(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】カートリッジを生成する方法
(51)【国際特許分類】
A61J 1/06 20060101AFI20240902BHJP
A61J 1/05 20060101ALI20240902BHJP
A61M 11/00 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
A61J1/06 A
A61J1/05 313Z
A61M11/00 D
(21)【出願番号】P 2021532379
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2019085001
(87)【国際公開番号】W WO2020126864
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-08
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】アイヒャー ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】ヴットケ ギルベルト
(72)【発明者】
【氏名】グレースル ヘルベルト
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-075672(JP,A)
【文献】特表2017-521195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/05-1/06
A61M 5/24
A61M 5/31
A61M 11/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(20G)を有する容器(20)、閉鎖部品(23)、及び流体ピストン(24)を与える段階であって、前記閉鎖部品(23)は、外側部分(23A)、中間部分(23B)、及び末端部分(23C)を含み、前記中間部分(23B)は、前記外側部分(23A)と前記末端部分(23C)の間に配置され、前記外側部分(23A)の外径は、前記開口部(20G)の内径よりも大きく、前記末端部分(23C)の外形は、前記開口部(20G)の内径よりも小さい、段階と、
前記容器(20)内の初期位置に前記流体ピストン(24)を配置する段階、
前記容器(20)が
流体(2)及びこれに加えて第1のガス容積(VG1)を閉じ込めるように、前記容器(20)の前記開口部(20G)の中に
前記流体(2)を充填する段階、
前記外側部分(23A)が前記容器(20)の内部から外に面する側に配置されるとともに、前記末端部分(23C)が前記容器(20)の内部に面する側に配置されるように、前記閉鎖部品(23)を配置する段階、
前記末端部分(23C)を前記開口部(20G)に挿入することにより、前記閉鎖部品(23)を前記容器(20)に挿入する段階、
を含むカートリッジ(3)を生成する方法であって、
前記閉鎖部品(23)を前記容器(20)に挿入する段階の第1部中に、前記中間部分(23B)が前記開口部(20G)に圧入されることにより前記閉鎖部品(23)の前記中間部分(23B)と前記容器(20)との間で半径方向シ-リング(S1)が確立されるまで、前記容器(20)に閉じ込められ前記末端部分(23C)により押されたガスが漏出可能であり、
前記第1部の後である、前記閉鎖部品(23)を前記容器(20)に挿入する段階の第2部中に、前記容器(20)内に配置された前記流体ピストン(24)が移動される、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記容器(20)内に配置された前記流体ピストン(24)は、前記流体(2)が充填される空間の下端を定めることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記流体ピストン(24)は、
前記初期位置において、前記容器(20)の底部側面(20D)に対し
てオフセットされることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記流体(2)は、第1の充填レベル(L1)が到達されるまで前記容器(20)の中に充填され、前記第1の充填レベル(L1)は、予め定められていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記流体(2)の充填レベルが、非接触方式で検出されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
センサを用いて、前記流体(2)の充填レベルが測定される、及び/又は、前記第1の充填レベル(L1)が検出されることを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記センサは、導電性レベルセンサ、超音波レベルセンサ、キャパシタンスレベルセンサ、又は光学式レベルセンサであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記容器(20)の充填は
、前記第1の充填レベル(L1)に達した時に、自動的に停止されることを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記閉鎖部品(23)は、前記容器(20)内に向けて、先細であり、及び/又は段階状円錐形であり、及び/又は前記容器(20)内の方向に減少する外径を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記外側部分(23A)及び前記末端部分(23C)の各々は、前記閉鎖部品(23)の軸端を含み又は形成し、前記外側部分(23A)の外径は、前記末端部分(23C)の外径よりも大きいことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記外側部分(23A)の外径は、前記中間部分(23B)の外径よりも大きいことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記外側部分(23A)は、フランジ状であり、及び/又は前記容器(20)に軸線方向に当接し、それによって軸線方向シ-リング(S2)を形成することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記容器(20)と前記中間部分(23B)との間の前記半径方向シ-リング(S1)が、気密方式及び/又は液密方式で形成される、ことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記閉鎖部品(23)が挿入される前の前記第1のガス容積(VG1)は、0.1ml又は0.2mlよりも大きいことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記閉鎖部品(23)は、前記閉鎖部品(23)を前記容器(20)に挿入する段階の第1部中に、前記容器(20)の中に緩く挿入され、それによって該容器(20)からガスを押し出すことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記閉鎖部品(23)は、前記流体(2)の中に移動され、前記閉鎖部品(23)が前記半径方向シ-リング(S1)が確立される位置である第1の位置に到達するまで、前記閉鎖部品(23)を前記流体(2)の中に移動させることにより、第2の充填レベル(L2)が到達されることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記容器(20)に閉じ込められたガスが、前記第2の充填レベル(L2)が到達されるまで、及び/又は前記閉鎖部品(23)が前記容器(20)を密封する及び/又は第1の位置に到達するまで、該容器(20)から少なくとも部分的に又は完全に押し出されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記容器(20)は、前記第2の充填レベル(L2)が到達された時にのみ及び/又は前記閉鎖部品(23)が前記第1の位置にある時にのみ、該閉鎖部品(23)を用いて液密及び/又は気密方式で密封されることを特徴とする請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記閉鎖部品(23)が前記容器(20)を密封する及び/又は第2の充填レベル(L2)が到達された時に、ガスの容積は、該容器(20)の容積(4)の10%未満、5%、又は1%であることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記閉鎖部品(23)は、前記第1の位置が到達された後に、前記容器(20)の中にさらに挿入され、前記閉鎖部品(23)と前記容器(20)の間の軸線方向密封が確立される及び/又は前記容器(20)の閉鎖/密封が完了する第2の位置までさらに挿入されることを特徴とする請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記閉鎖部品(23)を前記容器(20)の中にさらに挿入することにより、前記流体ピストン(24)は、該容器(20)の前記開口部(20G)から離れるように及び/又は該容器(20)の底部側面(20D)に向けて移動される/押されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記流体ピストン(24)は、前記流体ピストン(24)と前記底部側面(20D)の間の前記オフセット(D)が低減されるように、前記容器(20)の前記底部側面(20D)に向けて移動されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項23】
前記閉鎖部品を前記容器(20)に挿入する段階の第2部中に、前記容器内の圧力が一時的に増大し、この圧力増大により、前記流体ピストン(24)が、前記容器(20)の前記開口部(20G)から離れるように、前記容器(20)内で前記初期位置から最終位置まで移動され、前記閉鎖部品(23)がさらに第2の位置に挿入された場合に前記最終位置が到達され、前記第2の位置において、前記閉鎖部品(23)と前記容器(20)の間の軸線方向密封が確立される、及び/又は、前記容器(20)の閉鎖/密封が完了することを特徴とする請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記閉鎖部品(23)を前記容器(20)の中に挿入することによって及び/又は該閉鎖部品(23)を第1の位置から第2の位置まで移動することによって引き起こされる圧力増大が、前記流体ピストン(24)の前記移動によって少なくとも部分的に補償されることを特徴とする請求項16から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記流体ピストン(24)は、プラスチックで製造されることを特徴とする請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記流体ピストン(24)は、エラストマー、熱可塑性
、又は熱硬化性樹脂で製造されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記流体ピストン(24)は、合成ゴムで製造されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記容器(20)は、内面を有し、前記流体ピストン(24)は、前記内面を向く、及び/又は前記内面と直接接触する、及び/又は、前記内面と半径方向に当接する側面部分(24B)を含み、前記内面は、前記流体ピストン(24)に対する摺動/滑走面を含む又は形成することを特徴とする請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記流体ピストン(24)は、前記流体ピストン(24)と、前記容器(20)の内面との間に作用する少なくとも1つの円周流体シール(24D)が設けられ、及び/又は、前記流体ピストン(24)の側面部分(24B)は、流体シール(24D)を含む又は形成することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記流体ピストン(24)は、2つの流体シール(24D)を含み、前記流体シール(24D)は、互いに軸線方向に離間していることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記方法は、前記容器(20)の底部側面(20D)を、ベースシール(25)を用いて密封する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記方法は、前記閉鎖部品(23)を、前記容器(20)に圧着された締結要素(36)を用いて、前記容器(20)に締結する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記閉鎖部品(23)は、チャネル(23D)を含む又は形成することを特徴とする請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記閉鎖部品(23)は、前記閉鎖部品(23)の中心を通って延びる軸線(A)を含み、前記チャネル(23D)は、前記外側部分(23A)から前記中間部分(23B)を経て前記末端部分(23C)に至るまで前記閉鎖部品(23)を軸線方向に貫通して延びることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記チャネル(23D)は、ネブライザ(1)の接続要素(9)を受け入れるようになっている開口部を形成していることを特徴とする請求項33又は34に記載の方法。
【請求項36】
前記閉鎖部品(23)は、前記開口部(23D)の中に位置付けられた閉鎖シール(23E)を含み、前記閉鎖シール(23E)は、前記カートリッジ(3)が前記ネブライザ(1)に接続される前の前記開口部を閉鎖していることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記閉鎖シール(23E)は、膜又は密封壁として具現化されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジを生成する方法、特に、充填する方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、流体の噴霧/分配のためのネブライザ/分配デバイスと好ましくは併用されることになるカートリッジの流体、好ましくは液体、特に液体医薬組成物/製剤及び/又は液体医薬品による充填に関する。
【背景技術】
【0003】
