(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】パワーフォトダイオード、光ファイバのパワーフォトダイオードへの接続方法、および、光ファイバ給電システム
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0232 20140101AFI20240902BHJP
H01L 31/10 20060101ALI20240902BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20240902BHJP
G02B 6/32 20060101ALI20240902BHJP
H02J 50/30 20160101ALI20240902BHJP
H04B 10/80 20130101ALI20240902BHJP
【FI】
H01L31/02 C
H01L31/10 A
G02B6/42
G02B6/32
H02J50/30
H04B10/80 160
(21)【出願番号】P 2022544304
(86)(22)【出願日】2021-01-15
(86)【国際出願番号】 US2021013760
(87)【国際公開番号】W WO2021167724
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-09-30
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518096478
【氏名又は名称】エスエルティー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SLT Technologies, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】カードウェル,ドリュー ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】デヴリン,マーク,ピー
【審査官】原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-055620(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0155634(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0035843(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0049528(US,A1)
【文献】特開2013-161950(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0011551(US,A1)
【文献】特開昭62-299919(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102142468(CN,A)
【文献】特開2003-158291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/0392
H01L 31/08-31/119
G02B 6/26-6/43
H02J 50/30
H04B 10/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学アセンブリにおいて、
第1の非吸収層と第2の非吸収層の間に配置された1つ以上の吸収層を含む第1のダイであって、該1つ以上の吸収層、並びに、該第1および第2の非吸収層は、各々、Al
xIn
yGa
1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で
、10
10cm
-2未満の転位密度を有するものである第1のダイと、
固定部と
を含み、
各前記1つ以上の吸収層は
、20nmと500nmの間の厚さと
、吸収層表面とを有するものであり、
前記光学アセンブリは
、光学空洞領域を有し、該光学空洞領域は、
光学窓、前記1つ以上の吸収層、前記第1の非吸収層、および、前記第2の非吸収層を含むデバイス空洞領域と、
前記光学窓を通って入射した電磁波を、内部反射させて、前記デバイス空洞領域を、少なくとも2回、通り抜けさせるように構成された少なくとも2つの対向する反射部材と
を含むものであり、
前記固定部は、光ファイバの第1の端部を、前記
デバイス空洞領域の前記光学窓の表面から第1の距離に配置するように構成されたものである光学アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の距離は、2マイクロメートルと10ミリメートルの間である、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項3】
前記光ファイバは、主軸を有し、
前記光ファイバの前記主軸と前記
吸収層表面の間の角度αは、ゼロと50度の間である、請求項1または2に記載の光学アセンブリ。
【請求項4】
前記光ファイバの主軸と前記
吸収層表面に垂直な方向の間の角度γは、0と60度の間である、請求項1から3のいずれか1項に記載の光学アセンブリ。
【請求項5】
前記光ファイバの主軸と前記
デバイス空洞領域の前記光学窓に対する法線の間の角度βは、ゼロと60度の間である、請求項1から4のいずれか1項に記載の光学アセンブリ。
【請求項6】
前記光ファイバの前記第1の端部からの光放射を前記光学窓の前記表面に反射するように構成されたミラーを、
更に含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の光学アセンブリ。
【請求項7】
前記光学空洞領域は、第1の光透過部材、および、該第1の光透過部材に光学的に接続された第2の光透過部材を含むものである、請求項1から6のいずれか1項に記載の光学アセンブリ。
【請求項8】
前記光ファイバの前記第1の端部と前記光学窓の間に配置されて
、光放射を、該光学窓の前記表面と平行な方向に拡散させるように構成された光結合部材を、
更に含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の光学アセンブリ。
【請求項9】
前記光ファイバの前記第1の端部から受光した光放射を、前記第1のダイの前記デバイス空洞領域に結合するように構成された積分球を、
更に含む、請求項1、2、および4から7のいずれか1項に記載の光学アセンブリ。
【請求項10】
前記光ファイバの前記第1の端部と前記光学窓の間に配置された光結合部材を、
更に含み、
前記光学窓は、開口部を有する反射電気接続部を含むものであり、前記光結合部材は
、光放射を前記
吸収層表面に平行な面における2つの直交方向に拡散させるように構成されたものである、請求項1、2、および4から7のいずれか1項に記載の光学アセンブリ。
【請求項11】
前記光ファイバの前記第1の端部と前記光結合部材の間に配置されたファイバ結合レンズを、
更に含む、請求項10に記載の光学アセンブリ。
【請求項12】
前記デバイス空洞領域は、n側反射電気接続部およびp側反射電気接続部を更に含み、前記光学窓は、該n側反射電気接続部と該p側反射電気接続部の一方の中に配置されたものである、請求項1、2、および4から7のいずれか1項に記載の光学アセンブリ。
【請求項13】
前記光学窓は、前記電磁波を受信するように構成された表面を含み、前記第1のダイの縁部上に配置されたものであり、該光学窓の該表面の面積は、該第1のダイの該縁部の面積
の1%
と20%の間である、請求項1から8のいずれか1項に記載の光学アセンブリ。
【請求項14】
前記光ファイバの前記第1の端部と前記光学窓の間に配置されたファイバ結合レンズを、
更に含む、請求項13に記載の光学アセンブリ。
【請求項15】
光学アセンブリにおいて、
第1の非吸収層と第2の非吸収層の間に配置された1つ以上の吸収層を含む第1のダイであって、該1つ以上の吸収層、並びに、該第1および第2の非吸収層は、各々、Al
xIn
yGa
1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で
、10
10cm
-2未満の転位密度を有するものである第1のダイと、
光学要素と
を含み、
各前記1つ以上の吸収層は
、20nmと500nmの間の厚さと
、吸収層表面とを有するものであり、
前記第1のダイは、光学窓を有するデバイス空洞領域を有し、
前記デバイス空洞領域は、前記光学窓を通って入射した電磁波を、内部反射させて、前記1つ以上の吸収層を、少なくとも2回、通り抜けさせるように構成された少なくとも2つの対向する反射部材を含むものであり、
前記光学要素は、光放射を光ファイバから受光し、該受光した光放射を前記光学窓の少なくとも一部に伝送するように構成されたものである光学アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、光ファイバを通したパワー伝送技術に関し、特に、バルクガリウムおよび窒素を含む極性、半極性または非極性材料上に製造された高電流密度パワーフォトダイオード構造物およびデバイスについての技術に関する。本発明を、光エネルギーの電気エネルギーへの変換、特に、光ファイバ、他の光電子デバイスおよび同様の製品を介した変換を含む利用例に適用しうる。
【背景技術】
【0002】
電力は、典型的には、例えば、銅線などの電線を通して伝送される。しかしながら、そのような電線は、重く、取扱いが難しく、高価であり、更に、伝送される電力が電磁干渉を受けうる。これらの制約のいくつかは、光ファイバを通して電力を伝送することで解決しうるが、残念ながら、そのようなアプローチは、現在の能力では、採算面から実現できないままである。更に、現在のアプローチは、概して、赤外線波長の光を用いるものであり、それは、可視光または可視光放射と比べて、周囲環境の温度変化の影響を受け易いなど、不利である。
【0003】
窒化ガリウム(GaN)系光電子および電子デバイスは、商品として極めて重要である。これらのデバイスのうち、最良に開発されたものは、発光ダイオード(LED)およびレーザダイオードを含み、GaN系パワーダイオードおよびトランジスタの重要性が高まっている。更に、新たな利用例への関心もある。非特許文献1は、電力を、レーザダイオードを用いて光パワーに変換し、光パワーを光ファイバに結合して遠隔位置に伝送し、次に、光パワーを、フォトダイオードを用いて電力に再変換する利用例を記載している。レーザダイオードとフォトダイオードは、いずれも、GaN‐on‐サファイアのデバイスに基づくもので、システム性能は比較的低かった。17%の効率が報告されたフォトダイオードは、特に問題があった。GaN系太陽電池も、多数のグループによって報告されてきたが、典型的には、低いパワー(約1SUN(100mW/cm2))の利用例について、GaN‐on‐サファイアの構造物を用いるものだった。他の材料系についてよく知られた集光型太陽電池構造物でさえ、本発明の主要な焦点である電流密度について、概して低い電流密度の生成が可能なだけである。
【0004】
レーザダイオードの場合は、GaN‐on‐GaNのデバイスで優れた性能および信頼性が得られることが知られており、それは、欠陥密度を大きく削減し、長年に亘って最適化および改良が行われてきたものである。フォトダイオードの場合について行われてきた研究は、かなり少なかった。例えば、D’Evelynらの特許文献1は、パワーダイオード利用ではなく光検出器での利用を意図したGaN‐on‐GaNのフォトダイオードを開示している。
【0005】
近赤外線波長のGaAs系レーザおよびフォトダイオードを用いた関連する利用例も開示されている。それでも、窒化物系フォトダイオードは、対応するGaAs系デバイスおよびシステムと比べてバンドギャップが大きいことから、高温および高入力パワーレベルにおいて、かなり高い開回路電圧および優れた効率を可能にするはずである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【文献】De Santi共著、Material 11,153(2018)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、GaN系パワーフォトダイオード、および、そこへの光結合方法を改良する技術が、非常に望まれることが分かる。更に、上記問題を解決するシステム、デバイス、および、方法も必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の実施形態は、第1の表面および第2の表面を有する基板を含むフォトダイオード構造物を提供しうるもので、基板の第2の表面は、第1の表面の反対側であり、基板は、単結晶III族金属窒化物であり、基板の第1の表面は、(0001)+c面、{10-10}m面、または、{11-2±2}、{60-6±1}、{50-5±1}、{40-4±1}、{30-3±1}、{50-5±2}、{70-7±3}、{20-2±1}、{30-3±2}、{40-4±3}、{50-5±4}、{10-1±1}、{10-1±2}、{10-1±3}の1つから選択した半極性面から5度以内か、若しくは、(000-1)から、2度と5度の間の角度で異なる結晶方位を有する。フォトダイオード構造物は、基板の第1の表面の上に配置されたn型層およびp型層も含み、n型層およびp型層は、各々、AlxInyGa1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、少なくとも1×1017cm-3のドーパント濃度を有するものであり、1つ以上の吸収層は、n型層とp型層の間に配置され、1つ以上の吸収層は、AlxInyGa1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約109cm-2未満の転位密度を有するものであり、p側電気接続層は、p型層の上に配置されて、p側電気接続層は、390ナノメートルと460ナノメートルの間の少なくとも1つの波長について、少なくとも70%の平均反射率、および、3×10-3Ωcm2未満の接続抵抗を有するものであり、n側電気接続層は、基板の第2の表面の上に配置されて、n側電気接続層は、390ナノメートルと460ナノメートルの間の少なくとも1つの波長について、少なくとも70%の平均反射率、および、1×10-3Ωcm2未満の接続抵抗を有するものであり、更に、フォトダイオード構造物は、受光面を有し、受光面は、390ナノメートルと460ナノメートルの間の少なくとも1つの波長を有し、ある角度で受光面に入射する光を、n側電気接続層、および、p側電気接続層から、少なくとも1回、反射させるように位置合わせされる。フォトダイオード構造物は、少なくとも10Acm-2の電流密度を生じる光照射レベル条件下で少なくとも50%のフィルファクタも、特徴としうる。
【0010】
本開示の実施形態は、更に、1つ以上の吸収層、n型層およびp型層、キャリア基板、p側電気接続層、p側反射層、n側電気接続層、n側反射層、並びに、受光面を含むフォトダイオード構造物を提供しうるもので、1つ以上の吸収層は、AlxInyGa1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1であり、1つ以上の吸収層は、n型層の上に配置され、p型層は、1つ以上の吸収層の上に配置され、キャリア基板は、第1の表面および第2の表面を有し、キャリア基板の第1の表面は、p型層の上、または、n型層の下に配置され、p側電気接続層は、p型層と電気接続して配置され、p側電気接続層は、3×10-3Ωcm2未満の接続抵抗を有し、p側反射層は、p型層、および、キャリア基板の第2の表面の一方の上に配置され、p側反射層は、390ナノメートルと460ナノメートルの間の少なくとも1つの波長について、少なくとも70%の平均反射率を有し、n側電気接続層は、n型層と電気接続して配置され、n側電気接続層は、1×10-3Ωcm2未満の接続抵抗を有し、n側反射層は、n側層、および、キャリア基板の第2の表面の一方の上に配置され、n側反射層は、390ナノメートルと460ナノメートルの間の少なくとも1つの波長について、少なくとも70%の平均反射率を有し、受光面は、390ナノメートルと460ナノメートルの間の少なくとも1つの波長を有し、ある角度で受光面に入射する光を、n側反射層、および、p側反射層から、少なくとも1回、反射させるように位置合わせされる。n型層およびp型層は、各々、AlxInyGa1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、少なくとも1×1016cm-3のドーパント濃度を有する。キャリア基板は、390ナノメートルと460ナノメートルの間の波長で略透明である。
【0011】
本開示の実施形態は、更に、第1の表面、第2の表面、および、第3の表面を有する基板、n型層およびp型層、1つ以上の吸収層、p型電極層、n型電極層、並びに、受光面を含むフォトダイオード構造物を提供しうるもので、n型層およびp型層は、基板の第1の表面の上に配置され、1つ以上の吸収層は、n型層とp型層の間に配置され、p型電極層は、p型層の上に配置され、n型電極層は、基板の第2の表面の上に配置され、第3の表面は、受光面を含み、そこを通して受光した光を、n型電極層とp型電極層の間で少なくとも1回、反射させるように構成される。n型電極層は、その中に形成されたアレイ状の開口部を含み、390ナノメートルと460ナノメートルの間の波長で、少なくとも70%の平均反射率を有する。p型電極層は、その中に形成されたアレイ状の開口部を含み、390ナノメートルと460ナノメートルの間の波長で、少なくとも70%の平均反射率を有する。1つ以上の吸収層は、AlxInyGa1-x-yN材料を含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約109cm-2未満の転位密度を有する。n型層およびp型層は、各々、AlxInyGa1-x-yN材料を含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、少なくとも1×1016cm-3のドーパント濃度を有する。基板の第2の表面は、第1の表面の反対側であり、基板の第3の表面は、第1および第2の表面に対して、ある角度で位置合わせされ、基板は、単結晶III族金属窒化物であり、基板の第1の表面は、(0001)+c面、{10-10}m面、または、{11-2±2}、{60-6±1}、{50-5±1}、{40-4±1}、{30-3±1}、{50-5±2}、{70-7±3}、{20-2±1}、{30-3±2}、{40-4±3}、{50-5±4}、{10-1±1}、{10-1±2}、{10-1±3}の1つから選択された半極性面から5度以内か、若しくは、(000-1)から、2度と5度の間の角度で異なる結晶方位を有する。
【0012】
本開示の実施形態は、n型層とp型層の間に位置する1つ以上の吸収層を含むフォトダイオード構造物を含みうるものであり、吸収層、並びに、n型層およびp型層は、各々、AlxInyGa1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約109cm-2未満の転位密度を有し、第1および第2の非吸収層は、各々、少なくとも1×1016cm-3のドーパント濃度を特徴とし、吸収層は、約390ナノメートルと460ナノメートルの間の波長を有する光を効率的にパワー変換するように構成され、構造物は、少なくとも10Acm-2の電流密度を生じる光照射レベル条件下で、少なくとも50%のフィルファクタを特徴とする。
【0013】
本開示の実施形態は、更に、第1の非吸収層と第2の非吸収層の間に配置された1つ以上の吸収層を含むダイを含む光学デバイスを提供しうるもので、1つ以上の吸収層、並びに、第1および第2の非吸収層は、各々、AlxInyGa1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約1010cm-2未満の転位密度を有するものであり、1つ以上の吸収層は、各々、第1の方向に測定した厚さ、および、第1の平面と平行で第1の方向に垂直に向いた吸収層表面を有し、ダイは、光学窓を有するデバイス空洞領域を有し、デバイス空洞領域は、光学窓を通って入射した電磁波を、内部反射させて、1つ以上の吸収層を、少なくとも2回、通り抜けさせるように構成された少なくとも2つの対向する反射部材を含むものである。
【0014】
本開示の実施形態は、更に、光学窓、および、少なくとも2つの吸収層を含むダイを含む光学デバイスを提供しうるもので、少なくとも2つの吸収層は、n型第1の非吸収層と第2の非吸収層の間に配置され、吸収層および非吸収層は、各々、AlxInyGa1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約1010cm-2未満の転位密度を有し、別体のn型接続部は、第1の非吸収層上に配置され、p型接続部は、第2の非吸収層上に配置される。
【0015】
本開示の実施形態は、更に、少なくとも1つのレーザダイオード、少なくとも1つの光ファイバ、および、少なくとも1つのフォトダイオードを含む光ファイバ給電モジュールを提供しうる。レーザダイオードは、少なくとも1つの活性層を含み、少なくとも1つの活性層は、AlxInyGa1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1であり、約107cm-2未満の転位密度を有する。レーザダイオードは、約400ナノメートルと約500ナノメートルの間の発光波長を有するように構成される。フォトダイオードは、少なくとも1つの吸収層を含み、少なくとも1つの吸収層は、AlxInyGa1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約1010cm-2未満の転位密度を有する。フォトダイオードは、約400ナノメートルと約550ナノメートルの間の吸収層バンドギャップ波長を有するように構成される。
【0016】
本開示の実施形態は、更に、少なくとも1つのレーザダイオード、少なくとも1つの光ファイバ、および、少なくとも1つのフォトダイオードを含む光ファイバ給電システムを提供しうるもので、フォトダイオードからの電力を用いて、モノのインターネットセンサまたはアクチュエータ、若しくは、パーソナル電子装置に電力を供給する。レーザダイオードは、少なくとも1つの活性層を含み、少なくとも1つの活性層は、AlxInyGa1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約107cm-2未満の転位密度を有する。レーザダイオードは、約400ナノメートルと約500ナノメートルの間の発光波長を有するように構成される。フォトダイオードは、少なくとも1つの吸収層を含み、少なくとも1つの吸収層は、AlxInyGa1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約1010cm-2未満の転位密度を有する。フォトダイオードは、約400ナノメートルと約550ナノメートルの間の吸収層バンドギャップ波長を有するように構成される。
【0017】
光ファイバ給電モジュール、または、光ファイバ給電システムは、更に、少なくとも1つの光学分配デバイス、および/または、制御モジュールを含み、レーザダイオードのパワーを少なくとも1つの制御されたAC周波数で変調し、フォトダイオード信号を、DCパワーコンポーネントと、少なくとも1つの制御された周波数のAC信号コンポーネントとに、分離する。いくつかの場合において、レーザダイオードパワーおよびフォトダイオードパワーの変調されたACコンポーネントの振幅は、対応するDCコンポーネントの振幅の10%未満である。いくつかの実施形態において、AC信号コンポーネントは、可聴周波数で変調され、モジュールは、ヘッドホンまたはオーディオスピーカーに接続される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの制御された周波数のAC信号コンポーネントを、DCパワーコンポーネントの電力への変換も行うのと同じフォトダイオードを用いて検出する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの制御された周波数のAC信号コンポーネントは、別体の信号光検出器デバイスを用いて検出される。いくつかの実施形態において、別体の信号光検出器デバイスは、光ファイバの端部と1つのフォトダイオードの間に配置される。いくつかの実施形態において、別体の信号光検出器デバイスは、光結合部材に近接して配置され、光結合部材は、光ファイバの端部と1つのフォトダイオードの間に配置される。いくつかの実施形態において、光ファイバ給電システムは、更に、光結合部材の中に内部反射部を含み、内部反射部は、金属、誘電体、および、空隙部の少なくとも1つを含み、約1ミリメートル未満の最大寸法を有する。
【0018】
光ファイバ給電モジュール、または、光ファイバ給電システムのいくつかの実施形態において、光ファイバは、分岐構造物を有する。光ファイバ給電モジュール、または、光ファイバ給電システムのいくつかの実施形態において、少なくとも1つのレーザダイオードは、少なくとも2つのレーザダイオードを含み、少なくとも1つのフォトダイオードは、少なくとも2つのフォトダイオードを含み、モジュールは、少なくとも2つの異なる方向に信号通信が可能なように構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのフォトダイオードは、光パワーの入力および出力の両方を行うように構成される。光ファイバ給電モジュールのいくつかの実施形態において、少なくとも1つの非剛性または非接触の光結合を用いて、レーザダイオードに対するフォトダイオードの回転を適応させる。いくつかの実施形態において、光ファイバ給電システムは、更に、蛍光体、ヒートシンク、遠視野分布光を形成する反射型または透過型光学部材、センサ、および、制御システムの少なくとも1つを含む照明システムを含む。照明システムは、照明器具を含みうる。
【0019】
本開示の実施形態は、更に、第1のダイ、および、固定部を含む光学アセンブリを提供しうる。第1のダイは、第1の非吸収層と第2の非吸収層の間に配置された1つ以上の吸収層、および、光学窓を有する光学空洞領域を含み、1つ以上の吸収層、並びに、第1および第2の非吸収層は、各々、AlxInyGa1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1であり、約1010cm-2未満の転位密度を有し、固定部は、光ファイバの第1の端部を、第1のダイの光学窓の表面から第1の距離に配置するように構成される。1つ以上の吸収層は、各々、第1の方向に測定した厚さ、および、第1の平面と平行で、第1の方向に垂直に向いた吸収層表面を有する。光学空洞領域は、デバイス空洞領域を含み、デバイス空洞領域は、1つ以上の吸収層、第1の非吸収層、第2の非吸収層、および、少なくとも2つの対向する反射部材を含み、少なくとも2つの対向する反射部材は、光学窓を通って入射する電磁波を、内部反射させて、デバイス空洞領域を、少なくとも2回、通り抜けさせるように構成される。
【0020】
本開示の実施形態は、更に、1つのダイを含む光学アセンブリを提供しうるもので、第1のダイは、第1の非吸収層と第2の非吸収層の間に配置された1つ以上の吸収層を含み、1つ以上の吸収層、並びに、第1および第2の非吸収層は、各々、AlxInyGa1-x-yNを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1であり、約1010cm-2未満の転位密度を有し、光学窓を有するデバイス空洞領域を有する。光学アセンブリは、更に、光ファイバから光放射を受光し、受光した光放射を光学窓の少なくとも一部に伝送するように構成された光学要素を含みうる。1つ以上の吸収層は、各々、第1の方向に測定した厚さ、および、第1の平面と平行で、第1の方向に垂直に向いた吸収層表面を有する。デバイス空洞領域は、少なくとも2つの対向する反射部材を含み、少なくとも2つの対向する反射部材は、光学窓を通って入射した電磁波を、内部反射させて、1つ以上の吸収層を、少なくとも2回、通り抜けさせるように構成される。
【0021】
ここまで簡単に記載した本開示の特徴が詳しく分かるように、本開示を、実施形態を参照して、より詳しく記載し、そのいくつかを添付の図面に示している。しかしながら、添付の図面は、例示的な実施形態を示したものにすぎず、したがって、本開示の範囲を限定するものと考えられるべきではなく、他の同等に効果的な実施形態も認めうる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の実施形態により用意した窒化物系パワーフォトダイオード構造物を簡単に示す図である。
【
図2】本開示の実施形態により用意した代わりの窒化物系パワーフォトダイオードダイを簡単に示す図である。
【
図3】本開示の実施形態により用意した他の代わりの窒化物系パワーフォトダイオード構造物を簡単に示す図である。
【
図4】本開示の実施形態によるフォトダイオードについて、フィルファクタの定義を簡単に示す図である。
【
図5】本開示の第1の比較例によるフォトダイオードの光照射された時の電流‐電圧の振る舞い、および、フィルファクタを示す概略図である。
【
図6】本開示の第2の比較例によるフォトダイオードの光照射された時の電流‐電圧の振る舞い、および、フィルファクタを示す概略図である。
【
図7】本開示の実施形態によるフォトダイオード構造物内の半導体層の概略を簡単に示す図である。
【
図8A】本開示の実施形態によるフォトダイオード構造物について、光電流を、印加した電圧の関数として簡単に示す図である。
【
図8B】局所バンド構造を、本開示の実施形態によるフォトダイオード構造物内の位置の関数として簡単に示す図である。
【
図9A】本開示の実施形態によるフォトダイオード構造物について、光電流を、印加した電圧の関数として簡単に示す図である。
【
図9B】局所バンド構造を、本開示の実施形態によるフォトダイオード構造物内の位置の関数として簡単に示す図である。
【
図10A】本開示の実施形態によるフォトダイオード構造物について、光電流を、印加した電圧の関数として簡単に示す図である。
【
図10B】局所バンド構造を、本開示の実施形態によるフォトダイオード構造物内の位置の関数として簡単に示す図である。
【
図11】本開示の実施形態による光照射されたフォトダイオードについて、光電流を、印加した電圧の関数として簡単に示す図である。
