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特許7547346連続グルコース監視システムのユーザに対して行われる意思決定支援推奨用の安全ツール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】連続グルコース監視システムのユーザに対して行われる意思決定支援推奨用の安全ツール
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1473 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A61B5/1473
【請求項の数】 59
(21)【出願番号】P 2021537858
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 US2019067941
(87)【国際公開番号】W WO2020139771
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】62/786,089
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ジェイ・ヴァンスライク
(72)【発明者】
【氏名】ナレシュ・シー・バヴァラジュ
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-512588(JP,A)
【文献】特表2017-524221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00- 5/398
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスによって、糖尿病の状態の治療のために、ユーザに意思決定支援推奨が提示されるべきかどうかを判定するための方法であって、
グルコース濃度レベルに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの現在の糖尿病の状態を特定することと、
前記現在の糖尿病の状態と共に、意思決定支援推奨を判定するためのプロセスへの入力データとして機能する追加データを受信することと、
前記追加データに信頼性レベルを割り当てることと、
前記プロセスおよび前記入力データを使用して前記意思決定支援推奨を計算することと、
前記追加データの前記割り当てられた信頼性レベルが閾値を超える場合にのみ、ユーザインターフェース上で前記意思決定支援推奨を前記ユーザに提示することであって、前記閾値は、計算される前記意思決定支援推奨のタイプに少なくとも部分的に基づいて選択される、ことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記信頼性レベルを割り当てることは、前記追加データが取得されたソースのアイデンティティに少なくとも部分的に基づいて信頼性レベルを割り当てることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記追加データは、規定の期間内に摂取された、または摂取されるべき食物および飲料の指標を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記指標は、前記ユーザによって手動で入力されたデータを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記指標は、第三者から取得された食物または飲料に関する栄養データを含む、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記栄養データは、アプリケーションによって自動的に入力される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記栄養データは、栄養情報をスキャンすることによってアプリケーションに自動的に入力される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記追加データは、前記ユーザの過去の生理学的反応パターンを説明する情報を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記追加データは、規定の時間内に発生した、または発生するべきユーザ活動レベルの指標を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
信頼性レベルを割り当てることは、手動入力-マシン通信を通じてよりも、マシンツーマシン通信を通じて取得された追加情報により高い信頼性を割り当てることを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記意思決定支援推奨は、食物または飲料を摂取するための推奨を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記意思決定支援推奨は、計算された量のインスリンを注射するための推奨を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記追加データの前記割り当てられた信頼性が閾値を超える場合にのみ、前記意思決定支援推奨を提示することは、前記信頼性レベルに少なくとも部分的に基づいて、前記意思決定支援推奨をいつ提示するかを判定することをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
追加データを受信することは、異なるタイプの複数の追加データ項目を受信することを含み、前記追加データに信頼性レベルを割り当てることは、前記追加データ項目の各々に信頼性レベルを独立して割り当てることを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記意思決定支援推奨を提示することは、個々の前記信頼性レベルの重み付け平均が第1の閾値を超える場合、かつ前記個々の信頼性レベルのいずれも第2の閾値を下回らない場合にのみ、前記意思決定支援推奨を提示することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
補助的である意思決定支援推奨よりも、治療的である意思決定支援推奨により高い閾値を割り当てることをさらに含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記意思決定支援推奨を提示することは、前記割り当てられた信頼性レベルが上限閾値および下限閾値によって指定された範囲内にあるときに、患者の安全を促進するより保守的な支援推奨を提示することを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記計算された量のインスリンは、前記意思決定支援推奨を判定するための前記プロセスの一部として計算される、請求項12および少なくとも請求項12に従属する請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記追加データは、規定の期間内に摂取された、または摂取されるべき食物および飲料の指標を含む、請求項2、4~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
信頼性レベルを割り当てることは、指標が前記ユーザによって手動で入力されたデータを含むときに、食物および飲料の前記指標から取得された前記追加データにより低い信頼性レベルを割り当てることと、前記指標が第三者から取得された前記食物および飲料に関する栄養データまたはアプリケーションによって自動的に入力された栄養データを含むときに、食物および飲料の前記指標から取得された前記追加データにより高い信頼性レベルを割り当てることと、を含む、請求項3~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記追加データに信頼性レベルを割り当てることは、機械学習技術を使用して、前記追加データに信頼性レベルを割り当てることを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記グルコース濃度レベルは、連続グルコースモニタ内のグルコースセンサから取得される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ユーザの前記現在の糖尿病の状態を特定することは、連続グルコースモニタと関連付けられたグルコースセンサからセンサデータを受信することを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記ユーザインターフェースは、前記グルコースセンサから前記センサデータを受信する表示デバイスに組み込まれている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記表示デバイスは、無線通信リンクを介して前記グルコースセンサから前記センサデータを受信する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ユーザインターフェース上で前記意思決定支援推奨を前記ユーザに提示することは、前記表示デバイスの前記ユーザインターフェース上で前記意思決定支援推奨を前記ユーザに提示することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記表示デバイス上に常駐している連続グルコースセンサアプリケーションが前記センサデータを受信し、前記ユーザインターフェース上で前記意思決定支援推奨を前記ユーザに提示させる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
デバイスによって、糖尿病の状態の治療のために、ユーザに意思決定支援推奨が提示されるべきかどうかを判定するための方法であって、
連続グルコースモニタのユーザの糖尿病の状態に影響を与える複数の入力データ項目を受信することであって、前記入力データ項目は、意思決定支援推奨を判定するためのプロセスへの入力データとして機能する、受信することと、
前記入力データ項目の各々に信頼性レベルを割り当てることと、
前記入力データ項目の各々に割り当てられた前記信頼性レベルに基づいて信頼性メトリックを計算することと、
前記プロセスおよび前記入力データに基づいて意思決定支援推奨を判定し、前記信頼性メトリックが閾値を超える場合にのみ、ユーザインターフェース上で前記意思決定支援推奨を前記ユーザに提示することであって、前記閾値は、判定される前記意思決定支援推奨のタイプに少なくとも部分的に基づいて選択される、ことと、を含む、方法。
【請求項29】
前記信頼性メトリックを計算することは、前記入力データ項目の前記各々の前記信頼性レベルの平均に基づいて前記信頼性メトリックを計算することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記信頼性レベルの平均は、重み付け平均である、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記複数の入力データ項目は、前記連続グルコースモニタ内のグルコースセンサからのセンサデータを含む、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
信頼性レベルを割り当てることは、信号品質、センサ較正、接続性、グルコースセンサの使用年数、および前記グルコースセンサの予想耐用年数を含む群から選択されるもう1つの要因に基づいて前記センサデータに信頼性レベルを割り当てることを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記意思決定支援推奨を判定および提示することは、前記信頼性メトリックが前記閾値を超えない場合でも前記意思決定支援推奨を判定し、一方で、前記信頼性メトリックが前記閾値を超える場合にのみ、前記ユーザインターフェース上で前記意思決定支援推奨を前記ユーザに提示することを含む、請求項28~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記意思決定支援推奨を判定および提示することは、前記信頼性メトリックが前記閾値を超える場合にのみ、前記意思決定支援推奨を判定し、前記信頼性メトリックが前記閾値を超える場合にのみ、前記意思決定支援推奨を前記ユーザに提示することを含む、請求項28~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記入力データ項目の各々に信頼性レベルを割り当てることは、前記入力データ項目のうちの少なくとも1つに、前記少なくとも1つの入力データ項目の値の精度の不確実性に基づいて、信頼性レベルを割り当てることを含む、請求項28~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記入力データ項目の各々に信頼性レベルを割り当てることは、前記入力データ項目のうちの少なくとも1つに、前記少なくとも1つの入力データ項目が前記ユーザの前記糖尿病の状態に与える影響の不確実性の程度に基づいて、信頼性レベルを割り当てることを含む、請求項28~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記信頼性レベルを割り当てることは、追加データが取得されたソースのアイデンティティに少なくとも部分的に基づいて信頼性レベルを割り当てることを含む、請求項28~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記複数の入力データ項目は、規定の期間内に摂取された、または摂取されるべき食物および飲料の指標を含む、請求項28~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記指標は、前記ユーザによって手動で入力されたデータを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記指標は、第三者から取得された食物または飲料に関する栄養データを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記栄養データは、アプリケーションによって自動的に入力される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記栄養データは、栄養情報をスキャンすることによってアプリケーションに自動的に入力される、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記入力データ項目は、前記ユーザの過去の生理学的反応パターンを説明する情報を含む、請求項28~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記入力データ項目は、規定の時間内に発生した、または発生するべきユーザ活動レベルの指標を含む、請求項28~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
信頼性レベルを割り当てることは、手動入力-マシン通信を通じてよりも、マシンツーマシン通信を通じて取得された追加情報により高い信頼性を割り当てることを含む、請求項28~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記意思決定支援推奨は、食物または飲料を摂取するための推奨を含む、請求項28~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記意思決定支援推奨は、計算された量のインスリンを注射するための推奨を含む、請求項28~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
追加データの前記割り当てられた信頼性が閾値を超える場合にのみ、前記意思決定支援推奨を提示することは、前記信頼性レベルに少なくとも部分的に基づいて、前記意思決定支援推奨をいつ提示するかを判定することをさらに含む、請求項28~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記意思決定支援推奨を提示することは、個々の前記信頼性レベルの重み付け平均が第1の閾値を超える場合、かつ前記個々の信頼性レベルのいずれも第2の閾値を下回らない場合にのみ、前記意思決定支援推奨を提示することを含む、請求項28~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
補助的である意思決定支援推奨よりも、治療的である意思決定支援推奨により高い閾値を割り当てることをさらに含む、請求項28~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記意思決定支援推奨を提示することは、前記割り当てられた信頼性レベルが上限閾値および下限閾値によって指定された範囲内にあるときに、患者の安全を促進するより保守的な支援推奨を提示することを含む、請求項28~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記複数の入力データ項目は、規定の期間内に摂取された、または摂取されるべき食物および飲料の指標を含む、請求項43~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
信頼性レベルを割り当てることは、指標が前記ユーザによって手動で入力されたデータを含むときに、食物および飲料の前記指標から取得された前記入力データ項目により低い信頼性レベルを割り当てることと、前記指標が第三者から取得された前記食物および飲料に関する栄養データまたはアプリケーションによって自動的に入力された栄養データを含むときに、食物および飲料の前記指標から取得された前記入力データ項目により高い信頼性レベルを割り当てることと、を含む、請求項28~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記入力データ項目に信頼性レベルを割り当てることは、機械学習技術を使用して、前記入力データ項目に信頼性レベルを割り当てることを含む、請求項28~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
