(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】半導体ウエハ及び太陽電池セル製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0224 20060101AFI20240902BHJP
H01L 31/18 20060101ALI20240902BHJP
H01L 31/068 20120101ALI20240902BHJP
【FI】
H01L31/04 260
H01L31/04 460
H01L31/06 300
(21)【出願番号】P 2021052580
(22)【出願日】2021-03-26
【審査請求日】2024-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【氏名又は名称】新山 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】吉河 訓太
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-102576(JP,A)
【文献】特開2016-063159(JP,A)
【文献】特開2012-114388(JP,A)
【文献】国際公開第2019/163751(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0181450(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111819698(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/078
H01L 31/18-31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板、並びに前記半導体基板の裏面側に積層される第1半導体層及び第2半導体層を有し、複数の光電変換構造が形成された光電変換体と、
前記光電変換体の裏面側に積層される電極パターンと、
を備え、
前記電極パターンは、
前記第1半導体層に積層される第1電極及び前記第2半導体層に積層される第2電極をそれぞれ含むよう前記光電変換構造ごとに形成される複数の素子電極構造と、
前記素子電極構造を間隔を空けて取り囲むダミー電極と、
を有する半導体ウエハ。
【請求項2】
前記ダミー電極は、前記第1半導体層及び前記第2半導体層に跨って積層される、請求項1に記載の半導体ウエハ。
【請求項3】
前記第1半導体層及び前記第2半導体層は、前記光電変換構造を構成しない領域にも積層され、
前記ダミー電極は、前記第1半導体層及び前記第2半導体層の一方の前記光電変換構造を構成する部分と、前記第1半導体層及び前記第2半導体層の他方の前記光電変換構造を構成しない部分とに跨って積層される、請求項2に記載の半導体ウエハ。
【請求項4】
前記ダミー電極は、間欠的に前記素子電極構造を取り囲むよう形成される、請求項1から3のいずれかに記載の半導体ウエハ。
【請求項5】
半導体基板の裏面側に第1半導体層及び第2半導体層を積層することにより複数の光電変換構造を有する光電変換体を形成する工程と、
前記第1半導体層に積層される第1電極及び前記第2半導体層に積層される第2電極をそれぞれ含むよう前記光電変換構造ごとに形成される複数の素子電極構造と、前記素子電極構造を間隔を空けて取り囲むダミー電極と、を有する電極パターンを前記光電変換体の裏面側に積層する工程と、
前記素子電極構造と前記ダミー電極との間で前記光電変換体を切断する工程と、
を備える太陽電池セル製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ及び太陽電池セル製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1枚の半導体基板に複数の光電変換構造及び電極構造を形成した半導体ウエハを作成し、この半導体ウエハをダイシング(切断)することによって複数の太陽電池セルが製造されている。特許文献1には、ダイシングが予定されるスクライブライン上に電極を形成することによって、電極の形成時に半導体基板に反りが生じることを防止することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体基板をダイシングする際に、太陽電池セルの端部に割れや欠け等の損傷が発生する可能性がある。小型の太陽電池セルの場合、このような端部の損傷は許容できない出力低下を生じさせ得る。また、例えば円形状の太陽電池セル等、曲線に沿って半導体基板をダイシングする必要がある場合には、ダイシングに際して太陽電池セルが損傷するリスクが大きくなる。
