(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】自転車用サドル
(51)【国際特許分類】
B62J 1/00 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
B62J1/00 A
(21)【出願番号】P 2022501236
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(86)【国際出願番号】 KR2020008615
(87)【国際公開番号】W WO2021020748
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0092355
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523295707
【氏名又は名称】フアン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HUAN CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】878-3 Sunhwan-daero, Dongnae-myeon, Chuncheon-si, Gangwon-do 24399, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンジュ
【審査官】宇佐美 琴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第621895(US,A)
【文献】特表2008-509047(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0360712(KR,Y1)
【文献】特表2017-530895(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0061850(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0116740(KR,A)
【文献】英国特許出願公告第00010187(GB,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0200382(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 1/00-1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車フレームに設置されるサドル骨組と、
前記サドル骨組の上端に設置されるサドルプレートと、
前記サドルプレートの上面に設置され、尻を弾力的に支持するサドルシートと、を含み、
前記サドルシートは、前記サドルプレートの長さ方向の周縁の一側及び他側に帯状に離隔して設置される第1シートおよび第2シートに分けて構成され、前記第1シートと第2シートとの間には、使用者の肛門から生殖器までの動脈静脈神経が、体重により、サドルシートに圧迫されないように、骨盤の坐骨結節の全体を内側に収容する弧状の坐骨収容部が形成され、
上面から見て、前記第1シート及び第2シートはそれぞれ外側に曲がってから、さらに内側に曲がるアーチ部と、前記アーチ部から前方に直線延長される直線部からなり、
前記第1シートと第2シートは互いに連結されずに完全に分割され、前記第1シート及び第2シートの直線部の間には前記
坐骨収容部と連通して外気が流動する通風部が形成され、前記第1シート及び第2シートのアーチ部の後端の間には、使用者の尾骨部位がサドルシートに触れないように開放した開口部が形成され、
前記坐骨収容部と対向する前記サドルプレートの底は下方に凹状に形成され、
前記サドルプレートの凹状の底には前記坐骨収容部と上下方向に連通する開放
孔が、サドルプレートの
車幅方向の中心部を基準として一側及び他側にそれぞれ形成され
る一方、
前記サドルプレートの後方には尾骨部位が触れないように開放した開放部が形成されたことを特徴とする 自転車用サドル。
【請求項2】
前記第1シート及び第2シートの通風部を形成する直線部は、坐骨収容部から終端に行くほど幅が漸進的に減少する構造であり、前記直線部の終端部は、下側に向かって折れられた折曲構造からなることを特徴とする請求項1に記載の自転車用サドル。
【請求項3】
前記第1シート及び第2シートの坐骨収容部の後側には、坐骨結節の後側面に対して接触する面積を増大させるための坐骨結節密着部がさらに形成され、
前記坐骨結節密着部は、前記第1シート及び第2シートの上面からサドルプレートの底面に向かう方向に傾斜して形成されることを特徴とする請求項2に記載の自転車用サドル。
【請求項4】
前記第1シート及び第2シートの上部は、円弧状に湾曲された半球状からなり、下部の底面には、前記サドルプレートに対して相補的に着脱結合が行われる締結部が形成され、
