(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】装置、測定システムおよび測定セットアップならびに装置の試験方法
(51)【国際特許分類】
H04B 17/29 20150101AFI20240902BHJP
H04B 17/15 20150101ALI20240902BHJP
H04W 24/06 20090101ALI20240902BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240902BHJP
【FI】
H04B17/29
H04B17/15
H04W24/06
H04W16/28
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022153000
(22)【出願日】2022-09-26
(62)【分割の表示】P 2020526899の分割
【原出願日】2018-11-13
【審査請求日】2022-10-20
(32)【優先日】2017-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2017-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591037214
【氏名又は名称】フラウンホッファー-ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【氏名又は名称】岡田 全啓
(72)【発明者】
【氏名】ハウシュタイン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】レザー ポール
(72)【発明者】
【氏名】アスカル ラメズ
(72)【発明者】
【氏名】ラッシュコフスキ レシェク
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ランドマン マルクス
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-527749(JP,A)
【文献】特開2005-312073(JP,A)
【文献】特表2008-518567(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0232826(US,A1)
【文献】Ericsson,Verification of UE transmissions characteristics for mmW [online],3GPP TSG RAN WG4 adhoc_TSGR4_NR_Sep2017 R4-1709353,2017年09月11日,[2023年11月21日検索], インターネット<URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_AHs/TSGR4_NR_Sep2017/Docs/R4-1709353.zip>
【文献】Keysight Technologies,Simplification of baseline method for off-axis measurements of beamlocked UEs [online],3GPP TSG RAN WG4 #83 R4-1705394,2017年05月05日,[2023年11月21日検索], インターネット<URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_83/Docs/R4-1705394.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 17/29
H04B 17/15
H04B 7/06
H04B 7/08
H04W 24/06
H04W 16/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークにおいて無線通信するように構成された装置(10)であって、前記装置(10)は、
無線通信するように構成された無線インターフェース(12)と、
前記無線インターフェース(12)のビームパターン(14)および前記無線インターフェース(12)の少なくとも1つの通信パラメータを制御するように構成されたコントローラ(22)と、
を含み、
前記装置(10)は、前記ビームパターン(14)の少なくとも一部および前記少なくとも1つの通信パラメータをロックする要求を示すロック信号(24)を受信するように構成され、
前記コントローラ(22)は、前記ロック信号(24)に応答して、前記ビームパターン(14)の前記一部(48、52)および前記少なくとも1つの通信パラメータをロックするように構成され、
前記ビームパターン(14)は特定の方向に形成された少なくとも1つのヌル(52)を含み、前記コントローラ(22)は前記ヌル(52)が前記無線インターフェース(12)から形成される方向を制御するように構成され、前記ビームパターン(14)の少なくとも前記一部(48、52)をロックするために、前記コントローラ(22)は
前記ヌル(52)が形成される前記方向を維持するように構成される、または、
前記装置(10)は前記無線インターフェース(12)で前記ビームパターン(14)を形成するように構成され、前記ビームパターン(14)は少なくとも第1のローブ(48
1)と第2のローブ
(48
2
)とヌル(52)とを含み、前記コントローラ(22)は前記第1のローブ(48
1)、前記第2のローブ(48
2)および前記ヌル(52)のうちの少なくとも1つをロックする一方で、前記第1のローブ(48
1)、前記第2のローブ(48
2)および前記ヌル(52)のうちの少なくとも1つをロックされないまま残すように構成される、または、
前記ビームパターン(14)は複数のローブ(48)および/または前記複数のローブ(48)の間に複数のヌル(52)を含み、前記装置(10)は前記ロック信号(24)に応答して、時変的に、第1の時間区間中に少なくとも前記複数のローブのうちの第1のローブ(48
1)または前記複数のヌルのうちの第1のヌル(52
1)を非アクティブにし、第2の時間区間中に前記複数のローブのうちの少なくとも第2のローブ(48
2)または前記複数のヌルのうちの第2のヌル(52
2)を非アクティブにするように構成される、
の少なくともいずれかである、装置(10)。
【請求項2】
前記ビームパターン(14)の前記一部は前記ビームパターン(14)の少なくともヌル(52)を含む、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記一部は前記ヌル(52)と、さらに少なくとも前記ビームパターンのメインローブまたはサイドローブとを含む、請求項1または請求項2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの通信パラメータは、前記ビームパターン(14)に使用される送信電力、テストまたは基準信号の選択、前記ビームの前記一部との送受信に使用されるリソースマッピング、前記ビームの前記一部との送受信に使用される偏波、時間リソース、周波数リソース、空間リソース、コードリソース、および前記無線通信に使用される変調符号化スキームのうちの1つを含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の装置(10)。
【請求項5】
前記装置(10)は、無線受信信号を受信するため、および/または無線送信信号を送信するための前記ビームパターン(14)を形成するように構成される、請求項1ないし4のいずれかに記載の装置(10)。
【請求項6】
前記コントローラ(22)は、送信周波数スペクトルの少なくとも第1の部分および前記送信周波数スペクトルの第2の部分に前記ビームパターン(14)を形成するように構成され、前記コントローラ(22)は、前記ロック信号(24)に応答して、前記送信周波数スペクトルの前記第1の部分において前記ビームパターン(14)の前記一部(48、52)をロックする一方で、前記送信周波数スペクトルの前記第2の部分において前記ビームパターン(14)の前記一部(48、52)をロックされないまま残すように構成される、請求項1ないし5のいずれかに記載の装置(10)。
【請求項7】
前記装置(10)は、前記少なくとも1つの通信パラメータのロックを解除する要求を示すアンロック信号を受信するように構成され、
前記コントローラ(22)は、前記アンロック信号に応答して前記少なくとも1つの通信パラメータのロックを解除するように構成される、請求項1ないし6のいずれかに記載の装置(10)。
【請求項8】
前記コントローラ(22)は、前記アンロック信号に応答して前記ビームパターン(14)のロックを解除するように構成される、請求項7に記載の装置(10)。
【請求項9】
前記ロック信号(24)は少なくとも前記ビームパターン(14)の複数のローブ(48)のうちの1つまたは複数のヌル(52)のうちの1つを示す情報を含み、前記装置(10)は、前記ロック信号(24)に応答して、示された前記ローブ(48)またはヌル(52)をロックし、前記示されたローブ(48)またはヌル(52)とは異なる、少なくとも1つのローブ(48)または少なくとも1つのヌル(52)を無効にするように構成される、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の装置(10)。
【請求項10】
前記コントローラ(22)は、前記ロック信号(24)に含まれる持続時間情報によって示される持続時間後に、前記少なくとも1つの通信パラメータのロックを解除するように構成される、請求項1ないし9のいずれかに記載の装置(10)。
【請求項11】
前記装置(10)はユーザ機器または基地局である、請求項1ないし10のいずれかに記載の装置(10)。
【請求項12】
前記無線インターフェースは複数のアンテナサブアレイを含み、各サブアレイは前記ビームパターンの前記一部の少なくとも部分を形成するように構成され、前記装置は前記ロック信号に応答して前記部分を他の部分から独立してロックするように構成される、請求項1ないし11のいずれかに記載の装置(10)。
【請求項13】
請求項1ないし12のうちのいずれか1項に記載の装置(10)であって、無線通信ネットワークにおいて無線通信を実行するように構成された装置(10)と通信して、測定システムのテスト手順中に前記装置(10)を制御するように構成された測定インターフェース(26)と、
前記無線通信ネットワークにおいて前記無線通信のビームパターン(14)および少なくとも1つの通信パラメータをロックする要求を示すロック信号(24)を生成するように構成された信号発生器(28)と、
前記ロック信号(24)を前記装置(10)に送信するように構成された送信インターフェース(32)と、
を含む、測定システム(30;30
1;30
2;30
3)。
【請求項14】
前記測定システムは、DUTテスター、基地局およびユーザ機器のうちの1つである、請求項
13に記載の測定システム。
【請求項15】
前記測定インターフェース(26)は無線インターフェース(12)である、請求項
13または
14に記載の測定システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの通信パラメータは、前記装置(10)の送信電力、テスト
信号または基準信号の選択、前記ビーム
パターンの一部との送受信に使用されるリソースマッピング、前記ビーム
パターンの前記一部との送受信に使用される偏波、時間リソース、周波数リソース、空間リソース、コードリソース、および変調符号スキームのうちの1つを含む、請求項
13ないし
15のいずれかに記載の測定システム。
【請求項17】
前記ロック信号(24)を送信した後、前記測定システムは前記装置(10)が実行する前記無線通信の特性を決定するように構成される、請求項
13ないし
16のいずれかに記載の測定システム。
【請求項18】
前記特性は、
・前記ビームパターン(14)のビーム(48)のビーム幅またはヌル(52)のヌル幅
・前記ビームパターン(14)の少なくとも一部(48、52)における送信電力の空間分布
・前記ビームパターン(14)の空間的拡張
・ビーム(14)方向および/またはヌル(52)方向の安定性
・アウトオブバンド(OOB)放射
・隣接チャネル漏洩電力比(ACLR)
・ビーム追跡性能
・ヌル追跡性能
・全放射電力
・全受信電力
・変調および符号化性能
・エラーベクトル振幅(EVM)
・スプリアスエミッション
のうち少なくとも1つである、請求項
17に記載の測定システム。
【請求項19】
前記測定システムは、所定の設定に従った通常動作中にビームパターン(14)を生成するように前記装置(10)を制御し、前記ロック信号(24)を送信して前記所定の設定を維持し、前記通常動作によって引き起こされる前記ビームパターン(14)の変更を休止させるように構成される、請求項
13ないし
18のいずれかに記載の測定システム。
【請求項20】
前記信号発生器は、前記ビームパターン(14)および前記少なくとも1つの通信パラメータのロック解除の要求を示すアンロック信号(24)を生成するように構成され、
前記測定システムは、前記装置(10)の特性を決定した後に、前記アンロック信号(24)を前記装置(10)に送信するように構成される、請求項
13ないし
19のいずれかに記載の測定システム。
【請求項21】
前記信号発生器(28)は前記ロック信号(24)を、前記ビームパターン(14)および/または前記少なくとも1つの通信パラメータをロックする持続時間を示す持続時間情報を含んで生成するように構成される、請求項
13ないし
20のいずれかに記載の測定システム。
【請求項22】
前記信号発生器(28)は前記ロック信号(24)を、ロックされるまたはロックが解除されるビー
ムの少なくとも一部またはヌルを示すビームパターン(14)の情報を含んで生成するように構成される、請求項
13ないし
21のいずれかに記載の測定システム。
【請求項23】
前記信号発生器は前記ロック信号(24)を、アンテナサブアレイに関連するが、前記装置(10)の異なるアンテナサブアレイに関係しない、ロックされるまたはロックを解除される前記ビームパターンの部分を示す情報を含んで生成するように構成される、請求項
13ないし
22のいずれかに記載の測定システム。
【請求項24】
前記測定システムは、少なくとも第1および第2の反復において、繰り返し、
前記装置(10)の前記ビームパターン(14)および少なくとも1つの通信パラメータをロックし、
前記ビームパターン(14)および前記少なくとも1つの通信パラメータをロックした後に、前記少なくとも1つの通信パラメータに依存する前記装置(10)の特性を決定し、
前記ビームパターン(14)および前記少なくとも1つの通信パラメータのロックを解除するように構成される、請求項
13ないし
23のいずれかに記載の測定システム。
【請求項25】
前記装置(10)を保持するように構成された試験器具(35)を備え、前記測定インターフェース(26)は前記特性を決定するように構成され、前記測定システムは、前記第1の反復における特性の決定と前記第2の反復における特性の決定との間で前記測定インターフェース(26)に相対的に前記装置(10)を移動させるように構成される、請求項
24に記載の測定システム。
【請求項26】
前記測定システムは前記ビームパターン(14)のビーム中心測定およびオフセンター測定を実行するように構成される、請求項
13ないし
25のいずれか1項に記載の測定システム。
【請求項27】
請求項1ないし
12のいずれかに記載の装置(10)と、
請求項
13ないし
26のいずれかに記載の測定システム(30;30
1;30
2;30
3)と、
を含む測定セットアップ(20)であって、
前記測定システムは、前記ロック信号(24)を前記装置(10)に送信し、また前記装置(10)の特性を決定するように構成される、測定セットアップ(20)。
【請求項28】
測定システムおよび前記測定システムを用いて試験される装置を含む測定セットアップ(20)であって、
前記測定システムは、装置(10)を動作させて前記装置(10)によって生成されたビームパターン(14)を得るように構成され、
前記測定システムは前記装置(10)に対し、前記ビームパターン(14)の少なくとも一部および通信パラメータをロックする指示を行うように構成され、
前記測定システムは、前記ビームパターン(14)のヌル(52)が前記ビームパターン(14)を測定するように構成された測定インターフェース(24)に向くように前記装置(10)を移動させるように構成され、
前記測定システムは前記装置(10)に対し、前記ビームパターン(14)の少なくともローブ(48)を前記ヌルに重畳するように形成するように指示するように構成され、
前記測定システムは、前記測定インターフェース(24)を用いて前記ビームパターン(14)を測定するように構成される、測定セットアップ(20)。
【請求項29】
装置(10)を試験するための方法(100;100
1;100
2;100
3;100
4;100
5;100
6;200
1;200
2;300)であって、前記方法は、
前記装置が形成したビームパターン(14)の少なくとも一部
のロックおよび前記装置(10)の少なくとも1つの通信パラメータのロックの要求を示すロック信号(24)を前記装置(10)で受信するステップと、
前記ロック信号(24)に応答して、前記ビームパターン(14)の前記一部および前記少なくとも1つの通信パラメータをロックするステップ(104;306、308)と、
前記装置を操作して送信ビームと受信ビームとを含む拡張ビームパターンを形成し、ここで前記ビームパターンは前記送信ビームであって、そして、
前記ロック信号を受信して、前記装置が前記拡張ビームパターンからの前記送信ビームの少なくとも一部をロックするように、前記送信ビームをロックして前記受信ビームはロックされずアクティブであるままにするよう
に指示し、ロックされたビームを測定するステップ、または、
前記装置を操作して送信ビームと受信ビームとを含む拡張ビームパターンを形成し、ここで前記ビームパターンは前記受信ビームであって、そして
