(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】改良された保管および取り出しシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240902BHJP
B65G 1/06 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/06 M
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022122062
(22)【出願日】2022-07-29
(62)【分割の表示】P 2020568299の分割
【原出願日】2019-06-10
【審査請求日】2022-08-25
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/CA2019/050404
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CA
(73)【特許権者】
【識別番号】520440490
【氏名又は名称】アタボティックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ATTABOTICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】スコット グラヴェレ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ウィンストン ホープ
(72)【発明者】
【氏名】ダリン ロシュー
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/172793(WO,A1)
【文献】特表2016-525053(JP,A)
【文献】特開2015-087964(JP,A)
【文献】特開2015-157687(JP,A)
【文献】特開昭62-222901(JP,A)
【文献】国際公開第2018/033426(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の保管/取り出し車両と、
二次元領域を占有し前記1つ以上の保管/取り出し車両が前記二次元領域上で2方向に運搬可能であるグリッド状軌道レイアウト、
前記グリッド状軌道レイアウトの上方または下方に存在し、前記グリッド状軌道レイアウトの二次元領域内に分布した、複数の保管コラムであって、互いに重なり合うように配置された複数の保管場所を備える前記複数の保管コラムの各保管コラムはそれぞれその中の保管ユニットの配置および保管に対応できるサイズである、複数の保管コラム、および
前記グリッド状軌道レイアウトの上方または下方に、前記グリッド状軌道レイアウトの前記二次元領域内に分布して存在する、複数の直立シャフトであって、前記保管コラムの前記保管場所を通る前記直立シャフトのそれぞれの1つに隣接している各保管コラムは、前記保管コラムの前記保管場所にまたは前記保管場所から保管ユニットを配置または取り外しするために1つ以上の保管/取り出し車両によってアクセス可能である、複数の直立シャフト、を備える、グリッド状三次元構造と、
検出可能マーカのセットおよび前記検出可能マーカを検出するように動作可能なセンサのセットであって、ここで前記検出可能マーカまたは前記センサのいずれか1つは、グリッド状三次元構造内において直立シャフトの上方にあるまたは下方にあるグリッド状軌道レイアウトのスポットで支持され、前記検出可能マーカまたは前記センサの第2のいずれかが前記保管
/取り出し車両に搭載されている、検出可能マーカのセットおよびセンサのセットと、を備え
る保管システムであって、
ここで、前記保管/取り出し車両のいずれか1つが、前記保管/取り出し車両の1つが定められた、対象シャフトの上方または下方に位置するそれぞれの場所に到着する間、センサによるそれぞれのマーカの検出を使用して、前記保管/取り出し車両を前記グリッド状軌道レイアウトから対象シャフトに移行させる前に前記保管/取り出し車両の対象シャフトと位置合わせをチェック及び調整する、
各センサは、前記検出可能マーカのサイズを超える視野を有する画像キャプチャデバイスを備え、前記検出可能マーカが対象シャフトを有する前記保管/取り出し車両の適切な位置合わせの下に存在すると予期される所定の位置を包含することを意図し、
前記保管システムはさらに、視野内の前記それぞれのマーカの位置とそれぞれのマーカが予期される視野の所定のサブ領域との間の一致をチェックするように構成され、それにより、前記一致は、対象シャフトに対する保管/取り出し車両の適切な位置合わせを示す、保管システム。
【請求項2】
前記検出可能マーカは、前記グリッド状三次元構造内で前記グリッド状軌道レイアウトの前記スポットにおいてまたはその付近において静的に支持され、前記センサは、前記保管/取り出し車両に搭載される、請求項1に記載の保管システム。
【請求項3】
前記保管システムは、前記保管/取り出し車両が前記対象シャフトの下または上にあるそれぞれのスポットに向かって移動する間に、前記移動中に前記保管/取り出し車両が通過する前記グリッド状三次元構造内のそれぞれの他のスポットに位置する追加の検出可能マーカをスキャンするように構成され、および前記保管システムは、前記スキャンの結果に基づいて前記保管/取り出し車両が動作している移動指示を動的に調整して対象シャフトの下または上にあるそれぞれのスポットを正確に対象にするように、さらに構成される、請求項1に記載の保管システム。
【請求項4】
グリッド状三次元構造における1つ以上の保管/取り出し車両の位置決めを制御する方法であって、前記1つ以上の保管/取り出し車両は、グリッド状軌道レイアウト上の二次元においておよびその直立軸が前記グリッド状軌道レイアウトと交差する直立シャフトを通して第3の次元において運搬可能であり、
(a)グリッド状軌道レイアウトのスポットにおいてグリッド状三次元構造で支持されている検出可能マーカのセットまたはセンサのセットのいずれかの第1のものを直立シャフトの上方または下方に位置させ、検出可能マーカのセットまたは前記センサのセットのいずれかの第2のものを前記保管/取り出し車両に搭載させ、ここで、前記センサは、前記検出可能マーカを検出するように動作可能である、ステップと、
(b)前記保管/取り出し車両の1つが、定められている対象シャフトの上方または下方のそれぞれの場所に到着する間、保管/取り出し車両のいずれか1つは、
前記検出可能マーカを含む視野からデジタル画像をキャプチャすることによって検出可能マーカの1つを検出するためにセンサの1つを使用する、ステップと、
(c)前記センサの1つによる
検出可能マーカの検出を使用して、
前記対象シャフトに対する前記保管/取り出し車両の適切な位置合わせを示す、前記視野内の前記検出可能マーカの位置と前記検出可能マーカが予期される前記視野の所定のサブ領域との間の一致をチェックし、前記保管/取り出し車両の前記グリッド状軌道レイアウトから
前記対象シャフトへの移行を試みる前に、前記保管/取り出し車両と
前記対象シャフトとの位置合わせを調査及び調整する、ステップと、を含む、方法。
【請求項5】
前記検出可能マーカは、前記グリッド状軌道レイアウトの前記スポットでまたはその付近で前記グリッド状三次元構造内において静的に支持され、前記センサは、前記保管/取り出し車両に搭載される、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記保管/取り出し車両が前記対象シャフトの下または上にあるスポットに向かって移動する間に、前記保管/取り出し車両が前記移動中に通過する他のスポットでまたはその付近でグリッド状三次元構造内に位置する追加の検出可能マーカをスキャンするステップと、前記スキャンの結果を使用して前記保管/取り出し車両が動作している移動指示を動的に調整して対象シャフトの下または上にあるそれぞれのスポットをより正確に対象にするステップと、をさらに含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項7】
前記
グリッド状三次元構造はさらに、
1台以上の保管/取り出し車両が運搬可能で、上方に前記複数の保管コラムが存在する下部軌道レイアウトを備え、
前記複数の保管コラムの各コラムが互いに重なり合うように配置された前記複数の保管場所を備え、それぞれがその中の保管ユニットの配置および保管に対応するようにサイズが設定され、前記保管ユニットを前記保管コラムの前記保管場所にまたは前記保管場所から配置または取り外しするために、前記1つ以上の保管/取り出し車両によってアクセス可能で、
前記下部軌道レイアウトは、前記1つ以上の保管/取り出し車両が前記下部軌道レイアウトから上方に移動する前記下部軌道レイアウトの出発スポットと、前記1つ以上の保管/取り出し車両のうちのいずれか1つを前記下部軌道レイアウトから上方に持ち上げるように動作可能であるそれぞれのリフト機構と、を備える、請求項1に記載の保管システム。
【請求項8】
前記
グリッド状三次元構造は、前記下部軌道レイアウトの出発スポットから上向きに延びる直立
フレーム部材を備え、前記直立フレーム部材は、前記保管/取り出し車両によって上向きに横断可能で、
前記直立フレーム部材は駆動要素をさらに備え、前記保管/取り出し車両は、前記保管/取り出し車両を前記直立フレーム部材に沿って上方に搬送する、前記駆動要素と係合可能な協働駆動部材をその上に備え、各直立フレーム部材の前記駆動要素は、前記下部軌道レイアウトの上方の高い位置で終端し、各スポットのそれぞれの前記リフト機構は、前記保管/取り出し車両の1つを、前記
協働駆動部材が前記駆動要素と係合する前記の高い位置に持ち上げるように動作可能である、請求項
7に記載の保管システム。
【請求項9】
前記駆動要素はラック歯を備え、前記
協働駆動部材は回転可能に駆動されるピニオンホイールを備える、請求項
8に記載の保管システム。
【請求項10】
前記下部軌道レイアウトは、二次元領域にわたって1つ以上の前記保管/取り出し車両が2方向に搬送可能である前記二次元領域を占め
るグリッド状下部軌道レイアウトである、請求項
7に記載の保管システム。
【請求項11】
請求項1に記載の1つ以上の保管/取り出し車両であって、前記1つ以上の保管/取り出し車両の各々は、保管ユニットのうちの1つの下側と同様のサイズおよび形状の着地領域と、前記着地領域の外周に近接して位置する荷重状態センサのセットと、を備え、これにより、前記荷重状態センサのすべてによる前記1つの保管ユニットの下側の検出は、対応する保管/取り出し車両のプラットフォーム上の1つの保管ユニットに完全に積み込まれ適切に位置合わせされた状態を確証し、一方、前記荷重状態センサのサブセットのみによる保管コンテナの1つの下側の検出は、前記プラットフォーム上の前記1つの保管ユニットの部分的に積み込まれまたは不適切に位置合わせされた状態を示す、保管/取り出し車両。
【請求項12】
前記荷重状態センサは光学センサである、請求項
11に記載の1つ以上の保管/取り出し車両。
【請求項13】
請求項1に記載の保管システムであって、
少なくとも1つの作業ステーションを備え、
前記保管場所から取り外しされ前記グリッド状軌道レイアウトに運ばれるアイテムが、前記グリッド状軌道レイアウトに沿って前記少なくとも1つの作業ステーションの入口まで前記保管/取り出し車両を移動させることによって配送可能で、
前記保管/取り出し車両のグループに、注文を履行するために必要な特定のアイテムの集合を取得させ、取り出されたアイテムを前記グリッド状軌道レイアウトに運搬し、さらに前記作業ステーションの入口に運ぶステップ、
前記作業ステーションで、アイテムの特定の集合をまとめて完全または部分的に履行された注文を形成
することを可能とし、前記完全または部分的に履行された注文をコンテナに入れるステップ、ならびに
前記作業ステーションで前記コンテナが前記保管/取り出し車両の1つに積み込まれた状態で、前記保管/取り出し車両の1つを前記保管場所の1つに移動させ、前記コンテナを前記保管場所の1つに預け入れ、それによって、後でさらに完了または出荷するために、完全にまたは部分的に履行された注文を保管するステップ、を実行するようにさらに構成される、保管システム。
【請求項14】
前記注文は完全に履行された注文であり、前
記コンテナは、前記保管システムからのその後の取り出し時に出荷の準備ができている完全に密封されラベル付けされた出荷コンテナである、請求項
13に記載の保管システム。
【請求項15】
前記保管場所に配置された前記アイテムは、前記保管ユニットに含まれ、前記保管/取り出し車両のグループは、アイテムの特定の集合を含む保管ユニットの特定の集合を取り出し、前記保管ユニットの特定の集合を前記作業ステーションの前記入口へ配送する、請求項
13に記載の保管システム。
【請求項16】
前記保管/取り出し車両のグループは、前記特定のアイテムの集合を、前記保管ユニットの前記特定の集合の少なくとも一部から取り外しすることを含む、請求項
15に記載の保管システム。
【請求項17】
コンテナを出荷するための仕分け/バッファシステムであって、
前記保管/取り出し車両の各々が出荷コンテナを選択的に運搬するための積込領域を含み、
前記保管/取り出し車両の各々は、その中に出荷コンテナの配置および保管に対応するサイズで、
前記保管場所は、前記保管コラムの前記保管場所へまたは前記保管場所から出荷コンテナを配置または取り外しするために、前記グリッド状三次元構造の前記グリッド状軌道レイアウトを通り抜ける前記1つ以上の保管/取り出し車両によってアクセスされ、
前記保管システムは、
到着出荷コンテナが前記グリッド状三次元構造に積み込まれる1つ以上の取り込みステーションと、
出て行く出荷コンテナが前記グリッド状三次元構造から積み込まれる1つ以上の出力ステーションとをさらに備え、前記取り込みステーションおよび前記出力ステーションは、それらの異なるレベルで前記グリッド状三次元構造を提供する、
請求項1に記載の保管システム。
【請求項18】
前記グリッド状軌道レイアウトは、その下方に前記保管コラムおよび直立シャフトが存在する前記グリッド状三次元構造の上部レベルに位置する上部軌道レイアウトであり、前記保管システムは、その上に前記保管コラムおよび直立シャフトが存在する前記グリッド状三次元構造の下部レベルに位置する下部軌道レイアウトをさらに備え、前記取り込みステーションおよび出力ステーションはそれぞれ、前記グリッド状三次元構造の前記上
部レベルまたは前記下
部レベルのいずれかひとつと異なものを提供する、請求項
17に記載の保管システム。
【請求項19】
前記取り込みステーションは、前記上部軌道レイアウトを提供し、前記出力ステーションは前記グリッド状三次元構造の前記下
部レベルを提供する、請求項
18に記載の保管システム。
【請求項20】
前記取り込みステーションは、前記グリッド状三次元構造のそれぞれのレベルで乗り込むときに、前記保管/取り出し車両の積込領域によって占められる上部基準面と同等またはそれ以上の高さに位置するその出口端部を有する取り込みコンベヤを備え、これにより、前記取り込みステーションの出口端は、前記グリッド状三次元構造の前記それぞれのレベルに乗り入れるときに、到着出荷コンテナを前記保管/取り出し車両の前記
積込領域に供給するように配置される、請求項
18に記載の保管システム。
【請求項21】
前記出力ステーションは、前記グリッド状三次元構造のそれぞれのレベルに乗り入れるときに前記保管/取り出し車両の積込領域によって占められるより低い基準面と同じかそれより低い高さに位置するその入口端部を有する出力コンベヤを備え、これにより、前記出力ステーションの前記入口端
部は、前記グリッド状三次元構造のそれぞれのレベルに乗り入れるときに、前記保管/取り出し車両の積込領域から出て行く出荷コンテナを受け入れるように配置される、請求項
18に記載の保管システム。
【請求項22】
在庫保管システムが、前記保管システムに対して上流に前記保管システムと同じ施設に配置され、前記保管システムに前記在庫保管システムから選び取られるアイテムを含む前記到着出荷コンテナを供給する、請求項
18に記載のシステム。
【請求項23】
異なる時間に、それぞれ
が目的地施設に向けられた注文全体の部分的構成要素を形成し、そのうちの少なくとも2つの前記出荷コンテナが前記目的地施設の異なるサブ地域に向けられたアイテムを含む複数の出荷コンテナを受け取るステップと、
前記複数の出荷コンテナのうち、1つ以上の最初に受け取った出荷コンテナを、バッファ/仕分けシステムのグリッド状三次元構造のそれぞれの保管場所内に、前記出荷コンテナの後続の残りが受け取られるかまたは前記保管システムに接近するまで一時的に保管するステップと、
一度のみ前記出荷コンテナの前記後続の残りが受け取られるか、または前記保管システムに接近し、前記保管/取り出し車両の少なくとも1つを使用して、前記保管の前記グリッド状三次元構造内から前記1つ以上の最初に受け取られた出荷コンテナを取り出しするステップと、
前記最初に受け取った出荷コンテナおよびその後の前記出荷コンテナの残りを、前記目的地施設に配送するための単一の出荷にまとめるステップと、によって空間が異なる識別可能なサブ領域に分割されている送り先施設への配達のための全体的な注文をまとめるように構成される、請求項
18に記載の保管システム。
【請求項24】
前記視野内の前記マーカの位置と前記マーカが予期される前記視野の所定のサブ領域との間の一致をチェックすることは、前記視野内のマーカの前記位置と、それらの間の不一致の場合の前記視野の所定のサブ領域との間のオフセットを測定することと、測定されたオフセットに比例す
る修正駆動信号を使用して、修正方向に前記保管/取り出し車両を搬送するための駆動源を作動させることと、をさらに含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項25】
前記保管/取り出し車両の前記適切な位置合わせを再チェックするために、前記修正駆動信号の適用後に前記オフセットを再測定することをさらに含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
各々がローカルプロセッサを備え、前記ローカルプロセッサは前記保管ユニット
のうちの一を前
記保管/取り出し車両
のうちの一に引っ張る積込ルーチンの一部として
前記保管/取り出し車両
のうちの一の荷重状態センサのセット内のすべての荷重状態センサの状態をチェックするように、およびそこから前記荷重状態センサのすべてまたはその部分的なサブセットのみが正の検出信号を有するかどうかを決定するように構成されている、請求項
11に記載の保管/取り出し車両。
【請求項27】
前記保管/取り出し車両
のうちの一への保管ユニットの適切な積込を確認することをさらに含み、前
記保管/取り出し車両
のうちの一への
前記保管ユニットの適切な積込を確認することは、
保管ユニットをロボット保管/取り出し車両に引き込む積み込みルーチンの一部として、前
記保管/取り出し車両へ保管ユニットを引き込み、
前記ロボット保管/取り出し車両のローカルプロセッサを使用して、前記ロボット保管/取り出し車両の着地領域の外周に近接する位置に配置された複数の荷重状態センサのそれぞれの状態チェックを実行し、
前記状態チェックから、前記荷重状態センサのすべてまたは
前記荷重状態センサの部分サブセットのみが正の検出信号を有するかどうかを測定し、これにより前記荷重状態センサのすべてからの正の検出信号のフルセットは前記保管ユニットが完全に積み込まれ適切に位置合わせされた状態を確証し、荷重状態信号の前記部分
サブセットのみからの正の検出信号の部分サブセットは前記保管ユニットが部分的に積み込まれまたは不適切な整列状態であることを明らかにすること、を含む、請求項
4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年4月3日に出願されたPCT出願No.PCT/CA2019/
050404の一部継続出願であり、これは米国特許法第119条(e)の下で、201
8年6月8日に出願された米国仮特許出願第62/682,691号および2018年1
1月22日に出願された米国仮特許出願第62/770,788号に基づく優先権を主張
する。前述の3つの出願全ての全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般に、注文履行環境で有用な自動保管および取り出しシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
全体を参照により本明細書に援用する、国際公開第2016/172793号(WO2
016/172793)として公開された出願人の以前のPCT出願は、ロボット保管/
取り出し車両の群が、それぞれの容器または他の保管ユニットが保管されている保管場所
の三次元配列をナビゲートする三次元保管グリッド構造を用いる、グッズ・トゥ・マン(