【
図12】本開示の実施形態による光照射されたパッケージングされたフォトダイオードについて、光電流を、印加した電圧の関数として簡単に示す図である。
【
図13A】本開示の実施形態により用意した他の代わりの窒化物系パワーフォトダイオード構造物を簡単に示す図である。
【
図13B】本開示の実施形態による窒化物系パワーフォトダイオード構造物から基板を取り外す方法を簡単に示す図である。
【
図13C】本開示の実施形態による窒化物系パワーフォトダイオード構造物から基板を取り外す方法を簡単に示す図である。
【
図13D】本開示の実施形態により用意した他の代わりのフォトダイオードダイを簡単に示す図である。
【
図14A】本開示の実施形態により用意した代わりのフォトダイオード構造物を簡単に示す図である。
【
図14B】本開示の実施形態により用意したフォトダイオードダイを簡単に示す図である。
【
図14C】本開示の実施形態により用意したフォトダイオードダイを簡単に示す図である。
【
図15】本開示の1つ以上の実施形態によるInGaN/GaNフォトダイオード構造物の光照射された時のI‐V性能特性の表を含む。
【
図16A】本開示の実施形態により用意した代わりのフォトダイオードダイを簡単に示す図である。
【
図16B】本開示の実施形態により用意した代わりのフォトダイオードダイを簡単に示す図である。
【
図16C】本開示の実施形態により用意した代わりのフォトダイオードダイを簡単に示す図である。
【
図17A】本開示の実施形態により用意した代わりのフォトダイオードダイを簡単に示す図である。
【
図17B】本開示の実施形態により用意した代わりのフォトダイオードダイを簡単に示す図である。
【
図18A】本開示の実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す側面図である。
【
図18B】本開示の実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す側面図である。
【
図18C】本開示の実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す断面図である。
【
図18D】本開示の実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す断面図である。
【
図18E】本開示の実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す平面図である。
【
図19A】本開示の実施形態によるフォトダイオードダイに入射し、その中を進む光路を簡単に示す図である。
【
図19B】本開示の実施形態によるフォトダイオードダイに入射し、その中を進む光路を簡単に示す図である。
【
図19C】本開示の実施形態によるフォトダイオードダイに入射し、その中を進む光路を簡単に示す図である。
【
図19D】本開示の実施形態によるフォトダイオードダイに入射し、その中を進む光路を簡単に示す図である。
【
図19E】本開示の実施形態によるフォトダイオードダイに入射し、その中を進む光路を簡単に示す図である。
【
図20A】本開示の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す側面図である。
【
図20B】本開示の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す側面図である。
【
図20C】本開示の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す断面面図である。
【
図20D】本開示の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す断面面図である。
【
図20E】本開示の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す平面図である。
【
図21A】本開示の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイに入射し、その中を進む光路を簡単に示す図である。
【
図21B】本開示の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイに入射し、その中を進む光路を簡単に示す図である。
【
図22A】本開示の他の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す側面図である。
【
図22B】本開示の他の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す側面図である。
【
図22C】本開示の他の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す断面図である。
【
図22D】本開示の他の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す断面図である。
【
図22E】本開示の他の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す平面図である。
【
図23A】本開示の更に他の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す断面図である。
【
図23B】本開示の更に他の代わりの実施形態によるアレイ状のフォトダイオードダイを簡単に示す断面図である。
【
図24A】本開示のいくつかの実施形態による光ファイバ給電モジュールの構成を簡単に示す図である。
【
図24B】本開示のいくつかの実施形態による光ファイバ給電モジュールの構成を簡単に示す図である。
【
図24C】本開示のいくつかの実施形態による光ファイバ給電モジュールの構成を簡単に示す図である。
【
図25A】電力と変調信号の両方を組み込んだ本開示のいくつかの実施形態による光ファイバ給電モジュールの構成を簡単に示す図である。
【
図25B】電力と変調信号の両方を組み込んだ本開示のいくつかの実施形態による光ファイバ給電モジュールの構成を簡単に示す図である。
【
図25C】電力と変調信号の両方を組み込んだ本開示のいくつかの実施形態による光ファイバ給電モジュールの構成を簡単に示す図である。
【
図25D】電力と変調信号の両方を組み込んだ本開示のいくつかの実施形態による光ファイバ給電モジュールの構成を簡単に示す図である。
【
図26】詳細釣り合いモデル効率計算を、300、400、500、600ケルビンの温度における半導体バンドギャップの関数として簡単に示す図である。
【
図27A】本開示の更に他の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す断面図である。
【
図27B】本開示の更に他の代わりの実施形態によるフォトダイオードダイを簡単に示す断面図である。
【
図28】本開示の実施形態による照明システムに接続された光ファイバ給電モジュールを簡単に示す図である。
【
図29A】本開示の実施形態によるパッケージングされたフォトダイオードについて光吸収モデルを簡単に示す図である。
【
図29B】本開示の実施形態によるパッケージングされたフォトダイオードについて光吸収モデルを簡単に示す図である。
【
図30】本開示の実施形態によるパターン基板を簡単に示す図である。
【
図31A】本開示の実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側面図である。
【
図31B】本開示の実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図31C】本開示の実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す上面図である。
【
図31D】本開示の実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す上断面図である。
【
図31E】本開示の実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す底面図である。
【
図32】本開示の実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図33A】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図33B】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図33C】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図33D】本開示の代わりの実施形態による光ファイバに接続されパッケージングされたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図33E】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図33F】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図33G】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図33H】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図33I】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図34A】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図34B】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図34C】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図34D】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図34E】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図34F】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図34G】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図34H】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図34I】本開示の代わりの実施形態によるパッケージングされて光ファイバに接続されたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
【
図35A】本開示の実施形態によるパッケージングされたフォトダイオード、および、光ファイバに接続された別体の光検出器を簡単に示す側断面図である。
【
図35B】本開示の実施形態によるパッケージングされたフォトダイオード、および、光ファイバに接続された別体の光検出器を簡単に示す側断面図である。
【
図35C】本開示の実施形態によるパッケージングされたフォトダイオード、および、光ファイバに接続された別体の光検出器を簡単に示す側断面図である。
【
図35D】本開示の実施形態によるパッケージングされたフォトダイオード、および、光ファイバに接続された別体の光検出器を簡単に示す側断面図である。
【
図35E】本開示の実施形態によるパッケージングされたフォトダイオード、および、光ファイバに接続された別体の光検出器を簡単に示す側断面図である。
【
図35F】本開示の実施形態によるパッケージングされたフォトダイオード、および、光ファイバに接続された別体の光検出器を簡単に示す側断面図である。
【
図36】本開示の実施形態によるフォトダイオードダイおよび光ファイバを支持するのに用いる固定部の等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
分かり易くするために、図面で共通の同一の要素を指すのに、可能な限り同一の参照番号を用いている。更に記載しなくても、一実施形態の要素および特徴を、他の実施形態に有利に取り入れうることを企図している。
【0024】
本開示によれば、III族金属窒化物およびガリウム系基板に基づくパワーフォトダイオード構造物およびデバイスの製造および利用に関する技術を提供する。より具体的には、本開示の実施形態は、GaN、AlN、InN、InGaN、AlGaN、および、AlInGaNの1つ以上を含むフォトダイオードデバイス、構造物、並びに、デバイスの製造技術を含む。そのような構造物またはデバイスを、光電子デバイス、フォトダイオード、光ファイバ給電受光部などを含む様々な利用例で用いうる。
【0025】
既に記載したように、レーザおよびフォトダイオードは、GaAs材料系において開発が進んでいる。ヒ化物系と窒化物系の材料物性の主な違いの1つは、ヒ化物の場合は、例えば、AlGaAsを介して、格子定数に最小の影響を与えながら、バンドギャップを容易に変化させうるが、窒化物の場合は、そうではないことである。窒化物吸収層を組み込んだ従来のフォトダイオードパッケージ設計は、入射光の大部分を吸収するには、数百ナノメートル程度の吸収層の厚さを必要としうる。吸収層の吸収係数を、1×105cm-1と仮定すると、1回の通過で吸収される光は、50、100、200、300、および、400nmの厚さについて、各々、約39%、63%、87%、95%、および、98%である。窒化物の場合、そのような厚さで、青色または紫色光を効率的に吸収するのに十分なインジウム(In)を有するInGaNは、転位生成または亀裂による緩和を回避するには歪みが大きすぎうる。本発明者らは、この問題を避けるアプローチを見出し、それは、電磁波を長い光路に沿って吸収層を通して送出し、比較的薄い吸収層を含むパワーフォトダイオード構造物を備えた場合でさえ、100%近い光吸収を実現する方法を含む。この新たなアプローチの更なる利点は、優れた熱放散、ゼロまたは非常に低い格子影損失、および、長い有効少数キャリア寿命を含む。ここで、有効少数キャリア寿命は、吸収層によって放出された光子の再吸収と定義されるフォトンリサイクリングを含む。本明細書では、「光」および「光放射」という用語を交換可能に用いることが多く、別段の記載がない限りは、どちらも、概して1つ以上の波長の電磁波を記載することを意図する。
【0026】
吸収層を通る長い光路を含む配置の利点を適切に生かすために、本明細書において、新たな光結合配置、固定部、および、方法を開示する。新たな光結合方法の更なる利点は、位置合わせの容易さと正確さが改良されたこと、並びに、効率、ロバスト性、耐久性および寿命が改良されたことを含む。
【0027】
更に、積層したエピタキシャル成長層などのフォトダイオード構造物は、発光ダイオード(LED)およびレーザダイオード(LD)の構造物との類似点と相違点の両方を有する。例えば、LEDおよびLD構造物は、いずれも、通常、電子ブロッキング層をp型層の中に含み、活性領域からの電子損失を最小にし、活性領域内での放射キャリア再結合を促進する。しかしながら、そのような構造物は、フォトダイオード構造物の直列抵抗を増加させて、逆効果となりうる。同様に、LD構造物は、通常、フォトダイオードの性能を損ないうるクラッディング層、光閉じ込め層、および、分離閉じ込めヘテロ構造(SCH)層の1つ以上を含み、それは、本願とは異なる観点から設計されたからである。
【0028】
フォトダイオードについて効果的なエピタキシャル構造物を設計するために、一般的にと、活性層がInGaNまたはGa(In)Nを含むか、それからなる特定の場合との両方において、活性層光吸収および少数キャリア収集効率が高いと、検出感度および動作電流Impが高まる。点欠陥、並びに、転位および積層欠陥などの拡張欠陥の両方の欠陥密度が低いと、ショックリードホール非放射再結合を削減し、それにより、動作電圧Vmpが高くなる。更に、欠陥密度が低いことで、強力な光条件(つまり、強い光パワー(ワット)条件)下におけるフォトダイオード性能も改良される。フォトダイオードの効率ηは、η=Vmp×Imp/Pinと表しうるもので、但し、Pinは、入力放射パワーである。
【0029】
フォトダイオードの効率ηを表す他の方法は、
図4に概略を示したように、η=V
oc×I
sc×FF/P
in、但し、V
ocは、開回路電圧であり、I
scは、短絡回路電流であり、FFは、フィルファクタである。半導体フォトダイオードの効率ηを表す更に他の方法は、η=(eV
oc/E
g)×OA×IQE×FF×E
g/(hν)であり、但し、eは、電子の電荷であり、E
gは、半導体のバンドギャップであり、OAは、光吸収率(または、吸収層で吸収された入射光子の割合)であり、IQEは、内部量子効率(収集された電子正孔対を生じる吸収される光子の割合)であり、hは、プランク定数であり、νは、光子周波数である。好適な実施形態において、FFは、50%より大きいか、60%より大きいか、70%より大きいか、80%より大きいか、または、90%より大きい。
【0030】
非常に低い光子束について設計され、主にGaN‐on‐サファイア構造物を用いて製造された従来のフォトダイオードと比べて、GaN‐on‐GaN構造物を含む本発明のフォトダイオードは、半導体層の組成およびドーピングを注意深く最適化することと、多数反射励起構造物と用いる際の高い反射力、および、高い電流密度での横方向オーム損失を最小にする非常に低い接続抵抗を有する大面積のp側およびn側電気接続部とすることとによる高い変換効率を特徴とする。ある実施形態において、現在のフォトダイオード構造物は、
図2に概略的に示したように、単一のレーザまたは多数のレーザによって光照射され、その光が、縁部または開口部を通って構造物に入射する利用例のために設計される。ある実施形態において、レーザ光は、フォトダイオード構造物の縁部へ、または、フォトダイオード構造物に形成された開口部に、光ファイバ、レンズまたは導波路を用いて結合される。ある実施形態において、本発明のフォトダイオード構造物は、更に、非常に低い転位密度を取り入れて、電流を高めるための長い少数キャリア拡散長を有し、更に、開回路電圧およびフィルファクタを高めるための長い少数キャリア寿命を有する。更に、本発明のデバイスは、簡単な設計および直列抵抗の削減のために垂直に向けられたパワーデバイスにおける垂直移動を可能にする導電性基板と、屈折率が吸収層と非常に近く、光損失を最小にする透明基板とを含みうる。ある実施形態において、基板は、無極性または半極性結晶方位を有し、最適なデバイス性能とするように分極場の調整が可能である。
【0031】
図1、3は、III族金属窒化物系フォトダイオード構造物1000を簡単に示す図であり、
図2は、III族金属窒化物系フォトダイオードダイ1002を簡単に示す図である。
図1を参照すると、基板101を備える。ある実施形態において、基板101は、単結晶III族金属窒化物、ガリウム含有窒化物、または、窒化ガリウムを含む。基板101は、HVPEによって、アモノサーマル法によって、または、フラックス法によって成長されうる。ある実施形態において、基板101は、単結晶III族金属窒化物層1104を、サファイア(Al
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、または、ケイ素などの材料からなるか、それを含むテンプレート基板1101の上に成膜または成長させたテンプレートである。代わりの実施形態において、テンプレート基板1101は、ヒ化ガリウム、ゲルマニウム、ケイ素ゲルマニウム合金、MgAl
2O
4スピネル、ZnO、ZrB
2、BP、InP、AlON、ScAlMgO
4、YFeZnO
4、MgO、Fe
2NiO
4、LiGa
5O
8、Na
2MoO
4、Na
2WO
4、In
2CdO
4、アルミン酸リチウム(LiAlO
2)、LiGaO
2、Ca
8La
2(PO
4)
6O
2、窒化ガリウム(GaN)、または、窒化アルミニウム(AlN)などからなるか、それを含みうる。基板101の大面積面の一方または両方を研磨、および/または、化学機械的に研磨しうる。基板101の大面積面102は、(0001)+c面、(000-1)-c面、{10-10}m面、{11-2±2}、{60-6±1}、{50-5±1}、{40-4±1}、{30-3±1}、{50-5±2}、{70-7±3}、{20-2±1}、{30-3±2}、{40-4±3}、{50-5±4}、{10-1±1}、{10-1±2}、{10-1±3}、{21-3±1}、または、{30-3±4}から5度以内、2度以内、1度以内、または、0.5度以内の結晶方位を有しうる。{30-3±4}面は、{30-34}面、および、{30-3-4}面を意味することが分かるだろう。大面積面102は、(hkil)半極性方位を有しうるものであり、但し、i=-(h+k)であり、l、および、hとkの少なくとも一方は、ゼロではない。ある実施形態において、テンプレート基板1101は、サファイアからなるか、それを含み、(0001)、(10-10)、(10-12)、(22-43)、または、(11-23)から5度以内、2度以内、1度以内、または、0.5度以内の結晶方位を有する大面積面102を有する。ある実施形態において、テンプレート基板1101は、サファイアからなるか、それを含み、(0001)から{11-20}a面、{10-10}m面、または、a面とm面の間の中間の面に向かって、約0.5度と約8度の間、または、約2度と約4度の間の角度で異なる方位に向く大面積面102を有する。ある実施形態において、テンプレート基板1101は、立方体構造、および、{111}、{100}、{110}、または、{114}から、5度以内、2度以内、1度以内、または、0.5度以内の結晶方位を有する大面積面102を有する。他の方位も選択しうる。
【0032】
ある実施形態において、テンプレート基板1101の表面1102はパターン状で、テンプレート基板1101と、n型第1の非吸収層105、吸収層107、任意の第2の非吸収層109、並びに、p型層またはp型非吸収層111の積層物との間の光伝送を容易にする。
図30を参照すると、表面1102は、特徴物1106のパターン状アレイを含みうる。特徴物1106は、円錐、ドーム、半球、三角錐、正四角錐、または、六角錐などを含むか、それからなるものでありうる。他の形状も可能である。特徴物1106は、ピッチ1108、高さ1110、および、幅1112によって特徴付けられうる。特徴物1106は、正方形状アレイ、矩形状アレイ、または、六角形状アレイに、表面1102に亘って配列されうる。他のパターンの特徴物1106も可能である。ピッチ1108は、約0.2マイクロメートルと約10マイクロメートルの間、または、約1マイクロメートルと約5マイクロメートルの間でありうる。高さ1110は、約0.1マイクロメートルと約10マイクロメートルの間、または、約1マイクロメートルと約3マイクロメートルの間でありうる。幅1112は、約0.1マイクロメートルと約10マイクロメートルの間、または、約1マイクロメートルと約5マイクロメートルの間でありうる。ある実施形態において、テンプレート基板1101は、サファイアからなるか、それを含み、(0001)から約5度以内の結晶方位を有する面1102を有する。ある実施形態において、テンプレート基板1101を、従来から知られたように、パターンサファイア基板と称しうる。
【0033】
大面積面102は、約0.2ミリメートルと約600ミリメートルの間の最大寸法、および、約0.2ミリメートルと約600ミリメートルの間の最小寸法を有し、基板101は、約10マイクロメートルと約10ミリメートルの間、または、約100マイクロメートルと約2ミリメートルの間の厚さを有しうる。ある実施形態において、基板101は、略円形で、1つ以上のオリエンテーションフラットを有する。代わりの実施形態において、基板101は、略矩形である。ある実施形態において、大面積面102は、約50mm、100mm、125mm、150mm,200mm、250mm、または、300mmの最大寸法を有する。大面積面102の結晶方位の変化は、大面積面での平均方位に対して、約5度未満、約2度未満、約1度未満、約0.5度未満、約0.2度未満、約0.1度未満、または、約0.05度未満でありうる。
【0034】
基板101の大面積面102は、約1010cm-2未満、約109cm-2未満、約108cm-2未満、約107cm-2未満、約106cm-2未満、約105cm-2未満、約104cm-2未満、約103cm-2未満、または、約102cm-2未満の貫通転位密度を有しうる。基板101の大面積面102は、約104cm-1未満、約103cm-1未満、約102cm-1未満、約10cm-1未満、または、約1cm-1未満の積層欠陥密度を有しうる。基板101の大面積面102は、約500秒角未満、約300秒角未満、約200秒角未満、約100秒角未満、約50秒角未満、約35秒角未満、約25秒角未満、または、約15秒角未満の対称なX線ロッキングカーブ半値全幅(FWHM)を有しうる。基板101の大面積面102は、少なくとも1つ、または、少なくとも2つの独立した、または、直交した方向に、0.1メートルより大きいか、1メートルより大きいか、10メートルより大きいか、100メートルより大きいか、または、1000メートルより大きい結晶曲率半径を有しうる。特定の実施形態において、基板101の大面積面102は、約105cm-2未満の貫通転位密度、約10cm-1未満の積層欠陥密度、および、約50秒角未満の対称なX線ロッキングカーブ半値全幅(FWHM)を有する。基板101の転位密度を、ほとんどの従来のフォトダイオードと比べて低下させたことで、フォトダイオードの半導体層の転位密度が低下し、開回路電圧Vocが高まり、高い電流密度における効率が高まることが予想される。
【0035】
いくつかの実施形態において、基板101は、比較的低い貫通転位密度を有する領域によって分離された比較的高い貫通転位密度を有する領域を含みうる。比較的高い密度の領域における貫通転位密度は、約105cm-2より高いか、約106cm-2より高いか、約107cm-2より高いか、または、約108cm-2より高いものでありうる。比較的低い密度の領域における貫通転位密度は、約106cm-2未満、約105cm-2未満、または、約104cm-2未満でありうる。基板101は、比較的低い電気伝導率を有する領域によって分離された比較的高い電気伝導率の領域も含むか、別に含みうる。基板101は、約10マイクロメートルと約100ミリメートルの間、または、約0.1ミリメートルと約10ミリメートルの間の厚さを有しうる。基板101は、少なくとも約5ミリメートル、少なくとも約10ミリメートル、少なくとも約25ミリメートル、少なくとも約50ミリメートル、少なくとも約75ミリメートル、少なくとも約100ミリメートル、少なくとも約150ミリメートル、少なくとも約200ミリメートル、少なくとも約300ミリメートル、少なくとも約400ミリメートル、または、少なくとも約600ミリメートルの直径を含む寸法を有しうる。特定の実施形態において、基板101は、約250マイクロメートルと約600マイクロメートルの間の厚さ、約15ミリメートルと約160ミリメートルの間の最大横方向寸法または直径を有し、貫通転位密度が約104cm-2未満の領域を含む。
【0036】
基板101は、単結晶III族金属窒化物層1104を、テンプレート基板1101などの基板の残りの部分から容易に分離するための剥離層1103を含みうる。いくつかの実施形態において、テンプレート基板が略透明で、50cm-1未満の光吸収係数を有する場合、剥離層1103は、少なくとも1つの波長で、1000cm-1より大きい光吸収係数を有し、それにより、レーザリフトオフ技術によって、例えば、少なくとも1つのデバイス構造物の製造後に基板を取外し可能である。ある実施形態において、剥離層1103は、Coを多くドープしたGaNを含むか、それからなり、光吸収係数が全可視光範囲で5000cm-1より大きくなるまで高められる。1つの特定の実施形態において、0.5マイクロメートルと50マイクロメートルの間の厚さを有する、Coをドープした剥離層1103は、テンプレート基板1101の上にアモノサーマルで形成され、CoF2を、鉱化剤への添加剤として用い、テンプレート基板1101は、高品質のGaNシード結晶からなる。他の特定の実施形態において、Coをドープした剥離層1103は、MOCVDによって、テンプレート基板1101(例えば、高品質GaN基板)の上に、シクロペンタジエニルコバルトジカルボニル((C5H5)Co(CO)2)、コバルト(II)アセチルアセトナート(Co(CH3C(O)CHC(O)CH3)2)、トリカルボニルニトロシルコバルト(Co(CO)3NO)、二コバルトオクタカルボニル(Co2(CO)8)、および、テトラコバルトドデカカルボニル(Co4(CO)12)の少なくとも1つをドーパント前駆体として用いて形成される。更に他の特定の実施形態において、Coをドープした剥離層1103は、ハイドライド気相成長法(HVPE)によって、高品質GaN基板などのテンプレート基板1101の上に、シクロペンタジエニルコバルトジカルボニル((C5H5)Co(CO)2)、コバルト(II)アセチルアセトナート(Co(CH3C(O)CHC(O)CH3)2)、トリカルボニルニトロシルコバルト(Co(CO)3NO)、二コバルトオクタカルボニル(Co2(CO)8)、および、テトラコバルトドデカカルボニル(Co4(CO)12)の少なくとも1つをドーパント前駆体として用いて形成される。更に詳しく、米国特許第8,148,801号明細書に記載されており、その内容は参照により全体として本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、剥離層1103は、InGaNを含むか、それからなり、それにより、例えば、少なくとも1つのデバイス構造物の製造後に、光電気化学的エッチング技術によって、基板を取外し可能である。いくつかの実施形態において、InGaN含有剥離層は、約2ナノメートルと約100ナノメートルの間、または、約5ナノメートルと約50ナノメートルの間の厚さを有する。いくつかの実施形態において、剥離層は、下記の吸収層107のバンドギャップより小さいバンドギャップを有する。特定の実施形態において、剥離層1103は、InGaN、および、GaN、若しくは、AlGaNの歪層超格子を含むか、それからなる。いくつかの実施形態において、歪層超格子のインジウム(In)のパーセント(%)は、吸収層107のものより高く、MOCVDによって、高品質GaN基板などのテンプレート基板1101の上に成長する。InGaN剥離層は、更に詳しく、米国特許第8,866,149号および米国特許出願公開第2019/0088495号の各明細書に記載されており、それら内容は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0037】