、前記ロック信号を受信して、前記装置が前記拡張ビームパターンからの前記受信ビームの少なくとも一部をロックするように、前記受信ビームをロックして前記送信ビームはロックされずアクティブであるままにするように前記装置に指
示し、ロックされたビームを測定するステップと、
を含む、方法(100;100
1;100
2;100
3;100
4;100
5;100
6;200
1;200
2;300)。
【請求項30】
装置(10)を試験するための方法(100;100
1;100
2;100
3;100
4;100
5;100
6;200
1;200
2;300)であって、前記方法は、
前記装置が形成したビームパターン(14)の少なくとも1つの特性
のロックおよび前記装置(10)の少なくとも1つの通信パラメータのロックの要求を示すロック信号(24)を前記装置(10)で受信するステップと、
前記ロック信号(24)に応答して、前記ビームパターン(14)の前記特性および前記少なくとも1つの通信パラメータをロックするステップ(104;306、308)と、
を含み、
前記方法は、
前記装置を操作して送信ビームと受信ビームとを含む拡張ビームパターンを形成し、ここで前記ビームパターンは前記送信ビームおよび前記受信ビームであって、そして、
前記ロック信号を受信して、前記装置が前記拡張ビームパターンからの前記送信ビームの少なくとも一部および前記受信ビームの一部をロックするように、前記送信ビームのロックおよび前記受信ビームのロックを前記装置に指
示して、ロックされたビームを測定するステップと、
を含む、方法(100;100
1;100
2;100
3;100
4;100
5;100
6;200
1;200
2;300)。
【請求項31】
装置(10)を試験するための方法(100;100
1;100
2;100
3;100
4;100
5;100
6;200
1;200
2;300)であって、前記方法は、
前記装置が形成したビームパターン(14)の少なくとも1つの特性のロックおよび前記装置(10)の少なくとも1つの通信パラメータのロックの要求を示すロック信号(24)を前記装置(10)で受信するステップと、
前記ロック信号(24)に応答して、前記ビームパターン(14)の前記特性および前記少なくとも1つの通信パラメータをロックするステップ(104;306、308)と、
を含み、
前記方法は、
前記装置を操作して送信ビームと受信ビームとを含む拡張ビームパターンを形成し、ここで前記ビームパターンは前記送信ビームである、ステップと、
前記ロック信号を第1のロック信号として受信して前記装置に前記送信ビームのロックを指示し、第2のロック信号を受信して
、前記装置が前記拡張ビームパターンからの前記送信ビームの少なくとも一部および前記拡張ビームパターンからの前記受信ビームの少なくとも一部をロックするように、前記装置に前記受信ビームのロックを指示し、ロックされたビームを測定するステップ、または、
前記ロック信号を第1のロック信号として受信して前記装置に前記受信ビームのロックを指示し、第2のロック信号を受信して
、前記装置が前記拡張ビームパターンからの前記送信ビームの少なくとも一部および前記拡張ビームパターンからの前記受信ビームの少なくとも一部をロックするように、前記装置に前記送信ビームのロックを指示し、ロックされたビームを測定するステップと、
を含む、方法(100;100
1;100
2;100
3;100
4;100
5;100
6;200
1;200
2;300)。
【請求項32】
装置(10)を試験するための方法(200
1;200
2;300)であって、前記方法は、
通常動作時に前記装置(10)が生成するビームパターン(14)のフリーランニングローブ(48)とヌル(52)とが得られるように、前記装置(10)を動作させるステップ(102;302)と、
前記装置(10)との接続を確立するステップ(304)と、
通信パラメータをロックするように前記装置(10)に指示(306)する指示を前記装置で受信するステップと、
前記装置(10)の前記ビームパターン(14)の少なくとも一部をロックするように前記装置(10)に指示(308)する指示を前記装置で受信するステップと、
前記装置(10)のメトリクスを決定するステップ(106;312)と、
前記装置(10)の測定条件を変更するステップ(202;314)と、
前記装置(10)のメトリクスを決定するステップおよび/または前記装置(10)の測定条件を変更するステップを反復するステップ(206;316)と、
前記ビームパターン(14)の前記一部および前記通信パラメータのロックを解除するように前記装置(10)に指示(108;318)する指示を前記装置で受信するステップと、
を含
み、
前記ビームパターン(14)の前記一部および前記通信パラメータのロックを解除するように前記装置(10)に指示する指示を前記装置で受信するステップは、
ロックの持続時間を示す時間情報を使用して前記ビームパターン(14)の前記一部および前記通信パラメータの少なくとも一方をロックして、前記持続時間の後に前記ビームパターン(14)および/または前記通信パラメータのロックが解除されるようにするように前記装置(10)に指示する指示を前記装置で受信するステップ、または、
前記装置(10)が前記ビームパターン(14)の前記一部および/または前記通信パラメータのロックを解除することを要求されている情報を示すアンロック信号を前記装置(10)に送信するステップ、
を含む、
方法。
【請求項33】
前記ビームパターン(14)の前記一部は、少なくとも前記ビームパターン(14)のヌルを含む、請求項
32に記載の方法。
【請求項34】
装置(10)を試験するための方法であって、前記方法は、
装置(10)を動作させて、前記装置(10)が生成したビームパターン(14)を得るステップと、
前記ビームパターン(14)の少なくとも一部および通信パラメータをロックするように前記装置(10)に指示する指示を前記装置で受信するステップと、
前記ビームパターン(14)のヌル(52)が前記ビームパターン(14)を測定するように構成された測定インターフェース(24)に向けられるように前記装置(10)を移動するステップと、
前記ビームパターン(14)の少なくとも1つのローブ(48)を前記ヌルに重畳するように形成するように前記装置(10)に指示する指示を前記装置で受信するステップと、
前記測定インターフェース(24)を用いて前記ビームパターン(14)を測定するステップと、
を含む、方法。
【請求項35】
コンピュータ上で動作しているときに、請求項
29ないし
34のいずれかに記載の方法を実行するように構成されたコンピュータ可読命令を格納した非一時的記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば無線操作を考慮して、試験される装置、測定システムおよび装置を試験する方法に関する。本発明は、さらに、測定セットアップに関する。本発明は、さらに、ビームパターン特性ロック、ビームパターンロック、ビームロック、電力ロックおよびMCSロック、すなわち、Over-The-Air(OTA)試験に使用される試験インターフェースの機能に関する。
【背景技術】
【0002】
階層モデル概念を有するISO開放型システム間相互接続規格[1]は、4G、beyond 4G、5G、および、beyond 5Gのシステムとしておおまかに知られているものを含む様々なコンピュータおよび電気通信システムにおいて採用されてきた。このモデルを使用すると、物理的媒体-無線トランシーバおよびそれらの関連するアンテナシステム-を通して未加工のデータを送受信する機能を実装するために必要な回路は、いわゆる物理層(PHY)にある。したがって、PHY層で使用されるパラメータは、無線トランシーバおよびそれらのアンテナシステムが動作する方法を制御する。通常の動作中、これらのパラメータは自動的に制御され、確実に通信システムがいわゆる上位層によって決定された基準に従って実行される。
【0003】
ビームロックは、3GPP RAN WG4によって広く検討されており、その必要性について最近合意に達したトピックである(しかしながら、詳細は3GPP RAN WG5で検討されていない)。ビームロックは、被試験装置、すなわち試験中の装置によって形成されたビームパターンをロック、凍結または変化しないことをいい、このようなビームパターンは、装置からの送信のため、すなわち送信ビームのためおよび/または装置による受信のため、すなわち受信ビームのために使用し得る。
【0004】
したがって、装置の測定を向上させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、装置の測定を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らは、ビームロックを使用する試験および測定目的のために、送信電力のような通信パラメータの自動制御のためにビーム内の変化が引き起こされ、したがって、装置の放射挙動の不正確な測定結果につながることを見出した。発明者らは、さらに、このような通信パラメータを共にロックすることによって、ビームの正確な測定値を得ることができることを見出した。したがって、通信パラメータをロックすることにより、ビーム偏波、ビーム幅、ビームの方向性、送信機の電力、リソースブロックの割り当て、すなわちビームの一部との送信または受信のために使用されるリソースマッピング、テストまたは基準信号選択、変調および符号化スキーム(MCS)および/または選択された電力および/または印加電力などの境界条件の信頼性を保証するために、特定の動作が制限またはロックされることを保証することができる。発明者らはさらに、ビームパターンの特性をロックすることができ、このような一般性を損なわない特性が、時間特性、周波数特性、空間的特性および符号化特性、例えば、空間-時間-符号、空間-周波数符号および空間-時間-周波数符号を含むことを見出した。発明者らはさらに、このような実施形態は、限定することなく、ヌルロックのために実装することができることを見出した。
【0007】
一実施形態によれば、無線通信ネットワークにおいて無線通信するように構成された装置は、無線通信のために構成された無線インターフェースと、無線インターフェースによって形成されるビームパターンおよび無線インターフェースの少なくとも1つの通信パラメータを制御するように構成されたコントローラとを備える。装置は、ビームパターンの少なくとも一部および少なくとも1つの通信パラメータをロックする要求を示すロック信号を受信するように構成される。コントローラは、ロック信号に応答して、ビームの少なくとも一部および少なくとも1つの通信パラメータをロックするように構成される。これにより、装置の位置または状態が変化する場合であっても、ビームの一部は変化しないので、より正確な測定が可能となる。
【0008】
一実施形態によれば、測定システムは、無線通信ネットワークにおいて無線通信を実行するように構成された装置と通信して、測定システムの試験手順中に装置を制御するように構成された測定インターフェースと、無線通信ネットワークにおいて無線通信のビームおよび少なくとも1つの通信パラメータをロックする要求を示すロック信号を生成するように構成された信号発生器と、ロック信号を装置に送信するように構成された送信インターフェースとを含む。ロック信号を用いて装置を制御することにより、より正確な測定が可能となる。
【0009】
一実施形態によれば、測定セットアップは、一実施形態による装置と一実施形態による測定システムとを含む。測定システムは、ロック信号を装置に送信し、装置の特性を決定するように構成される。
【0010】
一実施形態によれば、装置を試験するための方法は、
装置によって形成されたビームパターンの少なくとも一部および装置の少なくとも1つの通信パラメータをロックする要求を示すロック信号を装置へ送信するステップと、
ロック信号に応答して、ビームパターンの一部および少なくとも1つの通信パラメータをロックするステップと、を含む。
【0011】
一実施形態によれば、装置を試験するための方法は、
通常の動作で、装置によって生成されたビームパターンのフリーランニング(free running)ローブとヌルとを得るように装置を操作するステップと、
装置への接続を確立するステップと、
通信パラメータをロックするように装置に指示するステップと、
装置のビームの少なくとも一部をロックするように装置に指示するステップと、
装置のメトリクスを決定するステップと、
装置の測定条件を変更するステップと、
装置のメトリクスを決定するステップおよび/または装置の測定条件を変更するステップを反復するステップと、
ビームの一部および通信パラメータのロックを解除するように装置に指示するステップと、を含む。
【0012】
一実施形態によれば、非一時的記憶媒体は、コンピュータ上で動作しているときに、実施形態の1つによる方法を実行するように構成されたコンピュータ可読命令を格納している。
【0013】
さらなる実施形態は従属請求項に定義される。
【0014】
以下の添付図面を参照して、本発明の実施形態をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、一実施形態による装置の概略ブロック図を示す。
【
図2】
図2は、一実施形態による測定システムおよび試験される装置を含む測定セットアップの概略ブロック図を示す。
【
図3a】
図3aは、さらなる実施形態による測定セットアップの概略ブロック図を示す。
【
図3b】
図3bは、DUTを制御し測定するための結合されたインターフェースを有する実施形態による測定セットアップの概略ブロック図を示す。
【
図3c】
図3cは、干渉インターフェースによって
図3bの測定セットアップを拡張する実施形態による測定セットアップの概略ブロック図を示す。
【
図4a】
図4aは、一実施形態による装置を試験するための方法の概略フローチャートを示す。
【
図4b】
図4bは、一実施形態による装置を試験するための方法の概略フローチャートを示す。
【
図4c】
図4cは、一実施形態による装置を試験するための方法の概略フローチャートを示す。
【
図4d】
図4dは、一実施形態による装置を試験するための方法の概略フローチャートを示す。
【
図4e】
図4eは、一実施形態による装置を試験するための方法の概略フローチャートを示す。
【
図4f】
図4fは、一実施形態による装置を試験するための方法の概略フローチャートを示す。
【
図5a】
図5aは、一実施形態によるDUTを繰り返し測定するための方法の概略フローチャートを示す。
【
図5b】
図5bは、一実施形態によるDUT繰り返し測定するための別の方法の概略フローチャートを示す。
【
図5c】
図5cは、複数の測定を有する装置を試験するための、一実施形態による一般的な方法のフローチャートを示す。
【
図6a】
図6aは、2つのアンテナアレイを有する実施形態による装置の概略ブロック図である。
【
図6b】
図6bは、複数のアンテナサブアレイを有する一実施形態による装置の概略ブロック図である
【
図7】
図7は、ローブおよびヌルを含むようにビームを形成するように構成された装置の概略ブロック図である。
【
図8a】
図8aは、一実施形態による測定セットアップによって実行し得る測定手順の概略図を示す。
【
図8b】
図8bは、一実施形態による測定セットアップによって実行し得る測定手順の概略図を示す。
【
図8c】
図8cは、一実施形態による測定セットアップによって実行し得る測定手順の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
等しいまたは等価な機能を有する、等しいまたは同等の要素または複数の要素は、異なる図面に現れていても、以下の説明では等しいまたは同等の参照番号で示される。
【0017】
本願明細書に記載の実施形態は、装置によって形成された1つ以上のビームパターンに関連してもよい。アンテナ機能、すなわち、特定の方向に向けた伝送/送信能力および/または受信能力として理解することができる1つ以上のビームをビームパターンは含み、これは全方向性ローブとしてビームを形成することを除外するものではない。ビームは1つ以上のメインローブを含んでいてもよい。ビームのそばに、ビームパターンは1つ以上のサイドローブを含んでいてもよい。ビームおよびローブおよび/またはローブとの間には、ヌルが配置されてもよい。他の領域と比較した場合に、信号が空間領域に沿ってまたは空間領域からより高い品質で送受信される場合としてローブを理解することができる。ビームパターンは、例えば、第1のローブと第2のローブとの間、または異なる位置にヌルを含んでいてもよい。ローブの領域と比較した場合、低量の送信電力が送信されるかまたはそこから信号が受信される空間領域として理解され得るヌルは、より低い品質で受信される。例えば、少なくとも20dB、少なくとも40dBまたは少なくとも60dBまたはそれ以上によるローブの中心と比較した場合に、ヌルにおける送信電力はより低くすることができる。言い換えると、「ヌル」を形成することは、形成されたビームパターンが空間的に構造化されることを理解することができ、特定の方向またはとてもわずかな空間的なセクタもしくは理想的な世界では、電力が送信または受信されない。このような「ヌル」は、特定の方向への干渉を生じさせないようにするために、例えば、他の通信装置Aが、同じ時間周波数リソース上で他の通信装置Bと通信する場合に、重要である可能性がある。言い換えると、ビームは、1つ以上のローブを含んでいてもよく、ローブ間のヌルを含んでいてもよい。ビームを送信目的のために、すなわち、装置に対して特定の方向に向けて無線信号を送信するための送信電力を指示するものとして理解し得る送信ビームとして、形成してもよい。代替的にまたは追加的に、ビームは受信目的のために、すなわち、受信ビームとして、形成されてもよい。すなわち、アンテナ利得は、無線信号の好適な受信方向を生成するように調整または制御される。ビームを、ビームフォーミングに使用され得る規則的または不規則な空間パターンを有する高周波で信号を送信および/または受信するために使用してもよい。
【0018】
