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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】表示パネル及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240902BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240902BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240902BHJP
   H10K 50/84 20230101ALI20240902BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20240902BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20240902BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20240902BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20240902BHJP
   H10K 71/00 20230101ALI20240902BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/00 338
G09F9/30 308Z
G09F9/30 309
G09F9/30 365
H10K50/10
H10K50/84
H10K59/122
H10K59/123
H10K59/124
H10K59/131
H10K71/00
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021564336
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2020093514
(87)【国際公開番号】W WO2021237734
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲ウェイ▼▲ユン▼
(72)【発明者】
【氏名】程 羽雕
(72)【発明者】
【氏名】▲顧▼ 品超
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110164945(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110649177(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0148856(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110265583(CN,A)
【文献】特開2020-061354(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0102502(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0023855(KR,A)
【文献】中国実用新案第210535696(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G09F 9/00
H10K 50/10
H10K 50/84
H10K 59/122
H10K 59/123
H10K 59/124
H10K 59/131
H10K 71/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、開口領域と、前記表示領域と前記開口領域との間に位置し、少なくとも一部が前記開口領域を囲むように設けられる隔離領域と、を含む表示パネルであって、
前記表示パネルは、
ベース基板と、
前記ベース基板上に形成され且つ前記表示領域に位置する薄膜トランジスタ及び蓄積キャパシタを含む駆動回路層と、
前記ベース基板上に形成され且つ前記隔離領域に位置する第1隔離柱と、を含み、
前記薄膜トランジスタは、
ゲート電極と、
前記ベース基板から離れる前記ゲート電極の一側に形成される第1ゲート絶縁層と、
前記ベース基板から離れる前記第1ゲート絶縁層の一側に形成される層間誘電体層と、
前記ベース基板から離れる前記層間誘電体層の一側に形成されるソース・ドレイン電極と、を含み、
前記蓄積キャパシタは、
前記ゲート電極と同一の層に設けられる第1電極板と、
前記第1ゲート絶縁層と前記層間誘電体層との間に位置する第2電極板と、を含み、
前記第1隔離柱は、前記開口領域を囲んで設けられ、
前記第1隔離柱は、
第1金属層と、
前記ベース基板から離れる前記第1金属層の一側に形成される第1絶縁層と、
前記ベース基板から離れる前記第1絶縁層の一側に形成される第2絶縁層と、
前記ベース基板から離れる前記第2絶縁層の一側に形成される第2金属層と、を含み、
前記第1金属層は、前記第1電極板と同一の層に設けられ、
前記第1絶縁層は、前記第1ゲート絶縁層と同一の層に設けられ、
前記第2絶縁層は、前記層間誘電体層と同一の層に設けられ、
前記第2絶縁層は、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を接続させる第1傾斜部分と、を含み、
前記第1傾斜部分の傾斜角は、90°未満であり、
前記第2金属層は、前記ソース・ドレイン電極と同一の層に設けられ、前記ベース基板から離れる前記第2部分の一側に位置し、
前記表示領域に対向する前記第2金属層の一側及び/又は前記開口領域に対向する前記第2金属層の一側には、前記開口領域を囲む切欠きが設けられる
表示パネル。
【請求項2】
前記ベース基板上の前記第2金属層の正投影は、前記ベース基板上の前記第1金属層の正投影内に位置する
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1金属層は、前記第1電極板と同一の層に設けられ、
前記第1隔離柱は、前記第2電極板と同一の層に設けられる第3金属層をさらに含む
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記ベース基板上の前記第2金属層の正投影は、前記ベース基板上の前記第3金属層の正投影内に位置し、
前記ベース基板上の前記第3金属層の正投影は、前記ベース基板上の前記第1金属層の正投影内に位置する
請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
同一の断面において、前記第2金属層の断面幅と前記第1金属層との断面幅の比は、0.4以上0.7以下であり、
同一の断面において、前記第2金属層の断面幅と前記第3金属層との断面幅の比は、0.5以上0.9以下であり、
同一の断面において、前記第3金属層の断面幅と前記第1金属層との断面幅の比は、0.58以上1未満であり、
前記断面は、前記第1隔離柱の径方向に延びる平面である
請求項4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1金属層の断面幅は、6.5μm~8.5μmであり、
前記第2金属層の断面幅は、3.5μm~4.5μmであり、
前記第3金属層の断面幅は、5μm~7μmである
請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第1金属層及び前記第3金属層の厚さは、2000Å~3000Åであり、
前記第2金属層の厚さは、6000Å~8000Åである
請求項5に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1傾斜部分の傾斜角は、10°~45°である
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記ベース基板と前記駆動回路層との間には、バッファ層がさらに設けられ、
前記薄膜トランジスタは、前記バッファ層上に順次に形成される半導体層及び第2ゲート絶縁層をさらに含み、
前記第2ゲート絶縁層は、前記ゲート電極と前記半導体層との間に位置する
請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記第1隔離柱は、
前記第2ゲート絶縁層と同一の層に設けられる第3絶縁層と、
前記バッファ層と同一の層に設けられる第4絶縁層と、をさらに含む
請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記表示パネルは、
前記表示領域に位置し、前記薄膜トランジスタを覆う平坦化層と、
前記表示領域に位置し、前記平坦化層上に形成され、複数のピクセルユニットを定義するためのピクセル定義層と、
前記隔離領域に位置し、前記開口領域を囲むように設けられ、前記ピクセル定義層と同一の層に設けられる第1バリアダムと、
前記隔離領域に位置し、前記開口領域を囲むように設けられる第2バリアダムと、をさらに含み、
前記第2バリアダムは、前記開口領域に近づく前記第1バリアダムの一側に位置し、
前記第2バリアダムは、前記平坦化層と同一の層に設けられる第1隔離部と、前記ピクセル定義層と同一の層に設けられる第2隔離部と、を含み、
前記第2バリアダムの高さは、前記第1バリアダムの高さより大きい
請求項10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記表示パネルは、前記ベース基板上に形成され且つ前記隔離領域に位置する第2隔離柱をさらに含み、
前記第2隔離柱は、前記開口領域を囲むように設けられ、
前記第2隔離柱は、少なくとも第4金属層を含み、
前記第4金属層は、前記第2金属層と同一の構造を有し、前記第2金属層と同一の層に設けられ、
前記第1バリアダム及び前記第2バリアダムは、前記第1隔離柱と前記第2隔離柱との間に位置する
請求項11に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記第2隔離柱は、
前記第1電極板と同一の層に設けられる第5金属層と、
前記第1ゲート絶縁層と同一の層に設けられる第5絶縁層と、
前記層間誘電体層と同一の層に設けられる第6絶縁層と、をさらに含み、
前記第6絶縁層は、第3部分と、第4部分と、前記第3部分と前記第4部分を接続させる第2傾斜部分と、を含み、
前記第2傾斜部分の傾斜角は、前記第1傾斜部分の傾斜角と同じであり、
前記第4金属層は、前記ベース基板から離れる前記第4部分の一側に位置する
請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記第5金属層は、前記第1電極板と同一の層に設けられ、