ある実施形態において、基板101は、テンプレート基板1101の表面に結合されたか、または、その上に形成された単結晶III族金属窒化物層1104からなるか、それを含む。単結晶III族金属窒化物層1104は、ガリウムを含みうる。単結晶III族金属窒化物層1104は、HVPE、有機金属化学気相成長(MOCVD)、分子線エピタキシー(MBE)などによって成膜されうる。単結晶III族金属窒化物層1104は、約1マイクロメートルと約100マイクロメートルの間、約2マイクロメートルと約25マイクロメートルの間、または、約3マイクロメートルと約15マイクロメートルの間の厚さを有しうる。ある実施形態において、単結晶III族金属窒化物層1104は、ウルツ鉱型結晶構造、および、(0001)+c面、(000-1)-c面、{10-10}m面、{11-2±2}、{60-6±1}、{50-5±1}、{40-4±1}、{30-3±1}、{50-5±2}、{70-7±3}、{20-2±1}、{30-3±2}、{40-4±3}、{50-5±4}、{10-1±1}、{10-1±2}、{10-1±3}、{21-3±1}、または、{30-3±4}から5度以内、2度以内、1度以内、または、0.5度以内の結晶方位を有する。ある実施形態において、核形成層(不図示)が、テンプレート基板1101と単結晶III族金属窒化物層1104の間の界面に存在する。ある実施形態において、核形成層は、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、および、酸化亜鉛の1つ以上からなるか、それを含む。ある実施形態において、核形成層は、テンプレート基板1101の上に、低温MOCVD、スパッタリング、および、電子ビーム蒸着の少なくとも1つによって成膜される。ある実施形態において、核形成層は、約1ナノメートルと約200ナノメートルの間、または、約10ナノメートルと約50ナノメートルの間の厚さを有する。ある実施形態において、基板は、更に、1つ以上の歪管理層、例えば、AlGaN層、または、歪層超格子を含む。
【0038】
ある実施形態において、大面積面102の酸素(O)と水素(H)の少なくとも一方の原子不純物濃度は、約1×1016cm-3より高いか、約1×1017cm-3より高いか、または、約1×1018cm-3より高い。ある実施形態において、Hの原子不純物濃度のOの原子不純物濃度に対する比は、約0.3と約2の間、約1.1と約1000の間、または、約5と約100の間である。ある実施形態において、大面積面102のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、または、ヨウ素(I)の少なくとも1つの不純物濃度は、約1×1015cm-3より高いか、約1×1016cm-3より高いか、約1×1017cm-3より高いか、または、約1×1018cm-3より高い。ある実施形態において、大面積面102のO、H、炭素(C)、Na、および、Kの不純物濃度は、較正された二次イオン質量分析法(SIMS)で定量化した場合、各々、約1×1016cm-3と約1×1019cm-3の間、約1×1016cm-3と約2×1019cm-3の間、1×1017cm-3未満、1×1016cm-3未満、1×1016cm-3未満である。他の実施形態において、大面積面102のO、H、C、および、NaとKの少なくとも一方の不純物濃度は、較正された二次イオン質量分析法(SIMS)で定量化した場合、各々、約1×1016cm-3と1×1019cm-3の間、約1×1016cm-3と約2×1019cm-3の間、1×1017cm-3未満、および、約3×1015cm-3と約1×1018cm-3の間である。更に他の実施形態において、大面積面102のO、H、C、および、FとClの少なくとも一方の不純物濃度は、較正された二次イオン質量分析法(SIMS)で定量化した場合、各々、約1×1016cm-3と約1×1019cm-3の間、約1×1016cm-3と約2×1019cm-3の間、1×1017cm-3未満、および、約1×1015cm-3と約1×1019cm-3の間である。いくつかの実施形態において、大面積面102のHの不純物濃度は、較正された二次イオン質量分析法(SIMS)で定量化した場合、約5×1017cm-3と1×1019cm-3の間である。特定の実施形態において、基板101の赤外線吸収ピークは、約3175cm-1で、単位厚さ当たりの吸収度は、約0.01cm-1より高い。
【0039】
基板101は、いずれの立方晶も他の結晶構造も実質的に含まないウルツ鉱型構造を特徴とし、他の構造は、実質的なウルツ鉱型構造に対して体積で約0.1%未満でありうる。
【0040】
基板101は、約25マイクロメートル未満、約10マイクロメートル未満、約5マイクロメートル未満、約2マイクロメートル未満、または、約1マイクロメートル未満の合計厚さ変化(TTV)、および、約200マイクロメートル未満、約100マイクロメートル未満、約50マイクロメートル未満、約25マイクロメートル未満、または、約10マイクロメートル未満の巨視的湾曲を特徴としうる。基板101は、直径または特徴寸法が約100マイクロメートルより大きい大面積面102上に、約2cm-2未満、約1cm-2未満、約0.5cm-2未満、約0.25cm-2未満、または、約0.1cm-2未満の巨視的欠陥密度を有しうる。基板101の大面積面102に亘るミスカット角度の変化は、各2つの直交した結晶方位に約5度未満、約2度未満、約1度未満、約0.5度未満、約0.2度未満、約0.1度未満、約0.05度未満、または、約0.025度未満でありうる。大面積面102の二乗平均平方根表面粗さは、少なくとも10μm×10μmの領域に亘って測定した場合、約0.5ナノメートル未満、約0.2ナノメートル未満、約0.15ナノメートル未満、約0.1ナノメートル未満、または、約0.05ナノメートル未満でありうる。基板101は、キャリア密度が約1×1017cm-3と約3×1019cm-3の間で、キャリア移動度が約100cm2/V-sより高いn型導電性を特徴としうる。ある実施形態において、基板101は、高い透明性を有し、405ナノメートル、または、450ナノメートルの波長における光吸収係数が、約10cm-1未満、約5cm-1未満、約2cm-1未満、約1cm-1未満、約0.5cm-1未満、約0.2cm-1未満、または、約0.1cm-1未満である。
【0041】
ある実施形態において、AluInvGa1-u-vN層を含む1つ以上のn型第1の非吸収層105を基板上に成膜し、但し、0≦u,v,u+v≦1である。ある実施形態において、n型第1の非吸収層105は、単結晶III族金属窒化物層1104を成膜した直ぐ後に、つまり、成長工程を中断したり、基板101またはテンプレート基板1104を成膜反応器から取り除いたりすることなく、成膜される。ある実施形態において、1つ以上の更なる層を成膜して、全体構造における応力を管理するのを助ける。n型第1の非吸収層105におけるキャリア密度は、約1016cm-3と1020cm-3の間の範囲でありうる。ある実施形態において、ケイ素、ゲルマニウム、または、酸素は、n型第1の非吸収層105におけるn型ドーパントである。ある実施形態において、ゲルマニウムが、n型ドーパントとして選択される。ある実施形態において、n型第1の非吸収層105におけるn型キャリア密度は、5×1017cm-3と1020cm-3の間、または、2×1018cm-3と6×1019cm-3の間の範囲である。基板101が(0001)+c面方位を有する場合、効率的なキャリア収集のためにピエゾ電界をより効果的にスクリーニングしうるので、高いドーピングレベルが特に望ましいものでありうる。テンプレート基板1101が電気的に絶縁するか、抵抗が高い場合にも、高いドーピングレベルが望ましいものでありうる。急峻な、または勾配を有する組成またはドーピングプロファイルを、n型第1の非吸収層105内の界面で取り入れうる。成膜は、有機金属化学気相成長法(MOCVD)または分子線エピタキシー法(MBE)を用いて行いうる。例えば、基板を、MOCVD反応器内のサセプターの上に配置しうる。反応器を閉じて、排気して、更に、反応器にバックフィルした後に、サセプターを約800と約1350℃の間の温度まで窒素含有ガスの存在下で加熱しうる。1つの特定の実施形態において、サセプターを、アンモニア流中で、約1185℃まで加熱する。トリメチルガリウム(TMG)、トリエチルガリウム(TEG)、または、トリイソプロピルガリウムなどのガリウム含有有機金属前駆体の流れを、キャリアガス内で、約1標準立方センチメートル/分(sccm)と約50標準立方センチメートル/分(約0.001標準L/minと約0.05標準L/min)の間の合計速さで開始しうる。キャリアガスは、水素、ヘリウム、窒素、または、アルゴンを含みうる。成長中のV族前駆体(アンモニア)の流量のIII族前駆体(トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウム)の流量に対する比は、約2000と約12000の間である。キャリアガス内のジシランの流れを、約0.1と10sccm(約0.0001と約0.01標準L/min)の間の合計流量で開始しうる。ある実施形態において、ドーピングを、入れられた気体にSiH4、Si2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、GeH4、GeCl4、O2、および、H2Oの1つ以上を加えることによって実現する。ある実施形態において、1つ以上のn型第1の非吸収層105および第2の非吸収層109は、メタモルフィックバッファ層であり、層間の格子定数の違いを容易に適応させる。ある実施形態において、n型第1の非吸収層105のドーピングレベルは、2つ以上のレベルのドーピング、および/または、勾配を有するドーピングレベルを有し、非均一でありうる。ある実施形態において、基板温度は、n型第1の非吸収層105の成膜中に変化する。ある実施形態において、基板温度は、n型第1の非吸収層105の第1の部分については、例えば、1100と1350℃の間などの高い値に保持され、次に、n型第1の非吸収層105の第2の部分については、例えば、約700と約950℃の間など、例えば、吸収層107が成膜される温度と同じ温度などの低い温度に低下される。ある実施形態において、n型第1の非吸収層105の第2の部分の厚さは、約1ナノメートルと約20ナノメートルの間である。
【0042】
n型第1の非吸収層105を、所定の時間、所定の厚さを実現するように成膜した後に、吸収層107を成膜する。ある実施形態において、吸収層107を、MOCVDによって、約700と約950℃の間の基板温度で成膜する。インジウムを、吸収層107に、トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルインジウム(TEIn)、および、トリイソプロピルインジウムの少なくとも1つを前駆体としてMOCVDで用いることによって加えうる。吸収層107の成膜速度は、毎秒約0.005と約1ナノメートルの間、または、毎秒約0.01と約0.5ナノメートルの間、または、毎秒約0.02と約0.2ナノメートルの間となるように選択しうる。ある実施形態において、吸収層107は、意図せずにドープされる。ある実施形態において、吸収層107は、酸素、ケイ素、または、ゲルマニウムをドーパントとして用いて、ドーパント濃度は、約5×1015cm-3と約5×1019cm-3の間、または、約5×1016cm-3と約5×1018cm-3の間で、n型ドープされる。ある実施形態において、吸収層107は、Mgをドーパントとして用いて、ドーパント濃度は、約5×1015cm-3と約5×1019cm-3の間、または、約5×1016cm-3と約5×1018cm-3の間で、p型ドープされる。いくつかの実施形態において、吸収層107は、約440ナノメートルと約500ナノメートルの間のバンドギャップ波長など、約400ナノメートルと約550ナノメートルの間のバンドギャップ波長を有する。吸収層107は、単一の量子井戸、または、2~50の量子井戸を有する多重量子井戸(不図示)を含みうる。いくつかの実施形態において、吸収層107は、約10と約30の間の量子井戸を含む。量子井戸は、InGaN井戸層、および、GaNバリア層を含みうる。他の実施形態において、井戸層のバンドギャップがバリア層並びにn型第1の非吸収層105および第2の非吸収層109のバンドギャップより小さいように、量子井戸は、各々、AlwInxGa1-w-xN井戸層、および、AlyInzGa1-y-zNバリア層を含み、但し、0≦w,x,y,z,w+x,y+z≦1、並びに、w<u,y、および/または、x>v,zでありうる。井戸層およびバリア層は、各々、約0.5ナノメートルと約20ナノメートルの間の厚さを有しうる。ある実施形態において、バリア層は、約1ナノメートルと約3ナノメートルの間、約3ナノメートルと約5ナノメートルの間、約5ナノメートルと10ナノメートルの間、または、約10ナノメートルと15ナノメートルの間の厚さを有する。ある実施形態において、井戸層は、0.5ナノメートルと約1.5ナノメートルの間、約1.5ナノメートルと約2.5ナノメートルの間、約2.5ナノメートルと約3.5ナノメートルの間、約3.5ナノメートルと約4.5ナノメートルの間、または、約4.5ナノメートルと約10ナノメートルの間の厚さを有する。他の実施形態において、吸収層107は、ダブルヘテロ構造を含むか、それからなり、約20nmから約500nmの厚さのInGaNまたはAlwInxGa1-w-xN層は、GaNまたはAlyInzGa1-y-zN層によって囲まれ、但し、w<u,y、および/または、x>v,zである。ある実施形態において、ダブルヘテロ構造物の厚さは、約10ナノメートルと約25ナノメートルの間、約25ナノメートルと約40ナノメートルの間、約40ナノメートルと約60ナノメートルの間、約60ナノメートルと約100ナノメートルの間、約100ナノメートルと約200ナノメートルの間、または、約200ナノメートルより厚い。急峻な、または、勾配を有する組成またはドーピングプロファイルを、吸収層107内の界面で取り入れうる。活性層の組成および構造は、例えば、405ナノメートルまたは450ナノメートルなどの予め選択した波長で光吸収するように選択される。ある実施形態において、波長は、約400ナノメートルと約500ナノメートルの間となるように選択される。吸収層107は、フォトルミネセンス分光法によって特徴評価されうる。ある実施形態において、吸収層107の組成は、フォトルミネセンススペクトルが、フォトダイオード構造物1000の望ましい吸収波長より、5ナノメートルと50ナノメートルの間の長さか、または、10ナノメートルと25ナノメートルの間の長さかで、長い波長のピークを有するように選択される。ある実施形態において、吸収層107内の品質および層厚さは、X線回折によって特徴評価される。
【0043】
いくつかの実施形態において、次に、1つ以上の任意の第2の非吸収層109を成膜する。第2の非吸収層109は、AlsIntGa1-s-tNを含み、但し、0≦s,t,s+t≦1であり、吸収層107より高いバンドギャップを有し、更に、p型ドープされるか、意図せずにドープされうる。1つの特定の実施形態において、第2の非吸収層109は、AlGaNを含む。他の実施形態において、第2の非吸収層109は、AlGaN/GaN多重量子バリア(MQB)を含み、それは、厚さが各々約0.2nmと約5nmの間であるAlGaNとGaNの層を交互に含む。ある実施形態において、1つ以上の第2の非吸収層109は、メタモルフィックバッファ層であり、フォトダイオード構造物1000の層間の格子定数の違いを容易に適応させる。急峻な、または勾配を有する組成またはドーピングプロファイルを、第2の非吸収層109内の界面で取り入れうる。いくつかの実施形態において、第2の非吸収層109の光学設計を、基板から吸収層107を通って伝送された光の約70%より高い光反射を実現するように調整する。
【0044】
次に、AlqInrGa1-q-rNから形成されたp型層またはp型非吸収層111を、吸収層107の上に、更に、第2の非吸収層109が存在する場合には、その上に成膜し、但し、0≦q,r,q+r≦1である。p型層111は、Mgを約1016cm-3と1021cm-3の間のレベルまでドープされ、約5ナノメートルと約1マイクロメートルの間、約20ナノメートルと約400ナノメートルの間、または、約100ナノメートルと約250ナノメートルの間の厚さを有しうる。ある実施形態において、吸収層107に最も近いp型層111のMg濃度は、1018cm-3と1021cm-3の間、3×1018cm-3と3×1020cm-3の間、または、1019cm-3と2×1020cm-3の間である。基板101が(0001)+c面方位を有する場合、効率的なキャリア収集のためにピエゾ電界をより効果的にスクリーニングしうるので、高いドーピングレベルが特に望ましいものでありうる。p型層111の最も外側の1~30ナノメートルは、電気接続の改良が可能なように、p型層111の他の部分より多くドープされうる。ある実施形態において、基板温度は、p型層111の成膜中に変化する。ある実施形態において、基板温度は、p型層111の第1の部分について、例えば、約700と約950℃の間など、例えば、吸収層107が成膜される時の温度と同じ低い温度に保持される。次に、基板温度は、p型層111の第2の部分について、高いレベル、例えば、約750と約1000℃の間の温度に上げられる。ある実施形態において、p型層111の第1の部分の厚さは、約1ナノメートルと約20ナノメートルの間、または、約20ナノメートルと40ナノメートルの間である。
【0045】
特定の実施形態において、トンネル接合部および他のn型層(不図示)を、p型層111の上面に成膜する。ある実施形態において、1つ以上の更なる非吸収層、および、更なる吸収層を、トンネル接合部の上に成膜する。
【0046】
n型第1の非吸収層105、吸収層107、1つ以上の任意の第2の非吸収層109、p型層111を含み、更なる吸収層、1つ以上のn型クラッディング層、および、1つ以上のp型クラッディング層も含みうる半導体層は、基板101の大面積面102の結晶方位と同じか、約2度以内、約1度以内、または、約0.5度以内の結晶方位を有し、非常に高い結晶品質を有し、窒素を含み、109cm-2未満の表面転位密度を有しうる。半導体層は、1010cm-2未満、109cm-2未満、108cm-2未満、107cm-2未満、106cm-2未満、105cm-2未満、104cm-2未満、103cm-2未満、または、102cm-2未満の表面転位密度を有しうる。いくつかの実施形態において、半導体層は、略透明で、100cm-1未満、50cm-1未満、または、5cm-1未満の光吸収係数を、約400nmと約3077nmの間の波長、および、約3333nmと約6667nmの間の波長で有する。
【0047】
特定の実施形態において、半導体層は、m面から5度以内の方位を有し、最上面の1-100X線ロッキングカーブのFWHMは、300秒角未満、100秒角未満、または、50秒角未満である。他の特定の実施形態において、半導体層は、a面から5度以内の方位を有し、最上面の11-20X線ロッキングカーブのFWHMは、300秒角未満、100秒角未満、または、50秒角未満である。更に他の特定の実施形態において、半導体層は、{1-10±1}、{1-10±2}、{1-10±3}、{20-2±1}、{30-3±1}、または、{11-2±2}から選択された半極性方位から5度以内の方位を有し、最上面の最低次半極性対称X線ロッキングカーブのFWHMは、300秒角未満、100秒角未満、または、50秒角未満である。他の特定の実施形態において、半導体層は、(0001)c面から5度以内の方位を有し、最上面の0002X線ロッキングカーブのFWHMは、300秒角未満、100秒角未満、または、50秒角未満である。更に他の特定の実施形態において、半導体層は、(000-1)c面から10度以内の方位を有し、最上面の0002X線ロッキングカーブのFWHMは、300秒角未満、100秒角未満、または、50秒角未満である。
【0048】
ある実施形態において、プロセス開発のためには、上記のような層の1つ以上を省いた構造物の製作が有用でありうる。次に記載するように、例えば、p側反射電気接続部113を開発または最適化するために、p型層111および吸収層107を省略しうる。吸収層107の電気的、光学的および材料物性を開発または最適化するために、p側反射電気接続部113およびp型層111の1つ以上を省略しうる。
【0049】
半導体層の結晶方位、並びに、ドーピングおよびバンドギャッププロファイルは、フォトダイオード構造物、フォトダイオードダイ、または、パッケージングされたフォトダイオードの1つ以上を含むフォトダイオードの性能に大きな影響を与えうる。ヘテロ構造を含む+c面GaN系デバイスについて、GaN結合の強い極性、および、ウルツ鉱型結晶構造における反転対称の欠如による自発および圧電分極は、強い電界を生じて、望ましくないデバイス性能を生じうることがよく知られている。これらの電界が、特に高い電流密度の場合に、フォトダイオードの性能に悪影響を与えうると考えられ、本明細書において、これらの影響を解決するいくつかのアプローチを特定し、開示している。
【0050】
+c面基板を用いた場合、つまり、結晶方位が(0001)から5度以内、2度以内、1度以内、または、0.5度以内の場合、ハイパワーフォトダイオードについて、1)大面積のエピレディ基板の製品供給網が、より発展していること、2)エピタキシャル成長条件が、よく確立し安定していること、および、3)ドーパント濃度を何桁にも亘って制御するのが比較的容易であることを含む、いくつかの利点を有する。しかしながら、後述する比較例に示すように、比較的標準的なLEDタイプ構造物を用いた場合、高いフィルファクタを有するフォトダイオードを可能にしないことがありうる。
【0051】
ある実施形態において、+c面フォトダイオードにおける自発およびピエゾ電界の悪影響は、吸収層107におけるインジウム(In)パーセントが高まると深刻になるが、吸収層107のn側とp側の両方で高いドーピングレベルを用いることで軽減される。バンドギャップ位置合わせ、並びに、自発およびピエゾ電界のフォトダイオード性能への高い電流密度での影響を調べた。フォトダイオードダイのフォトダイオード構造物1000の性能の分析に用いた半導体層を、
図7に概略的に示している。簡略なモデルにおいて、吸収層730を、n型ドープ層710とp型ドープ層750の間に配置している。任意で、n型非吸収層(または、クラッディング層)720を、n型ドープ層710と吸収層730の間に配置しうる。任意で、p型非吸収層(または、クラッディング層)740を、吸収層730とp型ドープ層750の間に配置する。説明を簡単にするために、吸収層730を、厚さが40ナノメートルで、ダブルヘテロ構造としてモデル化したが、吸収層が多重量子井戸(MQW)構造物からなるか、それを含む場合にも、同様の効果が予想される。
【0052】
In
0.18Ga
0.82Nを含む1つ以上の層を含む吸収層730の場合、約473ナノメートル以下の波長を有する光を適切に吸収するが、
図8Aに示すように、短絡回路電流およびフィルファクタは、吸収層730の第1の面と接触するn型ドープ層710のドーピングレベルが2.0×10
19cm
-3で、吸収層730の第2の側と接触するp型ドープ層750のドーピングレベルが2.0×10
19cm
-3の場合に、非常に低い。
図8Bに示すように、この非常に低い性能は、分極不連続性およびInGaNとGaNの間のバンドオフセットに関して電界のスクリーニングが悪いことによると考えられる。しかしながら、吸収層730の第1の面と接触するn型ドープ層710のドーピングレベルを、3.5×10
19cm
-3に高め、吸収層730の第2の側と接触するp型ドープ層750のドーピングレベルを、6.0×10
20cm
-3に高めると、
図9Aに示すように光照射された時のI-V性能は、大きく改善する。このように性能が大きく改良されるのは、
図9Bに示すように、吸収層730、および、GaN-InGaN界面に近接した位置で、電界のスクリーニングを非常に効果的に行ったことによる。
図15の表に示すように、ドーピングレベルを吸収層730と接触する両方の層で高めることによって、フィルファクタFFを改良しうる。特に、90%より高いフィルファクタは、n型ドープ層710で、またはn型非吸収層720が存在する場合には、そこで、約3.5×10
19cm
-3以上の濃度のドーピング、更に、p型ドープ層750で、またはp型非吸収層740が存在する場合には、そこで、約2.0×10
20cm
-3以上の濃度の活性ドーピングレベルによって実現しうる。
【0053】
図1を再び参照すると、いくつかの実施形態において、フォトダイオード構造物1000は、n型第1の非吸収層105、少なくとも1つの吸収層107、および、p型層111を含み、各々、10
7cm
-2未満の貫通転位密度を有する。フォトダイオード構造物1000は、1つ以上の吸収層107、n型第1の非吸収層105、および、p型層111も含み、それらは、(000-1)-c面から2度と5度の間の角度で異なる結晶方位を有しうる。フォトダイオード構造物1000は、1つ以上の吸収層107、n型第1の非吸収層105、および、p型層111も含み、それらは、{10-10}m面から5度以内の結晶方位を有し、n型第1の非吸収層105およびp型層111は、各々、少なくとも4×10
18cm
-3のドーパント濃度を有することを特徴とする。フォトダイオード構造物1000は、1つ以上の吸収層107、n型第1の非吸収層105、および、p型層111も含み、それらは、{10-1-2}、{10-1-1}、{20-2-1}、{30-3-1}、および、{40-4-1}から選択された半極性面から5度以内の結晶方位を有し、n型第1の非吸収層105およびp型層111は、各々、少なくとも2×10
18cm
-3のドーパント濃度を有することを特徴とする。
【0054】
図15は、
図7に概略を示した構造物を有するInGaN/GaNフォトダイオードの光照射された時のI-V性能を含む。説明を簡単にするために、吸収層を、40ナノメートルの厚さのダブルヘテロ構造としてモデル化している。
【0055】
吸収層730が、約435ナノメートル以下の波長を有する光の吸収に適切であるIn
0.12Ga
0.88Nを含む1つ以上の層を含む場合、吸収層730の第1の面と接触するn型ドープ層710の、またはn型クラッディング層720が存在する場合には、そこのドーピングレベルが2.0×10
19cm
-3で、吸収層730の第2の側と接触するp型ドープ層750の、またはp型クラッディング層740が存在する場合には、そこのドーピングレベルが8.0×10
18cm
-3の場合、フィルファクタは、60%未満である。しかしながら、吸収層730の第2の側と接触するp型ドープ層750の、またはp型クラッディング層740が存在する場合には、そこのドーピングレベルを2.0×10
19cm
-3まで上げると、フィルファクタは、約80%まで上昇し、更に、吸収層730の第2の側と接触するp型ドープ層750の、またはp型クラッディング層740が存在する場合には、そこのドーピングレベルを、1.0×10
20cm
-3まで更に上げると、フィルファクタは、約93%まで上昇する。
図15の表に示した結果は、吸収層730に隣接したp型クラッディング層740のドーピングレベルを、p型ドープ層750のドーピングレベルと比べて下げると、フィルファクタが大きく低下することを示している。完全なドーピングを非ドープ吸収層730の成膜まで実現し続けるのは難しく、したがって、ドーピングプロファイルの急な変化を、950℃より低い温度で成膜された非ドープ吸収層730から、かなり高温で成膜されて望ましいドーピングレベルを有するp型ドープ層750に変わるとすぐに生じうるので、この結果は重要である。しかしながら、
図15の表にも示したように、フィルファクタFFを、n型クラッディング層720、および/または、p型クラッディング層740を、各々、吸収層730のn型側およびp型側の一方または両方に導入することによっても、特に、p型クラッディング層740が、吸収層730のインジウム濃度と、n型ドープ層710および/またはp型ドープ層750のインジウム濃度の中間のインジウム濃度を有する場合に改良しうる。クラッディング層の中間のインジウム濃度は、均一か、連続的勾配を有するか、または、階段状の勾配を有しうる。n型クラッディング層740は、歪層超格子を含みうる。いくつかの実施形態において、フォトダイオード構造物1000は、n型クラッディング層およびp型クラッディング層の少なくとも一方を含み、n型クラッディング層720は、n型ドープ層710と1つ以上の吸収層730の間に位置し、n型クラッディング層720は、少なくとも2×10
19cm
-3のドーパント濃度を有し、p型クラッディング層740は、1つ以上の吸収層730とp型ドープ層750の間に位置し、p型クラッディング層740は、少なくとも5×10
19cm
-3のドーパント濃度を有する。
【0056】
ある実施形態において、+c面方位のフォトダイオードにおける自発およびピエゾ電界の悪影響は、(000-1)から6度以内、5度以内、4度以内、3度以内、2度以内、または、1度以内など、10度以内の結晶方位を有する-c面基板を用いることで軽減される。ある実施形態において、基板および半導体層は、(000-1)から、1度と10度の間の角度で、または、2度と5度の間の角度で異なる結晶方位を有する。ある実施形態において、基板および半導体層は、(000-1)から<10-10>m方向に向かって、異なる方位に向く。ある実施形態において、基板および半導体層は、(000-1)から<11-20>a方向に向かって、異なる方位に向く。
図15の表を再び参照すると、吸収層730に直に隣接したn型ドープおよびp型ドープ層での1.0×10
16cm
-3または1.0×10
17cm
-3または1.0×10
