(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】患者にガスを提供するための排出用の手術用カニューレ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A61B17/34
(21)【出願番号】P 2021507681
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(86)【国際出願番号】 NZ2019050099
(87)【国際公開番号】W WO2020036497
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-08-15
(32)【優先日】2018-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー クリスチャン フランシス
(72)【発明者】
【氏名】ボーイズ リチャード ジョン
(72)【発明者】
【氏名】アルランドゥ アビゲイル シャーミニ ラジェン
(72)【発明者】
【氏名】ペグマン ベンジャミン エリオット ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】ゲル ゼイン ポール
(72)【発明者】
【氏名】バックルズ ケイティ-アン ジェイン
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー ザック ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ラウス シャロット グレイス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァードゥールド ヴィンセント
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0007295(US,A1)
【文献】国際公開第2016/140039(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0167478(US,A1)
【文献】特表2012-505027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用腔に送気ガスを供給するための、及び前記手術用腔からガスを排出するための手術用カニューレであって、
カニューレ上部筐体と、
前記カニューレ上部筐体から延びる長尺状シャフトと、
排出用要素と、
を含み、
前記カニューレ上部筐体及び前記長尺状シャフトは、第1の内腔入口と第1の内腔出口とを含む第1の内腔を含み、前記第1の内腔は、前記カニューレ上部筐体の入口から送気ガスを受け取り、前記送気ガスを、前記長尺状シャフトの遠位端の近傍の出口から前記手術用腔に送達するように構成されており、前記第1の内腔入口は、前記送気ガスの第1の供給源と流体連通するように構成されており、
前記カニューレ上部筐体及び前記長尺状シャフトは、第2の内腔入口と第2の内腔出口とを含む第2の内腔を含み、前記第2の内腔は、前記手術用腔から前記第2の内腔入口を通してガスを受け取り、前記第2の内腔出口を通して前記手術用腔の外に前記ガスを排出するように構成されており、
前記第2の内腔は、前記排出用要素と流体連通するように構成されており、
前記第1の内腔は、前記第2の内腔に対して半径方向にオフセットして
おり、
前記手術用カニューレは、前記第2の内腔と流体連通する第1のフィルタ及び第2のフィルタであって、前記第2のフィルタは、前記第1のフィルタから遠位に離隔している、第1のフィルタ及び第2のフィルタを含む、
手術用カニューレ。
【請求項2】
前記第1の内腔と前記第2の内腔は、互いに少なくとも部分的に入れ子になっている、請求項1に記載の手術用カニューレ。
【請求項3】
前記排出用要素は、前記手術用腔に対する圧力差によって生じる受動排出を提供するように構成されている、請求項1又は2に記載の手術用カニューレ。
【請求項4】
前記第1の内腔入口は、ガス供給源出口と接続するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の手術用カニューレ。
【請求項5】
前記第1の内腔又は前記第2の内腔は、前記第1の内腔又は前記第2の内腔のうちの他方を位置づける及び/又は保持するように構成された1つ以上の位置決めリブを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の手術用カニューレ。
【請求項6】
少なくとも3つの位置決めリブを含む、請求項5に記載の手術用カニューレ。
【請求項7】
前記位置決めリブは、前記第1の内腔又は前記第2の内腔の内壁と一体形成されている、請求項5又は6に記載の手術用カニューレ。
【請求項8】
前記第1の内腔は、前記第2の内腔の断面積よりも大きい断面積を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の手術用カニューレ。
【請求項9】
前記第2の内腔は、半円形、三日月形、又は弓形輪郭のうちの1つを含み、前記第1の内腔は、円形輪郭を含む、又は、
前記第2の内腔は、前記第1の内腔に少なくとも部分的に外接する渦巻形を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の手術用カニューレ。
【請求項10】
前記第1の内腔は、前記第1の内腔内に医療機器を収容するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の手術用カニューレ。
【請求項11】
第3の内腔を更に含み、前記第3の内腔は、前記第3の内腔内に医療機器を収容するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の手術用カニューレ。
【請求項12】
前記第1のフィルタ及び第2のフィルタの少なくとも1つは、前記第2の内腔と一体形成されている、又は、前記カニューレ上部筐体内に配置されている、又は、
前記第1のフィルタは前記カニューレ上部筐体の近位端に接続された導管に
流体的に接続されている、
請求項1~11のいずれか一項に記載の手術用カニューレ。
【請求項13】
前記排出用要素は、クリップによって、前記カニューレ上部筐体に取り外し可能に結合されている、
請求項1~12のいずれか一項に記載の手術用カニューレ。
【請求項14】
前記第2の内腔出口は、前記カニューレ上部筐体の長手方向軸線に対して角度を成している、請求項1に記載の手術用カニューレ。
【請求項15】
前記カニューレは、医療機器に対して封止するように構成されたシールを更に含み、前記シールは、前記カニューレ上部筐体内に位置し、前記第1の内腔及び前記第2の内腔のうちの少なくとも1つに対して整列している、
請求項1~14のいずれか一項に記載の手術用カニューレ。
【請求項16】
前記第1のフィルタは、前記カニューレ上部筐体に取り外し可能に結合された前記排出用要素内に収容されている、又は、
前記第2のフィルタは、前記第1のフィルタの遠位に配置されており、側壁ガス排出用出口ポートを含む、又は、
前記第2のフィルタは、前記第1のフィルタの遠位に配置されており、前記カニューレ上部筐体内に配置されており、側壁ガス排出用出口ポートを含む、
請求項1に記載の手術用カニューレ。
【請求項17】
前記第1の内腔入口は、第1の導管を介して前記送気ガスの前記第1の供給源と、及び第2の導管を介して前記送気ガスの第2の供給源と流体連通するように構成されており、
前記送気ガスの前記第2の供給源は、前記手術用腔からのスモークを前記第2の内腔に吸引させるのに十分な圧力差をベンチュリ効果によって生じさせるのに十分なように構成された高圧送気ガス供給源である、
請求項1に記載の手術用カニューレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、幾つかの態様において、特に医療処置中に、患者にガスを供給するように構成された加湿器システム及び加湿器システムの構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な医療処置では、医療処置中に、患者にガス、典型的には二酸化炭素を提供することを必要とする。例えば、2つの一般的な医療処置のカテゴリーでは、多くの場合、患者にガスを提供することを必要とする。これらには、閉鎖型医療処置及び開放型医療処置が含まれる。
【0003】
閉鎖型医療処置では、気腹器は、医療処置中に、患者の体腔にガスを送達し、体腔を膨らませるために及び/又は体腔の潰れに耐えるために配置される。このような医療処置の例としては、腹腔鏡検査及び内視鏡検査が挙げられるが、気腹器は、必要に応じて、任意の他の種類の医療処置で使用されてもよい。内視鏡処置では、1つ以上の自然開口部、小穿孔、又は切開を通して内視鏡等を挿入し、体腔の画像を生成することにより、医療関係者が体腔を可視化することを可能にする。腹腔鏡検査処置では、医療関係者は、通常、1つ以上の自然開口部、小穿孔、又は切開を通して手術用機器を挿入し、体腔内の手術処置を実施する。幾つかの場合では、体腔を評価するために最初に内視鏡処置を行ってもよく、その後、体腔で手術を行うために次の腹腔鏡検査を行ってもよい。このような処置は、例えば、腹膜腔に対して、又は胸腔鏡検査、結腸内視鏡検査、胃鏡検査、若しくは気管支鏡検査中に広く使用されている。
【0004】
開放型医療処置、例えば、切開手術では、ガスは手術用腔を満たすために使用され、余剰ガスは開口部から外に溢れる。ガスはまた、例えば、識別可能な腔のない露出した身体部位を覆うガスの層を提供するために使用され得る。これらの処置においては、ガスは、腔を膨らませる役割を果たすのではなく、露出した内部身体部位を、加熱され加湿された無菌ガスの層で覆うことにより乾燥及び感染を防止するか又は低減するために使用され得る。
【0005】
これらの医療処置中にガスを送達するための装置は、加圧ガスの遠隔供給源、例えば、病院内のガス供給システムに接続されるように配置された気腹器を含み得る。装置は、ガス供給源からのガスの圧力及び/又は流れを、通常、装置に接続され、体腔に挿入されたカニューレ若しくは針を介して、又は創傷若しくは手術用腔を覆い且つその中にガスを拡散させるために配置された拡散器を介して、体腔に送達するのに適したレベルに制御するように動作することができる。
【0006】
ヒト患者の体内温度は、通常、約37℃である。装置から送達されるガスの温度を典型的なヒトの体温にできる限り一致させることが望ましい場合がある。体内温度を上回るか又は下回る、例えば体内温度を、例えば1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、若しくは15℃を上回るか若しくは下回るか、又は前述の値の任意の2つを含む範囲で上回るか若しくは下回るなどでガスを送達することが望ましい場合がある。所望の一定の若しくは可変の湿度及び/又は所望の一定の若しくは可変の温度のガスを送達することも望ましい場合がある。所望のガス温度及び/又は湿度(本明細書では、標準とも称される場合がある)のガスは、例えば、乾燥低温ガス、乾燥高温ガス、加湿低温ガス、又は加湿高温ガスであり得る。更に、患者の体に送達されるガスは、相対的に乾燥することがあり、細胞死又は癒着などの体腔の損傷を引き起こすおそれがある。多くの場合、加湿器が気腹器に動作的に結合される。装置のコントローラは、ガス流路内に位置する加湿器のヒータに通電し、ガスストリームが患者の体腔に入る前にガスストリームに加湿流体(例えば水)蒸気を供給することができる。
【0007】
加湿ガスは、加熱もされてよい更なるチュービングを介して患者に送達され得る。気腹器と加湿器は、適切なチュービング及び/若しくは電気接続を介して共に接続された別個の筐体内に位置し得るか、又は適切なチュービングを介して遠隔ガス供給部に接続されるように配置された共通の筐体内に位置し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
腹腔鏡下手術中には、一般に、手術用腔、例えば、特定の腹部手術では気腹内で切除又は凝固を生じさせるための何らかの形態の電気外科手術、電気焼灼術、レーザー切除若しくは焼灼、又は他の種類のエネルギーが存在する。これにより、特に、顕著なガス漏れ又は吸引/灌流がない場合には、密閉及び加圧された手術用腔、例えば、腹膜内で時間の経過とともに濃度が上昇するおそれがあるサージカルスモークが発生する。スモークプルームは上昇し、視界を遮断するおそれがある。更なるスモークプルームがスコープに接触する又はスコープ上に粒子を堆積させるおそれがある。スコープに接触するスモークプルームはまた、スコープ上の曇り又は結露を引き起こす可能性がある。換言すると、気腹内及び視野内の高濃度のスモークは、トロカールを介して挿入されたレンズを通して腹膜内の空間を観察する際に光学的透明度を著しく妨げるおそれがある。トロカールは、カニューレ及び閉塞具を含み得る。排出又は吸引を使用しなければ、外科医は、一般に、ある量のガスを気腹内から脱気によって放出し、その後、再送気する以外の選択肢を有しない。これは不便であり得るとともに、手術室及び麻酔の時間を不必要に増加させる可能性がある。したがって、スモークプルーム及びスモーク濃度を排出することが有用となる可能性があり、これにより、結露及び/又は曇りを防止する又は少なくとも低減することができる。結露は、医療機器の様々な表面上に発生し得る。医療機器の可視面上に結露が形成すると、これは、レンズ又は医療機器の任意の他の可視面(例えば、鏡又は透明若しくは半透明窓など)を介した視認性の障害として顕在化する曇り効果として観察される。結露が医療機器の様々な表面上に形成すると、結露は、合体して水滴になり得る。これは、可視面上で直接発生し得る、又は他の表面上で発生し、その後、可視面に移動し得る若しくは可視面上に堆積され得る。したがって、本明細書で使用する場合、結露及び/又は曇りは、一般的な結露、及び幾つかの場合では、特に、可視面上の結露(即ち曇り)に関するものを意味する。
【0009】
幾つかの構成では、本明細書に開示されるシステム及び方法は、ガス(及び電気外科手術、電気焼灼術、レーザー切除若しくは焼灼中、又は他の種類のエネルギーにより生成されたスモークプルーム)を気腹内から有利に排出することができ、これにより、少なくとも2つの利点、即ち、気腹内のスモーク濃度を希釈して視認性を向上させることができ、且つまた、気腹器からのCO2の一定の流れを確保することができ、観察領域にわたり/観察領域上に「清浄な」CO2ガスの気流を生成し、これにより、レンズと手術領域との間の領域内の視界を妨げるスモークを運び去る又は押しのける、が達成される。排出流量は、送達流量と関連し得る。一例では、排出速度(即ち排出流量)は、手術部位内における指定圧力を達成するように設定されてもよい。別の説明では、排出速度は、手術用腔が所定の圧力率に維持されるようなものである。幾つかの実施形態では、排出流量は、所定の流量であってもよい。例えば、流量は、使用者によって設定されてもよい。使用される排出用要素は、所定の流量を達成するように作成又は調整されてもよい。しかしながら、気腹の安定性及び圧力に悪影響を及ぼすという観点から、排出の際にはトレードオフが存在する場合がある。
【0010】
幾つかの構成では、システム及び方法は、手術室に排出されるガスから有害な化学物質及び生体粒子を有利に濾過して除去することができる。手術環境において高まっている懸念は、電気外科手術、電気焼灼術、レーザー切除若しくは焼灼中、又は他の種類のエネルギーで生成されるスモークによる手術スタッフ(及び患者)への危険性である。研究では、サージカルスモークは癌又は他の健康問題をもたらす可能性があり、人間が吸入すると有害となり得る多くの化学物質及び生体粒子を含むことが示されている。したがって、幾つかの場合では、一体型のスモークフィルタ、又はフィルタを取り外し可能なアタッチメントとして排出出口に有する性能を含むと有利になり得る。手術室におけるサージカルスモークの濾過を管理する基準は、世界中で未だ作成及び実践されているところであり、これら基準の最も厳しいものでは、約0.1~0.2ミクロンまでの粒子の濾過を99.999%の効率で規定する。幾つかの実施形態では、場合によっては、臭気を除去するためのカーボンフィルタステージに加えて、0.12ミクロン以下を99.9995%以上の効率で濾過するULPAフィルタを含み得るフィルタが使用され得る。スモークの濾過と除去の両方を、幾つかの異なる手法で組み合わせることができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、前述の課題及び/又は他の課題に対処することができる、手術用腔からのスモークを含むガスを排出するように構成された1つ、2つ、又は2つより多い内腔を有するカニューレの例を提供する。カニューレは、単回使用(使い捨て)のもの又は再利用可能のものであり得る。代替的に、カニューレの部品は、単回使用(使い捨て)のもの又は再利用可能のものであり得る。カニューレは、生体適合性材料及び/又は滅菌可能な材料で作成されてもよい。本開示では、排出用カニューレの異なる例の特徴を、互いに組み込むこと又は組み合わせることができる。
【0012】
