(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】カートリッジ
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20240902BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20240902BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
G03G21/18 185
G03G15/08 330
G03G21/16 152
G03G21/18 160
(21)【出願番号】P 2023104026
(22)【出願日】2023-06-26
(62)【分割の表示】P 2019084040の分割
【原出願日】2019-04-25
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 範行
(72)【発明者】
【氏名】尾島 磨佐基
(72)【発明者】
【氏名】森 友紀
(72)【発明者】
【氏名】阿部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】津田 忠之
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-276138(JP,A)
【文献】特開2018-180380(JP,A)
【文献】特開2009-181002(JP,A)
【文献】特開2018-189740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
G03G 15/08
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラムユニットと、
前記ドラムユニットに着脱可能な現像ユニットと、を備え、
前記ドラムユニットは、
第1方向に延びる第1軸周りに回転可能な感光ドラムと、
第1側壁と、前記第1方向について前記第1側壁と反対側に設けられる第2側壁と、前記第1側壁及び前記第2側壁をつなぐ底壁と、を有する第1フレームと、
押圧部と、を有し、
前記現像ユニットは、
第2方向に延びる第2軸周りに回転可能な現像ローラと、
情報を記憶し、メモリ電極を有するメモリと、
前記メモリが支持されるメモリ支持部と、
第3側壁と、前記第2方向について前記第3側壁と反対側に設けられる第4側壁と、前記第2方向について前記第3側壁と前記第4側壁の間に配置されたトナー収容部と、前記第3側壁から前記第2方向に突出した力受け部と、を有する第2フレームと、を有し、
前記現像ユニットが前記ドラムユニットに装着され、かつ前記底壁の上に位置される装着状態において、前記感光ドラムに対して前記現像ローラが押し付けられるように前記押圧部は前記力受け部を押圧し、
前記装着状態において、前記力受け部と前記感光ドラムの間の距離は、前記メモリ電極と前記感光ドラムの間の距離よりも短
く、
前記第1フレームは、前記メモリ支持部を受け入れる受け入れ部を備え、
前記受け入れ部は、前記第1フレームに形成された開口である、
ことを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
ドラムユニットと、
前記ドラムユニットに着脱可能な現像ユニットと、を備え、
前記ドラムユニットは、
第1方向に延びる第1軸周りに回転可能な感光ドラムと、
第1側壁と、前記第1方向について前記第1側壁と反対側に設けられる第2側壁と、前記第1側壁及び前記第2側壁をつなぐ底壁と、を有する第1フレームと、
押圧部と、を有し、
前記現像ユニットは、
第2方向に延びる第2軸周りに回転可能な現像ローラと、
情報を記憶し、メモリ電極を有するメモリと、
前記メモリが支持されるメモリ支持部と、
第3側壁と、前記第2方向について前記第3側壁と反対側に設けられる第4側壁と、前記第2方向について前記第3側壁と前記第4側壁の間に配置されたトナー収容部と、前記第3側壁から前記第2方向に突出した力受け部と、を有する第2フレームと、を有し、
前記現像ユニットが前記ドラムユニットに装着され、かつ前記底壁の上に位置される装着状態において、前記感光ドラムに対して前記現像ローラが押し付けられるように前記押圧部は前記力受け部を押圧し、
前記装着状態において、前記力受け部と前記感光ドラムの間の距離は、前記メモリ電極と前記感光ドラムの間の距離よりも短く、
前記第1フレームは、前記メモリ支持部を受け入れる受け入れ部を備え、
前記受け入れ部は、前記第1フレームに形成された凹部である、
ことを特徴とするカートリッジ。