18cm
-3のドーピング濃度は、吸収層730の12%と18%の両方のインジウム濃度について高いフィルファクタを実現するのに十分であることが分かった。基板および半導体層が、各々、-c結晶方位を有する場合に、8%より高い吸収部インジウム濃度について、n型ドープ層710およびp型ドープ層750のドーピング濃度が1.0×10
16cm
-3と1.0×10
20cm
-3の間の場合に、85%より高いフィルファクタを実現しうると考えられる。1つの例において、フォトダイオードは、少なくとも10Acm
-2の電流密度を生成する光照射レベル条件下で、少なくとも50%のフィルファクタを特徴とする。
【0057】
ある実施形態において、+c面フォトダイオードにおける自発およびピエゾ電界の悪影響は、m面基板、つまり、結晶方位が(10-10)から5度以内、2度以内、1度以内、または、0.5度以内の方位を有する基板を用いることで軽減される。
図15の表を再び参照すると、吸収層に直に隣接したn型ドープ層710で、またはn型クラッディング層720が存在する場合には、そこで、並びに、p型ドープ層750で、またはp型クラッディング層740が存在する場合には、そこでの2.0×10
19cm
-3のドーピング濃度は、吸収層の12%と18%の両方のインジウム濃度について、90%より高いフィルファクタを実現するのに十分であることが分かった。
【0058】
ある実施形態において、+c面フォトダイオードにおける自発およびピエゾ電界の悪影響は、{20-2-1}または{30-3-1}から5度以内、2度以内、1度以内、または、0.5度以内の結晶方位を有する半極性基板を用いることで軽減される。
図15の表を再び参照すると、吸収層に直に隣接したn型ドープおよびp型ドープ層での8.0×10
18cm
-3のドーピング濃度は、吸収層の12%と18%の両方のインジウム濃度について、約90%より高いフィルファクタを実現するのに十分であることが分かった。
【0059】
ある実施形態において、N極性または半極性InGaN層の炭素含有量を削減するために、従来のトリメチルガリウム(TMG)およびトリメチルインジウム(TMIn)ではなく、トリエチルガリウム(TEG)およびトリエチルインジウム(TEIn)を有機金属前駆体として用いる。例えば、半導体層の炭素濃度は、1×1018cm-3未満、または、1×1017cm-3未満である。ある実施形態において、水素(H2)と窒素(N2)キャリアガスの比、基板温度、および、圧力を最適化して、N極性半導体層でのヒロックの形成を最小にする。
【0060】
ある実施形態において、半導体層は、アニーリングされて、p型ドーパントを電気的に活性化する。ある実施形態において、アニーリングを、半導体層を成膜するのに用いるMOCVD反応器で、例えば、N2流中で、約500℃と約900℃の間の温度まで加熱して、その場で行う。ある実施形態において、アニーリングは、炉で、または、急速熱アニーリング(RTA)炉で、例えば、N2流中で、約400℃と約900℃の間の温度まで加熱して行われる。ある実施形態において、アニーリング処理中の雰囲気は、O2などの酸化気体も含みうる。ある実施形態において、アニーリング雰囲気中の酸化気体の割合は、約5%と約95%の間である。ある実施形態において、アニーリング処理の持続時間は、約1秒と約5時間の間、または、約10秒と約1時間の間である。ある実施形態において、アニーリング後に、半導体層の表面を清浄して、更なる成膜の準備をする。ある実施形態において、清浄処理は、塩酸、硝酸、または、王水などの無機酸による処理、ピラニアエッチング、緩衝酸化物エッチング、ドライエッチング、または、アルゴンプラズマなどのプラズマを用いた処理の1つ以上を含むか、それからなる。
【0061】
ある実施形態において、透明導体層を、p型半導体層の上に成膜する。ある実施形態において、透明導体層は、酸化インジウムスズまたは酸化アルミニウム亜鉛などの透明導電酸化物(TCO)を含む。ある実施形態において、透明導体層は、熱蒸着、電子ビーム蒸着、および、スパッタリングの1つ以上によって成膜される。ある実施形態において、成膜されたTCO層は、酸素を含む制御された雰囲気中で、約300と700℃の間の温度でアニーリングされて、TCO層の光学/透明性および電気的特性を共に最適化する。ある実施形態において、透明導体層は、約10ナノメートルと約1000ナノメートルの間の厚さを有する。
【0062】
本開示の各フォトダイオード構造物1000は、多数反射形状を有するパッケージングされたフォトダイオードのフォトダイオードダイ1002での使用を意図している。パッケージングされたフォトダイオードは、フォトダイオードダイ1002を含み、ヒートシンク、筐体、別体の光検出器、光学入射開口部、半田バンプ、電線接合部、または、エポキシまたはシリコーンなどのポリマーからなるか、それを含むカプセル化物の1つ以上も含みうる。いくつかの実施形態において、パッケージングされたフォトダイオードは、更に、光をフォトダイオードダイ1002に、および、そこから結合するため、並びに、更なる反射を可能にするための1つ以上の要素を含みうる。
【0063】
パッケージングされたフォトダイオードの効率を最大化するために、フォトダイオードダイ1002のフォトダイオード構造物1000の前面および後面の反射力を最大にするのが重要でありうる。フォトダイオードダイ1002は、概して、個片化またはダイシングによって、1つ以上の非吸収層105、109、吸収層107、p側反射電気接続部113およびn側反射電気接続部114を含むフォトダイオード構造物1000から、個別寸法物(例えば、矩形片)に切断される。フォトダイオードダイ1002は、デバイス空洞領域からなるか、それを含み、それは、基板および光透過部材の少なくとも一方を含み、光学窓および反射膜などの縁部構造物と境界を接しうる。デバイス空洞領域は、少なくとも2つの対向する反射部材、および、2つの対向する反射部材の間の光透過部材から形成される。光学窓を通ってデバイス空洞領域に入る電磁波は、光透過部材を通り抜けて、反射部材の間で少なくとも2回、内部反射される。1つ以上の吸収層から発せられた発光も、反射部材の間で少なくとも2回、内部反射されうる。
【0064】
いくつかの実施形態において、2つの対向する面は、互いに平行である。いくつかの他の実施形態において、2つの対向する面は、互いに平行ではない。
図1に示したフォトダイオード構造物1000において、後述するように、光透過部材は、基板101であり、反射部材は、p側反射電気接続部113およびn側反射電気接続部114である。
【0065】
更に、パッケージングされたフォトダイオードの効率を最大化するために、フォトダイオード構造物の接続部の電気抵抗を最小にするのが重要である。
図1を再び参照すると、p側反射電気接続部113を、p型層111の上に成膜しうる。好適な実施形態において、p側反射電気接続部の平均反射力は、動作中に光が入射する特定の角度または角度範囲で、70%より高いか、80%より高いか、85%より高いか、90%より高いか、95%より高いか、97%より高いか、または、98%より高い。概して、「平均反射力」という用語は、本明細書で用いるように、390ナノメートルと460ナノメートルの間の特定の波長で、デバイス動作中の入射角度の範囲のうち代表的な角度である層の表面に対する1つ以上の角度で、表面の少なくとも2つの反射率測定データ点を平均することによって計算した反射率の値を広義で記載することを意図する。パッケージングされたフォトダイオードの動作中に、いくつかの実施形態において、光(または、光放射)は、フォトダイオードダイ1002の垂直の縁部、または、略垂直の縁部に結合され、光の反射層(例えば、
図1、2のp側反射電気接続部113またはn側反射電気接続部114)への内側での入射角は、反射層の平面(例えば、
図2の大面積面102と平行な平面)から測定した場合、約0と約30度の間、約0.2と約20度の間、または、約0.3と約10度の間である。1つの例において、
図2に示した受光面252は、大面積面102に対してある角度(例えば、90°の角度)のフォトダイオードダイ1002の垂直な縁部、または、フォトダイオードダイ1002内の垂直平面として向けられる。フォトダイオードダイ1002のいくつかの実施形態において、光は、フォトダイオードダイ1002の非垂直な縁部に結合し、反射層への内側での入射角は、反射層の平面から測定した場合、約0.1と約60度の間、約0.2と約40度の間、または、約0.3と約20度の間である。フォトダイオードダイ1002の他の実施形態において、光は、フォトダイオードダイ1002の大面積面に開口部を通して結合され、反射層への内側での入射角は、反射層の平面(例えば、
図2の大面積面102と平行な平面)から測定した約30と90度の間、約45と90度の間、または、約60と90度の間である。フォトダイオードダイ1002の更に他の実施形態において、光は、フォトダイオードダイ1002の大面積面に開口部を通して結合され、斜めの角度で内部反射され、反射層への内側での入射角は、反射層の平面から測定した場合、約0.1と約45度の間、約0.3と約30度の間、または、約0.5と約20度の間である。p側反射電気接続部の接続抵抗は、3×10
-3Ωcm
2未満、1×10
-3Ωcm
2未満、5×10
-4Ωcm
2未満、2×10
-4Ωcm
2未満、10
-4Ωcm
2未満、5×10
-5Ωcm
2未満、2×10
-5Ωcm
2未満、または、10
-5Ωcm
2未満である。好適な実施形態において、接続抵抗は、1×10
-4Ωcm
2未満である。p側反射電気接続部は、銀、金、アルミニウム、ニッケル、白金、ロジウム、パラジウム、チタン、クロム、ゲルマニウム、ルテニウム、マグネシウム、スカンジウムなどの少なくとも1つを含みうる。いくつかの実施形態において、p側反射電気接続部は、少なくとも2つの層を含むか、それからなり、第1の層は、優れた電気接続を提供し、白金、ニッケル、アルミニウム、または、チタンを含み、0.1と5ナノメートルの間の厚さを有し、第2の層は、優れた光学反射力を提供し、銀、金、または、ニッケルを含み、0.4ナノメートルと1マイクロメートルの間の厚さを有する。ある実施形態において、p側反射電気接続部は、少なくとも3つの層、少なくとも4つの層、または、少なくとも5つの層を含むか、それからなるものでありうる。ある実施形態において、p側反射電気接続部は、3つの層を含み、第1の層は、銀を含み、約1ナノメートルと約200ナノメートルの間の厚さであり、第2の層は、適度な酸素親和性を有する金属を含み、約0.5ナノメートルと約2ナノメートルの間の厚さを有し、第3の層は、銀を含み、約50ナノメートルと約200ナノメートルの間の厚さを有する。ある実施形態において、適度な酸素親和性を有する金属は、ニッケルを含むか、それからなる。ある実施形態において、適度な酸素親和性を有する金属は、銅、コバルト、鉄、および、マンガンの1つ以上を含むか、それからなる。ある実施形態において、p側反射電気接続部は、成膜後にアニーリングされて、反射力が改良されるか、および/または、接続抵抗が低下する。ある実施形態において、アニーリングは、急速熱アニーリング(RTA)炉で、約300℃と約1000℃の間の温度まで加熱されて行われる。ある実施形態において、p側反射電気接続部は、約500と約900℃の間の温度まで、酸素を約0.1Torr(約13.3Pa)と約200Torr(約26664.5Pa)の間の分圧で含む制御された雰囲気中で加熱されて、適度な酸素親和性を有する金属と銀の間で相互拡散を生じて、制御された濃度の酸素原子をp側反射電気接続層に導入する。好適な実施形態において、p側反射電気接続部を約250℃より低い温度まで冷却する前に、酸素の分圧を約10
-4Torr(約0.01Pa)より低く低下させて、過剰な酸化銀の形成を回避する。ある実施形態において、p側反射電気接続部は、酸素を、約1×10
20cm
-3と約7×10
20cm
-3の間の最大局所濃度で含む。更なる詳細は、米国特許第9,917,227号明細書に記載されており、その内容は参照により全体として本明細書に組み込まれる。p側反射電気接続部は、熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、または、他の適した技術によって成膜されうる。好適な実施形態において、p側反射電気接続部は、パワーフォトダイオードのp側電極として機能する。ある実施形態において、p側反射電気接続部は、平坦で、半導体層と平行であり、それは、反射力を最大にするのに有用でありうる。代わりの実施形態において、p側反射電気接続部は、パターン状か、または、ざらつきを有し、それは、光を、例えば、開口部内で取り入れたり、取り出したりするのに有用でありうる。
【0066】
ある実施形態において、特定の反射面の反射率を、無欠のままの反射面を有する試料と反射面を取り除いた試料の少なくとも2つの種類の試料を用意することによって測定しうる。両方の試料を、測定プローブ光が、低い反射率で、第1の表面を通って入射し、測定すべき反射面に対応する第2の表面から反射および屈折し、低い内部反射率で、第3の表面を通って出射するように製作しうる。いくつかの実施形態において、パワーフォトダイオードデバイスの動作中に用いられる波長と同様の波長を有するプローブ光の波長に合わせて調整した誘電反射防止膜を用いることによって、第1および第3の表面での反射を最小にする。試料を、光が第1および第3の表面を略垂直入射で通って伝送されるように製作することによって、第1および第3の表面での反射を、更に削減しうる。反射面および第3の表面に対応する表面から伝送される光パワーを両方の種類の試料について測定し、それを用いて、反射面の反射率を従来から知られた方法により計算する。
【0067】
図1を再び参照すると、ある実施形態において、約70%より高い平均反射力を有するn側反射電気接続部114を、基板101の後面上に成膜する。好適な実施形態において、n側反射電気接続部の平均反射力は、動作中に光が入射する特定の角度または角度範囲で、80%より高いか、85%より高いか、90%より高いか、95%より高いか、97%より高いか、または、98%より高い。n側反射電気接続部の接続抵抗は、1×10
-3Ωcm
2未満、5×10
-4Ωcm
2未満、2×10
-4Ωcm
2未満、10
-4Ωcm
2未満、5×10
-5Ωcm
2未満、2×10
-5Ωcm
2未満、または、10
-5Ωcm
2未満である。好適な実施形態において、接続抵抗は、5×10
-5Ωcm
2未満である。n側反射電気接続部は、銀、金、アルミニウム、ニッケル、白金、ロジウム、パラジウム、チタン、クロムなどの少なくとも1つを含みうる。いくつかの実施形態において、n側反射電気接続部は、少なくとも2つの層を含むか、それからなり、第1の層は、優れた電気接続を提供し、アルミニウム、または、チタンを含み、0.1と5ナノメートルの間の厚さを有し、第2の層は、優れた光学反射力を提供し、アルミニウム、ニッケル、白金、金、または、銀を含み、10ナノメートルと10マイクロメートルの間の厚さを有する。ある実施形態において、n側反射電気接続部は、少なくとも3つの層、少なくとも4つの層、または、少なくとも5つの層を含むか、それからなり、反射力(最大になる)、接続抵抗(最小になる)、および、ロバスト性(最大になる)を共に最適化しうる。n側反射電気接続部は、熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、または、他の適した技術によって成膜されうる。ある実施形態において、n側反射電気接続部は、パワーフォトダイオードのn側電極として機能する。ある実施形態において、n側反射電気接続部は平坦で、半導体層と平行に位置合わせされ、それは、反射力を最大にするのに有用でありうる。代わりの実施形態において、n側反射電気接続部は、パターン状であるか、ざらつきを有し、それは、光を、例えば、開口部内で取り入れたり、取り出したりするのに有用でありうる。
【0068】
ある実施形態において、特に、n側反射電気接続部がアルミニウムを含む実施形態において、n側反射電気接続部の接続抵抗を削減するために、基板101の後面を、塩素含有ガスまたはプラズマを用いた反応性イオンエッチング(RIE)によって処理する。1つの特定の実施形態において、塩素含有ガスまたはプラズマは、SiCl4を含む。ある実施形態において、n側反射電気接続部の接続抵抗を削減するために、更に清浄工程を行う。ある実施形態において、更なる清浄工程は、塩酸、硝酸、または、王水などの無機酸による処理、緩衝酸化物エッチング、ドライエッチング、または、アルゴンプラズマなどのプラズマを用いた処理の1つ以上を含むか、それからなる。
【0069】
いくつかの実施形態において、
図2に示すように、p側反射電気接続部は、二部構成のミラー/p電極を含み、それは、不連続p電極215、および、不連続p電極215要素の上に成膜されたp側反射電気接続層として示されたp側反射電気接続部113を含む。不連続p電極215は、電気接続部として最適化され、例えば、ニッケル/金、または、白金/金の積層物として製作され、但し、ニッケルまたは白金は、約20から200nmの厚さであり、金は、約100nmから1マイクロメートルの厚さである。1つの適切な実施形態において、不連続p電極215は、片側に約1マイクロメートルと0.1cmの間の格子開口部を有する格子電極である。p側反射電気接続部113は、銀、金、アルミニウム、白金、ロジウム、パラジウム、クロムなどの少なくとも1つを含み、p型層111上、および、格子状の不連続p電極215の上に成膜されうる。好ましくは、p側反射電気接続部は、不連続p電極に任意のアニーリング処理を行った後に成膜して、相互拡散を削減する。任意で、ニッケル、ロジウム、白金、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、レニウム、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、または、MC
xN
yO
z(但し、Mは、アルミニウム、ホウ素、ケイ素、チタン、バナジウム、クロム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、または、希土類金属などの金属元素を含み、x、y、zは、各々、0と3の間である)などの拡散バリア層を、不連続p電極215とp側反射電気接続部113の間に配置する。動作電流密度は10A/cm
2で、p型層についてのシート抵抗は4×10
5Ω/sqで、電流は、p型層から格子状の不連続p電極215のみに伝導されて、p側反射電気接続部113に直に伝導されないと仮定すると、p型層内の横方向の伝導によるパーセントパワー損失は、2、5、および、10マイクロメートルの格子フィンガー間隔について、各々、約0.6、3.6、および、14.5%と計算される。不連続p電極215を、格子構成ではなく、その代わりに、大面積面102と平行な平面にドット、矩形、円などのアレイとして配列しうる。好ましくは、不連続p電極215は、約1マイクロメートルと0.1cmの間で、互いに離間される。反射金属p電極、または、反射電気接続部と不連続電極を組み合わせて用いることで、pドープ層を通る長い距離に亘る横方向のキャリア移動を必要とせずに、大面積パワーフォトダイオードを製造可能になり、したがって、デバイスの横方向のオーム損失および直列抵抗を最小にする。光の不連続p電極パターンへの主な入射を避けるように、電極パターンを設計し光伝播路を向けることによって、不連続p電極による寄生光吸収を最小にしうる。
【0070】
フォトダイオード構造物は、p型層の上に配置されたp側反射電気接続部を含み、p側反射電気接続部は、動作中に光が入射する特定の角度または角度範囲で、390ナノメートルと460ナノメートルの間の波長について、少なくとも80%の平均反射率を有し、更に、1×10-3Ωcm2未満の接続抵抗を有する。
【0071】
上記のように、本開示のフォトダイオード構造物1000は、フォトダイオードダイ、および、多数反射形状を有するパッケージングされたフォトダイオードでの使用を意図している。いくつかの実施形態において、動作中に、パッケージングされたフォトダイオードの中に配置されたフォトダイオードダイは、本明細書で光とも称する1つ以上の波長の放射を、光照射源251から受光するように構成される。光照射源251は、レーザ、光ファイバ、または、他の有用な放射源を含みうる。パッケージングされたフォトダイオードのパワー効率を最適化するために、フォトダイオードダイの前面および後面、更に、個片化した後の個々のフォトダイオードダイの側部の反射力を最大にするのが重要である。更に、接続部の電気抵抗を最小にして、フォトダイオードダイの受光面252と反射接続構造物(例えば、p側反射電気接続部およびn側反射電気接続部)の間の構成を最適化するのが重要である。
図2を再び参照すると、望ましい波長、例えば、405ナノメートルまたは450ナノメートルの光が、フォトダイオード構造物1000に、開口部または窓(不図示)を通って入り、受光面252に入射し、光が基板101および半導体層内を伝播して、p側反射電気接続部113およびn側反射電気接続部114並びに縁部反射部(不図示)から反射されうる。
図2に示すように、受光面252は、概して、光照射源251から出射された放射をp側反射電気接続部113とn側反射電気接続部114の間に配置されたフォトダイオードダイの領域に提供するように配置されて位置合わせされたフォトダイオードデバイス(または、フォトダイオードダイ)の一部を含む。いくつかの実施形態において、
図2に概略を示したように、受光面252は、フォトダイオードダイの縁部上の領域を含みうる。他の実施形態において、受光面252は、表面255または256の一方の上の開放領域を含みうるもので、その領域は、p側反射電気接続部113またはn側反射電気接続部114の各々を形成するのに用いる材料の一部を含まない。この構成において、開放領域は、光照射源251から出射された放射がp側反射電気接続部113とn側反射電気接続部114の間に配置されたフォトダイオードダイの領域に入ることが可能なように設計される。いくつかの実施形態において、受光面252は、フォトダイオードダイに対して位置合わせされて、光照射源251から送出された光を、少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回、または、少なくとも5回、p側反射電気接続部113とn側反射電気接続部114の間で反射させるようにしうる。光照射源251から送出された光は、例えば、390ナノメートルと460ナノメートルの間の少なくとも1つの波長を有しうる。
【0072】
ある実施形態において、
図2に示すように、n側反射電気接続部は、二部構成のミラー/n電極を含み、それは、不連続n電極217およびn側反射電気接続部114を含む。不連続n電極217は、電気接続部として最適化され、例えば、チタン/アルミニウム、または、チタン/アルミニウム/金の積層物として製造され、チタンは、約5から200nmの厚さで、アルミニウムまたは金は、約100nmから1マイクロメートルの厚さである。1つの適切な実施形態において、不連続n電極217は、片側に約1マイクロメートルと1センチメートルの間の格子開口部を有する格子電極である。ある実施形態において、格子電極の下の表面の一部は、格子電極の成膜前に、例えば、ウエットエッチング処理を用いて、粗くされる。ある実施形態において、粗い表面は、約300ナノメートルと約1ミリメートルの間、または、約1マイクロメートルと約200マイクロメートルの間の二乗平均平方根粗さを有する。n型GaN基板について、動作電流密度は10A/cm
2で、シート抵抗は0.27Ω/sqであると仮定すると、基板層内の横方向の伝導によるパーセントパワー損失は、0.2、0.5、1cmの格子フィンガー間隔について、各々、約0.4、2.5、9.8%と計算される。ある実施形態において、n側反射電気接続部を、この構造物から用意された個片化されたダイの表面上に、後面のn側反射電気接続部に追加で、または、その代わりに加える。ある実施形態において、n接続部およびp接続部を、各々、必要に応じてn型ドープ層またはp型ドープ層に溝を形成した後に、ダイの同じ側に追加する。溝は、従来から知られ、本明細書で更に詳しく後述するように、リソグラフィ、並びに、ドライまたはウエットエッチングによって形成しうる。n側反射電気接続部114は、銀、金、アルミニウム、白金、ロジウム、パラジウム、クロムなどの少なくとも1つを含み、基板101の後面の上に、更に、格子状の不連続n電極217の上に成膜しうる。好ましくは、電気接続部は、不連続n電極に任意のアニーリング処理を行った後に成膜して、相互拡散を削減する。任意で、ニッケル、ロジウム、白金、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、レニウム、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、または、MC
xN
yO
z(但し、Mは、アルミニウム,ホウ素、ケイ素、チタン、バナジウム、クロム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、または、希土類金属などの金属元素を含み、x、y、zは、各々、0と3の間である)などの拡散バリア層を、不連続n電極217とn側反射電気接続部114の間に配置する。不連続n電極217を、格子構成ではなく、その代わりに、大面積面102と平行な平面にドット、矩形、円などのアレイとして配列しうる。好ましくは、不連続n電極217は、約1マイクロメートルと0.1cmの間で、互いに離間される。反射金属n電極、または、反射電気接続部と不連続電極を組み合わせて用いることで、基板101を通る長い距離に亘る横方向のキャリア移動を必要とせずに、大面積パワーフォトダイオードが製造可能になり、それは、基板101のキャリア密度が透明性を最適化するために低い場合に、または、基板が、かなり薄く、例えば、約100マイクロメートル未満、約50マイクロメートル未満、または、約25マイクロメートル未満の場合に、重要でありうる。光の不連続n電極パターンへの主な入射を避けるように、電極パターンおよび光伝播路を設計することによって、不連続n電極による寄生光吸収を最小にしうる。
【0073】
フォトダイオード構造物1000は、動作中に光が入射する特定の角度または角度範囲で、390ナノメートルと460ナノメートルの間の波長について、少なくとも80%の平均反射率を有し、更に、5×10-4Ωcm2未満の接続抵抗を有するn側反射電気接続部を含みうる。
【0074】
いくつかの実施形態において、
図3に示したように、p側反射電気接続部およびn側反射電気接続部の少なくとも一方は、更に、半透明電流拡散層321を含む。半透明電流拡散層321は、酸化ニッケル(NiO)、酸化ニッケル/金(NiO/Au)、NiO/Ag、酸化インジウムスズ(ITO)、p型酸化亜鉛(ZnO)、酸化ルテニウム(RuO
2)、他の透明導電酸化物などの少なくとも1つからなるか、それを含みうる。半透明電流拡散層321は、p型層111または基板101への電気接続、例えば、オーミックまたは擬オーミックな振る舞いを容易にする。半透明電流拡散層321における光吸収を最小にするために、この層は、好ましくは、約1nmと約100nmの間の厚さを有し、70%より高い光透過率を有する。p型層の上に積層された半透明電流拡散層321について、動作電流密度は10A/cm
2で、シート抵抗は25Ω/sqであると仮定すると、電流拡散層内の横方向の伝導によるパーセントパワー損失は、0.02、0.05、0.1cmの格子間隔について、各々、約0.4、2.3、9.1%と計算される。
【0075】
いくつかの実施形態において、透明誘電体319を、半透明電流拡散層321の一部の上、並びに、不連続p電極315、および/または、不連続n電極317の間に配置する。透明誘電体は、TiO2、Ta2O5、ZrO2、SiO2、SiOx、SiNx、Si3N4、SiOxNy、Al2O3、または、MgF2の少なくとも1つを含みうる。透明誘電体319は、1/4波長の厚さ、つまり、空気中の入射光子波長を誘電媒体の屈折率で割った値の1/4に略等しい厚さを有しうる。例えば、フォトダイオード構造物1000が405ナノメートルの設計波長を有し、透明誘電体がTa2O5からなり、約2.28の屈折率を有する場合、透明誘電体319の厚さは、約405/2.28/4=44ナノメートルとして選択されうる。透明誘電体319は、不連続p電極315または不連続n電極317が配置された開放領域を含む。不連続p電極315および不連続n電極317は、ニッケル(Ni)、酸化ニッケル(NiO)、チタン‐タングステン/金(Ti-W/Au)の少なくとも1つを含みうる。好適な実施形態において、不連続p電極315、および/または、不連続n電極317は、透明誘電体の上に延伸しない。p側反射電気接続部113は、透明誘電体および電気接続部材料の上に配置されて、不連続p電極315を様々な格子開口部で電気的に相互接続する。n側反射電気接続部114は、透明誘電体および電気接続部材料の上に配置されて、不連続n電極317を様々な格子開口部で電気的に相互接続する。p側反射電気接続部113およびn側反射電気接続部114は、更に、透明誘電体319と協働して、光をデバイス内で反射する反射部を画定する。反射金属接続部の更なる変形例は、米国特許第7,119,372号明細書に記載されており、その内容は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0076】
他の組の実施形態において、
図13A、13B、13Cに概略を示したように、半導体層は、1つ以上のキャリア基板1313に移動され、テンプレート基板1101は取り外される。
図3に概略を示した構造と比較して、p側電気接続部は、同様に、半透明電流拡散層321および不連続p電極315を含み、更に、半透明電流拡散層321の一部の上に配置された透明誘電体319を含みうる(
図13A)。次に、キャリア基板1313は、p型層111か、半透明電流拡散層321が存在する場合には、それか、不連続p電極315が存在する場合には、それか、透明誘電体319が存在する場合には、それかの1つ以上と接合される。キャリア基板または光透過部材1313の接合は、接着剤によって、または、キャリア基板1313の第1の表面、および、それを接合する層の少なくとも1つの上に成膜された1つ以上の接着層(不図示)の間の熱圧縮接合によって、または、代わりに、従来から知られた接合方法によって実現しうる。ある実施形態において、キャリア基板1313および接着層は、パッケージングされたフォトダイオードについての関心波長、例えば、390ナノメートルと460ナノメートルの間の波長において透明である。ある実施形態において、キャリア基板1313は、ガラス、透明セラミック、シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、石英、サファイア、MgAl