goods-to-man)の保管および取り出しシステムを開示した。保管/取り出し
車両は、保管場所の三次元配列の上に配置されたグリッド状上部軌道レイアウトと、保管
場所の配列の下の地面高さに配置されたグリッド状下部軌道レイアウトの両方において、
二次元で水平移動する。同一の保管/取り出し車両もまた、上部と下部との軌道レイアウ
トを結合する垂直直立シャフトを介して、第3の垂直次元で構造を横断する。保管場所の
各コラムは、これらの直立シャフトの1つに隣接しているため、グリッド内の各保管場所
およびすべての保管場所は保管/取り出し車両から直接アクセス可能である。
【0004】
継続的な開発は、システム設計の多くの改善とそのための新しいアプリケーションをも
たらした。その詳細は以下の開示からより明らかとなる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、
1つ以上の保管/取り出し車両と、
二次元領域を占有し当該1つ以上の保管/取り出し車両が当該二次元領域上で2方向
に運搬可能であるグリッド状下部軌道レイアウト、および
当該グリッド状下部軌道レイアウトの上方に存在し当該下部軌道レイアウトの当該二
次元領域に分布した複数の保管コラムであって、互いに重なり合うように配置された複数
の保管場所を備える各コラムは、それぞれその中の保管ユニットの配置および保管に対応
できるサイズであり、当該保管ユニットを当該保管コラムの当該保管場所にまたは当該保
管場所から配置または取り外しするために1つ以上の保管/取り出し車両によってそれぞ
れアクセス可能である、複数の保管コラム、
を備える三次元構造と、
当該三次元構造に沿っておよび当該保管コラムが分布している当該下部軌道レイアウト
の当該二次元領域の外側に存在する少なくとも1つの作業ステーションであって、その延
長軌道によって当該グリッド状下部軌道レイアウトにリンクされている当該作業ステーシ
ョンは、当該1つ以上の保管/取り出し車両によって当該作業ステーションと当該下部軌
道レイアウトとの間で運搬可能であり、それによって当該保管場所と当該作業ステーショ
ンとの間の当該保管ユニットの運搬は当該1つ以上の保管/取り出し車両によって完全に
実行可能である、少なくとも1つの作業ステーションと、
を備える、保管システムが提供される。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、
1つ以上の保管/取り出し車両と、
二次元領域を占有し、当該1つ以上の保管/取り出し車両が当該二次元領域上で2方
向に運搬可能である、グリッド状軌道レイアウトおよび
グリッド状軌道レイアウトの上方または下方に存在し、当該軌道レイアウトの二次元
領域全体にわたって分布した、複数の保管コラムであって、互いに重なり合うように配置
された複数の保管場所を備える各コラムは、それぞれその中の保管ユニットの配置および
保管に対応できるサイズであり、当該保管ユニットを当該保管コラムの当該保管場所にま
たは当該保管場所から配置または取り外しするために1つ以上の保管/取り出し車両によ
ってそれぞれアクセス可能である、複数の保管コラム、
を備える三次元構造と、
保管コラムがその中に分布している軌道レイアウトの当該二次元領域の外側にある少な
くとも1つの作業ステーションと、
を備え、
ここで、少なくとも1つの作業ステーションと三次元構造内の保管場所との間の保管ユ
ニットの運搬は、当該1つ以上の保管/取り出し車両によって単独で実行される、
保管システムが提供される。
【0007】
本発明の第3の態様によれば、
1つ以上の保管/取り出し車両と、
その中の保管ユニットの配置および保管に対応するようにサイズを定めた保管場所の三
次元配列を備える三次元構造と、
保管場所から選択された保管ユニットが当該1つ以上の保管/取り出し車両によって運
搬可能である少なくとも1つの作業ステーションと、を備え、
ここで、各作業ステーションは、それを通して当該1つ以上の保管/取り出し車両が運
搬可能である囲いと、当該車両が作業ステーションの当該アクセス開口部に到達するとき
に保管/取り出し車両の1つに搭載された保管ユニットがアクセス可能である当該囲い内
のアクセス開口部と、を備える、
保管システムが提供される。
【0008】
本発明の第4の態様によれば、グッズ・トゥ・パーソン(goods-to-pers
on)の履行システムのための作業ステーションが提供され、当該作業ステーションは、
当該作業ステーションの使用中に取り出された保管ユニットが運ばれる規定経路と、
当該規定経路の周囲に少なくとも部分的に広がる囲いと、
規定経路に沿って運ばれる所定の保管ユニットが、当該アクセス開口部に到着したとき
にアクセス可能である、当該囲いを通るアクセス開口部と、
当該アクセス開口部での作業者の手の挿入を検出するように動作可能な感知機構と、
を備える。
【0009】
本発明の第5の態様によれば、
1つ以上の保管/取り出し車両と、
二次元領域を占有し当該1つ以上の保管/取り出し車両が当該二次元領域上で2方向
に運搬可能であるグリッド状軌道レイアウト、
グリッド状軌道レイアウトの上方または下方に存在し、当該軌道レイアウトの二次元
領域内に分布した、複数の保管コラムであって、互いに重なり合うように配置された複数
の保管場所を備える各コラムはそれぞれその中の保管ユニットの配置および保管に対応で
きるサイズである、複数の保管コラム、
グリッド状軌道レイアウトの上方または下方に存在し、当該軌道レイアウトの二次元
領域内に分布した、複数の直立シャフトであって、当該保管コラムの保管場所を通る直立
シャフトのそれぞれの1つに隣接している各保管コラムは、当該保管コラムの当該保管場
所にまたは当該保管場所から保管ユニットを配置または取り外しするために1つ以上の保
管/取り出し車両によってアクセス可能である、複数の直立シャフト、および
検出可能マーカのセットおよび当該検出可能マーカを検出するように動作可能なセンサ
のセットであって、ここで当該検出可能マーカまたは当該センサのいずれか1つは、グリ
ッド状三次元構造内において直立シャフトの上方にあるまたは下方にあるグリッド状軌道
レイアウトのスポットでまたはその付近のスポットで支持され、当該検出可能マーカまた
は当該センサの第2のいずれかが当該保管取り出し車両に搭載されている、検出可能マー
カのセットおよびセンサのセット、
を備える、グリッド状三次元構造と、を備え、
ここで、当該保管/取り出し車両のいずれか1つが、当該保管/取り出し車両の1つが
定められた、対象シャフトの上方または下方に位置するそれぞれの場所に到着する間、セ
ンサによるそれぞれのマーカの検出を使用して、必要に応じて当該保管/取り出し車両を
当該グリッド状軌道レイアウトから対象シャフトに移行させる前に当該保管/取り出し車
両の対象シャフトと位置合わせをチェックし、必要に応じて調整する、
保管システムが提供される。
【0010】
本発明の第6の態様によれば、グリッド状三次元構造における1つ以上の保管/取り出
し車両の位置決めを制御する方法であって、その方法における当該1つ以上の保管/取り
出し車両は、グリッド状軌道レイアウト上の二次元において、およびその直立軸が当該グ
リッド状軌道レイアウトと交差する直立シャフトを通して第3の次元において、運搬可能
である方法を提供し、当該方法は、
(a)グリッド状軌道レイアウトにおいてまたはその近くのスポットにおいてグリッド
状三次元構造で支持されている検出可能マーカのセットまたはセンサのセットのいずれか
の第1のものを直立シャフトの上方または下方に位置させ、検出可能マーカのセットまた
は当該センサのセットのいずれかの第2のものを当該保管/取り出し車両に搭載させ、こ
こで、当該センサは、当該検出可能マーカを検出するように動作可能である、ステップと
、
(b)当該保管/取り出し車両の1つが、定められている対象シャフトの上方または下
方のそれぞれの場所に到着する間、保管/取り出し車両のいずれか1つは、検出可能マー
カの1つを検出するためにセンサの1つを使用する、ステップと、
(c)当該センサの1つによるマーカの検出を使用して、当該保管/取り出し車両の当
該グリッド状軌道レイアウトから対象シャフトへの移行を試みる前に、当該保管/取り出
し車両と対象シャフトとの位置合わせを調査し、必要に応じて調整する、ステップと、
を含む。
【0011】
本発明の第7の態様によれば、
1つ以上の保管/取り出し車両と、
1台以上の保管/取り出し車両が運搬可能である下部軌道レイアウトおよび
下部軌道レイアウトの上方に存在する複数の保管コラムであって、各コラムが互いに
重なり合うように配置された複数の保管場所を備え、それぞれがその中の保管ユニットの
配置および保管に対応するようにサイズが設定され、保管ユニットを当該保管コラムの当
該保管場所にまたは当該保管場所から配置または取り外しするために、それぞれが1つ以
上の保管/取り出し車両によってアクセス可能である、複数の保管コラム、
を備える三次元構造と、
保管/取り出し車両が下部軌道レイアウトから上方に移動する下部軌道レイアウトの出
発スポットにおいて、いずれか1つの保管/取り出し車両を下部軌道レイアウトから上方
に持ち上げるように動作可能であるそれぞれのリフト機構と、
を備える保管システムが提供される。
【0012】
本発明の第8の態様によれば、自動保管システムにおいて保管ユニットを運搬するため
の保管/取り出し車両が提供され、当該保管/取り出し車両は、保管ユニットのうちの1
つの下側と同様のサイズおよび形状の着地領域を有する上部プラットフォームと、当該着
地領域の外周に近接して位置する荷重状態センサのセットと、を備え、これにより、当該
荷重状態センサのすべてによる当該1つの保管ユニットの下側の検出は、当該プラットフ
ォーム上の当該1つの保管ユニットに完全に積み込まれ適切に位置合わせされた状態を確
証し、一方、当該荷重状態センサのサブセットのみによる保管コンテナの1つの下側の検
出は、当該プラットフォーム上の当該1つの保管ユニットの部分的に積み込まれまたは不
適切に位置合わせされた状態を示す。
【0013】
本発明の第9の態様によれば、取り出された保管ユニットを保管システムから作業ステ
ーションの入口または取り込みポイントへ順序付けられた方法で提供する方法が提供され
、当該方法は、
(a)二次元領域を占有し、その上で1つ以上の保管/取り出し車両が当該二次元領域
上で2方向に運搬可能であるグリッド状軌道レイアウト、および
グリッド状軌道レイアウトの上方または下方に存在し、当該軌道レイアウトの二次元
領域内に分布した複数の保管コラムであって、各コラムは、その中の保管ユニットの配置
および保管に対応するサイズで互いに重なり合うように配置された複数の保管場所を備え
、それぞれが当該保管コラムの当該保管場所にまたは当該保管場所から保管ユニットを配
置または取り外しするために、1つ以上の保管/取り出し車両によってアクセス可能であ
る、複数の保管コラム、
を備える三次元構造を有するステップと、
(b)保管/取り出し車両に、それぞれの保管場所から作業ステーションへの配送用に
指定されたそれぞれの保管ユニットを取り出しさせるステップと、
(c)当該三次元構造内で、取り出された保管ユニットの作業ステーションの入口また
は取り込みポイントへの順序付けられた配送を調整するステップと、
を含む。
【0014】
本発明の第10の態様によれば、
二次元領域を占有し、その上で1つ以上の保管/取り出し車両が当該二次元領域上で
2方向に運搬可能であるグリッド状軌道レイアウトおよび
グリッド状軌道レイアウトの上方または下方に存在し、当該軌道レイアウトの二次元
領域内に分布した複数の保管コラムであって、互いに重なり合うように配置された複数の
保管場所を備える各コラムは、それぞれその中の保管ユニットの配置および保管に対応す
るサイズであり、保管ユニットを当該保管コラムの当該保管場所にまたは当該保管場所か
ら配置または取り外しするために、1つ以上の保管/取り出し車両によってそれぞれアク
セス可能である、複数の保管コラム、
を備える三次元構造と、
軌道の二次元領域の外側に存在し、作業ステーションの入口または取り込みポイントに
配送された保管ユニットを受け取るアクセスポイントを有する少なくとも1つの作業ステ
ーションと、
三次元グリッド構造から作業ステーションへの保管ユニットグループの順序付けられた
配送をとりまとめるように構成され、
(a)複数の保管/取り出し車両に、それぞれの保管場所から保管ユニットを取り出
しするように指示する信号を生成および送信すること、および
(b)複数の保管/取り出し車両に、特定の順序において作業ステーションの入口ま
たは取り込みポイントへの保管/取り出し車両の到着を調整する方法でグリッド状三次元
構造をナビゲートするように指示する信号を生成および送信すること、
を含む、少なくとも1つのプロセッサと、
を備える、保管システムが提供される。
【0015】
本発明の第11の態様によれば、注文出荷を準備およびバッファする方法が提供され、
当該方法は、
(a)複数の保管/取り出し車両と、
二次元領域を占有し、その上で保管/取り出し車両が当該二次元領域上で2方向に運
搬可能であるグリッド状軌道レイアウトおよび
グリッド状軌道レイアウトの上方または下方に存在し、当該軌道レイアウトの二次元
領域内に分布した複数の保管コラムであって、互いに重なり合うように配置された複数の
保管場所を備える各コラムは、その中の1つ以上のアイテムの配置および保管に対応する
サイズであり、それぞれがアイテムを当該保管コラムの当該保管場所にまたは当該保管場
所から配置または取り外しするために1つ以上の保管/取り出し車両によってアクセス可
能である、複数の保管コラム、
を備える三次元構造と、
保管場所から取り外しされグリッド状軌道レイアウトに運ばれるアイテムが、当該グリ
ッド状軌道レイアウトに沿って当該作業ステーションの入口まで保管/取り出し車両を移
動させることによって配送可能である少なくとも1つの作業ステーションと、
を備える、グリッド状三次元保管システムを有するステップ、
(b)保管/取り出し車両のグループに、注文を履行するために必要な特定のアイテム
の集合を取得させ、取り出されたアイテムをグリッド状軌道レイアウトに運搬し、さらに
作業ステーションの入口に運ぶステップ、
(c)作業ステーションで、アイテムの特定の集合をまとめて完全または部分的に履行
された注文を形成し、当該完全または部分的に履行された注文をコンテナに入れるステッ
プ、ならびに
(d)作業ステーションで当該コンテナが保管/取り出し車両の1つに積み込まれた状
態で、当該保管/取り出し車両の1つを保管場所の1つに移動させ、当該コンテナを当該
保管場所の1つに預け入れ、それによって、後でさらに完了または出荷するために、完全
にまたは部分的に履行された注文を保管するステップ、
を含む。
【0016】
本発明の第12の態様によれば、コンテナを出荷するための仕分け/バッファシステム
が提供され、当該システムは、
当該保管/取り出し車両が出荷コンテナを選択的に運搬するように配置される積込領域
をそれぞれが有する1つ以上の保管/取り出し車両と、
二次元フットプリントを占有し、その上で1つ以上の保管/取り出し車両が当該二次
元領域上部の2方向に運搬可能であるグリッド状軌道レイアウト、
グリッド状軌道レイアウトの上方または下方に、当該軌道レイアウトの二次元フット
プリント内に離間した分布で存在する複数の保管コラムであって、各コラムは、互いに重
なり合うように配置されその中に出荷コンテナの配置および保管に対応するサイズの複数
の保管場所を備える、複数の保管コラム、および
グリッド状軌道レイアウトの上方または下方に当該軌道レイアウトの二次元フットプ
リント内に離間した分布で存在し、1つ以上の保管/取り出し車両がそこを通って第3の
次元で当該グリッド状軌道レイアウトに出入りすることができる、複数の直立シャフトで
あって、当該保管コラムの当該保管場所を介して直立シャフトのそれぞれ1つに隣接して
いる各保管コラムは、当該保管コラムの当該保管場所へまたは当該保管場所から出荷コン
テナを配置または取り外しするために1つ以上の保管/取り出し車両によってアクセスで
きる、複数の直立シャフト、
を備える、グリッド状三次元構造と、
を備える。
【0017】
本発明の第13の態様によれば、経路に沿った車両の移動における位置精度をチェック
する方法が提供され、当該方法は、当該経路に沿った対象となり得る目的地にそれぞれ位
置する一連の検出可能マーカと共におよび当該車両に搭載された画像キャプチャデバイス
と共に当該センサを使用して、当該対象となり得る目的地の1つに到着したときに当該マ
ーカを含む視野からデジタル画像をキャプチャするステップと、視野内の当該それぞれの
マーカの位置とそれぞれのマーカが予期される視野の所定のサブ領域との一致をチェック
するステップと、を含み、これにより、当該一致は、対象の目的地に対する車両の適切な
位置合わせを示す。
【0018】
本発明の第14の態様によれば、位置精度監視を有する軌道ベースの運搬装置が提供さ
れ、当該装置は、
それぞれがその上に静的に配置されているか、または当該軌道に沿ったそれぞれの対象
となり得る目的地上にまたはそこに隣接して配置されている一連の検出可能マーカを有す
る軌道と、
当該軌道に沿って配送するように構成された車両と、
当該車両に搭載され、当該対象となり得る目的地の1つに到着したときに、当該マーカ
を含む視野からデジタル画像をキャプチャするように構成された画像キャプチャデバイス
であって、視野内の当該それぞれのマーカの位置とそれぞれのマーカが予期される視野の
所定のサブ領域との一致をチェックし、これにより当該一致は対象の目的地に対する保管
/取り出し車両の適切な位置合わせを示す、画像キャプチャデバイスと、
を備える。
【0019】
本発明の第15の態様によれば、自動保管および取り出しシステムにおいてロボット保
管/取り出し車両への保管ユニットの適切な積込を確認する方法が提供され、当該方法は
、保管ユニットをロボット保管/取り出し車両に引き込む積み込みルーチンの一部として
、当該ロボット保管/取り出し車両のローカルプロセッサを使用して、当該保管ユニット
の下側に対して同様のサイズおよび形状である当該ロボット保管/取り出し車両の着地領
域の外周に近接する位置に配置された複数の荷重状態センサのそれぞれの状態チェックを
実行し、当該状態チェックから、当該荷重状態センサのすべてまたはその部分サブセット
のみが正の検出信号を有するかどうかを測定し、これにより当該荷重状態センサのすべて
からの正の検出信号のフルセットは当該保管ユニットが完全に積み込まれ適切に位置合わ
せされた状態を確証し、荷重状態信号の当該部分的なサブセクションのみからの正の検出
信号の部分サブセットは保管ユニットが部分的に積み込まれまたは不適切な整列状態であ
ることを明らかにすること、を含む。
【0020】
本発明の第16の態様によれば、取り出された保管ユニットの保管システムから作業ス
テーションの入口または取り込みポイントへの提供を順序付けられた方法で調整する方法
が提供され、当該方法は、当該保管システムのコンピュータ制御システムの1つ以上のプ
ロセッサによる、以下の自動ステップの実行、すなわち、
(a)作業ステーションで履行される1つ以上の受注の各ラインアイテムのタスク割り
当てを生成し、各タスク割り当ては、少なくとも、作業ステーションに配送するためのシ
ステムにおいて保管内の現在の保管場所から取得するそれぞれの保管ユニットの仕様およ
び当該それぞれの保管ユニットを取り出しするためのそれぞれの保管/取り出し車両の識
別を含む、ステップと、
(b)コマンド信号を当該タスク割り当てのそれぞれの保管/取り出し車両に送信して
、当該それぞれの保管ユニットの現在の保管場所から作業ステーションへの取り出しおよ
び配送を開始するステップと、
(c)当該作業ステーションに利用可能な占有場所があるかどうかを判断するステップ
と、
(d)当該利用可能な占有場所の確認に応じて、作業ステーションの外に位置し当該作
業ステーションに配送するように割り当てられた保管/取り出し車両の中から、作業ステ
ーションに呼び出すための次に優先順位の高い保管/取り出し車両を特定するステップと
、
(e)次に優先順位の高い車両に、作業ステーションに移動するように命令するステッ
プと、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の好ましい実施形態を、添付の図面と併せて記述する。
【
図1】出願人の公開されたPCT出願WO2016/172793からの三次元グリッド構造の斜視図であり、その中の保管ユニットの三次元配列を含み、それを通して当該各保管ユニットにアクセスするためにロボット保管/取り出し車両の群が三次元で移動することができる。
【
図2】本発明による改良された三次元グリッド構造の斜視図である。
【
図3】グリッド構造のコーナーで交差するグリッド構造の一対の外壁を示し、そこから2つの作業ステーションが取り外しされて、当該外壁の詳細が明らかにされている、