前記第2隔離柱は、前記第2電極板と同一の層に設けられる第6金属層をさらに含む
請求項13に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記第2隔離柱は、
前記第2ゲート絶縁層と同一の層に設けられる第7絶縁層と、
前記バッファ層と同一の層に設けられる第8絶縁層と、をさらに含む
請求項14に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記第2隔離柱は、前記ベース基板に近づく前記第4金属層の一側に位置する絶縁積層をさらに含み、
前記絶縁積層は、
前記バッファ層、前記第2ゲート絶縁層、前記第1ゲート絶縁層及び前記層間誘電体層と同一の層に設けられとともに、前記バッファ層、前記第2ゲート絶縁層、前記第1ゲート絶縁層及び前記層間誘電体層と互いに分離し、
前記絶縁積層は、傾斜角が50°~70°である傾斜面を有する
請求項12に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記第1隔離柱及び前記第2隔離柱のうちの一方は、前記表示領域に近づく前記第1バリアダムの一側に位置し、他方は、前記開口領域に近づく前記第2バリアダムの一側に位置し、
前記第1隔離柱は、複数が設けられ、及び/又は、
前記第2隔離柱は、複数が設けられる
請求項12に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記表示パネルは、封止フィルムをさらに含み、
前記封止フィルムは、少なくとも第1無機封止層を含み、
前記第1無機封止層は、前記表示領域及び前記隔離領域に位置し、前記駆動回路層及び前記第1隔離柱を覆う
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項19】
請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の表示パネルを含む表示装置。
【請求項20】
表示パネルの製造方法であって、
前記表示パネルは、表示領域と、開口領域と、前記表示領域と前記開口領域との間に位置し、少なくとも一部が前記開口領域を囲むように設けられる隔離領域と、を含み、
前記表示パネルの製造方法は、
ベース基板を用意するステップと、
前記ベース基板上に駆動回路層及び第1隔離柱を形成するステップと、を含み、
前記駆動回路層は、前記表示領域に位置する薄膜トランジスタ及び蓄積キャパシタを含み、
前記薄膜トランジスタは、
ゲート電極と、
前記ベース基板から離れる前記ゲート電極の一側に形成される第1ゲート絶縁層と、
前記ベース基板から離れる前記第1ゲート絶縁層の一側に形成される層間誘電体層と、
前記ベース基板から離れる前記層間誘電体層の一側に形成されるソース・ドレイン電極と、を含み、
前記蓄積キャパシタは、
前記ゲート電極と同一の層に設けられる第1電極板と、
前記第1ゲート絶縁層と前記層間誘電体層との間に位置する第2電極板と、を含み、
前記第1隔離柱は、前記開口領域を囲んで設けられ、
前記第1隔離柱は、
第1金属層と、
前記ベース基板から離れる前記第1金属層の一側に形成される第1絶縁層と、
前記ベース基板から離れる前記第1絶縁層の一側に形成される第2絶縁層と、
前記ベース基板から離れる前記第2絶縁層の一側に形成される第2金属層と、を含み、
前記第1金属層は、前記第1電極板と同一の層に設けられ、
前記第1絶縁層は、前記第1ゲート絶縁層と同一の層に設けられ、
前記第2絶縁層は、前記層間誘電体層と同一の層に設けられ、
前記第2絶縁層は、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を接続させる第1傾斜部分と、を含み、
前記第1傾斜部分の傾斜角は、90°未満であり、
前記第2金属層は、前記ソース・ドレイン電極と同一の層に設けられ、前記ベース基板から離れる前記第2部分の一側に位置し、
前記表示領域に対向する前記第2金属層の一側及び/又は前記開口領域に対向する前記第2金属層の一側には、前記開口領域を囲む切欠きが設けられる
表示パネルの製造方法。
【請求項21】
前記第1金属層は、前記第1電極板と同一の層に設けられ、
前記第1隔離柱は、前記第2電極板と同一の層に設けられる第3金属層をさらに含む
請求項20に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項22】
前記ベース基板上に、前記隔離領域に位置し、前記開口領域を囲むように設けられる第2隔離柱を形成するステップと、
前記表示領域に、前記薄膜トランジスタを覆う平坦化層を形成するステップと、
前記表示領域に、前記平坦化層上に位置し、複数のピクセルユニットを定義するためのピクセル定義層を形成するステップと、
前記隔離領域に、第1バリアダム及び第2バリアダムを形成するステップと、をさらに含み、
前記第2隔離柱は、少なくとも第4金属層を含み、
前記第4金属層は、前記第2金属層と同一の構造を有し、前記第2金属層と同一の層に設けられ、
前記第1バリアダムは、前記開口領域を囲むように設けられ、前記ピクセル定義層と同一の層に設けられ、
前記第2バリアダムは、前記開口領域を囲むように設けられ、前記開口領域に近づく前記第1バリアダムの一側に位置し、前記平坦化層と同一の層に設けられる第1隔離部と、前記ピクセル定義層と同一の層に設けられる第2隔離部と、を含み、
前記第2バリアダムの高さは、前記第1バリアダムの高さよりも大きく、
前記第1バリアダム及び前記第2バリアダムは、前記第1隔離柱と前記第2隔離柱との間に位置する
請求項20に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項23】
前記第2隔離柱の構造は、前記第1隔離柱の構造と同じである
請求項22に記載の表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術の分野に関し、特に、表示パネル及びその製造方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル表示技術は、急速に発展しており、フレキシブルAMOLED(Active-matrix organic light-emitting diode、アクティブマトリクス有機発光ダイオード)を代表とする新世代の表示技術がますます広く使用されている。AMOLEDは、より薄くて軽く、アクティブ発光(バックライト光源が不要となる。)、視野角の問題なし、高解像度、高輝度、応答速度が速く、低エネルギー消費、使用温度の範囲が広く、耐震性が高く、柔軟に表示可能であるなどの特徴を有する。
【0003】
同時に、高画面占有率の表示パネルに対する市場の需要も緊急に求められており、従来の「ノッチ画面」や、「ドロップ画面」などの設計は、ユーザのニーズを満足できなくなってきている。この場合、スクリーン穴あけ技術が新たな設計として提案された。
【0004】
フレキシブルAMOLED技術に使用される発光材料は、水及び酸素に非常に敏感な有機発光材料であり、水及び酸素が存在する環境に露出されてはいけない。そうでない場合、腐食が発生しやすく、有機発光材料を失効させ、表示に異常が生じるので、水及び酸素から隔絶されることが不可欠である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に係る実施例は、水蒸気及び酸素ガスが開口領域の開口部から表示領域へ侵入することを回避することにより、製品の使用寿命を延長するとともに表示効果を向上させることができる表示パネル及びその製造方法、表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1態様によれば、表示領域と、開口領域と、前記表示領域と開口領域との間に位置する隔離領域と、を含む表示パネルを提供し、前記隔離領域は、少なくとも一部が前記開口領域を囲むように設けられ、ここで、前記表示パネルは、
ベース基板と、
前記ベース基板上に形成され且つ前記表示領域に位置する薄膜トランジスタ及び蓄積キャパシタを含む駆動回路層と、
前記ベース基板上に形成され且つ前記隔離領域に位置する第1隔離柱と、を含み、
前記薄膜トランジスタは、ゲート電極と、前記ベース基板から離れる前記ゲート電極の一側に形成される第1ゲート絶縁層と、前記ベース基板から離れる前記第1ゲート絶縁層の一側に形成される層間誘電体層と、前記ベース基板から離れる前記層間誘電体層の一側に形成されるソース・ドレイン電極と、を含み、前記蓄積キャパシタは、前記ゲート電極と同一の層に設けられる第1電極板と、前記第1ゲート絶縁層と前記層間誘電体層との間に位置する第2電極板と、を含み、
前記第1隔離柱は、前記開口領域を囲むように設けられ、且つ、第1金属層と、前記ベース基板から離れる前記第1金属層の一側に形成される第1絶縁層と、前記ベース基板から離れる前記第1絶縁層の一側に形成される第2絶縁層と、前記ベース基板から離れる前記第2絶縁層の一側に形成される第2金属層と、を含み、前記第1金属層は、前記第1電極板又は前記第2電極板と同一の層に設けられ、前記第1絶縁層は、前記第1ゲート絶縁層と同一の層に設けられ、前記第2絶縁層は、前記層間誘電体層と同一の層に設けられ、且つ、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を接続させる第1傾斜部分と、を含み、前記第1傾斜部分の傾斜角は、90°未満であり、前記第2金属層は、前記ソース・ドレイン電極と同一の層に設けられるとともに、前記ベース基板から離れる前記第2部分の一側に位置し、且つ、前記表示領域に対向する前記第2金属層の一側及び/又は前記開口領域に対向する前記第2金属層の一側には、前記開口領域を囲む切欠きが設けられる。
【0007】
本発明の一例示的な実施例において、前記ベース基板上の前記第2金属層の正投影は、前記ベース基板上の前記第1金属層の正投影内に位置する。
【0008】
本発明の一例示的な実施例において、前記第1金属層は、前記第1電極板と同一の層に設けられ、
前記第1隔離柱は、前記第2電極板と同一の層に設けられる第3金属層をさらに含む。
【0009】
本発明の一例示的な実施例において、前記ベース基板上の前記第2金属層の正投影は、前記ベース基板上の前記第3金属層の正投影内に位置し、
前記ベース基板上の前記第3金属層の正投影は、前記ベース基板上の前記第1金属層の正投影内に位置する。
【0010】
本発明の一例示的な実施例において、同一の断面において、前記第2金属層と前記第1金属層との断面幅の比は、0.4以上0.7以下であり、
同一の断面において、前記第2金属層と前記第3金属層との断面幅の比は、0.5以上0.9以下であり、
同一の断面において、前記第3金属層と前記第1金属層との断面幅の比は、0.58以上1未満であり、
ここで、前記断面は、前記第1隔離柱の径方向に延びる平面である。
