IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パラマウントベッド株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報提供装置 図1
  • 特許-情報提供装置 図2
  • 特許-情報提供装置 図3
  • 特許-情報提供装置 図4
  • 特許-情報提供装置 図5
  • 特許-情報提供装置 図6
  • 特許-情報提供装置 図7
  • 特許-情報提供装置 図8
  • 特許-情報提供装置 図9
  • 特許-情報提供装置 図10
  • 特許-情報提供装置 図11
  • 特許-情報提供装置 図12
  • 特許-情報提供装置 図13
  • 特許-情報提供装置 図14
  • 特許-情報提供装置 図15
  • 特許-情報提供装置 図16
  • 特許-情報提供装置 図17
  • 特許-情報提供装置 図18
  • 特許-情報提供装置 図19
  • 特許-情報提供装置 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】情報提供装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20240101AFI20240902BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240902BHJP
   G16H 40/20 20180101ALI20240902BHJP
【FI】
G06Q50/22
G08B25/04 K
G16H40/20
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021041037
(22)【出願日】2021-03-15
(65)【公開番号】P2022140944
(43)【公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】山崎 陽介
(72)【発明者】
【氏名】田村 純一
(72)【発明者】
【氏名】石川 隆史
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/110295(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/021742(WO,A1)
【文献】特開2009-129308(JP,A)
【文献】特開2015-201188(JP,A)
【文献】特開2020-140418(JP,A)
【文献】特開2018-117331(JP,A)
【文献】特開2020-129213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/22
G08B 25/04
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1動作を実施可能な処理部を備え、
前記処理部は、前記第1動作において、
被介助者である複数の対象者に第1サービスを提供する第1ユーザから前記第1サービスの開始の意図の第1入力を受け付け、前記第1サービスは、介助の項目の1つであり、
前記第1入力を受け付けた際の前記複数の前記対象者に関する対象者情報と、時間情報と、に基づいて、前記複数の前記対象者それぞれの優先順位とともに前記介助の項目の1つである前記第1サービスに関する、手順及び内容の少なくともいずれかに関する第1サービス推奨案を決定し、前記時間情報は、前記第1入力の受け付けの第1時刻と、前記第1サービスの後の別の介助の項目の第2サービスの開始予定の第2時刻と、の第1時間差を含み、
前記第1サービス推奨案を前記第1ユーザに対応する第1出力部に提供し
前記対象者情報は、介助必要度情報、対象者能力情報、及び場所情報を含み、
前記介助必要度情報は、前記被介助者に必要な介助の程度を含み、
前記介助の程度は、排泄に関する介助の程度、姿勢に関する介助の程度、離床に関する介助の程度、及び、徘徊に関する介助を含み、
前記対象者能力情報は、前記被介助者の認知症症状、行動能力及び待機能力を含む、情報提供装置。
【請求項2】
前記第1サービス推奨案は、前記複数の対象者に前記第1サービスを提供する順番を含む、請求項1記載の情報提供装置。
【請求項3】
記複数の対象者の少なくとも1人について、前記第1時間差が第1値のときの前記第1サービス推奨案は、前記第1時間差が前記第1値と異なる第2値のときの前記第1サービス推奨案と異なる、請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記第1出力部は、移動通信端末、インターコミュニケーション装置、固定型通信端末、ウェアラブル通信機器、及び、放送機器の少なくともいずれかを含む、請求項1~3のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記介助必要度情報は、前記複数の前記対象者の状態を検出する対象者センサから得られる対象者センサ情報に基づく、請求項1~4のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記対象者センサは、カメラ、ビーコン、臭いセンサ、体動センサ、荷重センサ、及び、加速度センサの少なくともいずれかを含む、請求項5に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記第1サービス推奨案を前記第1出力部に提供した後に第2動作を実施可能であり、
前記処理部は、前記第2動作において、準備推奨案を前記第1出力部に提供可能であり、
前記準備推奨案は、
前記第1サービスに関する複数の準備項目と、
前記複数の準備項目の準備の順番と、
前記複数の準備項目で使用する物品情報と、
の少なくともいずれかに関する、請求項1~のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記第2動作において、
現在時刻と、前記第1サービスの開始予定の第3時刻と、の差と、
前記複数の準備項目の準備に要する時間と、
前記第1ユーザとは異なる第2ユーザの前記複数の前記対象者へのサービス提供開始可能時刻と、
の少なくともいずれかに関する情報を前記第1出力部に提供可能である、請求項7に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記処理部は、第3動作を実施可能であり、
前記処理部は、前記第3動作において、
記複数の前記対象者の少なくとも1人に提供される第3サービスの実施場所にユーザが近づいたことを検出した情報を取得したら、前記第3サービスを実施することを促す情報を前記ユーザに対応する出力部に提供可能である、請求項1~のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【請求項10】
前記実施場所に対応して設けられた通信機器により、前記実施場所に前記ユーザが近づいたことが検出され、
前記処理部は、前記第3サービスに関して入力された情報に基づいて、前記第3サービスが提供される前記少なくとも1人の特定、前記第3サービスの内容の特定、前記第3サービスに用いられる物品、及び、前記第3サービスの開始時刻の少なくともいずれかに関する第3サービス情報を導出し、
前記処理部は、前記通信機器に前記第3サービス情報の少なくとも一部を提供可能であり、
前記処理部は、前記通信機器に、前記ユーザに対応する前記出力部に向けて前記第3サービス情報の前記少なくとも一部を提供させる、請求項9に記載の情報提供装置。
【請求項11】
前記処理部は、第4動作を実施可能であり、
前記処理部は、前記第4動作において、
予定していない状況が発生したことの情報を取得したら、複数の他のユーザの状況に基づいて前記複数の他のユーザに関する推奨案を決定し、
前記複数の他のユーザに関する前記推奨案を前記第1出力部に提供可能である、請求項1~1のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【請求項12】
前記複数の他のユーザの前記状況は、前記予定していない状況が発生したことの前記情報を取得した時における前記複数の他のユーザのそれぞれの状況と、前記複数の他のユーザのそれぞれにおける前記第2時刻までに予定されている業務に要する時間と、を含む、請求項1記載の情報提供装置。
【請求項13】
前記処理部は、前記複数の前記対象者に含まれる第1対象者に関して前記第1ユーザが記録した第1対象者情報を取得可能であり、
前記処理部は、第5動作を実施可能であり、
前記処理部は、前記第5動作において、
前記第1対象者に第3ユーザが近づいたことを検出し、検出した前記第3ユーザが前記第1対象者情報に対応する第3サービスを前記第1対象者に提供すると予測した場合、前記第3ユーザに対応する第3出力部に前記第1対象者情報を提供可能である、請求項1~のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【請求項14】
前記第1対象者に対応して設けられ発信及び受信の少なくともいずれかが可能な第1対象者認識装置と、前記第3ユーザに対応して設けられ発信及び受信の少なくともいずれかが可能な第3ユーザ認識装置と、による通信の結果に基づいて、前記第1対象者に前記第3ユーザが近づいたことが検出される、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項15】
前記第3ユーザの撮像情報、及び、前記第3ユーザの行動予定情報の少なくともいずれかに基づいて、前記第3ユーザが前記第3サービスを前記第1対象者に提供することが予測される、請求項13または14に記載の情報提供装置。
【請求項16】
前記処理部は、第6動作を実施可能であり、
前記処理部は、前記第6動作において、
前記第1ユーザがベッドに居る前記複数の対象者の少なくとも1人にサービスを提供した後におけるベッド状態及び環境状態の少なくともいずれかの検出結果を取得し、
前記ベッド状態は、前記ベッドの柵の状態、前記ベッドの高さの状態、及び、前記ベッドのキャスタのロック状態の少なくともいずれかを含み、
前記環境状は、前記ベッドの周辺の物品の検出結果を含み、前記物品の前記検出結果は、前記物品に関するセンサ、及び、前記物品を撮像可能な撮像部の少なくともいずれかから得られ、
前記検出結果に基づいて、前記ベッドの危険状態を前記第1ユーザに対応する前記第1出力部に提供可能である、請求項1~1のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【請求項17】
記処理部は、第7動作を実施可能であり、
前記処理部は、前記第7動作において、
前記少なくとも1人の前記介助の内容と、前記少なくとも1人の行動の検出結果と、前記少なくとも1人に関する過去の記録情報と、の少なくともいずれかに基づいて、前記少なくとも1人の前記介助の前後における状態の変化を、基準と比較して判断した結果に関する情報を提供可能であり、
