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特許7547339テクスチャ加工された外側シーリング層を含むメタルシール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】テクスチャ加工された外側シーリング層を含むメタルシール
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/08 20060101AFI20240902BHJP
   F16J 15/12 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
F16J15/08 J
F16J15/08 E
F16J15/12 G
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021534219
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 FR2019053058
(87)【国際公開番号】W WO2020120920
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】1872908
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(73)【特許権者】
【識別番号】512096528
【氏名又は名称】テクネティクス グループ フランス エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フローラン・ルドラピエ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フランソワ・ジュリア
(72)【発明者】
【氏名】マリン・テシエ
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・ルフランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ティエリー・ダヴィド
(72)【発明者】
【氏名】トニー・ザウター
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭48-029952(JP,A)
【文献】特開平09-264427(JP,A)
【文献】特開昭60-034573(JP,A)
【文献】実開昭56-062460(JP,U)
【文献】登録実用新案第3200662(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2002/0153672(US,A1)
【文献】実開昭57-012865(JP,U)
【文献】特開昭60-159472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静的メタルシール(1)であって、横断面内で、前記シール(1)を押しつぶすのに必要な力を制限するように構成されている少なくとも1つの中空部分(9)を有することと、シールされるべき表面と接触するように構成されているテクスチャ加工表面(3)を備える、外側シーリング層(8)を含み、前記テクスチャ加工表面(3)は前記テクスチャ加工表面(3)上で互いに相隔てて並ぶ網目状の凹部(4)を含み、前記凹部(4)は前記外側シーリング層(8)を完全には通過せず、互いに連通しないことと、前記外側シーリング層(8)は、シーリングバリア(2)と、電解質堆積物の層(5a)を備える接触シーリング層(5)とを備えることとを特徴とする、静的メタルシール(1)。
【請求項2】
前記外側シーリング層(8)は、単独で、前記メタルシール(1)を形成することを特徴とする、請求項1に記載のシール。
【請求項3】
前記外側シーリング層(8)に包まれたメタルコア(6)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシール。
【請求項4】
前記メタルコア(6)は、バネ、特に、隣接コイルがそれ自体の上で閉じ、静止状態では、トロイダル形状を有する、つる巻きバネからなることを特徴とする、請求項3に記載のシール。
【請求項5】
前記コア(6)が挿入されている、前記外側シーリング層(8)は、前記静止状態では、転がり円がそれ自体の上で閉じない円環状表面の形状を有することを特徴とする、請求項4に記載のシール。
【請求項6】
記接触シーリング層(5)は、追加のシーリングバリア(5b)をさらに備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のシール。
【請求項7】
前記凹部(4)は、前記接触シーリング層(5、5a、5b)上に存在していることを特徴とする、請求項6に記載のシール。
【請求項8】
各凹部(4)の深さ軸は、前記テクスチャ加工表面(3)に実質的に垂直であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のシール。
