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特許7547429密閉構造を有する残量防止スティック容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】密閉構造を有する残量防止スティック容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20240902BHJP
   A45D 40/04 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
A45D40/00 T
A45D40/04 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022155300
(22)【出願日】2022-09-28
(65)【公開番号】P2023053916
(43)【公開日】2023-04-13
【審査請求日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0130637
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517230666
【氏名又は名称】パムテク コリア カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PUM-TECH KOREA CO., LTD
【住所又は居所原語表記】46, Bupyeong-daero 329beon-gil, Bupyeong-gu, Incheon 21315, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,ド フン
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-177528(JP,U)
【文献】特開2019-097824(JP,A)
【文献】実開昭60-176715(JP,U)
【文献】特開平08-117024(JP,A)
【文献】特開平08-242940(JP,A)
【文献】特開平10-337215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 40/00
A45D 40/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降突起が備え付けられた本体と、
本体の内側に組付けられ、第1密閉部及び第2密閉部が備え付けられた密閉管と、
本体の内側に回転可能に組付けられ、一方の側に入口部が備え付けられた案内管と、
案内管の内側に直線移動可能に組付けられ、スティック化粧品が取り付けられる第1ホルダと、
第1ホルダの内側に組付けられ、昇降ネジ山が備え付けられた第2ホルダと、
前記案内管の少なくとも一部を開閉し、内側に密閉キャップが備え付けられた本体カバーとを含み、
前記第1密閉部が本体の内周面に密着することで本体と密閉管との間を密閉するとともに、前記第2密閉部が案内管の外周面に密着することで密閉管と案内管との間を密閉するのであり、前記密閉キャップが前記案内管の入口部を覆いつつ密着することで前記案内管の内部を密閉し、
前記密閉管の一方の側には、前記本体の内側に挿入され、前記本体と前記案内管との間を密閉する密閉部が備え付けられており、前記第1密閉部は、前記密閉部の端部に向かって外側に広がるように備え付けられることで、前記本体の内周面に密着することにより前記本体と密閉管との間の隙間を塞ぐのであり、前記密閉部と接触する部分の本体の内径は、他の部分に比べて比較的に小さく形成され
前記第2密閉部は、前記密閉部の内周面に周方向に沿って突出するようにして備え付けられ、前記案内管の外周面を包み込むようにして密着され、
前記第2密閉部の反対側には、弾性溝ないし弾性凹部が備え付けられることで、前記第2密閉部が弾力的に外側に広がるようにしていることを特徴とする、密閉構造を有する残量防止スティック容器。
【請求項2】
前記本体の一側には、スティック化粧品が充填される充填孔が備え付けられ、前記充填孔に下部キャップが組付けられることを特徴とする、請求項1に記載の密閉構造を有する残量防止スティック容器。
【請求項3】
前記下部キャップには、内側延長突輪と、前記内側延長突輪の外側へと一定の間隔で離隔された外側延長突輪とが備え付けられ、前記内側延長突輪及び前記外側延長突輪に、内側密閉突起及び外側密閉突起が備え付けられ、それぞれが本体の内壁に密着することで、前記本体の内部を二重に密閉することを特徴とする、請求項2に記載の密閉構造を有する残量防止スティック容器。
【請求項4】
前記密閉管の外周面には、前記本体の上端に着座する着座突輪が突出するようにして備え付けられ、前記着座突輪の他方の側には、本体の外側へと露出して、前記本体カバーとの装着及びその解除がなされる着脱部が備え付けられることを特徴とする、請求項1に記載の密閉構造を有する残量防止スティック容器。
【請求項5】
前記密閉管の内周面には第1係止突起が突出するようにして備え付けられ、前記案内管の外周面には第2係止突起が突出するようにして備え付けられ、これらが互いに掛け止めされて組付けられることを特徴とする、請求項1に記載の密閉構造を有する残量防止スティック容器。
【請求項6】
