IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デビコー・メディカル・プロダクツ・インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-一体型真空リザーバを備えた生検装置 図1
  • 特許-一体型真空リザーバを備えた生検装置 図2
  • 特許-一体型真空リザーバを備えた生検装置 図3
  • 特許-一体型真空リザーバを備えた生検装置 図4
  • 特許-一体型真空リザーバを備えた生検装置 図5
  • 特許-一体型真空リザーバを備えた生検装置 図6
  • 特許-一体型真空リザーバを備えた生検装置 図7
  • 特許-一体型真空リザーバを備えた生検装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】一体型真空リザーバを備えた生検装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A61B10/02 110J
A61B10/02 110K
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021563081
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-28
(86)【国際出願番号】 US2020029512
(87)【国際公開番号】W WO2020219667
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-04-05
(31)【優先権主張番号】62/837,835
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511148271
【氏名又は名称】デビコー・メディカル・プロダクツ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Devicor Medical Products, Inc.
【住所又は居所原語表記】5th Floor, 300 E Business Way, Cincinnati, OH 45241, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ノック・アンドリュー・ピー
【審査官】喜々津 徳胤
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0335317(US,A1)
【文献】特表2017-500089(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0302914(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00 - 10/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テザーレス生検装置で使用するためのプローブであって、
前記テザーレス生検装置が、試料チャンバを画定する組織試料ホルダーと、前記プローブに取り外し可能に固定されたホルスターとを有し、
前記プローブが、
ハウジングであって、前記ハウジング内に真空チャンバを画定し、前記真空チャンバが、前記組織試料ホルダーの前記試料チャンバと連通している、ウジング
を備え
前記真空チャンバが、複数の内壁によって分けられた複数の流体リザーバを含み、前記複数の内壁が各々、隣り合う前記流体リザーバを流体連通させる開口部を備える、プローブ。
【請求項2】
組織試料を切断するためのカッターであって、前記カッターが、前記真空チャンバを通って延在し、前記組織試料ホルダーと連通している、ッターをさらに備える、請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
カッター駆動部と、組織試料を切断するためのカッターとをさらに備え、前記カッター駆動部が、前記カッターの平行移動及び回転を行うように構成されており、前記カッター駆動部及び前記カッターが両方とも、前記真空チャンバ内に部分的に配置されている、求項1に記載のプローブ。
【請求項4】
前記真空チャンバが、つの前記流体リザーバを含む、請求項1~3のいずれか1項記載のプローブ。
【請求項5】
前記複数の内壁が各々、前記プローブ内を軸方向、横方向、またはそれらの組み合わせに延在する請求項1~3のいずれか1項記載のプローブ。
【請求項6】
前記真空チャンバが、前記組織試料ホルダーによって画定された第2のボリュームよりも大きな第1のボリュームを画定する、請求項1~5のいずれか1項記載のプローブ。
【請求項7】
前記真空チャンバが、第1のボリュームを画定し、前記第1のボリュームが、前記組織試料ホルダーによって画定された第2のボリュームよりも10~20倍大きい、請求項1~5のいずれか1項記載のプローブ。
【請求項8】
前記プローブの前記ハウジングが、共に結合されて界面を画定する上部ハウジング及び下部ハウジングを含み、前記界面には、鋭い縁が実質的にない、請求項1~7のいずれか1項記載のプローブ。
【請求項9】
前記プローブの前記ハウジングが、共に結合されて界面を画定する上部ハウジング及び下部ハウジングを含み、前記下部ハウジングが、前記上部ハウジングに対して自動芯合わせ型である、請求項1~7のいずれか1項記載のプローブ。
【請求項10】
シャフトによって回転可能に接続された第1のギア及び第2のギアをさらに備え、前記第1のギアが、前記ハウジングの外部に対して露出しており、前記第2のギアが、前記真空チャンバ内に配置され、前記シャフトと係合するシールによって前記ハウジングの外部に対して封止される、求項1~9のいずれか1項記載のプローブ。
【請求項11】
1つ以上の組織試料を収集するための手持ち式テザーレス生検装置であって、前記手持ち式テザーレス生検装置が、
モータと、前記モータに結合された真空ポンプとを有するホルスターと、
前記ホルスターに取り外し可能に結合されたプローブであって、前記プローブが、前記ホルスターの前記真空ポンプと連通する真空ポートを有するハウジングを含み、前記ハウジングが、前記真空ポートと連通する真空リザーバを画定する、ローブと、
料チャンバを画定する組織試料ホルダーであって、前記試料チャンバは、組織試料を、前記試料チャンバの中に受け入れるように構成されており、前記試料チャンバが、前記プローブの前記真空リザーバと連通している、織試料ホルダーと
を備え
前記真空リザーバが、1つ以上の内壁によって分けられ、前記1つ以上の内壁のそれぞれの内部に配置された開口部によって相互接続される複数の流体リザーバを含む、手持ち式テザーレス生検装置。
【請求項12】
前記真空リザーバが、4つの前記流体リザーバを含む、請求項11に記載の手持ち式テザーレス生検装置。
【請求項13】
前記プローブが、カッターと、前記カッターの平行移動及び回転を行うように構成されたカッター駆動部とをさらに含み、前記カッターの少なくとも一部と前記カッター駆動部とが、前記真空リザーバ内に配置される、請求項11または請求項12に記載の手持ち式テザーレス生検装置。
【請求項14】
前記プローブが、カッターとカッター駆動部とをさらに含み、前記カッター駆動部が、前記カッターの平行移動及び回転を行うように構成されており、前記カッターの少なくとも一部と前記カッター駆動部とが、前記真空リザーバ内に配置されており、前記1つ以上の内壁のうちの少なくとも1つの内壁の前記開口部が、前記複数の流体リザーバのうちの2つの流体リザーバ間に流体の流れを提供しながら、前記カッターと、前記カッター駆動部の一部とを受け入れるように構成される、請求項11または請求項12に記載の手持ち式テザーレス生検装置。
【請求項15】
前記プローブが、前記プローブの一部に選択的通気を提供するように構成されたバルブアセンブリをさらに含み、前記バルブアセンブリが、前記真空リザーバから流体的に隔離されている、請求項11~13のいずれか1項記載の手持ち式テザーレス生検装置。
【請求項16】
前記プローブが、通気チャンバと、前記通気チャンバ内に配置され、前記プローブの一部に選択的通気を提供するように構成されたバルブアセンブリとをさらに含み、前記通気チャンバが、前記真空リザーバから流体的に隔離されている、請求項11~13のいずれか1項記載の手持ち式テザーレス生検装置。
【請求項17】
前記プローブが、前記プローブの一部に選択的通気を提供するように構成されたバルブアセンブリをさらに含み、前記バルブアセンブリが、前記真空リザーバの一部の内部に配置されながらも、前記真空リザーバから流体的に隔離されている、請求項11~13のいずれか1項記載の手持ち式テザーレス生検装置。
【請求項18】
前記真空リザーバが、約175ccの総流体ボリュームを画定する、請求項11~17のいずれか1項記載の手持ち式テザーレス生検装置。
【請求項19】
前記プローブの前記ハウジングが、第1のハウジング及び第2のハウジングを含み、前記第1のハウジング及び前記第2のハウジングが、共に結合して、前記真空リザーバを前記プローブの外部に対して封止するように構成されている、請求項11~17のいずれか1項記載の手持ち式テザーレス生検装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2019年4月24日に出願された「Biopsy Device with Integrated Vacuum Reservoir」と題する米国仮特許出願第62/837,835号に対する優先権を主張するものであり、その開示を参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
