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特許7547325投薬量インジケータを有する薬物送達デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】投薬量インジケータを有する薬物送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A61M5/20 510
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021517943
(86)(22)【出願日】2019-10-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 US2019054602
(87)【国際公開番号】W WO2020072846
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】62/742,066
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペダーセン,ジェイコブ・ハルケア
(72)【発明者】
【氏名】メランダー,マティアス
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-534164(JP,A)
【文献】特表2011-520545(JP,A)
【文献】特表2017-534392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって、
ハウジングであって、近位端と、遠位端と、その前記近位端と前記遠位端との間に延びる縦軸とを有するシェルを画定するハウジングと、
前記シェルの前記近位端において前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置された針アセンブリであって、薬剤を収容するシリンジと、針又はカニューレとを備える前記針アセンブリと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置され且つ前記針アセンブリに動作可能に連結された駆動アセンブリであって、第1の端部および第2の端部を有するプランジャロッドと当該プランジャロッドを少なくとも部分的に取り囲むプランジャロッドガイドとを含み、第1の位置と、前記シリンジからの前記薬剤の排出をもたらす第2の位置との間で移動可能である、前記駆動アセンブリと、
前記駆動アセンブリに動作可能に連結された可聴インジケータであって、係合タブを有する弾性リングを備え、弾性リングはプランジャロッドガイドを少なくとも部分的に取り囲む少なくともlつの翼状部分を含み、前記駆動アセンブリが前記第2の位置に位置決めされた時点で、前記可聴インジケータが、プランジャロッドの第2の端部に係合して、前記シリンジから前記薬剤が排出されたことを示す可聴音を発生させる、前記可聴インジケータと
を備える薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記可聴インジケータが、前記第1の位置から前記第2の位置に向かう前記駆動アセンブリの移動開始時に前記駆動アセンブリとの係合を少なくとも部分的に解除するようになされる、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
プランジャロッドが、第2の端部に位置決めされた第1の戻り止めをさらに備える、請求項1又は2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記プランジャロッドが、前記第1の端部と前記第2の端部との間に距離をおいて位置決めされた第2の戻り止めを更に備える、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記可聴インジケータが、ポリマー又は金属材料の少なくとも一方から作製される、請求項1~4のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記駆動アセンブリが前記第2の位置にあるとき、前記可聴インジケータが弛緩構成にある、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記駆動アセンブリが前記初期位置にあるときに、前記可聴インジケータが弛緩構成にある、請求項1~6のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
薬物送達デバイスであって、
ハウジングであって、近位端と、遠位端と、その前記近位端と前記遠位端との間に延びる縦軸とを有するシェルを画定するハウジングと、
前記シェルの前記近位端において前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置された針アセンブリであって、薬剤を収容するシリンジと、針又はカニューレとを備える前記針アセンブリと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置され且つ前記針アセンブリに動作可能に連結された駆動アセンブリであって、第1の端部および磁性部材を含む第2の端部を有するプランジャロッドを含み、第1の位置と、前記シリンジからの前記薬剤の排出をもたらす第2の位置との間で移動可能である前記駆動アセンブリと、
前記駆動アセンブリに動作可能に連結された可聴インジケータであって、金属部材を含み、前記針アセンブリを通しての前記薬剤の送達完了時に、前記可聴インジケータの金属部材が、プランジャロッドの磁性部材に可動に係合して、前記シリンジから前記薬剤が排出されたことを示す可聴音を発生させる、前記可聴インジケータと
を備える薬物送達デバイス。
【請求項9】
前記可聴インジケータが、少なくとも部分的に、ポリマー又は金属材料の少なくとも一方から作製される、請求項8に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記駆動アセンブリが前記第2の位置にあるときに、前記可聴インジケータが弛緩構成にある、請求項8または9に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
前記駆動アセンブリが前記第1の位置にあるときに、前記可聴インジケータが弛緩構成にある、請求項8~10のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2018年10月5日に出願された米国仮特許出願第62/742,066号明細書に付与された優先権が主張される。その内容全体はこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して薬物送達デバイスに関し、より詳細には、薬物送達デバイスの投薬量インジケータの作製及び作動に関する。
【背景技術】
【0003】
オートインジェクタ及びオンボディ型インジェクタなどの薬物送達デバイスは、薬剤及び/又は治療の送達においていくつかの利点を提供する。利点の1つとしては、例えば、従来のシリンジを使用する従来の送達方法と比較したときの使用の簡単さを挙げることができる。
【0004】
オートインジェクタは、様々な粘度及び/又は所望の量を有する多くの異なる薬物を送達するために使用される場合がある。露出した針を嫌悪すること、及び関連し得る健康上及び安全性の問題のため、使用者から針を隠し、注入作業を自動化して使用者が注入を実行するのを補助し、薬剤の信頼性の高い送達を確実にして、患者の安全性を確保するための様々な種類のインジェクタ及び他のデバイスが開発されている。したがって、これらのデバイスの多くは、デバイスの複雑さに起因して、及び使用者の懸念を緩和するために、デバイスの内部構造への限られた視覚的アクセスしか与えない。その結果、使用者は、デバイス内の薬剤の残量を正確に把握できない可能性があり、したがって、全投薬量を投与するよりも前に注入部位からデバイスを尚早に取り外す可能性がある。逆に、使用者は、全投薬量が投与されていることを確実にするために、注入部位に対してデバイスを過度に長い時間保持する逆の手法をとることがある。そうすることによって、使用者に不快感、疑念、及び/又は不安が生じる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、薬物送達デバイスは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延びる縦軸とを有するシェルを画定するハウジングと、近位端においてハウジング内に少なくとも部分的に配置された針アセンブリと、ハウジング内に少なくとも部分的に配置され且つ針アセンブリに動作可能に連結された駆動アセンブリと、駆動アセンブリに動作可能に連結された可聴インジケータとを含む。針アセンブリは、薬剤を収容するシリンジと、針又はカニューレとを含む。駆動アセンブリは、初期位置と、シリンジからの薬剤の排出をもたらす第2の位置との間で移動可能である。駆動アセンブリが第2の位置に位置決めされた時点で、可聴インジケータは、駆動アセンブリに係合して、シリンジから薬剤が排出されたことを示す可聴音を発生させる。いくつかの形態では、可聴インジケータは追加的に、第1の位置から第2の位置に向かう駆動アセンブリの移動開始時に駆動アセンブリとの係合を少なくとも部分的に解除するようになされる。
【0006】
いくつかの形態では、駆動アセンブリは、第1の端部と、第2の端部と、第2の端部に位置決めされた第1の戻り止めとを有するプランジャロッドを含む。駆動アセンブリは、第1の端部と第2の端部との間に距離をおいて位置決めされた第2の戻り止めを更に含んでもよい。
【0007】
いくつかの例では、可聴インジケータは、係合タブを有する弾性リングの形態であってもよい。可聴インジケータは、ポリマー又は金属材料の少なくとも一方で作製されてもよい。係合タブは、プランジャロッドの第1の戻り止め及び/又は第2の戻り止めに係合するようになされる。他の例では、駆動アセンブリは、磁性部材を追加的に含んでもよく、可聴インジケータは、金属部材を含んでもよい。これらの例では、駆動アセンブリが第2の位置に位置決めされた時点で、金属部材は、磁性部材に係合して可聴音を発生させる。
【0008】
いくつかの形態では、駆動アセンブリが第2の位置にあるときに、可聴インジケータは弛緩構成にあってもよい。更に、いくつかの例では、駆動アセンブリが初期位置にあるときに、可聴インジケータは弛緩構成にあってもよい。
【0009】
第2の態様によれば、薬物送達デバイスは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間で延びる縦軸とを有するシェルを画定するハウジングと、近位端においてハウジング内に少なくとも部分的に配置された針アセンブリと、ハウジング内に少なくとも部分的に配置され且つ針アセンブリに動作可能に連結された駆動アセンブリと、駆動アセンブリに動作可能に連結された可聴インジケータとを含む。針アセンブリは、薬剤を収容するシリンジと、針又はカニューレとを含む。駆動アセンブリは、初期位置と、シリンジからの薬剤の排出をもたらす第2の位置との間で移動可能である。針アセンブリを通しての薬剤の送達完了時に、可聴インジケータは、駆動アセンブリに係合して、シリンジから薬剤が排出されたことを示す可聴音を発生させる。
【0010】
上記ニーズは、特に図面と併せて研究される、以下の詳細な説明に記載されるトルク駆動式薬物送達デバイスの提供によって少なくとも一部満たされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1a】様々な実施形態による可聴インジケータを有する例示的なトルク駆動式薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図1b】様々な実施形態による弛緩状態にある可聴インジケータを示す図1aの例示的な薬物送達デバイスの一部分の平面断面図を図示する。
