(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】医療デバイスにおける双方向通信
(51)【国際特許分類】
A61M 16/00 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A61M16/00 305A
(21)【出願番号】P 2021568361
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(86)【国際出願番号】 IB2020054641
(87)【国際公開番号】W WO2020230105
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-05-15
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500046450
【氏名又は名称】レスメド・プロプライエタリー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・ロバート・ピーク
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン・ゼルシー・リウ
(72)【発明者】
【氏名】サケーナ・デ・ソウザ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ウィール
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ジェームズ・ダッソス
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-079637(JP,A)
【文献】特表2017-523841(JP,A)
【文献】特表2017-528229(JP,A)
【文献】特表2017-535325(JP,A)
【文献】国際公開第2019/077934(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置を用いて持続的陽圧(CPAP)を患者へ提供する呼吸圧力治療システムであって、
患者への送達のための呼吸可能なガスの供給を生成するように構成された流れ生成器であって、前記呼吸可能なガスは、環境圧力を超える圧力レベルにおいて前記流れ生成器から出力される、流れ生成器と、
前記呼吸可能なガスが患者へ供給されている間に物理的量を測定するように構成された少なくとも1つのセンサと、
メモリおよび少なくとも1つのハードウェアプロセッサを含むコンピューティングデバイスと
、
を含み、前記コンピューティングデバイスは、
前記患者による前記呼吸圧力治療システムの初回使用前に、
前記装置のセットアップを行うことであって、前記装置のセットアップは、前記装置を前記患者
に割り当てることと、前記装置
に患者のための初期設定を設定することとを含む、前記装置のセットアップを行うことと、
前記呼吸可能なガスの供給の測定された物理的特性に基づいたセンサデータを前記少なくとも1つのセンサから受信することと、
前記受信されたセンサデータに基づいて前記流れ生成器を制御して、患者へ送達される前記呼吸可能なガスの供給の特性を調節し、前記装置の制御設定を設定することと、
を行うように構成され、
前記コンピューティングデバイスは、
前記装置のセットアップが行われた後にかつ/または前記患者による前記装置の使用に関連する所定の条件が満たされた後に事前設定された期間が経過した後、
人口統計学的フィードバックに関連する1つ以上の質問と、前記人口統計学的フィードバックに関連する1つ以上の質問に対する選択可能な応答と、主観的フィードバックに関連する1つ以上の質問と、前記主観的フィードバックに関連する1つ以上の質問に対する応答を提供するため
の、2つの応答の間で選択可能な可変スケールと、をディスプレイデバイス上に表示させること
であって、前記人口統計学的フィードバックは、前記患者の性別、年齢、身長、または体重に関するフィードバックを含む、表示させることと、
前記1つ以上の質問の表示に応答して、前記人口統計学的フィードバックに関連する1つ以上の質問に対する回答を示す選択可能な応答に対する1つ以上のユーザ入力と、前記主観的フィードバックに関連する前記1つ以上の質問に対する回答を示す前記可変スケールに対する1つ以上のユーザ入力と
、を受信することと、
前記人口統計学的フィードバックに関連する1つ以上の質問に対する回答と、前記主観的フィードバックに関連する前記1つ以上の質問に対する回答とをリモート処理システムへ送信させることと、
前記送信された回答に基づいて決定された前記呼吸圧力治療システムの設定を前記リモート処理システムから受信することと、
前記受信された設定に基づいて、前記装置のセットアップ時に設定された前記呼吸圧力治療システムの制御設定を調節することと、
を行うように
さらに構成される、呼吸圧力治療システム。
【請求項2】
前記リモート処理システムは、複数の患者から受信されたデータを用いて機械学習を行うように構成されたオンデマンドクラウドコンピューティングプラットフォームである、請求項1に記載の呼吸圧力治療システム。
【請求項3】
前記人口統計学的フィードバックおよび主観的フィードバックに関連する質問は、前記メモリ中に事前記憶される、請求項1または2に記載の呼吸圧力治療システム。
【請求項4】
前記主観的フィードバックに関連する1つ以上の質問は、前記リモート処理システムから受信される、請求項1~3のいずれか一項に記載の呼吸圧力治療システム。
【請求項5】
患者の少なくとも1つの気道と係合しかつ患者へ呼吸可能なガスを供給するように構成された患者インターフェースをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の呼吸圧力治療システム。
【請求項6】
前記質問は、患者についての人口統計学的情報に関連する少なくとも1つの質問と、患者からの前記呼吸圧力治療システムの使用に関する主観的フィードバックに関連する少なくとも1つの質問とを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の呼吸圧力治療システム。
【請求項7】
前記リモート処理システムをさらに含み、前記リモート処理システムは、前記リモート処理システムへ送信される前記回答に基づいて個別対応型のコーチングプログラムを患者のために決定するように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の呼吸圧力治療システム。
【請求項8】
前記リモート処理システムをさらに含み、前記リモート処理システムは、前記リモート処理システムへ送信される前記回答に基づいてオーダーメイド治療を患者のために決定するように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の呼吸圧力治療システム。
【請求項9】
前記コンピューティングデバイスは、前記装置のセットアップ
後に、
人口統計学的フィードバックに関連するさらなる質問と、人口統計学的フィードバックに関連するさらなる質問に対する選択可能な応答と、主観的フィードバックに関連するさらなる質問と、前記主観的フィードバックに関連するさらなる質問に対する選択可能な応答とを前記ディスプレイデバイス上に表示させることと、
前記1つ以上のさらなる質問の表示に応答して、前記人口統計学的フィードバックおよび前記主観的フィードバックに関連するさらなる質問に対する回答を示す前記選択可能な応答に対するユーザ入力を受信することと、
前記さらなる質問に対する前記回答を前記リモート処理システムへ送信させることと、
前記送信された回答に基づいて決定された前記呼吸圧力治療システムの設定を前記リモート処理システムから受信することと、
前記受信された設定に基づいて、前記装置のセットアップ時に設定された前記呼吸圧力治療システム
の制御設定を設定することと、を行うようにさらに構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の呼吸圧力治療システム。
【請求項10】
前記所定の条件は、患者が、所定の期間の間、前記装置を使用することを含む、請求項9に記載の呼吸圧力治療システム。
【請求項11】
前記呼吸圧力治療システムの設定および/または個別対応型のコーチングプログラムは、アプリケーション、ウェブサイト、eメール、および/または患者
に割り当てられたモバイルデバイスによって受信される、請求項1~9のいずれか一項に記載の呼吸圧力治療システム。
【請求項12】
患者における呼吸障害を治療する装置であって、
ディスプレイデバイスと、
前記呼吸障害の治療のための空気流れを生成するように構成された圧力生成器と、
空気流れの特性を示す流れ信号を生成するように構成された変換器と、
前記ディスプレイ
デバイス、前記圧力生成器、および前記変換器へ連結されたコントローラと、を含み、前記コントローラは、
前記患者による初回使用前に、
前記装置のセットアップを行うことであって、前記装置のセットアップは、前記装置を前記患者
に割り当てることと、前記装置
に患者のための初期設定を設定することとを含む、前記装置のセットアップを行うことと、
前記変換器から前記流れ信号を受信することと、
前記受信された流れ信号および前記装置の前記設定された制御設定に基づいて前記圧力生成器を制御して、前記空気流れの特性を調節することと、
を行うように構成され、
前記コントローラは、
前記装置のセットアップが行われた後にかつ/または前記患者による前記装置の使用に関連する所定の条件が満たされた後に事前設定された期間が経過した後、
人口統計学的フィードバックについてのリクエストと、前記人口統計学的フィードバックについてのリクエストに対する選択可能な応答と、主観的フィードバックについてのリクエストと、主観的フィードバックについてのリクエストに対する応答を提供するため
の、2つの応答の間で選択可能な可変スケールと
、を前記ディスプレイデバイスへ表示させること
であって、前記人口統計学的フィードバックは、前記患者の性別、年齢、身長、または体重に関するフィードバックを含む、表示させることと、
前記人口統計学的フィードバックについてのリクエストに応答して、人口統計学的フィードバックを示す前記選択可能な応答に対して1つ以上の入力を受信することと、
前記主観的フィードバックについてのリクエストに応答して、主観的フィードバックを示す前記可変スケールに対して1つ以上の入力を受信することと、
前記受信された1つ以上の入力に基づいて決定された人口統計学的および主観的フィードバックデータをリモート処理システムへ送信することと、
前記送信された人口統計学的および主観的フィードバックデータに基づいて決定された分析結果を前記リモート処理システムから受信することと、
前記受信された分析結果に基づいて、前記装置のセットアップ時に設定された前記装置の制御設定を調節することと
、
を行うように
さらに構成される、装置。
【請求項13】
前記コントローラ、前記ディスプレイ
デバイスおよび前記圧力生成器は、共同で収容される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記調節された制御設定は、前記圧力生成器へ接続された患者マスク中に提供される治療圧力を含む、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
前記コントローラは、前記人口統計学的および主観的フィードバックデータと共に前記装置の動作データを送信するように構成され、前記分析結果は、前記人口統計学的および主観的フィードバックデータならびに前記装置の動作データに基づいて決定される、請求項12~14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1 関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願第62/848,991号(出願日:2019年3月16日)に対する優先権を主張し、上記の出願を本明細書中、参考のため全体的に援用する。
【0002】
2 技術の背景
2.1 技術の分野
本技術は、呼吸関連疾患のスクリーニング、診断、監視、治療、予防および改善のうち1つ以上に関する。本技術は、医療デバイスまたは装置と、その使用とにも関連する。より詳細には、本技術は、医療デバイスのセットアップおよび個別対応型のコーチングおよび/または医療デバイスを用いた患者のためのオーダーメイド治療の提供のための方法およびシステムに関連する。
【背景技術】
【0003】
2.2 関連技術の説明
2.2.1 ヒトの呼吸器系およびその疾患
身体の呼吸器系は、ガス交換を促進させる。鼻および口腔は、患者の気道への入口を形成する。
【0004】
これらの気道は、一連の分岐する管を含み、これらの管は、肺の奥深くに進むほど狭く、短くかつ多数になる。肺の主要な機能はガス交換であり、空気から酸素を静脈血中へ取り入れさせ、二酸化炭素を退出させる。気管は、右および左の主気管支に分かれ、これらの主気管支はさらに分かれて、最終的に終末細気管支となる。気管支は、伝導のための気道を構成するものであり、ガス交換には関与しない。気道がさらに分割されると呼吸細気管支となり、最終的には肺胞となる。肺の肺胞領域においてガス交換が行われ、この領域を呼吸領域と呼ぶ。以下を参照されたい:「Respiratory Physiology」, by John B. West, Lippincott Williams & Wilkins, 9th edition published 2012。
【0005】
一定範囲の呼吸器疾患が存在している。特定の疾患は、特定の発症(例えば、無呼吸、呼吸低下および過呼吸)によって特徴付けられ得る。
【0006】
呼吸器疾患の例には、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、チェーン・ストークス呼吸(CSR)、呼吸不全、肥満過換気症候群(OHS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、神経筋疾患(NMD)および胸壁疾患が含まれる。
【0007】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、睡眠呼吸障害(SDB)の1つの形態であり、睡眠時の上通気道の閉鎖または閉塞などの発症によって特徴付けられる。これは異常に小さい上気道と、舌の領域の筋緊張の通常の喪失、睡眠時の軟口蓋および後口咽頭壁の正常損失の組み合わせの結果である。このような状態に起因して、罹患患者の呼吸停止が典型的には30~120秒にわたり、ときには一晩に200~300回も呼吸が停止する。その結果、日中の眠気が過度になり、心血管疾患および脳損傷の原因になり得る。この症候は一般的な疾患であり、特に中年の過体重の男性に多いが、患者に自覚症状は無い。米国特許第4,944,310号(Sullivan)を参照されたい。
【0008】