前記案内管の内側には仕切り板が備え付けられ、前記仕切り板には、第1ホルダが貫通するようにして前記第1ホルダの直線移動を案内する第1貫通孔が備え付けられており、前記第1貫通孔の内側には、前記第2ホルダが貫通するようにして前記第2ホルダの直線移動を案内する第2貫通孔が備え付けられることを特徴とする、請求項1に記載の密閉構造を有する残量防止スティック容器。
【請求項7】
前記第1ホルダには、
スティック化粧品が収容される収容部と、
前記収容部から一方の側へと延びる下側延長部と、が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の密閉構造を有する残量防止スティック容器。
【請求項8】
前記第2ホルダには、
前記第1ホルダの内側に配置され、前記第1ホルダに収容されたスティック化粧品を押し出すホルダ板と、
前記ホルダ板の一方の側へと延びて備え付けられ、前記本体の回転操作によって昇降される昇降部と、が備え付けられることを特徴とする、請求項1に記載の密閉構造を有する残量防止スティック容器。
【請求項9】
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダには、それぞれ、第1係止突輪及び第2係止突輪が備え付けられ、これらが互いに掛け止めされて組付けられることで、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダが、一定区間の間、一緒に昇降されるようになることを特徴とする、請求項1に記載の密閉構造を有する残量防止スティック容器。
【請求項10】
前記密閉キャップは、内周面に斜線面が備え付けられることで、前記案内管の上端の稜線部に密着するとともに、前記密閉キャップの内周面と、案内管の上部の外周面とが密着することを特徴とする、請求項1に記載の密閉構造を有する残量防止スティック容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉構造を有する残量防止スティック容器に関し、より詳細には、隣接する構成部材同士の間の有機的な連結関係と安定的な密閉構造を通じて、その内部に収容されたスティック化粧品についての汚染及び変質を防止できる密閉構造を備えた残留防止スティック容器に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、現代社会は急速に多様化していく時代の流れに応じて、男女老少とも必要に応じて化粧品を愛用しているのが実情であるが、特に女性の場合には、多様な種類の化粧品と多様な色体を備えた化粧品およびツールなどを使用しており、化粧品関連業者の研究開発により、多彩な良質の化粧用品及び道具が、日進月歩で、市場に発売されている。
【0003】
このような化粧品を使用目的に応じて分類してみると、皮膚表面における皮脂、老廃物および汚染物質を除去するために使用される洗顔化粧品と、肌に水分と油分を適切に供給するために使用される基礎化粧品と、美しい色味を表現するために使用される色調化粧品と、毛髪または頭皮の異物を除去すると同時に毛髪を保護し、栄養を供給するために使用される毛髪化粧品と、香料をアルコールなどに溶かして他人に香りを漂わせるために使用される香水などに分類される。
【0004】
前記色調化粧品は、肌の色を均一にし、欠点をカバーするために使用されるもので、ベースメイクと、唇、目、爪など部分的に立体感を高めるポイントメイクとに分けられる。ベースメイクはメイクベース、ファンデーション、パウダーなどで構成され、ポイントメイクは口紅、アイライナー、マスカラなどで構成されている。
【0005】
一方、前記ファンデーションは、顔のように外部に露出される肌の各種シミ、そばかす、肝斑などを自然に覆い隠したり、清潔で明るい肌または澄んだ肌触りを表現したりしたい場合に使用される化粧品であって、前記ファンデーションを使用して化粧をする際には、化粧用パフで肌にムラなく均等に伸ばして塗ることとなる。
【0006】
このようなファンデーションは、一般に、幅が広く平らなコンパクト容器に入れて保管され、コンパクト容器の内側にはパフが一緒に組み込まれる。
【0007】
しかしながら、コンパクトな容器に収容されたファンデーションを使用するためには、使用者は、容器の蓋(外蓋)を開け、内容物の蓋(内蓋)の上部に収容されたパフをつかんでから、内容物の蓋(内蓋)を開けた後、パフでもってファンデーション化粧品を取って皮膚に塗布しなければならない。そのため使用が不便であり、このような過程で、パフに残っているファンデーション化粧品が使用者の手にこびりついて汚らしいという問題があった。
【0008】
これに伴い、使用の利便性と携帯保管の便宜性のためにスティック型化粧品を容器の一方の側に装着し、前記容器の回転に応じて容器の内部に装着されたスティック型化粧品を昇降させるようにして使用する、スティック型化粧品容器が開発された。
【0009】
このような構造を有する従来のスティック型化粧品容器として、大韓民国公開特許第10-2017-0049149号(特許文献1)には、ネジの回転により口紅が引き出されるかまたは引き込まれるリップスティック容器が開示されてが、これについて見てみると次のとおりである。
【0010】