【請求項9】
各凹部(4)は、前記テクスチャ加工表面(3)に実質的に垂直である前記テクスチャ加工表面(3)内にくり抜かれた少なくとも1つの壁によって画定されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のシール。
【請求項10】
前記テクスチャ加工表面(3)の全表面比に対する凹部(4)なしの前記表面によって前記テクスチャ加工表面(3)内に定められる受圧面積比は、40%未満であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のシール。
【請求項11】
前記テクスチャ加工表面(3)は、丸穴の形態の網目状の凹部(4)を含み、前記凹部(4)の深さ軸は前記テクスチャ加工表面(3)に対して特に実質的に垂直であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のシール。
【請求項12】
前記丸穴(4)のピッチ(E)、すなわち、隣接する2つの丸穴(4)の中心間の距離と、丸穴(4)の直径(D)の半分に対応する、丸穴(4)の半径との比は、3以下であることを特徴とする、請求項11に記載のシール。
【請求項13】
前記テクスチャ加工表面(3)は、細長形状の穴、特に長円形、楕円形および/または長方形の形状の穴の形態の網目状の凹部(4)を含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のシール。
【請求項14】
各細長形状の穴(4)の大きな軸は、前記シールのシーリングラインと実質的に平行であり、これは前記シール(1)の任意の点でそうであることを特徴とする、請求項13に記載のシール。
【請求項15】
前記メタルシール(1)は、断面がOリングであるシールまたは断面がCリングであるシールまたは断面が横たわった形のU字形であるシールであることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のシール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静的メタルシール(static metal seal)の分野に関するものである。
【0002】
これは、様々な産業分野において応用可能であり、典型的には、2つのフランジ間のシーリングの生産に応用可能である。
【0003】
したがって、本発明は、テクスチャ加工表面を有する外側シーリング層を含む静的メタルシールに関するものである。
【背景技術】
【0004】
メタルシールは、多くの重要なシーリング用途で広く使用されている技術であり、典型的には、超高真空、高圧、化学浸食性液体、高温という4つの条件のうち1つまたは複数が見られる状況で使用される。
【0005】
任意のシールに関して、高レベルのシーリング、可能な最も低い圧縮力、可能な最も大きいシール溶接部(sealing run)を一緒に得ることが望ましい。
【0006】
この問題を解決することは、たとえば銀などの、高延性シーリング材をフランジと接触させることを前提として、今のところ実現可能である。
【0007】
こうして、メタルシールの一例が仏国特許出願公開第2151186号明細書において説明されている。この例によれば、外側コーティングは、シールが押しつぶされるときに可塑化されて、接触しているフランジの凸凹部分の中に挿入される。半径方向に押しつぶされたバネが、初期の剛性(コーティングを可塑化する)と、押しつぶしの後の弾性的戻りを確実にする。この概念は、広いシール溶接部、シーリングが高レベルであること、広い溝深さ公差への適応性などの多くの利点を有する。しかしながら、シールを圧縮するために必要な力は実質的であり、これはいくつかのシーリングコーティングにはなおさら当てはまる。たとえば、直線的作動力(linear application force)は、銀コーティングがニッケルコーティングに変更された場合に倍以上に増え得る。
【0008】
欧州特許出願公開第0148088号明細書では、この概念への変更を、面と接触している突起部を形成する機械作業を付加することによって提示している。したがって、コーティングの可塑化応力をより細い線で加えることによって、シールの全体的な圧縮力が低減され得る。しかしながら、これはいくつかの欠点を有する。第一に、溶接幅が大幅に縮小される。シーリング面に半径方向の欠陥があると、たとえそれが小さな寸法であっても、漏れを強く誘発する危険性がある。それに加えて、突条に力が集中すると、特にシーリング材に延性があまりない場合、フランジ面に局所的な表面凹部(一般に「コーキング」と呼ばれる)が生じ得る。
【0009】
これの代替として、仏国特許出願公開第2823826号明細書では、周辺突出部を増やすことを提案している。単一の突出部を伴う解決策と比較して、漏れが生じるリスクは、半径方向の欠陥がある場合に制限される。しかし、その部分に対するコーキング問題は解決されていない。
【0010】
また、シールのシーリング表面にポリマー材料のコーティング層を設けたコーティング層を含む低圧縮力メタルシールを説明する米国特許第8,146,924号明細書の存在にも留意されたい。