グルコース濃度レベルは、連続グルコースモニタ内のグルコースセンサから取得される、請求項28~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記ユーザインターフェースは、前記グルコースセンサからセンサデータを受信する表示デバイスに組み込まれている、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記表示デバイスは、無線通信リンクを介して前記グルコースセンサから前記センサデータを受信する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
ユーザインターフェース上で前記意思決定支援推奨を前記ユーザに提示することは、前記表示デバイスの前記ユーザインターフェース上で前記意思決定支援推奨を前記ユーザに提示することを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記表示デバイス上に常駐している連続グルコースセンサアプリケーションが前記センサデータを受信し、前記ユーザインターフェース上で前記意思決定支援推奨を前記ユーザに提示させる、請求項58に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月28日に出願された米国仮特許出願第62/786,089号の優先権を主張する。前述の出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、明示的に本明細書の一部をなす。
【0002】
本実施形態は、連続分析物監視、特に、連続分析物監視システムの信号分析および結果提示に関する。
【背景技術】
【0003】
真性糖尿病は、膵臓が十分なインスリンを作成することができない(I型またはインスリン依存性)、かつ/またはインスリンが有効ではない(II型または非インスリン依存性)疾患である。糖尿病の状態において、被害者は高血糖に悩まされ、それは、小血管の悪化と関連した多くの生理学的な障害、例えば、腎不全、皮膚潰瘍、または眼球の硝子への出血を引き起こす可能性がある。低血糖反応(Hypoglycemic reaction)(低血糖(low blood sugar))は、インスリンの不注意な過剰投与によって、またはインスリンもしくはグルコース降下薬の正常な投与に極端な運動もしくは食物摂取不足が伴うと誘発され得る。
【0004】
従来、糖尿病を患う人は、自己監視血糖(SMBG)モニタを持ち運び、それは典型的には、不快な指穿刺法を必要とする。快適さおよび便利さに欠けるため、糖尿病を患う人は通常、1日当たり2~4回しかグルコースレベルを測定しない。残念なことに、そのような時間間隔は、あまりに開きがあるため、糖尿病を患う人が、高血糖または低血糖状態を見出すのが遅過ぎて、ときには、危険な副作用を招く可能性がある。従来の方法では、糖尿病を患う人が危険な状態に遅れずに気づいてそれを防止する可能性が低いだけでなく、従来の方法に基づいて、自分の血糖値が上昇している(より高い)かまたは下降している(より低い)かどうかを知らない可能性が高い。したがって、糖尿病患者は、経験に基づいたインスリン療法の決定を行えない場合がある。
【0005】
一部の糖尿病患者が自分の血糖を監視するために使用する別のデバイスは、連続分析物センサ、例えば、連続グルコースモニタ(CGM)である。CGMは、典型的に、侵襲的に、低侵襲的に、または非侵襲的に設置されるセンサを含む。このセンサは、体内の所与の分析物、例えば、グルコースの濃度を測定し、そのセンサと関連付けられた電子機器によって生成される未加工の信号を生成する。この未加工の信号は、ディスプレイ上に表示される出力値に変換される。未加工の信号の変換から得られる出力値は、典型的に、ユーザに意味のある情報を提供する形式で表され、ユーザは、mg/dLで表される血糖などの形式で分析することに慣れるようになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、糖尿病の状態の治療のために、ユーザに意思決定支援推奨が提示されるべきかどうかを判定するための方法であって、グルコース濃度レベルに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの現在の糖尿病の状態を特定することと、現在の糖尿病の状態と共に、意思決定支援推奨を判定するためのプロセスへの入力データとして機能する追加データを受信することと、追加データに信頼性レベルを割り当てることと、プロセスおよび入力データを使用して意思決定支援推奨を計算することと、追加データの割り当てられた信頼性レベルが閾値を超える場合にのみ、ユーザインターフェース上で意思決定支援推奨をユーザに提示することと、を含む、方法が提供される。
【0007】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、信頼性レベルを割り当てることは、追加データが取得されたソースのアイデンティティに少なくとも部分的に基づいて信頼性レベルを割り当てることを含む。
【0008】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、追加データは、規定の期間内に摂取された、または摂取されるべき食物および飲料の指標を含む。
【0009】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、指標は、ユーザによって手動で入力されたデータを含む。
【0010】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、指標は、第三者から取得された食物または飲料に関する栄養データを含む。
【0011】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、栄養データは、アプリケーションによって自動的に入力される。
【0012】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、栄養データは、栄養情報をスキャンすることによってアプリケーションに自動的に入力される。
【0013】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、追加データは、ユーザの過去の生理学的反応パターンを説明する情報を含む。
【0014】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、追加データは、規定の時間内に発生した、または発生するべきユーザ活動レベルの指標を含む。
【0015】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、信頼性レベルを割り当てることは、手動入力-マシン通信を通じてよりも、マシンツーマシン通信を通じて取得された追加情報により高い信頼性を割り当てることを含む。
【0016】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨は、食物または飲料を摂取するための推奨を含む。
【0017】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨は、計算された量のインスリンを注射するための推奨を含む。
【0018】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨を提示することは、信頼性レベルに少なくとも部分的に基づいて、意思決定推奨をいつ提示するかを判定することを含む。
【0019】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、追加データを受信することは、異なるタイプの複数の追加データ項目を受信することを含み、追加データに信頼性レベルを割り当てることは、追加データ項目の各々に信頼性レベルを独立して割り当てることを含む。
【0020】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨を提示することは、個々の信頼性レベルの重み付け平均が第1の閾値を超える場合、かつ個々の信頼性レベルのいずれも第2の閾値を下回らない場合にのみ、意思決定支援推奨を提示することを含む。
【0021】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、第1の閾値および/または第2の閾値は、計算される意思決定支援推奨のタイプに少なくとも部分的に基づいて選択される。
【0022】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、閾値は、判定される意思決定支援推奨のタイプに少なくとも部分的に基づいて選択される。
【0023】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨を提示することは、割り当てられた信頼性レベルが上限閾値および下限閾値によって指定された範囲内にあるときに、患者の安全を促進するより保守的な支援推奨を提示することを含む。
【0024】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、計算された量のインスリンは、意思決定支援推奨を判定するためのプロセスの一部として計算される。
【0025】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、追加データに信頼性レベルを割り当てることは、機械学習技術を使用して、追加データに信頼性レベルを割り当てることを含む。
【0026】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、グルコース濃度レベルは、連続グルコースモニタ内のグルコースセンサから取得される。
【0027】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、ユーザの現在の糖尿病の状態を特定することは、連続グルコースモニタと関連付けられたグルコースセンサからセンサデータを受信することを含む。
【0028】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、ユーザインターフェースは、グルコースセンサからセンサデータを受信する表示デバイスに組み込まれている。
【0029】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、表示デバイスは、無線通信リンクを介してグルコースセンサからセンサデータを受信する。
【0030】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、ユーザインターフェース上で意思決定支援推奨をユーザに提示することは、表示デバイスのユーザインターフェース上で意思決定支援推奨をユーザに提示することを含む。
【0031】
第1の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、表示デバイス上に常駐している連続グルコースセンサアプリケーションがセンサデータを受信し、ユーザインターフェース上で意思決定支援推奨をユーザに提示させる。
【0032】
第2の態様では、意思決定支援推奨を計算すべきかどうかを判定するための方法であって、グルコース濃度レベルに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの現在の糖尿病の状態を特定することと、現在の糖尿病の状態と共に、意思決定支援推奨を判定するためのプロセスへの入力データとして機能する追加データを受信することと、追加データに信頼性レベルを割り当てることと、追加データの割り当てられた信頼性レベルが閾値を超える場合にのみ、プロセスおよび入力データを使用して意思決定支援推奨を計算することと、を含む、方法が提供される。
【0033】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、信頼性レベルを割り当てることは、追加データが取得されたソースのアイデンティティに少なくとも部分的に基づいて信頼性レベルを割り当てることを含む。
【0034】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、追加データは、規定の期間内に摂取された、または摂取されるべき食物および飲料の指標を含む。
【0035】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、指標は、ユーザによって手動で入力されたデータを含む。
【0036】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、指標は、第三者から取得された食物または飲料に関する栄養データを含む。
【0037】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、栄養データは、アプリケーションによって自動的に入力される。
【0038】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、栄養データは、栄養情報をスキャンすることによってアプリケーションに自動的に入力される。
【0039】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、追加データは、ユーザの過去の生理学的反応パターンを説明する情報を含む。
【0040】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、追加データは、規定の時間内に発生した、または発生するべきユーザ活動レベルの指標を含む。
【0041】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、信頼性レベルを割り当てることは、手動入力-マシン通信を通じてよりも、マシンツーマシン通信を通じて取得された追加情報により高い信頼性を割り当てることを含む。
【0042】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨は、食物または飲料を摂取するための推奨を含む。
【0043】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨は、計算された量のインスリンを注射するための推奨を含む。
【0044】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、追加データを受信することは、異なるタイプの複数の追加データ項目を受信することを含み、追加データに信頼性レベルを割り当てることは、追加データ項目の各々に信頼性レベルを独立して割り当てることを含む。
【0045】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨を計算することは、個々の信頼性レベルの重み付け平均が第1の閾値を超える場合、かつ個々の信頼性レベルのいずれも第2の閾値を下回らない場合にのみ、意思決定支援推奨を計算することを含む。
【0046】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、閾値は、判定される意思決定支援推奨のタイプに少なくとも部分的に基づいて選択される。
【0047】
第2の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、計算された量のインスリンは、意思決定支援推奨を判定するためのプロセスの一部として計算される。
【0048】
第3の態様では、糖尿病の状態の治療のために、ユーザに意思決定支援推奨が提示されるべきかどうかを判定するための方法であって、連続グルコースモニタのユーザの糖尿病の状態に影響を与える複数の入力データ項目を受信することであって、入力データ項目は、意思決定支援推奨を判定するためのプロセスへの入力データとして機能する、受信することと、入力データ項目の各々に信頼性レベルを割り当てることと、入力データ項目の各々に割り当てられた信頼性レベルに基づいて信頼性メトリックを計算することと、プロセスおよび入力データに基づいて意思決定支援推奨を判定し、信頼性メトリックが閾値を超える場合にのみ、ユーザインターフェース上で意思決定支援推奨をユーザに提示することと、を含む、方法が提供される。
【0049】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、信頼性メトリックを計算することは、入力データ項目の各々の信頼性レベルの平均に基づいて信頼性メトリックを計算することを含む。
【0050】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、信頼性レベルの平均は、重み付け平均である。
【0051】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、複数の入力データ項目は、連続グルコースモニタ内のグルコースセンサからのセンサデータを含む。
【0052】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、信頼性レベルを割り当てることは、信号品質、センサ較正、接続性、グルコースセンサの使用年数、およびグルコースセンサの予想耐用年数、を含む群から選択されるもう1つの要因に基づいてセンサデータに信頼性レベルを割り当てることを含む。
【0053】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨を判定および提示することは、信頼性メトリックが閾値を超えない場合でも意思決定支援推奨を判定し、一方で、信頼性メトリックが閾値を超える場合にのみ、ユーザインターフェース上で意思決定支援推奨をユーザに提示することを含む。
【0054】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨を判定および提示することは、信頼性メトリックが閾値を超える場合にのみ、意思決定支援推奨を判定し、信頼性メトリックが閾値を超える場合にのみ、意思決定支援推奨をユーザに提示することを含む。
【0055】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、入力データ項目の各々に信頼性レベルを割り当てることは、入力データ項目のうちの少なくとも1つに、少なくとも1つの入力データ項目の値の精度の不確実性に基づいて、信頼性レベルを割り当てることを含む。
【0056】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、入力データ項目の各々に信頼性レベルを割り当てることは、入力データ項目のうちの少なくとも1つに、少なくとも1つの入力データ項目の、ユーザの糖尿病の状態への影響の不確実性の程度に基づいて、信頼性レベルを割り当てることを含む。
