(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】超音波プローブ用の旋回装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A61B8/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022143203
(22)【出願日】2022-09-08
【審査請求日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508291928
【氏名又は名称】スーパー ソニック イマジン
【氏名又は名称原語表記】SUPER SONIC IMAGINE
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100227927
【氏名又は名称】中村 拓
(72)【発明者】
【氏名】ル ガレック,モルガーヌ
(72)【発明者】
【氏名】マジョレル,ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】マルタン,ジャン-アラン
【審査官】井海田 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-120916(JP,A)
【文献】国際公開第2017/010193(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0068871(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0168577(US,A1)
【文献】特開2006-238913(JP,A)
【文献】特開2021-029675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体から超音波データを取得する超音波プローブのための装置であって、
前記装置は、前記プローブに旋回可能に連結され、前記プローブと前記媒体の表面との間の角度を、前記装置を旋回させることによって調整及び/又は設定することができるように構成され、
前記装置が前記媒体の均質な変形を保証するように、前記媒体の表面に対して配置され、かつ、前記プローブと前記媒体の表面との間の角度を安定させるように構成されたプレートを備え、
前記装置及び/又は前記装置の開口部は、超音波の伝送を可能にするように構成された結合手段を含む
装置。
【請求項2】
前記結合手段は、フィルム及び/又はゲルパッドを含み、前記フィルム及び/又はゲルパッドを前記装置に取り付けるための接着剤を含む
請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記結合手段は、
周辺部に配置された1つまたは複数の接着部と、
前記装置を前記媒体に結合するように、及び/又は、超音波の伝送を可能にするように構成され、前記プローブによって超音波が放射される領域に配置された部分と、
を有する二元材料フィルムを含む
請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
媒体から超音波データを取得する超音波プローブのための装置であって、
前記装置は、前記プローブに旋回可能に連結され、前記プローブと前記媒体の表面との間の角度を、前記装置を旋回させることによって調整及び/又は設定することができるように構成され、
前記装置が前記媒体の均質な変形を保証するように、前記媒体の表面に対して配置され、かつ、前記プローブと前記媒体の表面との間の角度を安定させるように構成されたプレートを備え、
前記装置及び/又は前記装置の開口部は、前記媒体の表面において前記装置の安定性を最適化するように構成された安定化手段を含み、
前記安定化手段は、前記媒体の表面に対して配置されるように構成された前記装置の表面上の接着部を含む、
装置。
【請求項5】
媒体から超音波データを取得する超音波プローブのための装置であって、
前記装置は、前記プローブに旋回可能に連結され、前記プローブと前記媒体の表面との間の角度を、前記装置を旋回させることによって調整及び/又は設定することができるように構成され、
前記装置が前記媒体の均質な変形を保証するように、前記媒体の表面に対して配置され、かつ、前記プローブと前記媒体の表面との間の角度を安定させるように構成されたプレートを備え、
前記装置は、機械的及び/又は電気機械的及び/又は電子的な手段、及び/又は前記角度を調整及び/又は設定するためのクラッチを含む機械的手段を用いて、前記角度を調整及び/又は設定するように構成され、及び/又は
前記装置は、段階的に又は連続的に前記角度を調整するように構成される
装置。
【請求項6】
媒体から超音波データを取得する超音波プローブのための装置であって、
前記装置は、前記プローブに旋回可能に連結され、前記プローブと前記媒体の表面との間の角度を、前記装置を旋回させることによって調整及び/又は設定することができるように構成され、
前記装置が前記媒体の均質な変形を保証するように、前記媒体の表面に対して配置され、かつ、前記プローブと前記媒体の表面との間の角度を安定させるように構成されたプレートを備え、
前記プローブを保持する手を載せることができるように構成された支持体をさらに備える
装置。
【請求項7】
媒体から超音波データを取得するための超音波プローブであって、
超音波データを処理することを意図したシステムと協働するように構成され、
前記プローブは、請求項1から
6のいずれかに記載の装置を含む
超音波プローブ。
【請求項8】
請求項1から
6のいずれかに記載の装置と、
媒体からデータを取得するための超音波プローブと、
前記媒体に対する前記装置の現在位置を定位するように構成された定位手段とを含む
超音波システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用システム及びそれを用いた処置に関するものである。この種のシステムは、医療用検査システムを構成することができる。より詳細には、超音波診断装置を構成することができる。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、通常、電子的手段、例えば、患者のデータを取得するためのセンサ及び/又は超音波プローブと、取得したデータを処理するためのプロセッサを含む。
【0003】
超音波診断装置は、検査用の媒体からデータを供給するために使用することができる。このようなシステムの例としては、光イメージングシステム、超音波イメージングシステム、X線システム、コンピュータ断層撮影システム、マンモグラフィシステムなどがある。医療用途に関して、媒体は、例えば、患者の体の一部(筋肉、胎児、胸部、肝臓、腹部など)である。
【0004】
一般に、プローブは被検媒体の表面に対して保持され、この媒体に関するデータを取得する。この際、データ取得中にプローブを移動させないこと、または特定の所望の方法でのみ移動させることが重要である。
【0005】