特許文献1のリップスティック容器は、(1)リップスティックケースと、(2)リップスティックケースの上部の内側に組付けられ、内周面に案内突起が備え付けられた案内管と、(3)リップスティックケース及び案内管の下部の内側に組付けられ、上部の内周面に回転体ネジ山が備え付けられた回転体と、(4)案内管の上部の内側に連結され、下部の外周面に、回転体ネジ山とネジ合わせて組付けられる皿ネジ山が備え付けられ、皿ネジ山の片側に案内突起が挿入される垂直案内溝が備え付けられたリップスティック皿と、(5)リップスティック皿の上側に取り付けられたリップスティックと、(6)リップスティックケースの上部に着脱可能に組付けられたリップスティックカバーとからなる。
【0011】
しかし、上記従来のリップスティック容器は、リップスティック皿内に残っているリップスティック化粧品を全て使用できず、資源が無駄になるという問題があり、リップスティック皿に残っているスティックの形の化粧品を使用するためには、別の道具を使って無理やり掘り出して使用する必要があるという不便な点があった。
【0012】
このような問題点を解消するために、大韓民国公開特許第10-2021-0097018号(特許文献2)のスティック型化粧品容器が開示されている。特許文献2の化粧品容器は、(1)本体と、(2)本体に回転可能に組付けられ回転ネジ山が備え付けられた回転体と、(3)本体の内側に連結して昇降し、スティック化粧品が備え付けられ、昇降ネジ山が備え付けられた昇降部材と、(4)前記昇降部材に連結してスティック化粧品を押し出す、ネジ突起が備え付けられた残量引き出し部材と、(5)前記昇降部材と残量引出部材との間に備え付けられた弾性部材と、(6)前記回転体に着脱可能に組付けられるカバーとを含み、これにより、スティック型化粧品容器の使用時に、内部に収容されたスティック型化粧品について、残量を残さず、全て使用できるようにしたものである。
【0013】
しかし、特許文献2の化粧品容器は、本体と、前記本体に対して回転作動する回転体との間、及び、本体の入口部に、気密構造が存在せず、その隙間に外部の空気が流入し、これにより携帯又は保管時に、前記回転体内に保管されたスティック化粧品が固まったり汚染および変質がされたりするという問題があった。また、特許文献2の化粧品容器は、スティック化粧品が取り付けられた昇降部材、及び前記昇降部材内に残っているスティック化粧品を外部に押し出す残量引き出し部材が、別途、本体にネジ合わせて組付けられて作動するため、組立工程が複雑になり生産性が低下し、スティック化粧品の円滑な引き出し動作を阻害しうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0049149号(2017.05.10.公開)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0097018号(2021.08.06.公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記のような問題を解決するために、本発明は、本体と案内管との間に密閉管を備え付けることで、前記した本体と密閉管との間、及び密閉管と案内管との間を同時に密閉し、また、本体カバーの内側に密閉キャップを備え付けることで、案内管の入口部を密閉することにより、携帯または保管の際に、前記案内管の内部に収容されたスティック化粧品が汚染および変質するのを防止できるようにした、密閉構造を有する残量防止スティック容器を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために、本発明は、(1)昇降突起が備え付けられた本体と、(2)本体の内側に組付けられ、第1密閉部と第2密閉部が備え付けられた密閉管と、(3)本体の内側に回転可能に組付けられ、一側に入口部が備え付けられた案内管と、(4)案内管の内側に直線移動可能に組付けられ、スティック化粧品が取り付けられる第1ホルダと、(5)前記第1ホルダの内側に組付けられ、昇降ネジ山が備え付けられた第2ホルダと、(6)前記案内管の少なくとも一部を開閉し、内側に密閉キャップが備え付けられた本体カバーとを含み、前記第1密閉部が本体の内周面に密着することで本体と密閉管との間を密閉するとともに、前記第2密閉部が案内管の外周面に密着することで密閉管と案内管との間を密閉するのであって、前記密閉キャップが案内管の入口部を覆いつつ密着することで、案内管の内部を密閉することを特徴とする、密閉構造を有する残量防止スティック容器を提供する。
【0017】
また、前記本体の一方の側には、固化前のスティック化粧品が内部へと充填される際に使用される充填孔が備え付けられ、前記充填孔に、下部キャップが組付けられることを特徴とする。
【0018】
また、前記下部キャップには、内側延長突輪(軸方向に延びるリング状突起で内側のもの)と、前記内側延長突輪の外側に一定の間隔で隔てられて配置されたた外側延長突輪(軸方向に延びるリング状突起で外側のもの)とが、備え付けられているが、内側延長突輪及び外側延長突輪に、内側延長突輪及び外側延長突輪が備え付けられて、それぞれが密着することで本体の内部を二重に密閉することを特徴とする。
【0019】
また、前記密閉管の外周面には、本体の上端に着座する着座突輪が突出するようにして備え付けられ、前記着座突輪の一方の側には、本体の内側に挿入され、前記本体と案内管との間を密閉する密閉部が備え付けられ、前記着座突輪の他方の側には、本体外側に露出して前記本体カバーと着脱される着脱部が備え付けられることを特徴とする。
【0020】
また、前記第1密閉部は、密閉部の端部に向かって外側に広がるように備え付けられ、本体の内周面に密着することを特徴とする。
【0021】