【0005】
このような実情に鑑み得、本発明は、ダイシングによる出力低下を抑制できる半導体ウエハ及び太陽電池セル製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る半導体ウエハは、半導体基板、並びに前記半導体基板の裏面側に積層される第1半導体層及び第2半導体層を有し、複数の光電変換構造が形成された光電変換体と、前記光電変換体の裏面側に積層される電極パターンと、備え、前記電極パターンは、前記第1半導体層に積層される第1電極及び前記第2半導体層に積層される第2電極をそれぞれ含むよう前記光電変換構造ごとに形成される複数の素子電極構造と、前記素子電極構造を間隔を空けて取り囲むダミー電極と、を有する。
【0007】
上述の半導体ウエハにおいて、前記ダミー電極は、前記第1半導体層及び前記第2半導体層に跨って積層されてもよい。
【0008】
上述の半導体ウエハにおいて、前記第1半導体層及び前記第2半導体層は、前記光電変換構造を構成しない領域にも積層され、前記ダミー電極は、前記第1半導体層及び前記第2半導体層の一方の前記光電変換構造を構成する部分と、前記第1半導体層及び前記第2半導体層の他方の前記光電変換構造を構成しない部分とに跨って積層されてもよい。
【0009】
上述の半導体ウエハにおいて、前記ダミー電極は、間欠的に前記素子電極構造を取り囲むよう形成されてもよい。
【0010】
一態様に係る太陽電池セル製造方法は、半導体基板の裏面側に第1半導体層及び第2半導体層を積層することにより複数の光電変換構造を有する光電変換体を形成する工程と、前記第1半導体層に積層される第1電極及び前記第2半導体層に積層される第2電極をそれぞれ含むよう前記光電変換構造ごとに形成される複数の素子電極構造と、前記素子電極構造を間隔を空けて取り囲むダミー電極と、を有する電極パターンを前記光電変換体の裏面側に積層する工程と、前記素子電極構造と前記ダミー電極との間で前記光電変換体を切断する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ダイシングによる出力低下を抑制できる半導体ウエハ及び太陽電池セル製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る半導体ウエハの模式的裏面図である。
【
図2】
図1の半導体ウエハの部分拡大裏面図である。
【
図3】
図2の半導体ウエハのA-A線断面図である。
【
図4】
図2の半導体ウエハの半導体層の配置を示す
図2に対応する裏面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る太陽電池セル製造方法の手順を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る半導体ウエハの模式的部分拡大裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。なお、図面における種々部材の形状及び寸法は、便宜上、見やすいように調整されている。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体ウエハ1の模式的裏面図である。
図2は、半導体ウエハ1の部分拡大裏面図である。
図3は、半導体ウエハ1の断面図(
図2のA-A線上の左側の太陽電池セル100を中心とする部分の拡大断面図)である。
【0015】
半導体ウエハ1は、光電変換体10と、光電変換体10の裏面側に積層される電極パターン20と、を備える。図示する半導体ウエハ1は、一点鎖線で示すダイシングラインLに沿って切断(ダイシング)することによって平面視円形状の複数の太陽電池セル100を切り出すことができる。
【0016】
光電変換体10は、半導体ウエハ1の基材となる半導体基板11、並びに半導体基板11の裏面側に積層される第1半導体層12及び第2半導体層13を有し、これらによって複数の光電変換構造14が形成されている。つまり、第1半導体層12及び第2半導体層13は、太陽電池セル100ごとに1つの光電変換構造14を画定する所定のパターンを複数含むようにパターニングされる。なお、光電変換構造14は、それぞれ1つの太陽電池セル100に対応し、光電変換を行い得る構造を意味し、半導体ウエハ1においてその外縁が明確に画定されている必要はなく、当業者であれば電極パターン20等を含む全体構成から観念し得る概念である。