【請求項3】
前記凹部は、前記第1側壁に形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記装着状態において、前記凹部は、前記第1側壁の上端から前記底壁に向けてくぼむ形状を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記現像ユニットは、前記第2方向における前記第2フレームの端部に取り付けられたサイドホルダを有し、
前記サイドホルダは、前記メモリ支持部を備える、
ことを特徴とする請求項1
から4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記装着状態において、前記メモリ支持部は前記第2方向について前記第3側壁に対して突出している、
ことを特徴とする請求項
5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
ドラムユニットと、
前記ドラムユニットに着脱可能な現像ユニットと、を備え、
前記ドラムユニットは、
第1方向に延びる第1軸周りに回転可能な感光ドラムと、
第1側壁と、前記第1方向について前記第1側壁と反対側に設けられる第2側壁と、前記第1側壁及び前記第2側壁をつなぐ底壁と、を有する第1フレームと、
押圧部と、を有し、
前記現像ユニットは、
第2方向に延びる第2軸周りに回転可能な現像ローラと、
情報を記憶し、メモリ電極を有するメモリと、
前記メモリが支持されるメモリ支持部と、
第3側壁と、前記第2方向について前記第3側壁と反対側に設けられる第4側壁と、前記第2方向について前記第3側壁と前記第4側壁の間に配置されたトナー収容部と、前記第3側壁から前記第2方向に突出した力受け部と、を有する第2フレームと、を有し、
前記現像ユニットが前記ドラムユニットに装着され、かつ前記底壁の上に位置される装着状態において、前記感光ドラムに対して前記現像ローラが押し付けられるように前記押圧部は前記力受け部を押圧し、
前記装着状態において、前記力受け部と前記感光ドラムの間の距離は、前記メモリ電極と前記感光ドラムの間の距離よりも短く、
前記第2方向に見て、前記力受け部の方が前記現像ローラの外形よりも前記現像ローラの中心から遠く、
前記現像ユニットは、前記第2方向における前記第2フレームの端部に取り付けられたサイドホルダを有し、
前記サイドホルダは、前記メモリ支持部を備える、
ことを特徴とするカートリッジ。
【請求項8】
前記装着状態において、前記メモリ支持部は前記第2方向について前記第3側壁に対して突出している、
ことを特徴とする請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記第1フレームは、前記メモリ支持部を受け入れる受け入れ部を備える、
ことを特徴とする請求項7または8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記受け入れ部は、前記第1フレームに形成された開口である、
ことを特徴とする請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記受け入れ部は、前記第1フレームに形成された凹部である、
ことを特徴とする請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記凹部は前記第1側壁に形成されている、
ことを特徴とする請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記装着状態において、前記凹部は、前記第1側壁の上端から前記底壁に向けてくぼむ形状を有する、
ことを特徴とする請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記メモリ電極は、前記第2方向と交差する方向を向いている、
ことを特徴とする請求項1から
13のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記現像ユニットを、前記ドラムユニットに対して装着された装着位置から、取り外し位置に移動するように構成された移動部材を更に有する、
ことを特徴とする請求項1から
14のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記ドラムユニットは、前記感光ドラムに当接する転写ローラを有する、
ことを特徴とする請求項1から
15のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記装着状態において、前記転写ローラは前記感光ドラムの下方に位置される、