図2a】様々な実施形態による薬物投与中の図1a及び図1bの例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図2b】様々な実施形態による応力状態にある可聴インジケータを示す図2aの例示的な薬物送達デバイスの一部分の平面断面図を図示する。
図3a】様々な実施形態による薬物の投与完了時の図1a~図2bの例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図3b】様々な実施形態による可聴インジケータと駆動機構との係合を示す図3aの例示的な薬物送達デバイスの一部分の平面断面図を図示する。
図4】様々な実施形態による図1a~図3bの例示的な薬物送達デバイスの一部分の斜視図を図示する。
図5】様々な実施形態による可聴インジケータと駆動機構との係合を示す例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図6a】様々な実施形態による初期状態にある第2の例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図6b】様々な実施形態による第2の状態にある第2の例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図7a】様々な実施形態による初期状態にある第3の例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図7b】様々な実施形態による図7aの例示的な薬物送達デバイスの一部分の平面断面図を図示する。
図7c】様々な実施形態による第2の状態にある図7a及び図7bの例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図7d】様々な実施形態による図7cの例示的な薬物送達デバイスの一部分の平面断面図を図示する。
図8a】様々な実施形態による初期状態にある第4の例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図8b】様々な実施形態による図8aの例示的な薬物送達デバイスの一部分の斜視図を図示する。
図8c】様々な実施形態による図8aの例示的な薬物送達デバイスの代替部分の斜視図を図示する。
図9a】様々な実施形態による初期状態にある第5の例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図9b】様々な実施形態による図9aの例示的な薬物送達デバイスの一部分の平面断面図を図示する。
図9c】様々な実施形態による投薬状態にある図9a及び図9bの例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図9d】様々な実施形態による投薬終了状態にある図9a~図9cの例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図10a】様々な実施形態による初期状態にある第6の例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図10b】様々な実施形態による図10aの例示的な薬物送達デバイスの一部分の平面断面図を図示する。
図10c】様々な実施形態による投薬状態にある図10a及び図10bの例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図10d】様々な実施形態による投薬終了状態にある図10a~図10cの例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図11a】様々な実施形態による初期状態にある第7の例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図11b】様々な実施形態による投薬終了状態にある図11の例示的な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
当業者であれば、図中の要素は簡略化及び明確化のために描かれているものであり、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことは理解するであろう。例えば、図中の要素のいくつかの寸法及び/又は相対位置は、本発明の様々な実施形態の理解を向上させるのに役立つように他の要素に対して誇張される場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用又は必要な、一般的ではあるが十分に理解されている要素は、これら様々な実施形態の図をあまり妨げないようにするために示されないことが多い。更に、特定の行為及び/又は工程は、特定の発生順序で記載される又は示される場合があることは認識されるであろうが、当業者であれば、順序に関するこのような特定性は実際には必要ないことは理解するであろう。本明細書で使用される用語及び表現は、異なる特定の意味が本明細書で説明されている場合以外は、上述のように、このような用語及び表現に当業者が与えるような通常の技術的な意味を有する。
【0013】
一般的に、これら様々な実施形態に従い、インジェクタは、ハウジングと、使用者に注入される薬剤を収容する容器又はシリンジアセンブリと、トルクばねを使用して使用者に薬剤を注入する回転可能な駆動又は作動アセンブリとを含む。薬物の投与完了時に、可聴インジケータは、投薬終了を示す音を発する。
【0014】
ここで図面、特に図1a及び図1bを参照すると、例示的なオートインジェクタ1000が提供される。インジェクタ100は、典型的なデバイスの簡易版であり、それゆえ、薬物送達デバイスの必要な構成要素及び/又は特徴の全てを示しているわけではない。インジェクタ100は、シェルを画定するハウジング102と、シェル102内に少なくとも部分的に配置された針アセンブリ110と、同じくシェル102内に少なくとも部分的に配置された駆動アセンブリ120と、シェル102内に少なくとも部分的に配置された可聴インジケータ140とを含む。シェル102は、近位端102aと遠位端102bとを含み、近位端102aと遠位端102bとの間に延びる縦軸「L」を画定する。
【0015】
針アセンブリ110は、概して、シェル102の近位端102a又はその近傍に配置され、薬剤113を収容するシリンジバレル112と、針又はカニューレ114とを含む。針アセンブリ110は、例えば、1つ又は複数の側壁、薬剤113が針又はカニューレ114を通ることを可能にする開口部、戻りばね、遮蔽部材、フィルタ部材などの、任意の数の追加の構成要素を含んでもよいが、簡潔にするために、あまり詳細には述べない。シリンジバレル112の一部分は、駆動アセンブリ120の一部分を収容するために開放していてもよく、このことは、以下で更に詳細に説明する。シリンジバレル112は、様々な量の薬剤113を収容するための任意の所望の形状及び/又はサイズを有してもよい。いくつかの例では、シリンジバレル112は環状オレフィンポリマー(「COP」)で作製されてもよい。他の例も可能である。
【0016】
駆動アセンブリ120は、初期位置と、シリンジバレル112からの薬剤113の排出をもたらす第2の位置との間で移動可能である、任意の数の構成要素を含んでもよい。例えば、駆動アセンブリ120は、シリンジバレル112に隣接して位置決めされたナット122と、トリガーリング124と、プランジャロッドガイド126と、プランジャロッドアセンブリ130と、トルクばね又は渦巻きばね136の形態の駆動機構とを含んでもよい。概して、駆動アセンブリ120の部分は、任意の数の手法によってシェル102に固定して連結されてもよい。いくつかの構成では、ナット122は、シェル102と一体に形成されてもよく、且つねじ山付き開口部122aを含んでもよい。トリガーリング124は、ナット122に選択的に係合し、且つ軸方向に移動するように構成される。図示の例では、トリガーリング124は、略円形内表面と、リングの円周の周囲及び/又は内側に配置された任意の数の隆起部、突出部、及び溝とを有する略円筒状リングの形態であってもよい。トリガーリング124は、任意の数の技術によってハウジング102に連結されてもよい。
【0017】
プランジャロッドガイド126は、ロッド部分127と、ロッド部分127に連結された基部部分128と、スロット129とを含む。プランジャロッドガイド126は、ロッド部分127を少なくとも部分的に貫通して延びる開口部126aと、基部部分128とを含む。基部部分128は、トリガーリング124との摺動可能な係合を形成するように基部部分128から延びる任意の数の突出部又はタブを有することができる。
【0018】
プランジャロッドアセンブリ130は、ハウジング102の縦軸Lに沿って移動可能なプランジャロッド131及びプランジャ133を含む。プランジャロッド131は、プランジャロッドガイド126とナット122のねじ山付き開口部122aとに螺合連結されるねじ山付き部分131aを有する。プランジャロッド131は、第1の端部131bと、第1の戻り止め又は切り欠き134を画定する第2の端部131cとの間に延び、このことは、以下で更に詳細に述べる。プランジャロッド131は、第1の端部131bと第2の端部131cとの間に距離をおいて位置する第2の戻り止め又は切り欠き135を追加的に画定してもよい。いくつかの手法では、プランジャロッドアセンブリ130は、プランジャロッド131の回転と回転しないプランジャ133との摩擦損失を最小限にするワッシャ(図示せず)を更に含んでもよく、また、ワッシャの厚さに基づいて薬剤113の量を調整するために使用されてもよい。したがって、様々な充填量の薬剤113が同じデバイス100で使用されてもよい。
【0019】
プランジャロッドガイド126のロッド部分127は、例えば、プランジャロッドアセンブリ130をプランジャロッドガイド126に対して軸方向に変位させることを可能にするスプライン式接続又は溝付き構成によるものを含む任意の数の手法によってプランジャロッドアセンブリ130に連結される。したがって、プランジャロッドガイド126はプランジャロッドアセンブリ130の回転運動を案内する。プランジャロッド131のねじ山付き部分131a、及び同様にナット122のねじ山付き開口部122aは、任意の所望の薬物送達速度に好適な又は駆動機構136によって駆動されるときの力/トルクの組み合わせに好適なねじピッチを有してもよい。プランジャロッド131とナット122との相対的な回転により、プランジャロッド131がハウジング102の近位端102aに向かって軸方向に前進する。プランジャ133は、シリンジバレル112の近傍に配置される上面133aを有する。
【0020】
図示の例では、駆動機構136は、任意の公知の手法によりプランジャロッドガイド126のロッド部分127に連結される渦巻きばね又はトルクばね136の形態であり、プランジャロッドガイド126にトルクを及ぼして、軸Lを中心にプランジャロッドガイド126を回転させる。いくつかの例では、トルクばね136は、薬剤をシリンジバレル112から放出するのに必要な適切な回転移動をもたらすように巻数が多くてもよいが、材料特性及び任意の適用された熱処理などのばね設計における更なるパラメータが、ばねのトルク出力に影響を及ぼす可能性がある。トルクばね136の予成形もその性能に影響を及ぼす可能性がある。一例として、オートインジェクタでは、予め応力を加えたばねが好まれる場合がある。なぜなら、予め応力を加える工程は、一般に、ばねを意図した動作条件の反対方向に最初にコイリングすることによりばねのトルク出力を増加させ、それによりスチールバンドに永久ひずみを生じさせるからである。このひずみにより材料の応力が最大になり、それによりトルクを増加させる。このようなトルクの増加は、デバイスのサイズ及び重量を最小限にするのに有益である。
