(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】集塵装置及び電気機器
(51)【国際特許分類】
A47L 9/20 20060101AFI20240902BHJP
A47L 9/16 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
A47L9/20 Z
A47L9/16
(21)【出願番号】P 2021041668
(22)【出願日】2021-03-15
【審査請求日】2023-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】品川 直子
(72)【発明者】
【氏名】大津 育弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 正俊
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-010655(JP,A)
【文献】特開2021-016593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/20
A47L 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のカップ部と、
前記カップ部の内部に位置し、含塵空気から塵埃を分離する第一分離部と、
構造部本体と、この構造部本体に対して着脱可能で外側面の一部をなすカバーと、を有し、前記カップ部の端部に着脱可能な構造部と、
前記構造部本体の内部に位置し、前記第一分離部で分離しなかった塵埃を分離する第二分離部と、
前記カバーを前記構造部本体に対して係脱可能な係止部と、
前記構造部の外側
面に位置する装着部と、
前記装着部に着脱可能な、汚れを除去する補助具と、を備え
、
前記補助具は、前記装着部に装着された状態で、前記カバーを前記構造部本体に係止する位置にある前記係止部の少なくとも一部を外方から覆う位置にあることで前記係止部による前記カバーの前記構造部本体への係止の解除動作を阻害する
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
前記装着部は、透明又は半透明である
ことを特徴とする請求項1記載の集塵装置。
【請求項3】
前記装着部は、前記カバーに形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の集塵装置。
【請求項4】
前記カップ部の軸線を基準として互いに反対側の位置にて前記構造部に設けられ、前記構造部を把持するための操作可能部を備え、
前記軸線の方向から見て、前記操作可能部を結ぶ第一仮想線と直交する第二仮想線と重なる位置に前記装着部がある
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の集塵装置
。
【請求項5】
前記係止部は、
前記カバーの係脱に応じて位置が移動し、前記カバーを
前記構造部本体に係止していない位置で
前記装着部への前記補助具の装着範囲に少なくとも一部が突出することにより前記装着部への前記補助具の装着を阻害する
ことを特徴とする請求項
1ないし4いずれか一記載の集塵装置。
【請求項6】
請求項1ないし
5いずれか一記載の集塵装置を備える
ことを特徴とする電気機器。
【請求項7】
前記集塵装置を着脱可能な本体部を備え、
前記装着部は、前記集塵装置を前記本体部に取り付けた状態で前記本体部により隠れる位置となる
ことを特徴とする請求項
6記載の電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、汚れを除去する補助具を有する集塵装置及びこれを備えた電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気掃除機等の電気機器に用いられ、塵埃を分離捕集する集塵装置がある。このような集塵装置としては、例えば塵埃を溜めるカップ部を有する集塵カップが用いられる。集塵装置には、内部の各所に付着した塵埃等の汚れを除去するためのお手入れブラシ等の補助具が備えられることがある。補助具は、必要なときに直ちに使用できるように、集塵装置に直接装着可能とすることが望ましい。他方、集塵装置の使用時に補助具が目立ちにくいようにカップ部の底部等に補助具を装着する構成とした場合、補助具を装着しているか否かを使用者が直接目視することが容易でなく、使用者が補助具の装着忘れに気づかないことが懸念される。したがって、補助具の紛失等を防止するためには、補助具が集塵装置に装着されていることを容易に確認できることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、補助具の装着忘れを抑制できる集塵装置及びこれを備えた電気機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の集塵装置は、円筒状のカップ部と、第一分離部と、構造部と、第二分離部と、係止部と、装着部と、汚れを除去する補助具と、を備える。第一分離部は、カップ部の内部に位置し、含塵空気から塵埃を分離する。構造部は、構造部本体と、この構造部本体に対して着脱可能で外側面の一部をなすカバーと、を有し、カップ部の端部に着脱可能である。第二分離部は、構造部本体の内部に位置し、第一分離部で分離しなかった塵埃を分離する。係止部は、カバーを構造部本体に対して係脱可能である。装着部は、構造部の外側面に位置する。補助具は、装着部に着脱可能である。補助具は、装着部に装着された状態で、カバーを構造部本体に係止する位置にある係止部の少なくとも一部を外方から覆う位置にあることで係止部によるカバーの構造部本体への係止の解除動作を阻害する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】同上集塵装置の補助具が取り付けられていな状態を示す断面図である。