ことを特徴とする請求項
16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記現像ユニットは、前記トナー収容部に収容されたトナーを撹拌するように構成された第1撹拌部及び第2撹拌部を有する、
ことを特徴とする請求項1から
17のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記第2撹拌部は、前記第1撹拌部よりも前記感光ドラムに対して遠い位置に配置され、
前記力受け部は、前記第2撹拌部よりも前記感光ドラムに対して近い位置に配置されている、
ことを特徴とする請求項
18に記載のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラムユニット及び現像ユニットを有するカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光体カートリッジと、感光体カートリッジに着脱可能に支持される現像カートリッジと、からプロセスカートリッジを構成し、装置本体からプロセスカートリッジを取外し可能なプリンタが提案されている(特許文献1参照)。感光体カートリッジは、露光装置により表面が走査されることで静電潜像を形成する感光体を有し、現像カートリッジは、静電潜像をトナー像として現像する現像ローラを有している。
【0003】
感光体カートリッジの左部には、現像カートリッジを感光体カートリッジから取り外すための取外しレバーが設けられている。現像カートリッジの底面には、メモリ手段が設けられ、感光体カートリッジのメモリ手段に対応する位置には、メモリ手段の電気接点部と電気的に接続可能な感光体カートリッジの電気接点部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のプリンタは、現像カートリッジを感光体カートリッジから取り外し可能に構成されているため、現像カートリッジの取り外し動作に伴って、メモリ手段の電気接点部と感光体カートリッジの電気接点部とが位置ズレして摺擦する。これら2つの電気接点部の位置ズレ量は、取外しレバーに近い方が大きくなる。2つの電気接点部及び取外しレバーは、それぞれプロセスカートリッジの左側に配置されているため、電気接点部の位置ズレ量が大きく、電気接点部が摩耗して接触不良となる虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、記憶部の電極の摩耗を低減し、上述の課題を解決したプロセスカートリッジ及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カートリッジにおいて、ドラムユニットと、前記ドラムユニットに着脱可能な現像ユニットと、を備え、前記ドラムユニットは、第1方向に延びる第1軸周りに回転可能な感光ドラムと、第1側壁と、前記第1方向について前記第1側壁と反対側に設けられる第2側壁と、前記第1側壁及び前記第2側壁をつなぐ底壁と、を有する第1フレームと、押圧部と、を有し、前記現像ユニットは、第2方向に延びる第2軸周りに回転可能な現像ローラと、情報を記憶し、メモリ電極を有するメモリと、前記メモリが支持されるメモリ支持部と、第3側壁と、前記第2方向について前記第3側壁と反対側に設けられる第4側壁と、前記第2方向について前記第3側壁と前記第4側壁の間に配置されたトナー収容部と、前記第3側壁から前記第2方向に突出した力受け部と、を有する第2フレームと、を有し、前記現像ユニットが前記ドラムユニットに装着され、かつ前記底壁の上に位置される装着状態において、前記感光ドラムに対して前記現像ローラが押し付けられるように前記押圧部は前記力受け部を押圧し、前記装着状態において、前記力受け部と前記感光ドラムの間の距離は、前記メモリ電極と前記感光ドラムの間の距離よりも短く、前記第1フレームは、前記メモリ支持部を受け入れる受け入れ部を備え、前記受け入れ部は、前記第1フレームに形成された開口である、ことを特徴とする。