国際公開第2009/115200号は、望ましくない圧力上昇を回避するために、圧潰性バッグの形態にある流体チャンバが予備圧潰され、かつ流体チャンバの最大容積よりも少ない初期流体量で充填される流体でリザーバを充填する方法を開示している。
【0004】
国際公開第2011/069635号は、液体薬物を薬物リザーバから容器の中に移し替えるために容器の容積を繰り返し増減させる容器を薬物リザーバからの液体薬物で充填する方法を開示している。このようにして、液体薬物内の泡沫及び気泡の形成のリスクが低減される。
【0005】
国際公開第84/02079号は、シリンジカートリッジを組み立てる方法を開示している。カートリッジの下側開口端は、プランジャピストンによって閉鎖される。カートリッジは、充填レベルに到達するまで上側開口端を通じて充填される。次いで、上側開口端を閉鎖するためのシリンジカートリッジクロージャが設けられる。シリンジカートリッジクロージャは、転移ドームと内容物転移トラップを含む。シリンジカートリッジクロージャによるカートリッジの閉鎖時に、転移ドームは、少量の流体を内容物転移トラップの中に移す。これは、カートリッジを密封してゼロヘッド空間を保証する。
【0006】
国際公開第2010/022870号は、注入カートリッジを閉鎖する方法を開示している。カートリッジの近位開口端は、シリンジプランジャを含むピストンによって閉鎖される。遠位開口端は、ゴムストッパを挿入することによって閉鎖され、それによってカートリッジを密封し、ゴムストッパの隙間にハウジングインサートが入れられる。次いで、挿入されたゴム密封ディスクと取り付けられたフィルムシールで覆われた中心開口部とを有するアルミニウムキャップが、カートリッジアセンブリの上部にわたって置かれ、その後に圧着されて閉鎖システムをカートリッジに固定する。カートリッジは、ゴムストッパとシリンジプランジャを有するピストンとの間に配置された更に別のピストンを含み、それがカートリッジの内側を2つの流体チャンバに分割する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2009/115200号
【文献】国際公開第2011/069635号
【文献】国際公開第84/02079号
【文献】国際公開第2010/022870号
【文献】欧州特許出願公開第2 614 848号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、カートリッジを生成/充填する改善された方法を提供することあり、好ましくは、特に溢流なしにカートリッジの高速、衛生的、簡単、確実、及び/又は再現可能な充填が達成される又は少なくとも容易にされ、及び/又はカートリッジ内の流体及び/又は(残留)ガスの量が、正確に及び/又は再現可能に調節され/調節可能であり、及び/又はカートリッジ内の残留ガスの量が最小にされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1に記載の方法によって達成される。有利な展開は、従属請求項の主題である。
【0010】
本発明によるカートリッジは、好ましくは剛性及び/又は円筒形の容器、そこに配置された移動可能な好ましくは可撓性の流体ピストン、及び/又は閉鎖部品、特にプラグを好ましくは含み、好ましくは、閉鎖部品は、最も好ましくは液密及び/又は気密方式で容器、特にその開口部を密封/閉鎖する。
【0011】
容器は、好ましくは、円筒形スリーブとして具現化される。
【0012】
閉鎖部品は、好ましくは、円錐形である及び/又はネブライザの接続要素を密封的に受け入れるようになっている。
【0013】
流体ピストンは、好ましくは、ネブライザによってカートリッジが使用される/空にされる時に閉鎖部品に向けて移動される(流体ピストンの通常移動)。
【0014】
好ましくは、閉鎖部品、容器、及び流体ピストンは、特に閉鎖部品に向けて容器内で流体ピストンを移動することによって変える、特に低減することができる容積を区切る/定める。
【0015】
特に好ましくは、流体ピストンは、カートリッジの(移動可能)底部を形成し、及び/又は軸線方向の及び/又は底部に向けたカートリッジ又は容器の内側の容積を区切る。特に、流体ピストンの上側軸端面又は前面部分は、容器/カートリッジの流体、容積、又は内側に面し(直接に)、流体ピストンの下側軸端面又は背面部分は、外側又は環境に面する(直接に)。
【0016】
カートリッジを生成する提案する方法は、容器、閉鎖部品、及び流体ピストンを与える段階と、流体ピストンを容器に配置する段階と、流体、すなわち、その予め定められた容積/量を容器の中に特に容器の開口部を通じて及び/又は上方から充填する段階と、特にカートリッジを閉鎖/密封するために閉鎖部品を容器及び/又はその開口部の中に挿入する(少なくとも部分的に)段階とを好ましくは含む。
【0017】
本発明の一態様により、閉鎖部品を容器及び/又はその開口部の中に少なくとも部分的に挿入することにより、容器内の圧力が増大し、及び/又は流体ピストンが、特に下向きに、すなわち、容器の底部に向けて、及び/又は閉鎖部品から離れて、及び/又はその(軸線方向)位置が変更されるように、すなわち、流体ピストンがその初期/上昇位置から最終/下降位置まで移動されるように移動される/動かされる。
【0018】
カートリッジの生成中、特に、閉鎖部品による容器の密封/閉鎖中、及び/又は挿入段階中の流体ピストン、特に流体ピストンの移動に起因して、カートリッジの生成中に、特に、閉鎖部品による容器の密封/閉鎖中に発生する及び/又は閉鎖部品を容器の中に挿入/押圧することによって引き起こされる圧力増大は、少なくとも部分的に補償することが可能である。このようにして、高速、簡単、衛生的、かつ確実な生成/充填が達成され、特に、望ましくない圧力増大が防止/制限される。
【0019】
更に、カートリッジ内の残留ガス、特に空気を低減することができ、及び/又はカートリッジに閉じ込められる流体の量/容積を増大することができる。
【0020】
好ましくは、閉鎖部品が容器又はその開口部の中に少なくとも部分的に挿入される時に、容器内の圧力が増大し、圧力増大に起因してピストンが移動し、それによって圧力増大を有利に補償する。
【0021】
閉鎖部品によって転移された流体は、底部に向けて、特にピストンによってその移動の前に以前に占有された空間の中に好ましくは転移される。有利なことに、流体は、容器の内側に留まり、かつ溢流しない及び/又は閉鎖部品で捕捉されない。すなわち、有利なことに、流体の実質的に全ては、特にネブライザを用いた分配に利用可能であり、及び/又は生成工程中に流体が浪費されない。
【0022】
好ましくは、閉鎖後に、あるガス容積がカートリッジ又は容器内に留まる。これは、例えばカートリッジの保存及び/又は搬送中に温度変化によって引き起こされると考えられるカートリッジ内の圧力変化を補償するのに有利である。特に好ましくは、残留ガス容積は、提案する生成方法によって正確に及び/又は再現可能に調節又は設定することができる。しかし、閉鎖後にガス容積がカートリッジ又は容器内に留まらないことも可能である。
【0023】
好ましくは、配置段階で及び/又は容器を充填する前及び/又は充填段階の前に、流体ピストンは、好ましくは、流体ピストンが容器の開口部のより近くに移動される及び/又は容器の底部からの(予め定められた)オフセット/距離を含む初期/上昇位置まで(空)容器の中に挿入される。言い換えれば、特に配置段階で及び/又はカートリッジを流体で充填する前に、容器の容積は、好ましくは、流体ピストンをそれが初期/上昇位置に到達するまで容器の中に押すことによって意図的に低減される。
【0024】
好ましくは、初期/上昇位置では、流体ピストンは、その軸線方向延長全体に沿って容器によって包含され、及び/又は特に容器の底部又は軸端までのオフセットを有して容器内に完全に配置される。
【0025】
その後に及び/又は充填段階では、流体、特にその予め定められた容積/量/数量が、特に第1の充填レベル及び/又は所要の流体容積が到達されるまで容器の中に充填される。
【0026】
その後に及び/又は挿入段階(その第1部)では、閉鎖部品、特にその好ましくは円錐形の端部は、容器、特にその開口部の中に(緩く)挿入され、及び/又は流体に部分的に浸漬され、それによって容器内に閉じ込められた流体及び/又はガスを転移させ、及び/又はそのために充填レベル/流体面が上昇する。このようにして、第2の充填レベルが到達される。
【0027】
好ましくは、容器に閉じ込められたガス/空気は、閉鎖部品が容器の中に挿入される時及び/又は挿入段階の第1部では、少なくとも閉鎖部品が容器を閉鎖/密封するまで及び/又は閉鎖部品が容器に当接する/それを閉鎖する/密封する又はそれを密封し始める第1の位置に到達するまで容器から漏出することができる。
【0028】
言い換えれば、閉鎖部品は、特に、容器の内部と外部の間の流体接続が維持されるので、容器を閉鎖/密封することなく及び/又は容器内の圧力を上昇させることなく好ましくは緩く挿入される。すなわち、容器内の圧力は、閉鎖部品が容器に当接する/それを閉鎖する/密封するまで及び/又は第1の位置に到達するまで好ましくは維持される及び/又は増大しない。
【0029】
閉鎖部品が初めて容器に当接する/それを閉鎖する/密封する時及び/又は第1の位置に到達する時に、挿入段階の第1部は好ましくは完了する。
【0030】
その後に及び/又は挿入/密封段階(その第2部)では、閉鎖部品は、容器の中に更に深く(密封的に)挿入され、特に押圧され、それによって特に液密及び/又は気密密封を確立するために及び/又は閉鎖部品の第2の位置が到達されるまで閉鎖部品と容器、好ましくはその内壁/内側との間の密封面を好ましくは増大させる。
【0031】
特に好ましくは、密封は、容器の内壁/内側と閉鎖部品の外壁/外側の間に確立され、特に、閉鎖部品の外径は、容器内の閉鎖部品の圧入/タイトフィットが確立されるように密封領域内で容器の内径よりも大きい。これは、特に良好な密封に寄与する。
【0032】
好ましくは、挿入/密封段階(その第2部)中に及び/又は閉鎖部品を(更に深く)容器の中に(密封的に)挿入することにより、容器内の圧力は、好ましくは流体と存在する場合に容器に閉じ込められた(残留)ガス/空気とがそれ以上漏出することができないので一時的に増大する。
【0033】
好ましくは、挿入/密封段階(その第2部)中に及び/又は閉鎖部品を(更に深く)容器の中に(密封的に)挿入することにより、閉鎖部品と容器の間の(半径方向)密封面が増大する。
【0034】
好ましくは、挿入/密封段階(その第2部)中に、閉鎖部品を(更に深く)容器の中に(密封的に)挿入することにより及び/又はこのようにして引き起こされる圧力増大に起因して、流体ピストンは、特に開口部及び/又は閉鎖部品から離れて及び/又は容器の底部に向けて及び/又はその初期/上昇位置から最終/下降位置まで移動される/押される及び/又は動かされる。特に、容器の底部からの流体ピストンのオフセットは、少なくとも部分的に、好ましくは少なくとも実質的に完全に低減される。このようにして、圧力増大は、上述のように少なくとも部分的に補償することができる。
【0035】
最終/下降位置では、流体ピストンの下側軸端面又は背面部分は、容器の軸端と好ましくは少なくとも実質的に面一である。
【0036】
好ましくは、圧力増大は、流体ピストン移動により、特にピストンと容器の間の摩擦に依存して(ほぼ)瞬時に補償される。
【0037】
すなわち及び/又はその結果として、カートリッジ内の圧力は、カートリッジの生成/充填工程(全体)中に、及び/又は容器が閉鎖部品によって密封/閉鎖される時であっても、及び/又は閉鎖部品が容器の中に密封的に挿入される時であっても少なくとも実質的に一定に保たれる及び/又は周囲圧力に対応する。
【0038】
閉鎖部品による容器の密封/閉鎖及び/又は閉鎖部品の挿入段階/工程は、好ましくは、いくつかの好ましくは2つの段階で行われ、及び/又はいくつかの好ましくは2つの段/部を含み、特に、閉鎖部品は、特に閉鎖部品と容器の間の半径方向密封が初めて確立されるまで及び/又は第1の位置が到達されるまで第1の段/部で容器の中に(緩く)挿入され及び/又は容器の開口部に位置決めされ、その後、特に閉鎖部品と容器の間の軸線方向密封が確立されるまで及び/又は第2の位置が到達されるまで第2の段/部で容器の中に(密封的に及び/又は更に深く)押圧される。
【0039】
本発明により、流体ピストン、特に流体ピストンの可動性は、圧力増大を補償/防止するために及び/又は流体をピストンに向けて転移させることができるようにカートリッジの生成中に使用される。特に、流体ピストンは、カートリッジの生成中に、特に容器が密封/閉鎖される時に初期/上昇位置から最終/下降位置まで移動される。
【0040】
言い換えれば、流体ピストンは、好ましくは、ネブライザによってカートリッジが使用される/空にされる時の流体ピストンの(通常)移動、すなわち、上向きとは反対方向、すなわち、下向きであるカートリッジの生成/充填中の移動を実行する。
【0041】
その後に及び/又は挿入段階の後に及び/又は容器を閉鎖した後に、容器の上面部分、特に閉鎖部品及び/又は底面部分は、特にそれぞれ上部シール又はカバー及び/又はベースシールを用いて密封される。
【0042】
任意的に、閉鎖部品は、容器に最も好ましくはそれに圧着された締結要素によって締結される。
【0043】
このようにして、カートリッジは、生成されて使用待機状態であり、すなわち、カートリッジは、噴霧/分配デバイスに挿入される及び/又は(流体的に)接続することができる。
【0044】
本発明の関連では、用語「カートリッジ」は、流体、特に、医薬組成物又は医薬品などを閉じ込めるデバイスを好ましくは意味し、好ましくは、流体又はその投与量がユーザに分配されることになる。
【0045】
本発明の意味でカートリッジは、好ましくは、特に流体の投与量を引き出す及び/又は分配するためにネブライザ又は分配デバイスに挿入される及び/又は流体的に接続されるようになっている。
【0046】
好ましくは、カートリッジ又はカートリッジのリザーバの容積は、流体又はその投与量が分配される度に低減される。特に、カートリッジは、(剛性)容器と、流体又はその投与量が分配される度に容積を低減するためにそこで移動可能な流体ピストンとを含む。
【0047】
好ましくは、ネブライザは、流体又はその投与量を分配/噴霧するのに使用される。しかし、あらゆる他の種類の分配デバイス、例えば、注入器、ペン、又はシリンジなどもカートリッジと共に使用することができると考えられる。
【0048】
本発明の関連では、用語「充填レベル」は、好ましくは、特にカートリッジ又はその容器の底部又は底側から測定されたカートリッジ内の流体の高さ、すなわち、その流体面である。好ましくは、充填レベルは、カートリッジの生成中に特に容器に対する閉鎖部品及び/又は流体ピストンの位置に起因して変化する。好ましくは、充填レベルは、閉鎖部品を流体の中に浸漬することによって及び/又は流体ピストンを容器に対して移動することによって変更される。
【0049】