生検試料は、様々な装置を使用する種々の医療処置にて、多様な方法で得られてきた。生検装置は、定位誘導、超音波誘導、MRI誘導、PEM誘導、BSGI誘導または他の方法の下で使用され得る。例えば、いくつかの生検装置は、患者から1つ以上の生検試料を取得するために、片手を使って及び1回の挿入で、ユーザによって完全に操作可能であり得る。さらに、いくつかの生検装置は、流体(例えば、加圧空気、生理食塩水、大気空気、真空など)の伝達、動力の伝達及び/または命令の伝達などのための真空モジュール及び/または制御モジュールに接続され得る。他の生検装置は、別の装置に接続されることなく、または他の方法で連結されることなく、完全にまたは少なくとも部分的に操作可能であり得る。他の生検装置は、別の装置に接続されることなく、または他の方法で連結されることなく、完全にまたは少なくとも部分的に操作可能であり得る。
【0003】
単に例示的な生検装置は、1996年6月18日に発行された「Method and Apparatus for Automated Biopsy and Collection of Soft Tissue」と題する米国特許第5,526,822号、2000年7月11日に発行された「Control Apparatus for an Automated Surgical Biopsy Device」と題する米国特許第6,086,544号、2003年9月30日に発行された「MRI Compatible Surgical Biopsy Device」と題する米国特許第6,626,849号、2008年10月28日に発行された「Remote Thumbwheel for a Surgical Biopsy Device」と題する米国特許第7,442,171号、2014年7月7日に発行された「Handheld Biopsy Device with Needle Firing」と題する米国特許第8,764,680号、2016年5月24日に発行された「Presentation of Biopsy Sample by Biopsy Device」と題する米国特許第9,345,457号、2006年4月6日に公開され、現在は放棄された「Biopsy Apparatus and Method」と題する米国公開第2006/0074345号、2009年7月2日に公開され、「Clutch and Valving System for Tetherless Biopsy Device」と題する米国公開第2009/0171242号、2010年6月17日に公開され、「Hand Actuated Tetherless Biopsy Device with Pistol Grip」と題する米国公開第2010/0152610号、及び2012年12月6日に公開され、「Needle Assembly and Blade Assembly for Biopsy Device」と題する米国公開第2012/0310110号に開示されている。上記の米国特許番号、米国特許出願公開、及び米国非仮特許出願のそれぞれの開示を、参照により本明細書に援用する。
【0004】
状況によっては、生検装置を、真空源、コントローラ、またはその他の周辺付属品にテザー接続しないで使用することが望ましい場合がある。例えば、超音波ガイド下の生検処置では、生検装置の操作に関与する支持構造、ガイド、マニピュレータ、またはその他の装置を使用せずに、その処置が完全に手で持って操作されるという性質により、テザーレスな生検装置が望ましい場合がある。生検装置が完全に手持ち式である場合には、周辺機器へのテザー接続により生検装置の操作が妨げられる可能性がある。したがって、状況によっては、テザーレスの生検装置が望ましい場合がある。
【0005】
生検装置がテザーレスである状況では、生検装置の動作に必要な全ての構成要素は、小型の手持ち式パッケージの生検装置自体に組み込まれる。この制約により、動作の上で何らかのトレードオフが生じる可能性がある。例えば、真空の供給には、内蔵の真空ポンプを使用することができる。この構成とのこのようなトレードオフの1つは、テザー式生検装置で一般に使用される真空キャニスタがないことである。真空キャニスタの存在は、真空系にボリュームを加える。この追加のボリュームは、様々な動作段階で生検装置によって使用される真空量が増加または減少する際に、真空圧を平滑化する効果がある。そのような真空キャニスタがテザーレス生検装置になければ、より多くまたはより少なく真空を必要とする様々な動作段階を生検装置が移行する際に、真空圧がより不安定になる可能性がある。したがって、テザーレス生検装置との関連では、生検装置が様々な動作段階を移行する際に、真空圧を平滑化する機能を組み込むことが望ましい場合がある。
【0006】
生検試料を得るためにいくつかのシステム及び方法が作成され、使用されてきたが、本発明者らに先行して、添付の特許請求の範囲に記載された発明を作成した者、または使用した者はいなかったと考えられる。
【0007】
本明細書は、生検装置を具体的に指摘し、明確に主張する「特許請求の範囲」で完結するが、本生検装置は、添付の図面と併せて考慮される以下の特定の実施例の説明からより良好に理解されると考えられ、図面で類似の参照符号は同じ要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】例示的な生検装置の斜視図を示す。
図2】プローブから切り離されたホルスターを示す、図1の生検装置の斜視図を示す。
図3図2のホルスターの例示的な電気的な構成要素及び/または電気機械的な構成要素の概略図を示す。
図4図2のプローブの斜視切断図を示す。
図5図2のプローブの分解斜視図を示す。
図6図2のプローブの針作動アセンブリの正面断面図を示す。
図7図2のプローブの正面断面図を示す。
図8】バルブの状態とカッターの位置との関係を示す概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面は、決して限定することを意図したものではなく、本発明の様々な実施形態は、必ずしも図面に示されていないものも含めて、他の多様な方法で実施され得ることが企図されている。本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を例示し、その説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。しかし本発明が、示される正確な配置に限定されないことは理解されるであろう。
【0010】
生検装置の特定の実施例に関する以下の説明は、本生検装置の範囲を限定するために使用されるべきではない。生検装置の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例示として生検装置を実施するために企図される最良の形態のうちの1つである以下の説明から当業者に明らかになる。理解されるように、生検装置は、全て生検装置の趣旨から逸脱することなく、他の様々かつ明白な態様を可能にする。したがって図面及び説明は本質的に例示であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【0011】
参照により本明細書に組み込まれると言われている任意の特許、刊行物または他の開示資料は、全部または一部において、組み込まれる資料が本開示に記載の既存の定義、記述または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。このように、また必要な範囲において、本明細書で明確に述べている開示は、参照により本明細書に組み込まれている任意の相反する資料に取って代わる。参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に記載されている既存の定義、記述もしくは他の開示資料と矛盾する、任意の資料またはその一部は、その組み込まれた資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。
【0012】
I.例示的な生検装置の概要
図1は、プローブ(20)及びホルスター(30)を備える例示的な生検装置(10)を示す。本実施例の生検装置(10)は、一般に、テザーレス生検装置として構成されていることを理解されたい。したがって、生検装置(10)は、一般に、自己完結型であり、動作に必要な全ての構成要素がプローブ(20)またはホルスター(30)のいずれかに含まれる。本実施例の生検装置(10)は、テザーレス生検装置(10)として示し、説明しているが、本明細書の教示は、テザー式の構成を含む他の構成を有する生検装置に容易に適用できることを理解されたい。
【0013】
プローブ(20)は、プローブ(20)のケーシングから少なくとも部分的に遠位に延在する針アセンブリ(100)を備える。針アセンブリ(100)は、以下に説明するように組織試料を得るために患者の組織に挿入できる。生検装置(10)は、組織試料が中に付着される組織試料ホルダー(40)をさらに含む。ほんの一例として、プローブ(20)は、使い捨て可能な構成要素であり得、ホルスター(30)は、図2に示すように、プローブ(20)を結合し得る再利用可能な構成要素であり得る。本明細書での用語「ホルスター」の使用は、プローブ(20)の任意の部分をホルスター(30)の任意の部分に挿入することを必要とすると解釈されるべきではない。実際に、生検装置(10)の1つの構成では、プローブ(20)は、単にホルスター(30)の上に配置されるにすぎない場合がある。代わりに、プローブ(20)の一部分は、プローブ(20)をホルスター(30)に固定するためにホルスター(30)に挿入し得る。さらに別の構成では、ホルスター(30)の一部分は、プローブ(20)に挿入し得る。なおさらに、プローブ(20)及びホルスター(30)は、単一のユニットとして一体で形成し得る。