前記締結部は、前記第1シート及び第2シートの下部の両側面から下側に突出する1対の締結突起と、前記締結突起の間に形成される締結溝と、で構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の自転車用サドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車用サドルに係り、さらに詳しくは、骨盤の下側に位置する坐骨結節を内側に収容する坐骨収容部を形成して、使用者の肛門から生殖器までをつなぐ血管及び神経がサドルに圧迫されることを根本的に遮断することができる自転車用サドルに関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会は、余暇活動及び健康に対する関心の高まりにより、自転車に対する需要及びその利用が大いに増加している傾向にあり、これにより、マウンテンバイク、ハイキング等の自転車を用いた様々なレジャースポーツ等が次第に普遍化している実情である。
【0003】
したがって、殆どの自転車利用者は、
図1に示すように、自転車10に設置されたサドル20に座った状態で、自転車10を走行させるようになるが、このようなサドル20は、着座感を高め、走行中に発生する衝撃を吸収するために、普遍的にスポンジのようなクッション部材及びスプリング等が設置されている。
【0004】
一般に、従来の自転車用サドル20は、尻と走行中に開いた足の間の幅を鑑み、略三角形状に形成されるので、ペダルを回す過程で、人体の生殖器及び会陰部がサドルの尖った先に圧搾され、これにより、誰でも痛みを経験するようになるという問題点が発生した。特に、走行による摩擦及び道路の凹凸による衝撃が発生する場合は、陰嚢部と前立腺、会陰部等の苦痛は、到底言えないほど酷いという問題点が発生した。
【0005】
したがって、従来の自転車用サドル20を使う自転車利用者は、持続的な生殖器及び会陰部の圧迫により、性的不感症による性機能障害及び排尿障害を経験するようになるという深刻な問題点が発生した。
【0006】
一例として、米国ボストン医科大学泌尿器科のアーウィン・ゴールドスタイン博士は、最近、毎年開催される米国泌尿器科学会の会議において、男子サイクル選手は、一般の陸上選手に比べて、クリトリス機能不全の危険が顕著に高く、会陰部にある血管と神経に圧迫を加えて性機能障害及び排尿障害を引き起こし得ると述べ、インポテンツ患者のうち約4%が自転車乗りと関連があると発表した。
【0007】
このような性機能障害及び排尿障害現象は、自転車の運転姿勢により、その程度が異なるが、特に、サドルよりもハンドルが低く位置する競輪用自転車(別名、サイクル自転車)の場合、上体をたくさんかがめるので、脊椎とサドルとの間の角が小さくなり、生殖器及び会陰部の圧迫状態が極めて酷くなるので、さらにその患者の発生率が高かったものである。
【0008】
最近、自転車用サドルは、生殖器及び会陰部が圧迫される現象を抑制させるための方案として、米国登録特許US8668259号(以下「従来技術1」という。)が開示されている。
【0009】
従来技術1は、骨盤の左右側の坐骨結節を支持するサドルと、自転車フレームに結合されるシートレールと、前記シートレールに上下方向に遊動可能に設置されるサドルと、で構成される。
【0010】
前記サドルは、突き出た先が除去された状態で、骨盤の坐骨結節をそれぞれ支持する四角状からなる。
【0011】
このような従来技術1は、突き出た先を除去した構造のサドルを提供することにより、使用者の生殖器及び会陰部がサドルに触れることを最小化させ、痛みが発生することを抑制するという効果があるが、生殖器と会陰部をつなぐ血管及び神経は、依然として坐骨結節による圧迫状態を維持するので、それによる性機能障害及び排尿障害が発生するという問題点があった。
【0012】
併せて、突き出た先が除去されたサドルは、使用者がペダルを繰り返して踏むことにより、上下方向に一定範囲の回転が行われるので、使用者の尻を安定的に支持することができないので、それによる疲労度が増加するという問題点があった。
【0013】
また、会陰部が圧迫される現象を抑制させるための他の方案として、大韓民国公開特許公報第2016-0033170号(以下「従来技術2」という。)が開示されている。
【0014】
従来技術2に適用されたサドルは、縦方向の縦軸に対して対称的に配列された二つの同一部位を有し、前記縦軸において、上部から下部へ開放するチャンネルがあり、このチャンネルは、サドルの中間部からサドルの前方部まで前記二つの部位を分離させる構造からなる。
【0015】
また、チャンネルの中心部の後方には、陥没部を形成し、使用者の肛門がサドルに接触することを防止する構成である。
【0016】
このような従来技術2は、使用者の会陰部とともに肛門がサドルに接触することを防止するチャンネル及び陥没部を構成しているが、使用者の肛門と会陰部を経て生殖器までをつなぐ血管及び神経は、依然として坐骨結節により圧迫されるので、それによる性機能障害及び排尿障害を解消していない実情である。
【0017】
【文献】米国登録特許US8668259号(2014.03.11.、従来技術1)
【文献】大韓民国公開特許公報第2016-0033170号(2016.03.25.、従来技術2)
【文献】国際特許公報WO1999/042353号(1999.08.26.)
【文献】大韓民国登録特許公報第1638118号(2016.07.04.)
【文献】大韓民国登録特許公報第1510707号(2015.04.03.)
