(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】情報表示方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
H04N 21/258 20110101AFI20240902BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20240902BHJP
H04N 21/458 20110101ALI20240902BHJP
【FI】
H04N21/258
H04N21/431
H04N21/458
(21)【出願番号】P 2022503195
(86)(22)【出願日】2021-02-01
(86)【国際出願番号】 JP2021003531
(87)【国際公開番号】W WO2021171913
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-11-16
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山内 真樹
(72)【発明者】
【氏名】藤原 菜々美
(72)【発明者】
【氏名】川口 剛史
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-038190(JP,A)
【文献】特開2014-230282(JP,A)
【文献】特開2016-207031(JP,A)
【文献】特開2018-120603(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0179857(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0272256(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0113454(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0228774(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0287056(US,A1)
【文献】米国特許第09628286(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する第1の透明ディスプレイと、プロセッサと、を備える情報処理装置における情報表示方法であって、
前記プロセッサは、
第1のユーザが保有する第1の物品であって、前記第1の透明ディスプレイの前方又は後方に配置された第1の物品に関する第1の物品情報を取得し、
前記第1の物品情報に基づいて、前記第1の物品に関連する第2の物品を保有する第2のユーザであって、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する第1の広告を取得し、
前記第1の広告を前記第1のユーザに報知する
情報表示方法。
【請求項2】
前記プロセッサは、さらに、
前記第1の物品情報に基づいて、前記第1の物品に関連する第1の画像を前記第1の透明ディスプレイに表示し、
前記第1の画像に関連する商品又はサービスであって、前記第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する前記第1の広告を、ネットワークを介して取得する
請求項1に記載の情報表示方法。
【請求項3】
さらに、前記第1のユーザの視線を検出するセンサを備え、
前記プロセッサは、さらに、前記センサの検出結果に基づいて、前記第1のユーザが前記第1の物品及び前記第1の画像の両方に視線を向け、且つ、前記第1の画像に視線を向けている時間が所定時間以上である場合に、前記第1の広告を前記第1のユーザに報知する
請求項2に記載の情報表示方法。
【請求項4】
前記プロセッサは、さらに、
前記第1のユーザが前記第1の画像に視線を向けている時間が前記所定時間未満である場合に、前記第1の画像の表示を停止するとともに、前記第1の物品に関連し且つ前記第1の画像とは異なる第2の画像を前記第1の透明ディスプレイに表示し、
前記第1のユーザが前記第1の物品及び前記第2の画像の両方に視線を向け、且つ、前記第2の画像に視線を向けている時間が前記所定時間以上である場合に、前記第2の画像に関連する第2の広告であって、前記第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する第2の広告を前記第1のユーザに報知する
請求項3に記載の情報表示方法。
【請求項5】
前記プロセッサは、さらに、前記第1の画像に関連する場所を示す場所情報を前記第1のユーザに報知し、
前記場所は、前記第1のユーザが訪問履歴を有さない場所であり、
前記訪問履歴は、前記第1のユーザがデータを保存するデータベースから取得される
請求項2~4のいずれか1項に記載の情報表示方法。
【請求項6】
前記プロセッサは、さらに、前記第1の画像に関連する場所を示す場所情報を前記第1のユーザに報知し、
前記場所は、前記第1のユーザが訪問履歴を有する場所であり、
前記訪問履歴は、前記第1のユーザがデータを保存するデータベースから取得される
請求項2~4のいずれか1項に記載の情報表示方法。
【請求項7】
前記プロセッサは、さらに、前記場所情報に対する前記第1のユーザの入力がユーザインタフェースにより受け付けられた場合に、前記第1の広告を前記第1のユーザに報知する
請求項5又は6に記載の情報表示方法。
【請求項8】
前記プロセッサは、さらに、
前記第1の画像に関連する時期を示す時期情報を取得し、
取得した前記時期情報を前記第1のユーザに報知する
請求項2~7のいずれか1項に記載の情報表示方法。
【請求項9】
前記プロセッサは、さらに、
前記第2のユーザが装飾のために配置した前記第2の物品の位置を示す位置情報と、前記第2の物品を撮像した画像を示す装飾画像情報と、を取得し、
前記位置情報及び前記装飾画像情報に基づいて、前記第2の物品の装飾状況を示す前記第1の画像を、前記第1の透明ディスプレイに表示する
請求項2~8のいずれか1項に記載の情報表示方法。
【請求項10】
前記プロセッサは、さらに、前記第1の透明ディスプレイとは異なる第2の透明ディスプレイの前方又は後方に配置された前記第2の物品に関する第2の物品情報と、前記第2のユーザの商品又はサービスの利用履歴とに基づいて選択された前記第1の広告を、ネットワークを介して取得する
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報表示方法。
【請求項11】
前記プロセッサは、さらに、
商品又はサービスに関する第3の広告が前記第2の透明ディスプレイに表示された際に、前記第2のユーザが当該商品又はサービスの利用に至った前記第3の広告の前記第2の物品に対する相対的な位置を示す相対位置情報を取得し、
前記相対位置情報に基づいて前記第1の広告を前記第1の透明ディスプレイに表示することにより、前記第1の広告を前記第1のユーザに報知する
請求項10に記載の情報表示方法。
【請求項12】
前記プロセッサは、さらに、前記第1の広告とともに、前記第2のユーザに関するユーザ情報を前記第1のユーザに報知する
請求項1~11のいずれか1項に記載の情報表示方法。
【請求項13】
前記プロセッサは、さらに、前記第1の広告を前記第1の透明ディスプレイに表示することにより、前記第1の広告を前記第1のユーザに報知する
請求項1~10、12のいずれか1項に記載の情報表示方法。
【請求項14】
前記プロセッサは、さらに、前記第1の広告を前記第1のユーザにより操作される端末装置に表示することにより、前記第1の広告を前記第1のユーザに報知する
請求項1~10、12のいずれか1項に記載の情報表示方法。
【請求項15】
画像を表示する透明ディスプレイと、プロセッサと、を備える情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
第1のユーザが保有する第1の物品であって、前記透明ディスプレイの前方又は後方に配置された第1の物品に関する第1の物品情報を取得し、
前記第1の物品情報に基づいて、前記第1の物品に関連する第2の物品を保有する第2のユーザであって、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する広告を取得し、
前記広告を前記第1のユーザに報知する
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報表示方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに広告情報を配信する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、配信された広告情報に対するユーザへの訴求効果の更なる向上が必要とされる。
【0005】