例えば、モードB(「ブライトネスモード」)の古典的な超音波画像診断の場合、データ取得中、プローブは一定の位置にあることが望ましい。
【0006】
また、例えば特許文献1(WO2021116326A2)に記載されているように、データ取得中に媒体に変形を与える超音波画像診断法がある。この方法では、媒体の非線形弾性が、せん断波を用いて定量化される-「非線形せん断波エラストグラフィ」(NL-SWE)。当該方法は、以下のステップを含む:A1.媒体からせん断波弾性データの時間的連続性を収集すること;せん断波の収集中に、予め決められた変形シーケンスに従って、連続的に変化する変形を媒体に加えること;A3.実変形量の変化の観察;及びB.データの時間的連続性と変形量の変化の関数として媒体の非線形弾性を定量化すること。
【0007】
そのため、NL-SWEモードでは、データ取得中、プローブが一定の位置にあることが望ましい場合がある。
【0008】
しかし、データ取得中、特に変形ステップ中のプローブの望ましくない動きをすべて回避することは困難な場合がある。例えば、使用する超音波ゲルは、媒体の表面を滑りやすくすることがある。同様に、媒体中の硬い病変や患者の呼吸が望ましくない移動につながることがある。したがって、望ましくないシフトは、顕著に、プローブの横方向シフト(例えば、媒体の表面上を滑る)及び/又は傾斜角を修正する回転シフトをもたらす可能性がある。
【0009】
また、変形時にプローブの表面だけに力が加わるため、変形の均一性を確保することが難しい。
【0010】
また、データ取得の開始には、変形の開始と同期したユーザインターフェース上でのユーザの操作(例えば、ボタンの押下など)が必要な場合が多い。
【0011】
超音波プローブ用のアクセサリは、様々なものがある。例えば、特許文献2(EP3202326A1)には、超音波プローブのアクセサリが記載されている。このアクセサリは、超音波プローブの送受信器上に想定され、超音波プローブが検査対象の表面を掃引するときに検査対象の表面に基づいて変形する音響適応の要素を含む。
【0012】
また、特許文献3(EP1629777A1)には、超音波プローブの超音波の送受信面に対して垂直方向に、被検体の接触面を超音波の送受信面を介して加圧する加圧機構が開示されている。
【0013】
しかし、利用可能なアクセサリは、特に、媒体の表面に均質な圧力をかけ、同時に媒体の表面に対してプローブを選択された角度に維持するための、前述の問題に対処するために適合していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】国際公開第2021/116326号
【文献】欧州特許出願公開第3202326号明細書
【文献】欧州特許出願公開第1629777号明細書
【発明の概要】
【0015】
したがって、本開示の目的は、データの取得中にユーザによって選択された角度でプローブを保持することができ、選択された角度を維持することによってデータの取得中に媒体の均質な変形を保証する超音波プローブ用の装置を提供することである。
【0016】
本開示は、媒体から超音波データを取得するための超音波プローブの(付属)装置に関し、装置は、プローブに旋回可能に連結されるように構成されており、装置を旋回させることによってプローブと媒体の表面との間の角度を調整及び/又は設定することができるように構成されている。
【0017】
この装置により、ユーザはデータ取得中にプローブを所定の角度/傾きに安定させ、維持することができる。
【0018】
例えば、モードB(「ブライトネスモード」)の古典的な超音波イメージングに関して、プローブはデータ取得中に固定位置に留まることが望ましい。画像化されるべき媒体の関心領域の位置に応じて、プローブが媒体の表面に対して垂直に配置されず、選択された傾斜角で配置されることも有用である。この場合、本開示の装置は、データの取得中に傾斜角が維持されることを保証する。
【0019】
別の例によれば、NL-SWEモードでは、病変部などの特定の領域の関心からデータを取得するために、媒体に対して選択された傾斜角でプローブを配置することが望ましいことがある。その後、本開示の装置は、変形ステップ(複数可)の間、選択された傾斜角を保持することを可能にする。
【0020】
特に、装置を旋回可能にプローブに連結するように構成することができ、装置を被検媒体の表面に当てる(及び/又は被検媒体上に維持する)とき(又はその間)、装置を旋回させることによってプローブと被検媒体の表面との間の角度を調整及び/又は設定することができるようにする。
【0021】
超音波プローブは、プローブによって取得された媒体からのデータを処理するように構成されたシステムと協働することができる。
【0022】
装置は、旋回可能な態様でプローブに位置決め及び/又は取り付けられるように構成することができる。したがって、「旋回する態様でプローブに連結する」は、一例に従って、「旋回する態様でプローブに位置決めされる及び/又は取り付けられる」を意味し得る。
【0023】
また、本装置は、本装置を異なるプローブの本体に取り付けるために構成された適応手段を含むことができる。
【0024】
プローブは、超音波を放射するように構成することができ、及び/又は、プローブの第1の側面に超音波を放射するように構成されたトランスデューサを含むことができる。
【0025】
この装置は、プローブの第1の側面に旋回可能に位置決め及び/又は取り付けられるように構成することができる。したがって、この装置は、例えば、プローブの本体上に位置決め及び/又は取り付けられ、後者の旋回を可能にするように構成され得る。
【0026】
あるいは、装置は、プローブの主面とは別の面に旋回可能に位置決め及び/又は取り付けられるように構成することができる。この構成は、例えば、プローブが腔内領域のために構成されている場合に適用することができる。例えば、装置は、プローブのハンドルに、又はハンドルに隣接して、位置決め及び/又は取り付けられるように構成することができる。あるいは、装置は、プローブの第1の側面とは反対側の側面に旋回可能に位置決め及び/又は取り付けられるように構成することができる。
【0027】
この角度は、プローブから放射される超音波の方向と媒体の表面との間の傾斜角として理解することができる。
【0028】
装置は、超音波の伝送を可能にするように構成された開口部を構成することができる。したがって、開口部は、超音波の放出及び受信が中断されることなく可能であろうように構成され得る。
【0029】
装置は、媒体の表面に対して配置され、プローブと媒体の表面の間の角度を安定させるように構成されたプレート及び/又は平坦な表面から構成され得る。
【0030】
例えばNL-SWEモードのようなモードでは、装置は媒体の均質な変形を保証し、その結果、良好な画質を提供することができる。実際、装置を使用しないプローブによる変形では、プローブの直下に位置する組織領域のみが圧縮されるため、撮影中にイメージング平面が変化すると、変形の推定に支障をきたす可能性がある。
【0031】