【文献】大韓民国公開特許公報第2018-0108634号(2018.10.04.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記した問題点を解決するために導き出されたものであって、骨盤の下側に位置する坐骨結節を内側に収容する坐骨収容部を形成して、使用者の肛門から生殖器までをつなぐ血管及び神経がサドルに圧迫されることを根本的に遮断することができる自転車用サドルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述した目的を達成するために、本発明による自転車用サドルは、自転車フレームに設置されるサドル骨組と、前記サドル骨組の上端に設置されるサドルプレートと、前記サドルプレートの上面に設置され、尻を弾力的に支持するサドルシートと、を含むが、前記サドルシートは、前記サドルプレートの長さ方向の周縁の一側及び他側に帯状に離隔して設置される第1シート及び第2シートに分けて構成され、前記第1シートと第2シートとの間には、使用者の肛門から生殖器までの動脈静脈神経が、体重により、サドルシートに圧迫されないように、骨盤の坐骨結節の全体を内側に収容する弧状の坐骨収容部が形成され、前記第1シートと第2シートとの間には、使用者の尾骨部位がシートに触れないように開放した開口部が形成され、前記サドルプレートの表面には前記坐骨収容部と連通する開放孔が形成され、後方には尾骨部位が触れないように開放した開放部が形成されたことを特徴とする。
【0020】
前記第1シートと第2シートとの間には、前記座骨収容部と連通し、外気が流動する通風部、及び使用者の尾骨部位がシートに触れないように開放した開口部が形成され、前記サドルプレートの底には、前記坐骨収容部と連通する開放孔が形成されたことを特徴とする。
【0021】
前記第1シート及び第2シートの通風部を形成する直線部は、坐骨収容部から終端に行くほど幅が漸進的に減少する構造であり、前記直線部の終端部は、下側に向かって折れられた折曲構造からなることを特徴とする。
【0022】
前記第1シート及び第2シートの坐骨収容部の後側には、坐骨結節の後側面に対して接触する面積を増大させるための坐骨結節密着部がさらに形成され、前記坐骨結節密着部は、前記第1シート及び第2シートの上面からサドルプレートの底面に向かう方向に傾斜して形成されることを特徴とする。
【0023】
前記坐骨結節密着部は、坐骨収容部の空間面積の5/4以下を占め、表面には、多数の打孔部が形成されたことを特徴とする。
【0024】
前記第1シート及び第2シートの上部のラウンド状は、円弧状に湾曲された半球状からなり、下部の底面には、前記サドルプレートに対して相補的に着脱結合が行われる締結部が形成され、前記締結部は、前記第1シート及び第2シートの下部の両側面から下側に突出する1対の締結突起と、前記締結突起の間に形成される締結溝と、で構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
上述した構成の本発明によれば、第1シート及び第2シートに分けて構成されるサドルシートには、使用者の骨盤の坐骨結節の全体を内側に収容する弧状の坐骨収容部を形成することにより、使用者の肛門と生殖器はもとより、その間をつなぐ動脈静脈神経がサドルに圧迫されることを根本的に遮断し、会陰部、前立腺への圧迫による性機能障害及び排尿障害が発生することを根本的に解消することができる という効果がある。
【0026】
また、分けられた構成のサドルシートは、第1シートまたは第2シートのうちいずれか一つが変形及び毀損したとき、そのシートを簡便に交替し、それによるメンテナンス費用を効果的を減らすことができるという長所がある。
【0027】
また、前記第1シート及び第2シートの坐骨収容部の一側には、坐骨結節密着部をさらに構成することにより、使用者の尻をさらに安全かつ気楽に支えるという効果を提供する。
【0028】
また、サドルプレートの底には、後述する座骨収容部と上下方向に連通する開放孔を形成することにより、空気の流動性を高め、通風効果をさらに向上させるのみならず、雨水が、サドルに溜らず、迅速に外部に排出されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】従来技術による自転車用サドルを示す正面図である。
【
図2】本発明の実施形態による自転車用サドルを示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態による自転車用サドルに使用者が乗った状態を示す概略図である。
【
図6】
図2のサドルシートの他の実施形態を示す平面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面に基づいて、本発明による自転車用サドルの好適な実施形態について詳しく説明する。
【0031】
