IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロケット フレールの特許一覧

特許7547361静菌用及び/又は殺菌用及び/又は抗真菌用の薬剤。
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】静菌用及び/又は殺菌用及び/又は抗真菌用の薬剤。
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/34 20060101AFI20240902BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240902BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20240902BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20240902BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240902BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20240902BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240902BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20240902BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
A61K31/34
A61P31/04
A61P31/10
A61P17/10
A61P17/00
A61P17/00 101
A61K8/49
A61Q19/00
A61Q15/00
A61Q5/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021557509
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-27
(86)【国際出願番号】 EP2020058678
(87)【国際公開番号】W WO2020193742
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】1903286
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1903289
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1903288
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591169401
【氏名又は名称】ロケット フレール
【氏名又は名称原語表記】ROQUETTE FRERES
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】メンティンク、レオン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルス、ダニエル
【審査官】榎本 佳予子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-527445(JP,A)
【文献】特表2014-525916(JP,A)
【文献】特開2016-027033(JP,A)
【文献】特表2018-525409(JP,A)
【文献】特表2014-521667(JP,A)
【文献】特表2018-515431(JP,A)
【文献】国際公開第2019/025730(WO,A1)
【文献】特開昭61-165318(JP,A)
【文献】国際公開第2019/106316(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/34
A61P 31/04
A61P 31/10
A61P 17/10
A61P 17/00
A61K 8/49
A61Q 19/00
A61Q 15/00
A61Q 5/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
唯一の有効成分としてイソソルビドを含有する、プロピオノバクテリウム属(Propionobacterium)ファミリーの株、及び/又はマラセチア属(Malassezia)ファミリーの株、に対する、静菌用及び/又は殺菌用及び/又は抗真菌用の薬剤。
【請求項2】
皮膚に適用される前記イソソルビドの濃度が、少なくとも1mg/cmであることを特徴とする、請求項に記載の薬剤。
【請求項3】
ざ瘡の美容上の影響の排除を促進するための、請求項1又は2に記載の薬剤。
【請求項4】
ざ瘡の美容上の影響が、炎症、又は掻痒の中から選択されることを特徴とする、請求項に記載の薬剤。
【請求項5】