2O
4スピネル、酸化亜鉛、または、酸窒化アルミニウムの1つ以上を含むか、それからなる。接着層は、SiO
x、GeO
x、SiN
x、AlN
x、GaO
x、Al
2O
3、Sc
2O
3、Y
2O
3、B
2O
3、R
2O
3、但し、Rは、希土類元素、MgO、CaO、SrO、HfO
2、ZrO
2、Ta
2O
5、若しくは、B、Al、Si、P、Zn、Ga、Si、Ge、Au、Ag、Ni、Ti、Cr、Zn、Cd、In、Sn、Sb、Tl、または、Pb、若しくは、それらの酸化物、窒化物、または、酸窒化物の1つ以上を含むか、それからなるものでありうる。接着層は、熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、化学気相成長、または、プラズマ強化化学気相成長など、若しくは、成膜された金属膜の熱酸化によって成膜されうる。接着層の厚さは、約1ナノメートルと約10マイクロメートルの間、または、約10ナノメートルと約1マイクロメートルの間でありうる。接着層は、例えば、約300℃と約1000℃の間の温度まで加熱されて、アニーリングされうる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの接着層は、化学機械的に研磨される。好適な実施形態において、少なくとも1つの接着層の二乗平均平方根表面粗さは、20×20μm
2の領域で約0.5ナノメートル未満、または、約0.3ナノメートル未満である。ある実施形態において、熱圧縮接合は、空気中の1立方センチメートル当たりの粒子が10,000未満、1,000未満、100未満、または、10未満のクリーンルームで行われる。ウエハの接合の直前に、粒子を、表面の1つから、スプレーイング、ブラッシング、若しくは、イオン化窒素、CO
2ジェット、CO
2雪、高抵抗水、または、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトンなどの有機溶媒などを用いたリンス処理などによって除去しうる。いくつかの実施形態において、液体に浸漬中に、対向する面を接触させる。任意で、面の少なくとも一方をプラズマに曝して、ウエハ接合を強化する。熱圧縮接合処理中の対向する面の間の圧力は、約0.1メガパスカルと約100メガパスカルの間であり、温度は、約30℃と約950℃の間、約30℃と約400℃の間、または、約30℃と約200℃の間に、約1分と約10時間の間の期間保持されうる。
【0077】
p側反射層1315は、キャリア基板1313のフォトダイオード構造物1000とは反対側の面上に成膜されうる。P側反射層1315は、銀、誘電ミラー、および、分布ブラッグ反射器(DBR)の1つ以上を含むか、それからなるものでありうる。p側反射層1315は、パッケージングされたフォトダイオードの設計波長、例えば、360ナノメートルと460ナノメートルの間の波長で、動作中に光が入射する特定の角度または角度範囲で、約80%より高い、約85%より高い、約90%より高い、約95%より高い、約97%より高い、または、約98%より高い反射力を有しうる。
【0078】
図13Bに概略を示したように、フォトダイオード構造物1000は、テンプレート基板1101からレーザリフトオフ法によって分離されうる。レーザビーム1321は、基板101の後面をラスターしうる。ある実施形態において、単結晶III族金属窒化物層1104がサファイア基板などのテンプレート基板1101上に成膜され、紫外線レーザビームが単結晶III族金属窒化物層1104とテンプレート基板1101の界面に合焦されて、単結晶III族金属窒化物層1104の後面の局所分解およびN
2のマイクロまたはナノバブルの形成を生じ、その結果、テンプレート基板1101をフォトダイオード構造物1000の残りの部分から分離する。ある実施形態において、単結晶III族金属窒化物層1104が、テンプレート基板1101の残りの部分が略透明で50cm
-1未満の光吸収係数を有する少なくとも1つの波長で、1000cm
-1より大きい光吸収係数を有する剥離層1103上に成膜された場合、剥離層1103が大きく吸収する波長を有するレーザビーム1321を剥離層1103に合焦させて、局所分解およびN
2のマイクロまたはナノバブルの形成を生じ、その結果、テンプレート基板1101をフォトダイオード構造物1000の残りの部分から分離する。フォトダイオード構造物1000の温度、レーザパワー、レーザスポットサイズ、レーザパルス幅、および/または、レーザパルス数を調節することによって、高品質エピタキシャル層または半導体構造に望ましくない破損を生じることなく、界面を最適な程度に弱くしうる。分離を有効にするレーザフルエンスは、300と900ミリジュール/cm
2、または、約400mJ/cm
2と約750mJ/cm
2の間でありうる。レーザビーム1321の均一性は、ビーム光路にビームホモジナイザーを含むことによって改良され、ビームサイズは、約4mm×4mmでありうる。いくつかの実施形態において、レーザビーム1321を、静止して保持されるのではなく、剥離層をスキャンまたはラスターする。分離は、分解により生じる金属の融点より高い温度、例えば、ガリウム金属の場合、約30℃より高い温度で行われうる。
【0079】
その代わりに、
図13Cに概略を示したように、フォトダイオード構造物1000は、テンプレート基板1101から、光電気化学エッチングによって分離されうる。ある実施形態において、剥離層1103は、InGaNを含み、吸収層のバンドギャップより小さいバンドギャップを有する。溝1322が、隣接したキャリア基板1313の間に、各半導体層から剥離層1103まで通って形成され、メサを形成しうる。溝1322は、従来から知られたように、リソグラフィの後に、ドライエッチングまたはウエットエッチングを行って形成しうる。次に、フォトダイオード構造物1000を、光電気化学エッチング液に浸漬させて、剥離層1103によって大きく吸収されるが他の半導体層の少なくともいくつかによっては吸収されない波長を有する光で照射しうる。ある実施形態において、エッチング液は、水酸化カリウム(KOH)、過硫酸カリウム(K
2S
2O
8)、水酸化ナトリウム(NaOH)、過酸化水素(H
2O
2)、エチレングリコール、および、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の1つ以上を含む。KOHは、0.01と10モルの間、または、約0.1モルと約2モルの間の濃度を有しうる。ある実施形態において、光源は、水銀アークランプ、水銀キセノンランプ、タングステンランプ、または、LEDなどの広帯域光源を含む。ある実施形態において、光源は、フィルタと接続されて、半導体層の1つ以上によって大きく吸収される波長を除去する。光源のフルエンスは、約1W/cm
2と約50W/cm
2の間でありうる。ある実施形態において、フォトダイオード構造物1000は、アノードと電気的に接続され、別体のカソードは、エッチング液に浸漬される。ある実施形態において、電流は、カソードとアノードの間を通って、剥離層1103を、溝1322の基部から始まり、横方向に延伸するように融解させる。他の実施形態において、光電気化学エッチング処理は、電極を用いない。ある実施形態において、剥離層の酸化および融解は、エッチング液中に存在するK
2S
2O
8などの酸化剤によって促進される。エッチングを、所定の時間、行った後に、剥離層1103は、実質的に融解して、フォトダイオード構造物1000をテンプレート基板1101から容易に取り外し可能になる。
【0080】
テンプレート基板1101を取り外した後に、
図13Dに概略を示し、既に記載したように、動作中に光が入射する特定の角度または角度範囲で、約70%より高いか、約80%より高いか、約90%より高いか、約95%より高いか、約97%より高いか、または、約98%より高い反射力を有するn側反射電気接続部1319を、単結晶III族金属窒化物層1104の新たに露出した後面1317上に成膜しうる。いくつかの実施形態において、表面1317は、n側反射電気接続部1319の成膜前に、ウエットプロセスまたはドライプロセスの1つ以上によって、清浄される。動作中に、光照射源251からの光は、開口部または受光面1352を通って、キャリア基板1313に、ビーム1353として入射し、p側反射層1315とn側反射電気接続部1319の間で何回も反射される。
【0081】
テンプレート基板の取外し処理、および、キャリア基板の接合処理の変形例も可能である。例えば、
図14Aに概略を示したように、透明または不透明でありうる第1のキャリア基板1411を、p側反射電気接続部113に接合する。第1のキャリア基板1411は、サファイア、炭化ケイ素、酸化亜鉛、ケイ素、SiO
2、ガラス、銅、銀、および、アルミニウムの1つ以上を含むか、それからなるものでありうる。次に、テンプレート基板1101を、既に記載し、
図13B、13Cに概略を示した処理と同様の処理によって取り外した後に、
図14Bに概略を示し、既に記載したように、半透明電流拡散層321を、単結晶III族金属窒化物層1104の新たに露出した後面1417上に成膜しうる。半透明電流拡散層321は、単結晶III族金属窒化物層1104への電気接続、例えば、オーミックまたは擬オーミックな振る舞いを容易にする。いくつかの実施形態において、透明誘電体319は、半透明電流拡散層321の一部の上、および、不連続n電極317の間に配置される。ある実施形態において、不連続n電極317は、高い反射力を有し、透明誘電体319は、反射防止層である。
図14Cに示すように、次に、関心波長で透明な第2のキャリア基板1413の第1の表面は、単結晶III族金属窒化物層1104、半透明電流拡散層321、不連続n電極317、および/または、透明誘電体319に接合されうる。次に、n側反射層1414は、光透過部材として機能する第2のキャリア基板1413の第2の表面に成膜されうる。ここで、光照射源251からの光は、開口部または受光面1452を通って、キャリア基板1313にビーム1453として入射し、p側反射電気接続部113とn側反射層1414の間で何回も反射される。
【0082】
ある実施形態において、
図16A、16B、16Cに概略を示したように、n型およびp型電気接続部の両方を、光透過部材の同じ側に配置する。ある実施形態において、光透過部材は、半導体層が成膜された基板を含むか、それからなる。他の実施形態において、半導体層を基板から取り外して、次に、光透過部材に接合する。基板または光透過部材は、半導体層と、および誘電層が存在する場合には、それと共に、光が、吸収層107で吸収される時に、光が通って何回も反射されるデバイス空洞領域1669を画定しうる。ある実施形態において、デバイス空洞領域1669は、空気、若しくは、気体状または液体状の流体、若しくは、誘電体で充填された領域を含む光学空洞領域の一部をデバイス空洞領域1669に追加で含みうる。光透過部材および横方向の電気接続部のいくつかの実施形態を、更に詳しく以下に記載する。
【0083】
1つの特定の実施形態において、
図16Aに示すように、電気接続部は、テンプレート基板1101上のデバイス層上に配置され、テンプレート基板1101上のメサ1651に隣接配置されて、デバイス空洞領域1669を画定しうる。デバイス空洞領域1669において、光透過部材は、基板101であり、反射部材は、p側反射電気接続部113およびn側反射層1414である。そのような構成は、例えば、テンプレート基板1101が電気的に絶縁する場合に利点を有しうる。p型層111および任意の半透明電流拡散層321を成膜した後に、溝1653を、隣接したメサ1651の間に、リソグラフィおよびドライエッチングによって、従来から知られた処理を用いて形成しうる。溝1653の深さは、n型第1の非吸収層105の領域が露出するが、n型第1の非吸収層105の厚さの大部分が溝1653の下で無欠なままで、最小のオーム損失で優れた横方向の電気伝導が可能なように選択しうる。p側反射電気接続部113は、溝1653の形成前、または、形成後に成膜されうる。n側電気接続部1657は、n型第1の非吸収層105の露出部分上に成膜されうる。絶縁誘電層1655は、p側反射電気接続部113とn側電気接続部1657の間に配置される。絶縁誘電層1655は、例えば、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、原子層成膜(ALD)、または、高密度プラズマ化学気相成長(HDPCVD)によって成膜され、SiO
2、SiN
x、Al
2O
3などを含みうる。いくつかの実施形態において、絶縁誘電層1655は、p側反射電気接続部113およびn側電気接続部1657の一方または両方の後に、成膜される。いくつかの実施形態において、絶縁誘電層1655は、p側反射電気接続部113およびn側電気接続部1657の一方または両方の前に成膜される。n側電気接続部1657の接続抵抗は、1×10
-3Ωcm
2未満、5×10
-4Ωcm
2未満、2×10
-4Ωcm
2未満、10
-4Ωcm
2未満、5×10
-5Ωcm
2未満、2×10
-5Ωcm
2未満、または、10
-5Ωcm
2未満である。好適な実施形態において、接続抵抗は、5×10
-5cm
2未満である。n側電気接続部1657は、銀、金、アルミニウム、ニッケル、白金、ロジウム、パラジウム、チタン、クロムなどの少なくとも1つを含みうる。ある実施形態において、n側電気接続部が配置される表面は、SiCl
4プラズマに曝されて、n側電気接続部の成膜前に電気接続抵抗が削減される。次に、n側反射層1414は、テンプレート基板1101の後面1659上に成膜されうる。n側反射層1414は、銀およびアルミニウムの1つ以上を含むか、または、それからなるものでありうる。80%より高いか、85%より高いか、90%より高いか、95%より高いか、97%より高いか、または、98%より高い反射力を可能にするために、必要に応じて、n側反射層1414の成膜前に、後面1659を研削、および/または、研磨し、任意で、化学機械研磨しうる。好適な実施形態において、ダイ個片化後に、メサ1651の幅は、溝1653の幅より非常に大きく、p側反射電気接続部113とn側反射層1414の間で内部反射された光の非常に僅かな部分がデバイスの側部から出て失われる。ある実施形態において、n側電気接続部1657は、高反射性で、70%より高いか、80%より高いか、90%より高いか、または、95%より高い反射力を有しうる。
【0084】
ある実施形態において、デバイスは、フリップチップされて、p型およびn型電気接続部の両方が、デバイス構造物の同じ側に配置される。そのような構成は、例えば、テンプレート基板1101が光学的に透明だが、電気的に絶縁の場合に、利点を有しうる。
図17Aを参照すると、p型層111の成膜後に、2つ以上のビアを、p型層111を、第2の非吸収層109が存在する場合には、それを、更に、吸収層107を通って、n型第1の非吸収層105までエッチングしうる。ビアは、従来のリソグラフィ、および、反応性イオンエッチング(RIE)、誘導結合プラズマ(ICP)、または、化学反応併用イオンビームエッチング(CAIBE)などのドライエッチング処理によって形成しうる。絶縁誘電層1616を、ビアの側壁部上に、例えば、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、原子層成膜(ALD)、または、高密度プラズマ化学気相成長(HDPCVD)によって成膜し、絶縁誘電層1616は、SiO
2、SiN
x、Al
2O
3などを含みうる。p側反射電気接続部113は、ビアの間のp型層111の一部の上に成膜され、n側反射電気接続部1614は、ビアの中に配置されうる。誘電反射層1618、または、金属n側反射層を、基板101またはテンプレート基板1101の後面上に成膜しうる。望ましい波長、例えば、405ナノメートルまたは450ナノメートルの波長の光は、フォトダイオード構造物1000に、受光面252を含みうる開口部または窓(不図示)を通して入射し、出射された光が基板101および半導体層内を伝播し、p側反射電気接続部113、n側反射電気接続部1614から、誘電反射層1618から、および、縁部反射部(不図示)から反射されうる。デバイス内の光は、ビアの中に配置された材料から、いくらか散乱する。しかしながら、ビアの面積率は、比較的小さく、深さは、基板101の厚さと比べて小さいので、散乱は若干となる。
【0085】
代わりの実施形態において、
図17Bに概略を示したように、ビアは、p側ではなく、n側に配置される。例えば、
図13Cを再び参照すると、テンプレート基板1101を取り外した後に、
図13Dに概略を示したように、n側反射電気接続部1319を表面1317に成膜または接合するのではなく、その代わりに、2つ以上のビアを、単結晶III族金属窒化物層1104、n型第1の非吸収層105、および、吸収層107を、更に、第2の非吸収層109が存在する場合は、それを通って、p型層111または半透明電流拡散層321までエッチングして形成しうる。
図17Aに示したようなフォトダイオードダイ1002の構造と類似の絶縁誘電層1616、p側反射電気接続部1615、および、n側反射電気接続部1663を配置しうる。
【0086】
図16Bを再び参照すると、ある実施形態において、電気接続部を、キャリア基板1313の下方および横方向のデバイス層上に配置する。そのような構成は、キャリア基板1313が光学的に透明であるが、電気的に絶縁で、光透過部材の他の例を構成する場合に有利でありうる。例えば、p側反射電気接続部1661を、p型層111、半透明電流拡散層321、不連続p電極315、および、透明誘電体319の1つ以上と接続させて配置しうる。キャリア基板1313に隣接するか、または、それを囲み、更に、その中にp側反射電気接続部1661が配置される間隙または溝1654を、キャリア基板1313を、ダイシングソーを用いて切断、キャリア基板1313を、例えばソーで切断後に残った部分を通したウエットまたはドライエッチング、または、単一の大きいキャリア基板ではなく、多数の個別のキャリア基板1313を接合配置することの1つ以上によって形成しうる。n側反射電気接続部1319を、単結晶III族金属窒化物層1104の下側に成膜しうる。
【0087】
図16Cを再び参照すると、ある実施形態において、電気接続部を、第2のキャリア基板1413の下方および横方向のデバイス層上に配置し、それは、光透過部材の更に他の実施形態を構成しうる。そのような構成は、第2のキャリア基板1413が光学的に透明であるが、電気的に絶縁の場合に有利でありうる。例えば、n側反射電気接続部1663を、単結晶III族金属窒化物層1104、半透明電流拡散層321、不連続n電極317、および、透明誘電体319の1つ以上と接続させて配置しうる。第2のキャリア基板1413に隣接するか、または、それを囲み、更に、その中にn側反射電気接続部1663が配置される間隙または溝1656を、第2のキャリア基板1413を、ダイシングソーを用いて切断、第2のキャリア基板1413を、例えばソーで切断後に残った部分を通したウエットまたはドライエッチング、または、単一の大きいキャリア基板ではなく、多数の個別の第2のキャリア基板1413を接合配置することの1つ以上によって形成しうる。
【0088】
ある実施形態において、フォトダイオード構造物1000は、個片化前に、特徴評価されうる。例えば、透過率または反射率などの光学特性を、光吸収スペクトル分析によって調べうる。1つ以上の層の形状を、微分干渉顕微鏡法(DICM、または、Nomarski)、および/または、原子間力顕微鏡法によって、特徴評価しうる。1つ以上のエピタキシャル層のルミネセンス特性は、フォトルミネセンス分光法、フォトルミネセンス顕微鏡法、および、顕微蛍光法の1つ以上によって特徴評価されうる。1つ以上の層の不純物濃度を、較正された二次イオン質量分析法(SIMS)によって特徴評価しうる。1つ以上のエピタキシャル成長層の結晶化度を、X線回折によって特徴評価しうる。1つ以上の層の電気特性を、Hall測定、Van der Pauw測定、または、非接続抵抗測定によって特徴評価しうる。p側およびn側反射電気接続部の1つ以上、並びに、1つ以上の層の接続抵抗および直列抵抗を、伝送線測定(TLM)によって調べうる。フォトダイオードの電気的特性およびパワー変換効率は、暗状態、または、従来の光源、または、様々な強度のレーザ光源による光照射下のいずれかでの電流-電圧(I-V)測定によって特徴評価されうる。フォトダイオード構造物1000内の少数キャリア収集は、量子効率測定によって定量化されうる。フォトダイオード構造物1000は、エレクトロルミネセンス測定によって、更に特徴評価されうる。
【0089】
ウエハ段階の製造後に、例えば、レーザスクライブおよび劈開、レーザ切断、ステルスダイシング、ダイソーイングなどによって、個々のフォトダイオードダイへと分離し、パッケージングされうる。結晶軸に対するダイシングまたは劈開方向を、縁部の形状を制御するように選択しうる。例えば、半導体層、反射p型、および/または、n型接続部、並びに、他のデバイス構造部を含むc面製造フォトダイオードウエハは、平滑な劈開面となるようにm面に沿って、または、m面ファセットで構成された粗い劈開面となるようにa面に沿って劈開されうる。
【0090】
図18A~18Eは、角部または縁部を通る横照射用に設計されパッケージングされたフォトダイオードのフォトダイオードダイ1002の概略を簡単に示す側面図、断面図、および、平面図である。
図18Eは、
図18A~18Dに示す図面の視点位置を示す破線を含む。n側反射電気接続部114、および、p側反射電気接続部113に追加で、パッシベーション層の成膜または形成により、または、1つ以上の処理技術(例えば、プラズマにより生成されたイオンまたはラジカルに曝す処理、反応性アニーリング処理など)を既存の層に行ってデバイス縁部に沿ってシャント電流路を削減することによって、1つ以上の吸収層の側縁部を不活性化しうる(例えば、本明細書において、縁部パッシベーション部とも称する)。ある実施形態において、パッシベーション処理部は、被膜を含むか、それからなり、被膜は、AlN
x、Al
2O
3、TiO
2、Ta
2O
5、ZrO
2、SiO
2、SiO
x、SiN
x、Si
3N
4、SiO
xN
y、AlO
xN
y、または、Si
uAl
vO
xN
yの1つ以上を含むか、それからなる。ある実施形態において、パッシベーション膜または層を、原子層成膜(ALD)、化学気相成長(CVD)、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、高密度プラズマ化学気相成長(HDPCVD)、または、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ成膜によって成膜する。ある実施形態において、成膜されたパッシベーション層は、水素を、10
19cm
-3より高い濃度で含み、それは、半導体層とパッシベーション層の間の界面で未結合手の点欠陥を不活性化する。ある実施形態において、パッシベーション層は、半導体層より低い仕事関数を有する。いくつかの実施形態において、縁部パッシベーション部は、フォトダイオードダイで用いられないか、その上に形成されない。
【0091】
フォトダイオードダイの縁部の1つの位置で、縁部は、光学窓912を含む。光学窓912は、反射防止光学窓層911で被膜され、縁部の周囲の残りの部分は、縁部反射層905で被膜されうる。いくつかの実施形態において、縁部の光学窓912部分は、反射防止光学窓層911の代わりに、または、追加で、望ましい粗さ、または、ざらつきを有する面を含む。ある実施形態において、光学窓912は、角部に配置される。他の実施形態において、光学窓912は、角部から離れて配置される。光学窓912の面積は、大面積面102と平行な平面で測定した場合、少なくとも1つの吸収領域の表面積の約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.2%未満、または、約0.1%未満でありうる。反射防止光学窓層911は、MgF
2、SiO
2、Al
2O
3、HfO
2、LaTiO
3、Si
3N
4、または、TiO
2の少なくとも1つを含み、電子ビーム成膜、スパッタリング、または、他の適した成膜技術によって成膜されうる。ある実施形態において、反射防止光学窓層911は、ざらつきを有する。ある実施形態において、光学窓912の縁部の面法線と、基板の面法線の間の角度は、90度から外れうる。光学窓912は、1つ以上の平坦層、および/または、ざらつきを有する構造物を含みうる。ある実施形態において、光学窓912の方向は、ダイの縁部と平行である。他の実施形態において、光学窓は、ダイの縁部と平行ではない外方向を有し、例えば、ファイバに非垂直入射角度で接続した時の光損失を最小にする。縁部反射層は、銀、金、アルミニウム、白金、ロジウム、パラジウム、クロムなどの少なくとも1つを含み、電子ビーム成膜またはスパッタリングによって成膜しうる。ある実施形態において、縁部反射層は、誘電層を含み、縁部反射を高めうる。光学窓912に入射する光は、基板上に配置された半導体層の組合せ(非吸収部、吸収部、および、p型接続半導体層を含む)915(
図18C~18D)を何回も通り抜ける。
【0092】
ダイは、下側ヒートシンク901または上側ヒートシンク909の1つ以上に取り付けられうる。別体のサブマウントも備えられ、ダイと下側ヒートシンク901または上側ヒートシンク909との間に配置されうる。ヒートシンクおよびサブマウントは、銅、アルミニウム、ケイ素、炭化ケイ素、サファイア、窒化アルミニウム、酸化ベリリウム、ダイヤモンドなどの少なくとも1つを含む層、および/または、プレート、若しくは、他の形状物を含みうる。フォトダイオードダイ1002は、ヒートシンク、および/または、サブマウントに、Au/Sn共晶、Au/Ge共晶、または、同様の接合層の1つによって取り付けられうる。
【0093】
図19A、19B、19C、19D、19Eは、各々、光ファイバ1001からフォトダイオードダイ1002への光路の概略を示す断面図および平面図である。
図19A~19Eについて記載する光ファイバ1001は、以下に非常に詳しく記載する光ファイバ3180と同様に構成される。これらの図面において、X方向は、フォトダイオードダイの面内に(つまり、大面積面102と平行に)第1の方向に沿って選択され、Y方向は、ダイの面内でX方向に垂直になるように選択され、Z方向は、ダイの平面に垂直になるように選択される。反射防止膜1003を有しうる光ファイバ1001を、光学窓912に、フォトダイオードダイの平面(
図19Aを参照)に対して角度αで、および、ダイの縁部1902(
図19Bを参照)に対して角度βで接続しうる。1つの例において、フォトダイオードダイの平面は、
図19AのXY面と平行である半導体層915の主面に、概して平行である。いくつかの実施形態において、
図19Bに示したように、光ファイバ1001は、フォトダイオードダイに、縁部1901(例えば、
図19Bのフォトダイオードダイ1002の受光縁部)に対する角度Δも含むように接続される。角度αがゼロ度から外れると、ダイに入射する光を、p型反射接続部およびn型反射接続部から何回も反射させる。ある実施形態において、全内部反射を、上面および底面ミラーで利用しうる。ある実施形態において、αの値は、0と約50度の間、0と約40度の間、0と約20度の間、または、0と約5度の間、若しくは、更に、0.1と5度の間となるように選択される。角度βがゼロ度から外れると、ダイに入射する光を、縁部反射層から何回も反射させ、全ダイ体積を光照射する。βの値が比較的小さい場合、光は、フォトダイオードダイ1つの縁部から他の縁部へ、徐々に進みながら反射される(
図19B)。βの値が大きくなると、光は、ダイをより少ない回数の反射で横切る(
図19C)。ある実施形態において、βの値は、0と約60度の間、0と約20度の間、0と約10度の間、10と約30度の間、または、約30と約50度の間となるように選択される。ある実施形態において、ダイは、Y方向に狭く、例えば、幅は、ダイの厚さの5倍と0.5倍の間、ダイの厚さの2倍と0.8倍の間、または、ダイの厚さの1.5倍と1倍の間で、βの値は、例えば、約20度未満、約10度未満、約5度未満、または、略ゼロなどの小さい値でありうるもので、光は、ダイの遠端部に進行し、次に、略同一の光路に沿って戻るように反射される。ある実施形態において、ダイの縁部からの反射は、全内部反射を用いること、つまり、内部光線の面法線に対する入射角度を、(360/(2π))*arcsin(n
1/n
2)度より確実に大きくすることによって、容易に効率的にしうるもので、但し、n
1は、外側屈折率であり、n
2は、内側屈折率である。ある実施形態において、角度Δの値は、0と約20度の間、0と約10度の間、または、0と約5度の間、若しくは、更に0.1と5度の間となるように選択される。
【0094】
1つ以上の光ファイバを、フォトダイオードダイに、コネクターおよびフェルールの1つ以上を含む固定部を用いて、従来から知られた方法によって接続しうる。一実施形態において、
図36に示したように、固定部3601は、支持構造物3611、実装プレート3610、および、光ファイバ3180の発光端部3182をフォトダイオードダイ1002の縁部1901(例えば、
図19B、36)または表面(例えば、
図33A~33Iのn側反射電気接続部を含む面)に対して配置、支持、および位置合わせするように構成された実装要素3620を含む。光ファイバ3180は、実装プレート3610の表面3609に、実装要素3620を用いて、配置され取り付けられる。実装要素3620は、光ファイバの一部を保持するように構成された簡単なクランプデバイスを含みうる。しかしながら、いくつかの実施形態において、実装要素3620は、光ファイバ3180の一部に接続されたコネクターまたはフェルールを支持するように構成された1つ以上の保持特徴物を含みうる。フォトダイオードダイ1002も、実装プレート3610の表面3609上に配置され取り付けられる。いくつかの実施形態において、フォトダイオードダイ1002は、実装プレート3610の表面3609に、取外し自在クランプ、固定要素、接着剤、金属またはセラミック接合層、若しくは、従来から知られた他の同様のデバイスまたはデバイス保持方法を用いて接合されるか、クランプされる。いくつかの実施形態において、フォトダイオードダイ1002は、フォトダイオードダイ1002の活性領域と実装プレート3610の表面3609の間に配置されたヒートシンク901を含む。いくつかの実施形態において、サブマウント(不図示)は、フォトダイオードダイ1002とヒートシンク901の間に配置される。いくつかの実施形態において、光ファイバ3180の第1の端部(つまり、発光端部3182)、光ファイバの主軸3181A(