【0011】
本発明の一例示的な実施例において、前記第1金属層の断面幅は、6.5μm~8.5μmであり、
前記第2金属層の断面幅は、3.5μm~4.5μmであり、
前記第3金属層の断面幅は、5μm~7μmである。
【0012】
本発明の一例示的な実施例において、前記第1金属層及び前記第3金属層の厚さは、2000Å~3000Åであり、前記第2金属層の厚さは、6000Å~8000Åである。
【0013】
本発明の一例示的な実施例において、前記第1傾斜部分の傾斜角は、10°~45°である。
【0014】
本発明の一例示的な実施例において、前記ベース基板と前記駆動回路層との間には、バッファ層がさらに設けられ、
前記薄膜トランジスタは、前記バッファ層上に順次に形成される半導体層及び第2ゲート絶縁層をさらに含み、前記第2ゲート絶縁層は、前記ゲート電極と前記半導体層との間に位置する。
【0015】
本発明の一例示的な実施例において、前記第1隔離柱は、前記第2ゲート絶縁層と同一の層に設けられる第3絶縁層と、前記バッファ層と同一の層に設けられる第4絶縁層と、をさらに含む。
【0016】
本発明の一例示的な実施例において、前記表示パネルは、
前記表示領域に位置し、且つ、前記薄膜トランジスタを覆う平坦化層と、
複数のピクセルユニットを定義するように、前記表示領域に位置し、且つ、前記平坦化層上に形成されるピクセル定義層と、
前記隔離領域に位置し、且つ、前記開口領域を囲むように設けられ、前記ピクセル定義層と同一の層に設けられる第1バリアダムと、
前記隔離領域に位置し、且つ、前記開口領域を囲むように設けられる第2バリアダムと、をさらに含み、
前記第2バリアダムは、前記開口領域に近づく前記第1バリアダムの一側に位置し、且つ、前記平坦化層と同一の層に設けられる第1隔離部と、前記ピクセル定義層と同一の層に設けられる第2隔離部と、を含み、前記第2バリアダムの高さは、前記第1バリアダムの高さより大きい。
【0017】
本発明の一例示的な実施例において、前記表示パネルは、前記ベース基板上に形成され且つ前記隔離領域に位置する第2隔離柱をさらに含み、前記第2隔離柱は、前記開口領域を囲むように設けられ、且つ、少なくとも前記第2金属層と同一の構造を有し且つ同一の層に設けられる第4金属層を含み、
ここで、前記第1バリアダム及び前記第2バリアダムは、前記第1隔離柱と前記第2隔離柱との間に位置する。
【0018】
本発明の一例示的な実施例において、前記第2隔離柱は、前記第1電極板又は前記第2電極板と同一の層に設けられる第5金属層と、前記第1ゲート絶縁層と同一の層に設けられる第5絶縁層と、前記層間誘電体層と同一の層に設けられる第6絶縁層と、をさらに含み、
ここで、前記第6絶縁層は、第3部分と、第4部分と、前記第3部分と前記第4部分を接続させる第2傾斜部分と、を含み、前記第2傾斜部分の傾斜角は、前記第1傾斜部分の傾斜角と同じであり、且つ、前記第4金属層は、前記ベース基板から離れる前記第4部分の一側に位置する。
【0019】
本発明の一例示的な実施例において、前記第5金属層は、前記第1電極板と同一の層に設けられ、
前記第2隔離柱は、前記第2電極板と同一の層に設けられる第6金属層をさらに含む。
【0020】
本発明の一例示的な実施例において、前記第2隔離柱は、前記第2ゲート絶縁層と同一の層に設けられる第7絶縁層と、前記バッファ層と同一の層に設けられる第8絶縁層と、をさらに含む。
【0021】
本発明の一例示的な実施例において、前記第2隔離柱は、前記ベース基板に近づく前記第4金属層の一側に位置する絶縁積層をさらに含み、前記絶縁積層は、前記バッファ層、前記第2ゲート絶縁層、前記第1ゲート絶縁層及び前記層間誘電体層と同一の層に設けられ、且つ、前記バッファ層、前記第2ゲート絶縁層、前記第1ゲート絶縁層及び前記層間誘電体層と互いに分離し、ここで、前記絶縁積層は、傾斜角が50°~70°である傾斜面を有する。
【0022】
本発明の一例示的な実施例において、前記第1隔離柱及び前記第2隔離柱のうちの一方は、前記表示領域に近づく前記第1バリアダムの一側に位置し、他方は、前記開口領域に近づく前記第2バリアダムの一側に位置し、
ここで、前記第1隔離柱は、複数が設けられ、及び/又は、前記第2隔離柱は、複数が設けられる。
【0023】
本発明の一例示的な実施例において、前記表示パネルは、少なくとも第1無機封止層を含む封止フィルムをさらに含み、前記第1無機封止層は、前記表示領域及び前記隔離領域に位置し、且つ、前記駆動回路層及び前記第1隔離柱を覆う。
【0024】
本発明に係る第2態様によれば、上記のいずれか実施例に記載の表示パネルを含むことを特徴とする表示装置を提供する。
【0025】
本発明に係る第2態様によれば、表示領域と、開口領域と、前記表示領域と前記開口領域との間に位置する隔離領域と、を含む表示パネルの製造方法を提供し、前記隔離領域は、少なくとも一部が前記開口領域を囲むように設けられ、ここで、前記製造方法は、
ベース基板を用意するステップと、
前記ベース基板上に駆動回路層及び第1隔離柱を形成するステップと、を含み、
前記駆動回路層は、前記表示領域に位置する薄膜トランジスタ及び蓄積キャパシタを含み、前記薄膜トランジスタは、ゲート電極と、前記ベース基板から離れる前記ゲート電極の一側に形成される第1ゲート絶縁層と、前記ベース基板から離れる前記第1ゲート絶縁層の一側に形成される層間誘電体層と、前記ベース基板から離れる前記層間誘電体層の一側に形成されるソース・ドレイン電極と、を含み、前記蓄積キャパシタは、前記ゲート電極と同一の層に設けられる第1電極板と、前記第1ゲート絶縁層と前記層間誘電体層との間に位置する第2電極板と、を含み、
前記第1隔離柱は、前記開口領域を囲むように設けられ、且つ、第1金属層と、前記ベース基板から離れる前記第1金属層の一側に形成される第1絶縁層と、前記ベース基板から離れる前記第1絶縁層の一側に形成される第2絶縁層と、前記ベース基板から離れる前記第2絶縁層の一側に形成される第2金属層と、を含み、前記第1金属層は、前記第1電極板又は前記第2電極板と同一の層に設けられ、前記第1絶縁層は、前記第1ゲート絶縁層と同一の層に設けられ、前記第2絶縁層は、前記層間誘電体層と同一の層に設けられ、且つ、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を接続させる第1傾斜部分と、を含み、前記第1傾斜部分の傾斜角は、90°未満であり、前記第2金属層は、前記ソース・ドレイン電極と同一の層に設けられるとともに、前記ベース基板から離れる前記第2部分の一側に位置し、且つ、前記表示領域に対向する前記第2金属層の一側及び/又は前記開口領域に対向する前記第2金属層の一側には、前記開口領域を囲む切欠きが設けられる。
【0026】
本発明の一例示的な実施例において、
前記第1金属層は、前記第1電極板と同一の層に設けられ、
前記第1隔離柱は、前記第2電極板と同一の層に設けられる第3金属層をさらに含む。
【0027】
本発明の一例示的な実施例において、
前記ベース基板上に前記隔離領域に位置する第2隔離柱を形成し、前記第2隔離柱は、前記開口領域を囲むように設けられ、且つ、少なくとも、前記第2金属層と同一の構造を有し且つそれと同一の層に設けられる第4金属層を含むステップと、
前記表示領域に前記薄膜トランジスタを覆う平坦化層を形成するステップと、
複数のピクセルユニットを定義するように、前記表示領域に、前記平坦化層上に位置するピクセル定義層を形成するステップと、
前記隔離領域に第1バリアダム及び第2バリアダムを形成するステップと、をさらに含み、
前記第1バリアダムは、前記開口領域を囲むように設けられ、且つ、前記ピクセル定義層と同一の層に設けられ、前記第2バリアダムは、前記開口領域を囲むように設けられ、且つ、前記前記開口領域に近づく前記第1バリアダムの一側に位置し、前記第2バリアダムは、前記平坦化層及び前記ピクセル定義層と同一の層に設けられ、且つ、前記第2バリアダムの高さは、前記第1バリアダムの高さより大きく、
ここで、前記第1バリアダム及び前記第2バリアダムは、前記第1隔離柱と前記第2隔離柱との間に位置する。
【0028】
本発明の一例示的な実施例において、前記第2隔離柱の構造は、前記第1隔離柱の構造と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図面は、本発明に係る実施例に対するさらなる理解を提供するためのものであり、本明細書の一部を構成する。本発明の実施例とともに本発明を解釈するためのものであり、本発明に対する限定として構成されない。上記及び他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して詳細に説明する例示的な実施例により、当業者にとってより明らかになる。
【0030】
図1】本発明の一実施例に係る表示パネルにおける表示領域と隔離領域との間に位置する部分の構造を示す模式図である。
図2図1に示すA部の構造を模式的に示す拡大図である。
図3図2に示す隔離柱の構造を示す模式図である。
図4】本発明の他の実施例に係る表示パネルの構造を示す模式図である。
図5図4に示す一実施例に係る表示パネルのB-B線に沿う断面模式図である。
図6図4に示す一実施例に係る表示パネルのC-C線に沿う断面模式図である。
図7図4に示す他の実施例に係る表示パネルのC-C線に沿う断面模式図である。
図8図4に示す別の実施例に係る表示パネルのC-C線に沿う断面模式図である。
図9図6に示す表示パネルにおける表示領域の第1隔離柱又は第2隔離柱の構造を示す模式図である。
図10図7に示す表示パネルにおける表示領域の第1隔離柱又は第2隔離柱の構造を示す模式図である。
図11図8に示す表示パネルにおける表示領域の第1隔離柱又は第2隔離柱の構造を示す模式図である。
【0031】
図面符号の説明
10、表示領域;11、開口領域;12、隔離柱;120、ILD+GI+バッファ層;121、SD金属層;13、隔離溝;14、ベース;15、有機発光材料;16、陰極層;17、無機封止層;2、表示パネル;20a、表示領域;20b、開口領域;20c、隔離領域;21、ベース基板;22、バッファ層;23、第1隔離柱;230、第1金属層;231、第1絶縁層;232、第2絶縁層;232a、第1部分;232b、第2部分;232c、第1傾斜部分;233、第2金属層;233a、切欠き;234、第3絶縁層;235、第4絶縁層;236、第3金属層;24、薄膜トランジスタ;240、半導体層;241、第2ゲート絶縁層;242、ゲート電極;243、第1ゲート絶縁層;244、層間誘電体層;245、ソース電極;246、ドレイン電極;25、蓄積キャパシタ;250、第1電極板;251、第2電極板;26、平坦化層;27、ピクセル定義層;28、第1バリアダム;29、第2バリアダム;290、第1隔離部;291、第2隔離部;30、ピクセルユニット;300、陽極;301、有機発光材料;302、陰極;31、第2隔離柱;310、第4金属層;311、第5金属層;312、第5絶縁層;313、第6絶縁層;313a、第3部分;313b、第4部分;313c、第2傾斜部分;314、第7絶縁層;315、第8絶縁層;316、第6金属層;32、封止フィルム;320、第1無機封止層;321、有機封止層;322、第2無機封止層。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照しながら、実施例により本発明の技術案をさらに具体的に説明する。本明細書において、図中の同じ又は類似する符号は、同じ又は類似する構造を示している。以下に、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、本発明の全体的な発明構想を解釈することを目的とするものであり、本発明を限定するものではない。