【0014】
プローブ(20)とホルスター(30)とが分離可能な部材である構成では、ホルスター(30)内の真空ポンプ(50)によって生成される真空がプローブ(20)に流体的に接続され得るように、ホルスター(30)にポート及び/またはシール(32)が設けられて、プローブ(20)の第2のポート及び/またはシール(26)と結合され得る。ホルスター(30)はまた、プローブ(20)の対応するギア(310)と噛み合い、係合する、1つまたは複数のギア(34)を備え得る。ホルスター(30)とプローブ(20)との間で真空及び原動力を伝達する図2に図示した構成は、単に例示的なものにすぎないことを理解されたい。いくつかのバージョンでは、そのような構成は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年6月26日に発行され、「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」と題する米国特許第8,206,316号、及び/または2012年3月15日に公開され、「Biopsy Device Tissue Sample Holder with Removable Tray」と題する米国公開第2012/0065542号の教示の少なくともいくつかに従って構築され得る。
【0015】
ホルスター(30)及びプローブ(20)が連結された状態で、真空ポンプ(50)は、組織試料ホルダー(40)及び管状カッター(60)を介して針アセンブリ(100)内で真空を生じさせることができる。しかしながら、真空は他の方法で提供され得ることを理解されたい。例えば、真空ポンプ(50)は、ホルスター(30)及びプローブ(20)から独立している場合があり、生検装置(10)上の適切なポートに真空管によって単に結合される場合がある。生検装置(10)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年7月1日に発行され、「Handheld Biopsy Device with Needle Firing」と題する米国特許第8,764,680号、及び/または2012年3月15日に公開され、「Biopsy Device Tissue Sample Holder with Removable Tray」と題する米国公開第2012/0065542号の教示の少なくともいくつかに従って構成され得る。プローブ(20)及びホルスター(30)の他の適切な構造上及び機能上の組み合わせは、本明細書の教示を鑑みて当業者に明らかになる。
【0016】
II.例示的なホルスター
ホルスター(30)は、図3に概略的に示すように、真空ポンプ(50)、モータ(70)、制御モジュール(1000)、1つ以上のボタン(54)、真空センサ(52)、及びその他の任意の好適な電気的構成要素及び/または電気機械的構成要素を備える。本実施例の真空ポンプ(50)は、モータ(70)に機械的に結合された従来型のダイヤフラムポンプを備える。真空センサ(52)は、真空センサ(52)が、真空ポンプ(50)によって生じる真空のレベルを決定できるように、真空ポンプ(50)に結合される、または真空ポンプからの任意の真空経路に沿って結合される。真空センサ(52)は、真空センサ(52)が真空レベルを示す信号を制御モジュール(1000)に出力し得るように、制御モジュール(1000)に電気的に結合されている。図示の構成では、モータ(70)は、以下に説明するように、ボタン(54)の1つ以上の作動に応答してカッター(60)を平行移動及び/または回転させるとともに、真空ポンプ(50)を作動させることができるが、これは任意にすぎず、真空ポンプ(50)を動作させるために第2のモータ(図示せず)を設けてもよい。具体的には、モータは、カッター作動アセンブリ(300)に結合され得、ボタン(54)の1つ以上を作動させると、制御モジュール(1000)によって作動され得る。そのようなカッター作動アセンブリ(300)が、ギア(34)を回転させ得る。上記のように、ギア(34)はプローブ(20)内のギア(310)と噛合しているので、モータ(70)がカッター(60)を平行移動及び/または回転させることができる。本明細書を考慮した上で当業者には明らかであるように、ホルスター(30)の他の様々な構成を提供してもよい。ほんの一例として、カッター作動アセンブリ(300)、及び/またはホルスター(30)及び/またはプローブ(20)の他の特徴は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年6月26日に発行され、「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」と題する米国特許第8,206,316号、及び/または2014年7月1日に発行され、「Handheld Biopsy Device with Needle Firing」と題する米国特許第8,764,680号の教示の少なくともいくつかに従って構築され得る。
【0017】
III.例示的なプローブ
図4は、針アセンブリ(100)、カッター作動アセンブリ(300)、プローブハウジング(22、24)及び組織試料ホルダー(40)を示すプローブ(20)の切断図を示す。針アセンブリ(100)は、針部分(110)及びバルブアセンブリ(200)を備える。以下により詳細に説明するように、針アセンブリ(100)は、一般に、組織を貫通するように操作可能であり、患者から組織試料を切断し、組織試料を組織試料ホルダー(40)に運ぶためにカッター(60)を配置できる。より具体的には、針アセンブリ(100)の針部分(110)は、患者の組織に挿入される。カッター作動アセンブリ(300)は、次にボタン(54)の1つ以上を押した後に、カッター(60)を開放位置に選択的に作動させるように操作可能である。カッター(60)がカッター作動アセンブリ(300)によって開放位置に作動されると、組織は、カッター(60)を通して伝達された真空によって針部分(110)に脱出し得る。カッター(60)は、次にカッター作動アセンブリ(300)によって閉鎖位置に選択的に作動され、脱出した組織を患者から切断し得る。ベントアセンブリ(300)は、次に針部分(110)の一部分を大気に選択的に通気し、このようにして脱出した組織の近端部と末端部との間に圧力差を生じさせるように操作可能である。次に、圧力差によって、脱出した組織はカッター(60)を通して組織試料ホルダー(40)に運ばれる。
【0018】
A.例示的なカッター作動アセンブリ
カッター作動アセンブリ(300)は、一連のギア(310、312)を備える。ギア(310、312)は、カッター(60)の平行移動及び回転を同時に行うように構成されている。図示した構成では、ギア(310)は、プローブ(20)がギア(30)を介してホルスター(30)に取り付けられたときに、モータ(70)に結合される。具体的には、両方のギア(310、312)は、ギア(310、312)が一緒に回転するように、単一のシャフト(314)に組み付けられている。したがって、ギア(310)は、ホルスター(30)のギア(34)によって駆動され、それによりギア(312)もまた駆動する。ギア(312)は、カッターギア(316)と噛み合う。以下でより詳細に説明するように、カッターギア(316)は、さらに、ギア(312)を介してギア(310)によって回転されると、カッター(60)の同時の平行移動及び回転を駆動し得る。
【0019】
図5に最も分かりやすく示すように、カッター作動アセンブリ(300)は、ネジ(320)及びカッター(60)が一体的に回転及び平行移動するように、カッター(60)にオーバーモールドされたか、または別の方法でカッター(60)に固定されたネジ(320)をさらに含む。ネジ(320)は、雄ネジ加工部(322)と、ネジ加工部(322)を通って延在する1つ以上の溝(324)とを含む。1つ以上の溝(324)は、カッターギア(316)によって画定された対応する突起(318)とスライド可能に係合するように構成されている。本構成では、カッターギア(316)の回転がネジ(320)に伝達され、最終的にネジ(320)によりカッター(60)に回転が伝達される。
【0020】