装置及び/又はその開口部は、超音波の伝送を可能にするように構成された結合手段を含むことができる。
【0032】
結合手段は、フィルム及び/又はゲルパッド、及びオプションとしてフィルム及び/又はゲルパッドを装置に取り付けるための接着剤を含むことができる。
【0033】
一実施例によれば、結合手段は、周辺領域に配置された1つ又はいくつかの接着部を有する二元材料フィルムを含むことができる。この二元材料フィルムは、装置を媒体に結合するように構成された部分及び/又は超音波の伝送を可能にする部分を含むこともできる。この後者の部分は、プローブによって超音波が放射されるセクションに配置され得る。
【0034】
装置及び/又はその開口部は、媒体の表面における装置の安定性を最適化するように構成された安定化手段を含むことができる。
【0035】
安定化手段は、媒体の表面に対して配置されるように構成された装置の表面上の付着部を含むことができる。
【0036】
従って、安定化手段は、プローブ及び装置が媒体の表面上で滑るのを防止することができる。したがって、装置は、回転(装置のオプションのプレートによって防止される)及び横方向シフト(装置のオプションの安定化手段によって防止される)のような、取得中の媒体に対するプローブの望ましくない動きなしに、データの取得を確実にすることができる。
【0037】
機械的及び/又は電気機械的、及び/又は電子的な手段を用いて、角度を調整及び/又は設定するように構成することができる。
【0038】
機械的手段としては、角度を調整及び/又は設定するためのクラッチを挙げることができる。
【0039】
クラッチを制御するなどして、段階的または連続的に角度を調整するように構成することができる。
【0040】
装置は、媒体の表面及び/又はプローブの表面の温度を測定するように構成された温度センサを含むこともできる。
【0041】
装置は、装置が媒体の表面に加える圧力を測定するように構成された圧力センサを含むこともできる。
【0042】
装置は、媒体の表面に加えられた圧力のレベルを示すように構成された圧力計を含むこともできる。
【0043】
装置はまた、複数の局所圧力センサを備えることができる。各局所圧力センサは、装置の異なるセクションによって媒体の表面に加えられる圧力を測定するように構成され得る。装置はまた、任意に、複数の局所圧力計を含むことができ、それらの各々は、局所圧力レベルを示すように構成される。
【0044】
圧力計及び/又は局所圧力計、及び/又は1つまたは複数の温度計は、媒体に対して配置される装置の自由表面の反対側に配置することができる。
【0045】
装置は、プローブと媒体の表面との間の角度を測定するように構成された傾斜センサを含むこともできる。
【0046】
また、そのような角度を表示するためのディスプレイを含むことができる。
【0047】
また、本装置は、目標位置に向けてプローブの使用者に目標位置を指示するように構成された位置誘導システムを含むことができる。
【0048】
位置誘導システムは、装置の自由表面上に配置され、目標位置へ向かう方向を示すように構成された方向指示器を含むことができる。
【0049】
位置誘導システムは、媒体に対する装置の現在の位置を定位するように構成された定位手段を含むこともできる。
【0050】
位置誘導システムは、外部処理ユニットと通信して、定位データを送信し、及び/又は、目標位置及び/又は目標位置に向かう方向のデータを受信するように構成され得る。この外部処理ユニットは、例えば、超音波プローブと協働/通信するシステムであって、プローブによって取得された媒体からのデータを処理するように構成されたシステムを構成することができる。
【0051】
また、本装置は、プローブを持つ手がその上に載るように構成されたパッドなどの人間工学に基づいた支持体を含むことができる。
【0052】
本開示はまた、媒体から超音波データを取得するための超音波プローブに関する。プローブは、超音波データを処理することを意図したシステムと協働及び/又は通信するように構成され得る。プローブは、本開示による装置を含むことができる。
【0053】
本開示はまた、本開示による装置を含む超音波システムに関する。システムは、任意選択で、媒体からデータを取得するための超音波プローブを含むことができる。位置誘導システムは、媒体に対する装置の位置を定位するように構成された定位手段も含むことができる。このようなシステムは、例えば、超音波プローブと協働及び/又は通信するシステムであって、プローブによって取得された媒体からのデータを処理するように構成されているシステムを構成することができる。
【0054】
本開示は、以下のステップを含む、イメージングプローブを介してプローブに旋回可能に連結された装置を用いてデータを取得するためのプロセスにも関する。
【0055】
A.装置を旋回させることにより、プローブと媒体表面との間の角度を調整及び/又は設定すること。
【0056】
B.プローブを用いて媒体からデータを取得すること。
【0057】
その後、まず角度を調整及び/又は設定することができます。その後、プローブでデータを取得することができる。このように、安定した傾斜角でデータを取得することが可能である。
【0058】
AとBのステップを繰り返すことができる。
【0059】
本プロセスは、さらに以下のステップを含んでもよい。
【0060】
C1.装置によって加えられる媒体の変形レベルを変えること、及び/又は
C2.角度を変えること。
【0061】
ステップC1及び/又はC2は、ステップBの後に実現することができる。
【0062】
ステップC1の後、ステップBを繰り返すことができる。その後、ステップC1により変形レベルを変化させるとともに、ステップBを繰り返すことにより、2つの異なる変形レベルのデータを取得することができる。
【0063】
ステップBとステップC1を繰り返す場合、2つ以上の異なる変形レベルでデータを取得することができる。このような方法は、例えば、NL-SWEモードにおいて有用である。
【0064】
また、ステップC2の後にステップBを繰り返すことも可能である。その後、ステップC2に従って傾斜角を変化させるとともに、ステップBを繰り返すことにより、プローブの2つの異なる傾斜角でデータを取得することができる。
【0065】
ステップB及びC2が繰り返される場合、2つ以上の異なる傾斜角でデータを取得することができる。このような方法は、例えば、媒体に対するプローブの異なる角度での媒体の2D画像データセットの取得に基づく3D画像収集モードにおいて有用である。
【0066】
オプションとして、プロセスは、ステップA、B、C1、及び/又はC2の繰り返しを含むこともでき、追加のステップAでは、ステップBでデータを取得する前に、角度が調整及び/又は設定される。
【0067】
しかし、角度の調整及び/又は設定は、ステップC2において既に実施されていてもよい。したがって、ステップC2は、ステップAの繰り返しと理解することもできる。
【0068】