図2の三次元グリッド構造の簡略化された部分斜視図である。
【
図4】グリッドに対して外向きであるその外側から見た、
図2の三次元グリッドからの作業ステーションの1つの独立した斜視図である。
【
図5】
図4の作業ステーションの、グリッドに内向きであるその内側からの独立した斜視図である。
【
図6】
図5の作業ステーションの内側の別の独立した斜視図である。
【
図6A】
図6の詳細図円Aでマークされた部分の部分的な拡大図である。
【
図6B】作業ステーションにおける安全性と数量カウントとの組み合わせのために、コンピュータ制御システムによって実行される制御ロジックルーチンを示す。
【
図6C】
図6Bに示したものの数量カウント機能を省略した、簡略化された制御ロジックルーチンを示す。
【
図7】
図4~6の作業ステーションの概略俯瞰図であり、作業ステーションが設置されている三次元グリッド構造の下部軌道レイアウトの隣接領域である。
【
図7A】
図7の作業ステーションでの保管/取り出し車両の順序付けられた到着の調整を、当該車両に搭載された保管ユニットに割り当てられた優先順位に従って、下部軌道レイアウト上の車両の選択的な軌道への搭載および前進によって示す。
【
図7B】
図7の作業ステーションでの保管/取り出し車両の順序付けられた到着の調整を、当該車両に搭載された保管ユニットに割り当てられた優先順位に従って、下部軌道レイアウト上の車両の選択的な軌道への搭載および前進によって示す。
【
図7C】
図7の作業ステーションでの保管/取り出し車両の順序付けられた到着の調整を、当該車両に搭載された保管ユニットに割り当てられた優先順位に従って、下部軌道レイアウト上の車両の選択的な軌道への搭載および前進によって示す。
【
図7D】
図7の作業ステーションでの保管/取り出し車両の順序付けられた到着の調整を、当該車両に搭載された保管ユニットに割り当てられた優先順位に従って、下部軌道レイアウト上の車両の選択的な軌道への搭載および前進によって示す。
【
図7E】
図7の作業ステーションでの保管/取り出し車両の順序付けられた到着の調整を、当該車両に搭載された保管ユニットに割り当てられた優先順位に従って、下部軌道レイアウト上の車両の選択的な軌道への搭載および前進によって示す。
【
図7F】
図7の作業ステーションでの保管/取り出し車両の順序付けられた到着の調整を、当該車両に搭載された保管ユニットに割り当てられた優先順位に従って、下部軌道レイアウト上の車両の選択的な軌道への搭載および前進によって示す。
【
図7G】
図7の作業ステーションでの保管/取り出し車両の順序付けられた到着の調整を、当該車両に搭載された保管ユニットに割り当てられた優先順位に従って、下部軌道レイアウト上の車両の選択的な軌道への搭載および前進によって示す。
【
図7H】
図7の作業ステーションでの保管/取り出し車両の順序付けられた到着の調整を、当該車両に搭載された保管ユニットに割り当てられた優先順位に従って、下部軌道レイアウト上の車両の選択的な軌道への搭載および前進によって示す。
【
図7I】
図7Iは、作業ステーションへの保管/取り出し車両の順序付けられた到着を実行するためにコンピュータ制御システムによって実行される制御ロジックルーチンを示している。
【
図8】ロボット保管/取り出し車両の1つがこれに沿って移動する、
図2の三次元グリッドの下部軌道のセグメントを示す。
【
図8A】詳細円Aによってマークされた
図8の一部の部分的な拡大図である。
【
図9A】車両とその意図された目的地との間の位置合わせ不整合を評価するために、グリッド構造または作業ステーションのいずれかで軌道レール上の一意に符号化されたマーカを、その周りを走行する保管/取り出し車両によって走査することを概略的に示す。
【
図9B】
図9Aで検出された位置合わせ不整合を修正した後、同じ一意に符号化されたマーカを使用して、対象の目的地スポットでの保管/取り出し車両の位置合わせが成功したことを確認する方法を示す。
【
図9C】
図9Aの位置合わせ不整合を検出し
図9Bの適切な位置合わせを達成するための適切な修正を実行するために、保管/取り出し車両のローカルプロセッサによって実行される制御ロジックルーチンを示す。
【
図10】そこを介してロボット保管/取り出し車両が情報に移動することを意図する、三次元グリッドの垂直シャフトの下方の出発スポットでの三次元グリッドの下部軌道上のロボット保管/取り出し車両の1つを示す立面図である。
【
図11】下部軌道の出発スポットにおける
図10のロボットの斜視図である。
【
図12】その詳細円Aによってマークされた
図10の一部の部分的な拡大図である。
【
図13】その詳細円Bによってマークされた
図11の一部の部分的な拡大図である。
【
図14】
図12と同じロボット保管/取り出し車両および下部軌道交差の別の拡大図であるが、下部軌道の下に取り付けられたリフト機構によってロボット保管/取り出し車両を上昇させ、シャフトの直立フレーム部材のラック歯と係合させている。
【
図15】
図13と同じロボット保管/取り出し車両および下部軌道交差点の別の拡大図であるが、ロボット保管/取り出し車両は
図14の上昇位置にある。
【
図16】
図10から
図13のロボット保管/取り出し車両およびリフト機構の上面および底面の斜視図であるが、下部軌道および直立シャフト部材から分離して示されている。
【
図17】
図10から
図13のロボット保管/取り出し車両およびリフト機構の上面および底面の斜視図であるが、下部軌道および直立シャフト部材から分離して示されている。
【
図18】
図14および
図15のロボット保管/取り出し車両およびリフト機構の上面および底面の斜視図であるが、下部軌道および直立シャフト部材から分離して示されている。
【
図19】
図14および
図15のロボット保管/取り出し車両およびリフト機構の上面および底面の斜視図であるが、下部軌道および直立シャフト部材から分離して示されている。
【
図19A】
図19Aは、保管/取り出し車両、リフト機構、および保管/取り出しの出発およびシャフトを通って上方への移動を開始および完了するコンピュータ制御システムの間で協働して実行される制御ロジックルーチンを示す。
【
図20】ロボット保管/取り出し車両の1つおよびその上で配送可能な互換性のある保管ユニットを示している。
【
図21】ロボット保管/取り出し車両の1つおよびその上で配送可能な互換性のある保管ユニットを示している。
【
図22】
図1および2の保管システムと同じ三次元グリッド構造およびロボット保管/取り出し車両を採用しているが、事前梱包出荷コンテナの管理に使用するグリッドにサービスを提供するステーションのレイアウトが異なる、仕分け/バッファグリッドを示す。
【
図23】保管/取り出し車両および作業ステーションへのタスクの割り当ておよびシステム全体の車両ナビゲーションを管理するための保管/取り出し車両およびリフト機構の操作を命令することを担当するコンピュータ制御システムのアーキテクチャを示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、出願人の公開されたPCT出願WO2016/172793の三次元グリッド
構造を示している。グリッド状上部軌道レイアウト10は、地面高さに近い下部水平面に
位置する一致したグリッド状下部軌道レイアウトのかなり上方の高架水平面に存在する。
これらの上部軌道レイアウトと下部軌道レイアウトとの間には、各々がその中のそれぞれ
の保管ユニットを保持し、その中の様々な商品のいずれかを例えば頂部開口型または開閉
可能な保管トレイ、蓋付き容器または手提げ荷の形で保持することができる、保管場所の
三次元配列がある。保管場所は垂直コラムに配置され、同じフットプリントの保管場所が
互いに整列している。このような各保管コラムは、保管場所にアクセスできる垂直シャフ
トに隣接している。
【0023】
各軌道レイアウトは、水平面のX方向にあるX方向レールのセットと、水平面のY方向
でX方向レールと垂直に交差するY方向レールのセットとを特徴とする。交差するレール
は、保管システムの水平参照グリッドを画定し、各水平グリッド行は、隣接するX方向レ
ールの対の間で区切られ、各水平グリッド列は、隣接するY方向レールの対の間で区切ら
れる。水平グリッド列の1つと水平グリッド行の1つとの間の各交点は、それぞれの保管
コラムまたはそれぞれの直立シャフトの位置を示す。言い換えると、各保管コラムおよび
各シャフトは、2つのX方向レールと2つのY方向レールとの間に境界を定められたそれ
ぞれの領域の参照グリッドのそれぞれの直交座標点に存在する。本明細書では、いずれか
の軌道レイアウトにおける4つのレールの間に境界を定められたそのような各領域は、当
該軌道レイアウトのそれぞれの「スポット」とも呼ばれる。システム内の各保管場所およ
び関連する保管ユニットの三次元アドレス指定は、所定の保管場所がそれぞれの列内に存
在する所定の垂直レベルによって完了する。つまり、各保管場所の三次元アドレスは、三
次元グリッド内の保管場所の水平グリッド行、水平グリッド列、および垂直列レベルによ
って規定される。
【0024】
それぞれの直立フレーム部材12は、上部および下部軌道レイアウト間をX方向レール
とY方向レールとの間の各交点で垂直に架かり、それによって軌道レールと協働して、こ
のフレームワーク内で保管ユニットの三次元配列を含有および編成するための三次元グリ
ッド構造のフレームワークを画定する。その結果、三次元保管配列の各直立シャフトは、
その四隅にシャフトの全高にわたる4つの垂直フレーム部材を有する。各フレーム部材は
、フレーム部材の両側にある三次元グリッドの垂直Z方向に直列に配置されたラック歯の
それぞれのセットを有する。こうして、各シャフトは合計8セットのラック歯を有し、三
次元グリッド構造のシャフトを介して上下の軌道レイアウト間において、ロボット保管/
取り出し車両の8つのピニオンホイールと協働して同じものをトラバースできるようにす
る2セットをシャフトの各コーナーに有する。各ロボット保管/取り出し車両14は、軌
道乗り入れモードにおいて上部および下部軌道レイアウトにわたってロボット保管/取り
出し車両を運搬するための丸型運搬ホイールと、シャフトトラバースモードにおいてラッ
クを備えるシャフトを介してロボット保管/取り出し車両をトラバースするための歯付き
ピニオンホイールと、の両方を特徴とするホイール付フレームまたはシャーシを有する。
フレームまたはシャーシのフットプリントは、各シャフトを通過する車両の移動を可能に
するために、各シャフトの水平領域よりも小さくなっている。各ピニオンホイールおよび
それぞれの運搬ホイールは、組み合わされた単一のホイールユニットの一部であり、その
うち少なくとも運搬ホイールは、いずれかの軌道レイアウトでの軌道乗り入れモードで運
搬ホイールを使用するために、車両から車外方向に伸長可能であり、ピニオンホイールを
シャフトの直立フレーム部材のラック歯と係合させるシャフトトラバースモードでピニオ
ンホイールを使用するために、車両の内側方向に収縮可能である。こうして、車両を軌道
乗り入れモードからシャフトトラバースモードに移行すると、車両は、シャフト領域より
も小さいサイズのより小さな外側全体フットプリントに転換され、車両全体がシャフトを
介して移動できるようになる。
【0025】
グリッド構造のフレームワークは、それぞれの保管ユニットを支持するために各保管場
所にそれぞれの棚を含み、それにより、任意の所定の保管ユニット16は、同じ保管コラ
ムにあるその上方および下方の保管ユニットを阻害することなく、ロボット取り出し車両
の1つによってその保管場所から取り外しすることができる。同様に、これにより、保管
ユニットを配列内の任意のレベルの所定の場所に戻すことが可能となる。三次元グリッド
の底部にある下部グリッド状軌道レイアウトは、その周囲に分布した多数の作業ステーシ
ョン18を有し、そこにロボット取り出し車両14が保管コラムから引き出された保管ユ
ニットを配送する。本明細書で明示的に説明されている違いを除いて、三次元グリッド構
造のフレームワーク、ロボット保管/取り出し車両、上下の軌道レイアウトにわたるおよ
びシャフトを介した移動、および軌道乗り入れモードとシャフトトラバースモードとの間
のそれらの移行は、出願人の公開されたPCT出願WO2016/172793に記載さ
れているものと同じであり得る。
【0026】
図2は、先述の三次元グリッド構造を変更したものを示している。この構造は、上部お
よび下部軌道レイアウトとそれらの間にわたる直立フレーム部材とが、保管場所に棚を運
搬し、その中の保管ユニットを支持することと、ロボット保管/取り出し車両のピニオン
ホイールが係合可能なラック歯を運搬し、任意のシャフトを介して各ロボット保管/取り
出し車両全体の垂直移動を可能にすることと、を特徴とする。棚は、そこからロボット保
管/取り出し車両がそのコラムの保管ユニットにアクセスする、隣接アクセスシャフトへ
開口する第4のシャフト隣接側面以外の、保管コラムの3つの側面にあるフランジ付きパ
ネルまたはレールの形態であり得、これにより、この第4の開放側面は、各車両の伸長可
能/収縮可能なタレットアームを保管コラムに挿入および引き抜き、保管ユニットの下側
との係合を通じて保管ユニットを保管コラムに出し入れすることを可能にする。
【0027】
出願人の公開されたPCT出願WO2016/172793に概説されているように、
外周に配置された垂直シャフトのサブセットは、保管ユニットを作業ステーション18の
うちの1つに配送した後ロボット保管車両が下部軌道レイアウトから上部軌道レイアウト
に上向きに移動するための専用の「アップシャフト」であり得、一方、他の垂直シャフト
は、ピッキング、補充、または他の操作のために保管ユニットを作業ステーション18の
1つにあらかじめ配送した後、保管ユニットを三次元保管配列から取り出す間にまたは保
管ユニットを三次元配列に戻す間に、ロボット保管車両が上部軌道レイアウトから下向き
に移動するために使用される「ダウンシャフト」である。
【0028】
図2の三次元グリッド構造は、外装パネル20がグリッド構造の外周で直立フレーム部
材に追加されてグリッド構造の4つの側面すべてを実質的に閉鎖する外側壁を生成し、こ
うしてその内部を視覚的に隠すという点、および直立フレーム部材12がその交点で上部
軌道部材の直立フレームレールを立たせ、上部軌道を
図2に示すグリッド構造の特定の広
視野から隠す、頂部セグメント22を含むという点で、
図1のものとは異なる。シャフト
のこれらの頂部セグメントは、必要に応じてロボット保管/取り出し車両を再充電し得る
充電ステーションハードウェアの取り付けに使用され得る。しかしながら、上部軌道レイ
アウトの構造および目的、ならびに直立フレーム部材によるグリッド構造内のシャフトお
よび保管コラムの形態は、出願人の公開された出願WO2016/172793に十分に
文書化されており、したがって、ここでは詳細な図解または説明を必要としない。三次元
グリッドの1つ以上の周囲側面のそれぞれに複数の作業ステーションがあり得、そして三
次元グリッドの1つ、2つ、3つ、または4つすべての側面に作業ステーションがあり得
る。
図2は、三次元グリッドの少なくとも2つの非対向側面の作業ステーションの分布を
示している。また、図の視点からは見えない他の2つの側面のそれぞれに1つ以上の作業
ステーションが存在する場合もあり得る。
【0029】
ここで
図3から
図6に目を向けると、作業ステーション18の新しい構造と、ロボット
保管/取り出し車両によるそれらとの新しい相互作用に注意が向けられている。説明を簡
略化するために、
図3ではグリッド構造の多くを省略している。しかしながら、下部軌道
レイアウトの2つの外側面を形成し、グリッド構造のそれぞれの外側コーナーで交差する
、下部軌道レイアウト28の1つのX方向レール24と1つのY方向レール26とが示さ
れている。下部軌道レイアウトの残りの部分のうち、これらの2つの特定のレールを地面
から持ち上げる支持脚30のみが示されている。グリッド構造の直立フレーム部材12の
うち、グリッド構造のこれら2つの外側にある2つの図示されたレール24、26から直
立しているもののみが示され、これらの直立フレーム部材12の頂部セグメント22は省
略されている。グリッド構造の全周の周りにおいて、外装パネル20は下部軌道28まで
完全に下に延在せず、代わりにその上方でわずかに高い相対位置で終端し、その結果下部
軌道レイアウトのレールに取り付けられレールから直立する直立フレーム部材の下部セグ
メント32は、覆われていないままとなる。これは、直立フレーム部材12の隣接するす
べての対の下部セグメント32の間にオープンスペース34を残す。これらのオープンス
ペース34は、ロボット保管/取り出し車両14がその下部軌道28で三次元グリッド構
造に出入りすることを可能にし、こうして三次元グリッド構造と作業ステーション18と
の間を移行することを可能にする。
【0030】
以下でより詳細に概説するように、これにより、グッズ・トゥ・マンの注文履行のため
の新しいソリューションが可能になる。ここで、三次元で移動できるロボット保管/取り
出し車両は、作業ステーションでの人間またはロボットピッカーへの保管ユニットの提供
を含む、グリッドの三次元空間のあらゆるところからの保管ユニットの最初の取得から、
作業ステーションへの保管ユニットの配送を介して、注文ピッキング操作全体を通して保
管ユニットを運搬する唯一の手段を提供し、保管ユニットがロボット保管/取り出し車両
から降ろされることなく、および別のコンベヤ、ターンテーブル、またはその他の移行機
構によって運ばれることなく、引き続いて保管ユニットをグリッド内の任意の三次元の場
所に戻すことを提供する。
【0031】
図4から6は、三次元保管グリッドから分離された作業ステーション18の1つを示し
ている。各作業ステーション18は、作業ステーション18の長さに沿って延びる一対の
長手方向レール38a、38bを特徴とするグリッド状下部軌道36を特徴とする。下部
軌道はまた、それに沿った内部の一定間隔で長手方向レール38を互いに垂直に相互接続
する一組のクロスレール40a~40fを特徴とする。これらのレールは、三次元グリッ
ド構造のグリッド状上部および下部軌道レイアウトにおいて使用されるのと同じタイプで
あり、長手方向レール間の間隔はクロスレール間の間隔と一致し、X方向とY方向との両
方のグリッド構造の上部および下部軌道レイアウトのレール間で用いられる内側レール間
間隔と同じである。それにより、作業ステーションの下部軌道は、三次元グリッドの上部
および下部軌道レイアウトと同じ方法で、ロボット保管/取り出し車両によって横断され
得る。作業ステーションの下部軌道は、長手方向レールとクロスレールとの交点で下部軌
道から下向きに掛る支持脚30によって、地面高さよりわずかに高い位置関係で支持され
る。これらの支持脚30は、三次元グリッドの下部軌道レイアウトを支持するものと同じ
タイプおよび高さであり、それにより、作業ステーションの下部軌道36は、そこから延
在する同一平面上の延長軌道を形成するための三次元グリッド構造の下部軌道レイアウト
と同じ高さに存在する。
【0032】
作業ステーションは、下部軌道に取り付けられ、長手方向レールの第1の端部にあるク
ロスレール40aの第1のものから長手方向レールの第2の反対側の端部にあるクロスレ
ール40fの最後の1つまで、その長手方向に端から端までわたるシュート42を特徴と
する。シュートは、第1のクロスレールから直立する第1の端壁44と、第1の端壁に対
して反対かつ平行の関係で最後のクロスレールから直立する第2の端壁46と、長手方向
レールの外側側壁38bに垂直な関係にある端壁間に長手方向に延びるより長い外側壁4
8と、端壁の間で外側側壁の上端に沿って長手方向に延びる頂部カバーパネル50と、を
特徴する。カバーパネル50の下側は、シュート42の内部天井を画定し、カバーパネル
の反対側の頂面は、ピッキング、補充、または作業ステーション18で実行され得る他の
作業機能中に人間またはロボットの作業者が利用するための外側天板50aを画定する。
【0033】
2つの長手方向レール38a、38bと、クロスレール40a~40fの隣接する対と
の間で区切られた各正方形領域は、作業ステーションの下部軌道に沿ったそれぞれの「ス
ポット」と呼ばれる。シュート42の第1の端壁44のすぐ隣に位置し、シュートの第1
の端で第1および第2のクロスレール40a、40bとの間に境界を定められたスポット
は、作業ステーションの入口スポットSENと呼ばれる。実際ここでは、ロボット保管/
取り出し車両が、グリッド構造の下部軌道レイアウトでそれらと位置合わせされたレール
のそれぞれの対からこれらの第1および第2のクロスレール40a、40bに乗り入れる
ことによってシュートに入る。シュートの反対側の第2の端部において、最後から2番目
および最後のクロスレール40e、40fの間の第2の端壁46に直接隣接して位置する