前記介助の実施の後の第1期間内における前記基準を、前記第1期間内と異なる第2期間内における前記基準と変更可能である、請求項1~1のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、介助者などのユーザを支援するシステムなどが知られている。より適切な情報を提供することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6770424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、より適切な情報を提供できる情報提供装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、情報提供装置は、第1動作を実施可能な処理部を含む。前記処理部は、前記第1動作において、1または複数の対象者に第1サービスを提供する第1ユーザからの前記第1サービスの開始の第1入力を受け付ける。前記処理部は、前記1または複数の前記対象者に関する対象者情報と、時間情報と、に基づいて、前記第1サービス及び第2サービスの少なくともいずれかに関する、手順及び内容の少なくともいずれかに関する第1サービス推奨案を決定する。前記時間情報は、前記第1入力の受け付けの第1時刻と、前記第1サービスの後の前記第2サービスの開始予定の第2時刻と、の第1時間差を含む。前記処理部は、前記第1サービス推奨案を前記第1ユーザに対応する第1出力部に提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態は、より適切な情報を提供できる情報提供装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る情報提供装置を例示する模式図である。
図2図2は、第1実施形態に係る情報提供システムの一部を例示する模式図である。
図3図3は、第1実施形態に係る情報提供装置の動作を例示するフローチャートである。
図4図4は、第1実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図5図5は、第1実施形態に係る情報提供装置で用いられる情報を例示する模式図である。
図6図6は、第1実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図7図7は、第1実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図8図8は、第2実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図9図9は、第3実施形態に係る情報提供装置の動作を例示するフローチャートである。
図10図10は、第3実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図11図11は、第3実施形態に係る情報提供装置の動作を例示するフローチャートである。
図12図12は、第4実施形態に係る情報提供装置の動作を例示するフローチャートである。
図13図13は、第4実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図14図14は、第4実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図15図15は、第5実施形態に係る情報提供装置の動作を例示するフローチャートである。
図16図16は、第5実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図17図17は、第6実施形態に係る情報提供装置の動作を例示するフローチャートである。
図18図18は、第6実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図19図19(a)及び図19(b)は、第7実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図20図20は、実施形態に係る情報提供装置を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る情報提供装置を例示する模式図である。
図1に示すように、実施形態に係る情報提供装置110は、処理部70を含む。処理部70は、例えば、1または複数のユーザ80Aに情報を提供可能である。複数のユーザ80Aは、例えば、第1~第3ユーザ81~83などを含んで良い。複数のユーザ80Aの数は、任意である。例えば、複数のユーザ80Aのそれぞれに対応して、出力部80Aaが設けられる。出力部80Aaは、出力機能に加えて、入力された情報を受け付ける機能を有しても良い。
【0010】
例えば、第1ユーザ81に対応して、第1出力部81aが設けられる。例えば、第1ユーザ81は、第1出力部81aを保持して良い。第1出力部81aは、例えば、移動通信端末81p、インターコミュニケーション装置81q、固定型通信端末80t、ウェアラブル通信機器(眼鏡型ウェアラブル通信機器81rまたは腕時計型ウェアラブル通信機器81sなど)、及び、放送機器80vの少なくともいずれかを含む。固定型通信端末80t及び放送機器80vは、複数のユーザ80Aで共用されて良い。ウェアラブル通信機器は、ウェアラブルスピーカでも良い。
【0011】
例えば、第2ユーザ82に対して、第2出力部82aが設けられる。例えば、第2ユーザ82は、第2出力部82aを保持して良い。第2出力部82aは、例えば、移動通信端末82p、インターコミュニケーション装置82q、及び、ウェアラブル通信機器(眼鏡型ウェアラブル通信機器82rまたは腕時計型ウェアラブル通信機器82sなど)の少なくともいずれかを含む。
【0012】
例えば、第3ユーザ83に対応して、第3出力部83aが設けられる。例えば、第3ユーザ83は、第3出力部83aを保持して良い。第3出力部83aは、例えば、移動通信端末83p、インターコミュニケーション装置83q、及び、ウェアラブル通信機器(眼鏡型ウェアラブル通信機器83rまたは腕時計型ウェアラブル通信機器83sなど)の少なくともいずれかを含む。
【0013】
ユーザ80Aに対応する出力部80Aaが、後述する認識装置として機能しても良い。例えば、第3ユーザ83の移動通信端末83pは、第3ユーザ認識装置83vとして機能しても良い。
【0014】
処理部70は、出力部80Aaに情報(例えばデータなどの信号)を提供可能である。出力部80Aaは、処理部70から供給された情報に対応する情報を、ユーザ80Aに供給する。出力部80Aaは、例えば、上記の情報を含む画像及び音の少なくともいずれかをユーザ80Aに供給する。これにより、処理部70は、ユーザ80Aに情報を提供できる。
【0015】
ユーザ80Aは、1または複数の対象者88Aにサービスを提供する。1つの例において、サービスは、介助である。実施形態において、サービスは、物品の配達などの種々の業務を含んで良い。
【0016】
以下では、サービスが介助である場合について説明する。例えば、第1ユーザ81は、1または複数の対象者88Aにサービス(例えば第1サービス)を提供する。第1サービスは、1または複数の対象者88Aの介助である。1または複数の対象者88Aは、被介助者である。
【0017】
複数の対象者88Aは、例えば、第1対象者88a、第2対象者88b及び第3対象者88cなどを含む。複数の対象者88Aの数は、任意である。複数の対象者88Aに対応して、複数のベッド87Aが設けられる。複数のベッド87Aは、例えば、第1ベッド87a、第2ベッド87b及び第3ベッド87cなどを含む。複数のベッド87Aの数は任意である。
【0018】
第1~第3対象者88a~88cの名前は、例えば、「ZZZ1」~「ZZZ3」である。第1~第3ユーザ81~83の名前は、「XXXX1」~「XXXX3」である。これらの名前が、記憶部70Mなどに設けられるデータベースに記憶されて良い。
【0019】
実施形態に係る情報提供システム210は、情報提供装置110を含む。情報提供システム210は、記憶部70Mを含んでも良い。記憶部70Mは、処理部70と、データの授受が可能である。記憶部70Mは、情報提供装置110に含まれても良い。情報提供システム210は、少なくとも1つの出力部80Aaを含んでも良い。情報提供システム210は、複数のベッド87Aの少なくとも1つを含んでも良い。処理部70、記憶部70M、複数の出力部80Aa及び複数のベッド87Aの相互の通信は、有線及び無線の任意の方法で行われて良い。
【0020】
対象者88Aの状態が、その対象者88Aに対応するベッド87Aにより検出されても良い。
【0021】
図2は、第1実施形態に係る情報提供システムの一部を例示する模式図である。
図2に示すように、ベッド87Aは、例えば、対象者センサ86Sを含む。対象者センサ86Sは、例えば、カメラ86a、ビーコン86b、臭いセンサ86c、体動センサ86d、荷重センサ86e、及び、加速度センサ86fの少なくともいずれかを含む。カメラ86a、ビーコン86b、臭いセンサ86c、体動センサ86d及び荷重センサ86eは、ベッド87Aまたはその周辺に固定されて良い。加速度センサ86fは、例えば、対象者88Aのそれぞれの体または衣服に付けられても良い。ベッド87Aは、通信機器86iを含んで良い。通信機器86iは、例えば、ビーコン86bを用いた検出結果を処理部70などに出力可能で良い。通信機器86iは、任意のデータを複数のユーザ80Aに対応する通信機器(例えば出力部80Aaで良い)と授受可能で良い。
【0022】
対象者88Aの状態が、その対象者88Aに対応する対象者センサ86Sにより検出されても良い。対象者88Aの状態は、排泄、姿勢、離床、及び、徘徊の少なくともいずれかを含んでも良い。対象者センサ86Sにより、対象者88Aのこれらの状態が検出可能である。後述するように、対象者88Aの状態が分析されて、対象者88Aについての介助の程度が決定されても良い。
【0023】
実施形態に係る処理部70は、以下のような第1動作を実施可能である。以下、第1動作の例について説明する。
【0024】
図3は、第1実施形態に係る情報提供装置の動作を例示するフローチャートである。
図3に示すように、処理部70は、第1動作OP1において、入力(例えば第1入力)を受け付ける(ステップS111)。第1入力は、ユーザ80A(例えば第1ユーザ81)からのサービス(例えば第1サービス)の開始の入力である。第1ユーザ81は、1または複数の対象者88Aに第1サービスを提供する。第1サービスは、1または複数の対象者88A(被介助者)についての複数の介助の項目(種類)の少なくとも1つである。介助の項目は、例えば、排泄介助、食事介助、移動介助、移乗介助、イベント出席介助、及び、外出介助の少なくともいずれかを含む。第1サービスは、例えば、排泄介助、食事介助、移動介助、移乗介助、イベント出席介助、または、外出介助である。
【0025】
例えば、第1ユーザ81が移動通信端末81p(例えばスマートフォン)などを操作して、介助の項目の1つを開始することの意図を入力する。この入力に対応した信号が処理部70に供給されることで、入力(例えば第1入力)が受け付けられる。例えば、第1ユーザ81は移動通信端末81pなどを操作して、介助の項目の2つ以上を開始することの意図を入力しても良い。上記では、第1ユーザ81が、移動通信端末81pで介助の項目の1つを開始することを入力する。実施形態において、例えば、第1ユーザ81が、ヘッドセットを介して音声で介助の項目の1つを開始することを入力してもよい。開始の入力の方法は、任意である。
【0026】
図3に示すように、処理部70は、第1サービス推奨案を決定する(ステップS112)。第1サービス推奨案は、第1サービス及び第2サービスの少なくともいずれかに関する、手順及び内容の少なくともいずれかに関する。処理部70は、1または複数の対象者88Aに関する対象者情報と、時間情報と、に基づいて第1サービス推奨案を決定する。