本発明の特徴及び利点は、非網羅的な例によってのみ与えられ、添付の図を参照してなされる以下の説明を読めば明らかであろう。特に、図に例示された実施例は、重大な矛盾がない限り、組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1】は、従来のプローブを第一側面図で模式的に示す。
【
図2a】は、本開示による装置の第1の実施形態を模式的に示す透視図である。
【
図2b】は、
図2aの装置の第1の断面図を模式的に示し、装置の旋回の動きを図示している。
【
図3a】は、本開示による装置の第2の実施形態の第1の側面図を概略的に示し、装置は、結合フィルムを有し得る。
【
図3b】は、本開示による装置の第2の実施形態の第1の側面図を概略的に示し、ここで、装置はゲルパッドを有し得る。
【
図4a】は、本開示による装置の第4の実施形態の第2の側面図を概略的に示し、装置は、媒体の表面上での装置の安定性を最適化するように構成された安定化手段を有し得る。
【
図4b】は、
図4aの装置を下から見た様子を模式的に表す。
【
図5】は、本開示による装置の第5の実施形態の第1の側面図を概略的に示し、装置は、ステップ/レベルによる旋回及び/又はインデックス付けによる旋回のための機械的手段を有し得る。
【
図6a】は、この発明による装置の第6の実施形態の第2の側面図を概略的に示し、この装置は、任意の位置で連続的かつロック可能な旋回を行うように構成することが可能である。
【
図6b】は、オプションの傾斜センサを備えた
図6aの装置の第1の側面図を概略的に示す。
【
図6c】は、
図6a及び
図6bの装置にオプションの傾斜センサを取り付けた状態を上方から見た図を模式的に示す。
【
図7a】は、本開示による装置の第7の実施形態の第1の側面図を概略的に示し、装置は、圧力センサ及び圧力計を有し得る。
【
図7b】は、
図7aの装置の上方からの図、特に圧力計の位置関係を模式的に示す。
【
図8a】は、本開示による装置の第8の実施形態の第1の側面図を概略的に示し、装置は、位置決めセンサ及び方向指示器を有し得る。
【
図8b】は、
図8aの装置を上方から見た様子を模式的に示す。
【
図9】は、本開示による装置の第9の実施形態の第1の側面図を概略的に示し、ここで、装置は、手首を載せられる人間工学的支持体を有し得る。
【発明を実施するための形態】
【0070】
説明のために提供される様々な図全体にわたって、同一の参照数字は、同一または類似の要素を示す。異なる実施形態は、特に指定しない限り、どのようにでも組み合わせることができる。
【0071】
図1は、従来のプローブを第1の側面図で模式的に示している。このようなプローブ200は、本開示による装置(
図1には図示せず)と共に使用することができる(すなわち装備または連結されている)。
【0072】
プローブは、例えば、人体や動物などの媒体からデータを取得して媒体を観察するように構成されている。例えば、プローブは、超音波プローブとすることができる。すなわち、プローブは、1つ又は複数の超音波トランスデューサを含むことができる。しかしながら、プローブは、他のタイプのイメージングセンサを含むこともできる。その結果、プローブは、任意の用途におけるイメージングプローブを構成することも可能であり、こうしたイメージングプローブには、データの取得中に観察される媒体に対してプローブの傾斜及び/又は安定した位置を必要とする。別の実施例によれば、プローブは、1つ又は複数のレーザー光学装置を含むことができる。このようなプローブは、超音波トランスデューサ及びレーザー光学装置を使用する光音響イメージング用に構成することもできる。
【0073】
一般に、プローブは、診断及び/又は治療用途に構成することができる。例えば、プローブは、診断を提供するために、媒体の撮像のためなど、媒体からデータを取得するように構成することができる。さらに、プローブは、例えば、散逸性収差層(例えば、頭蓋骨)によって少なくとも部分的に囲まれた実質的に均質な媒体(例えば、脳)を含む散逸性の不均質な媒体において音響波を集束する非侵襲的プロセスのために構成することができる。音響波は、収差のある層の外側から放射され、実質的に均質な媒体内で収束させることができる。
【0074】
さらに、プローブは、生検針の挿入をリアルタイムで可視化及びガイドできるように構成することができる。例えば、プローブは、針のガイドのためにプローブに取り付けることができる針ガイドと協働することができる。プローブによって取得されたデータは、特に、生検を監視するために使用することができる。別の実施例によれば、針のナビゲーションは、断面モダリティ(IRM、CT、PET、または3D-US)に由来するボリュームに超音波及び他の画像モードをリアルタイムで重畳させることが可能である。
【0075】
また、このプローブは、媒体における生検マーカーの実装を監視及び/又は誘導するために使用することができる。
【0076】
プローブは、異なる形態及び/又はトランスデューサのネットワークを有することができる。例えば、プローブは、二次元プローブ(例えば、トランスデューサの線形ネットワークを有する)、「1.5D」プローブ(例えば、超音波画像を可能にする線形ネットワークの形態の第1のタイプのトランスデューサと、媒体中のせん断波の伝播を可能にする内部機械的制約を生成することを意図した第2のタイプのトランスデューサであって、第1のタイプのトランスデューサの両側に線形に配置されたトランスデューサなど)、「非対称」プローブ(例えば、一方の次元において他方の次元よりもはるかに重要な、多数の要素を有するネットワークを有する)、三次元プローブ(例えば、2つの次元において同じ要素数を有するネットワークを有する)、曲線プローブ、マトリックスプローブ、又は腔内プローブである。プローブ200は、プローブによって取得された媒体からのデータを処理するように構成された超音波システムと通信することができる。それは、例えば、超音波による超音波システムの一部を形成することができる。このシステムは、例えば、臓器及び/又は組織の検査のために医学的な文脈で使用することができる。
【0077】
プローブは、より広い第1の側面(例えば
図1に図示)と、より狭い第2の側面(例えば
図3a、3bに図示)を含むことができる。
【0078】
プローブは、プローブの異なる構成要素を含む本体であるエンベロープ205を含む。エンベロープ205は、プローブの内部と外部とを区画する。エンベロープは、例えば、プローブの操作を容易にするために、全体的に剛性である。エンベロープ205は、一実施例によれば、全体的に人間工学的なグリップ部分206を含み、これによってユーザはプローブを手に持って操作する。エンベロープ205はまた、下端部201を含むことができ、又は、例えば、ケーブル又はインターフェースが、プローブをシステムの外部処理ユニットにリンクさせることができる。
【0079】
さらに、プローブは、上端部またはヘッド部202を有する。かかる高い方の四肢は、皮膚などの媒体の表面と接触するように適合された波動伝達面203で構成することができる。波動伝達面203は、概して平坦であるか、または光曲線を有するか、平面的であるか、または2Dであるものとして図に示されている。しかしながら、波動伝達面203は、場合によっては顕著な曲線を有する、3Dにおける多様な形態を呈することができる。