そこで、本開示は、広告に対するユーザへの訴求効果を向上させることができる情報表示方法及び情報処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報表示方法は、画像を表示する第1の透明ディスプレイと、プロセッサと、を備える情報処理装置における情報表示方法であって、前記プロセッサは、第1のユーザが保有する第1の物品であって、前記第1の透明ディスプレイの前方又は後方に配置された第1の物品に関する第1の物品情報を取得し、前記第1の物品情報に基づいて、前記第1の物品に関連する第2の物品を保有する第2のユーザであって、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する第1の広告を取得し、前記第1の広告を前記第1のユーザに報知する。
【0007】
また、本開示の一態様に係る情報処理装置は、画像を表示する透明ディスプレイと、プロセッサと、を備える情報処理装置であって、前記プロセッサは、第1のユーザが保有する第1の物品であって、前記透明ディスプレイの前方又は後方に配置された第1の物品に関する第1の物品情報を取得し、前記第1の物品情報に基づいて、前記第1の物品に関連する第2の物品を保有する第2のユーザであって、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する広告を取得し、前記広告を前記第1のユーザに報知する。
【0008】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータで読み取り可能なCD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様に係る情報表示方法等によれば、広告に対するユーザへの訴求効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るシステムの概要を示す概念図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るシステムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る情報処理装置の外観を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る情報処理装置の透明ディスプレイにおける画像の表示例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る端末装置における広告の表示例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る端末装置における広告の他の表示例を示す図である。
【
図8】
図8は、広告の表示の変形例1を示す図である。
【
図9】
図9は、広告の表示の変形例2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の基礎となった知見)
本発明者らは、「背景技術」の欄において記載した技術に関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0012】
広告の主たる目的は、当該広告を見たユーザが、例えば商品購入、会員登録、資料請求又は問い合わせ等の最終的な成果(コンバージョン)に至ることである。この目的の実現を図るための技術として、例えば特許文献1が知られている。特許文献1では、ディスプレイに表示された画像にユーザが視線を向けているか否かをセンサにより検出し、ユーザが視線を向けていることがセンサにより検出された場合に、当該ユーザの端末装置に広告情報を配信する。
【0013】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、画像に紐付けられた広告を端末装置に表示するのにとどまるため、表示された広告の内容にユーザが興味を示すとは限らない。そのため、広告に対するユーザへの訴求効果が得られない場合がある。
【0014】
本開示は、このような知見に基づいてなされたものであり、本発明者らが鋭意検討した結果、広告に対するユーザへの訴求効果を向上させることができる情報表示方法及び情報処理装置についての着想を得た。
【0015】
本開示の一態様に係る情報表示方法は、画像を表示する第1の透明ディスプレイと、プロセッサと、を備える情報処理装置における情報表示方法であって、前記プロセッサは、第1のユーザが保有する第1の物品であって、前記第1の透明ディスプレイの前方又は後方に配置された第1の物品に関する第1の物品情報を取得し、前記第1の物品情報に基づいて、前記第1の物品に関連する第2の物品を保有する第2のユーザであって、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する第1の広告を取得し、前記第1の広告を前記第1のユーザに報知する。
【0016】
本態様によれば、第1のユーザが第1の物品を第1の透明ディスプレイの前方又は後方に配置した際に、第1の物品に関連する第2の物品を保有する第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する第1の広告を第1のユーザに報知する。この時、第1の物品と第2の物品とが関連しているため、第1のユーザ及び第2のユーザの各々の趣味、趣向は近い可能性が高い。そのため、第1のユーザは、第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに対して強い関心を持つ可能性が高くなる。したがって、第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する第1の広告を第1のユーザに報知することにより、第1の広告に対する第1のユーザへの訴求効果を向上させることができる。
【0017】
例えば、前記プロセッサは、さらに、前記第1の物品情報に基づいて、前記第1の物品に関連する第1の画像を前記第1の透明ディスプレイに表示し、前記第1の画像に関連する商品又はサービスであって、前記第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する前記第1の広告を、ネットワークを介して取得するように構成してもよい。
【0018】
本態様によれば、第1の物品に関連する第1の画像を第1の透明ディスプレイに表示するので、第1のユーザの関心を引くことができる。また、第1の画像に関連する商品又はサービスに関する第1の広告を第1のユーザに報知するので、第1のユーザが第1の広告に対して強い関心を持つ可能性が高くなり、第1の広告に対する第1のユーザへの訴求効果を向上させることができる。
【0019】
例えば、さらに、前記第1のユーザの視線を検出するセンサを備え、前記プロセッサは、さらに、前記センサの検出結果に基づいて、前記第1のユーザが前記第1の物品及び前記第1の画像の両方に視線を向け、且つ、前記第1の画像に視線を向けている時間が所定時間以上である場合に、前記第1の広告を前記第1のユーザに報知するように構成してもよい。
【0020】
本態様によれば、第1のユーザが第1の物品及び第1の画像の両方に視線を向け、且つ、第1の画像に視線を向けている時間が所定時間以上である場合には、第1のユーザが第1の画像に対して強い関心を持っていると推定できる。そのため、この場合において、第1の画像に関連する第1の広告を第1のユーザに報知することにより、第1のユーザが第1の広告に対して強い関心を持つ可能性が高くなり、第1の広告に対する第1のユーザへの訴求効果を向上させることができる。
【0021】
例えば、前記プロセッサは、さらに、前記第1のユーザが前記第1の画像に視線を向けている時間が前記所定時間未満である場合に、前記第1の画像の表示を停止するとともに、前記第1の物品に関連し且つ前記第1の画像とは異なる第2の画像を前記第1の透明ディスプレイに表示し、前記第1のユーザが前記第1の物品及び前記第2の画像の両方に視線を向け、且つ、前記第2の画像に視線を向けている時間が前記所定時間以上である場合に、前記第2の画像に関連する第2の広告であって、前記第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する第2の広告を前記第1のユーザに報知するように構成してもよい。
【0022】
本態様によれば、第1の画像に視線を向けている時間が所定時間未満である場合には、第1のユーザが第1の画像に対して関心を持っていないと推定できる。そのため、この場合において、第1の透明ディスプレイにおける表示を第1の画像から第2の画像に切り替えることにより、第1のユーザが関心を持たないであろう第1の広告を第1のユーザに報知するのを回避することができる。
【0023】
例えば、前記プロセッサは、さらに、前記第1の画像に関連する場所を示す場所情報を前記第1のユーザに報知し、前記場所は、前記第1のユーザが訪問履歴を有さない場所であり、前記訪問履歴は、前記第1のユーザがデータを保存するデータベースから取得されるように構成してもよい。
【0024】
本態様によれば、第1の画像と第1の広告とをつなぐ情報である場所情報を第1のユーザに報知するので、第1の広告が第1のユーザに報知された際に、第1のユーザに対して唐突感を与えるのを軽減することができる。また、場所情報は、第1のユーザが訪問履歴を有さない場所を示す情報であるので、第1のユーザが「今度行ってみたい」と思って関心を持つ可能性が高くなり、第1の広告に対する第1のユーザへの訴求効果を向上させることができる。