以上及び以下の本発明の全ての態様は、互いに独立にかつあらゆる組合せ又は順序で実現することができる。本発明の更に別の利点、特徴、態様、及び特性は、特許請求の範囲及び図面を参照する好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】非引張状態でのシステム/ネブライザの概略断面図である。
【
図2】
図1に記載のものであるが引張状態でのシステム/ネブライザの概略断面図である。
【
図4】
図3に記載のカートリッジの概略分解組立図である。
【
図5】
図3に記載のカートリッジのそのクロージャの領域での概略断面図である。
【
図6】ネブライザに接続された時の
図5に記載のカートリッジの概略断面図である。
【
図7A】カートリッジの空容器の概略断面図である。
【
図7B】流体ピストンが挿入された
図7Aに記載の容器の概略断面図である。
【
図7C】流体で充填された
図7Bに記載の容器の概略断面図である。
【
図7D】閉鎖部品が部分的に挿入されて容器をまだ閉鎖していない
図7Cに記載の容器の概略断面図である。
【
図7E】閉鎖部品が容器を閉鎖している
図7Dに記載のカートリッジの概略断面図である。
【
図7F】閉鎖部品が完全に挿入されて流体ピストンが下向きに移動された
図7Eに記載のカートリッジの概略断面図である。
【
図7G】密封されてラベル付けされた
図7Fに記載のカートリッジの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図では、関連の説明を繰り返さない場合であっても対応する又は同等の性質及び利点を好ましくはもたらす同一又は類似の部品に対して同じ参照番号が使用される。
【0052】
図1及び
図2は、非引張/初期状態(
図1)及び引張/使用待機/起動状態(
図2)で概略的に示す流体2、特に医薬組成物又は医薬品などを霧化/噴霧/分配するためのシステム/ネブライザ1を示している。
【0053】
システムは、ネブライザ1と、流体2を閉じ込めるカートリッジ3とを好ましくは含む。言い換えれば、ネブライザ1及びカートリッジ3は、このシステムを好ましくは形成する。
【0054】
システム/ネブライザ1は、好ましくは、流体2又はその投与量を特にエアロゾル14の形態で分配/噴霧するようになっている(
図1に破線に示すように)。
【0055】
好ましくは、噴霧/分配された流体2又はエアロゾル14は、ユーザ/患者(図示せず)によって呼吸又は吸入することができる。
【0056】
通常、分配/吸入は、患者が患っている病気又は疾患に依存して1日に少なくとも1回、好ましくは、1日に数回、特に設定された間隔で行われる。
【0057】
システム/ネブライザ1は、好ましくは、携帯可能吸入器として構成され、及び/又は好ましくは機械的に及び/又は推進剤/ガスなしで作動する。それにも関わらず、他の構成も同様に可能である。
【0058】
ネブライザ1は、
図1及び
図2に示すように好ましくは軸線方向に及び/又は下方から好ましくは挿入可能又は交換可能なカートリッジ3を好ましくは受け入れるようになっている。
【0059】
カートリッジ3は、流体2を好ましくは閉じ込め、及び/又は特にネブライザ1を用いて噴霧/分配される流体2に対する容積/リザーバ4を含む/閉じ込める/形成する。
【0060】
好ましくは、カートリッジ3は、特に、少なくとも60、100、又は150、及び/又は200まで又はそれよりも多い投与単位又は投与量を提供するのに十分である、すなわち、少なくとも100回又は150回、及び/又は200回までのスプレー又は適用を可能にするのに十分である複数投与量の流体2を閉じ込める。
【0061】
カートリッジ3の(最大)容積/リザーバ4は、好ましくは、少なくとも0.5ml又は2ml、特に少なくとも4ml又は6ml、及び/又は最大で100ml又は50ml、特に最大で20ml又は10mlになる。
【0062】
カートリッジ3に閉じ込められる投与数量及び/又はカートリッジ3に閉じ込められる流体2の全容積は、流体2又はカートリッジ3、及び/又は必要な薬剤に依存して異なる場合がある。
【0063】
好ましくは、ネブライザ1は、その作動/使用時に及び/又は1回の作動/使用内で少なくとも1μl又は5μl、特に少なくとも10μl又は15μl、及び/又は最大で100μl又は80μl、特に最大で60μlの投与量の流体2を噴霧/分配するようになっている。
【0064】
上述のように、カートリッジ3は、置換又は交換することができる。言い換えれば、ネブライザ1は、カートリッジ3が空になると再使用可能であり、及び/又は新しいカートリッジ3と併用することができる。
【0065】
任意的に、ネブライザ1の全使用回数及び/又は同じネブライザ1と併用することができるカートリッジ3の個数は、例えば、全体数で4、5、又は6に制限される。国際公開第2012/162305号は、同じネブライザ1と併用することができるカートリッジ3の全体数のそのような制限を開示している。
【0066】
カートリッジ3は、容器20を好ましくは含み、好ましくは、容器20は、流体2を閉じ込め、及び/又は流体2を閉じ込める容積/リザーバ4を含む又は形成する。
【0067】
カートリッジ3、特に容器20は、好ましくは、少なくとも実質的に円筒形であり、及び/又は中空円筒として具現化される。最も好ましくは、カートリッジ3、特に容器20は、少なくとも実質的に回転対称及び/又は細長である。
【0068】
好ましくは、ネブライザ1及び/又はカートリッジ3、特に容器20は、軸線Aを含み又は定め、好ましくは、軸線Aは、ネブライザ1及び/又はカートリッジ3、特に容器20の長手方向中心の運動軸及び/又は回転軸である。最も好ましくは、軸線Aは、ネブライザ1及びカートリッジ3の共通軸線である。
【0069】
軸線Aは、ネブライザ1及び/又はカートリッジ3、特にカートリッジ3の容器20、クロージャ21、及び/又は流体ピストン24の中心を通って好ましくは延びる。
【0070】
以下では、別途明示しない場合に、特に半径方向及び/又は軸線方向の位置合わせ又は配置を指定する時に、軸線Aを基準にして空間記述を好ましくは行う。従って、「半径方向」又は「軸線方向」という用語は、ネブライザ1及び/又はカートリッジ3の軸線Aに好ましくは関連する。
【0071】
好ましくは、流体2のための容積/リザーバ4は、可変、特に圧潰可能/縮小可能のものである。特に、リザーバ/容積4は、後に説明するように、流体2の投与量がカートリッジ3から引き出される時及び/又はその度に縮小される(自動的に)。
【0072】
この実施形態では、カートリッジ3、特に容器20は、好ましくは、単一壁のものである。しかし、カートリッジ3、特にその容器20が多重壁のものである及び/又は流体2を閉じ込める可撓性/圧潰性バッグを含む他の構成ソリューションも同様に可能である。
【0073】
カートリッジ3には、以下で流体ピストン24と呼ぶ可動要素/ピストンが好ましくは装備され、好ましくは、流体ピストン24は、容積/リザーバ4の境界を定める。
【0074】
好ましくは、特に、リザーバ/容積4を縮小するために及び/又は流体2の引き出しによって引き起こされるあらゆる負圧(周囲圧力と比較して)を防止するために、流体ピストン24は、容器20内で移動可能に配置/誘導される。
【0075】
流体ピストン24は、カートリッジ3、特にその容器20を軸線方向に及び/又はそのベース/底部で特に気密方式及び/又は液密方式で好ましくは閉鎖/密封する。
【0076】
カートリッジ3は、クロージャ21を好ましくは含み、好ましくは、クロージャ21は、カートリッジ3、特にその容器20を軸線方向に及び/又はその上部で特に気密方式及び/又は液密方式で閉鎖/密封する。
【0077】
容積/リザーバ4は、軸線方向にクロージャ21及び流体ピストン24によって及び/又は半径方向に容器20によって好ましくは制限される。
【0078】
可動流体ピストン24に起因して及び/又は容積/リザーバ4の圧縮性に起因して、容器20からの流体2の引き出しを可能にする又は助けるための通気口/給気口、例えば、バルブ、開口部、又は孔などを容積/リザーバ4に装備する必要はない。しかし、カートリッジ3又は容器20にそのような通気口/給気口が装備される構成ソリューションも同様に可能である。
【0079】
ネブライザ1は、流体2、特に好ましくはその事前設定された及び/又は調節可能な投与量の引き出し、加圧、搬送、及び/又は噴霧/分配に向けて好ましくは機械的に作動される流体ポンプ5を好ましくは含む。
【0080】
流体ポンプ5は、好ましくは、ネブライザ1の引張/負荷工程中に及び/又は第1の段階で流体2、すなわち、その投与量をカートリッジ3、特にそのリザーバ/容積4から/その外に引き出す/吸引するように好ましくはなっている。
【0081】
その後に、引き出された流体2又はその投与量は、特にネブライザ1の分配/噴霧工程中に及び/又は第2の段階で好ましくは流体ポンプ5を用いて分配、特に(最初に)加圧、及び/又は(次いで)噴霧される又は噴霧することができる。
【0082】
すなわち、ネブライザ1の通常使用は、二段手順、すなわち、特に、エネルギをエネルギストアに伝達する及び/又はネブライザ1のポンプ/圧力チャンバ11に流体2を充填する引張/負荷工程と、特に、流体2をポンプ/圧力チャンバ11から吐出する分配/噴霧工程とを好ましくは含む。
【0083】
好ましくは、引き出された流体2又はその投与量を加圧及び/又は噴霧するために、引張工程中に蓄積された機械エネルギが分配工程中に放出される。
【0084】
好ましくは、ネブライザ1は、エネルギストア7を含む。この実施形態では、エネルギストア7は、駆動バネ、特に渦巻きバネとして具現化され、好ましくは、駆動バネは、カートリッジ3の周りに少なくとも部分的に配置される及び/又はそれを取り囲む。
【0085】
エネルギストア7は、負荷/引張工程中に好ましくは負荷が掛けられる。エネルギストア7が駆動バネとして具現化される場合に、駆動バネは、負荷/引張工程中に好ましくは引張/圧縮される。このようにして蓄積されたエネルギは、その後の分配/噴霧工程中に及び/又は流体2又はその投与量を分配/噴霧するために好ましくは放出される。
【0086】
上述のように、ネブライザ1は、最も好ましくは、カートリッジ3、特にその容積4と流体ポンプ5の間の流体接続を確立するためにカートリッジ3を(軸線方向に)好ましくは受け入れるようになっている。
【0087】
好ましくは、ネブライザ1は、カートリッジ3、特にそのクロージャ21を特に取り外し可能に及び/又は軸線方向に保持するための及び/又はカートリッジ3、特にそのクロージャ21とネブライザ1の間の機械接続を確立するためのホルダ6を含む。
【0088】
好ましくは、エネルギストア7は、ホルダ6に接続される及び/又は(軸線方向に)当接する。好ましくは、ホルダ6は、エネルギストア7に負荷を掛けるために及び/又は駆動バネを引張するために(軸線方向に)移動される。
【0089】
ホルダ6と流体ポンプ5は、互いに好ましくは機械的に接続される。このようにして、エネルギストア7のエネルギは、エネルギストア7からホルダ6を通して流体ポンプ5に伝達される。
【0090】
ネブライザ1は、阻止要素8を好ましくは含み、好ましくは、阻止要素8は、負荷/引張工程が完了した後に及び/又は前回の負荷/引張工程中に蓄積されたエネルギが意図せずに及び/又は即時に放出されることのないようにホルダ6及び/又はエネルギストア7を捕捉及び/又は阻止するようになっている。
【0091】
好ましくは、阻止要素8は、ホルダ6及び/又はエネルギストア7を解除すること、好ましくは、エネルギストア7がエネルギを放出することを可能にし、特にエネルギストア7を形成する圧縮された駆動バネが伸張することを可能にするように手動で作動される。言い換えれば、分配工程は、阻止要素8を手動で作動させることによって好ましくは開始される。
【0092】
ネブライザ1、特に流体ポンプ5は、搬送/接続要素9、例えば、搬送チューブ、逆止めバルブ10、圧力チャンバ11、ノズル12、及び/又はマウスピース13を好ましくは含む。
【0093】
好ましくは、接続要素9は、カートリッジ3をネブライザ1の中に挿入する時にカートリッジ3、特にその容積4をネブライザ1、特に流体ポンプ5に流体的に接続する。
【0094】
すなわち、カートリッジ3をネブライザ1の中に挿入することにより、カートリッジ3は、特にホルダ6によってネブライザ1に好ましくは同時に機械的に接続され、特に接続要素9によってネブライザ1、好ましくはその流体ポンプ5に流体的に接続される。
【0095】
カートリッジ3をネブライザ1の中に挿入する時及び/又はカートリッジ3を流体ポンプ5に接続する時に、接続要素9は、クロージャ21、容器20、及び/又は容積4を好ましくは貫通及び/又は穿通する。
【0096】
好ましくは、接続要素9は、細長中空円筒として及び/又は好ましくは毛細管として構成される。最も好ましくは、接続要素9は、少なくとも実質的に軸線Aと同軸である。
【0097】
好ましくは、接続要素9は剛性であり、特に金属から、最も好ましくはステンレス鋼から製造され、及び/又はクロージャ21及び/又はそのシール/カバーを穿通又は破断するようになっている。
【0098】
好ましくは、接続要素9は、特に、1mmよりも小さく又は0.8mm、最も好ましくは、0.7mmよりも小さく又は0.5mm、及び/又は0.1mmよりも大きく又は0.2mmの内径を有する毛細管として構成される。しかし、内径は、接続要素9内で達成することができる流量を低減するほど小さく寸法決定すべきではない。
【0099】
エネルギストア7が負荷/引張工程において負荷が掛けられる時に、カートリッジ3、ホルダ6、接続要素9、及び/又は逆止めバルブ10は、下向きに及び/又はネブライザ1のベース/底部に向けて好ましくは移動される(一緒に)。
【0100】
カートリッジ3、ホルダ6、接続要素9、及び/又は逆止めバルブ10の移動に起因して、圧力チャンバ11の容積が好ましくは拡大され、及び/又は圧力チャンバ11内の圧力が低減され、それによって特に流体2は、カートリッジ3から接続要素9を通して流体ポンプ5の中に、特に逆止めバルブ10を通して圧力チャンバ11の中に引き出される又は吸引される。
【0101】
この状態で及び/又は負荷/引張工程の終了時に、上述のように、エネルギがエネルギストア7内に保たれるように、特に、駆動バネが引張/圧縮されたままに保たれるように、ホルダ6又はエネルギストア7は阻止要素8によって捕捉される。その後に、ネブライザ1は、負荷/引張/使用待機/起動状態にある。
【0102】
本発明の関連では、エネルギストア7に負荷を掛けることは、エネルギストア7を形成する駆動バネを(更に)圧縮することと好ましくは理解しなければならない。従って、エネルギは、負荷が掛けられたエネルギストア7内に好ましくは蓄積され、及び/又は起動/引張/負荷状態は、好ましくは、駆動バネがその非引張/初期状態に対して(更に)圧縮された状態、及び/又はネブライザ1を作動させることができる及び/又は流体2の投与量を分配することができる状態である。