【0080】
エンベロープ205は、例えばABSタイプのプラスチックのような1つまたは複数の電気絶縁材料の一例に従って作られる。エンベロープは、いくつかの組み立てられた部品で構成され得る。例えば、エンベロープ(波動伝達面203を含まない)は、そこに放出面及び/又は受信面を受け入れるために適合された開口を残して、単一のプラスチックアイテムの本体から成り、こうしてエンベロープを連結して閉じることが可能である。エンベロープ205は、全体的にまたは部分的に、剛性または可撓性であり得る。一実施例によれば、放出面及び/又は受信面は、1つまたはいくつかの可撓性ポリマー(複数可)からなる。
【0081】
プローブ200は、エンベロープの内部に1つまたは複数のトランスデューサ、例えば、プローブ200の第1の端部202に設定された音響波を放射及び/又は受信する複数の素子を含む。一選択肢に従って、プローブ200が単一のエミッタ及び/又はレセプタ要素を含むことが可能である。一実施例によれば、複数のエミッタ及び/又はレセプタ120の素子は、複数の圧電素子から構成される。複数の変換器又はエミッタ及び/又はレセプタ素子は、放出のライン又は正面、さもなければ放出面を形成するように配置することが可能である。
【0082】
さらに、プローブは、任意のアクセサリまたは機器を固定するように構成された、その狭い第2の側面に204を設定する手段を含むことができる。
【0083】
図2aは、本開示による装置100の第1の実施形態(この例ではプローブに付随する)の透視図を模式的に表している。装置100は、プローブ200に連結されるように構成され得る。また、装置は、媒体の検査中に媒体の表面に対して保持されるように、又は媒体の表面に接触するように構成される。したがって、装置は、プローブの上端部202に配置することができる。より詳細には、装置は、プローブのレンズ203のレベル、すなわち、プローブによって超音波が放射され得る場所に配置され得る。
【0084】
装置は、特に、プローブを装置に対して旋回させることによってプローブと媒体の表面との間の角度を調整することができるように、旋回可能にプローブ200に連結されるように構成されている。装置は、この旋回運動の間、媒体の表面上の同じ接触位置に留まることができる。
【0085】
装置は、プローブに対して少なくとも1つの軸の周りに、特に、プローブのトランスデューサのラインの軸に対応する軸の周りに旋回することができるように構成され得る。そのような軸は、例えば
図2aに図示されているように、プローブの広い第1の側面の長さまで延びることができる。しかしながら、装置は、例えば、広い第1の側面に沿って、波の方向にそれぞれ延びる2つの軸の周りを旋回することができるように構成することも可能である。
【0086】
装置100は、プローブ200に取り付け及び/又は固定されるように構成され得る。例えば、回転の動きを保持する際にプローブに、特にその固定手段204に取り付けられるように構成された2つの保持要素101を含むことができる。
【0087】
装置100は、媒体の表面に対して配置され、プローブと媒体の表面との間の選択された傾斜角でプローブを安定させるように構成されたプレート103を含むことができる。言い換えれば、装置100は、検査される媒体の表面上に置かれる(すなわち、プローブの表面203上に置かれる)平坦な表面を有することができる。このようなプレート又は表面103は、媒体の表面に対するプローブの傾斜位置を安定させるように、プローブの表面203の横断面より大きいことが好ましい。さらに、プレート103は、媒体の表面に均質な圧力を供給する役割を果たすことができる。このような圧力は、したがって、媒体の均質な変形をもたらすことができる。前記均質な変形は、上記及び特許文献1(WO2021116326A2)に記載されているように、非線形せん断波エラストグラフィ(NL-SWE)などの異なるイメージングモードに有益であり得る。
【0088】
装置100は、さらに、プローブ200によって放射及び/又は受信される超音波の伝送を可能にするように構成された寸法を有する開口部104を含むことが好ましい。このような開口部104は、特に、例えば、貫通孔の形態でプレート103に配置することができる。開口部の寸法は、プローブ内部のトランスデューサのネットワークのサイズに応じて、特に、波の妨害されない伝送に必要な横方向断面に応じて、予め定義することができる。
【0089】
装置100、または少なくともプレート103は、ポリマーまたはプラスチックなどの任意の剛性材料で構成することができる。プレート材料は、プレートが媒体の表面に圧力を加えるときに媒体の均質な変形を得ることができるように、使用することができる。
【0090】
図2bは、
図2aの装置の第1の断面図を模式的に表し、プローブに対する装置の旋回運動が図示されている。デフォルト200aによる位置では、傾斜角は0°とすることができる。これは、プローブ200が、装置100の表面に対して、装置が置かれ得る媒体表面(プレート103)に対して垂直に配置され得ることを意味する。
【0091】
装置100は、
図2bに図示されているように、例えば、位置200bに向かって、さらに位置200cに向かって、少なくとも一方または両方の旋回方向でプローブを旋回させることができるように構成されている。したがって、装置100は、最大20°、または最大30°、または最大45°(例えば、旋回する2方向のそれぞれにおいて)の傾斜角を可能にするように構成され得る。
【0092】
設定手段101は、
図2bにおいて模式的に示されているに過ぎない。このような設定手段は、他の実施形態の文脈で説明されるように、異なる構成を有し得る。
【0093】
図2bはまた、プレート103の開口部104を模式的に示している。かかる開口部104は、装置の可能な各傾斜角において超音波の伝送を保証する方法で形成することができる。開口部は、例えば、(例えば
図2bに模式的に示されるような第1の断面図から見て)逆「V」の形を有することができる。このような形態は、したがって、プローブに向かうより狭い開口部を提供し、媒体に向かってより広い開口部を提供することができる。
【0094】
図3aは、本開示による装置の第2の実施形態の第1の側面図を概略的に示しており、装置は結合フィルムを有し得る。第2の実施形態は、第1の実施形態に実質的に対応し得る。
【0095】
さらに、装置は、媒体に面する表面上に結合手段111を含むことができる。そのような部分は、プローブによって超音波が放射されるゾーンに配置された超音波の伝送をサポートするように構成することができる。結合手段のおかげで、データを取得する際に媒体の表面に追加のゲルを塗布することが不要になり得る。その特性により、装置が表面で滑るリスクを低減することができる。また、ゲル塗布による感染性汚染のリスクも低減することができる。
【0096】