【0025】
例えば、前記プロセッサは、さらに、前記第1の画像に関連する場所を示す場所情報を前記第1のユーザに報知し、前記場所は、前記第1のユーザが訪問履歴を有する場所であり、前記訪問履歴は、前記第1のユーザがデータを保存するデータベースから取得されるように構成してもよい。
【0026】
本態様によれば、第1の画像と第1の広告とをつなぐ情報である場所情報を第1のユーザに報知するので、第1の広告が第1のユーザに報知された際に、第1のユーザに対して唐突感を与えるのを軽減することができる。また、場所情報は、第1のユーザが訪問履歴を有する場所を示す情報であるので、第1のユーザが「もう一度行ってみたい」と思って関心を持つ可能性が高くなり、第1の広告に対する第1のユーザへの訴求効果を向上させることができる。
【0027】
例えば、前記プロセッサは、さらに、前記場所情報に対する前記第1のユーザの入力がユーザインタフェースにより受け付けられた場合に、前記第1の広告を前記第1のユーザに報知するように構成してもよい。
【0028】
本態様によれば、第1のユーザが場所情報に対するアクションを起こしたタイミングで、第1の広告を第1のユーザに報知することができる。
【0029】
例えば、前記プロセッサは、さらに、前記第1の画像に関連する時期を示す時期情報を取得し、取得した前記時期情報を前記第1のユーザに報知するように構成してもよい。
【0030】
本態様によれば、第1の画像に関連する時期を示す時期情報を第1のユーザに報知するので、第1のユーザは、時期情報により示される時期を考慮しながら、第1の広告の商品又はサービスの利用を検討することができる。
【0031】
例えば、前記プロセッサは、さらに、前記第2のユーザが装飾のために配置した前記第2の物品の位置を示す位置情報と、前記第2の物品を撮像した画像を示す装飾画像情報と、を取得し、前記位置情報及び前記装飾画像情報に基づいて、前記第2の物品の装飾状況を示す前記第1の画像を、前記第1の透明ディスプレイに表示するように構成してもよい。
【0032】
本態様によれば、第2の物品の装飾状況を示す第1の画像を第1の透明ディスプレイに表示させることにより、第1の画像に対する第1のユーザの関心を高めることができる。
【0033】
例えば、前記プロセッサは、さらに、前記第1の透明ディスプレイとは異なる第2の透明ディスプレイの前方又は後方に配置された前記第2の物品に関する第2の物品情報と、前記第2のユーザの商品又はサービスの利用履歴とに基づいて選択された前記第1の広告を、ネットワークを介して取得するように構成してもよい。
【0034】
本態様によれば、第2のユーザは、第2の物品を第2の透明ディスプレイの前方又は後方に配置しているので、第1のユーザ及び第2のユーザの各々の趣味、趣向は相当近い可能性が高い。そのため、第1のユーザは、第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに対して非常に強い関心を持つ可能性が高くなる。したがって、第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する第1の広告を第1のユーザに報知することにより、第1の広告に対する第1のユーザへの訴求効果をより一層向上させることができる。
【0035】
例えば、前記プロセッサは、さらに、商品又はサービスに関する第3の広告が前記第2の透明ディスプレイに表示された際に、前記第2のユーザが当該商品又はサービスの利用に至った前記第3の広告の前記第2の物品に対する相対的な位置を示す相対位置情報を取得し、前記相対位置情報に基づいて前記第1の広告を前記第1の透明ディスプレイに表示することにより、前記第1の広告を前記第1のユーザに報知するように構成してもよい。
【0036】
本態様によれば、第2のユーザが商品又はサービスの利用に至った実績を考慮した相対位置情報に基づいて第1の広告を第1の透明ディスプレイに表示することにより、第1のユーザが第1の広告の商品又はサービスを利用する可能性を高めることができる。
【0037】
例えば、前記プロセッサは、さらに、前記第1の広告とともに、前記第2のユーザに関するユーザ情報を前記第1のユーザに報知するように構成してもよい。
【0038】
本態様によれば、第1のユーザが第2のユーザからの刺激を受けて、第1の広告の商品又はサービスを利用する可能性を高めることができる。
【0039】
例えば、前記プロセッサは、さらに、前記第1の広告を前記第1の透明ディスプレイに表示することにより、前記第1の広告を前記第1のユーザに報知するように構成してもよい。
【0040】
本態様によれば、第1の広告を第1の透明ディスプレイに表示させることにより、第1のユーザを第1の広告に効果的に注目させることができる。
【0041】
例えば、前記プロセッサは、さらに、前記第1の広告を前記第1のユーザにより操作される端末装置に表示することにより、前記第1の広告を前記第1のユーザに報知するように構成してもよい。
【0042】
本態様によれば、第1の広告を端末装置に表示させることにより、第1のユーザを第1の広告に効果的に注目させることができる。
【0043】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、画像を表示する透明ディスプレイと、プロセッサと、を備える情報処理装置であって、前記プロセッサは、第1のユーザが保有する第1の物品であって、前記透明ディスプレイの前方又は後方に配置された第1の物品に関する第1の物品情報を取得し、前記第1の物品情報に基づいて、前記第1の物品に関連する第2の物品を保有する第2のユーザであって、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する広告を取得し、前記広告を前記第1のユーザに報知する。
【0044】
本態様によれば、第1のユーザが第1の物品を透明ディスプレイの前方又は後方に配置した際に、第1の物品に関連する第2の物品を保有する第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する広告を第1のユーザに報知する。この時、第1の物品と第2の物品とが関連しているため、第1のユーザ及び第2のユーザの各々の趣味、趣向は近い可能性が高い。そのため、第1のユーザは、第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに対して強い関心を持つ可能性が高くなる。したがって、第2のユーザが利用したことのある商品又はサービスに関する広告を第1のユーザに報知することにより、広告に対する第1のユーザへの訴求効果を向上させることができる。
【0045】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータで読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0046】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0047】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0048】
(実施の形態)
[1.システムの概要]
まず、
図1を参照しながら、実施の形態に係るシステム2の概要について説明する。
図1は、実施の形態に係るシステム2の概要を示す概念図である。
【0049】
図1に示すように、システム2は、情報処理装置4と、端末装置6と、アドサーバ8と、コンテンツサーバ10と、クラウドサーバ12と、マネージャ14とを備えている。
【0050】
情報処理装置4は、例えば第1のユーザ16の宅内に設置され、ネットワーク24(後述する
図2参照)を介してマネージャ14と通信可能である。情報処理装置4は、画像を表示する機能を有している。第1のユーザ16は、室内を装飾するために、第1の物品18を情報処理装置4の近傍に配置する。この時、情報処理装置4は、第1の物品18に関する第1の物品情報をマネージャ14に送信する。
【0051】
端末装置6は、第1のユーザ16により操作される端末装置であり、例えばスマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等である。端末装置6は、ネットワーク24を介して情報処理装置4と通信可能である。端末装置6は、画像を表示する機能と、音声を出力する機能とを有している。
【0052】
アドサーバ8は、広告を示す広告情報を複数記憶するサーバであり、ネットワーク24を介してマネージャ14と通信可能である。
【0053】
ここで、広告とは、例えば、商品又はサービスの購入提案、資料請求、問い合わせ、若しくは、特定のウェブサイト又はサービスへの会員登録を各ユーザに促すためのものを意味する。また、商品又はサービスとは、例えば、食料品、家具、家電機器、装飾品、旅行、宿泊施設、航空券及び代行サービス等を意味する。なお、広告は、実際の電子商取引の完了を各ユーザに提案するものであってもよいし、所定のサービス提供者とアクセスするためのものであってもよい。また、広告は、広告エージェンシーを経由して取得された広告コンテンツであってもよい。
