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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】ブロック玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/08 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A63H33/08 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023038170
(22)【出願日】2023-03-10
(62)【分割の表示】P 2021116776の分割
【原出願日】2018-07-02
(65)【公開番号】P2023060351
(43)【公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】奥村 優
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-091062(JP,A)
【文献】特開昭56-005582(JP,A)
【文献】特許第6914893(JP,B2)
【文献】実開平06-011796(JP,U)
【文献】登録実用新案第3108889(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 33/04-33/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互連結および連結解除のための連結部および被連結部を有するブロック玩具であって、
前記相互連結のときと前記連結解除のときとでそれぞれ変位する変位部と、
前記変位部の変位に応じて動作する少なくとも一部分が前記ブロック玩具から露出した状態で動作する動作部と、
を備え、
前記動作部は、前記ブロック玩具同士の前記相互連結のときに視覚的に認識可能な位置に設けられる、
ブロック玩具。
【請求項2】
前記ブロック玩具は、第1の面と第2の面を含む複数の面により構成された外表面を有し
前記連結部は、前記第1の面に設けられ、
前記被連結部は、前記第2の面に設けられ、
前記動作部は、前記第1の面および前記第2の面とは異なる面に設けられる、
請求項1に記載のブロック玩具。
【請求項3】
前記第2の面は、前記第1の面と相対する面である、
請求項2に記載のブロック玩具。
【請求項4】
前記連結部は凸状に構成され、前記被連結部は当該連結部を着脱可能に嵌め込み可能に凹状に構成される、
請求項1~3のいずれか1項に記載のブロック玩具。
【請求項5】
前記変位部の少なくとも一部は、前記凹状内に配置される、
請求項4に記載のブロック玩具。
【請求項6】
前記変位部は、前記ブロック玩具同士の連結方向と略同じ方向に直線変位可能に構成される、
請求項5に記載のブロック玩具。
【請求項7】
前記変位部の前記直線変位は、押し込み変位と復帰変位である、
請求項6に記載のブロック玩具。
【請求項8】
前記押し込み変位と前記復帰変位は、弾性部材の付勢下にて行われるように構成される、
請求項7に記載ブロック玩具。
【請求項9】
前記動作部は、少なくとも一部が回転可能部品から成り、
前記動作部の動作は、前記回転可能部品の回転によるものである、
請求項1~8のいずれか1項に記載のブロック玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互連結および連結解除を可能としたブロック玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
後記特許文献1には、上側にノブを有し下側に穴を有する積み重ねブロックが開示されている。この積み重ねブロックは、例えば2個の積み重ねブロックのうちの一方のノブに他方の穴を嵌め込むことによって、当該2個の積み重ねブロックを相互連結して積み重ねることができる。
【0003】
しかしながら、前掲の積み重ねブロックは、ノブおよび穴を利用し2個以上の積み重ねブロックを相互連結して積み重ねることを主眼とするものであるため、相互連結および連結解除以外の楽しさおよび面白さを遊戯者に供与することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表平10-506309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、相互連結および連結解除以外の楽しさおよび面白さを遊戯者に供与できるブロック玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るブロック玩具は、相互連結および連結解除のための連結部および被連結部を有するブロック玩具であって、前記相互連結のときと前記連結解除のときの少なくとも一方において演出を出力する演出出力部を備えている。また、本発明に係るブロック玩具は、相互連結および連結解除のための連結部および被連結部を有するブロック玩具であって、前記相互連結のときと前記連結解除のときとでそれぞれ変位する変位部と、前記相互連結のときの前記変位部の変位に応じて動作する少なくとも一部分が前記ブロック玩具から露出した状態で動作する動作部と、を備え、前記動作部は、前記ブロック玩具同士の前記相互連結のときに視覚的に認識可能な位置に設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るブロック玩具によれば、相互連結および連結解除以外の楽しさおよび面白さを遊戯者に供与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1(A)は本発明の第1実施形態に係るブロック玩具の正面図、図1(B)は同ブロック玩具の平面図、図1(C)は同ブロック玩具の底面図、図1(D)は図1(A)に示したブロック玩具から第1本体部を取り外した状態における第2本体部の平面図、図1(E)は図1(A)に示したブロック玩具から第2本体部を取り外して第1本体部を左右に180°回転させた状態における第1本体部の平面図、図1(F)は図1(A)に示したブロック玩具における操作部と動力伝達部との位置関係を示す縦断面図である。