図3aの例では、結合手段は、ゲルパッド及び/又はフィルム111で構成することができる。このゲルパッド及び/又はこのフィルム111は、プレート103の全表面を覆うことができ、又は後者の一部のみを覆うことができる。例えば、ゲルパッドは、開口部104(
図3aには表されていない)を覆うか、または埋めるだけでよい。それにもかかわらず、(例えば、フィルムがない場合)プレートの表面及び/又は開口部において、いくらかのゲルを塗布することができる。
【0097】
また、結合手段は、開口部の周囲の周辺領域に配置された接着部を有する二元材料フィルム111を含むことができる。また、二元材料フィルム111は、開口部を覆う中央部に設けられた結合部(例えば、フィルム)を含むことができる。
【0098】
図3bは、本開示による装置の第3の実施形態の第1の側面図を概略的に示しており、装置はゲルを有することができる。第3の実施形態は、第2の実施形態に実質的に対応し得る。
【0099】
また、装置は、媒体に面する表面上に結合手段112を含むことができる。
図3bで提供される例では、結合手段は、開口部104を覆うかまたは充填するゲル112のフィルムで構成され得る。しかしながら、ゲルパッドは、媒体に面する装置の表面上の開口部の横方向断面を覆うことも可能である。
図3bは、このゲルパッドを模式的に示しているに過ぎないことに留意されたい。ゲルパッドは、特に、媒体に面するプレート103の表面と平面であることができ、それは、この表面から突出しないことを意味する。
【0100】
図4aは、本開示による装置の第4の実施形態の第2の側面図を概略的に表し、装置は、例えば、装置の滑りを低減するための滑り止め手段及び適応可能な装着点を有する接着部の形態の下、媒体の表面上での装置の安定性を最適化するように構成された安定化手段を有することが可能である。
図4bは、
図4aの装置の下からの図、特に、滑り止め点の配置を模式的に表している。下からのこのような図は、媒体に面するように構成された装置の表面を具体的に示すことができる。第4の実施形態は、上述した実施形態のうちのいずれか1つに実質的に対応することができる。
【0101】
装置は、例えば、媒体の表面に対して配置されるように構成された装置の表面上の接着部113の形態の下で、媒体の表面上での装置の安定性を最適化するように構成された安定化手段も含むことができる。
図4a及び
図4bに提供される例では、接着部113は、滑り止めポイント113の形態を有することができる。ポイント113は、例えば、ゴム材料で構成することができる。
図4bに示されるように、接着部は、特に、開口部の周囲の周辺領域に設定され得る。このようにすれば、接着部は、媒体の表面における装置の滑りを確実に防止することができる。同時に、開口部からの超音波の透過を阻害することもない。
【0102】
装置はまた、例えばその設定手段204に、装置に取り付けられるように構成された保持アーム121a、121bを含むことができる。保持アーム121a、121bは、媒体に面する表面と対向するプレート103の背面から突出することができる。
【0103】
保持アームは、例えば、アームからプローブの保持手段204に向かって突出するステムを含むことができる。ステムは、旋回可能に設定手段204に受け入れられて取り付けられることができるように形成することができる。
【0104】
この装置は、プローブの迅速な着脱のために構成することができる。図示の例では、異なるサイズのプローブ本体への装置の取り付けを可能にするために、少なくとも保持アーム121aは、後面上で横方向に移動するように構成することができる。別の実施例によれば、装置は、バイス(vice)システムを含むことができる。この例では、少なくとも保持アーム121bは、保持アームがプローブ上でクリップされたり外されたりすることができるように、プレートの後面上で旋回可能にシフトされるように構成されることができる。その後、装着と迅速な解除ができるように構成することができる。しかし、2つの保持アームが、上記のシフト及び/又は旋回機能を有することも可能である。
【0105】
図5は、本開示による装置の第5の実施形態の第1の側面図を概略的に示しており、装置は、ステップ及び/又はインデックス付けを介して旋回するための機械的手段を有し得る。第5の実施形態は、上述した実施形態のうちのいずれか1つに実質的に対応し得る。
【0106】
概略的に図示されているように、保持アームの少なくとも1つは、ステップ/レベル及び/又はインデックス付けを通じた(すなわち、ノッチを通じた)旋回を単独で可能にするように構成されているギア機構122(または任意の他の機構)を含むことができる。言い換えれば、機構122は、予め設定された傾斜角でプローブへの装置の取り付けを一意的に可能にすることができる。
【0107】
図6aは、本開示による装置の第6の実施形態の第2の側面図を概略的に示し、装置は、連続的な旋回を確保することができる。1つの選択肢によれば、装置は、位置保持及び/又は装置の角度を調整するために構成された電気機械的手段(または他の機械的手段)を含むことができる。第6の実施形態は、上述した実施形態のうちの1つに実質的に対応することができる。
【0108】
さらに、保持アームの少なくとも1つは、プローブに対する装置の連続的な旋回を保証するように構成されたクラッチ機構123(または他の任意の機構)を含むことができる。さらに、機構123は、例えば、クラッチを作動させることによって、選択された任意の傾斜角に装置を維持することを可能にすることができる。その後、クラッチ機構は、
図5のギア機構122の代替を構成することができる。
【0109】
クラッチ機構は、例えば、プローブに対する第1のクラッチディスクの回転が防止され得るように、プローブに取り付けられるように構成された第1のクラッチディスクを含むことができる。第2のクラッチディスクは、プレート103に取り付けられ得、プレートに対する第2のクラッチディスクのいかなる回転も防止するが、プレートに対する第2のクラッチディスクの横方向シフトを可能にする。この横方向へのシフトは、クラッチの作動を確実にすることができる。
【0110】
図6bは、オプションの傾斜センサ124を備えた
図6aの装置の第1の側面図を模式的に表している。傾斜センサは、例えば、クラッチ機構123に統合することができる。傾斜センサは、プローブに対する装置の傾斜角を測定するように構成することができる。傾斜センサは、電子センサとすることができる。
【0111】
図6cは、オプションの傾斜インジケータ125を備えた
図6a及び
図6bの装置の上方からの図を概略的に表している。傾斜インジケータは、例えば、電子ディスプレイとすることができる。インジケータは、傾斜センサ124によって測定されるような傾斜角を表示するように構成することができる。
【0112】
図7aは、本開示による装置の第7の実施形態の第1の側面図を概略的に表し、装置は、圧力センサ131及び/又は温度センサ132を有することができる。第7の実施形態は、上述した実施形態のうちのいずれか1つに実質的に対応することができる。