幾つかの態様では、本明細書に開示されるのは、手術用腔に送気ガスを供給するための、及び手術用腔からガスを排出するための手術用カニューレであって、カニューレ上部筐体と、カニューレ上部筐体から延びる長尺状シャフトと、を含む、手術用カニューレである。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、入口と出口とを含む第1の内腔を含む。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、第1の内腔入口と第1の内腔出口とを含む第1の内腔を含む。第1の内腔は、カニューレ上部筐体の入口から送気ガスを受け取り、送気ガスを、長尺状シャフトの遠位端の近傍の出口から手術用腔に送達するように構成されている。第1の内腔入口は、送気ガスの供給源と流体連通する。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、入口と出口とを含む第2の内腔を含む。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、第2の内腔入口と第2の内腔出口とを含む第2の内腔を含む。第2の内腔は、手術用腔から第2の内腔入口を通してガスを受け取り、第2の内腔出口を通して手術用腔の外にガスを排出するように構成され得る。第2の内腔は、手術用カニューレに動作的に接続された排出用要素と流体連通する。
【0013】
幾つかの構成では、第1の内腔と第2の内腔は、互いに少なくとも部分的に若しくは完全に入れ子になっている、又は互いに同心である。
【0014】
幾つかの構成では、第1の内腔は、第2の内腔に対して半径方向にオフセットしている、又は第2の内腔は、第1の内腔に対して半径方向にオフセットしている。
【0015】
幾つかの構成では、第2の内腔は、第1の内腔の直径よりも大きい、第1の内腔の直径よりも小さい、又は第1の内腔の直径に等しい直径を含む。
【0016】
幾つかの構成では、排出用要素は、手術用腔に対する圧力差によって生じる受動排出を提供するように構成されている。
【0017】
幾つかの構成では、第1の内腔の入口は、ガス供給源の出口と接続するように構成されている。幾つかの構成では、第1の内腔入口は、ガス供給源出口と接続するように構成されている。
【0018】
幾つかの構成では、第1の内腔又は第2の内腔は、第1の内腔又は第2の内腔のうちの他方を位置づける及び/又は保持するように構成された1つ以上の位置決めリブ、例えば、少なくとも2つ、3つ、又はこれより多い位置決めリブを含む。
【0019】
幾つかの構成では、位置決めリブは、第1の内腔又は第2の内腔の内壁と一体形成されている。
【0020】
幾つかの構成では、第1の内腔は、第2の内腔の断面積よりも大きい、第2の内腔の断面積よりも小さい、又は第2の内腔の断面積に等しい断面積を含む。
【0021】
幾つかの構成では、第2の内腔は、半円形、三日月形、又は弓形輪郭のうちの1つを含む。
【0022】
幾つかの構成では、第1の内腔は、円形輪郭を含む。
【0023】
幾つかの構成では、第2の内腔は、第1の内腔に少なくとも部分的に外接する渦巻形を含む。
【0024】
幾つかの構成では、第1の内腔は、第1の内腔内に医療機器を収容するように構成されている。
【0025】
幾つかの構成では、カニューレは、第3の内腔を更に含み、第3の内腔は、第3の内腔内に医療機器を収容するように構成されている。
【0026】
幾つかの構成では、カニューレはまた、第2の内腔と流体連通する1つ以上のフィルタを含む。
【0027】
幾つかの構成では、フィルタは、カニューレ上部筐体に取り外し可能に結合された排出用要素内に収容されている。
【0028】
幾つかの構成では、排出用要素は、クリップによって、カニューレ上部筐体に取り外し可能に結合されている。
【0029】
幾つかの構成では、フィルタは、カニューレ上部筐体及び/又は第2の内腔と一体形成されている。
【0030】
幾つかの構成では、フィルタは、カニューレ上部筐体内に配置されている。
【0031】
幾つかの構成では、フィルタは、カニューレ上部筐体の近位端に接続された導管に動作的に接続されている。
【0032】
幾つかの構成では、第2の内腔の出口は、カニューレ上部筐体の長手方向軸線に対して角度を成している。幾つかの構成では、第2の内腔出口は、カニューレ上部筐体の長手方向軸線に対して角度を成している。
【0033】
幾つかの構成では、第2の内腔の出口角度は約45度である。幾つかの構成では、第2の内腔出口の角度は約45度である。
【0034】
幾つかの構成では、カニューレはまた、医療機器に対して封止するように構成されたシールを含み、シールは、カニューレ上部筐体内に位置し、第1の内腔及び第2の内腔のうちの少なくとも1つに対して整列している。
【0035】
幾つかの構成では、シールは、ダックビル型シール又はフラップシールである。
【0036】
幾つかの構成では、本明細書に開示されるのは、手術用腔に送気ガスを供給するための、及び手術用腔からガスを排出するための手術用カニューレであって、カニューレ上部筐体と、カニューレ上部筐体から延びる長尺状シャフトと、を含む、手術用カニューレである。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、カニューレ上部筐体の入口から送気ガスを受け取り、送気ガスを、長尺状シャフトの遠位端の近傍で手術用腔に送達するように構成された内腔を含む。内腔入口は、送気ガスの供給源と流体連通する。内腔はまた、手術用腔からガスを受け取り、手術用腔から手術用腔の外にガスを排出するように構成されている。カニューレはまた、内腔と流体連通する排出用要素を含む。排出用要素は、手術用腔からのガスが手術用カニューレから排出される前に、手術用腔からのガスを濾過するように構成されたフィルタを更に含む。
【0037】
幾つかの構成では、排出用要素は、カニューレ上部筐体及び/又は内腔に組み込まれている。
【0038】
幾つかの構成では、内腔は、内腔に沿って部分的に軸方向に延びる壁を含み、壁は、送気ガスを手術用腔に送達するように構成された第1の通路と、手術用腔からガスを排出するように構成された第2の通路とに内腔を分割するように構成されている。
【0039】
幾つかの構成では、第1の通路は、第2の通路と同心である、第2の通路からオフセットしている、及び/又は第2の通路から流体的に隔離されている。
【0040】
幾つかの構成では、排出用要素は、カニューレ上部筐体に取り外し可能に取り付けられている。
【0041】
幾つかの構成では、排出用要素は、第1のロック機構を更に含み、第1のロック機構は、カニューレ上部筐体上の第2の相補的なロック機構に排出用要素をロックするように構成されている。
【0042】
幾つかの構成では、第1のロック機構は、第1のロック機構が第2のロック機構にロックされると、排出用要素とカニューレ上部筐体との間にシールを作成する。
【0043】
幾つかの構成では、排出用要素はまた、少なくとも1つの排出用アパーチャを含み、フィルタは、排出用アパーチャに隣接して配置され、手術用腔からのガスがフィルタを通過して、少なくとも1つの排出用アパーチャから出るように構成されている。
【0044】
幾つかの構成では、カニューレはまた、複数の排出用アパーチャを含み、手術用腔からのガスの排出は、手術用腔と周囲空気との間の圧力差によって受動的に起こる。
【0045】
幾つかの構成では、排出用要素はまた、排出弁、例えば電磁弁を含む。
【0046】
幾つかの構成では、排出用要素はまた、1つ以上のセンサを含み、1つ以上のセンサは、温度、圧力、及び湿度のうちの少なくとも1つを検知するように構成されている。
【0047】
幾つかの構成では、排出用要素はまた、フィルタの一部分を加熱し、フィルタの結露を防止するように構成された内蔵型の加熱要素を含む。
【0048】
幾つかの構成では、排出用要素はまた、フィンを含み、フィンは、カニューレ上部筐体内に延び、ガス入口ポートに隣接して配置され、ガス入口ポートから送気ガスの流れを案内する。
【0049】
幾つかの構成では、また、本明細書に開示されるのは、手術用腔に送気ガスを供給するための、及び手術用腔からガスを排出するための手術用カニューレであって、カニューレ上部筐体と、カニューレ上部筐体から延びる長尺状シャフトと、第2の内腔と流体連通する第1のフィルタ及び第2のフィルタであって、第2のフィルタは、第1のフィルタから遠位に離隔している、第1のフィルタ及び第2のフィルタと、を含む、手術用カニューレである。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、入口と出口とを含む第1の内腔を含み得る。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、第1の内腔入口と第1の内腔出口とを含む第1の内腔を含み得る。第1の内腔は、カニューレ上部筐体の入口から送気ガスを受け取り、送気ガスを、長尺状シャフトの遠位端の近傍の出口から手術用腔に送達するように構成され得る。第1の内腔入口は、送気ガスの供給源と流体連通する。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、入口と出口とを含む第2の内腔を含み得る。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、第2の内腔入口と第2の内腔出口とを含む第2の内腔を含み得る。第2の内腔は、手術用腔から第2の内腔入口を通してガスを受け取り、第2の内腔出口を通して手術用腔の外にガスを排出するように構成され得る。第2の内腔は、手術用カニューレに動作的に接続された排出用要素と流体連通する。第1のフィルタは、カニューレ上部筐体に取り外し可能に結合された排出用要素内に収容されている。
【0050】
幾つかの構成では、第2のフィルタは、第1のフィルタの遠位に配置されており、側壁ガス排出用出口ポートを含む。
【0051】
幾つかの構成では、第2のフィルタはまた、カニューレ上部筐体内に配置されている。
【0052】
幾つかの構成では、本明細書に開示されるのは、手術用腔に送気ガスを供給するための、及び手術用腔からガスを排出するためのカニューレである。カニューレは、カニューレ上部筐体と、カニューレ上部筐体から延びる長尺状シャフトと、を含み得る。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、入口と出口とを含む第1の内腔を含み、第1の内腔は、カニューレ上部筐体の入口から送気ガスを受け取り、送気ガスを、長尺状シャフトの遠位端の近傍の出口から手術用腔に送達するように構成されている。第1の内腔入口は、送気ガスの供給源と流体連通する。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、入口と出口とを含む第2の内腔を含み、第2の内腔は、手術用腔から第2の内腔入口を通してガスを受け取り、第2の内腔出口を通してガスを排出するように構成されている。第2の内腔は、手術用カニューレに動作的に接続された排出用要素と流体連通する。カニューレは、第2の内腔と流体連通するブロワユニットを更に含み、ブロワユニットは、ファンとブロワ駆動ユニットとを含み、ブロワユニットは、手術用腔からのガスを第2の内腔に吸引するように構成されている。カニューレは、手術用腔からのガスを第2の内腔に吸引するように構成された1つ以上の吸引ユニットを更に含み得る、又は手術用腔からのガスを第2の内腔に吸引するように構成された1つ以上の吸引ユニットに接続され得る。カニューレは、第1の内腔に送達されるガスを加湿又は加熱するように構成された加湿器又はヒータを更に含み得る、又は第1の内腔に送達されるガスを加湿又は加熱するように構成された加湿器又はヒータに接続され得る。
【0053】
幾つかの構成では、ブロワ駆動ユニットは、磁気円形リングを含む。
【0054】
幾つかの構成では、また、本明細書に開示されるのは、手術用腔に送気ガスを供給するための、及び濾過された送気ガスを手術用腔に再循環させるためのマルチカニューレ手術用カニューレシステムである。カニューレシステムは、第1のカニューレであって、第1の内腔であって、第1の内腔内に第1の医療機器を収容するように構成された第1の内腔と、第2の内腔と、第2の内腔と流体連通するブロワユニットと、第2の内腔と流体連通する少なくとも1つのフィルタと、を含み、ブロワユニットは、ファンとブロワ駆動ユニットとを含み、ブロワユニットは、手術用腔からのガスを第2の内腔に吸引するように構成されており、第2の内腔は、手術用腔からの吸引されたガスを受け取るように構成されている、第1のカニューレと、第2のカニューレであって、第1の内腔であって、第1の内腔内に第2の医療機器を収容するように構成された第1の内腔と、第2の内腔であって、第2のカニューレの第2の内腔は、導管を介して第1のカニューレの第2の内腔と流体連通するように構成されており、第2のカニューレの第2の内腔は、濾過された送気ガスを手術用腔に再循環させるように構成されている、第2の内腔と、を含む、第2のカニューレと、を含む。
【0055】
幾つかの構成では、第1のカニューレ及び第2のカニューレのうちの少なくとも1つは、送気ガスの供給源に接続可能な送気ガス入口を更に含む。
【0056】
幾つかの構成では、また、本明細書に開示されるのは、手術用腔に送気ガスを供給するための、及び濾過された送気ガスを手術用腔に再循環させるための手術用カニューレシステムである。カニューレシステムは、第1の内腔であって、第1の内腔内に第1の医療機器を収容するように構成された第1の内腔と、第2の内腔と、第2の内腔と流体連通するブロワユニットと、第2の内腔と流体連通する少なくとも1つのフィルタと、を含み、ブロワユニットは、ファンとブロワ駆動ユニットとを含み、ブロワユニットは、手術用腔からのガスを第2の内腔に吸引するように構成されており、第2の内腔は、手術用腔からの吸引されたガスを受け取るように構成されている、カニューレを含む。カニューレは、少なくとも1つのフィルタを介して第1のカニューレの第2の内腔と連通する第3の内腔を更に含み、第3の内腔は、濾過された送気ガスを手術用腔に再循環させるように構成されている。カニューレは、送気ガスの供給源に接続可能な送気ガス入口を更に含み得る。
【0057】
幾つかの構成では、また、本明細書に開示されるのは、手術用腔に送気ガスを供給するための、及び手術用腔からガスを排出するための手術用カニューレである。カニューレは、カニューレ上部筐体と、カニューレ上部筐体から延びる長尺状シャフトと、を含む。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、入口と出口とを含む第1の内腔を含む。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、第1の内腔入口と第1の内腔出口とを含む第1の内腔を含み得る。第1の内腔は、カニューレ上部筐体の入口から送気ガスを受け取り、送気ガスを、長尺状シャフトの遠位端の近傍の出口から手術用腔に送達するように構成され得る。第1の内腔入口は、送気ガスの供給源と流体連通する。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、入口と出口とを含む第2の内腔を含む。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、第2の内腔入口と第2の内腔出口とを含む第2の内腔を含み得る。第2の内腔は、手術用腔から第2の内腔入口を通してガスを受け取り、第2の内腔出口を通してガスを排出するように構成され得る。第2の内腔は、手術用カニューレに動作的に接続された排出用要素と流体連通する。カニューレは、第2の内腔出口の近傍のシールに動作的に接続された制御部を更に含む。制御部は、非作動状態と作動状態とを有し、作動状態にある制御部はシールを開放させ、第2の内腔出口を通したガスの排出を可能にする。
【0058】
幾つかの構成では、制御部は、ボタンを含み得る。
【0059】
幾つかの構成では、また、本明細書に開示されるのは、手術用腔に送気ガスを供給するための、及び手術用腔からガスを排出するための手術用カニューレである。カニューレは、カニューレ上部筐体と、カニューレ上部筐体から延びる長尺状シャフトとを含む。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、入口と出口とを含む第1の内腔を含む。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、第1の内腔入口と第1の内腔出口とを含む第1の内腔を含み得る。第1の内腔は、カニューレ上部筐体の入口から送気ガスを受け取り、送気ガスを、長尺状シャフトの遠位端の近傍の出口から手術用腔に送達するように構成され得る。第1の内腔入口は、第1の導管を介して送気ガスの第1の供給源と、及び第2の導管を介して送気ガスの第2の供給源に流体連通するように構成されている。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、入口と出口とを含む第2の内腔を含む。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、第2の内腔入口と第2の内腔出口とを含む第2の内腔を含む。第2の内腔は、手術用腔から第2の内腔入口を通してガスを受け取り、第2の内腔出口を通してガスを排出するように構成され得る。第2の内腔は、手術用カニューレに動作的に接続された排出用要素と流体連通する。送気ガスの第2の供給源は、手術用腔からのスモークを第2の内腔に吸引させるのに十分な圧力差をベンチュリ効果によって生じさせるのに十分なように構成された高圧送気ガス供給源である。
【0060】
幾つかの構成では、カニューレは、カニューレ内に配置された1つ以上の加熱要素を含む。
【0061】
幾つかの構成では、加熱要素は、ガスを送達する内腔及び/又は排出用経路内に配置され、ガスを送達する内腔及び/又は排出用経路に沿ってある程度の距離延びる。