【0027】
時間情報は、上記の第1入力の受け付けの第1時刻と、第1サービスの後の第2サービスの開始予定の第2時刻と、の第1時間差を含む。例えば、第1サービス(例えば排泄介助)の後の第2時刻に、第2サービス(例えば食事介助)が予定されている。時間情報は、例えば、第1サービスの開始の意図の入力を受けた時刻から、次に予定されている第2サービスまでの時間である。例えば、対象者88Aの状態(対象者情報)、及び、時間情報に基づいて第1サービス推奨案が決定されることで、第1サービスの手順及び内容がより適切に決定できる。
【0028】
時間情報は、例えば、第1時刻と第2時刻との間に予定されている他の作業(例えばサービスまたは準備作業)のための他作業推定時間に関する情報を含んで良い。第1時刻と第2時刻との第1時間差から他作業推定時間を除いた時間が、第1サービスの提供に使用可能な時間に対応する。
【0029】
図3に示すように、処理部70は、決定された第1サービス推奨案を、第1ユーザ81に対応する第1出力部81aに提供する(S113)。第1出力部81a(例えば移動通信端末81p)は、第1サービス推奨案を第1ユーザ81に提供する。提供は、例えば、表示または音などにより行われる。
【0030】
このように、第1ユーザ81が介助の項目の少なくとも1つの開始の意図を入力すると、処理部70で決定されたより適切な推奨案が第1ユーザ81に提示される。第1ユーザ81は、より効率的なサービスを提供できる。
【0031】
図4は、第1実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図4に示すように、処理部70は、対象者情報OI1及び時間情報TI1を取得する。処理部70は、これらの情報に基づいて、第1サービス推奨案SR1を第1出力部81aに提供する。処理部70は、例えばニューラルネットワーク(NNW)を含んで良い。
【0032】
以下に説明するように、例えば、対象者情報OI1は、介助必要度情報及び対象者能力情報を含む。介助必要度情報及び対象者能力情報のそれぞれが数値化されても良い。より定量的な表現が可能になる。
【0033】
図5は、第1実施形態に係る情報提供装置で用いられる情報を例示する模式図である。 図5は、対象者情報OI1を例示している。図5のデータは、例えば、記憶部70Mに記憶される。図5に示すように、対象者88Aの認識情報88IDの欄に、対象者88Aの名前「ZZZ1」、「ZZZ2」及び「ZZZ3」などが設定される。対象者88Aのそれぞれに、介助必要度情報(必要度情報)及び対象者能力情報(能力情報)が設定される。
【0034】
介助必要度情報は、被介助者に必要な介助の程度を含む。介助の程度は、例えば、排泄に関する介助の程度、食事に関する介助の程度、姿勢に関する介助の程度、離床に関する介助の程度、及び、徘徊に関する介助の少なくともいずれかを含む。介助の程度は、例えば、介助の作業の緊急度、介助の作業の必要時間、及び、介助の作業の難易度の少なくともいずれかを含んで良い。姿勢に関する介助は、姿勢を維持または変更する際に必要な介助に対応する。
【0035】
例えば、臭いセンサ86cなどにより、被介助者の排泄が検出される。この場合、介助の作業の緊急度が高くなり、介助必要度情報の排泄の項目の数値が高くなる。
【0036】
このように、介助必要度情報は、例えば、数値化して決定されて良い。既に説明したように、対象者センサ86Sが設けられて良い。対象者センサ86Sは、1または複数の対象者の状態を検出可能である。介助必要度情報は、対象者センサ86Sから得られる対象者センサ情報(計測結果)に基づいて決定されて良い。処理部70が、対象者センサ86Sから得られた計測結果に基づいて介助必要度情報を決定して良い。既に説明したように、対象者センサ86Sは、例えば、カメラ86a、ビーコン86b、臭いセンサ86c、体動センサ86d、荷重センサ86e、及び、加速度センサ86fの少なくともいずれかを含む。
【0037】
対象者能力情報は、被介助者(対象者88A)の認知症症状、行動能力及び待機能力の少なくともいずれかを含む。認知症症状は、被介助者の認知症の程度に対応する。行動能力は、例えば、被介助者の身体的な能力などに対応する。行動能力は、例えば、立ち上がり、歩行、または、体の運動範囲などを含んで良い。待機能力は、例えば、姿勢保持能力、行動抑制能力及び排泄抑制能力の少なくともいずれかを含む。対象者能力情報は、例えば、過去の介助の記録などに基づいて設定されて良い。
【0038】
1つの例において、数値化された介助必要度情報と、数値化された対象者能力情報と、の和が、対象者情報OI1とされる。
【0039】
このような対象者情報OI1が用いられて、第1サービス推奨案SR1が決定される。第1サービス推奨案SR1は、第1サービス及び第2サービスの少なくともいずれかに関する推奨案を含む。第1サービス推奨案SR1は、例えば、次に予定されている第2サービスまでに、被介助者(複数の対象者88A)のそれぞれに、適切な第1サービスを提供できるような推奨案を含む。
【0040】
処理部70は、例えば、数値化された介助必要度情報と、数値化された対象者能力情報と、の和の大きい順に介助を実施するように、第1サービス推奨案SR1を決定しても良い。処理部70は、例えば、数値化された介助必要度情報及び数値化された対象者能力情報の和が時間的に平準化されるように、第1サービス推奨案SR1を決定しても良い。例えば、複数のユーザ80Aがサービス(介助)を行う際に、複数のユーザ80Aのそれぞれが担当するサービスについての数値化された介助必要度情報及び数値化された対象者能力情報が算出される。複数のユーザ80Aの間で、算出された値の差が小さくなり、作業が平準化されるように、第1サービス推奨案SR1が決定されても良い。1つの例において、複数のユーザ80Aのそれぞれが担当するサービスについて算出された上記の値が、時間的に変化する場合がある。このとき、1人のユーザについて算出された上記の値が時間的に平準化されるように、第1サービス推奨案SR1が決定されても良い。
【0041】
1つの例において、第1サービス推奨案SR1は、複数の対象者88A(被介助者)に第1サービスを提供する順番を含む。適切な順番で複数の対象者88Aに第1サービスを提供することで、適切なサービスを効率的に提供できる。
【0042】
別の例において、第1サービス推奨案SR1は、複数の対象者88Aの少なくとも1人について、第1サービスを変更することを含む。第1サービスの変更は、例えば、予定された第1サービスを第2サービスの前に提供しないことを含んでも良い。例えば、第1サービスが食事介助であり、第2サービスが外出である場合がある。外出までの時間が過度に短い場合、時間情報TI1は、外出までの時間が過度に短いという情報を含む。このような時間情報TI1と、介助者に関する対象者情報OI1と、に基づいて、食事の内容を変更する推奨案が提示されても良い。例えば、食事(第1サービス)が、外出(第2サービス)の後に行われることが推奨案として提示されても良い。より適切な第1サービスが提供できる。
【0043】
図5に示すように、複数の対象者88Aのそれぞれに対応する場所(「a1」、「a2」及び「a3」など)が設定されても良い。複数の対象者88Aのそれぞれに対応する場所が考慮されて、推奨案が決定され、提供されても良い。
【0044】
図6は、第1実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図6は、第1動作OP1における第1出力部81aの出力状態を例示している。この例では、第1出力部81aは、移動通信端末81p(例えばスマートフォン)である。
【0045】
図6に示すように、例えば、第1出力部81aのディスプレイ81Dに、第1サービスSS1の候補が表示される。この例では、選択の候補としては、排泄、食事、レクリエーションなどが表示される。この例では、ディスプレイ81Dは、タッチ入力の機能を有する。第1ユーザ81は、表示された第1サービスSS1の候補をタッチする。これにより、候補の1つが選択される。第1ユーザ81が、送信ボタン81Eを押す。これにより、選択された内容が、第1出力部81aにより受け付けられる。第1サービスSS1について、複数の項目が選択されても良い。この例では、第1サービスSS1として排泄介助が選ばれる。第1サービスSS1が、さらに、別の項目(例えば移乗介助)をさらに含んでも良い。
【0046】
このように、第1ユーザ81が、所望の種類の第1サービスSS1を実施する意図を入力する。第1出力部81aがこの入力を受け付ける。第1出力部81aは、受け付けた入力に関する情報を処理部70に供給する。この例では、第1サービスSS1の開始の意図が入力された時刻(第1時刻)は、11:05である。
【0047】
図6に示すように、次に予定されている第2サービスSS2が表示されても良い。この例では、第2サービスSS2は食事である。第2サービスSS2の開始時刻(第2時刻)は、12:10である。この例では、時間情報TI1は、65分である。
【0048】
選択された内容が第1出力部81aを介して処理部70により受け付けられ、処理部70での第1サービス推奨案SR1に関する演算が行われる。演算により、処理部70は、第1サービス推奨案SR1を決定する。処理部70は、決定した第1サービス推奨案SR1を第1出力部81aに出力させる。
【0049】
図7は、第1実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図7は、第1出力部81aの出力状態を例示している。図7に示すように、第1出力部81aのディスプレイ81Dは、第1サービス推奨案SR1を表示する。音による出力が行われても良い。この例では、第第1出力部81aは、移動通信端末81p(例えばスマートフォン)である。
【0050】
図6に示すように、例えば、第1出力部81aのディスプレイ81Dに、第1サービスSS1の作業(この例では排泄介助)の順番の候補が表示される。この例では、名前「ZZZ1」、「ZZZ3」及び「ZZZ2」の順が推奨されている。図6の入力画面において、複数の項目が選択された場合、複数の項目の順番の候補が表示されても良い。この例では、排泄介助の他に、移乗介助の順番が表示されている。
【0051】
このように、実施形態においては、緊急度などを含む対象者情報OI1と、時間的余裕度を含む時間情報TI1と、に基づいて、第1サービスSS1の手順及び内容の少なくともいずれかに関する第1サービス推奨案SR1が決定される。これにより、より適切な第1サービス推奨案SR1を第1ユーザ81に提示できる。より適切な情報を提供できる情報提供装置が提供できる。
【0052】
例えば、時間情報TI1(例えば時間的余裕度)を考慮しないで、対象者情報OI1に基づいて、第1サービスSS1についての推奨案を決定する参考例がある。この場合、次に生じるイベント(第2サービスSS2)までの時間が考慮されない。このため、第1サービスSS1の実施が困難な場合が生じる。
【0053】
これに対して、実施形態においては、対象者情報OI1及び時間情報TI1に基づいて第1サービス推奨案SR1が決定される。例えば、次のイベント(第2サービスSS2)までの時間が過度に短い場合は、第1サービスSS1の内容が変更される。これに基づいて第1ユーザ81が被介助者に介助を提供することで、より適切な介助(サービス)を提供できる。
【0054】