【
図4】同上集塵装置の補助具が取り付けられていな状態を示す側面図である。
【
図7】同上集塵装置を備える電気機器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0008】
図1において、DCは集塵装置を示す。集塵装置DCは、含塵空気から塵埃を分離して集積する集塵カップである。
【0009】
集塵装置DCは、流体的に、第一分離部1と、第二分離部2と、を備える。第一分離部1は、含塵空気から比較的大きい塵埃である粗塵を分離して集積する。第二分離部2は、第一分離部1の下流側に連通する。第二分離部2は、第一分離部1で分離できなかった比較的小さい塵埃である細塵を分離して集積する。本実施形態において、第一分離部1及び第二分離部2は、それぞれ塵埃を遠心分離する遠心分離部である。
【0010】
また、集塵装置DCは、構造的に、略円筒状の外観を有する。本実施形態において、集塵装置DCは、径寸法よりも軸方向長さが大きい長手状の外観を有する。なお、以下、集塵装置DCは、長手方向を第一方向とし、第一方向と直交する方向を第二方向とし、第一方向及び第二方向と直交する方向を第三方向とする。第一方向の一方を矢印D1a、第一方向の他方を矢印D1b、第二方向の一方を矢印D2a、第二方向の他方を矢印D2b、第三方向の一方を矢印D3a、第三方向の他方を矢印D3bとして
図1ないし
図5に図示する。説明を明確にするために、本実施形態では、矢印D1aを上方向、矢印D1b方向を下方向、矢印D2a方向を左方向、矢印D2bを右方向、矢印D3aを前方向、矢印D3bを後方向と称する。つまり、
図1ないし
図4の上下方向を上下方向とし、
図3ないし
図5の左右方向を左右方向とし、
図1及び
図2の左右方向及び
図5の上下方向をそれぞれ前後方向として以下説明する。これに限らず、上下方向、左右方向、及び、前後方向は、集塵装置DCの使用状態や使用姿勢に応じて適宜変更される。
【0011】
集塵装置DCは、カップ部3と、構造部4と、を備える。カップ部3に対して構造部4が着脱可能に配置される。
【0012】
カップ部3には、含塵空気を旋回させる第一分離部1の分離部が内部に構成されている。また、カップ部3には、第一分離部1で遠心分離された粗塵を集積する第一分離部1の集積部が内部に構成されている。
【0013】
カップ部3は、有底円筒状に形成されている。カップ部3の軸線は集塵装置DCの軸線Aと一致又は略一致する。カップ部3は、軸方向に長手状に形成されている。カップ部3は、好ましくは透明又は半透明な部材により形成され、外部から内部を目視可能となっている。カップ部3は、円形状の底部30と、底部30の周縁部から立ち上げられた周壁部31と、を一体的に有する。周壁部31の先端部である上端部により、塵埃を廃棄するための塵埃廃棄口32が囲まれている。すなわち、カップ部3の上端部に塵埃廃棄口32が形成されている。塵埃廃棄口32は、構造部4をカップ部3に取り付けることで閉塞され、構造部4をカップ部3から取り外すことで解放される。
【0014】
周壁部31には、含塵空気をカップ部3内に導入する吸気口310が形成されている。吸気口310は、含塵空気をカップ部3の周壁部31の内周面の接線方向に沿って第一分離部1の分離部に導くように形成されている。本実施形態において、吸気口310は、カップ部3の後部に形成されている。
【0015】
また、
図3に示されるように、周壁部31には、構造部4をカップ部3に係止するための受け部311が形成されている。受け部311は、カップ部3の上端部に位置する。また、受け部311は、集塵装置DCの軸線A又はカップ部3の軸線を基準として互いに反対側にある。すなわち、受け部311は、互いに対向する両側の位置にある。本実施形態において、受け部311は、カップ部3の左右に位置する。
【0016】
また、本実施形態において、周壁部31には、集塵装置DCの取り付け基点となる取付基部312が形成されている。取付基部312は、底部30に亘り周壁部31の下端部に位置する。本実施形態において、取付基部312は、吸気口310の下方に位置する。また、図示される例では、取付基部312は、周壁部31の周方向において、吸気口310と同位置又は略同位置にある。つまり、取付基部312は、カップ部3の後部に形成されている。
【0017】
したがって、本実施形態では、カップ部3又は周壁部31又は集塵装置DCの周方向において、吸気口310及び取付基部312に対して、受け部311が90°ずれた位置にある。
【0018】
図1に示されるように、本実施形態において、周壁部31は、周壁部本体315と、周壁部本体315よりも径寸法が大きい拡大部316と、一体的に有する。周壁部本体315は、周壁部31の下側を構成し、底部30と連なっている。周壁部本体315は、拡大部316よりも上下に長く形成されている。拡大部316は、周壁部本体315の上端部に段差状に連なって形成され、塵埃廃棄口32を囲んでいる。周壁得部本体315に吸気口310と取付基部312とが形成され、
図3に示されるように、拡大部316に受け部311が形成されている。
【0019】
一方、
図1に示されるように、構造部4は、カップ部3に取り付けられた状態でカップ部3と第一分離部1を構成するとともに、内部に第二分離部2を構成する部分である。