【0033】
また、以下の詳細な記述において、解釈を容易にするために、本発明の実施例に対する完全な理解を提供するために多くの具体的な詳細を説明する。しかし、1つ又は複数の実施例は、これら具体的な詳細なしで実現され得ることが明らかである。
【0034】
なお、本明細書における前記した「…の上に」、「…の上に…を形成する」及び「…の上に設けられる」とは、一つの層が他の層に「直接的」に形成又は設置され、又は、一つの層が他の層に「間接的」に形成又は設置され、即ち、2つの層の間に他の層がさらに存在することを示すことができる。
【0035】
「1つ」、「一」、「当該」、「前記」及び「少なくとも一つ」という用語は、1つ又は複数の要素/構成要素/などが存在していることを示すために使用されるものである。「含む」及び「備える」という用語は、開放式に含まれることを意味し、且つ、列挙された要素/構成要素/など以外の要素/構成要素/などをさらに含むことを意味する。
【0036】
なお、「第1」、「第2」などという用語は、ここでは各部品、部材、素子、領域、層及び/又は部分を説明するためのものであり、これらの部品、部材、素子、領域、層及び/又は部分は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、一つの部品、部材、素子、領域、層及び/又は部分と他のものとを区別するためのものである。
【0037】
本発明において、特別な説明がない限り、使用される用語「同一の層に設けられる」とは、2つの層、部品、部材、素子又は部分が同一のパターニングプロセスにより形成されてもよく、且つ、当該2つの層、部品、部材、素子又は部分が一般的に同一の材料により形成され、同一のフィルム層に位置し、且つ当該フィルム層に直接に接触することを意味する。
【0038】
本発明において、特別な説明がない限り、「パターニングプロセス」という表現は、一般的に、フォトレジストの塗布、露光、現像、エッチング、フォトレジストの剥離などのステップを含む。「1回のパターニングプロセス」という表現は、一つのマスクによりパターン化された層、部品、部材などを形成するプロセスを意味する。
【0039】
本発明の一実施例において、図1に示すように、有機発光材料15が遮断されるように、表示領域10と開口領域11との間に隔離柱12や隔離溝13などの構造を設けることにより、水及び酸素の経路から隔絶される役割を果たし、陰極層16を遮断する役割を果たすこともできる。ここで、隔離柱12の製造方法は、以下の通りである。ベース14上にバッファ層(buffer)、ゲート電極絶縁層(Gate Insulator、GIと略称される。)及び層間誘電体層(Interlayer Dielectric、ILDと略称される。)をそれぞれ積層し、その後ILD+GI+バッファ層120に対して露光、現像、EBA(Etch Bending A)/EBB(Etch Bending B)エッチングを行うことにより、所定のパターンを得る。その後、所定のパターンにSD(ソース・ドレイン)金属層121を形成するとともに、SD金属層121をエッチングしてアンダーカット(undercut)構造を形成することで、有機発光材料15を遮断することができる。具体的に、図2図3に示すように、このようにEBA/EBBエッチングにより製造される隔離柱12をEBA/EBB隔離柱と呼ばれ、当該EBA/EBB隔離柱は、折り曲げ(bending)プロセスとマスク(mask)を共用することができる。
【0040】
なお、図3に示すように、EBA/EBB隔離柱は、以下の2つの特徴を有する。1つは、形成された傾斜角α1が大きく、もう1つは、形成された段差h1が大きい。このように、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition、CVDと略称される。)技術により形成される無機封止層17は、ILD+GI+バッファ層120の傾斜部において非常に急峻に積層されるので、外部からの応力を解放することに不利である。外部からの応力を受ける場合、クラックが発生しやすく、封止の失効を起こすので、水及び酸素ガスが侵入して、素子の表示に異常が生じる。
【0041】
上記の問題を改善するために、図4に示すように、本発明の実施例は、表示パネル2をさらに提供する。当該表示パネル2は、OLED表示パネルであってもよい。また、表示パネル2は、表示領域20aと、開口領域20bと、表示領域20aと開口領域20bとの間に位置する隔離領域20cとを含むことができる。前記隔離領域20cは、少なくとも部分的に開口領域20bを囲むように設けられる。
【0042】
以下、図面を参照して本発明の実施例に係る表示パネル2を詳細に説明する。
【0043】
図4図11に示すように、表示パネル2は、ベース基板21と、駆動回路層と、第1隔離柱23と、を含むことができる。
【0044】
ここで、表示パネル2がフレキシブルパネルである場合、提供されるベース基板21は、ポリイミド(PI)などのフレキシブル基板であってもよい。表示パネル2が剛性基板である場合、ベース基板21は、ガラスや石英などの剛性基板であってもよい。
【0045】
なお、後で表示パネル2の各領域において必要となる部材を加工することが容易になるために、まず、ベース基板21において各領域を定義する。例えば、まず、ベース基板21は、表示領域20a、隔離領域20c及び開口領域20bに分割されることができる。
【0046】
図5に示すように、駆動回路層は、ベース基板21上に形成される。また、前記駆動回路層は、ベース基板21上に形成されるとともに、表示領域20aに位置する薄膜トランジスタ24及び蓄積キャパシタ25を含むことができる。
【0047】
具体的に、図5に示すように、薄膜トランジスタ24は、順次に形成されるゲート電極242、第1ゲート絶縁層243、層間誘電体層244及びソース・ドレイン電極を含むことができる。即ち、まず、ベース基板21上にゲート電極242を形成し、その後、ベース基板21から離れるゲート電極242の一側に第1ゲート絶縁層243を形成し、ベース基板21から離れる第1ゲート絶縁層243の一側に層間誘電体層244を形成し、ベース基板21から離れる層間誘電体層244の一側にソース・ドレイン電極を形成する。また、薄膜トランジスタ24は、半導体層240をさらに含むことができる。前記半導体層240は、前記薄膜トランジスタ24をトップゲート型になるように、ベース基板21に近づくゲート電極242の一側に位置することができる。薄膜トランジスタ24がトップゲート型である場合、前記薄膜トランジスタ24は、ゲート電極242と半導体層240との間に位置する第2ゲート絶縁層241をさらに含むことができることを理解すべきである。
【0048】
しかしながら、本発明は、これに限定されないが、半導体層240は、薄膜トランジスタ24をボトムゲート型になるように、ベース基板21から離れるゲート電極242の一側に位置し、且つ、第1ゲート絶縁層243と層間誘電体層244との間に位置することができる。本発明の実施例に係る薄膜トランジスタ24は、図に示すトップゲート型に限定されないが、ボトムゲート型であってもよいことを理解すべきである。
【0049】
なお、図5に示すように、上述したソース・ドレイン電極は、同一の層に設けられるソース電極245及びドレイン電極246を含む。前記ソース電極245及びドレイン電極246は、層間誘電体層244及び第1ゲート絶縁層243上におけるビアホールを介して、半導体層240の両端にそれぞれ接続されることができる。
【0050】
図5に示すように、蓄積キャパシタ25は、ゲート電極242と同一の層に設けられる第1電極板250と、第1ゲート絶縁層243と層間誘電体層244との間に位置する第2電極板251と、を含む。
【0051】
例えば、本発明の実施例に係る第1ゲート絶縁層243、第2ゲート絶縁層241及び層間誘電体層244は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンなどのような無機絶縁材料により製造されることができる。半導体層240は、多結晶シリコンや金属酸化物などの材料により製造されることができる。ゲート電極242、第1電極板250及び第2電極板251は、アルミニウム、チタン、コバルトなどの金属又は合金材料により製造されることができる。ソース電極245及びドレイン電極246は、金属材料又は合金材料により製造されてもよく、例えば、モリブデン、アルミニウム及びチタンなどにより形成された単層又は多層金属構造であってもよい。ここで、ソース電極245及びドレイン電極246が多層構造である場合、前記多層構造は、多層金属積層、例えばチタン、アルミニウム及びチタンの3層金属積層(Ti/Al/Ti)などであってもよい。
【0052】
図5に示すように、ベース基板21と駆動回路層との間には、バッファ層22がさらに設けらることができる。バッファ層22は、窒化シリコンや酸化シリコンなどの材料により製造されてもよい。水や酸素に対する遮断や塩基性イオンに対する遮断効果を奏するとともに、ベース基板21上の他の構造に対して保護作用を果たすことができる。なお、具体的な状況に応じて、ベース基板21と駆動回路層との間には、バッファ層22だけでなく、他の層がさらに設けられることもできる。ここで、薄膜トランジスタ24がトップゲート型である場合、当該半導体層240は、バッファ層22の上に位置することができる。
【0053】
図6図11に示すように、第1隔離柱23は、ベース基板21上に形成されるとともに、隔離領域20cに位置する。第1隔離柱23は、開口領域20bを囲むように設けられ、且つ、順次に形成される第1金属層230、第1絶縁層231、第2絶縁層232及び第2金属層233を含む。即ち、まず、ベース基板21上に第1金属層230を形成し、その後、ベース基板21から離れる第1金属層230の一側に第1絶縁層231を形成し、ベース基板21から離れる第1絶縁層231の一側に第2絶縁層232を形成し、ベース基板21から離れる第2絶縁層232の一側に第2金属層233を形成する。