実施形態において、情報提供装置110からユーザ80Aの情報の提供は、ユーザ80Aに対応する出力部80Aaに情報が提供されることで行われる。
【0055】
実施形態において、例えば、事前に計画された1つの第1サービス(例えば介助)を始める前に、ユーザ80Aから第1サービスを始めることの意図が入力される。第1サービスの後に、特定のイベント(第2サービス)が予定されている。特定のイベントは、例えば、食事などの時間依存性の高いイベントである。実施形態においては、第1サービスを始めることの意図が入力された第1時刻と、第2サービスの第2時刻と、の差が考慮されて第1サービスの推奨内容が決定される。例えば、特定のイベントまでに予定されている他の作業にかかると見込まれる作業推定時間が考慮されて良い。
【0056】
実施形態においては、複数の対象者88A(被介助者)に関しての対象者情報OI1(例えば介助必要度情報及び対象者能力情報を含む)が考慮されて第1サービスの推奨内容が決定される。介助必要度情報が、例えば、センサの検出結果から処理部70により判断された介助必要度情報(緊急度情報:排泄状態、姿勢悪化、離床、または徘徊など)を含む。対象者能力情報は、スコア化された介護記録データを含む。これらの情報に基づいて、第1サービスの順番などの推奨案が提案される。介護記録データは、例えば、認知症症状、行動能力及び待機能力の少なくともいずれかに関する。
【0057】
(第1例)
第1例において、排泄介助を開始する第1時刻は、移動介助(外出)を行う第2時刻の10分前である。
第1時刻において、第1対象者88aの状態が以下のとおりであるとする。
・おむつ使用しており、排泄あり(尿)。
・姿勢は、座位。離床中。車椅子使用。
・徘徊(移動)は無く、第1対象者88aの近くに介助者はいない。
・認知症状態は中程度。
・行動能力は低い。
・待機能力(排泄抑制)は中程度。
・現在位置は、食堂。
第1時刻において、第2対象者88bの状態が以下のとおりであるとする。
・排泄なし。
・姿勢は、臥床。離床していない。
・睡眠状態。
・徘徊(移動)は無く、第2対象者88bの近くに介助者はいない。
・認知症状態は高い。
・行動能力は高い。
・待機能力(排泄抑制)は低い。
・現在位置は、自室(102号室)。
第1時刻において、第3対象者88cの状態が以下のとおりであるとする。
・排泄なし。
・姿勢は座位。離床中。
・徘徊(移動)は無く、第3対象者88cの近くに介助者はいない。
・認知症は無し。
・行動能力は、中程度。
・待機能力(排泄抑制)は高い。
・現在位置は、食堂。
この場合、第1~第3対象者88a~88cの優先度は、「第1対象者>第3対象者>第2対象者」となる。第1サービス推奨案SR1の1つの例は、例えば、第1対象者88aについて、排泄が検出されているものの、過去の排泄記録及び次の予定までの残り時間に基づいて、おむつ交換をせずに移動介助を推奨する。第2対象者88bについては、過去の記録及び認知症状態に基づいて、睡眠の継続を優先させる。第3対象者88cについては、特別の問題はなく(緊急度スコアが低い)ので、第1対象者88aの介助が終わった後に対応する(待機可能)。
【0058】
(第2例)
第2例において、健康観察介助を開始する第1時刻は、入浴介助を行う第2時刻の10分前である。健康観察介助は、健康状態を観察する介助であり、例えば血圧を測定する介助を示唆する。
第1時刻において、第1対象者88aの状態は以下のとおりであるとする。
・おむつを使用しており、排泄あり。
・姿勢は横。離床していない。臥床。
・徘徊(移動)は無く、第1対象者88aの近くに介助者はいない。
・認知症状態は中程度。
・待機能力(行動抑制)は高い。
・行動能力は低い。
・現在位置は、自室(102号室)。
第1時刻において、第2対象者88bの状態は以下の通りであるとする。
・排泄無し。
・姿勢は、起立。離床していない。端座位。
・徘徊(移動)はなく、第2対象者88bの近くに介助者はいない。
・認知症状態は高い。
・行動能力は高い。
・待機能力(行動抑制)は低い。
・現在位置は、自室(103号室)。
第1時刻において、第3対象者88cの状態は以下であるとする。
・排泄なし。
・姿勢は、起立、離床中。
・徘徊(移動)中であり、第3対象者88cの近くに介助者はいない。
・認知症はなし。
・行動能力は中程度。
・待機能力(行動抑制)は中程度。
・現在位置は、廊下。
処理部70は、過去の介護記録情報を参照して、第1サービス推奨案SR1を決定する。第1サービス推奨案SR1は、複数のユーザ80Aに対応する複数の出力部80Aaに提供される。この場合、第1~第3対象者88a~88cの優先度は、「第2対象者>第3対象者>第1対象者」となる。例えば、第2対象者88bにおいて、現在は端座位状態であるものの、認知症症状が高く、待機能力(行動抑制)が低く、過去の介護記録から徘徊による問題が発生している。例えば、第2対象者88bにおいては、計画時間を超える時間を要すると判断される。このため、第1サービス推奨案SR1の1つの例において、第2対象者88bの優先度は高い。一方、第1対象者88aにおいて排泄が検出されているものの、自力での移動は困難であるため、現状から変化し難いと推定される。このため、第1対象者88aに関して、計画時間で介助が実施できると判断される。第3対象者88cに関して、入浴介助の前に第3対象者88cが現在位置から別の位置に移動してしまう可能性がある。このため、第3対象者88cに関して、計画時間を超える時間を要する可能性が高い。このため、第1サービス推奨案SR1の1つの例において、第3対象者88cの優先度は、第1対象者88aの優先度よりも高い。
【0059】
(第3例)
第3例において、食堂への移動介助を開始する第1時刻は、食事介助を行う第2時刻の10分前である。第3例においては、安全に関わる内容が重視される。例えば、安全が、業務負担または効率よりも重視される。
第1時刻において、第1対象者88aの状態は以下の通りであるとする。
・排泄なし。
・姿勢は悪い。離床中。車椅子が使用される。
・徘徊(移動)はなく、第1対象者88aの近くに介助者はいない。
・認知症状態は中程度。
・行動能力は低い。
・待機能力(姿勢保持)は低い。
・現在位置は自室(101号室)。
第1時刻において、第2対象者88bの状態は以下の通りであるとする。
・排泄あり。
・姿勢は、起立。離床中。
・徘徊(移動)は中程度であり、第2対象者88bの近くに介助者がいる。
・認知症状態は高い。
・行動能力は高い。
・待機能力(姿勢保持)は中程度。
・現在位置は廊下。
第1時刻において、第3対象者88cの状態は以下の通りであるとする。
・排泄なし。
・姿勢は起立。離床中。
・徘徊(移動)は中程度であり、第3対象者88cの近くに介助者はいない。
・認知症状態はなし。
・行動能力は中程度。
・待機能力(姿勢保持)は高い。
・現在位置は、トイレ。
この場合、第1~第3対象者88a~88cの優先度は、「第1対象者>第2対象者>第3対象者」となる。処理部70は、第1サービス推奨案SR1を複数の出力部80Aaに提供して良い。この例において、第1対象者88aは一人で車椅子に乗っており、姿勢が崩れていてかつ待機能力(姿勢保持)が低いため、転落の可能性がある。このため、処理部70は、第1対象者88aの優先度が高いと判断する。第1サービス推奨案SR1は、最初に第1対象者88aの介助を行うことを推奨する。第2対象者88bに一人の介助者が介助を行っているものの、過去の記録及び認知症状態に基づいて、複数の介助者が介助すべきであると、処理部70は判断する。第1サービス推奨案SR1は、第1対象者88aの介助の後に第2対象者88bの介助を行うことを推奨する。第3対象者88cは、特別の問題がなく(緊急度スコアが低い)。処理部70は、第3対象者88cの優先度が低いと判断する。例えば、安全、業務負担、及び、効率などの優先度(重要度)が、ユーザ80Aなどにより設定可能でも良い。例えば、安全重視モードと、業務負担重視モードと、が切り替えて実施されても良い。
【0060】
以下、いくつかの他の実施形態について説明する。以下の実施形態において、他の実施形態における動作(例えば上記の第1動作OP1など)が実施可能でも良い。以下の実施形態において、情報提供装置110及び情報提供システム210の構成は、第1実施形態におけるそれらと同様で良い。
【0061】
(第2実施形態)
第2実施形態において、処理部70は、以下の第2動作が実施可能でも良い。
図8は、第2実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
処理部70は、第2動作OP2において、準備推奨案PR1を第1出力部81aに提供可能である。図8は、第2動作OP2における第1出力部81aの出力(この例では表示)を例示している。
【0062】
準備推奨案PR1は、第1サービスSS1に関する複数の準備項目PRa1と、複数の準備項目PRa1の準備の順番PRb1と、複数の準備項目で使用する物品情報PRc1と、の少なくともいずれかに関する。例えば、第1サービスSS1が排泄介助である場合、複数の準備項目PRa1は、例えば、おむつの準備、及び、防水シートの準備などを含む。この場合、準備の順番PRb1に応じて、複数の準備項目PRa1が表示される。物品情報PRc1として、例えば、おむつの数、及び、防水シートの数などが表示される。
【0063】
処理部70は、第2動作OP2において、現在時刻と、第1サービスの開始予定の第3時刻と、の差TD1に関する情報を第1出力部81aに提供しても良い。第1出力部81aは、差TD1を表示する。この例では、差TD1として「14分」が表示される。
【0064】
処理部70は、第2動作OP2において、複数の準備項目PRa1のそれぞれの準備に要する時間PRd1に関する情報を第1出力部81aに提供しても良い。第1出力部81aは、複数の準備項目PRa1のそれぞれの準備に要する時間PRd1を表示可能である。
【0065】
処理部70は、第2動作OP2において、他のユーザ80Aの合流時刻を提供可能でも良い。例えば、他のユーザ80Aが現在他の業務を行っている。その後、その他のユーザ80Aは、第1サービスSS1の提供を実施しようとしている第1ユーザ81と一緒に第1サービスSS1の提供の実施が可能な場合がある。このような場合、処理部70は、その他のユーザ80Aにおける他の業務の終了時刻を予測できる。処理部70は、他のユーザ80Aの状況を参照して、第1サービスSS1の共同実施の予定時刻を推定可能でも良い。処理部70は、予定時刻を第1出力部81aに表示させても良い。
【0066】
このように、例えば、処理部70は、第1ユーザ81とは異なるユーザ80A(例えば第2ユーザ81)の、1または複数の対象者88Aへのサービス提供開始可能時刻PRe1に関する情報を第1出力部81aに提供可能でも良い。第1出力部81aは、サービス提供開始可能時刻PRe1を表示可能である。この例では、サービス提供開始可能時刻PRe1として、「11:35」が表示される。この例では、第2ユーザ82の名前「XXXX2」も表示される。
【0067】
実施形態において、複数のユーザ80Aの状況を参照して、上記の第1サービス推奨案SR1を決定しても良い。より効率的な推奨案が提供できる。
【0068】