過度の皮膚剥離の美容上の影響の排除を促進するための、請求項1~のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項6】
過度の皮膚剥離の美容上の影響が、炎症、又は掻痒の中から選択されることを特徴とする、請求項に記載の薬剤。
【請求項7】
頭垢の処置における治療的使用のための、請求項1~のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項8】
身体の悪臭の形成を低減又は予防するための、請求項1~のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項9】
身体の悪臭の処置における治療的使用のための、請求項に記載の薬剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、化粧品の分野に関し、より具体的には、ヒト表皮上の細菌及び/又は真菌株に好ましくは作用する、抗菌性及び/又は静菌性及び/又は殺菌性及び/又は抗真菌性の化粧料の分野に関する。好ましくは、本出願は、皮膚上の、特に、ざ瘡、頭垢蓄積及び悪臭を引き起こす、皮膚微生物叢中に存在する細菌又は真菌株の数を低減するための、又はこの目的のために既に使用されている殺菌剤の活性を増加させるための、イソソルビドの使用を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
Pilzらによる米国特許第9295626号では、イソソルビドモノエステル及び/又はジエステルに基づく殺菌性化合物の使用による化粧品、皮膚用調製物及び医薬製剤を保存するための方法が開示されている。この特許は、特に皮膚微生物叢に見出すことができる以下の株を含む多くの株(表2の27欄)に対して10%に等しいイソソルビドの最小阻害濃度を有する:アスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)。
【0003】
Stoerらによる米国特許第999300号は、同様に、特にプロピオノバクテリウム・アクネス(Propionobacterium acnes)を含む複数の細菌株の増殖を阻害することによって、化粧品組成物を保存するための殺菌剤としてのイソソルビド誘導体、この場合はエーテルの使用を開示している。
【0004】
Poppらによる米国特許第6433024号におけるざ瘡を処置するための医薬製剤において、イソソルビド又はそのアルキル誘導体は、過酸化ベンゾイルである抗ざ瘡活性剤によって誘発される刺激を低減するための保湿剤として言及されている。過酸化ベンゾイルは常に使用される活性剤であるため、ジメチルイソソルビドのみが局所製剤の例として示され、保湿剤としてのみ示されている。
【0005】
本発明により提供される解決策により、表皮の炎症を引き起こす大きな欠点を有する、又は最近発見された特定の毒性を有する、サリチル酸又は過酸化ベンゾイルである既知の溶液によって生じる問題を解決することができる。
【0006】
技術的問題
ヒト皮膚は、皮膚微生物叢を構成する常在細菌フローラによってコロニー形成される。このフローラは、ほとんどの場合、非病原性であるが、特定の異常な状況では病原性になり得る。第1の異常な状況は、汚染された環境と接触することによる、病原性外部微生物による皮膚微生物叢の汚染の状況である。第2の異常な状況は、皮膚微生物叢を構成する微生物間の相互作用における不均衡の出現の結果、1種類の微生物の増殖が他の微生物の不利益をもたらす状況である。このような増殖は、皮膚の大きな領域にわたって全般化することができ、又は、例えば、水が豊富であるか若しくはより温かい皮膚の領域、又は、例えば、毛髪の基部における腺に位置するトリグリセリドなどの、当該微生物の栄養貯蔵の存在により、例えば、顔又は頭皮上で、より局所化することができる。皮膚又は個人の健康に関する潜在的に有害な結果とは別に、これらの異常な状況はまた、美容的性質の障害、具体的には、視覚的、触覚的、又は嗅覚的な障害を引き起こし、これは個人の快適さ又はそれらのイメージに影響を及ぼし、したがってそれらの社会生活を混乱又は悪化させる可能性がある。
【0007】
細菌微生物プロピオノバクテリウム・アクネス(現在、キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)とも呼ばれる)は、ざ瘡を引き起こす。ざ瘡は、皮脂腺による過剰な皮脂分泌を特徴とする皮膚疾患である。皮脂は、毛嚢管を通って皮膚の表面に達する。皮脂の過剰な存在は、毛嚢管の通過を遮断する。これにより、皮脂が厚くなり、したがって、面皰(黒色面皰又は稗粒腫)を形成する。この面皰は、皮膚微生物叢、特にプロピオノバクテリウム・アクネス菌によって汚染される。後者は増殖し、面皰に蓄積された皮脂を増やす。皮脂は、実際には、この細菌の栄養源であり、その後、代謝産物を皮膚の毛穴に放出する。これらの化学的産物は、白血球細胞に警告し、それを誘引して、例えば、面皰で発赤によって可視である炎症をもたらし、特にざ瘡の面皰に局在し、痒みを伴う皮膚として感じられる。