【0021】
プランジャロッド131とナット122との間のねじ接合により、トルクばね136の入力トルクと出力軸力との変換がもたらされる。トルクばね136に高い巻数を与えることにより、同等の伝動仕様を有する線形ばね、又は少数の巻数及びより小さいピッチを持つ他のねじりばねと比較して、全体的なトルクが低下すると共に、開始トルクと終了トルクの変化が小さくなる。加えて、プランジャロッド131及びナット122のねじ山は、巻数の増加によってより小さいピッチを有することができる一方で、プランジャロッドアセンブリ130の同様の直線運動をなお達成する。ねじピッチが小さい場合、高ピッチのねじ山及び高トルクばねと同じ出力を提供するためにはより小さな入力トルクが必要である。したがって、作動力はプランジャロッドアセンブリ130を駆動するために使用しなければならない入力トルクに直接関係するため、本明細書中に記載される高い巻数(例えば、約1~約30巻)で低トルクのシステムによって、作動力を低減することが可能となる。加えて、保管中(例えば、使用前)にトルクばね136からのトルクに抵抗するのに必要となる内部構造の力が減少するため、より小型のインジェクタ設計の使用及びより安価な原料の使用を可能にする。加えて、プランジャロッド131とナット122との間のねじ接合により、シリンジバレル112に保管される異なる量の薬剤に対応するようにねじ山付きプランジャロッド131を調整することが可能となる。必要であれば、ねじ山付きプランジャロッド131は、シリンジバレル112内により少量の薬物製品が配置されたインジェクタ100内のより低い位置にまず取り付けられてもよい。したがって、固有の構成要素の数が減少し、バリエーション管理が簡略化される。ねじ山付きプランジャロッド131はまた、製造及び/又は組み立てプロセス中に必要に応じて様々な深さに調整可能に取り付けられてもよい。
【0022】
可聴インジケータ140は、駆動アセンブリ120に動作可能に連結される。この例では、可聴インジケータ140は、プランジャロッドガイド126を少なくとも部分的に取り囲む、特にプランジャロッドガイド126のロッド部分127を取り囲むリングの形態である。可聴インジケータ140は、リングを画定する1つ又は複数の翼状部分142によって取り囲まれた係合部分144を含む。可聴インジケータ140は、例えば、シリコーンポリマーなどのポリマー、金属材料、複合材などの、任意の数の材料で作製されてもよい。図示の例では、可聴インジケータ140は、可聴インジケータ140が径方向に伸張又は伸長することを可能にする弾性材料で作製される。
【0023】
可聴インジケータ140の係合部分144は、ブロック又はタブの形態である。可聴インジケータ140が設置されるときに(すなわち、翼状部分142がプランジャロッドガイド126のロッド部分127を取り囲むときに)、係合部分144が、プランジャロッドガイド126のスロット129に挿入される。したがって、可聴インジケータ140は、プランジャロッドガイド126によって少なくとも部分的に保持される。
【0024】
可聴インジケータ140の係合部分144がプランジャロッドガイド126のスロット129に挿入されたときに、係合部分144は、プランジャロッド131の一部分に係合及び/又は密着する。いくつかの例では、デバイス100がこの初期状態又は負荷状態にあるとき(すなわち、薬剤113の投与前)に、可聴インジケータ140の係合部分144は、プランジャロッド131の第2の戻り止め135内にぴったり収まるか、又は第2の戻り止め135に当接してもよい。この構成では、可聴インジケータ140は、略弛緩状態にあり、最小限の応力が加わる。
【0025】
概して、デバイスを作動させるために、使用者は、デバイス100を皮膚に押し付け、それにより、トリガーリング124がナット122及び/又はプランジャロッドガイド126との係合を解除する。そのような係合解除により、プランジャロッドガイド126がトリガーリング124に対して回転することが可能となる。トルクばね136が巻回状態又は圧縮状態にあるので、トルクばね136は巻き戻され始め、それにより、プランジャロッドガイド126を回転させる。プランジャロッド131とナット122との間のねじ接合により、プランジャロッド131及びプランジャ133が、ハウジング102の近位端102aに向かって前進し、それにより、針又はカニューレ114を挿入して薬剤113を投与する。非限定的例として、2018年8月17日に出願された米国仮特許出願第62/719,367号明細書は、駆動アセンブリの作動工程及び構成要素を更に詳細に説明しており、したがって、その全体はこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
図2a及び図2bに移ると、薬剤113の送達を開始する。分かり易くするために、図2a及び図2bにはデバイス100のいくつかの構成要素が図示されていないことを理解されたい。薬剤113の投与時に、プランジャロッド131は、プランジャロッドガイド120及び可聴インジケータ140に対して軸方向に移動する。プランジャロッド131による短い移動距離の範囲内において、プランジャロッド131の全体直径の増加により、ねじ山付き部分131aは、可聴インジケータ140の係合部分144を外方に(すなわち、径方向に)押し始める。いくつかの例では、係合部分144は、可聴インジケータ140による外方への滑らかな変位を補助するために第2の戻り止め135の面取り又は角度付き表面135aに対応する面取り又は角度付き表面144aを含む。この位置では、薬剤113の投与中に、可聴インジケータ140は、応力付加又は伸張構成にある。具体的には、翼状部分142は、プランジャロッドガイド126に連結されたままであるが、初期の応力付加構成に対して外方に向かう構成に伸張される。したがって、可聴インジケータ140は、プランジャロッド131が初期位置から第2の位置に向かって移動する間にエネルギーを蓄積する。
【0027】
図3a及び図3bに移ると、薬剤113の送達が完了し、駆動アセンブリ120、具体的にはプランジャロッド131は、シリンジ112からの薬剤113の排出をもたらす第2の位置にある。プランジャロッド131がこの第2の位置に移動したときに、第1の戻り止め134によって、可聴インジケータ140が元の状態及び/又は位置に戻ることが可能となる。可聴インジケータ140の係合部分144は、プランジャロッド131の第1の戻り止め134に係合し、可聴インジケータ140に蓄積されたエネルギーにより、係合部分144(及びいくつかの例では、翼状部分142の一部分)は、元の状態に戻り、プランジャロッド131に接触して、クリック音などの可聴音を発生させる。
【0028】
力の解除が必要であるいかなる機構でも、機構にいつ力が印加されるか(すなわち、機構にいつ負荷がかかるか)と、機構への力の印加がどのように行われるかとを考慮することが重要である。本明細書に記載される可聴インジケータ140は、デバイス100の不使用時には負荷状態にない。したがって、もはや部品の弛緩を考慮する必要がない。デバイスの初期作動中に、トルクばね136は、最大の力と最小量の抵抗とを有する。可聴インジケータ140は、この初期作動中に負荷を受け、この初期作動中は、デバイス100が負荷による影響を最も受けないときである。
【0029】
図4に移ると、プランジャロッドガイド126は、可聴インジケータのキーホール145に係合することにより可聴インジケータ140の係合部分144の径方向移動を案内するタブ又はキーの形態のガイド形状部128aを追加的に含んでもよい。加えて、ガイド形状部128は、可聴インジケータ140がデバイス100内に正しい向きに配置されることを確実にする。このことは、その部品を誤って取り付けることができないので、生産での組立誤差を特定するのに役立つ。
【0030】
上述のように、可聴インジケータ140は、多くの材料から作製されてもよい。いくつかの例では、可聴インジケータ140は、可聴インジケータ140とプランジャロッド131との摩擦を低減するために、シリコーン(例えば、POM+Si/KEP-TS25H)から作製される。加えて、図5に図示するように、投薬中に、可聴インジケータ140は、プランジャロッド131のねじ山付き部分131aの上を摺動する。デバイス100の使用中に可聴インジケータ140がねじ山付き部分131aの上を摺動するのを使用者が認知しないことを確実にするために、ねじ山を横切る可聴インジケータの係合部分144の高さ(図5にC1として図示する)は、係合部分144が2つ以上のねじ山を押圧することを確実にするために複数のねじ山の間の距離(「P1」)に等しいか又は(「P1」)よりも長くなければならず、それにより、使用者が経験し得る相対的な揺れを低減する。特に、係合部分144の面取り表面144aはまた、プランジャロッド131のねじ山付き部分131aを横切って滑らかに摺動する。
【0031】
いくつかの例では、デバイス100が負荷状態にあるときに、可聴インジケータ140は、部分的応力付加及び/又は伸張構成にある場合があることを理解されたい。しかしながら、プランジャロッド131が第2の位置に向かって移動するときに、プランジャロッド131が、可聴インジケータ140に更なる外向き又は径方向の力を及ぼし、それにより、係合部分144がプランジャロッド131のねじ山付き部分131aから第1の戻り止め134に移動したときに可聴インジケータ140が可聴インジケータ140の係合部分144における弛緩状態に戻る。更に、いくつかの例では、プランジャロッド131が第2の戻り止めを含まない場合があるので、可聴インジケータ140の係合部分144が第1の戻り止め134内に入るまで可聴インジケータ140が単に応力付加又は伸張構成のままであり得ることを理解されたい。
【0032】
いくつかの態様では、可聴音の音量及び音色は、解除される力の量、構成要素の相対的な幾何学形状、並びに/又は振動する及び/若しくは音を生成する構成要素の自由度を修正することにより調整されてもよい。
【0033】
いくつかの例では、可聴インジケータは、異なる形態をとってもよい。したがって、図6a及び図6bは、薬物送達デバイス200用の代替的な可聴インジケータ240を図示している。デバイス200がデバイス100と同様及び/又は同一の構成要素を含んでもよく、したがって、簡潔にするために、これらの特徴が図示されず且つ述べられないことを理解されたい。この例では、プランジャロッドガイド231の第1の端部231cは、磁性部材231dを含む。この例では、可聴インジケータ240は、弾性部材242と金属部材244とを有する金属製継手の形態である。図6aに図示するように、負荷構成では、金属部材244は、プランジャロッド231から離間して位置決めされる。図6bに図示するように、薬剤の投与完了時に、磁性部材231dと金属部材244との間の磁力によって、弾性部材242がプランジャロッド231に向かって内方に揺動する。したがって、金属部材244は磁性部材231dに係合し、それにより可聴音を発生させる。いくつかの例では、磁性部材が可聴インジケータに連結されてもよく、且つプランジャロッド231の第1の端部231cが金属部材を含んでもよいことを理解されたい。
【0034】
いくつかの例では、可聴インジケータは、デバイスの他の構成要素と一体に形成され且つ/又はデバイスの他の構成要素に連結されてもよい。したがって、図7a~図7dは、薬物送達デバイス300用の代替的な可聴インジケータ340を図示している。デバイス300がデバイス100と同様及び/又は同一の構成要素を含んでもよく、したがって、簡潔にするために、これらの特徴が図示されず且つ述べられないことを理解されたい。この例では、可聴インジケータ340は、トリガーリング324の一体的な構成要素であり、トリガーリング324から突出するフィンガ又はフックの形態である。プランジャロッド331は、可聴インジケータ340を収容するような寸法とされた戻り止め又は切り欠き335を含む。