スポットは、出口スポットSXと呼ばれ、実際ここでは、ロボット保管/取り出し車両が
シュートを出て、これらの最後および最後から2番目のクロスレールを、グリッド構造の
下部軌道レイアウトにおいて位置合わせされた別のそれぞれのレールの対から降ろすこと
によって、三次元グリッドに再び入る。
【0034】
図3を参照すると、図の右側にある作業ステーションは、この作業ステーションがY方
向にあるその長手方向レール38a、38およびX方向にあるそのクロスレール40a~
40fを有するように、グリッド構造の下部軌道レイアウトのY方向に延びる長手方向を
有する。作業ステーションの下部軌道の第1および第2のクロスレール40a、40bは
、グリッド構造の下部軌道レイアウトのX方向レールの第1の対の平行なインライン延長
を形成し、最後および最後から2番目の40e、40fクロスレールも同様に、グリッド
構造の下部軌道レイアウトのX方向レールの第2の対の平行なインライン延長を形成する
。これにより、ロボット保管/取り出し車両は、作業ステーションが存在するグリッド構
造の外側にあるこれらのレールの端にある2つの直立フレーム部材の間の覆われていない
オープンスペース34を通って、下部軌道レイアウトの一対のX方向レールに沿って、作
業ステーションの入口スポットSENの第1および第2クロスレール40a、40b上へ
乗り入れることができる。ロボット保管/取り出し車両は、この入口スポットでX方向移
動モードからY方向移動モードに移行し、その後Y方向における作業ステーションの長手
方向レール38a、38bに沿って作業ステーションの出口スポットSXまで移動するこ
とができる。ここで、ロボット保管/取り出し車両は、X方向の移動モードに戻り、作業
ステーションの最後および最後から2番目のクロスレールの上に乗り入れ、これらのレー
ルの端にある直立フレーム部材の間の覆われていないオープンスペース34を介して、グ
リッド構造の下部軌道レイアウトのX方向レールの第2の対に戻る。
【0035】
図3の左側の作業ステーションは、その長手方向がグリッド構造の下部軌道レイアウト
のX方向に走っており、その結果、この作業ステーションは、その長手方向がX方向にあ
るレール38a、38bと、Y方向にあるそのクロスレール40a-40fと、を有する
。作業ステーションの下部軌道の第1および第2のクロスレール40a、40bは、グリ
ッド構造の下部軌道レイアウトのY方向レールの第1の対の平行なインライン延長を形成
し、最後および最後から2番目の40e、40fクロスレールも同様に、グリッド構造の
下部軌道レイアウトのY方向レールの第2の対の平行なインライン延長を形成する。それ
により、ロボット保管/取り出し車両は、作業ステーションが存在するグリッド構造の外
側にあるこれらのレールの端から直立している2つの直立フレーム部材12の間の覆われ
ていないオープンスペース34を通して、下部軌道レイアウトの一対のY方向レールに沿
って、および作業ステーションの入口スポットSENの第1および第2クロスレール40
a、40bに、乗り入れることができる。この入口スポットで、ロボット保管/取り出し
車両はY方向移動モードからX方向移動モードへの移行し、次に作業ステーションの長手
方向レール38a、38bに沿ってX方向に作業ステーションの出口スポットSXまで移
動することができる。ここで、ロボット保管/取り出し車両は、Y方向の移動モードに戻
り、作業ステーションの最後および最後から2番目のクロスレールの上に乗り入れ、これ
らのレールの端にある直立フレーム部材の間の覆われていないオープンスペース34を通
ってX方向レールの第2の対のグリッド構造の下部軌道レイアウトに戻る。
【0036】
各作業ステーションの第2のクロスレール40bと最後から2番目のクロスレール40
eとの間には、入口スポットと出口スポットとの間の複数の中間スポットがある。図示の
例は3つの中間スポットを特徴とするが、この数は異なり得る。これらの中間スポットの
うちの1つ、特に図示した例では出口スポットSXに直接隣接する最後から2番目のスポ
ットは、ロボット保管/取り出し車両がシュートの天板表面50aからシュートの内部空
間へとシュートの頂部パネル50を貫通するアクセス開口部52を介して人間またはロボ
ット作業者がアクセスできる、「アクセススポット」SACとして指定される。したがっ
て、シュートを長手方向に移動する保管/取り出し車両がアクセススポットSACに到着
および停止すると、作業者は、例えば、グリッド構造からそのようなアイテムを引き出す
注文履行プロセスの一部として、保管ユニットから1つ以上の個別のアイテムを選び取る
ために、代わりに、そのような注文履行プロセスの一部として、保管/取り出し車両から
保管ユニット全体を取り外しするために、または、代わりに、グリッド構造を補充する補
充プロセスの一部として、1つ以上の個別のアイテムを保管ユニットに配置するために、
当該保管/取り出し車両の上に搭載された保管ユニットと接することができる。あるいは
、補充プロセスは、アクセス開口部52を通して作業者から保管ユニットを選び取るため
に、ロボット保管/取り出し車両の空の1台(すなわち、現在保管ユニットによって占有
されていない車両)を作業ステーションのアクセススポットに向けることを含み得る。
【0037】
作業ステーション18は、人間の作業者がアクセス開口部52を介して保管/取り出し
車両と相互作用するときに潜在的な傷害から人間の作業者を保護するための手感知機構5
3を備えている。
図6Aを参照すると、第1および第2のセンサバー54、56は、アク
セス開口部の対向する周縁に沿って存在する位置で、作業ステーションのカバーパネル5
0の下側に取り付けられている。センサバーは、例えばアクセス開口部52への作業者の
手の挿入によってまたはアクセス開口部52内の他の物体の存在などによってビームが中
断されない限り、エミッタによって放出されたビームが反対側のレシーバによって受信さ
れるように、2つのバー54、56上で互いに反対の関係で光ビームエミッタおよびレシ
ーバを運搬する。アクセス開口部の反対側にあるエミッタおよびレシーバとは対照的に、
センサ構成は、開口部の同じ側にエミッタおよびレシーバを使用し、その反対側にリフレ
クタを使用することができる。センサバーは、有線または無線接続を介して、ロボット保
管/取り出し車両の群と無線通信するコンピュータ制御システムと通信し、グリッド構造
全体での運搬を制御して、さまざまなタスク(ピッキング、補充など)を実行する。手感
知ビームの連続は、まとめてライトカーテンとも呼ばれ、「安全」信号を生成するが、感
知ビームの中断は「停止」信号を生成する。コンピュータ制御システムによる、作業ステ
ーションのアクセススポットに出入りするように前記保管/取り出し車両に命令する任意
の移動指示の保管/取り出し車両への送信は、その作業ステーションの手感知機構からの
「安全」信号の検出を条件とする。このようにして、作業者の手がシュート内にある間、
ロボット保管/取り出し車両が作業ステーションの下部軌道に沿って運転されることのな
い安全な手順を実装できる。
【0038】
安全目的に役立つことに加えて、手/物体感知機構53はまた、品質保証目的のために
も動作可能であり得、それらのピッキング作業における人間の作業精度を保証するのを助
ける。所定の保管ユニットから所定の数量のアイテムが必要であることがわかっている特
定の注文において、コンピュータ制御システムは、その保管ユニットがアクセススポット
に存在する間に光ビームが遮断された回数を数えることができ、こうして、保管ユニット
にアクセスするために作業者の手がアクセス開口部から挿入され、そこからそれぞれのア
イテムを何回引っ張ったかの回数を表す。システムは、手の挿入回数を、その保管ユニッ
トから必要とされることがわかっているアイテムの所定の数量(別名、発注された注文か
らの「ラインアイテム数量」)と比較し、その保管ユニットが運搬される保管/取り出し
車両は、手挿入カウントがその保管ユニットに関連する所定のアイテム数量に達したとき
にのみ、作業ステーションのアクセススポットを出発することを許可する。
【0039】
同様のカウントチェックは、作業ステーションのアクセス開口部で実行される可能性の
ある他のタスク、例えば補充またはキッティング操作中に実行でき、ここでアクセス開口
部の下に駐車された保管ユニットからアイテムを選び取る代わりに、アイテムはアクセス
開口部を通って駐車された保管ユニットに配置されまたは落とされる。これにより、ライ
トカーテンが破られるたびに、ユーザが手を伸ばしてアイテムを保管ユニットに配置する
か、アイテムをライトカーテンの上方から保管ユニットに落とすことによって、同様に、
保管ユニットに預けられたアイテムの数量を数えるために使用することができる。これに
より、感知機構は手だけでなく任意の物体を検出するように動作可能であるため、コンピ
ュータ制御システムは、各検出は、ユーザの手が挿入されたことを検出したかどうか、ま
たはアクセス開口部の下に駐車された保管ユニットへのアクセス開口部の下に駐車された
保管ユニットへのまたは保管ユニットからのオブジェクトの配置または取り出し中に開口
部を通過する別のオブジェクトを検出したかどうかの、アクセス開口部での正の「検出」
の数を数えることができる。いずれにせよ、手/物体感知機構53による正の検出のカウ
ントは、作業ステーションで割り当てられたタスクの進行および完了を監視するのに有用
である。
【0040】
手/物体感知機構53はまた、そのような突出したアイテムが光ビームによって形成さ
れたライトカーテンを破るため、その中のアイテムが保管ユニットの頂部から著しく上方
に突出していないことを確認するための保管ユニットの高さチェックとしても機能し、こ
うして、そのような突出物の検出は、突出が修正されるまで、保管/取り出し車両および
その上の保管ユニットがアクセススポットから離れるのを防ぐために使用することができ
る。これは、保管ユニットが、1つ以上のアイテムがそこから突き出て、グリッド構造の
フレームワーク構成要素間の利用可能な移動スペースに干渉し、こうして、突出した1つ
以上のアイテムおよび/または保管ユニット、車両、またはグリッド構造に損傷を与え得
ないことを保証する。
【0041】
手/物体感知機構53に加えて、
図6に見られる2つの移動センサ58、59は、アク
セススポットSAでまたはそれに隣接して保管取り出し車両の移動を検出する目的で、そ
れぞれ作業ステーション内に設置される。1つの移動センサ58は、アクセススポットの
すぐ外側で入口スポットSENに最も近い側に隣接して存在し、こうして、そこから保管
/取り出し車両が作業ステーションを介して移動中にアクセススポットSAに入る隣接引
き込みスポットSLに存在する。したがって、この第1の移動センサ58は、アクセスス
ポットSAへの保管/取り出し車両の移動を検出するように動作可能な引き込み移動セン
サとして機能する。もう一方の移動センサ59は、出口スポットSXに最も近いアクセス
スポットSAの反対側に存在するかまたは隣接して存在し、したがってセンサは、アクセ
ススポットSAから、そこから作業ステーションを出て三次元保管グリッドに再び入る出
口スポットSXへの保管/取り出し車両の出立を検出するように動作可能な出立移動セン
サとして機能する。各移動センサは、通過する保管/取り出し車両からの反射光を検出で
きるように、作業ステーションの下部軌道の片側にエミッタ/レシーバの組み合わせを有
する反射型光学センサであり得る。飛行時間の計算(すなわち、光パルスの放出と反射さ
れた光パルスの検出との間の時間の差)を使用して、作業ステーションの下部軌道上のセ
ンサを通過する保管/取り出し車両からの反射と、さらに離れた別の物体からの反射とを
区別し得る。したがって、時間制限内でレシーバによって検出された反射は、センサから
正の「移動検出」出力信号を生成し、時間しきい値内で検出された反射がない場合は、検
出された移動がないことを示す負の出力信号を生成する。あるいは、光ビームセンサを使
用して、作業ステーションの下部軌道にわたって、一方のエミッタと他方の協働レシーバ
との間または一方のエミッタ/レシーバと他方の協働リフレクタとの間でビームを向ける
ことができる。このような場合、ビームが完全である状態は負の出力信号(移動がない)
を示し、ビームが遮られた状態は正の出力信号(移動が検出された)を示す。
【0042】
センサは、アクセススポット、引き込みスポット、または出口スポットを静的に占有す
る車両が光パルスを反射したり、光ビームを遮断したりしないように配置される。つまり
、車両が引き込みスポットからアクセススポットへの移行を開始する場合にのみ、引き込
みセンサ58でのパルス反射またはビーム遮断が発生し、車両がアクセススポットから出
口スポットへの移行を開始した場合にのみ、出立センサ59でのパルス反射またはビーム
遮断が発生する。これは、
図6に示されており、ここでは、各移動センサが、車両のホイ
ールの頂部と、車両の下にあるフレームまたはシャーシに張り出している車両の上部プラ
ットフォームの張り出し周縁部の下側との間の高さで、下部軌道の上に支持されている。
車両が引き込みスポットまたはアクセススポットに静的に駐車されるとき、それぞれの引
き込みセンサ58または出立センサ59は、車両シャーシの側面で、車両のホイールと、
それぞれの車両プラットフォームの張り出し周縁部との間の開いた垂直空間に向けられる
、これにより、どちらの移動センサも静的に駐車された車両位置によって誘発されない。
以下に概説するように、これらの移動センサ58、59は、アクセス開口部の下に車両の
移動がないために手/物体感知機構53からの正の検出信号が問題にならない状況と、移
動中の車両によって作業者に潜在的な傷害をもたらしたりアイテムや機器に損傷を与えた
りする潜在的に危険な状況と、を区別する目的において有用である。
【0043】
図23は、各ロボット保管/取り出し車両14のコンピュータ制御システム500およ
び協働するコンピュータ構成要素のブロック図を示す。コンピュータ制御システムは、1
つ以上のプロセッサを有する1つ以上のコンピュータ、およびそれに結合された非一時的
コンピュータ可読メモリを備えるマスタ制御システム502を含むコンピュータネットワ
ークを備え、その上に、本明細書で説明される様々な関連タスクを論理的に制御するため
の、ロボット保管/取り出し車両の群のコマンド信号の生成、およびそこからのフィード
バック通信の受信と分析を含む、前記1つ以上のプロセッサによって実行可能な保管され
たステートメントおよび指示がある。コンピュータネットワークはさらに、各々が作業ス
テーションのそれぞれ1つに設置された複数の作業ステーション制御システム504を含
む。描写の簡便性のために、ブロック図は、単一の作業ステーション制御システム504
および単一のロボット保管/取り出し車両14のみを示している。
【0044】
各作業ステーション制御システム504は、例えばプログラマブルロジックコントロー
ラ(PLC)で用いられ得る、ローカルコンピュータが作業ステーションの手/物体感知
機構53、作業ステーションの引き込みおよび出立移動センサ58、59、本明細書の下
記でさらに説明されるそれぞれのリフト機構72と通信することができるI/Oインター
フェースを有する、ローカルコンピュータ506を特徴とする。作業ステーションのロー
カルコンピュータ506はまた、それに結合されたヒューマンマシンインターフェース5
08をも有し、好ましくは、少なくともディスプレイモニタ510を含み、これは、必要
に応じてタッチスクリーンモニタであり得、こうして、HMIの表示デバイスと入力デバ
イスとの両方として機能する。ただし、コンピュータのキーボード、マウス、軌道ボール
、専用のコントロールボタンなどの他の入力デバイスを追加または代替で使用し得る。作
業ステーションの人間の作業者に割り当てられた所定のタスクに従って指示命令を表示す
る目的で、グラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を表示するディスプレイモ
ニタに加えてまたはその代わりに、例えば、ピッキングタスクの実行中に、異なるアイテ
ム種をその中に有する区画化された保管ユニットの異なる区画からのアイテムのピッキン
グをガイドするピック・トゥ・ライトシステム、在庫補充またはキッティングタスクの実
行中に、区画化された保管ユニットの異なる区画へのアイテムの配置をガイドするプット
・トゥ・ライトシステム、ラインアイテムの数量などを表示するための簡略化された非G
UIディスプレイ(数値LCDディスプレイなど)等の、他の作業者ガイド装置を使用し
得る。作業ステーションのローカルコンピュータ506は、1つ以上のコンピュータプロ
セッサ、それに結合されその上で前記1つ以上のプロセッサによって実行可能な本明細書
に記載の様々なHMI508に関連したタスクを実行するステートメントおよび指示が保
管された非一時的コンピュータ可読メモリ、手感知機構53、移動センサ58、59、お
よびその作業ステーションに隣接するリフト機構72のそれぞれの1つ、を備える。各作
業ステーションのローカルコンピュータ506はまた、有線または無線接続を介してマス
タ制御システムと通信可能であり、作業ステーションで誘導および実行されるタスクの詳
細を受信し、そのようなタスクの状態について、およびマスタ制御システムによるアクシ
ョンを保証する安全警告とともに、マスタ制御システムに報告する。
【0045】
各ロボット保管/取り出し車両14は、その中に搭載され、マスタ制御システムのメイ
ントランシーバ516と無線で通信可能でありそこからのコマンド信号の受信およびそこ
へのフィードバック通信の送信を可能にする車両のローカルオンボードトランシーバ51
4に接続されている、ローカルコンピュータプロセッサ512を有する。各ロボット保管
装置/取り出し車両上の非一時的なコンピュータ可読メモリは、マスタ制御システムから
受信したコマンドに基づき、保管システムをナビゲートし、その保管ユニットと連携する
目的で、および命令されたタスクの完了に関するフィードバックをマスタ制御システムに
報告する目的で、特にローカル機能を実行するために、そのオンボードローカルプロセッ
サに接続され、前記メモリに保管されたステートメントおよび指示を実行する。命令され
たタスクの実行を可能にするために、車両14のローカルプロセッサ512は、オンボー
ドI/Oインターフェースに接続されており、これにより、プロセッサは、保管グリッド
および作業ステーションでの車両の移動動作および車両と保管ユニットとの相互作用に責
任を負う車両のさまざまな電子構成要素(モーター、アクチュエータ、センサなど)の制
御を実行できる。図示の実施形態では、そのような構成要素は、車両のホイールユニット
の回転を駆動するためのホイール駆動モータ524、車両の高さ調節可能なホイールセッ
トの制御された上昇および下降のためのホイール昇降モータ526、ホイールユニットの
内側/外側シフトを制御するためのホイールシフトモーターまたはアクチュエータ528
、車両のタレットの回転を制御するためのタレットモーター530、伸長可能/収縮可能
なタレットアームの伸長/収縮を制御するためのアームアクチュエータ532、タレット
アームに沿って前後に移動可能なシャトルの直線運動を制御するためのシャトルモーター
534、および以下でさらに説明される一組の荷重状態センサ100を含む。ローカルプ
ロセッサ512はまた、以下でより詳細に説明される機能および目的のために、車両14
のオンボードスキャナ66に接続されている。
【0046】
図6Bは、手/物体感知機構53に関連して、コンピュータ制御システムのプロセッサ
および保管/取り出し車両による安全およびタスク監視制御ロジックの両方の協働実行を
示している。各作業ステーション制御システム504のローカルコンピュータ506(略
して、作業ステーションコントローラ506)は、検出信号について、手/物体感知機構
53の状態を継続的に監視する。ステップ1001での感知機構53による正の検出は、
ステップ1002で作業ステーションコントローラ506への入力信号を生成し、それに
応答して、コンピュータ制御システム500は、ステップ1003で、検出が行われた作
業ステーションにおける保管/取り出し車両の存在をチェックする。
【0047】
この車両の存在のチェックは、それによって命令された車両走行タスクの正常な完了を
マスタ制御システムに自動的に報告するように構成されている各車両のローカルプロセッ
サを有し、好ましくはすべての車両分の動的に更新された位置記録を保管する、マスタ制
御システム502によって実行され得、そうしてマスタ制御システムは、車両がその移動
タスクの対象の目的地スポットに到達したことを認識し、この確認された場所を車両の動
的位置記録に記録する。移動タスクは直線セグメントで命令される(つまり、開始スポッ
トから最終目的地まで、二次元以上の移動が必要な移動は、線形の一方向移動セグメント