【0054】
ここで、第1金属層230は、第1電極板250又は第2電極板251と同一の層に設けられる。第1絶縁層231は、第1ゲート絶縁層243と同一の層に設けられる。第2絶縁層232は、層間誘電体層244と同一の層に設けられ、且つ、第1部分232aと、第2部分232bと、第1部分232aと第2部分232bを接続させる第1傾斜部分232cを含む。図9図11に示すように、前記第1傾斜部分232cの傾斜角α2は、90°未満である。第2金属層233は、ソース・ドレイン電極と同一の層に設けられるとともに、ベース基板21から離れる第2部分232bの一側に位置する。そして、表示領域20aに対向する第2金属層233の一側及び/又は開口領域20bに対向する第2金属層233の一側には、開口領域20bを囲む切欠き233aが設けられる。ここで、第1傾斜部分232c及び第2金属層233により有機発光材料301を遮断することで、水及び酸素の経路を隔絶する役割を果たすことができる。図6図8に示すように、前記第1隔離柱23は、有機発光材料301だけでなく、例えば、陰極302などの他の材料を隔離することができることを理解すべきである。
【0055】
本発明の実施例において、第1隔離柱23の底部に第1電極板250又は第2電極板251と同一の層に設けられる第1金属層230を追加することにより、第2絶縁層232を積層する過程において、第1金属層230に対向する第2絶縁層232の領域が第2絶縁層232の他の領域に比べて高くなり、これにより、自然に90°未満の傾斜角α2を形成する。本発明の実施例は、傾斜角α2を有する第1傾斜部分232cが自然に第2絶縁層232に形成されるので、第1隔離柱23を製造する過程において、図1図3に示すEBA/EBB隔離柱12を製造する過程に比べて、「ILD+GI+バッファ層120に対して露光、現像、EBA(Etch Bending A)/EBB(Etch Bending B)エッチングを行うことにより所定のパターンを得る。」というステップを省略することができる。即ち、有機発光材料301に対する遮断を実現するとともに、マスキングプロセスを省略できるので、コストを低減させることができる。
【0056】
また、本発明の実施例は、第1金属層230を追加することにより第1金属層230に対向する第2絶縁層232の部位を高くすることで、傾斜角α2を有する第1傾斜部分232cを形成する。このため、図1図3に示すILD+GI+バッファ層120に対する露光、現像、EBA(Etch Bending A)/EBB(Etch Bending B)エッチングにより形成される傾斜角α1に比べて、本発明の実施例における傾斜角α2は、より小さく、且つ、傾斜角α2の箇所に形成される段差h2もより小さい。具体的に、図9図11を参照すると、本発明の実施例における傾斜角α2及び段差h2は、それぞれ図3に示すEBA/EBB隔離柱12の傾斜角α1及び段差h1よりも小さい。
【0057】
例えば、本発明の実施例における第1隔離柱23の第1傾斜部分232cの傾斜角α2は、10°~45°であり、例えば、10°、20°、30°、45°などであってもよい。図3に示すEBA/EBB隔離柱12のILD+GI+バッファ層120での傾斜面の傾斜角α1は、50°~70°であり、例えば50°、60°、70°などであってもよい。
【0058】
ここで、本発明の実施例における第1隔離柱23の第1傾斜部分232cの傾斜角α2は、EBA/EBB隔離柱12の傾斜部の傾斜角α1よりも小さいので、後で無機封止層を積層する場合、本発明の実施例に係る無機封止層(図6図8に示す第1無機封止層320)は、図1及び図2に示す無機封止層17がEBA/EBB隔離柱12の傾斜部に積層される場合に比べて、第1隔離柱23の第1傾斜部分232cにおいてよりスムーズに積層されることによって、外部からの応力を解放することに寄与することができる。これにより、第1無機封止層320は、外部からの応力を受ける場合にクラックが発生しにくくなり、さらに水及び酸素ガスの侵入を遮断し、表示効果を確保することができる。
【0059】
なお、本発明の実施例に係る第1絶縁層231及び第2絶縁層232は、第1傾斜部分232cを形成できれば、一体構造であってもよい。
【0060】
いくつかの実施例において、図9図11に示すように、第1隔離柱23は、第2ゲート絶縁層241と同一の層に設けられることができる第3絶縁層234と、バッファ層22と同一の層に設けられることができる第4絶縁層235と、をさらに含む。
【0061】
いくつかの実施例において、図6及び図9に示すように、第1隔離柱23の第1金属層230は、第1電極板250と同一の層に設けられることができる。選択的に、第1隔離柱23において、ベース基板21上の第2金属層233の正投影がベース基板21上の第1金属層230の正投影内に位置することにより、第1隔離柱23に位置する無機封止層が外部からの応力をより解放することに寄与し、外部からの応力を受ける場合に無機封止層にクラックが発生することを回避することができる。なお、第1金属層230は、製造する過程において所定の角度を有する傾斜面を形成することもできる。
【0062】
さらに、同一の断面において、第2金属層233と第1金属層230との断面幅の比は、0.4以上0.7以下である。例えば、第1金属層230の断面幅は、6.5μm~8.5μmであり、例えば、6.5μm、7μm、7.5μm、8μm、8.5μmなどであってもよい。第2金属層233の断面幅は、3.5μm~4.5μmであり、例えば、3.5μm、4μm、4.5μmなどであってもよい。
【0063】
なお、本発明の実施例に係る段差h2は、第1金属層230の厚さであってもよい。また、本発明の実施例に係る断面は、第1隔離柱23の径方向に延びる平面である。断面幅は、断面の最大幅であるが、これに限定されなく、断面の他の位置の幅は、上記の値の範囲内であってもよい。
【0064】
いくつかの実施例において、図7及び図10に示すように、第1隔離柱23の第1金属層230は、第2電極板251と同一の層に設けらることができる。選択的に、第1隔離柱23において、ベース基板21上の第2金属層233の正投影をベース基板21上の第1金属層230の正投影内に位置させることにより、第1隔離柱23に位置する無機封止層は、外部からの応力をさらに解放することに寄与するので、外部からの応力を受ける場合、無機封止層にクラックが発生することを回避することができる。なお、第1金属層230は、製造する過程において所定の角度を有する傾斜面を形成することもできる。
【0065】
さらに、同一の断面において、第2金属層233と第1金属層230との断面幅の比は、0.4以上0.7以下である。例えば、第1金属層230の断面幅は、6.5μm~8.5μmであり、例えば、6.5μm、7μm、7.5μm、8μm、8.5μmなどであってもよい。第2金属層233の断面幅は、3.5μm~4.5μmであり、例えば、3.5μm、4μm、4.5μmなどであってもよい。
【0066】
なお、本発明の実施例に係る段差h2は、第1金属層230の厚さであってもよい。また、本発明の実施例に係る断面は、第1隔離柱23の径方向に延びる平面である。断面幅は、断面の最大幅であってもよいが、これに限定されなく、断面の他の位置の幅は、上記の値の範囲内であってもよい。
【0067】
いくつかの実施例において、図8及び図11に示すように、第1隔離柱23の第1金属層230は、第1電極板250と同一の層に設けられることができる。また、第1隔離柱23は、第2電極板251と同一の層に設けられる第3金属層236をさらに含むことができる。選択的に、ベース基板21上の第2金属層233の正投影は、ベース基板21上の第3金属層236の正投影内に位置する。ベース基板21上の第3金属層236の正投影をベース基板21上の第1金属層230の正投影内に位置させることにより、第1隔離柱23に位置する無機封止層が外部からの応力をさらに解放することに寄与するので、外部からの応力を受ける場合に無機封止層にクラックが発生することを回避することができる。なお、第1金属層230及び第2金属層233は、製造する過程において所定の角度を有する傾斜面を形成することもできる。
【0068】
さらに、同一の断面において、第2金属層233と第1金属層230との断面幅の比は、0.4以上0.7以下である。第2金属層233と第3金属層236との断面幅の比は、0.5以上0.9以下である。第3金属層236と第1金属層230との断面幅の比は、0.58以上1未満である。例えば、第1金属層230の断面幅は、6.5μm~8.5μmであり、例えば、6.5μm、7μm、7.5μm、8μm、8.5μmなどであってもよい。第2金属層233の断面幅は、3.5μm~4.5μmであり、例えば、3.5μm、4μm、4.5μmなどであってもよい。第3金属層236の最大幅は、5μm~7μmであり、例えば、5μm、5.5μm、6μm、6.5μm、7μmであってもよい。
【0069】
なお、本発明の実施例に係る段差h2は、第1金属層230と第3金属層236の厚さの合計であってもよい。また、本発明の実施例に係る断面は、第1隔離柱23の径方向に延びる平面である。断面幅は、断面の最大幅であってもよいが、これに限定されなく、断面の他の位置の幅は、上記の値の範囲内であってもよい。
【0070】
上記の実施例に係る第1隔離柱23における第1金属層230、第2金属層233及び第3金属層236は、一般的にエッチングプロセスにより製造される。このように製造された第1金属層230、第2金属層233及び第3金属層236は、通常、所定の傾斜角を有することを理解すべきである。具体的に、ベース基板21から離れる第1金属層230、第2金属層233及び第3金属層236の表面は、ベース基板21上の正投影がそれらのベース基板21に近づく表面のベース基板21上における正投影内に位置する。これに基づいて、無機封止層が外部からの応力をさらに解放できることを確保するために、本発明の実施例において、第1隔離柱23における第2金属層233の最大断面幅は、第1金属層230の最小断面幅よりも小さくてもよい。第2金属層233の最大断面幅は、第3金属層236の最小断面幅よりも小さくてもよい。第3金属層236の最大幅は、第1金属層230の最小断面幅よりも小さくてもよい。
【0071】