図31B、36)、並びに、フォトダイオードダイの第1の縁部および第2の縁部の相対位置を、約1マイクロメートルと約1ミリメートルの間、または、約1マイクロメートルと約100マイクロメートルの間、または、約2マイクロメートルと約50マイクロメートルの間、または、約3マイクロメートルと約25マイクロメートルの間の許容誤差で制御する。いくつかの実施形態において、固定部は、光ファイバの放射出射端部3182を、光学窓912の表面から、約2マイクロメートルと約10ミリメートルの間である第1の距離3630(
図36)に配置するように構成される。光ファイバ3180の放射出射端部3182が、フォトダイオードダイ1002の縁部1901とも、光学窓912の表面とも平行でない構成において、第1の距離を、主軸3181Aが、光ファイバ3180の放射出射端部3182を通って延伸する点から、光学窓912の表面、または、フォトダイオードダイ1002の縁部1901に当たる出射放射光の中心まで測定しうる。同様に、光ファイバ3180の放射出射端部3182が、光結合部材3187の受光面(
図33A~33E)とも、光導波路3190の受光面(
図31A~32)とも平行でない構成において、第1の距離(例えば、
図31Bの距離D
1)を、主軸3181Aが、光ファイバ3180の放射出射端部3182を通って延伸する点から、光結合部材3187または光導波路3190の受光面に当たる出射放射光の中心まで測定しうる。
【0095】
固定部は、概して、光ファイバ3180の発光端部3182の光起電ダイ1002の受光縁部1901に対する相対位置を、約1マイクロメートルと約1ミリメートルの間の許容誤差内で一定に保持するのに用いる構造物を提供する。いくつかの実施形態において、実装プレート3610は、光ファイバ3180、および/または、フォトダイオードダイ1002の熱膨張係数(CTE)と一致するようなCTEを有する材料から形成されて、フォトダイオードパッケージの動作中に、望ましい許容誤差を維持するのを助ける。1つの例において、実装プレート3610は、Kovar(登録商標)、Invar、または、光ファイバ3180、および/または、フォトダイオードダイ1002を形成する材料と同様のCTEを有する他の材料などの材料を含む。
【0096】
ある実施形態において、シリカ、ガラス、および、プラスチックの1つ以上を含むか、それからなり、シングルモードまたはマルチモードでありうる1つ以上の光ファイバの端部は、フェルールに、エポキシなどの接着剤で取り付けられうる。固定部で用いうるフェルールは、セラミック、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、または、プラスチックからなるか、それを含みうる。フェルールの端面、更に、1つ以上の光ファイバの端部(つまり、放射出射端部3182)も研磨されうる。フェルールを、固定部に、コネクターによって取り付けうる。フォトダイオードダイ1002の固定部内での位置は、ダイの横方向の寸法を精密に、例えば、100マイクロメートル、50マイクロメートル、25マイクロメートル、または、10マイクロメートルより精密に制御すること、および、ダイの第1の縁部(例えば、縁部1901)および第2の縁部、ダイを取り付けるサブマウント、または、サブマウントを取り付けるヒートシンク901を、固定部の特徴物に対して配置することによって、確定しうる。上記のように、フォトダイオードダイ1002を、固定部3601の実装プレート3610に、金‐スズ半田付け、Au‐Au熱圧縮接合、エポキシ、銀エポキシ、焼結銀界面材料、または、熱接着剤の1つ以上によって取り付けうる。サブマウントおよびヒートシンクの1つ以上を、フォトダイオードダイと固定部の間の熱的および機械的な経路に含みうる。フォトダイオードダイとサブマウント、サブマウントとヒートシンク、および、ヒートシンクと固定部を、各々、金スズ半田付け、Au‐Au熱圧縮接合、エポキシ、銀エポキシ、焼結銀界面材料、または、熱接着剤の1つ以上によって接合しうる。サブマウントは、ケイ素、ガラス、サファイア、炭化ケイ素、酸化ベリリウム、ダイヤモンド、銅タングステン合金、または、窒化アルミニウムの1つ以上からなるか、それを含みうる。ヒートシンク901は、銅およびアルミニウムの1つ以上からなるか、または、それを含みうる。
【0097】
図19A~19Dに示した縁部光結合配置は、簡略であること、および、光ファイバ1001から受光した光の入射角度が大きいことによりデバイスの前面および後面からの高い光学反射力を容易に実現することを含む多数の利点を有する。しかしながら、これらの配置は、いくつかの欠点も有しうるもので、それは、以下に記載の代わりの配置で解決される。例えば、合焦系光学要素を組み込まずに、デバイスが光ファイバの直径より厚いか、または、光ファイバのコアの直径より少なくとも厚い場合に、光結合を、エッジ連結配置を用いて最も効率的にしうる。GaN、サファイア、および、他の基板の厚さは、300マイクロメートル程度のことが多く、このことは、ある光ファイバについては、課題となりうる。例えば、ある実施形態において、光ファイバ1001は、ファイバコアの直径が約15マイクロメートル未満のシングルモードファイバでありうる。しかしながら、1つ以上のレーザダイオードから伝送されるパワーが1ワットより高いか、2ワットより高いか、5ワットより高いか、10ワットより高いか、20ワットより高いか、または、50ワットより高いような高パワー利用例について有用でありうる他の実施形態において、光ファイバ1001は、ファイバコアの直径が、約25マイクロメートルと約500マイクロメートルの間、約40マイクロメートルと約300マイクロメートルの間、または、約50マイクロメートルと約200マイクロメートルの間のマルチモードファイバでありうる。更に他の実施形態において、光ファイバ1001は、実際には、全直径が約100マイクロメートルと約5ミリメートルの間、または、約200マイクロメートルと約2ミリメートルの間、または、約250マイクロメートルと約1ミリメートルの間の光ファイバ束、または、ファイバオプテック束である。第2の課題は、望ましい割合の光放射をフォトダイオードダイ1002に確実に送出するには、ファイバとデバイス間で、かなり精密な位置合わせが必要でありうることである。第3の課題は、吸収層または活性領域を最初に通り抜ける間の光強度が高いので、フォトダイオード内のある位置で、高密度の電子および正孔キャリアが生成されて、吸収層の中で高濃度のキャリア、更に、効率性の損失につながる重大な非放射オージェ再結合を生じうることである。活性領域は、概して、異なる組成、および/または、材料物性を有する1つ以上の層を含みうる吸収層を含む。
【0098】
ある実施形態において、
図19Eに概略を示したように、光は、ダイの表面に略垂直に(つまり、Z方向に)向いたファイバから、ミラー1005の表面に、更に、1つ、2つ、3つ、4つ、または、それ以上のダイの縁部に同時に伝送される。この配置は、光結合性を高め、ファイバ接続固定部の発展した製品供給網のレバレッジ効果を得るのに利点を有しうる。
【0099】
図19A、19B、19C、19Dに示したような横から入射するダイ配置は、比較的簡略で製造が容易であるという利点を有する。それでも、これらの実施形態において、基板が、例えば、約100マイクロメートル、200マイクロメートル、300マイクロメートル、または、500マイクロメートルなど、光ファイバ、または、ファイバ束より大きい厚さで維持される場合には、有益でありうる。更に、
図19A~19Dに示したように横から入射するダイ配置構成への光放射の送出向きによって生じる比較的長い経路は、基板が光透過部材を構成する実施形態において、基板の光吸収係数を最小にする必要がある。ある実施形態において、
図27A、27Bに示したように、光は、第1の光透過部材(例えば、基板101)に取り付けられた、または、いくつかの実施形態において、縁部反射層905に直に取り付けられた第2の光透過部材2101に結合されて、光が、デバイスを通って、効率的に横方向に拡散するのを実現する。これらの実施形態において、光学空洞領域は、第2の光透過部材2101を、基板101に追加で含み、後者は、デバイス空洞領域の主要な構成要素である。
図14Bに示したものなどの実施形態において、基板101は、既に取り外されて、第2の光透過部材2101は、半導体層915に光学的に直に接続されうる。第2の光透過部材は、SiO
2、または、Al
2O
3などからなるか、それを含みうる。ある実施形態において、全内部反射を、第2の光透過部材で利用しうる。ある実施形態において、誘電および金属層により構成される反射構造物を、第2の光透過部材の表面の1つ以上の上に配置して、内部反射を高めうる。いくつかの実施形態において、第2の光透過部材とIII族-N基板の間の界面は、粗いか、パターン状で、30ナノメートルと100マイクロメートルの間、または、50ナノメートルと10マイクロメートルの間のRMS高さ変化を有しうる。いくつかの実施形態において、第2の光透過部材の1つ以上の表面は粗い。いくつかの実施形態において、誘電反射防止膜層を、III族-N表面に成膜する。ある実施形態において、第2の光透過部材2101は、アセンブリにおいて、そこに接続される光ファイバの直径より厚くなるように選択される。
【0100】
図20A~20Eは、角部または縁部の近くでの上面または底面照射用に設計されパッケージングされたフォトダイオードのフォトダイオードダイ1002の概略を簡単に示す側面図、断面図、および、平面図である。
図20Eは、
図20A~20Dに示す図面の視点位置を示す破線を含む。フォトダイオードダイへの光学窓(または、入射開口部)の位置以外、縁部パッシベーション部、反射防止窓膜1111、縁部反射層905などは、
図19A~19Eについて記載したものと同様である。しかしながら、ある実施形態において、基板の後面を、n型反射電気接続部と共に、ダイに反射防止膜1111を有する光学窓1119を通って入射した光が異なる角度で反射されるような形状にして、光は、次のp型およびn型反射層による反射を介して、ダイを通って横方向に拡散される。ある実施形態において、光学窓1119の方向は、ダイの上面または底面と平行である。他の実施形態において、光学窓1119は、ダイの上面とも底面とも平行ではない外方向を有し、例えば、ファイバに、非垂直入射角度で結合された時の光損失を最小にする。
【0101】
ある実施形態において、基板または光透過部材と接触する反射部材2020(
図20C)は、光の伝播方向を、デバイス空洞領域内で、約30度より大きくか、約45度より大きくか、または、約60度より大きく変化させる。いくつかの実施形態において、反射部材2020は、デバイス空洞領域に入射する光の第1の反射の伝播方向を、約40度と約140度の間の角度で変化させる。これらの実施形態は、直径が基板の厚さより大きいファイバへの効率的な接続を可能にし、ロバスト性、および、光結合安定性を高めるか、または、ファイバ接続固定部の発展した製品供給網のレバレッジ効果を得るのに利点を有しうる。
【0102】
図21A、21Bは、各々、光ファイバから、
図20A~20Eに示した構成と同様の上面/縁部光照射フォトダイオードダイへの光路の概略を示す断面図および平面図である。ファイバは、反射防止膜1111を有する光学窓に、フォトダイオードダイの面法線に対して角度γで(
図21Aを参照)接続される。ある実施形態において、γの値は、0と約60度の間、0と約40度の間、0と約20度の間、または、0と約5度の間、若しくは、更に0.1と5度の間になるように選択される。角度γがゼロ度から外れると、フォトダイオードダイに入射する光を、p型反射接続部およびn型反射接続部から、何度も反射させる。しかしながら、この場合、p側反射電気接続部113に形成された光学窓(または、入射開口部)1119(
図20Eおよび21A~21B)に対向する反射部(例えば、
図21Aのn側反射電気接続部114層)の1つ以上の非平坦な特徴物により、光は、様々な横方向に入射開口部1119(
図21B)から離れるように反射される。ある実施形態において、全内部反射を、縁部ミラーで用いうる。
【0103】
図22A~22Eは、ダイの中心または中間位置での上面または底面照射用に設計されパッケージングされたフォトダイオードのフォトダイオードダイの概略を簡単に示す側面図、断面図、および、平面図である。フォトダイオードダイへの光学窓または入射開口部の位置以外、縁部パッシベーション部、反射防止膜、縁部反射層などは、
図18A~18Eについて記載したものと同様である。しかしながら、ある実施形態において、基板の後側(例えば、ヒートシンク901側)を、n側反射電気接続部114と共に、ダイに反射防止膜1111を有する光学窓(つまり、入射開口部1119)を通って入射した光が異なる角度で反射されるような形状にして、光は、次のp型およびn型反射層からの反射を介して、ダイを通って横方向に拡散される。ある実施形態において、n型反射電気接続部114は、そこに形成された円錐状または角錐状特徴物を有し、入射開口部から入射した光が、横方向に多数の方向に入射開口部1119から離れるように反射される。
【0104】
図22A~22Eに示した上面(または、底面)入射ダイ配置は、上記縁部入射設計(例えば、
図2、13D、14B、17、19Aなど)より複雑な製造工程を必要としうる。例えば、半導体およびp型反射接続層の成膜前または後で、n型反射層の成膜前に、非平坦な特徴物を、基板に配置または形成しなくてはならない。非平坦な特徴物(例えば、半球状、角錐状、または、円錐状)を、リソグラフィ、レーザアブレーション、研削、ウエットエッチング、および、ドライエッチングの少なくとも1つによって形成しうる。レーザ、研削、または、ドライエッチング処理による残留表面破損部は、ウエットエッチングで除去しうる。ある実施形態において、基板は、非平坦な特徴物の形成前に、例えば、300マイクロメートル未満、200マイクロメートル未満、100マイクロメートル未満、50マイクロメートル未満、または、25マイクロメートル未満の厚さに薄くされる。基板を薄くする処理は、ラッピング、研削、研磨、化学機械的研磨、ドライエッチング、および、ウエットエッチングの少なくとも1つによって行いうる。ある実施形態において、基板101は、デバイスから、完全に取り外される。
【0105】
図18A~22Eは、主に矩形または正方形の周囲を有するダイを示している。他の実施形態において、ダイは、三角形、台形、または、六角形の周囲を有する。更に他の実施形態において、ダイの縁部の少なくとも一部は、湾曲し、例えば、円形または楕円の輪郭に従う。他の周囲部も可能であり、本発明の範囲である。ある実施形態において、ダイへの1つ以上の電気接続部を、上面または底面に追加で、または、その代わりに、縁部の1つ以上に作成する。
【0106】
ある実施形態において、1つ以上の光学要素を用いて、光ファイバから出射する光放射を、フォトダイオードに入射する前に、少なくとも1つの寸法に沿って拡散させる。そのような構成は、例えば、光放射がフォトダイオードに入射する位置の近くの吸収層の領域における最大キャリア密度を削減するのに有利であり、非放射オージェ再結合の程度を低下させて、フォトダイオードおよび光学システムの効率を高めうる。
【0107】
図31A~31Eは、光導波路3190の光結合部材3187を通って角部または縁部を通る横照射用に設計されパッケージングされたフォトダイオードの概略を簡単に示す側面図、断面図、上面図、および、底面図である。
図31Aは、光ファイバ3180に光学的に接続されパッケージングされたフォトダイオードを
図31Cに示した破線で見た側面図である。
図31Bは、パッケージングされたフォトダイオードを
図31Cに示した破線で見た側断面図である。
図31Cは、パッケージングされたフォトダイオードを
図31Aに示した破線で見た上面図である。
図31Dは、パッケージングされたフォトダイオードを
図31Aに示した破線で見た上面断面図である。
図31Eは、パッケージングされたフォトダイオードを
図31Aに示した破線で見た底面図である。
【0108】
図31A~31Eを参照すると、ある実施形態において、所定の波長で低い光吸収係数を有する光導波路3190またはライトパイプを、光ファイバ3180とフォトダイオードパッケージのフォトダイオードダイ1002の両方に光学的に接続して、光ファイバ3180から出射される光放射を横方向に(つまり、Y方向に)拡散させて、デバイス空洞領域1669内の光放射強度を均一にして、光導波路3190を有さない比較例の設計と比べて、所定の光パワーについて高効率を可能にする。
【0109】
光ファイバ3180は、ファイバコア3183、および、ファイバクラッディング3181を含み、パッケージングされたフォトダイオードのフォトダイオードダイ1002の1つの縁部に非常に近接して、従来から知られたように固定部(例えば、
図36の固定部3601)によって、配置されうる。光ファイバ3180は、ファイバコア3183の中心軸である主軸3181Aを含み、それは、本明細書で第1の端部と称されることが多い光ファイバ3180の照射出射端部3182から放射が出射される方向の基準として本明細書で参照されることが多い。
図31Bを参照すると、1つの例において、主軸3181Aは、X軸と平行である。ファイバコア3183は、シリカ、ガラス、または、プラスチックを含むか、それからなり、ファイバクラッディング3181は、従来から知られたように光放射を全内部反射によって閉じ込めるために、ガラスまたはプラスチックなど、光ファイバコア3183より低い屈折率を有する誘電組成物を含むか、それからなるものでありうる。フォトダイオードダイ1002の縁部の1つの位置において、縁部は、反射防止光学窓層911で被膜され、周囲の残りの部分は、縁部反射層905で被膜されうる。フォトダイオードダイ1002は、下側ヒートシンク901または上側ヒートシンク909の1つ以上に取り付けられうる。ヒートシンクは、銅、アルミニウムなどの少なくとも1つを含む層、および/または、プレート、若しくは、他の形状物を含みうる。フォトダイオードダイ1002は、ヒートシンク909に、Au/Sn共晶、Au/Ge共晶、または、同様の接合層の1つによって取り付けられうる。好適な実施形態において、光結合部材3187は、フォトダイオードダイ1002の吸収層によって吸収される放射の1つ以上の波長で、高い透明性を有する。ある実施形態において、光結合部材3187は、シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、高屈折率ガラス、他のガラス組成物、サファイア、石英、酸化亜鉛、MgAl
2O
4スピネル、他の結晶組成物、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、または、他のポリマー組成物の1つ以上からなるか、それを含む。ある実施形態において、光結合部材3187の1つ以上の表面を、反射膜3185で被膜する。反射膜3185は、銀、金、白金、ニッケル、アルミニウム、若しくは、TiO
2、Ta
2O
5、ZrO
2、SiO
2、SiO
x、SiN
x、Si
3N
4、SiO
xN
y、Al
2O
3、または、MgF
2などの誘電体の1つ以上を含みうる。反射膜3185は、あらかじめ選択した波長で、85%より高いか、90%より高いか、95%より高いか、98%より高いか、または、99%より高い反射力を、吸収層によって吸収される1つ以上の波長で有しうる。いくつかの実施形態において、放射の1つ以上の波長は、400nmと550nmの間の範囲内である。入射開口部3189、および、フォトダイオードダイに対向する光結合部材3187の面の1つ以上は、反射防止膜で被膜されうる。反射防止膜は、MgF
2、SiO
2、Al
2O
3、HfO
2、LaTiO
3、Si
3N
4、または、TiO
2を含む群から選択された材料を含み、電子ビーム成膜、スパッタリング、または、他の適した成膜技術によって成膜されうる。
【0110】
図31A、31Bを参照すると、光ファイバ3180から提供された光放射は、フォトダイオードダイ1002のデバイス空洞領域1669(
図31B)に、フォトダイオードの半導体層に垂直なZ方向に有意に拡散されることなく、光結合部材3187の配置によって確定されて、反射層からの高い反射力、および、効率的な光吸収のために吸収層を何度も通り抜けることが可能なように選択された角度で、結合される。本明細書に記載のように、デバイス空洞領域1669は、非吸収部、吸収部、および、p型接続半導体層の1つ以上などの1つ以上の半導体層915を含む活性領域、並びに、基板101を含む。
図31C、31Dを参照すると、光放射は、光ファイバ3180からフォトダイオードダイ1002のデバイス空洞領域1669に、フォトダイオードダイ1002の半導体層915の縁部と平行な方向(つまり、Y方向)に有意に拡散され、光結合部材3187の配置および形状によって確定されて、有意な横方向の拡散、入射開口部3189に近い吸収層の領域でのキャリア密度の削減、および、高変換効率が可能なように選択された角度で結合される。
【0111】
代わりの実施形態において、入射開口部3189は、垂直方向に(つまり、Z方向に(不図示))凸状で、光放射を、垂直方向に平行光にするか、僅かに合焦させ、横方向(つまり、Y方向(不図示))に凹状で、光放射をより急に横方向に拡散させるように選択される。ある実施形態において、湾曲部を、光ファイバ3180の放射出射端部3182に加えて、出射した放射の角分布を変化させる。ある実施形態において、光結合部材3187、および/または、フォトダイオードダイ1002は、XY面において、非矩形である。ある実施形態において、光結合部材3187の縁部、および/または、フォトダイオードダイ1002は、非線形である。基板の吸収係数、基板の屈折率、活性領域の有効吸収係数および厚さ、nおよびp接続部の反射力、縁部反射率などのフォトダイオードパラメータに応じて、最適な設計になる。光結合部材3187の材料は、デバイス空洞領域1669の屈折率に非常に近くなるように選択されうるもので、その場合には、光学窓912の上に成膜される反射防止光学窓層911が不要になりうる。
【0112】
他の組の実施形態において、
図32に概略的に示したように、光放射は、ファイバコア3183からフォトダイオードダイ1002へ、積分球3293によって結合される。光放射は、積分球3293の空洞部3291に入射開口部3189を通って入射し、デバイス空洞領域1669への入口に配置された光学窓912の反射防止光学窓層911に当たりうる。ある実施形態において、積分球3293は、球、楕円体、放物体、または、他の非球形状の一部である形状を有する。デバイス空洞領域1669からの光放射は、半導体層915を、および、基板101が存在する場合には、それを通り抜け、p側反射電気接続部113から反射され、デバイス空洞領域1669から出射されて、積分球3293の内面3294に当たる。ある実施形態において、積分球3293の内面3294での反射は、組み込んだ被膜、表面ざらつき、表面特徴物、または、他の光分布特徴物により拡散される。ある実施形態において、積分球3293の内面3294は、チタニア(TiO
2)を含むか、それからなりうる拡散反射部で、被膜される。ある実施形態において、例えば、
図14Bに概略的に示したように、基板101は、取り外される。
図32に概略的に示したものなど、いくつかの実施形態において、光学空洞領域は、デバイス空洞領域1669と空洞部3291の両方を含む。
【0113】
ある実施形態において、入射開口部3189および積分球3293の形状は、空洞部3291に入射する光が、反射防止光学窓層911に当たる前に積分球3293の内面3294から反射されるように選択される。ある実施形態において、開口部3189は、反射防止膜(不図示)を含みうる透明な窓を含むか、それからなる。ある実施形態において、空洞部3291は、空気ではなく、透明な液体または気体で充填される。ある実施形態において、透明な液体または気体は、シリコーン、エポキシ、ペルフッ素化化合物、および、ポリマーの1つ以上を含むか、それからなる。ある実施形態において、空洞部3291は、大気より低い気圧に維持されて、光放射の散乱を回避する。ある実施形態において、
図17A、17Bに、より詳細に概略的に示したように、フォトダイオードは、フリップチップされて、n型接続部1614を通ってn側電気接続部が形成される。
【0114】
他の組の実施形態において、光ファイバから提供された1つ以上の波長の光放射を、
図33A~33Iに概略的に示したn側反射電気接続部3317などのn側電気接続部の透明な開口部を通って結合する。
図33A~33Iは、n側反射電気接続部を含むフォトダイオードダイ1002の表面を通る照射用に設計されパッケージングされたフォトダイオードを簡単に示す側面図である。
図33Aを参照すると、ある実施形態において、フォトダイオードダイ1002のデバイス空洞領域1669は、基板101および半導体層915からなるか、それを含む。以下に記載するように、光学空洞領域3301は、デバイス空洞領域1669を含みうる。
図13C、14Bに概略的に示したものなど、いくつかの実施形態において、基板101は、取り外され、デバイス空洞領域1669は、p型層111、第2の非吸収層109、吸収層105、および、p型反射接続部113またはp側反射層1315に接合されたn型非吸収層103などの半導体層915を含みうるが、別体の光透過部材(
図14B)を含まないものでありうる。フォトダイオードダイ1002は、フォトダイオードダイ1002の表面に配置されたn側反射電気接続部3317および誘電層3319を含みうる。好適な実施形態において、n側反射電気接続部3317は、n側電気接続部を含むフォトダイオードダイ1002の面と平行な平面(例えば、XY面)に、50%より大きいか、75%より大きいか、80%より大きいか、90%より大きいか、または、95%より大きい開放領域を有する格子構造を有し、高い反射力を有する。n側反射電気接続部3317に形成された開口部は、誘電層3319で充填され、それは、反射防止膜からなるか、それを含みうる。光結合部材3187は、その周囲のほとんどを覆う反射膜3185を有し、反射防止膜は、入射開口部3189および出射開口部3388上に配置される。光結合部材3187は、円錐状、正四角錐状、四角錐状、三角錐状、六角錐状、立方体状、四角柱状、球状、楕円球状、放物体状、または、他の同様の形状を有しうる。光ファイバコア3183からの光放射は、ファイバ結合レンズ3390によって、光結合部材3187の入射開口部へと合焦されうる。ファイバ結合レンズ3390の大面積面の一方または両方は、反射防止膜3391(例えば、MgF
2)で覆われうる。ある実施形態において、反射防止膜3392は、ファイバコア3183の出射端部上に存在する。
図33Aを用いて記載した実施形態において、光結合部材3187は、デバイス空洞領域1669を含む光学空洞領域3301の一部として機能し、そこで、入射開口部3189を通って入射した光放射は、吸収層107内で光吸収される間に何度も反射され、光放射は、誘電層3319および出射開口部3388を何度も通り抜ける。同様に、吸収層107内で出射された光放射(例えば、発光)は、つまり、電子および正孔がp側反射電気接続部113およびn側反射電気接続部3317によって分離および収集されるのではなく、放射再結合される場合、吸収層107内で再吸収される前に、光学空洞部で、何度も反射されうる(所謂、フォトンリサイクリング)。ファイバ結合レンズ3390を用いることで、光ファイバコア3183からの光放射を、ファイバコアの断面積より小さい面積の領域に合焦させることが可能になり、入射開口部3189を比較的小さくして、入射開口部3189を通る反射またはルミネセンス光放射の外への損失を最小にすることが可能になる。ファイバ結合レンズと合焦面の間の媒体が、1の屈折率を有する場合、合焦された領域の面積を、ファイバコアの面積に対してNA
-2倍に削減しうるもので、但し、NAは、光ファイバの開口数である。
【0115】
光放射がフォトダイオードダイ1002に、デバイスの縁部または上面の光学窓912、1119ではなく、n側反射電気接続部3317を通って結合される、このアプローチの変形例も可能である。例えば、
図33B~33Eに概略的に示したように、インデックスマッチングされた透明な接着剤3394を、光結合部材3187とn側反射電気接続部3317と誘電層3319の間に備えうる。ファイバ結合レンズ3390を、別の要素としてではなく、
図33Cに概略的に示したように、光ファイバコア3183の端部上に備えうる。
図33D、33Eに概略的に示したように、ファイバ結合レンズ3390を省略しうる。光放射は、光ファイバコア3183から入射開口部3189へ、
図33Dに概略的に示したように、インデックスマッチングされた透明な接着剤3394を通り抜けるか、
図33Eに概略的に示したように、ファイバコア3183の端部上の反射防止膜3392を通り抜けうる。代わりの実施形態において、光放射は、フォトダイオードダイ1002に、n側反射電気接続部の開口部を通ってではなく、p側反射電気接続部の開口部を通って結合されうる。
【0116】
図33A~33Eのように、光ファイバ3180からの光放射を、比較的大面積の領域に、n側反射電気接続部3317の多数の開口部を通って結合するのではなく、
図33F~33Iに概略的に示したように、光放射を、n側反射電気接続部114のフォトダイオード入射開口部3396に結合しうる。フォトダイオード入射開口部3396は、
図18A~22Eについて記載した光学窓912の反射防止光学窓層911と同様の反射防止層(不図示)で被膜されうる。これらの実施形態において、光学空洞領域3301は、デバイス空洞領域1669を含むが、外部積分光学空洞部を含まない。本実施形態の好ましい態様において、デバイス空洞領域1669は、上記のように、基板または光透過部材の少なくとも1つを含む。光ファイバコア3183からの光放射を、フォトダイオード入射開口部3396に、自立要素(