実施形態においは、事前に計画された1つのサービス(介助)を提供する際に、準備項目などが提供可能である。例えば、サービス(介助)を実行するまでの準備可能時間が提供可能である。例えば、そのサービスの業務に関する準備項目が提供可能である。例えば、準備項目を実施するための必要時間が提供可能である。例えば、準備項目の優先順位が提供可能である。例えば、他のユーザ80Aの参加可能時刻に関する情報が提供可能である。例えば、準備可能時間内に実行できる準備項目がユーザ80Aに提示可能である。
【0069】
(第3実施形態)
第3実施形態において、処理部70は、以下の第3動作が実施可能でも良い。
図9は、第3実施形態に係る情報提供装置の動作を例示するフローチャートである。
図9に示すように、処理部70は、第3動作OP3において、サービス(例えば第3サービス)に関して入力された情報を取得する(ステップS131)。処理部70は、取得したデータを記憶部70Mなどに記憶しても良い。
【0070】
この情報は、複数のユーザ80Aの少なくとも1人により入力される。入力された情報は、例えば、入力時刻の後の他の時刻において、複数のユーザ80Aの少なくとも1人に伝えられるべき情報である。入力された情報は、入力したユーザ80A(例えば第1ユーザ81)、または、入力したユーザ80Aとは異なるユーザ80A(例えば第3ユーザ83)へ伝えられることを意図して入力される。入力された情報は、例えば、忘れないための記録、または、他のユーザ80Aへの連絡事項(「申し送り事項」)に対応する。
【0071】
入力された情報は、例えば、テキスト情報、画像情報、及び、音声情報の少なくともいずれかを含む。画像情報は、映像情報を含んでも良い。入力された情報は、例えば、1または複数の対象者88Aの少なくとも1人に提供されるサービス(例えば第3サービス)に関する。
【0072】
第3サービスは、提供されるべき複数の対象者88Aに対応する場所で提供される。複数の対象者88Aに対応して、場所(例えば、「a1」、「a2」及び「a3」など)が設定されている(図5参照)。設定された場所は、複数の対象者88Aに対応するベッド87Aの位置などと関連づけられても良い。設定された場所にユーザ80Aが近づいたことが、例えば、ビーコン86bなどを用いて検出されても良い。処理部70は、検出結果を取得する。
【0073】
図9に示すように、処理部70は、第3サービスの実施場所においてユーザ80Aを検出したかどうかを判断する(ステップS132)。検出しない場合は、ステップS132を繰り返す。検出した場合は、処理部70は、サービス(第3サービス)の提供を促す(ステップS133)。
【0074】
このように、処理部70は、第3サービスの実施場所にユーザ80Aが近づいたことを検出した情報を取得したら、第3サービスを実施することを促す情報をそのユーザ80Aに対応する出力部80Aaに提供可能である。
【0075】
第3サービスの実施場所に、情報を入力したユーザ80A(第1ユーザ81)が近づく場合は、第1ユーザ81に第3サービスの実施を思い出させる。情報を入力したユーザ80A(第1ユーザ81)とは異なるユーザ80A(例えば第3ユーザ83)が近づく場合は、第3ユーザ83に第3サービスに関する連絡事項が通知される。
【0076】
このように、第3サービスの実施場所に対応して設けられた通信機器86i(ビーコン86bなど)により、実施場所にユーザ80Aが近づいたことが検出されて良い。
【0077】
処理部70は、第3サービスに関して入力された情報に基づいて、第3サービスが提供されるべき複数の対象者88A(被介助者)の少なくとも1人を特定できる。処理部70は、第3サービスに関して入力された情報に基づいて、第3サービスが提供されるべき場所を特定できる。処理部70は、第3サービスに関して入力された情報に基づいて、第3サービスの内容を特定できる。処理部70は、第3サービスに関して入力された情報に基づいて、第3サービスに用いられる物品などを特定可能でも良い。処理部70は、第3サービスに関して入力された情報に基づいて、第3サービスの開始時刻などを特定可能でも良い。
【0078】
第3サービスが提供されるべき複数の対象者88Aの特定、第3サービスが提供されるべき場所の特定、第3サービスの内容の特定、及び、第3サービスに用いられる物品の特定、及び、第3サービスの開始時刻の少なくともいずれかは、第3サービス情報に含まれる。
【0079】
図10は、第3実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図10は、ステップS133における第3動作OP3を例示している。図10は、出力部80Aa(この例では、第1出力部81a)の出力状態を例示している。
【0080】
図10に示すように、第1出力部81aは、上記の第3サービス情報を出力可能(この例では、表示可能)である。例えば、第1出力部81aは、第3サービスが提供される複数の対象者88Aの少なくとも1人の名前「ZZZ3」を表示可能である。第1出力部81aは、第3サービスの内容(この例では、排泄介助)を表示可能である。第1出力部81aは、第3サービスに用いられる物品(この例では、おむつ及び防水シートなど)を表示可能である。第1出力部81aは、第3サービスの開始時刻(この例では、「14:10」)を表示可能である。
【0081】
このように、処理部70は、上記の第3サービス情報を導出可能である。1つの例においては、処理部70は、処理部70から出力部80Aaに第3サービス情報を提供する。出力部80Aaが、第3サービス情報をユーザ80Aに向けて出力する。
【0082】
別の例においては、処理部70は、導出された上記の第3サービス情報を、第3サービスの提供場所に設けられた通信機器86iに提供しても良い。この場合、通信機器86iから出力部80Aaに第3サービス情報が提供される。通信機器86iは、例えばビーコン86bなどを含んで良い。この場合、以下のような処理が行われる。
【0083】
図11は、第3実施形態に係る情報提供装置の動作を例示するフローチャートである。 図11に示すように、処理部70は、第3動作OP3において、サービス(例えば第3サービス)に関して入力された情報を取得する(ステップS131)。処理部70は、取得したデータを記憶部70Mなどに記憶しても良い。
【0084】
処理部70は、通信機器86iに第3サービス情報の少なくとも一部を提供する(ステップS131a)。
【0085】
通信機器86iは、第3サービスを提供すべき場所において、ユーザ80Aを検出する(ステップS132a)。通信機器86iは、第3サービスを提供すべき場所において、ユーザ80Aを検出したかどうかを判断する(ステップS132)。ユーザ80Aを検出しない場合、ステップS132を繰り返す。ユーザ80Aを検出した場合、次のステップS133に進む。
【0086】
この例では、ステップS133において、通信機器86i(または処理部70)は、検出されたユーザ80Aが対応可能かどうか(第3サービスを提供可能などうか)を判断する。対応可能でない場合、ステップS132aに戻る。対応可能な場合、次のステップS134に進む。
【0087】
この例では、ステップS134において、通信機器86iは、検出されたユーザ80Aに対応する出力部80Aaに向けて第3サービス情報の少なくとも一部を提供する。このように、処理部70は、通信機器86iに、検出されたユーザ80Aに対応する出力部80Aaに向けて第3サービス情報の少なくとも一部を提供させても良い。
【0088】
例えば、ユーザ80Aが現在行っている業務とは異なる業務(第3サービス)を実行する場合がある。この異なる業務の時間または場所は、現在行っている業務のそれらとは異なる。このような場合に、ユーザ80Aは、上記の異なる業務(第3サービス)についての情報を入力可能である。この情報は、実行すべき異なる業務の内容、対象者88A、使用する物品、及び、時間に関する情報を含む。この情報は、テキスト情報または音声情報などで良い。処理部70は、入力された情報を取得する。処理部70は、その情報から、その異なる業務(第3サービス)の実施場所を特定する。例えば、その実施場所に設けられた通信機器86i(ビーコン86bを含む)に第3サービス情報を提供する。通信機器86i(ビーコン86bを含む)において、第3サービス情報のデータが、例えば、上書き記憶される。
【0089】
例えば、通信機器86i(例えばビーコン86bなど)が、ユーザ80Aが指定した時間付近にその実施場所に近づいたことを検出する。検出に基づいて、通信機器86iが記憶した第3サービス情報が、そのユーザ80Aに対応する出力部80Aaに出力される。
【0090】
(第4実施形態)
第4実施形態において、処理部70は、以下の第4動作が実施可能でも良い。
図12は、第4実施形態に係る情報提供装置の動作を例示するフローチャートである。 図12に示すように、処理部70は、第4動作OP4において、予定していない状況が発生したことの情報を取得する(ステップS141)。例えば、1人のユーザ80A(例えば第1ユーザ81)などが出力部80Aaに設けられる入力機能を用いて、予定していない状況が発生したことに関する情報を入力する。予定しない状況は、例えば、突発状況である。
【0091】
処理部70は、他のユーザ80Aを含む複数のユーザ80Aの現在の状況(業務の実施状態など)に関する情報を取得する(ステップS142)。例えば、サービスの提供計画、及び、そのときの実施状況などに関する情報が取得される。
【0092】
処理部70は、ユーザ80Aの状況に基づいて、突発状況への対応に参加可能な推奨案を決定する(ステップS143)。
【0093】
処理部70は、決定した推奨案をユーザ80Aに提供する(ステップS144)。例えば、参加可能な特定のユーザ80A、及び、突発状況が発生したことの情報を入力したユーザ80A(第1ユーザ81)などに推奨案が提供されても良い。全てのユーザ80Aに推奨案が提供されても良い。
【0094】
例えば、ユーザ80Aが合意したかどうかが判断されても良い(ステップS145)。ユーザ80Aが合意しない場合は、ステップS143に戻り、他の推奨案が決定される。ユーザ80Aが合意した場合は、待機状態(ステップS140)に戻る。
【0095】
図13は、第4実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図13は、第4動作OP4における出力部80Aaの出力(表示)を例示している。この例では、第1ユーザ81(名前は「XXXX1」)により、突発状況が発生したことの情報が入力される。推奨案において、第3ユーザ83の参加が推奨されている。第3ユーザ83に対応する第3出力部83aに応援要請が表示される。
【0096】
図14は、第4実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図14は、第4動作OP4における固定型通信端末80tの出力(表示)を例示している。固定型通信端末80tは、例えば、スタッフスターションなどに置かれる。図14に示すように、推奨案として複数のユーザ80Aが提案されても良い。複数のユーザ80Aに関する優先度が提案されも良い。
【0097】
実施形態において、処理部70は、例えば、複数の他のユーザ80Aの状況に基づいて、複数の他のユーザ80Aに関する推奨案を決定して良い。処理部70は、例えば、複数の他のユーザ80Aに関する推奨案を出力部80Aa(例えば第1出力部81aでも良い)に提供可能である。
【0098】
この場合、複数の他のユーザ80Aの状況は、予定していない状況が発生したことの情報を取得した時における複数の他のユーザ80Aのそれぞれの状況を含む。複数の他のユーザ80Aの状況は、複数の他のユーザ80Aのそれぞれにおける次の予定(例えば第2サービス)の開始の時刻(例えば第2時刻)までに予定されている業務に要する時間を含んで良い。これらの状況に関する情報に基づいて、推奨案が決定される。