【0057】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、信頼性レベルを割り当てることは、追加データが取得されたソースのアイデンティティに少なくとも部分的に基づいて信頼性レベルを割り当てることを含む。
【0058】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、追加データは、規定の期間内に摂取された、または摂取されるべき食物および飲料の指標を含む。
【0059】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、指標は、ユーザによって手動で入力されたデータを含む。
【0060】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、指標は、第三者から取得された食物または飲料に関する栄養データを含む。
【0061】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、栄養データは、アプリケーションによって自動的に入力される。
【0062】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、栄養データは、栄養情報をスキャンすることによってアプリケーションに自動的に入力される。
【0063】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、追加データは、ユーザの過去の生理学的反応パターンを説明する情報を含む。
【0064】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、追加データは、規定の時間内に発生した、または発生するべきユーザ活動レベルの指標を含む。
【0065】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、信頼性レベルを割り当てることは、手動入力-マシン通信を通じてよりも、マシンツーマシン通信を通じて取得された追加情報により高い信頼性を割り当てることを含む。
【0066】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨は、食物または飲料を摂取するための推奨を含む。
【0067】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨は、計算された量のインスリンを注射するための推奨を含む。
【0068】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、追加データの割り当てられた信頼性が閾値を超える場合にのみ、意思決定支援推奨を提示することは、信頼性レベルに少なくとも部分的に基づいて、意思決定推奨をいつ提示するかを判定することをさらに含む。
【0069】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨を提示することは、個々の信頼性レベルの重み付け平均が第1の閾値を超える場合、かつ個々の信頼性レベルのいずれも第2の閾値を下回らない場合にのみ、意思決定支援推奨を提示することを含む。
【0070】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、閾値は、計算される意思決定支援推奨のタイプに少なくとも部分的に基づいて選択される。
【0071】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、補助的である意思決定支援推奨よりも、治療的である意思決定支援推奨により高い閾値を割り当てる。
【0072】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、閾値は、判定される意思決定支援推奨のタイプに少なくとも部分的に基づいて選択される。
【0073】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、意思決定支援推奨を提示することは、割り当てられた信頼性レベルが上限閾値および下限閾値によって指定された範囲内にあるときに、患者の安全を促進するより保守的な支援推奨を提示することを含む。
【0074】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、複数の追加データ項目は、規定の期間内に摂取された、または摂取されるべき食物および飲料の指標を含む。
【0075】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、信頼性レベルを割り当てることは、指標が、に対してユーザによって手動で入力されたデータを含むときに、食物および飲料の指標から取得された入力データ項目により低い信頼性レベルを割り当てることと、指標が第三者から取得された食物および飲料に関する栄養データまたはアプリケーションによって自動的に入力された栄養データを含むときに、食物および飲料の指標から取得された入力データ項目により高い信頼性レベルを割り当てることと、を含む。
【0076】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、入力データ項目に信頼性レベルを割り当てることは、機械学習技術を使用して、入力データ項目に信頼性レベルを割り当てることを含む。
【0077】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、グルコース濃度レベルは、連続グルコースモニタ内のグルコースセンサから取得される。
【0078】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、ユーザインターフェースは、グルコースセンサからセンサデータを受信する表示デバイスに組み込まれている。
【0079】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、表示デバイスは、無線通信リンクを介してグルコースセンサからセンサデータを受信する。
【0080】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、ユーザインターフェース上で意思決定支援推奨をユーザに提示することは、表示デバイスのユーザインターフェース上で意思決定支援推奨をユーザに提示することを含む。
【0081】
第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態では、表示デバイス上に常駐している連続グルコースセンサアプリケーションがセンサデータを受信し、ユーザインターフェース上で意思決定支援推奨をユーザに提示させる。
【0082】
第4の態様では、ユーザの糖尿病の状態に関する意思決定支援推奨を提供するためのシステムであって、モバイルデバイス上で実行される連続グルコースモニタ(CGM)アプリケーションであって、少なくとも周期的または不定期にグルコースセンサからデータを受信し、グルコース較正データを表示するように構成されている、CGMアプリケーションと、CGMアプリケーション内のサブルーチンとして実行されるか、またはモバイルデバイス上でCGMアプリケーション内の並列プロセスとして実行され、CGMアプリケーションからデータを受信する意思決定支援推奨アプリケーションであって、第1、第2、もしくは第3の態様の実施形態またはその他の任意の実施形態において記載される方法を実行するように構成されている、意思決定支援推奨アプリケーションと、を含む、システム。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1】連続グルコースセンサおよび薬剤送達デバイスを含む、好ましい実施形態の統合システムのブロック図である。
図2】本システムおよび方法と共に使用するように構成された電子デバイスの正面図である。
図3図1の電子デバイスの機能ブロック図である。
図4図1のシステムの特定の構成要素の論理図を示す。
図5】意思決定支援推奨(DSR)の計算に用いられ得るパラメータまたは変数のカテゴリを示す。
図6A】意思決定支援推奨プロンプトが提示される例示的なユーザインターフェースである。
図6B】意思決定支援推奨プロンプトが提示される例示的なユーザインターフェースである。
図7】本原理による方法を示すフローチャートである。
図8】意思決定支援推奨を判定するために使用できる、時間の関数としての様々な入力データ項目のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0084】
現在のグルコースレベルを表示する連続グルコース監視(CGM)システムは、ユーザに現在の代謝状態に関する連続的な情報を提供し、したがって、さらに、グルコースレベルの変化の傾向に関する連続的な指標情報を提供する。この情報は、糖尿病を患うユーザが、食物摂取、運動、およびインスリン送達に関して行う必要がある無数の治療的決定を容易にする。
【0085】
治療にインスリンの使用が含まれていないユーザでも、監視は、食物の選択、身体活動、薬、およびストレス管理努力の効果を示すのに役立ち得る。(毎日同じ時間に監視することとは対照的に)異なる日の異なる時間に監視することで、1日の血糖レベルに関する貴重な情報が提供される。また、特定の時間帯におけるおよび/または特定のイベントに関連する高値または低値など、血糖レベルのパターンを観察することもできる。
【0086】
ユーザは、現在のグルコースレベルおよびグルコースレベルの変化の傾向に応じて、個人向けにかつ柔軟に治療を適応させることで、代謝制御の改善および急性代謝悪化のリスクの低減を達成することができる。この情報により、ユーザは、例えば、低血糖イベントのリスクにあるかどうか、選択したインスリン投与量が現在の食事に適していたかどうか、および身体活動を、例えば、追加の炭水化物の摂取で補う必要があるかどうかを判定することができる。つまり、CGMシステムは、ユーザが所望の目標に到達するために適用することができる即時の継続的なフィードバックを提供する。
【0087】
CGMシステムは、大量のデータの遡及的分析を許容し、これにより、ユーザとその医療チームが統計を生成し、治療の調整を容易にするパターン/傾向を検出することを可能にする。この分析により、例えば、グルコースの平均、標準偏差、標的範囲の上、下および範囲内で費やされた時間の割合、標的範囲の上および下のエクスカーションの数、詳細な日次レポート、複数日の傾向データを単一のチャートに重ね合わせるモーダルデイレポートを含む、様々なグラフおよび統計を生成することができる。特に、この分析により、差し迫った高グルコースレベルまたは低グルコースレベルをユーザに警告するアラームを生成することができる。
【0088】
血糖レベルの測定値に加えて、遡及的分析では、一般に、CGMシステムの分析物センサから直接取得されない外部情報も必要になる。外部データは、例えば、ユーザがどのように感じているのか、ユーザが何を食べたか、ユーザ活動の量などの過去または現在のユーザの指標に対応し得る。ユーザが入力したデータ、派生データ、または他のアプリケーションもしくはセンサもしくは他のソースから取得したデータであり得る外部データも、以下で説明するように、他の多くのパラメータを構成し得る。
【0089】
CGMシステムによって取得された大量の履歴情報を分析することによって、現在のグルコースレベルおよび変化するグルコースレベルの傾向を単に認識することから可能であるよりもさらに優れた代謝制御を可能にするパターンの理解が提供され得る。例えば、食事後、特に最初の1~2時間のCGMデータを見てみると、食後スパイクのタイミングおよび大きさの両方を明らかにすることができる。ユーザおよび臨床医は、食事計画の目的で異なる食物タイプの食後効果を評価し、食事時のボーラスの最適なタイミング、および/または食事時の速効型インスリンの必要性を判定することができる。別の例として、ボーラスの3~4時間後にグルコースレベルを分析すると、ボーラス投与に関する有用な洞察が提供され得る。この時点で常に標的を上回っているまたは下回っているグルコースレベルは、食事の投与量(インスリンと炭水化物との比率)または補正投与量(インスリン感受性)を調整する必要があることを示し得る。さらに別の例として、インクレチンを使用してグルコースレベルを調節する人にとって、グルコースレベルは食後かなり安定したままであるはずなので、食後パターンのレビューは十分な投与量が服用されているかどうかを示すべきである。インクレチンと共に速効型インスリンを服用している人では、インスリン投与のタイミングを評価することができる。摂食直後のグルコースの低下と、それに続く2,3時間にわたる上昇とは、食事時のインスリンの送達を遅延させるか、または延長させる必要があることを示している場合がある。
【0090】
履歴情報の分析を使用して、運動、および異なる形式の運動が短期および長期のグルコースパターンに寄与する程度をよりよく理解することもできる。同様に、グルコース制御に対するストレスおよび病気の影響も分析することができる。
【0091】
グルコースレベルおよび傾向の両方、ならびに外部データを含む利用可能なすべての分析データを評価し、それを使用して、疾患管理を改善し、タイムリーに治療的介入の必要性を特定するためにユーザの日課に関するガイダンスをユーザに提供することは、ユーザにとってはもちろん、臨床医にとっても難しい作業になり得る。この問題に対処するために、CGMシステムは、分析物センサデータおよび/または他のデータ、例えば、外部データを、アルゴリズムへの入力として使用して、ディスプレイ上にユーザプロンプトを提供するか、および/または薬剤(例えば、インスリン)ポンプなどの機械的デバイスにコマンドを提供する意思決定支援機能を備え得る。ユーザプロンプトには、軽食を食べる、運動する、または適切な薬を服用するなどの治療的介入のための治療推奨が含まれ得る。意思決定支援の推奨には、血糖の自己監視(SMBG)を必要としない治療決定のためのCGMシステムの非補助的使用に提供される推奨が含まれ得ることに留意されたい。
【0092】
特定の治療推奨を提示する代わりに、場合によっては、意思決定支援推奨には、ユーザ側の健康的な行動を容易にするおよび奨励するための一般的なガイドラインが含まれ得る。例えば、いくつかの意思決定支援推奨は、ユーザがグルコースレベルを頻繁にチェックしたり、どのような要因がユーザのグルコースレベルを上下させるのかを学習したりするように奨励し得る。同様に、他の意思決定支援推奨は、ユーザが健康的な食事をすること、食後の散歩などの身体活動を行うこと、または指示に従って薬を服用することを奨励し得る。いくつかのタイプの意思決定支援推奨は、炭水化物がグルコースレベルを上昇させることをユーザに思い出させるなど、リマインダとして機能し得る。さらに他のタイプの意思決定支援推奨は、ユーザが食物の一人前の量を迅速かつ簡単に判定できるようにする情報をユーザに提供するなど、本質的に情報提供であり得る。例えば、このような意思決定支援推奨は、一人前の肉は一組のトランプにほぼ等しいこと、および一人前の果物または野菜はほぼ野球のボールのサイズであることを示し得る。別の例として、そのような情報的な意思決定支援推奨は、高炭水化物食物もしくは低炭水化物食物、または高血糖指数食物もしくは低血糖指数食物である特定の食物を特定し得る。
【0093】
意思決定支援アルゴリズムがCGMシステムでより一般的に用いられるようになるにつれて、安全性への懸念が重要な問題になる。意思決定支援アルゴリズムによってユーザに提供されるどの治療推奨も、健康状態および安全性の向上を促進するだけであり、医学的合併症を引き起こす可能性のある治療推奨は回避することが不可欠である。場合によっては、同じ分析データが与えられた場合に臨床医が典型的に提供するよりも保守的または保護的な推奨を、ユーザの安全を確保するために提供する必要があり得る。
【0094】
特定の意思決定支援推奨がユーザに提示されるのに十分安全であるかどうかをCGMシステムが判定するために使用され得る1つの要因は、意思決定支援推奨を生成するために使用される入力データ(例えば、分析物センサデータおよび外部データ)の信頼性である。以下でより詳細に説明するように、信頼性の格付けまたはレベルが、推奨を生成するために使用される個々の入力データ項目の各々に割り当てられ得る。信頼性の格付けまたはレベルは、入力データ項目のソース(例えば、ユーザが手動で入力したデータ対センサデータ)、データの正確さ(例えば、食事に関する栄養データまたは身体活動のレベルが、定性的または定量的な用語で提供されているかどうか)など、様々な要因に基づいて判定され得る。
【0095】
例証的な連続グルコース監視システム
本明細書に開示される例示的な実施形態は、グルコースの濃度または別の分析物の濃度もしくは存在を示す物質を測定するグルコースセンサの使用に関する。いくつかの実施形態では、グルコースセンサは、連続デバイス、例えば、皮下、経皮(transdermal)、経皮(transcutaneous)、非侵襲性の眼内および/または血管内(例えば、静脈内)デバイスである。いくつかの実施形態では、デバイスは、複数の間欠的な血液サンプルを分析することができる。グルコースセンサは、酵素的、化学的、物理的、電気化学的、光学的、光化学的、蛍光ベース、分光光度法、分光法(例えば、光吸収分光法、ラマン分光法など)、偏光測定、熱量測定、イオン泳動、放射分析などを含むグルコース測定の任意の方法を使用することができる。
【0096】
グルコースセンサは、侵襲性、低侵襲性、および非侵襲性のセンシング技術を含む、あらゆる既知の検出方法を使用して、ホスト内の分析物の濃度を示すデータストリームを提供することができる。データストリームは、典型的に、センサを使用することができる患者や医療従事者(例えば、医師)などのユーザに分析物の有用な値を提供するために使用される未加工のデータ信号である。
【0097】
説明および例の多くは、ホストにおけるグルコースの濃度を測定することができるグルコースセンサを対象としているが、実施形態のシステムおよび方法は、任意の測定可能な分析物に適用することができる。以下に記載されるいくつかの例示的な実施形態は、埋め込み可能なグルコースセンサを利用する。しかしながら、本明細書に記載する装置および方法は、分析物の濃度を検出し、分析物の濃度を表す出力信号を提供することができる任意のデバイスに適用できることを理解されたい。
【0098】