【0054】
コンテンツサーバ10は、画像を示す画像情報を複数記憶するサーバであり、ネットワーク24を介してマネージャ14と通信可能である。
【0055】
クラウドサーバ12は、第1のユーザ16及び当該第1のユーザ16とは異なる第2のユーザ20を含む各ユーザに関するユーザ情報を複数記憶するサーバであり、ネットワーク24を介してマネージャ14と通信可能である。なお、クラウドサーバ12は、必ずしも第1のユーザ16の宅外に設置されていなくてもよく、例えばホームサーバとして第1のユーザ16の宅内に設置されてもよいし、情報処理装置4に搭載されていてもよい。
【0056】
マネージャ14は、システム2全体を管理するサーバである。なお、マネージャ14は、例えばDMP(Data Management Platform)であってもよい。マネージャ14は、情報処理装置4からの第1の物品情報に基づいて、コンテンツサーバ10を参照することにより、第1の物品18に関連する画像を示す画像情報を選択する。マネージャ14は、選択した画像情報をコンテンツサーバ10から取得し、取得した画像情報を情報処理装置4に送信する。これにより、情報処理装置4には、第1の物品18を装飾するための画像が表示される。
【0057】
また、マネージャ14は、情報処理装置4からの第1の物品情報に基づいて、アドサーバ8及びクラウドサーバ12を参照することにより、選択した画像情報により示される画像に関連する商品又はサービスであって、第1の物品18に関連する第2の物品22を保有する第2のユーザ20が利用したことのある商品又はサービスに関する広告を示す広告情報を選択する。マネージャ14は、選択した広告情報をアドサーバ8から取得し、取得した取得した広告情報を情報処理装置4に送信する。これにより、情報処理装置4は、マネージャ14からの広告情報を端末装置6に送信し、端末装置6には、情報処理装置4からの広告情報により示される広告が表示される。
【0058】
[2.システムの機能構成]
次に、
図2を参照しながら、実施の形態に係るシステム2の機能構成について説明する。
図2は、実施の形態に係るシステム2の機能構成を示すブロック図である。
【0059】
図2に示すように、システム2は、情報処理装置4a(4)と、情報処理装置4b(4)と、端末装置6と、アドサーバ8と、コンテンツサーバ10と、クラウドサーバ12と、マネージャ14とを備えている。情報処理装置4a,4b、端末装置6、アドサーバ8、コンテンツサーバ10、クラウドサーバ12及びマネージャ14の各々は、例えばインターネット等のネットワーク24に接続されている。
【0060】
情報処理装置4aは、透明ディスプレイ26(第1の透明ディスプレイの一例)と、プロセッサ28と、記憶装置30と、センサ32と、入力部34と、通信部36とを有している。情報処理装置4aは、第1のユーザ16により保有される。
【0061】
透明ディスプレイ26は、例えば透明無機EL(Electro Luminescence)、透明有機EL又は透過型液晶ディスプレイ等の透過型透明ディスプレイで構成されている。透明ディスプレイ26の近傍には、第1の物品18を置くための棚78(後述する
図3参照)が配置されている。透明ディスプレイ26は、棚78に置かれた第1の物品18を装飾するための画像を表示する。
【0062】
プロセッサ28は、記憶装置30を用いて、情報処理装置4aを制御するための各種処理を実行する。例えば、プロセッサ28は、透明ディスプレイ26における画像の表示を制御する。
【0063】
記憶装置30は、画像情報及びプログラム等を記憶する。記憶装置30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory(登録商標))等といった半導体メモリが該当する。また、半導体メモリは、不揮発性メモリでもよいし、揮発性メモリでもよい。また、記憶装置30は、半導体メモリ以外にも、例えば磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
【0064】
センサ32は、例えばカメラセンサ等であり、棚78に置かれた第1の物品18を検出する。具体的には、センサ32は、棚78に置かれた第1の物品18に関する第1の物品情報を出力する。第1の物品情報は、例えば、第1の物品18の有無、位置、個数及び種類、並びに、第1の物品18が棚78に置かれた時間、時期及び期間等を示す情報である。なお、センサ32を情報処理装置4に搭載しなくてもよい。この場合、情報処理装置4とは別の装置、例えばユーザの保有するスマートフォンのカメラセンサを用いて第1の物品18を検出し、情報処理装置4は、ネットワーク24を介して、カメラセンサにより検出された情報をスマートフォンから受信してもよい。
【0065】
さらに、センサ32は、透明ディスプレイ26の前方(室内側)に存在する第1のユーザ16の視線を検出する。具体的には、センサ32は、第1のユーザ16の目の動き、視線の向き及び動き、並びに、注視の位置(範囲)等を検出する。センサ32による視線の検出方法としては、例えば、目頭と虹彩との位置関係から検出する方法、又は、赤外線LED(Light Emitting Diode)から出力された赤外線を第1のユーザ16の目に照射した際に発生する赤外線の角膜反射の位置と瞳孔との位置関係から検出する方法等が適用可能である。また、有効視野等のような範囲の計測は、例えばステアケース法又はプロビット法等で実行可能である。
【0066】
入力部34は、第1のユーザ16からの入力(命令)を受け付けるユーザインタフェースであり、例えばキーボード、マウス、スイッチ、マイクロフォン、又は、透明ディスプレイ26に設けられたタッチセンサ等である。入力部34は、第1のユーザ16からの入力として、例えば、透明ディスプレイ26における画像の表示のオン・オフ、画像の表示の変更等を受け付ける。また、入力部34は、第1のユーザ16からの入力として、例えば棚78に置かれている第1の物品18の詳細(種類及び個数等)を示す情報を受け付けてもよい。
【0067】
通信部36は、ネットワーク24との間で、有線又は無線で通信を行う通信インタフェースである。通信部36は、ネットワーク24を介して、各種情報をダウンロード又はアップロードする。
【0068】
情報処理装置4bは、上述した情報処理装置4aと同様に、透明ディスプレイ26(第2の透明ディスプレイの一例)と、プロセッサ28と、記憶装置30と、センサ32と、入力部34と、通信部36とを有している。情報処理装置4bは、第2のユーザ20により保有される。情報処理装置4bの機能構成については、上述した情報処理装置4aの機能構成と同一であるため、説明を省略する。
【0069】
端末装置6は、プロセッサ38と、ユーザインタフェース(UI)40と、通信部42とを有している。
【0070】
プロセッサ38は、端末装置6を制御するための各種処理を実行する。ユーザインタフェース40は、例えばタッチパネル又はマイクロフォン等であり、第1のユーザ16からの入力を受け付ける。通信部42は、ネットワーク24との間で、無線で通信を行う通信インタフェースである。
【0071】
アドサーバ8は、プロセッサ44と、通信部46と、広告データベース48とを有している。
【0072】
プロセッサ44は、アドサーバ8を制御するための各種処理を実行する。通信部46は、ネットワーク24との間で、有線又は無線で通信を行う通信インタフェースである。広告データベース48は、様々な種類の広告88(後述する
図6及び
図7参照)を示す広告情報が蓄積されたデータベースである。
【0073】
コンテンツサーバ10は、プロセッサ50と、通信部52と、画像データベース54とを有している。
【0074】
プロセッサ50は、コンテンツサーバ10を制御するための各種処理を実行する。通信部52は、ネットワーク24との間で、有線又は無線で通信を行う通信インタフェースである。
【0075】
画像データベース54は、様々な種類の画像を示す画像情報が蓄積されたデータベースである。画像データベース54に蓄積された画像情報には、当該画像情報により示される画像に関連する場所を示す場所情報と、当該画像情報により示される画像に関連する時期を示す時期情報とが関連付けられている。例えば、画像情報が北海道の1月の星空を撮像した画像である場合には、場所情報は、当該画像が撮像された場所として「北海道」を示し、時期情報は、当該画像が撮像された時期として「1月」を示す。
【0076】
クラウドサーバ12は、プロセッサ56と、通信部58と、ユーザデータベース60とを有している。
【0077】
プロセッサ56は、クラウドサーバ12を制御するための各種処理を実行する。通信部58は、ネットワーク24との間で、有線又は無線で通信を行う通信インタフェースである。
【0078】