また、本発明は、カートリッジにおいて、ドラムユニットと、前記ドラムユニットに着脱可能な現像ユニットと、を備え、前記ドラムユニットは、第1方向に延びる第1軸周りに回転可能な感光ドラムと、第1側壁と、前記第1方向について前記第1側壁と反対側に設けられる第2側壁と、前記第1側壁及び前記第2側壁をつなぐ底壁と、を有する第1フレームと、押圧部と、を有し、前記現像ユニットは、第2方向に延びる第2軸周りに回転可能な現像ローラと、情報を記憶し、メモリ電極を有するメモリと、前記メモリが支持されるメモリ支持部と、第3側壁と、前記第2方向について前記第3側壁と反対側に設けられる第4側壁と、前記第2方向について前記第3側壁と前記第4側壁の間に配置されたトナー収容部と、前記第3側壁から前記第2方向に突出した力受け部と、を有する第2フレームと、を有し、前記現像ユニットが前記ドラムユニットに装着され、かつ前記底壁の上に位置される装着状態において、前記感光ドラムに対して前記現像ローラが押し付けられるように前記押圧部は前記力受け部を押圧し、前記装着状態において、前記力受け部と前記感光ドラムの間の距離は、前記メモリ電極と前記感光ドラムの間の距離よりも短く、前記第1フレームは、前記メモリ支持部を受け入れる受け入れ部を備え、前記受け入れ部は、前記第1フレームに形成された凹部である、ことを特徴とする。
また、本発明は、カートリッジにおいて、ドラムユニットと、前記ドラムユニットに着脱可能な現像ユニットと、を備え、前記ドラムユニットは、第1方向に延びる第1軸周りに回転可能な感光ドラムと、第1側壁と、前記第1方向について前記第1側壁と反対側に設けられる第2側壁と、前記第1側壁及び前記第2側壁をつなぐ底壁と、を有する第1フレームと、押圧部と、を有し、前記現像ユニットは、第2方向に延びる第2軸周りに回転可能な現像ローラと、情報を記憶し、メモリ電極を有するメモリと、前記メモリが支持されるメモリ支持部と、第3側壁と、前記第2方向について前記第3側壁と反対側に設けられる第4側壁と、前記第2方向について前記第3側壁と前記第4側壁の間に配置されたトナー収容部と、前記第3側壁から前記第2方向に突出した力受け部と、を有する第2フレームと、を有し、前記現像ユニットが前記ドラムユニットに装着され、かつ前記底壁の上に位置される装着状態において、前記感光ドラムに対して前記現像ローラが押し付けられるように前記押圧部は前記力受け部を押圧し、前記装着状態において、前記力受け部と前記感光ドラムの間の距離は、前記メモリ電極と前記感光ドラムの間の距離よりも短く、前記第2方向に見て、前記力受け部の方が前記現像ローラの外形よりも前記現像ローラの中心から遠く、前記現像ユニットは、前記第2方向における前記第2フレームの端部に取り付けられたサイドホルダを有し、前記サイドホルダは、前記メモリ支持部を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、記憶部の電極の摩耗を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態に係るプリンタを示す全体概略図。
【
図2】ドラムユニット及び現像ユニットを示す斜視図。
【
図7】(a)は未使用の現像ユニットを示す側面図、(b)は既に使用された現像ユニットを示す側面図。
【
図14】ドラムユニット及び現像ユニットを示す平面図。
【
図15】(a)は押圧部材及びリフト部材を示し、リフト部材を破線で表示した平面図、(b)は押圧部材及びリフト部材を示し、リフト部材を実線で表示した平面図。
【
図17】(a)はドラムユニットに現像ユニットが装着された状態を示す断面図、(b)はリフト部材によってリフトアップ状態となった現像ユニットを示す断面図。
【
図18】第2の実施の形態に係る現像ユニットのメモリ及び位置決め突起を示す斜視図。
【
図19】ドラムユニット及び現像ユニットを示す斜視図。
【
図20】メモリ電極と位置決め突起の配置関係を示す斜視図。
【
図21】メモリ電極の位置ズレを抑える好適な構成を示す断面図。
【
図22】メモリ電極と位置決め突起の配置関係を示す平面図。
【
図23】第3の実施の形態に係るプロセスカートリッジを示す斜視図。
【
図28】メモリ電極及びバネ当接部の配置関係を示す断面図。
【
図29】第4の実施の形態に係るプロセスカートリッジを示す斜視図。
【
図31】第4の実施の形態に係るプロセスカートリッジの変形例を示す斜視図。
【
図32】第5の実施の形態に係るプロセスカートリッジを示す斜視図。
【
図35】第6の実施の形態に係るドラムユニット及び現像ユニットを示す斜視図。
【
図36】ドラムユニット及び現像ユニットを示す斜視図。
【
図37】ドラムユニット及び現像ユニットを示す斜視図。
【
図40】(a)は現像ユニットがドラムユニットに装着された状態を示す断面図、(b)はリフト部材によってリフトアップ状態となった現像ユニットを示す断面図。
【
図41】(a)は装置本体を示す斜視図、(b)は装置本体の接触部を示す拡大斜視図。
【
図42】(a)は右側本体ガイドの第1ガイド部及び第2ガイド部を示す斜視図、(b)はドラムユニットの第2位置決め突起及び第2ガイドリブを示す斜視図。
【
図43】(a)は左側本体ガイドの第3ガイド部及び第4ガイド部を示す斜視図、(b)は右側本体ガイドの第1ガイド部及び第2ガイド部を示す斜視図。