図2図2(A)~図2(E)は図1に示したブロック玩具の動作説明図である。
図3図3(A)は本発明の第2実施形態に係るブロック玩具の正面図、図3(B)は同ブロック玩具の平面図、図3(C)は同ブロック玩具の底面図、図3(D)は図3(A)に示したブロック玩具から第1本体部を取り外した状態における第2本体部の平面図、図3(E)は図3(A)に示したブロック玩具から第2本体部を取り外して第1本体部を左右に180°回転させた状態における第1本体部の平面図、図3(F)は図3(A)に示したブロック玩具における操作部と動力伝達部との位置関係を示す縦断面図である。
図4図4(A)~図4(E)は図3に示したブロック玩具の動作説明図である。
図5図5(A)は本発明の第3実施形態に係るブロック玩具の正面図、図5(B)は同ブロック玩具の平面図、図5(C)は同ブロック玩具の底面図、図5(D)は図5(A)に示したブロック玩具から第1本体部を取り外した状態における第2本体部の平面図、図5(E)は図5(A)に示したブロック玩具から第2本体部を取り外して第1本体部を左右に180°回転させた状態における第1本体部の平面図、図5(F)は図5(A)に示したブロック玩具における操作部と動力伝達部との位置関係を示す縦断面図である。
図6図6(A)~図6(C)は図5に示したブロック玩具の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《第1実施形態》
図1および図2は本発明の第1実施形態に係るブロック玩具10の構成および動作を示すものである。以下の説明では、便宜上、図1(A)の手前側を前、奥側を後、左側を右、右側を左、上側を上、下側を下と表記し、他の図についてもこれらに準じて向きを表記する。
【0010】
まず、図1を引用して、ブロック玩具10の構成について説明する。ブロック玩具10は、上側の第1本体部12と下側の第2本体部13との組み合わせから成る直方体状のブロック本体11と、ブロック本体11の上面に設けられた連結部12aと、ブロック本体11の上面と相対する下面に設けられた被連結部13aと、ブロック本体11の前面に配置された演出出力部14と、被連結部13aにその一部が配置された演出出力部14用の操作部15と、ブロック本体11内に配置された動力伝達部16および弾性部材17とを有している。ブロック玩具10は、直方体状に限定されるわけではなく、その外表面が複数の面により構成され、連結部12aと被連結部13aがブロック玩具10の相対する面にそれぞれに設けられていればよい。例えば、ブロック玩具10の形状としては、直方体状の他に、円柱形状や直方体以外の多角柱形状であってもよい。
【0011】
図1(A)~図1(C)に示したように、連結部12aは凸状、具体的には円柱状の凸部であり、被連結部13aは連結部12aを着脱可能に嵌め込み可能な凹状、具体的には円柱状の凹部である。連結部12aの上面視の中心と被連結部13aの下面視の中心は、好ましくは上下方向で一致している。また、連結部12aの直径および上下方向寸法は被連結部13aの直径および上下寸法よりも僅かに小さく、同様の連結部ABbおよび被連結部ABcを有する別のブロック玩具AB(図2(A)を参照)との相互連結および連結解除が行えるようになっている。
【0012】
図1(D)および図1(F)に示したように、第2本体部13には、被連結部13aを囲む円筒部13bが在り、当該円筒部13bの上部には、下面視が十字状を成す操作部15用の案内孔13cが設けられている。また、第2本体部13の前面壁の上面には、前面視が矩形状を成す演出出力部14用の軸支部13dと、前面視が矩形状を成す動力伝達部16用の軸支部13eが、左右に連続して設けられている。軸支部13eの上下方向寸法は軸支部13dの上下方向寸法よりも大きく、各々の上面には、前面視がU字状を成す軸支溝(符号省略)が設けられている。さらに、円筒部13bの上面の略中央には、操作部15の下降位置を制限する下降制限部13fが設けられている。案内孔13cは下降制限部13fにも及んでおり、当該下降制限部13fにおける案内孔13cは左側を開放している。さらに、円筒部13bの上面における下降制限部13fの左側には、動力伝達部16用の軸支部13gが設けられている。軸支部13gは下降制限部13fよりも上下方向寸法が大きく、当該軸支部13gの上面には前面視がU字状を成す軸支溝(符号省略)が設けられている。
【0013】
図1(A)~図1(D)に示したように、演出出力部14は円盤状の回転可能部品から成り、少なくとも表面(前面)がブロック玩具10の前面から露出している。演出出力部14は前面視の中心を軸とした回転可能部品であるため、その回転を視覚的に認識しやくするために装飾部14a(例えばプロペラや風車を模したもの等)が前面に設けられている。また、演出出力部14の後面視の中心には、円柱状のシャフト14bが設けられており、当該シャフト14bの後部には、歯車14cが設けられている。図1(D)に示したように、演出出力部14のシャフト14bの中間部は軸支部13dの軸支溝(符号省略)に回転自在に配置され、歯車14cは軸支部13dの後側に位置している。このように、演出出力部14は、ブロック玩具10の前面に対して略垂直の回転軸で回転する回転可能部品である。なお、回転可能部品のようなブロック本体11から露出した状態で動作する動作部品は、連結部12a及び被連結部13aが設けられる方向(上下方向)とは異なる方向(前方向)に設けられるため、ブロック玩具10同士の連結で動作部品の動作が妨げられたり、ブロック玩具10同士の連結により動作部品の動作の視覚的な認識が妨げられたりすることはない。
【0014】
