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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】光学系及びそれを有する撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
G02B13/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022000018
(22)【出願日】2022-01-01
(65)【公開番号】P2023099390
(43)【公開日】2023-07-13
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】仲田 丈晴
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-148793(JP,A)
【文献】特開2016-180896(JP,A)
【文献】特開2013-097212(JP,A)
【文献】特開2017-219645(JP,A)
【文献】特開2020-160100(JP,A)
【文献】特開2017-215492(JP,A)
【文献】特開2018-141888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群からなり、フォーカシングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する光学系であって、
無限遠物体から最至近物体へのフォーカシングに際して、前記第1レンズ群及び第3レンズ群は不動であり、前記第2レンズ群は像側へ移動し、
前記第3レンズ群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1部分群、負の屈折力の第2部分群、正の屈折力の第3部分群からなり、
前記第2部分群は、正レンズと負レンズとを含み、
前記第2部分群は、像振れ補正に際して、光軸に垂直な方向の成分を含む方向へ移動し、
前記第2部分群を構成する全てのレンズの屈折率の平均値をN3b_ave、前記第2部分群の焦点距離をf3b、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
1.90<N3b_ave
f3b/f<-0.25
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
1.90<N3b_ave<2.15
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
-0.60<f3b/f<-0.25
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項4】
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記光学系の最も像側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をBFとするとき、
3.8<f1/BF<7.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光学系。
【請求項5】
前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記光学系の最も像側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をBFとするとき、
-5.5<f2/BF<-2.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学系。
【請求項6】
前記第3レンズ群の焦点距離をf3、前記光学系の最も像側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をBFとするとき、
5.0<f3/BF<8.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項7】
前記第2部分群の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をLDis、前記光学系の最も像側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をBFとするとき、
2.5<LDis/BF<6.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学系。
【請求項8】
前記光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をLDとするとき、
LD/f<1.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学系。
【請求項9】
前記光学系の最も像側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をBFとするとき、
BF/f<0.2
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の光学系。
【請求項10】
前記第2レンズ群は、負レンズからなることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の光学系。
【請求項11】
前記第2レンズ群に含まれる前記負レンズの像側のレンズ面は、凹形状であることを特徴とする請求項10に記載の光学系。
【請求項12】
前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に配置された開口絞りを更に有することを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の光学系。
【請求項13】
前記第1部分群は、負レンズと正レンズの接合レンズであることを特徴と請求項1乃至12の何れか一項に記載の光学系。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか一項に記載の光学系と、該光学系によって形成される像を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系に関し、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ、車載カメラ等に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、像振れを補正するための防振群を搭載した望遠タイプの光学系(望遠レンズ)が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-215560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防振群を搭載した望遠レンズは、小型化及び高い防振性能の両立を求められている。特許文献1の防振群を搭載した望遠レンズでは、防振群を像面位置から物体側にやや離れた位置に配置することで防振性能が確保されているが、小型化することは難しい。
【0005】
本発明は、小型化及び高い防振性能を両立させた防振群を搭載した光学系及びそれを有する撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群からなり、フォーカシングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する光学系であって、無限遠物体から最至近物体へのフォーカシングに際して、第1レンズ群及び第3レンズ群は不動であり、第2レンズ群は像側へ移動し、第3レンズ群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1部分群、負の屈折力の第2部分群、正の屈折力の第3部分群からなり、第2部分群は、正レンズと負レンズとを含み、第2部分群は、像振れ補正に際して、光軸に垂直な方向の成分を含む方向へ移動し、第2部分群を構成する全てのレンズの屈折率の平均値をN3b_ave、第2部分群の焦点距離をf3b、光学系の焦点距離をfとするとき、
1.90<N3b_ave
f3b/f<-0.25
なる条件式を満足することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、小型化及び高い防振性能を両立させた防振群を搭載した光学系及びそれを有する撮影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1の光学系の無限遠物体合焦時の断面図である。
図2】(a),(b)実施例1の無限遠物体合焦時及び最至近物体合焦時の収差図である。
図3】実施例2の光学系の無限遠物体合焦時の断面図である。
図4】(a),(b)実施例2の無限遠物体合焦時及び最至近物体合焦時の収差図である。
図5】実施例3の光学系の無限遠物体合焦時の断面図である。
図6】(a),(b)実施例3の無限遠物体合焦時及び最至近物体合焦時の収差図である。
図7】実施例4の光学系の無限遠物体合焦時の断面図である。
図8】(a),(b)実施例4の無限遠物体合焦時及び最至近物体合焦時の収差図である。
図9】撮像装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
図1,3,5,7はそれぞれ、実施例1乃至4の光学系の無限遠物体合焦時の断面図である。各実施例の光学系は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ、車載カメラ等の撮像装置に用いられる光学系である。
【0011】
各断面図において左方が物体側で、右方が像側である。各実施例の光学系は複数のレンズ群を有して構成されている。本願明細書においてレンズ群とは、フォーカシングに際して一体的に移動又は静止するレンズのまとまりである。すなわち、各実施例の光学系では、フォーカシングに際して隣接するレンズ群同士の間隔が変化する。なお、レンズ群は1枚のレンズから構成されていてもよいし、複数のレンズから成っていてもよい。
【0012】
各実施例の光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、開口絞りSP、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3を有する。なお、屈折力とは、光学的パワーであり、焦点距離の逆数で表される。