ネジ加工部(322)は、プローブハウジング(24)の開口部(29)内に画定された対応する雌ネジ加工部(28)と係合するように構成されている。ネジ(320)が回転すると、ネジ加工部(322)とネジ加工部(28)との係合により、ネジ(320)がプローブハウジング(24)に対して平行移動する。すなわち、カッターギア(316)の回転は、概して、ネジ加工部(322)とネジ加工部(28)との係合によって、ネジ(320)及びカッター(60)の平行移動をもたらすように構成されている。異なるギア(310、312、316)の配置を利用して、他の構成を提供してもよいことを理解されたい。さらに、追加のモータ(70)を要する構成を使用してもよい。多数の好適なモータ(70)及びギア(310、312、316)の組み合わせが、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかになる。実際に、カッター作動アセンブリ(300)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年6月26日に発行され、「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」と題する米国特許第8,206,316号の教示の少なくともいくつかに従って構築されてもよい。他の実施例では、カッター作動アセンブリ(300)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2019年1月10日に公開された「Apparatus to Allow Biopsy Sample Visualization During Tissue Removal」と題する米国公開第2019/0008493号の教示の少なくともいくつかに従って構築されてもよい。
【0021】
ギア(310、312)は、シャフト(314)上に配置されたシール(315)により、概して互いに流体的に隔離されていることを理解されたい。具体的には、ギア(310)は、ギア(310)がホルスター(30)のギア(34)と噛み合うことができるように、概して大気にさらされている。一方、ギア(312)は、大気に対して流体的に隔離されている。以下でより詳細に説明するように、本構成は、一般に、引き続きギア(312)がギア(310)を介してホルスター(30)のギア(34)によって回転されるようにしながら、ギア(312)によって占められる空間の少なくとも一部の範囲内を真空が流れることを可能にするように構成されている。
【0022】
B.例示的な針部分
図5は、例示的な針部分(110)を示す。針部分(110)は、カニューレ(120)と、組織貫通先端(140)と、横方向開口部(150)とを備える。図示するように、カニューレ(120)は、カニューレ(120)の上部に配置されている。図示していないが、カニューレ(120)は、カッター(60)を受け入れるための管腔をその中に画定していることを理解されたい。いくつかの実施例では、カニューレ(120)は、カッター(60)を受け入れるための管腔、及び大気及び/または真空を横方向開口部(150)に伝えるための管腔など、その中に複数の管腔を画定している。本実施例の針部分(110)は、ほぼ丸い断面を有するものとして示しているが、他の断面形状を使用してもよいことを理解されたい。実際に、いくつかの実施例では、針部分(110)を、円形の管と楕円形の管との組み合わせで構成して、楕円形の断面を形成してもよい。他の実施例では、針部分(110)を、円管のみで構成することにより、略8の字形の断面を作成してもよい。あるいは、針部分(110)を、2つの正方形管で構成することにより、略正方形の断面を作成してもよい。さらに他の構成では、針部分(110)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年8月8日に発行され、「Needle Assembly and Blade Assembly for Biopsy Device」と題する米国特許第8,801,742号の教示の少なくともいくつかに従って構築され得る。
【0023】
カニューレ(120)は、一般に、カッター(60)を受け入れ、カッター(60)が、カニューレ(120)によって画定された管腔の内部で平行移動及び回転を行うのを可能にするように構成されている。カニューレ(120)は、横方向開口部(150)をさらに備える。横方向開口部(150)は、生検装置(10)の動作中に脱出した組織を受け入れるようサイズ決めされている。したがって、横方向開口部(150)によって組織が受け入れられて、真空ポンプ(50)からの真空の影響下で、カッター(60)が組織試料を切断することができる。
【0024】
使用中、カッター(60)は、閉鎖位置、開放位置、及び最終的には中間位置など、様々な位置の間を移動させることができる。各位置は、組織試料抽出プロセスの特定の段階に対応する場合がある。例えば、カニューレ(120)は、カッター(60)が閉鎖位置にあるときに患者の組織を貫通し得る。閉鎖位置では、カッター(60)は、横方向開口(150)に対してその最も遠い遠位位置にある。したがって、カニューレ(120)は、貫通を妨げる可能性のあるいずれの周辺組織も捕らえることなく円滑に組織を貫通し得る。開放位置では、カッター(60)は、横方向開口(150)に対してその最も遠い近位位置にある。この状態は、例えば、組織試料を採取し得る患者内部にカニューレ(120)を向ける位置に対応する場合がある。カッター(60)が横方向開口部(150)に対して最も近位の位置にある状態で、横方向開口部(150)を通して患者の組織を脱出させるために、真空を適用し得る。最後に、カッター(60)が中間位置にあるとき、カッター(60)は、横方向開口(150)に対してその最も遠い遠位位置と近位位置の間の位置にある。この位置では、カッター(60)は、それぞれ閉鎖位置または開放位置のどちらかから閉鎖位置または開放位置への起動状態にある場合がある。例えば、カッター(60)は、カッター(60)が組織試料を切断し得るように、開放位置から閉鎖位置に移動することができる。代わりに、カッターは、患者の組織が横方向開口(150)を通して脱出するのを可能にするために、閉鎖位置から開放位置に移動することができる。以下にさらに詳しく説明するように、これらの種々の位置は、バルブアセンブリ(200)の種々の空気圧状態に対応する。カッター(60)の様々な位置及び組織抽出プロセスにおける対応する段階は、単なる例示であり、他の好適な組み合わせが、本明細書の教示から当業者に明らかであろうことを理解されたい。
【0025】
組織貫通先端(140)は、略円錐体を有するものとして示している。組織貫通先端(140)の形状は単なる例示であり、他の多くの好適な形状を使用してもよい。例えば、組織貫通先端(140)は、円錐体を無視し、針部分(110)から突出した刃の形状であってよい。更なる変形形態でも、組織貫通先端(140)は、様々な形状及び構成の平たい刃部分を有し得る。組織貫通先端(140)の、及び針部分(110)の他の種々の構成は、一般に、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかになるように提供され得る。ほんの一例として、針部分(110)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年8月8日に発行された「Needle Assembly and Blade Assembly for Biopsy Device」と題する、米国特許第8,801,742号の教示の少なくともいくつかに従って構成され得る。
【0026】
C.例示的なバルブアセンブリ
図4に戻ると、プローブ(20)は、バルブアセンブリ(200)を含むものとして示されている。本実施例のバルブアセンブリ(200)は、一般に、針部分(110)に大気の換気を提供するように構成される。いくつかの実施例では、この大気の換気は、カッター(60)の外部とカニューレ(120)の内部との間に供給され得る。他の実施例では、カニューレ(120)は、カッター(60)の末端部に大気空気を提供するための個別の管腔を画定し得る。もちろん、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであるように、様々な代替構成を用いることができる。
【0027】
本実施例では、バルブアセンブリ(200)を概略的に示している。それにより、バルブアセンブリ(200)が様々な形態を取り得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施例では、バルブアセンブリ(200)は、マニホールド(図示せず)及びスプール本体(図示せず)を含むことがある。そのような実施例では、マニホールドは、バルブアセンブリ(200)を、針アセンブリ(100)の針部分(110)の近端部に結合し得る。一方、スプール本体は、カッター(60)の影響下で、マニホールド内の1つ以上の通気開口部に対して移動して、バルブアセンブリ(200)を通気状態から密閉状態に移行させ得る。単なる例示として、マニホールド及び/またはスプール本体は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2019年2月19日に発行され、「Biopsy Device with Translating Valve Assembly」と題する米国特許第10,206,665号の教示の少なくともいくつかに従って構築されてもよい。
【0028】