また、前記第2密閉部は、密閉部の内周面に周方向に沿って突出するようにして備え付けられ、案内管の外周面を包み込むようにして密着されることを特徴とする。
【0022】
また、前記密閉管の内周面には第1係止突起が突出するようにして備え付けられ、案内管の外周面には第2係止突起が突出するようにして備え付けられ、これらが互いに掛け止めされて組付けられることを特徴とする。
【0023】
また、前記案内管の内側には仕切り板が備え付けられるが、前記仕切り板には第1ホルダが貫通して前記第1ホルダの直線移動を案内する第1貫通孔が備え付けられ、前記第1貫通孔の内側には第2ホルダ。が貫通して第2ホルダの直線移動を案内する第2貫通孔が備え付けられることを特徴とする。
【0024】
また、前記第1ホルダには、スティック化粧品が収容される収容部が備え付けられるとともに、前記収容部から一側に延びるように設けられる下側延長部が備え付けられることを特徴とする。
【0025】
また、前記第2ホルダは、前記第1ホルダの内側に配置され、前記第1ホルダに収容されたスティック化粧品を押し出すホルダ板が備え付けられ、前記ホルダ板の一側に延びて備え付けられ、本体の回転操作により昇降される昇降部が備え付けられることを特徴とする。
【0026】
また、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダには、それぞれ、第1係止突輪及び第2係止突輪が備え付けられ、これらが互いに掛け止めされて組付けられことで、前記第1ホルダと第2ホルダとが、一定区間の間、一緒に昇降されるようにすることを特徴とする。
【0027】
また、前記密閉キャップは、内周面に斜線面(テーパー状傾斜面)が備え付けられることで、案内管の上端の稜線部に密着するとともに、前記密閉キャップの内周面と、案内管の上部の外周面とが密着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明の実施形態によれば、本体と案内管との間に密閉管を設け、前記本体と密閉管との間、及び、密閉管と案内管との間を同時に密閉し、本体カバーの内側に密閉キャップを形成して案内管の入口部分を密閉することにより、携帯または保管の際に、案内管の内部に収容されたスティック化粧品に汚染および変質が生じるのを防止することができる。
【0029】
本発明の実施形態によれば、本体を回転させる操作によって、第1ホルダおよび第2ホルダが順次に昇降されることで、前記第1及び第2ホルダに取り付けられたスティック化粧品を無駄なく全て使用可能になるので、資源の無駄を最小化して、使用完了後の分離排出が容易であるという効果がある。
【0030】
本発明の実施形態によれば、本体と案内管との間の密閉管によって、案内管内部の気密が安定的に維持され、スティック化粧品が引き出され、このように隣接する構成部材同士の間の有機的な連結関係により、動作が円滑に行われるだけでなく、組立工程が改善され生産性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態によるスティック容器の斜視図である。
図2】本発明の実施形態によるスティック容器の分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態によるスティック容器の断面図である。
図4図3のA部分の拡大図である。
図5図3のB部分の拡大図である。
図6図3のC部分の拡大図である。
図7】本発明の実施形態による、第1ホルダと第2ホルダが一緒に昇降される様子を例示する断面図である。
図8】本発明の実施形態による、第1ホルダの昇降が制限される様子を例示する断面図である。
図9】本発明の実施形態による、第2ホルダが昇降される様子を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の本発明に関する詳細な説明は、本発明を実施することができる実施形態であり、その実施形態の例示として示された添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明の実施に十分であるように詳細に説明される。本発明の様々な実施形態は互いに異なるが相互に排他的である必要はないことを理解されたい。例えば、本明細書に記載されている特定の形状、構造および特性は、一実施形態に関して本発明の精神および範囲から逸脱することなく他の実施形態で実施することができる。さらに、各記載された実施形態における個々の構成要素の位置または配置は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく変更され得ることが理解されるべきである。
【0033】
したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味でのものではなく、本発明の範囲は、適切に説明されている限り、特許請求の範囲が主張するものと均等であるすべての範囲を伴うようにして、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。図中の同様の参照符号は、いくつかの態様にわたって同じまたは類似の機能を指す。
【0034】