チェーン・ストークス呼吸(CSR)は、別の形態の睡眠呼吸障害である。CSRは、患者の呼吸調節器の疾患であり、CSRサイクルとして知られる換気の漸増および漸減が交互に周期的に続く。CSRは、動脈血の脱酸素および再曝気の繰り返しによって特徴付けられる。反復低酸素症のため、CSRは有害であり得る。患者によっては、CCRは、重症不眠、交感神経活動の増加、および後負荷の増加の原因となる、反復性睡眠覚醒を随伴する。米国特許第6,532,959号(Berthon-Jones)を参照されたい。
【0009】
呼吸不全とは、呼吸器障害の総称であり、患者の需要を満たすための充分な酸素吸気または充分なCO2呼気を肺が行うことができていないことを指す。呼吸不全は、以下の疾患のうちいくつかまたは全てを包含し得る。
【0010】
呼吸不全(一種の呼吸不全)の患者は、運動時に異常な息切れを経験することがある。
【0011】
肥満過換気症候群(OHS)は、低換気の原因が他に明確に無い状態における、重症肥満および覚醒時慢性高炭酸ガス血症の組み合わせとして定義される。症状には、呼吸困難、起床時の頭痛と過剰な日中の眠気が含まれる。
【0012】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、特定の共通する特性を有する下気道疾患のグループのうちのいずれも包含する。これには空気の動きに対する抵抗の増加、呼吸の呼気相の延長および肺における正常な弾性の減少が含まれる。COPDの例として、気腫および慢性気管支炎がある。COPDの原因としては、慢性喫煙(第一危険因子)、職業被ばく、空気汚染および遺伝因子がある。症状を挙げると、労作時の呼吸困難、慢性咳および痰生成がある。
【0013】
神経筋疾患(NMD)は、内在筋病理を直接介してまたは神経病理を間接的に介して筋肉機能を損なう多数の疾病および病気を包含する広範な用語である。NMD患者の中には、進行性の筋肉障害によって特徴付けられる者もあり、結果的に歩行不可能、車椅子への束縛、嚥下困難、呼吸筋力低下に繋がり、最終的には呼吸不全による死亡に繋がる。神経筋肉障害は、以下の急速進行性と緩徐進行性とに区分され得る:(i)急速進行性障害:数ヶ月かけて悪化する筋肉障害によって特徴付けられ、数年内に死亡に繋がる(例えば、ティーンエージャーにおける筋萎縮性側索硬化症(ALS)およびデュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD));(ii)可変性または緩徐進行性障害:数年かけて悪化する筋肉障害によって特徴付けられ、平均余命が若干低減するだけである(例えば、肢帯、顔面肩甲上腕型および筋強直性筋ジストロフィー)。NMDにおける呼吸不全症状を以下に挙げる:全身衰弱の増加、嚥下障害、労作および安静時の呼吸困難、疲労、眠気、起床時の頭痛、および集中および気分の変化の困難。
【0014】
胸壁障害は、胸郭変形の1つのグループであり、呼吸筋肉と胸郭との間の連結の無効性の原因となる。これらの障害は、拘束性障害によって主に特徴付けられ、長期の炭酸過剰性呼吸不全の可能性を共有する。脊柱側弯症および/または脊柱後側弯症は、重篤な呼吸不全を発症することがある。呼吸不全の症状を以下に挙げる:労作時の呼吸困難、末梢浮腫、起座呼吸、反復性胸部感染症、起床時の頭痛、疲労、睡眠の質の低下、および食欲不振。
【0015】
このような状態を治療または改善するために、一定範囲の治療が用いられている。さらに、その他の点では健常人も、呼吸器疾患の予防治療を有利に利用することができる。しかし、これらにおいては、複数の欠陥がある。
【0016】
2.2.2 治療法
多様な療法(例えば、持続的気道陽圧(CPAP)治療法、非侵襲的換気(NIV)および侵襲的換気(IV))が上記の呼吸器疾患の1つ以上の治療のために用いられている。
【0017】
持続的気道陽圧(CPAP)療法が、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療において用いられている。その作用機構としては、例えば軟口蓋および舌を押して後口咽頭壁へ前進または後退させることにより、持続陽圧呼吸療法が空気スプリントとして機能し、これにより上気道の閉鎖を防止し得る。CPAP治療によるOSAの治療は自発的なものであり得るため、このような患者が治療の提供に用いられるデバイスについて以下のうち1つ以上に気づいた場合、患者が治療を遵守しないことを選択する可能性がある:不快、使用困難、高価、美観的な魅力の無さ。
【0018】
非侵襲的換気(NIV)は、換気補助を上気道を通じて患者へ提供して、呼吸機能の一部または全体を行うことにより患者の呼吸の補助および/または身体中の適切な酸素レベルの維持を提供する。換気補助が、非侵襲的患者インターフェースを介して提供される。NIVは、OHS、COPD、NMD、および胸壁障害などの形態のCSRおよび呼吸不全の治療に用いられている。いくつかの形態において、これらの治療の快適性および有効性が向上し得る。
【0019】
侵襲的換気(IV)は、自身で有効に呼吸することができなくなった患者に対して換気補助を提供し、気管切開管を用いて提供され得る。いくつかの形態において、これらの治療の快適性および有効性が向上し得る。
【0020】
2.2.3 治療システム
これらの治療は、治療システムまたはデバイスによって提供され得る。このようなシステムおよびデバイスは、疾患を治療することなくスクリーニング、診断、または監視するためにも、用いられ得る。
【0021】
治療システムは、呼吸圧力治療デバイス(RPTデバイス)、空気回路、加湿器、患者インターフェース、およびデータ管理を含み得る。
【0022】
2.2.3.1 患者インターフェース
患者インターフェースは、例えば気道入口への空気流れを提供することにより呼吸装具へのインターフェースを装着者へ提供するために、用いられ得る。空気流れは、鼻および/または口腔へのマスク、口腔への管、または患者気管への気管切開管を介して提供され得る。適用される療法に応じて、患者インターフェースは、例えば患者の顔の領域とのシールを形成し得、これにより、療法実行のための環境圧力と共に充分な分散の圧力において(例えば、例えば環境圧力に対して約10cmH2Oの陽圧において)ガス送達を促進する。酸素送達などの他の治療形態において、患者インターフェースは、約10cmH2Oの陽圧において気道へのガス供給の送達を促進するのに充分な密閉を含まない場合がある。
【0023】
患者インターフェースの設計においては、複数の課題がある。顔は、複雑な三次元形状を有する。鼻および頭のサイズおよび形状は、個人によって大きく異なる。頭部には骨、軟骨および軟組織が含まれるため、顔の異なる領域は、機械的力に対して異なる反応を示す。すなわち、顎部または下顎は、頭蓋骨の他の骨に相対して動き得る。頭部全体は、呼吸治療期間を通じて動き得る。
【0024】
これらの課題に起因して、いくつかのマスクの場合、特に装着時間が長い場合または患者がシステムに不慣れである場合、押しつけがましい、美観的に望ましくない、コストが高い、フィット感が悪い、使用が困難、および不快感があるなどの理由のうち1つ以上がある。
【0025】
CPAP治療は、患者が治療を承諾している場合、特定の呼吸器疾患の治療においては極めて効果的である。マスクが不快、誤ったサイズ、使用が困難、特定の患者特性に不適(例えば、口呼吸者に対して鼻用マスク)、または清掃が困難(例えば、組立または分解が困難)である場合、患者が治療を遵守しない可能性がある。
【0026】
2.2.3.2 呼吸圧力治療(RPT)デバイス
呼吸圧力治療(RPT)デバイスは、例えばデバイスを作動させて気道へのインターフェースへの空気送達流れを生成することにより、上記した複数の治療のうち1つ以上の送達に個別的に、またはシステムの一部として用いられ得る。この空気流れは、加圧され得る。RPTデバイスの例を挙げると、CPAPデバイスおよび人工呼吸器がある。
【0027】
空気圧生成器は、広範な用途(例えば、工業規模通気システム)において公知である。しかし、医療用途のための空気圧生成器は、より一般的な空気圧生成器(例えば、医療機器の信頼性要件、サイズ要件および重量要件)では満足できない特定の要件を有する。加えて、医療治療向けに設計されたデバイスであっても、以下のうち1つ以上に関連して欠陥を免れない場合がある:快適性、ノイズ、使いやすさ、有効性、サイズ、重量、製造可能性、コストおよび信頼性。
【0028】
RPTデバイスは典型的には、圧力生成器(例えば、電動送風機または圧縮ガスリザーバ)を含み、患者の気道へ空気流れを供給するように構成される。場合によっては、空気流れは、患者の気道へ陽圧で供給され得る。RPTデバイスの出口は、空気回路を介して上記したような患者インターフェースへ接続される。
【0029】
デバイスの設計者には、無数の選択肢が提示され得る。設計基準同士が対立することが多くあるため、特定の設計選択肢が慣例からほど遠くなるかあるいは避けられないことがある。さらに、特定の態様の快適性および有効性は、1つ以上のパラメータの些細な変更から大きく影響を受ける可能性もある。
【0030】
2.2.3.3 加湿器
空気流れの送達を加湿無しで行った場合、気道の乾燥に繋がり得る。加湿器をRPTデバイスおよび患者インターフェースと共に用いた場合、加湿ガスが生成されるため、鼻粘膜の乾燥が最小化され、患者気道の快適性が増加する。加えて、より冷涼な気候においては、概して患者インターフェースの周囲の顔領域へ温風を付加すると、冷風の場合よりも快適性が高まる。
【0031】
2.2.3.4 データ管理
臨床的理由により、呼吸治療が処方された患者が「コンプライアンスを遵守している」(例えば、患者が自身のRPTデバイスを1つ以上の「コンプライアンスルール」に則っているか)を決定するためのデータを入手する場合がある。CPAP治療についてのコンプライアンスルールの一例として、患者がコンプライアンスを遵守しているとみなすためには、患者が連続30日間のうち少なくとも21日間にわたってRPTデバイスを一晩あたり少なくとも4時間にわたって使用する必要がある。患者のコンプライアンスを決定するためには、RPTデバイスのプロバイダ(例えば、ヘルスケアプロバイダ)は、RPTデバイスを用いた患者の治療を記述するデータを手作業で入手し、所定期間にわたる使用率を計算し、これをコンプライアンスルールと比較し得る。ヘルスケアプロバイダが患者が自身のRPTデバイスをコンプライアンスルールに則って使用したと決定すると、当該ヘルスケアプロバイダは、患者がコンプライアンスを遵守している旨を第三者に通知し得る。
【0032】
患者の治療において、治療データの第三者または外部システムへの通信から恩恵を受ける他の態様があり得る。
【0033】
このようなデータを通信および管理するための既存のプロセスの場合、高コスト、時間がかかること、エラーの発生し易さのうち1つ以上が発生し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0034】
3 技術の簡単な説明
本技術は、呼吸器疾患のスクリーニング、診断、監視、改善、治療または予防において用いられる医療機器の提供に関連し、これらの医療機器は、向上した快適性、コスト、有効性、使い易さおよび製造可能性のうち1つ以上を有する。
【0035】
本技術の第1の態様は、呼吸器疾患のスクリーニング、診断、監視、改善、治療または予防に用いられる装置に関連する。
【0036】
本技術の別の態様は、呼吸障害のスクリーニング、診断、監視、改善、治療または予防において用いられる方法に関連する。
【0037】
本技術の特定の形態の一態様は、呼吸治療についての患者のコンプライアンスを向上させる方法および/または装置を提供することである。
【0038】
本技術の一形態に含まれる呼吸圧力治療システムは、患者に対して人口統計学的および/または主観的質問を提示し、これらの質問に対する回答を受信して、呼吸圧力治療システムの設定の決定のためにこれらの質問を分析することが可能なように、構成される。
【0039】
本技術の一形態の別の態様は、人口統計学的および/または主観的質問に対する患者の回答および/または複数の他のユーザからのデータに基づいて、患者のために個別対応型のコーチングプログラムおよび/またはオーダーメイド治療を(例えば高度分析を介して)決定することである。
【0040】
本技術の一形態は、患者が回答した人口統計学的および/または主観的質問に基づいて、呼吸圧力治療システムへ設定を適用することを含む。
【0041】
本技術の一形態の別の態様は、人口統計学的および/または主観的質問を提示し、ウェブアプリケーションまたはモバイルアプリケーションを介して回答を受信することである。
【0042】
本技術の一形態の別の態様は、人口統計学的および/または主観的質問についての回答をウェブアプリケーションまたはモバイルアプリケーションを介して受信し、回答を用いて、呼吸圧力治療システムの設定を決定することである。
【0043】
本技術の一形態の別の態様は、処理システムと、コンピューティングシステムである。この処理システムは、複数の人口統計学的質問および/または複数の客観的質問を格納するメモリを含む。このコンピューティングシステムは、以下を行うように構成される:医療デバイスおよび/または医療デバイスとの通信のためのアプリケーションを実行するように構成されたモバイルデバイスへ人口統計学的および/または客観的質問を送信すること、質問に対する回答を医療デバイスおよび/またはモバイルデバイスから受信すること、受信された回答に基づいて、患者のための個別対応型のコーチングプログラムおよび/または医療デバイスを用いたオーダーメイド治療を例えば高度分析を介して決定すること。
【0044】
本技術の特定の形態の一態様は、例えば医療トレーニングを受けたことの無い人、あまり器用ではない人や洞察力の欠いた人、またはこの種の医療デバイスの使用経験が限られた人にとって使い易い医療デバイスである。
【0045】
本技術の別の態様は、持続的陽圧(CPAP)を患者に提供するための呼吸圧力治療(RPT)システムに関する。システムは、以下を含む:患者へ送達される呼吸可能なガスの供給を生成するように構成された流れ生成器であって、呼吸可能なガスは、大気圧を上回る圧力レベルにおいて流れ生成器から出力される、流れ生成器;呼吸可能なガスが患者へ供給されている間に物理量を測定するように構成された少なくとも1つのセンサ;メモリおよび少なくとも1つのハードウェアプロセッサを含むコンピューティングデバイス。コンピューティングデバイスは、以下を行うように構成され得る:呼吸可能なガスの供給の測定された物理的特性に基づいたセンサデータを少なくとも1つのセンサから受信すること;受信されたセンサデータに基づいて流れ生成器を制御して、患者へ送達される呼吸可能なガスの供給の特性を調節すること;人口統計学的および/または主観的フィードバックに関連する1つ以上の質問をディスプレイデバイス上に表示すること;1つ以上の質問の表示に応答して、1つ以上の質問に対する回答を示す1つ以上の入力を受信すること;回答をリモート処理システムへ送信すること;送信された回答に基づいて決定された呼吸圧力治療システムの設定をリモート処理システムから受信すること;および受信された設定に基づいて、呼吸圧力治療システムの制御設定を調節すること。