使用時には、スプール本体の動きは、カッター(60)の動きにより、少なくとも部分的に制御され得る。例えば、いくつかの実施例では、バルブアセンブリ(200)は、カッター(60)が遠位の位置に配置されたときに、カッター(60)とカニューレ(120)との間の空間を通気するように構成され得る。その場合、大気空気が、マニホールド中を流れ、カッター(60)とカニューレ(120)との間の空間に自由に流入し得る。そのような位置は、カッター(60)を使用した組織試料の切断に対応する場合がある。したがって、組織試料が切断された後に、針部分(110)に通気が行われて、カッター(60)中の組織の搬送を促進することを理解されたい。他の実施例では、大気に対して針部分(110)を実質的に封止することが望ましい場合がある。例えば、上記の中間位置では、横方向開口部(150)に組織が脱出し得る。この状況では、カッター(60)とカニューレ(120)との間の界面を通って真空が逃げるのを防ぐために、針部分(110)を封止することが望ましい場合がある。したがって、この状況では、スプール本体がマニホールドを封止するように、スプール本体がカッター(60)によって配置され得る。もちろん、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであるように、様々な他の追加の空気圧状態または代替の空気圧状態を使用することもできる。単なる例示として、適切な空気圧状態は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2019年2月19日に発行され、「Biopsy Device with Translating Valve Assembly」と題した米国特許第10,206,665号の教示の少なくともいくつかに準拠してもよい。
【0029】
D.例示的な一体型真空リザーバ
いくつかの実施例では、生検装置(10)などの生検装置に、真空用の1つ以上のリザーバを設けることが望ましいとされ得る。例えば、いくつかのテザー式生検装置は、一般に、外部の真空系に1つ以上の真空キャニスタを使用する場合がある。真空キャニスタの使用は、真空用の追加のボリュームを提供するために望ましい場合がある。こうしたボリュームの増量により、生検処置の際の真空流量の急激な変動に起因する真空圧の低下に対して、真空系全体の耐性を高めることができる。言い換えれば、真空用のボリュームを増やすことで、真空圧を経時的に安定化させることが可能である。真空圧の安定性を高めることは、試料サイズの増大化、反応時間の向上、及び生検装置内の試料の搬送性の改善を可能にするために、一般に望ましいことである。
【0030】
対照的に、生検装置(10)などのテザーレス生検装置では、真空系全体が生検装置自体に統合されているために、一般に真空キャニスタは使用され得ない。真空キャニスタまたは他の類似した構造を真空にしなければ、真空系の総ボリュームが減少する。このボリュームの減少により、結果として真空系が真空流量の急激な変動の影響をより受けやすくなり、生検処置の過程での真空圧がより不安定になる場合がある。したがって、状況によっては、真空系に追加のボリュームを提供するために、生検装置に構造及び機能を組み込むことが望ましい場合がある。以下に様々な例示的な生検装置の構成を説明するが、本明細書に開示された実施例の趣旨から逸脱することなく、様々な修正を行うことができることを理解されたい。
【0031】
図5に最も分かりやすく示すように、プローブ(20)は、上部ハウジング(22)と下部ハウジング(24)とで形成されている。上部ハウジング(22)及び下部ハウジング(24)の両方は、プローブ(20)の内部が大気に対して概ね封止されるように、互いに結合して流体密封を形成するように構成されている。封止を容易にするために、下部ハウジング(24)は、概して急な角及び/または縁のない幾何学的形状を画定する。さらに、下部ハウジング(24)の近端部及び末端部は、下部ハウジング(24)が上部ハウジング(22)に結合されたときに、自動芯合わせを提供するようにテーパが付けられている。本構成は、概して、下部ハウジング(24)が上部ハウジング(22)とともに容易に封を行い、それによってプローブ(20)の内部を大気に対して封止することを可能にするように構成されている。本実施例の下部ハウジング(24)(及び上部ハウジング(22)の対応する部分)は、特定の幾何学的形状を有するものとして示しているが、様々な代替の幾何学的形状を、そのような形状が、概して、急な縁及び角のない、及び/または自動芯合わせ型である、という条件で、使用できることを理解されたい。
【0032】
本実施例の上部ハウジング(22)及び下部ハウジング(24)は、概して超音波溶接によって結合されるように構成される。したがって、下部ハウジング(24)の特定の幾何学的形状は、急な縁及び角のないことと、上部ハウジング(22)と下部ハウジング(24)との自己芯合わせ構成とにより、超音波溶接時に上部ハウジング(22)への密着性を促進するように構成される。本明細書では、上部ハウジング(22)と下部ハウジング(24)とを結合するのに好適であるとして、超音波溶接の使用を説明したが、他の実施例では、様々な代替の結合機構を使用してもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施例では、上部ハウジング(22)と下部ハウジング(24)とをエポキシなどの接着剤で結合することがある。他の実施例では、上部ハウジング(22)と下部ハウジング(24)とを、1つ以上のガスケットが、上部ハウジング(22)と下部ハウジング(24)との間に配置されて封止をもたらす機械的な締結によって結合することがある。ここでの教示を考慮して当業者に明らかであるように、上部ハウジング(22)及び下部ハウジング(24)の結合のさらに他の実施例を使用することができる。
【0033】
図4図6、及び図7は、プローブ(20)の内部の詳細図を示す。図に示すように、上部ハウジング及び下部ハウジング(22、24)は共に、その中に1つ以上の真空リザーバまたは真空チャンバ(410、412、414、416)及び通気チャンバ(420)を画定する。真空リザーバ(410、412、414、416)全ては、概して、相互間で流体を伝えて、ポート(24)から組織試料ホルダー(40)への真空の流れを提供するように構成される。以下でより詳細に説明するように、真空リザーバ(410、412、414、416)は、一般に、生検処置などの手順の間中、真空流量の急激な変化に対して真空系全体の耐性を高めるために、真空系にボリュームの増加をもたらすように構成される。
【0034】
各真空リザーバ(410、412、414、416)の形状は、概して上部ハウジング及び下部ハウジング(22、24)の構造によって画定される。例えば、本実施例では、上部及び下部ハウジング(22、24)は、各真空リザーバ(410、412、414、416)に対応するプローブ(20)の内部に別個の区画を画定する1つ以上の内壁(430)を画定する。本実施例では、3つの内壁(430)が使用されて、4つの別個の真空リザーバ(410、412、414、416)が形成される。しかし、他の実施例では、異なる壁の構成を使用して、対応する異なる真空リザーバ(410、412、414、416)の構成を提供できることを理解されたい。実際に、本実施例では、内壁(430)の特定の構造は、単にプローブ(20)に剛性を与えるためにすぎない。したがって、他の実施例では、プローブ(20)の所望の物理的特性に応じて、より多くの内壁(430)、もしくはより少ない内壁(430)を使用することが可能であり、または完全に排除することさえも可能である。さらに、本実施例の内壁(430)は、プローブ(20)の内部を垂直に分割するものとして示したが、他の実施例では、内壁(430)は、プローブ(20)の内部を水平に分割することもあり、または垂直と水平の組み合わせであることもある。
【0035】
内壁(430)は、一般に、各真空リザーバ(410、412、414、416)間の流体の流れを促進するための1つ以上の開口部(432)を含む。開口部(432、434)は、様々な形をとることができる。例えば、本実施例では、いくつかの内壁(430)は、単に流体の流れに対応するように構成された流体開口部(432)を含む。一方、他の内壁(430)は、カッター(60)、カッター作動アセンブリ(300)の1つ以上の構成要素、及び流体の流れの動きに対応するように構成されたカッター開口部(434)を含む。開口部(432、434)のいずれの様式においても、各開口部(432、434)は、一般に、手順の過程で真空の流れを妨げないように構成されていることを理解されたい。したがって、所与の開口部(432、434)を通る真空の流量は、一般に、真空系の動作を妨げないように、真空系全体の流量よりも大きい。あるいは、各内壁(430)は、真空系の動作を妨げることなく、同様に真空の流れを促進するために、様々な構成の複数の開口部(432、434)を含むことがある。
【0036】
上部プローブハウジング(22)及び下部プローブハウジング(24)は、さらに、真空リザーバ(410、412、414、416)の遠位に配置された通気チャンバ(420)を画定する。通気チャンバ(420)は、概して、遠位壁(422)により、真空リザーバから流体的に隔離されている。したがって、遠位壁(422)は、通気チャンバ(420)を真空リザーバ(410、412、414、416)から隔離するように構成されていることを理解されたい。そのため、遠位壁(422)は、流体の隔離を維持しながらも、カッター作動アセンブリ(300)などの様々な動作構成要素が遠位壁(422)を通過することを可能にする様々なシール、ガスケット、または他の特徴を含み得る。
【0037】