【0008】
炎症はコラーゲン産生細胞を損傷させる可能性がある。コラーゲン産生の低下は、皮膚の薄化をもたらし、くぼんだ瘢痕(陥没性瘢痕とも呼ばれる)を引き起こし得る。時には、炎症は、瘢痕の肥厚を引き起こすコラーゲン産生の増加をもたらす。本発明は、発赤及び掻痒を回避しながら瘢痕の構造を改善することを可能にする。
【0009】
マラセチア・シンポディアリス(Malassezia sympodialis)、マラセチア・オブツサ(Malassezia obtusa)、マラセチア・スルーフィエ(Malassezia slooffiae)、マラセチア・レストリクタ(Malassezia restricta)、マラセチア・グロボサ(Malassezia globosa)及びマラセチア・フルフル(Malassezia furfur)を含むマラセチア属(Malassezia)のファミリー(family)の真菌微生物は、頭垢蓄積を引き起こす(Frederick Manuel,S Ranganathan.A new postulate on two stages of drandruff:a clinical perspective.Int J Trichology.2001;3(1):3-6;Shivaprakash M Rudramurthy,Prasanna Honnavar,Sunil Dogra,Prakash P Yegneswaran,Sanjeev Handa,Arunaloke Chakrabarti.Association of Malassezia species with dandruff.Indian J med Res.2014;139(3):431-437)。マラセチアは、皮膚表面上に自然に存在する微視的な酵母である。これらの酵母は、頭皮などの皮脂腺に富んだ身体の領域に特に豊富である。罹患した全ての人々の半数は、マラセチアからの被害を受けないが、他の半数は過剰な頭垢蓄積に悩まされている。
【0010】
実際に、例えば、脂っぽい毛髪を有する人々の中で、マラセチア属の種は頭皮上で増殖し、皮脂を供給し、皮膚に対して特に刺激性である脂肪酸を産生する。したがって、この増殖は炎症をもたらし、これはケラチノサイトの完全な成熟を防止し、その結果、それらは、一般に「頭垢」と呼ばれる大きな細胞集団の形態で頭皮から早期に分離する。
【0011】
炎症は、概して、頭皮の過剰な発赤及び強烈な掻痒を伴う。
【0012】
頭垢の治療的処置は、全般に、形成された頭垢を排除すること、又は未成熟なケラチノサイトの過剰産生を阻害すること、又は更には、頭垢形成機構、特にマラセチア属種に関与する真菌微生物の増殖を阻害することを目的とする。これらは、例えば、サルチル酸、又はマラセチア属種に対する良好な抗真菌活性を有する抗真菌活性成分、炭素、硫黄、又は二硫化セレンに基づく物質の使用に基づくものである。
【0013】
これらの処置のいくつかは、重大な欠点を有する。サリチル酸は、例えば、頭皮刺激を引き起こす。従来の抗真菌薬は、ほとんどが不十分な腎排泄を有している。
【0014】
汗は水及び塩に加えて、脂肪、アミノ酸、糖、乳酸、及び尿素などの多くの有機物質を含有する。かいたばかりの汗は無臭である。典型的な汗の臭いは、汗を臭気物質に分解する、皮膚微生物叢からの細菌の作用下でだけ形成される。例えば、コリネバクテリウム-ゼロシース(Corynobacterium xerosis)及び表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)などの細菌型微生物、並びにマラセチア属などの酵母は、身体発汗及びその成分を、多くの場合不快な又は更には気分が悪くなるような臭気として知覚される、アミン又は硫黄化合物などの臭気物質化合物に分解することによって、身体の悪臭に寄与することが知られている。これらの理由から、臭気、多くの場合、悪臭又は気分が悪くなるような臭気として知覚される臭気を引き起こす細菌の増殖を制御する目的で、防臭剤及び制汗剤化粧品には、殺菌剤とも呼ばれる抗菌物質が使用される。
【0015】
消費者は、天然起源の製品をますます要求している。本発明による使用は、この必要性に対処し、例えば、ジアンヒドロヘキシトールが、穀類系デンプンから生成される天然起源の分子であるため、少なくともジアンヒドロヘキシトールの使用を提案する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
予想外にも、非誘導型ジアンヒドロヘキシトール、好ましくはイソソルビドが、ざ瘡、頭垢蓄積、及び身体の悪臭を引き起こす微生物株に対する、抗菌性、及び/又は殺菌性及び/又は静菌性、及び/又は抗真菌効果を有することを発見した。
【0017】
本発明による使用により、これらの株がヒト表皮から消失するまで、ざ瘡、頭垢蓄積、及び身体の悪臭形成に関与する病原菌及び/又は真菌株の増殖を阻害することを可能にする。本発明は、静菌性及び/又は殺菌性及び/又は抗真菌剤としての、少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトールの使用に関する。好ましくは、少なくとも1つジアンヒドロヘキシトールは、