前述のように、いくつかの実施形態では、分析物センサは、米国特許第6,001,067号および米国特許公開第2011-0027127-A1号を参照して記載されているような埋め込み可能なグルコースセンサである。いくつかの実施形態では、分析物センサは、米国特許公開第2006-0020187-A1号を参照して記載されているような経皮グルコースセンサである。さらに他の実施形態では、分析物センサは、米国特許公開第2009-0137887-A1号を参照して記載されているような二重電極分析物センサである。さらに他の実施形態では、センサは、米国特許公開第2007-0027385-A1号に記載されるように、ホスト血管内または体外に埋め込まれるように構成されている。これらの特許および公開物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0099】
以下の説明および実施例は、図面を参照して本実施形態を説明した。図面において、参照番号は、本実施形態の要素にラベルを付ける。これらの参照番号は、対応する図面の特徴の考察に関連して以下に再現される。
【0100】
図1は、連続グルコースセンサおよび薬剤送達デバイスを含む、好ましい実施形態の統合システムのブロック図である。これは、本明細書に記載のいくつかの実施形態が実装され得る例示的な環境である。ここで、分析物監視システム100は、連続分析物センサシステム8を含む。連続分析物センサシステム8は、センサ電子機器モジュール12および連続分析物センサ10を含む。システム100はまた、薬剤送達ポンプ2および参照分析物メータ4などの他のデバイスおよび/またはセンサを含むことができる。連続分析物センサ10は、センサ電子機器モジュール12に物理的に接続されてもよく、連続分析物センサ10と一体(例えば、取り外し不可能に取り付けられる)であっても、取り外し可能に取り付けられてもよい。あるいは、連続分析物センサ10は、センサ電子機器モジュール12から物理的に分離され、誘導結合などを介して電子的に結合されていてもよい。さらに、センサ電子機器モジュール12、薬剤送達ポンプ2および/または分析物参照メータ4は、表示デバイス14、16、18、および/または20のうちのいずれかまたはすべてなどの1つ以上の追加デバイスと通信することができる。表示デバイス14、16、18、および20は、概して、プロセッサ、メモリ、ストレージ、および意思決定支援モジュールを含むアプリケーションを実行するのに十分な他の構成要素を含む。
【0101】
いくつかの実装形態では、図1のシステム100はまた、分析物データ、薬剤送達データ、および/または、センサシステム8、薬剤送達ポンプ2、参照分析物メータ4、および表示デバイス14、16、18、20のうちの1つ以上から直接または間接的にネットワーク24を介して提供される他のユーザ関連データを分析するように構成されたクラウドベースのプロセッサ22を含み得る。受信したデータに基づいて、プロセッサ22は、データをさらに処理し、処理されたデータに基づいて統計を提供するレポートを生成し、ホストまたはホストの世話人と関連付けられた電子デバイスに通知をトリガし、または処理された情報を図1の他のデバイスのうちのいずれかに提供することができる。いくつかの例示的な実装形態では、クラウドベースのプロセッサ22は、1つ以上のサーバを含む。クラウドベースのプロセッサ22が複数のサーバを含む場合、サーバは地理的にローカルであるか、または互いから離れていてもよい。ネットワーク24は、WiFiネットワーク、セルラネットワーク、インターネット、およびそれらの任意の組み合わせを含む、データを送信するための任意の有線および無線通信媒体を含むことができる。
【0102】
いくつかの例示的な実装形態では、センサ電子機器モジュール12は、連続分析物センサ10によって生成されるデータの測定および処理と関連付けられた電子回路を含んでもよい。この生成された連続分析物センサデータはまた、連続分析物センサデータを処理および較正するために使用され得るアルゴリズムを含み得るが、これらのアルゴリズムは、デバイス14、16、18、および/または20によってなど、他の方法でも同様に提供され得る。センサ電子機器モジュール12は、連続グルコースセンサなどの連続分析物センサを介して分析物のレベルの測定を提供するために、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0103】
前述のように、センサ電子機器モジュール12は、表示デバイス14、16、18、および20のうちのいずれかまたはすべてなどの1つ以上のデバイスと(例えば、無線などで)結合されてもよい。表示デバイス14、16、18、および/または20は、表示デバイスで表示するためにセンサ電子機器モジュール12によって送信されるセンサ情報などの情報を処理および提示するように構成され得る。表示デバイス14、16、18、および20はまた、分析物センサデータに基づいて、アラームをトリガする、および/または意思決定支援推奨を提供することができる。
【0104】
図1では、表示デバイス14は、キーフォブのような表示デバイスであり、表示デバイス16は、ハンドヘルド特定用途向けコンピューティングデバイス16(例えば、DexCom, Inc.から市販されているDexCom G4(商標)Platinum受信器)であり、表示デバイス18は、汎用スマートフォンまたはタブレットコンピューティングデバイス20(例えば、Apple, Inc.から市販されているAndroid(商標)OS、Apple(商標)iPhone(登録商標)、iPad(登録商標)、またはiPod(登録商標)Touch(商標)を実行する電話機)であり、表示デバイス20は、コンピュータワークステーション20である。いくつかの例示的な実装形態では、比較的小さいキーフォブのような表示デバイス14は、腕時計、ベルト、ネックレス、ペンダント、宝石類、接着パッチ、ポケットベル、キーフォブ、プラスチックカード(例えば、クレジットカード)、識別(ID)カードなどにおいて具現化されるコンピューティングデバイスであり得る。この小さな表示デバイス14は、比較的小さなディスプレイ(例えば、表示デバイス18よりも小さい)を含み得、数値26および矢印28などの、限られたセットの表示可能なセンサ情報を表示するように構成され得る。いくつかのシステムはまた、2013年11月14日に出願され、「Devices and Methods for Continuous Analyte Monitoring」と題された米国仮特許出願第61/904,341号および同出願に優先権を主張する米国特許第10,004,435号に記載されているようなウェアラブルデバイス21を含み得、これらの開示全体は、参照によりその全体が明示的に本明細書に組み込まれる。ウェアラブルデバイス21は、ユーザの視覚、衣服、および/または身体に装着されるか、またはそれらに統合される任意のデバイス(複数可)を含み得る。デバイスの例としては、ウェアラブルデバイス、アンクレット、眼鏡、リング、ネックレス、アームバンド、ペンダント、ベルトクリップ、ヘアクリップ/ヘアゴム、ピン、カフリンク、入れ墨、ステッカー、靴下、袖、手袋、衣類(例えば、シャツ、パンツ、下着、ブラなど)、ファスナーつまみなどの「衣類の宝石類」、ボタン、時計、靴、コンタクトレンズ、皮下インプラント、眼鏡のレンズ、蝸牛インプラント、靴インサート、歯列矯正具(口)、装具(身体)、医療用ラッピング、スポーツバンド(リストバンド、ヘッドバンド)、帽子、包帯、ヘアピース、マニキュア、人工関節/身体部分、整形外科用ピン/デバイス、埋め込み可能な心臓デバイスまたは神経系デバイスなどが挙げられる。小さな表示デバイス14および/またはウェアラブルデバイス21は、比較的小さなディスプレイ(例えば、表示デバイス18よりも小さい)を含み得、数値26および/または矢印28などのセンサ情報のグラフィック表現および/または数値表現を表示するように構成され得る。対照的に、表示デバイス16、18、および20は、数値および矢印などの他の情報に加えて、ハンドヘルド受信器16上で描写される傾向グラフ30など、より大きなセットの表示可能な情報を表示可能であり得るより大きな表示デバイスであり得る。
【0105】
少なくとも情報(例えば、薬剤送達情報、個別の自己監視分析物測定値、心拍数モニタ、カロリー摂取モニタなど)を提示するように構成された他の任意のユーザ機器(例えば、コンピューティングデバイス)を、図1を参照して説明したものに加えて、またはその代わりに使用できることが理解される。
【0106】
図1のいくつかの例示的な実装形態では、連続分析物センサ10は、分析物を検出および/または測定するためのセンサを含み、連続分析物センサ10は、非侵襲的デバイス、皮下デバイス、経皮デバイス、および/または血管内デバイスとして分析物を連続的に検出および/または測定するように構成され得る。いくつかの例示的な実装形態では、連続分析物センサ10は、複数の間欠的な血液サンプルを分析し得るが、他の分析物も同様に使用され得る。
【0107】
図1のいくつかの例示的な実装形態では、連続分析物センサ10は、酵素、化学、物理、電気化学、蛍光、分光測光、偏光、熱量測定、イオン泳動、放射測定、免疫化学などの1つ以上の測定技術を使用して血液中のグルコースを測定するように構成されたグルコースセンサを含み得る。連続分析物センサ10がグルコースセンサを含む実装形態では、グルコースセンサは、グルコースの濃度を測定することができる任意のデバイスを含んでもよく、侵襲性、低侵襲性、および非侵襲性のセンシング技術(例えば、蛍光監視)を含む、様々な技術を使用してグルコースを測定して、ホスト内のグルコースの濃度を示すデータストリームなどのデータを提供することができる。データストリームは、未加工のデータ信号であり得、ユーザ、患者、または介護人(例えば、親、親戚、保護者、教師、医師、看護師、またはホストの健康に関心のある任意の他の個人)などのホストに、グルコース値を提供するために使用される較正および/またはフィルタリングされたデータストリームに変換される。さらに、連続分析物センサ10は、以下のタイプのセンサ:埋め込み可能なグルコースセンサ、ホスト血管内に埋め込まれたまたは体外の経皮グルコースセンサ、皮下センサ、詰め替え可能な皮下センサ、眼内、または血管内センサ、のうちの少なくとも1つとして埋め込まれ得る。
【0108】
図1のいくつかの実装形態では、連続分析物センサシステム8は、ホストのグルコースレベルを連続的に監視するために、Dexcom,Inc.から、またはそのようなセンサシステムにおいて市販されているDexcom G4(商標)Platinumグルコースセンサおよび送信器を含む。
【0109】
図2は、本システムおよび方法と共に使用するように構成された電子デバイス200の一実施形態を示している。電子デバイス200は、ディスプレイ202と、アクティブ化またはクリックされると1つ以上の機能を実行する、1つ以上のボタン204および/またはスイッチ206などの1つ以上の入出力(I/O)デバイスとを含む。いくつかの実施形態では、電子デバイス200は、モバイル通信デバイスであり得る。例えば、図示の実施形態では、電子デバイス200はスマートフォンであり、ディスプレイ202は、I/Oデバイスとしても機能するタッチスクリーンを含む。他の実施形態では、電子デバイス200は、CGMシステムの受信器、スマートウォッチ、タブレットコンピュータ、ミニタブレットコンピュータ、ハンドヘルド携帯情報端末(PDA)、ゲームコンソール、マルチメディアプレーヤー、上述のようなウェアラブルデバイス、自動車または他の車両の画面などのスマートフォン以外の1つ以上のデバイスを含み得る。電子デバイス200は、図ではスマートフォンとして示されているが、電子デバイス200は、本明細書で言及される他の電子デバイスのうちのいずれであってもよく、および/または他の電子デバイスのうちのいずれかまたはすべての機能を組み込んでもよい(機能のいくつかまたはすべてがリモートサーバ上に具現化される場合を含む)。
【0110】
図3は、図2に示される電子デバイス200のブロック図であり、いくつかの実施形態によるその機能的構成要素を示している。電子デバイス200は、図2に関して上述したように、ディスプレイ202と、1つ以上の入出力(「I/O」)デバイス(複数可)204、206とを含む。ディスプレイ202は、LCDまたはLED画面などの出力を表示することができる任意のデバイスであり得る。入出力(I/O)デバイス202、204、206は、例えば、キーボード(図示せず)、1つ以上のボタン204、1つ以上のスイッチ206などを含み得る。タッチスクリーンを含む実施形態では、ディスプレイ202はI/Oデバイスとしても機能する。
【0111】
電子デバイス200は、プロセッサ208(中央処理装置(CPU)とも呼ばれる)、メモリ210、ストレージデバイス212、トランシーバ214をさらに含み、また、他の構成要素またはデバイス(図示せず)を含んでもよい。メモリ210は、システムバスまたはローカルメモリバス216を介してプロセッサ208に結合されている。プロセッサ208は、1つ以上のプログラム可能な汎用もしくは専用のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラム可能なコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)など、またはそのようなハードウェアベースのデバイスの組み合わせであり得るか、またはそれらを含み得る。
【0112】
メモリ210は、実行時に、メモリ210に格納されているデータおよびプログラム情報へのアクセスをプロセッサ208に提供する。典型的には、メモリ210は、ランダムアクセスメモリ(RAM)回路、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなど、またはそのようなデバイスの組み合わせを含む。
【0113】
ストレージデバイス212は、1つ以上の内部および/または外部のマスストレージデバイスを含み得、これは、不揮発に大量のデータを格納するための任意の従来の媒体であり得るか、またはそれを含み得る。例えば、ストレージデバイス212は、従来の磁気ディスク、光ディスク、光磁気(MO)ストレージ、フラッシュベースのストレージデバイス、または構造化データもしくは非構造化データを格納するのに適した任意の他のタイプの不揮発性ストレージデバイスを含み得る。ストレージデバイス212はまた、いわゆるクラウドコンピューティングを使用する「クラウド」内のストレージを含み得る。クラウドコンピューティングは、コンピューティングリソースとその基盤となる技術アーキテクチャ(例えば、サーバ、ストレージ、ネットワーク)との間の抽象化を提供し、最小限の管理努力またはサービスプロバイダとの対話で迅速に提供およびリリース可能である構成可能なコンピューティングリソースの共有プールへの便利なオンデマンドのネットワークアクセスを可能にする、コンピューティング能力に関連する。
【0114】
電子デバイス200は、例えば、データの相関、パターン分析、および他のプロセスなどの様々なプロセスを実行することができる。いくつかの実施形態では、電子デバイス200は、それ自体でそのようなプロセスを実行することができる。あるいは、そのようなプロセスは、上述の1つ以上のクラウドベースのプロセッサ22などの1つ以上の他のデバイスによって実行され得る。さらに別の実施形態では、これらのプロセスは、一部は電子デバイス200によって、一部は他のデバイスによって実行され得る。本明細書では、電子デバイス200を参照して、様々な例示的なプロセスが説明されている。これらの例示的なプロセスは、電子デバイス200のみによって実行されることに限定されないことを理解されたい。さらに、本明細書で使用される場合、「電子デバイス」という用語は、1つ以上のクラウドベースのプロセッサ、サーバなど、電子デバイス200が対話する他のデバイスを含むと解釈されるべきである。
【0115】
電子デバイス200はまた、様々な機能を実行するための他のデバイス/インターフェースを含み得る。例えば、電子デバイス200は、カメラ(図示せず)を含み得る。
【0116】
トランシーバ214は、電子デバイス200がネットワークを介して他のコンピューティングシステム、ストレージデバイス、および他のデバイスと通信することを可能にする。図示の実施形態はトランシーバ214を含むが、代替の実施形態では、別個の送信器および別個の受信器をトランシーバ214の代わりに使用することができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、プロセッサ208は、インターネットおよび/またはセルラネットワークなどを介して電子デバイス200にダウンロードされ得る、様々なアプリケーション、例えば、CGMアプリケーションを実行することができる。様々なアプリケーションのデータは、電子デバイス200と1つ以上の他のデバイス/システムとの間で共有され、ストレージ212によって、および/または1つ以上の他のデバイス/システムに格納され得る。このCGMアプリケーションは、意思決定支援モジュールを含み得、ならびに/または以下に説明されるような意思決定支援評価機能および方法を操作するのに十分な処理を含み得る。
【0118】
本実施形態のいくつかでは、図1の連続分析物センサシステム8のセンサ10は、ホストの皮膚に挿入される。次に、新しいセンサセッションが、センサ10、センサ電子機器12、および電子デバイス200で開始される。センサ10を初期化するために多くの技術を用いることができる。例えば、初期化は、センサ電子機器12がセンサ10と係合したときにトリガされ得る。別の例では、初期化は、センサ電子機器12を受容するスナップ式の台座上のスイッチ(図示せず)などの機械的スイッチによってトリガされ得る。センサ電子機器12が台座にはめ込まれると、スイッチは自動的に作動する。別の例では、初期化はメニュー駆動型であり得、ユーザは、ボタンを押すか、または(タッチスクリーンを含み得る)ディスプレイ202上の指定された領域をタッチすることなどによって、ユーザインターフェース上で選択を行うことによって初期化を開始するように、電子デバイス200のディスプレイ202上のユーザインターフェースによってプロンプトされ得る。着用者の皮膚に適用される非侵襲的センサに関与する別の例では、センサ10は、皮膚と接触していることを感知し、自動的に始動することができる。さらに、分析物センサシステム8は、上記の技術のうちのいずれかを使用して新しいセンサ10の使用を検出し、システム8のユーザインターフェース上のプロンプトによって新しいセンサセッションを確認するようにユーザに自動的にプロンプトし、プロンプトに応答するユーザ確認に応答して、初期化を開始することができる。センサ10を初期化する追加の例は、2013年3月12日に出願され、米国特許第9,433,376号に対応する米国特許出願第13/796,185号に見出され、これらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0119】