図1(C)、図1(D)および図1(F)に示したように、操作部15は、下面視が十字状を成す回転規制部15aと、当該回転規制部15aの上端に連続して設けられた鍔部15bと、鍔部15bの上面に連続して設けられた円柱状の昇降案内部15cとを有している。なお、回転規制部15aの下面視の中心と昇降案内部15cの上面視の中心は、上下方向で一致していてもよいし、上下方向で多少ずれていてもよい。また、鍔部15bの左側部分には、操作部15が昇降するときに当該鍔部15bが動力伝達部16の歯車16bと干渉しないように、切り欠き(符号省略)が設けられている。さらに、回転規制部15aの上部左側には、操作部15が昇降するときに動力伝達部16の歯車16bに噛合可能なラック15a1が設けられている。図1(D)に示したように、操作部15の回転規制部15aは案内孔13cに上下方向に昇降自在に挿通されており、ブロック玩具10が非連結状態にあるときは、鍔部15bは下降制限部13fに接していて回転規制部15aの下部は被連結部13aに位置しており、ラック15a1は動力伝達部16の歯車16bに噛合していない。
【0015】
図1(D)および図1(F)に示したように、動力伝達部16は、円柱状のシャフト16aと、当該シャフト16aの後部に設けられた歯車16bと、当該シャフト16aの前部に設けられた歯車16cとを有している。図1(D)に示したように、動力伝達部16のシャフト16aの後端部は軸支部13gの軸支溝(符号省略)に回転自在に配置され、当該シャフト16aの前端部は軸支部13eの軸支溝(符号省略)に回転自在に配置されており、ブロック玩具20が非連結状態にあるときは、歯車16cは演出出力部14の歯車14cに噛合しており、図1(F)に示したように、歯車16bは操作部15のラック15a1に噛合していない。
【0016】
図1(E)および図1(F)に示したように、第1本体部12の前面壁の下面には、第2本体部13の軸支部13dおよび13eそれぞれを受容する矩形溝状の受容部12bおよび12cが左右に連続して設けられている。また、第1本体部12の内側上面の中央には、操作部15の昇降案内部15cを弾性部材17(図中は圧縮コイルバネ)を介して受容する下面視が円状を成す案内孔12dを具備した円筒部12eが設けられているとともに、第2本体部13の軸支部13gの上面に当接または近接する抜け防止部12fが設けられている。
【0017】
すなわち、第1本体部12を第2本体部13(図1(D)を参照)に組み合わせた状態では、第1本体部12の受容部12bおよび12cによって第2本体部13の軸支部13dの軸支溝(符号省略)と軸支部13eの軸支溝(符号省略)が閉塞され、演出出力部14のシャフト14bと動力伝達部16のシャフト16aの抜けおよび位置ずれが防止される。また、同状態では、第1本体部12の抜け防止部12fによって第2本体部13の軸支部13gの軸支溝(符号省略)が閉塞され、動力伝達部16のシャフト16aの抜けおよび位置ずれが防止される。さらに、同状態では、操作部15の昇降案内部15cの上端が弾性部材17を介して案内孔12dに受容され、当該操作部15は弾性部材17によって下方に付勢されてその鍔部15bが第2本体部13の下降制限部13fの上面に接する。
【0018】
なお、符号を省略したが、図1(D)に示した4隅の丸印と図1(E)に示した4隅の丸印は、第1本体部12と第2本体部13とを組み合わせるときに用いられる凹凸嵌合部(一方が凸部で他方が凹部)を示している。勿論、第1本体部12と第2本体部13は丸印箇所にネジ結合部(一方がネジ挿通孔で他方がネジ穴)を設けて、ネジによって両者の組み合わせを行うようにしてもよい。
【0019】
次に、図2を引用して、前述のブロック玩具10の動作について説明する。ちなみに、図2(A)に示したABはブロック玩具10と外観が同じで内部構造が異なる別のブロック玩具であり、ABaはブロック本体、ABbは連結部、ABcは被連結部である。なお、ブロック玩具ABは同様の連結部ABbと被連結部ABcを有していれば特段の制限はなく、例えばブロック玩具10と同一のものでもよいし、後述のブロック玩具20(図3を参照)や後述のブロック玩具30(図5を参照)等であってもよい。
【0020】
図2(A)に示したように、ブロック玩具10を別のブロック玩具ABに相互連結するときにはブロック玩具10の被連結部13aを別のブロック玩具ABの連結部ABbに嵌め込む動作M11を行い、連結を解除するときにはブロック玩具10の被連結部13aを別のブロック玩具ABの連結部ABbから抜き出す動作M12を行う。
【0021】
図2(B)および図2(C)に示したように、動作M11では、別のブロック玩具ABの連結部ABbによってブロック玩具10の操作部15が弾性部材17の付勢力に抗して押し込まれて直線的に上昇変位する。ちなみに、弾性部材17の付勢力はブロック玩具10と別のブロック玩具ABとの相互連結力よりも小さいため、操作部15の上昇変位によって相互連結が解除されることはない。図2(B)に示したように、操作部15が上昇変位する過程では、当該操作部15のラック15a1が動力伝達部16の歯車16bに一時的に噛合し、操作部15が上昇限界に達すると当該噛合が解除される。
【0022】
すなわち、動作M11では、上昇変位する操作部15のラック15a1が動力伝達部16の歯車16bに一時的に噛合するため、当該一時的噛合によって動力伝達部16が前面視で時計回り方向に回転し、当該動力伝達部16の歯車16cに噛合している演出出力部14の歯車14cに回転動力が伝達されて当該演出出力部14が前面視で反時計回り方向に回転する(図2(C)を参照)。先に述べたように操作部15が上昇限界に達するとラック15a1と動力伝達部16の歯車16bとの噛合が解除されるため、動作M11による演出出力部14の回転は当該演出出力部14が回転抵抗によって静止するまでしばらく継続する。換言すれば、動作M11を素早く行えば、演出出力部14の回転をより長い時間継続させることが可能である。
【0023】
一方、図2(D)および図2(E)に示したように、動作M12では、ブロック玩具10の操作部15が弾性部材17の付勢力によって復帰して直線的に下降変位する。図2(D)に示したように、操作部15が下降変位する過程では、当該操作部15のラック15a1が動力伝達部16の歯車16bに一時的に噛合し、当該噛合は操作部15が下降限界に達すると解除される。
【0024】