【
図44】(a)は現像ユニットがドラムユニットに装着された状態を示す断面図、(b)はリフト部材が押圧操作された状態のプロセスカートリッジを示す断面図。
【
図45】リフト部材に作用する力を説明するための斜視図。
【
図46】(a)はメモリ電極と装置本体の電極との接触状態を示す断面図、(b)はメモリ電極と装置本体の電極との接触状態の変化を示す断面図。
【
図47】(a)は内側壁を示す斜視図、(b)は内側壁の配置を説明するための断面図。
【
図48】第7の実施の形態に係るプロセスカートリッジを示す斜視図。
【
図50】(a)は押圧操作されていない状態のリフト部材と検知部とを示す側面図、(b)は押圧部材及び被押圧部材を示す側面図。
【
図51】(a)は押圧操作されて検知部と当接した状態のリフト部材を示す側面図、(b)は押圧部材及び被押圧部材を示す側面図。
【
図52】(a)はリフト部材によってリフトアップ状態となった現像ユニットを示す側面図、(b)は押圧部材の端部によってリフトアップ状態で保持される現像ユニットを示す側面図。
【
図53】装置本体に装着されるプロセスカートリッジを示す斜視図。
【
図54】装置本体に装着され始めたプロセスカートリッジを示す側面図。
【
図55】(a)は第1ガイドリブが案内空間に挿入された状態のプロセスカートリッジを示す側面図、(b)は第1ガイドリブが案内空間に挿入された状態のプロセスカートリッジを示す斜視図。
【
図56】装置本体に装着されたプロセスカートリッジを示す側面図。
【
図58】第8の実施の形態にかかるプロセスカートリッジを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施の形態>
〔全体構成〕
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。以下の説明では、プリンタ1を使用するユーザを基準にした方向を定義している。つまり、プリンタ1の正面側を「前」、背面側を「後」、上面(天面)側を「上」、下面(底面)側を「下」としている。またプリンタ1を正面側から見た時のプリンタ1の左側を「左」、右側を「右」とする。後述するプロセスカートリッジについても、プリンタ1に装着された状態と同じ姿勢であるものとしてプリンタ1と同様に方向を定義している。各図面における各方向は図面に記される矢印によって定義されている。例えば、
図1において、紙面左側が前側となっている。また、上下方向は鉛直方向と平行で、左右方向及び前後方向は水平方向と平行である。左右方向は感光ドラム61の回転軸線方向、及び現像ローラ71の回転軸線方向とそれぞれ平行である。
【0011】
第1の実施の形態に係る画像形成装置としてのプリンタ1は、電子写真方式のレーザビームプリンタである。プリンタ1は、
図1に示すように、カセット31内に収容されたシートSを供給する給送部3と、シートSにトナー像を形成する画像形成部9と、トナー像をシートSに定着させる定着装置8と、排出ローラ対25と、を有している。
【0012】
給送部3は、カセット31と、カセット31に収容された最上位のシートSを給送するピックアップローラ33と、ピックアップローラ33によって給送されたシートSを1枚ずつに分離する分離ローラ対32と、を有している。
【0013】
画像形成部9は、プリンタ1の装置本体2に設けられる露光装置4と、装置本体2に対して矢印S1方向に挿入され、矢印S2方向に取り外されるプロセスカートリッジ5と、を有している。露光装置4は、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズ及び反射鏡等を有している。この露光装置4では、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光が、プロセスカートリッジ5の感光ドラム61の表面で高速走査されることで、感光ドラム61の表面を露光する。
【0014】
プロセスカートリッジ5は、露光装置4の下方に配置されており、装置本体2のドア221が開かれた状態で、装置本体2に対して挿抜される。プロセスカートリッジ5は、主にドラムユニット6及び現像ユニット7を有しており、ドラムユニット6は、回転可能な像担持体としての感光ドラム61と、帯電ローラ62と、転写ローラ63と、等を有している。感光ドラム61及び転写ローラ63は、転写ニップN1を形成している。現像ユニット7は、現像ローラ71と、供給ローラ72と、ブレード73と、トナーを含む現像剤を収容するトナー収容部74と、トナー収容部74内に設けられる第1アジテータ75A及び第2アジテータ75Bと、等を有している。