【0046】
例において、(a)リモート処理システムは、複数の患者から受信されたデータを用いて機械学習を行うように構成されたオンデマンドクラウドコンピューティングプラットフォームであり得、(b)質問は、メモリ中に事前格納され得、(c)コンピューティングデバイスは、セットアップ動作を行うようにさらに構成され得、1つ以上の質問は、セットアップ後および所定の条件が満たされた後に表示され得、(d)所定の条件は、セットアップ後に経過する所定の期間を含み得、(e)質問は、患者についての人口統計学的情報に関連する少なくとも1つの質問と、患者からの呼吸圧力治療システムの使用に関する主観的フィードバックに関連する少なくとも1つの質問とを含み得、(f)システムは、リモート処理システムをさらに含み得、リモート処理システムは、リモート処理システムへ送信される回答に基づいて個別対応型のコーチングプログラムを患者のために決定するように構成され得、(g)システムは、リモート処理システムをさらに含み得、リモート処理システムは、リモート処理システムへ送信される回答に基づいてオーダーメイド治療を患者のために決定するように構成され得、(h)1つ以上の質問は、リモート処理システムから受信され得、(i)システムは、患者の少なくとも1つの気道および患者への呼吸可能なガスの供給と係合するように構成された患者インターフェースをさらに含み得、および/または(j)呼吸圧力治療システムの設定および/または個別対応型のコーチングプログラムの受信は、アプリケーション、ウェブサイト、eメール、および/または患者と関連付けられたモバイルデバイスによって行われる。
【0047】
本技術の別の態様は、患者の呼吸障害の治療のための装置に関する。装置は、以下を含む:ディスプレイデバイス;呼吸障害の治療のための空気流れを生成するように構成された圧力生成器;空気流れの特性を示す流れ信号を生成するように構成された変換器;ディスプレイ、圧力生成器、および変換器へ接続されたコントローラ。コントローラは、以下を行うように構成され得る:変換器から流れ信号を受信すること;受信された流れ信号に基づいて、圧力生成器を制御して空気流れの特性を調節すること;人口統計学的および/または主観的フィードバックについてのリクエストをディスプレイデバイスに表示すること;リクエストに応答して、人口統計学的および/または主観的フィードバックを示す1つ以上の入力を受信すること;受信された1つ以上の入力に基づいて決定された人口統計学的および/または主観的フィードバックデータをリモート処理システムへ送信すること;送信された人口統計学的および/または主観的フィードバックデータに基づいて決定された分析結果をリモート処理システムから受信すること;および受信された分析結果に基づいて、装置の制御設定を調節すること。
【0048】
例において、(a)コントローラ、ディスプレイおよび圧力生成器は、共同で収容され得、(b)調節された制御設定は、圧力生成器へ接続された患者マスク中に提供される治療圧力を含み得、(c)分析結果は、患者のための個別対応型のコーチングプログラムを含み得、(d)分析結果は、患者のためのオーダーメイド治療を含み得、(e)コントローラは、人口統計学的および/または主観的フィードバックデータと共に装置の動作データを送信するように構成され得、分析結果は、人口統計学的および/または主観的フィードバックデータならびに装置の動作データに基づいて決定され得、(f)人口統計学的および/または主観的フィードバックについてのリクエストは、所定の条件が満たされた後に表示され得、(g)所定の条件は、装置のセットアップ後の所定の期間であり得、かつ/または(h)所定の条件は、装置が患者によって操作された所定の期間であり得る。
【0049】
本技術の別の態様は、呼吸障害の治療のための空気流れを生成する呼吸治療装置を操作する方法に関連する。本方法は、空気流れの特性を変換器を用いて測定することを含み;コントローラ中において測定された特性に基づいて、呼吸イベント、患者の心臓呼吸特性および患者の身体状態のうち少なくとも1つを含む結果を計算すること;結果に基づいて空気流れの特性の調節をコントローラ中において制御すること;人口統計学的および/または主観的フィードバックに関連する1つ以上の質問を表示すること;1つ以上の質問の表示に応答して、1つ以上の質問に対する回答を示す1つ以上の入力をコントローラ中において受信すること;回答をリモート処理システムへ送信すること;およびリモート処理システムへ送信される回答に基づいて、呼吸治療装置および/または個別対応型のコーチングプログラムの操作のための設定を患者のためにリモート処理システムから受信すること。
【0050】
例において、(a)方法は、受信された設定に基づいて呼吸治療装置の制御設定を調節することを含み得、(b)呼吸治療装置の操作のための設定は、回答を示す入力の受信時にリモート処理システムへ送信される回答および呼吸治療装置の制御設定に基づいて決定されたオーダーメイド治療を患者へ提供し得、(c)質問は、呼吸治療装置のディスプレイ上に表示され得、(d)質問は、呼吸治療装置の制御のためのアプリケーションを実行するように構成されたモバイルデバイス上に表示され得、(e)質問は、所定の条件が満たされた後に表示され得、(f)所定の条件は、呼吸治療装置がセットアップされた後の所定の期間であり得、かつ/または(g)所定の条件は、呼吸治療装置が患者によって操作された所定の期間であり得る。
【0051】
本技術の別の態様は、以下を含む処理システムに関する:複数の人口統計学的質問および複数の客観的質問を格納するメモリ;メモリへ接続された少なくとも1つのハードウェアプロセッサを含むコンピューティングシステムであって、コンピューティングシステムは、以下を行うように構成され:メモリ中に格納された少なくとも1つの人口統計学的質問および少なくとも1つの客観的質問を患者と関連付けられた医療デバイスへ送信すること;医療デバイスへ送信された少なくとも1つの人口統計学的質問および少なくとも1つの客観的質問に対する回答を医療デバイスから受信すること;未回答の質問が存在する旨の通知を医療デバイスとの通信のためのアプリケーションを実行するように構成されたモバイルデバイスへ送信すること;質問についてのリクエストをモバイルデバイスから受信すること;リクエストに応答して、メモリ中に格納された少なくとも1つの人口統計学的質問および少なくとも1つの客観的質問をモバイルデバイスへ送信すること;モバイルデバイスへ送信された少なくとも1つの人口統計学的質問および少なくとも1つの客観的質問に対する回答をモバイルデバイスから受信すること;および(1)医療デバイスおよびモバイルデバイスから受信された回答および(2)複数の他の医療デバイスから受信された回答に基づいて、患者のための個別対応型のコーチングプログラムおよび医療デバイスを用いたオーダーメイド治療を決定するための高度分析を行うこと。
【0052】
例において、(a)コンピューティングシステムは、医療デバイス上に事前格納されかつ医療デバイスを用いて回答された質問に対する回答を医療デバイスから受信するようにさらに構成され得、(b)医療デバイスは、呼吸治療装置であり得、(c)質問は、所定の条件が満たされた後にモバイルデバイスおよび/または医療デバイスへ送信され得、(d)所定の条件は、医療デバイスがセットアップされた後の所定の期間であり得、かつ/または(e)所定の条件は、医療デバイスが患者によって操作された所定の期間であり得る。記載される方法、システム、デバイスおよび装置により、プロセッサにおける機能(例えば、特定目的用コンピュータのプロセッサ、呼吸モニターおよび/または呼吸治療装置の機能)の向上が可能となるように具現され得る。さらに、記載の方法、システム、デバイスおよび装置により、呼吸状態(例えば、睡眠障害呼吸)の自動管理、監視および/または治療の技術分野における向上が可能になる。
【0053】
もちろん、上記態様の一部は、本技術の下位態様を形成し得る。また、下位態様および/または態様のうち多様な1つを多様に組み合わせることができ、本技術のさらなる態様または下位態様も構成し得る。
【0054】
本技術の他の特徴は、以下の詳細な説明、要約、図面および特許請求の範囲中に含まれる情報に鑑みれば明らかになる。
【0055】
4 図面の簡単な説明
本技術を、添付図面中に非限定的に一実施例として例示する。図面中、類似の参照符号は、以下の類似の要素を含む:
【図面の簡単な説明】
【0056】
4.1 治療システム
【
図1】患者インターフェース3000を装着している患者1000を含むシステムを示す。このシステムは、鼻枕の形態をとり、RPTデバイス4000から供給される陽圧の空気を受容する。RPTデバイス4000からの空気は、加湿器5000によって加湿され、空気回路4170に沿って患者1000へと移動する。同床者1100も図示される。患者は、仰臥位睡眠位置において睡眠している。
【
図2】患者インターフェース3000を装着している患者1000を含むシステムを示す。このシステムは、鼻マスクの形態をとり、RPTデバイス4000から供給される陽圧の空気を受容する。RPTデバイスからの空気は、加湿器5000によって加湿され、空気回路4170に沿って患者1000へと移動する。
【
図3】患者インターフェース3000を装着している患者1000を含むシステムを含む。患者インターフェース3000は、フルフェイスマスクをとり、陽圧の空気供給をRPTデバイス4000から受容する。RPTデバイスからの空気は、加湿器5000によって加湿され、空気回路4170に沿って患者1000へと移動する。患者は、側臥位睡眠位置において睡眠している。 4.2 RPTデバイス
【
図4A】本技術の一形態によるRPTデバイスを示す。
【
図4B】本技術の一形態に従ったRPTデバイスの空気回路の概略図である。上流および下流の方向が、送風機および患者インターフェースに対して示される。任意の特定の瞬間における実際の流れ方向に関係無く、送風機は患者インターフェースの上流にあるものとして規定され、患者インターフェースは送風機の下流にあるものとして規定される。送風機と患者インターフェースとの間の空気圧経路内に配置されたアイテムは、送風機の下流および患者インターフェースの上流にある。
【
図4C】本技術の一形態によるRPTデバイスの電気構成要素の模式図である。
【
図4D】本技術の一形態によるRPTデバイスの電気構成要素の模式図である。
【
図4E】本技術の1つの形態によるRPTデバイス中において実行されるアルゴリズムの概略図である。
【
図4F】本技術の一態様に従った
図4Eの治療エンジンモジュールによって実施される方法を説明したフローチャートである。
【
図4G】本技術の一形態による、RPTデバイスとリモートコンピューティングシステムとの間の通信システムの図である。
【
図4H】本技術の一形態による、RPTデバイスおよびリモートコンピューティングシステムによって行われる例示的動作を示す。
【
図4I】本技術の一形態による、患者へ表示され得る人口統計学的リクエストおよび/または主観的フィードバックリクエストを含む例示的表示画面を示す。
【
図4J】本技術の一形態によるRPTデバイスおよびリモートコンピューティングシステムによって行われる動作の他の例である。
【
図4K】本技術の一形態による医療デバイス、患者ポータル8030および患者統計調査サービス8010間の通信を提供するシステムにおけるデータフロー図である。 4.3 加湿器
【
図5A】本技術の1つの形態による加湿器の等角図を示す。
【
図5B】本技術の1つの形態による加湿器の等角図を示し、加湿器リザーバ5110が加湿器リザーバドック5130から取り外された様子を示す。
【
図5C】本技術の一形態による加湿器の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
5 本技術の実施例の詳細な説明
本技術についてさらに詳細に説明する前に、本技術は、本明細書中に記載される異なり得る特定の実施例に限定されるのではないことが理解されるべきである。本開示中に用いられる用語は、本明細書中に記載される特定の実施例を説明する目的のためのものであり、限定的なものではないことも理解されるべきである。
【0058】
以下の記載は、1つ以上の共通の特性および/または特徴を共有し得る多様な実施例に関連して提供される。任意の1つの実施例の1つ以上の特徴は、別の実施例または他の実施例の1つ以上の特徴と組み合わせることが可能であることが理解されるべきである。加えて、これらの実施例のうちのいずれかにおける任意の単一の特徴または特徴の組み合わせは、さらなる実施例を構成し得る。
【0059】
5.1 治療法
一形態において、本技術は、呼吸器疾患の治療方法を含む。本方法は、患者1000の気道の入口へ陽圧を付加するステップを含む。
【0060】
本技術の特定の実施例において、陽圧における空気供給が鼻孔の片方または双方を介して患者の鼻通路へ提供される。
【0061】
本技術の特定の実施例において、口呼吸が制限されるか、限定されるかまたは妨げられる。
【0062】
5.2 治療システム
1つの形態において、本技術は、呼吸障害の治療のための装置またはデバイスを含む。装置またはデバイスは、加圧空気を患者インターフェース3000への空気回路4170を介して患者1000へ供給するRPTデバイス4000を含み得る。
【0063】
5.3 患者インターフェース
本技術の一態様による非侵襲的患者インターフェース3000は、シール形成構造、プレナムチャンバ、位置決めおよび安定化構造、通気部、空気回路4170への接続のための一形態の接続ポート、および前額支持部の機能様態のうち1つ以上を含む。いくつかの形態において、機能様態が、1つ以上の物理的コンポーネントによって提供され得る。いくつかの形態において、1つの物理的コンポーネントは、1つ以上の機能様態を提供し得る。使用時において、シール形成構造は、気道への陽圧での空気供給を促進するように、患者の気道の入口を包囲するように配置される。
【0064】
患者インターフェースが最低レベルの陽圧を快適に気道へ送達できない場合、患者インターフェースは呼吸圧力治療に不適切であり得る。
【0065】
本技術の一形態による患者インターフェース3000は、周囲に対して少なくとも4cmH2O、周囲に対して少なくとも6cmH2O、周囲に対して少なくとも10cmH2O、周囲に対して少なくとも20cmH2O、周囲に対して少なくとも30cmH2O、周囲に対して少なくとも4cmH2O~30cmH2Oの間の任意の陽圧で空気供給を提供できるように構築および配置される。
【0066】
5.4 RPTデバイス
本技術の一態様によるRPTデバイス4000は、機械、空気圧式、および/または電気部品を含み、1つ以上のアルゴリズム4300(例えば全体的にせよ部分的にせよ本明細書に記載の方法のうちいずれか)を実行するように構成される。RPTデバイス4000は、例えば本文書中のいずれか一項に記載の呼吸状態のうち1つ以上の治療のために患者の気道へ送達される空気流れを生成するように構成され得る。
【0067】