すなわち、動作M12では、下降変位する操作部15のラック15a1が動力伝達部16の歯車16bに一時的に噛合するため、当該一時的噛合によって動力伝達部16が前面視で反時計回り方向に回転し、当該動力伝達部16の歯車16cに噛合している演出出力部14の歯車14cに回転動力が伝達されて当該演出出力部14が前面視で時計回り方向に回転する(図2(E)を参照)。先に述べたように操作部15が下降限界に達するとラック15a1と動力伝達部16の歯車16bとの噛合が解除されるため、動作M12による演出出力部14の回転は当該演出出力部14が回転抵抗によって静止するまでしばらく継続する。換言すれば、動作M12を素早く行えば、演出出力部14の回転をより長い時間継続させることが可能である。
【0025】
次に、前述のブロック玩具10によって得られる主たる作用効果について説明する。
【0026】
ブロック玩具10は、別のブロック玩具ABと相互連結するときに演出出力部14を回転させることができ、また、連結を解除するときにも演出出力部14を回転させることができるため、演出出力部14の回転による視覚的な演出の他、当該回転に伴って発生する音による聴覚的な演出を遊戯者に供与することができる。すなわち、ブロック玩具10によれば、相互連結および連結解除による楽しさおよび面白さを遊戯者に供与できる他、前記演出によって相互連結および連結解除以外の楽しさおよび面白さを遊戯者に供与することができる。
【0027】
また、前記演出は、前記動作M11によってブロック玩具10の被連結部13aに配置された操作部15を押し込むこと、ならびに、前記動作M12によって当該押し込みを解除して操作部15を復帰させることによって行われるため、前記演出を出力するために特別な外的操作を施す必要がない。つまり、従前と同様の相互連結および連結解除を行う動作に付随するかたちで前記演出を遊戯者に供与することができる。
【0028】
《第2実施形態》
図3および図4は本発明の第2実施形態に係るブロック玩具20の構成および動作を示すものである。以下の説明では、便宜上、図3(A)の手前側を前、奥側を後、左側を右、右側を左、上側を上、下側を下と表記し、他の図についてもこれらに準じて向きを表記する。
【0029】
まず、図3を引用して、ブロック玩具20の構成について説明する。ブロック玩具20は、上側の第1本体部22と下側の第2本体部23との組み合わせから成る直方体状のブロック本体21と、ブロック本体21の上面に設けられた連結部22aと、ブロック本体21の上面と相対する下面に設けられた被連結部23aと、ブロック本体21の前面壁にその一部が露出するように配置された演出出力部24と、被連結部23aにその一部が配置された演出出力部24用の操作部25と、ブロック本体21内に配置された動力伝達部26および弾性部材27とを有している。ブロック玩具20は、直方体状に限定されるわけではなく、その外表面が複数の面により構成され、連結部22aと被連結部23aがブロック玩具20の相対する面にそれぞれに設けられていればよい。例えば、ブロック玩具20の形状としては、直方体状の他に、円柱形状や直方体以外の多角柱形状であってもよい。
【0030】
図3(A)~図3(C)に示したように、連結部22aは凸状、具体的には円柱状の凸部であり、被連結部23aは連結部22aを着脱可能に嵌め込み可能な凹状、具体的には円柱状の凹部である。連結部22aの上面視の中心と被連結部23aの下面視の中心は、好ましくは上下方向で一致している。また、連結部22aの直径および上下方向寸法は被連結部23aの直径および上下寸法よりも僅かに小さく、同様の連結部ABbおよび被連結部ABcを有する別のブロック玩具AB(図4(A)を参照)との相互連結および連結解除が行えるようになっている。
【0031】
図3(D)および図3(F)に示したように、第2本体部23には、被連結部23aを囲む円筒部23bが在り、当該円筒部23bの上部には、下面視が十字状を成す操作部25用の案内孔23cが設けられている。また、第2本体部23の前面壁には、前面視が矩形状を成す演出出力部24用の露出孔23dが設けられている。さらに、第2本体部23の前面壁の上面における露出孔23dの左右両側には、左面視および右面視がU字状を成す演出出力部24用の軸支溝23eがそれぞれ設けられ、第2本体部23の左面壁の上面には、右面視がU字状を成す動力伝達部26用の軸支溝23eが設けられている。さらに、円筒部23bの上面の略中央には、操作部25の下降位置を制限する下降制限部23fが設けられている。案内孔23cは下降制限部23fにも及んでおり、当該下降制限部23fにおける案内孔23cは前側を開放している。さらに、円筒部23bの上面における下降制限部23fの前側には、動力伝達部26用の軸支部23gが設けられている。軸支部23gは下降制限部23fよりも上下方向寸法が大きく、当該軸支部23gの上面には左面視がU字状を成す軸支溝(符号省略)が設けられている。さらに、第2本体部23の前面における露出孔23dの左右両側には、演出出力部24の露出部分の両側下部を非接触で覆う被覆部23hが設けられ、図3(D)に示したように、左側の被覆部23hには、演出出力部24の歯車24cの下部を非接触で受容する空洞23h1が設けられている。
【0032】
図3(A)~図3(D)に示したように、演出出力部24はドラム状の回転可能部品から成り、外周面の一部がブロック玩具10の前面から露出している。演出出力部24は左面視および右面視の前面の中心を軸とした回転可能部品であるため、その回転を視覚的に認識しやくするために複数のマーク24a(例えば星形等の幾何学的なものやキャラクターを模したもの等)が外周面に設けられている。なお、マーク24aは図3(A)のみに示し、図3(B)~図3(D)ではその図示を省略している。また、演出出力部14の左面視および右面視の前面の中心には、円柱状のシャフト24bが設けられており、当該シャフト24bの左部には歯車24cが設けられている。図3(D)に示したように、演出出力部24は露出孔23dに配置され、かつ、シャフト24bの両端部は第2本体部23の前面壁の2個の軸支溝23eそれぞれに回転自在に配置され、歯車24cの下部は左側の被覆部23hの空洞23h1に位置している。このように、演出出力部24は、ブロック玩具20の前面に対して略平行の回転軸で回転する回転可能部品である。なお、回転可能部品のようなブロック本体11から露出した状態で動作する動作部品は、連結部22a及び被連結部23aが設けられる方向(上下方向)とは異なる方向(前方向)に設けられるため、ブロック玩具10同士の連結で動作部品の動作が妨げられたり、ブロック玩具10同士の連結により動作部品の動作の視覚的な認識が妨げられたりすることはない。