本願明細書に記載の実施形態は、拡張ビームパターンに関連してもよい。拡張ビームパターンは、単一のビームパターンまたは少なくとも第1のビームパターンと第2のビームパターンとの重ね合わせとして理解することができ、そのような重ね合わせは、2つ以上の送信ビームまたはビームパターン、2つ以上の受信ビームまたはビームパターン、および/または少なくとも1つの送信ビームまたはビームパターンおよび少なくとも1つの受信ビームまたはビームパターンのために得ることができる。すなわち、実施形態に従ったパターンロックを実行する場合、これはビームロックおよび/またはヌルロックに関連してもよい。ビームロックは1つ以上のビームおよび/またはビームパターンのローブをロックすることに関連し、ヌルロックは少なくとも1つのヌルをロックすることに関連してもよい。したがって、パターンロックは異なるビームのロック要素または1つ以上の完全なビームの要素をロックすることに関連し、および/または、ビームロックとヌルロックとの組み合わせにも関連し得る。言い換えると、送信は、信号を伝送/送信し、信号を受信することを含む。通信パラメータは、少なくとも受信機の特性および/または送信機の特性に影響を与えるパラメータに関連してもよい。それ故に、実施形態は、送信および/または受信に関し、アップリンクおよびダウンリンクに限定されない。
【0019】
本願明細書で説明される実施形態は、ビーム特性および/または少なくともビームパターンの一部および/または通信パラメータをロックすることに関連する。ここで通信におけるロックは、それぞれの要素またはパラメータを制御するように理解することができ、不変の状態または少なくとも、低い変化量、例えば、10%未満、5%未満、または1%未満を含む状態を含む。このようなロックは、例えば、前記ビームパターンまたはその少なくとも一部および/またはパラメータが適合、変更または制御され、通常動作中に実行されてもよく、現在の動作の要求に従うようにしてもよい。前記ビームをロックすることに基づいて、その一部またはパラメータを上述した許容範囲内でロックされもよく、すなわち、保存され、凍結され、または一定に維持されてもよく、例えば、向きまたは位置に関する装置の変更が通常の動作中にその変化を引き起こす場合でさえ、ビームパターンおよび/または通信パラメータがそのまま維持される。ロックを解除する参照する場合、ビームパターン、その一部および/または通信パラメータを解放して、現在の動作モードに従った適合を実行するようにすることができる。
【0020】
すなわち、実施形態は、信号、送信または送信アンテナを送信するために使用されるアンテナの測定、および、信号、受信または受信アンテナを受信するために使用されるアンテナの測定のための特定の放射パターン特性をロックすることに関する。したがって、通信パラメータを参照する実施形態は、送信および受信の両方をカバーする。一般性を損なうことなく、時間特性、周波数特性、空間特性および符号化特性、例えば、空間-時間コード、空間-周波数コードおよび空間-時間-周波数コードを含むビームパターン特性を実施形態はカバーする。実施形態は、さらに、送信および受信の両方について、電力ロックおよび変調コーディング方式レベルロック、リソースブロック割り当てロックおよびテストまたは基準信号選択ロックをさらにカバーする。代替的にまたは追加的に、通信パラメータをロックすることは、使用済みリソース、例えば時間および/または周波数および/または1つまたは複数のアンテナまたは複数のマルチ入力マルチ出力(MIMO)層/ビームのロックに関するものであってもよい。これは、無線リソースマッピングのロックと呼んでもよい。すなわち、ビームパターンおよび/または通信パラメータをロックすることは、送信および/または受信のために使用済みのリソースマップをロックすることに関連してもよい。リソースマップをロックすることは、測定システムが適切な試験を実行できるように、周波数ホッピングのようなロック関連の機能、または予め定義されたパターンに従ってそのような機能を少なくとも実行することを含むものであってもよい。4G-LTEおよび5G-NRにおける変調され、符号化されたシンボルは、OFDMシンボ
ル(時間)およびOFDMサブキャリア(周波数)リソースにマッピングされる。このようなリソースは、いわゆるリソーススケジューラによって選択されてもよく、通信ブロック内、いわゆる物理リソース(PR)または他の制御チャネルオプションを使用して外部に通信してもよい。このようなリソース割り当ては静的、準静的または動的であってもよく、マッピングは時間、周波数、および空間ドメイン(MIMO層)の度合いを含むことができる。
【0021】
さらに、WiMaxまたはブルートゥース(登録商標)で使用されるような、いわゆるホッピングパターンのような予め定義された、すなわち予め合意された/知られたパターンを使用することができる。それ故に、ビーム上の異なるMIMO層上の時間/周波数リソースのマッピングに応じて、結果として生じるビームパターンおよび/またはそれらの重ね合わせは、通常の動作において時間的に変化することができ、それ故に、ロックされ、解放され、再びロックされるなどすることができる。代替的にまたは追加的に、無線リソースマッピングは、予め定義されたループモードに設定されて、測定システムがこのような知識を同期させ、利用することができる。これは、特定の時間に、異なる空間層の周波数リソースにマップされた参照シンボル(RS)に基づいて、Over-the-Air(OTA)測定が行われる場合に重要である可能性がある。
【0022】
さらに、パターンロックはビームの形状をカバーするだけでなく、偏波効果、例えば、特定のビームパターンが水平または垂直の偏波、円の左側または円の右側もしくは異なる偏波モードで現れるような偏波効果にも拡張し得る。通信パラメータは、送信および/または受信のために、このような偏波をロックすることに関連してもよい。したがって、通信パラメータのパターンロックおよび/またはロックは、ビームの一部との送信または受信のために使用されるリソースマッピングをロックすること、および/または、ビームの一部との送信または受信のために使用される偏波をロックすることに関連し得る。
【0023】
本願明細書に記載された実施形態は、1つ以上の通信パラメータに関する。通信パラメータは、ビームパターンの特性に影響を与えることができ、ビームパターンを送信目的および/または受信目的のために使用することができる。したがって、通信パラメータは、実施形態を送信方向に使用されるパラメータに限定するものではなく、対照的に送信および受信の両方を含む無線信号を送信することに関連するだろう。
【0024】
実施形態によれば、装置に対して単一のビーム/ローブおよび/またはヌルの向きを固定する点でパターンロックの延長として、無線信号の受信および/または送信に関連して少なくとも1つのさらなるパラメータ、すなわち少なくとも1つの通信パラメータがビームパターンとともにロックされる。一般に、アンテナの放射パターンのいくつかの側面または特性が固定またはロックされているといえる。これは、ビームパターンの1つ以上のメインローブおよび/またはそのヌルの1つとすることができる。
【0025】
実施形態によれば、例えば、ロックは以下のように適用し得る。
1.ビーム
a.ビームパターンの単一のローブ
b.ビームパターンの複数のローブ
2.ビームフォームされたパターン、すなわち、ローブおよび/またはヌルの組み合わせ
a.TRP(全放射電力)測定
b.RTP(全受信電力)測定
3.ローブ
a.メインローブ、第1のサイドローブ(例えば、左/右/上/下のビーム中心)
b.第2/第3/第N番目のローブ(例えば、左/右/上/下ビーム中心)
c.メインローブに関する所与のレベルのサイドローブ(すなわち、X dBの所与の
サイドローブレベル(SLL)(例えば、左/右/上/下ビーム中心)
4.ヌル
a.単一のヌル
b.複数のヌル
c.メインビームに関する所与のレベルのヌル(すなわち、X dBの所与のヌルレベル(NL)(左/右/上/下のビーム中心)
5.パネルまたはサブアレイ
a.アンテナ素子の単一パネル、すなわちアンテナサブアレイによって放射されるビームまたはビームパターン
b.複数のパネル/サブアレイによって放射されたビームまたはビームパターン
c.隣接/平行/直交/斜め/直径方向に対向するパネル/サブアレイのビーム
d.メインビームに関する所与のレベルのサイドローブ(すなわち、X dBの所与のサイドローブレベル(SLL))(左/右/上/下のビーム中心)
6.アレイ
a.1つのアンテナアレイ
b.複数のアンテナアレイ
c.アレイのアレイ
【0026】
点1bに従ったビームパターンの複数のローブのロックと、点3に従ったローブとを比較すると、ビームがパターンの「最も強い」部分であると言うことができる点で違いが見られる。典型的には、ビームを構成するように形成された任意のパターンも1つ以上のローブを有することができる(メイン)ビームほど強くないローブを有するだろう。単一(メイン)ビームに関連するローブの数は、アンテナのタイプおよび/または設計に依存してもよい。いくつかのアンテナは、1つ以上のビームを示すパターンを有するように設計してもよく、その一例は、複数のビームを複数のユーザに提供するように使用するアンテナアレイを含む。ヌルはメインビームとローブとの間、および隣接するローブ間に存在することができる。メインビームに影響を与えることなく、所望の信号に対するそれらの影響を低減するように、ヌルを干渉源に向けることができる。
【0027】
一般的な説明として、本願明細書に記載された実施形態は、ビームパターン特性のロックおよび/またはヌルパターン特性のロックとして参照し得る概念を説明するものとして理解され得る。すなわち、ビームおよび/またはヌルは通信パラメータによって定義し得るさらなる特性と共にロックされてもよい。
【0028】
図1は一実施形態に従う装置10の概略ブロック図を示す。装置10は移動通信ネットワークなどの無線通信ネットワーク内で無線通信するように構成され、例えば、新しい無線とも呼ばれるロングタームエボリューション(LTE)規格および/または5G規格に従って動作する。装置10は無線通信のために構成された無線インターフェース12を含む。無線インターフェース12は、アンテナまたは複数のアンテナ、例えば、アンテナアレイを含んでいてもよく、ビームフォーミングのために構成してもよい。すなわちビームパターン14のビームまたはヌルが向けられる方向に適合させるように構成してもよい。したがって、ビームまたはヌルの方向の制御は、送信信号16が好ましくは送信される、および/または受信信号18が好ましくは受信される少なくとも1つの方向を制御することを可能にすることができる。受信および送信のために、個々のビームおよび/またはビームパターンを形成してもよく、例えば、異なる方向に向いている1つ以上のメインローブをそれぞれ有する。このように、装置10はビームパターン14のみを生成するものとして図示されているが、追加のビームおよび/またはビームパターンが生成されてもよい。
【0029】
装置10は、無線インターフェース12のビームパターン14のパターンおよび無線イ
ンターフェース12の少なくとも1つの通信パラメータを制御するように構成されたコントローラ22を含む。すなわち、コントローラ22は、ビームパターン14および/または1つ以上のビームもしくは拡張されたビームパターンに互いに空間的に重畳するビームパターンを形成するように無線インターフェース12を制御することができる。少なくとも1つの通信パラメータは、単一のパラメータおよび/または複数のパラメータとして理解することができる。ビームまたはビームパターン14または拡張ビームパターンを制御することは、装置10に対して形状および/または方向の時間的な変化を含むように、および/または、形状および/または方向に影響を及ぼす様々な環境に応答して一定またはほぼ一定の形状および/または方向を含むように、ビームパターン14の少なくとも1つのビームまたはヌルを制御することを含んでいてもよい。通信パラメータは、非限定的な例として、ビームパターン14を生成または形成するために使用される送信電力、ビーム偏波、ビーム幅、ビーム方向性、リソースブロック割り当て、すなわちビームの一部との送受信に使用されるリソースマッピング、試験または基準信号選択、および無線通信に使用される変調コーディングスキーム(MCS)を含んでいてもよい。装置10は、ロック信号24を受信するように構成される。ロック信号24は、ビームパターン14および少なくとも1つの通信パラメータをロックする要求を示してもよい。したがって、ロック信号24はビームパターン14の少なくとも1つの特性をロックするための要求と、それによって少なくとも1つの通信パラメータをおそらく含む要求とを示してもよい。これらの定義には制限なく、互いに結合されてもよく、ビームの少なくとも一部および通信パラメータをロックする要求を示すロック信号に関連する実施形態は、ビーム特性をロックするための要求を示すロック信号に関連していてもよい。ロック信号24は、例えば測定システムと装置10との間の測定制御チャネルの一部を形成する有線または無線の専用インターフェースで受信してもよく、無線インターフェース12で受信することもできる。
【0030】
ビームパターン14の少なくとも一部をロックする要求を含むように適合される制御信号を参照する場合、これは、とりわけ、少なくとも1つの送信ビーム、すなわち高い送信電力が放射される方向、送信ビームパターン内のヌル、すなわち送信電力がまったく放射されないまたは低い送信電力が放射される方向、および/または、受信ビーム、すなわち信号が好ましくは受信される方向に関連してもよい。
【0031】
ビームフォーミングは、いわゆるアナログステージの使用を含んでいてもよく、さらにいわゆるデジタルステージの使用を含んでいてもよい。アナログステージ内では、指向性のように制御されるアンテナ特性を有する仮想アンテナを形成するように、アンテナ素子のセットのアンテナ素子を個別に制御してもよい。この目的のために、移相器、時間遅延素子、減衰器等のような無線周波数範囲または中間周波数範囲で動作することができる要素を制御してもよい。このような要素は、ビームパターンがアナログドメインで実施されるネットワークの結果として作成され、無線周波数(RF)信号または中間周波数(IF)信号に適用されることにより、ビームパターン制御ネットワークと呼ばれることがあるネットワークを形成することができる。代替的にまたは追加的に、ネットワークはデジタルドメインにおいて実施されてもよい。デジタルドメインでは、複素数を有するI/Q値をサンプルクロックワイズ乗算することによりベースバンドにおいて実行し、または、デジタルIF(例えば、デジタルアップコンバートされた信号)において、複素数または実数値のマトリックスを有する複素数または実数値の時間領域信号のサンプルクロックワイズ乗算として、再び実行することができ、乗算はビームフォーミングネットワーク要素を表してもよい。したがって、ビームパターンの一部のアナログ部分をロックすることは、仮想アンテナ放射または受信パターンをロックするようにアンテナ素子を制御することに関連することができる。
【0032】
デジタルステージ内では、少なくとも1つだけでなく、複数または多数の仮想アンテナも、例えばI/QまたはIF領域、すなわち、デジタル領域において信号を適応または操
作するために、乗算器またはマトリックス-ベクトル乗算のような要素を使用することによって制御してもよい。このような動作は、ベースバンドにおいて実行されてもよい。したがって、ビームパターンの一部のデジタル部分をロックすることが、少なくとも1つの仮想アンテナ全体を制御することができる。
【0033】
ロック信号24は、装置がビームパターン14の少なくとも一部をロックするように指示されたことを示す命令を含んでいてもよい。これは、ビームパターン14のアナログ部分またはその一部のみがロックされることを要求されることを示す命令を含んでいてもよい。代わりに、これは、ビームパターン14のデジタル部分またはその一部のみがロックされることを要求されることを示す命令を含んでいてもよい。代わりに、これは、ビームパターン14のアナログ部分およびデジタル部分、またはその一部がロックされることを要求されることを示す命令を含んでいてもよい。代替的にまたは追加的に、アナログ領域とデジタル領域との間のこのような識別は、送信ビームおよび/または受信ビームをロックすることを示すロック信号24内の命令、すなわち、送信ビームと受信ビームとの間の識別を示す命令と組み合わされてもよい。
【0034】
コントローラ22は、ビームパターン14の少なくとも一部をロックするように構成される。ビームパターンの一部は、ビーム、そのローブ、ヌルおよび/または空間部分もしくはその一部に関連し得るが、周波数などの他の次元におけるビームの不完全な部分を指すこともできる。例えば、ビームは、複数の周波数帯域で形成されてもよく、あるいは、例えば、キャリアアグリゲーションを使用して、2つ以上のサブキャリアを使用して形成されてもよい。送信帯域は、UEとeNBとの間で通信が(受信機または送信機側で)起こる帯域を指すこともできる。異なるサブキャリアを使用してもよく、または異なるビームフォーマで適用してもよい。ビームパターン14の少なくとも一部をロックすることは、ビームおよび/またはそのローブおよび/または少なくとも1つの周波数帯域および/またはサブキャリアにおけるヌルのロックに関連してもよい。したがって、コントローラ22は、送信周波数スペクトルの少なくとも第1の部分および送信周波数スペクトルの第2の部分にビームパターン14を形成するように構成することができ、コントローラ22は、ロック信号に応答して、送信周波数スペクトルの第1の部分においてビームパターン14の一部をロックし、一方で送信周波数スペクトルの第2の部分でロックを解除されたビームの一部を残すように構成することができる。代替的にまたは追加的に、ビームの空間パターンを参照するとき、ビームの一部をロックすることは、ビームパターン14を無線インターフェース12で形成することを含んでいてもよく、ビームパターン14は、少なくとも1つまたはそれ以上の数のローブおよびヌルを含む。コントローラは、ローブまたは複数のローブおよび/またはヌルをロックし、一方でロックが解除された要素、すなわち、ローブまたはヌルのうちの少なくとも1つを残すように構成してもよい。これは、完全なビームをロックすることを除外するものではない。