図4は、連続分析物監視システム100の例示的な論理図を示し、特に、センサ結果の判定および計算の描写、ならびに、結果および他の要因に基づく意思決定支援推奨の判定に関与する構成要素を示している。特に、センサ10からの測定値は、センサ電子機器12によって処理され、概して、スマートフォンであるモバイルデバイス18に送られる。ここではスマートフォンが説明されているが、センサデータまたは他のデータを受信および表示し、それに基づいて結果、ならびにアラートおよびアラームを出力するために、上述の様々な電子機器のうちのいずれかを用い得ることが理解されるであろう。さらに、スマートフォン(または同様のスマートフォン能力を有するデバイス)は、表示された通知、結果、推奨、アラート、およびアラームを、それに結合された様々なデバイスに、例えばBluetooth(商標)を介して送信することができる。このようなデバイスには、Google Glass(商標)のようなヘッドマウントディスプレイ、時計などが含まれる。
【0120】
モバイルデバイス18は、センサ電子機器12から受信した信号に基づいて、様々な監視および表示機能が提供されるCGMアプリケーション209を実行する。このCGMアプリケーションの一部として、プロセッサモジュールでもあり得る意思決定支援モジュール211が、ここで説明される意思決定支援機能を実行するために提供される。意思決定支援モジュールが説明されているが、ここで説明される方法を実行するための適切な機能によって置き換えられ得ることが理解されるであろう。場合によっては、意思決定支援推奨モジュール211の機能は、CGMアプリケーション内でサブルーチンとして実行されるアプリケーションとして、またはCGMアプリケーション内で並列プロセスとして実行されるアプリケーションとして実装され得る。
【0121】
モバイルデバイス18は、通知、結果、推奨、およびアラート/アラームを表示するためのディスプレイ202を含む。ディスプレイ202は、表示画面として描写され、したがって、概して、結果を視覚的にレンダリングするが、通知、出力、結果、およびより緊急の場合のアラート/アラームはまた、聴覚などの他の手段を使用して通信され得ることが理解されるであろう。それらは、表示されたテキストまたは数字の可聴バージョンとして通信されてもよい。あるいは、トーンまたは他の音、さらには歌またはリングトーンが、血糖レベルの個別の指標としてユーザに対してレンダリングされ得る。
【0122】
モバイルデバイス18は、以下でより詳細に説明されるように、ユーザが入力したデータを含む履歴データの検索および使用のためのメモリ210またはストレージ212をさらに含み得る。モバイルデバイス18は、様々なサーバとネットワーク通信することができるので、履歴データもネットワークサーバ222から検索され得る。履歴データに加えて、サーバ(または他のネットワークソース)は、ディスプレイ202上に提示される通知につながる判定に入力され得る他の外部データをさらに提供することができる。
【0123】
ディスプレイ202自体は、例えば、タッチスクリーンインターフェースを使用して、ユーザがデータを入力するためのインターフェースを提供することができ、同データは、それぞれ、ボタンおよびスイッチ204および206を介して入力することもできる。いくつかのスマートフォンおよび他の多くのコンピューティングデバイスでは、同じ目的で別個のキーボードが用いられてもよい。
【0124】
信号処理は、センサ電子機器12を使用して、モバイルデバイス18を使用して、またはこの2つの組み合わせを使用して発生し得る。信号処理はまた、クラウド内、例えば、サーバ222または他のネットワークソース上で実行され得る。しかしながら、多くの場合、較正、平滑化、またはフィルタリングなど、未加工センサ信号の初期処理は、センサ電子機器12によって実行され、モバイルデバイス18上のアプリケーションは、センサ電子機器12から受信した信号を、後にディスプレイ202上に示される値に変換する。
【0125】
意思決定支援モジュールへの入力
図5は、測定された血糖レベルを他のパラメータまたは変数と組み合わせて、計算された、または別の方法で判定された意思決定支援推奨値252をもたらす方法を示しており、意思決定支援推奨値は、次にモバイルデバイスの表示画面に提示される。計算または判定は、概して、モバイルデバイス18上の意思決定支援モジュール211によって実行されるが、全体的または部分的にサーバ222によって、または場合によってはセンサ電子機器12によって判定されてもよい。すべてのパラメータおよび変数が、意思決定支援推奨値252の判定のすべての実装形態に入力されるわけではないことが理解されるであろう。
【0126】
様々なパラメータおよび変数について説明してから、それらを組み合わせて意思決定支援推奨をもたらす方法の例を説明する。いかなる方法でも構成の範囲を限定することを意図することなく、特に有用な組み合わせは、現在のグルコース値またはグルコース値と時間に関するグルコース値の一次導関数との組み合わせを含むと考えられる。しかしながら、この教示を与えられた当業者によって理解されるように、多数の組み合わせが有用であり、したがって、本発明の範囲は、特定の例によって限定されるべきではない。図5では、意思決定支援推奨252は、グルコースの現在の測定値に対応するデータ254、および/または、グルコースの履歴の測定値に対応するデータ256、および/または、グルコースの測定値には直接関連しておらず、したがって、「外部データ」と呼ばれるデータ258に少なくとも基づくものとして示されている。データ254は、概して、例えば、mg/dLで測定される、グルコースの現在の測定値である。データ256は、グルコースの履歴の測定値に対応し、「最近の履歴」の測定グルコースデータと呼ばれるデータ262と、「古い履歴」の測定グルコースデータと呼ばれるデータ264とに分けられ得る。最近の履歴データ262は、現在の測定されたグルコースデータ254の前の数分間または数時間にわたって測定されたものであり得、したがって、現在の傾向分析に特に有用であり得る。古い履歴データ264は、現在の測定の前の数日間、数週間、数ヶ月間、または数年間にわたって測定されたものであり得、したがって、全体的なパターンまたは傾向の計算または判定において特に有用であり得る(この判定にデータ262を用いてもよい)。
【0127】
現在の測定されたグルコースデータ254および最近の履歴の測定されたグルコースデータ262を用いて、現在の傾向に基づく他のタイプのデータ266を計算することができる。例えば、それらを、グルコースデータの時間変化率に対応するデータ268、例えば、時間に関する一次導関数、時間に関する二次導関数などの計算に使用することができる。
【0128】
データ258は、例えば、ユーザがどのように感じているのか、ユーザが何を食べたかなどの過去または現在のユーザの指標に対応し得る。したがって、データ258は、グルコースレベルと間接的な相関関係を有し得るが、同データは、機能的な意味で、測定されたグルコース値に直接基づいていない。データ258はまた、以下に説明されるように、他の多くの変数を構成し得る。
【0129】
上記のタイプのデータに基づく様々なパラメータおよび変数が以下に説明される。ここでも、特定の実装形態における意思決定支援推奨の判定は、説明されている様々なタイプのデータすべてを含んでいる必要はなく、多くの場合、2つまたは3つのタイプのデータのみが含まれることに留意されたい。さらに、以下の説明は単なる例示であるため、以下に説明するもの以外のデータタイプも用いることができる。特に、意思決定支援推奨の計算は、例えば、上述したようにモバイルデバイス上のアルゴリズムによって実行され得、アルゴリズムは、意思決定支援推奨のその判定において、いくつかまたは多数の変数を考慮に入れ得る。これらの変数は、同時にまたはほぼ同時にアルゴリズム的に評価されるが、以下の説明では、順次、変数が相互に、および判定された意思決定支援推奨に与える影響について部分的に論じる。スマートフォンなどの電子デバイスのユーザインターフェースに関連して、計算された意思決定支援推奨は、モバイルデバイスのユーザインターフェースに提示される通知につながり、場合によってはさらに、ユーザに表示され、実行されるべき1つ以上のアクションを提案する「アクショナブルアラート」(またはアラーム)につながり得る。いくつかの実装形態では、ユーザが見る通知は、例えば、ユーザが正常状態にあり、アクションをとる必要がない、単に、ユーザの状態の指標であり得る。他の場合では、提示は、アラートまたはアラーム状況のものである場合がある。モバイルデバイスのロックを解除するか、「スワイプ」アクションを実行するか、または、別の方法でアラートもしくはアラーム状況の存在の基礎となるデータに「掘り下げる」ことで、ユーザは実行されるべき明確なアクションを見ることができる。
【0130】
用いられ得る第1のタイプのデータ、およびほとんどの実装形態に関与するデータは、グルコースの測定値である。この第1のタイプのデータは、mg/dLの単位もしくは別様の数値形式であり得るか、または概してグルコース値と相関する別のタイプのデータを導出するために処理もしくは変換され得る。場合によっては、第1のタイプのデータはまた、重要な処理なしにセンサ電子機器から受信される未加工の形式で用いられるか、および/またはセンサ電子機器によって処理され得る。次に、必要に応じて、意思決定支援モジュールまたは関連アプリケーションを実行しているモバイルデバイス(または他のデバイス)で処理を実行して、意思決定支援推奨を決定することができる。第1のタイプのデータは、中間モジュールまたは変換からさらに受信され得、例えば、スマートフォン上で実行している別のアプリケーションから受信され得る。概して、この第1のタイプのデータには、例えば、データを表す信号を較正、平滑化、フィルタリング、または別の方法で「クリーンアップ」するための処理が行われ得る。
【0131】
概して、グルコースの現在の測定値が用いられるが、第1のタイプのデータはまた、1つ以上のグルコースの過去の値、または予測アルゴリズムによって判定されるグルコースの将来の値さえも含み得ることが理解されるであろう。予測アルゴリズムの追加の詳細は、以下に説明される。
【0132】
意思決定支援推奨の判定では、他のすべての要因が同じならば、高いグルコースレベルは高血糖状態を示す傾向がある。この場合、意思決定支援推奨は、患者に、水分補給すること、運動すること、または適切な薬を服用することを提案するなど、様々な推奨のうちのいずれかをユーザに提示し得る。逆に、低いグルコースレベルは低血糖状態を示す。この場合、意思決定支援推奨は、例えば、患者が軽食を食べることを提案し得る。当然ながら、他の多くのスキームも理解され、この教示を考慮して用いられ得る。
【0133】
他のタイプのデータは、この第1のタイプのデータに基づくことができ、例えば、時間に関するグルコース値の一次導関数を用いて、グルコース値の時間変化率、すなわち、グルコースの「速度」、すなわち、グルコース値が増加しているのかまたは減少しているのか、およびそのような変化がどれだけ速く発生しているか、を判定することができる。したがって、一次導関数を表すデータ値は、将来のグルコース値の予測の初期推定において、および意思決定支援推奨の判定にも用いることができる。さらに、一次導関数の方向および振幅を使用して、意思決定支援推奨の判定において同じ情報の重みを判定することができる。
【0134】
図6Aおよび図6Bは、入力データとして、グルコースレベルおよびその一次導関数を用いる、モバイルデバイスのユーザインターフェース730に提示され得る意思決定支援推奨の例を示している。これらの例では、ユーザの状態の現在の状況666が提示されている。加えて、各状況について、1つ以上の推奨668が提示されている。図6Aおよび図6Bの例では、各状況666について、3つの推奨668が提示されている。いくつかの実施形態では、推奨は、最も安全なものから最も積極的なものに基づいて順序付けられ得る。
【0135】
グルコース値の一次導関数、および特に時間に関するより高次の導関数は、一定量の履歴データが格納されて計算に使用される必要がある。そのようなデータは、概して、最近の履歴データに基づいているが、より古い履歴データも使用され得、以下に説明されるように、ユーザパターンに関して有用な情報を提供し得ることも理解され、そのようなユーザパターンは、抽象的にまたは、例えば、時間帯に関して分析され得る。
【0136】
グルコース値、さらに言えば、一次導関数に基づき得る別のタイプのデータは、時間に関するグルコース値の二次導関数、すなわち、加速度である。これは、グルコースレベルの変化が発生している速度に関する情報を提供し、グルコースレベルの変化がどの程度安定するか、または望ましい値からのエクスカーションにつながるかを判定するために、有利に用いることができることが多い。
【0137】
いくつかの実装形態では、意思決定支援推奨の判定は、少なくとも部分的に、測定されたグルコース値、測定されたグルコース値の時間に関する一次もしくは二次導関数、またはその両方に基づき得る。いくつかの実装形態では、意思決定支援推奨の計算は、以下に説明される他の要因と組み合わせた上記の要因に基づき得る。例えば、グルコース値に基づく別のタイプのデータ、例えば、時間導関数と組み合わせたグルコース値を、持続時間データ(以下で論じる)と組み合わせて用いて、DSRがユーザに提供されるべき状態に到達したことを判定することができる。同様に、グルコース値および/または時間導関数を食物摂取データと組み合わせて用いて、意思決定支援推奨を行うべきかどうかを判定することができる。
【0138】
グルコース値に基づくデータのタイプに戻ると、これには、時間に関するより高次の導関数、一定期間にわたるグルコーストレースグラフ、最後の顕著なグルコース値エクスカーションのレベルおよび持続時間、例えば、最後のグルコースピークのレベルなどがさらに含まれ得る。
【0139】
測定されたグルコースレベルが所定の範囲を占める持続時間は、計算に用いられ得るさらに別のタイプのデータであり、同持続時間は、グルコース値、特に経時的な値の分析によって判定することができる。所定の範囲は任意に定義することができるが、一般に、特定の状態、例えば、高いもしくは低い高血糖、高いもしくは低い低血糖、または正常血糖を示し得る。
【0140】
より詳細には、ユーザが特定の状態に対応する範囲で過ごす時間は、意思決定支援モジュールに重要な入力を提供し得、これは、特に低血糖症の状態または高血糖症の状態の場合、治療的介入が必要であることを示し得るからである。例えば、ユーザのグルコースレベルは低いが、比較的低い低血糖イベントの持続時間が長い場合、エクスカーションがさらに下向きになる可能性がはるかに高くなるため、その持続時間に基づいて、軽食を食べるという意思決定支援推奨が提示され得る。持続時間を要因として使用する場合、意思決定支援モジュールは、持続時間自体、または特定の状態が閾値持続時間を超えた時間、または他の関連パラメータを入力として使用することができる。このようなデータは、一般に、格納されている経時的なグルコース値の分析を介して利用可能になる。
【0141】
意思決定支援推奨の計算または判定に用いられ得る別のタイプのデータは、最近または履歴のイベント、特にグルコースレベルの予想値またはベースライン値からの大きいエクスカーションに対応する。特に、最近顕著なエクスカーションを経験したユーザは、一般に、顕著な現在または将来のエクスカーションを経験する可能性が高くなる。この問題に対処するために、意思決定支援モジュールは、意思決定支援推奨の判定において、そのような以前の履歴イベントを考慮に入れることができる。例えば、最後のグルコースピークのレベル、またはその持続時間(閾値レベルを超えるまたは範囲内の期間として測定される)などを、そのような判定に用いることができる。ベースライン(またはそうでなければ予想値)からのグルコース値の最後の顕著なエクスカーションまたは逸脱のレベルおよび/または持続時間は、ユーザの血糖エクスカーションの現在のリスクを示すことが多く、特に、将来のエクスカーションおよび逸脱の尤度がより高いことを示す指標であるため、判定に用いられ得る。このデータタイプのサブセットとして、そのレベルおよび持続時間を含む「最後の低血糖/高血糖イベント」を判定に用いることができる。いずれにせよ、そのようなデータは、概して、格納されているグルコース値の分析を介して利用可能になる。
【0142】
意思決定支援推奨の判定に用いられ得るさらなるタイプのデータは、より古い履歴の測定されたグルコース値を用いる。1つの場合において、また、上記のように、グルコース値のパターンが判定され、および用いられて、ベースラインを通知され得、そこから、例えば、ベースラインからの顕著な逸脱を構成し得るエクスカーションが測定される。パターンデータは、部分的に時間ベースまたは時間帯ベースであり得るが、必ずしもそうであるとは限らない。特に、ユーザは、摂食、睡眠、運動、またはグルコースレベルに影響を与える可能性のある他の活動(このような活動は、特定の時間帯に発生する)に基づいて、非常に規則的なパターンに従うことが多い。これらは、エクスカーションが正常レベルの外側で予想されるかどうかを判定する際に有利に用いられ得る。時間帯によってパターンが確認される場合、判定された意思決定支援推奨は、より予測的で信頼性があり得、より有用なフィードバックを提供することができる。このようなパターンデータは、概して、格納されているグルコース値の分析を介して利用可能になる。
【0143】
例えば、ユーザは、一般に、午後よりも朝の方が低いグルコース値を経験する場合がある。意思決定支援モジュールは、このパターンに適応して、朝はより低い測定値を、午後はより高い測定値を予想し得る。同様に、ユーザは、典型的に、朝にオートミールの食事を取り、したがって、グルコース値のスパイクを引き起こす場合がある。意思決定支援モジュールは、毎朝ほぼ同じ時間におけるそのような食事がパターンを構成すると判定し得、単純に考慮され、したがって意思決定支援推奨を必要としない場合がある。したがって、ベースラインのパターン化された値を考慮すると、スパイクの分析でまったくスパイクとラベル付けされなくなる。当然ながら、他の要因が意思決定支援推奨の計算に影響を及ぼし、それらは、組み合わせとして、意思決定支援推奨を行う必要があると判定する場合がある。
【0144】