【0017】
光電変換構造14は、平面視で円形状の太陽電池セル100の全領域に存在する半導体基板11からなる基板部111と、第1半導体層12の一部であって基板部111の半分の半円形状の領域の裏面側に積層される第1機能半導体部121と、第2半導体層13の一部であって基板部111の残りの半分の半円形状の領域の裏面側に積層される第2機能半導体部131と、を有する。
【0018】
半導体基板11は、受光面側からの入射光を吸収して光キャリア(電子及び正孔)を生成する。半導体基板11は、単結晶シリコン又は多結晶シリコン等の結晶シリコン材料で形成される。半導体基板11は、例えば結晶シリコン材料にn型ドーパントがドープされたn型の半導体基板である。n型ドーパントとしては、例えばリン(P)が挙げられる。半導体基板11の材料として結晶シリコンが用いられることにより、暗電流が比較的に小さく、入射光の強度が低い場合であっても比較的高出力(照度によらず安定した出力)が得られる。
【0019】
第1半導体層12及び第2半導体層13は、互いに異なる導電型を有し、半導体基板11の内部で発生したキャリアを誘引して互いに異なる極性の電荷を収集する。第1半導体層12及び第2半導体層13は、所望の導電型を付与するドーパントをドープしたアモルファスシリコンによって形成することができる。p型のドーパントとしては、例えばホウ素(B)が挙げられ、n型ドーパントとしては、例えばリン(P)が挙げられる。
【0020】
図4に、第1半導体層12及び第2半導体層13の配設パターンをハッチングにより分かりやすく示す(ハッチングは断面を意味しない)。第1機能半導体部121及び第2機能半導体部131は、一定の距離だけダイシングラインLから外側にはみ出すよう形成される。これにより、半導体ウエハ1から太陽電池セル100を切り出したときに、太陽電池セル100の全面に第1半導体層12又は第2半導体層13が存在するため、光電変換効率を向上できる。
【0021】
また、第1半導体層12及び第2半導体層13は、光電変換構造14を構成しない領域にも積層される。具体的には、第1半導体層12は、第2機能半導体部131の外側に隣接する第1無効半導体部122を有し、第2半導体層13は、第1機能半導体部121の外側に隣接する第2無効半導体部132を有する。第1無効半導体部122は、第2機能半導体部131の径方向外側のダイシングラインLに沿う外縁の略全長に亘って接するよう形成されることが好ましい。同様に、第2無効半導体部132は、第1機能半導体部121の径方向外側の外縁の略全長に亘って接するよう形成されることが好ましい。
【0022】
本実施形態では、半導体基板11の裏面全体が第1半導体層12又は第2半導体層13で覆われているが、特に光電変換構造14の外側には、第1半導体層12及び第2半導体層13のいずれも積層されない領域が存在してもよい。また、本実施形態では、複数の光電変換構造14の向きを調整することによって、1つの第1無効半導体部122が複数の第2機能半導体部131に隣接し、1つの第2無効半導体部132が複数の第1機能半導体部121に隣接するパターニングが可能となっているが、それぞれの光電変換構造14に第1無効半導体部122及び第2無効半導体部132が一対一に対応するよう設けられてもよい。
【0023】
電極パターン20は、導電性を有する材料から形成される。電極パターン20は、例えば金属材料、導電性粒子とバインダとを含む材料等から形成され得る。また、電極パターン20は、第1半導体層12及び第2半導体層13に接する薄層状の透明電極層と、この透明電極に積層される金属電極層と、を有する多層構造を有してもよい。
【0024】
電極パターン20は、第1半導体層12に積層される第1電極21及び第2半導体層13に積層される第2電極22をそれぞれ含むよう光電変換構造14ごとに形成される複数の素子電極構造23と、素子電極構造23を間隔を空けてそれぞれ取り囲む複数のダミー電極24と、を有する。
【0025】
第1電極21は第1半導体層12から電荷を取り出し、第2電極22は第2半導体層13から電荷を取り出す。第1電極21及び第2電極22は、太陽電池セル100において外部の回路が接続される正負の端子となる。
【0026】