【0113】
したがって、装置は、装置が媒体の表面(特に、そのプレート102)に加える圧力を測定するように構成された少なくとも1つの圧力センサを含むことができる。そのような圧力値は、例えば、NL-SWE法におけるガイドとして(または、より一般的には、媒体の変形レベルを決定するために)使用することができる。
【0114】
しかしながら、
図7aに示されるように、装置は、複数の圧力センサ131を含むこともできる。そのようなセンサ131は、プレート103の異なるセクション、例えば開口部104の周囲に配置することができる。したがって、前記センサは、プレート103のそれぞれのセクションによって媒体の表面に加えられる局所的な圧力を測定するように構成することができる。一例では、装置は、プレート103の4つの側面(例えば、長方形の形態)上の局所圧力を測定するように構成された4つの圧力センサ131(又は他の数)で構成され得る。その後、圧力センサ131は、
図7bに示されるように、圧力計133の位置決めに対応するように位置決めすることができる。
【0115】
装置はまた、1つまたはいくつかの温度センサ132を含むことができる。そのようなセンサは、媒体の表面又はプローブの表面の温度を測定するように構成することができる。測定された温度は、例えば、プローブによって放射される超音波による媒体の加熱の可能性を監視するために使用することができる。 例えば、温度が予め設定された値を超えた場合、プローブの使用者にメッセージまたはアラームを表示することができる。
【0116】
この装置は、
図4a及び
図4bの文脈で説明したように、滑り止めポイント113の形態の接着部を含むこともできる。
【0117】
図7bは、
図7aの装置の上方からの図を模式的に表している。
図7bは、特に、圧力計の配置を示す。
【0118】
装置は、装置、特にそのプレート102によって媒体の表面に加えられた圧力を示すように構成された、少なくとも1つの圧力計133を含むことができる。そのような圧力値は、例えば、圧力センサ132によって決定することができる。圧力計は、発光素子、例えばLEDを含むか、またはそれらで構成することができる。その光の色を変えることによって、その照明の要素は、したがって、圧力のレベルを示すことができる。
【0119】
圧力計は、プレート103の裏面に配置することができる。
【0120】
別の例では、光の色は、圧力の定性的なレベルを示すことができる。そのような質的な圧力のレベルは、例えば、実際の圧力(例えば、圧力センサによって測定される)と目標圧力との比較によって決定することができる。そのような目標圧力は、例えば、NL-SWE法の文脈で決定することができる。この方法では、プローブによるデータの取得中に媒体の異なる変形レベルが要求され得る。要求される変形レベルに基づいて、それぞれの目標圧力が決定され得る。一例として、光の色は以下のものを含むことができる。「緑色」(許容圧力)、「赤色」(過度に高い圧力)、及び黄色または青色(過度に低い圧力)などの他の色である。
【0121】
しかしながら、
図7bに示すように、装置は、複数の圧力計133を含むことも可能である。そのようなインジケータ133は、プレート103の異なる領域、例えば、上から見たプローブの横断面によって覆われる領域の周囲に配置することができる(
図7bの図を参照)。そのようなインジケータは、それぞれ配置された圧力センサ131によって測定された局所圧力を示すように構成することができる。一例では、装置は、プレート103の4つの側面(例えば、矩形の形態)上の局所圧力を示すように配置及び構成された4つの圧力計133を含むことができる。
【0122】
図8aは、本開示による装置の第8の実施形態の第1の側面図を概略的に表し、装置は、位置決めセンサ及び方向指示器を含むことができる。第8の実施形態は、上述した実施形態のうちのいずれか1つに実質的に対応し得る。
【0123】
装置は、例えばRFIDラベルの形態の位置決めセンサ134、磁界センサ、及び/又は1つ又は複数のカメラを含むことができる。位置決めセンサは、例えば、取得したデータを、プローブが通信するシステムに送信することができる。次いで、システムは、以下に説明するように、位置決めの方法を実施することができる。
【0124】
RFIDラベルは、装置を定位させることができる信号を発するように構成することができる。このような定位に関する情報は、装置の移動の必要な方向を決定するために、支持体の表面上の目標領域からの外部情報と共同で使用することができる。目標領域は、プローブによってデータを取得すべき領域とすることができる。目標領域は、コンピュータによって実装され、システムによって実行されるアルゴリズム、例えば、AI(人工知能)に基づくアルゴリズムによって特定することができる。
【0125】
カメラは、支持体の表面を掃引するように構成することができる。カメラからのデータに基づいて、媒体の表面に対する装置の現在の位置が決定され得る。このような定位に関する情報は、媒体の表面上の目標領域からの外部情報と共同して、装置のシフトの必要な方向を決定するために使用することができる。
【0126】
また、支持体の表面に対する装置の現在の位置を特定するために、プローブによって取得されたデータを使用することも可能である。この場合、位置決めセンサ134は不要とすることができる。
【0127】
図8bは、
図8aの装置の上方からの図を模式的に表している。特に、
図8bは、方向指示器135を示す。
【0128】
装置は、目標領域に向かう方向を示すように構成された少なくとも1つの方向指示器135を含むことができる。方向指示器は、ディスプレイまたは照明要素、例えばLEDを含むか、またはこれらで構成することができる。照明素子は、その光の色を変化させることによって、目標領域に到達したかどうかを示すことができる。
【0129】
方向指示器は、プレート103の後面に配置することができる。
【0130】
しかしながら、
図8bに示されるように、装置は、複数の方向指示器133を含むこともできる。そのようなインジケータ135は、プレート103の異なる領域、例えば、上から見たプローブの横断面によって覆われる領域の周囲に配置することができる(
図7bの図を参照)。当該指示器は、照明の要素であり得る。一実施例では、装置は、発光する矢印の形態の4つの方向指示器135を含むことができる。1つの方向指示器135は、プレート103の4つの側面(例えば、長方形の形態)に配置することができる。それぞれの矢印(1つ又は複数)を点灯させることによって、プローブのユーザは、目標領域に向かって誘導され得る。
【0131】
図9は、本開示による装置の第9の実施形態の第1の側面図を概略的に表し、装置は、クッション及び/又は人間工学的ハンドルなどの人間工学的支持体141を含むことができる。人間工学的支持体は、ユーザの手がプローブを保持し、同時にクッション上に載ることができるように構成され得る。その後、装置が固定された位置にあるため、プローブの使用はユーザにとってより快適である。同時に、ユーザの手は、人間工学に基づいた支持体を介して、支持体の表面に圧力を加えることができる。