- プロピオノバクテリウム属ファミリー、好ましくはプロピオノバクテリウム・アクネス菌株、及び/又はコリネバクテリウム属ファミリーの株、好ましくはコリネバクテリウム・ゼロシース菌株、及び/又はブドウ球菌属ファミリーの株、好ましくは表皮ブドウ球菌株の中から選択される細菌株に対する静菌性及び/又は殺菌性作用、並びに/又は
- マラセチア属ファミリーの株、好ましくはマラセチア・フルフル株に対する作用を有する。
【0018】
ざ瘡の処置におけるジアンヒドロヘキシトールの使用
本発明は、ざ瘡の美容上の影響の排除を促進するための少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトールの非治療的な美容的使用に関する。ざ瘡の美容上の影響は、炎症又は掻痒の中から選択される。本発明はまた、ざ瘡の治療的処置に使用するためのジアンヒドロヘキシトールに関する。好ましくは、ジアンヒドロヘキシトールは、イソソルビドである。
【0019】
別の態様によれば、本発明は、ヒト微生物叢からのプロピオノバクテリウム・アクネス(キューティバクテリウム・アクネスとも呼ばれる)の株を低減又は排除するためのイソソルビドの使用、及びざ瘡の美容上の症状、特に発赤、刺激及び掻痒のを減弱させる又は取り除くためのイソソルビドの使用も提案する。
【0020】
好ましくは、本発明による使用は、例えば、ざ瘡の面皰で発赤として見える、炎症を低減若しくは排除することを可能にし、及び/又はざ瘡の面皰に局在化した皮膚の掻痒を低減若しくは排除することを可能にする。
【0021】
好ましい一実施形態によれば、ジアンヒドロヘキシトールは、イソソルビド、イソマンニド、イソイジドの中から選択され、好ましくはイソソルビドである。
【0022】
更に、皮膚に適用されるジアンヒドロヘキシトールの濃度は、少なくとも1mg/cm、好ましくは少なくとも25mg/cm、最も好ましくは少なくとも50mg/cmである。
【0023】
一実施形態によれば、ジアンヒドロヘキシトールは抗菌作用を有する。より具体的には、ジアンヒドロヘキシトールは、静菌性及び/又は殺菌性及び/又は抗真菌作用を有し、増殖を低減若しくは予防し、又はざ瘡に関与する細菌及び/若しくは真菌株の存在を排除し、好ましくは細菌株の存在を排除する。好ましくは、細菌株は、共生プロピオン菌の中から選択され、その属は一般にプロピオノバクテリウム属種と呼ばれ、好ましくは、細菌株はプロピオノバクテリウム・アクネスである。
【0024】
本発明による使用の別の実施形態によれば、ジアンヒドロヘキシトールは、共生プロピオン菌、好ましくはプロピオノバクテリウム属種の属、より好ましくは、プロピオノバクテリウム・アクネスが皮膚に対して有する望ましくない影響を制御するための薬剤である。
【0025】
本発明による代替的な使用によれば、少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトールは、同じ活性又は機能を有する少なくとも1つの他の化粧品又は皮膚用活性剤と組み合わせて使用することができる。
【0026】
頭垢の処置におけるジアンヒドロヘキシトールの使用
本発明は、過度の皮膚剥離の美容上の影響の排除を促進するための少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトールの非治療的な美容的使用に関する。過度の皮膚剥離の美容上の影響は、炎症又は掻痒の中から選択される。本発明はまた、頭垢の処置における治療的使用のためのジアンヒドロヘキシトールに関する。好ましくは、ジアンヒドロヘキシトールは、イソソルビドである。
【0027】
別の態様によれば、本発明は、ヒト微生物叢由来のマラセチア・フルフルの株を低減若しくは排除するため、頭皮から頭垢を取り除くための、又はその蓄積を減弱させるための、又はそのサイズ若しくは量を減少させることによって見えにくくするための、イソソルビドの使用を提案する。
【0028】
好ましくは、本発明による使用により、頭皮からの頭垢の取り除きを可能にするか、又はその蓄積を減弱させるか、又はそのサイズ若しくは量を低減することによって見えにくくすることが可能となる。
【0029】
好ましい一実施形態によれば、ジアンヒドロヘキシトールは、イソソルビド、イソマンニド、イソイジドの中から選択され、好ましくはイソソルビドである。
【0030】
更に、皮膚に適用されるジアンヒドロヘキシトールの濃度は、少なくとも1mg/cm、好ましくは少なくとも25mg/cm、最も好ましくは少なくとも50mg/cmである。
【0031】
一実施形態によれば、ジアンヒドロヘキシトールは抗菌作用を有する。より具体的には、ジアンヒドロヘキシトールは、静菌性及び/又は殺菌性及び/又は抗真菌作用を有し、増殖を低減若しくは予防し、又は過度の皮膚剥離に関与する細菌及び/若しくは真菌株の存在を排除し、好ましくは頭皮における頭垢の蓄積を排除する。好ましくは、真菌株はマラセチア属種の菌株の真菌株の中から選択され、好ましくは、真菌株はマラセチア・フルフルである。