【0062】
幾つかの構成では、加熱要素は、シャフト内に配置されてもよく、また、排出用要素と熱連通してもよい。加熱要素は、排出用カニューレの結露及び/又は曇りを防止するために使用される。
【0063】
幾つかの構成では、更に本明細書に開示されるのは、手術用腔に送気ガスを供給するための、及び手術用腔からガスを排出するための手術用カニューレである。カニューレは、カニューレ上部筐体と、カニューレ上部筐体から延びる長尺状シャフトとを含む。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、入口と出口とを含む第1の内腔を含む。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、第1の内腔入口と第1の内腔出口とを含む第1の内腔を含み得る。第1の内腔は、カニューレ上部筐体の入口から送気ガスを受け取り、送気ガスを、長尺状シャフトの遠位端の近傍の出口から手術用腔に送達するように構成することができ、第1の内腔入口は、送気ガスの供給源と流体連通する。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、入口と複数の出口とを含む第2の内腔を含む。カニューレ上部筐体及び長尺状シャフトは、第2の内腔入口と複数の第2の内腔出口とを含む第2の内腔を含む。第2の内腔は、手術用腔から第2の内腔入口を通してガスを受け取り、第2の内腔出口を通してガスを排出するように構成され得る。第2の内腔は、手術用腔から第2の内腔入口を通してガスを受け取り、複数の第2の内腔出口を通してガスを排出するように構成され得る。第2の内腔は、手術用カニューレに動作的に接続された排出用要素と流体連通する。カニューレ上部筐体は、ねじ山と複数の周方向に向けられたスロットとを含む回転可能な近位キャップに接続されるように構成されており、スロットは、回転可能なキャップの回転時に、第2の内腔の複数の出口からの排出を遮断し、又は少なくとも一部可能にし、ガスの排出速度を制御するように構成されている。カニューレ上部筐体は、ねじ山と複数の周方向に向けられたスロットとを含む回転可能な近位キャップに接続されるように構成されており、スロットは、回転可能なキャップの回転時に、複数の第2の内腔出口からの排出を遮断し、又は少なくとも一部可能にし、ガスの排出速度を制御するように構成されている。
【0064】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点を、特定の実施形態を概略的に示すことを意図し、本開示を限定しない特定の実施形態の図面を参照しながら記載する。幾つかの場合では、三次元カニューレの幾つかの断面図及び横断面図においては、明確化の目的で「スライス」が示される。当業者であれば、これらの図が、三次元のカニューレのスライスを示すことを理解できるであろう。幾つかの場合では、明確化のために、突出部表面は示されていない。例えば、突出穴表面は、幾つかの図では示されていない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】手術で使用される例示的な医療ガス送達装置を概略的に示す。
【
図2】手術で使用される例示的な医療ガス送達装置を概略的に示す。
【
図3A】取り出し可能なフィルタとシールとを含む二重同心内腔カニューレの斜視図を示す。
【
図3B】取り出し可能なフィルタとシールとを含む二重同心内腔カニューレの長手方向断面分解図を示す。
【
図4】
図3A及び
図3Bに示される、二重同心内腔を含む排出用カニューレ実施形態の非分解断面図を示す。
【
図5A】取り出し可能なフィルタとシールとを含む排出用要素を含むカニューレの別の実施形態の分解図である。
【
図5B】
図5Aのカニューレ400の分解図実施形態の断面図を示す。
【
図6A】複数の離隔されたフィルタ要素を含み得るカニューレの別の実施形態の等角図である。
【
図7A】排出用アパーチャを有する排出用要素を含むカニューレの近位端を示す。
【
図7C】排出用カニューレとともに利用され得る排出弁の実施形態を示す。
【
図7D】排出用カニューレとともに利用され得る排出弁の実施形態を示す。
【
図7E】排出用カニューレとともに利用され得る排出弁の実施形態を示す。
【
図8A】弁を含んでも含まなくてもよい、排出用カニューレ内に含まれ得る追加的な機械的/受動排出実施形態を示す。
【
図8B】弁を含んでも含まなくてもよい、排出用カニューレ内に含まれ得る追加的な機械的/受動排出実施形態を示す。
【
図8C】弁を含んでも含まなくてもよい、排出用カニューレ内に含まれ得る追加的な機械的/受動排出実施形態を示す。
【
図8D】弁を含んでも含まなくてもよい、排出用カニューレ内に含まれ得る追加的な機械的/受動排出実施形態を示す。
【
図9A】電気的排出特徴を含み得る排出用カニューレの実施形態の図を示す。
【
図9B】電気的排出特徴を含み得る排出用カニューレの実施形態の図を示す。
【
図10A】排出用カニューレの電気的要素に対する、電源の追加的な例の分離構成を示す。
【
図10B】排出用カニューレの電気的要素に対する、電源の追加的な例の接続構成を示す。
【
図11A】デュアル内腔排出用カニューレ1100の一実施形態の断面図を示す。
【
図11B】デュアル内腔排出用カニューレ1100の一実施形態の断面図を示す。
【
図12A】取り出し可能なフィルタとシールとを含む排出用要素を含むカニューレの別の実施形態の分解図を示す。
【
図12B】取り出し可能なフィルタとシールとを含む排出用要素を含むカニューレの別の実施形態の分解図を示す。
【
図13】
図12A及び
図12Bに示される、二重オフセット非同心内腔を含む排出用カニューレ実施形態の非分解長手方向断面図を示す。
【
図14】二重オフセット非同心内腔カニューレの別の実施形態の非分解長手方向断面図を示す。
【
図14A】第1のポートと第2のポートとを含み得る二重オフセット非同心内腔カニューレの別の実施形態の長手方向断面図を示す。
【
図14B】カニューレ長尺状シャフトの側壁に第1のポートと第2のポートとを含み得る、二重オフセット非同心内腔カニューレの別の実施形態の長手方向断面図を示す。
【
図15A】排出弁を有する排出用要素を含むカニューレの近位端を示す。
【
図15B】弁を、弁を横切る第2の内腔の流路に対して示す、
図15Aの拡大図である。
【
図16】排出用カニューレ内に含まれ得る追加的な機械的/受動排出実施形態を概略的に示す。
【
図17A】電気的排出特徴を含み得る排出用カニューレの一実施形態を示す。
【
図17B】電気的排出特徴を含み得る排出用カニューレの一実施形態を示す。
【
図17C】電気的排出特徴を含み得る排出用カニューレの一実施形態を示す。
【
図18】オフセットデュアル内腔排出用カニューレの一実施形態の長手方向断面図を示す。
【
図19A】オフセット内腔形状及び/又はカニューレテーパ構成の様々な非限定的な実施形態を示す。
【
図19B】オフセット内腔形状及び/又はカニューレテーパ構成の様々な非限定的な実施形態を示す。
【
図19C】オフセット内腔形状及び/又はカニューレテーパ構成の様々な非限定的な実施形態を示す。
【
図20A】オフセット内腔形状及び/又はカニューレテーパ構成の様々な非限定的な実施形態を示す。
【
図20B】オフセット内腔形状及び/又はカニューレテーパ構成の様々な非限定的な実施形態を示す。
【
図20C】オフセット内腔形状及び/又はカニューレテーパ構成の様々な非限定的な実施形態を示す。
【
図20D】オフセット内腔形状及び/又はカニューレテーパ構成の様々な非限定的な実施形態を示す。
【
図21A】取り出し可能なフィルタとシールとを含む排出用要素を含むカニューレの別の実施形態の分解図を示す。
【
図21B】取り出し可能なフィルタとシールとを含む排出用要素を含むカニューレの別の実施形態の分解図を示す。
【
図23A】上述したような排出用アパーチャを有する排出用要素を含むカニューレの近位端を示す。
【
図24】排出用カニューレ内に含まれ得る追加的な機械的/受動排出実施形態を概略的に示す。
【
図25A】電気的排出特徴を含み得る単一内腔排出用カニューレの一実施形態を示す。
【
図25B】電気的排出特徴を含み得る単一内腔排出用カニューレの一実施形態を示す。
【
図26A】デュアル内腔排出用カニューレの一実施形態の断面図を示す。
【
図26B】デュアル内腔排出用カニューレの一実施形態の断面図を示す。
【
図27A】ブロワユニットを含む排出用カニューレの別の実施形態の図である。
【
図27B】ブロワユニットを含む排出用カニューレの別の実施形態の図である。
【
図27C】ブロワユニットを含む排出用カニューレの別の実施形態の図である。
【
図28】清浄な送気ガス、例えば二酸化炭素を、二次カニューレを通して再循環させるように構成されたマルチカニューレシステムの一実施形態の長手方向断面図である。
【
図29】清浄な送気ガスを、単一のカニューレを通して再循環させるように構成されたカニューレシステムの一実施形態の長手方向断面図である。
【
図30A】プランジャの起動時にスモークを除去するように構成されたプランジャ特徴を含むカニューレの一実施形態の断面図を示す。
【
図30B】プランジャの起動時にスモークを除去するように構成されたプランジャ特徴を含むカニューレの一実施形態の断面図を示す。
【
図30C】プランジャの起動時にスモークを除去するように構成されたプランジャ特徴を含むカニューレの一実施形態の断面図を示す。
【
図31A】手術用気腹腔からのガス、スモーク、及び他の不要物質の高圧ベンチュリ排出用に構成されたカニューレの部分切欠斜視図を示す。
【
図32A】排出制御特徴を有する排出用カニューレの等角図を示す。
【
図32B】排出制御特徴を有する排出用カニューレの断面図を示す。
【
図33A】カニューレ自体に必ずしも組み込まれる必要はなく、むしろ、カニューレのカニューレ上部筐体の近位端の近位にある導管内に存在し得るフィルタ要素の実施形態を示す。
【
図33B】カニューレ自体に必ずしも組み込まれる必要はなく、むしろ、カニューレのカニューレ上部筐体の近位端の近位にある導管内に存在し得るフィルタ要素の実施形態を示す。
【
図33C】カニューレ自体に必ずしも組み込まれる必要はなく、むしろ、カニューレのカニューレ上部筐体の近位端の近位にある導管内に存在し得るフィルタ要素の実施形態を示す。
【
図33D】カニューレ自体に必ずしも組み込まれる必要はなく、むしろ、カニューレのカニューレ上部筐体の近位端の近位にある導管内に存在し得るフィルタ要素の実施形態を示す。
【
図34A】排出用カニューレ実施形態及び閉塞具の非分解断面図を示す。
【
図34B】閉塞具を取り外した、
図34Aの排出用カニューレ実施形態の非分解断面図を示す。
【
図35A】手術用機器を受け入れ、複数の内腔カニューレの内腔内壁の一部を形成するように構成された排出用カニューレの断面図を示す。
【
図35B】手術用機器を受け入れ、複数の内腔カニューレの内腔内壁の一部を形成するように構成された排出用カニューレの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0066】
特定の実施形態及び例を以下に記載するが、当業者であれば、本開示は、具体的に開示される実施形態及び/又は使用並びにそれらの明白な修正物及び等価物を超える範囲に及ぶことを理解するであろう。したがって、本明細書に開示される開示の範囲は、以下に記載する任意の特定の実施形態によって限定されるべきではないものとされる。
【0067】
例示的な医療ガス送達システム
例えば、患者の体(例えば、腹壁など)に作られた切開を通して挿入されたカニューレを介して、腹膜腔などの手術用腔にガスを導入することができる。カニューレは、気腹器に結合され得る。気腹器からのガス流は、手術用腔を膨らませるために(例えば、腹部内の、ガスで満たされる腔である気腹を維持するなどのために)増加させることができる。導入されるガスは、手術用腔を膨らませることができる。医療機器は、カニューレを通して、膨らませた手術用腔に挿入することができる。医療機器は、手術用機器であってもよい。例えば、内視鏡を腔に挿入することができ、腔内の視認性は、例えば空気若しくは二酸化炭素などのガス又は液体を含む流体の挿入によって支援され得る。主カニューレを通した最初の送気及び機器(例えば腹腔鏡など)の挿入後、腹腔鏡観察下で追加のカニューレを手術用腔に入れることができる。手術処置の終了時、全ての機器及びカニューレは手術用腔から取り外され、ガス又は液体は放出され、各切開は閉鎖される。胸腔鏡検査、結腸内視鏡検査、S状結腸鏡検査、胃鏡検査、気管支鏡検査、及び/又はその他については、手術用腔にガスを導入するために同じ又は実質的に類似の手順に従うことができる。ガス又は液体の量及び流れは、検査を実施する臨床医によって及び/又は手術システムによって自動的に制御され得る。手術システムは、送気システムであってもよい。気腹器は、断続的な又は連続的な流れを送達してもよい。気腹器は、手術用腔内の圧力が所定の範囲に又はおよそ所定の範囲に維持されることを確実にするように流れを制御することができる。圧力は、気腹腔を所定の量まで膨らませることを可能にする。
【0068】
図1及び
図2は、医療処置中における、例示的な手術システム1の使用を概略的に示す。
図1の特徴と
図2の特徴は、互いに組み込むことができる。
図1及び
図2において、同じ特徴は同じ参照番号を有する。
図1に示すように、患者2は、上述したように、患者2の腔(例えば、腹腔鏡下手術の場合は患者2の腹部)内に挿入されたカニューレ15を有し得る。
【0069】
図1及び
図2に示すように、カニューレ15は、(例えば、ルアーロックコネクタ4を介して)ガス送達導管13に接続され得る。カニューレ15は、例えば患者2の腔内などの手術部位にガスを送達するために使用され得る。カニューレ15は、ガス及び/又は1つ以上の手術用機器20を手術用腔に導入するための1つ以上の通路を含み得る。手術用機器は、スコープ、電気焼灼器具、又は任意の他の機器であり得る。手術用機器20は、画面を有し得る画像化デバイス30に結合され得る。画像化デバイス30は、複数の手術器具及び/又は装置を含み得る手術システムの一部であり得る。手術システムは、手術用スタック(surgical stack)であってもよい。
【0070】
システムは、排出用カニューレ22も含むことができていてもよい。排出用カニューレ22は、カニューレ15と実質的に同じ特徴を有し得る。排出用カニューレは、排出を可能にする弁を含んでもよい。弁は、ガス供給源(即ち気腹器)と関連付けられたコントローラによって、又は加湿器のコントローラによって自動的に制御され得る。コントローラは、ガス供給源(例えば、気腹器)及び加湿器の両方と関連付けられてもよい。ガス供給源及び/又は加湿器と関連付けられたコントローラは、ガス供給源及び/又は加湿器の外部にあってもよい。コントローラはまた、カニューレ内に、内部配置されてもよい。弁はまた、(例えば、手で又はフットペダル、或いは他の手法で栓を回すことによって)手動で作動させることができる。排出用カニューレ22は、スモーク等を濾過するための濾過システムに結合され得る。代替的に、排出用カニューレ22はまた、手術用腔からのガスを、手術用腔に再送達するために、気腹器に再循環させるように構成された再循環システムに結合され得る。ガスは、気腹器に戻される前に濾過及び/又は除湿され得る。
【0071】
ガス送達導管13は、可撓性プラスチックで作成することができ、加湿器チャンバ5に接続され得る。任意選択的に又は好ましくは、加湿器チャンバ5は、更なる導管10を介してガス供給部9に直列接続され得る。ガス供給部又はガス供給源は、気腹器、ボンベ入りガス、又は壁ガス供給源であり得る。ガス供給部9は、加湿及び/又は加熱なしでガスを提供することができる。フィルタ6が、加湿器の出口11の下流に接続され得る。フィルタ6はまた、更なる導管10に沿って、又はカニューレ15の入口に位置し得る。フィルタ6は、加湿器又はガス供給源による手術部位の感染又は汚染を低減するために、病原体及び粒子状物質を濾過して除去するように構成され得る。ガス供給部は、連続的な又は断続的なガスの流れを提供することができる。更なる導管10もまた、好ましくは、可撓性プラスチックチュービングで作成され得る。
【0072】
ガス供給部9は、例えば二酸化炭素などの1種以上の送気ガスを加湿器チャンバ5に提供することができる。ガスは、例えば、水などのある量の加湿流体8を収容し得る加湿器チャンバ5を通過する際に加湿され得る。ガスはまた、加熱される又は加熱されない加湿器チャンバ5内で加湿され得る。
【0073】
加湿器チャンバ5を組み込む加湿器は、任意の種類の加湿器であり得る。加湿器チャンバ5は、プラスチックで形成されたチャンバを含み得る。プラスチックで形成されたチャンバは、それに対して封止された金属又は他の導電性底部14を有する。使用中、底部はヒータプレート16と接触し得る。チャンバ5内に収容されたある量の加湿流体8(例えば水)は、ヒータプレート16によって加熱され得る。ヒータプレート16は、加湿器のコントローラ又は制御手段21の制御下にあり得る。チャンバ5内のある量の加湿流体8は、蒸発し、加湿流体蒸気を、チャンバ5内を流れるガスと混合し、ガスを加熱及び加湿するように、加熱され得る。
【0074】