【0132】
人間工学的支持体141は、プレート103の後面上に配置することができる。プレートは、任意の剛性材料(例えば、プラスチック)で作ることができ、したがって、人間工学的支持体が柔軟であっても、均質な圧力に導くことができる。
【0133】
さらに、プレートは、プローブの少なくとも1つの側面において後面のより大きな表面を提供するために拡大され得る。その後、人間工学的支持体は、そのような拡大された表面上に配置することができ、したがって、より大きく、より快適なサイズも有することができる。
【0134】
(本開示の態様)
(第1態様)媒体から超音波データを取得する超音波プローブのための装置であって、
前記装置は、前記プローブに旋回可能に連結され、前記プローブと前記媒体の表面との間の角度を、前記装置を旋回させることによって調整及び/又は設定することができるように構成されている
装置。
【0135】
(第2態様)前記装置を異なるプローブの本体に取り付けるように構成された適応手段をさらに含む
第1態様に記載の装置。
【0136】
(第3態様)前記プローブは、超音波を放射するように構成され、及び/又は、前記プローブの第一の側面に超音波を放射するように構成されたトランスデューサを含み、前記装置は、前記プローブの前記第一の側面に旋回可能に配置されるように、及び/又は、取り付けられるように構成される
第1又は第2態様のいずれかに記載の装置。
【0137】
(第4態様)超音波の伝送を可能にするように構成された開口部をさらに備える
第1から第3態様のいずれかに記載の装置。
【0138】
(第5態様)前記媒体の表面に対して配置され、かつ、前記プローブと前記媒体の表面との間の角度を安定させるように構成されたプレート及び/又は平面をさらに備える
第1から第4態様のいずれかに記載の装置。
【0139】
(第6態様)前記装置及び/又は前記装置の開口部は、超音波の伝送を可能にするように構成された結合手段を含む
第1から第5態様のいずれかに記載の装置。
【0140】
(第7態様)前記結合手段は、フィルム及び/又はゲルパッドを含み、任意に、前記フィルム及び/又はゲルパッドを前記装置に取り付けるための接着剤を含む
第6態様に記載の装置。
【0141】
(第8態様)前記結合手段は、
周辺部に配置された1つまたは複数の接着部と、
前記装置を前記媒体に結合するように、及び/又は、超音波の伝送を可能にするように構成され、前記プローブによって超音波が放射される領域に配置された部分と、
を有する二元材料フィルムを含む
第6又は第7態様のいずれかに記載の装置。
【0142】
(第9態様)前記装置及び/又は前記装置の開口部は、前記媒体の表面において前記装置の安定性を最適化するように構成された安定化手段を含む
第1から第8態様のいずれかに記載の装置。
【0143】
(第10態様)前記安定化手段は、前記媒体の表面に対して配置されるように構成された前記装置の表面上の接着部を含む、
第9態様に記載の装置。
【0144】
(第11態様)前記装置は、機械的及び/又は電気機械的及び/又は電子的な手段、及び/又は前記角度を調整及び/又は設定するためのクラッチを含む機械的手段を用いて、前記角度を調整及び/又は設定するように構成され、及び/又は
前記装置は、段階的に又は連続的に前記角度を調整するように構成される
第1から第10態様のいずれかに記載の装置。
【0145】
(第12態様)前記プローブと前記媒体の表面との間の角度を測定するように構成された傾斜センサ、
前記角度を表示するディスプレイ、
前記媒体の表面及び/又は前記プローブの表面の温度を測定するように構成された温度センサ、
前記装置によって前記媒体の表面に加えられる圧力を測定するように構成された圧力センサ、
前記媒体の表面に加えられた圧力のレベルを示すように構成された圧力計、及び/又は
各々が前記装置の異なる領域によって前記媒体の表面に加えられる圧力を測定するように構成された複数の局所圧力センサ、及び任意に、各々が局所圧力のレベルを示すように構成された複数の局所圧力計、
のうちの少なくとも1つをさらに含む
第1から第11態様のいずれかに記載の装置。
【0146】
(第13態様)前記圧力計及び/又は局所圧力計が、前記媒体に対して配置されるように構成された前記装置の表面の反対側に配置される
第12態様に記載の装置。
【0147】
(第14態様)前記プローブ又は前記プローブの使用者を目標位置に誘導することにより、前記媒体の表面における前記プローブの前記目標位置を指示するように構成された、位置誘導システムをさらに備える
第1から第13態様のいずれかに記載の装置。
【0148】
(第15態様)前記位置誘導システムは、
前記装置の表面に配置され、前記目標位置に向かう方向を示すように構成された方向指示器、及び/又は
前記媒体に対する前記装置の位置を定位するように構成された定位手段を含む
第14態様に記載の装置。
【0149】
(第16態様)前記位置誘導システムは、外部の処理ユニットと通信して、定位データを送信し、及び/又は、前記目標位置及び/又は前記目標位置に向かう方向のデータを受信するように構成される
第14態様又は第15態様のいずれかに記載の装置。
【0150】
(第17態様)前記プローブを保持する手を載せることができるように構成された、人間工学的支持体をさらに備える
第1から第16態様のいずれかに記載の装置。
【0151】
(第18態様)媒体から超音波データを取得するための超音波プローブであって、
超音波データを処理することを意図したシステムと協働するように構成され、
前記プローブは、第1から第17態様のいずれかに記載の装置を含む
超音波プローブ。
【0152】
(第19態様)第1から第17態様のいずれかに記載の装置と、
任意に、媒体からデータを取得するための超音波プローブと、
前記媒体に対する前記装置の現在位置を定位するように構成された定位手段とを含む
超音波システム。
【0153】
(第20態様)イメージングプローブを通して、前記プローブに旋回可能に連結された装置を用いて媒体を観測するための方法であって、
A.前記装置を旋回させることにより、前記プローブと前記媒体の表面との間の角度を調整及び/又は設定するステップと、
B.前記プローブを用いて前記媒体からデータを取得するステップとを含む
方法。
【0154】
(第21態様)C1.前記装置によって加えられる前記媒体の変形レベルを変えるステップ、及び/又は、C2.前記角度を変えるステップをさらに含む、
第20態様に記載の方法。
【0155】
(第22態様)ステップA、Bを繰り返すこと、
ステップC1及び/又はC2の後、ステップBを繰り返すこと、
ステップBと、C1、C2の少なくとも1つとを繰り返すこと、及び
ステップA、Bと、C1、C2の少なくとも1つとを繰り返すこと、
の少なくとも1つの繰り返しを含む
第21態様に記載の方法。
【0156】
上述したこれらすべての実施形態及び他の例は、単なる非網羅的な例であり、以下の特許請求の範囲に従って、組み合わせ及び/又は変更が可能である。