に分割される)。したがって、マスタ制御システムが保管/取り出し車両を作業ステーシ
ョンに命令するときはいつでも、あるポイントで、対象の目的地スポットがその作業ステ
ーションの入口スポットである直線移動セグメントのコマンド、次いでその後作業ステー
ションの下部軌道に沿って車両を次の方向に前進させるように命令される1つ以上の直線
移動セグメント、または完全に、アクセススポットおよび中間スポットの占有状態または
非占有状態に依存するアクセススポットが含まれる。アクセススポットで車両の存在が不
要になると、マスタ制御システムは別の直線移動セグメントに命令して、車両を作業ステ
ーションの出口スポットに移動させ、続いて他の方向の別の直線移動セグメントを作業ス
テーションの出口スポットから保管グリッドに車両を戻す方向に移動させる。これにより
、マスタ制御システムは、作業ステーション内に車両があるかどうかを確認するために、
すべての車両の動的位置記録を取り出しして、最後に記録された場所が作業ステーション
の入口、中間、アクセススポット、または出口スポットのいずれかであった車両を探すこ
とができる。しかしながら、これは一例に過ぎず、例えば、作業ステーション内の占有セ
ンサを使用して、作業ステーション内の車両の存在または不在を確認するための他の技術
が用いられ得、その場合、ステップ1003で作業ステーション内の車両の存在のチェッ
クすることは、作業ステーション制御システムによってローカルに実行され得る。
【0048】
対象の作業ステーションに車両が存在しないと判断された場合、作業ステーションに車
両がないことは、アクセス開口部において作業ステーションに挿入されるユーザの手が車
両と衝突する危険がないこと、およびアクセス開口部に手/物体感知システムによる検出
をカウントして保管ユニットにピッキングまたは配置されているラインアイテムの数量を
追跡するのに役立つ保管ユニットがないことを意味するため、手/物体感知機構53によ
る正の検出は、ステップ1004で無視される。しかしながら、1つ以上の車両が作業ス
テーションに存在すると判定された場合、ステップ1005で、例えば、それらのアクセ
ススポットに隣接する作業ステーションに設置された移動センサ58、59、および作業
ステーション内の車両の動的車両位置記録をチェックすることによって、車両による作業
ステーションのアクセススポットの静的占有についてのチェックが行われる。これらの動
的な車両位置記録に、現在保管されている値がその作業ステーションのアクセススポット
の一意の識別子が含まれ、移動センサから移動が検出されない場合、車両はアクセススポ
ットに静的に駐車されているという正の検出が行われる。
【0049】
それに応じて、ステップ1006で、コンピュータ制御システムは、作業ステーション
制御システム504が、駐車された保管ユニットから選び取られるかまたは配置されたア
イテムの残りの数量がゼロより大きい(ピッキング、キッティング、または補充注文の残
りの「ラインアイテム数量」)オープンタスク(ピッキング、補充、またはキッティング
タスクのいずれか)を有するかどうかをチェックする。イエスの場合、ステップ1007
で、コンピュータ制御システムは、残りのライン数を1つ減らし、それに基づいて、HM
Iに人間の作業者に示される動的に表示されるライン数も同様に同期して1つ減らされ、
そうして作業者には駐車された保管ユニットから選び取られまたは配置される追加のアイ
テムの数が視覚的に通知される。ラインアイテムの数量がすでにゼロであった場合、ステ
ップ1008で、コンピュータ制御システムは、HMI508にエラーメッセージを表示
し、それによって、アクセススポットに駐車された保管ユニットに選び取られたまたは配
置された規定のラインアイテムの数量を超えてエラーを起こした可能性があることを作業
者に通知する。こうして、作業者は、選び取られたまたは配置された実際のアイテム数量
を再確認し、注文に割り当てられたライン数に一致するように適切な修正を行うことがで
きる。
【0050】
ステップ1005で、アクセススポットに静的に駐車された車両がないと判断された場
合、ステップ1009で、作業ステーションの移動センサ58、59が、検出された車両
の移動について監視される。移動がない場合、システムの操作は通常の方法で続行される
。しかしながら、移動センサがステップ1010でアクセススポットの近くの移動を検出
すると、アクセススポットに出入りする保管容器によって作業者が手を損傷するリスク、
またはアクセススポットを出ようとする保管容器からアイテムが上向きに突き出ているた
めにアイテムまたは機器が損傷するリスクが表され、緊急停止信号が作業ステーション制
御システム504からマスタ制御システム502に即座に送信され、マスタ制御システム
502は結果として、ステップ1011で、作業ステーション内の車両に緊急停止コマン
ドを送信する。これにより、以前に占有されていない場合、アクセススポットに移動しよ
うとしている車両、またはそこに駐車されていた以前の静止位置からアクセススポットを
離れようとしている車両は、傷害または損傷を防ぐためにステップ1012で直ちに停止
される。車両14は、その成功した緊急停止をマスター制御システム502に報告し、こ
れに応答して、例えば、車両の移動が再開された後、作業者のどちらの手も危険にさらさ
れないように、作業ステーションのHMIで両手入力を要求し、作業ステーション制御シ
ステム504がライトカーテンが破られていない状態に再確立されたことを報告するまで
の時間、および適切な作業者が実行するリセットアクションが実行され確認されるまでの
時間、マスター制御システムは、対象の作業ステーションで車両へのすべての車両移動コ
マンドを停止し得る。このリセット後、通常の操作が再開され、
図6Bの手順を繰り返す
ことができる。手/物体感知機構からの正の検出信号が存在するときはいつでも、マスタ
制御システムは、保管取り出し車両が作業ステーションのアクセススポットに出入りする
ことを命令または許可しない。
【0051】
図6Bは、安全チェックと数量カウント機能の両方を組み合わせた手順を示しているが
、他の実施形態は、単純に省略された
図6Bのステップ1005-1008、
図6Cの簡
略化された安全手順によって示されているように、数量カウントのために必ずしも手/物
体感知機構を使用する必要はないことを理解されたい。追加の予防策として、ステップ1
009および1010の移動検出アクションはまた、ステップ1002および1003の
間に実行され得、負の「移動が検出されない」決定がステップ1003に進み、正の「移
動が検出される」決定が緊急停止ステップ1011-1013に進む。このように、アク
セス開口部での正の手または物体の検出と、アクセススポットまたはアクセススポットに
隣接する作業ステーション内の移動の検出の組み合わせは、制御システムが作業ステーシ
ョン内の車両の現在の存在を示していない場合でも、常に緊急停止となる。保管ユニット
が通過する作業ステーションのアクセス開口部内でライトカーテンまたは他の手/物体感
知機構を使用する同じ安全機能および/または数量計数機能は、作業ステーション内での
保管ユニットの移動が必ずしもロボット保管/取り出し車両によって保管グリッドから影
響されない作業ステーションで同様に使用することができ、例えば、同様に装備されたア
クセス開口部の下にあるアクセススポットを通過する保管ユニットのコンベヤベースの通
過経路決めを用いる作業ステーションで使用することができることが理解されよう。
【0052】
図4から
図6は、隔離された作業ステーションの一部としての内側長手方向レール38
aを示しているが、作業ステーションがグリッド構造に設置されるとき、このレールはグ
リッド構造の下部軌道レイアウトと共有されることが理解されよう。
図3を参照すると、
図の右側にある作業ステーションの内側長手方向レール38aは、グリッド構造の下部軌
道レイアウト28のそれぞれの側にあるY方向周縁レール26のインラインセクションで
ある。その作業ステーションの外側レールは、グリッド構造の下部軌道レイアウトのY方
向周縁レールに平行であり、作業ステーションのクロスレールは、下部軌道レイアウトの
Y方向周縁レール26を、下部軌道レイアウトのX方向レールとインラインの位置および
結合する位置で作業ステーションの外側長手方向レール38bに接続する。同様に、図の
左側にある作業ステーションの内側長手方向レール38aは、グリッド構造の下部軌道レ
イアウトのそれぞれの側にあるX方向周縁レール24のインラインセクションである。そ
の作業ステーションの外側レール38は、グリッド構造の下部軌道レイアウトのX方向周
縁レールに平行であり、作業ステーションのクロスレールは、下部軌道レイアウトのX方
向周縁レールを、下部軌道レイアウトのY方向レールとインラインの位置および結合する
位置で作業ステーションの外側長手方向レール38bに接続する。
【0053】
こうして、各作業ステーションの下部軌道は、下部軌道レイアウトに沿った位置で三次
元グリッド構造の下部軌道レイアウトに接続された延長軌道であり、これは三次元グリッ
ドと上部および下部軌道レイアウトによって占有される二次元フットプリントの外側に位
置する作業ステーションとの間、およびその間に延在するコラムおよびシャフトとの間の
ロボット保管/取り出し車両のシームレスな移行を可能にする。三次元グリッドの下部軌
道レイアウトと作業ステーションとの間の車両の移行は、作業ステーションの下部軌道の
一方の端部に位置する作業ステーション入口SENと作業ステーションの下部軌道の対向
する第2の端部に位置する作業ステーション出口SXとを見て行われる。コンピュータ制
御システムによって、ロボット保管/取り出し車両は、専用入口から専用出口まで一方向
的に作業ステーションを通って駆動され、これにより作業ステーション内に複数の車両を
待機させることが可能になり、こうして三次元グリッドの下部軌道レイアウト上の交通障
害を低減する。図示の例では、別個の入口および出口スポットを使用し、その入口スポッ
トと出口スポットとの間の各作業ステーションに1つ以上の中間スポットを含めることに
より、各作業ステーションのこの内部待ち行列容量が増加する。
【0054】
しかしながら、入口および出口のスポットを分離して使用すること、入口と出口との間
に1つ以上の中間スポットを含めること、および入口または出口スポット以外の専用スポ
ットにアクセス開口部を配置することはオプション機能であり、完全にまたはさまざまな
組み合わせで省略され得る。例えば、1つの代替実施形態では、作業ステーションの下部
軌道は、下部軌道レイアウトから延在する2つのクロスレールと同じくらい単純であり得
、アクセス開口部52が存在する単一のスポットを画定し、こうしてすべて1つの単一の
軌道スポットにある入口、出口および作業ステーションのアクセスポイントとして機能し
得る。ロボット保管/取り出し車両は、下部軌道レイアウトの側面にある周縁レールに垂
直なXまたはY方向におけるこのシングルスポット延長軌道に前方に乗り入れ、アクセス
開口部を介して作業者との連携を受け、作業ステーションを逆方向に出て、三次元グリッ
ドの下部軌道レイアウトに戻る。したがって、延長軌道は、図示の実施形態のように、グ
リッド構造の下部軌道レイアウトの周囲に沿って必ずしも細長くする必要はなく、囲いは
、作業ステーションの下部軌道長手方向に離間した場所に離間して配置された入口および
出口ポイントを有する細長いシュートである必要はない。別の例では、図示の実施形態の
ような細長い延長軌道を、図面に示すように、その内側全体に沿って開いているシュート
と一緒に使用することができ、こうして延長軌道に沿った複数のスポットのいずれかを
入口および/または出口スポットとして機能することを可能にする。
【0055】
図7は、作業ステーションの1つの俯瞰平面図と、三次元グリッドの下部軌道レイアウ
トの隣接領域を概略的に示す。作業ステーションの下部軌道と同様に、下部軌道レイアウ
トの2つの隣接するX方向レールと2つの隣接するY方向レールとの間に示される正方形
の領域は、その中のそれぞれの「スポット」と呼ばれる。三次元グリッドのそれぞれのダ
ウンシャフトの下にある各スポットは、着地スポットSLNDとして指定され、ロボット
保管/取り出し車両は、ダウンシャフトを通って垂直に下向きに移動した後、下部軌道レ
イアウトに着地する。外周のそれぞれのアップシャフトの下にある各スポットは、三次元
グリッドが出発スポットSLCHとして指定され、そこからロボット保管/取り出し車両
がアップシャフトを通って上部軌道レイアウトまで上向きに移動する。作業ステーション
18の入口スポットSENに隣接する下部グリッド内のスポットは、ロボット走行車両が
三次元グリッドの下部軌道レイアウトを出て、その入口スポットで作業ステーション18
に入る出現スポットSEMと呼ばれる。作業ステーション18の出口スポットSXに隣接
する下部グリッド内のスポットは、ロボット走行車両が作業ステーションの出口スポット
SXから三次元グリッドに再入する再入スポットSRと呼ばれる。図中の矢印は移動経路
を示し、続いてロボット保管/取り出し車両が最初に下部軌道レイアウトの出現スポット
から外向きに移動して作業ステーションの入口スポットに入り、次に作業者と連携するた
めにアクセススポットを介して長手方向に移動し、その後出口スポットへ長手方向に移動
し、次いでその再入スポットで下部軌道レイアウトに戻る。
【0056】
出現スポットおよび再入スポットの一方または両方は、多目的スポットであり得、例え
ば、再突入スポットは着地スポットでもあることが図示されている例に示されるように、
それぞれのダウンシャフトまたはアップシャフトの下の着地または出発スポットとしても
機能する。作業ステーションに隣接する下部軌道レイアウトの領域内の他のすべてのスポ
ットは、保管ユニットが棚に置かれているグリッドのそれぞれの保管コラムの下にある。
これらのスポットは、コンピュータ制御システムによって、駐車されているロボット保管
/取り出し車両よりも優先順位の高い、同じ作業ステーションに向けられ、その作業ステ
ーションへの移動が割り当てられている別のロボット保管/検索車両が存在する場合に、
各保管ユニットを運搬するロボット保管/取り出し車両が、ロボット保管/取り出し車両
がその保管ユニットを取り出ししたダウンシャフトの底部の着地スポットSLNDで下部
軌道レイアウトに着地した後に選択的に駐車され得る使用可能な駐車スポットSPとして
機能する。保管/取り出し車両の1つを駐車する特定のスポットのコンピュータ制御シス
テムによる選択は、駐車保管/取り出し車両がグリッド状下部軌道レイアウトに到着した
指定された着地スポットの特定の1つから作業ステーション入口までの利用可能な最短距
離移動経路に基づき得る。
【0057】
これにより、ロボット保管/取り出し車両にタスクを割り当て、三次元グリッドおよび
作業ステーションを介してそのナビゲーションを制御することに責任を負うコンピュータ
制御システムは、占有車両のグループ(すなわちそれぞれの保管ユニットを搭載した車両
)の、タスクが割り当てられた順序(すなわち割り当て順序)、それらの保管ユニットが
それぞれの保管場所から取り出された順序(すなわち取り出し順序)、占有車両が下部軌
道レイアウトに着地した順序(すなわち着地順序)、および/または占有車両が割り当て
られた作業ステーションに隣接する出現スポットの近傍に最初に到着した順序(すなわち
、到着または接近順序)に必ずしも一致しない順序で、それらの保管ユニットが向けられ
る割り当てられた作業ステーションへの到着を調整することができる。
【0058】
1つの例示的な例では、ピッキング操作は、コンピュータ制御システムによって実行さ
れ、それぞれが第1の顧客注文のために異なるアイテムを含む1つ以上のそれぞれの保管
ユニットを取り出ししてその保管ユニットを特定の作業ステーションへ配送する1つ以上
の車両の第1のグループを割り当てることと、および同じ作業ステーションへの配送のた
めにそれぞれが第2の顧客注文のために異なるアイテムを含む1つ以上の保管ユニットを
取り出しするように割り当てられた1つ以上の車両の第2のグループを割り当てることと
、を含む。各車両の初期位置から、適切なアイテムを含む保管ユニットが保管されている
利用可能な取り出し位置(この場合、優先順位は、ロボット保管/取り出し車両の現在位
置から、異なる取り出し位置オプションを介して割り当てられた作業目的地までの最短の
全移動経路に基づいて与えられ得る)を介して割り当てられた作業ステーションまでの移
動距離の差のために、二つのグループからの車両はそれらの取り出された保管ユニットと
共に下部軌道に到着し、割り当てられた作業ステーションに混合した順序で接近し得る。
ここで、コンピュータ制御システムは、作業ステーションへの2つのグループの車両の進
入を順序付ける優先順位を割り当て、優先順位の低い車両に現在占有されていない下部軌
道レイアウトの駐車スポットに駐車するように指示できる。
【0059】
割り当てられた優先順位は、少なくとも部分的に「グループ配送」に基づき得るため、
一方の注文のすべてのアイテムが、もう一方の注文のアイテムよりも先に配送される。さ
らなる重み付けは、「最初の着地」または「最初の到着」ベースに基づき得、ここで、最
初の車両の下部軌道レイアウトでの着地または割り当てられた作業ステーションへの接近
により、「グループ配送」順序において、または注文が、サイズ(つまり、小さい注文よ
りも大きい注文を選び取る)、出荷先(より多くの付近の出荷先の前に、より多くの遠隔
宛先を宛先とする注文を選び取る)、配送納期、顧客タイプ、出荷車両の入手可能性など
のために優先順位が付けられる「注文優先」ベースに基づいて、二つの車両グループのう
ちのどちらが他方よりも優先されるかを指示するものである。したがって、選択した順位
付け基準に応じて、2つの注文がシステムによって受信された特定の順序に関係なく、1
番目の注文のすべてのアイテムが2番目の注文のアイテムの前に作業ステーションのアク
セススポットに配送され得る。あるいは、完全な履行のために多数の保管ユニットを必要
とする大量注文では、より大きな注文の継続的なピッキングに戻る前に、作業ステーショ
ンで小さな注文全体を選び取るために、ロボット保管/車両の待ち行列が、小さな注文に
割り当てられた1つ以上のロボット保管/取り出し車両によって中断される場合がある。
【0060】
再び
図23を参照すると、マスタ制御システム502でのソフトウェアの実行可能ステ
ートメントおよび指示は、例えば倉庫管理システム(WMS)または他のホストシステム
519から履行されるべき注文の詳細を受け取る注文処理モジュール518を含む。受領
した注文には、例えば、顧客の種類、配送期限、注文のサイズ、出荷先までの距離、配送
車両の予定または推定利用可能性などに基づき、WMSまたは他のホースシステムによっ
てすでに適用されている優先順位が事前に割り当てられ得る。注文処理モジュール518
は、注文の優先順位の高いものから低いものへと順番に、各注文を一つずつ、注文からの
特定のラインアイテムの識別(UPC、SKUまたは他の一意の識別子)、および選び取
られるそのアイテムの数量(つまり、ラインアイテムの数量)をそれぞれ含むラインアイ
テムタスクに分解する。各注文のこれらのラインアイテムタスクは、計画モジュール52
0に伝達される。計画モジュールは、各ラインアイテムタスクからの一意の識別子を、各
保管ユニットの現在保管されている場所とそこに保管されているアイテムの数量およびタ
イプとを含むマスタ制御システムの動的に更新された在庫記録と比較する。この比較に基
づいて、計画モジュールは、そのラインアイテムを含む保管単位が現在保管されている保
管グリッド内の場所を識別する。計画モジュールはまた、現在の注文に割り当てる作業ス
テーションを選択し、ラインアイテムタスクを割り当てることができる利用可能な保管/
取り出し車両を識別し、各ラインアイテムタスクの割り当てのためにこの情報をラインア
イテム数量とともにそれぞれのタスクにまとめる。これらのタスク割り当ては、タスク送
信モジュール522と共有され、これは処理された注文のタスク割り当てを実行のために
車両に無線で送信される認識可能なコマンドに変換し、それによって割り当てられたタス
クを実行する。タスク割り当てはまた、処理された注文が割り当てられた作業ステーショ
ンの作業ステーション制御システム506とも共有される。ラインアイテムの数量に加え
て、各タスク割り当てには、例えば、保管ユニットが複数のアイテムタイプを含むもので
ある場合に必要とされるように、保管ユニットから選び取られる特定のアイテムの識別も
含まれ得る。
【0061】
注文ベースの優先順位に加えて、個々の注文の異なるラインアイテムにさらにアイテム
ベースの優先順位を適用し得、その場合、各タスク割り当てには、そのラインアイテムの
アイテム優先順位も含まれる。このようなアイテムベースの優先順位は、スタイル、サイ