一形態において、RPTデバイス4000は、少なくとも6cmH2Oまたは少なくとも10cmH2Oまたは少なくとも20cmH2Oの陽圧を維持しつつ、空気流れを-20L/分~+150L/分の範囲で送達できるように構築および配置される。
【0068】
RPTデバイスは、外部ハウジング4010を持ち得る。外部ハウジング4010は、上部4012および下部4014の2つの部分によって形成される。さらに、外部ハウジング4010は、1つ以上のパネル(単数または複数)4015を含み得る。RPTデバイス4000は、RPTデバイス4000の1つ以上の内部コンポーネントを支持するシャーシ4016を含む。RPTデバイス4000は、ハンドル4018を含み得る。
【0069】
空気圧RPTデバイス4000の空気圧経路は、1つ以上の空気回路アイテム(例えば、入口空気フィルタ4112、入口マフラー4122、空気を陽圧で供給することが可能な圧力生成器4140(例えば、モータ4144を含む送風機4142)、出口マフラー4124)ならびに1つ以上の変換器4270(例えば、圧力センサ4272および流量センサ4274)を含み得る。
【0070】
空気経路アイテムのうち1つ以上は、空気圧ブロック4020と呼ばれる取り外し可能な一体構造内に配置され得る。空気圧ブロック4020は、外部ハウジング4010内に配置され得る。一形態において、空気圧ブロック4020は、シャーシ4016によって支持されるかまたはシャーシ4016の一部として形成される。
【0071】
RPTデバイス4000は、電源4210、1つ以上の入力デバイス4220、中央コントローラ4230、治療デバイスコントローラ4240、圧力生成器4140、1つ以上の保護回路4250、メモリ4260、変換器4270、データ通信インターフェース4280、および1つ以上の出力デバイス4290を有することができる。電気部品4200は、シングルプリント回路基板アセンブリ(PCBA)4202上に取り付けられ得る。一代替形態において、RPTデバイス4000は、1つよりも多くのPCBA4202を含み得る。
【0072】
RPTデバイスは、以下のコンポーネントのうち1つ以上を一体ユニット中に含み得る。一代替形態において、以下のコンポーネントのうち1つ以上が、それぞれの別個のユニットとして配置され得る。例えば、RPTデバイスは、以下のうち1つ以上を含み得る:空気フィルタ4110、サイドパネル、マフラー(例えば、マフラー4120、入口マフラー4122、出口マフラー4124)、圧力生成器、空気圧ブロック、シャーシ、変換器4270(流れ変換器、圧力変換器、モータ速度変換器)、光センサ、アンチスピルバック弁4160、空気回路、空気回路コネクタ、酸素送達ポート、電源、中央コントローラ、治療デバイスコントローラ、保護回路、データ接続インターフェース、メモリ、出力デバイス(例えば、ディスプレイ、アラーム)およびユーザインターフェースパネル(単数または複数)(例えば、PCT出願PCT/AU2014/050426(WO2015089582)に記載のもの)(本明細書中、同文献を参考のため援用する)。
【0073】
一例によれば、ユーザインターフェースパネルは、人間がデバイスと相互作用を可能にするためのボタン、スイッチまたはダイヤルの形態をとる1つ以上の入力デバイス4220を含む。ボタン、スイッチまたはダイヤルは、タッチスクリーンを介してアクセスすることが可能な物理的デバイスまたはソフトウェアデバイスであり得る。ボタン、スイッチまたはダイヤルは、一形態において外部ハウジング4010に物理的に接続させてもよいし、あるいは、別の形態において中央コントローラ4230と電気接続された受信器と無線通信してもよい。
【0074】
一形態において、入力デバイス4220は、人間が値および/またはメニュー選択肢を選択することを可能にするように、構築および配置され得る。
【0075】
5.4.1.1 データ通信システム
本技術の一形態において、データ通信インターフェース4280が設けられ、中央コントローラ4230へ接続される。データ通信インターフェース4280は、遠隔外部通信ネットワーク4282および/またはローカル外部通信ネットワーク4284へ接続可能であり得る。遠隔外部通信ネットワーク4282は、遠隔外部デバイス4286へ接続可能であり得る。ローカル外部通信ネットワーク4284は、ローカル外部デバイス4288へ接続可能であり得る。
【0076】
一形態において、データ通信インターフェース4280は、中央コントローラ4230の一部である。別の形態において、データ通信インターフェース4280は、中央コントローラ4230と別個であり、集積回路またはプロセッサを含み得る。
【0077】
一形態において、遠隔外部通信ネットワーク4282はインターネットである。データ通信インターフェース4280は、インターネットへ接続するために、(例えば、イーサネットまたは光ファイバーを介して)有線通信を用得るかまたは無線プロトコル(例えば、CDMA、GSM、LTE)を用い得る。
【0078】
一形態において、ローカル外部通信ネットワーク4284は、1つ以上の通信規格(例えば、ブルートゥース(登録商標)またはコンシューマー赤外線プロトコル)を用いる。
【0079】
一形態において、遠隔外部デバイス4286は、1つ以上のコンピュータ(例えば、ネットワーク化コンピュータのクラスタ)である。一形態において、遠隔外部デバイス4286は、物理的コンピュータではなく仮想コンピュータであり得る。いずれの場合も、このような遠隔外部デバイス4286は、適切に権限を付与された人間(例えば、臨床医)からのアクセスが可能であり得る。
【0080】
ローカル外部デバイス4288は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレットまたは遠隔制御器であり得る。
【0081】
5.4.1.2 任意選択のディスプレイ、警報を含む出力デバイス
本技術による出力デバイス4290は、視覚、音声および触覚ユニットのうち1つ以上の形態をとり得る。視覚ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)ディスプレイであり得る。
【0082】
5.4.1.2.1 ディスプレイドライバ
ディスプレイドライバ4292は、ディスプレイ4294上へ表示されるべき文字、記号または画像を入力として受信し、ディスプレイ4294にこれらの文字、記号または画像を表示させるコマンドへ変換する。
【0083】
5.4.1.2.2 ディスプレイ
ディスプレイ4294は、ディスプレイドライバ4292から受信されたコマンドに応答して、文字、記号または画像を視覚的に表示するように構成される。例えば、ディスプレイ4294は8セグメントディスプレイであり得、その場合、ディスプレイドライバ4292は、各文字または記号(例えば、数字「0」)を、特定の文字または記号を表示するために各8個のセグメントを活性化させるべきかを示す8個の論理信号へ変換する。
【0084】
5.4.2 RPTデバイスアルゴリズム
上記したように、本技術のいくつかの形態において、中央コントローラ4230は、非一時的なコンピュータで読出可能な記録媒体(例えば、メモリ4260)中に記録されたコンピュータプログラムとして表現された1つ以上のアルゴリズム4300を具現するように構成され得る。このアルゴリズム4300は、モジュールと呼ばれるグループにグループ付けられることが一般的だ。モジュールは、圧力補償4312、通気流量推定4314、漏洩流量推定4316および呼吸流量推定4318を提供する事前処理モジュール4310を含み得る。前処理モジュール4310の処理は、治療エンジンモジュール4320中への入力として用いられ得る。治療エンジンモジュール4320は、以下のアルゴリズムのうち1つ以上を含む:フェーズ決定4321、波形決定4322、換気決定4323、吸気流制限決定4324、無呼吸/呼吸低下決定4325、いびき決定4326、気道開通性決定4327、目標換気決定4328、および治療パラメータ決定4329。治療制御モジュール4330は、治療エンジンモジュール4320の治療パラメータ決定アルゴリズム4329からの治療パラメータを入力として受信し、これらの治療パラメータに従って圧力生成器4140から空気流れを送達させるように、圧力生成器を制御する。本技術の一形態において、中央コントローラ4230は、故障状態の検出のための1つ以上の方法4340を実行する。アルゴリズムによって行われる1つ以上の動作に関する詳細について、PCT出願PCT/AU2014/050426(WO2015089582)に記載がある。本明細書中、同文献を参考のため援用する。
【0085】
5.5 空気回路
本技術の一態様による空気回路4170は、使用時において空気流れが2つのコンポーネント(例えば、RPTデバイス4000および患者インターフェース3000)間に移動するように、構築および配置された導管またはチューブである。
【0086】
詳細には、空気回路4170は、空気圧ブロック4020の出口および患者インターフェースと流体接続し得る。空気回路は、空気送達管と呼ばれ得る。いくつかの場合において、吸息および呼息のための回路の別個の肢があり得る。他の場合において、単一の肢が用いられる。
【0087】
いくつかの形態において、空気回路4170は、(例えば空気温度の維持または上昇のために)空気回路中の空気を加熱するように構成された1つ以上の加熱要素を含み得る。加熱要素は、加熱ワイヤ回路の形態をとり得、1つ以上の変換器(例えば、温度センサ)を含み得る。一形態において、加熱ワイヤ回路は、空気回路4170の軸周囲にらせん状に巻かれ得る。加熱要素は、コントローラ(例えば、中央コントローラ4230)と連通し得る。加熱ワイヤ回路を含む空気回路4170の一実施例について、米国特許出願第8,733,349号に記載がある。本明細書中、同文献全体を参考のため援用する。
【0088】
5.6 オーダーメイド治療および/またはコーチングのための双方向通信
本技術の一形態において、医療デバイス(例えば、RPTデバイス)は、個別対応型のコーチングプログラム、オーダーメイド治療および/または標的化ケアの促進のために、1つ以上のリモート処理システムとの双方向通信を含み得る。医療デバイスは、データをキャプチャすることおよび/またはデータを処理のためにリモート処理システムへ送信することを行うように、構成され得る。キャプチャされたデータは、センサデータ、人口統計学的フィードバックおよび/または主観的フィードバックを含み得る。リモート処理システムは、受信されたデータを用いて患者細分化および/または高度分析を行い得、個別対応型の解決法を医療デバイスへ提供し得る。これらの個別対応型の解決法を挙げると、エンゲージメントおよびモチベーションの向上のための個別対応型のコーチングプログラム、自動化による快適性を含むオーダーメイド治療および/または長期固守向上のための治療設定更新ならびに/あるいは支援を必要としている患者の確認に基づく標的化ケアおよびフォローアップがある。患者細分化および高度分析は、他のユーザからのデータおよび1つ以上の訓練モデルを用いてマシンディープラーニングを行って、個別対応型の解決法を提供することを含み得る。
【0089】
従来のシステムにおいては医療デバイスの設定の事前ロードが必要でありまた医療デバイスの設定の変更には高度に訓練された技術者が必要であったのと対照的に、本技術の例によれば、医療デバイスが使用のために展開された後、当該デバイスは自動構成される。医療デバイスの設定と、患者に対する推奨事項との正確な決定をリモートかつ迅速に行うことができ、その際、(患者が医療デバイスの使用時において快適感を覚えるまで)臨床医がデバイス設定の変更を繰り返すことは不要である。加えて、ユーザおよび医療デバイスの設定から受信されたフィードバックを、他の医療デバイスの設定の向上と、他の患者への関連推奨事項の提供とに用いることが可能である。
【0090】
図4Gは、RPTデバイス4000とリモートコンピューティングシステムとの間の通信システムの図である。
図4Gは、患者1000と関連付けられた1つ以上のRPTデバイス4000を含む。本技術は、RPTデバイスに限定されず、他の医療デバイスにも適用され得る。RPTデバイス4000は、データ通信インターフェース4280を介してリモート外部デバイス4286および/またはローカル外部デバイス4288(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレットおよび/またはリモートコントロール)および/またはリモート外部デバイスと通信するように、構成され得る。ローカル外部デバイス4288は、(RPTデバイス4000の近隣に配置された場合に)RPTデバイス4000と直接通信するように構成してもよいし、あるいは、(ローカル外部デバイス4288がRPTデバイス4000の近隣に配置されていない場合に)ローカルまたは外部ネットワークを介してリモートに通信するように構成してもよい。リモート外部デバイス4286は、適切に承認された者(例えば、臨床医、製造業者、および/またはデバイスの供給業者)からアクセスが可能であり得る。
図4Gに示すように、RPTデバイス4000は、サーバ6030および/またはクラウドコンピューティングプラットフォーム6040を含むリモートコンピューティングシステムとも通信し得る(例えば、Amazonウェブサービス(登録商標)、Google(登録商標)クラウドプラットフォーム、Microsoft(登録商標)Azure)。
【0091】
1つ以上の他の医療デバイス6062または6064(これは、RPTデバイスであり得る)は、他の患者1002および1004と関連付けられ、リモート外部デバイス4286、サーバ6030および/またはクラウドコンピューティングプラットフォーム6040と通信するように構成され得る。
【0092】
図4Gに示すデバイスは、リモート外部通信ネットワーク4282および/またはローカル外部通信ネットワーク4284を含む通信リンク6020を介して通信し得る。
【0093】
RPTデバイス4000ならびに/あるいは医療デバイス6062および6064は、センサデータ、人口統計学的フィードバックおよび/または主観的フィードバックを通信リンク6020を介してサーバ6030および/またはクラウドコンピューティングプラットフォーム6040へ通信するように、構成され得る。サーバ6030および/またはクラウドコンピューティングプラットフォーム6040は、受信されたデータを用いて患者細分化および/または高度分析を行うことと、RPTデバイスへ個別対応型の解決法を提供することとを行うように構成され得る。これらの個別対応型の解決法は、個別対応型のコーチングプログラム、オーダーメイド治療、および/または標的化ケアを含み得る。
【0094】
図4Hは、本技術の一形態による、RPTデバイス4000およびリモートコンピューティングシステムによって行われる例示的動作を示す。