【0033】
図3(C)、図3(D)および図3(F)に示したように、操作部25は、下面視が十字状を成す回転規制部25aと、当該回転規制部25aの上端に連続して設けられた鍔部25bと、鍔部25bの上面に連続して設けられた円柱状の昇降案内部25cとを有している。ちなみに、回転規制部25aの下面視の中心と昇降案内部25cの上面視の中心は、上下方向で一致してもよいし、上下方向で多少ずれていてもよい。また、鍔部25bの前側部分には、操作部25が昇降するときに当該鍔部25bが動力伝達部26の歯車26bと干渉しないように、切り欠き(符号省略)が設けられている。さらに、回転規制部25aの上部前側には、操作部25が昇降するときに動力伝達部26の歯車26bに噛合可能なラック25a1が設けられている。図3(D)に示したように、操作部25の回転規制部25aは案内孔23cに上下方向に昇降自在に挿通されており、ブロック玩具20が非連結状態にあるときは、鍔部25bは下降制限部23fに接していて回転規制部25aの下部は被連結部23aに位置しており、ラック25a1は動力伝達部26の歯車26bに噛合していない。
【0034】
図3(D)および図3(F)に示したように、動力伝達部26は、円柱状のシャフト26aと、当該シャフト26aの右部に設けられた歯車26bと、当該シャフト26aの左部に設けられた歯車26cとを有している。図3(D)に示したように、動力伝達部26のシャフト26aの右端部は軸支部23gの軸支溝(符号省略)に回転自在に配置され、当該シャフト26aの左端部は第2本体部23の左面壁の軸支溝23eに回転自在に配置されており、ブロック玩具20が非連結状態にあるときは、歯車26cは演出出力部24の歯車24cに噛合しており、図3(F)に示したように、歯車26bは操作部25のラック25a1に噛合していない。
【0035】
図3(E)および図3(F)に示したように、第1本体部22の前面壁には、前面視が矩形状を成す演出出力部24用の露出孔22bが設けられている。また、第1本体部22の前面壁の下面における露出孔22bの左右両側には、左面視および右面視がU字状を成す演出出力部24用の軸支溝22cが設けられ、第1本体部22の左面壁の上面には、右面視がU字状を成す動力伝達部26用の軸支溝22cが設けられている。さらに、第1本体部22の内側上面の中央には、操作部25の昇降案内部25cを弾性部材27(図中は圧縮コイルバネ)を介して受容する下面視が円状を成す案内孔22dを具備した円筒部22eが設けられているとともに、第2本体部23の軸支部23gの上面に当接または近接する抜け防止部22fが設けられている。さらに、第1本体部22の前面における露出孔22bの左右両側には、演出出力部24の露出部分の両側上部を非接触で覆う被覆部22gが設けられ、図3(E)に示したように、左側の被覆部22gには、演出出力部24の歯車24cの上部を非接触で受容する空洞22g1が設けられている。
【0036】
すなわち、第1本体部22を第2本体部23(図3(D)を参照)に組み合わせた状態では、第1本体部22の計3個の軸支溝22cと第2本体部23の計3個の軸支溝23eとが上下に重なって閉塞され、演出出力部24のシャフト24bと動力伝達部26のシャフト26aの抜けおよび位置ずれが防止される。また、同状態では、第1本体部22の抜け防止部22fによって第2本体部23の軸支部23gの軸支溝(符号省略)が閉塞され、動力伝達部26のシャフト26aの抜けおよび位置ずれが防止される。さらに、同状態では、操作部25の昇降案内部25cの上端が弾性部材27を介して案内孔22dに受容され、当該操作部25は弾性部材27によって下方に付勢されてその鍔部25bが第2本体部23の下降制限部23fの上面に接する。さらに、同状態では、第1本体部22の各被覆部22gと第2本体部23の各被覆部23fとが上下に重なって、演出出力部24の露出部分の両側が非接触で覆われる。
【0037】
なお、符号を省略したが、図3(D)に示した4隅の丸印と図3(E)に示した4隅の丸印は、第1本体部22と第2本体部23とを組み合わせるときに用いられる凹凸嵌合部(一方が凸部で他方が凹部)を示している。勿論、第1本体部22と第2本体部23は丸印箇所にネジ結合部(一方がネジ挿通孔で他方がネジ穴)を設けて、ネジによって両者を組み合わせを行うようにしてもよい。
【0038】
次に、図4を引用して、前述のブロック玩具20の動作について説明する。ちなみに、図4(A)に示したABはブロック玩具20と外観が同じで内部構造が異なる別のブロック玩具であり、ABaはブロック本体、ABbは連結部、ABcは被連結部である。なお、ブロック玩具ABは同様の連結部ABbと被連結部ABcを有していれば特段の制限はなく、例えばブロック玩具20と同一のものでもよいし、前述のブロック玩具10(図1を参照)や後述のブロック玩具30(図5を参照)であってもよい。
【0039】
図4(A)に示したように、ブロック玩具20を別のブロック玩具ABに相互連結するときにはブロック玩具20の被連結部23aを別のブロック玩具ABの連結部ABbに嵌め込む動作M21を行い、連結を解除するときにはブロック玩具20の被連結部23aを別のブロック玩具ABの連結部ABbから抜き出す動作M22を行う。
【0040】
図4(B)および図4(C)に示したように、動作M21では、別のブロック玩具ABの連結部ABbによってブロック玩具20の操作部25が弾性部材27の付勢力に抗して押し込まれて直線的に上昇変位する。ちなみに、弾性部材27の付勢力はブロック玩具20と別のブロック玩具ABとの相互連結力よりも小さいため、操作部25の上昇変位によって相互連結が解除されることはない。図4(B)に示したように、操作部25が上昇変位する過程では、当該操作部25のラック25a1が動力伝達部26の歯車26bに一時的に噛合し、操作部25が上昇限界に達すると当該噛合が解除される。
【0041】