ズ、重量、色、成分、液体か乾燥物か、アレルゲン、汚染物質など、さまざまなアイテム
属性のいずれかに基づき得る。例えば、小売注文の履行には、受取人の小売店での仕分け
の便宜のために共に梱包されるスタイル、色、サイズの実行などが必要になり得る。より
重いアイテムや液体商品を優先することができ、それにより、作業ステーションに早く配
送することで、重量アイテム/液体アイテムを出荷コンテナの底に梱包し、その後に配送
される軽量/乾燥品を頂部に配置し、底部梱包品の破砕や液体汚染を防ぐことができる。
同様に、交差汚染を避けるために、非アレルギー性食品が作業ステーションに到達する前
に、アレルギー性食品を最初に提供して梱包することができる。
【0062】
異なる順序の保管ユニット間での順序に基づくか、または同じ順序の保管ユニット間で
のアイテムに基づくかにかかわらず、優先順位による保管ユニットの順序付けられた配送
を調整する1つの特定の例が、
図7Aから
図7Hに示されており、ここで、4台の保管/
取り出し車両V1、V2、V3、V4は、コンピュータ制御システムによって優先順位が
順次減少する順序で順位付けされたそれぞれの保管ユニット、U1、U2、U3、U4を
運搬しており、こうして車両V1上の保管ユニットU1は最も優先順位が高く、車両V4
上の保管ユニットU4は最も優先順位が低いが、この到着が作業ステーションに近接して
いるがこの優先順位に一致しない順序が生じている。
図7Aを参照すると、車両V4は、
最初に下部軌道レイアウトに着地し、その出現スポットSEMに接近する。優先順位が最
も低いため、車両V4は、作業ステーションの入口近く、例えば下部軌道レイアウトの出
現スポットSEMに隣接する駐車スポットSPに駐車される。
図7Bに目を向けると、車
両V2は、下部軌道レイアウトに着地し、出現スポットSEMに接近する。車両V2は優
先順位が最高ではないため、例えば、以前に駐車した車両V4に隣接する、作業ステーシ
ョンの入口近くのオープンパーキングスポットSPにも駐車される。
図7Cに目を向ける
と、車両V3は、下部軌道レイアウトに着地し、出現スポットSEMに接近する。車両V
3は優先順位が最高ではないため、例えば、以前に駐車した車両V2に隣接する、作業ス
テーションの入口近くのオープンパーキングスポットSPにも駐車される。
図7Dに目を
向けると、車両V1は、下部軌道レイアウトに着地し、出現スポットSEMに接近する。
優先順位が最も高いため、駐車中の車両V2、V3、V4と作業ステーションの入口との
非妨害的な関係によって可能になるように、作業ステーションの入口スポットSENに直
接移動する。
図7Eに目を向けると、車両V1は、延長軌道の上の作業ステーションシュ
ートを通って前方に移動し、その上のアクセススポットSAに駐車し、それによって、人
間またはロボット作業者による相互作用のために、最高順位の保管ユニットU1をアクセ
ススポットに配送する。
【0063】
図7Fに目を向けると、最高順位の保管ユニットU1を作業ステーションのアクセスス
ポットSAに配送した後、次に最高順位の保管ユニットU2を運搬する車両V2は、次に
、駐車スポットから下部軌道レイアウトの出現スポットに、そこから作業ステーションの
入口スポットに、そしてそこから車両V1が現在駐車されている作業ステーションのアク
セススポットSAに向かって命令される。車両V2は、車両V1が現在占有しているアク
セススポットSAに隣接して駐車される。
図7Gに目を向けると、次に高い順位の保管ユ
ニットU3を運搬する車両V3は、駐車場から下部軌道レイアウトの出現スポットに、そ
こから作業ステーションの入口スポットに、そしてそこから車両V1が現在駐車されてお
り、その横にある車両V2がすでに待ち行列に入れられている、作業ステーションアクセ
ススポットに向かって命令される。車両V3は、車両V2が現在占有している中間スポッ
トに隣接して駐車される。
図7Hに目を向けると、最下位の保管ユニットU4を運搬する
最終車両V4は、駐車場から下部軌道レイアウトの出現スポットに、そこからその隣にあ
る車両V2およびV3がすでに車両V1の後ろに待機している作業ステーションの入口ス
ポットに向かって命令される。車両V4は、作業ステーションの入口スポットSENに駐
車され、車両V3が現在占有している中間スポットに隣接して配置される。選択的駐車に
よる車両とその運搬用保管ユニットとの前述の調整および優先順位に応じた下部軌道レイ
アウトでの車両の前進により、作業ステーションのアクセススポットへ適切に順序付けら
れた進行のために、4つの保管ユニットが作業ステーション内に待機する。
【0064】
図7Iは、コンピュータ制御システムのプロセッサと保管/取り出し車両による制御ロ
ジックの協働実行を示しており、三次元保管グリッド内で車両とその運搬保管ユニットの
指揮を実行して、作業ステーションに順番に到着する。ステップ2001で、マスタ制御
システム502は、処理される待ち行列内のそれらの中で最も優先順位が高い新しい順序
のラインアイテムからタスク割り当てを生成し、次にタスク割り当てを作業ステーション
コントローラ506に転送し、タスクコマンドを保管/取り出し車両に送信する。ステッ
プ2002で、当該コマンドを受信すると、車両は、保管グリッドを通るタスク規定の移
動経路を開始して、保管場所からそれぞれの保管ユニットを取り出し、取り出された保管
ビンを三次元保管グリッドの下部軌道まで運搬し、その後、割り当てられた作業ステーシ
ョンに接近する。一方、作業ステーションコントローラ506は、保留中のタスクとまと
めて呼ばれる、以前の注文の残りの未完成のタスク割り当てとともに、新しい注文のタス
ク割り当てをそこに保管している。そのようなタスクが保留されている状態で、ステップ
2003で、コンピュータ制御システムは、作業ステーションの入口、中間、およびアク
セス開口部の間にオープンスポットがあるかどうかをチェックする。これを行うために、
作業ステーションコントローラは、保留中のタスクに割り当てられた車両のマスタ制御シ
ステムの動的車両位置記録を照会し、最後に確認された位置が作業ステーション内のこれ
らのスポットの1つである車両の記録を取り出しする。照会でこれらのスポットの1つ以
上に一致する車両が見つからない場合、作業ステーションは、埋めることができるスポッ
トがあることを認識する。したがって、これは、作業ステーションコントローラ506が
、作業ステーション内の利用可能な占有場所を考慮して、次の車両が作業ステーションに
入るように「呼び出す」ための手順を開始する。保留中のタスクの順序とアイテムの優先
順位に基づいて、作業ステーションコントローラによって呼び出される車両の識別が実行
される。
【0065】
この例では、以前の注文の履行が作業ステーションですでに進行中であり、新しい注文
の注文優先順位が以前の注文を上回るものではない場合を想定している。同じ接近法は、
システムが「中断なし」ワークフローに従うように設定されている場合にも適用され、こ
の場合、優先順位が高くても、すでに進行中の注文履行が別の注文によって中断されるこ
とはない。ステップ2004で、作業ステーションコントローラ506は、以前の注文の
すべての車両がすでに作業ステーションに入っているかどうかを決定する。これを行うた
めに、作業ステーションコントローラは、作業ステーションに入ったことがまだ確認され
ていないこれらのタスクに割り当てられた車両のうちのいずれかの車両を識別するために
、例えば、作業ステーションの下部軌道上の入口、中間及びアクセススポットのいずれの
一意の識別子とも一致しない最後に確認された場所を有するもののいずれかにおいて、マ
スタ制御システムのこれらの車両の動的位置記録を照会することによって、前の順序の保
留中のタスクをチェックし得る。マスタ制御システムが作業ステーションコントローラ5
06に、以前の注文のすべての照会された保留中のタスク車両の最後に確認された場所が
作業ステーション内のスポットであると報告する場合、作業ステーションのコントローラ
ーは、次に、ステップ2004で、以前の注文のすべての車両がすでに作業ステーション
に入っていることを確認している。ステップ2004でこの正の検出が行われた後、ステ
ップ2005は、最も高い優先順位のタスク割り当ての車両を新しい順序で呼び出すこと
となっている。そうするために、作業ステーションコントローラ506は、新しい注文の
タスク割り当ての中で最も高い優先順位の保留中のタスク割り当てを識別し、この識別さ
れたタスク割り当てで指定された車両を識別する「呼び出し要求」をマスタ制御システム
に送信する。それに応じて、マスタ制御システムは、この車両に、作業ステーションによ
って呼び出されたか、呼び出されたことを示すフラグを立てる。
【0066】
前述のように、車両の移動はセグメント化された方法で命令され、つまり、車両が保管
ユニットを選び取り作業ステーションに配送するために使用する全体的な移動計画は、線
形セグメントに分割される。したがって、車両に送信されるタスクコマンドは、保管ユニ
ットの取り出しおよび作業ステーションへの配送のタスク全体を完了するための移動指示
の完全なセットを含む1回限りのコマンドではない。代わりに、移動指示はセグメントご
とに断片的に命令され、命令される次のセグメントは、車両に送信する前に計画モジュー
ルによって動的に選択または再構成できる。車両が指令されたセグメントの終わりに到達
するたびに、車両は最後の指令された走行セグメントを完了したという確認信号をマスタ
制御システムに返し、それに応答して次の線形走行セグメントの指示を含むさらなるコマ
ンドが車両に送信される。作業ステーションによって呼び出された車両のフラグ付けは、
割り当てられた保管ユニットを取り出して下部軌道レイアウトに着地した後、車両が完了
した移動セグメントの確認を送信すると、マスターコントローラがこの車両を要求した作
業ステーションの入口スポットにつながる1つ以上の線形セグメントの移動ルートでコマ
ンドの実行を認識するため、計画モジュールはそのような作業ステーション宛ての経路を
計算し、そのコマンドを車両に送信することを意味する。これらのコマンドは、ルートが
下部軌道レイアウト上の車両の最後に確認された位置から作業ステーションの入口までの
複数の線形セグメントを含む場合、セグメントごとに断片的に送信される。例えば、ロボ
ット保管/取り出し車両が下部軌道の着地スポットに到着したという確認信号を受信する
と、マスタ制御システムはこれをチェックポイントで使用して、車両にフラグが立てられ
ているか、呼び出されているかどうかを確認でき、それに応じて、その車両の作業ステー
ション宛ての移動ルートを計算して命令するかどうかを決定する。しかしながら、着地ス
ポット以外の下部軌道上のスポットは、この経路決定が行われるチェックポイントとして
機能し、まだ呼び出されているか、一時的に駐車する必要があるかに応じて、作業ステー
ションへの車両の全体的な移動経路を動的に更新することもできる。
【0067】
新しい注文の最高順位の車両を呼び出すと、同じ注文に割り当てられているが作業ステ
ーションからの呼び出し要求によってまだフラグが立てられていない他の車両は、ステッ
プ2006で駐車して、別のスポットが開いたときの作業ステーションへの進入をもう一
度待つ必要がある。このような呼びだされていない車両はいずれも、作業ステーションへ
の走行経路の代わりに、作業ステーションに再ルーティングされる前に、計画モジュール
によって動的に生成された作業ステーションの外側の利用可能な駐車スポットにおける代
替終端への保持パターン走行経路を用いて指令され、、好ましくはその入口の近くで停止
し、そこで呼び出し状態の割り当てを待つ。駐車中の車両の場合、作業ステーションに入
る順番を待っていると、後でマスタ制御システムがその車両の呼び出し要求を受信すると
、駐車場から作業ステーション宛ての移動ルートの計算とコマンドが即座に誘発される。
次に、ステップ2003から2005が繰り返され、その後、ステップ2007でチェッ
クが行われ、各繰り返しにおいて新しい注文のすべての車両が、例えば、ステップ200
4の以前の注文について上記と同じ方法でまだ呼び出されているかどうかがチェックされ
る。すべての車両が呼び出されると、その後の注文がその作業ステーションに割り当てら
れるまで、プロセスは終了となる。ステップ2004で以前の注文のすべての車両がまだ
作業ステーションにないことが判明した場合は、その以前の注文の最高順位の車両の呼び
出し、他の着地した車両のその順序での駐車、新しい注文におけるすべての着地した車両
の駐車は、新しい注文のステップ2005および2006で説明したのと同じ方法で、ス
テップ2008および2009で実行され、その後、ステップ2003および2004が
繰り返される。
【0068】
保管ユニットが配列され、ロボット車両が保管配列をナビゲートするのとまったく同じ
グリッド構造を使用することにより、この内部で実行される順序調整により、スペース集
約型の仕分けコンベヤなどの先行技術に関連するスペースと材料の非効率性を回避しなが
ら、注文ピッキング操作中に複雑な順序付けまたは仕分けが可能になり、ここで取り出し
ステップは1台の機械で実行され、その後、仕分けされたアイテムを離れた保管構造にあ
る割り当てられた作業ステーションに配送する前に、下流でさまざまな機械または装置タ
イプの第2段階の仕分けが実行される。
【0069】
前述の例では、三次元グリッドを通って移動する他の駐車されていない車両の流れに干
渉することなく、指定された下位作業ステーションに向かう途中で保管ユニットを取り出
しした後に車両を選択的に駐車する目的で、特に下部軌道レイアウト上で専用のアップシ
ャフト、専用のダウンシャフト、および指定された駐車スポットを使用しているが、三次
元グリッド内の他の場所を使用して、作業ステーションへの順序付けられた配送の調整中
に、取り出された保管ユニットを一時的に駐車してもよいことが理解されよう。これによ
り、上部軌道レイアウトのX方向レールとY方向レールとの間の正方形の任意のスポット
は、アクティブ化を待機している非アクティブな車両を駐車するために使用できるのと同
様に、コンピュータ制御システムからの操作上の割り当ておよび指示の方法によって、配
送順序の調整中に占有車両の一時的な駐車スポットとして使用され得る。このような場合
、アップシャフトおよびダウンシャフトの上にあるスポットは、ダウンシャフトに入るド
ロップダウン(drop-down)スポットとアップシャフトから出るクライムアウト
(climb-out)スポットとして確保されることが好ましく、グリッドを通る駐車
されていない車両の交通の流れを妨げないようにする一時的な駐車目的には使用されない
。同様に、順序付けられた配送調整は、他に割り当てられたより高い優先順位を考慮して
、そのような駐車車両の作業ステーションへの到着を遅らせる目的で、ダウンシャフトお
よび/またはアップシャフトの任意のレベルで車両の駐車を割り当てることができるが、
占有車両は、他の車両によるシャフトの移動に対するそのような妨害を回避することが好
ましい場合がある。選択された実施形態は、ロボット保管/取り出し車両の上向きの交通
の流れのみに専用の特定のアップシャフトと、下向きの交通の流れのみに専用の別個のダ
ウンシャフトを有するが、他の実施形態は、各シャフトを特定の方向の交通の流れに制限
する必要がないことが理解されよう。これにより、そのような双方向シャフトの下の下部
軌道レイアウト上のスポットは、出発スポットと着地スポットとの両方として機能し、双
方向シャフトの上方の上部軌道レイアウト上のスポットは、ドロップダウンスポットとそ
のシャフトのクライムアウトスポットとの両方として機能する。また、図示の例では、下
部軌道レイアウトからのサービスのために下部レベルに作業ステーションを有するが、延
長軌道によって供給される作業ステーションに関する同じ概念、および作業ステーション
への保管ユニットの順序付けられた配送のグリッド内調整も同様に、作業ステーションが
上部軌道レイアウトから提供される場合に代わりに使用可能であり得る。
【0070】
作業ステーションへの保管ユニットの順序付けられた配送の同一の発明のグリッド内調
整は、作業ステーションが本明細書に開示される本発明の「トラベルスルー」作業ステー
ションであるか否かにかかわらず、軌道レイアウトの二次元フットプリント内に完全に収
まるように使用することもでき、ここで、保管ユニットを保管グリッドに取り出しして戻
すことに責任を負う同一のロボット保管/取り出し車両が、保管ユニットを作業ステーシ
ョンをも通って運ぶか、またはロボット/保管/取り出し車両が作業ステーションの取り
込みポイントで保管ユニットを降ろす「降車」作業ステーションであり、例えば、ターン
テーブル、エレベータ、コンベヤ、または、降ろした保管ユニットを作業ステーションの
アクセスポイントに移行することに責任を負う他のハンドリング装置であり、そこで人間
またはロボット作業者は、グリッド外の保管ユニットと連携する。保管ユニットが降ろさ
れる取り込みポイントは、軌道レイアウトの二次元フットプリントの内側またはすぐ外側
にあり、アクセスポイント(例えば、アクセススポットSA上のアクセス開口部52)は
二次元の軌道レイアウトのフットプリントの外側、つまり保管グリッド構造の外側にある
。
【0071】
前述の例の多くは、人間またはロボット作業者が保管ユニットからそのようなアイテム
を取り外しして顧客に配送するための出荷コンテナにまとめることができる作業ステーシ
ョンにその注文のアイテムを収容する保管ユニットを配送することによって注文を履行す
るために使用されるピッキング操作に焦点を当てているが、作業ステーションはまた、再
保管または注文バッファ操作にも使用することができ、ここで作業ステーションのアクセ
ススポットでロボット保管/取り出し車両によって提示される保管ユニットにアイテムを
配置し、そこからロボット保管/取り出し車両がグリッドに再進入して、その保管ユニッ
トを三次元グリッド内の利用可能な保管場所に配置する。補充作業では、ロボット保管/
取り出し車両運搬保管ユニットに配置されたアイテムは、以前に構造に保管されていなか
ったタイプの新しい在庫アイテム、または以前に選び取られたアイテムを置き換える在庫
補充アイテムである。これにより、本明細書で参照される注文を履行するための作業ステ
ーションでのタスクの実行は、必ずしも顧客の注文の履行に特別に限定されるわけではな
く、ここで顧客が注文したアイテムは、顧客に出荷するために保管ユニットから取り出さ
れ、履行される注文は、そこからのアイテムのピッキングまたはその中のアイテムの配置
、例えば、補充またはキッティング目的(後者は、異なるタイプの混合アイテムを、それ
ぞれが単一のアイテムタイプのみを含むバルク在庫保管ユニットから単一の保管ユニット
に配置することを指す)に関わらず、作業ステーションのアクセス開口部で保管ユニット
との相互作用を同様に必要とする任意の種類の作業注文であり得ることを理解されたい。
【0072】
注文バッファ操作は、最初にピッキング操作を含み、コンピュータ制御システムは、注
文を履行するために必要なアイテムの特定の集合を含む異なる取り出し保管ユニットに保
管/取り出し車両のグループを割り当てて指示し、その保管ユニット内の取り出されたア
イテムを、グリッド状下部軌道のレイアウトまで、そしてこのバッファ操作に割り当てら
れた作業ステーションの入口まで運搬する。割り当てられた車両グループが作業ステーシ
ョンを移動すると、作業者は、各車両が作業ステーションのアクセススポットに到着した
ときに、各車両の保管ユニットから注文の1つ以上のアイテムを抽出し、そして、これら
の抽出されたアイテムは、注文の完全または部分的な履行を形成するために一緒に統合さ
れる。
【0073】
この完全にまたは部分的に履行された注文は、三次元グリッド構造の保管スペースと互
換性のあるサイズのコンテナに配置される。このコンテナは、他の保管ユニットと同じ、
例えば、開閉可能な保管ビンであり得、または、保管ユニットとは異なるタイプの出荷コ
ンテナ(例えば、統合された注文内容が注文全体を満たしている場合などの、例えば必要
に応じて密閉され出荷ラベルがすでに貼られている段ボールの出荷ボックス)であり得る
。コンピュータコントローラは、荷下ろしした車両を同じ作業ステーションに送り、そこ
で、統合された注文内容を含むコンテナが、作業ステーションのアクセススポットでこの
車両の上に置かれる。次に、コンピュータコントローラは、この注文を運搬する車両を三
次元グリッド構造に送り返し、完全にまたは部分的に履行された注文を三次元グリッド構
造の利用可能な保管場所に保管するように指示する。したがって、在庫アイテムを保管す
るために使用される同じ三次元保管グリッドをも使用して、後の日付または時間まで、部
分的に準備された出荷または完全に準備された出荷をバッファすることもできる。例えば