図4中、特定のデバイスによって行われる様子を示しているが、これらの動作は、これに限定されない。1つ以上の動作が、PTデバイス4000および/またはリモートコンピューティングシステムへ動作的に接続された他のデバイスによって行われ得る。いくつかの例において、RPTデバイス4000によって行われるものとして図示される1つ以上の動作は、ウェブアプリケーションまたは別のデバイス(例えば、ローカル外部デバイス4288)上において実行しているモバイルアプリケーションを用いて行われ得る。
【0095】
RPTデバイス4000は、RPTデバイス4000のセットアップを行うように構成され得る(ステップ7010)。このセットアップは、患者をRPTデバイス4000と関連付けること、RPTデバイス4000の初期設定を患者のために構成すること、および/またはデバイスの使用法について指示を提供することを含み得る。1つ以上の動作について、米国仮出願第62/749,430号(出願日:2018年10月23日、名称:「SYSTEMS AND METHODS FOR SETUP OF CPAP SYSTEMS」)および米国出願第16/661,250号(出願日:2019年10月23日、名称:「SYSTEMS AND METHODS FOR SETUP OF CPAP SYSTEMS」)中に開示がある。本明細書中、同文献全体を参考のため援用する。これらの1つ以上の動作は、RPTデバイス4000のセットアップ時に行われ得る。
【0096】
セットアップは、RPTデバイス4000が購入後またはリセット後に初めて電源オンにされる際またはRPTデバイス4000が新規患者へ割り当てられた際に行われ得る。セットアップは、メモリ(例えば、メモリ4260またはRPTデバイス4000の外部のメモリ)中に格納されたRPTデバイス4000についての設定を適用することまたは臨床医、製造業者、および/またはデバイスの流通業者によって制御されたリモート外部デバイス5286から指示を受信することにより、ユーザとの対話無しに行われ得る。
【0097】
患者入力が、RPTデバイス4000および/または他のデバイスからのセットアップ時においてリクエストおよび受信され得る。いくつかの例において、指示および/または質問は、出力デバイス4290を用いて提供され得、患者入力は、入力デバイス4220の利用によって受信され得る。他の例において、セットアップ時に入力を受信する際、RPTデバイス4000のみが用いられ得る。他の例において、RPTデバイス4000のセットアップのためにユーザ入力を受信するために、RPTデバイス4000の代わりにまたはRPTデバイス4000に加えてローカル外部デバイス4288が用いられ得る。デバイスのセットアップ時において、患者入力をリクエストするために、表示画面がRPTデバイス4000および/または外部デバイス上に生成され得る。いくつかの例において、音声指示および/または可聴応答が、RPTデバイス4000および/またはローカル外部デバイス4288によって受信され得る。いくつかの例において、ユーザおよび/または個別対応型のコーチングプログラム、オーダーメイド治療および/または標的化ケアによるデータ入力と、フォローアップ(例えば、入力データに応答して提供されるもの)とが、一定範囲の異なる機構(例えば、アプリケーション、ウェブ、eメール、電話)を介して提供され得る。
【0098】
RPTデバイス4000は、セットアップ時に行われたデバイスの設定に基づいて動作され得る(ステップ7012)。RPTデバイス4000の動作時において、デバイスの動作は、センサデータ(例えば、流れセンサ4274、圧力センサ4272、および/または速度センサ4276)および/または患者および/または臨床医から受信されたさらなる設定に基づいて調節され得る。
【0099】
1つ以上の所定の条件が満たされた後、フィードバックリクエストが、患者へ表示され得る(ステップ7018)。このフィードバックリクエストは、ディスプレイ4294またはデバイスおよび/またはローカル外部デバイス4288上に(例えば、アプリケーション内に)表示され得る。フィードバックリクエストにより、ユーザからの人口統計学的および主観的フィードバックが質問または指示の形態でリクエストされ得る。フィードバックリクエストは、所定の条件が満たされた際に自動的に行われ得る。フィードバックは、人口統計学的および主観的フィードバックに限定されず、さらなる質問を含み得る。フィードバック、人口統計学的および/または主観的フィードバックは、睡眠検査結果、症状、併存疾患または他の健康情報(例えば、他の睡眠問題(例えば、不眠症)の存在)、睡眠時無呼吸についての知識レベル、治療開始における快適度レベル、道程における段階(治療初心者または既に経験のあるユーザ)および/またはモチベーションを含み得る。
【0100】
所定の条件を挙げると、RPTデバイス4000がセットアップされた後に経過した所定の期間、指定された目標(例えば、所定の期間(例えば、事前設定された時間数、日数、または週数)にわたるデバイスの使用)に患者が到達すること、RPTデバイス4000から提案された特定の特徴の使用(例えば、デバイスを所定の回数または所定の期間にわたって低電力モードで動作させること)、RPTデバイス4000のセットアップを完了すること、リモートコンピューティングシステムまたは臨床医によって操作されたデバイスから信号を受信すること、別のデバイスからフィードバックリクエストを受信すること、フィードバックリクエストが患者への表示対象として利用することが可能になった旨を示すフラグをセットすること、および/またはフィードバックリクエストをダウンロード対象として利用することが可能である旨の通知を受信すること。
【0101】
フィードバックリクエストに応答して、患者の人口統計学的および/または主観的フィードバックを示す入力が受信され得る(ステップ7020)。これらの入力の受信は、(例えば、入力デバイス4220を介して)RPTデバイス4000のみを用いて行ってもよいし、ローカル外部デバイス4288のみを用いて行ってもよいし、あるいはRPTデバイス4000およびローカル外部デバイス4288を用いて行ってもよい。
【0102】
図4Iは、患者へ表示され得る人口統計学的フィードバックリクエストおよび/または主観的フィードバックリクエストを含む例示的な表示画面を示す。これらのフィードバックリクエストは、RPTデバイス4000のディスプレイ4294および/またはローカル外部デバイス4288と関連付けられたディスプレイ上に表示され得る。
図4I中、ディスプレイ画面を特定の順序で示しているが、実行はこれに限定されない。ディスプレイ画面のうち1つ以上を異なる順序で設けてもよいし、あるいはこの順序で設けなくてもよい。1つ以上の他の表示画面をこの順序で設けてもよい。
【0103】
導入画面7050および7052は、導入テキスト、グラフィックおよび/または映像を、システム、コンポーネントおよび/または治療の個人化特徴の患者への導入のための情報と共に含み得る。導入画面7050は、所定の期間にわたって表示された後、表示画面7052へ自動遷移し得る。表示画面7052により、表示されたフィードバックリクエストへの応答を継続するかまたはRPTデバイス4000の個人化特徴をスキップするという選択可能な選択肢が、ユーザへ提供され得る。いくつかの例において、個人化特徴をスキップする代わりにまたは個人化特徴をスキップすることに加えて、情報を後で提供するという選択肢がユーザへ提供され得る。導入画面7050および/または7052の表示は、(例えば、ユニットの購入後またはリセット後に)ユーザがユニットを初めて電源オンにしたときにのみ行ってもよいし、あるいはオーダーメイド情報が受信されるまでの所定の回数だけ行ってもよい。
【0104】
表示画面7054は、患者が自身の性別を選択する選択肢を示す。表示画面7054に示すように、患者に対し、フィードバックリクエストをスキップするための選択可能な選択肢が提供され得る。その他のフィードバックリクエストのうち1つ以上は、応答リクエストをスキップするための選択肢も含み得る。
【0105】
表示画面7056は、患者の年齢を入力するための選択肢を示す。他の例において、フィードバックリクエストは、患者の誕生日の日、月および/または年の入力を含み得る。
【0106】
表示画面7058は、患者の身長を入力する選択肢を示し、表示画面7060は、患者の体重を入力する選択肢を示す。
【0107】
表示画面7062は、患者がRPTデバイス4000を以前使用したことがあるかについての質問を示す。いくつかの例において、質問は、患者が使用したことのある複数の他のRPTデバイスを提供するかまたはRPTデバイス4000の使用において患者自身が有していると考える専門知識レベルを所定のスケールで提供することを含み得る。
【0108】
表示画面7064は、患者が日中通常感じている眠気を評価するための質問を示す。ユーザに対し、「眠くない」と「とても眠い」との間の異なるスケールが付与され得る。他の主観的な質問フィードバック質問を挙げると、睡眠の規則性、睡眠の満足度、睡眠の覚醒度、睡眠のタイミング、睡眠効率および/または睡眠長さがある。これらの質問は、以下を含み得る:「毎日大体同時刻に(1時間以内に)目が覚めることが多いですか?」、「満足に睡眠がとれる頻度はどれくらいですか?」、「居眠りまたは昼寝無しで日中ずっと覚醒していられる頻度はどれくらいですか?」、「2am~4amの期間において、通常においてご自身の夜間睡眠の最中に、夜間に覚醒する時間は通常39分間未満ですか?」、および/または「1日の睡眠時間は通常6~8時間ですか?」。これらの質問に対する応答のうち1つ以上に対し、スライド型スケールおよび/または複数の選択可能な応答(例えば、「ほとんど無い」、「時々」、および「常時」)が付与され得る。
【0109】
本技術の一例において、フィードバックは、非主観的フィードバックを含み得る。フィードバックは、患者によって入力されかつ/またはデータベースまたは医師または臨床医から検索された無呼吸/低呼吸インデックスを含み得る。
【0110】
フィードバック結果に基づいて、患者に対し、患者の睡眠スコア、コーチングプログラムおよび/またはオーダーメイド治療が割り当てられ得る。この情報は、RPTデバイス4000および/または他のデバイス(例えば、
図4Gに示すデバイス)によって決定され得る。睡眠スコアは、患者へ表示され得、かつ/または、患者からフィードバックが定期的に受信される際に更新され得る。
【0111】
他の表示画面に含まれ得る他のフィードバックリクエストを挙げると、患者が夜間どれくらい眠れたかのレベル、マスクの快適性レベル、CPAPの使用時における呼吸の快適性、および/またはデバイスの動作についての満足度レベルがある。いくつかの例において、主観的質問(例えば、睡眠の快適性)は、それぞれ異なる期間にわたる複数の回数受信され得る。例えば、RPTデバイス4000は、所定の日数(例えば、7日間)にわたる睡眠快適性についてフィードバックを提供してくださいと患者にリクエストするように構成され得る。
【0112】
フィードバックをリクエストする表示画面は、応答が未知である旨を選択する選択肢を含み得、かつ/または、外部ソース(例えば、データベース、医師の記録、外部デバイスなど)から情報を検索する選択肢を提供し得る。
【0113】
いくつかの例において、単一のフィードバックリクエストをディスプレイ上に表示してもよいし、あるいは、2つ以上のフィードバックリクエストを単一の画面上に同時に表示してもよい。例えば、患者の年齢および身長を入力してくださいとのリクエストが、1つの画面上に同時に表示され得る。
【0114】
本技術の一形態において、フィードバックリクエストを含むディスプレイ画面が、タッチ入力ディスプレイ上に表示され得る。本技術の一形態において、ディスプレイ上に表示された質問に対する入力が、1つ以上の入力デバイス4220(例えば、物理的ボタン、スイッチまたはダイヤル、またはタッチスクリーンを介したアクセスが可能なソフトウェアデバイス)を用いて入力され得る。
【0115】
本技術の一形態において、フィードバックリクエストは、スピーカーを用いて患者へ可聴出力され得、かつ/または、言語フィードバック応答がマイクロフォンを介してキャプチャされ得る。
【0116】
フィードバックリクエストに対する応答が受信された後、これらの応答は、メモリ中に格納されかつ/またはリモートコンピューティングシステムへ送信され得る(ステップ7022)。本技術の一形態において、データは、オンデマンドクラウドコンピューティングプラットフォーム(例えば、Amazon Web サービスs(登録商標)、Google(登録商標)クラウドプラットフォーム、Microsoft(登録商標)Azure)へ直接送信され得る。これらの応答は、人口統計学的および/または主観的フィードバックデータを含み得る。本技術の一形態において、リモートコンピューティングシステムへの接続が利用できない場合、フィードバックデータは、接続が利用可能になるまでメモリ4260中に格納され得る。
【0117】
ステップ7022において、他のデータが、フィードバックデータと共にリモートコンピューティングシステムへ送信され得る。例えば、その他のデータを挙げると、コンプライアンス規則に従って患者がRPTデバイスを使用したことがあるかを決定するための治療データ、RPTデバイス4000の識別情報(例えば、シリアル番号)、RPTデバイス4000の位置情報、ユーザプロフィールデータ、センサ(例えば、変換器4270)によってキャプチャされたデータ、RPTデバイス4000のセットアップ時に適用された設定、PTデバイス4000へ接続されたアクセサリの種類、および/または患者による設定変更および/または当該変更が行われた時期がある。
【0118】
リモートコンピューティングシステムは、データを受信し(ステップ7024)、このデータを分析し(ステップ7026)、分析結果をRPTデバイス4000および/またはウェブアプリケーションまたはモバイルアプリケーションへ送信する(ステップ7028)。リモートコンピューティングシステムは、人口統計学的および/または主観的フィードバックと、RPTデバイス4000またはローカル外部デバイスからの他のデータとを受信し得る。このデータは、処理対象としてリモートコンピューティングシステムによって直接受信され得る。リモートコンピューティングシステムは、サーバ6030および/またはクラウドコンピューティングプラットフォーム6040を含み得る。サーバ6030は、製造業者または臨床医によって管理される非クラウドベースのサーバであり得る。
【0119】
リモートコンピューティングシステムは、患者のデータ(例えば、年齢範囲、性別、体重、環境)を細分化させ得、他のユーザからの類似のデータおよび/または異なるデータを用いて開発されたモデルを用いて、患者に必要なものおよび/またはRPTデバイス4000の設定のうち変更が必要なものを決定し得る。
【0120】