【0103】
非引張/初期状態は、好ましくは、駆動バネが緩和された状態、又は引張/起動状態と比較してそれほど圧縮されていない状態である。最も好ましくは、非引張/初期状態は、ネブライザ1の作動の(直)後、及び/又は流体2の投与量を分配した後の状態である。
【0104】
好ましくは、エネルギストア7内に蓄積されたエネルギは、圧縮/引張状態から初期/非引張状態への駆動バネの(部分)伸張によって放出される。しかし、例えば、エネルギストア7の負荷、特に駆動バネの引張は、駆動バネをその非引張/初期状態他に対して(更に)伸張することと理解しなければならず、駆動バネ内に蓄積されたエネルギが駆動バネの(部分)収縮によって放出される他のソリューションも可能である。
【0105】
分配/噴霧工程中に、すなわち、阻止要素8を作動させた/押下した後に、カートリッジ3、ホルダ6、接続要素9、及び/又は(この時点では閉じている)逆止めバルブ10は、ノズル12及び/又はマウスピース13に向けて及び/又はこれらに対して及び/又はネブライザ1のベース/底部から離れるように
図1及び
図2では上方に好ましくは移動され(一緒に)、それによって圧力チャンバ11の容積が減少する。
【0106】
この時点では閉じている逆止めバルブ10に起因して、圧力チャンバ11内の流体2又はその投与量が加圧される。従って、分配/噴霧工程中に、逆止めバルブ10は、ラム又はピストンとして好ましくは作用する。
【0107】
このようにして発生させた圧力により、流体2又はその投与量は、ノズル12を通って流れ、その後に、
図1に破線に示すように、好ましくは、エアロゾル14の形態で噴霧/分配される。
【0108】
一般的に、ネブライザ1は、少なくとも5MPa又は10MPa、特に少なくとも20MPa、及び/又は最大で200MPa又は150MPa、最も好ましくは、少なくとも実質的に30MPaのバネ圧及び/又は流体圧(圧力チャンバ11内の)で作動する。
【0109】
流体2は、20μlまで、好ましくは、少なくとも3μl、及び/又は最大で10μlの空気動力学的直径を有する小滴を有するエアロゾル14に変換されるか又はそれとして噴霧される。
【0110】
発生する噴流スプレーは、好ましくは、円錐形であり、及び/又は少なくとも20°、好ましくは、少なくとも60°又は80°、及び/又は最大で160°、特に最大で120°又は100°の開口角を有する。
【0111】
ユーザ/患者(図示せず)は、このようにして発生させたエアロゾル14を好ましくはマウスピース13内の少なくとも1つの任意的な給気開口部15を通して空気をマウスピース13の中に吸引することができる間に吸入することができる。
【0112】
好ましくは、エアロゾル14は、ネブライザ1の上部で及び/又は軸線Aの方向に
図1及び
図2では上方に分配される。
【0113】
通常作動時に、ネブライザ1又はカートリッジ3の軸線Aは、少なくとも実質的に垂直に好ましくは位置合わせされる。しかし、引張工程及び/又は分配工程中にネブライザ1をいずれかの他の位置で使用/保持することができる。
【0114】
ネブライザ1は、上側ハウジング部品16、中間/内側ハウジング部品17、及び/又は下側ハウジング部品18を有するハウジング19を好ましくは含み、好ましくは、ハウジング部品16、17、及び18は、ハウジング19の別々の構成要素である。
【0115】
上側ハウジング部品16及び下側ハウジング部品18の各々は、好ましくは細長のネブライザ1の軸端を好ましくは含む又は形成する。好ましくは、中間/内側ハウジング部品17は、上側ハウジング部品16と下側ハウジング部品18の間に配置され、及び/又は上側ハウジング部品16を下側ハウジング部品18に機械的に接続する。
【0116】
上側ハウジング部品16は、マウスピース13を好ましくは含み又は形成し、それに対して下側ハウジング部品18は、ネブライザ1の底部/ベースを好ましくは含む又は形成する。
【0117】
内側ハウジング部品17及び/又は下側ハウジング部品18は、上側ハウジング部品16及び/又はマウスピース13に対して移動可能、好ましくは、回転可能である。特に、下側ハウジング部品18は、手動で回転可能であり、及び/又は好ましくは保持要素によって内側ハウジング部品17上に取り外し可能に固定/装着/保持される。
【0118】
カートリッジ3を挿入及び/又は交換するために、ハウジング19、特に下側ハウジング部品18を開くことができ、及び/又は下側ハウジング部品18をネブライザ1、特にその内側ハウジング部品17から切り離すことができる。
【0119】
下側ハウジング部品18は、好ましくは、キャップ状であり、及び/又はカートリッジ3の底部の周り又はその上に適合する。最も好ましくは、ネブライザ1、特にそのハウジング19は、カートリッジ3を完全に、すなわち、軸線方向及び半径方向に取り囲む。しかし、例えば、カートリッジ3がネブライザ1、特にそのハウジング19から軸線方向に突出する他のソリューションも同様に可能である。
【0120】
上述のように、ネブライザ1又はエネルギストア7は、特に作動部材の作動/回転により、好ましくは、上側ハウジング部品16に対する下側ハウジング部品18又はいずれかの他の構成要素の好ましくは内側部分17を帯同又は駆動しながらの回転によって好ましくは手動で引張される/負荷が掛けられる。
【0121】
内側ハウジング部品17は、この回転をカートリッジ3、ホルダ6、及び/又は接続要素9の軸線方向移動に変換するためのギヤ/トランスミッション(図示せず)に対して好ましくは作用する。その結果、内側ハウジング部品17とホルダ6の間に形成されたギヤ/トランスミッションによってエネルギストア7に負荷が掛けられ、すなわち、駆動バネが軸線方向に引張される。
【0122】
負荷/引張工程中に、カートリッジ3、ホルダ6、及び/又は接続要素9は、
図2に示すようにこれらが下側位置を占有する/取るまでノズル12及び/又はマウスピース13から離れるように及び/又はネブライザ1の底部に向けて軸線方向に移動される。この起動/引張/負荷状態で及び/又はカートリッジ3が下側位置にある時に、エネルギストア7に負荷が掛けられ、すなわち、駆動バネは、張力下にあり、上述のように阻止要素8によって捕捉/保持される。
【0123】
阻止要素8を作動させる/解除することにより、例えば、それに関連付けられたボタン(図示せず)を押下することによって好ましくは開始されるその後の噴霧工程中に、カートリッジ3、ホルダ6、及び/又は接続要素9は、その元の/初期/上側位置の中に、特にエネルギストア7(の力)によって
図1に示すように移動して戻される。
【0124】
すなわち、カートリッジ3、ホルダ6、及び/又は接続要素9は、引張工程及び噴霧工程中に好ましくは(運動)軸線Aに沿う持ち上げ/ストローク移動を実行する。
【0125】
任意的に、カートリッジ3には、(軸線方向)ベース/底部シール25を設けることができ、好ましくは、ベースシール25は、カートリッジ3、特にその軸端又はベースを覆う/密封する。最も好ましくは、ベースシール25は、流体ピストン24と容器20の間の間隙を覆う/密封する。
【0126】
ベースシール25は、汚染、例えば、粉塵に対する障壁として好ましくは機能する高品質シール及び/又はラベルとして使用することができ、及び/又は注釈又はユーザ取り扱い説明を含むことができる。
【0127】
この実施形態では、ベースシール25は、流体ピストン24から外に向く側で特に凹面に及び/又は流体ピストン24に向く側で凸面に好ましくは湾曲する。最も好ましくは、ベースシール25は、少なくとも実質的にドーム状である。しかし、他の構成ソリューションも同様に可能である。
【0128】
好ましくは、ベースシール25は、カートリッジ3、特に容器20の底部/軸端に取り付けられ、特に結合される。好ましくは、ベースシール25は、容器20にのみ取り付けられ、特に結合され、流体ピストン34が自由に移動可能であるように流体ピストン34には取り付けられず、特に結合されない。
【0129】
図2に示すように、ベースシール25は、ネブライザ1を初めて使用/引張する時に好ましくは開口/穿通/破断される。
【0130】
ネブライザ1、特に下側ハウジング部品18は、ベースシール25を開封するための開封デバイス26を好ましくは含む。特に、開封デバイス26は、好ましくは、容器20と流体ピストン24の間で及び/又はベースシール25を空気が通過することができるようにベースシール25を穿通/破断するようになっている。
【0131】
好ましくは、開封デバイス26は、少なくとも1つの開封要素を含み、好ましくは、開封要素は、ベースシール25を開封、穿通、又は破断するために尖鋭先端及び/又は先細先端を含む。最も好ましくは、開封要素は、スパイク又はスパイクセットとして具現化される。しかし、他の構成ソリューションも同様に可能である。
【0132】
特に流体2の投与量の引き出し中及び/又は引張工程中(のみ)に、特に流体ピストン24をクロージャ21に向けて移動することを支援するように、及び/又はカートリッジ3内の流体2を加圧するために、ネブライザ1には、任意的な空気ポンプ27を装備することができる。
【0133】
空気ポンプ27は、空気ピストン28と、それと協働する円筒29と、空気ピストン28と円筒29とによって形成された/制限された空気チャンバ30とを好ましくは含む。従って、空気ポンプ27は、特に、流体2の投与量の引き出し中及び/又はネブライザ1の引張中にカートリッジ3内の流体2を加圧するための及び/又は空気チャンバ30内の空気圧を増大させるためのピストン/円筒配置を含む又は形成する。
【0134】
円筒29は、ネブライザ1の軸端又は下側ハウジング部品18によって好ましくは形成される。しかし、特に、円筒29がネブライザ1、特にその下側ハウジング部品18に取り付けられた又はそこに配置された要素又はインサートによって形成される他の構成ソリューションも同様に可能である。
【0135】
好ましくは、カートリッジ3、特にその容器20、最も好ましくはその軸端は、空気ピストン28を形成する又はそれとして使用される。
【0136】
カートリッジ3、特に容器20は、特に、空気チャンバ30内の空気及び/又はカートリッジ3内の流体2を加圧するためのピストン/円筒配置が形成されるように円筒29及び/又は下側ハウジング部品18と好ましくは協働する。
【0137】
好ましくは、空気チャンバ30の容積は、円筒29内の空気ピストン28の位置又は移動及び/又はネブライザ1内のカートリッジ3の位置又は移動によって定められる又は変えられる。
【0138】
好ましくは、空気ポンプ27は、カートリッジ3の容積4内の流体2を加圧するために流体ピストン24に対して直接に作用する。
【0139】
任意的に、カートリッジ3は、特に、空気ピストン28と円筒29の間隙が密封されるように空気ピストン28と円筒29の間に作用し、及び/又は空気ピストン28と円筒29の間に配置された空気シール31を含む。
【0140】
好ましくは、空気シール31は、特に、カートリッジ3及び/又はその外(円筒)壁の外側に配置された密封リング、すなわち、O-リングとして具現化される。しかし、特に、空気シール31が密封リップとして具現化される他の構成ソリューションも同様に可能である。
【0141】
好ましくは、空気シール31は、空気ピストン28の周りを特にその円周溝32内を延びる。
【0142】
好ましくは、空気シール31は、空気ピストン28と円筒29の間に(可変)密封効果を含み/引き起こし、好ましくは、密封効果は、円筒29に対する空気ピストン28の移動方向に依存する。
【0143】
好ましくは、空気シール31は、カートリッジ3からの流体2の投与量の引き出し中に、及び/又はネブライザ1を負荷/引張する最中に、及び/又は空気ピストン28がハウジング部品18の底部に向けて移動される時に、密封効果を高めるように、空気ピストン28と円筒29の間隙を閉鎖するように、及び/又は空気ピストン28を円筒29に対して密封するようになっている。
【0144】
好ましくは、空気シール31は、噴霧に向けて流体2の投与量を加圧する最中に、及び/又は流体2の投与量を分配する最中に、及び/又は空気ピストン28がマウスピース13に向けて移動される時に密封効果を低減するように及び/又は空気ピストン28と円筒29の間隙を開くようになっている。
【0145】
特に、空気シール31が溝32内で(軸線方向に)移動可能、すなわち、上下に移動可能であるように、溝32は、空気シール31よりも好ましくは幅広である。
【0146】
溝32、特にその幅は、好ましくは、先細であり、及び/又は好ましくは軸線方向延長に沿って、すなわち、その幅に沿って変化する(半径方向)深さを含む。
【0147】
カートリッジ3及び/又は空気ピストン28が下向きに、すなわち、ハウジング部品18の底部に向けて、及び/又はマウスピース13から離れるように、及び/又はネブライザ1の引張/負荷中に移動される時に、空気シール31は、溝32内で反対方向に、すなわち、上方に、及び/又は溝32のより幅狭の部分に好ましくは移動され、及び/又はより大きい力で空気ピストン28/円筒29に対して押圧される。これは、空気ピストン28と円筒29の間の力/圧力/摩擦及び/又は密封効果を高め、従って、特に、空気が空気チャンバ30から空気ピストン28と円筒29の間隙を通って漏出することができない。
【0148】
カートリッジ3及び/又は空気ピストン8が上方に、すなわち、ハウジング部品18の底部から離れるように、及び/又はマウスピース13に向けて、及び/又は流体2の投与量を分配/噴霧する最中に移動されると、空気シール31は、溝32内で好ましくは下向きに、及び/又はその深めの部分に移動する。このようにして、空気シール31は、空気ピストン28/円筒29に対して弱めの力で押圧される。従って、空気ピストン28と円筒29の間の力/圧力/摩擦及び/又は密封効果が低下する。
【0149】
特に、カートリッジ3は、分配/噴霧工程中の弱い摩擦抵抗で、すなわち、空気シール31の可変摩擦に起因する弱い摩擦抵抗で移動することができ、分配/噴霧工程に対する空気ポンプ27の影響を低減/最小にすることができる。
【0150】
好ましくは、ネブライザ1、特に空気ポンプ27は、空気チャンバ30内の(最高)空気圧を制御又は制限するための及び/又は空気ポンプ27又はその空気チャンバ30に給気するための及び/又は空気ポンプ27又は空気チャンバ30内のあらゆる低圧(周囲圧力に対する)を防止するための少なくとも1つの空気バルブ33を含む。しかし、空気バルブ33は、任意的に過ぎず、除外することができる。
【0151】
この実施形態では、空気バルブ33は、好ましくは、ドーム状の湾曲しており、及び/又は少なくとも実質的に球形である。最も好ましくは、ベースシール25の形状は、少なくとも実質的に空気バルブ33の形状に整合する。このようにして、ベースシール25は、空気バルブ33と干渉しない。
【0152】