【0035】
初期構成又は位置では、図7a及び図7bに図示するように、可聴インジケータ340は、戻り止め335内に少なくとも部分的に配置され、したがって、弛緩構成にある。図7c及び図7dでは、デバイス300を作動させており、相対移動が生じ始める。まず、トリガーリング324及び/又はプランジャロッド331が互いに対して回転し、それにより、可聴インジケータ340も回転して、戻り止め335から出てプランジャロッド331に当接し、それゆえ、可聴インジケータ340が外方に広がって、可聴インジケータ340に力が負荷される。加えて、トリガーリング324とプランジャロッド331との縦軸Lに沿った相対的な軸方向移動は、図1a~図3bにおいて前述したデバイス100と同じように生じる。投薬終了時に、可聴インジケータ340は、追加の戻り止め又は切り欠きに係合せずに、むしろ、スナップ音又はクリック音と共にプランジャロッド331の第2の端部331cに当接する。
【0036】
いくつかの例では、可聴インジケータは、デバイスの更に他の構成要素と一体に形成され且つ/又はデバイスの更に他の構成要素に連結されてもよい。したがって、図8a~図8cは、薬物送達デバイス400用の代替的な可聴インジケータ440を図示している。デバイス400がデバイス100、200及び300と同様/又は同一の構成要素を含んでもよく、したがって、簡潔にするために、これらの特徴が図示されず且つ述べられないことを理解されたい。この例では、可聴インジケータ440は、プランジャロッド431の一体的な構成要素であり、プランジャロッド431の第2の端部431cから突出する任意の数のフィンガ又はフックの形態である。この例では、プランジャロッドガイド426は、少なくとも第1の開口部又は窓429aと、可聴インジケータ440を収容するような寸法とされた第2の開口部又は窓429bとを含む。
【0037】
初期構成又は位置では、図8aに図示するように、可聴インジケータ440は、第1の開口部又は窓429a内に少なくとも部分的に配置され、したがって、弛緩構成にある。デバイス400の作動時に、縦軸Lに沿った相対的な軸方向移動がプランジャロッドガイド426とプランジャロッド431との間で生じ、可聴インジケータ440が第1の開口部又は窓429aから変位して内方に広がり、プランジャロッドガイド426の内表面429cとの接触による力が可聴インジケータ440に負荷される。投薬終了時に、可聴インジケータ440は、第2の開口部又は窓429bに係合して、スナップ音又はクリック音と共にプランジャロッドガイド426に当接し、それにより、可聴音を発生させる。
【0038】
図8bに図示するように、いくつかの手法では、プランジャロッドガイド426は、送達される薬剤の量に応じてプランジャロッド431を異なる位置に配置することを可能にするための、任意の数の追加の第1の窓429aを含んでもよい。図8cに図示するように、いくつかの手法では、プランジャロッドガイド426は、縦軸に沿った任意の数の長さのプランジャロッド431の位置決めに対応する細長い第1の窓429aを含んでもよい。図8cに図示する細長い第1の窓429aは、有利には、投薬中に縦軸での相当量の移動の間に可聴インジケータ440が弛緩構成のままであり、投薬終了直前にのみ負荷を受けることを可能にする。他の例も可能である。
【0039】
いくつかの手法では、可聴インジケータは、デバイスの他の構成要素と一体に形成され且つ/又はデバイスの他の構成要素に連結されてもよい。したがって、図9a~図9dは、薬物送達デバイス500用の代替的な可聴インジケータ540を図示している。デバイス500がデバイス100、200、300及び400と同様及び/又は同一の構成要素を含んでもよく、したがって、簡潔にするために、これらの特徴が図示されず且つ述べられないことを理解されたい。この例では、可聴インジケータ540は、プランジャロッドガイド526の一体的な構成要素であり、プランジャロッドガイド526から内方に突出する任意の数のフィンガ又はフックの形態である。この例では、プランジャロッド531は、少なくとも第1の切り欠き又は戻り止め534と、可聴インジケータ540を収容するような寸法とされた第2の切り欠き又は戻り止め535とを含む。
【0040】
初期構成又は位置では、図9a及び図9bに図示するように、可聴インジケータ540は、第1の戻り止め534内に少なくとも部分的に配置され、したがって、弛緩構成にある。デバイス500の作動時に、図9cに図示するように、縦軸Lに沿った相対的な軸方向移動がプランジャロッドガイド526とプランジャロッド531との間で生じ、可聴インジケータ540が第1の戻り止め534から変位して外方に広がり、プランジャロッド531との接触による力が可聴インジケータ540に負荷される。投薬終了時に、図9dに図示するように、可聴インジケータ540は、第2の戻り止め535に係合して、スナップ音又はクリック音と共にプランジャロッド531に当接し、それにより、可聴音を発生させる。
【0041】
図10a~図10dでは、薬物送達デバイス600用の代替的な可聴インジケータ640が提供される。デバイス600がデバイス100、200、300、400及び500と同様及び/又は同一の構成要素を含んでもよく、したがって、簡潔にするために、これらの特徴が図示されず且つ述べられないことを理解されたい。この例では、可聴インジケータ640は、任意の数の手法を使用してプランジャロッド631の第2の端部631cに連結する弾性フィンガ642の形態である。フィンガ642は、プランジャロッドガイド626に形成された溝628(図10bに最も良く図示する)に挿入され、それにより、フィンガ642が縦軸Lに沿ってプランジャロッドガイド626を軸方向に横断することを可能にする。プランジャロッドガイド626は、第1の表面629aと第2の表面629bとを有する突起629を更に画定する。突起629は、溝628内に配置される。
【0042】
図10cに図示するように、薬剤の投与中に、フィンガ642は、突起の第1の表面629aに係合して、力が負荷されるように上方に変位する。投薬終了時に、図10dに図示するように、フィンガ642は、突起629の第1の表面629aから外れて、スラップ音又はクリック音と共に突起629の第2の表面629bに当接し、可聴音を発生させる。
【0043】
図11a~図11bでは、薬物送達デバイス700用の代替的な可聴インジケータ740が提供される。デバイス700がデバイス100、200、300、400、500及び600と同様及び/又は同一の構成要素を含んでもよく、したがって、簡潔にするために、これらの特徴が図示されず且つ述べられないことを理解されたい。この例では、可聴インジケータ740は、接触アーム742を有するばねの形態である。プランジャロッドガイド726は、ばね740の第1の部分740aを収容するための翼状部分728を含む。これらの例では、可聴インジケータ740は、翼状部分728内に位置し、径方向内方向に無理なく配置される。図示されていないが、可聴インジケータ740は、接触アーム742がプランジャロッド731に接触することを可能にするために、プランジャロッドガイド726に形成された開口、スロット、及び/又は切り欠きを貫通して配置されてもよい。プランジャロッド731がプランジャロッドガイド726内に配置されたときに、プランジャロッド731は、接触アーム742を外方に変位させ、それにより、可聴インジケータ740に力を加える。図11bに図示するように、投薬終了時に、可聴インジケータ740の接触アーム742は、プランジャロッド731から外れて、可聴振動を発生させる。いくつかの例では、可聴インジケータ740の接触アーム742は、プランジャロッドガイド726の内表面726aに接触して、スラップ音又はクリック音を発生させてもよい。
【0044】
有利には、記載の可聴インジケータは、注入部位からデバイスを使用者がいつ安全に取り外すことができるかを明確に示す。可聴インジケータは、プランジャロッドの軸方向位置から外れることで起動し、それにより、可聴音が時期尚早に生じずに、むしろ、プランジャロッドが薬剤の投薬終了を表す所定の距離だけ移動したときにのみ可聴音が生じることを確実にする。この機構は、最小限の追加の部品を使用して音を生成し、この設計は、1つの方法でしか取り付けできないことにより正確な組み立てを確実にすることができる。いくつかの例では、可聴インジケータが係合する第1の戻り止め又は部分は、プランジャロッドの端部に配置されなくてもよい。むしろ、この戻り止め又は切り欠きは、薬剤の投薬終了を表す、プランジャロッドに沿った任意の距離に位置してもよい。
【0045】
上記の記載では、薬物送達デバイスと共に使用するための様々なアセンブリ、デバイス、及び方法について説明している。アセンブリ、薬物送達デバイス、又は方法は、以下に記載される薬剤の使用を更に含むことができる点を明確にすべきであり、以下のリストは全て包含的又は限定的のいずれでもないと考えるべきであることに留意されたい。薬剤は、貯蔵器内に収容される。幾つかの例において、貯蔵器はその薬剤での治療のために充填又は事前充填された一次容器である。一次容器は、カートリッド又はプレフィルドシリンジとすることができる。
【0046】
例えば、薬物送達デバイス又は、より具体的にはデバイスの貯蔵器には、コロニ刺激因子、例えば顆粒球コロニ刺激因子(G-CSF)が充填されてよい。このようなG-CSF剤には、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム)及びNeulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム)が含まれるが、これらに限定されない。他の様々な実施形態において、薬物送達デバイスは、液体又は凍結乾燥形態であり得る、赤血球産生刺激因子製剤(ESA)などの様々な医薬品と共に使用されてもよい。ESAは、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メチオキシポリエチレングリコールエポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタなどの赤血球産生を刺激する任意の分子、並びに参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,703,008号明細書、同第5,441,868号明細書、同第5,547,933号明細書、同第5,618,698号明細書、同第5,621,080号明細書、同第5,756,349号明細書、同第5,767,078号明細書、同第5,773,569号明細書、同第5,955,422号明細書、同第5,986,047号明細書、同第6,583,272号明細書、同第7,084,245号明細書、及び同第7,271,689号明細書、並びにPCT国際公開第91/05867号パンフレット、同第95/05465号パンフレット、同第96/40772号パンフレット、同第00/24893号パンフレット、同第01/81405号パンフレット、及び同第2007/136752号パンフレットに開示されているような分子又はその変異体若しくは類似体である。
【0047】