参考として、本明細書及び請求の範囲において用いられる用語や単語は、通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、その自身の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適宜定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
【0032】
また、この明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好適な一実施形態に過ぎないだけで、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願の時点はもとより、それ以降にもこれらに代替可能な様々な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0033】
以下、添付した
図2乃至
図6を参照して、本発明の好適な実施形態について詳しく説明する。
【0034】
図示のように、本発明による自転車用サドルは、自転車フレームに設置されるサドル骨組100と、前記サドル骨組100の上端に設置されるサドルプレート200と、前記サドルプレート200の上面に設置され、尻を弾力的に支持するサドルシートと、を含んで構成される。
【0035】
まず、前記サドル骨組100は、自転車フレームに着脱可能に設置されるものであり、後述するサドルプレート200を安定的に支持するために、スチールからなる第1骨組100a及び第2骨組100bからなるベース構造物である。
【0036】
具体的に、前記サドル骨組100は、所定の厚さ及び長さを有する鋼線の中心部を折り曲げて形成される第1骨組100a及び第2骨組100bからなり、前記第1骨組100a及び第2骨組100bの折り曲げられた部位及び両端部は、前記サドルプレート200の一側及び他側に結合される構造で設置され、前記サドル骨組の長さ方向の一地点には、前記自転車フレームに内挿される別途の結合部(図示せず)が形成される。
【0037】
前記サドルプレート200は、前記サドル骨組100の上端に設置されるものであり、固い合成樹脂材からなり、使用者の尻を、安定的に支持するとともに、ペダルを踏む動作が円滑に行われるように、一側は広くて、他側は狭い形態で作製される。
【0038】
図3に示すように、後述する座骨収容部301と対向する前記サドルプレート200の底は下方に凹状に形成され、前記サドルプレートの凹状の底には、前記座骨収容部301と上下方向に連通する開放孔210が形成される。
【0039】
ここで、前記開放孔210は、サドルプレート200の長さ方向の中心部を基準として、一側及び他側にそれぞれ形成される1対の構成で形成されることが好ましい。
【0040】
このような前記開放孔210は、空気の流動性を高め、通風効果をさらに向上させるのみならず、雨水が、サドルに溜らず、迅速に外部に排出されるという長所を提供する。
【0041】
一方、前記サドルシート300は、前記サドルプレート200の上面に設置されるものであり、使用者の尻を弾力的かつ気楽に支持する役割を行う。
【0042】
すなわち、前記サドルシート300は、使用者の尻に加えられる衝撃を最小化させるための構成である。
【0043】
このため、前記サドルシート300は、圧縮ウレタンまたは圧縮シリコンで作製されることが好ましい。
【0044】
本発明による前記サドルシート300は、上部がラウンド(Round)状の曲率半径を有し、前記サドルプレート200の長さ方向の周縁の一側及び他側に帯状に隔離して設置される第1シート310及び第2シート320に分けて構成される。
前記第1シート310と第2シートは互いに連結されておらず、完全に分割された状態でサドルプレート200に結合される。
【0045】
また、前記第1シート310と第2シート320との間には、使用者の肛門から生殖器までの動脈静脈神経が、体重により、サドルシートに圧迫されないように、骨盤の坐骨結節Pの全体を内側に収容する弧状の坐骨収容部301が形成される。
【0046】
すなわち、前記第1シート310及び第2シート320の坐骨収容部301の構成により、使用者の坐骨結節Pの外側面を除いた他の部分は、サドルシート300に全く接触しないので、使用者の肛門から生殖器までの動脈静脈神経がサドルシートに圧迫されることを根本的に遮断し、会陰部、前立腺への圧迫による性機能障害及び排尿障害が発生することを根本的に解消することができるという効果を提供する。
【0047】
具体的に、前記第1シート310及び第2シート320は、平面からみて、外側に曲がってから、さらに内側に曲がる半円状の曲線区間からなるアーチ部310a、320aと、前記アーチ部310a、320aから一定の長さで直線延長される直線部310b、320bと、からなる。
【0048】
すなわち、前記アーチ部310a、320a及び直線部310b、320bを有する第1シート310及び第2シート320は、略鉤状である。
【0049】