、出荷車両が到着して、完全に完了した注文を配送するためにピックアップすると予期さ
れる将来のピックアップ時間、または、現在在庫にない追加アイテムを必要とする部分的
に履行された注文の場合、注文の完了を可能にするために在庫切れが補充される将来の時
間などである。
【0074】
ピックアップまたは在庫補充の時間になると、コンピュータ制御システムによってバッ
ファされた注文取り出し操作が実行され、ロボット保管/取り出し車両を送信して、保管
場所から注文コンテナを取得し、作業ステーションのアクセス開口部を介して、注文コン
テナをコンテナまたはそこに含まれる個々のアイテムを取り出しするための作業ステーシ
ョンのいずれかに配送する。バッファされた注文が部分的な注文であった場合、以前に欠
落していたアイテムは、出荷コンテナとして使用できる場合は同じコンテナに追加するか
、新しい出荷コンテナに統合することにより、取り出されたアイテムと統合される。
【0075】
本発明の新規な作業ステーション、その新規な使用、および作業ステーション配送の順
序付けおよび注文バッファのための三次元グリッド構造自体の新規な使用を要約したので
、次に、三次元グリッド構造における他の新規な点、ロボット車両群、およびそれらの間
の協働動作に注目する。
【0076】
図8は、三次元グリッド構造の下部軌道レイアウトの独立した部分を示しており、平行
な第1及び第2の長手方向レール60a、60bが下部軌道レイアウトのX方向に沿って
延在しており、平行な一組の追加のクロスレール62a~62fが、下部軌道レイアウト
のY方向に沿って規則的に離間して第一及び第二の長手方向レール60a、60bを垂直
に相互接続している。上記のように、下部軌道レイアウトのそれぞれのスポットは、2つ
の長手方向レールと隣接するクロスレール62a~62fの各対との間の正方形の領域に
よって示される。各スポットの同じ側(図示の例では各スポットの右側)のクロスレール
は、クロスレールの頂面の中点に視覚的に検出可能な位置マーカ64を搭載している。検
出可能位置マーカは、別個のステッカーまたはラベルとして適用されるか、軌道自体のレ
ールにエッチングされ得る。各ロボット保管/取り出し車両は、位置マーカ64が配置さ
れている軌道スポットの側面と一致するロボット保管/取り出し車両の側面にスキャナ6
6を搭載している。スキャナは、ロボット保管/取り出し車両が下部軌道レイアウトを移
動するときに、マークされたクロスレールの画像をキャプチャするように方向付けられた
下向きの角度の視野を有する画像キャプチャデバイスを備える。視野は、レールのマーク
された頂面でのフレームサイズが検出可能マーカのサイズを超えるように向けられている
。スキャナと位置マーカは、ロボット保管/取り出し車両が、下部軌道の所定のスポット
を境界付ける2つの長手方向レールと2つの交差レールとの間の適切な中心にあるとき、
クロスレールのうちの1つにあるそれぞれの位置マーカ64がスキャナの視野の所定のサ
ブ領域(例えば、その中央領域)を占有するように、互いに対して配置される。ロボット
保管/取り出し車両が下部軌道レイアウトの対象の目的地スポットに到着すると、スキャ
ナは現在の視野から画像をキャプチャし、ロボット車両のローカルコンピュータプロセッ
サによって実行されるソフトウェアモジュールが位置マーカの位置をスキャナのより大き
な表示フレーム内で比較し、表示フレーム内のマーカの位置と、マーカが予期される予想
表示フレームのサブ領域との間の一致を確認する。したがって、サブ領域が表示フレーム
の中央領域である場合、ソフトウェアはマーカが表示フレームの中央に適切に配置されて
いるかどうかをチェックしている。したがって、相対的な一致または不一致は、ロボット
保管/取り出し車両と下部軌道レイアウト上の対象のスポットとの間の相対的な位置合わ
せを反映する。
【0077】
出願人の公開されたPCT出願WO2016/172793に記載されているように、
ロボット保管/取り出し車両14は、ロボット保管/取り出し車両の2つの対向する側に
一組のX方向ホイール68と、ロボット保管/取り出し車両の他の2つの反対側の一組の
Y方向ホイール70とを備えている。X方向ホイール68は、Y方向ホイール70がロボ
ット保管/取り出し車両のフレームに対して軌道レイアウトのY方向レールと係合しない
ように、上昇可能および下降可能であるのと同様に、ロボット保管/取り出し車両のフレ
ームまたはシャーシに対して軌道レイアウトのX方向レールと係合しないように上昇およ
び下降可能である。ロボット保管/取り出し車両がY方向レール上のY方向ホイールの駆
動回転によりY方向に走行するとき、X方向レールと接触しない状態でX方向ホイールが
上昇する。一方で、ロボット保管/取り出し車両がX方向レール上のX方向ホイールの駆
動回転によってX方向に走行するとき、Y方向レールと接触しない状態でY方向ホイール
が上昇する。
【0078】
図8は、ロボット保管/取り出し車両14が下部軌道レイアウトのX方向においてその
上の対象の目的地スポットに向かって乗り入れ、そのようにY方向レール上の位置マーカ
をスキャンしている例を示している。各位置マーカは、下部軌道レイアウトの二次元グリ
ッドマップ内で指定されるそれぞれのスポットの固有IDを含むスキャン可能コードを取
り入れ得、それによってこの固有IDは対象の目的地スポットの位置マーカの検出された
位置合わせとともに、ロボット保管/取り出し車両の正しい対象の目的地スポットへの到
着の確認と、ロボット保管/取り出し車両のこのスポットへの適切なセンタリングの達成
との両方のために使用できる。このような位置合わせにより、(1)ロボット保管/取り
出し車両が、軌道レイアウト内の隣接するスポットを通過する他の車両の反対方向への移
動を妨げないこと、(2)対象の目的地スポットがロボット保管/取り出し車両がその上
のシャフトを通って上方に移動することを意図する出発スポットである場合、ロボット保
管/取り出し車両はその上の垂直シャフトと適切に位置合わせされること、が保証される
。
【0079】
ロボット保管/取り出し車両の反対側のホイールと下部軌道レイアウトの対応するレー
ルとの係合により、ロボット保管/取り出し車両は、これらのレールに垂直な軌道方向で
下部軌道レイアウトの対象スポットに自動的に位置合わせされる。したがって、
図8に図
示された例では、X方向のホイールがX方向のレールと係合しているため、ロボット保管
/取り出し車両がY方向の対象スポットに自動的に位置合わせされる。ロボット保管/取
り出しビークルがX方向の対象スポットに到着する間に、スキャナは、その観察フレーム
から画像を捕捉し、ロボット保管/取り出しビークル上のローカルプロセッサによって実
行されるソフトウェアは、観察フレーム内の位置マーカ画像の位置をチェックし、観察フ
レーム内の実際の位置マーカの位置と予期される位置マーカの位置との間の偏差を、X方
向ホイールのモータへの駆動信号を動的に調整するフィードバック信号として使用して、
ロボット保管/取り出しビークルを対象スポット上に適切に中心合わせするように駆動す
る。Y方向の対象スポットに移動するとき、同じ位置合わせ手順を使用して、Y方向ホイ
ールをフィードバック制御で制御する。ロボット保管/取り出し車両は軌道レイアウト上
で向きを変えることはないため、スキャナが各車両の適切に協働する側に配置されている
限り、マーカが配置されるレールのセット(X方向またはY方向のレール)の特定の選択
は重要ではない。
【0080】
図9Aおよび9Bは、車両がY方向レール62に沿って走行を終えたばかりである、Y
方向での位置合わせ手順の性能を示している。レール62上に描かれた外側の長方形のボ
ックスは、スキャナの視野(FOV)の外側の境界BFOVを表し、その中心点はCでマ
ークされている。マーカ64がグリッド軌道の対象スポット上の車両の適切に位置合わせ
された位置にあると予期されるFOVサブ領域SFOVは、グリッド内の対象スポット上
の車両の位置ずれ状態を表す
図9Aに表れており、マーカはサブ領域の片側に明確にオフ
セットされている。
図9Bでは、マーカ64は、FOVの正確な中心にあり、こうして、
予期される中央サブ領域SFOVを完全に占め、こうしてグリッド軌道の対象スポット上
の車両の適切に位置合わせされた位置を表すことが分かる。X方向の位置合わせチェック
の目的でキャプチャされた画像の唯一の違いは、位置がずれている場合では、マーカ64
が
図9Aの左右方向に中心からオフセットされるのではなく、図の上下方向に中心からオ
フセットされることである。
【0081】
各車両のホイールドライブモーターはエンコードされており、マスタ制御システムから
受信した無方向の移動コマンドは、進行方向およびその方向に移動するグリッドスポット
の数でのみ表される。ローカルプロセッサは、搬送ホイールの直径とすべての正方形グリ
ッドスポットで共有される均一な幅との間の所定の関係を表す保管された比例係数に基づ
いて、この移動コマンドをホイールモータの適切な駆動信号に変換する。エンコードされ
たモータは、指令された移動長に相当する適切なホイール回転数が実行されたことをプロ
セッサにフィードバックする。そのため、プロセッサは、エンコードされたホイールモー
タから所定の回転が完了したというフィードバック確認を受信すると、スキャナによる画
像キャプチャを誘発し、キャプチャされた画像に対して視覚的な分析を実行して、ピクセ
ルオフセット値VPOとして計算された、スキャナFOV内のマーカの予想位置と実際の
位置との間にオフセットがあるかどうかを識別する。
【0082】
計算されたオフセットがゼロであるか、許容しきい値内にある場合、プロセッサは、グ
リッド軌道の対象スポットでの車両の適切な位置合わせを確認している。オフセットがゼ
ロ以外の場合、または許容しきい値を超えている場合、車両の位置がずれていることがわ
かる。それに応じて、プロセッサは、画像内のピクセルオフセットの計算量に比例し、画
像内のオフセットの方向によって決定される適切な方向に駆動信号をモータに送信するこ
とによって、修正ホイール回転アクションを開始する。ホイールモータによるこの修正駆
動動作の実行後、更新された画像がキャプチャされ、適切な位置合わせが達成されたかど
うか、または最後の修正試行におけるオーバーシュートまたはアンダーシュートを補正す
るためにさらなる修正動作が必要であるかどうかを評価するために同じオフセット決定プ
ロセスにかけられる。適切な位置合わせが達成されると、車両プロセッサは、「位置達成
」確認信号をマスタ制御システムに送信する。これには、マーカ64にエンコードされ、
スキャナ66によってマスタ制御システムへのフィードバックとして読み取られて、命令
された車両タスクによって特定された対象の目的地スポットに到達したことを確かめるこ
とが含まれる。指令された直線移動セグメントの対象の目的地への整列した到着のこの確
認により、マスタ制御システムは、車両が現在到着したスポットの一意の識別子で車両の
動的位置記録を更新することができる。作業ステーションの下部軌道は、同一到着確認、
位置合わせチェック/修正、および位置更新の目的で、同じマーカ配置を使用する。
【0083】
上記の位置合わせチェック/修正プロセスは一般に
図9Cに要約され、ステップ3001
においてコンピュータ制御システムは、グリッド構造のグリッド状軌道レイアウトに沿っ
てまたは作業ステーションの下部軌道に沿って、グリッドの正方形またはスポットの数の
選択により、車両の一方向の移動を命令する。ステップ3002で、そのようなコマンド
の受信に応答して、車両は、車両の搬送ホイールの直径とグリッドおよび軌道スポットの
標準化された幅との間の既知の比例に従って、コマンドされた方向にコマンドされた数の
スポットを駆動する。ステップ3003において、車両のローカルプロセッサは、スキャ
ナ66によるデジタル画像の取り込みを誘発し、ステップ3004において、車両の命令
された一方向走行と同じXまたはY方向において、符号化マーカ64と画像内の予測位置
との間の任意のピクセルオフセットを測定することによって、取り込まれた画像を分析し
て、レール上の一意にコード化されたマーカ64の適切な位置合わせをチェックする。マ
ーカが画像内で適切に位置合わせされている場合(すなわち、オフセットがない場合、少
なくとも所定の閾値を超えない)、ステップ3005において、車両のプロセッサは、車
両によってスキャンされた一意に符号化されたマーカ64から読み取られた一意の識別子
を含む確認信号をマスタ制御システムに無線送信し、マスタ制御システムはこれを使用し
て、移動コマンドによって規定された対象の目的地スポットへの車両の到着を確認する。
マーカが画像内で適切に位置合わせされていないことが判明した場合、ステップ3006
で、車両は、画像分析から測定されたピクセルオフセット値VPOに比例する駆動信号を
ホイールモータに送信することによってその位置合わせの自己修正を試み、位置合わせが
確認されるまでステップ3004を再度繰り返す。
【0084】
軌道レイアウト上の目標位置に到着するときの車両位置のそのような調整に加えて、車
両の移動の早期の動的調整は、車両がその途中で移動している他のマーカをスキャンする
ことによって、対象シャフトの下の対象スポットへの到着の上流で行われ得る。コンピュ
ータ制御システムによって保管/取り出し車両に割り当てられて送信される元の移動指示
は、構造の既知のグリッド寸法に基づく対象シャフトまでの実際の物理的距離に基づく。
車両が複数のパススルースポットを通過して対象シャフトの下方の対象グリッドスポット
に到達する場合、スキャナは、各パススルースポットを通過する際にスキャンを実行する
ことができ、その結果を使用して、最初に割り当てられた移動距離と、車両の現在位置か
ら対象スポットまでの真の残りの移動距離との間の差を考慮するために、その場で移動指
示を動的に補正し、こうして、対象スポットへの最終到着中の位置合わせの微調整の必要
性を回避または低減するために、対象スポットへの保管/取り出し車両のより正確に整列
された到着を調整する。
【0085】
図示の実施形態は、グリッド状三次元構造内の、下部軌道レイアウト上のターゲット可
能なスポットに対して固定された位置に配置された静的位置マーカおよび移動中の保管/
取り出し車両に搭載された移動スキャナを使用する一方、この配置は、グリッド構造に静
的に配置されたスキャナとロボット保管/取り出し車両に検出可能マーカを配置すること
で逆にすることができるが、ホイールが制御されているロボット保管/取り出し車両でス
キャンと関連する画像処理を実行することが好ましい。スキャナ/マーカ位置合わせ確認
ツールの前述の説明は、ロボット保管/取り出し車両がそのような出発スポットの上のシ
ャフトへ持ち上げられる前に、車両が下部軌道レイアウトの対象出発スポットに適切に位
置合わせされていることを確実にするために、下部軌道レイアウトを参照して行われ、同
じツールを上部軌道レイアウトに使用して、ロボット保管/取り出し車両を前記シャフト
に降ろす前に、それぞれのシャフトの上方の対象のドロップダウンスポットに車両を確実
に位置合わせすることもできる。
【0086】
図10から15は、その出口スポットSXに隣接する作業ステーションの1つのすぐ外
側の三次元グリッド構造の下部軌道レイアウトの出発スポットSLCHにおけるロボット
保管/取り出し車両の1つを示している。グリッドの大部分は説明のために省略されてお
り、この特定の発射スポット(そのうちの一方のX方向レールには60というラベルが付
けられ、一方のY方向レールには62というラベルが付けられている)を画定する下部軌
道レイアウトの四つのレールと、出発スポットのコーナーにおけるそれらの間の交点でレ
ールを支持する四つの支持脚30と、出発スポットの四隅から直立して出発スポットの上
方のそれぞれの垂直アップシャフトの四隅を画定する四つの直立フレーム部材12のうち
の二つと、のみが残されている。他の2つの直立フレーム部材は、ロボット保管/取り出
し車両の視認性を改善して、保管/取り出し車両を上にあるアップシャフトに上昇させる
ための新規のリフト機構72との相互作用を示すために省略されている。
【0087】
リフト機構72は、出発スポットの長方形のフットプリント内の下部軌道レイアウトの
支持脚30と同じ地面の上に着座している。
図16から19の下部軌道レイアウトとは別
に示されているように、リフト機構72は、水平クロスブレース76によって相互接続さ
れた4つの垂直直立コーナー脚74を有するベースフレームと、コーナー脚の頂端74の
ベースフレームの頂面に取り付けられた上部パネル78とを特徴とする。リフトプラット
フォーム80は、ベースフレームの上部パネル78の上方に位置し、適当なアクチュエー
タによってその上で上昇可能/下降可能な方法で移動可能に支持され、図示の例では、そ
の電気モータ82がベースフレームの上部パネルの下側に取り付けられた電気リニアアク
チュエータ81であり、リフティングプラットフォームの下側に接続するために上部パネ
ルの中央開口部を通って上方に到達するアクチュエータの出力ロッド84を有する。した
がって、リニアアクチュエータを伸長すると、リフトプラットフォームが上部パネルから
上方に上昇し、リニアアクチュエータを収縮させると、リフトプラットフォームが下降し
て、ベースフレームの上部パネルに接触または隣接するようになる。4本の線形ガイドロ
ッド86のセットが、そのコーナー近くのリフトプラットフォームの下側に取り付けられ
、ベースフレームの上部プレートのブッシングまたはベアリングのセットを通り抜けて、
リニアアクチュエータの伸長および収縮中に、上部プレートを通って上下にスライド移動
する。したがって、ロッドガイドは、リフトプラットフォームを安定させて、その水平方
向を水平に維持するのに役立つ。
【0088】
ベースフレームは、ベースフレームの上部パネル78が下部軌道レイアウトのレールの
上側の下方の高さに存在するように、下部軌道レイアウトよりも低い高さを有し、および
例えば、これらのレールの下側の少し下に位置するように、リフトプラットフォームがベ
ースフレームの上部パネルに隣接して下降位置にあるとき、それが下部軌道レイアウトの
レールの上に突出しないように、下部軌道レイアウトよりも低い高さを有する。したがっ
て、リフトプラットフォームの追従位置では、ロボット保管/取り出し車両は、出発スポ
ット上をどちらの軌道方向にも自由に移動できる。取り付けブラケット88は、その2つ
以上の側面でリフト機構のベースフレームの上部パネルから外側に達し、例えばその下側
で、下部軌道レイアウトのレールに固定され、こうして、グリッド状軌道レイアウトに対
して適切に正方形の関係にあり、出発スポットの正方形領域内の適切に中央に配置されて
いる、リフトプラットフォームの位置を固定する。
【0089】
リフト機構は、例えば、リフト機構が作業ステーションのローカルコンピュータに配線
されている
図23に示されるように、有線または無線接続を介してコンピュータ制御シス
テムと通信可能である。下部軌道レイアウトに沿って移動するロボット保管/取り出し車
両が、ロボット保管/取り出し車両が移動することになっているアップシャフトの下の対
象出発スポットに到達するとき、またはより典型的には、作業ステーションを出た直後の
ロボット保管/取り出し車両が作業ステーション出口のすぐ外側のこの出発スポットに乗
り入れるとき、車両は、上述の位置マーカ及び協働スキャナを使用してアップシャフトと
正確に位置合わせされ、ロボット保管/取り出し車両の無線トランシーバは、目標出発ス
ポットにロボット保管/取り出し車両が到達したことが確認されたことをコンピュータ制
御システムに信号を送る。
【0090】
このプロセスは
図19Aに示され、ステップ4001において、マスタ制御システムは
、車両に、作業ステーションの隣接する出口スポットから出発スポットに移動するように
命令し、それに応答して、車両は、ステップ4002の出発スポットへの一方向の距離の
命令された1スポットを自己駆動する。ステップ4003で、車両は、
図9Cに記載され
ている位置合わせチェック/修正手順および位置確認報告プロセスを実行する。この確認
に応答して、マスタ制御システムは、ステップ4004において、作業ステーション制御
システムに、リフト機構72に起動信号を送信するように指示し、それに応答して、その
アクチュエータ80が伸長方向に起動されて、リフトプラットフォーム80を上昇させて
、ロボット保管/取り出し車両のフレーム又はシャーシの下側を下部軌道レイアウトのレ
ールの直上に接触させ、それによって、車両の搬送ホイールを下部軌道レイアウトから上
昇させる。ステップ4005で、リフト機構をこのホイールリフト高さまで上昇させるこ
とが完了し、リフト機構から作業ステーション制御システムのローカルコンピュータ50
6に第1段階のリフト確認信号を送信することによって確認され、この第1段階のリフト
確認からマスタ制御システムへ報告される。他の実施形態では、リフト機構は、マスタ制