ユーザの睡眠パターンがわかっているか、意思決定支援モジュールによって判定できる場合は、例えば、睡眠前または夕食と睡眠との間に食べることができる食物のタイプを提案する推奨をユーザに提示することができる。摂食および睡眠について本明細書のその他の箇所で開示されているが、パターンは、会議、仕事、運動などの他のイベントについて、意思決定支援推奨の判定において認識または生成され、用いられ得ることが理解されるであろう。時間帯情報は、サーバからのものなど、任意のクロック回路もしくはアプリケーションから、またはモバイルデバイスもしくはセンサ電子機器からキャプチャされ得る。パターンは、1日、1週間、または1か月のサイクル中など、あらゆる種類の周期で発生する、検出されたイベントに基づき得る。そのようなデータは、一般に、格納されているグルコース値の分析を介して利用可能になり、様々なパターン認識ソフトウェアアプリケーションを有利に用いることができる。場合によっては、パターンが検出され得、ユーザは、パターンの特定の原因、例えば、普段の食事時間、通常の時間に発生する運動クラスなどがあるかどうかを判定するようにプロンプトされ得る。このようなプロンプトは、意思決定支援モジュールが機械学習を使用して、所与のユーザの毎日の、または他の周期的なパターンまたは行動を判定するときに特に使用され得る。
【0145】
これと同じように、認識されたパターンの外側の逸脱は、同様のユーザプロンプトを引き起こし得る。例えば、逸脱によって、意思決定支援モジュールがユーザに「何を変えましたか?」と尋ね得る。これは、例えば、失敗したボーラス対不十分なボーラスの分析および曖昧さ回避を可能にし得る。
【0146】
このようなパターンデータは、予期される推奨さえも提供し得る。例えば、パターンデータを用いて、過去の履歴データに基づいて、グルコースレベルがどこに向かっているのかをユーザに提案することができ、その結果、意思決定支援推奨が行われ得る。例えば、意思決定支援モジュールは、「もうすぐ午後2時です。午後2時に低いことが多いようです。Xを確認し、可能なアクションYを取って下さい」などの警告を送信することができ、ここで、Xはグルコースレベルなどのユーザが理解できる変数であり、Yは現在判定されている意思決定支援推奨を考慮して取る適切なアクションである。
【0147】
また、正常なグルコースパターンからの逸脱に関連する他のタイプのデータが用いられ得るが、それらは必ずしも時間ベースではないことが理解されるであろう。これには、運動(例えば、動きまたは心拍数によって検出される)が通常グルコースレベルの低下と関連付けられている場合が含まれ得る。「正常なグルコースパターン」は、既知のパターン認識アルゴリズムを使用して、特定のユーザについて学習され得る。次に、そのような正常のパターンからの逸脱が定義され、意思決定支援推奨の判定への入力として用いられ得る。場合によっては、基準外の血糖イベントは、少なくとも部分的には、イベントの予想しない性質のために、より高いリスク状態の予測因子であり得、これは、ユーザへの異なるタイプの出力、すなわち、モバイルデバイスのディスプレイでレンダリングされる異なるタイプの推奨、またはインスリン送達デバイス、すなわち、ポンプへの出力を要求し得る。このようにして、非時間ベースのパターンを扱うという問題に効果的に対処することができる。
【0148】
グルコース値、または経時的に測定されたグルコース値に基づく他のタイプのデータも理解されるであろう。例えば、最近の期間、例えば、6時間にわたるグルコーストレースを用いて、現在の意思決定支援推奨の計算または判定を通知することができる。
【0149】
グルコース値に基づかない他のタイプのデータが、意思決定支援推奨の判定に用いられてもよい。このようなデータのタイプの第1のカテゴリは、他のセンサまたはソースからのデータに基づくもの、またはユーザが入力したものである。例えば、データは、例えば、BMIまたは体重などの身体測定値に対応する人体測定データを含むタイプのものであり得る。人体測定データは、II型糖尿病患者にとって特に重要であるが、I型に対してもある程度の影響があり得る。特に、II型糖尿病患者にとって、人体測定値の変化は、意思決定支援推奨の判定に顕著な影響があり得る。例えば、II型患者のBMIの改善は、他のすべての側面が同じならば、平均してより良い意思決定支援推奨につながるはずである。人体測定データの測定値は、例えば、接続された体重および身長計を介して半自動的にキャプチャされ得るか、または、そのようなBMI計算の値を、例えば、モバイルデバイスのユーザインターフェースで、ユーザが手動で入力することができる。また、測定値は、クラウドを含む他のシステムからインポートされてもよい。このようにして、人体測定データに関係なく、すべてのユーザを同じに扱うという問題に効果的に対処し、解決することができる。
【0150】
意思決定支援推奨の判定に用いられ得る別のタイプのデータは、ユーザの活動レベル、特に活動の量、活動のタイプ、および活動の持続時間(またはこれらの組み合わせ)に関するデータである。特に、ユーザの活動レベルの定量化は、一般に、グルコース値の傾向のより良い理解を提供することができる。活動情報は、意思決定支援推奨の判定に送り込まれ得、特定の意思決定支援推奨が行われた理由に関する追加情報を受け取ることを望むユーザに提示するのにも役立ち得る。これはまた、ユーザが糖尿病を管理するのを支援するためにどのような種類の質問をすることができるかを判定するために用いられ得る。
【0151】
活動レベルの測定は、加速度計、GPSデータ、または場所を示すWiFiデータを介しておこなわれ得る。多くのモバイルデバイスは、例えば、歩数を数えることができ、より一般的には、モバイルデバイスのユーザが静止しているか、歩いているか、走っているか、運転しているかどうかなどを判定することができる。このようなデータ、例えば、走った距離、歩いた距離、または自転車に乗った距離は、手動でも入力され得ることが理解されるであろう。
【0152】
関連するタイプのデータは、運動に関する情報であり、これは一般に糖尿病患者にとって有益であり、高血糖症および低血糖症の予防に役立つだけでなく、インスリン送達の管理も支援することができる。しかしながら、運動は糖尿病に長期的な影響を与えることがあり、特定のユーザでは数時間後に重度の低血糖症を引き起こす可能性がある。したがって、この長い時間差のために、運動を低血糖症の原因として特定することが困難な場合がある。上記の測定デバイスを使用するなどして、運動を正確に検出できる場合は、予測分析を用いて、それがグルコース値に影響を及ぼし始め得る時期を予測し、したがって、意思決定支援モジュールによって推奨され得る治療的介入を必要とし得る、関連付けられたリスク状態を予測することができる。例えば、意思決定支援モジュールは、特にセッション中の労作レベルが特に高い場合、運動セッションの前または直後に、ユーザが軽食を食べることを推奨し得る。あるいは、または加えて、運動がインスリン感受性を変化させる可能性があるため、次の数時間にわたってインスリンの摂取量を減らすための推奨が提示される場合もある。運動は、一般に、活動を監視するために用いられる同じタイプのデバイスを使用して監視され得、運動の持続時間、運動のタイプ、燃焼カロリーの量などのパラメータを含み得る。このようなデータは手動でも入力され得ることが理解されるであろう。
【0153】
さらに関連するタイプのデータは、睡眠情報に対応する。特に、糖尿病のユーザは、睡眠中に検出されない低血糖イベントを経験する可能性がより高いことが知られている。動き、またはその欠如、および他の要因を用いて、睡眠を検出し、それに応じてリスクを評価することができる。他の要因には、例えば、心拍数、ユーザ入力などが含まれ得る。監視デバイス、例えば、意思決定支援モジュールを実行するモバイルデバイスは、睡眠の検出を支援するために用い得る、ユーザによってインスタンス化可能である「夜間モード」特徴またはモジュールを備え得る。そのような目的のための動き検出は、例えば、身体に装着された加速度計を使用することによって、上記のように実行され得る。例えば、CGMセンサまたは送信器が、そのような加速度計または他の動き検出回路を組み込んでいてもよい。ユーザに隣接して置かれた電話機または他の動き検出器が、ここでも睡眠を示す、ユーザが動く頻度を検出することができる。場合によっては、アラームシステムの動き検出器を用いて、そのような情報およびデータを提供することができる。心拍数モニタが、ユーザの心拍数の変化を測定できる。モバイルデバイスのユーザインターフェースを用いて、睡眠状態の検出を支援することもできる。例えば、ボタンの押下、スワイプ、または他の同様の対話によって判定されるように、ユーザがモバイルデバイスとまったく対話していない場合、それは睡眠状態と関連付けられるか、もしくは一致し得、またはこのことは、意思決定支援モジュールによって、そのような状態と関連付けられていると学習され得る。逆に、ユーザがモバイルデバイスと対話している場合、ユーザは眠っていないと見なされ得る。意思決定支援モジュールを実行しているモバイルデバイスが「睡眠モード」機能を備えている場合、ユーザはそれをアクティブ化することができ、その場合、睡眠または睡眠検出についての仮定は不要である。
【0154】
このような「睡眠モード」、「夜間モード」、または睡眠検出機能は、特定の実装形態において多くの利点を提供することができる。特に、日中よりも夜間の血糖イベントにより高いリスク状態を割り当てることにより、システムは、ユーザが糖尿病のリスク状態に気付かない可能性が高く、したがって、血糖イベントは異なる方法で処理する必要があることを理解する。このようにして、睡眠中のユーザの不注意の問題、すなわち、睡眠中に遭遇するグルコースのエクスカーション値に効果的に対処することができる。
【0155】
意思決定支援推奨の判定に用いることができるデータのタイプの別のカテゴリは、生理学的データに対応する。このような生理学的データタイプの1つには、水分補給情報が含まれる。特に、脱水症は高い血糖レベルと関連付けられていることが多い。したがって、それを用いて、意思決定支援推奨の判定をさらに通知することができる。水分補給情報は、例えば、Garmin(商標)Connectシステムと組み合わせたTanita BC-1000身体組成モニタから受け取ることができる。このようなデータは、少なくとも定性的なレベルで、手動でも入力され得ることが理解されるであろう。
【0156】
別のそのような生理学的データタイプには、心拍数情報が含まれる。心拍数は、運動を示すこともできれば、ストレスなどの他の要因を示すこともできる。心拍数またはその変化が運動または他の活動によるものである場合、それを上記の活動モニタを用いて定量化することができる。あるいは、心拍数は、心拍数モニタまたは他のアプリケーションから無線で通信されてもよい。別の実装形態では、ユーザがそれを、「高心拍数」、「正常心拍数」などの指標、またはユーザがそれを測定できる場合は定量値を使用して、手動で入力することができる。
【0157】
別のそのような生理学的データタイプには、血圧情報が含まれる。特に、糖尿病の血管への影響は高血圧のリスクを高める傾向がある。したがって、それを監視することは有用であり得、意思決定支援推奨の判定に要因として含めることができる。様々な身体装着型血圧モニタが利用可能であり、有線または無線方式で、意思決定支援モジュールを実行しているデバイスに血圧データを通信することができる。あるいは、ユーザは自分の血圧を測定し、それを手動でデバイスに入力してもよい。
【0158】
さらなる生理学的データタイプには、体温が含まれる。体温は、病気の指標であることが多く、病気は、次に、糖尿病のリスク状態、したがって、意思決定支援推奨に影響を与える可能性がある。例えば、体温および/または基礎疾患によって、様々な入力または治療に対する血糖反応が、他のユーザにおいて予想されるもの、または同じユーザにおいて履歴的に予想されるものとは異なる場合がある。
【0159】
体温データタイプは、センサパッチに温度センサを導入するか、他のそのような体温計を使用することによってキャプチャされ得る。このタイプおよび他のタイプの体温モニタは、2013年1月23日に出願され、US2014/0005508A1として公開され、「DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS TO COMPENSATE FOR EFFECTS OF TEMPERATURE ON IMPLANTABLE SENSOR」と題され、本出願の譲受人が所有し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/747,746号に見出され得る。温度情報はまた、定性的または定量的に手動で入力されてもよい。
【0160】
意思決定支援推奨の判定に用いられ得る別のタイプのデータは、コンテキストおよび行動情報である。特に、そのような情報は、患者がモバイルデバイスをどのように使用するかに対応し得、したがって、デバイスによって判定された特定のデータにコンテキストを与える。行動入力情報は、システムを介して取得することができ、対話の量、グルコースアラート/アラーム状態、センサデータ、画面ヒットの数、アラーム分析、イベント(例えば、ユーザの反応と関連付けられた特性、反応までの時間、反応と関連付けられた血糖制御、アラームと関連付けられたユーザフィードバック、X分以内にアラート/アラームを認識しないこと、アラート/アラームを認識するまでの時間、アラート状態の時間など)、糖尿病管理データ(例えば、CGMデータ、インスリンポンプデータインスリン感受性、パターン、活動データ、カロリーデータ)、脂肪酸に関するデータ、運動時の心拍数、IgG-抗グリアジン、皮膚パッチセンサからのストレスレベル(汗/発汗)、遊離アミノ酸、トロポニン、ケトン、アジパネクチン、発汗、体温などを含み得る。入力は、監視デバイスとデータ通信するセンサによって提供され得る。いくつかの実装形態では、情報は、リモートデータストレージなどの仲介物を介して取得され得る。
【0161】
意思決定支援推奨を判定するための入力として提供され得るコンテキスト情報には、人の生物学、場所、センシング環境(例えば、光、音のレベル)、環境データ(例えば、天気、温度、湿度、気圧)が含まれる。入力は、ピアツーピア、またはマシンツーマシン通信を介したメッシュネットワークを介して受信することができる。コンテキスト情報には、カレンダアプリケーションから取得した日課情報(特に平日と週末とで変更し得る)が含まれ得る。コンテキスト情報には、監視デバイスの感知された動きに基づいて、デバイスと対話していなくても、デバイスに触れたりつかんだりする頻度が含まれ得る。
【0162】
写真はコンテキスト情報を提供することができる。例えば、グルコースメータの測定値、インスリンペンもしくはポンプJOB、場所(例えば、ジム、公園、家、イタリアンレストラン)、または食事のうちの1つ以上の写真を使用して、コンテキスト情報を提供することができる。写真は、例えば、写真に示されている食事のカロリー摂取量を特定するために処理され得る。使用されるインスリンのタイプも、意思決定支援推奨の判定への有用な入力として監視システムに提供され得る。コンテキストは、監視デバイスに提供されるか、または監視デバイスによって判定される基礎設定またはボーラス設定によっても提供され得る。
【0163】
コンテキスト/行動データを構成する意思決定支援推奨の判定への他の入力には、フィットネスバイクなどからの運動情報、血糖(BG)メータまたはCGMからのグルコースセンサ情報、インスリン送達デバイスからのインスリン送達量、デバイスのインスリンオンボード(insulin on board)計算、および他のデバイスが提供または計算した情報など、非コンテキスト/行動入力についてその他の箇所で参照されるデータタイプが含まれ得る。意思決定支援推奨の判定への他のコンテキスト/行動データ入力には、水分補給レベル、心拍数、標的心拍数、内部温度、外気温、外気湿度、身体内の分析物、水分補給入力、パワー出力(サイクリング)、発汗率、ケーデンス、および、アドレナリンレベル、ストレス、疾病/病気、新陳代謝率/カロリー燃焼率、脂肪分解率、現在の体重、BMI、望ましい体重、1日あたりの標的カロリー(消費)、1日あたりの標的カロリー(拡張)、場所、お気に入り食物、および労作のレベルが含まれ得る。
【0164】
上記で参照された行動またはコンテキスト入力のうちのいずれについても、システムは、入力に基づいて分析メトリックを受信および/または生成するように構成され得る。例えば、複合値が、ユーザについてのグルコースレベル、温度、および指数値を生成したデータの時間に基づいて生成され得る。次に、複合値は、意思決定支援推奨の判定で考慮され得る。
【0165】
この情報は、加速度計、GPS、カメラデータなど、デバイス内外の様々なセンサや、睡眠周期アプリケーションを含む第三者の追跡アプリケーションから収集され得る。例えば、そのような追跡アプリケーションは、ジオロケーションを用いて、コンテキストおよび行動を判定し得る。さらに、コンテキストおよび行動はまた、ユーザに関して利用可能なソーシャルネットワーキング情報を使用して判定され得、ユーザと関連付けられたソーシャルネットワーキングフィードは、意思決定支援モジュールにデータのソースを提供するように、および/またはそれに出力を提供するように構成されている。
【0166】
意思決定支援推奨の判定に用いられ得る他のタイプのデータには、摂取した食物および飲料、ならびにインスリンに関する情報が含まれる。これらのデータタイプに関連する変数またはパラメータには、それらの量、それらのタイプ、ならびにそれらが受信された時間および持続時間に関する情報が含まれ得る。
【0167】
食事で摂取される食物および飲料の場合、これらは、多くの方法で、例えば、ユーザがデバイスに食物および飲料の情報を、例えば、スプレッドシート上に手動で入力するか、モバイルデバイスのカメラを使用して、食事の写真をキャプチャするか、または、例えば、所与のレストラン(アプリケーションにデータがすでに入力されている)の食物項目が消費されるにつれて「チェックオフ」されて、判定に入力されることを可能にし得る第三者の食物アプリケーションからのデータを入力することによって、キャプチャされ得る。場合によっては、例えば、デバイスがグルコースレベルのスパイクを検出した場合、ユーザはそのような情報についてプロンプトされ得る。食事データは、ユーザが既知のお気に入りのレストランの近くにいる、または「チェックイン」したことを示すGPSまたはソーシャルネットワーキングデータを使用して仮説を立てることもできる(ユーザによる確認が必要)。ユーザは、「通常の食事」を注文したことを確認するようにプロンプトされ得、次に、食物データにその食事のパラメータが自動的に投入されるか、または、代替的に、ユーザが通常のオプションから逸脱した場合は、プロンプトが他の食物の選択肢を入力する機会を提供し得る。一般に、食事データは、摂取量、摂取時間、および意思決定支援推奨の臨床的に重要な判定を可能にする他の食事データなどの詳細とともに提供され得る。そのような情報を使用して、それ(および他の要因)の欠如に基づいて糖尿病治療が現在遭遇している問題に効果的に対処することができる。