ESAは赤血球産生刺激タンパク質とすることができる。本明細書で使用される場合、「赤血球産生刺激タンパク質」とは、例えば受容体と結合し、二量体化を引き起こすことによって、エリスロポエチン受容体を直接又は間接に活性化させるあらゆるタンパク質を意味する。赤血球産生刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体、若しくは誘導体、エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体、又はエリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球産生刺激タンパク質としては、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ、及びそれらの類似体、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、模倣ペプチド(EMP1/hematideを含む)、及び模倣抗体が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な赤血球産生刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチン作動薬変異体、及びペプチド又は抗体(及び、参照により各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2003/0215444号明細書及び米国特許出願公開第2006/0040858号明細書に報告されている化合物が挙げられ)、参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,703,008号明細書、同第5,441,868号明細書、同第5,547,933号明細書、同第5,618,698号明細書、同第5,621,080号明細書、同第5,756,349号明細書、同第5,767,078号明細書、同第5,773,569号明細書、同第5,955,422号明細書、同第5,830,851号明細書、同第5,856,298号明細書、同第5,986,047号明細書、同第6,030,086号明細書、同第6,310,078号明細書、同第6,391,633号明細書、同第6,583,272号明細書、同第6,586,398号明細書、同第6,900,292号明細書、同第6,750,369号明細書、同第7,030,226号明細書、同第7,084,245号明細書;及び同第7,217,689号明細書;米国特許出願公開第2002/0155998号明細書、同第2003/0077753号明細書、同第2003/0082749号明細書、同第2003/0143202号明細書、同第2004/0009902号明細書、同第2004/0071694号明細書、同第2004/0091961号明細書、同第2004/0143857号明細書、同第2004/0157293号明細書、同第2004/0175379号明細書、同第2004/0175824号明細書、同第2004/0229318号明細書、同第2004/0248815号明細書、同第2004/0266690号明細書、同第2005/0019914号明細書、同第2005/0026834号明細書、同第2005/0096461号明細書、同第2005/0107297号明細書、同第2005/0107591号明細書、同第2005/0124045号明細書、同第2005/0124564号明細書、同第2005/0137329号明細書、同第2005/0142642号明細書、同第2005/0143292号明細書、同第2005/0153879号明細書、同第2005/0158822号明細書、同第2005/0158832号明細書、同第2005/0170457号明細書、同第2005/0181359号明細書、同第2005/0181482号明細書、同第2005/0192211号明細書、同第2005/0202538号明細書、同第2005/0227289号明細書、同第2005/0244409号明細書、同第2006/0088906号明細書;及び同第2006/0111279号明細書;並びにPCT国際公開第91/05867号パンフレット、同第95/05465号パンフレット、同第99/66054号パンフレット、同第00/24893号パンフレット、同第01/81405号パンフレット、同第00/61637号パンフレット、同第01/36489号パンフレット、同第02/014356号パンフレット、同第02/19963号パンフレット、同第02/20034号パンフレット、同第02/49673号パンフレット、同第02/085940号パンフレット、同第03/029291号パンフレット、同第2003/055526号パンフレット、同第2003/084477号パンフレット、同第2003/094858号パンフレット、同第2004/002417号パンフレット、同第2004/002424号パンフレット、同第2004/009627号パンフレット、同第2004/024761号パンフレット、同第2004/033651号パンフレット、同第2004/035603号パンフレット、同第2004/043382号パンフレット、同第2004/101600号パンフレット、同第2004/101606号パンフレット、同第2004/101611号パンフレット、同第2004/106373号パンフレット、同第2004/018667号パンフレット、同第2005/001025号パンフレット、同第2005/001136号パンフレット、同第2005/021579号パンフレット、同第2005/025606号パンフレット、同第2005/032460号パンフレット、同第2005/051327号パンフレット、同第2005/063808号パンフレット、同第2005/063809号パンフレット、同第2005/070451号パンフレット、同第2005/081687号パンフレット、同第2005/084711号パンフレット、同第2005/103076号パンフレット、同第2005/100403号パンフレット、同第2005/092369号パンフレット、同第2006/50959号パンフレット、同第2006/02646号パンフレット;及び同第2006/29094号パンフレットに開示されているようなエリスロポエチン分子又はその変異体若しくは類似体が挙げられる。
【0048】
本デバイスと共に使用するための他の医薬品の例としては、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(商標)(デノスマブ)及びProlia(商標)(デノサマブ)などの抗体;Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、及びNplate(登録商標)(ロミプロスチム)などの他の生物学的製剤;Sensipar(登録商標)(シナカルセト)などの小分子薬物が挙げられ得るが、これらに限定されない。本デバイスは、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、又は鉄、例えば、フェルモキシトール、鉄デキストラン、グルコン酸第二鉄、及び含糖酸化鉄などの他の化学物質と共に使用してもよい。医薬品は、液体形態であってもよく、又は凍結乾燥形態から水で戻されてもよい。
【0049】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体、又は誘導体を含む、以下で説明する特定のタンパク質がある。
【0050】
PCT国際公開第03/002713号パンフレットに開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、上記公報の図2に記載されている配列番号2の軽鎖及び/又は上記公報の図4に記載されている配列番号4の重鎖のいずれかを有するOPGL特異抗体を含み、OPGL特異抗体及び抗体関連タンパク質に関して、特に、上記公報に記載されている配列を有するもので、上記公報に示されているもの、すなわち、9H7、18B2、2D8、2E11、16E1、及び22B3であるが、これらに限定されない、本明細書にその全体が参照により組み込まれる、上記公報に記載されている抗体を含むが、これらに限定されない、完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディなどとも呼ばれる)OPGL特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など。
【0051】
米国特許出願公開第2004/0181033号明細書及びPCT国際公開第2004/058988号パンフレットに開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、TN8-19-1~TN8-19-40、TN8-19 con1、及びTN8-19 con2を含む、配列番号305~351のものを含む、mTN8-19ファミリーのペプチボディ、配列番号357~383のmL2ファミリー、配列番号384~409のmL15ファミリー、配列番号410~438のmL17ファミリー、配列番号439~446のmL20ファミリー、配列番号447~452のmL21ファミリー、配列番号453~454のmL24ファミリーのペプチボディ、及び配列番号615~631のペプチボディを含むが、これらに限定されない、特に、ミオスタチン特異的ペプチボディに特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる、上記公報に記載されているミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、及び関連タンパク質など。
【0052】
PCT国際公開第2005/047331号パンフレットすなわちPCT国際出願PCT/US2004/37242号明細書及び米国特許出願公開第2005/112694号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、IL-4受容体特異抗体、特に上記公報に記載されているような抗体、特に、非限定的に、上記公報に示されているもの、すなわち、L1H1、L1H2、L1H3、L1H4、L1H5、L1H6、L1H7、L1H8、L1H9、L1H10、L1H11、L2H1、L2H2、L2H3、L2H4、L2H5、L2H6、L2H7、L2H8、L2H9、L2H10、L2H11、L2H12、L2H13、L2H14、L3H1、L4H1、L5H1、L6H1に特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる、上記公報に記載されているものを含む、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、特にIL-4及び/又はIL-13を受容体と結合することにより仲介される作用を阻害するもの。
【0053】
米国特許出願公開第2004/097712号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、IL1-R1特異結合タンパク質、特にモノクローナル抗体、特に、非限定的に、上記公報に示されているもの、すなわち、15CA、26F5、27F2、24E12、及び10H7に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる、上記公報に記載されているものを含むが、これらに限定されない、インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など。
