロトコルのように処理され得る。代替的に又は付加的に、例えば、編集可能なパラメータ値を、これらの値が後で修正され得るように記憶する為に、中間データフォーマットが使用され得る。
【0146】
本明細書に記載の方法(ユーザインターフェースを含む)のうち何れも、ソフトウェア、ハードウェア又はファームウェアとして実装されてよく、又、プロセッサ(例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォン等)によって実行されることが可能な一組のインストラクションを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体として記述され得るが、そのインストラクションは、プロセッサによって実行された場合に、限定はしないが、表示、ユーザとのコミュニケーション、分析、パラメータの修正(タイミング、頻度、強度等を含む)、決定、変更等を含む何れかのステップの実行を制御させる。
【0147】
使用時、ユーザは特定の患者に適用される歯科矯正処置プランを選択してもよい。患者の事例が歯科矯正処置プランニングの為に提出されると、ユーザはその事例に適用するテンプレートを選択してよい。例えば、ユーザは1つ以上のテンプレートから選択してよく、それらのうち一部はパブリックテンプレート(何人かのユーザが利用可能である)であり、それらのうち一部はプライベートである(例えば、同じユーザによって著されたものであり得る)。特定領域専用歯科矯正処置言語でのテンプレートは次に構文解析されてよく、歯科矯正処置プランニングエンジン(アルゴリズム)は、種々の計算ステップ中(例えば、最終位置決め、ステージング、アタッチメント及びアライン機構)に特定領域専用歯科矯正処置言語で記述されたルールを呼び出してよい。
【0148】
一般に、テンプレートの各呼び出しは、ユーザが結果に満足しなかった場合にトラブルシューティングを可能にする為に、発火したルール及び使用された設定のロングトレースを含み得る。
【0149】
(構文解析)
処置テンプレートは、歯科矯正処置プランニングエンジンによって受け取られ理解され得るフォーマットに変換され得る。従って、特定領域専用歯科矯正処置言語は、歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)に受け渡す前又は後の何れかに歯科矯正処置プランニングインストラクションに構文解析され得る。幾つかの変形形態では、別個のモジュール(例えば、特定領域専用歯科矯正処置言語構文解析エンジン)が、歯科矯正処置プランニングエンジンに受け渡す前に使用され得る。代替的に、歯科矯正処置プランニングエンジンは、特定領域専用歯科矯正処置言語を構文解析するように構成され得る。
【0150】
例えば、図14Aは、歯科矯正処置プランニングエンジンに対して外部である特定領域専用歯科矯正処置言語構文解析エンジン(「中間パーサ」)を含むシステムの一例である。この変形例では、中間パーサは、処置テンプレートの特定領域専用歯科矯正処置言語(「IPL」)を構文解析する為に使用される。処置テンプレートは中間パーサによって予備構文解析されている為、歯科矯正処置プランニングエンジンは、処置テンプレートを構文解析する必要はない。代替的に、処置テンプレートは埋め込み可能な言語(例えば、パイソン/LUI)に変換され得る。
【0151】
代替的に、図14Bにおいて歯科矯正処置プランニングエンジンは、処置テンプレートの特定領域専用歯科矯正処置言語を構文解析する為のパーサを含む。この変形例では、歯科矯正処置プランニングエンジンは処置テンプレート(特定領域専用歯科矯正処置言語での)を直接構文解析する。例えば、歯科矯正処置プランニングエンジンが、ロジックに構文解析するパーサを含むか(図14Bに示される)、又は、処置テンプレートは、構文解析済みバージョンが生成されたときにそれでラップされる(図示せず)。
【0152】
特定領域専用歯科矯正処置言語は簡潔で且つ読み易いように設計されているが、歯科矯正処置プランニングエンジンは、テキストオンリーデータ交換フォーマット、例えばJSON等のデータ交換フォーマットへの符号化を使用してもよい。従って、本明細書に記載の何れのシステムも、特定領域専用歯科矯正処置言語を例えばJSONフォーマットに変換してもよい。処置テンプレートはコード化されて特定領域専用歯科矯正処置言語に記述され、特定領域専用歯科矯正処置言語にソースコードとして記憶されてよい。システムは、この特定領域専用歯科矯正処置言語をJSONフォーマットに変換してもよく、それは歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)(例えば、「Treat」)が消費する。これは、図15に示されている。例えば、図15において、図は処置テンプレート(特定領域専用歯科矯正処置言語で暗号化されている)からシステムの他の部分及び歯科矯正処置プランニングエンジン(複数可)への情報の流れを示す。
【0153】
処置プランニングの為の音声制御
本明細書に記載の何れの方法及び装置(例えば自動システムを含むシステム)も、音声制御を含み得る。従って、一般に、本明細書に記載の方法及び装置は音声制御を含み得る。音声認識を含む音声入力の使用は、ユーザがシステムに入力を提供することができ、システムが次に入力を解釈して機械で実行可能なインストラクション(例えば、特定領域専用歯科矯正処置言語)に変換する、本明細書に記載のシステムを含むシステムに特に役立ち得る。
【0154】
例えば、歯の移動の正確なパニングは時として0.1mmまでの移動及び回転又は1°の回転を要し得る。これは、医師の直接入力を含めて、本明細書に記載のシステムのようなシステムの一部であり得る3D編集ツールを用いて達成され得る。そのような入力は、訓練を必要とし得るものであり、それらを正しく使い始める為には学習曲線を有し得るものであり、又、この障壁を克服できないユーザもあり得る。音声コマンドは、処置プランニングシステムにコマンドを与える、より自然且つより自動方式を提供し得る。特に、システムはユーザにコマンドを訂正、調整又は受諾することを可能にする即座のフィードバックを提供できる。更に、音声フィードバックの使用は、本明細書に記載のシステムとのインタラクションの正規化又は標準化を補助し得る。最後に、本明細書に記載の音声コマンドシステムは精密な操縦を要さずして運動のきめ細かい制御を可能にし得る。特に、音声コマンドの使用は処置プランニングにおける自動、リアルタイムの支援を提供し得る。例えば、装置を「1.2mmだけ移動させる」というユーザによる音声コマンドは、ユーザがマウス制御で精密な操縦をどのように実行するかを学ぶことを要求せずに、又、マニュアルスキルを練習することを要求せずに、歯を正確に1.2mm移動させ得る。音声制御処置プランニングを使用する音声制御は、特定の(例えば移動)インストラクションを可能にすることに加えて、処置の目標及び制約を策定する為に使用され得る。
【0155】
一般に、音声コマンドは、処置プランニングプロセスの何れの部分で実装されても、又はその全体で実装されてよい。例えば、処置プランニング中にユーザによって提供される情報は、歯の初期位置(初期データ)、処置目標(何を達成するか)、処置制約(行わないこと、必然的に行うこと)、処置スケジュール(何時行うか)のうち1つ以上を含み得る。処置プランニングエンジンは、上述のように、この情報に基づいてユーザに提示する処置プランを構築してもよい。音声制御システム(音声制御サブシステム)は処置プランニングプロセスの一部であってよく、ユーザが情報を入力する、及び/又は最終位置自体等の情報を修正する、又は処置の根源的特性(目標、制約、スケジュール)のうち1つを修正することを可能にしてもよい。特性のうち少なくとも1つが変更された後で、新たな処置プランが医師に提示され得る。
【0156】
図31は、本明細書に記載の歯科処置プランの一環として音声認識を適用又は使用する為のプロセスの一例を示す。この例において、方法(又は、方法を実行するように構成された装置)は、初期状態(例えば、歯の初期位置、処置目標、処置制約及び求められるスケジュール等の初期処置プラン統計)並びにユーザ(例えば、医師、歯科医等)からの音声コマンド3103を受け取る。言葉が認識され、それは特定領域専用歯科矯正処置言語に特化し得る(例えば、それで訓練される)。方法又はシステムは一般に、音声コマンドに基づいてアップデートを提供してもよい(例えば、処置目標、スケジュールをアップデートする、及び/又は、上記の点全てを反映した新たな処置プランを提供し得る、等)。
【0157】
動作時、方法又はシステムは、受け取った(入力)ステートメント及び関連パラメータの主アクションを検出してもよい。主要アクション及びパラメータ選択の例は、所与の歯(又は複数の歯)に関して特定の移動3113を実行することを含み得る。例は:「上顎左側第2大臼歯を0.2mm遠位に移動させる」(アクション:「移動」);「上顎右犬歯整直」(アクション:「整直」);「上顎犬歯整直」(アクション:「整直」);「上顎中切歯を10度だけ唇側傾斜」(アクション:「唇側傾斜」)を含み得る。別の主要アクション及びパラメータ選択は、達成すべき処置の目標を設定すること3107を含み得る。例は:「1mmのオーバーバイトを達成する」(アクション:「達成」;「1~2mm範囲のオーバージェットを達成する」(アクション:「達成」;「130~135度の上下中切歯歯軸の傾斜角を設定」(アクション:「設定」)を含み得る。別の主要アクション及びパラメータ選択は、処置プランの為の制約の設定3109(否定文で表現され得る)を含み得る。例は、「交叉咬合を固定しない」(アクション:「固定しない」);「臼歯クラスを左側に維持する」(アクション:「維持」);「小臼歯を移動させない」(アクション:「移動させない」);「下顎切歯を唇側に移動させない」(アクション:「移動させない」)を含み得る。別の主要アクション及びパラメータ選択は、適時のアクティビティのスケジューリング3111を含み得る(特定の事を何時行うか)。例は:「第2ステージで抜歯を実行する」(アクション:「実行」);「12ステージ毎にIPRを実行する」(アクション:「実行」);「アライナーを過矯正する前に全機構を除去する(アクション:「実行」)を含み得る。
【0158】
アクション及びパラメータ識別は機械学習(ML)アルゴリズムによって実行されても、及び/又は、語に、それらの意義を反映させる何らかの重みが割り当てられている場合、ステートメントのアルゴリズム構文分析によって実行されてもよい。「音声認識」ブロックは、任意の自家製又は市販の商業的ソフトウェアで実装され得る。
【0159】
上述のように移動、目標、制約又はスケジュールとして分類されるアクション及びパラメータに基づいて、対応する変更が処置プランに行われ得る。その後、処置プランは、新たなデータ入力に基づいて3115で再生され得る。このサイクルは任意期間実行され得る。
【0160】
(実施例)