【0168】
場合によっては、摂取した食物および飲料などの、意思決定支援推奨の判定への入力は、ユーザが手動で入力データを入力する必要が無く、第三者アプリケーションからのデータを自動的に集約することによって取得することができる。例えば、ユーザが表示デバイス上で第三者アプリケーションまたはwebブラウザを使用して、例えば、レストランにチェックインしたり、受け取りや配達のために食物を注文したり、Instagramの食物の投稿の写真をクリックしたりすると、この情報が、表示デバイス上のCGMアプリケーションに提供され得る。この入力データは、意思決定支援推奨アルゴリズムによって使用され、関連するコンテキスト情報および洞察がユーザに提供され得る。例えば、ユーザが以前に訪れたレストランにチェックインし、このデータがCGMアプリケーションに自動的に提供されると、このデータは他の利用可能なデータと相関されて、ユーザに、例えば、最後にこのレストランで食事をしたときの平均グルコースレベルは189mg/dlであったことを忠告することができる。このようにして、CGMアプリケーションに同じ情報を入力するように要求することによって、ユーザに追加の負担をかけることなく、ユーザの既存のアプリケーションの利用から情報を取得することができる。このようなアプリケーション間通信は、CGMアプリケーションと、スマートウォッチまたはフィットネストラッカなどの他のデバイスと関連付けられている第三者アプリケーションとの間でも発生し得る。
【0169】
意思決定支援推奨の判定に要因として含められ得る別の変数またはパラメータは、インスリンのレベルである。データは、統合されたインスリンポンプから、またはクラウド内のEMRから直接提供され得る。このようなデータには、インスリンオンボード(insulin on board)の量、インスリン感受性、ならびに過去、現在、および将来の計画された基礎レベルおよびボーラスレベルに関する情報が含まれ得る。データは、センサデータもしくは他の電子的に通信されたデータによって取得され得るか、またはユーザ入力によって提供され得る。このデータから取得され得る情報の1つのタイプは、インスリンボーラスと食事のピークとの間の時間を含み、これは、インスリン情報およびグルコース情報を使用して判定することができる。
【0170】
意思決定支援推奨の判定に用いられ得るさらなるタイプのデータは、ストレスレベルに対応する。特に、ストレスは糖尿病に影響を及ぼし、したがってユーザのリスク状態に影響を及ぼすことが知られている。このようなデータはセンサを介して提供され得る場合もあるが、様々な顔文字または他の感情の指標からユーザに選択を求めることでキャプチャされる場合もある。これは、ユーザのカレンダ上のイベントまたは他の定期的にスケジュールされた活動、例えば、仕事、運動、家族の時間などの分析によって、他のソースから推測することもできる。ストレスデータには、ストレスの量、ストレスのタイプ、およびストレスが持続した時間に関する情報が含まれ得る。
【0171】
意思決定支援推奨の判定に用いられ得る関連するタイプのデータは、現在の感情状態と重複し得る現在の健康状態に対応する。このような測定値は、ストレスに関して上記と同じ種類の顔文字を使用することを含む、デバイスを介して手動でキャプチャされ得るか、またはクラウド内の情報からインポートされ得る。現在の健康状態および感情は、人体測定データと同様に、特にII型グルコース制御およびインスリン抵抗性に顕著な影響を与えることが知られている。健康状態データには、現在の病気、病気の重症度、ユーザが病気に罹患している期間などに関する情報が含まれ得る。
【0172】
年齢または性別などの人口統計データも用いることができる。特に、人口統計データは、オンラインストア、ネットワーク、またはクラウドソースから収集されるか、デバイスに手動で入力され得、意思決定支援推奨の判定に有用な情報を提供し得る。例えば、小児科のユーザは、より速く、かつより高い血糖スイングを起こしやすいことが知られている。別の例として、特に高齢のユーザにおいて、また、特にII型糖尿病のユーザのリスク状態は、同じ血糖エクスカーションを有する若いユーザと比較して、特定の血糖エクスカーションを有するスク状態がより高くなり得ると考えられている。
【0173】
意思決定支援推奨の判定に用いられ得る別の要素は、センササイトの場所である。特に、場合によっては、CGMセンサのサイトまたは場所は、そのような場所に関して血糖レベルの維持された区別につながり得る。これらの区別は、意思決定支援推奨の判定に要因として含まれ得る。このようなデータは、概して、ユーザが手動で入力するが、それが定期的であり、したがって、明確な判定を行うことができる場合は、そのようなユーザ入力を回避するために履歴データを用いてもよい。センササイトの場所の使用に関する追加の詳細は、2013年11月14日に出願され、「INDICATOR AND ANALYTICS FOR SENSOR INSERTION IN A CONTINUOUS ANALYTE MONITORING SYSTEM AND RELATED METHODS」と題された米国特許出願第61/904,396号、および同出願に優先権を主張し、本出願の譲受人が所有し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第9,480,401号に見出され得る。
【0174】
意思決定支援推奨の判定に影響を与え得る別の要因は、既知である場合、血糖レベルの上昇または減少の原因である。これに関して、グルコースレベルのいくつかの変化はストレスによってもたらされ、他の変化は食物摂取によってもたらされることに留意されたい。このようなデータは、意思決定支援モジュールへの入力の前に、前処理されるかもしくは前もって関連付けられ得るか、または入力中に関連付けられ得る。例えば、食物データをグルコースレベルと組み合わせて処理して、グルコースの上昇が食物からもたらされたのか、ストレスなどの別の原因からもたらされたのかを判定することができる。このようなデータを使用することで、このような原因および影響を考慮しないことで過去に見られた問題に効果的に対処することができる。
【0175】
グルコース値(および導関数データ)は、信号品質、信頼水準などに基づいて、意思決定支援モジュールによって重み付けされ得る。これは、概して、センサ電子機器からの信号データの分析に基づいて、電子デバイスによって自動的に実行される。しかしながら、上記の変数またはパラメータのうちのいずれかが、重み付けされた方式で意思決定支援推奨の計算に入力され得、この場合、重み付けは、例えば、加速度計、体重計などの基礎となるセンサからの信号分析によって、または例えば、医師もしくは患者から手動で入力されたデータを使用することによって自動的に実行される。
【0176】
説明したデータのタイプの概要を以下の表Iに示す。特定のパラメータおよび変数は、2つ以上のデータカテゴリで発生することに留意されたい。
【0177】

【表1-1】
【表1-2】
【0178】
図7は、上で論じたパラメータおよび変数の一般的な使用法を示すフローチャート40を示している。第1のステップでは、糖尿病などの病気と関連付けられた複数の入力が受信され、入力は、測定され得るか、ユーザによって入力され得るか、または、別の方法で、例えば、クラウドもしくは他のソースを介して取得され得る変数またはパラメータに対応する(ステップ272)。次に、受信した入力に基づいて意思決定支援推奨が計算される(ステップ274)。意思決定支援推奨は、以下に説明するように、いくつかの方法で判定または計算することができる。次のステップは、出力などの意思決定支援推奨の指標を提供することである(ステップ276)。出力は、例えば、CGMアプリケーションを実行するモバイルデバイスのディスプレイまたは他のユーザインターフェース上に提示され得る。あるいは、または組み合わせて、様々なタイプの高度な出力(意思決定支援推奨処理に関する追加の処理または追加の詳細(例えば、入力に関する情報)も提供され得る(ステップ282)。いくつかの実装形態では、判定された意思決定支援推奨は、薬剤用の統合ポンプを駆動するように機能し得る(ステップ275)。
【0179】
図8は、意思決定支援推奨を判定するために使用され得る、時間の関数としての様々な入力データ項目のグラフを示す。図を簡単にするために、単一の入力パラメータのみが提示されており、この場合、測定されたグルコースレベルであり、x軸とy軸に沿ったトレース283で表され、ここで、x軸は時間を示し、y軸はグルコースレベルを示す。示されるように、追加の入力は、より複雑な例では、トレース283は、意思決定支援モジュールが意思決定支援推奨を判定するために使用し得る一連の異なる入力を考慮に入れる多次元トレースであり得ることを示すために、z軸に沿っているものとして示される。このような入力の例は、上で論じられている。
【0180】
図8に見られるように、領域Iでは、ユーザは最初は高血糖状態にあり、低から中の範囲のGUIを有している。領域IIでは、期間Δtにわたって、グルコース値が、高血糖値の範囲(例えば、180~400mg/dL)293を占有しているのが見て取れる。時間Δtが所定の閾値を超え、図8の場合がそのように想定している場合、意思決定支援モジュールは、時間tにおいて、高血糖イベントを緩和するためにインスリンのボーラスを注射するように推奨をユーザに提示し得る。領域IIIでは、期間Δtの遅延の後、グルコース濃度が減少し始める。領域IVは、何らかの理由でグルコース値にノイズが発生している領域を示し、したがって、低信頼水準が、信号のそのセクションと関連付けられ得る。したがって、意思決定支援モジュールは、センサの配置、センサとモバイルデバイスとの間の通信リンクの品質などをチェックするなど、ノイズを低減するために取られ得る潜在的なアクションを提案する推奨を、時間tにおいて、ユーザに提供する。さらに時間に沿って続けると、領域VIIは、ユーザが軽度の高血糖状態に向かっていることを示し、したがって、意思決定支援モジュールは、グルコースレベルの傾向、ならびにユーザの最近の活動レベルおよび運動パターンの知識に基づいて、時間tにおいて、ユーザが運動をするべきであると提案する推奨を行う。
【0181】
意思決定支援モジュールへの入力の信頼性に基づく安全モジュール
前に言及したように、どの意思決定支援推奨が行われても、特にそれらが治療的介入に関与する場合、ユーザへの危害のリスクを最小限に抑えながら、可能な限り安全であることが非常に重要である。推奨が臨床的に確立されたガイドラインに厳密に準拠している場合でも、特定の推奨が実際には安全でない場合があるというリスクが依然としてある。これの潜在的な理由の1つは、意思決定支援モジュールへの入力の1つ以上が不正確であるか、または別様に信頼性が低く、それにより、ユーザの実際のまたは予測される状態または状況が誤って解釈されることにより、不適切な推奨につながるからである。特定の入力が信頼できなくなり得る理由は、入力の性質およびソース、ならびに他の様々な要因によって異なる。前に論じた一部の入力のタイプに対するこれらの要因の用例を以下に示す。
【0182】
本原理に従って、信頼性レベルまたは格付けが、意思決定支援モジュールによって使用される各入力に割り当てられ得る。割り当ては、工場で事前設定されている場合もあれば、意思決定支援モジュール自体によって、および/または意思決定支援モジュールと通信するクラウドベースのプロセッサによって用いられているアルゴリズムによって行われる場合もある。本明細書で使用される場合、信頼性という用語は、場合によっては、個々のセンサなどからの測定値と関連付けられていることが知られ得る正確さまたは精度の任意の不確実性を包含し得る。さらに、またはあるいは、信頼性という用語は、場合によっては、意思決定支援推奨を判定する際に使用される入力データ項目のうちのいずれかとユーザの糖尿病の状態との関係の任意の不確実性を包含し得る。
【0183】
信頼性レベルは、数値指標であり得、例えば、1は非常に信頼性の低い入力値を表し、5は信頼性の高い入力値を表す。あるいは、信頼性レベルは、例えば、低、中、または高レベルの信頼性を表す信頼性バケットによって定性的に分類することができる。当然ながら、当業者によって理解されるように、他の定量的または定性的信頼性指標を想定することができる。割り当てられる信頼性レベルは、信頼性の絶対レベルまたは相対レベルを反映している場合がある。場合によっては、信頼性レベルは工場で設定されていることがある。他の場合には、例えば、機械学習などの様々な分析フレームワークを使用して、所与の入力の信頼性レベルを確立するか、または最初に工場で設定されている場合がある以前に確立された信頼性レベルを変更することができる。
【0184】
信頼性レベルを判定するために使用できる1つの要因は、入力データ項目のソースである。例えば、他のすべてが同じならば、センサ、例えば、分析物センサ、温度センサなどから直接受信される入力データには、ユーザが手動で入力する入力データよりも高い信頼性レベルを割り当てることができる。同様に、他のデバイス(CGMシステムの外部)または他のアプリケーションから受信される入力データ項目は、手動で入力された入力データ項目よりも信頼性が高いものとして扱われ得る。つまり、手動で入力されたデータは、マシンツーマシン通信を通じて取得されたデータよりも信頼性が低いものとして扱われ得る。
【0185】
例えば、動きセンサ、加速度計などから取得される、運動セッション中に消費される身体活動の量は、運動セッション中に使用された労作の量の主観的な認識をユーザが手動で入力することによって取得された、消費される身体活動の量よりも信頼性が高いものとして扱われ得る。別の例として、アプリケーションを介して栄養データベースによって提供される栄養情報は、ユーザの主観的な印象および食物摂取量の推定のみから取得される栄養情報よりも信頼性が高いものとして扱われ得る。
【0186】
多くの場合、センサデータは、他の入力データソースよりも信頼性が高いと見なされるが、それでも、データは、信号品質、較正、接続性、センサの使用年数などの要因により、ある程度の不確実性の影響を受け得る。例えば、[グルコース]センサの場合、センサ信号にノイズが多い場合、センサが最近較正されていない場合、またはセンサがまだ慣らし期間中であるもしくは予想耐用年数を超えている場合、割り当てられた信頼性レベルは低減し得る。他のタイプのセンサからの入力データの信頼性も、同様の理由で低減し得る。
【0187】
入力データの信頼性に影響を与え得る別の要因は、データが定量的であるか、または定性的であるかである。例えば、ユーザが食事の栄養情報を手動で入力する場合、他のすべてのことが同じならば、食物の一人前の量の「小」、「中」、または「大」としての指標は、例えば、オンスまたはグラムの重量で提供される一人前の量よりも信頼性が低いものとして扱われ得る。つまり、場合によっては、定量的データは、定性的データよりも信頼性が高いものとして扱われ得る。
【0188】
特定の意思決定支援推奨を生成するために使用される個々の入力データ項目に信頼性レベルが割り当てられると、個々の信頼性レベルに基づいて全体的な信頼性メトリックを割り当てることができる。例えば、全体的な信頼性は、個々の信頼性レベルの、重み付けされるかまたは重み付けされない、平均であり得る。場合によっては、個々の信頼性レベルが低すぎると見なされる場合、推奨の生成における使用から除外され得る。つまり、ゼロの重みが割り当てられ得る。いくつかの実施形態では、全体的な信頼性メトリックがある閾値を超える場合にのみ、意思決定支援推奨がユーザに提示される。場合によっては、全体的な信頼性メトリックが閾値を超える場合でも、特定の個々の入力データ項目のうちのいずれかが特定の規定値を下回る信頼性レベルを有する場合は、意思決定支援推奨はユーザに提示されない。つまり、推奨の提示は、全体的な信頼性メトリックおよび個々の信頼性レベルの分析に基づいて抑制され得る。当然ながら、全体的な信頼性メトリックの計算における多くの変形が理解されるであろう。
【0189】
推奨が十分に信頼できる入力データに基づいているかどうかを判定するために使用される閾値は、固定値である必要はない。むしろ、場合によっては、例えば、意思決定支援推奨の性質によって異なり得る。例えば、より保守的で安全であり、潜在的なリスクが少ないと分類される推奨は、潜在的にリスクが高いと分類される推奨よりも低い閾値で提示され得る。いくぶん保守的である意思決定支援推奨の分類は、任意の適切なガイドラインを使用して事前に決定することができる。さらに、特定のタイプの推奨は、他のタイプの推奨よりも本質的に保守的であるとして扱われる場合がある。例えば、場合によっては、治療的推奨は、補助的な推奨よりも保守的ではないと分類され得る。
【0190】
上で論じたように、いくつかの実施形態では、全体的な信頼性メトリックがある閾値を超える場合にのみ、意思決定支援推奨がユーザに提示される。しかしながら、他の実施形態では、全体的な信頼性メトリックがある閾値を超えない限り、意思決定支援推奨は計算さえされない。場合によっては、全体的な信頼性メトリックが閾値を超える場合でも、特定の個々の入力データ項目のうちのいずれかが特定の規定値を下回る信頼性レベルを有する場合は、意思決定支援推奨は計算されない。つまり、意思決定支援推奨の計算は、全体的な信頼性メトリックおよび個々の信頼性レベルの分析に基づいて抑制される場合がある。
【0191】
意思決定支援推奨およびこれらの推奨を生成するために使用される入力データの信頼性レベルの両方、全体的な信頼性指標、ならびに意思決定支援推奨が計算もしくはユーザに提示されるかどうか、およびいつ計算もしくはユーザに提示されるかを判定するために使用される閾値、を判定するために様々な数学的フレームワークのうちのいずれかを用いることができる。例えば、前に言及したように、場合によっては、機械学習技術を用いてもよい。このような技術を、現場での使用から収集された母集団データに使用して、安全性モジュールのパフォーマンスを周期的に反復的に改善することができる。これは、まれにしか発生しないため、臨床試験で特定することが難しい、信頼性のエラーおよび不確実性の特定の原因を特定するのに特に有利であり得る。
【0192】
用いられ得る他の数学的フレームワークには、経時的にユーザの側面を学習する適応学習、以前の入力データに基づいて現在の入力データの信頼性を定量化するベイズ分析、およびイベントが発生する尤度を判定する決定融合方法が含まれる。加えて、ヒューリスティック技術を分析フレームワークに適用して、過去の経験に基づいて推奨を発展させることもできる。このようなヒューリスティックソリューションの開発では、MPC、if/then論理、エキスパートシステム、ロジスティック回帰、ニューラルネットワーク、ファジー論理、重み関数、および回帰モデルの使用などの関連技術を用いることができる。