通気チャンバ(420)は、一般に、バルブアセンブリ(200)が動作するための空間を提供するように構成される。上記のように、バルブアセンブリ(200)は、針アセンブリ(100)に大気への通気を提供するように構成され得る。したがって、いくつかの実施例では、上部プローブハウジング(22)及び/または下部プローブハウジング(24)は、通気チャンバ(420)を大気圧に維持するために、様々な外部通気または通気路を含むことがある。しかし、通気チャンバ(420)が大気圧であることは必須ではないことを理解されたい。例えば、いくつかの実施例では、バルブアセンブリ(200)自体をプローブ(20)の他の部分から流体的に隔離し、管または流路を介して大気と直接、流体接続させることができる。そのような実施例では、通気チャンバ(420)を、上記の真空リザーバ(410、412、414、416)と同類である別の真空リザーバとして使用することができる。したがって、いくつかの実施例では、遠位壁(422)は、通気チャンバ(420)の別の真空リザーバとしての使用を促進するために、上記の開口部(432、434)と類似した開口部を同様に含むことができることを理解されたい。
【0038】
上記のように、ギア(310、312)は、シャフト(314)上に配置されたシール(315)により、概して互いに流体的に隔離されている。この流体隔離は、一般に、プローブ(20)の外部に対して真空リザーバ(410、412、414、416)の流体隔離を促進するように構成される。例えば、ギア(310)は、一般に、ホルスター(30)のギア(34)と噛み合うように、プローブ(20)の外部に露出される。その一方で、ギア(312)は、上部プローブハウジング(22)及び下部プローブハウジング(24)の内部に配置され、したがってプローブ(20)の外部から流体的に隔離される。シール(315)は、シャフト(314)と封止的に係合することにより、ギア(310、312)間の流体隔離を提供する。したがって、ギア(310)は、大気圧でギア(312)の回転を駆動するように構成され、一方、ギア(312)は、ギア(310、312)間に流体を漏出させる流路を全く作らずに、ある程度の真空圧にさらされる。それに伴って、ギア(310、312)は協働で、真空リザーバ(410、412、414、416)の動作を実質的に中断することなく、ホルスター(30)からカッター作動アセンブリ(300)に原動力を提供することができる。
【0039】
図7は、プローブ(20)を通る真空の流れの例示的な図を提供する。図に示すように、ポート(26)においてホルスター(30)により真空が提供される。次に、真空は、ポート(26)を通って真空リザーバ(416)に引き込まれ、そこで真空は、真空リザーバ(416)内を自由に循環し得る。そして、真空は、真空リザーバ(416)に隣接する内壁(430)の開口部(434)を自由に通り抜け、真空リザーバ(414)に入り得る。同様に、真空は、真空リザーバ(414)内を自由に循環し得る。次に、真空は、真空リザーバ(414)と真空リザーバ(412)との間の内壁(430)の開口部(434)を自由に通り抜け、真空リザーバ(412)に入り得る。その後、真空は、真空リザーバ(412)内を自由に循環し得る。次に、真空は、真空リザーバ(412)と真空リザーバ(410)との間の内壁(430)の開口部(432)を自由に通り抜け、真空リザーバ(410)に入り得る。その後、真空は、真空リザーバ(412)内を自由に循環し得る。
【0040】
真空が全ての真空リザーバ(410、412、414、416)を通過すると、真空は、組織試料ホルダー(40)に隣接する内壁(430)の開口部(432)を通り抜け、組織試料ホルダー(40)に入り得る。組織試料ホルダー(40)から、真空がカッター(60)に入ることができ、そこで真空は、カッター(60)を通して伝わって、試料採取シーケンスの際に横方向開口部(150)を通して組織試料を吸引することができる。次いでカッター(60)は、組織試料を切断し得、真空を利用して、切断された組織試料を、カッター(60)に通して、組織試料ホルダー(40)へと搬送することができる。その後、この試料採取シーケンスを必要に応じて繰り返して、組織試料ホルダー(40)内に複数の組織試料を収集することができる。
【0041】
上記の試料採取シーケンスは、試料採取シーケンスの様々な段階で、真空流量の変動を招く可能性があることを理解されたい。例えば、横方向開口部(150)を介して組織試料を吸引する間に、真空流量が比較的多くなり得る。同様に、切断された組織試料がカッター(60)を通って搬送される間に、真空流量が比較的多くなり得る。他の状況下では、組織試料の切断中などの他の段階において、真空流量が比較的少なくなり得る。さらに他の状況では、カッター(60)を横方向開口部(150)に対して後退させている際などに、真空流量は比較的中程度であり得るか、またはわずかであり得る。したがって、真空流量が比較的多い期間では、真空のボリューム消費量が比較的多くなるという結果になり得る一方で、真空流量が比較的少ない期間では、真空のボリューム消費量が比較的少なくなるという結果になり得ることを理解されたい。それにもかかわらず、これら全ての段階を通じて、ホルスター(30)は、試料採取シーケンスの特定の段階に関係なく、真空の連続流を提供する。結果として、カッター(60)及び組織試料ホルダー(40)は、ホルスター(30)によって提供される真空の連続流を圧倒することなく、真空リザーバ(410、412、414、416)を利用して、より多いかまたはより少ないボリュームの真空を消費することができる。全体的には、これにより真空圧が、時間の経過とともに、より持続するようになる。
【0042】
真空リザーバ(410、412、414、416)によって提供されるボリュームの特定の量は、真空リザーバ(410、412、414、416)の特定の構成に応じて変化し得る。真空リザーバ(410、412、414、416)は、様々な特定のボリュームを提供するために様々な方法で構成することができるが、本実施例では、組織試料ホルダー(40)に直接接続された真空系に対して、約10~20倍以上のボリュームを提供するように構成される。いくつかの実施例では、真空リザーバ(410、412、414、416)は、集合的に、組織試料ホルダー(40)の体積よりも10~20倍大きなボリュームを提供する。他の実施例では、真空リザーバ(410、412、414、416)は、集合的に、約175ccであるボリュームを提供する。もちろん、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかであるように、様々な他の代替ボリュームを使用することができる。
【0043】
図8は、上記の原理を概略的に示したものである。具体的には、図8は、カニューレ(120)に対するカッター(60)の動きを含むアルゴリズム(500)を示しており、これは、横方向開口部(150)のグラフィック表現(520)を含むグラフィック表現(510)によって表されている。カッター(60)の移動を、カッター(60)の全移動範囲にわたって線(530)で示す。線(540)は、組織試料採取シーケンス中のバルブアセンブリ(200)の空気圧状態を表す。
【0044】
カッター(60)を通って延在する管腔の空気圧状態を、線(550)及び線(560)によって示す。ここでは、本実施例と、真空リザーバ(410、412、414、416)のない(例えば、組織試料ホルダー(40)に直接真空が供給される)実施例との比較を提供するために、別個の線が提供される。例えば、線(550)は、真空リザーバ(410、412、414、416)のない実施例での経時的な真空圧の例を示す。
【0045】
図に示すように、線(550)で示す真空圧は、時間の経過とともに大幅に変化する。このような真空圧の変化は、試料採取シーケンス全体を通して増加する真空のボリューム消費量の変化に起因し、それによってホルスター(30)から供給される連続的な真空圧の過負荷を引き起こす。対照的に、線(560)は、真空リザーバ(410、412、414、416)を含む本実施例における経時的な真空圧を示す。図に示すように、真空圧は、真空リザーバ(410、412、414、416)によって提供される真空の膨張及び収縮のための追加のボリュームのために、時間の経過とともに実質的に安定している。したがって、本実施例の真空リザーバ(410、412、414、416)は、概して経時的な真空圧平滑化効果を提供するように構成されていることを理解されたい。この効果は、一般に、応答時間の向上、組織試料の搬送の改善、より大きな組織試料の収集、及び生検装置(10)のより一貫した信頼性の高い動作のために望ましいものである。線(550、560)は、経時的な真空圧の特定の周波数及び振幅を示しているが、他の実施例では、経時的な真空圧の周波数及び振幅は、様々な条件に応じて変化する可能性があることを理解されたい。実際には、線(550、560)は、主に上記の概念上の違いを示すためのものであることを理解されたい。
【0046】
参照により本明細書に組み込まれると言われている任意の特許、刊行物または他の開示資料は、全部または一部において、組み込まれる資料が本開示に記載の既存の定義、記述または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。このように、また必要な範囲において、本明細書で明確に述べている開示は、参照により本明細書に組み込まれている任意の相反する資料に取って代わる。参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に記載されている既存の定義、記述もしくは他の開示資料と矛盾する、任意の資料またはその一部は、その組み込まれた資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。