本明細書に記載の方法及び装置は、特定のユーザ並びに特定の患者に対してカスタマイズされた処置プランニングの為に使用され得る。上述のように、ユーザはプレインラングエッジ(例えば自然言語)でのインストラクションを提供してもよく、本明細書に記載の技術及び装置はこれらのインストラクションを処置プランニングの為に解釈してよい。更に、これらの方法及び装置は、特定のユーザ向けに処置プランをカスタマイズする場合に、どのように最善に個々の患者を処置するかをユーザが決定するときに、ユーザ優先選択等の情報を使用して処置プランニングを自動生成又は半自動生成する為に使用され得る。
【0161】
上述の特定領域専用処置言語(例えば、特定領域専用歯科矯正処置言語)は、医師のインストラクションの誤解釈を低減又は排除して処置プラン作成の所要時間を劇的に低減し得る自動又は半自動処置プランニングシステムの一環として実装され得る。例えば、処置プランニングシステムはユーザ(例えば、医師、歯科医、矯正歯科医等)と技工士の両方によって使用されてよく、特定領域専用(例えば、歯科矯正)処置言語を使用して医師の処置プラン(例えば、プロトコル)を記述、生成及び検証する為のツールを提供し得る。
【0162】
患者の歯のデジタルモデルと連携して処置プランを生成する為に適用され得る処置プロトコルは、ユーザが最初に彼等の優先選択をフリーテキストインストラクションに記述するときにユーザの為に生成され得る。これらのフリーテキストインストラクションは処置プランを生成する為に適用され得る。例えば、技工士はこれらのインストラクションを解釈してもよい。上述のように特定領域専用歯科矯正処置言語や特定領域専用歯科矯正処置言語を適用する為のツールを使用せずに処置プロトコルを生成し検証する場合、このプロセスは、ユーザのインストラクションの誤解釈を招き得る。本明細書では、特定領域専用歯科矯正処置言語を使用したユーザ・カスタマイズされた処置プロトコルの自動生成又は半自動生成の為のツールを記載する。本明細書に記載の特定領域専用歯科矯正処置言語を使用したユーザ・カスタマイズされた処置プラン(複数可)生成の為の自動又は半自動システムは、様式化されたユーザプロトコルを作成することができ、処置プラン生成における遅延に対処できる。自動アプリケーション又はシステムのコンテキストにおける特定領域専用歯科矯正処置言語の使用は、ユーザ優先選択の最終化のプロセスをより効率的且つ確実にもする。
【0163】
本明細書に記載の処置プラン生成の為の自動/半自動システム及び方法は、特定領域専用歯科矯正処置言語の構文をサポートする特定領域専用歯科矯正処置言語エディタを使用する。これらのシステム及び方法は、ユーザ専用処置プロトコル(例えば、患者専用処置プランを形成する為に適用され得るジェネリック処置プラン)をレビューし管理する為の1つ以上のユーザインターフェースを含み得る。これらのシステムは、処置プロトコル/処置プランエディタも提供してよく(特定領域専用歯科矯正処置言語を使用して)、ユーザ専用プロトコルを管理してもよい。これらのシステム及び方法は、一般に、ユーザプロトコルの検証と、これらのプロトコルに対応する処置プランのレビューを提供し得る。
【0164】
一般に、同じ患者を処置する為に使用され得る処置プランの多様さに貢献する多くの変数がある。ユーザ処置プランは、ユーザの経験、ユーザの教育、ユーザの個人的スタイル及び患者を処置する場合の信念に応じて変動し得る。従って、同じ患者でも異なるユーザから異なる処置を受け得る。
【0165】
実際、ユーザは、多数の処置オプションを含み得る、各事例に関するRXフォームに記入することによってユーザの処置優先選択を提供してもよいが、そのようなフォームはユーザのあり得るインストラクションの全てを含むわけではなく、従って、追加インストラクションがプレーンテキストで提供されることがある。処置プランを要求するときにユーザが提供し得る種々のインストラクションは、処置プランを生成する為に使用され得る処置プロトコルを最終化する前に、ユーザによるレビュー及び検証の複数回の反復を必要とし得る。本明細書に記載の処置プラン生成の為の方法及び装置は、このプロセスの速度と精度を劇的に改善し得る。
【0166】
本明細書に記載の方法及び装置(例えば、システム)は、特定領域専用処置言語(例えば、特定領域専用歯科矯正処置言語)を使用して処置プロトコルをプログラミングスクリプトに記述すると共に迅速に修正し、それは、処置プランニングソフトウェアによって完全自動化されて、患者の歯のデジタルモデルに適用された場合に処置プランを生成し得る。このスクリプトは医師のプロトコルと呼ばれる。
【0167】
図16は、処置プロトコルを、従って処置プランを迅速且つ効率的に生成する為に特定領域専用歯科矯正処置言語が使用される、患者の為の処置をプランニングする方法の一例を示す。図16に示されるように、方法は、ユーザが、患者専用処置プラン1601を要求したときに開始し得る。この要求はシステム(例えば、処置プラン生成システム)に提供され得、幾つかの変形形態では、ユーザ要求は、患者の歯のデジタルモデルを含み得る。代替的に、方法は特定の処置要求なしで開始してもよいが、将来の処置プラン生成システムにユーザを追加する為に、ユーザが患者の為の処置プランを要求することを予期している。
【0168】
次に、ユーザ関連(例えば、カスタマイズされた)処置プロトコルが、ユーザ又は技工士によって選択されるか、又は自動的に選択されてよく(例えば、システムによって)、このユーザ関連プロトコルはシステムによって受け取られ得る。幾つかの変形形態では、ユーザは、過去にユーザが使用したユーザ関連処置プロトコルのリストから1つを選択してもよい。システムは、1603で、ユーザがそこから選択してよいユーザ関連プロトコルのリストを提供してもよい。従って、ユーザ関連処置プロトコルは、以前のユーザの事例に基づいてユーザ専用の(例えば、ユーザにカスタマイズされた)ものになり得る。従って、システムは、ユーザによってインデックス化された履歴処置プロトコルのデータベース(例えば、データストア)を有し得る。
【0169】
別法として、ユーザ専用プロトコルが利用可能でない場合、又は、何れも選択されない場合、ユーザ専用プロトコルが生成され得る。例えば、ユーザ専用プロトコルは、システムが典型的にアクセスできる(又は既に受け取っている)ユーザの既存の優先選択に基づいて生成され得る。幾つかの変形形態では、ユーザ又は技工士(又はシステム自体)は、別のユーザからの処置プロトコルをユーザ関連処置プロトコルとして選択してよく、別のユーザからの処置プロトコルは、現在のユーザでの優先選択類似性等の類似性に基づいて、及び/又は現在のユーザによってなされた選択に基づいて選択され得る。
【0170】
一旦ユーザ関連処置プロトコルが選択され終わると、それは更にカスタマイズされてよい。例えば、システム(又は、システムによって支援された技工士)は、ユーザ関連処置プロトコルをユーザの優先選択に基づいて修正してもよい。ユーザ優先選択は、要求時に提供されても、及び/又は、例えばユーザの優先選択(例えば、ユーザ優先選択のデータストア)のデータベースからアクセスされても、及び/又は記憶されたユーザ優先選択を更新してもよい。ユーザ優先選択は、処置優先選択(アタッチメントの使用、タイプ及び/又は向き、隣接面削合使用及び/又は使用のステージ、抜歯(複数可)等)の何れを含んでもよい。特に、ユーザ関連処置プロトコルは、処方フォーム及び/又は事例と共に送信された任意のフリーフォームインストラクションの何れか又は両方によって提供される任意の処置インストラクションを含むように修正され得る。
【0171】
次に、ユーザ関連処置プロトコルを使用して、1人以上のサンプル患者データセット(例えば、サンプル患者の歯のデジタルモデル)を用いてモック又は検証処置プランを生成してもよい。別法として、幾つかの変形形態では、データセットは実際の患者データ(患者の歯のデジタルモデル)であってもよい。結果として得られる試験/検証処置プランは次に表示されて、ユーザ関連処置プロトコルが正確であるか、又は修正されるべきであるかを決定する為に使用され得る。例えば、ユーザ及び/又は技工士は、サンプル患者の歯のライブラリから選択された、1人以上のサンプル患者の歯に適用された、処置プロトコル(ユーザ関連処置プロトコル)を示すユーザ関連処置プロトコルを実装する処置プランのディスプレイを1605で提示され得る。ディスプレイは処置プランの最終ステージ又は複数の最終ステージを示しても、及び/又は処置プランの複数のステージを示しても、又は、ユーザ及び/又は技工士が、選択された処置プロトコルをレビューする為に処置プランのステージをスキャンすることを可能にしてもよい。
【0172】
一般に、処置プロトコルは特定領域専用歯科矯正処置言語で表されてよい。幾つかの変形形態では、システムは更に、例えば、特定領域専用歯科矯正処置言語を用いて処置プロトコルを自動的にレビューすることによって、処置プロトコルが正確であるかどうかを自動的に判断してもよい。識別された問題は表示又はフラグ付けされるか、又は補正向けにマークされてよい、及び/又は幾つかの変形形態では自動補正されてよい。
【0173】
ユーザ及び/又は技工士は、試験処置プランをもたらした現在の選択された処置プロトコルが正確であるか、又は修正されるべきであるかを指示してもよい。ユーザ及び/又は技工士が、処置プロトコルが十分であると指示した場合、選択された処置プロトコルは最終化(承認)されてよい。別法として、選択された処置プロトコルが最終的なものでなかった場合、ユーザ及び/又は技工士は更にそれを1607で修正してもよい。例えば、システムは、選択された処置プロトコル対する修正提案を1609でユーザ及び/又は技工士から受け取ってもよい。1611で、これらの修正提案は、上述のように特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションに変換され得る。次に、1613で、特定領域専用修正インストラクションのセットを使用して選択された処置プロトコルを修正して、推定最終処置プロトコルを作成する。推定最終処置プロトコルは次に、選択された処置プロトコルとして使用されて、上記1605で述べたようにサンプル患者データセットを用いて試験処置プランを生成する為に再び使用され得、結果は表示されて上述のように分析/承認され、更なる承認又は修正が行われる。処置プロトコルが最終的に承認されるまで、このプロセス全体が反復されてよい。幾つかの変形形態では、この最終処置プロトコルは次に記憶されて(例えば、新たなユーザ関連処置プロトコルとして)、中間事例及び/又は将来の事例として使用されて、1615で患者の歯のデジタルモデルと連携して処置プランを生成してよい。例えば、システムは最終処置プロトコルを使用して処置プランを生成してよい。
【0174】
これらの方法を実行する為のシステムは、特定領域専用歯科矯正処置言語ワークプレースアプリケーション(「アプリケーション」)と呼ばれてよい。このアプリケーションは、(例えば、技工士が)、ユーザによって記述されたプロトコルを特定領域専用歯科矯正処置言語で表された実用プロトコルに変換することを補助して、リアルタイム又はほぼリアルタイムを含めて迅速且つ正確に処理され得るようにする統合開発環境(IDE)として構成され得る。
【0175】