上述のように、ベースシール25は、空気バルブ33に面する側で好ましくは湾曲したもの、特に凹面に湾曲したものである。
【0153】
好ましくは、空気バルブ33は、周囲空気が空気チャンバ30の中に流入することを可能にするために及び/又は空気チャンバ30内のあらゆる低圧を防止するために空気ポンプ27及び/又は空気チャンバ30内に向けて非常に容易に(すなわち、周囲圧力と空気チャンバ30内の圧力の間の非常に低圧の差で)開く。言い換えれば、空気バルブ33は、入口バルブを好ましくは形成する。
【0154】
更に、空気バルブ33は、外側に、すなわち、空気ポンプ27の内部から離れるように屈曲し又は開き、最も好ましくは、空気チャンバ30の内側の圧力が周囲空気圧よりも有意に高い場合にのみ、すなわち、圧力差が最高空気圧に対応する最大値に到達又は超過した場合にのみ空気が空気チャンバ30から漏出することを可能にする。言い換えれば、空気バルブ33は、制御バルブを好ましくはこれに加えて形成する。
【0155】
任意的に、ネブライザ1、特にハウジング部品18又は空気ポンプ27は、空気の不純物又は外来物質が空気チャンバ30に侵入することが防止されるような(無菌)フィルタを含む。フィルタは、特に、ハウジング部品18又はその開口部及び/又は空気バルブ33の中又は上流(ポンプチャンバ30の中に流入する空気に関して)に配置される。好ましくは、フィルタは、フィルタ膜、有孔板、又はその組合せとして具現化される。
【0156】
ネブライザ1が引張される時、及び/又はカートリッジ3がマウスピース13から離れるように、及び/又は空気バルブ33に向けて移動される時に、空気チャンバ30の容積は縮小され、その内圧が増大する(それに対して圧力チャンバ11の容積は拡大し、その内圧は低下する)。このようにして、流体ピストン24を軸線方向に移動する及び/又は容積4を縮小させることを支援する又はそれを助ける力が流体ピストン24に対して作用される。このようにして、カートリッジ3からの流体2の投与量の引き出し中に容積4内のあらゆる低圧(周囲圧力と比較して)を回避することができる。
【0157】
好ましくは、流体2は、流体ピストン34によって流体ポンプ5の中に押し込められ/転移され、従って、圧力チャンバ11を充填する。
【0158】
言い換えれば、空気ポンプ27に起因して、ネブライザ1の引張工程及び/又はカートリッジ3からの流体2の引き出しの開始時及び/又は最中に流体2又は容積4に対して圧力インパルスが作用する。この圧力インパルスの作用は、カートリッジ3の中にいずれの気泡も形成することなく流体2をカートリッジ3から投与量単位で引き出すことを支援する。
【0159】
空気ポンプ27を使用することにより、流体ポンプ5内への流体2の転移がネブライザ1の各作動/使用に関して少なくとも実質的に一定に留まり、それによって好ましい投与量の流体2が分配されることを保証する。
【0160】
任意的に、ネブライザ1、特に空気ポンプ27は、以下で圧力緩和手段34と呼ぶ圧力手段/減圧手段/圧力緩和手段34を含み、好ましくは、圧力緩和手段34は、空気ポンプ27又はその空気チャンバ30内の空気圧を好ましくはネブライザ1の引張/負荷の速度とは独立に、すなわち、上側ハウジング部品16に対して下側ハウジング部品18を回転させる速度とは独立に制御及び/又は制限するようになっている。
【0161】
最も好ましくは、圧力緩和手段34は、好ましくは、ネブライザ1又は下側ハウジング部品18内のカートリッジ3の(軸線方向)位置に依存して空気ポンプ27又はその空気チャンバ30内の圧力を低減するようになっている。
【0162】
好ましくは、圧力緩和手段34は、空気ピストン28又は円筒29/下側ハウジング部品18の中に組み込まれたバイパス又はバイパスチャネルとして具現化される。
【0163】
最も好ましくは、圧力緩和手段34は、円筒29/下側ハウジング部品18内の長手方向/軸線方向溝によって形成される。
【0164】
圧力緩和手段34は、円筒29内の/それに対する空気ピストン28の予め定められた(軸線方向)位置に到達する時に、特に、空気ピストン28がその下降軸線方向(端部)位置に到達する時、及び/又はネブライザ1の引張中(にのみ)、特に
図2に示す引張工程の終了時に、好ましくは起動される又は起動可能である及び/又は開放される又は開放可能である。
【0165】
好ましくは、特に、ネブライザ1又は空気ポンプ27、特に空気チャンバ30内の(残留)過圧(周囲圧力と比較した)を補償することが可能であるように、圧力緩和手段34は、空気シール31を迂回するように、及び/又は空気ポンプ27又はその空気チャンバ30を雰囲気/環境に空気的に接続するようになっている。
【0166】
このようにして、円筒29内で空気ピストン28の予め定められた軸線方向位置に到達する時及び/又は引張工程が終了した時に空気圧は周囲圧力まで(急激に)低下する。
【0167】
すなわち、空気ポンプ27及び圧力緩和手段34に起因して、流体2の投与量の引き出し中及び/又は引張工程中の流体ピストン24の移動を助けるために非常に短い圧力インパルスしか発生しない。
【0168】
言い換えれば、圧力緩和手段34は、引張工程が完了した後に空気チャンバ30が無圧/非加圧であることを保証する。これは、ネブライザ1、特にそのノズル12からの漏出(リザーバ/容積4内の過圧に起因する)が防止される。
【0169】
以下では、組み立て時のカートリッジ3、特にその構造を
図3から
図5を参照して説明する。その後に、カートリッジ3の生成/充填のための方法を
図7Aから
図7Gを参照して以下に説明する。
【0170】
図3は、配送/使用待機/未使用状態にあり、すなわち、ネブライザ1に流体的に接続/その中に挿入される前のカートリッジ3を略断面図に示している。
【0171】
図4は、
図3に記載のカートリッジ3の分解斜視図である。
【0172】
カートリッジ3の配送/使用待機/初期状態は、好ましくは、工場から配送されるカートリッジ3の状態である。
【0173】
最も好ましくは、カートリッジ3、特にそのクロージャ21及び/又はベースシール25は、配送/未使用状態で無傷/未開口/未穿通状態にある。従って、配送状態は、カートリッジ3がネブライザ1に接続されるか又はその中に挿入される(直)前の状態であると理解しなければならない。
【0174】
上述のように、カートリッジ3、特に容器20は、剛性構成のものである。好ましくは、容器20は、一体的に及び/又はワンピースとして形成される。最も好ましくは、容器20は、ガラス、金属、又は硬質プラスチック、特に環状オレフィンポリマーで製造される。
【0175】
好ましくは、カートリッジ3、特に容器20は、ボトル状であり、及び/又はボトルとして成形される。
【0176】
カートリッジ3、特に容器20は、少なくとも2cm又は3cm、特に4cm、及び/又は最大で20cm又は15cm、特に最大で10cmの長さ/高さを好ましくは含む。最も好ましくは、カートリッジ3、特に容器20は、少なくとも実質的に5cmの長さ/高さを含む。
【0177】
容器20は、底部/ベース分20A、主要部分20B、及び/又は上面部分/ヘッド部分20Cを好ましくは含み、好ましくは、主要部分20Bは、底面部分20Aと上面部分20Cの間に配置され、及び/又は底面部分20A及び上面部分20Cの各々は、好ましくは、細長の容器20の軸端を含む又は形成する。
【0178】
好ましくは、底面部分20Aは、カートリッジ3がネブライザ1の中に挿入された後に空気ポンプ27の空気ピストン28を形成する。
【0179】
上述のように、特に、容器20の底面部分20Aは、空気ポンプ27を形成するためにネブライザ1の下側ハウジング部品18と相互作用するようになっている。
【0180】
空気シール31は、底面部分20Aに好ましくは取り付けられる。この目的に対して、底面部分20Aは、空気シール31に対する溝32を好ましくは含む又は形成する。
【0181】
底面部分20Aは底部側面20Dを好ましくは含み、好ましくは、底部側面20Dは、軸線Aに対して少なくとも実質的に垂直であり、及び/又は容積4に対向し、及び/又はカートリッジ3がネブライザ1の中に挿入される時に開封デバイス26に対向する。
【0182】
容器20、特に底面部分20A及び/又は底部側面20Dは、そこに好ましくは取り付けられ、特に接着され、ベースシール25に対する担持/接触面を好ましくは含む又は形成する。
【0183】
底面部分20A及び/又は主要部分20Bは内径及び/又は外径を好ましくは含み、好ましくは、内径及び/又は外径は、軸線Aに沿って少なくとも実質的に一定である。
【0184】
好ましくは、カートリッジ3、特に容器20、最も好ましくは、その底面部分20A及び/又は主要部分20Bは、少なくとも0.5cm又は1cm及び/又は最大で4cm又は3cm、特に少なくとも実質的に1.5cmの内径を含む。
【0185】
容器20、特に、底面部分20A、主要部分20B、及び/又はこれらの内面は、流体ピストン24に対する摺動/滑走面を好ましくは含む又は形成する。
【0186】
最も好ましくは、流体ピストン24は、容器20、特に、その底面部分20A、主要部分20B、及び/又はこれらの内面と直接接触している及び/又はこれらに半径方向に当接する。言い換えれば、容器20、特に、その底面部分20A、主要部分20B、及び/又はこれらの内面は、流体ピストン24を半径方向に担持/誘導する。
【0187】
流体ピストン24は、容器20、特にその底面部分20A及び/又は主要部分20Bの中に好ましくは配置され、上述したように、特に容積4を縮小するために容器20、特にその底面部分20A及び/又は主要部分20B内で、及び/又は底面部分20Aから上面部分20Cまで移動することができる。
【0188】
流体ピストン24は、好ましくは、少なくとも実質的に円筒形及び/又は回転対称のものである。
【0189】
流体ピストン24は、ワンピースとして及び/又は一体的に好ましくは形成される。好ましくは、流体ピストン24は、プラスチック、特に、エラストマー、熱可塑性、及び/又は熱硬化性樹脂、最も好ましくは、ブチルゴムのような(合成)ゴムで製造される。
【0190】
好ましくは、流体ピストン24は、キャップとして具現化され、及び/又は上側軸端面又は前面部分24A、側面部分24B、及び/又は任意的な凹部24Cを含み、好ましくは、凹部24Cは、容積4に面する側に配置され、及び/又は流体ピストン24の所要の可撓性を可能にする。
【0191】
好ましくは、上側軸端面又は前面部分24Aは、容器20の容積4、クロージャ21、及び/又は上面部分20Cに対向する。最も好ましくは、上側軸端面又は前面部分24Aは、流体2との直接接触している。
【0192】
側面部分24Bは、容器20、特に、底面部分20A、主要部分20B、及び/又はこれらの内面と直接接触しており、及び/又はこれらに半径方向に当接する。
【0193】
好ましくは、カートリッジ3、特に流体ピストン24には、流体ピストン24、特にその側面部分24Bと、容器20、特に、底面部分20A、主要部分20B、及び/又はこれらの内面との間に作用する少なくとも1つの円周流体シール24Dが設けられる。この実施形態では、カートリッジ3、特に流体ピストン24は、いくつか、ここでは2つの流体シール24Dを含み、好ましくは、流体シール24Dは、互いに軸線方向に離間している。このようにして、容器20と流体ピストン24の間の確実な密封を提供する。
【0194】
好ましくは、側面部分24Bは、流体シール24Dを含む又は形成する。従って、流体ピストン24、特に側面部分24B及び流体シール24Dは、好ましくは一体形成される。しかし、特に、流体シール24Dが密封リング又は密封リップとして形成される及び/又は流体ピストン24及び/又はそ内の溝によって保持される他の構成ソリューションも同様に可能である。
【0195】
好ましくは、流体ピストン24の(最大)外径、すなわち、流体シール24Dの場所の外径は、容器20、特にその底面部分20A及び/又は主要部分20Bの内径に少なくとも実質的に対応する。最も好ましくは、特に、流体ピストン24が容器20の中に圧入されるように、及び/又は容器20、特にその底面部分20A及び/又は主要部分20Bを半径方向に押圧するように、流体ピストン24の外径は、容器20、特にその底面部分20A及び/又は主要部分20Bの内径よりも(若干)、例えば、0.1mm又は0.5mm超だけ大きい。このようにして、流体ピストン24と容器20の間の流体2の漏出が防止される。流体ピストン24と容器20の間の摩擦力に起因して、流体ピストン24は、容器20内のその位置を保持し、及び/又は流体ピストン24の意図しない移動が防止される。
【0196】
上述のように、流体ピストン24は、特に下向きに面する及び/又はベースシール25に向かう任意的な凹部24Cを好ましくは含む。最も好ましくは、流体ピストン24、特にその凹部24Cは、
図3に示すように、好ましくは、ドーム形のベースシール25が少なくとも下側位置にある時にベースシール25を少なくとも部分的に受け入れるようになっている。
【0197】
好ましくは、流体ピストン24は、完全に容器20の中に配置され、及び/又は特に流体ピストン24又は側面部分24Bの全体の軸線方向延長に沿って容器20によって取り囲まれる。特に、流体ピストン24のいずれの部分も、容器20から軸線方向に突出しない。
【0198】
図5は、
図3に記載のカートリッジ3のクロージャ21及び容器20の上面部分20Cの領域内の細部を示し、以下ではこの図を使用してカートリッジ3の上側部分を説明する。
【0199】
容器20の上面部分20Cは、容器20の軸端を好ましくは含む又は形成する。
【0200】
容器20の上面部分20Cは、底面部分20A及び/又は主要部分20Bよりも好ましくは幅狭であり、及び/又はこれらよりも小さい外径を有する。好ましくは、上面部分20Cは、好ましくは、ボトル状の容器20の狭窄部を含む又は形成する。
【0201】
好ましくは、上面部分20Cの内径は、底面部分20A及び/又は主要部分20Bの内径よりも小さい。しかし、特に、容器20が、その全長に沿って一定の内径を含む他の構成ソリューションも同様に可能である。
【0202】
容器20、特にその上面部分20Cは、カートリッジ3をネブライザ1、特にそのホルダ6に機械的に接続するのに好ましくは使用される。この目的に対して、容器20、特にその上面部分20Cは、好ましくは、円周接続部品20Eを好ましくは含む又は形成する。
【0203】
この実施形態では、接続部品20Eは、特に、ホルダ6が接続部品20Eに係合してカートリッジ3を軸線方向に保持することができるように半径方向外向きに延びるカラーとして具現化される。しかし、特に、接続部品20Eが好ましくは半径方向内向きに延びる円周凹部として具現化される他の構成ソリューションも同様に可能である。
【0204】
容器20、特にその上面部分20Cは、上部側面20Fを好ましくは含み、好ましくは、上部側面20Fは、容積4から外に面し、及び/又はカートリッジ3が接続した時にホルダ6に面する。