コントローラ又は制御手段21は、加湿器ベースユニット3内に収容され得る。加湿器ベースユニット3は、ヒータプレート16も収容することができる。ヒータプレート16は、ヒータプレート16内に電気加熱要素を有し得るか又はヒータプレート16と熱接触する電気加熱要素を有し得る。1つ以上の絶縁層が、ヒータプレート16とヒータ要素との間に位置し得る。ヒータ要素は、ベース要素(又は中子)であることができ、このベース要素に線が巻回されている。線は、ニクロム線(又はニッケルクロム線)であり得る。ヒータ要素はまた、加熱トラックが電着された又はエッチングされた多層基板を含み得る。コントローラ又は制御手段21は、加熱要素へのエネルギーの供給を制御するためのマイクロプロセッサを含み得る電子回路を含み得る。加湿器ベースユニット3及び/又はヒータプレート16は、加湿器チャンバ5と取り外し可能に係合可能であり得る。また、代替的に又は追加的に、加湿器チャンバ5は、内蔵ヒータを含み得る。
【0075】
ヒータプレート16は、コントローラ21と電気接続することができる温度センサ、例えば温度変換器又は他のものなどを含み得る。ヒータプレート温度センサは、加湿器ベースユニット3内に位置し得る。コントローラ21は、ヒータプレート16の温度を監視することができ、これにより、加湿流体8の温度を見積もることができる。加湿流体は水であってもよい。
【0076】
温度センサはまた、出口11から加湿器チャンバ5を出る加湿ガスの温度を監視するために、出口11に又はその近辺に位置し得る。温度センサはまた、(例えば、ケーブルで又は無線で)コントローラ21に接続され得る。例えば、ガス送達導管13の患者端部におけるガスの特性(例えば、温度、湿度、流れ、又はその他など)を検出するための追加のセンサも組み込むことができていてもよい。
【0077】
ガスは、加湿器の出口11を通って出、ガス送達導管13に入ることができる。ガスは、ガス送達導管13を通り、カニューレ15を介して患者2の手術用腔に入ることができ、それにより腔を拡張させ、腔内の圧力を維持する。好ましくは、加湿器チャンバ5の出口11を出るガスは、最大100%の相対湿度を有することができ、例えば、相対湿度は100%であり得る。ガス送達導管13に沿ってガスが移動する際に更なる結露及び/又は曇りが発生し得るため、ガス送達導管13の壁に加湿流体蒸気が凝縮する可能性がある。加湿流体は水であってもよい。更なる結露及び/又は曇りは、例えば、患者に送達されるガスの流体含有量を不利に減少させるなどの望ましくない効果を有する可能性がある。ガス送達導管13内の結露及び/又は曇りの発生を低減する及び/又は最小限にするために、ガス送達導管13内に、ガス送達導管13の全体にわたり、又はガス送達導管13の周りにヒータ線14が提供され得る。ヒータ線に給電するために、ヒータ線14は、例えば電気ケーブル19によって加湿器ベースユニット3に電子的に接続され得る。幾つかの実施形態では、追加的に又は代替的に、他の加熱要素、例えば、導電性インク又はフレキシブルPCBが含まれ得る。加熱要素は、誘導加熱要素を含むことができていてもよい。加熱要素は、例えば、シリカビーズを含むがこれに限定されない化学的加熱要素を含むことができていてもよい。カニューレは、挿入前に予熱することができていてもよい。
【0078】
ヒータ線14は、絶縁銅合金抵抗線、他の種類の抵抗線、若しくは他のヒータ要素を含み得る、及び/又は任意の他の適切な材料で作成され得る。ヒータ線は、真直線又は渦巻状に巻かれた要素であり得る。ヒータ線14を含む電気回路は、ガス送達チューブ13の壁内に位置し得る。ガス送達チューブ13は、螺旋巻きチューブであり得る。或いは、ガス送達チューブ13は、非ヘリカル又は直線チューブを含み得る。ガス送達チューブ13は、波形又は非波形であることができていてもよい。ヒータ線14は、ガス送達導管13の絶縁コアに螺旋状に巻回され得る。ヒータ線14の周りの絶縁コーティングは熱可塑性材料を含み得る。熱可塑性材料は、所定の温度まで加熱されると、その形状を変化させることができる状態になることができ、冷却時に、新たな形状が実質的に弾性的に保持され得る。ヒータ線14は、単一又は二重つる巻線に巻かれ得る。導管13の患者端部にある温度センサ及び/又は追加のセンサによる測定は、コントローラ21にフィードバックを提供することができるため、コントローラ21は、ヒータ線に通電して、ガス送達導管13内のガスの温度を(例えば、約35℃~45℃に)上昇させる及び/又は維持することができていてもよい。そのため、ガスは、37℃若しくはその近辺、又は体内温度より上若しくは下(例えば、37℃より約5、10、又は15度上又は下)であり得る所望の温度で患者に送達される。代替的に又は追加的に、システムは、1つ以上のパラメータを測定するように構成されている追加のセンサ、例えば、流量若しくは流れの圧力を決定するように構成されている又は腔内若しくはチューブ内の圧力を決定するように構成されている、周囲温度センサ及び周囲湿度センサ、及び/又はフローセンサ、及び/又は圧力センサを含み得る。追加的に又は代替的に、システムはまた、追加のセンサを含んでもよい。センサは、加湿器の上流、加湿器の下流、及び/又は加湿器内に位置し得る。センサは、送気ガスのパラメータ又は患者/手術用腔の1つ以上のパラメータを決定するように構成されてもよい。各センサは、1つ以上のコントローラにフィードバック情報を提供することができ、1つ以上のコントローラは更に、湿度、温度、流れ、圧力、又は他のパラメータを、所望のパラメータ、例えば、予め設定された範囲内に維持するための閉ループフィードバックを提供することができる。
【0079】
コントローラ又は制御手段21は、例えば、ソフトウェアプログラムを保持することができる関連メモリ又は記憶手段を有するマイクロプロセッサ又は論理回路を含み得る。制御手段21によって実行されると、ソフトウェアは、ソフトウェア内の命令セットに従い、及び/又は外部入力に応じて、手術システム1の動作を制御することができる。手術システムは、送気システムであってもよい。例えば、コントローラ又は制御手段21に、ヒータプレート16の温度及び/又は電力使用に関する情報を提供することができるように、コントローラ又は制御手段21に、ヒータプレート16から入力を提供することができる。コントローラ又は制御手段21に、ガス流の温度の入力を提供することができる。例えば、温度センサは、ガスが加湿器チャンバ5の出口11を出る際の加湿ガス流の温度を示す入力を提供することができる。温度センサと同じ位置に又はその近辺に、又は手術システム1内の他の適切な位置にフローセンサも提供され得る。コントローラ21は、システム1内のガスの流量を調整するフローコントローラを制御することができる。コントローラは流量調節器であってもよい。コントローラは、例えば電動式ファンなどの、フローインデューサ及び/又は抑制部(inhibiter)を含み得る。追加的に又は代替的に、弁及び/又はベントを使用して、ガスの流量を制御することができる。
【0080】
加湿器ベースユニット3に位置する患者入力18は、送達されるべき所望のガス温度及び/又はガス湿度レベルを使用者(例えば外科医又は看護師)が設定することを可能にできる。例えばヒータ線14によって送達される加熱の制御などの他の機能もまた、使用者入力18によって制御することができていてもよい。コントローラ21は、システム1を制御することができ、具体的には、患者に送達されるガスの流量、温度、及び/又は湿度を、システム1が使用される医療処置の種類に適切となるように制御することができる。
【0081】
加湿器ベースユニット3はまた、患者2に送達されているガス流の特性を使用者に対して表示するためのディスプレイを含み得る。
【0082】
図示しないが、加湿器はまた、ある量の水又は任意の他の種類の加湿流体を有するチャンバを含み得るが加湿流体を加熱するためのヒータプレートは含まなくてもよいパスオーバー式又はバイパス式加湿器であることができていてもよい。チャンバは、ある量の加湿流体上を送気ガスが通過する際に、ある量の加湿流体から吸い上げられた加湿流体蒸気によって送気ガスが加湿されるように、ガス供給部と流体連通することができる。
【0083】
使用時、上述の加湿器は、「手術無菌ゾーン(operating sterile zone)」の外に、及び/又は気腹器に隣接して位置し得る。その結果、医療関係者は、手術中に手術用腔内で医療機器を操作するためにカニューレを移動させる際に加湿器に触れる必要はない。加湿器は、医療機器と同程度滅菌する必要がない場合がある。更に、「手術無菌ゾーン」の外に位置する加湿器により、手術処置中に、既に混雑した空間内で医療関係者及び/又は医療機器の移動を制限し得る医療関係者に対する障害物を減らすことができる。
【0084】
排出用カニューレの例
腹腔鏡下手術中には、一般に、送気される腔内での切除又は凝固を生じさせるために、何らかの形態の電気外科手術、電気焼灼術、レーザー切除若しくは焼灼、又は他の種類のエネルギーが存在する。これにより、特に、顕著なガス漏れ又は吸引/灌流がない場合には、密閉及び加圧された腹膜又は他の腔内で時間の経過とともに濃度が上昇するおそれがあるサージカルスモークが発生する。これらの手術/処置中には、スモークプルームも発生することが多い。スモークプルームは、スコープを包み込む場合がある、又はスコープを横断し、外科医の視界を制限する場合がある。スモークの除去及びスモークプルームの除去は、手術中の光学的透明度の向上に役立つ。これにより、手術をより安全に、より早く、且つより効率的にする。送気される腔内及び視野内の高濃度のスモークは、トロカールを介して挿入されたレンズを通して腹膜内の空間を観察する際に光学的透明度を著しく妨げるおそれがある。レンズは、例えば、手術用腔の外側に配置されたカメラに接続され得る。排出又は吸引を使用しなければ、外科医は、一般に、ガスの全部を気腹内から脱気によって放出し、その後、再送気する以外の選択肢はない。
【0085】
本開示は、本明細書に開示されるカニューレ15として使用することができ、且つ追加の構成要素若しくは器具又は上述のような時間集約的な脱気及び再送気処置を必要とすることなく、手術用腔の光学的透明度を増加させるための排出及び濾過特徴を含む、カニューレの例を提供する。本明細書に開示される例示的な排出用カニューレは、特注の及び/又はより高価な手術システムを必要とすることなく、既存の手術システムに実装され得る。手術システムは送気システムであってもよい。したがって、本明細書に開示される例示的な排出用カニューレは、レンズの光学的透明度を向上させること及び/又は明瞭な視界を維持することができ、手術時間及び疼痛を含むがこれに限定されない術後合併症を最小限にするのに役立つことができる、及び/又は例えば外科医などの医療関係者が医療処置中にスコープを操作するのをより容易にすることができる。上述したようなカニューレ22は、排出用カニューレとして利用することができる、又は排出用カニューレとして使用するために修正することができる。幾つかの実施形態では、排出用通路とガス送達通路とを有するカニューレが有利な場合がある。なぜなら、排出用通路とガス送達通路とを有するカニューレは、ガスを送達するために、及び気腹からスモーク及び他のガスを排出し、それにより明瞭な視界を維持するのに役立つように使用することができる単一デバイスを提供するからである。
【0086】
幾つかの実施形態では、手術用カニューレは、筐体と、筐体から延びる長尺状シャフトと、長尺状シャフト内の少なくとも1つの内腔と、を含む。カニューレは、手術用腔を把持するための把持特徴を含み得る。筐体は、機器用開口部に隣接して配置された1つ以上のシール/弁を含み得る。シール/弁は、機器用開口部を通して挿入された機器に対して封止するように構成されている。筐体又はシャフトにガス入口が配置されている。ガス入口は、内腔と流体連通することができ、加湿器又は気腹器のいずれかからガスを受け取る。手術用カニューレは、例えば外部シールなどの他の特徴を含んでもよく、平らな(例えば、直角の)先端部又は角度を成した(例えば、傾斜の付いた)先端部のいずれかを含んでもよい。記載されるように、本明細書の別の場所で開示される任意の数の排出特徴をカニューレに組み込むことができる。
【0087】
幾つかの実施形態では、例示的な排出用カニューレは、カニューレ15の特徴のいずれかを有し得る。例えば、排出用カニューレは、長尺状シャフト104に接続されたカニューレ上部筐体102を有し得る。長尺状シャフト104は、手術用腔にカニューレ100をより容易に挿入するためのトロカールとしてカニューレが機能することができるように、先細の端部を有することができていてもよい。医療機器をより容易に挿入するために、カニューレ上部筐体102は長尺状シャフト104よりも大きい断面寸法を有し得る。
図2に示すように、カニューレ上部筐体102は、長尺状シャフト104から遠い方の位置から長尺状シャフト104に近い方の位置まで断面寸法(例えば直径)が減少する略漏斗形を有し得る。ガス入口106は、カニューレ上部筐体102に位置し得る。カニューレ上部筐体102は空洞を含み得る。長尺状シャフト104は、中空通路を含み得る。空洞と中空通路は、流体連通することができる。排出用カニューレは、(例えば、スリーブを介して)排出用カニューレに(例えば、カニューレ上部筐体102の少なくとも一部分及び/又は長尺状シャフト104の一部分に)着脱可能に結合された又は内蔵された加熱要素を含み得る。排出用カニューレは、カニューレに取り外し可能に結合された又は内蔵されたフィルタを含む排出用要素を含み得る。加熱要素は、フィルタと接触するように又はフィルタ内に延びるように配置され得る。
【0088】
上で開示した任意の手術システム(例えば送気システム)などの、手術用腔に送気ガスを供給するための手術システムは、本明細書に開示される例示的な排出用カニューレのいずれかを組み込むことができる。上述のように、システムは、送気ガスを提供するように構成されたガス供給部と、ガス供給部と流体連通し、ガス供給部から受け取った送気ガスを加湿するように構成された加湿器と、加湿器とカニューレとの間に延び、それぞれ、加湿器とカニューレと流体連通するガス送達チューブと、を含み得る。ガス送達チューブはまた、それぞれ、加湿器及びカニューレと電気連通することができる。システムが使用されている時、ガス送達チューブは、送気ガスを手術用カニューレに誘導することができ、また、電流を加湿器からカニューレ内の加熱要素に誘導することができる。加熱要素は、カニューレ及び/又はカニューレに挿入される及び/若しくはカニューレから取り出される医療機器の一部分を通過する送気ガスに熱を伝達し、ガス及び/又は機器の温度を上昇させ、結露及び/又は曇りを低減するように構成され得る。送気ガス及び/又は機器の温度を、露点を超えて上昇させ、医療機器上のガスの結露を防止する及び/又は結露を低減する(及び/又は既に形成されている結露を蒸発によって除去する)ことができる。結露はまた、外部からの加熱又は加湿がなければ発生し得る。例えば、結露は、手術用腔の固有の温度(体熱)及び湿度(体水分)から、並びに/又は送気流体の温度及び湿度から生じ得る。送気ガス及び/又は機器の温度を、露点を超えて上昇させ、送気ガス及び/又は手術用腔に起因する医療機器上の結露を防止することができる。
【0089】
本明細書に記載されるように、カニューレに対する近位方向は、全般的に、カニューレ上部筐体の上端部を意味し得る一方、カニューレに対する遠位方向は、全般的に、手術用腔に挿入されるカニューレの最初のセクションであるように構成されるカニューレシャフトの下端部を意味し得る。
【0090】
排出用カニューレのより詳細な例を以下に記載する。本明細書に記載されるように、医療機器に対する近位方向は、全般的に、医療機器本体の上端部を意味し得る一方、医療機器に対する遠位方向は、全般的に、カニューレ及び/又は手術用腔に挿入される医療機器の最初のセクションであるように構成される医療機器本体の下端部を意味し得る。同じ又は実質的に同じ特徴の参照番号は、同じ下二桁を共有し得る。
【0091】
排出用カニューレの例
図3Aは、幾つかの実施形態による、取り出し可能な又は内蔵されたフィルタ及びシールを含むカニューレの分解斜視図である。カニューレ300は、カニューレ上部筐体302と、例えば、カニューレ上部筐体302から遠位に延びる長尺状シャフト304と、を含み得る。カニューレ上部筐体302及び長尺状シャフト304の両方は、入口308と出口310とを含む第1の内腔306(例えば、カニューレ上部筐体302と長尺状シャフト304との間で連続する)を含み得る。第1の内腔306は、カニューレ上部筐体302のガス進入ポート352から送達される送気ガスを受け取り、長尺状シャフト302の遠位端314に近接する出口310を通して手術用腔に送気ガスを送達するように構成され得る。第1の内腔入口306は、ガス進入ポート352を介して送気ガスの供給源と流体連通することができる。カニューレ上部筐体302及び長尺状シャフト304はまた、入口320と出口322とを含む第2の内腔316を含むことができ、第2の内腔316は、手術用腔から第2の内腔入口320を通してガスを受け取り、第2の内腔出口322を通して手術用腔の外にガスを排出し、濾過するように構成されていてもよい。換言すると、例えば、1つの内腔(例えば、第1の内腔306)は手術用腔内などの第1の方向に新鮮な送気ガスを送達することができる一方で、別の内腔(例えば、第2の内腔316)は、ガス、スモーク及び他の「廃」ガスを、例えば手術用腔の外などの第2の、反対方向に送達することができる。
【0092】
引き続き
図3Aを参照すると、示されるような幾つかの実施形態では、カニューレ300は、内腔の1つが別の内腔内に入れ子になる二重同心内腔幾何学的形状を含み得る。幾つかの実施形態では、第1の内腔306は、図示されるように第2の内腔316内に部分的に又は完全に入れ子になることができる。幾つかの実施形態では、第2の内腔316は、示されるように、第1の内腔306の直径よりも大きい直径及び/若しくは断面積を有し得る、又は他の実施形態では、より小さい若しくは同じ直径及び/若しくは断面積を有し得る。幾つかの実施形態では、第2の内腔の直径は、第1の内腔の直径の約5%~約90%であり得る。幾つかの実施形態では、第1の内腔及び第2の内腔は、示されるように、カニューレ上部筐体302の近位に大きい直径のゾーン及び長尺状シャフト304の遠位に小さい直径のゾーンを有し得る、又は他の実施形態では、全体にわたり実質的に一定の直径を有し得る。