図17は、ユーザ専用処置プロトコルを作成する方法又はプロセスの別の例を示す。この例において、アプリケーションは、先ず、1701でユーザ又は見込みユーザにインタビューしてユーザプロトコルをレビューすることによって構築され得る。これは、マニュアルで行われても、又は、既述の1つ以上のシステムによって支援されて半自動的に行われてもよい。従って、ユーザ優先選択は特定領域専用歯科矯正処置言語で表され得る。次に、アプリケーション1713を用いて、ユーザ関連(例えば「選択された」)処置プロトコルを、修正又はカスタマイズを含めて生成してもよい。例えば、アプリケーションは、1703で、技工士が、フリーテキスト又は処方フォームからユーザ専用プロトコルを作成しそれを特定領域専用歯科矯正処置言語で表現することを支援してもよい。これは、上述のように既存のユーザ関連処置プロトコルを修正することを含み得る。技工士は、1705で、特定領域専用歯科矯正処置言語を使用して、ユーザ専用プロトコルを様式化/最終化してもよい(ユーザ専用/選択されたプロトコルの「スクリプト」を作成する)。プロトコル(「スクリプト」)は次に、1707で上述のようにプロトコル及び1つ以上の異なるパブリック事例を使用して1つ以上の処置プランを編集することによって検証され得る。技工士は結果として得られる処置プランを自身でレビューしても、及び/又は1709で検証する為にユーザに相談してもよい。検証ステップ後に更なる修正が行われてもよく、プロセスは、最終化されるまで繰り返される。
【0176】
一旦プロトコルが検証され最終化されると、プロトコルは、1つ以上の処置プランを生成する為に使用され得る。プロトコル(「最終処置プロトコル」)は特定領域専用歯科矯正処置言語で表現されている為、患者の歯のデジタルモデルを使用して処置プランを迅速且つ自動的に生成する為に使用され得る。例えば、図18に示すように、特定のユーザに対する処置プロトコルを最終化した後で、患者は1801で処置プランを要求してもよく、ユーザは、1803で、適用するユーザ専用処置プロトコルのうち1つを選択して、患者に特化した事例を作成してもよい。ユーザは、1805で、処方優先選択及び患者の歯のデジタルモデルと共に1つ以上の処置プランに対する要求を送信してもよい。ユーザ専用処置プロトコルは、上述のように、ユーザの優先選択を含むように選択され修正されてよく、処置プランが生成される。一旦承認されると、処置プランは実行され、患者は1807で、設計された処置プランを受け取ってもよい。
【0177】
図19は、上述のようなアプリケーション(例えば、特定領域専用歯科矯正処置言語ワークプレースアプリケーション)に支援されて処置プロトコルを作成及び/又は修正する方法の別の模式図である。図19において、ユーザ(例えば医師)は、1901で、ユーザ専用処置プロトコルの作成/修正を要求してもよい。システム(例えば、技工士を支援する)は次に、1903でユーザからのインストラクションを要求してよく、ユーザは次に1905でインストラクションを提供してよい。これらのインストラクションは、優先選択1909及び/又は処方情報/フリーテキストインストラクションを含み得る。幾つかの事例では、これは、完全処置プロトコル(例えば、特定領域専用歯科矯正処置言語で表現された)をもたらし得、その場合、処置プロトコルは、検証の準備が整うまで更に編集されてよい。別法として1911で、処置プロトコル(「スクリプト」)は1913で編集されてよく、それは、1915での特定領域専用歯科矯正処置言語における構文エラーの調査を含み、次に処置プロトコルは上述のように1917で検証されてよい。1919で検証が成功すれば(例えば、モックデータセットを使用して処置プランが生成され得れば)、ユーザは1921で検証をレビューして、1923で更なる修正の為に提出するか、又は、先に進んで1925でこのプロトコルを追加事例に使用してよい。
【0178】
この例において、ユーザ及び技工士は協働して、適切なユーザ専用プロトコルを様式化してよい。システムは各事例に関するテキストインストラクションを自動的にレビューして、処置プロトコルを自動的に適用してプロトコルを迅速に検証するプランニングソフトウェアを使用して処置プロトコルを迅速に検証してよい。従って、アプリケーションはプロトコル記述を準備し、プロトコルを特定領域専用歯科矯正処置言語でのスクリプトとして様式化する為の有効且つ確実な機能性を提供し得る。
【0179】
図20乃至25は、本明細書に記載のシステムと使用され得るユーザインターフェースを示している。例えば、図20は、使用され得るエディタ(例えば、特定領域専用歯科矯正処置言語エディタ)の一例を示す。図示のプロトコルはユーザ(ユーザ名)によって識別され、優先選択及び形式上の優先選択並びにコメントを含む。記述エディタは、フリーテキストのコメントを伴うチェックボックスの形式でユーザの優先選択を構築する為のツールであり得、優先選択の自動化のプロセスを辿って、それらを特定領域専用歯科矯正処置言語スクリプトに変換することをより便利にし得る。
【0180】
図21は、特定領域専用歯科矯正処置言語エディタの為のユーザインターフェースの一例を示す。図21において、ユーザインターフェースは特定領域専用歯科矯正処置言語(記述言語)の構文をサポートするフルコードエディタを提供し得る。ユーザインターフェースは、構文強調、構文チェック、コード自動補完、コードオートインデント及び括弧のマッチング等の先進機能性で、IPLプロトコル作成及び修正を可能にする。技工士は、プロトコルの構文有効性を検証することができ、構文エラーを含む特定の領域を見ることができる。図21では、図示されているプロトコル例は、完全なユーザ専用プロトコルとして表されている。
【0181】
例示的プロトコル管理ユーザインターフェースが図2に示されている。この例において、プロトコルマネジャーは、システムが、1つ又は複数のユーザ専用処置プランニングプロトコルについての情報を表示することを可能にし、又、新たなプロトコルを作成する(図23)、プロトコルのリストを表示する(図22に示すように)、及びプロトコルの名称をアーカイブ、削除、公開又は修正する(図24)及び/又は異なるバージョンのプロトコルを試す、のうち1つ以上を可能にしてもよい。
【0182】
本明細書に記載の何れの方法及びシステムにおいても、推定最終プロトコルは、例えばサンプル患者に基づいて、任意の利用可能な(履歴)事例に適用することによって検証され得る。図25は、システムが検証に使用し得る事例のリストを示すユーザインターフェースの一例を示す。プロトコルが有効であるか、又は、ギャラリー事例とも呼ばれるこれらの履歴事例の何れも使用していないかどうかを精査する為に様式化されたプロトコルが適用され得る。ギャラリー事例は臨床的状態によってカテゴライズされ、匿名化される。
【0183】
図26は、処置レビューと検証の為のユーザインターフェースの一例を示す。図26において、スクリーン(技工士及び/又はユーザのうち何れか又は両者が視認でき得る)の左側2601は、特定領域専用歯科矯正処置言語での推定処置プロトコルを示す。右側2603は、処置プランの各ステージ(ステージは右下2605に示されている)での歯の外観が示されている処置プラン検図を示す。ユーザインターフェース上のコントロールは、ユーザがどのステージを閲覧するか(又はループ処理するか)を選択することを可能にしてもよく、歯の向き及び/又はサイズは、ツール2609のうち1つ以上を用いて調整され得る。従って、アプリケーションは、推定プロトコルが適用された事例の3D処置プランレビューを提供できる。プロトコルの有効性を定義する為に、検証ツールは:四分円毎のアーチ拡張、オーバージェット、オーバーバイト、上下中切歯歯軸の傾斜角の指標のうち何れを表示してもよく、処置プランが最小限の歯根運動プロトコルに適合した場合に警告又はフラグをトリガしてもよい。
【0184】
図27は、種々のユーザ優先選択を示すユーザインターフェースの一例である。幾つかの変形形態では、ユーザインターフェース(例えば、システム用の)は、実際のユーザの臨床的挙動の統計的分析の結果としてユーザの優先選択のリストを表示してもよい。このデータは、優先選択の様式化を増強する為に使用されてよく、技工士とユーザの間の言語コミュニケーション中に看過され得る何らかの特別な見識を与え得る。限定はしないが、頻繁に要求される事例毎のテキストインストラクションのリスト、頻繁に要求されるテキストインストラクションのリストを含む少なくとも幾つかのユーザ優先選択が提供され得る。幾つかの優先選択は、プロトコルスクリプトにエクスポートされ得る特定領域専用歯科矯正処置言語スニペットを含み得る。
【0185】
図29は、処置プランに関するカスタマイズされたユーザインターフェース要素をユーザデバイス上に表示するランタイム要素を構成する方法2900の一例のフローチャートを示す図である。方法2900は、図示したものよりも多数のオペレーションを含んでも少数のオペレーションを含んでもよい。方法2900は、本明細書に記載のシステム、デバイス及び/又は構造何れかの単独又は組み合わせによって実施されてよい。
【0186】
オペレーション2902で、患者向けの1つ以上の処置プランにアクセスする要求がユーザデバイスから受け取られる。ユーザは、歯科医、矯正歯科医又は他の医療専門家であり得る。本明細書に記載する場合、1つ以上の処置プランは、自動エージェントによって生成された1つ以上の自動生成処置プランを備えてよい。カスタマイズされたユーザインターフェース要素は、アプリケーション、ウェブページ、又はユーザデバイス上のモバイルアプリケーション上で表示され得る。
【0187】
オペレーション2904で、処置テンプレートがユーザ用に識別される。処置テンプレートはユーザの処置優先選択を表し得る。処置テンプレートは、種々の処置特定領域専用プロトコルに従って表現され得る。幾つかの例では、処置テンプレートは、1つ以上の処置プランにアクセスする要求が受け取られた後に識別されるが、他の順序も明示的に想定される。本明細書に記載する場合、処置特定領域専用プロトコルは、歯科特定領域専用処置プロトコル、歯科矯正特定領域専用処置プロトコル又はそれらの何らかの組み合わせを含み得る。1つ以上の処置プランは1つ以上の修復処置プラン、1つ以上の歯科矯正処置プラン、又はそれらの何らかの組み合わせを含み得る。幾つかの例では、1つ以上の処置プランは、一連のアライナーを実装して患者の歯を初期位置から最終位置の方に弾性的に再配置するインストラクションを含む。
【0188】