【0032】
本発明による使用の別の実施形態によれば、ジアンヒドロヘキシトールは、マラセチア属ファミリーの株が皮膚及び頭皮上にある、好ましくはマラセチア・フルフル菌株が皮膚及び頭皮上にある望ましくない影響を制御するための薬剤である。これらの望ましくない影響の中ではとりわけ、上記のような頭垢蓄積があるが、癜風、脂漏性皮膚炎、ピチロスポルム毛包炎もある。
【0033】
本発明による代替的な使用によれば、少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトールは、同じ活性又は機能を有する少なくとも1つの他の化粧品又は皮膚用活性剤と組み合わせて使用することができる。
【0034】
身体の悪臭の処置におけるジアンヒドロヘキシトールの使用
本発明は、身体の悪臭を低減又は予防するための、好ましくは、汗の分解から生じる悪臭を低減又は予防するための、少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトールの非治療的な美容的使用に関する。本発明はまた、身体の悪臭の処置における治療的使用のためのジアンヒドロヘキシトールに関する。好ましくは、ジアンヒドロヘキシトールは、イソソルビドである。
【0035】
本発明の別の態様によれば、これらの微生物による汗の分解から生じる悪臭の出現を減弱又は防止するための、ヒト微生物叢由来のコリネバクテリウム・ゼロシース、及び表皮ブドウ球菌株を低減又は排除するための、イソソルビドの使用が提案される。イソソルビドは、単独で、又はこの目的のために既に使用されている他の活性剤と組み合わせて使用される。
【0036】
好ましい一実施形態によれば、ジアンヒドロヘキシトールは、イソソルビド、イソマンニド、イソイジドの中から選択され、好ましくはイソソルビドである。
【0037】
更に、皮膚に適用されるジアンヒドロヘキシトールの濃度は、少なくとも1mg/cm、好ましくは少なくとも25mg/cm、最も好ましくは少なくとも50mg/cmである。
【0038】
一実施形態によれば、ジアンヒドロヘキシトールは抗菌作用を有する。より具体的には、ジアンヒドロヘキシトールは、静菌性及び/又は殺菌性及び/又は抗真菌作用を有し、増殖を低減若しくは予防し、又は身体の悪臭の形成に関与する細菌及び/若しくは真菌株の存在を排除する。好ましくは、細菌株は、コリネバクテリウム属ファミリーの細菌株の中から選択され、好ましくは、細菌株はコリネバクテリウム・ゼロシースであり、及び/又は細菌株は、ブドウ球菌属種の菌ファミリー中から選択され、好ましくは、細菌株は表皮ブドウ球菌であり、及び/又は細菌株は、プロピオバクテリウム属ファミリーの中から選択され、好ましくは、細菌株はプロピオバクテリウム・アクネスである。
【0039】
本発明による使用の別の実施形態によれば、ジアンヒドロヘキシトールは、コリネバクテリウム属ファミリー、好ましくは、コリネバクテリウム・ゼロシース、及び/又はブドウ球菌属ファミリー、好ましくは表皮ブドウ球菌、及び/又はプロピオバクテリウム属ファミリー、好ましくは、プロピオバクテリウム・アクネスの細菌株の皮膚に対する望ましくない影響を制御するための薬剤である。これらの望ましくない影響の中ではとりわけ、上記のような悪臭があるが、皮膚感染症もある。
【0040】
本発明による代替的な使用によれば、少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトールは、同じ活性又は機能を有する少なくとも1つの他の化粧品又は皮膚用活性剤と組み合わせて使用することができる。
【0041】
ジアンヒドロヘキシトール
論議されている水溶液は、1つのジアンヒドロヘキシトールのみを含有してもよく、又はいくつかを含有してもよい。これらのジアンヒドロヘキシトール(1,4-3,6-ジアンヒドロヘキシトール)は、イソソルビド(1,4-3,6-ジアンヒドロソルビトール)、イソマンニド(1,4-3,6-ジアンヒドロマンニトール)、イソイジド(1,4-3,6-ジアンヒドロイジトール)、及びこれらの生成物のうちの少なくとも2つの混合物である。好ましくは、水溶液は、イソソルビドである1つのジアンヒドロヘキシトールのみを含有する。
【0042】
この点に関し、本出願人は、全般に、ジアンヒドロヘキシトールが水の存在下で合成され(又は水が合成中に生成される)、この反応媒体中での当該ジアンヒドロヘキシトールの回収は、本発明に従って使用することができるジアンヒドロヘキシトールの水溶液の形態の組成物を直ちに提供することを示す。ジアンヒドロヘキシトール溶液は、特に、上述の特許出願、欧州特許第1287000号及び国際公開第03/043959号に記載の方法に従って得ることができる。この選択は、ジアンヒドロヘキシトールの調製中に使用される水の全て若しくは一部を維持するか、又は全ての水を排除して、単に水を添加することによって水溶液に戻す、固体形態での生成物を得るために行うことができ、これは、本発明に従って使用することができるジアンヒドロヘキシトールの水溶液を調製するための別の可能性である。