本発明で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら可能な現在広く使用されている一般用語を選択したが、これは当分野に従事している技術者の意図または判例、新技術の出現などによって変わり得る。また、特定の場合には、出願人が任意に選択した用語もあり、この場合、該当する発明の説明部分に詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全体にわたる内容に基づいて定義されるべきである。
【0035】
本発明において、ある部分がある構成要素を「含む」と言う場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0036】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による密閉構造を有する残量防止スティック容器を詳細に説明する。
【0037】
図1は本発明の実施形態に係るスティック容器の斜視図であり、図2は本発明の実施形態に係るスティック容器の分解斜視図であり、図3は本発明の実施形態に係るスティック容器の断面図であり、図4図3のA部分の拡大図であり、図5図3のB部分の拡大図であり、図6図3のC部分の拡大図である。
【0038】
図示のように、本発明の実施形態に係る密閉構造を有する残量防止スティック容器は、本体(10)と、密閉管(20)と、案内管(30)と、第1ホルダ(40)と、第2ホルダ(50)と、本体カバー(60)とを含んで構成されうる。
【0039】
本発明の実施形態に係る密閉構造を有する残量防止スティック容器について、構成部材ごとに分けて説明すると、以下の通りである。
【0040】
前記本体(10)は、一方の側が開放された円筒の形態であり、使用者によって回転されることでスティック化粧品(S)を、外部へと引き出すか、または案内管(30)の内部へと引き込む。本発明の一実施形態に係るスティック容器の図面では、前記本体(10)について、スティック化粧品(S)の引き出し又は引き込みの方向に沿って長く設けられた硬質の円筒の形状であるとして示しているが、これに限定されず、種々の形態又は材質でもって形成されうる。
【0041】
図2に示すように、本体(10)の内側には、外壁から一定の間隔を隔てて、回転作動管(12)が備え付けられている。前記回転作動管(12)は、本体(10)の長手方向に長く延びた管ないし筒(周面が丸く中空である物を総称する)の形状であり、その内側には、第2ホルダ(50)の少なくとも一部が挿入されており、内周面には昇降突起(12a)が突出するようにして備え付けられることで、前記第2ホルダ(50)の昇降ネジ山(54a)にネジ合わせ締結されうる。前記昇降突起(12a)は、回転作動管(12)の内周面に沿って、ほぼ周方向に沿った方向へと一定区間だけ延在した突起の形状をなすように備え付けられるか、または、ネジ山状に備え付けられることで、昇降ネジ山(54a)にネジ合わせ締結されることが好ましい。
【0042】
一方、本体(10)の一側、すなわち開放部分の反対側(図の紙面の下側、すなわち根元側)には、スティック化粧品(S)が充填される充填孔(14)が備え付けられ、この充填孔(14)には下部キャップ(70)がさらに組付けられうる。ここで、前記充填孔(14)は、本体(10)に、下方からの充填の方式でスティック化粧品(S)を充填するために備えられたものである。
【0043】
前記下部キャップ(70)には、図3に示すように、底板の一面から垂直に延びる内側延長突輪(72)と、内側延長突輪(72)の外側へと一定間隔だけ隔てられて配置された外側延長突輪(74)とが形成されうる。ここで、前記内側延長突輪(72)及び外側延長突輪(77)には、それぞれの外周面に、内側密閉突起(72a)及び外側密閉突起(74a)が備え付けられ、それぞれが、本体(10)の下部の内壁にタイトに密着することで、本体(10)の内部を二重に密閉することができる。なお、このために、本体(10)の下端部の近傍は、図3に示すように、最下端の一重壁部と、これに隣接する二重壁部とを備えうる。ここで、二重壁部の内壁は、外壁とから離隔されるとともに、内側延長突輪(72)の外周面に、特には内側密閉突起(72a)に突き当てられる。また、最下端の一重壁部は、外側延長突輪(74)の外周面に、特には外側密閉突起(74a)に突き当てられる。さらに、二重壁部の内壁の上端部は、内側に折り曲げられて内フランジ状をなし、内側延長突輪(72)の上端が突き当てられる。
【0044】
前記密閉管(20)は、本体(10)の開放部分に挿入されることで、本体(10)の内側に固定されて組付けられる。図2に示すように、密閉管(20)は、上端部と下端部が開放された円筒の形状であり、本体(10)と案内管(30)との間に配置され、本体(10)と密閉管(20)との間、及び、密閉管(20)と案内管(30)との間を、同時に密閉することとなる。
【0045】
前記密閉管(20)の外周面には、本体(10)の上端面に引っ掛けられて着座する着座突輪(22)が突出するようにして備え付けられており、前記着座突輪(22)から見た一方の側(図面における下側)には、本体(10)の内側に挿入されて本体(10)と案内管(30)との間を密閉する密閉部(24)が備えられており、また、前記着座突輪(22)の他側(図面における上側)には、本体(10)の外側(図面における上側)に露出して、本体カバー(60)に対して着脱される(装着及びその解除がなされる)着脱部(26)が形成されうる。
【0046】