これらのモデルは、高度分析、人工知能、および/または機械学習によって事前規定され得る。リモートコンピューティングシステムは、他の患者1002および/または1004と関連付けられた他のRPTデバイス(例えば、医療デバイス6062および/または6064)の動作についての情報と、その他の患者1002および/または1004から受信された人口統計学的および主観的フィードバックとに基づいて決定されたモデルを含み得る。高度分析、人工知能および/または機械学習は、多数の患者からのデータに対して行われ得、これらのモデルは、新規データ(例えば、人口統計学的フィードバック、主観的フィードバックを含むデータおよび/またはコンプライアンス基準に対する変更)が利用可能となる際に新規データと共に更新され得る。これらの分析結果を挙げると、個別対応型のコーチングプログラム、オーダーメイド治療、および/または標的化ケアおよびフォローアップがある。
【0121】
フィードバックデータ送信に応答して、RPTデバイス4000は、分析結果をリモートコンピューティングシステムから受信し得る(ステップ7030)。これらの分析結果を挙げると、個別対応型のコーチングプログラム、オーダーメイド治療、および/または標的化ケアおよびフォローアップがある。
【0122】
これらの個別対応型のコーチングプログラムは、患者のエンゲージメントおよびモチベーションの向上のために提供され得る。これらの個別対応型のコーチングプログラムは、デバイスの適切な使用法についての指示を含み得、デバイスによって提供される特徴の使用による恩恵を説明し得、および/または患者によって有用であり得る他の医療デバイスおよび/またはアクセサリを提案し得る。例えば、RPTデバイス4000を使用する患者の経験を向上させるアクセサリ(例えば、異なる種類のマスク)についての情報が、ディスプレイ4294またはローカル外部デバイス4288上に表示され得る。
【0123】
オーダーメイド治療により、(長期固守(LTA)を向上させることが判明している)自動化による快適性の設定が得られ得る。オーダーメイド治療は、患者との対話無しにRPTデバイス4000へ自動的に適用され得る。いくつかの例において、患者は、治療変更についての情報が付与され得、提案された変更を(適用前に)受容するようにリクエストされ得る。
【0124】
標的化ケアおよびフォローアップは、必要としている患者に対し、ケア変更を行うことまたは臨床医または別の専門家との面会の予定を計画する必要がある旨を通知することを含み得る。いくつかの例において、RPTデバイス4000および/またはローカル外部デバイス4288は、臨床医または他の専門家との面談を予定を計画することおよび/または実行することのために、用いられ得る。
【0125】
これらの分析結果は、RPTデバイス4000の設定を調節するために用いられ得る(ステップ7032)。設定を変更することは、RPTデバイス4000の1つ以上の快適性設定を調節することを含み得る。例えば、これらの分析結果は、圧力傾斜設定、呼気リリーフ設定、湿度設定および空気温度設定を変更せよとの指示を含み得る。本技術の一形態において、分析結果は、RPTデバイス4000の継続使用は安全ではないため、RPTデバイス4000の使用がディセーブルされる可能性がある旨を示し得る。
【0126】
これらの分析結果の適用後、RPTデバイス4000の動作が継続され得る(ステップ7034)。分析結果を適用し、更新された設定を用いてRPTデバイス4000の動作を行うことにより、RPTデバイス4000の制御が、患者の必要性を満たすようにより効率的に行われる。いくつかの例において、これらの変更は、デバイスの動作の効率化(例えば、使用電力の低減または空気を送達させる加熱管の低温化)を患者快適性の有意な犠牲無しに行うために、行われ得る。
【0127】
所定の時間後、以前行われたフィードバックリクエストのうち1つ以上および/または新規フィードバックリクエストが患者へ提示され得、応答が受信される(ステップ7036)。この応答は、前回適用された設定が有効であったかおよび/またはRPTデバイス4000の動作および/または使用のさらなる変更が必要であるかを決定するために、用いられ得る。さらなるフィードバックリクエストは、定期的に行ってもよいし、あるいは、リモートコンピューティングシステムによる新規フィードバックリクエストが利用可能になった際に行ってもよい。
【0128】
いくつかの例において、さらなるフィードバックリクエストは、ユーザがRPTデバイス4000を電源オンにするたびに表示され得る。RPTデバイス400が用いられる場合、患者に対し、睡眠スコア、日々の洞察(例えば、患者および/または他の患者のフィードバックに基づいた、個別対応型であり得る毎日の推奨事項)が表示され得る。さらなるフィードバックを提供することは、前回提供されたフィードバック(例えば、年齢、身長、体重および/または睡眠フィードバック)のうち1つ以上をユーザが更新することを含み得る。
【0129】
本技術の一形態において、いくつかのフィードバックリクエストがRPTデバイス4000上に提示され得、他のフィードバックリクエストが、ローカル外部デバイス4288または同一患者1000と関連付けられた別の医療デバイス上に提示され得る。1つのデバイス上に提示されたフィードバックリクエストについて、このリクエストは表示中であるため他のデバイス上においてリクエストされていない旨がマーク付けされ得る。
【0130】
本技術の一形態において、フィードバックリクエストの表示とフィードバックリクエストの入力の受信とに関連する動作は、デバイスのセットアップ時に行われ得る(ステップ7010)。
【0131】
図4Jは、RPTデバイス4000およびリモートコンピューティングシステムによって行われる動作の別の例を示す。
図4Hに示す例において、フィードバックリクエストデータは、RPTデバイス4000上に事前格納された。例えば、フィードバックリクエストデータは、製造業者、流通業者または臨床医によってメモリ中に事前格納され得る。
図4Jに示す例において、リモートコンピューティングシステムは、フィードバックリクエストデータを送信する(ステップ7016)。RPTデバイス4000は、送信されたフィードバックリクエストデータをリモートコンピューティングシステムから受信し(ステップ7014)、このデータを用いて、患者からのフィードバックを受信する。いくつかの例において、フィードバックリクエストデータを送信するシステムは、RPTデバイス4000から送信された人口統計学的および/または主観的フィードバックデータを用いて分析を行うシステムとは別のシステムであり得る。
【0132】
リモートコンピューティングシステムは、RPTデバイス4000からのリクエストに応答して、フィードバックリクエストデータを送信し得る。いくつかの例において、リモートコンピューティングシステムは、フィードバックリクエストデータのRPTデバイス4000へのプッシュを一定の所定の期間においてまたは臨機応変に(直接的にまたは家庭用医療装置を通じて)行い得る。
【0133】
フィードバックリクエストデータの入力は、医師または臨床医によって行われ得る。医師または臨床医には、医師自身または臨床医自身の質問をフィードバックリクエストデータの一部として入力するためのユーザインターフェースが付与され得る。医師または臨床医に対し、RPTデバイス4000またはRPTデバイス4000と関連付けられたデバイス(例えば、ローカル外部デバイス4288)を介して自身の患者への質問を訊くための特徴が付与され得る。例えば、医師または臨床医は、質問入力をリモートコンピューティングシステムを用いて行い得る。医師または臨床医は、これらの質問のうち1つ以上と、質問をRPTデバイス4000へ分配するための1つ以上の条件とを関連付け得る。そのような条件を挙げると、1つ以上の患者特性、デバイスの種類、RPTデバイス4000へ接続された周辺デバイス(例えば、マスクの種類、管)および/またはデバイス動作パラメータがある。
【0134】
図4Kは、医療デバイス(例えば、RPTデバイス4000)、患者ポータル8030および患者統計調査サービス8010間における通信を提供するシステムにおけるデータフロー図である。
【0135】
患者統計調査サービス8010は、(クラウドおよび/または専門サーバ(例えば、サーバ6030)を含み得る)1つ以上のサーバ上において実行され得る。患者統計調査サービス8010は、人口統計学的および主観的フィードバックについての質問および回答の管理および通信を協調させ得る。
図4Kに示すように、患者統計調査サービス8010は、医療デバイスと関連付けられた患者のアカウントへの質問送信をサポートし得る。患者のアカウントは、ローカルデバイス4288上においてまたはRPTデバイス4000を介して実行されるウェブアプリケーションまたはモバイルアプリケーションを介してアクセスされ得る。ウェブアプリケーションまたはモバイルアプリケーションを介してアクセスされる患者のアカウントは、医療デバイスの監視、報告および/または設定と、患者へのコーチングとを提供し得る。
【0136】
患者統計調査サービス8020は、クライアントに対し、質問が利用可能になっている旨を通知し得る。質問が利用可能になり得るときとして、質問が(例えば、マーケティングにより)コンテンツ管理システムへ追加された場合がある。これらの質問は、GET呼び出しを介して患者統計調査サービス8020から取り出され得る。一例において、患者のアカウントがウェブアプリケーションまたはモバイルアプリケーションを介してアクセスされると、自宅が呼び出され得、質問入手がプロキシを介して患者ポータル8030を通じて行われ得る。これらの質問は、JavaScript Object Notation(JSON)フォーマットで提供され得、質問のコンテンツおよび可能性のある回答を示す。質問提示は、HTMLコンテンツとしてアプリケーション中に埋め込まれ得る。患者アカウントがウェブアプリケーションまたはモバイルアプリケーションを介してアクセスされると、患者統計調査サービス8020への回答返送がプロキシを介して患者ポータル8030を通じて(例えば、POST指示を介して)行われ得る。
【0137】
医療デバイスは、自宅を呼び出し得、プロキシを介してMCSデバイス8024を通じて質問を入手し得、患者統計調査サービス8020への回答送信をプロキシを介してMCSデバイス8024を通じて(例えば、POST指示を介して)行い得る。GET呼び出しは、(どのデバイスおよび/またはアプリケーションへどの質問が送られたのかを追跡するための)患者統計調査サービス8010についての医療デバイスのシリアル番号を含み得る。
【0138】
一態様によれば、患者統計調査サービス8010は、所定の期間(例えば、48時間)後に質問が患者ポータルへ利用可能となるように、質問の管理を行い得る。その結果、質問が二重に訊かれる事態が最小化され得る。
【0139】
別の態様によれば、患者統計調査サービス8010は、患者が既に回答した質問が再度表示されるされることの無いよう、質問の管理を行い得る。一例において、患者統計調査サービス8010は、1つのプラットフォーム(例えば、医療デバイス)上における回答された質問を追跡し得、ウェブアプリケーションまたはモバイルアプリケーションを介してアクセスされた患者のアカウント上にそれらの質問を表示しないようにする。
【0140】
質問に対する応答は、医療デバイスまたはウェブアプリケーションまたはモバイルアプリケーションを介してアクセスされた患者のアカウントから患者統計調査サービス8010によって受信され得る。これらの回答は、高度分析の対象としてクラウドコンピューティングプラットフォーム6040へ送信され得る。クラウドコンピューティングプラットフォームは、分析データレーキを多数の他の患者からのデータと共に含み得る。モデルの構築と、受信された回答の分析とのために、ディープニューラルネットワークが用いられ得る。いくつかの例において、患者統計調査サービス8010は、受信された回答を高度分析消費の対象として待ち行列に配置し得る。
【0141】
患者統計調査サービス8010は、質問および/または回答のリモート患者監視システムへの提供をサポートし得る。リモート監視は、リモート外部デバイス4286上において実行されるウェブアプリケーションまたはモバイルアプリケーションを介して提供され得る。リモート監視により、オンラインの患者監視のためのセキュアなクラウドベースの患者管理システムが得られ得、臨床医による患者データへの迅速なアクセス、他の健康専門家との臨床識見の共有と、患者フォローアップ関連のコストの低減とが可能になり得る。リモート監視により、医療デバイスの動作情報、コンプライアンス情報、デバイスの設定、デバイス設定の変更、患者へ提示された質問および/または患者から受信された回答が受信され得る。臨床医は、リモート監視から得られたデータを用いて、患者のコーチングプログラムおよび/またはオーダーメイド治療についてさらなる変更を提案し得る。
【0142】
患者統計調査サービス8010は、医療デバイスからの初期のハードコードされた質問の受信をサポートし得る。製造時において、初期の質問は、医療デバイスへロードされ得る。医療デバイスは、セットアップ時にまたは所定の条件が満たされたとき(例えば、医療デバイスが所定の期間にわたって使用された後またはセットアップ後に所定の期間が経過した後)に、初期の質問を提示し得、質問への応答を受信し得る。これらの初期の質問は、医療デバイスから患者統計調査サービス8010へ送信されて、リモート監視および/またはウェブアプリケーションまたはモバイルアプリケーションへ配信され得る。いくつかの例において、初期の質問が医療デバイス上において回答されない場合、初期の質問は、ウェブアプリケーションまたはモバイルアプリケーションを介して利用可能にされ得る。患者統計調査サービス8010は、初期の質問うちどれが回答されたかを追跡し得る。
【0143】
いくつかの例において、医療デバイス上に格納された初期の質問は、製造業者によって患者統計調査サービス8010へ別個に提供され得る。本例において、患者統計調査サービス8010は、医療デバイスの識別情報(例えば、シリアル番号)と、医療デバイス上に格納された初期の質問とを受信し得る。異なる医療デバイス上に格納された初期の質問は、デバイスの種類および/またはデバイスによって提供される特徴に依存し得る。
【0144】
患者ポータル8030は、デバイスの使用法、デバイス使用の向上法、および/またはデバイスからの結果の向上法についての指示を患者に提供するためのコーチングコンテンツを受信し得る。コーチングサービスにより、患者の人口統計学的および/または主観的フィードバックの分析結果に基づいたコーチングコンテンツを提供され得る。
【0145】
5.6.1 酸素送達
本技術の一形態において、補充用酸素4180が、空気圧経路における1つ以上のポイント(例えば、空気圧ブロック4020の上流)、空気回路4170および/または患者インターフェース3000へ送達され得る。
【0146】
5.7 加湿器
本技術の一形態において、患者へ送達されるべき空気またはガスの絶対湿度を周囲空気に相対して変化させるための加湿器5000が提供される(例えば、
図5Aに示すようなもの)。典型的には、加湿器5000は、患者気道へ送達される前に空気流れの(周囲空気に相対する)絶対湿度を増加させかつ温度を増加させるために、用いられる。
【0147】