【0013】
IPは像面であり、各実施例の光学系をデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。各実施例の光学系を銀塩フィルム用カメラの撮影光学系として使用する際には像面IPにはフィルム面に相当する感光面が置かれる。GBは、像面IPの物体側に配置される光学フィルターである。
【0014】
各断面図に示した光軸方向の矢印は、無限遠物体から最至近物体へのフォーカシングに際してのレンズ群(合焦群)の移動方向を表している。各実施例の光学系では、無限遠物体から最至近物体へのフォーカシングに際して、合焦群である第2レンズ群L2は像側へ移動する。また、無限遠物体から最至近物体へのフォーカシングに際して、第1レンズ群L1と第3レンズ群L3は不動である。
【0015】
図2,4,6,8はそれぞれ、実施例1乃至4の光学系の収差図である。各収差図において、(a)は無限遠物体合焦時の収差図、(b)は最至近物体合焦時の収差図である。
【0016】
球面収差図においてFnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図においてSはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図においてd線に対する歪曲収差量を示している。色収差図ではg線における色収差量を示している。ωは撮像半画角(度)である。
【0017】
次に、各実施例の光学系における特徴的な構成について述べる。
【0018】
第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1部分群L3a、負の屈折力の第2部分群L3b、正の屈折力の第3部分群L3cからなる。また、第2部分群L3bを防振群とし、像振れ補正に際して、各断面図に示されるように、第2部分群L3bを光軸に垂直な方向の成分を含む方向へ移動させる。これにより、光学系の振動等に起因する像位置の変動を補正することが可能である。
【0019】
各実施例の光学系は、以下の条件式(1)及び(2)を満足する。
【0020】
1.85<N3b_ave (1)
f3b/f<-0.25 (2)
ここで、N3b_aveは、第2部分群L3bを構成する全てのレンズの屈折率の平均値である。f3bは、第2部分群L3bの焦点距離である。fは、光学系の焦点距離である。
【0021】
条件式(1)は、防振群である第2部分群L3bを構成する全てのレンズの屈折率の平均値を規定している。条件式(1)の下限値を下回ると、第2部分群L3bのペッツバール和が増大することで防振時の像面の倒れが悪化してしまい、防振性能を確保することが難しくなる。
【0022】
条件式(2)は、防振群である第2部分群L3bの焦点距離と光学系の焦点距離との比を規定している。条件式(2)の上限値を上回ると、第2部分群L3bのペッツバール和が増大することで防振時の像面の倒れが悪化してしまい、防振性能を確保することが難しくなる。
【0023】
各実施例の光学系は、上述した構成を有することで、第2部分群L3bのペッツバール和を良好に補正することが可能である。そのため、第2部分群L3bを像面に近づけて配置しても防振性能を確保することが可能であり、小型化及び高い防振性能を両立させた防振群を搭載した光学系を実現することができる。
【0024】
なお、4群以上の構成であっても上述した構成を満足することで同様の効果を得ることが可能である。
【0025】
なお、条件式(1)及び(2)の数値範囲を以下の条件式(1a)及び(2a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0026】
1.87<N3b_ave<2.15 (1a)
-0.60<f3b/f<-0.29 (2a)
条件式(1a)の上限値を上回ると、第2部分群L3の製造が困難になる。条件式(2a)の下限値を下回ると、手振れ補正時の第2部分群L3bの移動量が増え、光学有効径が増大する。
【0027】
また、条件式(1)及び(2)の数値範囲を以下の条件式(1b)及び(2b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0028】
1.90<N3b_ave<2.05 (1b)
-0.56<f3b/f<-0.33 (2b)
次に、各実施例の光学系において、満足することが好ましい構成について述べる。
【0029】
防振群である第2部分群L3bは、正レンズと負レンズとを含むことが好ましい。
【0030】
第2レンズ群L2は、負レンズからなることが好ましい。また、第2レンズ群L2に含まれる負レンズの像側のレンズ面は、凹形状であることが好ましい。
【0031】
第1部分群L3aは、負レンズと正レンズの接合レンズであることが好ましい。
【0032】
次に、各実施例の光学系が満足することが好ましい条件について述べる。各実施例の光学系は、以下の条件式(3)乃至(8)のうち1つ以上を満足することが好ましい。
【0033】
3.8<f1/BF<7.0 (3)
-5.5<f2/BF<-2.5 (4)
5.0<f3/BF<8.5 (5)
2.5<LDis/BF<6.5 (6)
0.0<LD/f<1.5 (7)
0.0<BF/f<0.2 (8)
ここで、f1は、第1レンズ群L1の焦点距離である。BFは、光学系の最も像側のレンズ面から像面までの光軸上の距離(以下、バックフォーカスという)である。f2は、第2レンズ群L2の焦点距離である。f3は、第3レンズ群L3の焦点距離である。LDisは、防振群である第2部分群L3bの最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離である。LDは、光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離(以下、レンズ全長という)である。なお、距離LDis,LDのバックフォーカス分は、空気換算距離である。
【0034】
条件式(3)は、第1レンズ群L1の焦点距離とバックフォーカスとの比を規定している。条件式(3)の下限値を下回ると、第1レンズ群L1の屈折力が大きくなり、レンズ全長の短縮化には有利となるが、球面収差や軸上色収差の補正が難しくなる。条件式(3)の上限値を上回ると、第1レンズ群L1の屈折力が小さくなり、レンズ全長が長くなる。
【0035】
条件式(4)は、合焦群である第2レンズ群L2の焦点距離とバックフォーカスとの比を規定している。条件式(4)の下限値を下回ると、第2レンズ群L2のピント敏感度(合焦群の移動量に対するピントの移動量)が小さくなり、レンズ全長が長くなる。条件式(4)の上限値を上回ると、第2レンズ群L2の屈折力が大きくなることで第2レンズ群L2のピント敏感度が大きくなり、合焦時の光学性能を満足することが難しくなる。
【0036】
条件式(5)は、第3レンズ群L3の焦点距離とバックフォーカスとの比を規定している。条件式(5)の下限値を下回ると、第3レンズ群L3の屈折力が大きくなり、レンズ全長の短縮化には有利となるが、倍率色収差の補正が難しくなる。条件式(5)の上限値を上回ると、第3レンズ群L3の屈折力が小さくなり、レンズ全長が長くなる。
【0037】
条件式(6)は、第2部分群L3bの最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離とバックフォーカスとの比を規定している。条件式(6)の下限値を下回って第2部分群L3bの最も物体側の面から像面までの光軸上の距離が短くなると、防振性能を確保することが難しくなる。条件式(6)の上限値を上回って第2部分群L3bの最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離が長くなると、防振性能を確保することが難しくなる。
【0038】
条件式(7)は、レンズ全長と光学系の焦点距離との比を規定している。条件式(7)を満足することは、所謂中望遠タイプから望遠タイプの光学系であることを意味する。
【0039】
条件式(8)は、バックフォーカスと光学系の焦点距離との比を規定している。条件式(8)の下限値を下回ると、光学部材を配置することが困難になる。条件式(8)の上限値を上回ると、レンズ全長が長くなる。
【0040】
なお、条件式(3)乃至(8)の数値範囲を以下の条件式(3a)乃至(8a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0041】
4.3<f1/BF<6.5 (3a)
-5.0<f2/BF<-3.0 (4a)
5.5<f3/BF<8.0 (5a)
3.0<LDis/BF<5.5 (6a)
0.5<LD/f<1.3 (7a)
0.05<BF/f<0.17 (8a)
また、条件式(3)乃至(8)の数値範囲を以下の条件式(3b)乃至(8b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0042】
4.8<f1/BF<6.0 (3b)
-4.4<f2/BF<-3.4 (4b)
6.0<f3/BF<7.6 (5b)
3.5<LDis/BF<4.5 (6b)
1.0<LD/f<1.15 (7b)
0.10<BF/f<0.14 (8b)
以下に、実施例1乃至4にそれぞれ対応する数値実施例1乃至4を示す。
【0043】
各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表わしている。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のアッベ数を表わしている。なお、ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd,NF,NCとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
で表される。
【0044】
なお、各数値実施例において、d、焦点距離(mm)、Fナンバー、半画角(度)は全て各実施例の光学系が無限遠物体に焦点を合わせたときの値である。「バックフォーカス(BF)」は、レンズ最終面(最も像側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものである。「レンズ全長(LD)」は、光学系の最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。「レンズ群」は、複数のレンズから構成される場合に限らず、1枚のレンズから構成される場合も含むものとする。
【0045】