図3に示されるように、構造部4は、カップ部3に対してクランプ40によりカップ部3と同軸上に着脱可能に係止される。すなわち、構造部4の軸線は、カップ部3の軸線又は集塵装置DCの軸線Aと一致又は略一致する。
【0020】
クランプ40は、構造部4の外側面又は外周面に位置する。クランプ40は、カップ部3の受け部311に係止される。クランプ40は、集塵装置DCの軸線A又は構造部4の軸線を基準として互いに反対側にある。すなわち、クランプ40は、互いに対向する両側の位置にある。本実施形態において、クランプ40は、構造部4の左右にある。また、クランプ40は、構造部4の後述するカバー47の下端部に位置する。クランプ40は、上下方向に長手状に形成され、上下方向の中央部が構造部4に回動可能に支持されている。クランプ40の上端部側が使用者によって操作されるクランプ操作部400であり、クランプ40の下端部側が受け部311に係止されるクランプ係止部401である。クランプ40は、コイルばねやトーションばね等のクランプ付勢手段により付勢されて係止を維持する。
【0021】
クランプ操作部400は、使用者によってクランプ40を操作するための操作可能部である。本実施形態において、両側のクランプ40のクランプ操作部400は、使用者によって外側から挟まれることで集塵装置DC又は構造部4を把持可能とする把持可能部である。つまり、使用者は一方の手の親指を一側のクランプ操作部400に配置し、人差し指又は中指又は薬指を他側のクランプ操作部400に配置して、一方の手の親指と人差し指又は中指又は薬指とを互いに接近させることで、集塵装置DC又は構造部4を左右両側から挟み込んで持つことが可能となっている。
【0022】
クランプ係止部401は、受け部311に対して下方から引っ掛けられる爪状に形成されている。クランプ係止部401は、構造部4の下端部に対し下方に位置する。
【0023】
また、構造部4には、補助具5を着脱可能に装着する装着部41が外側面又は外周面に形成されている。本実施形態において、補助具5は、カップ部3や構造部4に付着した塵埃等の汚れを除去するためのお手入れブラシ等の手入れ用補助具又はメンテナンス用補助具である。図示される例では、補助具5は、装着部41以下の所定の幅寸法を有する。また、本実施形態において、補助具5は、長手状に形成されている。
【0024】
装着部41は、補助具5を受け入れるポケット状に形成されている。装着部41は、少なくとも上端部が開口されている。本実施形態において、装着部41は、上端部及び一側部である左部に亘り開口されている。したがって、装着部41に対し、上方又は一側方である左方から補助具5を内部に挿入可能となっている。図示される例では、装着部41に対し、補助具5を一側方である左方からスライドさせて挿入可能となっている。本実施形態において、装着部41は、上下方向に長手状に形成されている。装着部41の下端部は、構造部4の下端部に対し下方に延出されている。装着部41に対し、補助具5は長手方向を上下方向として装着される。装着部41の上下方向の長さは、補助具5の長さよりも短い。そのため、装着部41に装着された補助具5は、装着部41の上部からその直上の空間へと突出するように装着される。すなわち、補助具5は、装着部41に装着された状態で、少なくとも一部が外部に露出する。
【0025】
装着部41は、クランプ40に対して、構造部4又は集塵装置DCの周方向において、90°ずれた位置にある。本実施形態において、装着部41は、構造部4がカップ部3に装着された状態で、吸気口310の上方に位置し、集塵装置DCの周方向において、吸気口310と同位置又は略同位置にある。図示される例では、装着部41は、構造部4の後部に位置する。
図5に示されるように、装着部41は、平面視で、クランプ40を結ぶ第一仮想線L1と直交する第二仮想線L2と重なる位置にある。第一仮想線L1は、クランプ40の幅の中央部を通る仮想線である。図示される例では、第一仮想線L1及び第二仮想線L2は、それぞれ集塵装置DCの軸線A又は構造部4の軸線を通る仮想線である。本実施形態において、第一仮想線L1は、左右方向に沿う仮想線であり、第二仮想線L2は前後方向に沿う仮想線である。
【0026】
図1に示されるように、本実施形態において、装着部41は、対をなす端壁部410と、これら端壁部410の他側部を連結する側壁部411と、端壁部410及び側壁部411の下端部を連結する支持部412と、を有する。一方の端壁部410は、構造部4の外側面又は外周面と一体的に形成され、他方の端壁部410は、一方の端壁部410に対して外方に離れて位置する。本実施形態において、端壁部410は、前後に離れて配置されている。これら端壁部410には、補助具5を装着部41に対し位置決めするとともに係止する溝部4100がそれぞれ形成されている。
図3に示されるように、溝部4100は、端壁部410の一側縁である左縁を切り欠いて形成されている。溝部4100には、補助具5に形成された位置決め部50が一側方である左側からスライドされて嵌合される。溝部4100には、補助具5を装着部41に係止保持する突起部41000が形成されている。スライドにより位置決め部50が突起部41000を乗り越える際にクリック感が発生するように構成されている。
【0027】
さらに、
図1に示されるように、構造部4には、集塵装置DCを被取付部に着脱可能に装着する着脱機構42が外側面又は外周面に形成されている。本実施形態において、着脱機構42は、装着部41と対向する位置にある。
図5に示されるように、着脱機構42は、平面視で、第二仮想線L2と重なる位置にある。着脱機構42は、構造部4の軸線又は集塵装置DCの軸線Aを基準として装着部41の反対側にある。本実施形態において、着脱機構42は、構造部4の前部に位置する。また、