【0035】
ビームまたはビームパターン14の一部、例えば少なくともビームまたはそのローブ、および/またはヌルおよび/または周波数帯域および/またはサブキャリアの特性、ならびにロック信号24に応答する少なくとも1つの通信パラメータの特性をロックすることにより、ロックされた部分を変化しないようにまたは特定の許容範囲内で変化するように制御されてもよい。例えば、ビームパターン14は少なくとも1つのビームを含んでいてもよく、コントローラは少なくとも1つのビームが無線インターフェース12から放射される方向を制御するように構成される。少なくとも1つのビーム特性またはビームの一部をロックするために、コントローラは、方向を維持するように構成される。代わりにまたは加えて、ビームパターン14は、特定の方向に向けられたヌルを含んでいてもよい。ヌルは第1のローブと第2のローブとの間に配置されてもよいが、他の場所に配置されてもよく、また、低量の電力が送信される方向および/または信号を受信するための低感度が得られる方向を参照してもよい。コントローラ22は、ヌルが無線インターフェース22
から放射される方向を制御するように構成されてもよく、ビームパターン14の少なくとも一部をロックするために、コントローラ22は方向を維持するように構成される。これにより、例えば測定システムを使用して、現在の動作状態を維持しながら、装置10およびその挙動を検査することが可能になる。例えば、測定システムは、測定システム内の複数のアンテナによって少なくとも部分的に決定される特定の量の解決を含んでいてもよい。これらのアンテナは空間的に分散して配置してもよい。測定システムは、装置10の異なる向きおよび/または位置を測定するように装置10を動かす、例えば移動および/または回転するように構成してもよい。測定システムは同時に、装置10の通信相手、例えば装置10がユーザ機器である場合の基地局、または装置10が基地局である場合のユーザ機器をエミュレートまたは表現してもよい。エミュレートされた通信相手に対して装置10の様々な相対的な向きに基づいて、例えばコントローラ22によって制御される装置10の動作でビームパターン14のビームを、例えば通信相手の追跡にしたがって、装置10に対して移動させてもよい。ビームパターン14のビームの形状をロックする場合であっても、コントローラ22で通信パラメータを例えばアンテナ利得、送信電力および/または変調方式を変化させてもよく、ロックするだけでビーム不足の測定結果が得られる。少なくとも1つの通信パラメータをロックすることによっても、高い精度で検査することができるように、その挙動を変化する範囲内、その挙動を変化させることなく、移動および/または回転させることができる状態で装置10を制御してもよい。
【0036】
一実施形態によれば、装置10は通信パラメータとして送信電力および/または受信電力(利得)をロックするように構成される。電力ロックの利点は、以下のように説明される。ビームがロックされている特定の測定の間に、被試験装置はオフセンター測定を実行するために回転される。
図3aに示すように、1つのアンテナの組み合わせは、例えばDUTと試験装置との間のリンクを維持するために使用され、第2のアンテナの組み合わせは測定目的のために使用される。送信電力または受信電力をロックすることにより、DUTの送信電力管理コントローラが方向の変化を補正することを防止することができる。このテストケースは、例えばマルチセル、デュアルコネクティビティ、インターラット(inter-RAT)(無線アクセス技術)または非スタンドアロン動作を表す。したがって、代替的にまたは追加的に、パターンロックおよび/または通信パラメータのロックは、ビームの一部との送信または受信のために使用されるリソースマッピングをロックすること、および/または、ビームの一部との送信または受信のために使用される偏波をロックすることに関連してもよい。
【0037】
ビームの一部としてヌルを参照し、それ故にパターンロックを参照する場合にヌルをロックすることを参照するが、パターンロックはビームをロックすることおよび/またはヌルをロックすることに関連してもよい。ビームの少なくとも一部をロックすることに関連してなされた説明は、ヌルをロックすることにも適用することができ、その逆も同様であることに留意されたい。それ故に、ビームパターン特性をロックすることは、少なくとも1つ以上の通信パラメータをロックすることと組み合わせてパターンをロックすることに関連してもよく、パターンをロックすること自体は、ビームをロックすることおよび/またはヌルをロックすることを指す。例えば、干渉の影響、例えば特定のユーザによって「望まれない」として記述され得る信号の比較的高い電力伝送を考慮するマルチユーザの実施形態では、干渉物の方向にユーザのアンテナの放射パターンのヌルを向ける必要性が予見される。すなわち、特定の位置、例えば送信機または受信機に対してビームまたはローブを向けることに代えてまたは加えて、ヌルは1つ以上の特定の方向、例えば他の装置に向けられてもよい。本実施形態に関連して、ヌルをロックすることは、それ故に、ヌルがロックされていることを除いて、ビームをロックすることと同様のパターンの一部をロックすることとして理解してもよい。この状況を区別するために、(「ビームロック」の代わりに)用語「ヌルロック」を使用してもよい。
【0038】
以下では、装置10などの装置と通信して試験を行うように構成された実施形態に係る測定システムについて説明する。装置を試験する場合に、被試験装置(DUT)を形成する。測定システムとDUTとはともに、測定セットアップを形成する。装置は移動通信のために構成された任意の装置、特に、ユーザ装置(UE)または進化型NodeB(eNB)とも呼ばれる基地局(BS)などであってもよいことに留意されたい。測定システムはそれぞれの他の通信相手をエミュレートまたはシミュレートしてもよく、例えばDUT用の基地局がUEであり、DUT用の別のUEがUEであり、および/またはDUT用のUEが基地局である、もしくはDUT用の基地局が基地局である。
【0039】
実施形態によれば、代替的または追加的に、例えば、リンクが共存リンク(ULおよびDL)を空間的に双方向に含むシナリオでは、フィードバック情報を使用する電力管理を防止するために、送信電力を再度ロックすることができる。例えば、EIRP(等価等方放射電力または実効等方放射電力)測定は、送信機が全電力で動作することを必要とする。
【0040】
送信電力をロックするために、送信チェーンと受信チェーンとの両方で使用される調整可能なフロントエンドコンポーネント(例えば、プログラマブル減衰器、移相器、時間遅延、電力増幅器、低雑音増幅器)の測定を実行することができる。有利にはまたは実施形態によれば、送信電力のような通信パラメータのロックはビームがロックされた直後にロックされるべきである。
【0041】
ビームを形成するために使用される電力に加えて、電力ロック機能の特定の拡張として、特定の測定およびテストケースをサポートするために、時間、周波数および空間(方向)における電力分布を選択/構成/要求することができる。すなわち、ビームを形成するために使用されるパワー/利得は、例えば、それぞれのコマンドによって、および/または装置に電力または利得をそれぞれの値に設定させる動作のシナリオを生成またはシミュレートすることによって特定の値に設定されてもよい。実施形態によれば、装置は、例えばロック信号24を送信する測定システムに使用される通信パラメータのそれぞれの値を信号で伝えることができる。通常、LTEのようなOFDMシステムにおいて使用される周波数領域における電力分布である通常の定電力スペクトル密度から逸脱するこのような電力プロファイルは、例えば周波数領域を超える段階的にまたは漸進的な電力ランプのように不均一であってもよい。同じカバレッジフットプリントを示すセクタ間のセル間干渉を形成する手段として、このような顕著な例は、いわゆる部分周波数を再利用される。非均等電力分布は、時間、周波数および空間のドメインにおいて一般化することができ、例えば、異なる時間スロットで異なる電力レベルを適用する、または異なる方向に異なる電力を使用する、または異なる時間および/または周波数リソース上で異なる電力スペクトル密度を適用し異なる方向に使用することができる。測定手順の前、測定手順の間、測定手順の後に、このような可変パワープロファイルを可能にする関連するコマンドをより詳細に説明する。
【0042】
送信電力/受信電力の代替的にまたは付加的に、他のパラメータは例えばそれぞれのテストケースにおける正確な試験を可能にする変調および符号化方式(MCS)レベルをロックされてもよい。例えば、特定のMCSレベル、帯域幅などのための感度測定のようなテストケースを考慮すると、特にアップリンクにおいて、変調およびコーディングスキームは、測定中に構成、選択および/または固定された状態で維持されてもよく、電力、パターンを有するビームおよび方向は、測定の反復間で維持および/または変更される。
【0043】
異なる形式の電力制御を実行する方法および手順を説明する3GPP技術仕様の先行技術の例を以下で説明する。
【0044】
TS 25.141 [2]
【0045】
チャプター:6.2.3.4A 4つの送信アンテナを有するMIMOモードのための試験方法
6.2.3.4A.1 初期条件
試験環境:正常;サブ節4.4.1参照
試験されるRFチャネル:B、MおよびT;サブ節4.8参照
1)附属B.1.2.
図B.2A.に示されているように、BSをコードドメインアナライザに接続する。
2)内部ループ電力制御を無効にする。
3)キャリアごとに製造者の宣言された定格出力電力、Prated,cにおけるBS伝送を設定する。チャネルセットアップは、TM2サブ節6.1.1.2.アンテナコネクタごとに意図される一次CPICH符号領域電力は、製造者によって宣言される。
4)アンテナコネクタ1、2、3、4には、同じBSセットアップが適用される。
サブ節6.4は、内部ループ電力制御、電力制御ステップ、電力制御ダイナミックレンジ、DLおよびUP電力制御を含む出力電力ダイナミックスに関するいくつかの情報を与える。
【0046】
TS 34.114 [3]
【0047】
この文献は、例えばTDD UEのためのサブ節5.4全放射電力(TRP)において、UEに電力制御コマンドをアップおよびダウンすることによって、最大および最小電力に到達するメカニズムを記述する。
5.4.4.2:手順
1)UEに電力制御コマンドを連続的に送信する。
2)UEが最大電力に達すると、PN15データパターンの送信を開始する。
3)UEをSAMファントムに対して配置する。
4)附属Aに記載されたような特性を有する試験システムを使用して、シータ(θ)およびファイ(φ)において15°のサンプルステップでEIRPθおよびEIRPφを測定する。
5)チャプター5.4.1.から式を用いてTRPを計算する。
【0048】
TS 36.521-1 [4]
【0049】
サブ節6.3:出力電力ダイナミックス
6.3.2.4.2:試験手順
1.SSは、C_RNTIについてPDCCH DCIフォーマット0を介して各UL HARQ手順についてアップリンクスケジューリング情報を送信し、表6.3.2.1.4.1-1に従ってUL RMCをスケジューリングする。UEはペイロードを有さず、送信するためのループバックデータはないので、UEはUL RMCにアップリンクMACパディングビットを送信する。
2.UEがその最小出力電力で送信することを保証するために、アップリンクスケジューリング情報中の連続アップリンク電力制御「down」コマンドをUEに送信する。
3.試験中の特定のチャネル帯域幅について表6.3.2.5-1で指定された関連する測定帯域幅におけるUEの平均電力を測定する。測定期間は、1つのサブフレームの連続的な持続時間(1ms)である。過渡期間のあるTDDスロットについては、試験されていない。
【0050】
サブ節7.4A CAについての最大入力レベル
7.4A.1.4.2:試験手順
1.全てのダウンリンク物理チャネルについて、附属C.0、C.1および附属3.1に従ってSCCを構成する。
2.SSは、TS 36.508[7]の節5.2A.4.メッセージコンテンツごとにSCCを構成しなければならず、節7.4A.1.4.3で定義される。
3.SSは、アクチベーションMAC-CE(TS 36.321[13]、節5.13、6.1.3.8参照)を送信することによってSCCをアクティブする。少なくとも2秒待つ(TS 36.133、節8.3.3.2参照)。
4.SSは、C_RNTIについてPDCCH DCIフォーマット1Aを介してPDSCHを送信し、PCCおよびSCCの両方に対して表7.4A.1.4.1-1に従ってDL RMCを送信する。SSは、DL RMC上でダウンリンクMACパディングビットを送信する。
5.SSは、C_RNTIについてPDCCH DCIフォーマット0を介して各UL HARQプロセスについてアップリンクスケジューリング情報を送信し、PCCおよびSCCの両方に対して表7.4A.1.4.1-1に従ってUL RMCをスケジューリングする。UEは送信するペイロードデータを有さないので、UEはUL RMC上でアップリンクMACパディングビットを送信する。
6.PCCおよびSCCについてのダウンリンク信号レベルを表7.4A.1.5-1.に定義された値に設定する。アップリンク電力制御コマンドをUEに送信し(1dB以下のステップサイズが使用される)、少なくともスループット測定の持続時間の間以下が確保される。
PCC出力電力は、キャリア周波数fがf≦3.0GHzについて(表7.4A.1.5-1におけるターゲットレベル +10log(P_LCRB/NRB_alloc))の(+0dB、-3.4dB)内、もしくはキャリア周波数が3.0GHz<f≦4.2GHzのついての(表7.4A.1.5-1におけるターゲットレベル +10log(P_LCRB/NRB_alloc))の(+0dB、-4dB)内である。
SCC出力電力は、キャリア周波数fがf≦3.0GHzについて(表7.4A.1.5-1におけるターゲットレベル +10log(P_LCRB/NRB_alloc))の(+0dB、-3.4dB)内、もしくはキャリア周波数が3.0GHz<f≦4.2GHzについて(表7.4A.1.5-1におけるターゲットレベル +10log(P_LCRB/NRB_alloc))の(+0dB、-4dB)内である。
7.附属G.2A.に従って統計的な重要性を達成するのに十分な持続時間について、各コンポーネントキャリアの平均スループットを測定する。
【0051】
図2は、測定システム30および被試験装置、すなわち、装置10等のDUTを含む測定セットアップ20の概略ブロック図を示す。単一のDUTを含むものとして説明されているが、本願明細書で説明される本発明はこれに限定されない。実施形態によれば、測定セットアップ20は、複数のDUT、例えば、2以上、5以上、10以上、20以上、またはより多くの数のDUTを含んでいてもよい。例えば、複数のUEは、基地局または基地局エミュレータなどのシステムシミュレータ(SS)として動作する測定システムを用いてテストされてもよい。測定システムは、ロック信号24を装置10に送信し、装置の特性を決定/測定するように構成される。
【0052】
測定システム30は、無線通信ネットワークにおいて無線通信を実行するように構成された装置10と通信するように構成された測定ユニットまたはインターフェース26を含む。測定インターフェース26は、有線または無線のインターフェースであってもよく、測定システム30の試験手順中に装置10を制御するように構成される。すなわち、測定インターフェースは、装置10と制御情報を交換するための測定制御チャネルを確立または利用してもよい。このような測定制御チャネルは、有線または無線であってもよい。装置は、測定制御チャネルを介してロック信号のような制御情報を受信し、および/または測定システム30に情報を報告してもよい。例えば、装置10は、ビームを形成するため
に使用されるパラメータ、その一部、および/またはビームパターンを報告してもよく、例えば、使用される送信電力、使用されるパターン、ビームまたはローブまたはヌルに向かう方向を指示するなどである。
【0053】
測定インターフェース26は、装置10の測定を実行するように構成してもよく、例えば測定パラメータは後述する測定パラメータである。測定パラメータの一例は、ビームパターンの空間パターンであってもよい。代替的にまたは追加的に、測定システム30の異なるエンティティは、例えば、1つ以上のアンテナアレイなどのようなテストのために構成されてもよい。
【0054】
測定システム30は、ロック信号24のようなロック信号を生成し、ビームパターンの少なくとも一部と、無線通信ネットワークにおける無線通信、すなわち、装置10およびその無線インターフェースの少なくとも1つの通信パラメータをロックするための要求を示すように構成された信号発生器28を含む。測定システム30は、ロック信号24を装置10に送信するように構成される送信インターフェース32をさらに備える。測定システム30は、代わりにまたはさらに、DUTから信号33を受信してもよく、例えば、送信インターフェース32は、試験されたビームを使用する測定インターフェース、または測定システムの異なるインターフェースを有する双方向通信のために構成される。すなわち、装置10は、測定システム30に信号を送信するように構成されてもよい。送信インターフェース32は、測定インターフェース26と比較した場合、別個のインターフェースであってもよいが、例えば、共通の有線または無線インターフェースのようなそれに統合されたインターフェースであってもよい。
【0055】