ユーザデータベース60は、第1のユーザ16及び第2のユーザ20を含む各ユーザに関するユーザ情報が蓄積されたデータベースである。ユーザ情報は、例えば、a)各ユーザの氏名、年齢、性別及び住所等の個人情報、b)各ユーザによる商品又はサービスの利用履歴及び購入履歴、c)各ユーザが保存した写真等の画像情報、並びに、d)各ユーザの位置情報を含む訪問履歴(行動履歴)等を示す情報である。なお、ユーザ情報は、例えば情報処理装置4a,4bから取得されてもよいし、SNS(Social Networking Service)が提供するAPI(Application Programming Interface)を利用して取得されてもよい。ユーザデータベース60に蓄積されたユーザ情報は、プロセッサ56の演算処理により、通信部58を介してネットワーク24にアップロードされる。
【0079】
マネージャ14は、プロセッサ62と、通信部64と、データベース66とを有している。
【0080】
プロセッサ62は、マネージャ14を制御するための各種処理を実行する。通信部64は、ネットワーク24との間で、有線又は無線で通信を行う通信インタフェースである。データベース66は、各種情報及びプログラムが蓄積されたデータベースである。なお、マネージャ14の全ての機能がクラウド上で行われる必要は無く、マネージャ14の機能を階層構造にして、一部の階層の機能をホームサーバ及び/又は情報処理装置4a,4bに分配してもよい。
【0081】
[3.情報処理装置の構造]
次に、
図3を参照しながら、実施の形態に係る情報処理装置4a(4)の構造について説明する。
図3は、実施の形態に係る情報処理装置4aの外観を示す斜視図である。
図3において、情報処理装置4aの左右方向をX軸方向、情報処理装置4aの奥行き方向をY軸方向、情報処理装置4aの上下方向をZ軸方向とする。なお、情報処理装置4bの構造については、情報処理装置4aの構造と同一であるため、説明を省略する。
【0082】
情報処理装置4aは、例えば第1のユーザ16の宅内における部屋(以下、「空間」ともいう)の演出を行うための装置である。
図3に示すように、情報処理装置4aは、枠体68と、透明ディスプレイ26とを備えている。
【0083】
枠体68は、XZ平面視で矩形状に形成されている。枠体68は、例えば建物の外壁(図示せず)に形成された矩形状の開口部に設置される窓枠である。枠体68は、上壁部70と、下壁部72と、左側壁部74と、右側壁部76とを有している。上壁部70と下壁部72とは、上下方向(Z軸方向)に互いに対向して配置されている。左側壁部74と右側壁部76とは、左右方向(X軸方向)に互いに対向して配置されている。下壁部72は、第1の物品18を置くための棚78として機能する。第1のユーザ16は、部屋のインテリアの一部として、自身の好みの第1の物品18を棚78に置くことができる。
図3に示す例では、第1の物品18は観葉植物(サボテン)であるが、これに限定されず、例えばフィギュア、アクセサリ、書籍、ワインボトル、軽食、写真立て、置時計、腕時計、装飾用小物、花瓶、玩具、模型又は絵画等であってもよい。また、第1の物品18又は第2の物品22は、窓枠68の下壁部72ではなく、窓枠68の近傍に設けられた棚の上に置かれてもよい。
【0084】
透明ディスプレイ26は、XZ平面視で矩形状に形成されており、透明ディスプレイ26の外周部は、枠体68により支持されている。透明ディスプレイ26は、例えば建物内の隣り合う二つの部屋の間に設置される室内窓として機能するとともに、画像80(後述する)を表示するための透明ディスプレイパネルとしても機能する。なお、「透明」とは、必ずしも透過率100%の透明度である必要は無く、透過率100%未満の透明度、例えば透過率80~90%程度の透明度等であってもよく、可視光(具体的には550nm)に対する透過率30%~50%以上の半透明であってもよい。なお、透過率とは、入射光と透過光との強度比を百分率で表したものである。上述した第1の物品18は、透明ディスプレイ26の近傍、具体的には、透明ディスプレイ26の下部の近傍であって、透明ディスプレイ26の後方側(室外側)に対向する位置に配置されている。
【0085】
透明ディスプレイ26の前方側(室内側)には、画像80を表示するための表示面82が形成されている。画像80は、空間を演出するための画像である。
図3に示す例では、画像80は、星空を撮像した画像であり、表示面82の一部にのみ表示されている。なお、
図3では、画像80の表示範囲を破線で示してある。第1のユーザ16は、透明ディスプレイ26に表示された画像80を見ると同時に、透明ディスプレイ26越しに棚78に置かれた第1の物品18を見るようになる。これにより、第1の物品18と画像80とが調和した空間の演出が行われる。
【0086】
画像80が透明ディスプレイ26に表示されている間、透明ディスプレイ26は、当該透明ディスプレイ26の前方側から後方側を透過して視認可能である。すなわち、透明ディスプレイ26における画像80の表示の有無に拘わらず、室内にいる第1のユーザ16は、一般的な建具としての窓と同様に、透明ディスプレイ26越しに第1の物品18及び室外の景色を眺めることができる。
【0087】
なお、画像80は、静止画及び動画のいずれであってもよいし、静止画及び動画の両方を含む画像コンテンツであってもよい。あるいは、画像80は、例えば枠体68等に設置されたスピーカ(図示せず)から出力される音楽等と連動した画像であってもよい。
【0088】
ここで、画像80の他の表示例について説明する。例えば、画像80は、雪が第1の物品18に向けて降っている光景を表現した画像であり、雪の粒を模した画像(複数の光の粒)が透明ディスプレイ26の上部から下部に向かって(Z軸のプラス側からマイナス側に向かって)移動する画像であってもよい。
【0089】
また、例えば、画像80は、雪の結晶が第1の物品18に向けて降っている光景を表現した画像であり、雪の結晶を模した画像が透明ディスプレイ26の上部から下部に向かって移動する画像であってもよい。
【0090】
また、例えば、画像80は、三日月が空に浮かんでいる光景を表現した画像であり、三日月を模した画像が透明ディスプレイ26の上部の近傍に表示された画像であってもよい。三日月の画像は半透明であるため、第1のユーザ16は、表示面82のうち三日月の画像以外の領域を通して、透明ディスプレイ26越しに第1の物品18及び室外の景色を眺めることができる。また、三日月の画像は、時間の経過とともに表示面82上を移動する画像であってもよい。あるいは、画像80は、時間の経過とともに月が満ち欠けする画像であってもよい。
【0091】
画像80は、上述した例に限定されず、例えば、a)夜空の星又は流れ星を複数の光の粒で表現した画像、b)シャンパン又はスパークリングワインの泡のような小さな泡を複数の光の粒で表現し、泡の中は透過して視認可能な画像、c)砂時計の中で落下する砂を複数の光の粒で表現し、砂以外の部分は透過して視認可能な画像等であってもよい。
【0092】
また、画像80は、アニメーション画像であってもよい。具体的には、画像80は、例えば雪の結晶が舞うのを表現したアニメーション画像であって、雪の結晶の輪郭のみを光の粒又は光のラインで表現し、他の部分は透過して視認可能なアニメーション画像であってもよい。また、画像80は、季節に応じたアニメーション画像であってもよい。具体的には、画像80は、例えば、a)クリスマスの季節の場合には、ソリに乗るサンタクロースの画像及びトナカイの画像、b)ハロウィンの季節の場合には、カボチャの画像及びお化けの画像等であってもよい。なお、上述した画像80は、透明ディスプレイ26の表示面82の全域に表示される画像よりも、主な画像の輪郭のみが表示され、他の部分は透過して視認可能な画像であるのが好ましい。
【0093】
また、画像80は、必ずしも一色のみで表示された画像である必要は無く、複数の色で表示された画像であってもよい。また、画像80は、例えばネオンサインのような、装飾的な文字又は図形等を表示した画像であってもよい。
【0094】
なお、画像80は、空間の演出を行うことができるような画像であればよく、例えば時計又は天気予報等のような機能的な内容を表示する画像である必要は無い。空間の演出に特化した画像80を透明ディスプレイ26に表示させることにより、日常生活で情報の洪水に疲弊したユーザをリラックスさせることができる。
【0095】
その一方で、機能的な使い方を好む第1のユーザ16に対しては、画像80は、例えば時計又は天気予報等のような機能的な内容を表示する画像を含んでいてもよい。あるいは、画像80は、第1のユーザ16に対して所定の事象の報知等を行うための画像を含んでいてもよい。具体的には、情報処理装置4aが例えばキッチンとリビング(又は廊下)との間に設置されている場合において、第1のユーザ16がキッチンでの調理中にキッチンから離れた際に、炎を連想させるような画像80を透明ディスプレイ26に表示させてもよい。これにより、第1のユーザ16に対して、例えば調理器具が加熱され過ぎていることを報知することができる。
【0096】
[4.情報処理装置の動作]
次に、
図4~
図7を参照しながら、実施の形態に係る情報処理装置4aの動作について説明する。
図4は、実施の形態に係る情報処理装置4aの動作の流れを示すフローチャートである。
図5は、実施の形態に係る情報処理装置4aの透明ディスプレイ26における画像80の表示例を示す図である。