第1電極21及び第2電極22は、第1機能半導体部121及び第2機能半導体部131の外縁部を露出させるよう、第1機能半導体部121及び第2機能半導体部131より僅かに小さく形成されることが好ましい。第1電極21及び第2電極22をできるだけ大きく形成することによって、光電変換構造14からの電流の出力抵抗を小さくできる。一方、第1電極21及び第2電極22が、第1機能半導体部121と第2機能半導体部131との境界線を露出するよう形成されることによって、第1電極21と第2電極22との接触による短絡を防止できる。また、ダイシングラインL上には第1電極21及び第2電極22を形成しないことによって、ダイシングが容易となると共に、ダイシング時に太陽電池セル100に作用する応力を軽減できるのでダイシング時の太陽電池セル100の損傷を抑制できる。
【0027】
ダミー電極24は、光電変換構造14を基準としてダイシングラインLの外側に配設される。これによって、半導体ウエハ1をダイシングする際の光電変換体10の歪を抑制できるので、ダイシングにより切り出される太陽電池セル100に割れや欠けが発生することを抑制し、太陽電池セル100の出力低下を抑制できる。
【0028】
ダミー電極24は、第1半導体層12及び第2半導体層13に跨って積層される。好ましくは、ダミー電極24は、第1半導体層12及び第2半導体層13の一方の光電変換構造14を構成する部分と、第1半導体層12及び第2半導体層13の他方の光電変換構造14を構成しなう部分とに跨って積層される。したがって、ダミー電極24は、第1機能半導体部121と第2無効半導体部132との境界線及び第2機能半導体部131と第1無効半導体部122との境界線に沿って延在する。これによって、半導体ウエハ1に測定光を照射して太陽電池セル100の性能を測定する場合に、ダミー電極24は、太陽電池セル100(光電変換構造14)以外の領域の半導体基板11の内部に励起されるキャリアを電荷として取り出してジュール損による熱に変換する。これにより、太陽電池セル100の外側の領域において励起されるキャリアが太陽電池セル100の領域内に進入することを防止して、太陽電池セル100の性能を正確に測定できる。
【0029】
ダミー電極24は、例えば破線状、点線状、間欠的に素子電極構造23を取り囲むよう形成されてもよい。、間欠的に形成されたダミー電極24であっても。上述のようなダイシング時の太陽電池セル100の損傷防止効果、及び太陽電池セル100の性能測定時の測定誤差抑制効果を発揮し得る。また、電極パターン20を例えば銀ペースト等の比較的高価な材料によって形成する場合、ダミー電極24を間欠的に形成することで、半導体ウエハ1ひいては太陽電池セル100の製造コストを抑制できる。
【0030】
<太陽電池セル製造方法>
本発明の一実施形態に係る太陽電池セル製造方法は、上述の半導体ウエハ1を製造する工程と、半導体ウエハ1を切断する工程とを含む。したがって、太陽電池セル100の製造方法は、
図5に示すように、複数の光電変換構造14を有する光電変換体10を形成する工程(ステップS1:光電変換体形成工程)と、素子電極構造23及びダミー電極を24有する電極パターン20を光電変換体10の裏面側に積層する工程(ステップS2:電極パターン積層工程)と、素子電極構造23とダミー電極24との間で光電変換体10を切断する工程(ステップS3:光電変換体切断工程)と、を備える。
【0031】
ステップS1の光電変換体形成工程では、半導体基板11の裏面側に第1半導体層12及び第2半導体層13を積層することにより複数の光電変換構造14を有する光電変換体10を形成する。第1半導体層12及び第2半導体層13は、半導体基板11の裏面に例えばCVD等の成膜技術によって半導体材料を選択的に積層することによって順番に形成することができる。
【0032】
ステップS2の電極パターン積層工程では、光電変換体10の裏面側に、光電変換構造14ごとに素子電極構造23及びダミー電極を24有する電極パターン20を積層する。電極パターン20は、光電変換体10への導電性接着剤の選択的な塗布(例えばスクリーン印刷等)及び焼成によって形成することができる。また、電極パターン20は、例えばスパッタリング、メッキ等によって光電変換体10に積層した金属層をエッチングによりパターニングすることにより形成してもよく、光電変換体10に形成したレジストパターンの開口内にメッキ等により金属層を積層することにより形成してもよい。
【0033】
ステップS3の光電変換体切断工程では、スクライブラインLに沿って光電変換体10を切断することによって、複数の太陽電池セル100を切り離す。光電変換体10の切断は、例えばレーザ加工、ミリング加工等によって行うことでき、これらの加工によりスクライブラインに沿って溝を形成した光電変換体10に応力を作用させることによってスクライブライン上で光電変換体10を割断してもよい。