測定を行った後、装置10はビームパターンの一部および/または通信パラメータを解放またはロックを解除するよう指示されてもよい。例えば、これは、専用のアンロック信号を装置10に送信することによって得てもよい。信号発生器28は、ロックされたビームの一部および/または少なくとも1つの通信パラメータのロックを解除する要求を示すアンロック信号を生成するように構成してもよい。ロックされた部分を示すことは可能であるが必要はない。アンロック信号は、すべてのロックされた部分のロックを解除するように装置を指示する一般的な情報を含んでいてもよい。代わりに、ロックを解除された一部が部分的にロックを解除できるようにアンロック信号において識別されてもよい。測定システム30は、装置の特性を決定した後に、アンロック信号を装置10に送信するように構成してもよい。装置10は、少なくとも1つの通信パラメータおよび/またはビームパターンの一部のロックを解除する要求を示すアンロック信号を受信するように構成してもよい。装置のコントローラは、変数値を再度含むように、アンロック信号に応答して、少なくとも1つの通信パラメータおよび/またはビームパターンの一部のロックを解除するように構成してもよい。代替として、アンロック信号と組み合わせて使用することもできるが、信号発生器28は、ロック解除状態、例えば、装置10によって決定される有効期限または任意の他の条件を示すように、ロック信号24を生成するように構成してもよく、これによりビームパターンおよび/または通信パラメータの一部のロック解除が行われる。
【0056】
図3aは、一実施形態による測定セットアップ30
1の概略ブロック図を示す。測定セットアップ30
1は装置10と通信し、その動作を制御するための分離されたインターフェースの概念を表す。例えば、測定システム30
1は、例えば、中心ビームおよび/またはオフセンターのビーム測定のための測定アンテナを有する測定インターフェース27を備えてもよい。測定アンテナ27は、測定インターフェース26の測定機能を実装してもよい。別個のインターフェースとして、制御インターフェース34は、装置10を指示または制御するように構成してもよい。制御インターフェース34は、測定インターフェースの制御機能を実装してもよい。例えば、制御インターフェース34は、装置におけるビームステアリングのための1つ以上のリンクアンテナを含んでいてもよい。例えば、制御インターフェース34はそれぞれの通信相手をエミュレートしてもよく、その決定された位置が通常の動作中に装置10に導かれ、送信ビームまたは受信ビームを制御インターフェース34に向けるようにして、測定インターフェース27は1つ以上の測定パラメータを決定するために使用されてもよい。パターンロックおよび通信パラメータのロックの後、装置10はそれによって、ビーム、その一部またはビームパターンの相対的な向きを変化させずに移動または回転させてもよく、通常の動作中は、ビームは制御インターフェース34を追跡するように再配置される。この機能はロック信号を使用して特定の時間非アクティブにされる。
【0057】
図3bは、
図3aのインターフェース26および34を組み合わせる組み合わされたインターフェース36を有する実施形態による測定セットアップ30
2の概略ブロック図を示す。組み合わされたインターフェース36は、ビームステアリングおよび中央ビーム測定のためのリンク/測定アンテナとして動作してもよい。言い換えれば、
図3bはビーム中心測定に用いることができる組み合わされたリンク-カム-測定アンテナの概念である。たとえ制御インターフェースおよび/または移動/回転装置10を非アクティブにしても、装置10はビームをロックするため、ロック信号を使用して、オフセンター測定も行うことができる。したがって、測定システムは、ビーム中心測定およびオフセンター測定を実行するように構成してもよい。オフセンター測定は、測定アンテナへのDUTの可変方向を有効にするように、ビームの一部および通信パラメータをロックすることによって可能としてもよい。
【0058】
図3cは、干渉インターフェース38によって測定セットアップ30
2を拡張する実施形態による測定セットアップ30
3の概略ブロック図を示し、干渉インターフェース38は測定セットアップ30
3における装置10の無線通信に干渉するように、制御された干渉源に接続された1つ以上の干渉アンテナを含む。言い換えれば、
図3cは、制御された干渉源の存在下でのビーム中心測定および/またはオフセンター測定に用いることができる組み合わされたリンク-カム-測定アンテナの概念を示す。
図3aにおいて、別個のリンクおよび測定アンテナ27および34が記載されており、
図3bおよび
図6cにおいて、リンクおよび測定アンテナは、
図3cにおける追加の干渉アンテナ38と組み合わされるインターフェース36に組み合わされる。リンク-カム-測定アンテナは、
図3bおよび
図3cに示されており、リンクを確立することおよび維持することの両方ともに使用してもよく、測定のために使用してもよい。
【0059】
測定セットアップ30、30
1、30
2および/または30
3は測定室内に配置してもよいが、その非存在下で実装してもよい。測定セットアップ30、30
1、30
2および/または30
3のうちの1つ以上は、
図3aに示されたポジショナーホルダー(positioner holder)35を含んでいてもよく、装置を保持および/または移動/回転させるように構成してもよい。
【0060】
測定セットアップ20は装置10の正確な試験を可能にすることができる。ロック信号24のそれぞれの機能のシグナリングおよび実装によって可能とされた、すなわち、ビームを少なくとも部分的にロックし、通信パラメータをロックすることによって可能にされた、このような試験は、以下でより詳細に説明する。代替的にまたは測定システム30に加えて、測定セットアップ20は測定システム30、301、302および/または303を含んでいてもよく、それぞれの測定システムは、示されていない信号発生器28および送信インターフェース32を備えてもよい。
【0061】
非限定的な例として、アップリンクにおいて、SC-FDMA波形を考慮して、ユーザ機器(UE)のような装置は、特定の帯域幅(例えば、スケジューラ(例えば、eNBテ
スター)によってダウンリンク制御チャネルを介して設定される)を選択してもよく、特定のMCSレベルを選択してもよい。選択された変調に応じて、ピーク対平均電力比(PAPR)は変化し(QPSKのPAPRは256 QAMより低い)、これは、許容可能な出力電力に直接的な影響を及ぼし、帯域内(エラーベクトル振幅-EVMの劣化)および帯域外(OBB)のエミッションが隣接するリソースブロック(RB)に入るのを防ぐために、デジタルプリディストーション(DPD)が必要とされ、隣接するRBにスケジュールされたUEと(スペクトルマスク内に保持される)システムによって使用されるシステム帯域幅の潜在的に外部とに影響を及ぼす可能性がある。そうすることにより、テストケースは、特定の最大出力電力で、EVMがスペック内にあることを確認することができる(例えば、LTEおよび新しい無線は、送信信号純度のためのEVM限界を提供する)。
【0062】
他の非限定的な例によれば、アップリンクにおいて、SC-FDMAを考慮して、UEである装置は、キャリアアグリゲーション(CA)のメカニズムを使用してもよい。同じ電力増幅器(PA)を使用する場合、全体の信号は、各キャリアに適用される変調に設定されたEVM要件を満たすために、通常、より多くのマルチキャリアなどや適切なDPDになり、電源バックオフが適用されなければならない。さらに、集約された2つ以上のキャリアをキャリアごとに等しくない電力で動作してもよい(上記の不均一な電力プロファイルアプリケーションを参照されたい)。したがって、測定中に追加的に例えば電力ランプを適用するために、再度、MCSレベルを選択し、構成しまたはロックを維持してもよい。
【0063】
ここで再びロック信号24を参照すると、一般的に言えば、電気工学の文脈では、単語「コマンド」は、定義された方法(例えば、プロトコル)を使用して通信される認識された命令を意味する。ここでは、コマンドを送信するエンティティ(例えば、測定システム)およびコマンドを受信するエンティティ(例えば、装置10)は、コマンドの共通の理解を共有する、言い換えると、エンティティは、共通の「言語」またはメッセージ空間を共有することに有利であってもよく、または必要であってもよい。一方、再び電気工学の文脈内で、「機能」は、エンティティが適切なまたは特定の方法で働くまたは動作するために、所与の方法でそれ自体を構成する手段を有することを意味する。このようにして、「コマンド」と「機能」とを異なる概念として理解することができる。
【0064】
この機能が実施することができるいくつかの実施形態は、以下のように列挙される。
・非アクティブビーム(およびヌル)の追跡
・非アクティブビーム(およびヌル)の掃引
・時間xのフリーズビーム
・時刻xのフリーズヌル
・時刻xのフリーズビームb
・時刻xのフリーズヌルn
・...
【0065】
実際には、それぞれのコマンドを以下のように実施することができる。
1.アナログコンポーネントへの制御信号(例えば、位相シフタおよび減衰器を基準状態に戻す)
2.デジタル技術を使用してビームを生成するベースバンド回路/モジュール/システム/プロセッサへの制御信号
3.アナログおよびベースバンドプロセッサの両方を指示/制御するために使用される制御信号の組み合わせ
【0066】
機能内で使用されるコマンドの例は、コマンド/メッセージ空間において完全性がない
ことを含んでいてもよい。
1. ロック/リリース
2. ...を準備する
3. ...するまで行う
4. ...をした後行う
5. 一定時間ロックし、その後...をリリースする
6. パラメータを...の値に設定する
7. ...
【0067】
設定されるパラメータの一例は、例えば「PSDレベル#4における可能なビーム#1ないし#8のロックビーム#3」にしたがって、1つ以上のビームのための特定の値またはレベルに設定されるように指示され得るパワースペクトル密度(PSD)であってもよく、識別子だけでなくビームの量も、本願明細書の実施形態を限定するものとして解釈されるべきではない。信号は、電気的、光学的、音響的、機械的コンポーネント、およびそれらのハイブリッドの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことに限定されないことに留意されたい。また、アナログコンポーネントは、中間周波数(IF)、低IFおよび無線周波数(RF)で動作するものを含むことにも留意すべきである。
【0068】
上述の説明は用語「ビームロック」を含むが、これは、上述したように、ロックすることができる他のエンティティ、例えば、通信パラメータを除外するものではない。以下では、装置、すなわち、ビームロックおよび/またはローブロックおよび/またはヌルロックに関する被試験装置(DUT/UE)に送信されるシグナリング情報の例を示す。
【0069】
実施例1(フリーズビーム/ヌルおよびリリースビーム/ヌル、フリーズパワーおよびリリースパワー):
i.フリーランビームおよびヌル:通常の動作において通信相手(テスター、UE、BS)は、例えばDUTである装置への接続を確立する。
ii.フリーズTx電力(通信パラメータ)コマンドをDUTに送信する。
iii.フリーズビームおよびまたはフリーズヌルコマンド(ビーム)をDUTに送信する。
iv.特定のメトリクスの測定、テスター/UE/BS(例えばDUT、RTP、...のTRP)における測定パラメータを実行すると、測定されたパラメータの交換が、いくつかのインターフェース(例えば、標準的な通信プロトコル、USB、DUTへの直接接続、任意の種類のメモリ)を介して行うことができる。
v.測定セットアップ中の何か、例えば、DUTの回転、生成された干渉の方向、テスターの電力、干渉の電力、干渉の方向等を変更する。
vi.ステップivおよびステップvを繰り返す、例えば、すべての所望のコンステレーション/シナリオが測定されるまでループ内で反復的に繰り返す。
vii.非フリーズビームおよび/または非フリーズヌルコマンド(またはフリーランニングビームコマンド)をDUTにシグナリングする。
viii.説明されたステップiiないしviiを異なる所望の設定として繰り返す。
【0070】
代わりにまたはステップviiに加えて、装置は、少なくとも1つの通信パラメータのロックを解除する要求を示すアンロック信号を受信するように構成されてもよい。コントローラは、例えば通常動作中に変形値を再構成するように、アンロック信号に応答する少なくとも1つの通信パラメータのロックを解除するように構成されてもよい。これにより、単一測定間のビームを調整することが可能となる。コントローラは、アンロック信号に応答してビームのロックを解除するようにさらに構成されてもよい。
【0071】
代替としてまたは上記に加えて、シグナリングまたはフリーズビームコマンドは、選択されるビームbおよびヌルnの識別子を含み、他の不均等なビームbおよび/または不均等なヌルnがスイッチオフされる、および/または通常の動作が継続される。実施形態によれば、ロック信号はビームの複数のローブのうちの少なくとも1つまたは複数のヌルのうちの1つを示す情報を含んでいてもよい。装置は、ロック信号に応答して、示されたローブまたはヌルをロックし、示されたローブまたはヌルとは異なる少なくとも1つのローブまたは少なくとも1つのヌルを無効にするように構成される。
【0072】
実施例2(凍結持続時間中の追加のシグナリング情報を有するフリーズビーム/ヌル):
i.フリーランビームおよびヌル:通常の動作において通信相手(テスター、UE、BS)は、例えば、DUTである装置への接続を確立する。
ii.フリーズTx電力(通信パラメータ)コマンドをDUTに送信する。
iii.フリーズビーム、およびまたは、フリーズヌルコマンドを、特定の時間の持続時間中に、例えば数秒、数分など、DUTへ送信する。
iv.あるメトリクス、テスター/UE/BS(例えば、DUTのRTF、TRP...)における測定パラメータを測定し、測定されたパラメータの交換はいくつかのインターフェース(例えば、標準的な通信プロトコル、USB、DUTへの直接接続、任意の種類のメモリ)を超えてできる。
v.測定セットアップにおける何か、例えば、DUTの回転、生成された干渉の方向、テスターの電力、干渉の電力、干渉の方向などを変更する。
vi.すべての所望のコンステレーション/シナリオが測定されるまで、ステップivおよびvを例えば反復的にループして繰り返す。
vii.上記のステップiiないしviを異なる所望の設定について繰り返す。
【0073】
実施例1および/または2を実現するために、異なるシグナリングを実施することができる。ロックを解除することは、ロックの持続時間を例えばロック信号で示すことによって実施することができる。
●実施例1では、ロック信号は特定の時間のために通信パラメータをフリーズする要求を示す情報を含んでいてもよい。すなわち、方法はロックの持続時間を示す時間情報を使用する少なくとも1つのビームおよび通信パラメータをロックするように装置に指示することを含み、ビームおよび/または通信パラメータは、時間期間の後にロックが解除される。
●実施例2では、ロック信号は特定の時間のためにフリーズビームおよびまたはヌルの数n/bの要求を示す情報を含んでいてもよい。
【0074】
すなわち、異なるバージョンのシグナリングが、例えば、「特定の時間xxのためのフリーズ電力」、「特定の時間xのためのフリーズビームbおよび/またはヌルn」などに実装されてもよい。すなわち、装置またはコントローラはロック信号に含まれる持続時間情報によって示される持続時間の後に、少なくとも1つの通信パラメータのロックを解除するように構成されてもよい。あるいは、ロックを解除することはそれぞれのアンロック信号を送信すること、すなわち、装置がビームおよび/または通信パラメータをロックを解除するように要求されていることを示す情報を示すアンロック信号を装置に送信することによって得ることができる。
【0075】
以下では、実施形態に係る試験/測定ルーチンの具体例を示す。測定中に、1つ以上の測定パラメータは、例えば、ビーム形成されたパターン、すなわちビームの空間分布、その一部、例えばビームまたはそのローブまたはビームのヌルのサイズまたは幅、および/または、ビームパターンのTRP(全放射電力)、RTP(全受信電力)、ビームの少なくとも一部における送信電力の空間分布、ビームの空間的拡張、ビーム方向および/また
はヌル方向の安定性、アウトオブバンド(OOB)放射、隣接チャネル漏洩電力比(ACLR)、ビーム追跡性能、ヌル追跡性能、全放射電力、全受信電力、変調および符号化性能、エラーベクトル振幅(EVM)、スプリアスエミッション測定などを測定することができる。TRPはRSSI(受信信号強度インジケータ)および/またはRSRP(基準信号受信電力)に基づいて測定することができる。実施形態は、実施されるシグナリングを考慮して互いに異なるバージョンで説明される。
【0076】
バージョン1:
i.フリーランニングビーム、定義された方向に配置された通信相手(テスター、UE、BS)、DUTは、角度1(方位角および仰角対、偏波)でポジショナーに配置される。
ii.フリーズビームコマンドをDUTに送信する。
iii.角度1(方位角および仰角対、偏波)のための通信相手(テスター、UE、BS)における複素ビーム形成パターン/TRP/RTPのような測定パラメータを測定する。
iv.メインビームの方向TRPを測定するために、DUTの周りを(例えば、角度1を中心として)回転または移動する。
v.角度1を次の角度に変更し、非フリーズビームコマンド(またはフリーランビームコマンド)をDUTに送信する。
vi.フリーズビームコマンドをDUTに送信し、前述したように、新たな角度の周りの複素ビーム形成パターン/TRP/RTPなどの測定パラメータを測定する。
vii.上記のステップを、DUTの意図された角度および偏波有効範囲が達成されるまで繰り返す。
【0077】
バージョン2:
i.フリーランニングビーム、定義された方向に配置された通信相手(テスター、UE、BS)、DUTは、角度1(方位角および仰角対、偏波)におけるポジショナー上に配置される。
ii.フリーズビームコマンドをDUTに送信し、フリーズ/ロックビームコマンドの持続時間を時間xxにシグナリングする。
iii.角度1(方位角および仰角対、偏波)等のための通信相手(テスター、UE、BS)における複素ビームフォームパターン/TRP/RTPのような測定パラメータを測定する。