このような本発明による前記サドルシート300は、サドルプレート200に離隔して設置される第1シート310及び第2シート320に分けて構成することにより、第1シートまたは第2シートのうちいずれか一つが変形及び毀損したとき、そのシートを簡便に交替し、それによるメンテナンス費用を効果的を減らすことができるという長所がある。
【0050】
併せて、前記直線部310b、320bの終端部は、下側に向かって折れられた折曲構造からなる。
【0051】
これは、使用者が自転車に乗り降りする際に、使用者の一方の足がサドルの終端に干渉されて引っ掛かることを防止するためである。
【0052】
また、前記第1シート310及び第2シート320のアーチ部310a、320aの後端の間には、前記座骨収容部301と連通し、外気が流動する通風部302、及び使用者の尾骨部位がシートに触れないように開放した開口部303が形成される。
【0053】
すなわち、前記通風部302及び開口部303は、第1シート310及び第2シート320の離隔して設置される空間により形成されるものであり、自転車の走行中にサドルに流入する空気を後方に自然に抜けるようにする通路の役割を行うとともに、会陰部、及びその周辺に対する通風効果を与え、快適な条件で自転車を走行することができるという効果を提供する。
【0054】
また、前記第1シート310及び第2シート320の通風部302を形成する直線部310b、320bは、坐骨収容部301から終端に行くほど幅が漸進的に減少する構造からなる。
【0055】
これは、自転車のペダルを踏むとき、使用者の太ももの内側が、前記第1シート310及び第2シート320の直線部310b、320bと摩擦接触することを最大限抑制するためである。
【0056】
また、
図4に示すように、前記第1シート310及び第2シート320の上部のラウンド状は、円弧状に湾曲された半球状Rからなり、下部の底面には、前記サドルプレート200に対して相補的に着脱結合が行われる締結部340が形成される。
【0057】
ここで、前記締結部340は、前記第1シート310及び第2シート320の下部の両側面から下側に突出する1対の締結突起341と、前記締結突起341の間に形成される締結溝342と、で構成される。もちろん、前記サドルプレート200に、前記締結突起341及び締結溝342に対応して、相補的な結合構造を有する締結部240が形成されることは言うまでもない。
【0058】
すなわち、前記第1シート310及び第2シート320は、下部に締結部340を構成することにより、ボルトまたは接着剤を使わずに、前記サドルプレート200を簡単かつ早く設置することができ、組立工数及びメンテナンスの便宜性を大いに向上させることができるという長所がある。
【0059】
一方、
図6は、前記サドルシートの他の実施形態を示す図であり、前記第1シート310’及び第2シート320’の
座骨収容部301’の
後側には、
座骨結節Pの後側面Sに対して接触する面積を増大させるための
座骨結節密着部330がさらに形成される。
【0060】
すなわち、前記坐骨結節密着部330は、坐骨収容部301’の空間を減らす代わりに、第1シート310’及び第2シート320’の接触面積を増大させることにより、使用者の尻及び坐骨結節の後方部位をさらに安全かつ気楽に支えるように、広い面積を提供する。
【0061】
また、前記坐骨結節密着部330は、前記第1シート310’及び第2シート320’の上面からサドルプレート200の底面に向かう方向に傾斜して形成することがよい。また、前記坐骨結節密着部330も、ラウンド(Round)状の曲率半径を有し、外側に行くほど幅が次第に減少する形状に作製することがよい。
【0062】
言い換えれば、前記坐骨結節密着部330は、使用者の坐骨結節Pが坐骨収容部301’に入って収まる際に、坐骨結節の後側面Sに面密着した状態で加圧されることにより、使用者の尻を、サドルシート300に安定的に密着して固定させるとともに、気楽に支持するためのものである。
【0063】
併せて、前記坐骨結節密着部330は、前記第1シート310’及び第2シート320’にそれぞれ独立して設置することが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、前記前記第1シート310’と第2シート320’との間を連結する一つの構成で作製してもよい。
【0064】
前記坐骨結節密着部330は、坐骨収容部301’ の空間面積の5/4以下を占め、表面には、多数の打孔部(図示せず)が形成され、使用者の尻から発散する熱気を外部に円滑に排出させることができるようにする。
【0065】
以上、本発明は、上述した実施形態及び添付した図面により限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形、及び変更が可能であることは、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。