IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハッチンソン テクノロジー インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】統合されたセンサおよび回路
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/16 20060101AFI20240902BHJP
   G01B 7/16 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
H05K1/16 E
G01B7/16 R
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021514590
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2019051559
(87)【国際公開番号】W WO2020061081
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】62/732,477
(32)【優先日】2018-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/572,509
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508130890
【氏名又は名称】ハッチンソン テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HUTCHINSON TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、マイケル ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】リバル、ジェフェリー ジー.
(72)【発明者】
【氏名】オルセン、クラーク ティ.
【審査官】沼生 泰伸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/014743(WO,A1)
【文献】特開平11-094667(JP,A)
【文献】特開平03-028730(JP,A)
【文献】特開2005-283263(JP,A)
【文献】特表2019-512084(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0210618(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/16
G01B 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
基板と、
前記基板上の第1の金属層にパターン形成された1つまたは複数のセンサであって、前記第1の金属層は第1の誘電体層によって前記基板から分離される、1つまたは複数のセンサと、
前記1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つと電気的に接続された、前記第1の金属層上の第2の金属層にパターン形成された1つまたは複数の電気回路であって、前記第2の金属層は第2の誘電体層によって前記第1の金属層から分離される、1つまたは複数の電気回路と、を備え
前記第2の金属層は、前記1つまたは複数の電気回路を前記1つまたは複数のセンサに接続するビアを有する装置。
【請求項2】
前記1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つが測温抵抗体である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つが、複数の測温抵抗体の配列を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つが圧力センサである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記圧力センサがひずみゲージである、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記圧力センサが静電容量センサである、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の誘電体層は、前記基板上に配置された複数の別個の層を含み、前記1つまたは複数のセンサのうちの複数のセンサがそれぞれ、前記複数の別個の層上に形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記1つまたは複数のセンサのうちの複数のセンサがそれぞれ、前記基板上に配置さ
れた同じ前記第1の誘電体層上に形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
モノのインターネット装置、医療装置、スマートセンサ、ホームオートメーション装置、産業用センサ、自動車用センサ、環境装置、警備装置、公共安全装置、小売装置、ロジスティクス装置および消費者装置のいずれか1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
集積電気回路を備えるセンサを形成するための方法であって、
基板上に第1の誘電体層を形成することと、
前記第1の誘電体層上に第1の金属層を形成することと、
前記第1の金属層に1つまたは複数のセンサをパターン形成することと、
前記第1の金属層上に第2の誘電体層を形成することと、
前記第2の誘電体層上に第2の金属層を形成することと、