【0099】
このように、突発状況が発生したときに、応援に関する推奨案が決定されて良い。推奨案は、例えば、他の作業内容優先度に基づいて決定されて良い。推奨案は、例えば、その後に予定されている特定のイベント(例えば第2サービス)の第2時刻までに予定している他の作業に要する後作業推定時間などに基づいて決定されて良い。このような推奨案がユーザ80Aに提供されることで、突発状況が発生した場合においても、より効果的なサービスが提供できる。
【0100】
(第5実施形態)
第5実施形態において、処理部70は、以下の第5動作が実施可能でも良い。
図15は、第5実施形態に係る情報提供装置の動作を例示するフローチャートである。 図15に示すように、処理部70は、第5動作OP5において、第1対象者情報を取得可能である(ステップS151)。第1対象者情報は、1または複数の対象者88Aに含まれる第1対象者88aに関して第1ユーザ81が記録した情報である。第1対象者情報は、例えば、「申し送り事項」などを含む。第1対象者情報は、例えば、テキスト情報、画像情報及び音声情報の少なくともいずれかを含んで良い。画像情報は、映像情報を含んでも良い。
【0101】
図15に示すように、処理部70は、第1対象者88aにユーザ80A(例えば、第3ユーザ83でも良い)が近づいたことを検出したかどうかを判断する(ステップS152)。検出しない場合、ステップS152が繰り返される。検出した場合、ステップS153に進む。
【0102】
ステップS153では、処理部70は、検出されたユーザ80A(例えば第3ユーザ83)が第1対象者情報に対応する第3サービスを第1対象者88aに提供すると予測するかどうかを判断する。例えば、事前に作成される計画などを参照することで、特定のユーザ80A(例えば第3ユーザ83)が、特定のサービス(第3サービス)を第1対象者88aに提供することが判断される。この他、ユーザ80A(例えば第3ユーザ83)の撮像情報などにより、第3ユーザ83の行動が推測され、その結果に基づいて、特定のユーザ80A(例えば第3ユーザ83)が、特定のサービス(第3サービス)を第1対象者88aに提供することが予測されても良い。
【0103】
特定のユーザ80A(例えば第3ユーザ83)が第1対象者情報に対応する第3サービスを第1対象者88aに提供すると予測されない場合は、ステップS152に戻る。特定のユーザ80A(例えば第3ユーザ83)が第1対象者情報に対応する第3サービスを第1対象者88aに提供すると予測される場合は、ステップS154に進む。
【0104】
ステップS154では、検出したユーザ80A(例えば第3ユーザ83)に対応する出力部80Aa(例えば第3出力部83a)に第1対象者情報(例えば「申し送り事項」)を提供する。
【0105】
これにより、第1対象者情報に対応する特定のサービスを第1対象者88aに提供する際に、対応する第1対象情報(例えば「申し送り事項」)を適切にユーザ80Aに提供できる。提供の時刻は、適切に定められて良い。例えば、必要であると推定される時刻(タイミング)に第1対象者情報がユーザ80Aに提供されても良い。
【0106】
例えば、第1対象者88aに特定のユーザ80A(例えば第3ユーザ83)が近づいたことは、例えば、センサなどにより検出されても良い。例えば、第1対象者認識装置86v(図2参照)が設けられる。第1対象者認識装置86vは、第1対象者88aに対応に対応して設けられる。第1対象者認識装置86vは、発信及び受信の少なくともいずれかが可能である。第1対象者認識装置86vは、例えば、ビーコン86bなどを含んでも良い。第1対象者認識装置86vは、例えば、RFID(radio frequency identifier)などを含んでも良い。
【0107】
第1対象者88aに特定のユーザ80A(例えば第3ユーザ83)が近づいたことは、例えば、ユーザ認識装置(例えば、第3ユーザ認識装置83v、図1参照)により検出されても良い。1つの例において、ユーザ認識装置(例えば第3ユーザ認識装置83v)は、例えば、第3ユーザ83の移動通信端末83pである。
【0108】
このように、例えば、第1対象者認識装置86v(第1対象者88aに対応に対応して設けられ発信及び受信の少なくともいずれかが可能な認識装置)と、第3ユーザ認識装置83v(第3ユーザ83に対応して設けられ発信及び受信の少なくともいずれかが可能な認識装置)と、による通信の結果に基づいて、第1対象者88aに第3ユーザ83が近づいたことが検出されて良い。
【0109】
例えば、第3ユーザ83の撮像情報、及び、第3ユーザ83の行動予定情報の少なくともいずれかに基づいて、第3ユーザ83が第3サービスを第1対象者88aに提供することが予測されて良い。
【0110】
図16は、第5実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図16は、第5動作OP5における出力部80Aaの出力(表示)を例示している。この例では、第3ユーザ83の第3出力部83aに第1対象者情報として「申し送り事項」が出力(表示)される。
【0111】
このように、実施形態において、別のユーザ80Aが特定の対象者88A(第1対象者88a)に近づいた際に、その別のユーザ80Aがその業務を引き継ぐかどうかが判断される。検出したユーザ80Aが、業務を引き継ぐユーザ80Aである場合に、申し送り事項に関する情報がそのユーザ80Aに対応する出力部80Aaに提供される。業務を引き継いだユーザ80Aに、適切なタイミングで申し送り事項が伝えられる。
【0112】
(第6実施形態)
第6実施形態において、処理部70は、以下の第6動作が実施可能でも良い。
図17は、第6実施形態に係る情報提供装置の動作を例示するフローチャートである。 図17に示すように、処理部70は、第6動作OP6において、ベッド状態及び環境状態の少なくともいずれかの検出結果を取得する(ステップS161)。ベッド状態及び環境状態の少なくともいずれかは、複数のユーザ80Aの1人(例えば第1ユーザ81)がベッドに居る対象者88A(1または複数の対象者88Aの少なくとも1人)にサービスを提供した後における、ベッド状態及び環境状態である。
【0113】
上記のベッド状態は、ベッド87Aの柵86g(図2参照)の状態、ベッド87Aの高さの状態、及び、ベッド87Aのキャスタ86jのロック状態の少なくともいずれかを含む。ベッド87Aの柵86gの状態は、例えば、柵86gに対応するベッド部材に設けられるセンサなどにより検出可能である。ベッド87Aの高さの状態は、例えば、ベッド87Aに設けられるアクチュエータ86hなどにより検出可能である。ベッド87Aの高さは、例えば、床面を基準にしたときの、ベッド87Aのボトムの上面の高さである。ベッド87Aのキャスタ86jのロック状態は、ベッド87Aのキャスタ86jに設けられるセンサなどにより得られる。
【0114】
上記の環境状況は、ベッド87Aの周辺の物品の検出結果を含む。物品の検出結果は、物品に関するセンサ86k、及び、物品を撮像可能な撮像部86lの少なくともいずれかから得られて良い。
【0115】
図17に示すように、処理部70は、ベッド状態及び環境状態の少なくともいずれかの検出結果に基づいて、危険状態があるかどうかを判断する(ステップS162)。例えば、ベッド87Aの柵86gが上がっている場合は、危険状態ではない。例えば、ベッド87Aの高さが最も低い状態の場合は、危険状態ではない。例えば、キャスタ86jがロックされている場合は、危険状態ではない。ベッド87Aの周辺において、物品が検出されない場合は、危険状態ではない。
【0116】
危険状態ではない場合は、ステップS161に戻る。
【0117】
危険状態である場合、ベッド87Aの危険状態に関する情報を、上記の第1ユーザ81に対応する第1出力部81aに提供する(ステップS163)。危険状態が複数のユーザ80Aの少なくとも1人に通知される。より安全なサービスを提供できる。
【0118】
図18は、第6実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
図18に示すように、危険状態である場合、処理部70の動作に基づいて、例えば、第1出力部81aに、危険状態であることを示す情報が出力(例えば表示)される。この例では、キャスタ86jがロックされていないことが通知される。
【0119】
(第7実施形態)
第7実施形態において、処理部70は、以下の第7動作が実施可能でも良い。
第7実施形態において、1または複数の対象者88Aの少なくとも1人は、介助のサービスを受ける。介助のサービスにおいて、複数の対象者88Aの上記の少なくとも1人について、介助の内容、その対象者88Aの行動の検出結果、及び、その対象者88Aに関する過去の記録情報が保存されて良い。これの情報は、例えば、記憶部70Mなどに記憶される。対象者88Aの行動の検出は、例えば、行動センサにより行われることが可能である。行動センサとして、例えば、カメラ86a(図2参照)、携帯情報端末、またはウェアラブル機器などが用いられて良い。過去の記録情報は、例えば、複数のユーザ80Aなどにより記録される。
【0120】
これらの情報に基づいて、その対象者88Aの状態が検出される。例えば、1つの種類の介助を行う前における上記の情報と、その介助を行った後における上記の情報と、が比較される。この比較により、その対象者88Aの状態(例えば体調不良などの状態)が検出される。介助の前後の比較により、その対象者88Aの体調の変化が推定可能である。
【0121】
例えば、上記の介助の前後の比較の際に、介助の前後の差についての基準値が設けられる。例えば、介助の前後の差が基準値以下の場合、その介助に基づく悪影響が実質的になさそうだと判断される。介助の前後の差が基準値を超えると、その介助に起因する影響が生じる可能性がある。
【0122】
実施形態においては、介助の後の1つの期間において、基準値を変更する。基準値の変更により、介助に起因した体調の変化をより的確に検出できる。
【0123】
以下、基準値の変更の例について説明する。
図19(a)及び図19(b)は、第6実施形態に係る情報提供装置の動作を例示する模式図である。
これらの図の横軸は、時間tmである。縦軸は、基準値THxである。図19(a)に示すように、1つの例において、1つの期間Tsvにおいて、1つの介助が行われる。期間Tsvの終了の時刻を時刻ts1とする。時刻ts1よりも前において、基準値THxは第1値TH1である。時刻ts1と、その後の時刻ts2と、の間の期間において、基準値THxは、第2値TH2に変更される。図19(a)の例では、時刻ts2の後において、基準値THxは、第1値TH1に戻る。
【0124】
図19(b)の例では、時刻ts2の後において、基準値THxは、第3値TH3に設定される。さらに後の時刻に、基準値THxが元の第1値TH1に戻されても良い。
【0125】
このように、処理部70は、第7動作OP7において、対象者88Aの上記の少なくとも1人の介助の内容と、上記の少なくとも1人の行動の検出結果と、上記の少なくとも1人に関する過去の記録情報と、の少なくともいずれかに基づいて、上記の少なくとも1人の介助の前後における状態の変化を、基準と比較する。処理部70は、上記の少なくとも1人の介助について、体調の変化の有無を判断(推定)する。処理部70は、基準との比較により判断された結果に関する情報を提供可能である。情報は、例えば、複数のユーザ80Aの少なくとも1人に対応する出力部80Aaに提供される。