【0093】
第2の内腔316は、機器用開口部333と、例えばカニューレ上部筐体302の近位端に一体形成された又は(例えば、クリップ又は他の機構によって)取り外し可能に取り付け可能な、カニューレ300に動作的に接続されたフィルタとを含み得るシール筐体330と流体連通することができる。幾つかの実施形態では、シール筐体330は、カニューレ300の最近位部分を形成する、又はカニューレ300の最近位部分に動作的に取り付けられている。第1のシール331も存在することができ、シール筐体330に一体形成され得る又は取り外し可能に取り付け可能であり得る。第1のシール331は、シリコーン若しくは他の適切な材料で作成されたダックビル型シールフラップ、又は他のタイプのシールであり得る。フィルタは、蒸気含有量を低減し、フィルタの寿命及び有効性を増加させるように機能し得る、例えば乾燥剤材料(例えばシリカ)などの追加的な材料に結合されてもよい。保持リング334もまた、例えば、カニューレ上部筐体302とシール筐体330との間などに存在することができていてもよい。
【0094】
図3Bは、
図3Aのカニューレ300の分解図実施形態の断面図を示す。
図3Cは、以下で記載するような追加的な材料を有するシール筐体330の断面図を示す。上述した第1の内腔306及び第2の内腔316が示される。外側内腔(例えば、第2の内腔316)は、位置決め又はガイドリブ358を含み得る。位置決め又はガイドリブ358は、第1の内腔306の周りに配置され、第1の内腔306の位置を固定するために第1の内腔306の周りに配置されるように構成されている。幾つかの実施形態では、約又は少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、又はこれより多いガイドリブ358が存在し得る。複数のガイドリブ358が存在する場合、これらは離隔することができ、且つガス排出流が乱されないようにするために十分に薄くされ得る。幾つかの実施形態では、リブ358は、リブ358を収容する各内腔の内径の約25%、20%、15%、10%、5%、若しくは5%未満よりも小さい、又は前述の値の任意の2つを含む範囲よりも小さい厚さを有し得る。幾つかの実施形態では、ガイドリブ358は、第2の内腔316の内壁と一体形成されている、又はそうでなければ取り付けられている。
【0095】
カニューレ上部筐体302は、ガス進入チャネル354を介して第1の内腔306に流体接続されたガス進入ポート352を含むことができ、第2の内腔316を第1の内腔306から隔離し、新鮮な送気ガスと手術用腔から回収された廃ガスとの間で漏れ若しくは混合が発生しないようにするための又は実質的に発生しないようにするための堅固な壁が存在し得る。
【0096】
ガス進入ポート352は、ガスの取り入れを制御するための弁又は他の機構を含み得る。ガス進入チャネル354は、カニューレ上部筐体302に超音波溶接、接合、又は他の手法で取り付けられ得るセクション350によって近位に封止され得る。第2の内腔316は、1つ以上のフィルタを含み得るシール筐体330に通じている1つ、2つ、又は2つより多いシールを含み得る。手術用腔からのガスは、第2の内腔316の近位部分にあり得るチャネル356を通過することができる。幾つかの実施形態では、シール筐体330は、カニューレ300の最近位端部を形成し得る。シール筐体330は、示されるような弓形、例えば、リングのような形状又は他の幾何学的形状を有することができ、手術用腔からのガスがフィルタに到達し、排出されることを可能にするように構成された排出用スロット340を含み得る。1つ、2つ、又は2つより多いガスフィルタを収容するように構成されたポケット362も示される。フィルタは、例えば、カーボンフィルタ、高性能微粒子(HEPA:high-efficiency particulate air)フィルタ、及び/又は超高性能(ULPA:ultra-low particulate air)フィルタであることができ、排出用スロット340と、濾過された手術用腔からのガスを外部環境に逃がすことを可能にするように構成された排出用アパーチャ339との間にあり得る。フィルタは、連続で配置され得る複数のフィルタ要素を含み得る。例えば、ULPAフィルタとカーボンフィルタは、例えば連続で配置され得る。
図3Cは、例えば乾燥剤材料(例えばシリカ)などの追加的な材料364を1つ以上のガスフィルタ366とともに収容するように構成されたポケット362を示す。医療機器(例えば、内視鏡及び他の器具)をその中に配置するための第1のシール332も示され、幾つかの実施形態では、第1のシール332は、中心に位置し、例えば、第1の内腔306などの内腔の近位セクション内に配置され得る。シール331は、硬質プラスチック、シリコーン、ゴム、若しくは別の所望の材料で作成された構成要素333にオーバーモールドされ得る、又はそうでなければシール筐体330の周辺部分に取り付けられ得る。ロック機構336は、フィルタを含むシール筐体330を、保持リング334上の相補的なロック機構346に接続することができる。保持リング334は第2のシール344を含み、第2のシール344は、その中に医療機器を嵌合するように構成されている。ロック機構336、346は、相補的なフランジ、クリップ、リテーナ、圧入面、ねじ山等を含み得る。保持リング334はまた、手術用腔からのガスがフィルタに到達し、その後、環境に排出されることを可能にするように構成された排出用スロット342を含み得る。幾つかの実施形態では、シール筐体330と保持リング334は、取り外し可能ではなく恒久的に互いに結合され得る又は幾つかの場合では一体形成され得る。
【0097】
図4は、
図3A及び
図3Bに示されるような二重同心内腔を含む排出用カニューレ実施形態300の非分解断面図を示す。示されるように、送気ガスは、ガス進入ポート352を通ってカニューレ300に入り、第1の(例えば中心)内腔306に矢印の方向に入り、カニューレ300の長尺状シャフトの遠位端314にある出口310を通って手術用腔に入ることができる。手術用腔からのガスは反対方向に流れ、カニューレ300の第2の(例えば外側)内腔316に入り、カニューレ300内を近位に流れ、シール筐体330内のフィルタを通り、排出用アパーチャ339から環境に出ることができる。
【0098】
図5Aは、取り出し可能な又は内蔵されたフィルタ及びシール431を含むシール筐体430を含むカニューレ400の別の実施形態の分解図である。例えばマルチステージフィルタなどの複数のフィルタが、例えば、シール筐体430内に連続で配置され得る。
図5Bは、
図5Aのカニューレ400の分解図実施形態の断面図を示す。カニューレ400は、幾つかの実施形態で第1の内腔と第2の内腔の機能が反対にされ得ること以外は、カニューレ300の特徴のいずれかを組み込むことができる。示されるような幾つかの実施形態では、第1の(例えば中心)内腔406は、手術用腔から第1の内腔入口420を通してガスを受け取り(
図3A~
図4のように手術用腔にガスを送るのとは対照的に)、シール筐体430の排出用アパーチャ439を通して手術用腔の外にガスを排出するように構成されており、第2の内腔416は、カニューレ上部筐体402のガス進入ポート452から送達される送気ガスを受け取り、長尺状シャフト404の遠位端414に近接する出口410から手術用腔に送気ガスを送達するように構成され得る。第2の内腔416は、例えば、上述したような弁を含み得るガス進入ポート452などの送気ガスの供給源と流体連通することができる。第1の内腔406は、保持リング434に例えば参照番号483で超音波溶接されるなど、取り外し可能に又は恒久的に取り付けられ得る。排出用スロット440、ガスフィルタを収容するように構成されたポケット462、医療機器用のシール438、シールにオーバーモールドされた構成要素433、排出用スロット442を有する二次シール444上の相補的なロック機構446にシール筐体430を接続するためのロック機構436も示されており、これらは全て上述したようなものであり得る。
【0099】
図6は、
図5A及び
図5Bに示される、二重同心内腔を含む排出用カニューレ実施形態の非分解断面図を示す。示されるように、送気ガスは、ガス進入ポート452を通ってカニューレ400に入り、第2の(例えば、外側)内腔416に矢印の方向に入り、カニューレ400の長尺状シャフトの遠位端414にある出口410を通って手術用腔に入ることができる。手術用腔からのガスは、カニューレ400の第1の(例えば中心)内腔406に入り、カニューレ400内を近位に流れ、シール筐体430内のフィルタを通り、排出用アパーチャ439から環境に出ることができる。上述したように、第1の内腔406は、保持リング434に例えば参照番号483で超音波溶接されるなど、取り外し可能に又は恒久的に取り付けられ得る。シール筐体430は、(例えば、共に留められることにより)保持リング434に恒久的に又は取り外し可能に接続され得る。シール筐体430はまた、カニューレ400の別の部分に恒久的に又は取り外し可能に接続され得る。
【0100】
図6Aは、カニューレ500が複数の離隔されたフィルタ要素を含むこと以外は、上記の
図5A~
図6のものに類似し、上記の
図5A~
図6に示されるような任意の数の特徴を含み得るカニューレ500の別の実施形態の等角図である。上述したように、第1のフィルタはシール筐体530内に配置することができ、ガスは、第1のフィルタを過ぎ、シール筐体530内の排出用アパーチャ539の第1のセットを通り、手術用腔の外に排出され得る。第2のフィルタは、例えば、上部カニューレ筐体502内などより近位に配置することができ、また、より近位位置での排出を可能にするための排出用アパーチャ569の第2のセットを含む。第1のフィルタは、第2のフィルタと異なるタイプのフィルタであり得る。例えば、1つのフィルタはカーボンフィルタであることができ、もう一方のフィルタはULPAフィルタであることができる。上述したような、ガス進入ポート552、機器用開口部533、カニューレ長尺状シャフト504、カニューレ500の長尺状シャフト504の遠位端514に近接する出口510、及び第1の内腔入口520も示される。
図6Bは、
図6Aの実施形態の長手方向断面図であり、また、第1のフィルタ579及び離隔された第2のフィルタ589、並びに上述され得るような外側内腔516及び内側内腔506を示す。
【0101】
幾つかの実施形態では、排出用カニューレは、環境(例えば、手術室スイート)への排出を制御するために1つ、2つ、又はこれより多くの弁を含み得る。
図7Aは、上述したように、排出用アパーチャ739を有するシール筐体730を含み、保持リング734に動作的に接続されたカニューレの近位端を示す。弁770は、排出用アパーチャ739を有するシール筐体730に到達する前の、第2の又は外側内腔716などの内腔の流路内に存在することができ、手術用腔からガスを排出するように構成されている。
図7Bは、複数の離隔された弁770を示す、
図7Aの線7B-7Bで取った断面図である。弁は、排出速度、例えば、カニューレから排出されるガスの速度を制御するように構成され得る。排出速度は、手術用腔からスモークが取り払われ、スモークプルームが取り払われるように、所定の速度に制御され得る。電磁弁は、コントローラ、例えば、加湿器内のコントローラ又は気腹器内のコントローラによって制御されてもよい。弁770は、例えば、電磁弁、又は他の種類の弁であることができ、そのいくつかについては、本明細書の別の場所で記載されている。各弁770は、第2の、例えば外側内腔716などの、ガスを排出するように構成された内腔の流路内に配置することができ、そのそれぞれは、ガスが後にフィルタを通過することを可能にするように弁770により制御される小さな排出用アパーチャ771を含む。堅固なプレート772は、各弁770をそれ自身の筐体774内に内包することにより、弁770を所定の位置に保持することができる。プレート772は、ガス不透過性であることができ、また、ガスが排出のために弁770のみを通過することができるように、シールとして機能するように構成され得る。
【0102】
図7Cは、内腔の流路794を横切って配置されたダイヤフラム圧力リリーフ弁792であり得る弁の別の実施形態を示す。弁792は、
図7Cの左側に示すようにばね793の圧力付勢により維持される最初の閉鎖状態を有し得る。プラスチック又は類似の成分で作成され得る可撓性シール790は、流路794内を流れるガスによってばねの付勢圧力よりも大きい圧力が印加されると開くことができ(例えば、示されるように弁792に向かって戻り)、これにより、
図7Cの右側に示すように、弁792を開放構成に移動させる。
【0103】
図7Dは、電磁弁740を示す別の実施形態を示す。
図7Cと同様に、ばね793の付勢力により、
図7Dの左側に示すように、弁740を閉鎖状態に維持することができる。回路がオフになるとスイッチ742が開き、弁は閉じられる。スイッチ742を(例えば、電気的に)作動させて、弁740を開き、
図7Dの右側に示すように、弁410及び流路794を横切ってガスが流れることを可能にすることができる。
【0104】
幾つかの実施形態では、弁は、受動的であっても能動的であってもよい。受動弁、例えば、ばね弁又はアンブレラ弁は、所定の圧力で排出するように構成されている。排出圧力は、手術用腔内で定圧を維持するために用いられ、所望の排出速度を提供することができる圧力に相当する。能動弁は、手術用腔内で定圧を得るように、且つ光学的透明度を達成するためにスモーク及びスモークプルーム及びガスを所定の速度で排出するように能動的に制御されることが好ましい。受動開口部、例えば、複数の開口部又は流量制限開口部は、所望の排出速度を提供するように構成され得る、例えば、形成及び構築され得る。
【0105】
図7Eは、圧力リリーフ弁730を示す別の実施形態を示す。
図7Eの左手側に示すように、ばね793の付勢力は、弁730を閉鎖位置に維持するために十分な力を作用させることができる。
図7Eの右手側に示すように、ばねの圧力よりも大きい圧力が流路794内を流れるガスによって印加されると、弁730は、開放構成に移動することができる。
【0106】
図8A~
図8Dは、弁を含んでも含まなくてもよい、排出用カニューレ内に含まれ得る追加的な機械的/受動排出実施形態を示す。
図8Aに示すように、排出用要素810は、カニューレ800の近位端802に又はこれに近接して配置され得る。
図8Bは、単一の制限オリフィス810のみを含む排出用要素を示す。
図8Cは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はこれより多いオリフィス820などの複数の小さな離隔されたオリフィス820を含む排出用要素を示す。
図8Dは、アンブレラ圧力リリーフ弁830を含む排出用要素を示す。
図8Dの左手側に示されるように、圧力が印加されていない場合、弁830は、「パチンと閉まり」、閉鎖状態に戻ることができる。
図8Dの右手側に示すように、ゴム又は別の材料で作成された可撓性シール832は、所定値よりも大きい圧力が流路内のガス流によって印加されると、開くことができる。
【0107】
図9A~
図9Bは、電気的排出特徴を含み得る排出用カニューレ900の一実施形態を示す。
図9Aの長手方向断面図に示すように、1つ以上のセンサ990が、手術用腔からのガスを濾過及び排出のために運ぶように構成された内腔(例えば、外側内腔916)内に存在し得る。センサ990は、例えば、スモーク及び他の有害物質、微粒子、一酸化炭素等、並びに/又は例えば、圧力、温度、湿度、及び/若しくは流れなどの他のガスパラメータを検知するように構成され得る。センサ990は、ガスが排出されている際、連続的な又は断続的なサンプリング測定を行うことができる。センサ990は、カニューレ900内の所定の位置にモールドされ得る又はそうでなければ取り付けることができ、コントローラと有線又は無線通信することができる。
図9Bは、
図9Aの線9B-9Bで取った断面図である。弁970が示される。弁970は、カニューレ内に内蔵された又は手術用送気及び/若しくは加湿システム内の別の場所に位置するコントローラを介して作動可能な電磁ゲート弁であり得る。線972は、排出ガス流を制御するための、センサ990及び電磁弁970のコントローラから延び得る。幾つかの場合では、線972は、ガス出口経路を封止するために、参照番号976のカニューレ側壁内にオーバーモールドされ得る。ガスパラメータが所定の若しくは計算された閾値を満たす又は超えることをセンサ990が検知すると、センサ990からデータを受け取るコントローラは、電磁ゲート弁970に(例えば線972などを介して)、開閉してガスの排出を制御するように信号送信することができる。
【0108】
本明細書に開示される例示的なカニューレはまた、1つ以上の電線を介して加熱要素に電力を供給するためのソケット接続を含み得る(例えば、チューブセットにより提供される)。
図10A~
図10Bに示すように、カニューレのガス入口1006は、電気コネクタ1036を含み得る。電気コネクタ1036は、1つ以上の電線1016と電気連通することができる。1つ以上の電線1016は、カニューレ上部筐体1002の長さの一部の壁内に埋め込む(例えば、オーバーモールドされる)ことができ、また、カニューレ内の加熱要素と電気コネクタ1036との間に延びる長尺状シャフトの長さの一部の壁内に埋め込む(例えば、オーバーモールドされる)ことができていてもよい。