前記第2の金属層に1つまたは複数の電気回路をパターン形成するとともに、前記第2の金属層に形成されたビアを用いて前記1つまたは複数の電気回路を前記1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つと電気的に接続することと、を含む方法。
【請求項11】
前記第1の誘電体層は、前記基板上に配置された複数の別個の層を含み、
前記第1の金属層に1つまたは複数のセンサをパターン形成することは、前記1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも第1のセンサを、前記複数の別個の層のうち、少なくとも第2のセンサが形成される別個の層とは異なる別個の層上に形成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の金属層に1つまたは複数のセンサをパターン形成することは、前記基板上に配置された同じ前記第1の誘電体層上に第1のセンサおよび第2のセンサを形成することを含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電気部品に関する。特に、本発明の実施形態は、一般に、電気回路と統合された電気部品に関する。
【背景技術】
【0002】
回路およびセンサを含む装置を形成するための現在の技術は、回路およびセンサを所望の製品に統合する能力が制限されている。ディスクリート部品を使用すると、現在の装置のサイズが制限され、必要な性能の要求を満たすことができない。さらに、現在の製造技術は、長いリードタイムを必要とする場合があり、所望のサイズおよび性能特性を満たすために多大な費用がかかる場合もある。
【発明の概要】
【0003】
記載される装置は、基板と、前記基板上に形成された1つまたは複数のセンサ部品と、前記基板上に形成された前記1つまたは複数のセンサ部品の少なくとも1つと電気的に接続された、前記基板上に形成された1つまたは複数の電気回路と、を備える。
【0004】
本発明の実施形態の他の特徴および利点は、添付の図面および以下の詳細な説明から明らかとなる。
本発明の実施形態は例示であり、添付の図面に限定されない。図面において、類似の要素には同様の符号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】一実施形態に係る、電気回路に統合された複数のセンサを有する装置を示す図。
図2】一実施形態に係る、電気回路に統合されたRTDを示す図。
図3-18】一実施形態に係る、電気基板に統合された1つまたは複数の能動/受動部品を有する装置を製造するためのプロセスを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
1つまたは複数の集積電気回路に統合された能動および/または受動部品、ならびに実施形態による製造方法が説明されている。センサの例としては、RTD(測温抵抗体)(ニッケル、ニッケル-クロムおよび/またはプラチナ等から形成)、熱電対、ひずみゲージ(コンスタンタン等から形成)、静電容量センサ、熱電対列、サーミスタ、センサ、ヒーター(ニクロム等から形成)、参照電極(銀/塩化銀等から形成)およびEKG(心電図検査法)や医療用電子マッピングパッチ等の電気センサ/刺激装置(金またはプラチナ電極で形成)が挙げられる。能動および/または受動部品は、1つまたは複数の電気回路および/または他の能動および/または受動部品に統合する無線通信部品を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電気回路が、受動/能動部品とは別の層の基板上に形成される。1つまたは複数の電気回路を、例えば、絶縁層内を延びる1つまたは複数のビアを介して、1つまたは複数の受動/能動部品と電気的に接続してもよい。いくつかの実施形態は、複数の層に配置された複数種類の能動/受動要素を有し、複数の種類の要素がそれぞれ別の層に配置される。しかしながら、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電気回路および1つまたは複数の種類の能動/受動部品が同じ層の上に配置される。能動または受動部品は、添加剤薄膜、めっき、エッチングまたはコーティングされたセンサ材料等を用いた方法によって形成されるが、これらに限定されない。
【0008】
図1に、一実施形態に係る、電気回路に統合された複数のセンサを有する装置を示す。装置100は、複数のトレース106を介して1つまたは複数の電気回路と電気的に接続された複数のひずみゲージセンサ102およびRTDセンサ104を有している。センサ、電気回路およびトレースは、同様の製造方法によって同じ基板108上に一体的に形成される。このため、電気回路を含む基板にディスクリート部品を追加する必要がなく、ディスクリート部品を電気回路に電気的に接続するための実装パッドが不要である。基板に取り付けるためのパッケージや接点を有するディスクリート部品は、余分なスペースを必要とする。さらに、ディスクリート部品のパッケージおよび実装パッドは、容量損失や抵抗損失等の寄生損失を発生させる可能性があるため、各装置の電気回路の特性が変化し、電気回路の性能が最適な動作特性から低下するおそれがある。
【0009】
電気回路に統合された複数の能動/受動部品を有する装置は、大きなスペースを要するディスクリート部品のパッケージおよび実装パッドを必要としない。したがって、本明細書に記載の実施形態に係る装置は、統合された能動/受動部品がディスクリート部品のパッケージを含んでおらず、また、実装パッドが不要であるため、寸法をより小さくできる。さらに、本明細書に記載の実施形態に係る装置では、実装パッドに起因する寄生損失が発生しない。さらに、基板上に電気回路を配置して能動/受動部品を製造できるため、能動/受動部品と電気回路とを同様の技術を用いて製造できる。その結果、性能特性の向上が可能であり、作業範囲を狭くできる。