オペレーション2906で、処置テンプレートは処置特定領域専用プロトコルで処理されて、処置テンプレートの1つ以上の部分を、処置プランに関連するカスタマイズされたユーザインターフェース要素をインタラクティブに表示する1つ以上のランタイム要素に変換してもよい。幾つかの実装では、カスタマイズされたユーザインターフェース要素はユーザの処置優先選択による処置プランとの1つ以上のカスタマイズされたユーザインタラクションを提供するように構成される。幾つかの実装では、カスタマイズされたユーザインターフェース要素からの、1つ以上の処置プランのうち少なくとも1つの選択が受け取られ得る。本明細書に記載する場合、カスタマイズされたユーザインターフェース要素は、処置優先選択のインタラクティブ表示を含み得る。本明細書に記載する場合、処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上のインタラクティブ自動条件付き処置ステップを表し得る。一例として、1つ以上のインタラクティブ自動条件付き処置ステップは、患者に関連する患者データによって指示される物理的条件の存在又は不在を条件とする自動処置オプションを含み得る。本明細書で付加的に記載するように、1つ以上のインタラクティブ自動条件付き処置ステップは、患者に関連する患者データによって指示される物理的条件の存在又は不在を条件とする自動処置オプションを含み得、物理的条件は、初期歯位置、処置プランの意図された最終位置、処置プランの処置目標に関し得る。1つ以上のインタラクティブ自動条件付き処置ステップは、処置特定領域専用プロトコルに従って表された1つ以上の条件付き関数に基づき得る。
【0189】
処置優先選択のインタラクティブ表示は、ユーザの履歴処置優先選択、他のユーザの履歴優先選択(例えば、処置の特定の領域における熟練を示す、指定された閾値を超える幾つかの事例を処置したユーザ、処置プランを要求しているユーザが処置した事例よりも多い事例を処置したユーザ等)を表し得る。
【0190】
処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上のインタラクティブ自動反復処置ステップを表し得る。処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上のインタラクティブ自動反復処置ステップを表し得る。幾つかの実装では、1つ以上の自動反復処置ステップは、生体構造の一連の関連部分に亘って処置オプションを繰り返す。更に、1つ以上の自動反復処置ステップは、生体構造の一連の関連部分に亘って処置オプションを繰り返し、生体構造の関連部分は、歯列の特定の領域の歯を含み得る。1つ以上の自動反復処置ステップは処置オプションを生体構造の一連の関連部分に亘って繰り返してよく、1つ以上のインタラクティブ自動反復処置ステップは、処置特定領域専用プロトコルに従って表現された反復関数に基づき得る。
【0191】
処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上の自動化されたネストされた処置ステップを表し得る。処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上の自動化されたリストされた処置ステップを表し得る。処置テンプレートは、パブリック又はプライベート処置テンプレートを含み得る。
【0192】
オペレーション2908で、ユーザデバイス上に1つ以上のランタイム要素を表示するというインストラクションが提供される。オペレーション2910で、処置プランの意図された中間又は最終結果が選択に従って表示される。オペレーション2912で、1つ以上のランタイム要素がユーザデバイスに表示される。
【0193】
図30は、処置プランに関するカスタマイズされたユーザインターフェース要素をユーザデバイスに表示するカスタマイズされたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を構成する一例示的方法3000のフローチャートを示す図である。方法3000は、図示のものよりも多数のオペレーションを含んでも、それより少数のオペレーションを含んでもよい。方法3000は、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び/又は構造の何れの、単独又は組み合わせで実行されてもよい。
【0194】
オペレーション3002で、患者に関する1つ以上の処置プランにアクセスする要求がユーザから受け取られる。
【0195】
オペレーション3004で、処置テンプレートがユーザに関して識別される。処置テンプレートはユーザの処置優先選択を表し得る。処置テンプレートは種々の処置特定領域専用プロトコルに従って表現され得る。
【0196】
オペレーション3006で、処置テンプレートは、処置テンプレートの1つ以上の部分を1つ以上のカスタマイズされた処置ステップに変換する為に処置特定領域専用プロトコルで処理されて、ユーザの処置優先選択による処置プランを実装してもよい。カスタマイズされた処置ステップは、処置プランの少なくとも一部分の適用を、患者に関する物理的条件の存在又は不在に条件付ける、1つ以上の条件付き処置ステップを含み得る。幾つかの実装では、物理的条件は、初期物理的条件又は処置プランの意図された物理的結果に関する。本明細書に記載する場合、カスタマイズされた処置ステップは、処置プランの少なくとも一部分のアプリケーションを、処置プランを患者に実装するように構成された器具に関連する機構に条件付ける1つ以上の条件付処置ステップを含み得る。
【0197】
更に、機構は、例えば、アタッチメント、フック、ゴム、咬合ランプ、パワーリッジ、又はアライナーの一部分の物理的幾何形状のうち1つ以上を含み得る。幾つかの実装では、カスタマイズされた処置ステップは、処置プランの少なくとも一部分の適用を、処置プランの特定のステージで実行される手順に条件付ける1つ以上の条件付き処置ステップを含む。幾つかの実装では、カスタマイズされた処置ステップは、処置プランの少なくとも一部分のアプリケーションを処置プランの特定のステージで実行される手順に条件付ける1つ以上の条件付き処置ステップを含み、処置は、例えば、処置プランに従って実行される隣接面削を含み得る。
【0198】
カスタマイズされた処置ステップは、患者への処置プランの少なくとも一部分の適用を繰り返す1つ以上の反復処置ステップを含み得る。本明細書に記載する場合、1つ以上の自動反復処置ステップは、処置オプションを、生体構造の一連の関連部分に亘って繰り返してよい。更に、1つ以上の自動反復処置ステップは、歯科矯正処置オプションを、患者の歯列の特定の部分に亘って繰り返してもよい。様々な実装において、カスタマイズされた処置ステップは、処置プランの部分を、処置ルールのヒエラルキーに従って編成する1つ以上のネストされた処置ステップを含み得る。処置特定領域専用プロトコルは、歯科特定領域専用処置プロトコル、歯科矯正特定領域専用処置プロトコル、又はそれらの何らかの組み合わせを含み得る。
【0199】
幾つかの実装では、処置テンプレートを処理することは、処置特定領域専用プロトコルを使用して処置テンプレートを構文解析することを含む。処置テンプレートを構文解析することは、処置テンプレートに自動スクリプトを実行することを含み得る。
【0200】
幾つかの実装では、処置プランの少なくとも一部分は、カスタマイズされた処置ステップを使用して収集される。
【0201】
オペレーション3008で、1つ以上のカスタマイズされた処置ステップをカスタマイズされたGUIに表示するというインストラクションが提供される。
【0202】
本明細書で、機構又は要素が別の機構又は要素「上」にあると言及する場合、それは、その別の機構又は要素の上に直接あっても、又は、介在する機構及び/又は要素が存在してもよい。対照的に、機構又は要素が別の機構又は要素の「直接上」にあると言及する場合、介在する機構又は要素は存在しない。機構又は要素が別の機構又は要素に「接続」「装着」又は「結合」されていると言及される場合、それは、その別の機構又は要素に直接接続、装着又は結合されても、又は、介在する機構及び/又は要素が存在してもよいことも理解される。対照的に、機構又は要素が別の機構又は要素に「直接接続」「直接装着」又は「直接結合」されていると言及する場合、介在する機構又は要素は存在しない。一実施形態に関して説明し図示してきたが、そのように説明又は図示された機構及び要素は、他の実施形態にも適用され得る。別の機構に「隣接して」配置された構造又は機構への言及は、隣接する機構に重なる、又はその下に来る部分を有し得ることを、当業者ならば理解するであろう。
【0203】
本明細書で使用された用語は、特定の実施形態を説明する目的のみであって、本発明を限定する意図はない。例えば、本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈が明確に別途示唆しない限り複数形も含むことを意図している。用語「備える(comprises)」及び/又は「備えた(comprising)」は、本明細書で使用される場合、言及された機構、ステップ、オペレーション、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するが、1つ以上の他の機構、ステップ、オペレーション、要素、構成要素及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことも更に理解されよう。本明細書で使用する場合、用語「及び/又は」は、関連する列挙したアイテムのうち1つ以上のあらゆる組み合わせを含み、「/」として略記され得る。
【0204】
「の下(under)」、「の下(below)」、「下方(lower)」、「上(over)」、「上方(upper)」等は、本明細書で、図に示されるように、1つの要素又は機構の、別の要素(複数可)又は機構(複数可)に対する関係性を記述する為の既述し易さの為に使用され得る。空間的相対用語は、図面に描写された配向に加えて、使用中のデバイス又はオペレーションの異なる配向を包含することを意図していることが理解されよう。例えば、図面内のデバイスが反転すれば、他の要素又は機構の「下」又は「下方」と記載された要素は、他の要素又は機構の「上」に配向していることになる。従って、例示的用語「の下」は、上と下の配向両方を包含し得る。デバイスは別途配向してもよく(90度回転又は他の配向)、本明細書で使用される空間的相対記述はそれに従って解釈される。同様に、用語「上方に(upwardly)」、「下方に(downwardly)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)等は、特段に別途示唆しない限り説明の為のみに使用されている。
【0205】
本明細書において、用語「第1の」及び「第2の」は、種々の機構/要素(ステップを含む)を記述する為に使用され得るが、これらの機構/要素は、文脈が別途示唆しない限りこれらの用語によって限定されるものではない。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素から区別する為に用いられ得る。従って、以下に論じる第1の特徴/要素は第2の特徴/要素と呼ばれてもよく、同様に、以下に論じる第2の特徴/要素は、本発明の教示から逸脱せずに第1の特徴/要素と呼ばれてもよい。
【0206】
本明細書及び以下の請求項を通して、文脈が別途要求しない限り、語「備える(comprise)」及び「備える(comprises)」及び「備えた(comprising)」等の変形例は、種々の構成要素が、方法及び物(例えば、デバイス及び方法を含む構成及び装置)に協同して採用され得ることを意味している。例えば、用語「備えた(comprising)」は、あらゆる言及された要素又はステップの包含を意味するが、あらゆる他の要素又はステップの除外を意味しないものと理解される。