【0043】
本出願人は、用語「1,4-3,6-ジアンヒドロヘキシトール」が、1,4-3,6-ジアンヒドロヘキシトールの誘導体、特に1,4-3,6-ジアンヒドロヘキシトールエーテル又はエステルの誘導体を含まないことを指定している。
【0044】
好ましい一実施形態によれば、ジアンヒドロヘキシトールは、イソソルビド、イソマンニド、イソイジドの中から選択され、好ましくはイソソルビドである。
【0045】
化粧品又は皮膚用調製物
「化粧品又は皮膚用調製物」とは、本出願人によれば、ヒト又は動物の皮膚と接触して配置されることを意図した任意の組成物を意味している。
【0046】
本発明による化粧品又は皮膚用調製物は、ざ瘡の非治療的処置のための活性剤として、好ましくは、イソソルビド、イソマンニド、イソイジドの中から選択され、好ましくはイソソルビドである、少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトールを含む。
【0047】
本発明による化粧品又は皮膚用調製物は、頭垢の非治療的処置のための活性剤として、好ましくは、イソソルビド、イソマンニド、イソイジドの中から選択され、好ましくはイソソルビドである、少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトールを含む。
【0048】
本発明による局所使用のための化粧品又は皮膚用調製物は、悪臭の非治療的処置のための活性剤として、好ましくは、イソソルビド、イソマンニド、イソイジドの中から選択され、好ましくはイソソルビドである、少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトールを含む。
【0049】
更に、皮膚又は頭皮に適用されるジアンヒドロヘキシトールの濃度は、少なくとも1mg/cm、好ましくは少なくとも25mg/cm、最も好ましくは少なくとも50mg/cmである。
【0050】
好ましい一実施形態によれば、本発明による化粧品又は皮膚用調製物は、0.1%~50重量%のジアンヒドロヘキシトール、好ましくは0.5~25%、より好ましくは1%~25%、更により好ましくは2%~15%、最も好ましくは5%~9%のジアンヒドロヘキシトールを含む。
【0051】
非常に好ましい実施形態によれば、本発明による化粧品又は皮膚用調製物は、唯一の抗菌剤及び/又は殺菌剤及び/又は静菌剤及び/又は抗真菌剤として、イソソルビド、イソマンニド、イソイジドの中から好ましくは選択され、好ましくはイソソルビドである、少なくとも1つジアンヒドロヘキシトールを含有する。
【0052】
本発明による化粧品又は皮膚用調製物は、ざ瘡により引き起こされる発赤及び/又は掻痒を軽減若しくは排除し、頭皮からの頭垢を取り除き、又はその蓄積を減弱し、又はその大きさ若しくは量を低減することによって見えにくくし、身体の悪臭、好ましくは汗の分解から生じる悪臭を低減若しくは防止することを可能にする。
【0053】
化粧品調製物は、皮膚製品、毛髪製品、メークアップ、又は衛生製品であり得る。
【0054】
スキンケア製品の中でもとりわけ、本発明による化粧品調製物は、クリーム、サンクリーム、アフターサンスクリーム、セルフタナー、マスクの中から選択することができる。ヘアケア製品の中でもとりわけ、本発明による化粧品調製物は、シャンプー、コンディショナー(クリーム、マスク、ローション)、スタイリング製品(スプレー、ジェル、ワックス)、毛染め製品の中から好ましくは選択される。メークアップ製品の中でもとりわけ、本発明による化粧品調製物は、ファンデーション及びアイシャドウの中から好ましくは選択される。衛生製品の中でもとりわけ、本発明による化粧品調製物は、洗浄ジェル、シャワージェル、クレンジング又はメークアップ除去用拭き取り用品、含水アルコール溶液又はジェル、石鹸、防臭剤、制汗剤、ボディスプレー、より好ましくは、スティック、ジェル、粉末、又はスプレー形態であり得る防臭剤又は制汗剤の中から好ましくは選択される。
【0055】
化粧品又は皮膚用調製物は、特に、抗ざ瘡クリーム又はローションの中から選択することができる。
【0056】
化粧品又は皮膚用調製物は、特に、抗頭垢シャンプー、抗頭垢ボディジェル及び毛髪シャワージェルの中から選択することができる。
【0057】
非治療的処置方法
本発明は、皮膚又は頭皮を手入れするための非治療的な美容的方法を提案し、この方法は、以下の:
- 皮膚又は頭皮を洗浄するステップと、
- 少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトール、好ましくはイソソルビドを含む化粧品又は皮膚用調製物を、ざ瘡又は悪臭又は頭垢の美容上の影響が出現する前に、出現中に又は出現後に、少なくとも20分、好ましくは少なくとも2時間、最も好ましくは少なくとも6時間の持続時間にわたって皮膚又は頭皮に適用するステップと、