【0109】
電気コネクタ1036は、加熱要素に電力を供給するために、手術システム(例えば、送気システム又は本明細書に開示される手術システムのいずれかなど)のガス送達チューブ13上の対応するコネクタ1038(例えば、ソケットコネクタ)に結合するように構成され得る。ガス送達チューブ13は、硬質プラスチック材料を含み得る対応するコネクタ1038にモールドされた渦巻状に巻かれたチューブを含み得る。ソケット接続は、ガス送達チューブ13をカニューレに固定することができる。
図10A及び
図10Bに示すように、電気コネクタ1036は、ピン1040を含み得る。ピン1040は、対応するコネクタ1038のPCBエッジコネクタ1042に結合され、加熱要素とガス送達チューブ13のヒータ線回路14との間に電気連通を確立するように構成されている。
【0110】
図11A~
図11Bは、カニューレ上部筐体1102と、第1の内腔1106と第2の内腔1116とをその中に収容するように構成されたカニューレ長尺状シャフト1104と、カニューレ1100の長尺状シャフト1104の遠位端1108と、を含む、上述したような特徴を含み得るデュアル内腔排出用カニューレ1100の一実施形態の断面図を示す。シール筐体1130のガス流路内の、排出用アパーチャ1139の遠位に加熱要素1145を含み得るシール筐体1130も示される。加熱要素1145は、プリント回路基板(PCB)ヒータ、絶縁銅合金抵抗線、他の種類の抵抗線、若しくは他のヒータ要素を含み得る、及び/又は任意の他の適切な材料で作成され得るヒータ線を含み得る。幾つかの場合では、PCBは、フレキシブル又はリジッドであることができ、例えば、弓形に予め形成され得る。ヒータ線は、真直線又は渦巻状に巻かれた要素であり得る。加熱要素1145は、ガスが凝縮することでフィルタを詰まらせることを防止するために、排出されるガスを、有利には、十分に加熱することができる。幾つかの実施形態では、加熱要素1145は、排出されるガスを、幾つかの実施形態では、少なくとも摂氏約70、80、90、100、110、若しくはこれより高い温度に、又は前述の値のいずれか2つを含む範囲に、及び/又はガスの露点を超えて加熱するように構成されている。PCBヒータへの電気接続は、シール筐体1130のフィルタ隔室内で、カニューレの異なる層の間に配置された電気ピンを介して行うことができる。
図11Bは、
図11Aの線11B-11Bで取った断面図である。示されるように、PCBヒータへの電力は、例えば、接続された手術用加湿システム内の電源に対する線接続1172によって提供される。他の実施形態では、電源は、カニューレに直接接続され得る又は無線であり得る。PCBヒータ1145は、カニューレ内に配置することができ、PCB自体のあらゆる汚染を回避するために、PCB 1149がガス流路と直接接触しないように構成され得る。
【0111】
幾つかの場合では、加熱要素は、カニューレ上部筐体の壁に埋め込まれ得る。本開示の加熱要素及び/又は他の加熱要素は、カニューレの内壁(例えば、上部筐体の内壁及び/又はシャフトの内壁)上に取り付けられ得る及び/又は配置され得る。代替的に、加熱要素例は、カニューレシャフトの外側表面に巻き付けられてもよい。加熱要素は、カニューレ上部筐体の壁にモールドされ得る。
【0112】
図12A~
図12Bは、取り出し可能な又は内蔵されたフィルタ及びシール1231を含むシール筐体1230を含むカニューレ1200の別の実施形態の分解図を示す。本明細書の別の場所に記載されるように、フィルタは、連続で配置され得る複数のフィルタ要素を含み得る。
図12Bは、
図12Aのカニューレ1200の分解図実施形態の断面図を示す。カニューレ1200は、カニューレ1200が複数のオフセット内腔(例えば、互いに隣接する、互いに入れ子になっていない又は同心でない2つ以上の内腔)を含むこと以外は、本明細書の別の場所に記載されるようなカニューレの特徴のいずれかを組み込むことができる。示されるような幾つかの実施形態では、第1の内腔1206は、カニューレ上部筐体1202のガス進入ポート1252を通してガスを受け取り、長尺状シャフト1204の遠位端1214に近接する出口1210から手術用腔に送気ガスを送達するように構成されている。第2の内腔1216は、入口1220を通った手術用腔からのガスを輸送することができ、シール筐体1230の排出用アパーチャ1239を通して手術用腔の外にガスを排出することができる。幾つかの実施形態では、第1の内腔1206は、第2の内腔1216の直径よりも大きい、例えば、第2の内腔1216の直径よりも少なくとも約、約、又はわずか約10%、25%、50%、75%、100%、又は100%超大きい直径を有し得る。幾つかの実施形態では、第1の内腔1206は、第2の内腔1216の直径と同じ又はこれよりも小さい直径を有し得る。上述したように、シール筐体1230のシール1231は、硬質プラスチック1233又は他の材料にオーバーモールドされ得る。また、シール筐体1230の遠位に示されるのは、取り外し可能に又は恒久的に取り付け可能な保持リング1234であり得る。保持リング1234は、ガスがフィルタに到達し、排出されることを可能にするための排出用スロット1242と、医療機器用のダックビルシール1245とを含み得る。排出用スロット1240、前述のようにガスフィルタを収容するように構成されたポケット1262、医療機器用のシール1231、シールにオーバーモールドされた構成要素1233、排出用スロット1242を有する保持リング1234上の相補的なロック機構1246にシール筐体1230を接続するためのロック機構1236(可逆的に取り付け可能な実施形態のためのもの)、第1のシール1231、及び第2のシール1244も示されており、これらは全て上述したようなものであり得る。
【0113】
図13は、
図12A及び
図12Bに示されるような二重オフセット非同心内腔を含む排出用カニューレ1200実施形態の非分解長手方向断面図を示す。示されるように、送気ガスは、ガス進入ポート1252を通ってカニューレ1200に入り、第1の内腔(例えば、内腔1206)に矢印の方向に入り、カニューレ1200の長尺状シャフトの遠位端1214にある出口1210を通って手術用腔に入ることができる。手術用腔からのガスは、カニューレ1200の第2の内腔1216に入り、カニューレ1200内を近位に流れ、シール1231を有するシール筐体1230内のフィルタを通り、排出用アパーチャ1239から環境に出ることができる。上述され得るようなシール1231、124も示される。
【0114】
図14は、取り出し可能な又は内蔵されたフィルタ及びシール1431を含むシール筐体1430を含む、二重オフセット非同心内腔カニューレ1400の別の実施形態の非分解長手方向断面図を示す。カニューレ1400は、第1の内腔と第2の内腔の機能が反対にされ得ること以外は、カニューレ1300(又は他のカニューレ実施形態)の特徴のいずれかを組み込むことができる。示されるような幾つかの実施形態では、第1の(例えば、大径の)内腔1406は、手術用腔から第1の内腔入口1410を通してガスを受け取り(
図12A~
図13のように手術用腔にガスを送るのとは対照的に)、排出用要素1430の排出用アパーチャ1439を通して手術用腔の外にガスを排出するように構成されており、第2の(例えば、小径の)内腔1416は、カニューレ上部筐体1402のガス進入ポート1452から送達される送気ガスを受け取り、長尺状シャフト1404の遠位端1414に近接する出口1420から手術用腔に送気ガスを送達するように構成され得る。第2の内腔1416は、例えば、上述したような弁を含み得るガス進入ポート1452などの送気ガスの供給源と流体連通することができる。上述され得るようなシール1431、1444も示される。
【0115】
図14Aは、カニューレ1450が第1のポート1452及び第2のポート1462を含み得ること以外は、
図13及び
図14に記載した任意の数の特徴を含み得る二重オフセット非同心内腔カニューレ1450の別の実施形態の長手方向断面図を示す。第1のポート1452は、上述したような、第1の内腔1406と流体連通するガス進入ポートであり得る。第2のポート1462は、手術用腔から第2の内腔1416を通してガスを排出するように構成され、例えば、カーボン及びULPAフィルタ又は本明細書の別の場所に記載されるような他のフィルタなどの1つ以上のフィルタ1469、1479を含むガス出口ポートであり得る。第2のポート1462は、示されるように第1のポート1452と実質的に同じ軸方向高さにあり得る、又は他の実施形態では、軸方向にオフセットし得る。このような実施形態は、ポート1452、1462を介したフロー制御により弁排出及び送気を有利に制御することができる。
【0116】
図14Bは、カニューレ1460が第1のポート1452と、例えばカニューレ長尺状シャフト1404の側壁に第2のポート1464とを含み得ること以外は、
図13及び
図14に記載した任意の数の特徴を含み得る二重オフセット非同心内腔カニューレ1460の別の実施形態の長手方向断面図を示す。第1のポート1452は、上述したような、第1の内腔1406と流体連通するガス進入ポートであり得る。第2の側壁ポート1464は、手術用腔から第2の内腔1416を通してガスを排出するように構成され、例えば、カーボン及びULPAフィルタ又は本明細書の別の場所に記載されるような他のフィルタなどの1つ以上のフィルタ1469、1479を含むガス出口ポートであり得る。示されるように、第2の側壁ポート1464は、カニューレ1460上で、第1のポート1452に対して遠位にあり得る。
【0117】
図15Aは、上述したような排出用アパーチャ1539を有するシール筐体1530を含むカニューレ1500の近位端を示す。弁1570は、上述したように、排出用アパーチャ1539を有するシール筐体1530に到達する前の、手術用腔からガスを排出するように構成された内腔、例えば第2の内腔1516の流路内に存在することができる。
図15Bは、弁1570を、弁を横切る第2の内腔1516の流路に対して示す、
図15Aの拡大図である。
図15Cは、1つ、2つ、若しくはこれより多い電磁弁1570、又はそのいくつかについては本明細書の別の場所で記載されている他の種類の弁を含む弁構成を示す、
図15Aの線15C-15Cで取った断面図である。カニューレ1500の壁1572にモールドされた単一の弁1570が示される。カニューレ1500の壁1572は、オフセットした第2の内腔1516を内包し、弁1570を所定の位置に保持することができる。第2の内腔1516内の小さな排出穴は、弁1570によって、ガスがフィルタを通過することを選択的に可能にするように制御され得る。オフセットした第1の内腔1506も示される。幾つかの実施形態では、本明細書の別の場所に記載されるように、弁は、ダイヤフラム圧力開放弁、電磁駆動式リリーフ弁、及び/又は圧力リリーフ弁を含み得る。
【0118】
図16は、例えば、
図12A~
図13に関連するものを含み、弁を含んでも含まなくてもよい、排出用カニューレ内に含まれ得る追加的な機械的/受動排出実施形態を概略的に示す。シール筐体1630の排出用アパーチャ1639は、カニューレ1600の近位端1601に又はこれに近接して配置することができ、本明細書に前述したような、単一の制限オリフィス、複数の小さな離隔されたオリフィス、アンブレラ圧力リリーフ弁、又は他の自然排出オプションを含み得る。
【0119】
図17A~
図17Cは、電気的排出特徴を含み得る排出用カニューレ1700の一実施形態を示す。
図17Aの長手方向断面図に示すように、1つ以上のセンサ1790が、手術用腔からのガスを濾過及び排出のために運ぶように構成された内腔(例えば、第2の内腔1716)内に存在し得る。センサ1790は、例えば、スモーク及び他の有害物質、微粒子、一酸化炭素等、及び/又は例えば上述したような圧力若しくは流れなどの他のガスパラメータを検知するように構成され得る。センサ1790は、同じく上述したようにカニューレ1700内の所定の位置にモールドされ得る又はそうでなければ取り付けられ得る。幾つかの実施形態では、1つ、2つ、又は2つより多いセンサが、加湿器又はガス供給部(例えば気腹器)に動作的に接続されたコントローラにフィードバックを提供してもよい。排出用内腔は、ガス排気システム、例えば真空に流体的に結合してもよい。センサ出力は、ガス排気システムを制御することができる。更に、幾つかの実施形態では、センサ出力が出力弁を制御して、排出速度を制御してもよい。
図17Bは、弁1770を、弁を横切る第2の内腔1716の流路に対して示す、
図17Aの拡大図である。
【0120】
図17Cは、
図17Aの線17C-17Cで取った断面図である。弁1770が示される。弁1770は、上述したように、カニューレ内に内蔵された又は手術用送気及び/若しくは加湿システム内の別の場所に位置するコントローラを介して作動可能な電磁ゲート弁であり得る。排出ガス流を制御するために、線1772がセンサ1790及び電磁弁1770のコントローラから延び得る。幾つかの場合では、上述したように、線1772は、ガス出口経路を封止するために、参照番号1776のカニューレ側壁内にオーバーモールドされ得る。
図10A~
図10Bと関連して上に記載及び図示したように、幾つかの実施形態では、カニューレ1700はまた、1つ以上の電線を介して加熱要素に電力を供給するためのソケット接続を含み得る(例えば、チューブセットにより提供される)。
【0121】
図18は、カニューレ上部筐体1802と、第1の内腔1806と第2の内腔1816とをその中に収容するように構成されたカニューレ長尺状シャフト1804と、を含む、
図12A~
図13などと関連して上述したような特徴を含み得るオフセットデュアル内腔排出用カニューレ1800の一実施形態の長手方向断面図を示す。排出用要素1130のガス流路内にあり、且つ排出用アパーチャ1139の遠位にある加熱要素1845を含み得る排出用要素1830も示される。加熱要素1145は、プリント回路基板(PCB)ヒータを含むことができ、ガスが凝縮することでフィルタを詰まらせることを防止するために、排出されるガスを、有利には、十分に加熱することができる。加熱要素1145の他の態様は、例えば、上で
図11A~
図11Bと関連して記載されるようなものであり得る。
【0122】
図19A~
図20Dは、オフセット内腔形状及び/又はカニューレテーパ構成の様々な非限定的な実施形態を示す。
図19Aは、弓形の大径の第1の(主)内腔(例えば、円形主内腔1901)と、半月/半円状の断面形状を含む小径の第2の(オフセット)内腔1900とを有するカニューレの断面図を示す。
図19Bは、第2の内腔1900が円形断面形状を含むこと以外は、
図19Aに類似する実施形態を示す。
図19Cは、三日月形を含む第2の内腔1904を有する別の実施形態を示す。
図20Aは、第1の主内腔2006と第2のオフセット内腔2016とを有し、第1の主内腔2006に向かって遠位テーパを有する(例えば、第1の主内腔2006は第2のオフセット内腔2016よりも長い長さを有する)カニューレの長尺状シャフトの遠位端を示す。
図20Bは、
図20Aとは対照的に、オフセットした第2の内腔2016に向かってテーパを有する実施形態を示す。
図20Cは、大径の第1の主内腔2006の周りに回転を形成し、且つこれに少なくとも部分的に外接する、螺旋状にオフセットした第2の内腔2086を有する実施形態を示す。
図20Dは、第1の内腔2006と第2の内腔2016との間に平底遠位端(テーパなし)を有する実施形態を示す。
【0123】
図21A~
図21Bは、取り出し可能な又は内蔵されたフィルタ及びシール2131を含むシール筐体2130を含むカニューレ2100の別の実施形態の分解図を示す。
図21Bは、
図21Aのカニューレ2100の分解図実施形態の断面図を示す。カニューレ2100は、カニューレ2100が、送気ガス供給内腔及び排出ガス内腔の両方として機能するように構成された単一内腔のみを含むこと以外は、本明細書の別の場所に記載されるようなカニューレの特徴のいずれかを組み込むことができる。示されるような幾つかの実施形態では、唯一のガス内腔2106は、カニューレ上部筐体2102のガス進入ポート2152を介してガスを受け取り、長尺状シャフト2104の遠位端2114に近接する共通の入口/出口2110から手術用腔に送気ガスを送達するように構成されている。例えば、1つ以上のフィン2197が、保持リング2134内などの参照番号2148で、カニューレ2100に近位に動作的に取り付けられることができ、長尺体及び遠位自由端を有し得る。固定又は可動壁又はフィン2197は、ガス進入ポート2152からカニューレ2100に入る送気ガスを、唯一のガス内腔2106で遠位方向に案内するように有利に構成することができ、唯一のガス内腔2106の長さに沿った一部のみを、手術用腔に送気ガスを提供するための第1の通路と患者の外に手術用腔ガスを濾過及び排出するための第2の通路とに効果的に分割することができる。幾つかの実施形態では、第1の通路と第2の通路は、同心であり得る又は互いにオフセットし得る。唯一の内腔2106はまた、手術用腔からのガスを共通の入口/出口2110に輸送し、シール筐体2130内の排出用アパーチャ2139を通して手術用腔の外にガスを排出するように構成され得る。排出用要素2130のシール2131は、上述したような、硬質プラスチック2133又は他の材料でオーバーモールドされ得る。また、シール2131の遠位に示されるのは保持リング2134であり得る。保持リング2134は、ガスがフィルタに到達し、排出されることを可能にするための排出用スロット2142と、医療機器用の第2のシール2144と、を含み得る。排出用スロット2140、ガスフィルタを収容するように構成されたポケット2162、シールにオーバーモールドされた構成要素2133、排出用スロット2142を有する保持リング2134上の相補的なロック機構2146にシール筐体2130を接続するためのロック機構2136(取り外し可能な実施形態のためのもの。一体型のシール筐体保持リング一体化実施形態には必要ない)も示される。これらは全て、上述したようなものであり得る。