【0015】
なお、本実施の形態の現像剤は、非磁性の一成分現像剤から構成されるが、磁性成分を有する一成分現像剤を用いてもよい。また、一成分現像剤には、トナー粒子以外にもトナーの流動性や帯電性能を調整するための添加物(例えば、ワックスやシリカ微粒子)が含まれている場合がある。また、現像剤として非磁性のトナーと磁性を有するキャリアとによって構成された二成分現像剤を用いてもよい。磁性を有する現像剤を用いる場合、現像剤担持体としては、例えば内側にマグネットが配置された円筒状の現像スリーブが用いられる。
【0016】
トナー収容部74内の現像剤は、第2アジテータ75B及び第1アジテータ75Aによって撹拌された後、供給ローラ72によって現像ローラ71に供給される。供給ローラ72によって現像ローラ71に供給された現像剤は、現像ローラ71とブレード73との隙間を通過することで、現像ローラ71に一定の層厚で担持される。現像剤担持体としての現像ローラ71は、現像剤を担持して回転すると共に感光ドラム61に担持されている静電潜像をトナー像に現像する。定着装置8は、プロセスカートリッジ5の後方に配置されており、加圧ローラ91及び加熱ローラ92を有している。加熱ローラ92は、セラミックヒータ等の熱源を内蔵している。
【0017】
プリンタ1に画像形成の指令が出力されると、プリンタ1に接続された外部のコンピュータやオプションとして接続される画像読取装置等から入力された画像情報に基づいて、画像形成部9による画像形成プロセスが開始される。露光装置4は、入力された画像情報に基づいて、感光ドラム61に向けてレーザ光を照射する。このとき感光ドラム61は、帯電ローラ62により予め帯電されており、レーザ光が照射されることで感光ドラム61上に静電潜像が形成される。その後、現像ローラ71によりこの静電潜像が現像され、感光ドラム61上にトナー像が形成される。
【0018】
上述の画像形成プロセスに並行して、カセット31に積載されたシートSがピックアップローラ33によって送り出される。ピックアップローラ33によって給送されたシートSは、分離ローラ対32によって1枚ずつに分離され、転写ニップN1に搬送される。転写ニップN1において、転写ローラ63に転写バイアスが印加されることで、感光ドラム61上に形成されたトナー像がシートSに転写される。転写ニップN1においてトナー像が転写されたシートSは、加圧ローラ91及び加熱ローラ92によって形成される定着ニップN2によって加熱・加圧処理され、トナー像が定着される。そして、トナー像が定着されたシートSは、排出ローラ対25によって排出トレイ22に排出される。
【0019】
[プロセスカートリッジ]
図2に示すように、プロセスカートリッジ5は、第1ユニットとしてのドラムユニット6と、ドラムユニット6に着脱可能に支持される第2ユニットとしての現像ユニット7と、を有している。現像ユニット7は、ユーザによって把持部701を把持された状態で、ドラムユニット6に対して装着方向ADに装着される。
【0020】
[現像ユニット]
現像ユニット7は、
図2乃至
図5に示すように、筐体700と、現像ローラ71と、供給ローラ72と、第1アジテータ75Aと、第2アジテータ75Bと、駆動列720と、サイドホルダ719と、を有している。筐体700は、現像ローラ71、供給ローラ72、第1アジテータ75A及び第2アジテータ75Bの両端をそれぞれ回転可能に支持する左側壁704及び右側壁705と、筐体700の手前側に設けられユーザに把持される把持部701と、を有している。サイドホルダ719は、駆動列720を覆って左側壁704に支持される。以下、現像ローラ71の回転軸線方向を軸方向と称して説明する。
【0021】
第1アジテータ75Aは、撹拌棒78A及び撹拌シート79Aを有しており、撹拌棒78Aはトナー収容部74内の現像剤を軸方向に撹拌し、撹拌シート79Aは、現像剤を軸方向に直交する径方向に撹拌する。第2アジテータ75Bは、同様にして、撹拌棒78B及び撹拌シート79Bを有しており、撹拌棒78Bはトナー収容部74内の現像剤を軸方向に撹拌し、撹拌シート79Bは、現像剤を径方向に撹拌する。供給ローラ72は、撹拌シート79Aによって現像剤が供給される。
【0022】
現像ローラ71は、サイドホルダ719に設けられる軸受746Aと、筐体700の右側壁705に取り付けられる軸受746Bとに回転可能に支持される。