- 当該調製物を除去するステップと、を含む。
【0058】
本発明は、ざ瘡になりやすい皮膚のための非治療的な美容的方法を提案し、この方法は、以下の:
- 皮膚を洗浄するステップと、
- 少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトール、好ましくはイソソルビドを含む化粧品又は皮膚用調製物を、ざ瘡の美容上の影響が出現する前に、出現中に又は出現後に、少なくとも20分、好ましくは少なくとも2時間、最も好ましくは少なくとも6時間の持続時間にわたって皮膚に適用するステップと、
- 当該調製物を除去するステップと、を含む。
【0059】
本発明は、頭皮を手入れするための非治療的な美容的方法を提案し、この方法は、以下の:
- 頭皮を洗浄するステップと、
- 少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトール、好ましくはイソソルビドを含む化粧品又は皮膚用調製物を、頭垢が出現する前に、出現中に又は出現後に、少なくとも20分、好ましくは少なくとも2時間、最も好ましくは少なくとも6時間の持続時間にわたって頭皮に適用するステップと、
- 当該調製物を除去するステップと、を含む。
【0060】
本発明は、特に皮膚微生物叢による汗の分解に関連した悪臭状態になりやすい皮膚を手入れするための非治療的な美容的方法を提案し、この方法は、以下の:
- 皮膚を洗浄するステップと、
- 少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトール、好ましくはイソソルビドを含む化粧品又は皮膚用調製物を、皮膚に、好ましくは、脇の下又は鼠径部に、悪臭が出現する前に、出現中に又は出現後に、少なくとも20分、好ましくは少なくとも2時間、最も好ましくは少なくとも6時間の持続時間にわたって皮膚に適用するステップと、
- 当該組成物を除去するステップと、を含む。
【実施例
【0061】
実施例1:ざ瘡を引き起こす微生物株に対するイソソルビドの効果のインビトロ測定
試料を無菌条件下で調製し、以下の濃度でマイクロプレート(2mLウェル)に置く。2つの分析対照を生成した。
- 0.5%のPhenonip(登録商標)に対応する陽性対照、
- 0.85%生理食塩水溶液からなる陰性対照。
【0062】
試料及び対照を、1ミリリットル当たり約1.43×10~4.15×10のコロニー形成単位(cfu/mLで示される)で、プロピオノバクテリウム・アクネス菌株によって汚染させる。汚染後、微生物の均一な分布を確保するために、試料を吸引-放出サイクルによって慎重に混合する。全体を22℃で28日間インキュベートする。
【0063】
微生物集団をサンプリングし、24時間目、7、14、21、及び28日目に、プロピオノバクテリウム・アクネス菌株について計数する。汚染された試料を採取し、次いで、0.85%塩化ナトリウム及び2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロリド(TTCと示される)である脱水素酵素活性指示薬を含む生理食塩水溶液である培養培地の存在下で、マイクロタイタープレート内の連続希釈液中に置く。試験された微生物株について、試験の28日間にわたる微生物集団の変化で、結果を以下のページに提示する。
【0064】
各時点で採取された試料中の微生物集団の測定は、1回の試料採取について、以下のマイクロタイター方法に従って実施する。マイクロタイタープレートの体積250μLの96ウェルにおいて、1.5%のTween80(Sigma、ref.P1754)及びTTC(Sigma、ref.T8877)を含有するLetheenブロス(Difco、ref.268110)180μL中に分散させることにより、20μLの採取試料を10倍分希釈する。マイクロプレートを32.5℃で48時間インキュベートし、無色から赤色/ピンク色への色変化によって微生物の増殖を監視する。増殖を示す最も高い逆対数希釈により、各微生物の対数値を各時点で決定することができる。
【0065】
各採取時間で採取した微生物集団の測定値は、コロニー形成単位/mLとして表される。
【0066】
【表1】
【0067】
24時間後、コロニー形成株は観察されず、イソソルビドは、接種材料全体を死滅させることが可能であった。イソソルビドは、プロピオノバクテリウム・アクネス株の殺菌剤である。
【0068】
実施例2:頭垢を引き起こす微生物株に対するイソソルビドの効果のインビトロ測定
試料を無菌条件下で調製し、以下の濃度でマイクロプレート(2mLウェル)に置く。2つの分析対照を生成した。
- 0.5%のPhenonip(登録商標)に対応する陽性対照、
- 0.85%生理食塩水溶液からなる陰性対照。
【0069】
試料及び対照を、1ミリリットル当たり約1.50×10~3.80×10のコロニー形成単位(cfu/mLで示される)で、マラセチア・フルフル真菌株によって汚染させる。汚染後、微生物の均一な分布を確保するために、試料を吸引-放出サイクルによって慎重に混合する。全体を22℃で28日間インキュベートする。