【0011】
たとえば化学的適合性問題に対して、あまり延性のないコーティングを使用することが必要な工業用途が存在する。この場合、知られている従来技術では、このタイプの材料を効率的に扱うことが可能でなく、それだけ圧縮力を増すか、またはフランジを損傷させることなく、広い溶接部を正しくシールすることは達成できないことに留意されたい。
【0012】
したがって、面の幾何学的欠陥に適応することを可能にする広いシール溶接部を維持しながら、所与の作動力のために、漏れ経路を塞ぐのに有利に働く局所的接触圧力を高めることを可能にする解決策を提案する必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】仏国特許出願公開第2151186号明細書
【文献】欧州特許出願公開第0148088号明細書
【文献】仏国特許出願公開第2823826号明細書
【文献】米国特許第8,146,924号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、上述の必要性および従来技術の実施形態に関係する欠点を少なくとも部分的に改善することである。
【0015】
したがって、本発明の一対象は、その態様の1つによれば、外側シーリング層を含む静的メタルシールであり、外側シーリング層が、シールされるべき表面と接触するように構成されているテクスチャ加工表面を含み、前記テクスチャ加工表面はテクスチャ加工表面上で互いに相隔てて並ぶ凹部の網を含み、前記凹部はブラインドであり、外側シーリング層を完全には通過せず、互いに連通しないことを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
有利には、静的メタルシールは、横断面において、シールを押しつぶすのに必要な力を制限するように構成されている、少なくとも1つの中空部分、特に複数の中空部分を有し得る。また、静的メタルシールは、いわゆる「中実」シールとは反対に、いわゆる「中空」シールであってよい。特に、シールの構成層の少なくとも1つは、横断面において、前記少なくとも1つの中空部を有し得る。それに加えて、前記少なくとも1つの中空部分は、有利には、対応する1つまたは複数の層の全周上に延在し得る。
【0017】
有利には、本発明によるシール内に中空部分が存在することは、テクスチャ加工表面の存在によって得られる効果を改善することを可能にし得る。実際、中実シールとは反対に、中空シールは、押しつぶし力をより適切に制御することを可能にするものとしてよく、押しつぶしのこの制御は、テクスチャ加工表面の正しい働きに有利である。
【0018】
「外側シーリング層」は、表面の欠陥を塞ぐことを確実にし、シーリングを遂行するように表面が変形する層を意味する。
【0019】
網羅的ではないが、外側シーリング層は、シールのコアを覆うシーリングバリアを形成するコーティング、たとえばストリップ、シール溶接部を覆う接触シーリング層を形成する堆積物、たとえば電解質、表面の機械的特性を低下させることを意図された処理を行うか、または行わない、シールのコアの最後の層の実際の材料を含み得る。
【0020】
本発明により、テクスチャ加工表面を有するメタルシールの使用は、一方では、受圧面積比(bearing area ratio)を低減し、他方では、材料の塑性流動を円滑にすることによって、広いシール溶接部を維持しながら反対側の表面の曲折内にシールのシーリング表面の貫通に有利に働くという利点を有することを可能にする。したがって、本発明は、必要な作動力を制限して、所与の作動力に対してシーリングを得るか、またはシーリングを改善することを可能にする。
【0021】
採用される使用条件およびシーリング材料に応じて種々雑多な凹部幾何学的形状が企図され得る。
【0022】
本発明によるメタルシールは、単独で有する、または任意の可能な技術的組合せによる次の特徴のうちの1つまたは複数をさらに備え得る。
【0023】
テクスチャ加工表面は、外側シーリング層上に部分的に形成されてよく、特に、シールされるべき表面と接触することを意図されている外側シーリング層の部分のところに形成され得る。
【0024】
第1の変更形態によれば、外側シーリング層単独でメタルシールを形成する。したがって、メタルシールにはコアがない。
【0025】
第2の変更形態によれば、メタルシールは、外側シーリング層に包まれたメタルコアを含む。この場合、外側シーリング層は、メタルコアとのシールされた界面を得るように、特に、メタルコア上の材料堆積を用いて外側シーリング層を形成することによってメタルコア上に施され得る。外側シーリング層は、メタルコア上に、シールされていない界面をそれと一緒に形成することによって付着された材料からなるものとしてもよい。
【0026】