図4に示すように、密閉管(20)の密閉部(24)の端部(図面における下端部)には、第1密閉部(24a)を形成することができる。第1密閉部(24a)は、密閉部(24)の端部(下端部)に向かって外側に広がるように備え付けられることで、本体(10)の内周面に密着するのであり、これにより本体(10)と密閉管(20)との間の隙間を塞ぐことで、本体(10)の内部の気密性を安定的に維持することができる。ここで、前記密閉部(24)と接触する部分での本体(10)の内径は、他の部分に比べて比較的小さく形成することができるが、これは、密閉部(24)が本体(10)の内側に容易に挿入されるとともに、第1密閉部(24a)が本体(10)の内周面の一部の区間にて強く密着されるようにするためである。
【0047】
図5に示すように、密閉管(20)の密閉部(24)の内周面には、第2密閉部(24b)が備え付けられうる。前記第2密閉部(24b)は、密閉部(24)の内周面に周方向に沿って突出するように備え付けられて、案内管(30)の外周面を包み込むようにして密着されるのであり、これに伴い、前記案内管(30)と密閉管(20)との間の隙間を塞ぐことで、案内管(30)の内部の気密性を安定的に維持することができる。ここで、前記第2密閉部(24b)の反対側(密閉管(20)の外周面)には、リング状の弾性溝ないし弾性凹部(24c)が備え付けられることで、密閉部(24)の厚さが部分的に薄くなるようにすることができるのであるが、これは、前記第2密閉部(24b)が案内管(30)の外周面に接触した際に、より弾力的に外側に広がるようにするためである。図示の例で、第2密閉部(24b)は、密閉部(24)の上端の近傍に備えられる。
【0048】
一方、図3に示すように、前記密閉管(20)の密閉部(24)の内周面には、第1係止突起(24d)が突出するように備え付けられうる。図示の例で、第1係止突起(24d)は、密閉部(24)の下端部またはその近傍に備えられる。
【0049】
前記案内管(30)は、本体(10)の内側の空間に回転可能に組付けられ、その内側に備え付けられた第1ホルダ(40)および第2ホルダ(50)の直線移動を案内することができる。
【0050】
図2に示すように、案内管(30)の一側(図面における上端)には、スティック化粧品(S)が引き出される入口部(32)が備えられるのであり、案内管(30)の少なくとも一部は、密閉管(20)の内側に挿入されて、密閉管(20)に対して回転可能に締結されるのであり、残りの部分は本体(10)の外側に露出されうる。
【0051】
前記案内管(30)の内側には、内部を上下に仕切る仕切り板(34)が備え付けられ、前記仕切板(34)は、案内管(30)の内側空間を、スティック化粧品(S)が移動される空間と、第1及び第2ホルダ(40、50)(のみ)が昇降動作する空間とに分けることができる。前記仕切り板(34)には、第1ホルダ(40)が貫通して前記第1ホルダ(40)の直線移動を案内する第1貫通孔(34a)が備え付けられうるのであり、前記第1貫通孔(34a)の内側には、第2ホルダ(50)を貫通して第2ホルダ(50)の直線移動を案内する第2貫通孔(34b)が形成されうる。ここで、前記案内管(30)と第2ホルダ(50)とが共に回転可能であるように、第2貫通孔(34b)は、楕円状に備えられるか、または、円形の少なくとも一部が直線状に切り取られた形に備えられることが好ましい。
【0052】
一方、前記案内管(30)の外周面には、第2係止突起(36)が突出するようにして備え付けられることから、案内管(30)の第2係止突起(36)と、密閉管(20)の第1係止突起(24d)とが、互いに掛け止めされるように組み合わされ、これにより、前記案内管(30)が本体(10)から抜け出るのを防止することができる(図2~3)。
【0053】
前記第1ホルダ(40)は、案内管(30)内にて、案内管(30)の長手方向に沿って直線移動可能に組付けられている。
【0054】
前記第1ホルダ(40)は、内側にスティック化粧品(S)が装着され、前記スティック化粧品(S)を案内管(30)に沿って移動させることで、外部に引き出し又は内部に引き込むように構成されており、スティック化粧品(S)が収容される収容部(42)と、収容部(42)から下側へと延びる下側延長部(44)とからなるのでありうる。
【0055】
前記収容部(42)の底部には、第2ホルダ(50)が貫通するホルダ貫通孔(42a)が備え付けられており、前記収容部(42)の内周面と底面から、少なくとも1つ以上の接触板(42b)が中心部に向かって延びるように備え付けられている。このようにして、収容部(42)とスティック化粧品(S)との接着力を高めている。言い換えれば、比較的広い両側面を有する複数の接触板(42b)が、スティック化粧品(S)の内側へと食い込むことで、接触板(42b)とスティック化粧品(S)との接触面積を増やしており、これにより、スティック化粧品(S)が収容部(42)から容易に外れ出ることがないようにしたものである。もちろん、前記収容部(42)の外壁の高さ、または、接触板(42b)の個数や大きさや形状などは、スティック化粧品(S)と収容部(42)との間の付着・装着力及びスティック化粧品(S)の安定的な固定のために、多様に変更されうる。
【0056】