【0207】
一般に、本明細書に記載された装置及び方法は何れも包括的と理解されるべきであるが、構成要素及び/又はステップの全て又はサブセットは代替的に排他的であってもよく、種々の構成要素、ステップ、副構成要素又はサブステップから「構成される」、又は代替的に「本質的に構成される」と表現されてもよい。
【0208】
本明細書において、実施例で使用されるものを含め、明細書及び請求項で使用する場合、別途明記しない限り、全ての数字は、用語が明示的に表れない場合であっても、語「約」又は「概ね」が前置されているかの如く読み取られてよい。語句「約」又は「概ね」は、記載される値及び/又は位置が、その値及び/又は位置の合理的に予期される範囲内にあるということを示す為に規模及び/又は位置を記述する場合に使用され得る。例えば、数値は、記載された値(又は値の範囲)の+/-0.1%、記載された値(又は値の範囲)の+/-1%、記載された値(又は値の範囲)の+/-2%、記載された値(又は値の範囲)の+/-5%、記載された値(又は値の範囲)の+/-10%等の値を有してよい。本明細書に記載されるあらゆる数値は、文脈が別途示唆しない限り、約又は概ねその値であるということを含むとも理解されるべきである。例えば、値「10」が開示された場合、「約10」も開示される。本明細書に記載のあらゆる数値範囲は、それに包含されたあらゆる副範囲を含むことを意図している。或る値が開示される場合、当業者ならば適切に理解するであろうことだが、その値「未満」、「その値以上」、及び値間の可能な範囲も開示されることも理解される。例えば、値「X」が開示される場合、「X以下」並びに「X以上」(例えば、Xが数値である場合)も開示される。本願を通して、データが幾つかの異なるフォーマットで提供されること、又、このデータが終点及び始点、及びデータポイントの任意の組み合わせの範囲を表すことも理解される。例えば、特定のデータポイント「10」と特定のデータポイント「15」が開示される場合、10及び15より大きい、10及び15以上、10及び15未満、10及び15以下及び10及び15に等しい、並びに10と15の間が開示されると見なされることが理解される。2つの特定の単位間の各単位も開示されることも理解される。例えば、10及び15が開示された場合、11、12、13及び14も開示される。
【0209】
種々の例示的実施形態を上記で説明したが、特許請求の範囲で記載された本発明の範囲から逸脱せずに、種々の実施形態に幾つかの変更のうち何れの変更がなされてもよい。例えば、種々の記載の方法ステップが実行される順序は、別の実施形態では多くの場合変更され得るものであり、又、他の代替的実施形態では、1つ以上の方法ステップが全部省かれてもよい。種々のデバイス及びシステムの実施形態の随意の特徴は、幾つかの実施形態には含まれ、他の実施形態には含まれないことがある。従って、上記の記述は、主に例示的目的の為に提供されたものであって、特許請求の範囲に規定された本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0210】
本明細書に含まれる実施例及び例示は、例示として、限定ではなく、発明内容が実施され得る特定の実施形態を示す。既述のように、他の実施形態が利用されそこから派生してもよく、その結果、本開示の範囲から逸脱せずに構造的及び論理的置換及び変更が成され得る。発明内容のそのような実施形態は、単に便宜上、用語「発明」によって個々に又は包括的に呼ばれ得るものであって、本出願の範囲を、実際に2つ以上が開示されている場合に、如何なる単一の発明又は発明的概念に自発的に限定する意図はない。従って、特定の実施形態が本明細書で図示され説明されたが、同じ目的を達成するように図られた構成が、示された特定の実施形態と置換されてもよい。本開示は、種々の実施形態のあらゆる適応又は変形例を網羅することを意図している。上記の実施形態、及び、本明細書に明記されていない他の実施形態の組み合わせは、上記の説明を検討すれば当業者には明らかであろう。
〔付記1〕
患者の為の処置をプランニングする方法であって、前記方法が、
プロセッサに、処置する患者に関して選択された処置プロトコルを受け取り、前記選択された処置プロトコルは、ユーザによって処置プロトコルのリストから選択され、前記処置プロトコルのリスト内の処置プロトコルは、以前のユーザの事例に基づいてユーザに対してカスタマイズされ、
1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイをユーザに提示し、
前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を前記ユーザから受け取り、
前記選択された処置プロトコル修正提案を、特定領域専用処置言語での一組の修正インストラクションに変換し、
前記選択された処置プロトコルを、特定領域専用処置言語での一組の修正インストラクションに基づいて修正して、最終処置プロトコルを形成し、
前記最終処置プロトコルを使用して処置プランを生成する、
ことを含む方法。
〔付記2〕
更に、前記処置プランに基づいて1つ以上の処置器具を生成することを含む付記1に記載の方法。
〔付記3〕
前記1つ以上の処置器具は歯科器具を含む付記2に記載の方法。
〔付記4〕
前記1つ以上の処置器具は歯科矯正器具を含む付記2に記載の方法。
〔付記5〕
前記ユーザによって、患者を処置する為のプランを最初に要求することを更に含む付記1に記載の方法。
〔付記6〕
更に、1人以上のサンプル患者の選択を受け取り、前記選択された処置プロトコルを前記選択された1人以上のサンプル患者に適用することを含む付記1に記載の方法。
〔付記7〕
前記ユーザに、前記1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイを提示することは、異なる時点での前記1人以上のサンプル患者への選択された処置プロトコルの効果を示す複数の処置ステージを示すことを含む付記1に記載の方法。
〔付記8〕
更に、前記1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを提示するステップと、前記選択された処置プロトコルへの修正提案を受け取るステップと、前記修正提案を変換するステップと、ユーザが最終処置プロトコルを承認する迄前記選択された処置プロトコルを修正するステップを反復的に繰り返しことを更に含む付記1に記載の方法。
〔付記9〕
前記ユーザに、前記1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイを提示することは、前記処置プロトコルを、サンプル患者の歯のライブラリからの前記1人以上のサンプル患者の歯の1つ以上のデジタルモデルに適用することを含む付記1に記載の方法。
〔付記10〕
以前のユーザの事例に基づいており前記処置プロトコルのリストに含まれている、前記ユーザに対してカスタマイズされたユーザ専用処置プロトコルを生成することを更に含み、前記ユーザ専用処置プロトコルは、
以前に処置された患者からのユーザの優先選択を分析し、
前記ユーザの優先選択及び受け取ったインストラクションを適用して、特定領域専用処置言語でのユーザ専用処置プロトコルを生成し、
新たな処置プロトコルを1人以上のサンプル患者に対して検証する、
ことによって作成される、付記1に記載の方法。
〔付記11〕
患者の為の処置をプランニングする方法であって、前記方法が、
歯科矯正処置プロトコルのリストから選択された、処置する患者の歯に関する処置プロトコルを受け取り、前記歯科矯正処置プロトコルのリスト内の処置プロトコルは、以前のユーザの事例に基づいてユーザに対してカスタマイズされ、
ユーザに、サンプル患者の歯のライブラリからの、1人以上のサンプル患者の歯に適用された、選択された処置プロトコルを示すディスプレイを提示し、
前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を前記ユーザから受け取り、
前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を、特定領域専用処置言語での一組の修正インストラクションに変換し、
前記選択された処置プロトコルを、特定領域専用処置言語での一組の修正インストラクションに基づいて修正して、最終処置プロトコルを形成し、
前記最終処置プロトコルを使用して処置プランを生成する、
ことを含む方法。
〔付記12〕
前記処置プランに基づいて1つ以上の歯科矯正処置器具を生成することを更に含む付記11に記載の方法。
〔付記13〕
前記1つ以上の歯科矯正器具は1つ以上のシェルアライナーを含む、付記12に記載の方法。
〔付記14〕
更に、前記ユーザによって、患者を処置する為のプランを最初に要求することを含む付記11に記載の方法。
〔付記15〕
更に、1人以上のサンプル患者の選択を受け取り、前記選択された処置プロトコルを前記選択された1人以上のサンプル患者に適用することを含む付記11に記載の方法。
〔付記16〕
前記ユーザに、1人以上のサンプル患者の歯に適用された、選択された処置プロトコルを示すディスプレイを提示することは、異なる時点での前記1人以上のサンプル患者への選択された処置プロトコルの効果を示す複数の処置ステージを示すことを含む付記11に記載の方法。
〔付記17〕
前記1人以上のサンプル患者に適用された、選択された処置プロトコルを提示するステップと、前記選択された処置プロトコルへの修正提案を受け取るステップと、前記修正提案を変換するステップと、前記ユーザが最終処置プロトコルを承認する迄、前記選択された処置プロトコルを修正するステップを反復的に繰り返すことを更に含む付記11に記載の方法。
〔付記18〕
前記1人以上のサンプル患者に適用された、選択された処置プロトコルを示すディスプレイを前記ユーザに提示するステップは、前記選択された処置プロトコルを、サンプル患者の歯のライブラリからの前記1人以上のサンプル患者の歯の1つ以上のデジタルモデルに適用することを含む付記11に記載の方法。
〔付記19〕
以前のユーザの事例に基づいており処置プロトコルのリストに含まれている、前記ユーザに対してカスタマイズされたユーザ専用処置プロトコルを生成することを更に含み、前記ユーザ専用処置プロトコルは、
前記ユーザによって以前に処置された患者からのユーザの優先選択を分析し、
前記ユーザの優先選択及び受け取ったインストラクションを適用して、特定領域専用歯科矯正処置言語でのユーザ専用処置プロトコルを生成し、
新たな処置プロトコルを1人以上のサンプル患者に対して検証する、
ことによって作成される、付記11に記載の方法。
〔付記20〕
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合され、1つ以上のプロセッサによって実行された場合にコンピュータ実装方法を実行するインストラクションを記憶している1つ以上の記憶媒体を含み、前記コンピュータ実装方法は、