【0126】
処理部70は、第7動作OP7において、介助の実施の後の第1期間内(時刻ts1と時刻ts2との間の期間内)における基準を、第1期間内と異なる第2期間内における基準と変更可能である。
【0127】
以下、複数の介助のいくつかの例について説明する。以下の説明において、「利用者」または「患者」は、複数の対象者88Aの少なくとも1人に対応する。以下の説明において、「介助者」または「スタッフ」は、複数のユーザ80Aの少なくとも1人に対応する。
【0128】
(排泄介助)
処理部70は、例えば、事前に計画された排泄業務を始める前に、該当する利用者が排泄をしているかどうかの排泄センサの情報と、スコア化された介護記録データ(認知症症状、行動能力及び待機能力など)と、その後のある特定のイベントまでに予定している他の作業にかかると見込まれる後作業推定時間と、に基づいて、どの利用者から優先的に作業を進めるべきかについて推奨案を提示可能である。
【0129】
1つの例において、特定イベント(例えば第2サービス)は、朝食である。第2時刻までに予定している他の作業は、食事準備である。食事準備のための時間(後作業推定時間)は、20分である。例えば、第1対象者88aにおいて、排泄有りであり、待機能力(行動抑制)は低い。この場合、第1対象者88aについての排泄介助の優先度は低く設定される。例えば、第2対象者88bにおいて、排泄有りであり、待機能力(行動抑制)は高い。この場合、第2対象者88bについての排泄介助の優先度は高く設定される。この場合、第2対象者88bについての排泄介助を、第1対象者88aについての排泄介助よりも前に実施するという推奨案が提示される。
【0130】
処理部70は、例えば、事前に計画された排泄業務を始める前に、該当する利用者が排泄をしているかどうかの排泄センサの情報と、スコア化された介護記録データ(認知症症状、行動能力及び待機能力など)と、トイレ関係備品の準備状況情報(共用トイレの空き/使用人数カウント、ポータブルトイレのセッティング完了有無/カメラ)と、に基づいて、排泄介助をどこで行うべきかについての推奨案を提示可能である。ポータブルトイレは、持ち運び可能な簡易型トイレである。
【0131】
例えば、1つの状態において、排泄なしであり、待機能力(排泄抑制)が高く、トイレ空が無しで、ポータブルトイレがある場合は、「トイレ待機」の推奨案が提示される。別の状態において、排泄なしであり、待機能力(排泄抑制)が低く、トイレ空が無しであり、ポータブルトイレがある場合は、「ポータブルトイレによる排泄介助」の推奨案が提示される。
【0132】
処理部70は、例えば、排泄(おむつ交換)介助時に、その時の(おむつ下)皮膚画像データと、同一患者の前日の(おむつ下)皮膚画像データと、正常な(おむつ下)皮膚画像と、疾患を有する(おむつ下)皮膚画像と、に基づいて、その時の皮膚状態が良好であるのか、皮膚疾患を有しているのか、状態や疾患が悪化傾向にあるのか、及び、状態や疾患が寛解傾向にあるのか、の少なくともいずれかについて判断可能である。
【0133】
1つの例において、当日の皮膚画像データが、正常皮膚データ及び異常皮膚データと比較される。比較結果に基づいて、処理部70は、当日の皮膚が正常か異常かを判断する。別の例において、当日の皮膚画像データが、前日の皮膚データと比較される。処理部70は、皮膚状態が回復傾向か悪化傾向かを判断する。これらの例において、排泄介助の際に、処理部70は、データ取得及び判断を行う。
【0134】
処理部70は、例えば、排泄(おむつ交換)介助時に、その時の(おむつ下)皮膚画像データと、同一患者の前日の(おむつ下)皮膚画像データと、正常な(おむつ下)皮膚画像と、疾患を有する(おむつ下)皮膚画像と、これまでの治療経過と、これまで使用してきた薬剤情報と、に基づいて、病院(または訪問看護)の受診をさせるべきかどうかについての推奨案を提示可能である。
【0135】
1つの例において、例えば、皮膚画像データに発赤が存在し、治療過程の経過日数が1日であり、薬剤情報が「3日間の薬剤使用継続」を推奨している場合、処理部70は、病院受診不要と判断する。別の例において、皮膚画像データに発赤が存在し、治療過程の経過日数が1日であり、薬剤情報が「アレルギー反応などの経過に注意」である場合、処理部70は、病院受診推奨する判断を行う。これらの例において、排泄介助の際に、処理部70は、データ取得及び判断を行う。
【0136】
処理部70は、例えば、おむつ交換介助時に、その時のおむつ下皮膚画像データと、介護記録データ(これまでの陰部周辺皮膚疾患の有無)と、介助者が陰部を清拭した回数と、介助者の陰部を清拭する強さと、に基づいて、介助者の清拭方法(回数と強さ)が適切であったかどうかについての情報を提供可能である。
【0137】
1つの例において、皮膚画像データに発赤が存在する。介護記録(皮膚疾患有無)は、「あり」である。清拭回数は10回であり、清拭の強さは「弱」である。この場合、処理部70は、適正範囲と判断する。別の例において、皮膚画像データに発赤が存在する。介護記録(皮膚疾患有無)は、「あり」である。清拭回数は5回であり、清拭の強さは「強」である。この場合、処理部70は、不適切と判断する。これらの例において、処理部70は、排泄介助の際にデータ取得及び判断を行う。
【0138】
処理部70は、例えば、おむつ交換介助時に、事前に取得した正しいおむつの装着手順と、その時カメラで取得したおむつの装着手順と、に基づいて、チェックポイント(手袋をはめているか、不潔領域を触れた後に清潔領域を触れていないか、拭き残しが無いか、及び、ギャザーを広げたか、など)が正しく行われているかを判断可能である。処理部70は、正しく行われていない場合には、その修正指示を行うことが可能である。
【0139】
処理部70は、例えば、おむつ交換介助時に、事前に取得したベッド周辺環境画像データと、交換介助中または介助後のベッド周辺環境画像データと、に基づいて、周囲に汚物の付着がないかを検出可能である。処理部70は、事前に取得したベッド周辺環境画像データと、交換介助中または介助後のベッド周辺環境画像データと、を比較する。比較結果に基づいて、処理部70は、例えば、ベッド及びベッド周辺の備品等に汚物が付着していると判断した場合、介助者または清掃を担当する他スタッフに付着箇所を通知可能である。
【0140】
処理部70は、例えば、おむつ交換介助時に、その時のおむつ内排泄物画像と、それまでの数日間の介護記録データ(食事内容)と、に基づいて、排泄物の異常を検出し可能である。処理部70は、病院(または訪問看護)の受診をさせるべきかどうかの推奨案を提示可能である。処理部70は、排泄物の異常の検出結果に基づいて、食事に関する推奨案を提示してもよい。例えば、おむつ内排泄物画像において、排泄物が、細い水分の少ない固い便であるとき、処理部70は、排泄物の異常を検出する。この場合、処理部70は、食物繊維の多い食事の提供を推奨案として提示する。食物繊維の多い食事は、例えば、海藻類(ひじきなどを含む)及び茸類などを含む。例えば、おむつ内排泄物画像において、排泄物が細くて柔らかい便であるとき、処理部70は、排泄物の異常を検出する。この場合、処理部70は、例えば、油分や水分の摂取量が低い食事の提供を推奨案として提示する。
【0141】
処理部70は、例えば、おむつ交換介助時に、その時のおむつ内排泄物画像と、排泄物重量(おむつ重量)と、排泄タイミングと、排泄回数(1日あたり)と、複数種類のおむつ製品仕様情報および費用と、対象者88Aの自立度と、対象者88Aの日中活動量と、に基づいて、患者に適合するおむつ仕様についての推奨案を提示可能である。おむつ製品に関する複数種類の仕様は、例えば、寝たきり用またはリハビリテーション用などを含む。おむつ製品に関する複数種類の仕様は、例えば、薄型、厚型及びパッド併用型などを含む。
【0142】
例えば、対象者88Aの自立度が低く寝たきりの場合には、処理部70は、テープ型のおむつを推奨案として提示する。例えば、自立度が高い対象者88Aの場合には、処理部70は、パンツ型のおむつを推奨案として提示する。例えば、排泄物重量が多く、尿漏れをする対象者88Aには、処理部70は、パッド型のおむつを推奨案として提示する。例えば、排泄量が少ない場合には、処理部70は、薄型のおむつを推奨案として提示する。例えば、排泄量が多い場合には、処理部70は、厚型のおむつを推奨案として提示する。推奨案が時間に応じて変化してもよい。例えば、対象者88Aの日中活動量が高い場合には、処理部70は、薄型のおむつを推奨案として提示する。例えば、対象者88Aの日中活動量が低い場合には、処理部70は、厚型のおむつを推奨案として提示する。例えば、対象者88Aの自立度や生活習慣が変化したとき、処理部70は、変化に伴って異なるおむつ仕様の推奨案を提案して良い。
【0143】
処理部70は、例えば、おむつ交換介助後に、使用した手袋またはおむつなどの排泄関連消耗材の使用数量と、在庫の手袋またはおむつなどの排泄関連消耗材の在庫数量と、手袋またはおむつなどの排泄関連消耗材を発注し納品されるまでの納品時間と、に基づいて、排泄関連消耗材の追加発注を行うべきかどうかについての推奨案を提示可能である。
【0144】
例えば、重量センサが、一日の手袋の使用数が20枚であることを検出する。一方、手袋の在庫数が120枚であることが検出される。この日の使用数(20枚)と、直近1週間の平均の使用数と、の差は、しきい値未満であり、変化は実質的にない。一方、手袋の注文から納品されるまでの、過去の平均の日数は3日である。発注条件として、「欠品する3日前に注文品が届く」と設定されている。この場合、処理部70は、この日に手袋の注文の処理を行う。
【0145】
(食事介助)
処理部70は、例えば、食事に際して、会話または口腔ケアまたは口腔周囲筋トレーニングの少なくともいずれかが行われたかどうかを検出可能でも良い。処理部70は、定められた時間以上の会話の実施の有無を検出可能でも良い。処理部70は、検出結果を介助者に通知可能でも良い。例えば、上記の検出は、例えば、食事を開始する予定時刻の一定時間前の時刻と、食事を開始するまでの時刻と、の間の期間における、介護記録データ(嚥下能力)から識別された患者について行われて良い。上記の検出は、例えば、患者の行動センサによる検出結果、介助者の行動センサによる検出結果、及び、システムへの入力操作の少なくともいずれかに基づいて行われて良い。
【0146】
例えば、食事開始時刻の15分以前に、カメラが、第1対象者88aと第1ユーザ81とが10分間の会話をしていたことを記録する。この場合、処理部70は、カメラの記録結果に基づいて、この会話が、嚥下リハビリテーションとして有効であると認識する。処理部70は、食事前の嚥下リハビリテーションが完了しているという情報を記憶部70Mに記憶させる。処理部70は、この情報をユーザ80Aの出力部80Aaに供給する。
【0147】
処理部70は、例えば、配膳をする際に、食事内容の画像データと、準備した食器類(一例としては食器がすべてお盆に乗った状態)の画像データと、患者の介護記録データ(嚥下能力)と、に基づいて、該当する患者の嚥下能力に合った食事内容と食器とが提供されているかどうかを判断可能である。
【0148】