図6は、実施の形態に係る端末装置6における広告88a(88)の表示例を示す図である。
図7は、実施の形態に係る端末装置6における広告88b(88)の他の表示例を示す図である。
【0097】
図4に示すように、まず、第1のユーザ16が第1の物品18(例えば観葉植物)を情報処理装置4aの棚78に置いた際に、センサ32は、棚78に置かれた第1の物品18を検出する(S101)。センサ32は、棚78に置かれた第1の物品18に関する第1の物品情報をプロセッサ28に出力する。プロセッサ28は、通信部36を介して、第1の物品情報をマネージャ14に送信する(S102)。
【0098】
マネージャ14の通信部64は、情報処理装置4aからの第1の物品情報を受信する。マネージャ14のプロセッサ62は、受信した第1の物品情報に基づいて、コンテンツサーバ10の画像データベース54を参照することにより、第1の物品18に関連する画像80a(第1の画像の一例)(後述する
図5の(a)参照)を示す画像情報を選択する。
【0099】
以下、第1の物品18が観葉植物である場合に、マネージャ14のプロセッサ62が、観葉植物とマッチする北海道の1月の星空の画像80aを示す画像情報を選択した場合について説明する。
【0100】
マネージャ14のプロセッサ62は、選択した画像情報をコンテンツサーバ10から取得し、取得した画像情報を情報処理装置4aに送信する。この時、プロセッサ62は、画像情報に関連付けられた場所情報及び時期情報を、画像情報とともに情報処理装置4aに送信する。例えば、場所情報は、画像80aが撮像された場所である「北海道」を示し、時期情報は、画像80aが撮像された時期である「1月」を示す。情報処理装置4aの通信部36は、マネージャ14からの画像情報、場所情報及び時期情報を受信する(S103)。
【0101】
なお、プロセッサ62は、画像情報に関連付けられた場所であり、且つ、第1のユーザ16が訪問履歴を有さない場所を示す場所情報を情報処理装置4aに送信してもよい。あるいは、プロセッサ62は、画像情報に関連付けられた場所であり、且つ、第1のユーザ16が訪問履歴を有する場所を示す場所情報を情報処理装置4aに送信してもよい。この時、プロセッサ62は、第1のユーザ16がデータを保存するデータベースから訪問履歴の有無を判断する。具体的には、プロセッサ62は、例えば第1のユーザ16の端末装置6等に保存された画像情報から、又は、当該画像情報に埋め込まれた位置情報から訪問履歴の有無を判断する。
【0102】
また、マネージャ14のプロセッサ62は、受信した第1の物品情報に基づいて、クラウドサーバ12のユーザデータベース60を参照することにより、選択した画像80aに関連する商品又はサービスであって、第1の物品18に関連する第2の物品22(例えば観葉植物)を保有する第2のユーザ20が利用したことのある商品又はサービスを選択する。
【0103】
なお、第2のユーザ20は、必ずしも、第1のユーザ16が第1の物品18を情報処理装置4aの棚78に置いたのと同じタイミングで、第2の物品22を情報処理装置4bの棚78に置いている必要は無く、単に第2の物品22を保有しているだけでもよい。
【0104】
以下、第1の物品18と同じ観葉植物である第2の物品22を保有する第2のユーザ20が北海道旅行の商品又はサービスを利用したことがある場合に、プロセッサ62が、北海道の星空の画像80aに関連し、且つ、第2のユーザ20が利用したことのある北海道旅行を商品又はサービスとして選択した場合について説明する。
【0105】
さらに、マネージャ14のプロセッサ62は、アドサーバ8の広告データベース48を参照することにより、選択した商品又はサービスとしての北海道旅行に関する広告88a(第1の広告の一例)(後述する
図6の(b)参照)を示す広告情報を選択する。すなわち、プロセッサ62は、情報処理装置4bの透明ディスプレイ26の前方側(室内側)又は後方側(室外側)に対向して配置された第2の物品22に関する第2の物品情報と、第2のユーザ20の商品又はサービスの利用履歴とに基づいて広告情報を選択する。この時、プロセッサ62は、クラウドサーバ12のユーザデータベース60を参照することにより、第2の物品情報及び利用履歴を取得する。
【0106】
マネージャ14のプロセッサ62は、選択した広告情報をアドサーバ8から取得し、取得した広告情報を情報処理装置4aに送信する。情報処理装置4aの通信部36は、マネージャ14からの広告情報を受信する(S103)。
【0107】
図5の(a)に示すように、情報処理装置4aのプロセッサ28は、受信した画像情報に基づいて、北海道の星空の画像80aを透明ディスプレイ26に表示させる(S104)。これにより、第1のユーザ16は、透明ディスプレイ26越しに第1の物品18を見るとともに、透明ディスプレイ26に表示された画像80aを見るようになる。
【0108】
この時、情報処理装置4aのセンサ32は、透明ディスプレイ26の前方に存在する第1のユーザ16の視線を検出する(S105)。情報処理装置4aのプロセッサ28は、センサ32の検出結果に基づいて、第1のユーザ16が第1の物品18及び画像80aの両方に視線を向け、且つ、画像80aに視線を向けている時間が所定時間(例えば5秒)以上であるか否かを判定する(S106)。
【0109】
第1のユーザ16が第1の物品18及び画像80aの両方に視線を向け、且つ、画像80aに視線を向けている時間が所定時間以上である場合には(S106でYES)、情報処理装置4aのプロセッサ28は、第1のユーザ16が画像80aに関心を持っていると推定し、北海道旅行に関する広告88aを示す広告情報と、「北海道」の場所を示す場所情報と、「1月」の時期を示す時期情報とを端末装置6に送信する(S107)。
【0110】
これにより、
図6の(a)に示すように、端末装置6には、「北海道」の場所を示す場所情報と、「1月」の時期を示す時期情報とを示すダイアログボックス84aが表示される。ダイアログボックス84aには、例えば「1月の北海道の星空です。」というメッセージと、詳細ボタン86とが表示されている。第1のユーザ16が詳細ボタン86を選択する操作を行う(すなわち、ユーザインタフェース40が第1のユーザ16の入力を受け付ける)ことによりコンバージョンが発生した場合には、
図6の(b)に示すように、北海道旅行に関する広告88aが端末装置6に表示される。これにより、広告88aが第1のユーザ16に報知される。
【0111】
なお、訴求効果は、コンバージョンを評価することにより測定可能である。コンバージョンとは、例えば、a)広告が商品又はサービスである場合には、商品又はサービスに対する問い合わせ又は購入等、b)広告がウェブサイトである場合には、会員登録の申し込み等の、報知した広告に対するユーザの行為を意味する。すなわち、報知した広告に対してコンバージョンに至った回数又は割合が向上したか否かで、訴求効果を評価することができる。
【0112】
上述したステップS106に戻り、第1のユーザ16が第1の物品18及び画像80aの両方に視線を向け、且つ、画像80aに視線を向けている時間が所定時間未満である場合には(S106でNO)、情報処理装置4aのプロセッサ28は、第1のユーザ16が画像80aに関心を持っていないと推定し、マネージャ14に対して画像80a以外の他の画像を送信するように要求する。これに対して、マネージャ14のプロセッサ62は、受信した第1の物品情報に基づいて、コンテンツサーバ10の画像データベース54を参照することにより、第1の物品18に関連し且つ画像80aとは異なる画像80b(第2の画像の一例)(後述する
図5の(b)参照)を示す画像情報を選択する。
【0113】
以下、第1の物品18が観葉植物である場合に、マネージャ14のプロセッサ62が、観葉植物とマッチする沖縄の8月のビーチの画像80bを示す画像情報を選択した場合について説明する。
【0114】
マネージャ14のプロセッサ62は、選択した画像情報をコンテンツサーバ10から取得し、取得した画像情報を情報処理装置4aに送信する。この時、プロセッサ62は、画像情報に関連付けられた場所情報及び時期情報を、画像情報とともに情報処理装置4aに送信する。例えば、場所情報は、画像80bが撮像された場所である「沖縄」を示し、時期情報は、画像80bが撮像された時期である「8月」を示す。情報処理装置4aの通信部36は、マネージャ14からの画像情報、場所情報及び時期情報を受信する(S108)。
【0115】
また、マネージャ14のプロセッサ62は、受信した第1の物品情報に基づいて、クラウドサーバ12のユーザデータベース60を参照することにより、選択した画像80bに関連する商品又はサービスであって、第1の物品18に関連する第2の物品22(例えば観葉植物)を保有する第2のユーザ20が利用したことのある商品又はサービスを選択する。
【0116】
以下、第1の物品18と同じ観葉植物である第2の物品22を保有する第2のユーザ20が沖縄旅行の商品又はサービスを利用したことがある場合に、プロセッサ62が、沖縄のビーチの画像80bに関連し、且つ、第2のユーザ20が利用したことのある沖縄旅行を商品又はサービスとして選択した場合について説明する。