[数値実施例1]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 76.412 7.34 1.84666 23.8
2 213.413 0.18
3 66.920 8.15 1.49700 81.5
4 229.514 0.51
5 44.701 11.30 1.49700 81.5
6 281.899 1.98 1.77047 29.7
7 33.027 4.18
8 55.707 9.03 1.49700 81.5
9 -100.128 1.58 1.77047 29.7
10 4662.497 2.47
11(絞り) ∞ (可変)
12 1897.391 1.36 1.61800 63.4
13 40.127 (可変)
14 163.663 1.09 1.92286 20.9
15 35.445 5.47 1.80400 46.5
16 -151.559 1.79
17 -456.177 1.66 1.92286 20.9
18 -112.728 0.49
19 -181.567 1.00 1.90043 37.4
20 60.351 1.95
21 46.245 6.03 1.60311 60.6
22 -57.425 1.12 1.85025 30.1
23 795.125 8.37
24 200.726 6.27 2.00069 25.5
25 -51.399 0.24
26 -67.989 1.34 1.70154 41.2
27 26.381 8.87 1.78470 26.3
28 618.647 8.59
29 -34.376 1.35 1.49700 81.5
30 -143.287 15.66
31 ∞ 1.50 1.51633 64.1
32 ∞ 0.80
像面 ∞