図1に示されるように、着脱機構42は、構造部4の上端部に位置し、上部が構造部4の上端部に対し上方に延出されている。そのため、着脱機構42は、集塵装置DCの中心部に対し、取付基部312と対角の位置にある。図示される例では、着脱機構42は、取付基部312と上下方向及び前後方向に反対の位置にある。
【0028】
そして、
図6に示されるように、構造部4は、構造的に、閉塞部45と、分離体部46と、カバー47と、を有する。本実施形態では、
図1に示されるように、閉塞部45と分離体部46とが、ねじ等の固定部材48により一体的に固定された構造部本体を構成し、カバー47が分離体部46又は閉塞部45に対し係止部49により着脱可能に係止される。
【0029】
閉塞部45は、カップ部3とともに、第一分離部1を構成する。閉塞部45は、蓋部450を有する。蓋部450は、カップ部3の上端部側を閉塞する部分である。本実施形態において、蓋部450は、カップ部3の周壁部31の上端部側に着脱可能に取り付けられ、塵埃廃棄口32を閉塞する部分である。蓋部450は、上端部にフランジ部4500を有する。フランジ部4500は、蓋部450の上端部から外方へと突出している。フランジ部4500の外径寸法は、カップ部3の上端部側の外径寸法よりも大きく設定されている。また、蓋部450には、閉塞部45とカップ部3の内周面又は塵埃廃棄口32との隙間を閉塞する蓋シール部材4501が外周部に配置されている。本実施形態において、蓋シール部材4501は、フランジ部4500とカップ部3の上端部との間で上下に挟み込まれる。
【0030】
また、閉塞部45は、突出部451を有する。突出部451は、筒状に形成されている。本実施形態において、突出部451は、円筒状に形成されている。突出部451は、蓋部450から下方に突出され、閉塞部45をカップ部3に取り付けた状態でカップ部3内に位置する。突出部451は、閉塞部45をカップ部3に取り付けた状態でカップ部3と略同軸に配置される。突出部451は、第一分離部1における含塵空気の旋回の中心となる。
【0031】
突出部451には、通気開口4510が形成されている。通気開口4510は、突出部451の周面を貫通して複数形成されている。通気開口4510により、突出部451の外部の第一分離部1と突出部451の内部とが連通される。突出部451の内部は、蓋部450の中央部に形成された連通開口4502と接続され、連通開口4502を介して、第一分離部1と第二分離部2とを連通する風路部の一部を構成する。
【0032】
通気開口4510は、好ましくはフィルタ機能を有する。本実施形態において、通気開口4510は、メッシュ状のフィルタ452により覆われている。これに限らず、通気開口4510は、面積が小さい多数の孔から構成されてフィルタ機能を有していてもよい。
【0033】
また、突出部451の底部である下端部は、開口されていてもよいし、閉塞されていてもよい。突出部451の底部が開口されている場合には、フィルタ等により覆われていることが好ましい。本実施形態において、突出部451の底部は、仕切り部453により閉塞されている。
【0034】
仕切り部453は、シェード部等とも呼ばれ、カップ部3内を第一分離部1の粗塵の分離側と集積側とに概略仕切る部分である。カップ部3内において、仕切り部453よりも上端部側が第一分離部1の粗塵の分離部となり、仕切り部453よりも下端部側が第一分離部1の粗塵の集積部となる。すなわち、仕切り部453によって、カップ部3の内部の空間の役割が上側と下側とで概略分けられている。仕切り部453は、突出部451の外径寸法よりも大きく、かつ、カップ部3の周壁部31の内径寸法よりも小さい外径寸法を有する円筒状に形成されている。すなわち、仕切り部453は、突出部451に対して径方向に拡大されている。本実施形態において、仕切り部453は、突出部451と同軸状に配置されている。
【0035】
また、仕切り部453は、カップ部3の底部30と対向する端部側である下部側が開口されている。仕切り部453の内方に、第一分離部1で遠心分離された粗塵の一部が集積可能となっている。
【0036】
好ましくは、仕切り部453は、突出部451に対し着脱可能となっている。例えば、仕切り部453は、突出部451に対し周方向に回動させることで着脱されるように構成されている。
【0037】
さらに、本実施形態において、閉塞部45には、突出部451の上端部側の周囲に、傘部454が形成されている。傘部454は、第二分離部2で分離された塵埃を受ける部分である。傘部454は、円筒状に形成されている。傘部454は、蓋部450の下部に連なって突出部451の周囲から外方に突出している。傘部454は、カップ部3の周壁部本体315よりも大きく拡大部316よりも小さい外径寸法を有している。傘部454は、周壁部本体315と拡大部316とが連なる段差部分に支持される。傘部454には、傘部454とカップ部3の内周面との隙間を閉塞する傘部シール部材4540が外周部に配置されている。傘部454によって、カップ部3内の上端部側が第二分離部2の集積部と第一分離部1とに上下に仕切られる。すなわち、カップ部3内の上端部側において、第一分離部1の分離部よりも上方の部分が、第二分離部2の集積部として機能する。
【0038】
分離体部46は、第二分離部2を構成する。分離体部46は、少なくとも上端部側がカップ部3よりも上方に位置する。分離体部46は、分離体部本体460と、分離体部本体部460と連なる分離体フランジ部461と、分離体フランジ部461を覆う分離体蓋部462と、を一体的に有する。
【0039】