【0193】
いくつかの実施形態では、表示デバイス上に常駐している連続グルコースアプリケーション(例えば、図4の連続グルコースアプリケーション209)は、アプリケーションおよび表示デバイス(そのハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)が正しく動作していることを確かめるようにユーザに周期的にプロンプトし得る。表示デバイスはユーザによって供給される場合があり、一般に、医療デバイスの規格および仕様を満たさないため、これは重要である。例えば、電源、ディスプレイ、筐体、およびソフトウェアなどの表示デバイスの構成要素は、一般に、医療グレードではない。アプリケーションによってユーザに提供されるプロンプトは、表示デバイスが動作上完全であることを確認するためのフィードバックとして使用され得る。例えば、場合によっては、表示デバイスの動作の特定の態様は、サンプルのデフォルト傾向画面、サンプルの警告画面、サンプルの意思決定支援推奨画面、サンプルの較正画面、および/またはサンプルの患者記録画面などの様々な画面をユーザに提示することによってテストされ得る。次に、ユーザは、CGMアプリケーションが表示デバイス上で使用可能となる前に、画面およびその中のデータの品質および精度に関する質問に答えるようにプロンプトされ得る。
【0194】
開示されているのは、糖尿病の状態から生じる合併症のリスクを低減し、代謝制御を改善するために、糖尿病の状態を監視するユーザに提示することができる意思決定支援推奨を判定するためのシステムおよび方法である。所与の意思決定支援推奨を判定するために使用される個々の入力データ項目の信頼性と、入力データ項目の全体的な信頼性とを判定し、信頼性レベルに基づいて、所与の意思決定支援推奨がユーザに提示されるべきかどうかを判定するためのシステムおよび方法も開示されている。意思決定支援推奨と、入力データ項目の信頼性とを判定するための様々な方法が開示されている。
【0195】
図に示されている要素間の接続は、例示的な通信経路を示している。要素間での情報交換をさらに容易にするために、直接または仲介物を介した追加の通信経路を含めてもよい。通信経路は、要素が情報を交換できるようにする双方向通信経路であってもよい。
【0196】
本明細書で使用される場合、「判定すること」という用語は、様々なアクションを包含する。例えば、「判定すること」には、計算、コンピューティング、処理、導出、調査、検索(例えば、表、データベース、または別のデータ構造内での検索)、確認などが含まれ得る。また、「判定すること」には、受信(例えば、情報の受信)、アクセス(例えば、メモリ内のデータへのアクセス)などが含まれ得る。また、「判定すること」には、解決、選択(selecting)、選択(choosing)、確立などが含まれ得る。
【0197】
本明細書で使用される場合、「メッセージ」という用語は、情報を送信するための様々なフォーマットを包含する。メッセージには、XML文書、固定フィールドメッセージ、コンマ区切りメッセージなどの機械可読な情報の集合が含まれ得る。いくつかの実装形態では、メッセージには、情報の1つ以上の表現を送信するために利用される信号が含まれ得る。単数形で記述されているが、メッセージが複数の部分で構成/送信/格納/受信などされ得ることが理解されるであろう。
【0198】
上述の方法の様々な動作は、様々なハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素(複数可)、回路、および/またはモジュール(複数可)など、動作を実行できる任意の適切な手段によって実行されてもよい。概して、図に示されているいずれの動作も、動作を実行できる対応する機能的手段によって実行されてもよい。
【0199】
本開示に関連して説明される様々な例証的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ信号(FPGA)もしくは他のプログラマブルロジックデバイス(PLD)、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア構成要素、またはここで説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせで、実装されるか実行されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサでもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の市販のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンでもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装されてもよい。
【0200】
1つ以上の態様では、説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令またはコードとして格納または送信されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体との両方を含む。記憶媒体は、コンピュータからアクセスできる任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または命令もしくはデータ構造の形式で所望のプログラムコードを伝達または格納するのに使用できかつコンピュータからアクセスできる任意の他の媒体を含むことができる。また、いずれの接続も、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、またはその他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、マイクロ波などの無線技術が媒体の定義に含まれる。本明細書で使用される場合、ディスク(disk)とディスク(disc)には、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、およびブルーレイ(商標)ディスクを含み、ここで、ディスク(disk)は通常磁気的にデータを再生するが、ディスク(disc)はレーザで光学的にデータを再生する。したがって、いくつかの態様では、コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、有形媒体)を含んでもよい。加えて、いくつかの態様では、コンピュータ可読媒体は、一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、信号)を含んでもよい。上記の組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0201】
本明細書で開示される方法は、説明された方法を達成するための1つ以上のステップまたはアクションを含む。本方法のステップおよび/またはアクションは、特許請求の範囲から逸脱することなく互いに交換されてもよい。言い換えれば、ステップまたはアクションの特定の順序が指定されない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく修正されてもよい。
【0202】
特定の態様は、本明細書に提示される動作を実行するためのコンピュータプログラム製品を含んでもよい。例えば、そのようなコンピュータプログラム製品は、命令が格納(および/または符号化)されるコンピュータ可読媒体を含んでもよく、命令は、本明細書に記載の動作を実行するために1つ以上のプロセッサにより実行可能である。特定の態様では、コンピュータプログラム製品は包装材料を含んでもよい。
【0203】
ソフトウェアまたは命令は、伝送媒体を介して送信してもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、またはその他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、マイクロ波などの無線技術が伝送媒体の定義に含まれる。
【0204】
さらに、本明細書に記載の方法および技術を実行するためのモジュールおよび/または他の適切な手段は、ユーザ端末および/または基地局によって適宜ダウンロードおよび/または別の方法で取得できることを理解されたい。例えば、そのようなデバイスは、本明細書で説明される方法を実行するための手段の転送を容易にするためにサーバに結合され得る。あるいは、本明細書で説明する様々な方法は、記憶手段(例えば、RAM、ROM、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクなどの物理記憶媒体など)を介して提供することができ、ユーザ端末および/または基地局は記憶手段をデバイスに結合または提供すると、様々な方法を取得することができる。さらに、本明細書に記載の方法および技術をデバイスに提供するための任意の他の適切な技術を利用することができる。
【0205】
特許請求の範囲は、上に示した正確な構成および構成要素に限定されないことを理解されたい。特許請求の範囲から逸脱することなく、上記の方法および装置の配置、動作、および詳細において、様々な修正、変更、および変形を行うことができる。
【0206】
特に定義しない限り、全ての用語(専門用語および科学用語を含む)は、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるべきであり、本明細書でそのように明示的に定義されない限り、特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。本開示のある特定の特徴または態様を記載するときの特定の用語の使用が、その用語が本明細書で再定義されて、その用語が関連する本開示の特徴または態様の任意の特定の特性を含むように制限されていることを暗示すると解釈されるべきではないことに留意されたい。特に添付の特許請求の範囲において、本出願で使用される用語および句ならびにその変形は、特に明記されない限り、限定的とは対照的に非限定的と解釈されるべきである。上記の例として、「含む」という用語は、「制限なく含む」、「含むが、これらに限定されない」などを意味すると解釈されるべきであり、「備える」という用語は、本明細書で使用される場合、「含む」、「含有する」、または「特徴とする」と同義的であり、包括的または非限定的であり、追加の列挙されていない要素または方法ステップを除外せず、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきであり、「実施例」という用語は、考察における事項の包括的または限定的なリストではなく、その例示的な例を提供するために使用され、「既知の」、「通常の」、「標準的な」、および同様の意味の用語などの形容詞は、記載される事項を所与の期間に、または所与の時点において利用可能な事項に制限すると解釈されるべきではなく、むしろ、現在または今後いかなるときでも利用可能であり得るか、または既知であり得る既知の、通常の、または標準的な技術を包含すると解釈されるべきであり、「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、または「望ましい」、および同様の意味の語などの用語の使用は、ある特定の特徴が本発明の構造または機能にとって重大、本質的、または重要でさえあることを暗示すると理解されるべきではなく、むしろ、本発明の特定の実施形態で利用されても、またはされなくてもよい代替または追加の特徴を強調することを単に意図するものと理解されるべきである。同様に、「および」という接続詞で連結された事項の群は、それらの事項の1つ1つがその群内に存在することを必要とすると解釈されるべきではなく、むしろ、特に明記しない限り、「および/または」と解釈されるべきである。同様に、「または」という接続詞で連結された事項の群は、その群間の相互排他性を必要とすると解釈されるべきではなく、むしろ、特に明記しない限り、「および/または」と解釈されるべきである。
【0207】
値の範囲が提供される場合、上限および下限ならびにその範囲の上限および下限の間の各介在値が実施形態内に包含されることが理解される。
【0208】
本明細書の実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切であるように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置換は、明確にするために本明細書において明示的に記載され得る。不定冠詞「a」または「an」は、複数形を除外しない。単一のプロセッサまたは他のユニットが、特許請求の範囲に記述されるいくつかの事項の機能を達成し得る。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが利益を得るために使用できないことを示すわけではない。特許請求の範囲の引用符号は、範囲を制限すると解釈されるべきではない。
【0209】
導入された請求項の記述において特定の数が意図される場合、そのような意図が、その請求項中に明確に記述され、かつそのような記述がない場合は、そのような意図が存在しないことが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の記述を導入するために、導入句「少なくとも1つの」および「1つ以上の」の使用を含み得る。しかしながら、そのような句の使用は、同じ請求項が、導入句「1つ以上の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含むときでさえ、不定冠詞「a」または「an」による特許請求項の記述の導入が、そのような導入された特許請求項の記述を含む特定の請求項を、そのような記述を1つのみ含む実施形態に制限することを暗示すると解釈されるべきではなく(例えば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきであり)、同じことが、請求項の記述を導入するために使用される定冠詞の使用にも当てはまる。加えて、導入された請求項の記述の特定の数が明示的に記述される場合でさえ、当業者は、そのような記述が、典型的には、少なくともその記述された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語句なしの「2つの記述」の単なる記述は、典型的には、少なくとも2つの記述、または2つ以上の記述を意味する)。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」に類似の慣習的表現が使用される場合、概して、そのような構造は、例えば、単独の要素を含んだ列挙した事項の任意の組み合わせを含むものとして、当業者がその慣習的表現を理解するであろうという意味で意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、ならびに/またはA、B、およびCを一緒になどを有するシステムを含むがこれらに限定されない)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似の慣習的表現が使用される場合、概して、そのような構造は、当業者がその慣習的表現を理解するであろうという意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、ならびに/またはA、B、およびCを一緒になどを有するシステムを含むがこれらに限定されない)。2つ以上の代替用語を示す実質的にいかなる離接語および/または句も、本明細書であれ、特許請求の範囲であれ、図面であれ、用語のうちの1つ、用語のうちのいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、「AまたはB」という句は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解される。
【0210】
本明細書で使用される成分の量、反応条件などを表す全ての数字は、「約」という用語によって全ての場合に修正されるものとして理解されるべきである。したがって、そうでないことが示されない限り、本明細書に記載される数値パラメータは、得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。最低限でも、かつ本出願に対する優先権を主張する任意の出願における任意の請求項の範囲への同等物の原則の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、有意な桁数および通常の四捨五入法を考慮して解釈されるべきである。
【0211】
本明細書に列挙される全ての参考文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる公開物および特許または特許出願が、本明細書に含まれる開示と矛盾する程度まで、本明細書は、任意のそのような矛盾する資料に取って代わり、かつ/または優先することが意図される。
【0212】
本明細書には、参照および様々なセクションの場所の特定を助けるために見出しが含まれている。これらの見出しは、それに関して説明される概念の範囲を制限することを意図するものではない。そのような概念は、明細書全体を通して適用可能あり得る。
【0213】
さらに、上記が明確さおよび理解の目的で例示および実施例としてある程度詳細に記載されてきたが、ある特定の変更および修正が実施され得ることが、当業者には明らかである。したがって、説明および実施例は、本発明の範囲を本明細書に記載される特定の実施形態および実施例に制限すると解釈されるべきではなく、むしろ、本発明の真の範囲および趣旨に入る全ての修正物および代替物も包含すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0214】
2 薬剤送達ポンプ
4 参照メータ
10 連続分析物センサ
12 センサ電子機器
22 クラウドベースのプロセッサ
24 ネットワーク
202 ディスプレイ
202, 204, 206 I/Oデバイス
208 プロセッサ
209 CGMアプリケーション
210 メモリ
211 意思決定支援モジュール
212 ストレージ
214 トランシーバ
222 履歴ユーザデータおよび/または外部データを有するサーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8