【0010】
図2に、一実施形態に係る、電気回路に統合されたRTDセンサを示す。RTDセンサ202は、本明細書に記載の方法等によって、1つまたは複数の電気回路204に統合される。
【0011】
図3~18に、実施形態に係る、各電気基板に統合された1つまたは複数の能動/受動部品を有する装置を製造するためのプロセスを示す。同じ基板上に1つまたは複数の能動/受動部品を電気回路と一体的に形成することによって、従来装置、例えば回路基板にディスクリート部品を取り付ける必要のある装置と比較して、装置を小型化できる。さらに、同一の基板上に1つまたは複数の能動/受動部品を電気回路と一体的に形成することによって、パッケージをより小さくできる。また、本明細書に記載の実施形態による装置を独立型装置として構成できるため、本実施形態のように形成されていない装置では誤動作や故障が発生する可能性のある悪環境下でも本装置を使用できる。
【0012】
図3に、1つまたは複数の電気回路に統合された1つまたは複数の能動/受動部品を形成するための基板302を示す。基板302は、例えばステンレス鋼、銅、ポリマー膜、セラミック、ガラス、半導体、ニチノールまたは他の材料から構成されるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、基板302は、リール・ツー・リール製造プロセスで使用されるロール状をなしている。
【0013】
図4に、誘電体層が配置された基板を示す。図4Aは、誘電体層304が配置された基板302の断面図である。図4Bは、誘電体層304が配置された基板302の斜視図である。いくつかの実施形態においては、誘電体層304は基板302上に配置される。導電性基板を使用しない実施形態では、基板302上に誘電体層304の配置を必要としない場合もある。誘電体層304は、フォトレジスト、ポリイミド、KMPR、SU-8または他の絶縁材料等を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、誘電体層304は、コーティング法(液体コーティングまたはドライフィルムコーティング)によって、基板302上に配置される。しかしながら、誘電体層304は、当技術分野で周知の方法を含む他の方法を用いて基板302上に形成してもよい。
【0014】
図5に、一実施形態によってパターン形成された誘電体層を備えた基板を示す。図5Aは、一実施形態によってパターン形成された誘電体層304を備えた基板302の断面図である。図5Bは、一実施形態によってパターン形成された誘電体層304を備えた基板302の斜視図である。いくつかの実施形態では、フォトレジスト層が誘電体層304上に形成される。いくつかの実施形態においては、フォトレジストは、当技術分野で周知のフォトリソグラフィ法等によって露光され、当技術分野で周知のウェットエッチング法によって現像される。このパターン形成されたフォトレジスト層によって、ウェットエッチングまたはドライエッチングのいずれかによる誘電体除去処理時に、誘電体層304のパターンが形成される。他の実施形態では、誘電体層304は、感光性ポリイミド層であり、当技術分野で周知のフォトリソグラフィ法等によって直接パターン形成され、当技術分野で周知のウェットエッチング法等によって現像される。さらに別のパターン形成方法では、レーザーアブレーションによって不要な誘電体が除去される。
【0015】
図6に、一実施形態に係る、誘電体層上に配置された金属層を示す。図6Aは、一実施形態に係る、誘電体層304上に配置された金属層306の断面図である。図6Bは、一実施形態に係る、誘電体層304上に配置された金属層304の斜視図である。金属層306は、物理蒸着、化学蒸着および無電解化学蒸着等の方法によって誘電体層304上に形成されるが、方法はこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、金属層306の形成の最初の工程として、シード層が誘電体層304上に形成される。例えば、ニッケルクロム等のシード層が誘電体層304上にスパッタリングされる。無電解化学蒸着法等によって、例えば銅がシード層上に成膜される。いくつかの実施形態においては、金属層306を用いて、誘電体層304上に1つまたは複数のセンサが形成される。いくつかの実施形態では、金属層306は、1つまたは複数のひずみゲージを形成するために誘電体層304上にスパッタリングされたコンスタンタンである。
【0016】
いくつかの実施形態においては、金属層304にセンサを形成する工程が、コンスタンタン層等の金属層上にフォトレジスト層を成膜することと、フォトレジスト層をパターン形成することとを含んでいる。フォトレジスト層は、液体スロットダイ、ローラー塗布、スプレー、カーテン式塗布、ドライフィルム積層およびスクリーン印刷等の方法によって形成されるが、方法はこれらに限定されない。フォトレジストは、例えば、当技術分野で周知のフォトリソグラフィ法およびエッチング法等によってパターン形成される。次いで、フォトレジスト層の一部がエッチングされることによって露出した金属層304の部分がエッチングされて、センサ、電気トレース、電気接点および他の回路部品が形成される。いくつかの実施形態においては、レーザーアブレーションを用いて、金属層からセンサ、電気トレース、電気接点および他の回路部品が形成される。
【0017】