また、本発明の実施例に係る第1隔離柱23における第1絶縁層231、第2絶縁層232、第3絶縁層234及び第4絶縁層235を、従来技術のEBA/EBB隔離柱におけるGI1層、ILD層、GI2層、バッファ層の厚さと同じになるように設計し、また、第1隔離柱23における傾斜角α2を有する第2絶縁層232の最大断面幅及び最小断面幅を、EBA/EBB隔離柱におけるILD+GI+バッファ層120の最大断面幅及び最小断面幅と同じになるように設計する場合、本発明の実施例に係る第1隔離柱23の傾斜角α2に主に影響する要因は、第1金属層230及び第2金属層233の厚さである。ここで、本発明の実施例に係る図9図11に示す第1隔離柱23の傾斜角α2を図3に示すEBA/EBB隔離柱12の傾斜角α1よりも小さくするために、本発明の実施例に係る第1金属層230及び第3金属層236の厚さは、2000Å~3000Åであり、例えば、2200Å、2400Å、2600Å、2800Å、3000Åなどであってもよい。前記第1金属層230の厚さと第3金属層236の厚さは、同じであってもよく、又は、異なってもよいが、具体的な状況に応じて決定されることを理解すべきである。
【0072】
ここで、第1隔離柱23における第2金属層233の厚さは、6000Å~8000Åであり、例えば、6000Å、6500Å、7000Å、7500Å、8000Åなどであってもよい。第2金属層233が有機発光材料をより良好に遮断できるようにするために、第2金属層233における切欠き233aと第2金属層233との厚さの比は、0.5~0.8であり、例えば、0.5、0.6、0.7、0.8などであってもよい。
【0073】
なお、第2金属層233がTi/Al/Tiの多層構造である場合、切欠き233aを製造するために、所定のエッチング液を利用してTi/Al/Tiの多層構造をエッチングすることができる。前記エッチング液は、Al層だけに対してエッチング効果を有し、又は、Al層に対するエッチング速度は、Ti層に対するエッチング速度よりも大きくすることにより、第2金属層233上に切欠き233aを形成することができる。これにより、第2金属層233は、蒸着方式により形成されるフィルム層(例えば、有機発光材料301や陰極302など)を遮断する役割を持つことができる。第2金属層233の構造及び材料は、上記のようなものに限定されるものではないが、具体的な状況に応じて決定されることを理解すべきである。
【0074】
一実施例において、第2金属層233の断面は、「工字状」をなす。即ち、表示領域20aに対向する第2金属層233の一側及び開口領域20bに対向する第2金属層233の一側には、いずれも開口領域20bを囲む切欠き233aが設けられる。これにより、さらに有機発光材料301や陰極302などを遮断することができる。
【0075】
また、第1絶縁層231の厚さは、1000Å~1500Åであり、例えば、1000Å、1300Å、1500Åなどであってもよい。第2絶縁層232の厚さは、4000Å~6000Åであり、例えば、4000Å、5000Å、6000Åなどであってもよい。第3絶縁層234の厚さは、1000Å~1500Åであり、例えば、1000Å、1300Å、1500Åなどであってもよい。第4絶縁層235の厚さは、3000Å~5000Åであり、例えば、3000Å、4000Å、5000Åなどであってもよい。
【0076】
なお、本発明の実施例に係る同一の層に設けられる各構造の厚さは、同じであってもよく、又は、異なってもよい。
【0077】
また、本発明の実施例に係る断面幅は、図6図8におけるX方向での寸法であり、その厚さは、図6図8におけるY方向での寸法である。
【0078】
以上まで説明した内容によると、第1電極板250と同一の層に設けられる金属層を追加することだけにより傾斜角を形成する隔離柱を、Gate1隔離柱として定義することができる。第2電極板251と同一の層に設けられる金属層を追加することだけにより傾斜角を形成する隔離柱を、Gate2隔離柱として定義することができる。第1電極板250及び第2電極板251と同一の層に設けられる金属層を追加することだけにより傾斜角を形成する隔離柱を、Gate1+Gate2隔離柱として定義することができる。即ち、本発明の実施例に係る第1隔離柱23は、Gate1隔離柱、Gate2隔離柱又はGate1+Gate2隔離柱であってもよい。
【0079】
いくつかの実施例において、図5図8に示すように、表示パネル2は、表示領域20aに位置する平坦化層26及びピクセル定義層27と、隔離領域20cに位置する第1バリアダム28及び第2バリアダム29と、をさらに含むことができる。ここで、平坦化層26は、薄膜トランジスタ24を覆い、ピクセル定義層27は、平坦化層26上に形成される。即ち、薄膜トランジスタ24及び蓄積キャパシタ25の各フィルム層が形成された後、平坦化層26及びピクセル定義層27が順次に形成される。前記ピクセル定義層27は、複数のピクセルユニット30を定義するためのものである。第1バリアダム28及び第2バリアダム29は、いずれも開口領域20bを囲むように設けられる。また、第2バリアダム29は、開口領域20bに近づく第1バリアダム28の一側に位置する。ここで、第1バリアダム28は、ピクセル定義層27と同一の層に設けられる。第2バリアダム29は、平坦化層26と同一の層に設けられる第1隔離部290と、ピクセル定義層27と同一の層に設けられる第2隔離部291と、を含む。また、第2バリアダム29の高さは、第1バリアダム28の高さよりも大きい。前記第1バリアダム28及び第2バリアダム29は、封止フィルムにおける有機封止層321の材料の流れを制限することにより、有機封止層321の材料が開口領域20bまで流れて封止失効の問題を引き起こすことを回避することができる。
【0080】
本発明の実施例において、第1バリアダム28又は第2バリアダム29を単独に設けることができ、そして、第1バリアダム28及び第2バリアダム29の数は、1つに限らず、より多く設けてもよいことを理解すべきである。また、第1バリアダム28及び第2バリアダム29の構造は、図6図8に示す構造に限定されるものではないが、具体的な状況に応じて決定される。
【0081】
ここで、平坦化層26及びピクセル定義層27は、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂などの有機絶縁材料により製造されることができる。また、表示領域は、図示しない無機保護層(PVX)をさらに含むことができる。前記無機保護層は、ベース基板21から離れるソース・ドレイン電極の一側に形成されるとともに、ベース基板21に近づく平坦化層26の一側に位置することができる。即ち、無機保護層は、ソース・ドレイン電極と平坦化層との間に位置することができる。無機保護層は、ソース・ドレイン電極を覆うことにより、ソース・ドレイン電極に対する保護作用を奏する。例えば、無機保護層は、窒化シリコン、酸化シリコンなどの無機絶縁材料により製造されることができる。隔離領域20cの箇所には、隔離柱を保護するための無機保護層が設けられていないことを理解すべきである。
【0082】
いくつかの実施例において、図5に示すように、表示パネル2は、表示領域20aに位置するピクセルユニット30をさらに含むことができる。前記ピクセルユニット30は、陽極300、有機発光材料301及び陰極302を含むことができる。前記陽極300は、ピクセル定義層27よりも先に平坦化層26上に形成され、且つ、平坦化層26におけるビアホールを介して薄膜トランジスタ24のドレイン電極246に接続されることができる。陽極300に対応するピクセル定義層27における部位には、ピクセル開口が形成されている。前記ピクセル開口により少なくとも一部の陽極300を露出させる。ピクセル定義層27が形成された後、全面的に有機発光材料301を蒸着することができる。前記有機発光材料301は、図6図8に示すように、第1隔離柱23の箇所で遮断されることができる。ここで、有機発光材料301は、ピクセル開口に位置し、且つ陽極300に接触する。全面的に有機発光材料301を蒸着した後、全面的に陰極302の材料を蒸着することもできる。前記陰極302の材料は、図6図8に示すように、第1隔離柱23の箇所で遮断されることができる。
【0083】
なお、ピクセルユニット30は、図示しない電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、正孔輸送層などの機能層をさらに含むことができる。蒸着方式を利用してこれらの層を表示パネル2に形成する場合、いずれも第1隔離柱23で遮断されることができる。
【0084】
例えば、陽極300は、ITO(酸化インジウムスズ)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)などの材料により製造されてもよい。有機発光材料301は、低分子有機材料又はポリマー分子有機材料を含むことができ、蛍光発光材料又は燐光発光材料であってもよく、赤色光、緑色光、青色光又は白色光などを発光することができる。陰極302は、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)などの金属材料により製造されることができる。
【0085】
いくつかの実施例において、図6図8に示すように、表示パネル2は、ベース基板21上に形成されるとともに、隔離領域20cに位置する第2隔離柱31をさらに含むことができる。前記第2隔離柱31は、開口領域20bを囲むように設けられる。図9図11に示すように、第2隔離柱31は、少なくとも、第2金属層233と同一の構造を有するとともに、第2金属層233と同一の層に設けられる第4金属層310を含む。ここで、第1バリアダム28及び第2バリアダム29は、第1隔離柱23と第2隔離柱31との間に位置する。即ち、第1隔離柱23及び第2隔離柱31のうちの一方は、表示領域20aに近づく第1バリアダム28の一側に位置し、他方は、開口領域20bに近づく第2バリアダム29の一側に位置する。
【0086】
ここで、表示領域20aに近づく第1バリアダム28の一側に位置する隔離柱を、内隔離柱として定義し、開口領域20bに近づく第2バリアダム29の一側に位置する隔離柱を、外隔離柱として定義することができる。即ち、第1隔離柱23及び第2隔離柱31のうちの一方を内隔離柱として定義し、他方を外隔離柱として定義することができる。
【0087】
ここで、図6図8において、第1隔離柱23が内隔離柱であり、第2隔離柱31が外隔離柱である場合のみを示したが、本発明の実施例は、これに限定されなく、第1隔離柱23が外隔離柱であり、第2隔離柱31が内隔離柱であってもよい。
【0088】
また、本発明の実施例に係る第1隔離柱23は、複数が設けられてもよく、及び/又は、第2隔離柱31は、複数が設けられてもよい。即ち、内隔離柱及び外隔離柱は、いずれも複数が設けられてもよい。なお、図6図8に示すように、複数の内隔離柱の構造は、同じであってもよいが、これに限定されなく、異なってもよい。図6図8に示すように、複数の外隔離柱の構造は、同じであってもよいが、これに限定されなく、異なってもよい。
【0089】
本発明の実施例において、内隔離柱及び外隔離柱を設けることにより有機発光材料301をさらに遮断することができる。これにより、水及び酸素ガスの侵入をさらに隔離し、表示効果を確保することができる。