メタルコアは、バネ、特に、隣接コイルがそれ自体の上で閉じ、静止状態では、トロイダル形状を有する、つる巻きバネからなるものとしてよい。コアが挿入されている、外側シーリング層は、静止状態では、転がり円がそれ自体の上で閉じない円環状表面の形状を有し得る。より具体的には、テクスチャ加工表面は、仏国特許出願公開第2151186号明細書において説明されているような金属バネコアシールの、シールされるべき面と接触することを意図されている部分内の、外側シーリング層の表面上に施され得る。
【0027】
外側シーリング層は、シーリングバリアと、シーリングバリア上の可能な接触シーリング層とを含み得る。この接触シーリング層は、特に、シーリング表面処理物、特に、電解堆積物、たとえばニッケルの層、および/または、シーリングバリアとは無関係の、追加のシーリングバリアであってよい。
【0028】
凹部は、接触シーリング層がない場合にシーリングバリア上にのみ存在し、これらの凹部はブラインドであってよい。
【0029】
凹部は、また、接触シーリング層上に存在していてもよい。
【0030】
特に、凹部は、電解堆積物の層の形態の接触シーリング層上にブラインドで存在するか、または存在し得ない。
【0031】
また、凹部は、追加のシーリングバリアの形態の接触シーリング層上にブラインドで存在してもよい。この場合、追加のシーリングバリアの形態の接触シーリング層は、それが載るシーリングバリアから独立している。したがって、これらの2つの要素の間には密接な接触はない。次いで、凹部は、接触シーリング層を完全には通過し得ないが、そうでなければ漏れが生じる。
【0032】
凹部の深さは、外側シーリング層の厚さよりも小さい。凹部の深さは、また、接触シーリング層の厚さより小さくてもよい。代替的に、凹部の深さは、接触シーリング層の厚さよりも大きく、接触シーリング層の厚さとシーリングバリアの厚さとの合計よりも小さいものとしてよい。
【0033】
それに加えて、各凹部の深さ軸は、テクスチャ加工表面に対して実質的に垂直であってよい。
【0034】
各凹部は、テクスチャ加工表面に実質的に垂直であるテクスチャ加工表面内にくり抜かれた少なくとも1つの壁によって画定され得る。
【0035】
さらに、テクスチャ加工表面の全表面比に対する凹部なしの表面によってテクスチャ加工表面内に定められる受圧面積比は、好ましくは40%未満であってよい。
【0036】
テクスチャ加工表面は、円形の穴の形態の凹部の網を含んでいてもよく、その軸はテクスチャ加工表面に対して特に実質的に垂直である。丸穴のピッチ、すなわち、隣接する2つの丸穴の中心間の距離と、丸穴の直径の半分に対応する丸穴の半径との比は、3以下であってよい。
【0037】
代替的に、テクスチャ加工表面は、細長形状の穴、特に長円形、楕円形および/または長方形の形状の穴の形態の凹部の網を含み得る。次いで、各細長形状の穴の大きな軸は、シールのシーリングラインと実質的に平行であり、これはシールの任意の点でそうである。
【0038】
さらに、メタルシールは、断面がOリングであるシールまたは断面がCリングであるシールまたは断面が横たわった形のU字形であるシールであってよい。
【0039】
それに加えて、テクスチャ加工表面は、たとえば、レーザーによる材料除去を用いて形成されてよい。
【0040】
本発明によるメタルシールは、単独で使用されるか、または他の特徴との任意の技術的に可能な組合せに従って使用される、本明細書において述べられている特徴のうちのいずれか1つを含み得る。
【0041】
本発明は、次の詳細な説明、その実装形態の非限定的な例、さらには添付図面の概略図および部分図の調査を読んだ後、よりよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明によるバネ弾性メタルシールの形態の静的メタルシールの一例を断面図で示す図である。
図2】部分斜視図による、バネは図示されず、シールは表面構造化されている、図1のシールの例を示す図である。
図3】円形形状の凹部とともに、テクスチャ加工表面の第1の実施形態を提示する図2の、Aによる、詳細図である。
図4図3のC-Cによる部分断面図である。
図5】長円形形状の凹部とともに、テクスチャ加工表面の第2の実施形態を提示する図2の、Aによる、詳細図である。
図6】MPaで表されている、座圧PrAに依存する様々な表面テクスチャ加工に対する、Pa.m/sで表される、シーリングGの展開を提示することによるテクスチャ加工の注目点を例示するグラフである。
図7】凹部の詳細断面図を提示する図11図15図16、および図19を、本発明によるメタルシールの種々雑多な例を示す部分断面図である。
図8】凹部の詳細断面図を提示する図11図15図16、および図19を、本発明によるメタルシールの種々雑多な例を示す部分断面図である。
図9】凹部の詳細断面図を提示する図11図15図16、および図19を、本発明によるメタルシールの種々雑多な例を示す部分断面図である。
図10】凹部の詳細断面図を提示する図11図15図16、および図19を、本発明によるメタルシールの種々雑多な例を示す部分断面図である。
図11】凹部の詳細断面図を提示する図11図15図16、および図19を、本発明によるメタルシールの種々雑多な例を示す部分断面図である。