分離体部本体460は、第二分離部2の分離部を仕切る複数の筒状部4600と、第一分離部1と第二分離部2とを連通する連通部4601と、を有する。
【0040】
筒状部4600は、円筒状に形成されている。筒状部4600は、カップ部3の内径寸法よりも小さい内径寸法を有する。したがって、第二分離部2の分離部は、第一分離部1の分離部よりも小径となっている。筒状部4600は、下端部から上端部へと徐々に拡大されるように形成されている。複数の筒状部4600は、構造部4又は集塵装置DCの軸方向に見て、同一円上に中心位置が並ぶように配置されている。また、筒状部4600は、分離体部46の軸方向に長手状、又は、集塵装置DCの長手方向に長手状に延びて形成される。各筒状部4600は、蓋部450に形成された排出口に対して、下端部がシール部材等の第一接続部463を介してそれぞれ気密に接続される。また、筒状部4600は、筒状の排気部を同軸状に有する。排気部は、筒状部4600に導入された含塵空気から細塵が分離された空気が排出される部分である。排気部は、筒状部4600の上端部に位置する。
【0041】
連通部4601は、複数の筒状部4600の内方に囲まれたダクト状の空間部である。連通部4601は、分離体部46又は構造部4の軸線に沿って中央部に位置する。連通部4601は、上流端である下端部が、蓋部450の連通開口4502と気密に接続されている。また、連通部4601は、下流端である上端部が、連通口4602を介して筒状部4600の上端部とそれぞれ気密に接続されている。そのため、第一分離部1を通過した含塵空気が、連通部4601及び連通口4602を介して各筒状部4600に導入される。
【0042】
分離体フランジ部461は、筒状部4600の上端部近傍から外方に延出されている。
【0043】
分離体蓋部462は、集塵装置DCの上端部に位置し、集塵装置DCの蓋となる部分である。分離体蓋部462は、集塵装置DCの外殻を構成する。分離体蓋部462は、板状に形成されている。分離体蓋部462には、排気口4620が開口されている。排気口4620は、筒状部4600の配置及び数に応じて形成されている。各排気口4620は、シール部材等の第二接続部464を介して各筒状部4600の排気部と気密に接続される。また、分離体蓋部462の外縁部には、分離体フランジ部461の外縁部と係合される爪部4621が形成されている。本実施形態において、爪部4621は、分離体フランジ部461に対して下方から引っ掛けられる。さらに、分離体蓋部462の上部には、リブ4622が形成されている。リブ4622は、分離体蓋部462の上部から上方に突出されている。
図5に示されるように、本実施形態において、リブ4622は、円環状に形成されている。リブ4622は、排気口4620の配置全体を囲んで位置する。
【0044】
図1に示されるように、カバー47は、カップ部3の上端部側と同等、あるいは上端部側よりも僅かに大きい外径寸法を有する円筒状に形成されている。カバー47は、構造部4の外殻である外側面又は外周面を構成し、第二分離部2の外側を覆う。カバー47は、分離体部46の筒状部4600に対して外方に離れて位置する。本実施形態において、カバー47には装着部41が一体に形成されている。また、
図3に示されるように、カバー47には、クランプ40及び着脱機構42が配置されている。さらに、
図4及び
図6に示されるように、カバー47には、開口部470が形成されている。開口部470は、装着部41の上方に位置する。開口部470は、カバー47又は集塵装置DCの周方向において、装着部41と同位置又は略同位置にある。図示される例では、開口部470は、カバー47の後部に位置する。また、開口部470は、カバー47の上端部を切り欠いて形成されている。開口部470には、係止部49の一部が露出する。
【0045】
図1に示されるように、係止部49は、閉塞部45又は分離体部46に対してカバー47を係止するとともに、この係止を使用者の操作により解除可能なクランプである。係止部49は、カバー47に可動的に配置されている。係止部49は、装着部41に対する補助具5の装着方向又はスライド方向に対して交差する方向に可動的となっている。本実施形態において、係止部49は、カバー47の径方向又は前後方向に沿って進退可能となっている。係止部49は、カバー47に回動可能に支持されている。
【0046】
本実施形態において、係止部49は、カバー47に支持される支点である被支持部490と、使用者により操作される力点である係止操作部491と、閉塞部45又は分離体部46に対して引っ掛けられる作用点である引っ掛け部492と、を有する。好ましくは、係止部49は、コイルばね等の係止付勢手段493によって、引っ掛け部492がカバー47を閉塞部45又は分離体部46に対して係止する方向に付勢されている。
【0047】
被支持部490は、カバー47の内周側の位置に支持されている。本実施形態において、被支持部490は、カバー47の内周側の軸受け部471に回動可能に支持されている。被支持部490は、係止操作部491よりも下方に位置する。
【0048】
係止操作部491は、開口部470に位置してカバー47から露出する。そのため、係止操作部491は、装着部41の上方に位置する。係止操作部491は、カバー47又は集塵装置DCの周方向において、装着部41と同位置又は略同位置にある。つまり、係止操作部491は、平面視で、
図5に示される第二仮想線L2と重なる位置にある。係止操作部491は、装着部41に装着された補助具5に対して対向する。係止操作部491は、上方に立ち上がる面状に形成されている。係止操作部491は、補助具5よりも幅狭に形成されている。そのため、装着部41に装着された補助具5によって、係止操作部491の全体が覆われる。好ましくは、