すなわち、動作M21では、上昇変位する操作部25のラック25a1が動力伝達部26の歯車26bに一時的に噛合するため、当該一時的噛合によって動力伝達部26が左面視で反時計回り方向に回転し、当該動力伝達部26の歯車26cに噛合している演出出力部24の歯車24cに回転動力が伝達されて当該演出出力部24が左面視で時計回り方向に回転する(図4(C)を参照)。先に述べたように操作部25が上昇限界に達するとラック25a1と動力伝達部26の歯車26bとの噛合が解除されるため、動作M21による演出出力部24の回転は当該演出出力部24が回転抵抗によって静止するまでしばらく継続する。換言すれば、動作M21を素早く行えば、演出出力部24をより長い時間回転させることが可能である。
【0042】
一方、図4(D)および図4(E)に示したように、動作M22では、ブロック玩具20の操作部25が弾性部材27の付勢力によって復帰して直線的に下降変位する。図4(D)に示したように、操作部25が下降変位する過程では、当該操作部25のラック25a1が動力伝達部26の歯車26bに一時的に噛合し、当該噛合は操作部25が下降限界に達すると解除される。
【0043】
すなわち、動作M22では、下降変位する操作部25のラック25a1が動力伝達部26の歯車26bが一時的に噛合するため、当該一時的噛合によって動力伝達部26が左面視で時計回り方向に回転し、当該動力伝達
部26の歯車26cに噛合している演出出力部24の歯車24cに回転動力が伝達されて当該演出出力部24が左面視で反時計回り方向に回転する(図4(E)を参照)。先に述べたように操作部25が下降限界に達するとラック25a1と動力伝達部26の歯車26bとの噛合が解除されるため、動作M22による演出出力部24の回転は当該演出出力部24が回転抵抗によって静止するまでしばらく継続する。換言すれば、動作M22を素早く行えば、演出出力部24の回転をより長い時間継続させることが可能である。
【0044】
次に、前述のブロック玩具20によって得られる主たる作用効果について説明する。
【0045】
ブロック玩具20は、別のブロック玩具ABと相互連結するときに演出出力部24を回転させることができ、また、連結を解除するときにも演出出力部24を回転させることができるため、演出出力部24の回転による視覚的な演出の他、当該回転に伴って発生する音による聴覚的な演出を遊戯者に供与することができる。すなわち、ブロック玩具20によれば、相互連結および連結解除による楽しさおよび面白さを遊戯者に供与できる他、前記演出によって相互連結および連結解除以外の楽しさおよび面白さを遊戯者に供与することができる。
【0046】
また、前記演出は、前記動作M21によってブロック玩具20の被連結部23aに配置された操作部25を押し込むこと、ならびに、前記動作M22によって当該押し込みを解除して操作部25を復帰させることによって行われるため、前記演出を得るために特別な外的操作を施す必要がない。つまり、従前と同様の相互連結および連結解除を行う動作に付随するかたちで前記演出を遊戯者に供与することができる。
【0047】
《第3実施形態》
図5および図6は本発明の第3実施形態に係るブロック玩具30の構成および動作を示すものである。以下の説明では、便宜上、図5(A)の手前側を前、奥側を後、左側を右、右側を左、上側を上、下側を下と表記し、他の図についてもこれらに準じて向きを表記する。
【0048】
まず、図5を引用して、ブロック玩具30の構成について説明する。ブロック玩具30は、上側の第1本体部32と下側の第2本体部33との組み合わせから成る直方体状のブロック本体31と、ブロック本体31の上面に設けられた連結部32aと、ブロック本体31の上面と相対する下面に設けられた被連結部33aと、ブロック本体31内に配置された演出出力部34と、被連結部33aにその一部が配置された演出出力部34用の操作部35と、ブロック本体31内に配置された動力伝達部36、打撃部37および弾性部材38とを有している。ブロック玩具30は、直方体状に限定されるわけではなく、その外表面が複数の面により構成され、連結部32aと被連結部33aがブロック玩具30の相対する面にそれぞれに設けられていればよい。例えば、ブロック玩具30の形状としては、直方体状の他に、円柱形状や直方体以外の多角柱形状であってもよい。
【0049】
図5(A)~図5(C)に示したように、連結部32aは凸状、具体的には円柱状の凸部であり、被連結部33aは連結部32aを着脱可能に嵌め込み可能な凹状、具体的には円柱状の凹部である。連結部32aの上面視の中心と被連結部33aの下面視の中心は、好ましくは上下方向で一致している。また、連結部32aの直径および上下方向寸法は被連結部33aの直径および上下寸法よりも僅かに小さく、同様の連結部ABbおよび被連結部ABcを有する別のブロック玩具AB(図6(A)を参照)との相互連結および連結解除が行えるようになっている。
【0050】
図5(D)および図5(F)に示したように、第2本体部33には、被連結部33aを囲む円筒部33bが在り、当該円筒部33bの上部には、下面視が十字状を成す操作部35用の案内孔33cが設けられている。また、第2本体部23の右面壁の上面には、右面視が矩形状を成す打撃部37用の軸支部33dが設けられており、当該軸支部33dの上面には、左面視がU字状を成す軸支溝(符号省略)が設けられている。さらに、円筒部33bの上面の略中央には、操作部35の下降位置を制限する下降制限部33eが設けられている。案内孔33cは下降制限部33eにも及んでおり、当該下降制限部33eにおける案内孔33cは前側を開放している。さらに、円筒部33bの上面における下降制限部33eの前側には、動力伝達部36用の1対の軸支部33fが設けられている。各軸支部33fは下降制限部33eよりも上下方向寸法が大きく、当該各軸支部33fの上面には左面視がU字状を成す軸支溝(符号省略)が設けられている。さらに、円筒部33bの上面における下降制限部33eの右側には、打撃部37用の軸支部33gが設けられている。軸支部33gは下降制限部33eよりも上下方向寸法が大きく、当該軸支部33gの上面には左面視がU字状を成す軸支溝(符号省略)が設けられている。
【0051】
図5(D)および図5(E)に示したように、演出出力部34は打撃によって音を発生可能な腕状ベル等の発音可能部品から成り、図5(E)に示したように、第1本体部32内の隅に配置されブロック玩具30に覆い隠されている。ちなみに、図5(D)に2点鎖線で示した演出出力部34は、打撃部37との上下方向の位置関係を表している。