図7に、一実施形態に係る、誘電体層304上に形成されたひずみゲージ308を示す。図7Aは、一実施形態に係る、誘電体層304上に形成されたひずみゲージ308の断面図である。図7Bは、一実施形態に係る、誘電体層304上に形成されたひずみゲージ308の斜視図である。誘電体層304上に形成された金属層306は、当技術分野で周知の方法等によってパターン形成およびエッチングされる。例えば、フォトレジストが、当技術分野で周知の方法等によって金属層306上に形成される。フォトレジストは、本明細書に記載の方法等によってパターン形成およびエッチングされる。
【0018】
図8に、一実施形態に係る、ひずみゲージの上に形成された第2の誘電体層を示す。図8Aは、一実施形態に係る、ひずみゲージ308の上に形成された第2の誘電体層310の断面図である。図8Bは、一実施形態に係る、ひずみゲージ308の上に形成された第2の誘電体層310の斜視図である。本明細書に記載の方法によって第1の誘電体層304上に1つまたは複数のセンサを形成した後に、形成された1つまたは複数のセンサ上に第2の誘電体層310が形成される。1つまたは複数のセンサが形成された後に第2の誘電体層310を積層することによって、後工程で形成される他の構造からセンサを隔離できるため、装置の後続の処理過程においてセンサが破損しないように保護できる。いくつかの実施形態では、第2の誘電体層310は、本明細書に記載の方法等によって形成されたポリイミド層である。
【0019】
図9に、一実施形態によってパターン形成された第2の誘電体層を備えた基板302を示す。図9Aは、一実施形態によってパターン形成された第2の誘電体層310を備えた基板の断面図である。図9Bは、一実施形態によってパターン形成された第2の誘電体層310を備えた基板302の斜視図である。第2の誘電体層310は、当技術分野で周知のフォトリソグラフィ法等によってパターン形成され、当技術分野で周知のウェットエッチング法等によって現像される。
【0020】
図10に、一実施形態に係る、第2の誘電体層310上に形成された第2の金属層312を示す図10Aは、一実施形態に係る、第2の誘電体層310上に形成された第2の金属層312の断面図である。図10Bは、一実施形態に係る、第2の誘電体層310上に形成された第2の金属層312の斜視図である。第2の金属層312は、物理蒸着、化学蒸着および無電解化学蒸着等の方法によって第2の誘電体層310上に形成されるが、方法はこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、第2の金属層312等の金属層の形成の最初の工程として、シード層が誘電体層上に形成される。例えば、ニッケルクロム等のシード層が誘電体層上にスパッタリングされる。無電解化学蒸着または電気めっきによって、例えば銅がシード層上に成膜される。いくつかの実施形態においては、第2の金属層312を用いて、1つまたは複数のトレース、ビアおよび電気回路が形成される。例えば、第2の金属層312は、基板上にすでに形成されているか、もしくは後で形成される1つまたは複数のセンサを相互接続し、1つまたは複数のセンサを他の電気回路に接続するためのトレースおよびビアを有していてもよい。図11に、一実施形態に係る方法を用いて金属層から形成されたトレース、電気回路およびビアを示す。図11Aは、一実施形態に係る方法を用いて金属層から形成されたトレース、電気回路およびビアの断面図である。図11Bは、一実施形態に係る方法を用いて金属層から形成されたトレース、電気回路およびビアの斜視図である。いくつかの実施形態では、第2の金属層312は、1つまたは複数のセンサを含むようにパターン形成され、別の誘電体層が第2のセンサ層の上に形成され、別の金属層がトレース、電気回路および/またはビアを含むように形成される。したがって、当業者は、本明細書に記載の方法等によって、任意の数および種類のセンサおよび電気回路を含むように、任意の数の誘電体層およびパターン形成された金属層を形成できることを理解するであろう。
【0021】
図12に、一実施形態に係る、パターン形成された金属層上に配置された第3の誘電体層314を示す。図12Aは、一実施形態に係る、パターン形成された金属層上に配置された第3の誘電体層314の断面図である。図12Bは、一実施形態に係る、パターン形成された金属層上に配置された第3の誘電体層314の斜視図である。第3の誘電体層314は、本明細書に記載の方法等によって形成される。例えば、第3の誘電体層314は、ポリイミド層である。
【0022】
図13に、1つまたは複数の開口部316を含むようにパターン形成された第3の誘電体層314を示す。図13Aは、1つまたは複数の開口部316を含むようにパターン形成された第3の誘電体層314の断面図である。図13Bは、1つまたは複数の開口部316を含むようにパターン形成された第3の誘電体層314の斜視図である。誘電体層は、本明細書に記載の方法等によってパターン形成される。いくつかの実施形態では、誘電体層に1つまたは複数の開口部316が形成されるため、誘電体層の一部が除去されており、トレース、ビアおよび電気回路のうちの1つまたは複数が露出している。このような開口部は、例えば、1つまたは複数の電気回路および/またはセンサを、本明細書に記載の方法等によって形成された他の電気回路および/または他のセンサと相互接続するために使用される。
【0023】