図3に示すように、下側延長部(44)は、案内管(30)の第1貫通孔(34a)を貫通することで、案内管(30)の内側に組付けられている。下側延長部(44)の外周面には、第1離脱防止突起(44a)が突出するようにして備え付けられることで、第1ホルダ(40)の直線移動区間を制限することができる。すなわち、前記第1ホルダ(40)が一定区間だけ上昇するが、第1離脱防止突起(44a)が案内管(30)の仕切り板(34)に引っ掛かると、前記第1ホルダ(40)の上昇が止まる。そして、第1ホルダ(40)の内側に組付けられた第2ホルダ(50)のみが上昇し、第2ホルダ(50)が、第1ホルダ(40)の収容部(42)に残っているスティック化粧品(S)を外側に押し出し、これにより、スティック化粧品(S)の残量を全て使用できるようになる。ここで、第1ホルダ(40)の下側延長部(44)は、第1ホルダ(40)の安定した直線移動のために、収容部(42)の一側(図面における下側)に、少なくとも1対以上が備え付けられるのが好ましい。
【0057】
前記第2ホルダ(50)は、第1ホルダ(40)の内側にて、第1ホルダ(40)の長手方向に沿って直線移動が可能なように組付けられている。
【0058】
前記第2ホルダ(50)は、本体(10)とネジ合わせされて組付けられていて、前記本体(10)の回転により直線状に移動することで第1ホルダ(40)と共に又は単独で昇降されるように構成されており、第1ホルダ(40)の内側に配置されて、第1ホルダ(40)に収容されたスティック化粧品Sを押し出すホルダプレート(52)と、ホルダプレート(52)からその一側(図面における下側)へと延びる昇降部(54)と、からなるのでありうる。図示の例で、ホルダプレート(52)は円盤状であり、昇降部(54)は、この中心部から連続するボルト軸状である。
【0059】
図2に示すように、ホルダプレート(52)の周縁部には、少なくとも1つ以上のスリット(52a)が備え付けられており、スリット(52a)には、第1ホルダ(40)のコンタクトプレート(42b)が挿入されている。これにより、第2ホルダ(50)が、第1ホルダ(40)から空回りすることなく安定的に直線移動する。
【0060】
前記昇降部(54)は、案内管(30)の第2貫通孔(34b)を貫通することで案内管(30)の内側に組付けられるのであって、昇降部(54)の外周面には昇降ネジ山(54a)が備え付けられていて、これが、本体(10)の昇降突起(12a)にネジ合わされて組付けられており、前記本体(10)の回転操作により昇降動作が行われる。また、昇降部(54)における下端部に近い箇所の外周面には、第2離脱防止突起(54b)が突出するようにして備え付けられることで、第2ホルダ(50)の直線移動区間を制限することができる。すなわち、前記第2ホルダ(50)は、第1ホルダ(40)の内側にて単独で上昇するが、第2離脱防止突起(54b)が案内管(30)の仕切り板(34)に引っ掛かると、前記第2ホルダ(50)の上昇が止まることとなる。
【0061】
一方、図3に示すように、第1ホルダ(40)の収容部(42)の内周面には第1係止突輪(42c)が突出するようにして備え付けられ、第2ホルダ(50)の昇降部(54)の外周面には第2係止突輪(54c)が備え付けられ、そして、これらが互いに掛け止めされて組付けられる。これに伴い、第1ホルダ(40)と第2ホルダ(50)とが、一定区間の間に、共に昇降されうる。すなわち、第1ホルダ(40)の第1係止突輪(42c)と、第2ホルダ(50)の第2係止突輪(54c)とが掛け止めされた状態で、本体(10)の回転により、第1ホルダ(40)と第2ホルダ(50)とが共に上側へと移動されるのであり、前記第1ホルダ(40)の第1離脱防止突起(44a)が、案内管(30)の仕切り板(34)に引っ掛かる瞬間に、第2ホルダ(50)の第2係止突輪(54c)が、第1ホルダ(40)の第1係止突輪(42c)を乗り越えることで、第2ホルダ(50)のみが上側へと移動する。
【0062】
前記本体カバー(60)は、密閉管(20)の着脱部(26)と締結され、案内管(30)の少なくとも一部を開閉する。本発明の実施形態に係るスティック容器の図では、前記本体(10)と本体カバー(60)とが、突起と溝または凹部により締結されるものとして示したが、これに限定されず、アンダーカット組付け、強制嵌め込み組付け、磁力による組付け等、本体カバー(60)が本体(10)から容易に脱着されうる範囲内で、様々な方式の締結構造を有しうる。
【0063】
一方、本体カバー(60)の内側には密閉キャップ(80)が備えられ、案内管(30)の入口部(32)(図面での上端部)を密閉することができる。図6に示すように、密閉キャップ(80)は、案内管(30)の端部を外側から包み込むようにして、案内管(30)の入口部(32)を安定的に密閉する。ここで、前記密閉キャップ(80)の内周面には、斜線面(82)(テーパー状の傾斜面)が備え付けられていることから、案内管の上端の稜線部に密着するとともに、前記密閉キャップ(80)の下部の内周面が、案内管(30)の上部の外周面と密着されうる。
【0064】
上記にて論述したように、本発明によると、本体(10)の回転操作により第1ホルダ(40)および第2ホルダ(50)が順次に昇降されることで、第1及び第2ホルダ(40、50)に取り付けられているスティック化粧品(S)を無駄なく使用可能なスティック容器であって、本体(10)と案内管(30)との間に密閉管(20)を備え、本体(10)と密閉管(20)との間の隙間、及び、密閉管(20)と案内管(30)との間の隙間を同時に密閉するのはもちろんのこと、本体カバー(60)の内側に密閉キャップ(80)を備えるようにして案内管(30)の入口部(32)を密閉することにより、携帯または保管の際に、案内管(32)の内部に収容されたスティック化粧品(S)が汚染および変質するのを防止することができる。すなわち、案内管(30)の内部にスティック化粧品(S)を収容するとともに、外部空気の流入の可能性がある案内管(30)の各部分を密閉管(20)及び密閉キャップ(80)を通じて効果的に密閉することにより、前記案内管(30)の内部の気密性をより安定的に維持することができる。