【0090】
いくつかの実施例において、第2隔離柱31は、Gate1隔離柱、Gate2隔離柱、Gate1+Gate2隔離柱又はEBA/EBB隔離柱のなかのいずれか1つであってもよい。
【0091】
具体的に、図6及び図9に示すように、第2隔離柱31は、Gate1隔離柱であってもよい。前記第2隔離柱31は、第4金属層310以外に、第1電極板250と同一の層に設けられる第5金属層311と、第1ゲート絶縁層243と同一の層に設けられる第5絶縁層312と、層間誘電体層244と同一の層に設けられる第6絶縁層313と、をさらに含むことができる。ここで、第6絶縁層313は、第3部分313aと、第4部分313bと、第3部分313aと第4部分313bを接続させる第2傾斜部分313cと、を含む。第2傾斜部分313cの傾斜角は、第1傾斜部分232cの傾斜角と同じである。また、第4金属層310は、ベース基板21から離れる第4部分313bの一側に位置する。選択的に、第2隔離柱31は、第2ゲート絶縁層241と同一の層に設けられる第7絶縁層314と、バッファ層22と同一の層に設けられる第8絶縁層315と、をさらに含むことができる。
【0092】
図7及び図10に示すように、第2隔離柱31は、Gate2隔離柱であってもよい。前記第2隔離柱31は、第4金属層310以外に、第2電極板251と同一の層に設けられる第5金属層311と、第1ゲート絶縁層243と同一の層に設けられる第5絶縁層312と、層間誘電体層244と同一の層に設けられる第6絶縁層313と、をさらに含むことができる。ここで、第6絶縁層313は、第3部分313aと、第4部分313bと、第3部分313aと第4部分313bを接続させる第2傾斜部分313cと、を含む。第2傾斜部分313cの傾斜角は、第1傾斜部分232cの傾斜角と同じである。また、第4金属層310は、ベース基板21から離れる第4部分313bの一側に位置する。選択的に、第2隔離柱31は、第2ゲート絶縁層241と同一の層に設けられる第7絶縁層314と、バッファ層22と同一の層に設けられる第8絶縁層315と、をさらに含むことができる。
【0093】
図8及び図11に示すように、第2隔離柱31は、Gate1+Gate2隔離柱であってもよい。前記第2隔離柱31は、第4金属層310以外に、第1電極板250と同一の層に設けられる第5金属層311と、第1ゲート絶縁層243と同一の層に設けられる第5絶縁層312と、第2電極板251と同一の層に設けられる第6金属層316と、層間誘電体層244と同一の層に設けられる第6絶縁層313と、をさらに含むことができる。ここで、第6絶縁層313は、第3部分313aと、第4部分313bと、第3部分313aと第4部分313bを接続させる第2傾斜部分313cと、を含む。第2傾斜部分313cの傾斜角は、第1傾斜部分232cの傾斜角と同じである。また、第4金属層310は、ベース基板21から離れる第4部分313bの一側に位置する。選択的に、第2隔離柱31は、第2ゲート絶縁層241と同一の層に設けられる第7絶縁層314と、バッファ層22と同一の層に設けられる第8絶縁層315と、をさらに含むことができる。
【0094】
第2隔離柱31は、ベース基板21に近づく第4金属層310の一側に位置する絶縁積層をさらに含む。前記絶縁積層は、バッファ層22、第2ゲート絶縁層241、第1ゲート絶縁層243及び層間誘電体層244と同一の層に設けられる。また、前記絶縁積層は、バッファ層22、第2ゲート絶縁層241、第1ゲート絶縁層243及び層間誘電体層244と互いに分離する。ここで、絶縁積層は、傾斜角が50°~70°である傾斜面を有する。前記第2隔離柱31は、図2及び図3に示すEBA/EBB隔離柱であってもよい。
【0095】
いくつかの実施例において、第1隔離柱23がGate1隔離柱、Gate2隔離柱、Gate1+Gate2隔離柱のうちの少なくとも1つに設計され、第2隔離柱31がGate1隔離柱、Gate2隔離柱、Gate1+Gate2隔離柱のうちの少なくとも1つに設計されることにより、隔離柱の傾斜部でクラックが発生することを防止するとともに、開口領域20bのエッジでクラックが表示領域20a内に延びることを防止することができるので、さらに封止効果を確保することができる。
【0096】
前述した内容によると、第2隔離柱31及び第1隔離柱23の構造は、同じであってもよく、又は、異なってもよいが、具体的な状況に応じて決定される。ここで、図6図8において第1隔離柱23及び第2隔離柱31の構造が同じである場合のみを示したが、本発明の実施例は、これに限定されない。
【0097】
また、第1隔離柱23がGate1隔離柱、Gate2隔離柱、Gate1+Gate2隔離柱のうちの少なくとも1つであり、第2隔離柱31がGate1隔離柱、Gate2隔離柱、Gate1+Gate2隔離柱のうちの少なくとも1つである場合、第1絶縁層231及び第5絶縁層312は、第1ゲート絶縁層243に接続されることができ、第2絶縁層232及び第6絶縁層313は、層間誘電体層244に接続されることができ、第3絶縁層234及び第7絶縁層314は、第2ゲート絶縁層241に接続されることができ、第4絶縁層235及び第8絶縁層315は、バッファ層22に接続されることができる。
【0098】
具体的に、本発明の実施例に係る表示パネル2における内隔離柱と外隔離柱の組み合わせ方式は、以下の表1を参照することができる。
【表1】
【0099】
なお、本発明の実施例に係る内隔離柱及び外隔離柱は、上記の組み合わせに限定されない。例えば、複数の内隔離柱が設けられてもよく、且つ、それぞれの構造が異なってもよい。表示パネル2における隔離領域20cに少なくとも1つのGate1隔離柱、Gate2隔離柱又はGate1+Gate2隔離柱が存在することを確保できればよい。
【0100】
いくつかの実施例において、図6図8に示すように、表示パネル2は、封止フィルム32をさらに含むことができる。前記封止フィルム32は、少なくとも第1無機封止層320を含む。前記第1無機封止層320は、表示領域20a及び隔離領域20cに位置するとともに、駆動回路層及び第1隔離柱23を覆う。前記第1無機封止層320は、第1隔離柱23の傾斜部で平坦であるが、急峻ではないので、傾斜部でクラックが発生することを防止することに寄与することができる。第1無機封止層320は、表示領域20a及び隔離領域20c全体の構造を覆うことにより、表示パネル2の封止効果を向上させることができることを理解すべきである。
【0101】
選択的に、図6図8に示すように、封止フィルム32は、第2無機封止層322と、第1無機封止層320と第2無機封止層322との間に位置する有機封止層321と、をさらに含むことができる。ここで、有機封止層321は、表示領域20a及び隔離領域20cに位置するとともに、表示領域20aに近づく第1バリアダム28の一側で遮断されることができる。第2無機封止層322は、表示領域20a及び隔離領域20cの全体を覆うことができる。
【0102】
ここで、第1無機封止層320及び第2無機封止層322は、水や酸素が表示側及び開口領域20bから表示領域20aに侵入することを防止するためのものである。第1無機封止層320及び第2無機封止層322は、窒化シリコン、酸化シリコンなどの無機絶縁材料により製造されることができる。有機封止層321は、平坦化の役割を果たすためのものであり、第2無機封止層322の製造に寄与することができる。前記有機封止層321は、アクリル系ポリマー、シリコン系ポリマーなどの材料により製造されることができる。
【0103】
また、第1無機封止層320及び第2無機封止層322は、化学気相成長プロセスにより製造されることができるが、これに限定されない。有機封止層321は、インクジェット印刷プロセスにより製造されることができるが、これに限定されなく、スプレーコーティングプロセスなどを使用することもできる。有機封止層321を製造する過程において、有機封止材料は、一定の流動性を有するので、第1バリアダム28及び第2バリアダム29を設けることにより有機封止材料の流れを制限する。これにより、有機封止材料が開口領域20bまで流れて封止失効の問題を引き起こすことを回避することができる。
【0104】
なお、本発明の実施例に係る表示パネル2における開口領域20bは、開口処理を行う後、カメラ、センサ、HOMEキー、受話器又はスピーカなどの素子を組み立てるためのものである。なお、本発明の実施例に係る表示パネル2は、その開口領域20bが開口処理されていなくてもよく、カメラなどの素子を組み立てる前に開口処理を行えばよい。また、本発明の実施例に係る表示パネル2は、図4に示すように、開口領域20bが既に開口処理されたという構成としてもよい。この場合、後で前記表示パネル2をそのまま組み立てることができる。
【0105】
本発明の一実施例は、上記の実施例に記載された表示パネル2を含むことができる表示装置をさらに提供する。表示パネル2の開口領域20bに対して開口処理を行う。また、表示装置は、開口領域20bに取り付けられるカメラ、センサ、HOMEキー、受話器又はスピーカなどの機能素子をさらに含むことができる。
【0106】
本発明の実施例によれば、前記表示装置の具体的な種類は特に限定されない。本発明が属する技術分野において通常に利用する表示装置の種類であってもよい。具体的に、例えば、AMOLED表示スクリーン、携帯電話、ノートパソコンなどの移動装置、腕時計などのウェアラブルデバイス、VR装置、デジタルカメラ、ナビゲータなどの表示機能を有する任意の製品又は部品である。当業者は、当該表示装置の具体的な用途に応じて適宜選択することができるが、ここでは、それに対する詳細な説明を省略する。
【0107】
なお、前記表示装置は、表示パネル2及びカメラ、センサ、HOMEキー、受話器又はスピーカなどの素子以外に、他の必要な部品及び構成をさらに含む。ディスプレイを一例とすると、具体的に、例えばハウジング、電源ライン、駆動チップなどが挙げられる。当業者は、当該表示装置の具体的な使用要求に応じて適宜補充することができるが、ここでは、それに対する詳細な説明を省略する。
【0108】