図14に、一実施形態によって形成された金めっきパッド318を示す。図14Aは、一実施形態によって形成された金めっきパッド318の断面図である。図14Bは、一実施形態によって形成された金めっきパッド318の斜視図である。いくつかの実施形態では、露出した金属層の1つまたは複数の部分が金めっきされている。例えば、1つまたは複数の部分に金めっきを施して電気接点が形成される。金属層312は、本明細書に記載の方法等の1つまたは複数の成膜方法およびパターン形成方法を用いて金めっきされている。図15に、基板に形成された金めっきパッド320を示す。金めっきパッド320は、1つまたは複数の誘電体層およびパターン形成された金属層が配置された面とは反対側の面に形成されている。図15Aは、1つまたは複数の誘電体層およびパターン形成された金属層が配置された面とは反対側の基板の面に形成された金めっきパッド320を示す断面図である。図15Bは、1つまたは複数の誘電体層およびパターン形成された金属層が配置された面とは反対側の基板の面に形成された金めっきパッド320を示す斜視図である。金めっきパッド320は、本明細書に記載の方法等の1つまたは複数の成膜方法およびパターン形成方法を用いて形成される。このような実施形態では、基板302は金属層であり、基板に形成された金めっきパッド320は、装置にすでに形成されているか、もしくは後で形成される1つまたは複数の電気回路および/または1つまたは複数のセンサのための1つまたは複数の接地端子および/または負端子を形成するために使用される。
【0024】
図16に、一実施形態に係る、パターン形成された基板層322を示す。図16Aは、一実施形態に係る、パターン形成された基板層322の断面図である。図16Bは、一実施形態に係る、パターン形成された基板層322(上面および下面)の斜視図である。基板は、本明細書に記載の方法、例えば、金属層のパターン形成に関する方法を用いてパターン形成される。また、基板は、当技術分野で周知のレーザーアブレーション方法等によってパターン形成してもよい。いくつかの実施形態では、基板は、1つまたは複数の回路の少なくとも一部を形成することと、装置を所望の形状に形成することとの少なくともいずれか一方を行うためにパターン形成される。所望の形状の例としては、パッケージの形状、取り付けの形状、ハードウェアを取り付けるための穴の形成および他の機械的特徴部の形成が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、パターン形成は、本明細書に記載の方法等のパターン形成方法を用いて、基板に質感またはパターンを形成することを含む。
【0025】
図17に、一実施形態に係る、機械的特徴部324を含むように形成された装置を示す。いくつかの実施形態では、機械的特徴部324を有するように装置がパターン形成もしくは成形され、機械的特徴部324によって、所望の機械的特性の達成および/またはシステムへの組み込みが可能となる。例えば、基板は、補強レール形状をなすように曲げられるか、他の方法によって成形される。他の機械的特徴部324は、装置をシステムに固定するため、または別の装置もしくは回路を基板に固定するための1つまたは複数の溶接点を含んでいてもよい。さらに、基板に施される接着剤の接着力を上げるために、高表面積の接着剤装着特徴部を1つまたは複数含むように、本明細書に記載の方法等によって基板がパターン形成されてもよい。接着剤を基板に塗布することによって、1つまたは複数の部品の貼り付けや、システムへの装置の取り付けを行うことができる。
【0026】
図18に、形成された一実施形態の装置を示す。形成された装置は、本明細書に記載のセンサ等の1つまたは複数の種類のセンサを有していてもよい。各種センサは、本明細書に記載の方法等によって、異なるセンサを同一の層上に形成してもよいし、異なる層の上に形成してもよい。形成された装置はまた、例えば、装置上に形成された1つまたは複数の電気回路を完成させるために、装置にディスクリート部品を装着するための1つまたは複数の接点パッドを有していてもよい。さらに、1つまたは複数の接点パッドは、形成された装置を別のシステムに電気的に接続するように構成してもよい。いくつかの実施形態では、装置上に形成される1つまたは複数の電気回路は、無線通信回路またはその一部として構成された電気回路を含む。例えば、装置は、1つまたは複数のコイル、アンテナ、インダクタ、コンデンサ、スタブ要素または無線通信回路の他の要素を含んでいてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電気回路は、例えば限定されないが、8~12ミクロンの範囲のライン間隔を有するトレースおよび他の特徴を含むように形成してもよい。しかしながら、当業者は、ライン間隔がこれより大きくても小さくてもよいことを理解するであろう。
【0028】
いくつかの実施形態において、一実施形態に係る温度センサは、第1の電気トレースおよび第2の電気トレースと電気的に接続された測温抵抗体として構成される。温度センサは、誘電体層上に配置された蛇行状の線として構成される。蛇行線は、蛇行線の第1の端部で第1の電気トレースに電気的に接続され、第2の端部で第2の電気トレースに電気的に接続されている。
【0029】
いくつかの実施形態において、基板は、リール・ツー・リール製造プロセスのウェブに取り付けられて、本明細書に記載の1つまたは複数のセンサおよび/または電気回路を形成する。リール・ツー・リール製造プロセスでは、本明細書に記載の方法等によって、任意の金属層および任意の誘電体層ならびに1つまたは複数のセンサおよび電気回路が形成およびパターン形成される。
【0030】
これらの実施形態に関連して説明されているが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、態様および詳細において変更を行うことができることを認識するであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17
図18