図1に示されるように、係止操作部491は、カバー47を係止する位置において、カバー47の外周面と面一又は略面一となる。また、係止操作部491は、
図2の二点鎖線に示されるように、引っ掛け部492がカバー47を係止していない位置では、開口部470から装着部41の直上の空間へと少なくとも一部が突出する。そのため、係止部49は、カバー47を係止していない位置で装着部41への補助具5の装着を阻害する。
【0049】
引っ掛け部492は、被支持部490及び係止操作部491と連なって形成されている。引っ掛け部492は、閉塞部45又は分離体部46に対するカバー47の上方への移動を規制する。引っ掛け部492は、カバー47を装着部41側の側方又は後方から見て、係止操作部491の背後側に位置する。すなわち、引っ掛け部492は、開口部470からの係止操作部491の進退に連動して進退される。本実施形態において、引っ掛け部492は、分離体部46の引っ掛け受け部465に対して下方から引っ掛けられる。引っ掛け受け部465は、本実施形態において、分離体部46の分離体フランジ部461及び分離体蓋部462の外縁部に形成されている。
【0050】
なお、構造部4は、好ましくは分離体部46の筒状部4600及びカバー47が透明又は半透明の部材により形成されて内部が外部から目視可能となっている。したがって、カバー47と一体に形成される装着部41も透明又は半透明の部材により形成されている。
【0051】
そして、上記の集塵装置DCは、本実施形態において、
図7に示される電気機器VCに用いられる。本実施形態において、電気機器VCとしては、電気掃除機を例に挙げて説明する。図示される例では、電気機器VCは、使用者が把持して操作するスティック型の電気掃除機である。本実施形態の電気機器VCは、本体部6を備える。本体部6には、集塵装置DCが着脱可能に取り付けられる。本体部6に対し、集塵装置DCが着脱機構42により固定される。本体部6には、集塵装置DCの着脱機構42を受ける着脱受け部60が形成されている。また、
図8に示されるように、本体部6には、集塵装置DCの取付基部312を受ける取付受け部61が形成されている。
【0052】
本体部6には、本体吸込口62が形成されている。
図7に示されるように、本実施形態では、本体吸込口62には、風路体である延長管等の直管部7、又は、風路体である吸込口体等の掃除ヘッド8が接続される。さらに、
図8に示されるように、本体部6には、本体吸込口62と連通する吸込接続口63が形成されている。吸込接続口63は、本体部6に装着された集塵装置DCの吸気口310と気密に接続される。
【0053】
また、本体部6には、連結口64が形成されている。連結口64は、本体部6に装着された集塵装置DCの排気側と気密に接続される。連結口64には、フィルタが配置されてもよい。本実施形態において、連結口64は、
図5等に示される集塵装置DCの排気口4620と気密に接続される。
図7に示されるように、連結口64は、本体部6に収容された電動送風機等の吸引部65の吸気側と気密に接続される。吸引部65は、制御部により動作が制御される。吸引部65と制御部とには、電池等の電源部67から電力が供給される。
【0054】
図8に示されるように、本実施形態において、本体部6には、取り付けられた集塵装置DCの一部を覆う被覆部68が形成されている。被覆部68は、吸込接続口63に近接し、吸込接続口63に並んで配置されている。本実施形態において、被覆部68は、吸込接続口63と連結口64との間の位置にある。図示される例では、被覆部68は、集塵装置DCの吸気口310側の側部を覆っている。そのため、被覆部68は、
図3等に示される装着部41及び係止部49を含む集塵装置DCの構造部4の一部、及び装着部41に装着された補助具5を隠すように構成されている。すなわち、集塵装置DCが
図8に示されるように本体部6に装着された状態で、被覆部68と集塵装置DCとの間に
図3等に示される補助具5が位置する。
【0055】
また、
図7に示されるように、本実施形態において、本体部6には、使用者が把持する把持部69が形成される。把持部69には、吸引部65の動作を制御部に設定する設定部Sが配置される。これに限らず、電気掃除機は、床走行型又はキャニスタ型、アップライト型、自走式の掃除ロボット等でもよい。また、集塵装置DCは、自走式掃除ロボットの充電装置又はダストステーション等の電気機器に用いられてもよい。
【0056】
次に、一実施形態の動作を説明する。
【0057】
集塵装置DCは、まず、カップ部3に対して構造部4を取り付けて組み立てる。使用者は、構造部4のクランプ40のクランプ操作部400をクランプ付勢手段の付勢に抗してカバー47側に押し込む。このとき、使用者は、構造部4の左右両側のクランプ40のクランプ操作部400を左右両側から握るように押し込むことで、クランプ40を容易に操作できる。そして、クランプ40のクランプ係止部401をカップ部3の受け部311と位置合わせした位置で使用者が押し込みを解除することで、クランプ付勢手段の付勢によりクランプ40の位置が復帰して、クランプ係止部401がカップ部3の受け部311に係止され、カップ部3に対して構造部4が一体的に固定される。
【0058】
装着部41には、補助具5を取り付けておく。補助具5は、装着部41の溝部4100に対して位置決め部50を位置合わせし、左側から右側へと装着部41内にスライドさせるように押し込むことで装着部41に装着され、位置決め部50が突起部41000を乗り越えた位置で装着部41に係止保持される。
【0059】