iv.(角度1を中心として)DUTの周りを回転または移動させ、メインビーム方向のTRPを分ける。
v.角度1を次の角度に変更し、フリーズビームコマンドをDUTに送信し、時間xxの間、フリーズ/ロックビームコマンドの持続時間をシグナリングする。
vi.前で説明したように、新しい角度1などの周りの複素ビームフォームパターン/TRP/RTPなどの測定パラメータを測定する。
vii.DUTの意図された角度および偏波有効範囲が達成されるまで、ステップiからステップviまでの説明されたルーチンを繰り返す。
【0078】
バージョン2に従ったそれぞれの時間情報は、ロック信号の一部としておよび/または別個の信号として送信されてもよいことに留意されたい。ロック信号を参照して、例えば、ビームおよび/または少なくとも1つの通信パラメータをロックする持続時間xxを示す持続時間情報を含む測定システムの信号発生器によって生成される場合、これは、ロック信号と持続時間を示す更なる信号とを送信することと等価である。
【0079】
一実施形態によれば、シグナリングまたはロックビームコマンド(ロック信号)は、ビーム情報、例えば、ビームパターンの複数のビームのうちの1つを示す識別子、例えば、
選択されるビームnを含むように生成され、他のビーム不均等nはスイッチオフされることが示される。装置は、それぞれの命令に従うことができ、ビームをスイッチオフにすることができる。代わりに、シグナリングまたはロック信号は、スイッチオフされる特定のビームを示すように生成されてもよい。一実施形態によれば、同じ手順がヌルの場合に代替的にまたは追加的に適用されてもよく、干渉が、テスターによって特定のビーム方向に生成され、n番目のヌルに対するロックヌルコマンドの後にもロックされることを意味する。代替的にまたは追加的に、信号発生器はロックされるまたはロックが解除されるビームの少なくとも一部またはヌルを示すビームパターン情報を含むように、ロック信号および/またはアンロック信号を生成するように構成されてもよい。
【0080】
さらなる例示的な測定手順または方法は、以下で説明される。以下の手順は、試験セットアップの一部として基地局(gNB)エミュレータを提供するDUTとしてUEを扱うが、これらの部分は交換可能であり、例えば基地局(gNB)がネットワークエンティティである場合には試験する必要がある。
【0081】
手順:
i.テスト位置にUE(装置、DUT)を配置する-ポジショナーホルダーに取り付けられる可能性が最も高い。
ii.例えば3GPP WR4コミュニティによって定義される最小分割距離を考慮して、gNB(基地局)エミュレータを、DUTから離れた測定セットアップの一部として位置決めする。
iii.セル識別手順が発生し、UEとgNBエミュレータとの間にリンクが確立されるように測定セットアップを操作する。
iv.テスト干渉を介してgNBがパターンロックルーチンを実行するように測定セットアップを操作し、このルーチン内で以下のコマンドのうちの1つまたは組み合わせを実行することができる。
v.送信機、すなわちアナログビームフォーミング部分またはデジタル部分もしくは同時に両方ともにおけるコンポーネントを含むビームフォームの構成を固定する。
vi.受信ビームを(vで説明したような)Tx部分に対して同様にロックする。
vii.UEが回転している間、gNBエミュレータへのアクティブな接続を維持するために、受信ビームをオムニパターンまたは準オムニパターンにロックする。
viii.UEにアップ電力制御コマンドを連続的に送信し、UEは最大送信電力に達する。特に、これは、特定の機能をシグナリング/実行する必要なく、UEに送信電力を増加させる点で、gNB RF入力における減衰レベルを増加させることによって行うことができる。
ix.UEで電力制御ループを無効にする(内部、外部または内部および外部の両方)。
x.gNBエミュレータに取り付けられたアンテナを介して無線周波数(RF)電力を測定する。スイッチボックスは、gNBエミュレータの代わりに受信信号を測定装置にルーティングするために使用することができ、より正確な測定を保証する。
xi.DUTを回転させて、(均一/不均一な)球面グリッド上の全ての点を走査し、各点で測定する。
xii.収集された測定値を用いて、TRP値を計算し、正確なEIRPを決定する。これは、ホーム軸で測定されたものから偏向してもよい。
xiii.それに到達した後のホーム軸におけるビームメインローブの存在を検証する。これにより、測定手順にエラーがないことを確認することができる。
xiv.例えばアンロック信号の使用またはロック信号における時間情報の使用によって、パターンロックを無効にするためにUEをシグナリングする。
xv.[任意のステップ]すべての利用可能な(UEによってサポートされる)ビームインデックスまたは関心のあるものについての手順を、単独でまたは組み合わせて繰り返
す。
【0082】
ビームおよび通信パラメータをロックした後、1つ以上の測定を実行することができる、すなわち、測定パラメータを測定または決定することができる。例えば、一度ビームがロックされると、無線周波数(RF)、無線リソース管理(RRM)、復調およびプロトコル試験の以下の例のうち1つ以上が実行される。
●RF送信機測定値:限界または最小要件と比較する。
a.例:スペクトル放出マスク、エラーベクトル振幅(EVM)、帯域外放射...(電力 & MCSロックを参照)
●RF受信機性能(復調)測定
a.感度および選択性(例えば、隣接および共チャネル拒絶、ブロッキング)
(1)例えば、電力および/またはMCSロック
b.スループット対SNR(AWGNチャネルシミュレーション)
c.マルチパス環境およびトラフィックシナリオのシミュレーション
●RRM試験:セルラー無線環境における基本的な挙動
a.セル選択/再選択
b.ハンドオーバー
c.無線報告機能
●プロトコルテスト
a.デフォルトプロトコルシーケンスおよび障害挙動の検証
b.セットアップへの命令、リリースの命令、チャネルパラメータの変更等
【0083】
図4aないし
図4fは、装置10のような装置をテストするための方法の概略的なフローチャートを示す。フローチャートは、ビームおよび/またはヌルロックの組み合わせの間に単一の測定をどのように実行するかを記述する。
図5aおよび5bは、ビームおよび/またはヌルが、おそらくは異なる方向に複数回ロックされる複数の測定を実行するための方法の概略的なフローチャートを示す。フローチャートは、測定が行われた後に、「リリースコマンド」または「時間Tn/持続時間xに対するビームおよび/またはヌルの固定」コマンドのいずれかが送信され得ることを示す。それ故に、記載された方法は、例えば、電力ロックおよび/またはMCSロックコマンドならびにパターンロックコマンドと一緒にまたは別々にこれらの任意の組み合わせような、1つ以上の通信パラメータの上記のロックにも適用する。
【0084】
図4aは、一実施形態による装置をテストするための方法100
1の概略ブロック図を示す。この方法は、通常の動作または規則的な動作にしたがって、すなわちビームが「フリーランニング」することにしたがって、装置が制御されるステップ102
1であって、少なくとも1つのローブをそれぞれの送信または受信通信相手に向けて追跡または指示することができるステップ102
1を含む。
【0085】
ステップ1041において、ビームまたはその少なくとも一部をロックし、これは通信パラメータのロックも含む。これは、ロック信号を装置に送信することで行うことができる。すなわち、実施形態による装置を試験する方法は、ビームおよび装置の少なくとも1つの通信パラメータをロックするための要求を示すロック信号を装置に送信するステップを含む。この方法は、さらに、ロック信号に応答するビームおよび通信パラメータの少なくとも1つをロックするステップを含む。ビームおよび/または通信パラメータは特定の構成または値に設定されてもよい。代替的に、ビーム構成および使用される通信パラメータを報告する装置のレポートに基づいて、所望の構成を待機し、次いでロックしてもよい。代替的に、例えば通信相手に対する位置、距離、またはリンク品質のような特定のシナリオをエミュレートするそれぞれの制御インターフェースを使用する場合に、装置は特定の構成を制御するようにさせてもよい。一実施形態によれば、測定システムは予め定義された設定に従って、その通常動作中にビームを生成するように装置を制御するように構成してもよい。すなわち、それをするときに、測定システムは、予め定義された設定を維持し、通常の動作によって引き起こされるビームの変化を一時停止するようにロック信号を送信するように構成してもよい。
【0086】
ステップ106において、1つ以上のパラメータの測定を行うことができる。すなわち、測定パラメータを測定または決定することができる。すなわち、ロック信号を送信した後、測定システムは装置によって実行される無線通信の特性を決定するように構成することができる。ステップ1081において、ビームおよび/または通信パラメータは、例えばアンロック信号を使用して、解放またはロックを解除される。
【0087】
言い換えると、
図4aは単一の測定に適用されるパターンロック手順の例を示す。
【0088】
図4bは、少なくとも1つのヌルがロックされている実施形態による装置をテストするための別の方法100
2の概略フローチャートを示す。ステップ102
1において、装置はフリーランニングヌルを有するように制御される。ヌルは干渉を免れることを目的とするセル内の別のノードに向けられてもよい。これにより、例えば
図3aを再度参照すると、制御インターフェース34は、このようなノード、例えばUEをエミュレートすることもでき、制御インターフェース34にヌルを向けるように装置10を制御することもできる。
【0089】
ステップ1042において、ヌルはステップ1041に関して説明したようにロックされる。但し、ヌルに関連してロックされる。
【0090】
ステップ106は測定を実行するために実行されてもよい。
【0091】
方法1002は、おそらく測定が行われた後に、ヌルが解放されるステップ1082を含む。
【0092】
言い換えると、
図4bは単一の測定に適用されるヌルロック手順の例を示す。
【0093】
図4cは、ステップ102
3、104
3、108
3が、それぞれステップ102
1と102
2、104
1と104
2、108
1と108
2との論理和の組み合わせとして形成された実施形態による方法100
3の概略フローチャートを示す。
【0094】
言い換えると、
図4cは単一の測定に適用されるビームまたはヌルロック手順の例を示す。
【0095】
図4dは、ステップ102
4、104
4および108
4が、それぞれステップ102
1と102
2、104
1と104
2、108
1と108
2との論理積の組み合わせとして形成された実施形態による方法100
4の概略フローチャートを示す。
【0096】
言い換えると、
図4dは単一の測定に適用されるビームおよびヌルロック手順の例を示す。
【0097】
図4eは、ステップ102
5、104
5および108
5が、それぞれステップ102
1と102
2、104
1と104
2、108
1と108
2との論理積/論理和の組み合わせとして形成され、単一のビームおよび/またはヌルもしくはその複数に向けられた実施形態による方法100
5の概略フローチャートを示す。
【0098】
言い換えると、
図4eは単一の測定に適用される一般化されたビーム/ヌルロック手順の例を示す。
【0099】
図4fは、方法100
5に関して修正された実施形態による方法100
5の概略フローチャートを示す。ロック信号は、特定の時間T1について少なくとも1つのビームおよび/または特定の時間T2について少なくとも1つのヌルロックする要求を示すことができ、T1はT2に等しくてもよく、異なっていてもよい。ステップ104
6において、ビームおよび/またはヌルが固定/ロックされる。ステップ106において、好ましくは時間T1およびT2の終了の前に、1つ以上のパラメータを測定することができる。指示された時間に基づいて、時間T1およびT2が経過した後にビームおよび/またはヌルが解放されるので、ステップ108
6は省いてもよい。
【0100】
言い換えれば、
図4fは、単一の測定に適用される一定時間の一般化されたビーム/ヌルロック手順の例を示す。
【0101】
図4aないし
図4fの方法は、ロックビーム、ローブ、ヌルまたはビームパターンの状態を測定することを可能にする。その複数を測定することが望ましい。これは、方法を繰り返すことによっておよび/またはビーム、その一部またはビームパターンの変更された状態を可能にすることによって得ることができる。これは、
図5aおよび
図5bの実施形態に示されている。
【0102】
図5aは、方法100
5に関連して説明したステップ102
5、104
5、106を有する方法200
1の概略フローチャートを示す。1つ以上の測定パラメータを測定した後、1つ以上の条件が変更されるステップ202が実行される。条件はビームに関連してもよい、すなわち、変更されるかまたは一時的にロックが解除されるか、および/または通信パラメータに関連してもよい。そして、測定ステップ106を再度実行するようにしてもよい。ステップ202、106は、任意の適切な数について存在してもよい。すなわち、条件は再び(任意の適切な数について)変更され、続いて測定が行われ、ステップ108
5が実行される。ステップ108
5の後および/またはステップ108
5の前に、ステップ204が実行され、テストの終了に到達した場合にチェックされる。そうでない場合には、上述のステップを繰り返すことができ、すなわち、ループ206は開始または少なくともステップ106および/またはステップ202が再度実行される状態に至るまで、実行することができる。
【0103】
言い換えると、
図5aは複数の測定に適用される一般化されたビーム/ヌルロック手順の例を示す。
【0104】
図5bは、方法100
6に関連して説明したステップ102
6、104
6、106を有する方法200
2の概略フローチャートを示す。1つ以上の測定パラメータを測定した後、1つ以上の条件が変更されるステップ202が実行される。条件はビームに関連してもよい、すなわち、変更されるかまたは一時的にロックが解除されるか、および/または通信パラメータに関連してもよい。そして、測定ステップ106を再度実行するようにしてもよい。ステップ202、106は、任意の適切な数について存在してもよい。すなわち、条件は再び(任意の適切な数について)変更され、好ましくは、指示された時間T1およびT2が経過し、これらの時間の後、ビームおよび/またはヌルは、それぞれロックが解除された「フリーランニング」状態に戻ることができる。ビームおよび/またはヌルのロックを解除するステップおよび/またはステップ106の後、ステップ204が実行され、テストの終了に到達した場合にチェックされる。そうでない場合には、上述のステップを繰り返すことができ、すなわち、ループ206は開始または少なくともステップ106および/またはステップ202が再度実行される状態に至るまで、実行することができる。
【0105】
言い換えると、
図5bは、複数の測定に適用される一定時間の一般化されたビーム/ヌルロック手順の例を示す。
【0106】
パターンロック、特にビームロック機能は、ビーム形成構成に密接に関連し、ビームパターンが受信ビームと送信ビーム、すなわち送信のためのビームと受信のためのビームとを含む場合に、送信機内のコンポーネントを送信(Tx)および受信(Rx)するために分離されてもよい。実施形態によれば、試験手順が実行され、1つ以上の第1のインスタンスの間に、伝送/送信ビームが測定されロックするが、おそらく受信ビームを非アクティブにし、少なくとも1つの第2のインスタンスの間に、受信ビームがアクティブになりロックされるが、送信ビームはおそらく非アクティブにされる。別の特徴はRx部に関連し、受信ビームをロックし受信ビームパターンを測定するように、Rxビームフォーミングに関連するコンポーネントおよび/または関連する通信パラメータの構成をロックすることを含む。したがって、結果は測定システムと装置との間に、例えば測定インターフェース26または他のインターフェースを使用して、確立され得るテストインターフェースチャネルを介して検索してもよい。上記の特徴は、すべての可能なRxビームフォーミング構成、すなわち異なるビームフォーミングパターンを収集するために、数回繰り返されてもよい。この測定されたビームパターンは、放射2ステージ法のような多くの試験設定に使用してもよい。実施形態によれば、方法100は、送信ビームおよび受信ビームを含むビームパターンを形成するように装置が動作されるように実行されてもよい。すなわち、ビームは送信ビームまたは受信ビームであってもよく、他の種類のビームと重なっていても、または重畳されていてもよい。この方法はロック信号を第1のロック信号として送信することを含み、装置に送信ビームをロックして受信ビームを非アクティブにするように指示する、または受信ビームをロックして送信ビームを非アクティブにするように指示することを含む。すなわち、2つのビームのうちの1つのみがアクティブにしロックされる、これは別のビーム、特に同じ種類のビームの存在を排除するものではない。この方法はロックされたビームを測定することを含む。さらに、この方法は第2のロック信号を送信することを含み、装置に受信ビームをアクティブにしてロックし、送信ビームを非アクティブにするように指示する、または送信ビームをアクティブにしてロックし、受信ビームを非アクティブにするように指示することを含む。これは、例えば、以前に非アクティブにされたビームの一部または全部がアクティブにされる、スワップビームとして理解されてもよい。例えば、第1の測定された受信ビームを有する場合、第2の反復において、送信ビームはアクティブにしロックされてもよく、またはその逆であってもよい。この方法は、ロックされたビームを測定することをさらに含む。
【0107】
図5cは、例えば、ステップ202で得られた複数の測定条件を有する装置を試験するための、一実施形態による一般的な方法300のフローチャートを示す。
【0108】