図33F)としての、または、光ファイバコア3183の端部に接続された(
図33G)ファイバ結合レンズ3390のいずれかによって合焦させうる。その代わりに、光ファイバコア3183からの光放射は、光ファイバコア3183の端部上の反射防止膜3392(
図33H)を通って、または、インデックスマッチングされた透明な接着剤3394(
図33I)を通って、入射開口部3396に直に結合されうる。ある実施形態において、フォトダイオードダイ1002の縁部上の光学窓またはフォトダイオード入射開口部の面積は、フォトダイオードダイ1002の縁部の面積の約1%と約20%の間、または、2%と約10%の間である。
【0117】
更に他の組の実施形態において、
図34A~34Iに概略的に示したように、光放射は、光ファイバ3180からフォトダイオードダイ1002の縁部上の光学窓912に、更なる光学要素を用いて接続される。本明細書に開示の実施形態の1つ以上において、光学窓912の面積は、フォトダイオードダイ1002の縁部の表面積の約1パーセントと約20パーセントの間でありうる。1つ以上の代わりの実施形態において、光学窓912の面積は、フォトダイオードダイ1002の縁部または面の表面積の50パーセントより大きいなど、20パーセントより大きいか、若しくは、50と100パーセントの間、または、更に80と99.9パーセントの間でありうる。
図34A~34Iは、フォトダイオードダイ1002の縁部を通る照射用に設計されパッケージングされたフォトダイオードを簡単に示す側断面図である。
図34Aを参照すると、
図31A~Eと同様に、デバイス空洞領域1669は、基板または光透過部材3401および半導体層915(不図示)を含む。フォトダイオードダイ1002は、n側反射電気接続部114およびp側反射電気接続部113を含みうる。光結合部材3187は、その周囲のほとんどを覆う反射膜3185を有し、反射防止膜を、入射開口部3189および出射開口部3388上に有する。光結合部材3187は、円錐状、正四角錐状、四角錐状、三角錐状、六角錐状、立方体状、四角柱状、球状、楕円体状、放物体状または、他の同様の形状を有しうる。光ファイバコア3183からの光放射は、ファイバ結合レンズ3390によって、光結合部材3187の入射開口部3189に合焦され、次に、光透過部材3401に、反射防止光学窓層911を含みうる光学窓912を通って入射しうる。ファイバ結合レンズ3390の大面積面の一方または両方を、反射防止膜3391で覆いうる。ある実施形態において、反射防止膜3392は、ファイバコア3183の放射出射端部上に存在する。
図34Aによって記載した実施形態において、光結合部材3187は、基板、または、デバイス空洞領域1669と共に、入射開口部3189を通って入射した光放射が、吸収層107(不図示)内で光吸収される間に何度も反射される光学空洞領域3301の一部として機能する。同様に、吸収層107内で出射された光放射は、つまり、電子および正孔がp側反射電気接続部113およびn側反射電気接続部114によって分離および収集されるのではなく、放射再結合される場合、吸収層107内で再吸収される前に、光学空洞部で、何度も反射されうる(所謂、フォトンリサイクリング)。ファイバ結合レンズ3390を用いることで、光ファイバコア3183からの光放射を、小さい面積の領域に合焦させることが可能になり、入射開口部3189を比較的小さくして、入射開口部3189を通る反射された光放射の外への損失を最小にすることが可能になる。
【0118】
光放射がフォトダイオードダイ1002に、フォトダイオードダイ1002の縁部上の光学窓912を通って結合される、このアプローチの変形例も可能である。例えば、
図34B~34Eに概略的に示したように、インデックスマッチングされた透明な接着剤3394を、光結合部材3187と光学窓912の間に備えうる。ファイバ結合レンズ3390は、別の要素としてではなく、
図34Cに概略的に示したように、光ファイバコア3183の端部上に備えられうる。
図34D、34Eに概略的に示したように、ファイバ結合レンズ3390を省略しうる。光放射は、光ファイバコア3183から入射開口部3189へ、
図34Dに概略的に示したように、インデックスマッチングされた透明な接着剤3394を通り抜けるか、または、
図34Eに概略的に示したように、ファイバコア3183の端部上の反射防止膜3392を通り抜けうる。
【0119】
図34A~34Eのように、光ファイバ3180からの光放射を、フォトダイオードダイ1002の縁部の比較的大面積に結合するのではなく、
図34F~34Iに概略的に示したように、光放射を、フォトダイオード入射開口部3396に結合しうる。いくつかの構成において、フォトダイオードダイ1002の縁部は、縁部反射層905によって囲まれたフォトダイオード入射開口部3396を含む。フォトダイオード入射開口部3396は、
図18A~22Eについて記載した光学窓912の反射防止光学窓層911と同様の反射防止層(不図示)で被膜されうる。これらの実施形態において、光学空洞領域3301は、デバイス空洞領域1669を含むが、外部積分光学空洞部を含まない。本実施形態のいくつかの好ましい態様において、デバイス空洞領域1669は、上記のように、基板または光透過部材の少なくとも一方を含む。本実施形態の代わりの態様において、
図27A、27Bに概略的に示したように、光学空洞領域3301は、第2の光透過部材2101を含むが、基板101または第1の光透過部材を含むか、含まないものでありうる。光ファイバコア3183からの光放射を、フォトダイオード入射開口部3396に、自立要素(
図34F)としての、または、光ファイバコア3183の端部に接続された(
図34G)ファイバ結合レンズ3390のいずれかによって、合焦させうる。その代わりに、光ファイバコア3183からの光放射を、光ファイバコア3183の端部上の反射防止膜3392を通って(
図34H)、または、インデックスマッチングされた透明な接着剤3394(
図34I)を通って、入射開口部3396に直に結合させうる。
【0120】
ある実施形態において、ファイバからの入射光放射エネルギーの全部ではなく、一部を、電力に変換しうるパッケージングされたフォトダイオードが望ましい。レーザダイオードまたは光ファイバ2401によって生成された入射光放射エネルギーの一部のみを取り出すように設計されたフォトダイオードアセンブリ2301の概略を示す断面図を、
図23Aに示している。ある実施形態において、
図23Aに示したように、フォトダイオードアセンブリ2301は、反射縁部層1404を含むが、ファイバからの光放射は、フォトダイオードダイの上面(または、いくつかの代わりの構成においては、底面)へ、p型接続部1111、半導体層915、光透過部材(例えば、基板101)、更に、出射光学窓1412を通って、他の隣接配置された同様の構成のファイバ(不図示)へと結合される。
図23Bに示したように、多数のそのようなフォトダイオードアセンブリを、垂直に積み重ねるなど、直列に配置しうる。いくつかの実施形態において、直列の多数のフォトダイオードアセンブリは、吸収層のインジウム組成によって確定されるような、略同一のピーク吸収波長を有する。代わりの実施形態において、フォトダイオードアセンブリは、異なる波長の光放射を、例えば、各吸収層でのインジウム組成を変化させることによって、吸収するように構成される。
【0121】
上記のように、可視光波長で動作する窒化物系のパッケージングされたフォトダイオードは、赤外線領域で動作するヒ化物系のパッケージングされたフォトダイオードより利点を有すると予想される。
図26は、比較効率を、バンドギャップエネルギーの関数として概略的に示し、窒化物系およびヒ化物系のパッケージングされたフォトダイオードのエネルギーを含む。非縮退条件下で動作するパッケージングされたパワーフォトダイオードの詳細釣り合い限界で、入力光子エネルギーは、僅かにバンドギャップより高く、100%の光吸収で、100%の外部量子効率であると仮定し、ShockleyおよびQueisser、「Journal of Applied Physics 32,510(1961)」に記載の方法を用いて、効率を計算する。説明を簡単にするために、入力パワーは、0.1Wであると仮定し、光学窓の面積は、10
-5m
2と仮定したが、これらのパラメータの値の広い範囲について、同様の結果が予想される。ある実施形態において、パッケージングされたフォトダイオードを、概して室温で用いる。
図26に示すように、300ケルビンの温度(室温)で、理論的限界効率は、880ナノメートルの波長で動作するGaAsフォトダイオードについて、78.2%であるが、450ナノメートルの波長で動作するInGaNフォトダイオードについては、86.5%である。InGaNのバンドギャップが、GaAsと比べて高いことから、プランク分布の性質および形状により高い効率を生じる。しかしながら、ある実施形態において、フォトダイオードは、例えば、400ケルビン、500ケルビン、または、600ケルビン、若しくは、更に高い温度など、高温で用いられる。400ケルビンの温度において、理論的限界効率は、880ナノメートルの波長で動作するGaAsフォトダイオードについて、71.2%であるが、450ナノメートルの波長で動作するInGaNフォトダイオードについて、82.0%である。効率の絶対値は、高い温度のほうが低くなるが、GaAsフォトダイオードと比べたInGaNフォトダイオードの相対効率の有利さは、+10%から+15%に増加する。500ケルビンの温度において、理論的限界効率は、880ナノメートルの波長で動作するGaAsフォトダイオードについて、64.2%であるが、450ナノメートルの波長で動作するInGaNフォトダイオードについて、77.6%である。効率の絶対値は低くなるが、GaAsフォトダイオードと比べたInGaNフォトダイオードの相対効率の有利さは、更に+21%に増加した。600ケルビンの温度において、理論的限界効率は、880ナノメートルの波長で動作するGaAsフォトダイオードについて、57.4%であるが、450ナノメートルの波長で動作するInGaNフォトダイオードについて、73.2%である。効率の絶対値は低くなるが、GaAsフォトダイオードと比べたInGaNフォトダイオードの相対効率の有利さは、更に+28%に増加した。
【0122】
少なくとも1つのパッケージングされた窒化物系パワーフォトダイオードを、光ファイバ給電モジュールに組み込みうる。
図24A~24Cに概略的に示したように、光ファイバ給電モジュールは、少なくとも1つのレーザダイオード2401、および、少なくとも1つのレーザダイオード2401および少なくとも1つのフォトダイオード2403にも接続された光ファイバ2402の少なくとも一部を含む。いくつかの実施形態において、光ファイバ2402は、光ファイバ束を含む。ある実施形態において、光ファイバ給電モジュールは、1つのレーザダイオード2401、1つの光ファイバ2402、および、1つのフォトダイオード2403のみを含む(
図24A)。ある実施形態において、光ファイバ2402(または、光ファイバ束)には、1つ以上の分岐部が存在し、異なる光ファイバ部分は、異なるフォトダイオード2403に接続される(
図24B)。ある実施形態において、光ファイバ給電モジュールは、1つ以上の光学分配デバイス2404を含み、各光学分配デバイス2404は、制御された光パワーの一部を、少なくとも2つの出力光ファイバ分岐部に伝送可能である(
図24C)。いくつかの実施形態において、光学分配デバイス2404は、1つ以上のガルバノミラー、1つ以上のマイクロスキャンミラー、1つ以上の合焦レンズ、および、1つ以上の光学ビームスプリッタの少なくとも1つを含むか、それからなる。
【0123】
ある実施形態において、光ファイバ給電モジュールは、単に、パワーを光学的に伝送するように設計される。他の実施形態において、
図25A~25Dに概略的に示したように、光ファイバ給電モジュールは、パワーと信号の両方を伝送するように設計される。例えば、信号を、光パワーに、レーザダイオード2401の振幅を1つ以上の周波数で変調することによって重ねうる。いくつかの実施形態において、制御モジュールは、レーザダイオードから出力されたパワーを、少なくとも1つの制御されたAC周波数で変調し、フォトダイオード信号を、DCパワーコンポーネントと、その少なくとも1つの制御された周波数のAC信号コンポーネントに、分離するように構成される。変調されたレーザダイオードパワーおよびフォトダイオードパワーの変調されたACコンポーネントの振幅は、対応するDCコンポーネントの10%未満、1%未満、または、0.1%未満でありうる。DCパワーコンポーネントを電力に変換するように構成された第1のフォトダイオードは、更に、少なくとも1つの制御された周波数のAC信号コンポーネントを検出するように構成される。いくつかの実施形態において、別体の信号光検出器デバイスを備え、別体の信号光検出器デバイスは、少なくとも1つの制御された周波数のAC信号コンポーネントを検出するように構成される。
【0124】
フォトダイオードに接続された増幅器システムは、次に、1つ以上の周波数の信号または複数の信号を取り出す。ある実施形態において、光ファイバ給電モジュールは、少なくとも2つのレーザダイオード2401、2405、および、少なくとも2つのフォトダイオード2403、2404を含み、少なくとも2つの異なる方向に信号通信可能なように構成される(
図25C)。ある実施形態において、信号は、可聴周波数で変調され、出力は、ヘッドホンまたはスピーカーなどのオーディオデバイスに結合される。ある実施形態において、AC信号コンポーネントは、可聴周波数で変調されて、モジュールは、ヘッドホンまたはオーディオスピーカーに接続される。ある実施形態において、信号を、キロヘルツ、メガヘルツ、または、ギガヘルツの周波数で変調する(
図25D)。
【0125】
ある実施形態において、変調された信号は、光パワーの電力への変換も行う同じGaN系フォトダイオードデバイスを用いて検出される。代わりの実施形態において、別体の信号光検出器デバイスを用いて、変調された光学信号の一部を、変調された電気信号に変換する。ある実施形態において、別体の信号光検出器デバイスは、GaN系フォトダイオード、Si系フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、InGaAs系フォトダイオード、および、InP系フォトダイオードから選択される。ある実施形態において、別体の信号光検出器デバイスは、エッジ連結されるか、共振空洞領域または屈折ファセットを組み込む。ある実施形態において、別体の信号光検出器デバイスは、少なくとも1MHz、少なくとも10MHz、少なくとも100MHz、少なくとも1GHz、少なくとも10GHz、少なくとも25GHz、または、少なくとも100GHzの帯域幅を有する。ある実施形態において、別体の信号光検出器デバイスは、GaN系フォトダイオードがDC光パワーをそこから受け取るのと同じ光学空洞領域に実装されて、そこから、変調された光学信号を受信する。ある実施形態において、別体の信号光検出器デバイスは、信号を、GaN系パワーフォトダイオードと同じネットワークに接続された光ファイバから受信する。ある実施形態において、別体の信号光検出器デバイスは、GaN系パワーフォトダイオードから光学的に分離され、後者から発せられた迷光が前者の帯域幅を低下させないようにする。ある実施形態において、光ファイバからの光放射の小さい部分が別体の光検出器デバイスに送られ、残りの大部分の光放射は、GaN系パワーフォトダイオードに送られる。
【0126】
図35A~35Fは、本開示の実施形態によるパッケージングされたフォトダイオード、および、光ファイバに接続された別体の信号光検出器デバイス3595を簡単に示す側断面図である。いくつかの実施形態において、
図35Aに概略的に示したように、光ファイバ3180から出射された光放射は、フォトダイオードダイ1002へファイバ結合レンズ3390によって送られる前に、信号光検出器デバイス3595から光結合部材3187の入射開口部3189へと反射される。ある実施形態において、信号光検出器デバイス3595は、入射光放射の小さい部分のみを信号光検出器デバイス3595に送るのを可能にする高反射膜3596を有する。ある実施形態において、高反射膜3596の反射力は、90%より高いか、95%より高いか、97%より高いか、または、98%より高い。ある実施形態において、高反射膜3596は、銀などの金属、および、誘電体の1つ以上を含む。
【0127】
ある実施形態において、第2のファイバ結合レンズ3390を用いて、光ファイバ3180からの光放射を、信号光検出器デバイス3595に合焦させて(
図35B)、信号光検出器デバイス3595の小さい横方向の寸法を使用可能にし、後者の静電容量を削減し、帯域幅を増加させうる。ある実施形態において、信号光検出器デバイス3595の横方向の寸法は、1ミリメートル未満、300マイクロメートル未満、200マイクロメートル未満、100マイクロメートル未満、または、50マイクロメートル未満である。ある実施形態において、
図35C~35Fに概略的に示したように、信号光検出器デバイス3595は、光結合部材3187上の反射膜3185の開口部3598を通る光放射を、サンプリングする。ある実施形態において、光結合部材3187の中に含まれた小さい内部反射部3597は、光放射の一部を開口部3598に向かって反射する。ある実施形態において、内部反射部3597は、銀などの金属、および、誘電体の1つ以上を含む。ある実施形態において、内部反射部3597は、光結合部材3187内の気泡または空隙部を含む。ある実施形態において、内部反射部3597の最大寸法は、約2ミリメートル未満、約1ミリメートル未満、約500マイクロメートル未満、約200マイクロメートル未満、約100マイクロメートル未満、または、約50マイクロメートル未満である。
【0128】
ある実施形態において、光結合部材3187から出射され光放射は、フォトダイオードダイ1002の縁部に入射する(
図35C)。他の実施形態において、光結合部材3187から出射された光放射は、フォトダイオードダイ1002に、n側反射電気接続部3317の開口部を通って入射する(
図35D~35F)。ある実施形態において、光ファイバ3180からの光放射は、光結合部材3187の入射開口部3189にファイバ結合レンズ3390によって合焦される(
図35C~35E)。ある実施形態において、インデックスマッチングされた接着剤3394を用いて、光放射を、光結合部材3187からフォトダイオードダイ1002に(
図35E、35F)、または、光ファイバ3180から入射開口部3189に送る(
図35F)。
【0129】
ある実施形態において、光ファイバ給電モジュールは、室温近く、つまり、約400ケルビンより低い温度で動作する。他の実施形態において、光ファイバ給電モジュールは、約400ケルビンと約500ケルビンの間、約500ケルビンと約600ケルビンの間、または、約600ケルビンより高い温度で動作する。
【0130】
ある実施形態において、光ファイバとフォトダイオードの間の光結合は、非剛性または非接触であり、光パワーを回転する物体に容易に結合可能にしうる。
【0131】
ある実施形態において、フォトダイオードからの電力を用いて、モノのインターネット(IoT)センサまたはアクチュエータに電力を供給する。ある実施形態において、フォトダイオードからの電力を用いて、パーソナル電子アプリケーションまたはパーソナル電子装置に電力を供給する。
【0132】
代わりの実施形態において、レーザダイオードなどの光源からフォトダイオードへの光パワーの伝送は、ファイバを用いずに、例えば、宇宙の人工衛星の間で、または、地上と空中のドローンの間で行われる。
【0133】
ある実施形態において、
図28に概略的に示したように、光ファイバ給電モジュールは、照明システム2407と統合される。照明システム2407は、蛍光体、ヒートシンク、遠視野分布光を形成する反射型または透過型光学部材、センサ、および、制御システムの1つ以上を含みうる。そのような能力は、光源(例えば、レーザダイオード)2401、および、窒化物半導体材料システムに基づくフォトダイオードシステムを用いて可能であるが、例えば、ヒ化物系システムを用いては不可能である。レーザダイオード2401などの光源によって、光ファイバ2402を通して注入された光の一部は、電力に、フォトダイオード2403によって変換され、残りの光は、他の光ファイバ2406へと外に結合されて、照明システム2407に注入される。いくつかの実施形態において、照明システム2407は、照明器具である。いくつかの実施形態において、照明システム2407は、自動車のヘッドライトである。いくつかの実施形態において、照明器具は、1つ以上の蛍光体を含み、例えば、400ナノメートルと460ナノメートルの間の1つ以上の波長を有する光ファイバからの光の一部を変換して、緑色光、黄色光、および/または、赤色光を出射する。いくつかの実施形態において、照明器具は、太陽スペクトルに近似した光を出射する。いくつかの実施形態において、照明器具は、約2700ケルビン、約3000ケルビン、約4000ケルビン、または、約6000ケルビンの色温度を有する光を出射する。いくつかの実施形態において、照明器具は、約80、80と90の間、90と95の間、または、95より大きい演色評価指数(CRI)を有する光を出射する。いくつかの実施形態において、照明器具は、45度未満、30度未満、20度未満、10度未満、5度未満、または、3度未満の円錐角度を有する平行光を出射する。ある実施形態において、フォトダイオード2403からの電力を用いて、センサまたは無線通信デバイスなど、照明器具の構成要素に、電力を供給する。ある実施形態において、フォトダイオード2403からの電力を用いて、色温度、青色光の他の色の強度に対する強度、光の角分布などの照明システムの出力特性を変化させる制御システムに電力を供給する。
【0134】
1つ以上の光ファイバ給電モジュールを、光ファイバ給電システムに組み込みうる。少なくとも1つのレーザダイオード光源、少なくとも1つのパワーフォトダイオード、および、光ファイバの少なくとも一部に追加で、光ファイバ給電システムは、制御システム、バッテリなどの電源へのリード線、交流機、または、主ACまたはDC電源、光ファイバの少なくとも一部を囲む可撓性外被、少なくとも1つの温度センサ、光ファイバ給電モジュールの少なくとも1つの要素の、それが配置された構造物に対する位置を維持する少なくとも1つのハーネス部材、ファンまたは流れる冷却液などの冷却手段、並びに、少なくとも1つのセンサの1つ以上を含みうる。光ファイバ給電システムは、自動車内、自動車エンジン内、トラックまたはトラックエンジン内、バスまたはバスエンジン内、機関車内、航空機または航空機エンジン内、ヘリコプターまたはヘリコプターエンジン内、住宅、アパート、または、居住用ビル内、若しくは、商業施設ビル内に配置されうる。
【0135】
自動車またはビルの部屋内の光ファイバ給電システムなどの実施形態において、ファイバの長さは、比較的短く、約1センチメートルと約1メートルの間である。そのような場合には、ファイバ内の光減衰が性能を制限することはなく、曲げ半径および熱安定性などの他の要因が、より重要でありうる。ビル内の光ファイバ給電システムなど、光パワーが1つの部屋から他の部屋に伝送される他の実施形態において、ファイバの長さは、1メートルと100メートルの間でありうる。この場合、ファイバ内の光減衰が、より重要で、曲げ半径の重要性は、低くなりうる。他の実施形態において、ファイバの長さは、100メートルと1キロメートルの間、または、1キロメートルより長いものでありうる。
【0136】
光ファイバ給電システムは、他のシステムと比べて信頼性が改良されたものでありうる。例えば、従来の電線給電システムと比べて、(電気的接続ではなく、光学的な)接続は、酸化または他の劣化を受けにくく、電流により生じる電気伝送ノイズをなくしうる。ヒ化物系システムと比べて、窒化物系システムは、より長い動作寿命を有し、高温側の逸脱の影響を受けにくいものでありうる。
【0137】
上記のように、フォトダイオードのデバイス空洞領域内での主に横方向の光の伝播により、比較的厚い基板上に比較的薄い吸収層を製膜して、デバイス空洞領域内で、光の大部分を吸収することが可能になる。本発明者らは、フォトダイオードの様々な設計パラメータ間のトレードオフを定量化するために、デバイス空洞領域について、基板、非吸収層、吸収層、並びに、上面および底面反射接続部内での吸収を説明する光吸収モデルを構築した。モデルへの入力は、基板および吸収層の吸収係数、屈折率、および、厚さ、並びに、上面および底面反射接続部の反射率を含む。これらの入力で、光吸収率を、吸収層の平面に対する光伝播角度の関数として計算しうる。例として、
図29A、29Bは、基板、吸収層、上面p接続ミラー、および、底面p接続ミラーの累積光吸収を、横方向の伝播距離の関数として、この計算に用いた入力パラメータと共に示している。15度の光伝播角度は、
図29Aに示したパラメータの組について、吸収層内での光吸収を最大にした。
【実施例】
【0138】
本開示の実施形態を、更に、次の比較例および例示的なプロセス例を参照して記載する。当業者には、材料および方法の両方について、本開示の範囲を逸脱することなく、多数の変更を行いうることが明らかだろう。
【0139】
比較例1
比較対象として、+c面、GaN‐on‐GaNダイを、約405ナノメートルで発光する市販のLEDから取り出して、フォトダイオードとして用いた。LED構造物は、p型GaN層の下のAlGaN電子ブロッキング層、並びに、InGaN井戸層およびGaNバリア層を含む多重量子井戸MQW構造物を含むと考えられる。LED構造物は、高ドープ層も、ドープされ減少したバンドギャップ層も、MQW層に直に隣接して含まないと考えられる。逆電流‐電圧特性を、暗い条件と明るい条件下で記録し、但し、市販の405nmレーザダイオードによって光照射した。
図5に、結果を、「LIV」曲線として示している。測定結果から、V
ocは、2.74Vとして評価され、E
g=3.06eV、I
sc=2.6A/cm
2、eV
oc/E
g=0.89、および、FF=46%だった。V
ocおよびI
scの値は、比較的良好なことが分かり、一方、フィルファクタの値が低いことは、改良したデバイス設計が必要なことを示している。一方、比較的高いフィルファクタの曲線を、
図5に比較のために示している。
【0140】
比較例2
Siドーパントを2×10
18cm
-3の濃度で含む500ナノメートルのn型ドープGaN層、次に、Siドーパントを4×10
18cm
-3の濃度で含む100ナノメートルのn型ドープGaN層、次に、意図せずにドープされた吸収層、次に、Mgを1×10
19cm
-3の濃度で含む90ナノメートルのp型ドープ層、次に、Mgを1×10
20cm
-3の濃度で含む10ナノメートルのp型ドープ層を含むエピタキシャル構造物を、(0001)から[10-10]に向かって約0.4度でミスカットしたバルクGaN基板上に成膜した。吸収層は、意図せずにドープされ、7ナノメートルのGaN層と、次に、4ナノメートルのIn
0.14Ga
0.86N井戸層および7ナノメートルのGaNバリア層が交互で10層とからなるものだった。構造物は、約447ナノメートルでのエレクトロルミネセンスピークを特徴とした。逆電流‐電圧特性を、暗い条件と明るい条件下で記録し、但し、市販の405nmレーザダイオードによって光照射した。
図6に、結果を示している。測定結果から、V
ocは、2.32Vとして評価され、E
g=2.77eV、I
sc=6.5×10
-3A、eV
oc/E
g=0.84、および、FF=33%だった。V
ocおよびI
scの値は、比較的良好なことが分かり、一方、フィルファクタの値が低いことは、改良したデバイス設計が必要なことを示している。
【0141】
比較例3
Siドーパントを2.0×10
18cm
-3の濃度で含む1000ナノメートルのn型ドープGaN層、次に、Siドーパントを2×10
19cm
-3の濃度で含む30ナノメートルのn型ドープGaN層、次に、意図せずにドープされた吸収層、次に、Mgを2×10
19cm
-3の濃度で含む50ナノメートルのp型ドープ層、次に、Mgを1×10
20cm
-3の濃度で含む10ナノメートルのp型ドープ層を含むエピタキシャル構造物を、(0001)から[10-10]に向かって約0.4度でミスカットしたバルクGaN基板上に成膜した。吸収層は、意図せずにドープされ、40ナノメートルのダブルヘテロ構造In
0.13Ga
0.87N層からなるものだった。構造物は、約435ナノメートルでのエレクトロルミネセンスピークを特徴とした。逆電流‐電圧特性を、暗い条件と明るい条件下で記録し、但し、市販の405nmレーザダイオードによって光照射した。
図11に結果を示している。測定結果から、V
ocは、2.43Vとして評価され、E
g=2.85eV、I
sc=0.013A、eV
oc/E
g=0.85、および、FF38%だった。V
ocおよびI
scの値は、比較的良好なことが分かり、一方、フィルファクタの値が低いことは、改良したデバイス設計が必要なことを示している。
【0142】
比較例4
Siドーパントを2.0×1018cm-3の濃度で含む1000ナノメートルのn型ドープGaN層、次に、Siドーパントを5.0×1017cm-3の濃度で含む100ナノメートルのn型ドープGaN層、次に、意図せずにドープされた吸収層、次に、Mgを2×1020cm-3の濃度で含む50ナノメートルのp型ドープ層、次に、Mgを1×1020cm-3の濃度で含む10ナノメートルのp型ドープ層を含むエピタキシャル構造物を、(0001)から[10-10]に向かって約0.4度でミスカットしたバルクGaN基板上に成膜した。吸収層は、意図せずにドープされ、40ナノメートルのダブルヘテロ構造In0.18Ga0.82N層からなる。構造物は、約473ナノメートルでのエレクトロルミネセンスピークを特徴とした。逆電流‐電圧特性を、暗い条件と明るい条件下で記録し、但し、市販の405nmレーザダイオードによって光照射した。測定結果から、Vocは、2.20Vとして評価され、Eg=2.62eV、eVoc/Eg=0.84、および、FF45%だった。Vocの値は、比較的良好なことが分かり、一方、フィルファクタの値が低いことは、改良したデバイス設計が必要なことを示している。
【0143】
実施例1