1つの例において、食事に関する情報が、ミキサー食、スプーン大、及び、嚥下能力低を含む場合、処理部70は、スプーンの大きさを小さくして一回の咀嚼量を減らす、という推奨案を提供する。別の例において、食事に関する情報が、ミキサー食、スプーン中、及び、嚥下能力中(片麻痺)を含む場合、処理部70は、食事を健側にセットする、という推奨案を提供する。
【0149】
処理部70は、例えば、今回の食事摂取量と、過去の食事摂取量と、今回の摂取食事内容(汁物/穀物/繊維物/その他)と、過去の摂取食事内容と、対象者の介護記録データに記録された過去の排泄量と、過去の排泄時間と、に基づいて、次回の排泄タイミングを予測する可能である。食事摂取量は、例えば、測定装置による測定結果、及び、撮像装置による撮像結果の少なくともいずれかに基づいて参照されて良い。測定装置は、例えば、テーブルまたはカウンタなどに設けられて良い。食事摂取量は、例えば、食事前の量と、食事後の量と、の差により求められる。処理部70は、例えば機械学習に基づいて予測を行う。例えば、今回の食事量が過去の食事量と比較して多く、記録された過去の排泄量がしきい値よりも少ないとき、処理部70は、次回の排泄タイミングが相対的に早くなると予測する。一方、今回の食事量が過去の食事量と比較して少なく、過去の排泄時間がしきい値よりも長いとき、処理部70は、排泄タイミングが相対的に遅くなると予測する。
【0150】
例えば、食事前および食事中に、カメラにより、患者の顎部の位置と、眉間部の位置と、患者の矢状面に肩峰を投影した位置と、食事介助をする介助者の位置と、スプーンの位置と、スプーンの大きさと、が取得されても良い。処理部70は、取得された結果に基づいて、患者が誤嚥を誘発しない姿勢になっているかどうかを判断可能でも良い。処理部70は、患者が誤嚥を誘発する姿勢になったときに、介助者に通知可能である。例えば、食事中に対象者88Aの身体が斜めになり、顎が前に出すぎてしまっている場合に、処理部70は、アラートを発する。これにより、誤嚥が抑制される。
【0151】
例えば、)食事中または食後または起床後に、カメラ及びマイクの少なくともいずれかにより、患者の顔色、食事速度、活動量、咳き込み音、及び、嗄声音に関する情報が取得されて良い。処理部70は、例えば、取得された情報と、介護記録データに記録された情報と、に基づいて、不顕性誤嚥の疑いを検出可能である。例えば、情報が、患者の顔色が悪い、食事速度が過去の通常の食事速度よりも遅い、活動量が過去の通常の活動量よりも少ない、咳きの回数が過去の通常の咳の回数よりも多い、咳きの音が過去の通常の咳の音と異なる、嗄声音がする、の少なくとも1つを含むとき、処理部70は、不顕性誤嚥の疑いを検出する。処理部70は、例えば、不顕性誤嚥の疑いについての検出結果を介助者に通知可能である。介護記録データに記録された情報は、例えば、直近の複数の日における、不穏、せん妄、失禁及び微熱の少なくともいずれかを含んで良い。処理部70は、例えば機械学習に基づいて不顕性誤嚥の疑いを検出する。
【0152】
例えば、カメラにより、薬剤の種類と、薬剤の量と、患者と、を検出可能で良い。処理部70は、例えば、与薬内容に間違いが無いかを確認可能でも良い。処理部70は、確認結果を継続的に記録可能で良い。処理部70は、薬剤の種類及び量の少なくともいずれかが変更された際に、前後の複数の日における介護データにしきい値を超える変化があるかどうかを判断可能で良い。処理部70は、介護データにしきい値を超える変化がある場合に、その情報を提示可能で良い。介護データは、例えば、バイタルデータ、及び、体調事項の少なくともいずれかを含んで良い。例えば、薬内容の変化前後で、血圧または心拍が基準よりも高い場合に、処理部70は、医療機関の受診を推奨案として提供する。
【0153】
(移動介助及び移乗介助)
処理部70は、例えば、カメラ画像及びセンサ情報の少なくともいずれかに基づいて、介助者が患者を移乗させる目的地となる道具(車椅子、歩行器、または、便所)のロック状態を検出可能でも良い。処理部70は、移乗を開始する前、または、移乗時に危険がある場合に、危険に関する情報を提示可能で良い。例えば、患者がベッド上にいて、空いた車椅子が傍にあり、介助者が患者に近い場合に、処理部70は、車椅子に移乗すると推定する。その際に車椅子がロックされていないことを検出した場合、処理部70は、介助者の出力部80Aaにアラートを提供する。
【0154】
処理部70は、例えば、カメラ画像に基づいて、介助者が患者を移乗させる周囲の環境の異常の有無を検出可能で良い。処理部70は、事前、または移乗実行時に危険がある場合に、危険についての情報を提示可能で良い。例えば、患者がベッド上にいて、空いた車椅子が傍にあり、介助者が患者に近い場合に、車椅子に移乗すると推定する。その際に床に物品が落ちていることを検知した場合、処理部70は、介助者の出力部80Aaにアラートを提供する。
【0155】
処理部70は、例えば、カメラ画像、及び、患者の行動センサの少なくともいずれかに基づいて、患者の体調(顔色、血圧または脈拍)を取得可能で良い。処理部70は、移乗時に、患者の体調データが悪化した場合に、介助者に通知可能で良い。処理部70は、例えば、ベッド87AがCPRポジションまたはショック体位またはトレンデレンブルグ体位(Trendelenburg position)などの姿勢となるように制御または準備可能で良い。例えば、患者の移乗中または移乗後に、患者の顔色が青白いことをカメラが検出する場合がある。例えば、心拍数または呼吸数が増加していることをバイタルセンサが検出する場合がある。このような場合に、処理部70は、ベッドを制御して、ショック体位のポジションを形成させる。これにより、患者がショック体位になる。
【0156】
処理部70は、例えば、カメラ画像、及び、患者の行動センサの少なくともいずれかに基づいて、患者の体勢と、患者の介護記録データと、に基づいて、患者の体勢が患部または拘縮部位に対して負荷がかかっていないかどうか検出可能でも良い。処理部70は、検出結果に基づいて、骨折などの悪影響を及ぼす可能性がある場合には、悪影響に関する情報を提示可能でも良い。患者の上記の体勢は、例えば、姿勢、及び、掴まる位置の少なくともいずれかを含む。上記の介護記録データは、例えば、拘縮部位、拘縮レベル、骨密度、立位保持能力、及び、意識の少なくともいずれかを含む。例えば、患者の移乗中に、患者の拘縮した肘の角度が大きくなる傾向にあることをカメラが撮影する。処理部70は、撮影結果と、介護記録データと、に基づいて、介助者の出力部80Aaにアラートを提供する。
【0157】
処理部70は、介助者が患者を移乗させる目的を設定すると、患者の介護記録データに基づいて、上記の患者に適した移乗介助方法を提示可能でも良い。介助者による設定は、例えば、画面操作及び音声の少なくともいずれかにより行われて良い。介護記録データは、例えば、拘縮部位、拘縮レベル、骨密度、及び、立位保持能力の少なくともいずれかを含んで良い。処理部は、患者に適した移乗介助方法を表示及び音の少なくともいずれかにより提示可能で良い。処理部70は、患者に適した移乗介助方法に合わせたベッド姿勢の変化の制御を実施可能でも良い。
【0158】
例えば、立位保持能力が低い患者をベッドから車椅子に移乗させる際に、処理部70は、ベッド87Aの高さを推奨される高さに制御する。この推奨される高さは、介護記録データに含まれる患者の身長から算出された「立ち上がりやすい高さ」と、移乗先である車椅子の座面よりも以上の高さと、に基づいて算出される。この推奨される高さにより、患者の立位保持能力が低くても、介助者は楽に移乗できる。別の例において、同様の患者を車椅子からベッドに移乗させる場合は、処理部70は、ベッド高さが車椅子座面よりも低くなるように制御する。
【0159】
実施形態において、例えば、ユーザ80Aからの入力は、タッチパネル、キーボード、またはマウスなどのインタフェースを介した入力の他に、音声入力を含んで良い。ユーザ80Aへの出力(出力部80Aaからの出力)は、表示、映像、音(音声を含む)または印刷物などの任意の方法に実施される。
【0160】
図20は、実施形態に係る情報提供装置を例示する模式図である。
図20に示すように、本実施形態に係る情報提供装置110は、例えば、処理部70及び記憶部70Mを含んで良い。処理部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含む。処理部70は、例えば電子回路などを含む。記憶部70Mは、種々のデータを保持可能である。記憶部70Mは、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)の少なくともいずれかを含んでも良い。情報提供装置110は、表示部70Dを含んでも良い。情報提供装置110は、入力受付部70I(例えばキーボード、タッチパネル、または、マウスなど)を含んでも良い。情報提供装置110は、通信部70Tを含んで良い。
【0161】
実施形態によれば、より適切な情報を提供できる情報提供装置を提供できる。
【0162】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、情報提供装置に含まれる処理部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0163】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0164】
その他、本発明の実施形態として上述した情報提供装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての情報提供装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0165】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0166】
70…処理部、 70D…表示部、 70I…入力受付部、 70M…記憶部、 70T…通信部、 80A…ユーザ、 80Aa…出力部、 80t…固定型通信端末、 80v…放送機器、 81~83…第1~第3ユーザ、 81D…ディスプレイ、 81E…送信ボタン、 81a~83a…第1~第3出力部、 81p~83p…移動通信端末、 81q~83q…インターコミュニケーション装置、 81r~83r…眼鏡型ウェアラブル通信機器、 81s~83s…腕時計型ウェアラブル通信機器、 83v…第3ユーザ認識装置、 86S…対象者センサ、 86a…カメラ、 86b…ビーコン、 86c…臭いセンサ、 86d…体動センサ、 86e…荷重センサ、 86f…加速度センサ、 86g…柵、 86h…アクチュエータ、 86i…通信機器、 86j…キャスタ、 86k…センサ、 86l…撮像部、 86v…第1対象者認識装置、 87A…ベッド、 87a~87c…第1~第3ベッド、 88A…対象者、 88ID…認識情報、 88a~88c…第1~第3対象者、 110…情報提供装置、 210…情報提供システム、 OI1…対象者情報、 OP1~OP7…第1~第7動作、 PR1…準備推奨案、 PRa1…準備項目、 PRb1…順番、 PRc1…物品情報、 PRd1…時間、 PRe1…サービス提供開始可能時刻、 SR1…第1サービス推奨案、 SS1、SS2…第1、第2サービス、 TD1…差、 TH1、TH2…第1、第2値、 THx…基準値、 TI1…時間情報、 Tsv…期間、 tm…時間、 ts1、ts2…時刻
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20