処置する患者用の処置プロトコルのリストから選択された処置プロトコルを受け取り、前記処置プロトコルのリスト内の選択された処置プロトコルは、以前のユーザの事例に基づいてユーザに対してカスタマイズされており、
1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイをユーザに提示し、
前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を前記ユーザから受け取り、
前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を、特定領域専用処置言語での一組の修正インストラクションに変換し、
前記選択された処置プロトコルを、特定領域専用処置言語での一組の修正インストラクションに基づいて修正して、最終処置プロトコルを形成し、
前記最終処置プロトコルに基づいて前記ユーザに処置プランを提供することを含むシステム。
〔付記21〕
前記コンピュータ実装方法は更に、1つ以上の処置器具を生成することによって前記患者に最終処置プロトコルを適用することを含む付記20に記載のシステム。
〔付記22〕
前記コンピュータ実装方法が更に、前記ユーザに処置プランを提供することの一環として、患者によって装着される一連の歯科矯正器具を含む処置プランを提供することを含む付記20に記載のシステム。
〔付記23〕
前記コンピュータ実装方法が更に、前記ユーザによって、患者を処置する為のプランを最初に要求することを含む付記20に記載のシステム。
〔付記24〕
前記コンピュータ実装方法が更に、1人以上のサンプル患者の選択を受け取り、前記選択された処置プロトコルを、前記選択された1人以上のサンプル患者に適用することを含む、付記20に記載のシステム。
〔付記25〕
前記コンピュータ実装方法が更に、前記1人以上のサンプル患者に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイを前記ユーザに提示することの一環として、異なる時点での前記1人以上のサンプル患者への選択された処置プロトコルの効果を示す複数のステージを示すことを含む、付記20に記載のシステム。
〔付記26〕
前記コンピュータ実装方法が更に、前記1人以上のサンプル患者に適用された、前記選択された処置プロトコルを提示するステップと、前記処置プロトコルへの修正提案を受け取るステップと、前記修正提案を変換するステップと、前記ユーザが最終処置プロトコルを承認する迄、前記選択された処置プロトコルを修正するステップを反復的に繰り返すことを更に含む付記20に記載のシステム。
〔付記27〕
前記コンピュータ実装方法が更に、前記ユーザに提示することの一環として、前記選択された処置プロトコルを、前記サンプル患者の歯のライブラリからの1人以上のサンプル患者の歯の1つ以上のデジタルモデルに適用することを含む付記20に記載のシステム。
〔付記28〕
前記コンピュータ実装方法が更に、以前のユーザの事例に基づいており処置プロトコルのリストに含まれている、前記ユーザに対してカスタマイズされたユーザ専用処置プロトコルを生成することを含み、前記ユーザ専用処置プロトコルは、
前記患者を処置する為のインストラクションを前記ユーザから受け取り、
以前に処置された患者からのユーザの優先選択を分析し、
前記ユーザの優先選択及び受け取ったインストラクションを適用して、特定領域専用処置言語でのユーザ専用処置プロトコルを生成し、
新たな処置プロトコルを1人以上のサンプル患者に対して検証する、
ことによって作成される付記20に記載のシステム。
〔付記29〕
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合され、1つ以上のプロセッサによって実行された場合にコンピュータ実装方法を実行するインストラクションを記憶している1つ以上の記憶媒体を含み、前記コンピュータ実装方法は、
歯科矯正処置プロトコルのリストから選択された、患者の歯を処置する為の処置プロトコルを受け取り、前記歯科矯正処置プロトコルのリスト内の処置プロトコルは、以前のユーザの事例に基づいてユーザに対してカスタマイズされており、
サンプル患者の歯のライブラリから、1人以上のサンプル患者の歯に適用された選択された処置プロトコルを示すディスプレイをユーザに提示し、
前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を前記ユーザから受け取り、
前記選択された処置プロトコルに対する修正提案を、特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションに変換し、
前記選択された処置プロトコルを、特定領域専用歯科矯正処置言語での一組の修正インストラクションに基づいて修正して、最終処置プロトコルを形成し、
前記最終処置プロトコルに基づいて前記ユーザに処置プランを提供することを含むシステム。
〔付記30〕
歯科矯正処置向けの処置プランを生成する方法であって、前記方法が、
1つ以上のプロセッサを有するシステムに、歯科矯正処置をプランニングする為の処置テンプレートを受け取り、前記処置テンプレートは、特定領域専用歯科矯正処置言語で表現され、
前記1つ以上のプロセッサによって、選択された処置テンプレートを、1つ以上の処置プランニングエンジンによって実行可能な処置プランニングインストラクションに構文解析し、
前記1つ以上の処置プランニングエンジンによって、処置プランニングインストラクションを実行して、患者の歯のデジタルモデルの為の1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを含む方法。
〔付記31〕
前記処置プランニングインストラクションを実行することは、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正アライナーを含む1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを含む付記30に記載の方法。
〔付記32〕
前記選択された処置テンプレートを構文解析することは、前記選択された処置テンプレートをデータ交換フォーマットに変換することを含む付記30に記載の方法。
〔付記33〕
受け取ることは、前記ユーザから、処置テンプレートのライブラリからの処置テンプレートの選択を要求することを含む付記30に記載の方法。
〔付記34〕
更に、前記ユーザに選択された前記処置テンプレートを表示し、前記ユーザが前記処置テンプレート内の特定領域専用歯科矯正処置言語を修正することを可能にすることを含む付記33に記載の方法。
〔付記35〕
前記修正することは、前記ユーザにグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提示することを含み、前記GUIは、前記処置テンプレートを修正するユーザ選択されたパラメータを受け取る、付記34に記載の方法。
〔付記36〕
前記特定領域専用歯科矯正処置言語は、前記ユーザの優先選択情報を取得する為の1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を生成する為の1つ以上の指令を含む付記30に記載の方法。
〔付記37〕
前記実行することは、前記処置テンプレートの実行のログトレースを生成することを含む付記30に記載の方法。
〔付記38〕
前記特定領域専用歯科矯正処置言語は対人可読と機械可読の両方である付記30に記載の方法。
〔付記39〕
前記特定領域専用歯科矯正処置言語は、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含む付記30に記載の方法。
〔付記40〕
前記歯位置を指す条件ステートメントは、if及びforループステートメントを含む付記39に記載の方法。
〔付記41〕
歯科矯正処置向けの処置プランを生成する方法であって、前記方法が、
1つ以上のプロセッサを有するシステムに、歯科矯正処置をプランニングする為の処置テンプレートを受け取り、処置テンプレートは、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含む特定領域専用歯科矯正処置言語で表され、
1つ以上のプロセッサによって、選択された処置テンプレートを、1つ以上の処置プランニングエンジンによって実行可能な処置プランニングインストラクションに構文解析し、
前記1つ以上の処置プランニングエンジンによって、前記処置プランニングインストラクションを実行して、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正アライナーを含む患者の歯のデジタルモデルの為の1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを含む方法。
〔付記42〕
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合され、1つ以上のプロセッサによって実行された場合にコンピュータ実装方法を実行するインストラクションを記憶している1つ以上の記憶媒体を備え、前記コンピュータ実装方法は、
前記1つ以上のプロセッサに、歯科矯正処置をプランニングする為の処置テンプレートを受け取り、前記処置テンプレートは特定領域専用歯科矯正処置言語で表され、
前記1つ以上のプロセッサによって、選択された処置テンプレートを1つ以上の処置プランニングエンジンによって実行可能な処置プランニングインストラクションに構文解析し、
前記1つ以上の処置プランニングエンジンによってプランニングインストラクションを実行して、患者の歯のデジタルモデルの為の1つ以上の歯科矯正処置プランを生成する、
ことを含むシステム。
〔付記43〕
前記コンピュータ実装方法が更に、処置プランニングインストラクションを実行することの一環として、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正アライナーを含む1つ以上の歯科矯正処置プランを生成することを含む付記42に記載のシステム。
〔付記44〕
前記コンピュータ実装方法が更に、前記選択された処置テンプレートをデータ交換フォーマットに変換することを含む付記42に記載のシステム。
〔付記45〕
前記コンピュータ実装方法が更に、前記処置テンプレートを受け取ることの一環として、前記ユーザから、処置テンプレートのライブラリからの処置テンプレートの選択を要求することを含む付記42に記載のシステム。
〔付記46〕
前記コンピュータ実装方法が更に、前記処置テンプレートを受け取ることの一環として、ユーザから、処置テンプレートのライブラリからの処置テンプレートの選択を要求し、前記ユーザに選択された処置テンプレートを表示して、前記ユーザが処置テンプレートを修正することを可能にすることを含む付記42に記載のシステム。
〔付記47〕
前記コンピュータ実装方法が更に、前記処置テンプレートの適用のログトレースを生成することを含む付記42に記載のシステム。
〔付記48〕
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合され、1つ以上のプロセッサによって実行された場合にコンピュータ実装方法を実行するインストラクションを記憶している1つ以上の記憶媒体を備え、前記コンピュータ実装方法は、