御システムによって直接制御され、確認をマスタ制御システムに直接報告することができ
る。
【0091】
ロボット保管/取り出し車両の重量が、ロボット保管/取り出し車両の運搬ホイールを
下部軌道レイアウトのレールに乗せるのではなく、リフト機構によって支えられるように
なったため、マスタ制御システムは、ステップ4007でモード移行コマンドを保管/取
り出し車両14に送信し、これに応答して、そのローカルプロセッサは、保管/取り出し
車両の軌道乗り入れモードからシャフトトラバースモードへの移行を開始する。この移行
の一部として、車両のローカルプロセッサは、ホイール移動モータまたはアクチュエータ
を適切な方向に駆動して、ロボット保管/取り出し車両の搬送ホイールを水平内側方向に
内側に引き出すことにより、ロボット保管/取り出し車両の全体のフットプリントを、シ
ャフトに入ることができる縮小されたサイズに減少させて、ピニオンホイールがアップシ
ャフトのコーナーにある直立フレーム部材上のラック歯と係合できるようにし、それによ
り、保管/取り出し車両の上昇を可能にする。移行はさらに、これらの高さ調節可能なホ
イールが以前に下降した軌道乗り入れ位置にあった場合、ホイール昇降モータまたはアク
チュエータ526の作動を介して車両の高さ調節可能なホイールセットを上昇させること
を含み得る。このようにして、8つのホイールユニットはすべて、リフト機構によって車
両が完全に上昇したときにラック歯と係合するのに十分な高さになる。
図10から15に
示されている2つの直立フレーム部材のうちの1つの下部セグメント32には、ラック歯
90の下部セットが1つだけ示されているが、そのようなラック歯は、アップシャフトの
4つの直立フレーム部材の内側に面する8つの側面すべてに設けられ、シャフトの実質的
に全高から上部軌道レイアウトの近くまで及ぶ。
【0092】
このようなホイールの収縮、および必要に応じて高さ調節可能なホイールの上昇の後、
車両は、ステップ4008で、車両が軌道乗り入れモードからシャフトトラバースモード
への移行が正常に完了したことの確認をマスタ制御システムに送信する。それに応答して
、ステップ4009で、マスタ制御システムは、作業ステーションコントローラ506に
、ロボット保管/取り出し車両のピニオンホイールの歯がグリッド構造の直立フレーム部
材の最下部のラック歯と係合するか、すぐ隣に隣接する上昇位置にロボット保管/取り出
し車両を持ち上げるさせるように、リフト機構アクチュエータのさらなる伸長を命令する
ように指示する。ステップ4010でこのさらなる延長が完了すると、リフト機構は、フ
ルステージ延長確認信号をローカル作業ステーションコンピュータに送信し、これは、車
両が上昇するために完全に上昇したアップシャフトへの位置にあることの確認として、マ
スタ制御システムに報告される。それに応答して、ステップ4011で、マスタ制御シス
テムは、車両にアップシャフトを通って上部軌道レイアウトに登るように命令し、これに
応答して、ステップ4012で、車両のローカルプロセッサは、ホイールモータ524を
作動させて、車両のピニオンホイールにより、グリッド構造のアップシャフトを介してロ
ボット保管/取り出し車両の上昇を開始する。
【0093】
主電源によって動力供給されるリフト機構は、こうして、保管/取り出し車両の搭載電
源がラック歯と係合可能な位置までロボットを持ち上げるために使用されないので、保管
/取り出し車両の搭載電源が下部軌道レイアウトから上部軌道レイアウトまで移動する際
に保管/取り出し車両の搭載電源によって消費される全体的なエネルギー負荷を低減する
。リフト中にロボット保管/取り出し車両をアップシャフトと整列した状態に維持するた
めに、リフトプラットフォームおよび車両シャーシの下側は、車両が軌道の出発スポット
に適切に中心合わせされたときに、互いに自動的に整列するように、互いに一致するパタ
ーンでレイアウトされた適合可能な雄型および雌型特徴を有し得、それによって、リフト
プラットフォームの上昇は、その上の雄型/雌型特徴を車両シャーシの下側の一致する雌
型/雄型特徴と一致させる。接合機能は、車両のシャーシが上昇したときにリフトプラッ
トフォーム上で滑るのを防ぐ。例では、4つの雄型ニップルがリフトプラットフォームの
上面からその外側のコーナーの近くに上向きに突き出て、車両シャーシの下側にある4つ
の接合くぼみと接合する。
【0094】
図20は、ロボット保管/取り出し車両14の1つと、それによって三次元グリッド構
造および作業ステーション内で配送するためのロボット保管/取り出し車両上で受け取り
可能な保管ユニット92とを示している。図示の例では、より小さな個々のアイテムを挿
入および取り外しできる保管ユニットはオープントップトレイであるが、本明細書の他の
場所で前述したように、開閉可能なボックス、蓋付き容器、または手提げ容器を代わりに
使用することができる。他の実施形態では、保管ユニットは、その中に複数のアイテムを
保管するためのコンテナとは対照的に、個々のアイテムの梱包であり得る。グリッド寸法
および作業ステーションがより大規模である他の実施形態では、保管ユニットは、1つ以
上のアイテムが、1つの比較的大きな個々のアイテムであるか複数のアイテムであるかに
かかわらず、受け取られるパレットであり得る。複数のパレットアイテムの例では、アイ
テムは、パレット上に配置または積み重ねられた複数のコンテナ(例えば、箱、トレイ、
蓋付き容器、または手提げ荷)に分布し得、そのような各コンテナに1つ以上のアイテム
が保管される。
【0095】
出願人の公開されたPCT出願WO2016/172793に開示されているように、
ロボット保管/取り出し車両14は、保管ユニット92がロボット保管/取り出し車両1
4によって運搬するために受容可能であり、静止した外側デッキ表面98に囲まれた回転
可能なタレット96を特徴とし得る上部支持プラットフォーム94を特徴とする。出願人
の公開されたPCT出願WO 2016/172793に開示されているように、タレッ
トは、再び伸長可能/収縮可能アーム(表示されない)を有し得、これは、タレットの回
転可能機能と共に、各車両が三次元グリッド構造内のいずれかのシャフトのいずれかの側
の保管ユニットにアクセスできるように、ロボット保管/取り出し車両のすべての四辺に
おいて、保管ユニットを支持プラットフォーム上に引っ張り、支持プラットフォームから
保管ユニットを押し出すことを可能にする。つまり、各ロボット保管/取り出し車両は、
シャフトの4つの異なる側面のいずれかの保管場所にアクセスできるように、シャフトの
いずれかの内部の4つの異なる作業位置で操作可能である。現在図示されている実施形態
では、タレットおよびデッキ表面は、例示を簡単にするために詳細なしで簡略化された形
で示されている。単一の伸長可能/収縮可能なアームを有する回転可能なタレットの使用
は、いずれかのシャフトのいずれかの側面にアクセスするために4つの異なる作業位置で
操作可能なロボット保管/取り出し車両の一例であるが、他の車両も同様に、そのすべて
の側面に相互作用を可能にする4つの異なる作業位置を達成することができ、例えば、車
両の4つの異なる側面からそれぞれ伸頂可能な複数の伸長可能アームを有することが理解
される。
【0096】
タレットおよび周囲のデッキ表面は、ロボット保管/取り出し車両14に搭載されたと
きに保管ユニットがその上に着座する正方形の着地領域を集合的に画定する。この着地領
域は、
図21に示すように、三次元グリッド構造の各保管ユニットの下側と等しいまたは
類似のサイズと形状で、保管ユニットの着座位置が着地領域全体を占めている。保管ユニ
ットが完全に受け取られ、ロボット保管/取り出し車両の着地領域に適切に位置合わせさ
れることを確実にする目的で、上部支持プラットフォーム94は、当該周囲に沿って間隔
を置いて配置された位置で、その外周に近接して配置された一組の荷重状態センサ100
を有する。図示の例では、荷重センサは、着地領域の上面に埋め込まれた光学センサであ
り、着地領域の4つの外側のコーナーのそれぞれの1つに近接して配置された4つの数量
で提供される。伸長可能/収縮可能アームの収縮を使用して、三次元グリッドの保管場所
からロボット保管/取り出し車両に保管ユニットを引っ張る積込ルーチンの一部として、
車両のローカルプロセッサはセンサ上部の保管ユニットの下側の存在を検出するための4
つの荷重状態センサの状態をチェックする。したがって、4つの荷重状態センサすべてか
らの正の検出信号により、着地領域の四隅すべてに保管ユニットが存在することが確認さ
れ、保管ユニットが着地領域で完全に受け取られ、適切に直角に配置されていることが確
認される。
【0097】
一実施形態は、荷重状態検出のために反射光学センサを使用し、センサの光ビームエミ
ッタによって送信された光エネルギーは、保管ユニットがその上に存在するときに、保管
ユニットの下側で反射されてセンサの光レシーバに戻り、上記の存在を正しく決定する。
飛行時間の計算(すなわち、光パルスの放出と反射された光パルスの検出との間の時間の
差)ロボット保管/取り出し車両の着地領域に着座した保管容器の下側からの反射とさら
に離れた別の表面での反射とを見分けるために使用され得る。光学センサ以外のセンサタ
イプ、例えば、保管ユニットの下側との接触によって機械的に作動するリミットスイッチ
、または保管ユニットの下側に検出可能な磁場を放出する協働磁気要素の存在によって作
動する磁気センサを含むもの、が用いられ得ることが理解されよう。ただし、可動部品を
避けることや、磁気統合やその他の保管ユニットの特殊な構成の必要のためには、光学セ
ンサの方が好ましい場合があり得る。
【0098】
上に開示したように、注文履行センターに在庫アイテムを保管するために使用される三
次元グリッド構造は、同じ在庫保管グリッド構造内で完全にまたは部分的に完了した注文
をバッファするために使用することもできる。
図22は、
図2に示したタイプの在庫保管
グリッドを補完できる個別の三次元仕分け/バッファグリッドを示している。例えば、パ
レットに積み込まれた到着供給在庫は、パレットから取り出されて
図2の在庫保管グリッ
ドに誘導され得、そこから注文が選び取られて出荷コンテナに梱包され、
図22の仕分け
/バッファグリッド構造200に誘導される。仕分け/バッファグリッド構造200は、
在庫保管グリッドと同じ三次元フレームワークを特徴とし、こうして、保管コラムと二つ
の軌道レイアウトの間の直立シャフトとを画定するために、整合する上下の軌道レイアウ
トとそれらの間の直立フレーム部材の配列とを有し、ロボット保管/取り出し車両群が各
軌道レイアウトを水平に横断し、二つの軌道レイアウトの間のシャフトを垂直に横断して
その間の棚状の保管場所にアクセスすることを可能にする。しかしながら、仕分け/バッ
ファグリッド200内の保管場所は、在庫保管グリッドから選び取られた注文を含む、以
前に梱包された出荷コンテナを含む。ロボット群は、中央のコンピュータ制御システム、
例えば在庫保管グリッドによって共有される同じコンピュータ制御システムを介して、再
びワイヤレスで制御される。
【0099】
図22の図示の例では、仕分け/バッファグリッド200の上部軌道レイアウトは、到
着出荷コンテナ204を上部軌道レイアウトのロボット保管/取り出し車両に積み込む目
的で、それと協働して設置された複数の取り込みステーション202によって提供される
。各取り込みステーションは、一連の到着出荷コンテナを仕分け/バッファグリッド20
0への誘導のために待ち行列に入ることができるコンベヤ206を備え得、ロボット保管
/取り出し車両14の高さに等しいかわずかに超える上昇距離分だけ、その外周で、仕分
け/バッファグリッド200の上部軌道レイアウトよりわずかに上に持ち上げられた各コ
ンベヤの出口端を有する。このように、各取り込みコンベヤ206の出口は、上部軌道レ
イアウトに乗り入れるときにロボット保管/取り出し車両の着地領域によって占められる
上部水平基準面にまたはその上方に存在する。こうして、取り込みコンベヤは、上部トラ
ックレイアウトの外周にある取り込みコンベヤの出口端部に位置合わせされたピックアッ
プスポットにあるロボット保管/取り出し車両の1つの着地エリアに入ってくる出荷コン
テナをスライドまたは落とすことができる。
【0100】
図示されているように、一つまたはそれ以上の取り込みステーションが上部軌道配置の
任意の一つ以上の周囲側に設けられ得るが、取り込みステーションは全て、梱包された出
荷コンテナが到着する現場の在庫保管グリッドに最も近い上部軌道配置の共通側に存在し
てもよく、または在庫保管グリッド作業ステーションで併合された注文アイテムが仕分け
/バッファグリッド200に送られる前にその後梱包される一つ以上の中間梱包ステーシ
ョンに最も近い上部軌道配置の共通側に存在してもよい。ただし、2つのグリッドを共有
された施設に配置する必要はないことを理解されたい。
【0101】
仕分け/バッファグリッド200の下部軌道レイアウトは、下部軌道レイアウト上のロ
ボット保管/取り出し車両から出て行く出荷コンテナ210を降ろす目的で、それと協働
して設置された複数の出力ステーション208によって提供される。各出力ステーション
は、一連の出て行く出荷コンテナを待ち行列に入れ、施設のさらに下流の場所、例えば利
用可能な場合、コンテナが出荷車両に積み込まれる最終梱包領域または積込ベイに移送す
ることができる、コンベヤ212を備え得る。各出力コンベヤ212の入口端部は、下部
軌道レイアウトに乗り入れるときにロボット保管/取り出し車両の着地領域が存在する下
部の水平面またはそのわずかに下方に位置している。このようにして、コンベヤの入口端
に位置合わせされた下部軌道レイアウトの外周に位置するドロップオフスポットにあるロ
ボット保管/取り出し車両は、出荷コンテナを前記ロボット保管/取り出し車両から出力
コンベヤの入口端にスライドまたは降ろすことができる。1つ以上の出力ステーションは
、上部軌道レイアウトの任意の1つ以上の周囲側面に提供され得る。図示の例は、例えば
、仕分け/バッファグリッド200の反対側に任意選択で配置された一対の積込ベイまた
はパッキング領域にそれぞれ供給するために、下部軌道レイアウトの少なくとも2つの反
対側にある出力ステーションを特徴とする。
【0102】
各到着出荷コンテナは、コンピュータ制御システムによってこのピックアップタスクに
割り当てられたロボット保管/取り出し車両によって一つの取り込みステーションからピ
ックアップされ得、次いで、この保管場所がアクセス可能であるそれぞれのシャフトを介
して仕分け/バッファグリッド200内の利用可能な(現在占有されていない)保管場所
に運搬され、後の取り出しのためにこの保管場所に残される。あるいは、割り当てられた
ロボット保管/取り出し車両に、到着出荷コンテナを保管するよう命令する代わりに、コ
ンピュータ制御システムは、緊急に、その出荷コンテナの積込ベイまたはパッキング領域
における必要性または利用可能性を考慮して、出荷コンテナを出力ステーションの1つに
直接配送するようロボット保管/取り出し車両に命令し得る。
【0103】
コンピュータ制御システムは、ピックアップされた出荷コンテナのこれらの保管オプシ
ョンと直接出力オプションのどちらかを選択する際に、構成コンテナがすでに仕分け/バ
ッファグリッド200に入力されている他の注文と比較して、その出荷コンテナに関連付
けられた注文の注文優先順位を調べることができる。追加または代替として、ピックアッ
プされた出荷コンテナがより大きな全体的な注文の一部の構成要素にすぎない場合、出荷
コンテナを保管するか、それを出力ステーションに直接配送するかは、より大きな全体的
な注文の残りを履行する他の出荷コンテナもまた、仕分け/バッファグリッド200に存
在するか、またはもうすぐに存在すると予期されるかどうかに、少なくとも部分的に基づ
いて決定される。注文全体が存在するか、もうすぐに存在し、優先順位の高い注文が他に
ない場合、現在ピックアップされているコンテナは、コンピュータ制御システムによって
注文が割り当てられている適切な出力ステーションに直接送られる。同じ順序の他の構成
コンテナは、仕分け/バッファグリッド200内のそれぞれの保管場所から取り出され、
もしそこに既に存在するならば、その同じ割り当てられた出力ステーションに配送され、
または、その他の構成コンテナが現在入力ステーションにあるか、またはもうすぐに存在
すると予期される場合、その出力ステーションへの差し迫ったピックアップおよび直接配
送のために割り当てられる。
【0104】
2つの三次元グリッドの組み合わせに役立つ用途の1つの特定の例は、例えば、小売業
者向けのさまざまな小売商品が、特定の通路セクションまたは特定の商品が対象となる小
売業者の店舗レイアウトの他の識別可能なサブ領域に従って、在庫保管グリッドからグル
ープで選び取られる、通路ベースまたは同様の場所ベースのキッティング操作である。さ
まざまなグループがさまざまな出荷コンテナに梱包され、そのような選び取られたアイテ
ムの各グループが選び取られ梱包されるときに、一時的な保管(つまりバッファ)のため
に分類/バッファグリッドに個別に供給される。在庫保管グリッド、その接続された作業
ステーション、または在庫保管グリッドのさらに下流にある後続の梱包ステーションを異
なる時間に出て、出荷コンテナは、時間の分布したある時点で仕分け/バッファグリッド
に到着し、最初に受け取られた1つ以上のコンテナが、その後に受け取られた残りのコン
テナよりもはるかに早く到着する可能性があるため、以前に受け取られた梱包は、少なく
とも残りのコンテナが仕分け/バッファグリッドによって受け取られるか、もうすぐに接
近するまで、仕分け/バッファグリッドに一時的に保管(つまりバッファ)される。その
ようなときに、以前にバッファされた最初に受け取られた出荷コンテナは、仕分け/バッ
ファグリッド200内のそれぞれの保管場所から取り出され、統合(例えば、パレット積
み込み)のために1つ以上のロボット保管/取り出し車両によって小売業者に出荷する準
備ができた完成した注文へと共通の出力ステーションに配送される。
【0105】
しかしながら、これは、仕分け/バッファグリッド200の有用性の1つの非限定的な
例に過ぎず、その使用は、本発明および出願人が公開したPCT出願WO2016/17
2793で採用される三次元グリッド構造を特に使用する在庫保管ソリューションでの使
用に特に限定されない。また、小売業者向けの通路ベースのキッティングはほんの一例で
あり、異なる識別可能なサブ領域を有する通路ベースまたは同様にマッピングされた編成
レイアウトを同様に持っている非小売顧客も同様にキッティング配送の恩恵を受け得る。
これには、外部サプライヤからの到着原材料または組立式構成要素のまとまった保管を行
う製造業者が含まれ得、ここで、キット化された出荷コンテナは、原材料または組立式構
成要素が1つ以上の施設内の製造ステーションに分布するそのようなオンサイトの製造業
者保管に向けられる。キッティングアプローチはまた、製造ステーション自体が、そのよ
うなステーションの供給ニーズに応じて、それらのステーションが1つの製品ライン内の
異なるステージであるか、または2つの異なる製品ラインの完全または部分的な組立ステ
ーションであるかにかかわらず、キッティングされた材料または構成要素が向けられる異
なる識別可能なサブ領域である場合にも使用され得る。
【0106】
別の例では、そのような製造施設は、キットが投入された保管ユニットを同じ施設の製
造ステーションに供給するために、下流の仕分け/バッファグリッド200の有無にかか
わらず、原材料および/または構成要素のキッティングのために、
図2の在庫保管グリッ
ドを現場に有することができる。
【0107】
上述のように、本明細書で参照されるコンピュータ制御システムは、1つ以上のコンピ
ュータプロセッサと、それに結合され、ここで説明されているさまざまな関連タスクを実
行するために前記1つ以上のプロセッサによって実行可能なステートメントおよび命令が
保管されている非一時的なコンピュータ可読メモリとを備え、これには、グリッド状三次
元保管構造を介しておよびそれに接続された作業ステーションを介してナビゲーションを
制御するための、およびロボット保管/取り出し車両によるグリッド状三次元保管構造内
の保管場所へのおよび保管場所からの保管ユニットの預け入れおよび取り出しを制御する
ための、ロボット保管/取り出し車両の群へのコマンドおよび通信信号の生成と送信、な
らびにコンピュータ制御システムの1つ以上のデータベースから前記1つ以上のプロセッ
サによってアクセスされる注文データに基づく、取り出される保管ユニットへの優先順位
の生成および割り当てが含まれる。
【0108】
本発明において上記のように様々な修正を行うことができ、同一のものの明らかに大き
く異なる多くの実施形態が行われ得るので、添付の明細書に含まれるすべての事項は、限
定的な意味ではなく例示としてのみ解釈されることが意図される。