【0047】
本明細書に開示される装置の実施形態は、単回使用後に廃棄されるように設計される場合もあれば、それらは複数回使用されるように設計される場合もある。実施形態は、いずれの場合または両方の場合に、少なくとも1回の使用後に再利用するために再調整され得る。再調整は、装置の分解、続いて特定の部品の洗浄または交換、及び後続の再組立てのステップの任意の組み合わせを含み得る。特に、装置の実施形態は分解し得、装置の任意の数の特定の部品またはパーツは、任意の組み合わせで選択的に交換または取り外し得る。特定のパーツの洗浄及び/または交換時、装置の実施形態は、再調整施設において、または外科処置の直前に外科チームによってのどちらかの後続の使用のために再組立てし得る。当業者は、装置の再調整では、分解、洗浄/交換、及び再組立ての様々な技術を利用し得ることを理解する。そのような技術を用いること及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内である。
【0048】
ほんの一例として、本明細書で説明する実施形態は外科手術の前に処理してもよい。最初に、新しいかまたは使用済みの器具を取得して、必要に応じて洗浄してもよい。次に器具を滅菌してもよい。1つの滅菌技術では、器具をプラスチックまたはTYVEKバッグなどの閉鎖及びシールした容器内に置く。次に容器及び器具を、容器に侵入することができる放射線場(例えば、ガンマ線、X線、または高エネルギー電子)の中に置いてもよい。放射線が器具上及び容器内のバクテリアを殺す場合がある。滅菌された器具を次に、滅菌容器に保管してもよい。シールされた容器は、医療設備で開かれるまで、器具を滅菌状態に保ち得る。また、装置は、ベータ線またはガンマ線、エチレンオキシド、または蒸気を含むが、これに限定されない当該技術分野で知られる任意の他の技術用いて滅菌し得る。
【0049】
V.典型的な組み合わせ
以下の例は、本明細書での教示を組み合わせるかまたは適用し得る種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願または本出願の後続の出願の任意の時点で提示され得る、任意の特許請求の範囲の適用範囲を制限することを意図しないことを理解すべきである。権利放棄は意図していない。以下の実施例は、単に例示的な目的で示しているにすぎない。本明細書の種々の教示を他の多くの方法で配置及び適用し得ることは、想到されている。いくつかの変形例が、以下の実施例で言及される特定の構成要素を省略してもよいことも想到されている。したがって、後で発明者によって、または対象となる発明者の後継者によって、特に明白に示されていない限り、下記に言及される態様または特徴のいずれも重大なものとみなすべきではない。本出願または本出願に関連する後続の出願にて、以下で言及する以外の更なる特徴を含む、何らかの特許請求の範囲が示された場合、これらの更なる特徴は、特許性に関係する何らかの理由で追加されたものと推定するものではない。
【0050】
実施例1
試料チャンバを画定する組織試料ホルダーと、プローブに取り外し可能に固定されたホルスターとを有する生検装置で使用するための前記プローブであって、前記プローブが、ハウジング内に真空チャンバを画定する前記ハウジングを備え、前記真空チャンバが、前記組織試料ホルダーの前記試料チャンバと連通している、前記プローブ。
【0051】
実施例2
組織試料を切断するためのカッターをさらに備え、前記カッターが、前記真空チャンバを通って延在し、前記組織試料ホルダーと連通している、実施例1に記載のプローブ。
【0052】
実施例3
カッター駆動部と、組織試料を切断するためのカッターとをさらに備え、前記カッター駆動部が、前記カッターの平行移動及び回転を行うように構成されており、前記カッター駆動部及び前記カッターが両方とも、前記真空チャンバ内に部分的に配置されている、実施例1に記載のプローブ。
【0053】
実施例4
前記真空チャンバが、複数の内壁によって分けられた4つの流体リザーバを含む、実施例1~3のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
【0054】
実施例5
前記真空チャンバが、前記プローブ内を軸方向、横方向、またはそれらの組み合わせに延在する1つ以上の内壁によって分けられた複数の流体リザーバを含む、実施例1~3のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
【0055】
実施例6
前記真空チャンバが、第1のボリュームを画定し、前記第1のボリュームが、前記組織試料ホルダーによって画定された第2のボリュームよりも大きい、実施例1~5のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
【0056】
実施例7
前記真空チャンバが、第1のボリュームを画定し、前記第1のボリュームが、前記組織試料ホルダーによって画定された第2のボリュームよりも10~20倍大きい、実施例1~5のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
【0057】
実施例8
前記プローブの前記ハウジングが、共に結合されて界面を画定する上部ハウジング及び下部ハウジングを含み、前記界面には、鋭い縁が実質的にない、実施例1~7のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
【0058】
実施例9
前記プローブの前記ハウジングが、共に結合されて界面を画定する上部ハウジング及び下部ハウジングを含み、前記下部ハウジングが、前記上部ハウジングに対して自動芯合わせ型である、実施例1~7のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
【0059】
実施例10
シャフトによって回転可能に接続された第1のギア及び第2のギアをさらに備え、前記第1のギアが、前記ハウジングの外部に対して露出しており、前記第2のギアが、前記真空チャンバ内に配置され、前記シャフトと係合するシールによって前記ハウジングの外部に対して封止される、実施例1~9のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
【0060】
実施例11
1つ以上の組織試料を収集するための手持ち式テザーレス生検装置であって、前記生検装置が、モータと、前記モータに結合された真空ポンプとを有するホルスターと、前記ホルスターに取り外し可能に結合されたプローブであって、前記プローブが、前記ホルスターの前記真空ポンプと連通する真空ポートを有するハウジングを含み、前記ハウジングが、前記真空ポートと連通する真空リザーバを画定する、前記プローブと、組織試料を、その中に受け入れるように構成された試料チャンバを画定する組織試料ホルダーであって、前記試料チャンバが、前記プローブの前記真空リザーバと連通している、前記組織試料ホルダーとを備える、前記生検装置。
【0061】
実施例12
前記真空リザーバが、1つ以上の内壁によって分けられ、前記1つ以上の内壁のそれぞれの内部に配置された開口部によって相互接続される複数のリザーバを含む、実施例11に記載の生検装置。
【0062】
実施例13
前記プローブが、カッターと、前記カッターの平行移動及び回転を行うように構成されたカッター駆動部とをさらに含み、前記カッターの少なくとも一部と前記カッター駆動部とが、前記真空リザーバ内に配置される、実施例11または実施例12に記載の生検装置。
【0063】
実施例14
前記プローブが、カッターと、前記カッターの平行移動及び回転を行うように構成されたカッター駆動部とをさらに含み、前記カッターの少なくとも一部と前記カッター駆動部とが、前記真空リザーバ内に配置されており、前記1つ以上の内壁のうちの少なくとも1つの内壁の前記開口部が、前記複数の流体リザーバのうちの2つの流体リザーバ間に流体の流れを提供しながら、前記カッターと、前記カッター駆動部の一部とを受け入れるように構成される、実施例11または実施例12に記載の生検装置。
【0064】
実施例15
前記プローブが、前記プローブの一部に選択的通気を提供するように構成されたバルブアセンブリをさらに含み、前記バルブアセンブリが、前記真空リザーバから流体的に隔離されている、実施例11~13のいずれか1つ以上に記載の生検装置。
【0065】
実施例16
前記プローブが、通気チャンバと、前記通気チャンバ内に配置され、前記プローブの一部に選択的通気を提供するように構成されたバルブアセンブリとをさらに含み、前記通気チャンバが、前記真空リザーバから流体的に隔離されている、実施例11~13のいずれか1つ以上に記載の生検装置。
【0066】
実施例17
前記プローブが、前記プローブの一部に選択的通気を提供するように構成されたバルブアセンブリをさらに含み、前記バルブアセンブリが、前記真空リザーバの一部の内部に配置されながらも、前記真空リザーバから流体的に隔離されている、実施例11~13のいずれか1つ以上に記載の生検装置。
【0067】
実施例18
前記真空リザーバが、約175ccの総流体ボリュームを画定する、実施例11~17のいずれか1つ以上に記載の生検装置。
【0068】
実施例19
前記プローブの前記ハウジングが、第1のハウジング及び第2のハウジングを含み、前記第1のハウジング及び前記第2のハウジングが、共に結合して、前記真空リザーバを前記プローブの外部に対して封止するように構成されている、実施例11~17のいずれか1つ以上に記載の生検装置。