1つ以上のプロセッサに、歯科矯正処置をプランニングする為の処置テンプレートを受け取り、前記処置テンプレートは、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含む特定領域専用歯科矯正処置言語で表され、
1つ以上のプロセッサによって、選択された処置テンプレートを1つ以上の処置プランニングエンジンによって実行可能な処置プランニングインストラクションに構文解析し、
前記1つ以上の処置プランニングエンジンによって処置プランニングインストラクションを実行して、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正アライナーを含む患者の歯のデジタルモデル専用の1つ以上の歯科矯正処置プランを生成する、
ことを含むシステム。
〔付記49〕
歯科矯正処置の為の処置テンプレートを作成する方法であって、前記方法が、
歯の最終位置決め、歯の移動のステージング、歯上のアタッチメント、患者の歯の初期位置に基づいて患者を処置する為の条件付き操作、患者の歯の最終位置に基づいて患者を処置する為の条件付き操作、臨床症状の存在に基づいて患者を処置する為の条件付き操作のうち2つ以上に関する歯科医療の処置優先選択を収集し、
前記歯科医療従事者の優先選択を特定領域専用歯科矯正処置言語で記述して処置テンプレートを形成し、前記特定領域専用歯科矯正処置言語は、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含み、
更に、前記処置テンプレートは対人可読及び機械可読の両方であり、処置プランを生成する1つ以上のプロセッサによって、1つ以上の処置プランニングエンジンによって実行可能な処置プランニングインストラクションに構文解析されることを含む方法。
〔付記50〕
更に、処置テンプレートを処置プランニングインストラクションに構文解析し、1つ以上の処置プランニングエンジンを使用して、処置プランニングインストラクション及び歯の制御デジタルモデルを実行して、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正アライナーを含む1つ以上の処置プランを生成することによって処置テンプレートを試験することを含む付記49に記載の方法。
〔付記51〕
更に前記処置テンプレートを処置テンプレートのライブラリに記憶することを含む付記49に記載の方法。
〔付記52〕
更に、1つ以上のプロセッサによって、選択された処置テンプレートを1つ以上の処置プランニングエンジンによって実行可能な処置プランニングインストラクションに構文解析することを含む付記49に記載の方法。
〔付記53〕
更に、前記1つ以上の処置プランニングエンジンを使用して患者の歯のデジタルモデルに関する処置プランニングインストラクションを実行して、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正アライナーを含む1つ以上の処置プランを生成することを含む付記52に記載の方法。
〔付記54〕
更に、処置テンプレートを表示して、ユーザが処置テンプレートを修正することを可能にすることを含む付記49に記載の方法。
〔付記55〕
前記記述することは、ユーザにグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提示することを含み、前記GUIは、処置テンプレートを修正するユーザ選択されたパラメータを受け取る、付記49に記載の方法。
〔付記56〕
前記収集することは、歯の最終位置決め、歯の移動のステージング、歯上のアタッチメント、処置する患者に関する、患者の歯の初期位置に基づく条件付き操作、処置する患者に関する、患者の歯の最終位置に基づく条件付き操作、及び処置する患者に関する、臨床症状の存在に基づく条件付き操作のうち3つ又はそれ以上に関する歯科医療従事者の処置優先選択を収集することを含む付記49に記載の方法。
〔付記57〕
前記収集することは、歯の最終位置決め、歯の移動のステージング、歯上のアタッチメント、処置する患者に関する、患者の歯の初期位置に基づく条件付き操作、処置する患者に関する、患者の歯の最終位置に基づく条件付き操作、及び処置する患者に関する、臨床症状の存在に基づく条件付き操作の夫々に関する歯科医療従事者の処置優先選択を受け取ることを含む付記49に記載の方法。
〔付記58〕
歯科矯正処置の為の処置プランを生成する方法であって、前記方法が、
1つ以上のプロセッサによって、処置テンプレートにアクセスし、前記処置テンプレートは、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称、及び歯順序シーケンスの指示を含む特定領域専用歯科矯正処置言語で表現された一組の歯科矯正処置優先選択を含み、
1つ以上のプロセッサによって、歯科矯正処置中の歯の移動に関するルールを識別し、
前記ルールを、前記歯のデジタルモデルから1つ以上の歯科矯正処置プランを生成する為に1つ以上の処置プランニングエンジンによって実行され得るデータ交換フォーマットでの一組の処置プランニングインストラクションに変換することを含む方法。
〔付記59〕
更に、前記1つ以上の処置プランニングエンジンを使用して、処置プランニングインストラクション及び患者の歯のデジタルモデルを実行し、患者によって所定の順序で装着されるように構成された一連の歯科矯正アライナーを含む1つ以上の処置プランを生成することを含む付記58に記載の方法。
〔付記60〕
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合され、1つ以上のプロセッサによって実行された場合にコンピュータ実装方法を実行するインストラクションを記憶している1つ以上の記憶媒体を含み、前記コンピュータ実装方法は、
前記1つ以上のプロセッサによって、処置テンプレートにアクセスし、前記処置テンプレートは、歯科処置ステージの動詞及び名詞ステートメント、歯位置を指す条件ステートメント、歯タイプでの1つ以上の歯の呼称及び歯順序シーケンスの指示を含む特定領域専用歯科矯正処置言語で表された一組の歯科矯正処置優先選択を含み、
歯科矯正処置中の歯の移動に関するルールを、1つ以上のプロセッサによって識別し、
前記ルールを、前記歯のデジタルモデルから1つ以上の歯科矯正処置プランを生成する為に1つ以上の処置プランニングエンジンによって実行され得るデータ交換フォーマットでの一組の処置プランニングインストラクションに変換することを含むシステム。
〔付記61〕
方法であって、
ユーザに関連するユーザデバイスから、患者に関する1つ以上の処置プランにアクセスする要求を受け取り、
ユーザ用の処置テンプレートを識別し、前記処置テンプレートは前記ユーザの処置優先選択を表し、前記処置テンプレートは処置特定領域専用プロトコルに従って表現され、
前記処置テンプレートを前記処置特定領域専用プロトコルで処理して、前記処置テンプレートの1つ以上の部分を、前記処置プランに関するカスタマイズされたユーザインターフェース要素をインタラクティブに表示する1つ以上のランタイム要素に変換し、前記カスタマイズされたユーザインターフェース要素は、ユーザの処置優先選択に応じた処置プランを伴う1つ以上のカスタマイズされたユーザインタラクションを提供するように構成され、
前記1つ以上のランタイム要素をユーザデバイスに表示するインストラクションを提供する、ことを含む方法。
〔付記62〕
更に、前記カスタマイズされたユーザインターフェース要素から1つ以上の処置プランのうち少なくとも1つの選択を受け取ることを含む付記61に記載の方法。
〔付記63〕
更に、前記選択に応答して、前記処置プランの意図した中間又は最終結果を表示することを含む付記61に記載の方法。
〔付記64〕
更に、前記1つ以上のランタイム要素を前記ユーザデバイスに表示することを含む付記61に記載の方法。
〔付記65〕
前記カスタマイズされたユーザインターフェース要素は、前記処置優先選択のインタラクティブディスプレイを含む付記61に記載の方法。
〔付記66〕
前記処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上のインタラクティブ自動条件付き処置ステップを表す付記61に記載の方法。
〔付記67〕
前記処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上のインタラクティブ自動条件付き処置ステップを表し、
前記1つ以上のインタラクティブ自動条件付き処置ステップは、前記患者に関連する患者データによって示唆される物理的条件の存在又は不在に条件付けされる自動処置オプションを含む、付記61に記載の方法。
〔付記68〕
前記処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上のインタラクティブ自動条件付き処置ステップを表し、
前記1つ以上のインタラクティブ自動条件付き処置ステップは、前記患者に関連する患者データによって示唆される物理的条件の存在又は不在に条件付けされる自動処置オプションを含み、
前記物理的条件は、初期歯位置、処置プランの意図された最終位置、処置プランの処置目標に関連する、付記61に記載の方法。
〔付記69〕
前記処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上のインタラクティブ自動条件付き処置ステップを表し、
前記1つ以上のインタラクティブ自動条件付き処置ステップは、処置特定領域専用プロトコルに従って表現された1つ以上の条件付き関数に基づいている、付記61に記載の方法。
〔付記70〕
前記処置テンプレートはパブリック処置テンプレート又はプライベート処置テンプレートを含む付記61に記載の方法。
〔付記71〕
前記処置優先選択のインタラクティブ表示はユーザの履歴処置優先選択を表す付記61に記載の方法。
〔付記72〕
前記処置優先選択のインタラクティブ表示は別のユーザの履歴処置優先選択を表す付記62に記載の方法。
〔付記73〕
前記処置優先選択のインタラクティブ表示は別のユーザの履歴処置優先選択を表し、
前記別のユーザは、処置の特定領域における熟練を示す、指定された閾値を超える第1の数の事例を処置している、付記62に記載の方法。
〔付記74〕
処置優先選択のインタラクティブ表示は前記別のユーザの履歴処置優先選択を表し、
前記指定された閾値は、ユーザが処置した第2の数の事例より大きい、付記62に記載の方法。
〔付記75〕
前記処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上のインタラクティブ自動反復処置ステップを表す、付記61に記載の方法。
〔付記76〕
前記処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上のインタラクティブ自動反復処置ステップを表し、
前記1つ以上の自動反復処置ステップは、生体構造の一連の関連部分に亘って処置オプションを繰り返す、付記61に記載の方法。