【0054】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、特に以下の公報に記載されている配列のもので、L1(N)、L1(N)WT、L1(N)1K WT、2xL1(N)、2xL1(N)WT、Con4(N)、Con4(N)1K WT、2xCon4(N)1K、L1C、L1C 1K、2xL1C、Con4C、Con4C 1K、2xCon4C 1K、Con4-L1(N)、Con4-L1C、TN-12-9(N)、C17(N)、TN8-8(N)、TN8-14(N)、Con1(N)を含むが、これらに限定されない、Ang2特異抗体及びペプチボディなどに特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、PCT国際公開第03/057134号パンフレット及び米国特許出願公開第2003/0229023号明細書に記載されているものを含むが、これらに限定されず、また、抗Ang2抗体及び製剤に関連して、特に、以下の公報に記載されている様々な順列のAb526、Ab528、Ab531、Ab533、Ab535、Ab536、Ab537、Ab540、Ab543、Ab544、Ab545、Ab546、A551、Ab553、Ab555、Ab558、Ab559、Ab565、AbF1AbFD、AbFE、AbFJ、AbFK、AbG1D4、AbGC1E8、AbH1C12、AblA1、AblF、AblK、AblP、及びAblPに関連して参照により全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2003/030833号パンフレットに記載されているものなどの抗Ang2抗体及び製剤を含む、Ang2特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など。
【0055】
米国特許出願公開第2005/0074821号明細書及び米国特許第6,919,426号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、特に、上記公報に示されているNGF-特異抗体、すなわち、4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11を含むが、これらに限定されない、特にNGF-特異抗体及びこれに関連するタンパク質に関して参照により全体が本明細書に組み込まれる、上記公報に記載されているものを特に含むが、これらに限定されない、NGF特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など。
【0056】
例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体を含むが、これに限定されない、例えば、ヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖二硫化物の二量体などの、特にヒトCD22特異IgG抗体を含むが、これに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むが、これに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体などであるが、これに限定されない、特にヒトCD22特異抗体である、CD22特異抗体及び関連タンパク質に関して参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,789,554号明細書に記載されているものなどの、CD22特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など。
【0057】
PCT国際公開第06/069202号パンフレットに開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、上記公報に示されているIGF-1特異抗体、すなわち、L1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52、及びIGF-1R-結合フラグメント及びその誘導体を含むが、これらに限定されない、IGF-1受容体特異抗体及び関連タンパク質に関して参照により全体が本明細書に組み込まれる、上記公報に記載されているものなどの、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など。
【0058】
また、本発明の方法及び組成物で使用するための抗IGF-1R抗体の非限定的例の中には、以下に記載されている各々及び全てがある。
(i)米国特許出願公開第2006/0040358号明細書(2006年2月23日公開)、同第2005/0008642号明細書(2005年1月13日公開)、同第2004/0228859号明細書(2004年11月18日公開)に記載されている、例えば、抗体1A(DSMZ寄託番号DSM ACC 2586)、抗体8(DSMZ寄託番号DSM ACC 2589)、抗体23(DSMZ寄託番号DSM ACC 2588)、及び抗体18を含むが、これらに限定されない。
(ii)PCT国際公開第06/138729号パンフレット(2006年12月28日公開)及び同第05/016970号パンフレット(2005年2月24日公開)、及びLu et al.(2004),J.Biol.Chem.279:2856-2865に記載されている抗体2F8、A12、及びIMC-A12を含むが、これらに限定されない。
(iii)PCT国際公開第07/012614号パンフレット(2007年2月1日公開)、同第07/000328号パンフレット(2007年1月4日公開)、同第06/013472号パンフレット(2006年2月9日公開)、同第05/058967号パンフレット(2005年6月30日公開)、及び同第03/059951号パンフレット(2003年7月24日公開)。
(iv)米国特許出願公開第2005/0084906号明細書(2005年4月21日公開)に記載されている、抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3、及び抗体7H2HMを含むが、これらに限定されない。
(v)米国特許出願公開第2005/0249728号明細書(2005年11月10日公開)、同第2005/0186203号明細書(2005年8月25日公開)、同第2004/0265307号明細書(2004年12月30日公開)、及び同第2003/0235582号明細書(2003年12月25日公開)、並びにMaloney et al.(2003),Cancer Res.63:5073-5083に記載されている抗体EM164、再表面構成EM164、ヒト化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2、及びhuEM164 v1.3を含むが、これらに限定されない。
(vi)米国特許第7,037,498号明細書(2006年5月2日発行)、同第2005/0244408号明細書(2005年11月30日公開)及び同第2004/0086503号明細書(2004年5月6日公開)、並びにCohen,et al.(2005),Clinical Cancer Res.11:2063-2073に記載されている、ATCC受託番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793、及び抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2、及び4.17.3を有するハイブリドーマによって産生された抗体の各々を含むが、これらに限定されない、例えば、抗体CP-751,871。
(vii)米国特許出願公開第2005/0136063号明細書(2005年6月23日公開)及び同第2004/0018191号明細書(2004年1月29日公開)に記載されている、抗体19D12、及び、番号PTA-5214でATCCに寄託された、プラスミド15H12/19D12HCA(γ4)におけるポリヌクレオチドによってコードされる重鎖と、番号PTA-5220でATCCに寄託された、プラスミド15H12/19D12LCF(κ)におけるポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖とを含む抗体を含むが、これらに限定されない。
(viii)特にIGF-1受容体を標的とする前述の抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質などに関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2004/0202655号明細書(2004年10月14日公開)に記載されている、抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4、及びPINT-12A5を含むが、これらに限定されない。
【0059】
B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など(「B7RP-1」、文献ではB7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも呼ばれる)、特にB7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特にB7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、特にB7RP-1と特に活性化T細胞上のB7RP-1の自然受容体であるICOSとの相互作用を阻害するもの、特に、上記の点の全てにおいて、特に、以下の公報に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、16H(配列番号1の軽鎖可変配列及び配列番号7の重鎖可変配列を内部に有する)、5D(配列番号2の軽鎖可変配列及び配列番号9の重鎖可変配列を内部に有する)、2H(配列番号3の軽鎖可変配列及び配列番号10の重鎖可変配列を内部に有する)、43H(配列番号6の軽鎖可変配列及び配列番号14の重鎖可変配列を内部に有する)、41H(配列番号5の軽鎖可変配列及び配列番号13の重鎖可変配列を内部に有する)、並びに15H(配列番号4の軽鎖可変配列及び配列番号12の重鎖可変配列を内部に有する)以下の公報に示されている抗体を含むが、それらに限定されない、かかる抗体及び関連タンパク質に関して参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2008/0166352号明細書及びPCT国際公開第07/011941号パンフレットに開示されているもの。
【0060】
例えば、146B7などの、特に、例えば、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むが、これらに限定されない、ペプチボディを含む、IL-15特異抗体及び関連タンパク質に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2003/0138421号明細書、米国特許出願公開第2003/023586号明細書、及び米国特許出願公開第2004/0071702号明細書、並びに米国特許第7,153,507号明細書に開示されているものなどの、特に抗体、詳細にはヒト化モノクローナル抗体などの、IL-15特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など。
【0061】