【0117】
さらに、マネージャ14のプロセッサ62は、アドサーバ8の広告データベース48を参照することにより、選択した商品又はサービスとしての沖縄旅行に関する広告88b(第2の広告の一例)(後述する
図7の(b)参照)を示す広告情報を選択する。マネージャ14のプロセッサ62は、選択した広告情報をアドサーバ8から取得し、取得した広告情報を情報処理装置4aに送信する。情報処理装置4aの通信部36は、マネージャ14からの広告情報を受信する(S108)。
【0118】
図5の(b)に示すように、情報処理装置4aのプロセッサ28は、受信した画像情報に基づいて、透明ディスプレイ26における表示を、北海道の星空の画像80aから沖縄のビーチの画像80bに切り替える(S109)。すなわち、プロセッサ28は、透明ディスプレイ26において、北海道の星空の画像80aの表示を停止するとともに、沖縄のビーチの画像80aを表示させる。これにより、第1のユーザ16は、透明ディスプレイ26越しに第1の物品18を見るとともに、透明ディスプレイ26に表示された画像80bを見るようになる。
【0119】
この時、上述したステップS106に戻り、第1のユーザ16が第1の物品18及び画像80bの両方に視線を向け、且つ、画像80bに視線を向けている時間が所定時間以上である場合には(S106でYES)、情報処理装置4aのプロセッサ28は、第1のユーザ16が画像80bに関心を持っていると推定し、沖縄旅行に関する広告88bを示す広告情報と、「沖縄」の場所を示す場所情報と、「8月」の時期を示す時期情報とを端末装置6に送信する(S107)。
【0120】
これにより、
図7の(a)に示すように、端末装置6には、「沖縄」の場所を示す場所情報と、「8月」の時期を示す時期情報とを示すダイアログボックス84bが表示される。ダイアログボックス84bには、例えば「8月の沖縄の海です。」というメッセージと、詳細ボタン86とが表示されている。第1のユーザ16が詳細ボタン86を選択する操作を行うことによりコンバージョンが発生した場合には、
図7の(b)に示すように、沖縄旅行に関する広告88bが端末装置6に表示される。これにより、広告88bが第1のユーザ16に報知される。
【0121】
上述したステップS106に戻り、第1のユーザ16が第1の物品18及び画像80bの両方に視線を向け、且つ、画像80bに視線を向けている時間が所定時間未満である場合には(S106でNO)、上述と同様にステップS108及びS109が実行される。
【0122】
なお、本実施の形態では、端末装置6におけるダイアログボックス84a(84b)には、場所情報及び時期情報が表示されるようにしたが、これに限定されず、例えば第2のユーザ20がSNSにアップロードした北海道旅行(又は沖縄旅行)の画像を表示してもよい。例えば第2のユーザ20がインフルエンサーである場合に、第1のユーザ16は、自分も第2のユーザ20と同じように北海道旅行(又は沖縄旅行)をしてみたいと考える可能性が高い。これにより、広告88a(88b)に対する第1のユーザ16への訴求効果をより一層向上させることができる。
【0123】
[5.ユースケース]
以下、実施の形態に係るシステム2の各ユースケースについて説明する。
【0124】
[5-1.ユースケース1]
ユースケース1では、第1の物品18は、ハロウィンの時期に使用されるカボチャのフィギュアであり、透明ディスプレイ26には、第1の物品18に関連するコウモリの画像80(第1の画像の一例)が表示される。なお、第1のユーザ20がコウモリの画像80に関心を持っていないと推定される場合には、透明ディスプレイ26における表示を、コウモリの画像80から他のハロウィン関連の画像80(第2の画像の一例)に切り替える。
【0125】
また、端末装置6には、コウモリの画像80に関連し、且つ、第1の物品18に関連する第2の物品22(例えばハロウィンの時期に使用される骸骨のフィギュア)を保有する第2のユーザ20が参加したことのあるハロウィンイベントの広告88を表示する。
【0126】
あるいは、第1の物品18がクリスマスの時期に使用されるクリスマスツリーである場合には、透明ディスプレイ26には、第1の物品18に関連するトナカイの画像80を表示してもよい。この場合、端末装置6には、トナカイの画像80に関連し、且つ、第1の物品18に関連する第2の物品22(例えばクリスマスの時期に使用されるサンタクロースのフィギュア)を保有する第2のユーザ20が購入したことのあるクリスマスケーキの広告88を表示してもよい。
【0127】
[5-2.ユースケース2]
ユースケース2では、第1の物品18は、小説等の書籍であり、透明ディスプレイ26には、第1の物品18に関連する書籍(例えば、第1の物品18の書籍の続編の書籍、又は、第1の物品18の書籍と同一著者の他の書籍等)の画像80(第1の画像の一例)が表示される。なお、第1のユーザ20が書籍の画像80に関心を持っていないと推定される場合には、透明ディスプレイ26における表示を、上記書籍の画像80から他の書籍の画像80(第2の画像の一例)に切り替える。
【0128】
また、端末装置6には、書籍の画像80に関連し、且つ、第1の物品18に関連する第2の物品22(例えば第1の物品18の書籍と同一の書籍)を保有する第2のユーザ20が購入したことのある書籍(例えば画像80により示される書籍)の広告88を表示する。
【0129】
なお、端末装置6には、例えば第2のユーザ20の購入履歴を表示してもよい。また、透明ディスプレイ26には、第2のユーザ20による第2の物品22の装飾状況(例えば情報処理装置4bの棚78の中央部に、表紙が正面を向くように飾られた第2の物品22)を示す画像80を表示してもよい。この画像80は、例えば、第2のユーザ20が装飾のために配置した第2の物品22の位置を示す位置情報と、第2の物品22を撮像した画像を示す装飾画像情報とに基づいて生成される。この時、透明ディスプレイ26には、例えば「あなたの好きなおしゃれインフルエンサーは、こんな風に飾っています」というメッセージ(第2のユーザ20に関するユーザ情報の一例)を画像80と同時に表示させてもよい。
【0130】
これにより、例えば第2のユーザ20がインフルエンサーである場合に、第1のユーザ16は、自分も第2のユーザ20が保有している書籍と同じ書籍を購入したいと考える可能性が高い。これにより、第1のユーザ16に追体験を促して、広告88に対する第1のユーザ16への訴求効果をより一層向上させることができる。
【0131】
[5-3.ユースケース3]
ユースケース3では、第1の物品18は、ベーグル等の軽食であり、透明ディスプレイ26には、第1の物品18に関連するカフェ(例えばカフェの窓から見える風景)の画像80(第1の画像の一例)が表示される。なお、第1のユーザ20がカフェの画像80に関心を持っていないと推定される場合には、透明ディスプレイ26における表示を、上記カフェの画像80から他のカフェの画像80(第2の画像の一例)に切り替える。
【0132】
また、端末装置6には、カフェの画像80に関連し、且つ、第1の物品18に関連する第2の物品22(例えばサンドイッチ等の軽食)を保有する第2のユーザ20が利用したことのあるカフェ(例えば画像80により示されるカフェ)の広告88を表示する。
【0133】
なお、端末装置6には、例えば、a)カフェで利用可能なクーポン、b)カフェの予約サイトへのリンク情報、c)カフェの場所を示す場所情報、又は、d)画像80を撮像した時期を示す時期情報等を表示してもよい。あるいは、端末装置6には、例えば第2のユーザ20がSNSにアップロードした、カフェで撮影したラテアート等の画像を表示してもよい。この時、端末装置6には、例えば「あなたの好きなおしゃれインフルエンサーは、こんな素敵なお店に行きました」というメッセージ(第2のユーザ20に関するユーザ情報の一例)を表示させてもよい。これにより、例えば第2のユーザ20がインフルエンサーである場合に、第1のユーザ16は、自分も第2のユーザ20が行ったカフェに行ってみたいと考える可能性が高い。これにより、第1のユーザ16に追体験を促して、広告88に対する第1のユーザ16への訴求効果をより一層向上させることができる。
【0134】
[5-4.ユースケース4]
ユースケース4では、第1の物品18は、ワインであり、透明ディスプレイ26には、第1の物品18に関連するワイン(例えば同じ産地のワイン)の画像80(第1の画像の一例)が表示される。なお、第1のユーザ20がワインの画像80に関心を持っていないと推定される場合には、透明ディスプレイ26における表示を、上記ワインの画像80から他の種類のワインの画像80(第2の画像の一例)に切り替える。
【0135】
また、端末装置6には、ワインの画像80に関連し、且つ、第1の物品18に関連する第2の物品22(例えば第1の物品18と同じ種類のワイン)を保有する第2のユーザ20が購入したことのあるワインの広告88を表示する。この時、端末装置6には、例えば、a)上記ワインの醸造所のある場所への旅行の提案、b)上記ワインが飲めるお店のサイトへのリンク情報、c)上記ワインに合う料理のレシピ等を広告88とともに表示してもよい。あるいは、端末装置6には、例えば第2のユーザ20がSNSにアップロードした、室内に飾られた第2の物品22のワインを撮影した画像を表示してもよい。これにより、例えば第2のユーザ20がインフルエンサーである場合に、第1のユーザ16は、自分も第2のユーザ20が飲んでいるワインと同じワインを飲んでみたいと考える可能性が高い。これにより、広告88に対する第1のユーザ16への訴求効果をより一層向上させることができる。