【0124】
図22は、
図21A及び
図21Bに示されるような、カニューレ上部筐体2102と長尺状シャフト2103と単一ガス内腔2106とを含む排出用カニューレ2100実施形態の非分解長手方向断面図を示す。示されるように、送気ガスは、ガス進入ポート2152を通ってカニューレ2100に、及び単一内腔2106に入り、フィン2197によって遠位に案内され、カニューレ2100の長尺状シャフト2103の遠位端2114にある共通の入口/出口1210を通って手術用腔に入ることができる。手術用腔からのガスは、カニューレ2100の単一ガス内腔2106に入り、カニューレ2100内を近位に流れ、シール筐体2130内のフィルタを通り、排出用アパーチャ2139から環境に出ることができる。上述したようなものであり得るシール2131、2144も示される。
【0125】
図23Aは、上述したような排出用アパーチャ2339を有するシール筐体2330を含むカニューレ2300の近位端を示す。弁2370は、例えば、上述したようなものであり得る排出用アパーチャ2339、ガス入口ポート2352、フィン2397、及び他の特徴を有するシール筐体2330に到達する前の、手術用腔からガスを排出するように構成された内腔、例えば、唯一の内腔2306内の流路内に存在することができる。
図23Bは、弁2370を、弁を横切る唯一の内腔2306の流路に対して示す、
図23Aの拡大図である。
図23Cは、
図23Aの線23C-23Cで取った断面図である。1つ、2つ、若しくは2つより多い電磁弁2370、又はそのいくつかについて本明細書の別の場所で記載されている他の種類の弁を含む弁構成を示す。カニューレ2300の壁2372にモールドされた単一弁2370が示される。カニューレ2300の壁2372は、弁1570を所定の位置に保持することができる。カニューレの長手方向軸線からオフセットし、弁2370が開いている時に唯一の内腔2306と流体連通する小さな排出穴2388は、本明細書の別の場所に記載されるように、ガスがフィルタを通過することを選択的に可能にするように、弁2370によって制御され得る。幾つかの実施形態では、本明細書の別の場所に記載されるように、弁は、ダイヤフラム圧力開放弁、電磁駆動式リリーフ弁、及び/又は圧力リリーフ弁を含み得る。
【0126】
図24は、例えば、
図21A~
図22に関連するものを含み、弁を含んでも含まなくてもよい、排出用カニューレ内に含まれ得る追加的な機械的/受動排出実施形態を概略的に示す。排出用要素2430内の排出用アパーチャ2439は、内腔2406を通して手術用腔からのガスを受け取るためにフィルタの近位に、且つカニューレ2400の近位端2401に又はこれに近接して配置することができ、本明細書に前述したような、単一の制限オリフィス、複数の小さな離隔されたオリフィス、アンブレラ圧力リリーフ弁、又は他の自然排出オプションを含み得る。
【0127】
図25A~
図25Cは、例えば、
図20A~
図21と関連して記載したような特徴を含むことができ、電気的排出特徴も含む単一内腔排出用カニューレ2500の実施形態を示す。
図25Aの長手方向断面図に示すように、1つ以上のセンサ2590が、手術用腔からのガスを濾過及び排出のために運ぶように構成された単一内腔2506内に存在し得る。センサ2590は、例えば、スモーク及び他の有害物質、微粒子、一酸化炭素等、及び/又は例えば上述したような圧力若しくは流れなどの他のガスパラメータを検知するように構成され得る。センサ2590は、同じく上述したようにカニューレ2500内の所定の位置にモールドされ得る又はそうでなければ取り付けられ得る。
図25Bは、弁2570を、弁を横切る内腔2506の流路に対して示す、
図25Aの拡大図である。
【0128】
図25Cは、
図25Aの線25C-25Cで取った断面図である。弁2570が示される。弁2570は、上述したように、カニューレ内に内蔵された又は手術用送気及び/若しくは加湿システム内の別の場所に位置するコントローラを介して作動可能な電磁ゲート弁であり得る。排出ガス流を制御するために、線2572がセンサ2590及び電磁弁2570のコントローラから延び得る。幾つかの場合では、上述したように、線2572は、ガス出口経路を封止するために、参照番号2576のカニューレ側壁内にオーバーモールドされ得る。幾つかの実施形態では、
図10A~
図10Bと関連して上に記載及び図示したように、カニューレ2500はまた、1つ以上の電線を介して加熱要素に電力を供給するためのソケット接続を含み得る(例えば、チューブセットにより提供される)。
【0129】
本明細書に開示される例示的なカニューレはまた、例えば、
図10A~
図10Bと関連して上述したような、1つ以上の電線を介して加熱要素に電力を供給するためのソケット接続を含み得る(例えば、チューブセットにより提供される)。
【0130】
図26A~
図26Bは、カニューレ上部筐体2602、単一内腔2606をその中に収容するように構成されたカニューレ長尺状シャフト2604を含む、
図20A~
図21などと関連して上述したような任意の数の特徴を含み得る、ガス流入路とガス流出路との間に仕切りを作成するフィン2697を有する単一内腔排出用カニューレ2600の実施形態の断面図を示す。排出用要素2630のガス流路内、且つ排出用アパーチャ2639の遠位に加熱要素2645を含み得るシール筐体2630も示される。加熱要素2645は、プリント回路基板(PCB)ヒータを含むことができ、ガスが凝縮することでフィルタを詰まらせることを防止するために、排出されるガスを、有利には、十分に加熱することができる。加熱要素2645の他の態様は、例えば、上で
図11A~
図11Bと関連して記載したようなものであり得る。
図26Bは、
図26Aの線26B-26Bで取った断面図である。示されるように、PCBヒータへの電力は、例えば、接続された手術用加湿システム内の電源に対する線接続2672によって提供される。PCBヒータ2645は、上述したように、カニューレ内に配置することができ、PCB自体のあらゆる汚染を回避するために、PCB 2649がガス流路と直接接触しないように構成され得る。
【0131】
図27A~
図27Bは、取り出し可能な又は内蔵されたフィルタ及びシール2731を含むシール筐体2730を含むカニューレ2700の別の実施形態の分解図である。上述したような、例えばマルチステージフィルタなどの複数のフィルタが、例えば、シール筐体2730内に連続で配置され得る。保持リング2734とカニューレ上部筐体2702との間に、外側内腔2716と、長尺状シャフト2704の遠位端2714に近接する外側内腔入口2720とに流体連通する1つ以上のブロワファン2787を含むブロワユニット2788も示される。外側内腔2716は、手術用腔からのガス、スモーク、及び他の不要物質の流入を可能にするように構成されている。ブロワユニットは、示されるように、内側内腔2706と流体連通し、カニューレの正常使用、例えば、カニューレ内に医療機器を収容することを可能にする開口部、例えば、中心開口部2786を含み得る。ブロワユニット2788は、カニューレ2700の他の特徴(例えば、上述したような保持リング2734及びカニューレ上部筐体2702)に取り外し可能に又は恒久的に取り付けられ得る。
図27Bは、排出用アパーチャ2739、フィルタを収容するように構成されたポケット2762、第1のシール2731、保持リング2734上の第2のシール2744、ガス入口ポート2752を同じく示す、
図27Aのカニューレ2700の分解図実施形態の断面図を示す。手術用腔気腹からスモークを吸い出すのに十分なほどブロワファン2787を駆動する(例えば、回転させる)ように構成された磁気円形リング2785であり得るブロワ駆動ユニットも示される。磁気円形リング2785は、ガス入口ポート2752の送気ラインに動作的に接続された有線接続部に(又は他の実施形態では無線で)接続され得る。
【0132】
図27Cは、排出用内腔内のスモークの吸引を行うためのブロワファンブレード、ブロワファン2787を駆動するように構成された磁気円形リング2785を含むブロワ駆動ユニットを示す、
図27A~
図27Bに示されるようなブロワユニット2788を含むカニューレ2700の非分解長手方向断面図である。本明細書の別の場所に記載されたようなものであり得る、排出用アパーチャ2739、及びスモークを排出するためのもう1つの(one more)取り出し可能な又は内蔵されたフィルタ2769も示される。
【0133】
図28は、清浄な送気ガス、例えば二酸化炭素を、二次カニューレを通して再循環させるように構成されたマルチカニューレシステム2800の一実施形態の長手方向断面図である。導管2880を介して流体的に接続可能な第1のカニューレ2840及び第2のカニューレ2850が示される。カニューレ2840、2850は、皮膚S下及び手術用腔SC気腹内に配置された状態で示される。手術用腔SCからのガス、スモーク、及び他の不要物質は、上述したようなブロワユニット2888の起動によって、第1のカニューレ2840の排出用内腔2816に吸引され得る。ガスは、矢印の方向に循環することができ、1つ以上のフィルタ2869により濾過されて除去され得る。濾過された送気ガスは、本明細書に記載される特定の他の実施形態のように外部環境に排出されるのではなく、その代わり、閉じたシステム内に留まることができ、導管2880を介して、再循環された送気ガスが手術用腔SCに再進入することができるように構成された第2のカニューレ2850の内腔2817内に移動する。本明細書の別の場所に記載されるように、追加の送気ガスを、必要であれば、ガス入口ポート2852、2852’を通して随時、且つ幾つかの実施形態ではセンサデータを受信するコントローラにより自動的に追加することができる。第1のカニューレ2840及び第2のカニューレ2850はそれぞれ、上述したような、医療機器(図示せず)の通過を容易にするように構成された内腔、例えば、内側内腔2806、2806’と、閉じられると、マルチカニューレ送気ガス再循環システムの閉じた性質を有利に維持することができる上述したようなシール2831、2844とを有し得る。
【0134】
図29は、単一のカニューレ2900のみを使用すること以外は
図28のものに類似する、清浄な送気ガス、例えば二酸化炭素を再循環させるように構成されたカニューレシステム2900の一実施形態の長手方向断面図である。カニューレ2900は、皮膚S下及び手術用腔SC気腹内に配置された状態で示される。手術用腔SCからのガス、スモーク、及び他の不要物質は、ブロワ駆動ユニットによるブロワユニット2988の起動、例えば、上述したような磁気リング2985の回転によって、カニューレ2900の排出用内腔2916に吸引され得る。ガスは、矢印の方向に循環することができ、1つ以上のフィルタ2969により濾過されて除去され得る。濾過された送気ガスは、本明細書に記載される特定の他の実施形態のように外部環境に排出されるのではなく、その代わり、閉じたシステム内に留まることができ、再循環された送気ガスが手術用腔SCに再進入することができるように構成されている、内腔2916から離隔した内腔2917に移動することができる。本明細書の別の場所に記載されるように、追加の送気ガスを、必要であれば、ガス入口ポート2952を通して随時、且つ幾つかの実施形態ではセンサデータを受信するコントローラにより自動的に追加することができる。カニューレは、医療機器(図示せず)の通過を容易にするように構成された内腔2906、例えば、内側内腔と、閉じられると、単一のカニューレ送気ガス再循環システムの閉じた性質を有利に維持することができる上述したようなシールとを含み得る。
【0135】
図30A~
図30Cは、プランジャの起動時にスモークを除去するように構成されたプランジャ特徴を含むカニューレ3000の一実施形態の様々な断面図を示す。カニューレ3000は、上述したような1つ以上のフィルタ3069と、ばね上のボタンなどの、例えば、シール3095に動作的に接続された制御部3093とを含み得る。制御部3093は、上部カニューレ筐体3002上、又は例えば、カニューレシャフト、保持リング、若しくはシール筐体上などの他の位置に存在し得る。制御部3093の作動(例えば、ボタンの押下)によりシール3095を開くことができ、手術用腔からのスモーク又は他のガスが外部環境に排出されることを可能にする。
図30Bは、静止閉鎖位置にあるシール3095の拡大図を示す。
図30Cは、制御部の作動後の、シール3095が開放位置にあり、排出されるガスがカニューレ3000を出ることが可能な、
図30Bのシール3095の拡大図を示す。シール3095は、例えば本明細書の別の場所に記載されるようなシリコーン、ゴム、又は他の材料で作成され得る。
図31Aは、本発明の幾つかの実施形態による、手術用気腹腔からのガス、スモーク、及び他の不要物質の高圧ベンチュリ排出用に構成されたカニューレ3100の部分切欠斜視図を示す。本明細書に記載される他のカニューレの特徴をカニューレ3100に組み込むことができるものの、簡略化のために幾つかの内部カニューレ構成要素は図示されない。その中に医療機器を嵌合するように構成された入口3133、新鮮な送気ガス、例えば二酸化炭素の送達用の送気内腔3152、及び圧力差を作成し、排出用内腔3162の出口ポートを通じてスモークを排出するように構成された追加的な高圧送気ガスライン3153が示される。ガスGは、示されるように、カニューレの壁の周りを流れ、その後、排出用内腔に流入し、スモーク及び他の手術用腔ガスを排出用内腔に引き込むことができる。
図31Bは、排出用内腔3162と連通する側壁入口開口部3197と、排出用内腔3162に沿った1つ以上のフィルタ3169とを更に示す、
図31Aのカニューレ3100の長手方向断面図である。これらは、本明細書の別の場所に記載されたようなものであり得る。
【0136】
図32A~
図32Bは、ガスのみを通過させ、粒子状物質を保持する、例えば、一連の小さな穴又は孔などの排出制御特徴を有する排出用カニューレ3200のそれぞれ等角図及び断面図を示す。カニューレ3200は、回転可能な近位キャップ3230を含み得る。回転可能な近位キャップ3230は、カニューレ上部筐体3202内にあり得る1つ以上のフィルタ材料3269を含む排出用アパーチャと部分的に若しくは完全に並ぶ又はこれを遮断する、一連の周方向に整列した排出用スロット3298をキャップ3230上に有することにより、適切な方向に、例えば矢印の方向などに回転させて/ひねり(例えば、幾つかの場合ではねじ付き内部表面を用いる)、ベントを開放又は閉鎖することができる。
図32Aは、半開放位置にあり、フィルタ材料3269が半開放ゾーン内に見えるベントを示す。スロット3298がベントと重なる程度を操作すると、排出の速度を制御することができる。
図32Bには、アパーチャ3299と流体連通する排出用内腔3216、及び上述したようなものであり得る送気内腔3206も示される。排出用カニューレ3200は二重同心内腔構成を示すが、排出制御特徴は、例えば、本明細書の別の場所で開示されるような他のカニューレ内腔幾何学的形状で使用するために使用又は修正することができることは理解されるであろう。
【0137】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載及び図示されているものなどのフィルタは、複数のフィルタ要素を含み得る。複数のフィルタ要素は、排出用通路/排出用内腔と流体連通した状態で配置され得る。フィルタ要素は、弁排出ガス路内に配置され得る。フィルタ要素は、排出されるガス/スモークが2つ以上のフィルタ要素を通って移動するように、連続して配置され得る。マルチフィルタ要素では、異なるタイプのフィルタが使用され得る。例えば、排出されるガス中の粒子状物質及び任意の潜在的に有害な物質を濾過して除去するために、カーボンフィルタ及びUPLAフィルタが使用され得る。
【0138】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載及び図示されているものなどの排出ガスカニューレは、1つ以上の加熱要素を含んでもよい。加熱要素は、1つ、2つ、又は2つより多い内腔内に位置してもよい。加熱要素は、内腔の長さの一部又は全長に延びてもよい。加熱要素は、手術用腔に送達されるガスを加熱し、腔の温度を目標値に維持するように構成されている。ガスを更に加熱すると、送気ガス及び排出されるガスの結露が防止される。ガスを更に加熱すると、任意の機器、例えばスコープ上の曇りも低減することができる。更に、1つ以上の加熱要素は、フィルタ要素を加熱するために、1つ以上のフィルタ要素と連通又は接触し得る。フィルタ要素を加熱すると、フィルタの詰まり及び結露が防止される。更に、加熱要素はまた、ベント又は弁を加熱するために、1つ以上の弁を加熱するように構造化及び構成されてもよい。これらの部分を加熱すると、ベント内の結露の形成及びベントの詰まりが低減される。
【0139】