IFN γ特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、特にヒトIFN γ特異抗体、特に、例えば、米国特許出願公開第2005/0004353号明細書に示されている抗体、すなわち、1118、1118*、1119、1121及び1121*に関して参照により全体が本明細書に組み込まれる、上記公報に記載されているものなどの、完全ヒト抗IFN γ抗体。これら抗体の各々の重鎖及び軽鎖の配列全体と、これらの重鎖及び軽鎖可変領域並びに相補性決定領域の配列は、各々、前述の公報及びThakur et al.(1999),Mol.Immunol.36:1107-1115に開示されるようにその全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる。加えて、前述の公報において提供されるこれらの抗体の特性の説明もまた、参照により全体が本明細書に組み込まれる。特異抗体としては、前述の公報に開示されているように、配列番号17の重鎖及び配列番号18の軽鎖を有するもの、配列番号6の重鎖可変領域及び配列番号8の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号19の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号10の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号32の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号30の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖配列及び配列番号22の軽鎖配列を有するもの、配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号16の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖及び配列番号33の軽鎖を有するもの、並びに配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号31の軽鎖可変領域を有するものが挙げられる。意図される特異抗体は、前述の米国特許出願公開に開示されているような抗体1119であり、この抗体は、上記公報に開示されているような配列番号17の完全重鎖を有し、且つ上記公報に開示されているような配列番号18の完全軽鎖を有する。
【0062】
米国特許出願公開第2003/0195156号明細書及び米国特許出願公開第2006/0135431号明細書に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、TALL-1結合タンパク質、特に表4及び表5Bの分子に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、上記公報に記載されているものなどの、TALL-1特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、並びに他のTALL特異結合タンパク質など。
【0063】
PTHと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,756,480号明細書に記載されているものなどの、副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など。
【0064】
TPO-Rと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,835,809号明細書に記載されているものなどの、トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など。
【0065】
肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など、HGF/SFを標的とするものを含む;HGFと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2005/0118643号明細書及びPCT国際公開第2005/017107号パンフレットに記載されている肝細胞増殖因子/分散(HGF/SF)と、米国特許第7,220,410号明細書に記載されているhuL2G7と、米国特許第5,686,292号明細書及び米国特許第6,468,529号明細書並びにPCT国際公開第96/38557号パンフレットに記載されているOA-5d5とを中和する完全ヒトモノクローナル抗体などの、cMet軸(HGF/SF:c-Met)。
【0066】
TRAIL-R2と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,521,048号明細書に記載されているものなどの、TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など。
【0067】
アクチビンAと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2009/0234106号明細書に記載されているものを含むが、これらに限定されない、アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など。
【0068】
TGF-βと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,803,453号明細書及び米国特許出願公開第2007/0110747号明細書に記載されているものを含むが、これらに限定されない、TGF-β特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など。
【0069】
アミロイドβタンパク質と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる、PCT国際公開第2006/081171号パンフレットに記載されているものを含むが、これらに限定されない、アミロイドβタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など。意図される抗体の1つは、前述の公報に開示されているような、配列番号8を含む重鎖可変領域と配列番号6を有する軽鎖可変領域とを有する抗体である。
【0070】
c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0253951号明細書に記載されているものを含むが、これらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など。
【0071】
OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2006/0002929号明細書に記載されているものを含むが、これらに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、並びに
Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチン)、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、又はエリスロポエチン)、GLP-1、Avonex(登録商標)(インタフェロンベータ1a)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体)、Betaseron(登録商標)(インタフェロン-ベータ)、Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、MLN0002(抗α4β7 mAb)、MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb)、Enbrel(エタネルセプト、TNF-受容体/Fc融合タンパク質、TNFブロッカ)、Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ)、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1)、Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb)、Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Humira(登録商標)(アダリムマブ)、インスリン溶液、Infergen(登録商標)(インタフェロンアルファコン-1)、Natrecor(登録商標)(ネシリチド、組み換えヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP)、Kineret(登録商標)(アナキンラ)、Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF)、LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb)、Benlysta(商標)(lymphostat B、ベリムマブ、抗BlySmAb)、Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコールエポエチンベータ)、Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン)、Raptiva(登録商標)(エファリズマブ)、Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP 870)、Soliris(商標)(エクリズマブ)、ペキセリズマブ(抗C5補体)、Numax(登録商標)(MEDI-524)、Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ)、Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ)、Trabio(登録商標)(lerdelimumab)、TheraCim hR3(ニモツズマブ)、Omnitarg(ペルツズマブ、2C4)、Osidem(登録商標)(IDM-1)、OvaRex(登録商標)(B43.13)、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、cantuzumab mertansine(huC242-DM1)、NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインタロイキン-11)、Neulasta(登録商標)(PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィラグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体)、Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体)、Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP llb/llia受容体モノクローナル抗体)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb)、Tarceva(登録商標)(エルロチニブ)、Roferon-A(登録商標)-(インタフェロンアルファ-2a)、Simulect(登録商標)(バシリキシマブ)、Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ)、Synagis(登録商標)(パリビズマブ)、146B7-CHO(抗IL 15抗体、米国特許第7,153,507号明細書参照)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4integrin mAb)、Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗B、炭そ菌防御抗原mAb)、ABthrax(商標)、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSA mAb)、IL-1トラップ(ヒトIgG1のFc部及び両IL-1受容体成分(I型受容体と受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGFトラップ(IgG1 