このように組み立てた集塵装置DCを本体部6に取り付ける際には、カップ部3の取付基部312を本体部6の取付受け部61を取り付け、取付基部312及び取付受け部61を基点として構造部4側を本体部6に向かって押し込むことで、着脱機構42が着脱受け部60に接続されて、集塵装置DCが本体部6に係止固定される。
【0060】
集塵装置DCを本体部6に取り付けた状態で、集塵装置DCは、吸気口310が吸込接続口63と連通し、排気口4620側が吸引部65と連通する。そのため、本体吸込口62から吸込接続口63、集塵装置DCの吸気口310、第一分離部1、第二分離部2、排気口4620、連結口64、及び、吸引部65の吸気側に亘り、吸気風路が形成される。つまり、吸引部65の吸引によって、本体吸込口62から集塵装置DCへと含塵空気を吸引可能となる。また、集塵装置DCの装着部41は、被覆部68が蓋として機能することで、この装着部41に装着された補助具5とともに被覆部68によって覆われ、電気機器VCとしての外観に露出しない状態となる。
【0061】
電気機器VCは、把持部69を把持した使用者が設定部Sを操作することで制御部が吸引部65を駆動させ、全体を床面等の被掃除部上で前後に移動させながら、吸引部65の駆動により生じた負圧を利用して掃除ヘッド8や直管部7等の風路体、あるいは本体吸込口62から塵埃を空気とともに吸い込む。
【0062】
本体吸込口62から吸い込まれた含塵空気は、吸込接続口63を介して吸気口310からカップ部3内の第一分離部1の分離部へと導入され、カップ部3の内周面に沿って突出部451の周囲を旋回する。この旋回により、塵埃のうち主として粗塵が遠心分離されてカップ部3の内周面に沿って落下し、カップ部3にて構造部4の傘部454よりも下方の底部30付近に集積される。
【0063】
カップ部3内で旋回する含塵空気は、突出部451の通気開口4510を通過し、その際に、塵埃の一部がフィルタ452に捕集される。さらに、含塵空気は、連通開口4502、及び、連通部4601を通過し、連通口4602から第二分離部2の各筒状部4600内へと分配されて導入される。
【0064】
導入された含塵空気は、筒状部4600の内周面に沿って旋回する。この旋回により、含塵空気に残留する細塵が遠心分離されて筒状部4600の内周面に沿って落下し、排出口からカップ部3内の構造部4の傘部454上に落下して、傘部454よりも上方にてカップ部3内に集積される。
【0065】
含塵空気は、第二分離部2により細塵が分離され、筒状部4600の旋回の中心から排出部及び排気口4620を介して集塵装置DCの外部へと順次排出され、連結口64を介して吸引部65に吸引される。吸引された空気は、吸引部65を冷却した後、本体部6の外部に排気される。
【0066】
掃除が終了すると、使用者が設定部Sを操作することで制御部が吸引部65を停止させる。集塵装置DCに塵埃が溜まっている場合には、使用者は必要に応じて着脱機構42を操作することで集塵装置DCを本体部6から取り外す。
【0067】
使用者は、取り外した集塵装置DCについて、左右両側のクランプ40のクランプ操作部400をクランプ付勢手段の付勢に抗して左右両側からカバー47側に押し込んでクランプ40を回動させると、クランプ係止部401が受け部311から外れ、構造部4がカップ部3から取り外し可能となる。構造部4をカップ部3から取り外すことで、傘部454上の細塵はカップ部3の内面に沿って落下し、粗塵と混ざる。そして、カップ部3をごみ箱等の廃棄位置でひっくり返して塵埃廃棄口32から粗塵及び細塵を廃棄する。
【0068】
フィルタ452に付着した塵埃、カップ部3の内面に付着した塵埃、あるいは、傘部454に付着した塵埃等については、装着部41から取り外した補助具5を用いて除去する。補助具5を取り外す際には、装着部41に対し左側方にスライドさせることで、位置決め部50が溝部4100に沿って端壁部410の側部まで移動した位置で装着部41から補助具5が取り外される。
【0069】
第二分離部2の筒状部4600等が汚れている場合には、構造部4をカップ部3から取り外した状態でカバー47を取り外して構造部4を分解し、閉塞部45及び分離体部46、カバー47、カップ部3をそれぞれ水洗いして塵埃を除去する。例えば、カバー47及び装着部41を透明又は半透明とすると、筒状部4600の内部が構造部4のカバー47の外部から容易に目視可能となる。好ましくは、構造部4は仕切り部453も突出部451から取り外して水洗いする。
【0070】
使用者がカバー47を取り外す際には、係止部49の係止操作部491を操作する。このとき、
図1及び
図3に示されるように、装着部41に補助具5が取り付けられていると、補助具5が係止操作部491の少なくとも一部を覆うとともに、係止部49の動作範囲に補助具5が位置するため、補助具5によって係止操作部491の目視及び操作が阻害され、使用者が係止部49に気づきにくい、又は、使用者が係止操作部491を操作できない。
【0071】
一方、装着部41から補助具5が取り外されていると、
図2及び
図4に示されるように、係止操作部491がカバー47の外側面又は外周面に露出して使用者が容易に目視でき、使用者が係止部49に気づきやすいとともに、使用者が係止操作部491を直接操作可能となる。使用者が係止操作部491をカバー47の外方へと後方に押す又は引っ張ると、係止部49が被支持部490を中心として係止付勢手段493の付勢に抗して回動し、引っ掛け部492が引っ掛け受け部465から後方に退避することで、カバー47が閉塞部45及び分離体部46から上方へと容易に取り外される。
【0072】
水洗いした閉塞部45及び分離体部46、カバー47、カップ部3は、それぞれ十分に乾かし、分解したときと逆順で組み立てる。