加湿器5000は、加湿器リザーバ5110と、空気流れを受容する加湿器入口5002と、加湿された空気流れを送達させるための加湿器出口5004とを含み得る。
図5Aおよび
図5Bに示すようないくつかの形態において、加湿器リザーバ5110の入口および出口はそれぞれ、加湿器入口5002および加湿器出口5004であり得る。加湿器5000は、加湿器ベース5006をさらに含み得る。加湿器ベース5006は、加湿器リザーバ5110を受容するように適合され得、加熱要素5240を含み得る。
【0148】
1つの配置構成によれば、リザーバ5110は、加熱要素5240からリザーバ5110中の液体の体積への効率的伝熱を可能にするように構成された伝導性部位5120、加湿器リザーバ5110をリザーバ5110および/または(
図5A~
図5Bに示すように水位インジケータ5150を保持するように構成されたロッキングレバー5135と共に受容するように構成された(
図5Bに示すような)加湿器リザーバドック5130、および/または上記した変換器4270の代わりのまたはした変換器4270に加えた1つ以上の加湿器変換器(センサ)5210を含む。加湿器変換器5210は、
図5Cに示すような空気圧センサ5212、空気流量変換器5214、温度センサ5216または湿度センサ5218のうち1つ以上を含み得る。加湿器変換器5210は、1つ以上の出力信号を生成し得る。これらの出力信号は、コントローラ(例えば、中央コントローラ4230および/または加湿器コントローラ5250)へ通信され得る。いくつかの形態において、加湿器変換器は、出力信号をコントローラへ通信しつつ、加湿器5000の外部に(例えば、空気回路4170内に)配置され得る。
【0149】
本技術の1つの配置によれば、加湿器5000は、
図5Cに示すような加湿器コントローラ5250を含み得る。一形態において、加湿器コントローラ5250は、中央コントローラ4230の一部であり得る。別の形態において、加湿器コントローラ5250は、中央コントローラ4230と通信し得る別個のコントローラであり得る。
【0150】
一形態において、加湿器コントローラ5250は、特性(例えば、温度、湿度、圧力および/または流量)の測定を入力として受信し得る(例えばリザーバ5110中および/または加湿器5000中の空気流れ、水の測定)。加湿器コントローラ5250は、加湿器アルゴリズムの実行または実施ならびに/あるいは1つ以上の出力信号の送達を行うようにも、構成され得る。
【0151】
図5Cに示すように、加湿器コントローラ5250は、1つ以上のコントローラを含み得る(例えば、中央加湿器コントローラ5251、加熱空気回路4171の温度を制御するように構成された加熱空気回路コントローラ5254および/または加熱要素5240の温度を制御するように構成された加熱要素コントローラ5252)。
【0152】
加湿器コンポーネントの例について、PCT出願PCT/AU2014/050426(WO2015089582)中に記載がある。本明細書中、同文献を参考のため援用する。
【0153】
5.8 呼吸圧力治療モード
本技術の一形態における治療パラメータ決定アルゴリズム4329によって用いられる治療圧力方程式(1)中のパラメータAおよびP0の値に応じて、多様な呼吸圧力治療モードがRPTデバイス4000によって行われ得る。
【0154】
5.8.1 CPAP治療
本技術のこの形態のいくつかの具現例において、振幅Aは等しくゼロであるため、治療圧力Ptは呼吸サイクル全体において同様にベース圧力P0に等しい。このような具現例は、CPAP治療の見出し下において主にグループ分けされる。このような具現例において、フェーズΦまたは波形テンプレートΠ(Φ)を決定するための治療エンジンモジュール4320は不要である。ステップ4560において、低下したベース圧力P0が最低治療圧力Pminを下回っていない場合、中央コントローラ4230は、ベース圧力P0をデクリメントだけ低下させる。次に、方法4500は、ステップ4520に戻る。1つの具現例において、デクリメントはP0-Pminの値に比例するため、検出されたイベントが無い場合、P0の最低治療圧力Pminへの低下は、指数関数的になる。1つの実行において、比例関係の定数は、P0の指数関数的低下の時定数τが60分でありかつ最低治療圧力Pminが4cmH2Oとなるように、設定される。他の実行において、時定数τは、1分まで短くかつ300分まで長くすることができるか、または、5分まで短くしかつ180分まで長くすることができる。他の具現例において、最低治療圧力Pminは、0cmH2Oまで低くすることができかつ8cmH2Oまで高くすることができるか、または、2cmH2Oまで低くすることができかつ6cmH2Oまで高くすることができる。あるいは、検出されたイベントが無い場合にP0の最低治療圧力Pminまでの低下が線状になるように、P0のデクリメントを事前決定してもよい。
【0155】
5.8.2 バイレベル治療
本技術のこの形態の他の具現例において、方程式(1)中の振幅Aの値は正であり得る。このような実行は、バイレベル治療として公知である。なぜならば、治療圧力Ptを正の振幅Aの方程式(1)を用いて決定する場合、治療パラメータ決定アルゴリズム4329は、患者1000の自発呼吸努力と同期して治療圧力Ptを2つの値またはレベル間で振動させるからである。すなわち、上記した典型的な波形テンプレートΠ(Φ,t)に基づいて、治療パラメータ決定アルゴリズム4329は、吸気の開始時または吸気の最中に治療圧力PtをP0+A(IPAPとして公知)まで増加させ、呼気開始時または呼気の最中に治療圧力Ptをベース圧力P0(EPAPとして公知)まで低下させる。
【0156】
バイレベル治療のいくつかの形態において、IPAPは、CPAP治療モードにおける治療圧力と同じ目的の治療圧力であり、EPAPは、IPAPから振幅Aを減算した値であり、呼気圧力解放(EPR)とも呼ばれる「小さな」値(数cmH2O)を有する。このような形態は、EPRを用いたCPAP治療とも呼ばれ、直接的なCPAP治療よりも快適性高いものとして一般的に考えられる。EPRを用いたCPAP治療の場合、IPAPおよびEPAPのいずれかまたは双方は一定の値であり得、ハードコードされるかまたはRPTデバイス4000へ手動入力される。あるいは、治療パラメータ決定アルゴリズム4329は、EPRを用いたCPAP時において、IPAPおよび/またはEPAPを繰り返して計算し得る。この代替例において、治療パラメータ決定アルゴリズム4329は、治療エンジンモジュール4320中の各アルゴリズムから返送された睡眠疾患呼吸の指標または測定の関数としてEPAPおよび/またはIPAPを繰り返して計算する。これは、上記したAPAP治療におけるベース圧力P0の計算と同様に行われる。
【0157】
他の形態のバイレベル治療において、振幅Aは、RPTデバイス4000が患者1000の呼吸動作の一部または全部を行うほど充分に大きい。圧力補助換気治療として公知のこのような形態において、振幅Aは、圧力補助またはスイングと呼ばれる。圧力補助換気治療において、IPAPは、ベース圧力P0+圧力補助Aであり、EPAPはベース圧力P0である。
【0158】
一定圧力補助換気治療として公知の圧力補助換気治療のいくつかの形態において、圧力補助Aは、所定の値(例えば、10cmH2O)に固定される。所定の圧力補助値は、RPTデバイス4000の設定であり、例えばRPTデバイス4000の構成時にハードコードされるかまたは入力デバイス4220を通じた手動入力により設定され得る。
【0159】
サーボ換気として広範に知られる圧力補助換気治療の他の形態において、治療パラメータ決定アルゴリズム4329は、呼吸器サイクル(例えば、換気の現在測定Vent)の一定の現在測定されているまたは推定されているパラメータと、当該呼吸器パラメータの目標値(例えば、換気の目標値Vtgt)とを入力としてとり、式(1)のパラメータを連続的に調節して、呼吸器パラメータの現在の測定を目標値に接近させる。CSR治療に用いられる適応型サーボ換気(ASV)として公知のサーボ-換気の形態において、呼吸パラメータは換気であり、目標換気値Vtgtは、上記したように典型的な最近の換気Vtypから目標換気決定アルゴリズム4328によって計算される。
【0160】
サーボ換気のいくつかの形態において、治療パラメータ決定アルゴリズム4329は、呼吸器パラメータの現在の測定をターゲット値へと達するように、圧力補助Aを繰り返し計算する制御方法を適用する。1つのこのような制御方法として、比例積分(PI)制御がある。目標換気Vtgtが典型的な最近の換気Vtypよりも若干低くなるように設定されたASVモードに適したPI制御の1つの具現例において、圧力補助Aは、以下のように繰り返して計算される:
【数1】
ここで、Gは、PI制御の利得である。利得Gの値が大きくなると、治療エンジンモジュール4320におけるフィードバックが正になり得る。利得Gの値が小さくなると、一定の残りの未治療CSRまたは中枢性睡眠時無呼吸が発生し得る。いくつかの具現例において、利得Gは、所定の値(例えば、-0.4cmH
2O/(L/分)/秒)に固定される。あるいは、利得Gは、CSRを実質的に除いた値に到達するまで、治療セッション間において変更され得る(最初は低い値から開始し、セッション間において増加させる)。治療セッションのパラメータを遡及的に分析して治療セッション時のCSRの深刻度を評価するための従来の手段は、このような具現例において用いられ得る。さらに他の具現例において、利得Gは、換気の現行測定値Ventと、目標換気Vtgtとの間の差に応じて変動し得る。
【0161】
治療パラメータ決定アルゴリズム4329によって適用され得る他のサーボ換気制御方法を挙げると、比例(P)、比例差分(PD)、および比例積分差(PID)がある。
【0162】
方程式()を介して計算された圧力補助Aの値は、[Amin、Amax]として規定された範囲までクリップされ得る。この具現例において、圧力補助Aは、現在の換気Ventの測定が目標換気Vtgtを下回るまで、最小圧力補助Aminにおいてデフォルトとして設定される。現在の換気Ventの測定が目標換気Vtgtを下回った時点においてAが増加し始め、Ventが再度Vtgtを超えた場合にのみ、Aminまで低下する。
【0163】
圧力補助制限AminおよびAmaxは、RPTデバイス4000の設定であり、例えばRPTデバイス4000の構成時にハードコードされるかまたは入力デバイス4220を通じた手動入力によって設定される。
【0164】
圧力補助換気治療モードにおいて、EPAPは、ベース圧力P0である。CPAP治療におけるベース圧力P0と同様に、EPAPは一定の値であり得、タイトレーション時に規定または決定される。このような一定のEPAPは、例えばRPTデバイス4000の構成時にハードコードするかまたは入力デバイス4220を通じた手動入力により、設定され得る。この代替例は、固定EPAP圧力補助換気治療とも呼ばれる。所与の患者についてのEPAPのタイトレーションは、閉塞性無呼吸を予防する目的のために、PSGを用いたタイトレーションセッション時に臨床医によって行われ得、これにより、一定CPAP治療におけるベース圧力P0のタイトレーションと同様の様態で、圧力補助換気治療のために気道確保が維持される。
【0165】
あるいは、治療パラメータ決定アルゴリズム4329は、圧力補助換気治療時のベース圧力P0を繰り返して計算し得る。このような具現例において、治療パラメータ決定アルゴリズム4329は、治療エンジンモジュール4320中の各アルゴリズムから返送された睡眠時呼吸障害の指標または測定(例えば、流れ制限、無呼吸、呼吸低下、開通性およびいびきのうち1つ以上)の関数としてEPAPを繰り返して計算する。EPAPの連続的計算は、EPAPのタイトレーション時における臨床医によるEPAPの手動調節に類似するため、このプロセスは、EPAPの自動タイトレーションとも呼ばれ、治療モードは、自動タイトレーションEPAP圧力補助換気治療または自動EPAP圧力補助換気治療として知られる。
【0166】
5.9 用語集
本技術の開示目的のため、本技術の特定の形態において、以下の定義のうち1つ以上が適用され得る。本技術の他の形態において、別の定義も適用され得る。
【0167】
5.9.1 一般
空気:本技術の特定の形態において、空気は大気を意味し得、本技術の他の形態において、空気は、他の呼吸可能なガスの組み合わせ(例えば、酸素を豊富に含む大気)を意味し得る。
【0168】
環境:本技術の特定の形態において、「環境」という用語は、(i)治療システムまたは患者の外部、および(ii)治療システムまたは患者を直接包囲するものを意味するものとしてとられるべきである。
【0169】
例えば、加湿器に対する環境湿度とは、加湿器を直接包囲する空気の湿度であり得る(例えば、患者が睡眠をとっている部屋の内部の湿度)。このような環境湿度は、患者が睡眠をとっている部屋の外部の湿度と異なる場合がある。
【0170】
別の実施例において、環境圧力は、身体の直接周囲または外部の圧力であり得る。
【0171】
特定の形態において、環境(例えば、音響)ノイズは、例えばRPTデバイスから発生するかまたはマスクまたは患者インターフェースから発生するノイズ以外の、患者の居る部屋の中の背景ノイズレベルとみなすことができる。環境ノイズは、部屋の外の発生源から発生し得る。
【0172】
自動的な気道陽圧(APAP)療法:SDB発症の兆候の存在または不在に応じて、例えば、呼吸間に最小限界と最大限界との間で治療圧力を自動的に調節することが可能なCPAP療法。
【0173】
持続的気道陽圧(CPAP)療法:治療圧力が患者の呼吸サイクルを通じてほぼ一定である呼吸圧療法。いくつかの形態において、気道への入口における圧力は、呼息時において若干上昇し、吸息時において若干低下する。いくつかの形態において、圧力は、患者の異なる呼吸サイクル間において変動する(例えば、部分的な上気道閉塞の兆候の検出に応答して増加され、部分的な上気道閉塞の通知の不在時において低減される)。
【0174】
流量:単位時間あたりに送出される空気の瞬時の量(または質量)。流量とは、瞬間の量を指し得る。場合によっては、流量について言及した場合、スカラー量(すなわち、大きさのみを有する量)を指す。他の場合において、流量について言及した場合、ベクトル量(すなわち、大きさおよび方向両方を持つ量)を指す。流量には、符号Qが付与され得る。「流量」を簡略的に「流れ」もしくは「気流」と呼ぶ場合もある。
【0175】
患者の呼吸の実施例において、流量は、患者の呼吸サイクルの吸気部分に対してノミナルに陽圧であり得るため、患者の呼吸サイクルの呼気部分に対して負であり得る。合計流量Qtは、RPTデバイスから退出する空気の流量である。通気流量Qvは、吐き出されたガスの流出を可能にするために通気孔から退出する空気の流量である。漏洩流量Qlは、患者インターフェースシステムまたは他の場所からの漏洩の流量である。呼吸流量Qrは、患者の呼吸器系中に受容される空気の流量である。
【0176】
加湿器:「加湿器」という単語は、患者の医療呼吸状態を改善するために治療上有益な量の水(H2O)蒸気を空気流れへ提供することが可能な物理的構造を備えて構築、配置または構成された加湿装置を意味するものとして解釈される。