【0205】
好ましくは、容器20、特にその上面部分20Cは、クロージャ21を少なくとも部分的に受け入れるようになっている。
【0206】
好ましくは、容器20、特にその上面部分20Cは、好ましくは、円形の開口部20Gを含み、好ましくは、クロージャ21は、開口部20Gを閉鎖/密封し、及び/又は開口部20Gの中に少なくとも部分的に挿入される。
【0207】
カートリッジ3、特にそのクロージャ21は、閉鎖部品/プラグ23を好ましくは含み、好ましくは、閉鎖部品23は、容器20、特にその上面部分20C及び/又は開口部20Gの中に少なくとも部分的に挿入される。
【0208】
特に、閉鎖部品23は、容器20、特にその上面部分20Cの内部及び/又は容積4の中に(軸線方向に)延びる。
【0209】
好ましくは、閉鎖部品23は、一体的に及び/又はワンピースとして形成される。
【0210】
最も好ましくは、閉鎖部品23は、可撓性/弾性のものであり、及び/又は可撓性/弾性材料、特に、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルブロックアミド、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン-イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンモノマーゴムのようなゴム、エラストマー、及び/又はエラストマー特性を有するプラスチックで製造される。最も好ましくは、閉鎖部品23はブチルゴムで製造される。他の適切な材料を使用することができる。
【0211】
好ましくは、クロージャ21、特に閉鎖部品23は、カートリッジ3、特に容器20を好ましくは気密方式及び/又は液密方式で密封/閉鎖するようになっている。好ましくは、クロージャ21、特に閉鎖部品23は、容器20、特に上面部分20C及び/又は開口部20Gによって/内に密封的に受け入れられる/保持される。
【0212】
最も好ましくは、クロージャ21、特に閉鎖部品23は、容器20、特に上面部分20C及び/又は開口部20Gの中に圧入される。
【0213】
好ましくは、クロージャ21、特に閉鎖部品23は、特に、容器20、特に上面部分20Cとクロージャ21、特に閉鎖部品23の間の間隙を密封するための少なくとも1つの好ましくは一体的なシールを含む又は形成する。
【0214】
最も好ましくは、好ましくは剛性の容器20、特にその上面部分20Cと、好ましくは可撓性の又は変形可能な閉鎖部品23との間に少なくとも1つのシ-リングS1、S2が形成される。
【0215】
好ましくは、クロージャ21、特に閉鎖部品23と容器20、特にその上面部分20Cとの間に(半径方向)シ-リングS1が形成/確立される。
【0216】
特に好ましくは、シ-リングS1は、特に、閉鎖部品23を容器20の中に圧入/タイトフィットすることによって容器20、特にその上面部分20Cの内壁/内側と閉鎖部品23の外壁/外側の間に形成/確立される。
【0217】
これに加えて又はこれに代えて、クロージャ21、特に閉鎖部品23と容器20、特にその上面部分20C又は上部側面20Fとの間に(軸線方向)シ-リングS2が形成/確立される。
【0218】
すなわち、閉鎖部品23(を挿入すること)によって好ましくは少なくとも2つのシ-リングS1、S2が設けられ、特に、シ-リングS1、S2は、異なる方向に、すなわち、少なくとも実質的に軸線方向と少なくとも実質的に半径方向とに効力を発する及び/又は密封する。
【0219】
閉鎖部品23は、好ましくは、少なくとも実質的に円筒形及び/又は回転対称のものである。
【0220】
好ましくは、閉鎖部品23は、特に容器20内に向けて先細であり、及び/又は段階状円錐形であり、及び/又は特に容器20内の方向に減少する外径を含む。
【0221】
最も好ましくは、閉鎖部品23は段階状であり、及び/又はいくつか、ここでは3つの階段又は円錐/円筒部分を含む。しかし、外径が少なくとも実質的に一定であるか又は徐々に変化することも可能である。
【0222】
閉鎖部品23は、外側/フランジ部分23A、中間/密封部分23B、及び/又は末端/先細部分23Cを好ましくは含み、好ましくは、中間部分23Bは、外側部分23Aと末端部分23Cの間に配置され、及び/又は外側部分23A及び末端部分23Cの各々は、閉鎖部品23の軸端を含む又は形成する。
【0223】
外側部分23Aは、容器20の内部から外に面する側に好ましくは配置され、それに対して末端部分23Cは、容器20の内部に面する側に好ましくは配置される。
【0224】
外側部分23Aの外径は、中間部分23Bの外径及び/又は末端部分23Cの外径よりも好ましくは大きい。
【0225】
好ましくは、外側部分23Aの外径は、容器20の上面部分20Cの内径及び/又は開口部20Gの内径よりも大きい。
【0226】
外側部分23Aは、好ましくはフランジ状であり、及び/又は容器20、特にその上面部分20C及び/又は上部側面20Fに軸線方向に当接し、それによって(軸線方向)シ-リングS2を好ましくは形成する。
【0227】
好ましくは、外側部分23Aは、特に、外側部分23Aが容器20の上面部分20C及び/又は上部側面20Fに当接するまでしか閉鎖部品23を容器20、特にその上面部分20Cの中に挿入することができないようなストップを含む又は形成する。
【0228】
言い換えれば、外側部分23Aは、好ましくは、容器20、特にその上面部分20Cから延びる/突出する閉鎖部品23の部分である。しかし、特に、閉鎖部品23全体が容器20、特にその上面部分20C内/その中に挿入/配置される他の構成ソリューションも同様に可能である。
【0229】
好ましくは、閉鎖部品23、特に中間部分23Bは、容器20、特に上面部分20Cと半径方向に相互作用する。
【0230】
好ましくは、閉鎖部品23、特にその中間部分23Bは、容器20、特にその上面部分20C及び/又は開口部20Gの中に圧入される。
【0231】
(半径方向)シ-リングS1は、容器20、特にその上面部分20Cと閉鎖部品23、特に中間部分23Bとの間に最も好ましくは気密方式及び/又は液密方式で好ましくは形成される。
【0232】
中間部分23Bの外径は、容器20、特にその上面部分20C及び/又は開口部20Gの内径に好ましくは少なくとも実質的に対応する。
【0233】
最も好ましくは、特に、閉鎖部品23が容器20の中に圧入されるように、及び/又は容器20、特にその上面部分20Cを半径方向に押圧するように、中間部分23Bの外径は、容器20、特に上面部分20Cの内径よりも(若干)、例えば、0.1mm又は0.5mm超だけ大きい。このようにして、半径方向シ-リングS1が形成/確立され、及び/又は閉鎖部品23と容器20の間の流体2の漏出が防止される。
【0234】
好ましくは、末端部分23Cの外径は、外側部分23Aの外径、中間部分23Bの外径、及び/又は容器20の上面部分20Cの内径よりも小さい。
【0235】
最も好ましくは、末端部分23Cと容器20、特に上面部分20Cとの間に好ましくは円周間隙が設けられるように、末端部分23Cの外径は、容器20、特にその上面部分20Cの内径よりも好ましくは小さい。言い換えれば、末端部分23Cは、容器20、特にその上面部分20Cから好ましくは(半径方向に)離間している。
【0236】
末端部分23Cと容器20、特にその上面部分20Cとの間の空間/間隙内にガス/空気が蓄積することができる。
【0237】
好ましくは、中間部分23Bと末端部分23Cの間の移行部が傾斜部によって形成される。傾斜部は、閉鎖部品23を容器20の中に配置し/挿入し、及び/又はカートリッジ3内に閉じ込められたガス/空気を末端部分23及び/又は接続要素9から離れるように及び/又は容器20に向けて好ましくは押進し、それによって意図しないガス/空気の引き出しを防止するのに好ましくは役立つ。
【0238】
閉鎖部品23は開口部/チャネル23Dを好ましくは含み又は形成し、好ましくは、開口部/チャネル23Dは、特に外側部分23Aから中間部分23Bを経て末端部分23Cに至るまで閉鎖部品23を軸線方向に貫通して延びる。
【0239】
好ましくは、軸線Aは、閉鎖部品23、特にその開口部23Dの中心を通って延びる。
【0240】
閉鎖部品23、特にその開口部23Dは、接続要素9を好ましくは密封的に好ましくは受け入れるようになっている。
【0241】
図5に示すカートリッジ3の配送状態では、開口部23Dは好ましくは閉鎖され、すなわち、カートリッジ3は、クロージャ21又は閉鎖部品23によって密封されている。
【0242】
好ましくは、クロージャ21、特にその閉鎖部品23は閉鎖シール23Eを含み、好ましくは、閉鎖シール23Eは、開口部23Dの中に位置付けられ、及び/又はカートリッジ3、クロージャ21、閉鎖部品23、及び/又は開口部23Dを特に液密方式及び/又は気密方式で密封/閉鎖する。
【0243】
この実施形態では、閉鎖シール23Eは、膜又は密封壁として好ましくは具現化される。特に、閉鎖シール23Eは、少なくとも実質的にディスク形である。しかし、例えば、閉鎖シール23Eが球形シール、膜ヒンジ等として具現化される他の構成ソリューションも同様に可能である。
【0244】
好ましくは、閉鎖シール23Eは、閉鎖部品23、特にその末端部分23Cと一体形成される又はワンピースとして形成される。
【0245】
好ましくは、閉鎖シール23Eは、接続要素9が閉鎖部品23によって受け入れられる時に特に接続要素9によって穿通可能/破断可能である。従って、接続要素9は、特に、カートリッジ3、特にその容積4とネブライザ1、特にそのポンプ5との間の流体接続が確立されるように閉鎖シール23を穿通/破断するように好ましくはなっている。
【0246】
好ましくは、閉鎖シール23Eは、薄めの厚みの少なくとも1つの凹面部分を含み、好ましくは、凹面部分は、特に接続要素9によって穿通/破断される時の閉鎖シール23Eの予め決められた破断点を形成する。凹面部分は、閉鎖シール23Eを複数の屈曲部分に好ましくは仕切る。
【0247】
好ましくは、凹面部分は、少なくとも実質的に十字状である又は十字として形成され、及び/又は閉鎖シール23Eをいくつか、特に3つ又は4つの屈曲部分に仕切り、好ましくは、これらの屈曲部分は、後に
図6を参照して説明するように接続要素9がカートリッジ3の中に押圧された時に屈曲して割れる。
【0248】
この実施形態では、特に、閉鎖シール23Eが穿通/開封された時に屈曲部分が容積4の中に突出しないように、閉鎖シール23Eは、末端部分23Cの軸端から好ましくは(軸線方向に)離間している。しかし、閉鎖シール23Eを末端部分23Cの軸端に配置し、それによってガス/空気が閉鎖シール23Eの領域内に蓄積される可能性を好ましくは防止することができる。
【0249】
任意的に、カートリッジ3、特にそのクロージャ21は、好ましくは、穿通可能なカバー又は上部シール35を含み、好ましくは、カバー35は、少なくともカートリッジ3がネブライザ1の中に挿入される前に容器20及び/又はクロージャ21、特にその閉鎖部品23又はその開口部23Dを覆う/密封する。
【0250】
最も好ましくは、カバー35は、フォイル又はフィルムである。
【0251】
好ましくは、カバー35は、閉鎖部品23を軸線方向に完全に覆う、及び/又は閉鎖部品23の円周の周りに又はそれにわたって延びる。最も好ましくは、カバー35は、いずれかの流体2がカートリッジ3又は容器20の上部で漏出する可能性を防止するシールを形成する。
【0252】
特に、カバー35は、カートリッジ3、容器20、及び/又は流体2を例えば粉塵による汚染から保護する。好ましくは、カバー35を設けることによってカートリッジ3の有効保存寿命が延長され、及び/又はカートリッジ3の漏洩度が低下する。更に、カバー35は、カートリッジ3が未開封であること/密封されていることをユーザが容易に確認することができるような不正開封防止シール又は真正性シールを好ましくは提供する。
【0253】
好ましくは、ネブライザ1の接続要素9は、カートリッジ3がネブライザ1、特にそのポンプ5の中に挿入される時及び/又はそれに接続される時にカバー35を穿通又は破断/開封する。
【0254】
任意的に、カートリッジ3、特にそのクロージャ21は締結要素36を含み、好ましくは、締結要素36は、クロージャ21、特に閉鎖部品23及び/又はカバー35を最も好ましくは軸線方向に及び/又はピッタリ方式で容器20、特にその上面部分20Cに及び/又はこれらに対して締結、保持、固定、及び/又は押圧するように設けられる又は押圧するようになっている。
【0255】
締結要素36は、容器20、特にその上面部分20Cの軸端に好ましくは取り付けられる。
【0256】
好ましくは、締結要素36は、特に、クロージャ21、閉鎖部品23、及び/又はカバー35を半径方向及び/又は軸線方向に覆うキャップ又はカバーとして形成/具現化される。最も好ましくは、締結要素36は、圧着キャップとして具現化される。
【0257】
好ましくは、締結要素36は、容器20、特にその上面部分20Cの円周フランジ/縁部に係合する又はその下方に到達する。
【0258】
好ましくは、閉鎖部品23、特にその外側部分23Aと容器20、特にその上面部分20Cとは、締結要素36によって互いにクランプ締めされる。このようにして、クロージャ21又は閉鎖部品23は、締結要素36により、最も好ましくはピッタリ方式で好ましくは軸線方向に固定又は締結される。
【0259】
締結要素36は、閉鎖部品23よりも剛性が高い、及び/又は容器20よりも剛性が低い材料で好ましくは製造される。
【0260】
好ましくは、締結要素36は、金属から、好ましくは、アルミニウムから製造される。
【0261】
締結要素36は、好ましくは、少なくとも実質的にリング状であり、及び/又は中心開口部/凹部36Aを含み、好ましくは、凹部36Aは、クロージャ21又は閉鎖部品23の開口部23Dが締結要素36によって覆われないように、及び/又は開口部23Dがアクセス可能なままに留まるように、及び/又はカートリッジ3をネブライザ1に接続する時に締結要素36が接続要素9と干渉しないように位置決めされる及び/又は寸法決めされる。
【0262】
好ましくは、カバー35は、一方を閉鎖部品23とし、他方を締結要素36とする両方の間に配置される。
【0263】
カバー35は、締結要素36に、特に下方から、最も好ましくは溶接によって好ましくは取り付けられる。特に、カバー35は、締結要素36に接着、ヒートシール、又は熱溶接される。
【0264】
しかし、これに加えて又はこれに代えて、カバー35を閉鎖部品23に取り付けることも可能である。
【0265】
閉鎖部品23を容器20、特にその上面部分20Cに締結するために、特に、中心開口部36Aが正しい位置にあり又は閉鎖部品23の開口部23Dと同軸位置合わせされ、更に容器20、特にその上面部分20C上に圧着され、それによって閉鎖部品23が容器20に特にピッタリ方式で締結されるように、更に好ましくは平坦リングとして具現化された締結要素36が、クロージャ21又は閉鎖部品23上に好ましくは配置される。