Siドーパントを2.0×1018cm-3の濃度で含む1000ナノメートルのn型ドープGaN層、次に、Siドーパントを3.0×1019cm-3の濃度で含む30ナノメートルのn型ドープGaN層、次に、意図せずにドープされた吸収層、次に、Mgを3×1019cm-3の濃度で含む50ナノメートルのp型ドープ層、次に、Mgを1×1020cm-3の濃度で含む10ナノメートルのp型ドープ層を含むエピタキシャル構造物を、(0001)から[10-10]に向かって約0.4度でミスカットしたバルクGaN基板上に成膜した。吸収層は、意図せずにドープされ、40ナノメートルのダブルヘテロ構造In0.13Ga0.87N層からなる。構造物は、約435ナノメートルでのエレクトロルミネセンスピークを特徴とした。逆電流‐電圧特性を、暗い条件と明るい条件下で記録し、但し、市販の405nmレーザダイオードによって光照射した。測定結果から、Vocは、2.43Vとして評価され、Eg=2.85eV、eVoc/Eg=0.85、および、FF85%だった。
【0144】
実施例2
Siドーパントを2.0×1018cm-3の平均濃度で含む1000ナノメートルのn型ドープGaN層、次に、Siを4.0×1019cm-3の平均濃度で含む30nmのn型ドープGaN層、次に、意図せずにドープされた吸収層、次に、Mgを2×1020cm-3の濃度で含む50ナノメートルのp型ドープ層を含むエピタキシャル構造物を、(0001)から[10-10]に向かって約0.4度でミスカットしたバルクGaN基板上に成膜した。吸収層は、意図せずにドープされ、40ナノメートルのダブルヘテロ構造In0.18Ga0.82N層からなる。構造物は、約473ナノメートルでのフォトルミネセンスピークを特徴とする。逆電流‐電圧特性を、暗い条件と明るい条件下で記録し、但し、市販の405nmレーザダイオードによって光照射した。測定結果から、Vocは、2.20Vとして評価され、Eg=2.62eV、eVoc/Eg=0.84、および、FF91%だった。
【0145】
実施例3
Siドーパントを2.0×1018cm-3の平均濃度で含む1000ナノメートルのn型ドープGaN層、次に、Siを5.0×1017cm-3の平均濃度で含む100nmのn型ドープGaN層、次に、最初の組成がGaNで、最終組成が概してIn0.18Ga0.72Nの組成勾配を有し、Siドーパントを約5.0×1017cm-3の濃度で含む約6nmの厚さのInGaN層、次に、意図せずにドープされた吸収層、次に、Mgを2×1020cm-3の濃度で含む50ナノメートルのp型ドープ層を含むエピタキシャル構造物を、(0001)から[10-10]に向かって約0.4度でミスカットしたバルクGaN基板上に成膜した。吸収層は、意図せずにドープされ、40ナノメートルのダブルヘテロ構造In0.18Ga0.82N層からなる。構造物は、約473ナノメートルでのフォトルミネセンスピークを特徴とする。逆電流‐電圧特性を、暗い条件と明るい条件下で記録し、但し、市販の405nmレーザダイオードによって光照射した。測定結果から、Vocは、2.20Vとして評価され、Eg=2.62eV、eVoc/Eg=0.84、および、FF85%だった。
【0146】
実施例4
Siドーパントを3.5×10
18cm
-3の平均濃度で含む300ナノメートルのn型ドープGaN層、次に、InGaN-GaN歪層超格子(SLS)、次に、最初の組成が概してIn
0.04Ga
0.96Nで、最終組成が概してIn
0.2Ga
0.8Nの組成勾配を有し、Siドーパントを約4.0×10
17cm
-3の濃度で含む約6nmの厚さのInGaN層、次に、3nmのIn
0.2Ga
0.8N井戸、および、Siドーパントを約3×10
17cm
-3の濃度で含む9nmのGaNバリア層を含む9周期の多重量子井戸構造物、次に、Mgを約2×10
20cm
-3の濃度で含む100ナノメートルのp型ドープ層を含むエピタキシャル構造物を、サファイア基板上に、基板の面法線を窒化物エピタキシャル層の[0001]から5度以内にして成長させた。吸収層は、9周期の多重量子井戸構造物からなるものだった。構造物は、約457ナノメートルでのフォトルミネセンスピークを特徴とした。製造したデバイスの逆電流‐電圧特性を、暗い条件と明るい条件下で記録し、但し、市販の405nmレーザダイオードによって光照射した。結果を
図12に示している。測定結果から、V
ocは、2.34Vとして評価され、E
g=2.71eV、I
sc=0.0114A、eV
oc/E
g=0.86、および、FF78%だった。V
oc、I
sc、および、FFの値は、比較的良好であることが分かる。測定したFFは、n金属接続部を電気的に探索する方法により生じる直列抵抗により、人為的に低くなっている。
【0147】
実施例5
Siドーパントを1.0×1018cm-3の平均濃度で含む1000ナノメートルのn型ドープGaN層、次に、意図せずにドープされ、2nmのIn0.18Ga0.82N井戸、および、4nmのGaNバリア層を含む20周期の多重量子井戸構造物、次に、Mgを約2×1018cm-3の濃度で含む50ナノメートルのp型ドープ層を含むエピタキシャル構造物を、(000-1)から[10-10]に向かって約4度でミスカットしたバルクGaN基板上に成膜した。吸収層は、9周期の多重量子井戸構造物からなるものだった。構造物は、約470ナノメートルでのフォトルミネセンスピークを特徴とする。逆電流‐電圧特性を、暗い条件と明るい条件下で記録し、但し、市販の405nmレーザダイオードによって光照射した。測定結果から、Vocは、2.20Vと評価され、Eg=2.63eV、eVoc/Eg=0.84、および、FF88%である。
【0148】
実施例6
Siドーパントを5.0×1018cm-3の平均濃度で含む1000ナノメートルのn型ドープGaN層、次に、意図せずにドープされ、2nmのIn0.18Ga0.82N井戸および4nmのGaNバリア層を含む20周期の多重量子井戸構造物、次に、Mgを約1×1019cm-3の濃度で含む100ナノメートルのp型ドープ層を含むエピタキシャル構造物を、(30-3-1)から0.1度以内の結晶方位を有するバルクGaN基板上に成膜した。構造物は、約470ナノメートルでのフォトルミネセンスピークを特徴とする。逆電流‐電圧特性を、暗い条件と明るい条件下で記録し、但し、市販の405nmレーザダイオードによって光照射した。測定結果から、Vocは、2.20Vとして評価され、Eg=2.63eV、eVoc/Eg=0.84、および、FF88%だった。
【0149】
ここまで、本開示の実施形態について記載したが、本開示の他の、および、更なる実施形態も、本開示の基本範囲を逸脱することなく企図しうるものであり、本発明の範囲は、添付の請求項によって確定される。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
光学アセンブリにおいて、
第1の非吸収層と第2の非吸収層の間に配置された1つ以上の吸収層を含む第1のダイであって、該1つ以上の吸収層、並びに、該第1および第2の非吸収層は、各々、Al
x
In
y
Ga
1-x-y
Nを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約10
10
cm
-2
未満の転位密度を有するものである第1のダイと、
固定部と
を含み、
各前記1つ以上の吸収層は、第1の方向に測定した厚さと、第1の平面と平行で該第1の方向に垂直に向いた吸収層表面とを有するものであり、
前記光学アセンブリは、光学窓を有する光学空洞領域を有し、該光学空洞領域は、
前記1つ以上の吸収層、前記第1の非吸収層、および、前記第2の非吸収層を含むデバイス空洞領域と、
前記光学窓を通って入射した電磁波を、内部反射させて、前記デバイス空洞領域を、少なくとも2回、通り抜けさせるように構成された少なくとも2つの対向する反射部材と
を含むものであり、
前記固定部は、光ファイバの第1の端部を、前記第1のダイの前記光学窓の表面から第1の距離に配置するように構成されたものである光学アセンブリ。
実施形態2
前記第1の距離は、約2マイクロメートルと約10ミリメートルの間である、実施形態1に記載の光学アセンブリ。
実施形態3
前記第1の距離は、一定で、約1マイクロメートルと約1ミリメートルの間の許容誤差を有するものである、実施形態2に記載の光学アセンブリ。
実施形態4
前記光ファイバは、主軸を有し、
前記光ファイバの前記主軸と前記第1の平面の間の角度αは、ゼロと約50度の間である、実施形態1に記載の光学アセンブリ。
実施形態5
前記光ファイバの主軸と、前記光学窓の前記表面に垂直な方向の間の角度γは、ゼロと約60度の間である、実施形態1に記載の光学アセンブリ。
実施形態6
前記光ファイバの主軸と前記第1のダイの縁部の間の角度βは、ゼロと約60度の間である、実施形態1に記載の光学アセンブリ。
実施形態7
前記角度βは、ゼロと約20度の間である、実施形態6に記載の光学アセンブリ。
実施形態8
前記光ファイバの主軸と前記第1の平面に垂直な方向の間の角度γは、約0と60度の間である、実施形態1に記載の光学アセンブリ。
実施形態9
光源からの光放射を前記光学窓の前記表面に反射するように構成されたミラーを、
更に含む、実施形態1に記載の光学アセンブリ。
実施形態10
光学窓を有する光学空洞領域を含む第2のダイを、
更に含み、
前記ミラーは、前記光源からの光放射を前記第1のダイの前記光学窓の前記表面に反射し、更に、該光源からの光放射を前記第2のダイの前記光学窓の表面に反射するように構成されたものである、実施形態9に記載の光学アセンブリ。
実施形態11
前記光学空洞領域は、第1の光透過部材、および、該第1の光透過部材に光学的に接続された第2の光透過部材を含むものである、実施形態1に記載の光学アセンブリ。
実施形態12
前記光ファイバの前記第1の端部と前記光学窓の間に配置されて、前記光放射を、該光学窓の前記表面と平行な方向に拡散させるように構成された光結合部材を、
更に含む、実施形態1に記載の光学アセンブリ。
実施形態13
前記光ファイバの前記第1の端部と前記光学窓の間に配置されて、前記光放射を、前記第1のダイの縁部と平行な方向に拡散させるように構成された光結合部材を、
更に含む、実施形態1に記載の光学アセンブリ。
実施形態14
前記光ファイバの前記第1の端部から受光した光放射を、前記第1のダイの前記デバイス空洞領域に結合するように構成された積分球を、
更に含む、実施形態1に記載の光学アセンブリ。
実施形態15
前記光ファイバの前記第1の端部と前記光学窓の間に配置された光結合部材を、
更に含み、
前記光学窓は、開口部を有する反射電気接続部を含むものであり、前記光結合部材は、前記光放射を前記第1の平面における2つの直交方向に拡散させるように構成されたものである、実施形態1に記載の光学アセンブリ。
実施形態16
前記光ファイバの前記第1の端部と前記光結合部材の間に配置されたファイバ結合レンズを、
更に含む、実施形態15に記載の光学アセンブリ。
実施形態17
前記光ファイバの前記第1の端部と前記光結合部材の間にファイバ結合レンズを、
更に含む、実施形態16に記載の光学アセンブリ。
実施形態18
前記デバイス空洞領域は、n側反射電気接続部およびp側反射電気接続部を更に含み、前記光学窓は、該n側反射電気接続部と該p側反射電気接続部の一方の中に配置されたものである、実施形態1に記載の光学アセンブリ。
実施形態19
前記光学窓は、前記電磁波を受信するように構成された表面を含み、前記第1のダイの縁部上に配置されたものであり、該光学窓の該表面の面積は、該第1のダイの該縁部の面積の約1%と約20%の間である、実施形態1に記載の光学アセンブリ。
実施形態20
前記光ファイバの前記第1の端部と前記光学窓の間に配置されたファイバ結合レンズを、
更に含む、実施形態19に記載の光学アセンブリ。
実施形態21
光学アセンブリにおいて、
第1の非吸収層と第2の非吸収層の間に配置された1つ以上の吸収層を含む第1のダイであって、該1つ以上の吸収層、並びに、該第1および第2の非吸収層は、各々、Al
x
In
y
Ga
1-x-y
Nを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約10
10
cm
-2
未満の転位密度を有するものである第1のダイと、
光学要素と
を含み、
各前記1つ以上の吸収層は、第1の方向に測定した厚さと、第1の平面と平行で該第1の方向に垂直に向いた吸収層表面とを有するものであり、
前記第1のダイは、光学窓を有するデバイス空洞領域を有し、
前記デバイス空洞領域は、前記光学窓を通って入射した電磁波を、内部反射させて、前記1つ以上の吸収層を、少なくとも2回、通り抜けさせるように構成された少なくとも2つの対向する反射部材を含むものであり、
前記光学要素は、光放射を光ファイバから受光し、該受光した光放射を前記光学窓の少なくとも一部に伝送するように構成されたものである光学アセンブリ。
実施形態22
前記光学要素は、光導波路または光結合部材を含むものである、実施形態21に記載の光学アセンブリ。
実施形態23
前記光ファイバは、主軸と、前記第1のダイの前記光学窓の表面から第1の距離に配置された放射出射端部とを含むものである、実施形態21に記載の光学アセンブリ。
実施形態24
前記光ファイバの放射出射端部と前記光学窓の間に配置された光ファイバ結合レンズを、
更に含む、実施形態21に記載の光学アセンブリ。
実施形態25
前記光ファイバは、主軸を有し、
前記光ファイバの前記主軸と前記第1の平面の間の角度αは、ゼロと約50度の間である、実施形態21に記載の光学アセンブリ。
実施形態26
前記光ファイバは、主軸を有し、
前記光ファイバの前記主軸と前記光学窓の表面の間の角度βは、ゼロと約60度の間である、実施形態21に記載の光学アセンブリ。
実施形態27
前記光ファイバは、主軸を有し、
前記光ファイバの前記主軸と前記第1のダイの縁部の間の角度βは、ゼロと約60度の間である、実施形態21に記載の光学アセンブリ。
実施形態28
前記角度βは、ゼロと約20度の間である、実施形態27に記載の光学アセンブリ。
実施形態29
前記光ファイバは、主軸を有し、
前記光ファイバの前記主軸と前記第1の平面に垂直な方向の間の角度γは、約0と約60度の間である、実施形態21に記載の光学アセンブリ。
実施形態30
前記光学要素は、前記光放射を、前記第1のダイの縁部と平行な方向に拡散させるように構成されたものである、実施形態21に記載の光学アセンブリ。
実施形態31
前記光学要素は、前記光放射を、前記第1の平面における2つの直交方向に拡散させるように構成されたものである、実施形態21に記載の光学アセンブリ。
実施形態32
光学デバイスにおいて、
第1の非吸収層と第2の非吸収層の間に配置された1つ以上の吸収層を含むダイであって、該1つ以上の吸収層、並びに、該第1および第2の非吸収層は、各々、Al
x
In
y
Ga
1-x-y
Nを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約10
10
cm
-2
未満の転位密度を有するものであるダイを
含み、
各前記1つ以上の吸収層は、第1の方向に測定した厚さ、および、第1の平面と平行で該第1の方向に垂直に向いた吸収層表面を有するものであり、
前記ダイは、光学窓を有するデバイス空洞領域を有し、
前記デバイス空洞領域は、前記光学窓を通って入射した電磁波を、内部反射させて、前記1つ以上の吸収層を、少なくとも2回、通り抜けさせるように構成された少なくとも2つの対向する反射部材を含むものである光学デバイス。
実施形態33
前記少なくとも2つの対向する反射部材は、更に、前記1つ以上の吸収層から出射された発光を内部反射させるように構成されたものである、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態34
前記光学窓の面積は、前記吸収層表面の表面積の40%未満である、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態35
前記デバイス空洞領域は、光を前記第1の平面から20度以内の方向に伝播させるように構成されたものである、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態36
前記デバイス空洞領域は、光を前記第1の平面から20度と80度の間の方向に伝播させるように構成されたものである、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態37
前記デバイス空洞領域は、光を前記第1の平面の垂線から10度以内の方向に伝播させるように構成されたものである、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態38
前記1つ以上の吸収層、並びに、前記第1および第2の非吸収層の各々の結晶方位は、(0001)または(000-1)から5度以内である、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態39
前記1つ以上の吸収層、並びに、前記第1および第2の非吸収層の各々の結晶方位は、{10-10}または{11-20}の一方から5度以内である、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態40
前記1つ以上の吸収層、並びに、前記第1および第2の非吸収層の各々の結晶方位は、{11-2±2}、{60-6±1}、{50-5±1}、{40-4±1}、{30-3±1}、{50-5±2}、{70-7±3}、{20-2±1}、{30-3±2}、{40-4±3}、{50-5±4}、{10-1±1}、{10-1±2}、{10-1±3}、{21-3±1}、または、{30-3±4}の1つから5度以内である、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態41
前記1つ以上の吸収層、並びに、前記第1および第2の非吸収層は、各々、約10
8
cm
-2
未満の転位密度を有するものである、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態42
ガリウム含有窒化物を含む基板を、
更に含み、
前記基板は、較正された二次イオン質量分析法(SIMS)によって定量化された場合、
O、H、および、Cの各々、約1×10
16
cm
-3
と1×10
19
cm
-3
の間、約1×10
16
cm
-3
と2×10
19
cm
-3
の間、および、1×10
17
cm
-3
未満である不純物濃度と、
F、Cl、Na、および、Kの少なくとも1つの約1×10
15
cm
-3
と1×10
19
cm
-3
の間である不純物濃度とを有するものである、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態43
基板を、
更に含み、
前記基板は、特徴物のパターン状アレイを、該基板と前記第1および第2の非吸収層の少なくとも1つとの間の界面に含むものである、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態44
前記パターン状アレイの特徴物のピッチは、約0.2マイクロメートルと約10マイクロメートルの間であり、該特徴物は、約0.1マイクロメートルと約10マイクロメートルの間の高さ、および、0.1マイクロメートルと約5マイクロメートルの間の幅を有するものである、実施形態43に記載の光学デバイス。
実施形態45
基板と、
n側反射電気接続部と、
p側反射電気接続部と
を更に含み、
前記第1の非吸収層は、前記基板の第1の面の上に積層され、前記n側反射電気接続部は、該基板の該第1の面と反対側の該基板の第2の面と電気接続し、前記p側反射電気接続部は、前記第2の非吸収層と電気接続するものである、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態46
不連続p電極および反射金属層を含むp側反射電気接続部を、
更に含む、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態47
n側反射電気接続部と、
p側反射電気接続部と
を更に含み、
前記n側反射電気接続部と前記p側反射電気接続部の少なくとも一方は、TiO
2
、Ta
2
O
5
、ZrO
2
、SiO
2
、SiO
x
、SiN
x
、Si
3
N
4
、SiO
x
N
y
、Al
2
O
3
、または、MgF
2
の少なくとも1つを含む誘電層を含むものである、実施形態46に記載の光学デバイス。
実施形態48
n側反射電気接続部と、
p側反射電気接続部と
を更に含み、
少なくとも1つのビアが前記第2の非吸収層および前記1つ以上の吸収層に侵入し、
前記n側反射電気接続部は、前記第1の非吸収層、または、前記第2の非吸収層上に配置された半透明電流拡散層と直に電気接続し、
前記p側反射電気接続部は、前記第2の非吸収層、または、前記第2の非吸収層上に配置された前記半透明電流拡散層と電気接続するものである、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態49
光透過部材と、
n側反射電気接続部と、
p側反射電気接続部と
を更に含み、
前記n側電気接続部は、前記光透過部材の第1の面と反対側の該光透過部材の第2の面、および、前記第1の非吸収層の一方、若しくは、前記第2の非吸収層上に配置された半透明電流拡散層と電気接続し、前記p側反射電気接続部は、該第2の非吸収層、または、該第2の非吸収層上に配置された半透明電流拡散層と電気接続し、該n側およびp側反射電気接続部の少なくとも一方は、該光透過部材に対して横方向に配置されたものである、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態50
前記光透過部材に対して横方向に配置された前記n側およびp側反射電気接続部の前記少なくとも一方は、前記第1の非吸収層と電気接続するものである、実施形態49に記載の光学デバイス。
実施形態51
n側反射電気接続部と、
p側反射電気接続部と
を更に含み、
少なくとも1つのビアは、前記第1の非吸収層および前記1つ以上の吸収層に侵入し、
前記n側反射電気接続部は、前記第1の非吸収層、または、前記第2の非吸収層上に配置された半透明電流拡散層と直に電気接続し、
前記p側反射電気接続部は、前記第2の非吸収層、または、該第2の非吸収層上に配置された半透明電流拡散層と電気接続するものである、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態52
前記少なくとも2つの対向する反射部材は、n側反射電気接続部およびp側反射電気接続部を含み、該n側反射電気接続部および該p側反射電気接続部は、前記デバイス空洞領域内で光の伝播方向を約30度より大きく変化させるように構成されたものである、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態53
前記吸収層は、約400ナノメートルと約550ナノメートルの間の波長に対応するバンドギャップを有するものである、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態54
前記ダイの少なくとも1つの縁部と接触する少なくとも1つの吸収層縁部パッシベーション部を、
更に含む、実施形態32に記載の光学デバイス。
実施形態55
前記縁部パッシベーション部は、AlN
x
、Al
2
O
3
、TiO
2
、Ta
2
O
5
、ZrO
2
、SiO
2
、SiO
x
、SiN
x
、Si
3
N
4
、SiO
x
N
y
、または、Si
u
Al
v
O
x
N
y
の少なくとも1つを含むものである、実施形態54に記載の光学デバイス。
実施形態56
光学デバイスにおいて、
光学窓、および、n型第1の非吸収層と第2の非吸収層の間に配置された少なくとも2つの吸収層を含むダイであって、該吸収層および該非吸収層は、各々、Al
x
In
y
Ga
1-x-y
Nを含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約10
7
cm
-2
未満の転位密度を有するものであるダイを
含み、
別体のn接続部が、前記第1の非吸収層上に配置され、p型接続部が前記第2の非吸収層上に配置されたものである光学デバイス。
実施形態57
光学アセンブリにおいて、
少なくとも1つのレーザダイオードと、
少なくとも1つの光ファイバと、
少なくとも第1のフォトダイオードと
を含み、
前記レーザダイオードは、Al
x
In
y
Ga
1-x-y
Nを含む少なくとも1つの活性層を含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約10
7
cm
-2
未満の転位密度を有するものであり、
前記第1のフォトダイオードは、Al
x
In
y
Ga
1-x-y
Nを含む少なくとも1つの吸収層を含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約10
10
cm
-2
未満の転位密度を有するものであり、
前記レーザダイオードは、約400ナノメートルと約500ナノメートルの間の発光波長を有するように構成されたものであり、
前記第1のフォトダイオードは、約400ナノメートルと約550ナノメートルの間の吸収層バンドギャップ波長を有するように構成されたものである光学アセンブリ。
実施形態58
前記レーザダイオードは、400ナノメートルと410ナノメートルの間の発光波長を有するように構成されたものであり、前記フォトダイオードは、400ナノメートルと460ナノメートルの間の吸収層バンドギャップ波長を有するように構成されたものであるか、
前記レーザダイオードは、440ナノメートルと460ナノメートルの間の発光波長を有するように構成されたものであり、前記フォトダイオードは、440ナノメートルと500ナノメートルの間の吸収層バンドギャップ波長を有するように構成されたものである、実施形態57に記載の光学アセンブリ。
実施形態59
少なくとも1つの光ファイバは、分岐構造物を有するものである、実施形態57に記載の光学アセンブリ。
実施形態60
少なくとも1つの光学分配デバイスを、
更に含む、実施形態57に記載の光学アセンブリ。
実施形態61
レーザダイオードパワーを少なくとも1つの制御されたAC周波数で変調し、フォトダイオード信号をDCパワーコンポーネントと、該少なくとも1つの制御された周波数のAC信号コンポーネントとに分けるように構成された制御モジュールを、
更に含む、実施形態57に記載の光学アセンブリ。
実施形態62
前記AC信号コンポーネントを、オーディオ周波数で変調し、前記モジュールは、ヘッドホンまたはオーディオスピーカーに接続されたものである、実施形態61に記載の光学アセンブリ。
実施形態63
前記変調されたレーザダイオードパワー、および、前記フォトダイオードパワーの前記変調されたACコンポーネントの振幅は、前記対応するDCコンポーネントの10%未満である、実施形態61に記載の光学アセンブリ。
実施形態64
前記DCパワーコンポーネントを電力に変換するように構成された前記第1のフォトダイオードは、更に、前記少なくとも1つの制御された周波数の前記AC信号コンポーネントを検出するように構成されたものである、実施形態61に記載の光学アセンブリ。
実施形態65
別体の信号光検出器デバイスを、
更に含み、
前記別体の信号光検出器デバイスは、前記少なくとも1つの制御された周波数の前記AC信号コンポーネントを検出するように構成されたものである、実施形態61に記載の光学アセンブリ。
実施形態66
前記別体の信号光検出器デバイスは、前記光ファイバの端部と前記第1のフォトダイオードの間に配置されたものである、実施形態65に記載の光学アセンブリ。
実施形態67
前記別体の信号光検出器デバイスは、光結合部材に近接して配置され、該光結合部材は、前記光ファイバの端部と前記第1のフォトダイオードの間に配置されたものである、実施形態65に記載の光学アセンブリ。
実施形態68
前記少なくとも1つのレーザダイオードは、少なくとも2つのレーザダイオードを含むものであり、前記少なくとも1つのフォトダイオードは、少なくとも2つのフォトダイオードを含むものであり、前記光学アセンブリは、少なくとも2つの異なる方向の信号通信を可能にするように構成されたものである、実施形態57に記載の光学アセンブリ。
実施形態69
前記少なくとも1つのフォトダイオードは、光パワーの入力および出力の両方のために構成されたものである、実施形態57に記載の光学アセンブリ。
実施形態70
前記レーザダイオードに対する前記フォトダイオードの回転を適応させる少なくとも1つの非剛性または非接触の光結合部を、
更に含む、実施形態57に記載の光学アセンブリ。
実施形態71
光学アセンブリにおいて、
少なくとも1つのレーザダイオードと、
少なくとも1つの光ファイバと、
少なくとも1つのフォトダイオードと
を含み、
前記レーザダイオードは、Al
x
In
y
Ga
1-x-y
Nを含む少なくとも1つの活性層を含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約10
7
cm
-2
未満の転位密度を有するものであり、
前記フォトダイオードは、Al
x
In
y
Ga
1-x-y
Nを含む少なくとも1つの吸収層を含み、但し、0≦x,y,x+y≦1で、約10
10
cm
-2
未満の転位密度を有するものであり、
前記レーザダイオードは、約400ナノメートルと約500ナノメートルの間の発光波長を有するように構成されたものであり、
前記フォトダイオードは、約400ナノメートルと約550ナノメートルの間の吸収層バンドギャップ波長を有するように構成されたものであり、
前記フォトダイオードからの電力を用いて、モノのインターネットセンサまたはアクチュエータ、若しくは、パーソナル電子アプリケーションに電力を供給する光学アセンブリ。
実施形態72
蛍光体、ヒートシンク、遠視野分布光を形成する反射型または透過型光学部材、センサ、および、制御システムの少なくとも1つを含む照明システムを、
更に含む、実施形態71に記載の光学アセンブリ。
実施形態73
前記照明システムは、照明器具を含むものである、実施形態72に記載の光学アセンブリ。
【符号の説明】
【0150】
101 基板
105 n型第1の非吸収層
107 吸収層
109 第2の非吸収層
111 p型非吸収層
113 p側反射電気接続部
114 n側反射電気接続部
215 不連続p電極
217 不連続n電極
252 受光面