様々なフィルタ実施形態を本明細書に記載してきた。幾つかの実施形態では、手術用腔からのガス、スモーク等を濾過するように構成されたフィルタ要素は、カニューレ自体に必ずしも組み込まれる必要はなく、むしろ、カニューレのカニューレ上部筐体3302の近位端の近位にある導管内に存在し得る。
図33Aの断面図に概略的に示されるように、導管3355が、例えば、カニューレ上部筐体3302の近位部分3356にオーバーモールドされるなど、動作的に取り付けられ得る。
図33Bは、カニューレのカニューレ上部筐体3302の近位端に導管3356を介して流体接続されたティーバッグフィルタ3360の実施形態を概略的に示す。
図33Cは、カニューレのカニューレ上部筐体3302の近位端に導管3356を介して流体接続されたスネークフィルタ3362の実施形態を概略的に示す。この場合、フィルタ3362は、カニューレ上部筐体3302の近位端から最も遠い導管3356の末端部内に存在し得る。
図33Dは、能動フィルタ、電子機器、制御部、及び他の特徴を含むことができ、カニューレのカニューレ上部筐体3302の近位端に導管3356を介して流体接続されたボックスフィルタ3364の実施形態を概略的に示す。この場合、フィルタ3364は、カニューレ上部筐体3302の近位端から最も遠い導管3356の末端部に接続されたデバイス又は筐体内に存在し得る。
【0140】
図34A~
図34Bは、カニューレ上部筐体3432と、第1の内腔3406と第2の内腔3416とをその中に収容するように構成されたカニューレ長尺状シャフト3404と、を含む、上述したような特徴を含み得るデュアル内腔排出用カニューレ3400の一実施形態の断面図を示す。示されるように、送気ガスは、ガス進入ポート3452を通ってカニューレ3400に入り、第1の(例えば中心)内腔3406に矢印3454の方向に入り、カニューレ3400の長尺状シャフト3404の遠位端3414にある出口3410を通って手術用腔に入ることができる。
図34Aを参照すると、閉塞具3460を、カニューレ3400の第1の内腔3406内に配置することができる。閉塞具3460は、シール筐体3430の排出領域3439を封止するように構成され得る。閉塞具3460は、第1の(例えば内側)内腔3406を封止するように構成され得る。閉塞具3460は、例えば、シール筐体3430の近位端上に配置された排出用アパーチャ3439などの、シール筐体3430の排出領域3439を封止するように構成された近位端又はキャップ部分3462を含んでもよい。閉塞具3460の長尺状シャフト3464は、送気ガスが閉塞具シャフト3464の外部とカニューレ3400の第1の内腔3406の内部との間を通過し、カニューレ3400の遠位端3410を出ることができるように、カニューレ3400の第1の内腔3406内に配置されるように構成され得る。これは、例えば、閉塞具シャフト3464の外径が第1の内腔3406の内径よりも小さい場合に達成することができる。更に、閉塞具3460の長尺状シャフト3464は、例えば、カニューレ3400の第1の内腔3406と同心的に配置された内腔を含み得る。閉塞具内腔はまた、ガス進入ポート3452に入る送気ガスが閉塞具3460の遠位端3466を通って手術用腔に入ることを可能にするように構成され得る。
【0141】
図34Bを参照すると、閉塞具3460が取り外されると(
図34Bに図示せず)、ガスは、手術用腔から矢印3474の方向に流れ、カニューレ3400の第2の(例えば、外側)内腔3416に入り、カニューレ3400内を近位に流れ、シール筐体3430内のフィルタを通り、シール筐体3430内の排出用アパーチャ3439から手術用腔の外の環境に出ることができる。
図34Aで説明したガスの流れと同様に、閉塞具3460が取り外されると(
図34Bに図示せず)、第1の内腔3406が、カニューレ上部筐体3432のガス進入ポート3452から送達される送気ガスを受け取るように、及び長尺状シャフト3404の遠位端3414に近接する出口3410から手術用腔に送気ガスを送達するように構成され得るように、ガスは矢印3454の方向に流れることができる。
【0142】
図35A~
図35Bは、複数内腔排出用カニューレ3500の実施形態の断面図を示す。スコープ又は他の医療機器3560は
図35Aには図示しないが、明確化のために
図35Bには示される。
図35Bに示される内腔3516は、スコープ又は他の医療機器3560がカニューレ3500の長尺状シャフト3504の中心内腔3506内に配置されると、医療機器3560の1つ以上の壁が内腔3516のうちの1つ以上の側壁の少なくとも一部を画定するように作成される。リブ3508は、長尺状シャフト3504の内側表面から、カニューレ3500の長尺状シャフト3504の内腔3506内に配置されたスコープ3560などの医療機器の外側表面に内向きに、例えば半径方向内向きに延びるように構成されている。内腔3516は、医療機器3560の周りに配置されており、医療機器3560の位置を固定するように構成されたリブ3508によって形成され得る。存在するリブ3508の数に応じて、医療機器3560がカニューレ3500内に配置された時に、複数の内腔3516が形成されてもよい。1つ以上の内腔3516は、ガスを排出する内腔であってもよい。しかしながら、内腔3506、内腔3516の任意の組み合わせを使用して、ガスを排出すること又は送気ガスを供給することができる。他の実施形態では、全ての内腔3506、内腔3516が排出のために使用される。幾つかの実施形態では、カニューレ3500は送気ガスを全く供給しない。幾つかの実施形態では、約又は少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、又は8、又は8より多いリブ3508が存在し得る。複数のリブ3508は、ガス排出流が乱されないようにするために、互いに離隔し、且つ十分に薄くなるように構成され得る。幾つかの実施形態では、リブ3508は、リブ3508を収容する各内腔の内径の約、例えば、25%、20%、15%、10%、5%、若しくは5%未満よりも小さい、又は前述の値の任意の2つを含む範囲よりも小さい厚さを有し得る。幾つかの実施形態では、リブ3508は、長尺状シャフト3504の内壁と一体形成されている又はそうでなければ取り付けられている。リブ3508は、ガス流入路(長尺状シャフト3504の内腔3506)とガス流出路(ベントに向かう外側内腔3516)との間に仕切りを作成することができる。
【0143】
図35Bは、スコープ又は他の医療機器3560がカニューレ3500内に配置されている
図35Aの断面図である。示されるように、医療機器、例えば、スコープ3560は、内腔内壁の一部を形成するように構成され得る。別個の内側内腔で壁を形成して複数内腔カニューレ(例えば、
図4に示されるカニューレ300など)を作成するのではなく、図示される外側内腔3516は、長尺状シャフト3504の内側表面と、リブ3508と、(長尺状シャフト3504内に挿入された)医療機器3560の外側表面の一部分とによって形成され得る。内側内腔3506は、カニューレ3500の長尺状シャフト3504内に挿入されたスコープ3560によって形成され得る。
【0144】
用語
医療ガス送達システム及び関連構成要素並びに方法の例を、図を参照しながら記載してきた。図は、様々なシステム及びモジュール及びそれらの間の接続を示す。様々なモジュールとシステムは様々な構成で組み合わせることができ、様々なモジュールとシステムとの間の接続は、物理的リンク又は論理的リンクを表し得る。図中の表現は、原理を明確に示すために提示され、モジュール又はシステムの分割に関する詳細は、別個の物理的な実施形態を詳述しようとするのではなく、説明を容易にするために提供されている。例及び図は、説明を意図しており、本明細書に記載される本発明の範囲を限定するものではない。例えば、本明細書の原理は、手術用加湿器のみならず、呼吸器加湿器を含む他の種類の加湿システムに適用されてもよい。しかしながら、加湿システム及び方法はまた、任意選択的に、患者の呼吸器系に関与しなくてもよく、気道の一部(例えば、鼻、口、気管、及び/又は気管支)内に配置されなくてもよい。
【0145】
本明細書で使用する場合、「プロセッサ」という用語は、任意の適切なデバイス、論理ブロック、モジュール、回路、又は命令を実行するための要素の組み合わせを広く意味する。例えば、コントローラ8は、例えばPentium(登録商標)プロセッサ、MIPS(登録商標)プロセッサ、Power PC(登録商標)プロセッサ、AMD(登録商標)プロセッサ、ARM(登録商標)プロセッサ、又はALPHA(登録商標)プロセッサなどの任意の従来の汎用シングル若しくはマルチチップマイクロプロセッサを含み得る。更に、コントローラ122は、例えばデジタルシグナルプロセッサ又はマイクロコントローラなどの任意の従来の専用マイクロプロセッサを含み得る。本明細書に開示した実施形態に関連して記載した様々な例証的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又は本明細書に記載される機能を実施するように設計されたこれらの任意の組み合わせ、又はメインプロセッサ内の純粋なソフトウェアと共に実施又は実行することができる。例えば、ロジックモジュールは、任意の追加の及び/又は特殊なハードウェア要素を利用しないソフトウェア実施機能ブロックであり得る。コントローラは、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、マイクロコントローラとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併用する1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成として実施され得る。
【0146】
データストレージは、データをプロセッサによって記憶及び検索することを可能にする電子回路を指すことができる。データストレージは、外部デバイス又はシステム、例えば、ディスクドライブ又はソリッドステートドライブを指すことができる。データストレージはまた、通信バス又はコントローラに直接接続される、高速半導体ストレージ(チップ)、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は様々な形態の読み出し専用メモリ(ROM)を指すことができる。他の種類のデータストレージとしては、バブルメモリ及びコアメモリが挙げられる。データストレージは、データを非一時的な媒体に記憶するように構成された物理的ハードウェアであり得る。
【0147】
特定の実施形態及び例を本明細書に開示しているが、本発明の主題は、特に開示された実施形態以外に、他の代替的な実施形態及び/又は使用、並びにそれらの修正物及び等価物にまで及ぶ。したがって、本明細書に添付の特許請求の範囲又は実施形態の範囲は、本明細書に記載される特定の実施形態のいずれかによって限定されるものではない。例えば、本明細書に開示される任意の方法又はプロセスにおいて、方法又はプロセスの行為若しくは操作は、任意の適切な順序で実施することができ、任意の特定の開示された順序に必ずしも限定されるものではない。様々な操作は、特定の実施形態の理解に有用となり得る手法で、複数の別々の操作として順に記載され得る。しかしながら、記載の順序は、これらの操作が順序に依存することを示唆するものとして解釈されるべきではない。更に、本明細書に記載される構造体は、一体型の構成要素として又は別個の構成要素として具現化することができる。様々な実施形態を比較する目的で、これら実施形態の特定の態様及び利点が記載されている。このような態様又は利点の全てが任意の特定の実施形態によって必ずしも達成されるわけではない。したがって、例えば、様々な実施形態は、本明細書に同じく教示又は提案され得る他の態様又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示される1つの利点又は利点の群を達成するか又は最適化する手法で実行され得る。
【0148】
本明細書中で使用される、とりわけ、「~できる(can)」、「~できる(could)」、「~の可能性がある(might)」、「~してもよい(may)」、「例えば(e.g.)」等のような条件付きの文言は、別段の記載のない限り、又は使用される文脈内で理解される限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素及び/又は状態を含む一方で、他の実施形態は特定の特徴、要素及び/又は状態を含まないと伝えることを意図する。したがって、このような条件付きの文言は、一般に、1つ以上の実施形態に、特徴、要素及び/又は状態が何らかの形で必要であることを示唆するものではない。本明細書で使用する場合、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、又はこれらの任意の他の変化形は、非排他的な包含を含むものである。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、これらの要素のみに必ずしも限定されるものではなく、明示的にリスト化されていない又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に固有でない他の要素を含んでもよい。また、「又は(or)」という用語は、例えば、要素のリストを接続するために使用される場合、「又は」という用語が、リスト内の要素のうちの1つ、幾つか、又は全てを意味するように、(その排他的な意味ではなく)その包含的な意味で使用される。「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」という語句などの接続語は、別段の記載のない限り、一般的に使用される文脈において、項目、用語等がX、Y又はZのいずれかであり得ることを伝えるものと理解される。したがって、このような接続語は、一般に、特定の実施形態に、少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、及び少なくとも1つのZがそれぞれ存在することを必要とすることを示唆するものではない。本明細書で使用する場合、「約(about)」又は「約(approximately)」という語は、値が、記載された値の±10%以内、±5%以内、又は±1%以内であることを意味し得る。
【0149】
本明細書に記載される方法及びプロセスは、1つ以上の汎用及び/又は専用コンピュータによって実行されるソフトウェアコードモジュール内で具現化されてもよく、これを介して部分的に又は完全に自動化されてもよい。「モジュール」という語は、ハードウェア及び/若しくはファームウェアで具現化されたロジック、又は例えば、C又はC++などのプログラミング言語で記述された、可能であれば入口点及び出口点を有するソフトウェア命令の集合を意味する。ソフトウェアモジュールは、コンパイルされ、実行可能なプログラムにリンクされてもよく、動的にリンクされたライブラリにインストールされてもよく、又は例えば、BASIC、Perl、若しくはPythonなどのインタプリタ型プログラミング言語で記述されてもよい。ソフトウェアモジュールは、他のモジュールから若しくはそれら自身から呼び出し可能であってもよく、及び/又は検知されたイベント若しくは割り込みに応答して呼び出されてもよいことは理解されるであろう。ソフトウェア命令は、消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)などのファームウェアに組み込まれてもよい。更に、ハードウェアモジュールは、ゲート及びフリップフロップなどの接続された論理ユニットを含んでもよい、並びに/又はプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、及び/若しくはプロセッサなどのプログラマブルユニットを含んでもよいことは理解されるであろう。本明細書に記載されるモジュールは、ソフトウェアモジュールとして実装され得るが、また、ハードウェア及び/又はファームウェアで示されてもよい。更に、幾つかの実施形態では、モジュールは別々にコンパイルされてもよいが、他の実施形態では、モジュールは、別々にコンパイルされたプログラムの命令のサブセットを表してもよく、他の論理プログラムユニットに利用可能なインターフェースを有していなくてもよい。
【0150】
特定の実施形態では、コードモジュールが、任意の種類のコンピュータ可読媒体又は他のコンピュータ記憶デバイスに実装及び/若しくは格納されてもよい。幾つかのシステムでは、システムに入力されたデータ(及び/又はメタデータ)、システムによって生成されたデータ、及び/又はシステムによって使用されたデータは、リレーショナルデータベース及び/又はフラットファイルシステムなどの、任意の種類のコンピュータデータリポジトリに格納され得る。本明細書に記載されるシステム、方法、及びプロセスのいずれも、使用者、オペレータ、他のシステム、コンポーネント、プログラム等との対話を可能にするように構成されたインターフェースを含んでもよい。
【0151】
本明細書に記載される実施形態に多くの変形及び修正を施してもよいことを強調すべきであり、これらの要素は、とりわけ許容可能な例であると理解されるべきである。このような修正及び変形は全て、本明細書においては本開示の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されるものとする。更に、前述の開示のいずれも、任意の特定の構成要素、特性、又はプロセス段階が必要であること又は必須であることを示唆するものではない。