【0266】
図6は、ネブライザ1に接続された
図5に記載のカートリッジ3の細部を示している。
【0267】
上述のように、ネブライザ1の接続要素9は、カートリッジ3がネブライザ1、特にそのポンプ5の中に挿入された及び/又はそれに接続された時にカバー35及び/又は閉鎖シール23Eを好ましくは穿通/破断/開封する。
【0268】
接続要素9が閉鎖シール23Eに対して押圧された時に、特に、接続要素9が容積4の中に進んで貫入することができるように、閉鎖シール23Eは、好ましくは断裂する/破断する/屈曲して割れる。
【0269】
好ましくは、閉鎖シール23Eの屈曲部分は、閉鎖シール23Eが断裂/破断された後、すなわち、接続要素9が(完全に)挿入された後でもクロージャ21、特にその閉鎖部品23に接続されたままに留まる。
【0270】
好ましくは、クロージャ21、特に閉鎖部品23、最も好ましくはその末端部分23Cは密封部分23Fを含み、好ましくは、密封部分23Fは、閉鎖部品23、特にその末端部分23Cと一体形成される。
【0271】
好ましくは、密封部分23Fは、開口部/チャネル23D内の円周膨張部として、及び/又はより小さい内径を有するチャネル/開口部23Dの部分として具現化される。
【0272】
特に、密封部分23Fの内径は、接続要素9の外径よりも小さい。
【0273】
接続要素9がクロージャ21、特に閉鎖部品23によって受け入れられる時に、可撓性/変形可能/延伸性閉鎖部品23、最も好ましくは、その末端部分23Cは、特に密封部分23Fの領域内で接続要素9によって好ましくは屈曲/延伸されて割れる。
【0274】
好ましくは、密封部分23Fの領域内で、接続要素9とクロージャ21又は閉鎖部品23との間に好ましくは緊密性のシ-リングS3が形成/確立される。
【0275】
好ましくは、
図6に示すように、他の領域にも接続要素9とクロージャ21、特に閉鎖部品23との間の更に別のシ-リングS3が形成/確立される。
【0276】
更に、ホルダ6とクロージャ21、特に閉鎖部品23、最も好ましくはその中間部分23Bとの間にも1又は2以上のシ-リングS4を形成/確立することができる。
【0277】
このようにして、接続要素9と閉鎖部品23の間の漏出が防止される。
【0278】
以下では、カートリッジ3を生成/充填する方法を
図7Aから
図7Gを参照して説明する。
【0279】
図7Aは、(空)容器20の概略断面図である。
図7Bは、流体ピストン24が挿入された(空)容器20の概略断面図である。
【0280】
好ましくは及び/又は第1の段階(
図7Aに示す)では、空状態の容器20が与えられる。従って、容器20は、特に両方の側部/端部で好ましくは軸線方向に開口しており、すなわち、その底面部分20Aと上面部分20Cが開口している。
【0281】
その後に及び/又は第2/次の段階(
図7Bに示す)では、流体ピストン24が、容器20、特にその底面部分20A及び/又は主要部分20Bの中に、最も好ましくは下方から及び/又はその底面部分20Aを通して挿入及び/又は圧入される。しかし、特に、上面部分20Cが小さい内径/狭窄部を含まない場合に、及び/又は容器20が一定の内径を含む及び/又は上面部分20Cの内径が主要部分20Bの内径に対応する場合に、流体ピストン24を上方から及び/又は上面部分20Cを通して挿入することが一般的に可能である。
【0282】
好ましくは、流体ピストン24は、底部側面20D及び/又は上部側面20Fから軸線方向に離間している。特に、流体ピストン24は、底面部分20A及び/又は底部側面20Dから上昇/オフセットされ、及び/又は容器20の内部に移動/転移される。
【0283】
最も好ましくは、流体ピストン24、特に、底部側面20Dに向いて面する及び/又は上面部分20Cから外に面する流体ピストン24の(最低)軸線方向側面(側面部分24Bの軸線方向側面)は、容器20の底部側面20Dからのオフセット/距離Dを含む。
【0284】
特に、流体ピストン24は、それが
図7Bに示すように初期/上昇/オフセット位置にあるように容器20の中に挿入される。
【0285】
好ましくは、流体ピストン24、特に、底部側面20Dに向いて面する及び/又は上面部分20Cから外に面する流体ピストン24の(最低)軸線方向側面と容器20の底部側面20Dの間の(軸線方向)オフセット/距離Dは、初期/上昇/オフセット位置では少なくとも0.1mm又は0.5mm、特に少なくとも1mm又は2mm、及び/又は最大で10mm又は7mmの距離である。
【0286】
流体ピストン24の初期/上昇/オフセット位置は、好ましくは、容器20に流体2を充填する直前及び/又は閉鎖部品23によって容器20を密封/閉鎖する直前の容器20に対する及び/又はその内部の流体ピストン24の位置である。好ましくは、流体ピストン24は、初期/上昇/オフセット位置にある時に、容器20の底部側面20Dまでのオフセット/距離Dを含む及び/又は容器20の底部側面20Dから離間している。
【0287】
流体ピストン24の挿入により、容器20は、下方から、特に底面部分20Aでは、特に好ましくは流体シール24Dを用いて好ましくは閉鎖/密封される。
【0288】
その後に及び/又は第3/次の段階(
図7Cに示す)では、(空)容器20(この時点では底面部分20Aが閉鎖/密封された)には、特に所要の流体容積VFの流体2が、好ましくは、上方から及び/又は上面部分20C及び/又は開口部20Gを通して、特に第1の充填レベルL1及び/又は所要の流体容積VFが到達されるまで少なくとも部分的に充填される。
【0289】
当然ながら、容器20に流体2/流体容積VFが充填された後、かつ閉鎖部品23を用いて容器20を閉鎖する前に流体ピストン24をオフセットすることも可能である。この場合、容器20を軸線方向に閉鎖するために、流体ピストン24が(空)容器20の中に好ましくは挿入され、次いで、容器20に流体2が充填される。この後、オフセット/距離Dが確立されるまで及び/又は第1の充填レベルL1が到達されるまで、流体ピストン24は、容器20の中に更に深く押される(流体2と共に)。
【0290】
最初に言及したように、充填レベルは、好ましくは、カートリッジ3及び/又は容器20内で特にカートリッジ3/容器20の底部側面20Dから流体面まで測定された流体2の高さである。特に、充填レベルは、流体面SFの特定の軸線方向位置に対応する。
【0291】
任意的に、流体2によるカートリッジ3/容器20の充填、特に充填レベル、最も好ましくは第1の充填レベルL1は、特に非接触方式で、及び/又はセンサ、好ましくはレベルセンサ、特に導電性レベルセンサ、超音波レベルセンサ、キャパシタンスレベルセンサ、及び/又は光学式レベルセンサを用いて測定/検出される。
【0292】
好ましくは、カートリッジ3/容器20の充填は、予め定められた充填レベル、特に第1の充填レベルL1に達した時に最も好ましくは自動的に停止される。
【0293】
第1の充填レベルL1は、好ましくは、カートリッジ3及び/又は容器20に特に流体容積VFの流体2が充填された直後、及び/又はカートリッジ3/容器20がクロージャ21/閉鎖部品23を用いて(完全に)閉鎖/密封される(直)前の充填レベルである。従って、第1の充填レベルL1は、好ましくは、カートリッジ3/容器20の実際の充填が完了した後の充填レベルである。
【0294】
好ましくは、容器20には流体2が完全には充填されない。言い換えれば、第1の充填レベルL1は、容器20の上部側面20Fに好ましくは達しない。
【0295】
好ましくは、流体2の充填レベルは、下記で説明するように、特に閉鎖部品23及び/又は流体ピストン24の位置に起因してカートリッジ3の生成中に変化する(更に別の流体2がカートリッジ3の中に充填されることはないものの及び/又は容器20内にある状態で流体容積VFがカートリッジ3の生成中に一定に維持されるものの)。
【0296】
流体容積VFは、好ましくは、特に充填が完了した後、及び/又はカートリッジ3/容器20が特にクロージャ21/閉鎖部品23を用いて(完全に)閉鎖/密封される前のカートリッジ3/容器20内の流体2の容積である。
【0297】
好ましくは、流体容積VFは、カートリッジ3の生成中、及び/又は流体2によるカートリッジ3/容器20の充填が完了した後では一定である。
【0298】
好ましくは、流体容積VFは、3mlよりも大きく又は4ml、特に5mlよりも大きく又は7ml、及び/又は20mlよりも小さく又は15ml、特に10mlよりも小さい容積である。最も好ましくは、流体容積VFは、少なくとも実質的に8mlの容積である。
【0299】
好ましくは、特に、カートリッジ3に流体容積VFが充填された後にカートリッジ3があるガス容積を閉じ込めるように、カートリッジ3の容積4は流体容積VFよりも大きい。
【0300】
ガス容積は、好ましくは、充填段階が完了した時、及び/又はカートリッジ3/容器20に流体容積VFが充填された時の特に流体面SFと容器20の上部側面20Fの間のガスの容積である。
【0301】
好ましくは、ガスは、特に環境からの空気である。しかし、カートリッジ3の生成中にいずれかの他のガスを使用することができる。
【0302】
好ましくは及び/又は流体容積VFとは対照的に、ガス容積は、カートリッジ3/容器20の生成中、及び/又はカートリッジ3/容器20に流体2及び/又は流体容積VFが充填された後に、下記で説明するように、特に閉鎖部品23を挿入することによって変化する及び/又は低減される。
【0303】
カートリッジ3/容器20が流体容積VFを閉じ込める時、及び/又は第1の充填レベルL1に到達した時、及び/又は閉鎖部品23が挿入される前に、カートリッジ3/容器20は、第1のガス容積VG1を閉じ込める。
【0304】
第1のガス容積VG1は、好ましくは、0.1mlよりも大きく又は0.2ml、特に0.4mlよりも大きく、及び/又は2mlよりも小さく又は1ml容積である。
【0305】
好ましくは、流体容積VFは、第1のガス容積VG1よりも少なくとも5又は10倍及び/又は最大で30又は20倍大きい。
【0306】
その後に及び/又は第4/次の段階(
図7Dから
図7Fに示す)では、特に閉鎖部品23を用いてカートリッジ3/容器20が閉鎖/密封される。
【0307】
閉鎖部品23を用いた容器20の密封/閉鎖、及び/又は閉鎖部品23の挿入段階/工程は、いくつかの好ましくは2つの段階で好ましくは行われ、及び/又はいくつかの好ましくは2つの段/部を含み、特に、閉鎖部品23は、第1の段/部では、特に半径方向シ-リングS1が初めて確立されるまで容器20の中に(緩く)挿入され、次いで、第2の段/部では、特に軸線方向シ-リングS2が確立されるまで容器20の中に(密封的に)押圧される。
【0308】
この目的に対して、閉鎖部品23は、
図7Dに示すように、特に上方から容器20の中に少なくとも部分的に挿入され、及び/又は特に末端部分23Cが挿入前面にある状態及び/又は流体ピストン24に向いて面する状態で上面部分20C及び/又は開口部20Gの中に少なくとも部分的に挿入される。
【0309】
カートリッジ3/容器20は、閉鎖部品23、特にその中間部分23Bが容器20、特にその上面部分20Cに(半径方向に)当接した時に好ましくは初めて密封される。
【0310】
図7Dは、閉鎖部品23が(緩く)挿入された状態、すなわち、挿入段階(の第1部)の開始時にある状態、及び/又は移行位置にある状態、及び/又は部分的にのみ及び/又は緩く挿入された(依然としてカートリッジ3/容器20を密封/閉鎖していない)状態でのカートリッジ3/容器20を示している。
【0311】
閉鎖部品23の移行位置(
図7Dに示す)は、好ましくは、挿入段階(の第1部)中の閉鎖部品23の位置、及び/又は閉鎖部品23が容器20、特にその上面部分20Cの中に緩くしか挿入されておらず、及び/又は閉鎖部品23の末端部分23Cしか容器20、特にその上面部分20Cの中に挿入されていない閉鎖部品23の位置である。従って、移行位置では、閉鎖部品23は、容器20、特にその上面部分20Cを密封/閉鎖しておらず、容器20に閉じ込められた及び/又は末端部分23Cによって転移されたガスは、特に、閉鎖部品23、特にその末端部分23Cと容器20、特にその上面部分20Cとの間にある間隙を通って特に好ましくは環境に漏出することができる。
【0312】
図7Eは、閉鎖部品23が第1の/密封位置、すなわち、閉鎖部品23がカートリッジ3/容器20を既に閉鎖/密封している位置、及び/又は第1部の終了時の位置、及び/又は挿入段階の第2部の開始時の位置にあるカートリッジ3/容器20を示している。
【0313】
閉鎖部品23の第1の/密封位置(
図7Eに示す)は、好ましくは、初めて及び/又は閉鎖部品23が容器20を(半径方向に)密封/閉鎖するように、及び/又は閉鎖部品23と容器20の間隙がこの時点では閉鎖されていること、及び/又は(半径方向)シ-リングS1が確立されていることに起因して、特に、容器20に閉じ込められている(残留)ガスがそれ以上漏出することができないように、閉鎖部品23、特にその中間部分23Bが容器20、特にその上面部分20Cに(半径方向に)当接する位置である。
【0314】
図7Eに示すように、特に、閉鎖部品23、最も好ましくはその末端部分23Cを容器20、特にその上面部分20Cの中に挿入することにより、容器20内のガスは、特に、閉鎖部品23が容器20を密封するまで、及び/又は第1の位置が到達されるまでカートリッジ3/容器20から排出される及び/又は押し出される。
【0315】
言い換えれば、カートリッジ3/容器20内のガス容積/量、特に第1のガス容積VG1は、カートリッジ3/容器20に流体容積VFが充填された後に、及び/又は閉鎖部品23、特にその末端部分23Cを容器20、特に上面部分20Cの中に挿入することによって好ましくは低減される。
【0316】
最も好ましくは、カートリッジ3/容器20内のガス容積は、閉鎖部品23、特にその末端部分23Cを容器20、特に上面部分20Cの中に挿入した時に及び/又はそうすることによって第2のガス容積VG2まで低減される。
【0317】
第2のガス容積VG2は、好ましくは、閉鎖部品23が第1の位置に到達する時、及び/又は特に閉鎖部品23によってカートリッジ3/容器20が密封/閉鎖される時、及び/又は(半径方向)シ-リングS1が確立された時のカートリッジ3/容器20内のガスの容積である。
【0318】
すなわち、第2のガス容積VG2は、好ましくは、カートリッジ3/容器20内の残留ガス容積、すなわち、カートリッジ3の生成が完了した時のガス容積である。
【0319】
第2のガス容積VG2は、第1のガス容積VG1よりも好ましくは小さい。
【0320】
好ましくは、第2のガス容積VG2は、第1のガス容積VG1の80%未満又は70%、特に60%未満又は40%、最も好ましくは30%未満又は20%、及び/又は1%超又は5%、特に7%超又は10%に対応する。