【0073】
このとき、引っ掛け部492が引っ掛け受け部465の下部に引っ掛かっておらず、例えば引っ掛け受け部465に対して径方向に当接している場合には、係止部49の係止操作部491がカバー47から装着部41の直上の空間に突出した位置に固定されることで、装着部41への補助具5の装着を係止部49が阻害する。
【0074】
また、係止部49によるカバー47の係止が十分でない、言わば引っ掛け部492の引っ掛け受け部465への引っ掛けが半端な状態であって、係止部49の係止操作部491がカバー47から装着部41の直上の空間に突出した位置にある場合には、装着部41への補助具5の装着により係止操作部491がカバー47側へと押し込まれることで、引っ掛け部492が引っ掛け受け部465に十分に引っ掛かり、係止部49がカバー47を係止する位置となる。よって、カバー47が閉塞部45及び分離体部46と一体的に固定される。
【0075】
このように、一実施形態によれば、第二分離部2の外側部に位置する装着部41に補助具5を着脱可能とすることで、集塵装置DCを目視したときに目立ちやすい位置に補助具5を配置できるので、補助具5の装着忘れを抑制できる。
【0076】
また、装着部41を透明又は半透明とすることで、装着部41を通して第二分離部2を目視しやすくなる。そのため、第二分離部2の汚れを容易に目視確認でき、手入れの要否を判断しやすい。特に、第二分離部2の外側を覆うカバー47を透明又は半透明とすることで、第二分離部2の内部の汚れを容易に目視確認できる。
【0077】
第二分離部2の外側を覆うカバー47に装着部41を形成することで、装着部41に補助具5が装着されているか否かを容易に目視確認できる。また、カバー47を透明又は半透明の部材により形成することで、装着部41を容易に透明又は半透明にすることができる。
【0078】
互いに対向する位置にあるクランプ操作部400を平面視で結ぶ第一仮想線L1と直交する第二仮想線L2と重なる位置に装着部41を配置しているので、両側のクランプ操作部400により構造部4又は集塵装置DCを持った状態で、装着部41が使用者の正面側に来やすい位置となり、装着部41への補助具5の装着の有無を目視しやすくなる。
【0079】
補助具5を装着部41に装着した状態で補助具5が係止部49に対向して位置するので、係止部49を補助具5で隠すことができる。そのため、クランプ40と比較して使用頻度が比較的少ない係止部49を不必要に操作しにくくできるとともに、係止部49の動作範囲に補助具5が位置するため、補助具5を装着部41に装着した状態では係止部49を実質的に操作できず、使用者による係止部49の誤操作を防止できる。
【0080】
しかも、補助具5を利用して係止部49を隠すので、係止部49を隠すためだけの部材が別途不要で、部品点数の増加を防止できる。
【0081】
また、手入れのために装着部41から補助具5を取り外すと係止部49が露出するので、手入れ時には係止部49を操作してカバー47の係止を解除するよう使用者に促すことができる。
【0082】
さらに、第二分離部2の汚れを確認した場合には、カバー47を取り外して第二分離部2を露出させて手入れをする必要がある。この場合、手入れを目的としていることから、使用者がまず補助具5を装着部41から取り外すことが想定され、この取り外しにより係止部49が露出することで、続いて係止部49を操作してカバー47を取り外す、という関連した手入れの一連動作を生じさせることができるため、係止部49の誤操作を避けることができる。
【0083】
係止部49は、係止操作部491がカバー47と面一又は略面一となるため、カバー47の外観に凹凸がなくなり、すっきりとしたデザインとすることができる。
【0084】
係止部49が補助具5を装着部41に装着した状態でカバー47を係止する位置となるため、仮に係止部49によるカバー47の係止が不十分な状態であっても、装着部41への補助具5の装着によってカバー47を正しく係止する位置へと係止部49を移動させることができる。
【0085】
係止部49がカバー47を係止していない位置で装着部41への補助具5の装着を阻害するため、装着部41への補助具5の装着の可否によって、係止部49によりカバー47が係止されているか否かを使用者が容易に認識できる。したがって、係止部49によりカバー47が係止されていない状態で誤って集塵装置DCを使用することを抑制できる。
【0086】
集塵装置DCを本体部6に取り付けた状態で装着部41が本体部6により隠れる位置となるため、電気機器VCを使用している状態では装着部41及び装着部41に取り付けられた補助具5が外観に露出せず、見栄えが良好であるとともに、掃除の最中に補助具5が壁や家具等にぶつかって装着部41から外れる等の不具合が生じない。
【0087】
なお、上記一実施形態において、操作可能部としては、クランプ操作部400に限らず、単に両側から挟み込まれることで集塵装置DC又は構造部4を把持するための操作可能部等としてもよい。
【0088】
また、装着部41は、補助具5を上方から取り付ける構成としても、上記の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲をこれらの実施形態に限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
DC 集塵装置
L1 第一仮想線
L2 第二仮想線
VC 電気機器
1 第一分離部
2 第二分離部
3 カップ部
4 構造部
5 補助具
6 本体部
41 装着部
47 カバー
49 係止部
400 操作可能部であるクランプ操作部