図12】凹部の詳細断面図を提示する図11図15図16、および図19を、本発明によるメタルシールの種々雑多な例を示す部分断面図である。
図13】凹部の詳細断面図を提示する図11図15図16、および図19を、本発明によるメタルシールの種々雑多な例を示す部分断面図である。
図14】凹部の詳細断面図を提示する図11図15図16、および図19を、本発明によるメタルシールの種々雑多な例を示す部分断面図である。
図15】凹部の詳細断面図を提示する図11図15図16、および図19を、本発明によるメタルシールの種々雑多な例を示す部分断面図である。
図16】凹部の詳細断面図を提示する図11図15図16、および図19を、本発明によるメタルシールの種々雑多な例を示す部分断面図である。
図17】凹部の詳細断面図を提示する図11図15図16、および図19を、本発明によるメタルシールの種々雑多な例を示す部分断面図である。
図18】凹部の詳細断面図を提示する図11図15図16、および図19を、本発明によるメタルシールの種々雑多な例を示す部分断面図である。
図19】凹部の詳細断面図を提示する図11図15図16、および図19を、本発明によるメタルシールの種々雑多な例を示す部分断面図である。
【0043】
これらの図のすべてにおいて、同一の参照は、同一の、または類似の要素を指定するものとしてよい。
【0044】
それに加えて、図に示されている様々な部分は、図を判読しやすくするために必ずしも均等目盛で示されていない。
【発明を実施するための形態】
【0045】
次に、図1から図19を参照しつつ、本発明の実施形態の例を説明する。
【0046】
有利には、本発明は、シールされるべき面と接触することが知られているゾーン内のメタルシールの表面の改質における異なるアプローチを提案していることに留意されたい。このアプローチは、すべてのタイプのメタルシールに適用される。
【0047】
したがって、図1を見るとわかるように、バネ弾性メタルシールの形態の、本発明による静的メタルシール1は、バネからなる、メタルコア6と、シール1を押しつぶすのに必要な力を制限することを可能にするためのシーリングバリア2の全周上に中空部分9を含むシーリングバリア2と接触シーリング層5とを含む外側シーリング層8とを備える。外側シーリング層8は、シールされるべき表面と接触するように構成されているテクスチャ加工表面3を接触シーリング層5上に備える。
【0048】
図3および図4を見るとわかるように、このテクスチャ加工表面3は、テクスチャ加工表面3上に互いに相隔てて並ぶ凹部4の網を含み、凹部4はブラインドであり、接触シーリング層5を完全には通過せず、互いに連通しない。
【0049】
したがって、本発明は、外側シーリング層8の表面のテクスチャ加工を実装する。外側シーリング層8は、メタルコア6とは区別され、メタルコア6は外側シーリング層8内に埋め込まれている。特に、シーリングバリア2は、メタルコア6上に付着した材料からなるものとしてよい。シーリングバリア2および接触シーリング層5は、シールされた界面を形成する(流体は界面では拡散し得ない)。
【0050】
このテクスチャ加工表面3上では、図3図4、および図5を見ると最もよく分かるように、凹部4が設けられており、その軸はシールの圧縮方向と平行である。これらの凹部4は、シールの接触表面全体にわたって不連続なパターンの網である。凹部4のこの不連続な網は、表面の連続メッシングを積極的に残すことに留意されたい。
【0051】
あまり延性のない材料は、急速に加工硬化する傾向がある。したがって、軸方向の圧縮時により流れやすいように自由度を残すことが重要である。凹部4によって残された自由空間は、材料が圧縮方向に垂直な平面内でより容易に広がることを可能にする。
【0052】
これらの凹部4は、また、シール1の座面を減らすことを可能にする、すなわち、同一の作動力において、材料に対する接触圧力は局所的に大きく、接触しているフランジの凸凹内の材料の浸透が増大する。このようにテクスチャ加工された接触表面3は、明らかに突起した幾何学的形状を有していないので、コーキングのリスクも減り、接触圧力の増大は、特異点なしで、均一に行われる。
【0053】
溶接幅は、局所的表面欠陥(たとえば、フランジ上の引っ掻き傷)による漏れを防ぐために十分な広さを保つ。凹部4の網の不連続性は、漏れを封じ込めるためのセルを自然に構成するという利点を有し、後者は、たとえば、フランジのシーリング表面が劣化している場合、またはフランジの機械加工の引っ掻き傷とシールとの間に同心欠陥がある場合に有用であることにも留意されたい。
【0054】
さらに、提案されている表面改質の脆さは、受圧面積比が大きく、また非突起幾何学的形状であることから、突起した表面機械加工に比べて低く、仏国特許出願公開第2557662号明細書の開示より抜きん出たものとなっている。
【0055】
さらに、凹部4の幾何学的形状は制御され得ることが重要であり、また、凹部の形成は、その付近にある材料の特徴内のシーリングを得るために、有害な局所的変化を引き起こさないことも賢明である。したがって、これらの点に関連して、凹部を形成するためのプロセスが重要である。レーザーによる材料の除去は、たとえば、凹部4の幾何学的形状と付近内のゾーンに対する影響を一緒に制御することを可能にする。