【0069】
実施例20
前記真空ポンプが、前記モータによって継続的に駆動される、実施例11~19のいずれか1つ以上に記載の生検装置。
【0070】
実施例21
プローブ、組織試料ホルダー、及びホルスターを有する生検装置で使用するための方法であって、前記プローブの針を組織に挿入することと、前記針の内部のカッターを遠位に平行移動させて組織試料を切断することと、前記ホルスター内の真空ポンプによって供給される真空圧を、前記プローブのハウジングによって画定された真空リザーバから引き出して、前記切断した組織試料を前記カッターに通して前記組織試料ホルダーに搬送することとを含む、前記方法。
【0071】
実施例22
前記真空圧を引き出すステップが、前記ホルスターの前記真空ポンプから前記真空リザーバへ真空の連続流を供給することを含む、実施例21に記載の方法。
【0072】
実施例23
前記切断した組織試料が前記カッターを通して搬送されるとき、前記真空圧を引き出す前記ステップ中の前記真空圧が実質的に連続的である、実施例22に記載の方法。
【0073】
実施例24
前記切断した組織試料を、前記カッターを通して搬送した後に、前記針内で前記カッターを近位方向に平行移動させることと、前記カッターが近位方向に平行移動されている間に、前記ホルスター内の前記真空ポンプによって供給される他の真空圧を前記真空リザーバから引き出すこととをさらに含む、実施例21~23のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0074】
実施例25
前記他の真空圧が、前記切断した組織試料の搬送中に供給される前記真空圧と実質的に同じである、実施例24に記載の方法。
【0075】
本発明の種々の実施形態について図示し、説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる適応が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そのような可能な修正形態のうちのいくつかに言及したが、他のものは当業者には明らかであろう。例えば、前に議論した実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に関して考慮すべきであり、明細書及び図面で図示し、説明した構造及び動作の詳細には限定されないことが理解される。
【0076】
〔実施の態様〕
(1) 生検装置で使用するためのプローブであって、前記生検装置が、試料チャンバを画定する組織試料ホルダーと、前記プローブに取り外し可能に固定されたホルスターとを有する、前記プローブが、
ハウジング内に真空チャンバを画定する前記ハウジングであって、前記真空チャンバが、前記組織試料ホルダーの前記試料チャンバと連通している、前記ハウジングを備える、前記プローブ。
(2) 組織試料を切断するためのカッターであって、前記カッターが、前記真空チャンバを通って延在し、前記組織試料ホルダーと連通している、前記カッターをさらに備える、実施態様1に記載のプローブ。
(3) カッター駆動部と、組織試料を切断するためのカッターとであって、前記カッター駆動部が、前記カッターの平行移動及び回転を行うように構成されており、前記カッター駆動部及び前記カッターが両方とも、前記真空チャンバ内に部分的に配置されている、前記カッター駆動部と前記カッターとをさらに備える、実施態様1に記載のプローブ。
(4) 前記真空チャンバが、複数の内壁によって分けられた4つの流体リザーバを含む、実施態様1~3のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
(5) 前記真空チャンバが、前記プローブ内を軸方向、横方向、またはそれらの組み合わせに延在する1つ以上の内壁によって分けられた複数の流体リザーバを含む、実施態様1~3のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
【0077】
(6) 前記真空チャンバが、前記組織試料ホルダーによって画定された第2のボリュームよりも大きな第1のボリュームを画定する、実施態様1~5のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
(7) 前記真空チャンバが、第1のボリュームを画定し、前記第1のボリュームが、前記組織試料ホルダーによって画定された第2のボリュームよりも10~20倍大きい、実施態様1~5のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
(8) 前記プローブの前記ハウジングが、共に結合されて界面を画定する上部ハウジング及び下部ハウジングを含み、前記界面には、鋭い縁が実質的にない、実施態様1~7のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
(9) 前記プローブの前記ハウジングが、共に結合されて界面を画定する上部ハウジング及び下部ハウジングを含み、前記下部ハウジングが、前記上部ハウジングに対して自動芯合わせ型である、実施態様1~7のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
(10) シャフトによって回転可能に接続された第1のギア及び第2のギアであって、前記第1のギアが、前記ハウジングの外部に対して露出しており、前記第2のギアが、前記真空チャンバ内に配置され、前記シャフトと係合するシールによって前記ハウジングの外部に対して封止される、前記第1のギア及び前記第2のギアをさらに備える、実施態様1~9のいずれか1つ以上に記載のプローブ。
【0078】
(11) 1つ以上の組織試料を収集するための手持ち式テザーレス生検装置であって、前記生検装置が、
モータと、前記モータに結合された真空ポンプとを有するホルスターと、
前記ホルスターに取り外し可能に結合されたプローブであって、前記プローブが、前記ホルスターの前記真空ポンプと連通する真空ポートを有するハウジングを含み、前記ハウジングが、前記真空ポートと連通する真空リザーバを画定する、前記プローブと、
組織試料を、その中に受け入れるように構成された試料チャンバを画定する組織試料ホルダーであって、前記試料チャンバが、前記プローブの前記真空リザーバと連通している、前記組織試料ホルダーと
を備える、前記生検装置。
(12) 前記真空リザーバが、1つ以上の内壁によって分けられ、前記1つ以上の内壁のそれぞれの内部に配置された開口部によって相互接続される複数のリザーバを含む、実施態様11に記載の生検装置。
(13) 前記プローブが、カッターと、前記カッターの平行移動及び回転を行うように構成されたカッター駆動部とをさらに含み、前記カッターの少なくとも一部と前記カッター駆動部とが、前記真空リザーバ内に配置される、実施態様11または実施態様12に記載の生検装置。
(14) 前記プローブが、カッターとカッター駆動部とをさらに含み、前記カッター駆動部が、前記カッターの平行移動及び回転を行うように構成されており、前記カッターの少なくとも一部と前記カッター駆動部とが、前記真空リザーバ内に配置されており、前記1つ以上の内壁のうちの少なくとも1つの内壁の前記開口部が、前記複数の流体リザーバのうちの2つの流体リザーバ間に流体の流れを提供しながら、前記カッターと、前記カッター駆動部の一部とを受け入れるように構成される、実施態様11または実施態様12に記載の生検装置。
(15) 前記プローブが、前記プローブの一部に選択的通気を提供するように構成されたバルブアセンブリをさらに含み、前記バルブアセンブリが、前記真空リザーバから流体的に隔離されている、実施態様11~13のいずれか1つ以上に記載の生検装置。
【0079】
(16) 前記プローブが、通気チャンバと、前記通気チャンバ内に配置され、前記プローブの一部に選択的通気を提供するように構成されたバルブアセンブリとをさらに含み、前記通気チャンバが、前記真空リザーバから流体的に隔離されている、実施態様11~13のいずれか1つ以上に記載の生検装置。
(17) 前記プローブが、前記プローブの一部に選択的通気を提供するように構成されたバルブアセンブリをさらに含み、前記バルブアセンブリが、前記真空リザーバの一部の内部に配置されながらも、前記真空リザーバから流体的に隔離されている、実施態様11~13のいずれか1つ以上に記載の生検装置。
(18) 前記真空リザーバが、約175ccの総流体ボリュームを画定する、実施態様11~17のいずれか1つ以上に記載の生検装置。
(19) 前記プローブの前記ハウジングが、第1のハウジング及び第2のハウジングを含み、前記第1のハウジング及び前記第2のハウジングが、共に結合して、前記真空リザーバを前記プローブの外部に対して封止するように構成されている、実施態様11~17のいずれか1つ以上に記載の生検装置。
(20) プローブ、組織試料ホルダー、及びホルスターを有する生検装置で使用するための方法であって、
前記プローブの針を組織に挿入することと、
前記針の内部のカッターを遠位に平行移動させて組織試料を切断することと、
前記ホルスター内の真空ポンプによって供給される真空圧を、前記プローブのハウジングによって画定された真空リザーバから引き出して、前記切断した組織試料を前記カッターに通して前記組織試料ホルダーに搬送することと
を含む、前記方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8