【0070】
微生物集団をサンプリングし、24時間目、7、14、21、及び28日目に菌株について計数する。汚染された試料を採取し、次いで、0.85%塩化ナトリウム及び2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロリド(TTCと示される)である脱水素酵素活性指示薬を含む生理食塩水溶液である培養培地の存在下で、マイクロタイタープレート内の連続希釈液中に置く。試験された微生物株について、試験の28日間にわたる微生物集団の変化で、結果を以下のページに提示する。
【0071】
各時点で採取された試料中の微生物集団の測定は、1回の試料採取について、以下のマイクロタイター方法に従って実施する。マイクロタイタープレートの体積250μLの96ウェルにおいて、1.5%のTween 80(Sigma、ref.P1754)及びTTC(Sigma、ref.T8877)を含有するLetheenブロス(Difco、ref.268110)180μL中に分散させることにより、20μLの採取試料を10倍分希釈する。マイクロプレートを32.5℃で48時間インキュベートし、無色から赤色/ピンク色への色変化によって微生物の増殖を監視する。増殖を示す最も高い逆対数希釈により、各微生物の対数値を各時点で決定することができる。
【0072】
各採取時間で採取した微生物集団の測定値は、コロニー形成単位/mLとして表される。
【0073】
【表2】
【0074】
24時間後、コロニー形成株は観察されず、イソソルビドは、接種材料全体を死滅させることが可能であった。イソソルビドは、マラセチア・フルフル株の殺菌剤である。
【0075】
実施例3:身体の悪臭を引き起こす微生物株に対するイソソルビドの効果のインビトロ測定
試料を無菌条件下で調製し、以下の濃度でマイクロプレート(2mLウェル)に置く。2つの分析対照を生成した。
- 0.5%のPhenonip(登録商標)に対応する陽性対照、
- 0.85%生理食塩水溶液からなる陰性対照。
【0076】
試料及び対照を、1ミリリットル当たり約1.43×10~4.15×10のコロニー形成単位(cfu/mLで示される)で、3つの細菌株、表皮ブドウ球菌、コリネバクテリウム・ゼロシース及びプロピオノバクテリウム・アクネスによって汚染させる。汚染後、微生物の均一な分布を確保するために、試料を吸引-放出サイクルによって慎重に混合する。全体を22℃で28日間インキュベートする。
【0077】
微生物集団をサンプリングし、24時間目、7、14、21、及び28日目に各細菌株について計数する。汚染された試料を採取し、次いで、0.85%塩化ナトリウム及び2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロリド(TTCと示される)である脱水素酵素活性指示薬を含む生理食塩水溶液である培養培地の存在下で、マイクロタイタープレート内の連続希釈液中に置く。試験された微生物株について、試験の28日間にわたる微生物集団の変化で、結果を以下のページに提示する。
【0078】
各時点で採取された試料中の微生物集団の測定は、1回の試料採取について、以下のマイクロタイター方法に従って実施する。マイクロタイタープレートの体積250μLの96ウェルにおいて、1.5%のTween 80(Sigma、ref.P1754)及びTTC(Sigma、ref.T8877)を含有するLetheenブロス(Difco、ref.268110)180μL中に分散させることにより、20μLの採取試料を10倍分希釈する。マイクロプレートを32.5℃で48時間インキュベートし、無色から赤色/ピンク色への色変化によって微生物の増殖を監視する。増殖を示す最も高い逆対数希釈により、各微生物の対数値を各時点で決定することができる。
【0079】
各採取時間で採取した微生物集団の測定値は、コロニー形成単位/mLとして表される。
【0080】
【表3】
【0081】
24時間後、コロニー形成株の数は、試験した3種の用量に対して少なくとも3log10減少する。7日後、いずれの更なるコロニー形成株も存在せず、イソソルビドは、カリネバクテリウム・ゼロシース株の弱い殺菌剤である。
【0082】
【表4】
【0083】
24時間後、コロニー形成株の数は、試験した3種の用量に対して少なくとも2log10減少する。7日後、いずれのコロニー形成株も存在せず、イソソルビドは、表皮ブドウ球菌株の弱い殺菌剤である。
【0084】
【表5】
【0085】
24時間後、コロニー形成株は観察されず、イソソルビドは、接種材料全体を死滅させることが可能であった。イソソルビドは、プロピオノバクテリウム・アクネス株の殺菌剤である。
【0086】
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、例としてのみ与えられるが、当業者が、求めた保護の文脈において想到することができる全ての代替物を包含する。