Fcに融合されたVEGFR1のIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(登録商標)(エゼチミブ)、Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig)、抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ)、抗CD23 mAb(ルミリキシマブ)、BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFFアンタゴニスト)、CNTO 148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb)、HGS-ETR1(マパツムマブ、ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb)、HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb)、HuMax-EGFR(ザルツムマブ)、M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb)、MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb及びVEGFR-1(IMC-18F1)、抗BR3 mAb、抗C、ディフィシルトキシンA及びトキシンB C mAbs MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388)、抗CD22 dsFv-PE38コンジュゲート(CAT-3888及びCAT-8015)、抗CD25 mAb(HuMax-TAC)、抗CD3 mAb(NI-0401)、アデカツムマブ、抗CD30 mAb(MDX-060)、MDX-1333(抗IFNAR)、抗CD38 mAb(HuMax CD38)、抗CD40L mAb、抗Cripto mAb、抗CTGF突発性肺線維症フェーズIフィブロゲン(FG-3019)、抗CTLA4 mAb、抗エオタキシン1 mAb(CAT-213)、抗FGF8 mAb、抗ガングリオシドGD2 mAb、抗ガングリオシドGM2 mAb、抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029)、抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001)、抗HepC mAb(HuMax HepC)、抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-1103)、抗IGF1R mAb、抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam)、抗IL12 mAb(ABT-874)、抗IL 12/IL23 mAb(CNTO 1275)、抗IL 13 mAb(CAT-354)、抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC)、抗IL5受容体mAb、抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO 95)、抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100)、抗LLY抗体、BMS-66513、抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307)、抗メソテリンdsFv-PE38コンジュゲート(CAT-5001)、抗PD1 mAb(MDX-1106(ONO-4538))、抗PDGFRα抗体(IMC-3G3)、抗TGFβ mAb(GC-1008)、抗TRAIL受容体2ヒトmAb(HGS-ETR2)、抗TWEAK mAb、抗VEGFR/Flt-1 mAb、抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)、NVS抗体#1、及びNVS抗体#2を含む他の例示的なタンパク質。
【0072】
また、スクレロスチン抗体も含めることができ、これは例えばロモソズマブ、ビオソズマブ、又はBPS 804(Novartis)であるが、これらに限定されない。リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIX、又はXGEVAなどの治療薬が更に含まれ得る。加えて、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)をデバイスに含めることができる。そのようなPCSK9特異抗体としては、あらゆる目的において参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、以下の特許又は特許出願、米国特許第8,030,547号明細書、米国特許出願公開第2013/0064825号明細書、国際公開第2008/057457号パンフレット、国際公開第2008/057458号パンフレット、国際公開第2008/057459号パンフレット、国際公開第2008/063382号パンフレット、国際公開第2008/133647号パンフレット、国際公開第2009/100297号パンフレット、国際公開第2009/100318号パンフレット、国際公開第2011/037791号パンフレット、国際公開第2011/053759号パンフレット、国際公開第2011/053783号パンフレット、国際公開第2008/125623号パンフレット、国際公開第2011/072263号パンフレット、国際公開第2009/055783号パンフレット、国際公開第2012/0544438号パンフレット、国際公開第2010/029513号パンフレット、国際公開第2011/111007号パンフレット、国際公開第2010/077854号パンフレット、国際公開第2012/088313号パンフレット、国際公開第2012/101251号パンフレット、国際公開第2012/101252号パンフレット、国際公開第2012/101253号パンフレット、国際公開第2012/109530号パンフレット及び国際公開第2001/031007号パンフレットに開示されている、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマ)並びにその分子、変異体、類似体、又は誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
黒色腫又は他のがん治療用の腫瘍溶解性免疫療法薬又は別の腫瘍溶解性HSVもまた含めることができる。腫瘍溶解性HSVの例としては、腫瘍溶解性免疫療法薬talimogene laherparepvec(米国特許第7,223,593号明細書及び米国特許第7,537,924号明細書);OncoVEXGALV/CD(米国特許第7,981,669号明細書);OrienX010(Lei et al.(2013),World J.Gastroenterol.,19:5138-5143);G207,1716;NV1020;NV12023;NV1034及びNV1042(Vargehes et al.(2002),Cancer Gene Ther.,9(12):967-978)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0074】
また、TIMPも含められる。TIMPは、内在性組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMP:tissue inhibitors of metalloproteinase)であり、多くの自然のプロセスにおいて重要である。TIMP-3は、様々な細胞により発現され、細胞外マトリクス内に存在し、軟骨を変性させる主要なメタロプロテアーゼの全てを阻害して、関節リウマチや骨関節炎のほか、がん及び心血管の状態を含む結合組織の多くの変性疾患において役割を果たし得る。TIMP-3のアミノ酸配列、及びTIMP-3をコードするDNAの核酸配列は、2003年5月13日発行の米国特許第6,562,596号明細書に開示されており、この開示は、参照により本明細書に組み込まれる。TIMP変異の説明は、米国特許出願公開第2014/0274874号明細書及び国際公開第2014/152012号パンフレットにおいて見ることができる。
【0075】
ヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子もまた含まれる。これら分子に関する更なる情報は、PCT国際公開第2010/075238号パンフレットにおいて見ることができる。
【0076】
加えて、二重特異性T細胞誘導(BiTE(登録商標))抗体、例えば、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)を、デバイスにおいて使用することができる。或いは、APJ巨大分子作動薬、例えば、アペリン又はその類似体をデバイスに含めることができる。このような分子に関する情報は、PCT国際公開第2014/099984号パンフレットにおいて見ることができる。
【0077】
ある実施形態において、薬剤は、治療上有効な量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体を含む。このような実施形態に使用され得る抗TSLP抗体の例としては、米国特許第7,982,016号明細書及び米国特許第8,232,372号明細書、並びに米国特許出願公開第2009/0186022号明細書に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。抗TSLP受容体抗体の例としては、米国特許第8,101,182号明細書に記載されているものが挙げられるが、これに限定されない。特に好ましい実施形態において、薬剤は、治療的に有効な量の、米国特許第7,982,016号明細書においてA5と指定されている抗TSLP抗体を含む。
【0078】
薬物送達デバイス、方法、及びこれらの構成要素を、例示的な実施形態の観点から説明してきたが、これらに限定されるものではない。詳細な説明は、例としてのみ解釈されものとし、考え得る全ての実施形態のひとつひとつを説明することは、不可能ではないとしても非現実的であることから、本発明の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の申請日以降に開発された技術のいずれかを使用して、数多くの代替的な実施形態を実施することができるが、このような実施形態はなお、本発明を定義する請求項の範囲内に含まれる。例えば、オンボディ型インジェクタ薬物送達デバイス又は他の種類の薬物送達デバイスなどの、ある種の薬物送達デバイスに関して本明細書に記載されている構成要素は、オートインジェクタ薬物送達デバイスなどの、他の種類の薬物送達デバイスにおいても利用することができる。
【0079】
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく上記の実施形態に対して多種多様な修正、変更、及び組み合わせを施すことができ、そうした修正、変更、及び組み合わせは本発明の概念の範囲であると解釈されることを理解するであろう。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図7c
図7d
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図9c
図9d
図10a
図10b
図10c
図10d
図11a
図11b