ステップ302は、例えばステップ102i用いて、通常の動作で装置によって生成されたビームのフリーランニングローブとヌルとを得るように装置を操作することを含む。ステップ304は、装置への接続を確立することを含む。ステップ306は、例えばステップ104iにおいて、装置にロック信号を送信することによって、通信パラメータをロックするように装置に指示することを含む。ステップ308は、例えばステップ104iにおいて、装置にロック信号を送信することによって、および/または等価である別個の信号を送信することによって、装置のビームをロックするように装置に指示することを含む。ステップ312は、例えばステップ106で測定を実行することによって、装置のメトリクスを決定することを含む。ステップ314は、装置の測定条件を変更することを含み、例えばステップ202に関連して説明したようにビーム、ビームの一部の変更、および/またはビームパターンの変更、および/または、通信パラメータの変更である。変更
はステップ312で測定されたものとは別のローブまたはヌルをアクティブおよび/または非アクティブにすることを指してもよい。ステップ316は、装置のメトリクスを決定することおよび/または装置の測定条件を変更することを反復すること、すなわち、ステップ312および/またはステップ314を反復してもよい。このような反復は、例えば、装置の異なる構成が測定されることが多いほど、複数回実行されてもよいことに留意されたい。あるいは、ステップ316を省略してもよい。ステップ318は、ビームおよび通信パラメータのロックを解除するように装置に指示することを含む。
【0109】
一実施形態によれば、ビームの一部のロックは、そのロックを解除された部分の非アクティブにも含むことができる。測定条件を変更する場合、他の部分をロックしてもよく、それ故に、ビームのアクティブにされた部分が非アクティブにされる間に作動される。これはビームの一部を通過する掃引として理解され得る。このようなパターンロックの概念は、容易に可視化され得る単一(ペンシル)ビームに関連してもよい。このようなビームは、例えば単一のユーザとリンクが確立されたときに、アンテナの放射パターンのメインローブであってもよい。実施形態によれば、複数のユーザに同時に提供するように設計された機器の性能を評価するために、複数のビームをロックできるように、マルチユーザのシナリオが導入される。このような実施形態によれば、装置は、形成されたビームが複数のローブおよび/またはローブ間に複数のヌルを含むように実施することができる。装置は、ロック信号に応答して、第1の時間区間中に少なくとも第1のローブまたはヌルを非アクティブにし、第2の時間区間中に少なくとも第2のローブまたはヌルを非アクティブにするように構成してもよい。
【0110】
説明したように、例えば専用のアンロック信号を使用することにより、または、例えば特定の条件が得られるまで、例えば指定された時間区間が経過した後、ビームおよび/または通信パラメータをロックするように装置に指示することによって得ることができ、装置は、360°のような専用の角度だけ回転したか、または少なくとも1回テストされるべきすべてのパラメータ/条件を設定する。すなわち、ビームおよび通信パラメータのロックを解除するように装置に指示することは、ビームおよび/または通信パラメータが持続時間の後にロックが解除されるようにロックの持続時間を示す時間情報を使用して、ビームおよび/または通信パラメータのうちの少なくとも1つをロックするように装置に指示することを含んでいてもよい。代替的にまたは追加的に、ビームおよび通信パラメータのロックを解除するように装置に指示することは、装置がビームおよび/または通信パラメータのロックを解除するようにされる情報を装置に指示するアンロック信号を送信することを含んでいてもよい。要求うちの少なくとも1つをロックするように装置に指示することを含んでいてもよい。
【0111】
したがって、ビームをロックすることに加えて、さらなるパラメータをロックしてもよい。これは、ビームロック自体に加えて、またはビームロック自体の代替として、さまざまなパラメータが含まれてもよく、特定のテストを実行するために、所与の方向(ボアサイト)における(メイン)ビームまたはローブのロックに向けられる。実施形態によれば、このような概念は新しい使用事例およびテストケースを生成するように拡張される。非限定的な例によれば、これは以下を含んでいてもよい。
●ビーム/ヌルをロックする準備をする、すなわちロックされるべきDUTの状態または条件を生成する。
●特定のビームまたはビームの特定の組み合わせ、例えばビーム1、ビーム2またはビーム1ないしNをロックする準備をする。
○「特定の時間周期を有するビームシーケンスロック」コマンドの定義(時間周期およびビームシーケンスを高位層のシグナリングを介して送信することができる)。
a.t1秒の周期の間、ビーム#1をロックする。
b.t1秒後にビーム#1を開放する。
c.t2秒の周期の間、ビーム#2をロックする。
d.t2秒後にビーム#2を開放する。
e.特定のビームシーケンス内の全てのビームについて繰り返す。
●特定のヌルまたはヌルの特定の組み合わせ、例えばヌル1、ヌル2またはヌル1ないしNをロックする準備をする。
○「特定の時間周期を有するヌルシーケンスロック」コマンドの定義(時間周期およびヌルシーケンスを高位層のシグナリングを介して送信することができる)。
a.t1秒の周期の間、ヌル#1をロックする。
b.t1秒後にヌル#1を開放する。
c.t2秒の周期の間、ヌル#2をロックする。
d.t2秒後にヌル#2を開放する。
e.特定のヌルシーケンス内の全てのヌルについて繰り返す。
●ビームのペアを交換する、複数のビームを交換する。
●ヌルのペアを交換する、複数のヌルを交換する。
●ビーム/ヌルを追跡する準備をする。
●ビーム/ヌルを追跡/測定する。
【0112】
1つ以上ビームまたはその一部をロックする準備は、測定中にロックされる測定されたモードで動作するように装置/DUTの条件を確立することによって理解され得る。また、ビーム/ローブおよびヌルの組合せもロックされるおよび/またはロックされるように準備してもよいことに留意されたい。
【0113】
代替的にまたは追加的に、
図3cに関連して説明したように、受信機干渉抑制能力(メインビーム方向を固定したままのフリーランニングヌル)の測定を実行してもよい。
【0114】
これは、イントラ/インターセル干渉シナリオを作成し、「ビームロック」コマンド、すなわちビーム方向が固定されるように、それぞれのビームまたはその一部を示すロック信号をDUTに送信することを含んでいてもよい。その後、以下のステップを単独でまたは組み合わせて実行してもよい。
●受信機干渉抑制測定(干渉信号の電力レベルを変化させることによる受信機感度など)を実行する。
●受信機干渉追跡性能測定(干渉信号の方向を変化させることによる、または新たな干渉信号の生成を変更することによる、時間対追跡干渉、または絶対ヌル深度)を実行する。
【0115】
代替的にまたは追加的に、
図3cを参照すると、これは、受信機干渉抑制能力(固定ヌル方向およびメインビーム方向の変化)の測定を含んでいてもよい。その後、以下のステップを単独でまたは組み合わせて実行してもよい。
●イントラ/インターセル干渉シナリオを作成し、「ヌルロック」コマンド、すなわちヌル方向が固定されるように、それぞれの1つのヌルまたは複数のヌルを示すロック信号をDUTに送信する。
●受信機干渉抑制測定(電力レベル、Tx信号の変調などを変更することによる受信機感度など)を実行する。
●受信ビーム追跡性能測定(Tx信号の方向を変化させることによる、または、DUTの方向を変化させることによる時間対追跡ビームなど)を実行する。
●ビーム/ヌルを掃引する準備をする。
●ビーム/ヌルを所与のステップサイズにおいて/所与の持続時間のために掃引する。
【0116】
図5a、
図5bおよび
図5cを参照すると、測定システムは装置のビームおよび少なく
とも1つの通信パラメータをロックする少なくとも第1および第2の反復において反復的に構成されていてもよい。測定システムは、ビームおよび少なくとも1つの通信パラメータをロックした後に、装置の特性を決定するようにさらに構成してもよく、この特性は、少なくとも1つの通信パラメータに依存し、ビームおよび少なくとも1つの通信パラメータのロックを解除するように構成してもよい。
【0117】
測定システムは、装置10を保持するように構成された試験器具35と、装置の特性を決定するように構成された測定ユニット26とを備えていてもよい。測定システムは、第1の反復における特性の決定と第2の反復における特性の決定との間で、測定ユニット26に相対的に装置を移動させるように構成してもよい。
【0118】
図6aは、一実施形態による装置10
1の概略ブロック図を示す。装置は、アンテナアレイ44
1、44
2を形成するように組み合わされた複数のアンテナ素子42を備え、非限定的な例では、各アンテナアレイ44
1、44
2は8個のアンテナ素子42を含む。2つのアンテナアレイを有するものとして記載されているが、装置10
1は異なる数のアンテナアレイ、例えば、1、3、4、5個またはそれ以上を備えてもよい。同じ数のアンテナ素子42を有するものとして説明されているが、アンテナアレイ44は、互いに異なる数のアンテナ素子42を備えてもよい。8個のアンテナ素子42を有するものとして説明されているが、アンテナアレイ44
1、44
2は、異なる数、例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも9またはそれ以上を含んでいてもよい。各アンテナアレイ44
1、44
2は、それ自体のビームを形成するように構成されてもよく、ビームは、例えば遠距離場で重複してもよく、共通のビームまたはビームパターンを形成してもよい。ロック信号に応答して、装置10
1は、アンテナアレイの総数の一部だけによって形成されたビームまたはその一部をロックするように構成されてもよい。
【0119】
言い換えると、
図6aは、2つの均一な線形アンテナアレイから構成されるユーザ機器装置の一例を示し、各々が8つのアンテナ素子(正確な縮尺ではない)を含む。
【0120】
図6bは、アンテナ素子42の8個のサブアレイ46
1ないし468を有する装置10
2の概略ブロック図を示し、各アンテナサブアレイ46は、例えば16x16マトリックスに配置された256個のアンテナ素子42を含む。いくつかのサブアレイ、その中のいくつかのアンテナ素子および/または異なるサブアレイ46の間のアンテナ素子の数は、示された構成とは異なっていてもよい。いくつかのサブアレイは、例えば、少なくとも1、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10またはそれ以上であってもよい。その中のいくつかのアンテナ素子は、例えば、少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも100または少なくとも500以上であってもよい。アンテナ素子は、任意の適切な配列で、例えば、正方形、線、長方形または任意の他の配列にしたがって配置されてもよい。サブアレイは、互いに等しく形成されてもよいし、異なるものであってもよい。アンテナアレイについて説明したように、各サブアレイは、ビームの少なくとも一部を形成してもよい。それ故に、ロック信号は特定のサブアレイによってまたは全てのサブアレイによって生成されたビームパターン全体の一部をロックすることを示してもよい。
【0121】
例えば、DUTは1つ以上のアンテナアレイを含んでいてもよく、アンテナアレイのうちの少なくとも1つは複数のサブアレイを含み、その数は1つよりも多い数である。例えば、アンテナアレイまたはサブアレイはタイル状構造に配置してもよい。このような構造は、アンテナパネルの配置と呼ぶことができ、各アンテナパネルはアンテナアレイまたはサブアレイの機能ユニットとすることができる。これらのパネルの各々は、送信および/または受信のために1つ以上のビームを形成するように設計することができる。ロック信号は、そのパネル、すなわちすべてのビームまたはそのサブセットのみによって生成され
た1つ以上のビームをロックすることを示してもよい。これは様々な目的に使用することができ、パネルに含まれるアンテナによって作成されたパターンのテストおよび測定を含むが、これに限定されない。代替的にまたは追加的に、ロック信号は各パネルに関連付けられた1つ以上のビームをロックすることを示してもよい。これにより、完全なアンテナまたはアンテナアレイが1つ以上のパネルを含む構成を制御することができる。DUTは、それに応じて動作するように構成してもよい、すなわち、ロック信号はDUTに同じパネルおよび/または異なるパネルの他のビームとは独立に、パネルまたはサブアレイの1つ以上の特定のビームをロックさせるように構成してもよい。
【0122】
これらの実施形態は、パネルおよびサブパネルの任意の配置に適用することができ、その例は規則的および不規則的なタイリング方式の両方を含むことができる。装置10のような装置を考慮して、装置の無線インターフェースは複数のアンテナサブアレイを含んでいてもよく、各サブアレイはビームパターンの一部の少なくとも一部を形成するように構成されてもよい。
言い換えると、
図6bは8つのサブパネル(サブアレイ)を含む基地局アンテナアレイの一例を示す。各サブパネルは、256個のアンテナ素子(正確な縮尺ではない)を含む16×16の一様な長方形アレイを含む。
【0123】
図7は、例として、3つのローブを含むようにビームパターン14を送信するように構成された装置10の概略ブロック図を示し、ローブ48
2はメインローブ/ビームを形成し、ローブ48
1、48
3はサイドローブを形成してもよい。2つのビーム48
1と48
2との間、48
2と48
3との間のそれぞれに、それぞれヌル52
1、52
2が配置されている。ヌル52はビームまたはローブから独立して配置することができることに留意されたい。装置は、任意の他のビームおよび/またはビームの組み合わせ、すなわち、拡張ビームパターンを形成するように構成されてもよい。さらに、ビームは1つ以上のローブによって形成されてもよい。例えば、装置10は、制御情報を受信または送信するように準無指向性である第1のビームパターンを形成してもよく、ユーザデータを伝送/送信または受信するためにローブおよび/またはヌルを有する異なるビームパターンを使用してもよい。代替的にまたは追加的に、装置は少なくとも1つの送信ビームと少なくとも1つの受信ビームとを含むようなビームパターンを形成するように構成されてもよい。
【0124】
本願明細書で記載される実施形態は、試験システムと、少なくとも1つの基地局および/または少なくとも1つのUEなどの1つ以上のDUTとを含む試験セットアップに関連してもよい。少なくとも1つのDUTの1つ以上の特性および/または挙動を試験するために実行される試験中に、測定システムおよび1つ以上のDUTは、例えば、ロック信号24および/またはステータス信号33を使用してお互いに通信してもよい。
【0125】
本願明細書に記載されるいくつかの実施形態はOver-the-Air(OTA)測定に関するものであり、すなわち、実行される測定は少なくとも部分的に、好ましくは完全に空中、すなわち無線で実行されてもよい。これは、例えば、専用の方法で動作するようにDUTに指示するための、サイドチャネルとも呼ばれる追加のチャネルを介して、DUTと測定システムとの間の追加の通信を除外するものではない。このようなサイドチャネルは、信号33を測定セットアップ20に送信する装置10に関連して説明したように、有線および/または無線で実施することができる。
【0126】
装置は、測定を容易にするような異なる目的のためにそれぞれの信号33を送信してもよい。いくつかの実施形態は、以下に説明される。信号33は、装置の状態または受信されたクエリに対する応答を示すステータス信号と呼ぶことができる。自動的に、すなわちこのような送信および/または測定システム30から受信された要求信号に対する応答をきっかけとしてイベントが発生した場合に、ステータス信号33は装置によって送信され
る。トリガイベントは、例えば、装置の動作の変化、例えば動作モードの変化、ビームフォーミングの制御の変化、ビームの一部と通信パラメータとをロックすることの不履行のような要求された動作からのずれ、および/または、時間区間などであってもよい。要求信号は、ロック信号24に包含するまたは含まれてもよく、および/または、送信インターフェース32、測定インターフェース26または異なるインターフェースなどのインターフェースを使用して別個の信号として送信されてもよい。すなわち、装置の状態に関する通信によって、装置10と測定システム30との間に、試験および/またはさらなる目的を確立することができる。このような通信は、測定システムによって実行される試験を容易にすることを可能にすることができる。特に、このような通信は測定セットアップのトランスペアレント内の他の送信相手の状態を維持することができ、特に測定システム30のための装置10の状態を維持することができる。
【0127】
一実施形態によれば、ステータス信号33を送信することによって、装置10はどの動作モードが実行されているか、またはアクティブであるかを示すことができる。これにより、測定システム30は指示された動作モードに従って試験条件を適合させることができる。例えば、測定開始前に、装置10は複数の動作モードで連続的に動作するように指示するようにしてもよく、動作モードは、ビームパターン、例えばいつかのビームおよび/または形成された可能なビームのセットのサブセット、通信パラメータ、例えばビームの方向、ビームのパワー、ビームの変調コーディング方式などに関して互いに異なっていてもよい。これにより、測定システム30は試験間の各単一の動作モードに装置10を指示することなく、複数の動作モードで装置を試験することができる。さらに、これは装置10と測定システム30との間の時間同期を得ることができる。代替的にまたは追加的に、これは、例えば、構成や校正などを変更するための測定間のガード区間を使用するために、装置と測定システムとの間の共通の時間ベースを可能にすることができる。