【0034】
以上の太陽電池セル製造方法によれば、半導体ウエハ1にダミー電極24を設けるため、ダイシングを行う前に太陽電池セル100の性能を正確に測定できるので、不良品を除外して効率よく太陽電池セル100を製造できる。また、半導体ウエハ1にダミー電極24を設けることにより、ダイシング時の太陽電池セル100の損傷を防止するので、太陽電池セル100の品質及び歩留まりを向上できる。
【0035】
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態に係る半導体ウエハ1Aの模式的裏面図である。本実施形態において、先の実施形態において説明した構成要素と同様の構成要素には同じ符号を付して重複する説明を省略する。
【0036】
半導体ウエハ1Aは、光電変換体10と、光電変換体10Aの裏面側に積層される電極パターン20Aと、を備える。図示する半導体ウエハ1Aは、一点鎖線で示すダイシングラインLAに沿って切断することによって平面視方形状の複数の太陽電池セル100Aを切り出すことができる。
【0037】
光電変換体10は、半導体ウエハ1の基材となる半導体基板11、並びに半導体基板11の裏面側に積層される第1半導体層12A及び第2半導体層13Aを有し、これらによって複数の光電変換構造14Aが形成されている。
図6には、第1半導体層12A及び第2半導体層13Aが存在する領域をハッチングで示す。
【0038】
光電変換構造14Aは、平面視で方形状の太陽電池セル100Aの全領域に存在する半導体基板11からなる基板部(不図示)と、第1半導体層12Aの一部であって基板部の半分の方形状の領域の裏面側に積層される第1半導体層12Aにより構成される第1機能半導体部121Aと、第2半導体層13Aの一部であって基板部の残りの半分の方形状の領域の裏面側に積層される第2機能半導体部131Aと、を有する。
【0039】
本実施形態では、光電変換構造14Aが隙間なく配置され、第1機能半導体部121Aは、同じ光電変換構造14Aの第2機能半導体部131A及び隣接する光電変換構造14Aの第2機能半導体部131Aに接し、第2機能半導体部131Aは、同じ光電変換構造14Aの第1機能半導体部121A及び隣接する光電変換構造14Aの第2機能半導体部131Aに接する。つまり、本実施形態の半導体ウエハ1Aは、第1無効半導体部及び第2無効半導体部を有しない。
【0040】
電極パターン20Aは、第1半導体層12Aに積層される第1電極21A及び第2半導体層13Aに積層される第2電極22Aをそれぞれ含むよう光電変換構造14Aごとに形成される複数の素子電極構造23Aと、素子電極構造23を間隔を空けてそれぞれ取り囲む領域を有する格子状に形成されるの単一のダミー電極24Aと、を有する。
【0041】
本実施形態の半導体ウエハ1Aも、ダミー電極24Aを有することによって、第1実施形態の半導体ウエハ1と同様に、ダイシングを行う前に太陽電池セル100Aの性能を正確に測定できるとともに、ダイシング時の太陽電池セル100Aの損傷を防止できる。
【0042】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更及び変形が可能である。本発明に係る半導体ウエハは、例えばパッシーベーション層、反射防止膜等、さらなる構成要素を備えてもよい。
【0043】
本発明に係る半導体ウエハにおいて、複数の光電変換構造の平面配置パターン、及び各光電変換構造の内部の第1半導体層及び第2半導体層の平面パターンは、上述の実施形態の形状に限定されず、本発明の概念及び技術常識の中で任意に変形できる。例として、それぞれの光電変換構造は、第1機能半導体部及び第2機能半導体部を複数備え、それぞれの機能半導体部に電極が積層される構成を有してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1,1A 半導体ウエハ
10,10A 光電変換体
11 半導体基板
111 基板部
12,12A 第1半導体層
121,121A 第1機能半導体部
122 第1無効半導体部
13,13A 第2半導体層
131,131A 第2機能半導体部
132 第2無効半導体部
14,14A 光電変換構造
20,20A 電極パターン
21,21A 第1電極
22,22A 第2電極
23,23A 素子電極構造
24,24A ダミー電極
100,100A 太陽電池セル
L,LA ダイシングライン