〔付記77〕
前記処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上のインタラクティブ自動反復処置ステップを表し、
前記1つ以上の自動反復処置ステップは、生体構造の一連の関連部分に亘って処置オプションを繰り返し、
前記生体構造の関連部分は、歯列の特定領域の歯を含む、付記61に記載の方法。
〔付記78〕
前記処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上のインタラクティブ自動反復処置ステップを表し、
前記1つ以上の自動反復処置ステップは、生体構造の一連の関連部分に亘って処置オプションを繰り返し、
前記1つ以上のインタラクティブ自動反復処置ステップは、処置特定領域専用プロトコルに従って表現された反復関数に基づいている、付記61に記載の方法。
〔付記79〕
前記処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上の自動のネストされた処置ステップを表す、付記61に記載の方法。
〔付記80〕
前記処置優先選択のインタラクティブ表示は、処置優先選択に従って処置プランを実装する為の1つ以上の自動のリストされた処置ステップを表す、付記61に記載の方法。
〔付記81〕
前記1つ以上の処置プランは、自動エージェントによって生成された1つ以上の自動生成処置プランを含む、付記61に記載の方法。
〔付記82〕
前記カスタマイズされたユーザインターフェース要素は、アプリケーション、ウェブページ、又はユーザデバイス上のモバイルアプリケーションに表示される、付記61に記載の方法。
〔付記83〕
前記処置特定領域専用プロトコルは、歯科特定領域専用処置プロトコル、歯科矯正特定領域専用処置プロトコル、又はそれらの何らかの組み合わせを含む、付記61に記載の方法。
〔付記84〕
前記1つ以上の処置プランは、1つ以上の修復処置プラン、1つ以上の歯科矯正処置プラン、又はそれらの何らかの組み合わせを含む、付記61に記載の方法。
〔付記85〕
前記1つ以上の処置プランは、前記患者の歯を、初期位置から最終位置の方に弾性的に再配置する為の一連のアライナーを実装する為のインストラクションを含む、付記61に記載の方法。
〔付記86〕
前記ユーザは、歯科医、矯正歯科医又は他の医療専門家を含む付記61に記載の方法。
〔付記87〕
前記処置テンプレートは、前記1つ以上の処置プランにアクセスする要求が受け取られた後で識別される、付記61に記載の方法。
〔付記88〕
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合されたメモリを備え、前記メモリは、1つ以上のプロセッサによって実行された場合に、前記システムに、方法を実行させるコンピュータプログラムインストラクションを記憶するように構成され、前記方法は、
ユーザに関連するユーザデバイスから、患者に関する1つ以上の処置プランにアクセスする要求を受け取り、
前記ユーザの為の処置テンプレートを識別し、前記処置テンプレートはユーザの処置優先選択を表し、前記処置テンプレートは処置特定領域専用プロトコルに従って表現され、
前記処置テンプレートを前記処置特定領域専用プロトコルで処理して、前記処置テンプレートの1つ以上の部分を、前記処置プランに関するカスタマイズされたユーザインターフェース要素をインタラクティブに表示する1つ以上のランタイム要素に変換し、前記カスタマイズされたユーザインターフェース要素はユーザの処置優先選択による処置プランとの1つ以上のカスタマイズされたユーザインタラクションを提供するように構成され、
前記ユーザデバイス上に1つ以上のランタイム要素を表示するインストラクションを提供することを含むシステム。
〔付記89〕
方法であって、
ユーザに関連するユーザデバイスから、患者に関する1つ以上の処置プランにアクセスする要求を受け取り、
前記ユーザの為の処置テンプレートを識別し、前記処置テンプレートはユーザの処置優先選択を表し、前記処置テンプレートは処置特定領域専用プロトコルに従って表現され、
前記処置テンプレートを前記処置特定領域専用プロトコルで処理して、前記処置テンプレートの1つ以上の部分を、前記ユーザの処置優先選択に従って実装する為の1つ以上のカスタマイズされた処置ステップに変換することを含む方法。
〔付記90〕
更に、前記1つ以上のカスタマイズされた処置ステップを、ユーザデバイス上のカスタマイズされたGUIに表示するインストラクションを提供することを含む付記89に記載の方法。
〔付記91〕
前記カスタマイズされた処置ステップは、処置プランの少なくとも一部分の適用を、患者に関する物理的条件の存在又は不在に条件付ける1つ以上の条件付き処置ステップを含む、付記89に記載の方法。
〔付記92〕
前記カスタマイズされた処置ステップは、処置プランの少なくとも一部分の適用を、患者に関する物理的条件の存在又は不在に条件付ける1つ以上の条件付き処置ステップを含み、
前記物理的条件は、初期物理的条件又は、処置プランの意図した物理的結果に関する、付記89に記載の方法。
〔付記93〕
前記カスタマイズされた処置ステップは、処置プランの少なくとも一部分の適用を、患者に処置プランを実装するように構成された器具に関連する特徴に条件付ける1つ以上の条件付き処置ステップを含む、付記89に記載の方法。
〔付記94〕
前記カスタマイズされた処置ステップは、処置プランの少なくとも一部分の適用を、患者に処置プランを実装するように構成された器具に関連する機構に条件付ける1つ以上の条件付き処置ステップを含み、
前記特徴は、アタッチメント、フック、ゴム、咬合ランプ、パワーリッジ又はアライナーの一部分の物理的幾何形状のうち1つ以上を含む、付記89に記載の方法。
〔付記95〕
前記カスタマイズされた処置ステップは、処置プランの少なくとも一部分の適用を、処置プランの特定のステージで実行される処置に条件付ける1つ以上の条件付き処置ステップを含む、付記89に記載の方法。
〔付記96〕
前記カスタマイズされた処置ステップは、処置プランの少なくとも一部分の適用を、処置プランの特定のステージで実行される処置に条件付ける1つ以上の条件付き処置ステップを含み、
前記処置は、前記処置プランに従って実行される隣接面削合を含む、付記89に記載の方法。
〔付記97〕
前記カスタマイズされた処置ステップは、患者への処置プランの少なくとも一部分の適用を繰り返す1つ以上の反復処置ステップを含む付記89に記載の方法。
〔付記98〕
前記カスタマイズされた処置ステップは、患者への処置プランの少なくとも一部分の適用を繰り返す1つ以上の反復処置ステップを含み、
前記1つ以上の自動反復処置ステップは、生体構造の一連の関連部分に亘って処置オプションを繰り返す、付記89に記載の方法。
〔付記99〕
前記カスタマイズされた処置ステップは、患者への処置プランの少なくとも一部分の適用を繰り返す1つ以上の反復処置ステップを含み、
前記1つ以上の自動反復処置ステップは、前記患者の歯列の特定の部分に亘って歯科矯正処置オプションを繰り返す、付記89に記載の方法。
〔付記100〕
前記カスタマイズされた処置ステップは、前記処置プランの部分を、処置ルールのヒエラルキーに従って編成する1つ以上のネストされた処置ステップを含む付記89に記載の方法。
〔付記101〕
前記処置特定領域専用プロトコルは、歯科特定領域専用処置プロトコル、歯科矯正特定領域専用処置プロトコル、又はそれらの何らかの組み合わせを含む、付記89に記載の方法。
〔付記102〕
更に、前記カスタマイズされた処置ステップを、ユーザデバイス上のインタラクティブユーザインターフェースと連携して実装するインストラクションを提供することを含み、前記インタラクティブユーザインターフェースは処置優先選択を反映している、付記89に記載の方法。
〔付記103〕
前記処置テンプレートを処理することは、前記処置特定領域専用プロトコルを使用して処置テンプレートを構文解析することを含む付記89に記載の方法。
〔付記104〕
前記処置テンプレートを処理することは、前記処置特定領域専用プロトコルを使用して処置テンプレートを構文解析することを含み、
前記処置テンプレートを構文解析することは、前記処置テンプレート上に自動スクリプトを実行することを含む付記89に記載の方法。
〔付記105〕
更に、前記カスタマイズされた処置ステップを使用して前記処置プランの一部分を収集することを含む付記89に記載の方法。
〔付記106〕
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合されたメモリを備え、前記メモリは、1つ以上のプロセッサによって実行された場合に、前記システムに、方法を実行させるコンピュータプログラムインストラクションを記憶するように構成され、前記方法は、
ユーザに関連するユーザデバイスから、患者に関する1つ以上の処置プランにアクセスする要求を受け取り、
前記ユーザの為の処置テンプレートを識別し、前記処置テンプレートはユーザの処置優先選択を表し、前記処置テンプレートは処置特定領域専用プロトコルに従って表現され、
前記処置テンプレートを前記処置特定領域専用プロトコルで処理して、前記処置テンプレートの1つ以上の部分を、1つ以上のカスタマイズされた処置ステップに変換して、ユーザの処置優先選択に従って処置プランを実装する、
ことを含むシステム。
【符号の説明】
【0211】
100 歯科矯正処置プランニングシステム
102 歯科矯正処置プランニングエンジン
104 処置テンプレートエンジン
106 特定領域専用歯科矯正処置言語構文解析エンジン
112 処置テンプレートデータストア
114 歯科矯正処置プランニングインストラクションデータストア
116 歯科矯正処置プランデータストア
120 処置テンプレート修正エンジン
122 特定領域専門歯科矯正処置言語プレートスクリプトエンジン
124 歯科専門家優先選択収集エンジン
126 処置テンプレート試験エンジン
128 処置テンプレートアクセスエンジン
130 歯移動ルールエンジン
132 処置プランニングインストラクション変換エンジン
134 データ交換フォーマットデータストア
208、308 医師
210、310 技工士
216 処置テンプレート
218、318 歯科矯正処置プランニングエンジン
220 歯科矯正処置プラン
222 患者コード
224 処置プランニングインストラクション
226 アライナー製品
228 製品臨床パラメータ
324 処置プランニングインストラクション
330 処置プランニングデータベース
2804 処置プランニングインターフェースシステム
2806 CPMシステム
2810 器具製作システム
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
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図9
図10(i)】
図10(ii)】
図10(iii)】
図10(iv)】
図10(v)】
図10(vi)】
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