焦点距離 130.98
Fナンバー 1.85
半画角(度) 9.38
像高 21.64
レンズ全長 147.99
BF 17.45

無限遠時 至近時
d11 2.47 22.93
d13 24.40 3.94

[数値実施例2]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 76.578 7.36 1.84666 23.8
2 220.228 0.18
3 68.777 7.87 1.49700 81.5
4 233.411 0.20
5 43.359 11.52 1.49700 81.5
6 234.472 1.97 1.77047 29.7
7 32.656 3.99
8 52.867 9.51 1.49700 81.5
9 -92.081 1.55 1.77047 29.7
10 14913.980 2.35
11(絞り) ∞ (可変)
12 -6588.904 1.31 1.61800 63.4
13 37.972 (可変)
14 116.582 1.04 1.92286 20.9
15 37.606 5.88 1.80400 46.5
16 -89.690 1.73
17 -134.294 1.68 1.92286 20.9
18 -69.108 0.27
19 -96.497 0.93 1.91082 35.3
20 46.234 1.91
21 40.954 7.17 1.62299 58.2
22 -28.195 1.10 1.85025 30.1
23 -288.205 8.98
24 194.608 5.20 2.00069 25.5
25 -48.820 0.29
26 -92.179 1.33 1.69680 55.5
27 27.408 6.89 1.78470 26.3
28 139.643 8.44
29 -28.960 1.35 1.49700 81.5
30 -84.097 15.68
31 ∞ 1.50 1.51633 64.1
32 ∞ 0.80
像面 ∞