【0056】
好ましいテクスチャ加工幾何学的形状は、シール1の性能を最適化することを可能にする。図3に示されている、第1の例は、軸がシールの表面に垂直である丸穴4を形成することからなる。
【0057】
好ましくは、各穴4は、その円筒形の表面がシール1の表面に可能な限り垂直になるように作られる。凹部4の深さは、材料の流れを可能にするのに十分な深さであり、たとえば、40μmのオーダーである。直径Dは、40μmのオーダーであり、隣接する丸穴の中心間の距離である、ピッチEは、54μmのオーダーである。
【0058】
それに加えて、受圧面積比の著しい、好ましくはただし排他的ではなく40%のオーダーの低減をもたらすために、2E/D比は好ましくは3未満である。したがって、フランジの潜在的な微小欠陥をカバーするのに十分な受圧面積が残るが、接触圧力および接触力の非常に興味深い改善が得られる。
【0059】
テクスチャ加工の第2の興味深い例は、図5に示されているように、好ましくは一般的に長円形または楕円形の細長穴4の形成からなる。長さLは120μmのオーダーであり、幅は40μmのオーダーであり、深さは40μmのオーダーである。
【0060】
次いで、好ましくは、このような形状の大きな軸は、シーリングラインと平行になり、これはシールの任意の点でそうである。
【0061】
好ましい一実施形態において、選択されたテクスチャ加工は、仏国特許出願公開第2151186号明細書において説明されているような金属バネコアシールのシーリング層の表面に施され得る。
【0062】
さらに、選択されたテクスチャ加工は、O字形のOリングタイプシール、またはC字形のCリングタイプシールのシーリング層の表面に施され得るが、このリストは限定的ではない。
【0063】
シーリングの改善は、座圧PrAに依存する漏れ流れGの展開を比較する図6に例示されており、曲線R1は基準曲線(非テクスチャ加工表面)を表し、曲線R2は60%の受圧面積(テクスチャ加工表面パターン1)を表し、曲線R3は40%の受圧面積(テクスチャ加工表面パターン2)を表している。この例では、200MPaを超えるテクスチャ加工の利点は非常に明確である。
【0064】
図7から図19は、本発明によるメタルシール1の例を部分断面図に示している。
【0065】
図7から図10は、シーリングバリア2の部分断面図である図11に示されているように、非貫通凹部4を含む、単一のシーリングバリア2によって形成される外側シーリング層8を含むメタルシール1を例示している。
【0066】
図7は、バネの形態のメタルコア6を含むバネ弾性メタルシール1を例示している。図8は、断面がOリングまたはCリングである2つの弾性メタルシール1を例示している。図9は、円形または実質的に長方形の断面を有する2つのメタルシール1を例示している。図10は、横たわった形のU字形断面の機械加工メタルシール1を例示している。
【0067】
図12から図14は、シーリングバリア2を含む外側シーリング層8と、電解質堆積物タイプ5aの表面処理の形態の接触シーリング層とを有するメタルシール1を例示しており、これは外側シーリング層8の部分断面図である、図15に示されているような層5a内の非貫通凹部4、または外側シーリング層8の部分断面図である、図16に示されているような層5aおよび層2内の非貫通凹部を含む。
【0068】
図12は、バネの形態のメタルコア6を含むバネ弾性メタルシール1を例示している。図13は、断面がOリングまたはCリングである2つの弾性メタルシール1を例示している。図14は、横たわった形のU字形断面の機械加工メタルシール1を例示している。
【0069】
図17および図18は、追加のシーリングバリア5bの部分断面図である、図19に示されているような非貫通凹部4を含む、追加のシーリングバリア5bの形態の表面処理を含む、図18の場合には中実である、シーリングバリア2を有するメタルシール1を例示している。
【0070】
図17は、バネの形態のメタルコア6を含むバネ弾性メタルシール1を例示している。図18は、実質的に長方形の断面を有するメタルシール1を例示している。
【0071】
もちろん、本発明は、ちょうど説明したばかりの実施形態の例に限定されない。当業者であれば、種々雑多な修正形態を加え得る。
【0072】
さらに、図1を参照しつつ説明されている先行する例のみがシール1内の中空部分9の存在を示しているときであっても、前に説明されたシール1の例のすべてが、押しつぶしに必要な力を制限するための1つまたは複数の中空部分9を有利に含み得ることに留意されたい。
【符号の説明】
【0073】
1 静的メタルシール
2 シーリングバリア
3 テクスチャ加工表面
4 凹部
4 丸穴
5 接触シーリング層
5a 電解質堆積物タイプ
5b シーリングバリア
6 メタルコア
8 外側シーリング層
9 中空部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図17
図18
図19