本発明の実施例は、表示パネルの製造方法を提供し、前記製造方法により上記の実施例に記載される表示パネル2を製造することができる。ここで、前記表示パネルの製造方法は、ベース基板を用意するステップと、前記ベース基板上に駆動回路層及び第1隔離柱を形成するステップと、を含む。ここで、前記駆動回路層は、表示領域に位置する薄膜トランジスタ及び蓄積キャパシタを含む。前記薄膜トランジスタは、ゲート電極と、ベース基板から離れるゲート電極の一側に形成される第1ゲート絶縁層と、ベース基板から離れる第1ゲート絶縁層の一側に形成される層間誘電体層と、ベース基板から離れる層間誘電体層の一側に形成されるソース・ドレイン電極と、を含む。前記蓄積キャパシタは、ゲート電極と同一の層に設けられる第1電極板と、第1ゲート絶縁層と層間誘電体層との間に位置する第2電極板と、を含む。前記第1隔離柱は、開口領域を囲むように設けられる。また、前記第1隔離柱は、第1金属層と、ベース基板から離れる第1金属層の一側に形成される第1絶縁層と、ベース基板から離れる第1絶縁層の一側に形成される第2絶縁層と、ベース基板から離れる第2絶縁層の一側に形成される第2金属層と、を含む。第1金属層は、第1電極板又は第2電極板と同一の層に設けられる。前記第1絶縁層は、第1ゲート絶縁層と同一の層に設けられる。前記第2絶縁層は、層間誘電体層と同一の層に設けられ、且つ、第1部分と、第2部分と、第1部分と前記第2部分を接続させる第1傾斜部分と、を含む。第1傾斜部分の傾斜角は、90°未満である。第2金属層は、ソース・ドレイン電極と同一の層に設けられるとともに、ベース基板から離れる第2部分の一側に位置する。また、表示領域に対向する第2金属層の一側及び/又は開口領域に対向する第2金属層の一側には、開口領域を囲む切欠きが設けられる。
【0109】
本発明の実施例に係る上記の製造方法は、本発明の実施例に係る表示パネル2と同様の特徴及び利点を有すべきであるので、本発明の実施例に係る上記の製造方法の特徴及び利点は、上記で説明した表示パネル2の特徴及び利点を参照することができるが、ここでは、それに対する詳細な説明を省略することを理解すべきである。
【0110】
以下、図4図11に示す表示パネル2を形成する場合を一例として、本発明の実施例に係る表示パネル2の製造方法を詳細に説明する。
【0111】
例えば、積層などの方法を利用して、ベース基板21上に第1無機絶縁材料層を形成する。前記第1無機絶縁材料層は、全面的にベース基板21形成される。また、当該第1無機絶縁材料層は、表示領域20aに位置するバッファ層22と、隔離領域20cに位置する第1隔離柱23の第4絶縁層235及び第2隔離柱31の第8絶縁層315と、を分割することができる。
【0112】
第1無機絶縁材料層が形成された後、パターニングプロセスにより表示領域20aに薄膜トランジスタ24の半導体層240を形成する。その後、積層などの方法により第2無機絶縁材料層を形成する。前記第2無機絶縁材料層は、全面的にベース基板21形成される。また、表示領域20aに位置する第2ゲート絶縁層241と、隔離領域20cに位置する第1隔離柱23の第3絶縁層234及び第2隔離柱31の第7絶縁層314と、を分割することができる。
【0113】
第2無機絶縁材料層が形成された後、第2無機絶縁材料層に一層の金属フィルムを積層する。その後、パターニングプロセスにより当該金属フィルムを処理することにより、表示領域20aに薄膜トランジスタ24のゲート電極242及び蓄積キャパシタ25の第1電極板250を形成するとともに、隔離領域20cに第1隔離柱23の第1金属層230及び第2隔離柱31の第5金属層311を形成する。例えば、前記パターニングプロセスは、露光、現像及びドライエッチングを含む。その後、積層などの方法により第3無機絶縁材料層を形成することができる。前記第3無機絶縁材料層は、全面的にベース基板21形成され、また、表示領域20aに位置する第1ゲート絶縁層243と、隔離領域20cに位置する第1隔離柱23の第1絶縁層231及び第2隔離柱31の第5絶縁層312と、を分割することができる。
【0114】
第3無機絶縁材料層が形成された後、第3無機絶縁材料層に一層の金属フィルムを積層する。その後、パターニングプロセスにより当該金属フィルムを処理することにより、表示領域20aに蓄積キャパシタ25の第2電極板251を形成するとともに、隔離領域20cに第1隔離柱23の第3金属層236及び第2隔離柱31の第6金属層316を形成する。例えば、前記パターニングプロセスは、露光、現像及びドライエッチングを含む。その後、積層などの方法により第4無機絶縁材料層を形成することができる。前記第4無機絶縁材料層は、全面的にベース基板21形成され、また、表示領域20aに位置する層間誘電体層244と、隔離領域20cに位置する第1隔離柱23の第2絶縁層232及び第2隔離柱31の第6絶縁層313と、を分割することができる。
【0115】
第4無機絶縁材料層が形成された後、パターニングプロセスにより層間誘電体層244及び第1ゲート絶縁層243を処理することにより、半導体層240のビアホールを露出させる。その後、パターニングプロセスによって、表示領域20aに薄膜トランジスタ24のソース電極245及びドレイン電極246を形成するとともに、隔離領域20cに第1隔離柱23の第2金属層233及び第2隔離柱31の第4金属層310を形成する。前記ソース電極245及びドレイン電極246は、層間誘電体層244及び第1ゲート絶縁層243におけるビアホールを介して半導体層240の両端にそれぞれ接続される。例えば、一実施例において、積層、スパッタ又は蒸着などを利用して、チタン材料層、アルミニウム材料層及びチタン材料層を順次に形成し、その後同一回のパターニングプロセスにより3つの材料層をパターニングすることで、ソース電極245及びドレイン電極246を構成するチタン/アルミニウム/チタンの3層金属構造を形成するとともに、側面が面一となる初期の第2金属層233及び初期の第4金属層310を形成する。その後、1回のエッチングプロセスにより側面が面一となる初期の第2金属層233及び初期の第4金属層310をエッチングすることにより、側面に切欠き233aを有する第2金属層233及び第4金属層310を形成する。
【0116】
表示領域20aに位置する薄膜トランジスタ24、蓄積キャパシタ25及び隔離領域20cに位置する第1隔離柱23、第2隔離柱31の各フィルム層構造が形成された後、パターニングプロセスにより表示領域20aに位置する平坦化層26及び隔離領域20cに位置する第2バリアダム29の第1隔離部を同時に形成することができる。その後、パターニングプロセスにより平坦化層26を処理することにより、薄膜トランジスタ24のドレイン電極246を露出させるためのビアホールを形成する。その後、パターニングプロセスによりピクセルユニット30の陽極300を形成し、前記陽極300は、平坦化層26におけるビアホールを介して薄膜トランジスタ24のドレイン電極246に接続される。
【0117】
陽極300が形成された後、パターニングプロセスにより表示領域20aに位置するピクセル定義層27及び隔離領域20cに位置する第1バリアダム28及び第2バリアダム29の第2隔離部を同時に形成する。前記ピクセル定義層27は、陽極300を露出させるためのピクセル開口を有する。その後、有機発光材料301を全面的に蒸着することにより、ピクセル開口に位置し且つ陽極300に接触される有機発光材料301を形成する。前記有機発光材料301が第1隔離柱23及び第2隔離柱31において遮断されることを理解すべきである。
【0118】
有機発光材料301が全面的に蒸着された後、陰極302の材料を全面的に蒸着することにより、表示領域20aに位置する陰極302を形成することができる。前記陰極302は、有機発光材料301に接触する。前記陰極302の材料が第1隔離柱23及び第2隔離柱31において遮断されることを理解すべきである。
【0119】
陰極302の材料が全面的に蒸着された後、化学気相成長方式を利用して、表示領域20a及び隔離領域20cに位置する封止フィルム32の第1無機封止層320を積層する。その後、インクジェット印刷方式を利用して、表示領域20a及び隔離領域20cに位置する封止フィルム32の有機封止層321を形成する。前記有機封止層321は、第1バリアダム28において遮断される。その後、化学気相成長方式を利用して、表示領域20a及び隔離領域20cに位置する封止フィルム32の第2無機封止層322を積層する。前記第1無機封止層320及び第2無機封止層322は、表示領域20a及び隔離領域20cにおける各構造を覆う。
【0120】
なお、本発明の実施例に係る表示パネル2の製造方法は、上記の形態に限定されない。具体的に、必要な表示パネル2の構造に応じて、上記の製造方法を調整することができる。
【0121】
また、前記製造方法により製造された表示パネル2の具体的な構造は、上記の実施例に記載される表示パネル2を参照することができるが、ここでは、表示パネル2の具体的な構造を詳細に説明しない。
【0122】
なお、表示領域20aが形成された後、レーザ切断又は機械式プレスによりベース基板21を貫通する開口領域20bを形成することができる。前記開口領域20bには、カメラ、センサ、HOMEキー、受話器又はスピーカなどの素子が組み立てられることができる。
【0123】
当業者は、明細書に対する理解、及び明細書に記載された発明に対する実施を介して、本発明の他の実施例を容易に取得することができる。本願は、本発明に対する任意の変形、用途、又は適応的な変更を含み、このような変形、用途、又は適応的な変更は、本発明の一般的な原理に従い、本発明では開示していない本技術分野の公知知識、又は通常の技術手段を含む。明細書及び実施例は、単に例示的なものであって、本発明の本当の範囲と主旨は、特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0124】
10 表示領域
11 開口領域
12 隔離柱
120 ILD+GI+バッファ層
121 SD金属層
13 隔離溝
14 ベース
15 有機発光材料
16 陰極層
17 無機封止層
2 表示パネル
20a 表示領域
20b 開口領域
20c 隔離領域
21 ベース基板
22 バッファ層
23 第1隔離柱
230 第1金属層
231 第1絶縁層
232 第2絶縁層
232a 第1部分
232b 第2部分
232c 第1傾斜部分
233 第2金属層
233a 切欠き
234 第3絶縁層
235 第4絶縁層
236 第3金属層
24 薄膜トランジスタ
240 半導体層
241 第2ゲート絶縁層
242 ゲート電極
243 第1ゲート絶縁層
244 層間誘電体層
245 ソース電極
246 ドレイン電極
25 蓄積キャパシタ
250 第1電極板
251 第2電極板
26 平坦化層
27 ピクセル定義層
28 第1バリアダム
29 第2バリアダム
290 第1隔離部
291 第2隔離部
30 ピクセルユニット
300 陽極
301 有機発光材料
302 陰極
31 第2隔離柱
310 第4金属層
311 第5金属層
312 第5絶縁層
313 第6絶縁層
313a 第3部分
313b 第4部分
313c 第2傾斜部分
314 第7絶縁層
315 第8絶縁層
316 第6金属層
32 封止フィルム
320 第1無機封止層
321 有機封止層
322 第2無機封止層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11