【0136】
[6.効果]
上述したように、第1のユーザ16が第1の物品18を情報処理装置4aの棚78に置いた際に、第1の物品18に関連する第2の物品22を保有する第2のユーザ20が利用したことのある商品又はサービスに関する広告88を端末装置6に表示させる。
【0137】
この時、第1の物品18と第2の物品22とが関連しているため、第1のユーザ16及び第2のユーザ20の各々の趣味、趣向は近い可能性が高い。そのため、第1のユーザ16は、第2のユーザ20が利用したことのある商品又はサービスに対して強い関心を持つ可能性が高くなる。
【0138】
したがって、第2のユーザ20が利用したことのある商品又はサービスに関する広告88を端末装置6に表示させることにより、広告88に対する第1のユーザ16への訴求効果を向上させることができる。
【0139】
[7.広告の表示の変形例]
[7-1.変形例1]
図8を参照しながら、広告88の表示の変形例1について説明する。
図8は、広告88の表示の変形例1を示す図である。
【0140】
図8に示すように、本変形例では、広告88は、上述した端末装置6ではなく、情報処理装置4aの透明ディスプレイ26の表示面82に表示される。
【0141】
この時、広告88の視認性を高めるために、透明ディスプレイ26をXZ平面視した場合に、透明ディスプレイ26のうち画像80と重複しない領域に広告88を表示するとともに、透明ディスプレイ26のうち第1の物品18と重複しない領域に広告88を表示するのが好ましい。
【0142】
なお、本変形例では、システム2から端末装置6を省略してもよい。さらに、システム2からクラウドサーバ12を省略してもよい。
【0143】
また、本変形例において、システム2が端末装置6を備える場合には、第1のユーザ16は、情報処理装置4aの入力部34(又は端末装置6)を操作することにより、広告88の表示先を透明ディスプレイ26と端末装置6との間で任意に切り替えてもよい。
【0144】
[7-2.変形例2]
図9を参照しながら、広告88の表示の変形例2について説明する。
図9は、広告88の表示の変形例2を示す図である。
【0145】
図9の(b)に示すように、情報処理装置4bの透明ディスプレイ26には、商品又はサービスに関する広告90(第3の広告の一例)が表示される。この時、情報処理装置4bは、第2のユーザ20が当該商品又はサービスの利用に至った広告90の第2の物品22に対する相対的な位置を示す相対位置情報を、クラウドサーバ12に送信する。マネージャ14は、クラウドサーバ12のユーザデータベース60から相対位置情報を取得し、取得した相対位置情報を情報処理装置4aに送信する。
【0146】
図9の(a)に示すように、情報処理装置4aのプロセッサ28は、マネージャ14からの相対位置情報に基づいて、情報処理装置4aの透明ディスプレイ26に広告88を表示する。この時、広告88の第1の物品18に対する相対的な位置は、広告90の第2の物品22に対する相対的な位置と略同一である。なお、上記の2つの相対的な位置は、必ずしも完全に一致している必要は無く、多少ずれていても構わない。
【0147】
広告90の第2の物品22に対する相対的な位置は、第2のユーザ20が当該広告90の商品又はサービスの利用に至った実績があるため、効果的な表示位置であると考えられる。そのため、情報処理装置4aの透明ディスプレイ26においても、情報処理装置4bの透明ディスプレイ26における広告90の表示位置をミラーリングすることにより、第1のユーザ16がコンバージョンを起こす可能性を高めることができる。
【0148】
(他の変形例)
以上、一つ又は複数の態様に係る情報表示方法及び情報処理装置について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0149】
上記実施の形態では、透明ディスプレイ26が室内窓として機能する場合について説明したが、これに限定されず、例えば建物の外壁に形成された開口部に設置された透明な外窓、又は、建物内の一つの部屋を複数の空間に仕切る間仕切り窓等として機能してもよい。
【0150】
上記実施の形態では、第1の物品18を透明ディスプレイ26の後方側(室内側)に対向する位置に配置したが、これに限定されず、例えば透明ディスプレイ26の下部の近傍であって、透明ディスプレイ26の前方側(室内側)に対向する位置に配置してもよく、透明ディスプレイ26の近傍の任意の位置に配置してもよい。
【0151】
上記実施の形態では、情報処理装置4aのプロセッサ28は、画像80(80a,80b)を透明ディスプレイ26の一部に表示させたが、これに限定されず、透明ディスプレイ26の全域に表示させてもよい。
【0152】
上記実施の形態では、システム2において、アドサーバ8、コンテンツサーバ10、クラウドサーバ12及びマネージャ14の各々が物理的に分離したサーバであるようにしたが、これに限定されず、例えばこれらを1つのDMPで構成してもよい。あるいは、一部のデータが、アドサーバ8、コンテンツサーバ10、クラウドサーバ12及びマネージャ14以外の他のサーバに記憶されていてもよい。
【0153】
上記実施の形態では、情報処理装置4aのセンサ32により第1の物品18を検出したが、これに限定されず、例えば端末装置6に搭載されたセンサ、又は、室内に配置された各種センサにより、第1の物品18を検出してもよい。
【0154】
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0155】
また、上記実施の形態に係る情報処理装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0156】
上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしても良い。前記ICカード又は前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等から構成されるコンピュータシステムである。前記ICカード又は前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカード又は前記モジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
【0157】
本開示は、上記に示す方法であるとしても良い。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。また、本開示は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ等に記録したものとしても良い。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしても良い。また、本開示は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。また、本開示は、マイクロプロセッサと記憶装置を備えたコンピュータシステムであって、前記記憶装置は、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしても良い。記憶装置には記録媒体が含まれ、より詳細には、レジスタやキャッシュメモリ等のCPU内部の半導体メモリ、メインメモリ(主記憶装置/RAM)、ストレージ(外部記憶装置/補助記憶装置)が含まれてもよく、ストレージは、オンラインストレージでもオフラインストレージでもよい。また、前記プログラム又は前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、又は前記プログラム又は前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本開示は、例えば透明ディスプレイを備えた情報処理装置等に有用である。
【符号の説明】
【0159】
2 システム
4 情報処理装置
6 端末装置
8 アドサーバ
10 コンテンツサーバ
12 クラウドサーバ
14 マネージャ
16 第1のユーザ
18 第1の物品
20 第2のユーザ
22 第2の物品
24 ネットワーク
26 透明ディスプレイ
28,38,44,50,56,62 プロセッサ
30 記憶装置
32 センサ
34 入力部
36,42,46,52,58,64 通信部
40 ユーザインタフェース
48 広告データベース
54 画像データベース
60 ユーザデータベース
66 データベース
68 枠体
70 上壁部
72 下壁部
74 左側壁部
76 右側壁部
78 棚
80,80a,80b 画像
82 表示面
84a,84b ダイアログボックス
86 詳細ボタン
88,88a,88b,90 広告