焦点距離 130.88
Fナンバー 1.85
半画角(度) 9.39
像高 21.64
レンズ全長 143.74
BF 17.48

無限遠時 至近時
d11 2.33 20.36
d13 21.92 3.89

[数値実施例3]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 86.498 6.69 1.92286 20.9
2 235.625 0.20
3 60.577 8.82 1.49700 81.5
4 168.618 0.55
5 52.534 9.97 1.49700 81.5
6 275.648 3.08 1.78472 25.7
7 34.757 2.85
8 46.066 10.13 1.49700 81.5
9 -139.533 2.20 1.80610 33.3
10 -826.909 3.30
11(絞り) ∞ (可変)
12 -5044.109 1.28 1.59349 67.0
13 36.577 (可変)
14 99.290 1.28 1.94594 18.0
15 40.678 4.71 1.65160 58.5
16 -208.565 1.80
17 -235.148 2.58 1.94594 18.0
18 -56.256 0.95
19 -61.190 1.16 2.00100 29.1
20 73.431 2.00
21 44.132 8.83 1.80400 46.5
22 -36.777 1.40 1.80000 29.8
23 62.842 4.54
24 51.842 7.88 1.80518 25.5
25 -72.292 0.20
26 -157.559 1.72 1.49700 81.5
27 38.035 3.34
28 48.774 3.41 1.92286 20.9
29 115.741 11.05
30 -26.930 1.64 1.62299 58.2
31 -46.796 13.00
32 ∞ 1.50 1.51633 64.1
33 ∞ 0.80
像面 ∞

焦点距離 131.00
Fナンバー 1.85
半画角(度) 9.38
像高 21.64
レンズ全長 147.99
BF 14.79

無限遠時 至近時
d11 3.05 20.04
d13 22.60 5.61

[数値実施例4]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 82.715 6.98 1.84666 23.8
2 245.193 0.35
3 62.217 9.16 1.49700 81.5
4 223.597 0.55
5 56.551 10.42 1.49700 81.5
6 799.841 3.59 1.77047 29.7
7 33.661 1.89
8 40.413 10.28 1.49700 81.5
9 -185.049 1.90 1.77047 29.7
10 798.092 3.38
11(絞り) ∞ (可変)
12 ∞ 1.35 1.61800 63.4
13 38.615 (可変)
14 157.599 1.25 1.92286 20.9
15 47.803 4.60 1.80400 46.5
16 -142.411 1.80
17 -295.214 2.08 1.92286 20.9
18 -73.431 0.97
19 -88.195 1.00 1.91082 35.3
20 54.928 3.89
21 40.006 9.01 1.60311 60.6
22 -50.592 1.50 1.84666 23.8
23 797.299 4.02
24 197.831 6.50 2.00069 25.5
25 -52.908 1.50
26 -59.824 1.60 1.65844 50.9
27 31.679 7.95 1.80518 25.5
28 207.181 8.55
29 -28.564 1.60 1.58913 61.1
30 -50.386 12.63
31 ∞ 1.50 1.51633 64.1
32 ∞ 0.80
像面 ∞

焦点距離 130.95
Fナンバー 1.86
半画角(度) 9.38
像高 21.64
レンズ全長 148.55
BF 14.42

無限遠時 至近時
d11 2.45 20.66
d13 24.03 5.82

各数値実施例における種々の値を、以下の表1にまとめて示す。
【0046】
【表1】
【0047】
[撮像装置]
次に、各実施例の光学系を用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例について、図9を用いて説明する。図9において、10はカメラ本体、11は実施例1乃至4で説明した何れかの光学系である。12はカメラ本体に内蔵され、光学系11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体10はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでもよいし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでもよい。
【0048】
このように各実施例の光学系をデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、レンズが小型である撮像装置を得ることができる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L3a 第1部分群
L3b 第2部分群
L3c 第3部分群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9