【0321】
好ましくは、第2のガス容積VG2は、容器20の容積4及び/又は流体容積VFの10%未満、5%、又は1%、及び/又は0.1%超又は0.1%に対応する。
【0322】
第2のガス容積VG2は、少なくとも実質的に流体2の投与量の容積に好ましくは対応し、及び/又は好ましくは1μlよりも大きく又は5μl、特に10μlよりも大きく又は15μl、及び/又は1mlよりも小さく又は0.5mlである。
【0323】
すなわち、カートリッジ3/容器20内のガスは、カートリッジ3の生成中に予め定められた量/容積まで好ましくは低減される。特に、カートリッジ3/容器20内にガスを全く入れない場合がある。しかし、カートリッジ3/容器20内の残留ガスは、例えば、カートリッジ3の保存及び/又は搬送中に温度変化によって引き起こされる可能性があるカートリッジ3内の圧力変化を補償するために有利でもある。
【0324】
上述のように、流体レベルは、カートリッジ3の生成中、特にカートリッジ3/容器20に流体容積VFが充填された後に、及び/又は閉鎖部品23及び/又は可動流体ピストン24の挿入に起因して好ましくは変化する。
【0325】
好ましくは、閉鎖部品23、特にその末端部分23Cは、特に容器20の中に挿入される時、及び/又は閉鎖部品23が容器20を密封/閉鎖する前、すなわち、閉鎖部品23の第1の/密封位置に到達する前であっても流体2の中に少なくとも部分的に浸漬される。
【0326】
好ましくは、流体レベルは、
図7Eに示すように閉鎖部品23、特にその末端部分23Cを挿入する時に第2のレベルL2まで少なくとも一時的に上昇する。
【0327】
第2の充填レベルL2は、第1の充填レベルL1よりも好ましくは少なくとも0.5mm又は1mm及び/又は最大で10mm又は8mmだけ高い。
【0328】
好ましくは、閉鎖部品23、特にその末端部分23Cを流体2の中に浸漬することにより、充填レベル/流体面SFは、特に第1の充填レベルL1から第2の充填レベルL2まで上昇し、及び/又は容器20内のガスは、容器20から押し出され、それによってガス容積は、特に第1のガス容積VG1から第2のガス容積VG2まで低減される。
【0329】
好ましい方法変形により、閉鎖部品23、特にその末端部分23Cが容器20の中に挿入される時、及び/又は閉鎖部品23、特にその中間部分23Bが容器20、特にその上面部分20Cに当接した時、及び/又は閉鎖部品23が容器20を閉鎖/密封した及び/又はその第1の位置に到達する時に、充填レベル/流体面SFは、容器20の上部側面20Fまで上昇し、及び/又は容器20内の全てのガスが容器20から排出され/押し出され、及び/又は第2のガス容積VG2はゼロに等しい。
【0330】
閉鎖部品23、特にその末端部分23Cを流体2の中に浸漬することにより、接続要素9がガス容積VG2内で終端すること及び/又はカートリッジ3からガスを引き出すことが防止される。
【0331】
好ましくは、流体ピストン24は、容器20の中に挿入された後、及び/又は閉鎖部品23が第1の位置に到達する及び/又は容器20を密封/閉鎖する/それに当接するまで及び/又は挿入段階の第1部中に(初期/上昇)位置を保つ。
【0332】
カートリッジ3/容器20の閉鎖/密封を完了するために、及び/又は最も好ましくは外側部分23Aが容器20、特にその上面部分20C及び/又は上部側面20Fに(軸線方向に)当接するまで閉鎖部品23と容器20、特にその上面部分20Cとの間に液密シ-リング及び/又は気密シ-リング、最も好ましくは(半径方向)シ-リングS1及び/又は(軸線方向)シ-リングS2を確立するために、好ましくは及び/又は閉鎖部品23の第1の位置から開始して、閉鎖部品23は、容器20、特にその上面部分20Cの中に密封的に及び/又は更に深く挿入される、特に圧入される。
【0333】
言い換えれば、閉鎖部品23は、第1の位置から始めて、及び/又は第2の位置が到達されるまで、及び/又は軸線方向シ-リングS2が確立されるまで、容器20、特にその上面部分20Cの中に好ましくは更に深く挿入され、これを
図7Fに示している。
【0334】
閉鎖部品23の第2の位置は、好ましくは、閉鎖部品23又はその中間部分23Bが容器20、特にその上面部分20Cの中に完全に挿入された/押圧された位置、及び/又は(半径方向)シ-リングS1及び(軸線方向)シ-リングS2が確立された位置、及び/又は閉鎖部品23の外側部分23Cが容器20、特にその上面部分20C及び/又は上部側面20Fに軸線方向に当接する位置、及び/又は容器20内への閉鎖部品23の更に深い挿入が可能ではない位置である。
【0335】
閉鎖部品23を第1の位置から第2の位置の中に移動した時に、特に、カートリッジ3/容器20が完全に密封され、及び/又はカートリッジ3/容器20内に閉じ込められた残留ガスが漏出することができないので、カートリッジ3/容器20の容積4が好ましくは低減され、及び/又はカートリッジ3/容器20内の圧力が増大する。
【0336】
本発明により、カートリッジ3の生成中に、カートリッジ3/容器20に流体2及び/又は流体容積VFが充填された後、及び/又は挿入段階の第2部中に、特に、カートリッジ3/容器20を密封/閉鎖することによって引き起こされる圧力増大を補償するために、流体ピストン24は、好ましくは、距離Dに対応するストロークで移動され、及び/又は流体ピストン24の位置が変更される。
【0337】
特に、第1の位置から第2の位置への閉鎖部品23の移動、及び/又は圧力増大に起因して、流体ピストン24は、特に、閉鎖部品23、上面部分20C、上部側面20F、及び/又は開口部20Gから離れるように、及び/又は容器20の底面部分20A及び/又は底部側面20Dに向けて押進/移動され、それによって特に圧力増大は、流体ピストン24の移動及び/又は容積補償によって少なくとも部分的に補償される。
【0338】
すなわち、流体ピストン24は、カートリッジ3の生成中に初期/上昇位置から第2の/最終/下降位置まで好ましくは移動され、及び/又は距離/オフセットDは、特に完全に及び/又は流体ピストン24が容器20の底部側面20Dと少なくとも実質的に面一に着座するように好ましくは低減される。
【0339】
流体ピストン24の最終/下降位置は、好ましくは、閉鎖部品23が第2の位置にある時、及び/又は閉鎖部品23が第2の位置に到達した(直)後、及び/又はカートリッジ3/容器20の閉鎖/密封が完了した(直)後の流体ピストン24の位置である。
【0340】
好ましくは、最終/下降位置では、流体ピストン24は、初期/上昇位置と比較して容器20の上面部分20C及び/又は上部側面20Fから更に離間している。
【0341】
好ましくは、流体ピストン24の最終/下降位置では、容器20の上部側面20Fと流体ピストン24、特にその前面部分24Aとの間の距離は、初期/上昇位置での容器20の上部側面20Fと流体ピストン24、特にその前面部分24Aとの間の距離よりも大きい。
【0342】
好ましくは、流体ピストン24と容器20の底部側面20Dの間のオフセット/距離Dは、流体ピストン24の最終/下降位置では初期/上昇位置と比較して低減される。
【0343】
最も好ましくは、最終/下降位置では、流体ピストン24は、容器20の底部側面20Dと少なくとも実質的に面一で着座し、すなわち、流体ピストン24と底部側面20Dの間に好ましくは(軸線方向)距離Dがない。
【0344】
言い換えれば、オフセット/距離Dは、好ましくは、閉鎖部品23によって容器20を密封/閉鎖する(直)前及び密封した後の流体ピストン24の軸線方向位置の差である。
【0345】
しかし、流体ピストン24は、最終/下降位置にある時に容器20の底部側面20Dから依然として離間していることも可能である。当然ながら、最終/下降位置で及び/又は最終/下降位置の中に押圧された時に、流体ピストン24は、容器20から軸線方向に突出することも一般的に可能である。
【0346】
好ましくは、閉鎖部品23がその第1の位置から第2の位置まで移動される時に閉鎖部品23によって転移される容積は、流体ピストン24がその初期/上昇位置から最終/下降位置まで移動される時に流体ピストン24の移動によって転移される容積に少なくとも実質的に対応する。しかし、カートリッジ3/容器20内に閉じ込められた(残留)ガスは、特に、閉鎖部品23によって転移される容積を流体ピストン24によって転移される容積よりも(若干)大きくすることができるように(若干)圧縮することができる。
【0347】
好ましくは、流体2は、少なくとも部分的に容器20の底部側面20Dに向けて、特に、流体ピストン24の移動に起因して利用可能になる空間/容積に閉鎖部品23によって転移される。
【0348】
特に好ましくは、閉鎖部品23によって底部側面20Dに向けて転移される流体2の容積は、少なくとも実質的に流体ピストン24を距離Dだけ転移/移動するのに必要な容積である。特に、流体2の転移容積は、流体2に面する第1部24Aの面積を距離Dに乗じたものに少なくとも実質的に等しい。
【0349】
容器20のヘッド部分20Cの内径が容器20の主要部分20Bの内径よりも小さいことが好ましいので、流体ピストン24がその初期位置から最終位置まで移動される時の流体ピストン24の移動距離は、閉鎖部品23がその第1の位置から第2の位置の中に移動される時に閉鎖部品23が移動する距離よりも好ましくは小さい。
【0350】
好ましくは、流体レベルは、特に第3の充填レベルL3に到達するまで、閉鎖部品23がその第1の位置から第2の位置の中に移動される時、及び/又は流体ピストン24がその初期位置から最終位置の中に移動される時に変更される。
【0351】
第3の充填レベルL3は、好ましくは、閉鎖部品23がその第2の位置にある時及び/又は流体ピストン24がその最終位置にある時の流体2の充填レベルである。第3の充填レベルL3は、第1の充填レベルL1及び/又は第2の充填レベルL2よりも好ましくは低い。
【0352】
好ましくは、カートリッジ3/容器20内に閉じ込められた(残留)ガスは、
図7E及び
図7Fで最も明確に見られるように(若干)圧縮することができる。従って、閉鎖部品23を第1の位置から第2の位置まで移動する時に、ガス容積は、特に第2のガス容積VG2から第3のガス容積VG3まで低減することができる(ガスの量/質量は、好ましくは変更されないものの)。
【0353】
この低減は、閉鎖部品23がその第2の位置にある時及び/又は流体ピストン24がその最終位置にある時のカートリッジ3/容器20内の(残留)過圧によって引き起こすことができると考えられる。この(残留)過圧は、流体ピストン24と容器20の間の摩擦力によって引き起こすことができると考えられる。しかし、この過圧は好ましくは無視することができる。
【0354】
(残留)ガスを圧縮しないこと、及び/又は第3のガス容積VG3が第2のガス容積VG2と少なくとも実質的に同じであることも可能である。
【0355】
上述のように、カートリッジ3/容器20内の残留ガス容積、すなわち、第2のガス容積VG2及び/又は第3のガス容積VG3は、閉鎖部品23の末端部分23Cと容器20の間、最も好ましくは、一方を閉鎖部品23の末端部分23Cと中間部分23Bとの移行部とし、他方を容器20とする両方の間にある間隙/空間内に好ましくは蓄積する。
【0356】
提案する方法を使用することにより、カートリッジ3内の(残留)ガスを制御、低減、及び/又は最小にすること、及び/又は特にカートリッジ3の生成が完了した後に少なくとも実質的に無圧力のカートリッジ3を提供することができる。
【0357】
その後に及び/又は次/第5の段階(好ましくは、方法の最終段階である)では、
図7Gに示すように、容器20、特にその上面部分20C及び/又は底面部分20Aが密封され、及び/又は容器20、特にその主要部分20Bに特にラベル37を用いてラベル付けされる。
【0358】
上述のように、好ましくは、閉鎖部品23は、容器20、特にその上面部分20Cに特に締結要素36及び/又は任意的なカバー35を用いて締結される。
【0359】
好ましくは、容器20、特にその底面部分20Aは、容器20、特にその底部側面20Dに好ましくは取り付けられるベースシール25を用いて密封される。
【0360】
好ましくは、閉鎖部品23は、特に、その外れ落ちを防止するためにベースシール25が取り付けられる前に最初に締結される。
【0361】
このようにして及び/又は説明した方法の1つ、いくつか、又は全ての段階を実行することにより、カートリッジ3が生成され、及び/又は上述のように特にネブライザ1と共に使用待機状態にある。
【0362】
説明した個々の特徴、態様、原理、及び/又は段階は、互いに独立に及び/又はあらゆる組合せ又は順序で実現することができる。
【0363】
本明細書に説明したカートリッジ3は、本明細書に説明したネブライザ1内だけではなく、他のネブライザ、吸入器、又は他の分配デバイス内で使用することもできる。
【0364】
好ましくは、薬剤である流体2の好ましい成分及び/又は調剤は、特に国際公開第2009/115200号の特に25ページから40ページまで、又は欧州特許出願公開第2 614 848号明細書の段落0040から0087までに列記されており、これらの文献は、引用によって本明細書に組み込まれている。好ましくは、これらの成分/調剤は、特にエタノールを含有する及び/又はいずれの溶媒等も不在である水性又は非水性の溶液、混合物、調剤とすることができる。
【0365】
参照符号のリスト
1 ネブライザ
2 流体
3 カートリッジ
4 リザーバ/容積
5 流体ポンプ
6 ホルダ
7 エネルギストア
8 阻止要素
9 接続要素
10 逆止めバルブ
11 圧力チャンバ
12 ノズル
13 マウスピース
14 エアロゾル
15 給気開口部
16 上側ハウジング部品
17 内側ハウジング部品
18 下側ハウジング部品
19 ハウジング
20 容器
20A 底面部分
20B 主要部分
20C 上面部分
20D 底部側面
20E 接続部品
20F 上部側面
20G 開口部
21 クロージャ
23 閉鎖部品
23A 外側部分
23B 中間部分
23C 末端部分
23D 開口部
23E 閉鎖シール
24 流体ピストン
24A 前面部分
24B 側面部分
24C 凹部
24D 流体シール
25 ベースシール
26 開封デバイス
27 空気ポンプ
28 空気ピストン
29 円筒
30 空気チャンバ
31 空気シール
32 溝
33 空気バルブ
34 圧力緩和手段
35 カバー
36 締結要素
36A 開口部
37 ラベル
A 軸
D オフセット/距離
L1 第1の充填レベル
L2 第2の充填レベル
L3 第3の充填レベル
S1 半径方向シ-リング
S2 軸線方向シ-リング
S3 シ-リング(接続要素-閉鎖部品)
S4 シ-リング(閉鎖部品-ホルダ)
SF 流体面
VF 流体容積
VG1 第1のガス容積
VG2 第2のガス容積
VG3 第3のガス容積