【0128】
例えば、装置10の向き、装置10の動作モード、測定セットアップにおける複数のアクティブなDUTに関して、互いに異なる複数のステップを含む多段階測定を行う場合、装置10が次のステップの準備ができていることを示す肯定応答に、ステータス信号33をさらに使用してもよい。
【0129】
上述のように、単一の段階測定および/または多段階測定におけるステップを指示してもよい。代替的にまたは追加的に、ビームパターンの他の部分または特性がロックされるように指示されてもよい。このようなロックは、それぞれの特性または通信パラメータを所望の値に設定するための誘因および/または命令を含んでもよい。例えば、パワースペクトル密度(PSD)は、予め定められたパターンに従って、少なくとも1つの専用の周波数帯域で調整されるよう指示されてもよい。すなわち、1つ以上のステップに沿って、PSDは一定に保たれなければならず、または測定の異なるステップに沿って変更されなければならない。
【0130】
肯定応答または応答または確認信号は、測定のいくつかまたはすべてのステップの間で送信されてもよい。このような信号は、一度にまたは単一の段階の測定においてより高い数で伝送されてもよい。このような肯定応答の例は、以下のものであってもよい。
●「アナログステージのロック(例えば、デジタルステージを除く)Rxビーム#m 完了」
●「Rxビーム#mのデジタルスレージのロック 完了」
●「Rxビーム#mのアナログおよびデジタルステージのロック 完了」
●「Rxビーム#mのアナログステージのロック 失敗」
●「Txビーム#mのアナログステージのロック 完了」
●「Txヌル#nのロック 完了」
●「Rxビーム{#a、#b、#m}∈ M アナログステージのロック 完了」M
は、全ての可能なRxビームのセットである。
●「Rxビーム#mのデジタルステージのロック解除 完了」
●「ビーム#mのアクティブ/非アクティブ 完了」
●要求された情報を報告するクエリの応答
【0131】
1つ以上のビームおよび/またはヌルを識別および命名するために、それぞれの信号は、少なくとも1つのビーム/ヌルを識別する識別子を含んでいてもよい。識別子は番号または任意の他の適切な識別子であってもよい。例えば、ビーム内で送信されるサウンディング基準信号(SRS)のシンボルのような予め定義された既知のシンボルを使用することによって、ビームを互いに識別または区別してもよい。予め定義されたシンボルはビームからビームに変化してもよく、予め定義されたシンボルによって、どのビームが形成されているかを決定してもよい。したがって、ロック信号は1つ以上のパラメータ、例えば1つ以上の以下のパラメータを含んでいてもよい。
●非アクティブ時間(例えば、最小値と最大値との間の値が示された特定の時間をロックすることを示してもよく、ゼロのような最小値がロックを解除することを示してもよく、最大値が永久的にロックすることを示してもよい)を含む時間
●ビーム番号/識別子、例えば、同じパネル上の2つのビーム、または異なるパネルからの2つのビーム、またはSRSおよびデータのための異なるビーム
●ヌル、サイドローブ、...のようなビームパターンの一部
●割り当てられた帯域
【0132】
このリストは不完全であり、以下の他のものを含むことができるステータス信号33の可能なコンポーネントを示すだけであることに留意されたい。
●実行されるアクション(例えば、ロック/ロックの解除/待機/準備)
●ビームパターン制御ネットワークの一部(アナログステージ、デジタルステージ、
●通信方向(Rxおよび/またはTx)
●適用される1つ以上のビームのインジケータ
●アクションの状態(例えば、完了した、失敗した、キュー内で、待ち行列、到来した量など)
【0133】
例えば、「リンク失敗」または「ロック失敗」のようなアクションのステータス「失敗」に関連して、装置は例えば特定のロックコマンドを失敗または終了させた理由に関するレポートを送信してもよい。SS(測定システム)とUE(装置)との間のリンクが失われた場合や誤った場合であっても、装置(UE)はメッセージを送信してもよく、または、例えばログファイルにステータスを保存してもよい。代替的にまたは追加的に、SSはDUTが情報を送信するように要求されるようにビームロックステータス要求を送信してもよい(要求はビームがすべての時間にロックされたことを検証することを要求する追加のコマンドであってもよい)。これに応答して、装置はそのステータスを測定システムに報告してもよい。これに応答して、測定システムはビームロックを非アクティブにするように、アンロック信号を装置に送信してもよい。
【0134】
一実施形態によれば、装置10は例えば試験されないような別の動作モードを示すためのステータス信号33を送信することができる。例えば、装置10は現在の動作モードを再校正または終了することを示してもよく、それによって、現在または後続の時間区間が試験から除外されてもよいことを示してもよい。
【0135】
一実施形態によれば、ロックを解除されたビームは非アクティブにしてもよく、またはロックが解除されたまま、アクティブにされてもよい。これにより、例えばRxビームがトラックモードに留まり、Txビームがロックされ得るように、RxビームとTxビームとのロックが独立しているシナリオが可能になる。例えば、ヌルをある方向に追跡したま
まで、メインビームを固定/ロックすることができる。
【0136】
一実施形態によれば、ロック信号はイベントの前に、例えば「時間xのためのフリーズヌル/ビーム」、または「までにする(do until)」/「後にする(do after)」のようなコマンドの前に経過するための特定の時間を示す。ステータス信号33を使用して、装置10は、指示された時間または待ち時間が経過したことを示してもよい。
【0137】
一実施形態によれば、装置10は制御信号24を受信するように構成され、要求されたロックが完了、終わった、終了または実行されたことを示す完了信号としてステータス信号33を送信してもよい。言い換えると、装置は要求された動作に応答してもよい。これにより、装置が要求された動作に切り替えられた情報に基づいて試験を実行する測定システムが可能となり、それ故に、装置が動作を完了することが期待されるまで、不必要な待ち時間を回避することができる。アンロック信号についても同様である。装置は、ビームパターンまたはその要求された部分のロックが解除されることを示すように、信号33を完了信号として送信してもよい。
【0138】
一実施形態によれば、装置は装置の状態を示す情報を含むようにステータス信号33を送信してもよい。このようなステータス情報の一例は、装置が形成する1つ以上のビーム、例えば、その数を示す情報である。例えば、N個の送信ビームおよび/またはM個の受信ビームを形成するように構成された装置は、N個およびM個のビームのいずれが現在形成されているか、および/または形成されていないかを示してもよい。これにより、測定システムが、装置が何であるかを知っている場合に、装置の動作を決定またはチェックすることができる。
【0139】
一実施形態によれば、測定システムは、例えばこのような要求をロック信号に含めることによって、および/または測定インターフェース26または異なるインターフェースなどのインターフェースを使用して適切な要求信号を送信することによって、装置からこのようなステータス情報を要求するように構成してもよい。代替的に、装置はステータス信号33を自動的に送信してもよい。
【0140】
代替的にまたは追加的に、測定システムは装置からステータス情報を要求してもよい。例えば、ステータス信号を使用して、測定システムは現在、および/またはスケジュールされた、および/または過去の動作に関する情報を要求してもよく、例えばビームが現在アクティブであるか、または、次にアクティブにされる。代替的にまたは追加的に、要求またはクエリは、装置10のMCS状態、電力レベル、Rx利得、電力制御を参照する情報、自動利得制御(AGC)、EQ(等化器)アクティブ/非アクティブ、EQ追跡、ロックビームのアクティブ/非アクティブ/識別子などのビームロックの状態を示す情報を送信する要求を示すような情報を含んでいてもよい。代替的にまたは追加的に、要求された情報は、装置10によって設定されている電力レベルおよび/または指示された電力レベルの確認を指してもよい。ビームパターン特性14を少なくとも部分的におよび/または各通信パラメータに記述する各パラメータは、例えばロック信号または異なる信号を使用して、測定システムによって設定または指示されてもよい。代替的にまたは追加的に、少なくとも部分的なビームパターン14および/または各通信パラメータが測定システムによって設定または指示されることを記載する各パラメータは、装置10、DUTのそれぞれによって確認または報告されてもよい。確認は肯定応答/完了コマンドと同様に実施することができるが、要求/クエリで送信してもよい。
【0141】
実施形態によれば、測定システム30は、装置によって形成されたビームの電力および位相を測定するように構成されてもよい。他の実施形態によれば、測定システムは、例えば電力メーターを使用して、受信電力に純粋に基づいてビームパターンを測定するように
構成されてもよい。このような「電力専用」の検出器は、受信電磁波の振幅および位相を測定することができるセンサとは対照的に、位相情報がない場合に電力レベルを測定するように構成されてもよい。電力専用検出器が使用される場合、1つのビーム/ヌルのみが形成される試験を実行し、全ての要素を有する能力は、測定された試験信号が時間経過とともに一定の電力を含んでいてもよいが、同じアンテナ重みで重み付けされる。適切なテストシーケンスは連続波(CW)の送信を使用してもよくおよび/または適切なSRSの使用をすることができる。
【0142】
ビーム識別子を使用し、
図8a、
図8bおよび
図8cに詳細に記載されている実施形態によれば、測定セットアップ20は測定手順を実施してもよい。
【0143】
例えば第1に、
図8aに示されるように、装置によって形成される可能性のあるビーム/ヌルの第1のビーム/ヌルまたはビーム/ヌルのサブセットを形成してもよい。ビームパターンは、少なくとも1つのメインローブ/ビーム48
2とヌル52とを含んでいてもよく、ヌル52は装置10に対して方向54に位置している。ローブ48
2は、測定を行うことができる測定インターフェース26に向けられてもよい。第2のステップとして、ビームパターン14をロックすることができる。すなわち、装置を試験する方法は、装置10によって生成されたビームパターン14を得るように装置10を動作させることを含むことができる。これは、ステップ102および/またはステップ302に関連して説明したものと同様であってもよい。装置10は、ステップ306およびステップ308に関連して説明したように、ビームパターン14の少なくとも一部および通信パラメータをロックするように指示されてもよい。
【0144】
図8bに示されるように、第3に、例えば、ヌル52がリンクアンテナまたは測定インターフェース24に向けられるまで、すなわち、方向54が測定インターフェース26に向かって本質的に向くまで、装置10は、移動/旋回/回転/位置させることができる。測定インターフェース26はヌル52について測定を実行してもよい。すなわち、装置が移動させられてもよく、ビームパターン14のヌル52がビームパターン14を測定するように構成されてもよい。
【0145】
図8cに示されるように、第4に、装置10は、測定インターフェース26に向かって指向される可能性がある追加のビーム/ローブ48
3を形成するように要求され、ヌル52と重複してもよい。第5に、クロスビーム干渉測定のような測定は、測定インターフェース26で実行されてもよく、すなわち、ヌル52における追加ビーム48
3の影響が測定されてもよい。どのビームがアクティブされるべきかを示すために、ビームの識別子が使用されてもよい。すなわち、ビームパターン14の少なくとも1つのローブ48
3ヌル52に重畳するように形成するように装置を指示することができ、装置10のメトリクスは、例えば、ステップ106および/またはステップ312に関連して説明されたように決定されてもよく、すなわち、ビームパターン14の測定は、測定インターフェースを用いて実行されてもよい。
【0146】
測定システム30は、装置10に状態信号33を送信するように要求することを示すことができる。測定システム30は、ロック信号または異なるメッセージにそれぞれのフラグを設定してもよく、および/または装置10にそれぞれの信号を送信してもよい。すなわち、測定システム30は、1組のコマンドまたは少なくともロック信号24および/またはアンロック信号に反応する要求を示すフラグを使用することができる。代替的にまたは追加的に、フラグを使用して、別の一組の条件に応答することを非アクティブしてもよい。
【0147】
いくつかの態様が装置の文脈において記載されてきたが、これらの態様は対応する方法
の記述をも表すことは明らかであり、ブロックまたはデバイスは方法ステップまたは方法ステップの機能に対応する。同様に、方法ステップの文脈において記載された態様は、対応する装置の対応するブロック、アイテムまたは機能の記述をも表す。
【0148】
特定の実現要求に依存して、本発明の実施形態は、ハードウェアにおいてまたはソフトウェアにおいて実施することができる。実施は、その上に記憶された電子的に読取可能な制御信号を有し、それぞれの方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働する(または協働することができる)、デジタル記憶媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、DVD、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリを用いて実行することができる。
【0149】
本発明に係るいくつかの実施形態は、本願明細書に記載された方法の1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働することができる、電子的に読取可能な制御信号を有するデータキャリアを備える。
【0150】
一般に、本発明の実施形態は、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で動作するとき、本発明の方法の1つを実行するように動作可能であるプログラムコードによるコンピュータプログラム製品として部分的に実施することができる。プログラムコードは、例えば機械読取可能なキャリアに記憶することができる。
【0151】
他の実施形態は、機械読取可能なキャリアに記憶された、本願明細書に記載された方法の1つを実行するコンピュータプログラムを含む。
【0152】
言い換えれば、本発明の方法の一実施形態は、それ故に、コンピュータプログラムがコンピュータ上で動作するとき、本願明細書に記載された方法の1つを実行するプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0153】
本発明の方法の更なる実施形態は、それ故に、その上に記録され、本願明細書に記載された方法の1つを実行するコンピュータプログラムを備えるデータキャリア(またはデジタル記憶媒体またはコンピュータ読取可能媒体)である。
【0154】
本発明の方法の更なる実施形態は、それ故に、本願明細書に記載された方法の1つを実行するコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。データストリームまたは信号のシーケンスは、例えば、データ通信接続、例えばインターネットによって転送されるように構成することができる。
【0155】
更なる実施形態は、本願明細書に記載された方法の1つを実行するように構成されたまたは適合された処理手段、例えばコンピュータまたはプログラマブルロジックデバイスを含む。
【0156】
更なる実施形態は、本願明細書に記載された方法の1つを実行するコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを備える。
【0157】
いくつかの実施形態において、本願明細書に記載された方法のいくつかまたは全ての機能を実行するために、プログラマブルロジックデバイス(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ)を用いることができる。いくつかの実施形態において、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本願明細書に記載された方法の1つを実行するために、マイクロプロセッサと協働することができる。一般に、方法は、好ましくはいかなるハードウェア装置によっても実行される。
【0158】
上記記載された実施形態は、単に本発明の原理に対して説明したものである。本願明細書に記載された構成および詳細の修正および変更は、当業者にとって明らかであると理解される。それ故に、本発明は、間近に迫った特許請求の範囲のスコープのみによって制限され、本願明細書の実施形態の記載および説明の方法によって表された特定の詳細によって制限されないことが意図される。
【0159】
参考文献
[1] ISO/IEC standard 7498-1:1994
[2] 3GPP TR 38.803, "Study on new radio access technology: Radio Frequency (RF) and co-existence aspects (Release 14)", V14.2.0, 2017-09-28: URL
[3] 3GPP TS 25.141, "Base Station (BS) conformance testing (FDD) (Release 15)", V15.0.0 (2017-09)
[4] 3GPP TS 34.114, "User Equipment (UE) / Mobile Station (MS) Over The Air (OTA) antenna performance; Conformance testing (Release 12)", V12.2.0 (2016-09)