【0052】
図5(C)、図5(D)および図5(F)に示したように、操作部35は、下面視が十字状を成す回転規制部35aと、当該回転規制部35aの上端に連続して設けられた鍔部35bと、鍔部35bの上面に連続して設けられた円柱状の昇降案内部35cとを有している。ちなみに、回転規制部35aの下面視の中心と昇降案内部35cの上面視の中心は、上下方向で一致してもよいし、上下方向で多少ずれていてもよい。また、鍔部35bの前側部分には、操作部35が昇降するときに当該鍔部35bが動力伝達部36の歯車36bと干渉しないように、切り欠き(符号省略)が設けられている。さらに、回転規制部35aの上部前側には、操作部35が昇降するときに動力伝達部36の歯車23bに噛合可能なラック25a1が設けられている。図5(D)に示したように、操作部35の回転規制部35aは案内孔33cに上下方向に昇降自在に挿通されており、ブロック玩具30が非連結状態にあるときは、鍔部35bは下降制限部33eに接していて回転規制部35aの下部は被連結部33aに位置しており、ラック35a1は動力伝達部36の歯車36bに噛合していない。
【0053】
図5(D)および図5(F)に示したように、動力伝達部36は、円柱状のシャフト36aと、当該シャフト36aの左部に設けられた歯車36bと、当該シャフト36aの右部に設けられた歯車36cとを有している。図5(D)に示したように、動力伝達部36のシャフト36aにおける歯車36aの両側部分は1対の軸支部33fの軸支溝(符号省略)に回転自在に配置されており、ブロック玩具30が非連結状態にあるときは、図5(F)に示したように、歯車36bは操作部35のラック35a1に噛合していない。
【0054】
図5(D)に示したように、打撃部37は、円柱状のシャフト37aと、当該シャフト37aの左部に設けられた歯車37bと、当該シャフト37aの右部に設けられた4角柱状のアーム37cと、当該アーム37cの端部に回転自在に設けられた偏心円盤状のハンマー37dとを有している。図5(D)に示したように、打撃部37のシャフト37aの左端部は軸支部33gの軸支溝(符号省略)に回転自在に配置され、当該シャフト37aの右端部は軸支部33dの軸支溝(符号省略)に回転自在に配置されており、ハンマー37dはアーム37cが回転したときに演出出力部34を打撃できるようになっている。
【0055】
図5(E)および図5(F)に示したように、第1本体部32の右面壁の下面には、第2本体部33の軸支部33dを受容する矩形溝状の受容部32bが設けられている。また、第1本体部32の内側上面の中央には、操作部35の昇降案内部35cを弾性部材38(図中は圧縮コイルバネ)を介して受容する下面視が円状を成す案内孔32cを具備した円筒部32dが設けられているとともに、第2本体部33の1対の軸支部33fの上面に当接または近接する1対の抜け防止部32eが設けられ、第2本体部33の軸支部33gの上面に当接または近接する抜け防止部32fが設けられている。
【0056】
すなわち、第1本体部32を第2本体部33(図5(D)を参照)に組み合わせた状態では、第1本体部32の受容部32bによって第2本体部33の軸支部33dの軸支溝(符号省略)が閉塞され、打撃部37のシャフト37aの抜けおよび位置ずれが防止される。また、同状態では、第1本体部32の1対の抜け防止部32eによって第2本体部33の1対の軸支部33fの軸支溝(符号省略)が閉塞され、動力伝達部36のシャフト36aの抜けおよび位置ずれが防止されるとともに、第1本体部32の抜け防止部32fによって第2本体部33の軸支部33gの軸支溝(符号省略)が閉塞され、打撃部37のシャフト37aの抜けおよび位置ずれが防止される。さらに、同状態では、操作部35の昇降案内部35cの上端が弾性部材38を介して案内孔32cに受容され、当該操作部35は弾性部材38によって下方に付勢されてその鍔部35bが第2本体部33の下降制限部33eの上面に接する。
【0057】
なお、符号を省略したが、図5(D)に示した4隅の丸印と図5(E)に示した4隅の丸印は、第1本体部32と第2本体部33とを組み合わせるときに用いられる凹凸嵌合部(一方が凸部で他方が凹部)を示している。勿論、第1本体部32と第2本体部33は丸印箇所にネジ結合部(一方がネジ挿通孔で他方がネジ穴)を設けて、ネジによって両者の組み合わせを行うようにしてもよい。
【0058】
次に、図6を引用して、前述のブロック玩具30の動作について説明する。ちなみに、図6(A)に示したABはブロック玩具30と外観が同じで内部構造が異なる別のブロック玩具であり、ABaはブロック本体、ABbは連結部、ABcは被連結部である。なお、ブロック玩具ABは同様の連結部ABbと被連結部ABcを有していれば特段の制限はなく、例えばブロック玩具30と同一のものでもよいし、前述のブロック玩具10(図1を参照)や前述のブロック玩具20(図3を参照)であってもよい。
【0059】
図6(A)に示したように、ブロック玩具30を別のブロック玩具ABに相互連結するときにはブロック玩具30の被連結部33aを別のブロック玩具ABの連結部ABbに嵌め込む動作M31を行い、連結を解除するときにはブロック玩具30の被連結部33aを別のブロック玩具ABの連結部ABbから抜き出す動作M32を行う。
【0060】
図6(B)に示したように、動作M31では、別のブロック玩具ABの連結部ABbによってブロック玩具30の操作部35が弾性部材38の付勢力に抗して押し込まれて直線的に上昇変位する。ちなみに、弾性部材38の付勢力はブロック玩具30と別のブロック玩具ABとの相互連結力よりも小さいため、操作部35の上昇変位によって相互連結が解除されることはない。操作部35が上昇変位する過程では、当該操作部35のラック35a1が動力伝達部36の歯車36bと一時的に噛合し、操作部35が上昇限界に達すると当該噛合が解除される。
【0061】