【0177】
漏洩:「漏洩」という用語は、意図しない空気流れとしてとられる。一実施例において、漏洩は、マスクと患者の顔との間のシールが不完全であることに起因して発生し得る。別の実施例において、漏洩は、周囲に対する回りエルボーにおいて発生し得る。
【0178】
ノイズ伝導(音響):本文書において、伝導ノイズとは、空気圧経路(例えば、空気回路および患者インターフェースおよびその内部の空気)によって患者へ搬送されるノイズを指す。一形態において、伝導ノイズは、空気回路の端部における音圧レベルを測定することにより、定量化され得る。
【0179】
ノイズ放射(音響):本文書において、放射ノイズとは、周囲空気によって患者へ搬送されるノイズを指す。一形態において、放射ノイズは、当該対象の音響パワー/圧力レベルをISO3744に従って測定することにより、定量化され得る。
【0180】
ノイズ通気(音響):本文書において、通気ノイズとは、任意の通気(例えば、患者インターフェース中の通気孔)を通じた空気流れにより生成されるノイズを指す。
【0181】
患者:呼吸器疾患に罹患しているかまたはしていない人。
【0182】
圧力:単位面積あたりの力。圧力は、多様な単位で表現され得る(例えば、cmH2O、g-f/cm2、およびヘクトパスカル)。1cmH2Oは、1g-f/cm2に等しく、およそ0.98ヘクトパスカルである。本明細書において、他に明記無き限り、圧力はcmH2Oの単位で付与される。
【0183】
患者インターフェース中の圧力には記号Pmが付与され、現時点においてマスク圧力Pmが達成すべき目標値を表す治療圧力には記号Ptが付与される。
【0184】
呼吸圧力治療(RPT):環境に対して典型的には陽圧である治療圧力における空気供給の気道入口への付加。
【0185】
人工呼吸器:患者が呼吸動作の一部または全てを行い際に圧力補助を提供する機械的デバイス。
【0186】
5.9.2 呼吸サイクル
無呼吸:いくつかの定義によれば、無呼吸とは、所定の閾値を下回った流れが例えば10秒間の継続期間にわたって継続した場合に発生したと言われる。閉塞性無呼吸とは、患者の労作にもかかわらず、何らかの気道閉塞により空気の流れが許されないときに発生すると言われる。中枢性無呼吸とは、気道が開通しているにも関わらず呼吸努力の低下または呼吸努力の不在に起因して無呼吸が検出された状態を指すと言われる。混合無呼吸とは、呼吸努力の低下または不在が気道閉塞と同時発生した状態を指すと言われる。
【0187】
呼吸速度:患者の自発呼吸速度であり、通常は毎分あたりの呼吸回数で測定される。
【0188】
デューティサイクル:吸息時間Tiの合計呼吸時間Ttotに対する比。
【0189】
労作(呼吸):呼吸努力は、呼吸しようとしている人の自発呼吸によって行われる動きを指すと言われる。
【0190】
呼吸サイクルの呼気部分:呼気流れの開始から吸気流れの開始までの期間。
【0191】
流れ制限:流れ制限は、患者による労作の増大が流量の対応する増大を引き起こさない患者の呼吸における状況であると解釈される。呼吸サイクルの吸気部分において流量制限が発生した場合、当該流量制限は吸気流量制限と称することができる。呼吸サイクルの呼気部分において流れ制限が発生した場合、当該流れ制限は呼気流れ制限と称することができる。
【0192】
流れ制限吸気の波形の種類:
(i)平坦化:上昇の後に比較的平坦な部位が続いた後、下降が発生すること。
(ii)M字型:立ち上がりにおいて1つおよび立ち下がりにおいて1つの2つの局所的ピークを持ち、これら2つのピークの間に比較的平坦な部位がある。
(iii)椅子状:単一の局所的ピークを持ち、このピークが立ち上がり部分に発生した後、比較的平坦な部位が続く。
(iv)逆椅子状:比較的平坦な部位の後に単一の局所的ピークが続き、このピークが立ち下がり部分に発生する。
【0193】
呼吸低下:一部の定義によれば、呼吸低下は、流れの中断ではなく、流れの低下を意味する。一形態において、閾値速度を下回った流れ低下が継続期間にわたって続いた場合、呼吸低下が発生したと言われる。呼吸努力の低下に起因して呼吸低下が検出された場合、中枢性呼吸低下が発生したと言われる。成人の一形態において以下のうちいずれかが発生した場合、呼吸低下と見なされ得る:
(i)患者呼吸の30%の低下が少なくとも10秒+関連する4%の脱飽和、または、
(ii)患者呼吸の(50%未満の)低下が少なくとも10秒間継続し、関連して脱飽和が少なくとも3%であるかまたは覚醒が発生する。
【0194】
過呼吸:流れが通常の流量よりも高いレベルまで増加すること。
【0195】
呼吸サイクルの吸気部分:吸気流れの開始から呼気流れの開始までの期間が、呼吸サイクルの吸気部分としてとられる。
【0196】
開通性(気道):気道が開いている度合いまたは気道が開いている範囲。気道開通性とは、開口である。気道開通性の定量化は、例えば、開通性を示す値(1)と、閉鎖(閉塞)を示す値(0)で行われ得る。
【0197】
呼吸終末陽圧(PEEP):肺中の大気を越える圧力であり、呼気終了時に存在する。
【0198】
ピーク流量(Qpeak):呼吸流れ波形の吸気部分における流量最大値。
【0199】
呼吸気流量、空気流量、患者の空気流量、呼吸気空気流量(Qr):これらの用語は、RPTデバイスの呼吸空気流量の推定を指すものとして理解され得、通常リットル/分で表される患者の実際の呼吸流量である「真の呼吸流量」または「真の呼吸気流量」と対照的に用いられる。
【0200】
1回換気量(Vt):余分な努力をせずに通常の呼吸時に吸い込まれたかまたは吐き出された空気の量である。原則的に、吸気量Vi(吸気された空気の量)は、呼気量Ve(呼気された空気の量)に等しいため、単一の一回換気量Vtは、いずれかの量に等しいものとして規定され得る。実際には、一回換気量Vtは、何らかの組み合わせ(例えば、吸気量Viと呼気量Veの平均)として推定される。
【0201】
(吸息)時間(Ti):呼吸流量波形の吸気部分の継続期間。
【0202】
(呼息)時間(Te):呼吸流量波形の呼気部分の継続期間。
【0203】
(合計)時間(Ttot):呼吸流量波形の一つの吸気部分の開始と呼吸流量波形の次の吸気部分の開始との間の合計継続期間。
【0204】
典型的な最近の換気:所定の時間スケールにわたる換気Ventの直近値が密集する傾向となる換気値(すなわち、換気の直近値の中心の傾向の度合い)。
【0205】
上気道閉塞(UAO):部分的な上気道閉塞および合計上気道閉塞両方を含む。上気道上の圧力差の増加(スターリングレジスタ挙動)と共に流量がわずかに増加するかまたは低下し得る流れ制限の状態と関連し得る。
【0206】
換気(Vent):患者の呼吸器系によって行われるガス交換率の測定。換気の測定は、単位時間あたりの吸気および呼気流のうち片方または双方を含み得る。1分あたりの体積として表される場合、この量は、「分換気」と呼ばれることが多い。分換気は、単に体積として付与されることもあり、1分あたりの体積として理解される。
5.10 他の注意事項
【0207】
本特許文書の開示の一部は、著作権保護が与えられる内容を含む。著作権所有者は、何者かが本特許文書または本特許開示をファックスにより再生しても、特許庁の特許ファイルまたは記録に記載されるものであれば目的のものであれば異論は無いが、その他の目的については全ての著作権を保持する。
【0208】
他に文脈から明確に分かる場合および一定の範囲の値が提供されていない限り、下限の単位の1/10、当該範囲の上限と下限の間、および記載の範囲の他の任意の記載の値または介入値に対する各介入値は本技術に包含されることが理解される。介入範囲中に独立的に含まれるこれらの介入範囲の上限および下限が記載の範囲における制限を特に超えた場合も、本技術に包含される。記載の範囲がこれらの制限のうち1つまたは双方を含む場合、これらの記載の制限のいずれかまたは双方を超える範囲も、本技術に包含される。
【0209】
さらに、本明細書中に値(単数または複数)が本技術の一部として具現される場合、他に明記無き限り、このような値が近似され得、実際的な技術的実行が許容または要求する範囲まで任意の適切な有効桁までこのような値を用いることが可能であると理解される。
【0210】
他に明記しない限り、本明細書中の全ての技術用語および科学用語は、本技術が属する分野の当業者が一般的に理解するような意味と同じ意味を持つ。本明細書中に記載の方法および材料に類似するかまたは等しい任意の方法および材料を本技術の実践または試験において用いることが可能であるが、限られた数の例示的方法および材料が本明細書中に記載される。
【0211】
特定の材料が構成要素の構築に好適に用いられるものとして記載されているが、特性が類似する明白な代替的材料が代替物として用いられる。さらに、それとは反対に記載無き限り、本明細書中に記載される任意および全ての構成要素は、製造可能なものとして理解されるため、集合的にまたは別個に製造され得る。
【0212】
本明細書中及び添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形である「a」、「an」および「the」は、文脈から明らかにそうでないことが示されない限り、その複数の均等物を含む点に留意されたい。
【0213】
本明細書中に記載される公開文献は全て、これらの公開文献の対象である方法および/または材料の開示および記載、参考のために援用される。本明細書中に記載の公開文献は、本出願の出願日前のその開示内容のみのために提供するものである。本明細書中のいずれの内容も、本技術が先行特許のためにこのような公開文献に先行していない、認めるものと解釈されるべきではない。さらに、記載の公開文献の日付は、実際の公開文献の日付と異なる場合があり、個別に確認が必要であり得る。
【0214】
「comprises」および「comprising」という用語は、要素、構成要素またはステップを非排他的な意味合いで指すものとして解釈されるべきであり、記載の要素、構成要素またはステップが明記されていない他の要素、構成要素またはステップと共に存在、利用または結合され得ることを示す。
【0215】
詳細な説明において用いられる見出しは、読者の便宜のためのものであり、本開示または特許請求の範囲全体において見受けられる内容を制限するために用いられるべきではない。これらの見出しは、特許請求の範囲または特許請求の範囲の制限の範囲の解釈において用いられるべきではない。
【0216】
本明細書中の技術について、特定の実施例を参照して述べてきたが、これらの実施例は本技術の原理および用途を例示したものに過ぎないことが理解されるべきである。いくつかの場合において、用語および記号は、本技術の実施に不要な特定の詳細を示し得る。例えば、「first(第1の)」および「second(第2の)」(など)という用語が用いられるが、他に明記無き限り、これらの用語は任意の順序を示すことを意図しておらず、別個の要素を区別するために用いられる。さらに、本方法におけるプロセスステップについての記載または例示を順序付けて述べる場合があるが、このような順序は不要である。当業者であれば、このような順序が変更可能でありかつ/またはその様態を同時にまたはさらに同期的に行うことが可能であることを認識する。
【0217】
よって、本技術の意図および範囲から逸脱することなく、例示的な実施例において多数の変更例が可能であり、また、他の配置構成が考案され得ることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0218】
5.11 符号の説明
1000 患者
1002 他の患者
1004 他の患者
1100 同床者
3000 患者インターフェース
4000 RPTデバイス
4010 外部ハウジング
4012 上部
4014 部位
4015 パネル(複数可)
4016 シャーシ
4018 ハンドル
4020 空気圧ブロック
4110 空気フィルタ
4112 入口空気フィルタ
4114 出口空気フィルタ
4120 マフラー
4122 入口マフラー
4124 出口マフラー
4140 圧力生成器
4142 送風機
4144 モータ
4160 アンチスピルバック弁
4170 空気回路
4171 空気回路
4180 補充酸素
4200 電気部品
4202 単一プリント回路基板アセンブリ
4210 電源
4220 入力デバイス
4230 中央コントローラ
4232 時計
4240 治療デバイスコントローラ
4250 保護回路
4260 メモリ
4270 変換器
4272 圧力センサ
4274 流量センサ
4276 速度センサ
4280 データ通信インターフェース
4282 遠隔外部通信ネットワーク
4284 ローカル外部通信ネットワーク
4286 遠隔外部デバイス
4288 ローカル外部デバイス
4290 出力デバイス
4292 ディスプレイドライバ
4294 ディスプレイ
4300 アルゴリズム
4310 事前処理モジュール
4312 圧力補償アルゴリズム
4314 通気流量の推定
4316 漏洩流量推定
4316 漏洩流量推定
4318 呼吸流量推定
4320 治療エンジンモジュール
4321 フェーズ決定アルゴリズム
4322 波形決定アルゴリズム
4323 換気決定アルゴリズム
4324 吸気流制限決定アルゴリズム
4325 無呼吸/呼吸低下決定アルゴリズム
4326 いびき決定アルゴリズム
4326 いびき決定アルゴリズム
4326 いびき決定アルゴリズム
4327 気道開通性決定アルゴリズム
4328 目標換気決定アルゴリズム
4329 治療パラメータ決定アルゴリズム
4330 治療制御モジュール
4340 アルゴリズム
4500 方法
4520 ステップ
4560 ステップ
5000 加湿器
5002 加湿器入口
5004 加湿器出口
5006 加湿器ベース
5110 リザーバ
5120 伝導性部位
5130 加湿器リザーバドック
5135 ロックレバー
5150 水位インジケータ
5210 加湿器変換器
5212 圧力変換器
5214 流量変換器
5216 温度変換器
5218 湿度センサ
5240 加熱要素
5250 加湿器コントローラ
5251 中央加湿器コントローラ
5252 加熱要素コントローラ
5254 空気回路コントローラ
5286 遠隔外部デバイス
6020 通信リンク
6030 サーバ
6040 クラウドコンピューティングプラットフォーム
6062 医療デバイス
6064 医療デバイス
7010 セットアップステップ
7012 ステップ
7014 ステップ
7016 ステップ
7018 ステップ
7020 ステップ
7022 ステップ
7024 ステップ
7026 ステップ
7028 ステップ
7030 ステップ
7032 ステップ
7034 ステップ
7036 ステップ
7050 表示画面
7052 表示画面
7054 表示画面
7056 表示画面
7058 表示画面
7060 表示画面
7062 表示画面
7064 表示画面
8010 患者統計調査サービス
8020 患者統計調査サービス
8024 MCS デバイス
8030 患者ポータル