【0065】
図7図9は、本発明の実施形態による、密閉構造を有する残量防止スティック容器についての作動の過程を例示する図であり、これを参照して、本発明の実施形態による、密閉構造を有する残量防止スティック容器についての使用の過程について説明する。
【0066】
図7は、本発明の実施形態による、第1ホルダ(40)と第2ホルダ(50)とが一緒に昇降される様子を例示する断面図であり、図8は、本発明の実施形態による、第1ホルダの昇降が制限される様子を例示する断面図である。図9は、本発明の実施形態による、第2ホルダが昇降される様子を例示した断面図である。
【0067】
本発明の実施形態による、密閉構造を有する残量防止スティック容器を使用するためには、まず、本体(10)から本体カバー(60)を分離して、案内管(30)を外部に露出させる。
【0068】
その後、図7に示すように、一方の手で案内管(30)を掴(つか)み、他方の手で本体(10)をいずれかの方向に回転させると、前記本体(10)の内側に嵌め込まれた密閉管(20)が、本体(10)と共に回転する。この際、本体(10)と密閉管(20)は回転するが、使用者が掴んでいる案内管(30)と、案内管(30)の内側に組付けられた第1及び第2ホルダ(40、50)とは、回転が制限されるので、本体(10)にネジ合わせて組付けられた第2ホルダ(50)と、第2ホルダ(50)に掛け止めされて組付けられた第1ホルダ(40)とが、案内管(30)に沿って、一緒に上側へと移動する。このようにして、第1ホルダ(40)に取り付けられたスティック化粧品(S)が、案内管(30)の入口部(32)を通じて、外部に引き出される。
【0069】
その後、前記案内管(30)の外部へと引き出されたスティック化粧品(S)を、皮膚に均一に塗ることで化粧を行う。
【0070】
一方、図8に示すように、第1ホルダ(40)に取り付けられたスティック化粧品(S)の大部分が既に使用された後に、前記第1ホルダ(40)の内側に残っている、スティック化粧品(S)の残量(上記の使用後に残った根元部分)を使用しようとする場合、本体(10)を回転させると、本体(10)にネジ合わされて組付けられた第2ホルダ(50)と、第2ホルダ(50)と掛け止めされて組付けられた第1ホルダ(40)とが、案内管(30)に沿って一緒に上方へと移動していく。ところが、第1ホルダ(40)の第1離脱防止突起(44a)が、案内管(30)の仕切り板(34)に引っ掛かることで、第1ホルダ(40)の上昇が止まることとなる。
【0071】
その後、図9に示すように、本体(10)を回転し続けると、第2ホルダ(50)の第2係止突輪(54c)が、第1ホルダ(40)の第1係止突輪(42c)を乗り越えることで、前記第2ホルダ(50)のみが上側へと移動するようになり、前記第2ホルダ(50)のホルダ板(52)が、第1ホルダ(40)の収容部(42)の内側に残っているスティック化粧品(S)を外側(図面における上側)へと押し出す。
【0072】
化粧が終わった後は、前記本体(10)を反対方向に回転させることで、スティック化粧品(S)を案内管(30)の内側に挿入した後、本体カバー(60)について、案内管(30)を包み込むようにして密閉管(20)に、元通りに組み付けて保管または携帯する。この際、前記密閉管(20)の第1密閉部(24a)が、本体(10)の内周面に密着することで、本体(10)と密閉管(20)との間を密閉するようにするとともに、前記第2密閉部(24b)が案内管(30)の外周面に密着することで、密閉管(20)と案内管(30)との間を密閉するようにする。また、前記本体カバー(60)の密閉キャップ(80)が、案内管(30)の入口部(32)を覆いつつ密着することで、案内管(30)の内部を密閉することとなる。
【0073】
以上、本説明では、具体的な構成要素等の特定の事項と限定された実施形態及び図面により説明したのであるが、これは、本発明のより全体的な理解を助けるために提供されたものであり、本発明は上記の実施形態に限定されるのではなく、本発明が属する分野における一般的な知識を有する者であれば、このようなベースを元に様々な修正および変形が可能である。したがって、本発明の精神は、説明された実施形態に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲に均等であるか、または等価的な変形を有するすべてのものは、本発明の思想の範疇に属するというべきである。
【符号の説明】
【0074】
10:本体
12:回転作動管
12a:昇降突起
14:充填孔
20:密閉管
22:着座突輪
24:密閉部
24a:第1密閉部
24b:第2密閉部
26:着脱部
30:案内管
32:入口部
34:仕切り板
40:第1ホルダ
42:収容部
44:下側延長部
50:第2ホルダ
52:ホルダープレート
54:昇降部
54a:昇降ネジ山
60:本体カバー
70:下部キャップ
80:密閉キャップ
S:スティック化粧品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9