すなわち、動作M31では、上昇変位する操作部35のラック35a1が動力伝達部36の歯車36bに一時的に噛合するため、当該一時的噛合によって動力伝達部26が左面視で反時計回り方向に回転し、当該動力伝達部26の歯車26cに噛合している打撃部37の歯車37bに回転動力が伝達されて当該打撃部37が左面視で時計回り方向に回転し、当該打撃部37のアーム37cが左面視で時計回り方向に約360度回転するたびにハンマー37dが演出出力部34を打撃し、当該打撃によって演出出力部34から音が発生する。先に述べたようにハンマー37dは、アーム37cの端部に回転自在に設けられ、かつ、回転中心が偏心しているため、打撃後は演出出力部34から待避できる。また、先に述べたように操作部35が上昇限界に達するとラック35a1と動力伝達部36の歯車36bとの噛合が解除されるため、動作M31による演出出力部35の音発生は打撃部37が回転抵抗によって静止するまでしばらく継続する。換言すれば、動作M31を素早く行えば、演出出力部34からの音発生をより長い時間継続させることが可能である。
【0062】
一方、図6(B)に示したように、動作M32では、ブロック玩具30の操作部35が弾性部材38の付勢力によって復帰して直線的に下降変位する。操作部35が下降変位する過程では、当該操作部35のラック35a1が動力伝達部36の歯車36bと一時的に噛合し、当該噛合は操作部35が下降限界に達すると解除される。
【0063】
すなわち、動作M32では、下降変位する操作部35のラック35a1が動力伝達部36の歯車36bに一時的に噛合するため、当該一時的噛合によって動力伝達部36が左面視で時計回り方向に回転し、当該動力伝達部36の歯車36cに噛合している打撃部37の歯車37bに回転動力が伝達されて当該打撃部37が左面視で反時計回り方向に回転し、当該打撃部37のアーム37cが左面視で反時計回り方向に約360度回転するたびにハンマー37dが演出出力部34を打撃し、当該打撃によって演出出力部34から音が発生する。先に述べたようにハンマー37dは、アーム37cの端部に回転自在に設けられ、かつ、回転中心が偏心しているため、打撃後は演出出力部34から待避できる。また、先に述べたように操作部35が上昇限界に達するとラック35a1と動力伝達部36の歯車36bとの噛合が解除されるため、動作M32による演出出力部35の音発生は打撃部37が回転抵抗によって静止するまでしばらく継続する。換言すれば、動作M32を素早く行えば、演出出力部34からの音発生をより長い時間継続させることが可能である。
【0064】
次に、前述のブロック玩具30によって得られる主たる作用効果について説明する。
【0065】
ブロック玩具30は、別のブロック玩具ABと相互連結するときに演出出力部34から音を発生させることができ、また、連結を解除するときにも演出出力部34から音を発生させることができるため、演出出力部35の音発生による聴覚的な演出を遊戯者に供与することができる。すなわち、ブロック玩具30によれば、相互連結および連結解除による楽しさおよび面白さを遊戯者に供与できる他、前記演出によって相互連結および連結解除以外の楽しさおよび面白さを遊戯者に供与することができる。
【0066】
また、前記演出は、前記動作M31によってブロック玩具30の被連結部33aに配置された操作部35を押し込むこと、ならびに、前記動作M32によって当該押し込みを解除して操作部35を復帰させることによって行われるため、前記演出を得るために特別な外的操作を施す必要がない。つまり、従前と同様の相互連結および連結解除を行う動作に付随するかたちで前記演出を遊戯者に供与することができる。
【0067】
《他の実施形態》
(1)前述のブロック玩具10、20および30では、操作部15、25および35が上昇変位するとき(相互連結のとき)と下降変位するとき(連結解除のとき)の両方で演出を出力させるようにしたものを示したが、例えば動力伝達部16、26および36の歯車16b、26bおよび36bを1方向回転の歯車に変えること等によって、操作部15、25および35が上昇変位するとき(相互連結のとき)と下降変位するとき(連結解除のとき)の一方のみで演出を出力させることも可能である。
【0068】
(2)前述のブロック玩具10、20および30では、ブロック本体11、21および31の上面に1個の連結部12a、22aおよび32aを設け、かつ、下面に1個の被連結部13a、23aおよび33aを設けたものを示したが、ブロック本体11、21および31のサイズ(例えば左右方向寸法)を大きくして同様の連結部および被連結部を2個以上設けたものとすることも可能である。この場合、2個以上の被連結部のうちの1個に操作部を配置して単一の演出出力部から演出を出力できるようにしてもよいし、各被連結部に操作部を配置して同数の演出出力部それぞれから演出を出力できるようにしてもよい。
【0069】
(3)前述のブロック玩具10および20では、演出出力部14および24を回転可能部品で構成したものを示したが、回転以外の変位を可能とした部品、例えば操作部25の昇降を利用して直線変位するような機構を演出出力部として採用することも可能である。また、前述のブロック玩具30では、演出出力部34を打撃により音を発生する発音可能部品で構成したものを示したが、打撃以外によって音の発生を可能とした部品、例えば操作部35の昇降を利用して電気的に音を発生するような電子回路を演出出力部として採用することも可能である。さらに、光の発生を可能とした部品、例えば操作部35の昇降を利用して電気的に光を発生するような電子回路を演出出力部として採用することも可能である。
【符号の説明】
【0070】
10…ブロック玩具(第1実施形態)、11…ブロック本体、12…第1本体部、13…第2本体部、12a…連結部、13a…被連結部、14…演出出力部、15…操作部、16…動力伝達部、17…弾性部材、20…ブロック玩具(第2実施形態)、21…ブロック本体、22…第1本体部、23…第2本体部、22a…連結部、23a…被連結部、24…演出出力部、25…操作部、26…動力伝達部、27…弾性部材、30…ブロック玩具(第3実施形態)、31…ブロック本体、32…第1本体部、33…第2本体部、32a…連結部、33a…被連結部、34…演出出力部、35…操作部、36…動力伝達部、37…打撃部、38…弾性部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6