図3に示すように、現像ユニット7は、軸受746Bの近傍に配置される第1接点720A及び第2接点720Bを有している。第1接点720Aは、現像ローラ71に電気的に接続され、現像ローラ71に印加される電圧が装置本体2から供給される。第2接点720Bは、供給ローラ72に電気的に接続され、供給ローラ72に印加される電圧が装置本体2から供給される。これら第1接点720A及び第2接点720Bは、装置本体2に設けられた不図示の電力供給接点と接触可能である。
【0023】
図5及び
図6に示すように、現像ユニット7の左側に設けられる駆動列720は、現像カップリング710と、供給ローラギヤ712と、現像ローラギヤ711と、第1アジテータギヤ713と、第2アジテータギヤ714と、を有している。また、駆動列720は、アイドルギヤ715A,715B,715Cを有している。
【0024】
現像カップリング710は、現像ユニット7の左側壁704に回転可能に支持されており、装置本体2に設けられたドア21(
図1参照)が閉じられる動作に連動して、装置本体2に設けられた不図示の駆動伝達部材が現像カップリング710に係合する。逆に、ドア21が開かれる動作に連動して、駆動伝達部材は現像カップリング710から離間する。駆動伝達部材は、現像カップリング710の所定範囲内での位置ずれを許容して、現像カップリング710に駆動力を伝達することができる構成となっている。また、現像カップリング710、現像ローラギヤ711及び供給ローラギヤ712は、サイドホルダ719によって軸方向の移動を規制されている。
【0025】
ドア21が閉じられた後、装置本体2が動作すると、駆動伝達部材から現像カップリング710に駆動力が伝達され、現像カップリング710の周面に設けられたギヤ710aが回転する。ギヤ710aは、現像ローラ71の端部に設けられる現像ローラギヤ711と、供給ローラ72の端部に設けられる供給ローラギヤ712と、に噛合しており、ギヤ710aが回転することで、現像ローラ71及び供給ローラ72が回転する。
【0026】
また、現像カップリング710のギヤ710aは、アイドルギヤ715Aを介して第1アジテータギヤ713に噛合しており、第1アジテータギヤ713が回転することで、第1アジテータ75Aが回転する。第1アジテータ75Aと同軸に設けられるアイドルギヤ715Bは、アイドルギヤ715Cを介して第2アジテータギヤ714に噛合しており、第2アジテータギヤ714が回転することで、第2アジテータ75Bが回転する。
【0027】
更に、
図5乃至
図7(b)に示すように、第2アジテータギヤ714は、検知ギヤ81のギヤ部82に噛合可能に構成されている。検知ギヤ81には、回転中心から所定距離だけ離れた位置に配置され軸方向に延びる検知突起83が設けられており、検知部としての検知突起83は、サイドホルダ719の検知部80の孔84に貫通している。孔84は、周方向に長い長孔形状である。装置本体2には、検知突起83の位置を検知する不図示の検知機構が設けられており、検知機構は、検知突起83の位置に基づいて検知信号を出力する。これにより現像ユニット7が未使用の物であるか、既に使用されたものかを判定することができる。
【0028】
図7(a)は、未使用の現像ユニット7を示す側面図であり、
図7(b)は、既に使用された現像ユニット7を示す側面図である。検知ギヤ81は、欠歯ギヤであり、ギヤ部82と、非ギヤ部82aと、を有している。
図7(a)に示すように、未使用の現像ユニット7の第2アジテータギヤ714は、検知ギヤ81のギヤ部82に噛合している。この時、検知突起83は、第1位置としての上方前側の位置に位置している。
【0029】
そして、現像ユニット7が使用されて第2アジテータギヤ714が矢印R3方向に回転すると、第2アジテータギヤ714に噛合する検知ギヤ81が矢印R4方向に回転する。そして、
図17(b)に示すように、検知ギヤ81のギヤ部82が第2アジテータギヤ714と噛合しなくなると、検知ギヤ81は停止する。この時、検知突起83は、第2位置としての上方後側の位置に位置している。
【0030】
このように、現像ユニット7が使用されることで、検知部80の孔84の範囲内で、検知突起83が回動し、検知突起83の位置を装置本体2に設けられた検知機構が検知する。これにより現像ユニット7が未使用の物であるか、既に使用されたものかを判定することができる。
【0031】
更に、
図8に示すように、現像ユニット7の底面には、下方に突出する左右1対のリブ718,718と、左側に設けられるメモリ85及び位置決め突起86と、が設けられている。より具体的には、メモリ85及び位置決め突起86は、現像ユニット7のサイドホルダ719の底面に設けられている。メモリ85は、現像ユニット7に関する情報を記憶している不図示のメモリチップと、メモリチップと導通しているメモリ電極85aと、を有している。メモリ電極85aは、装置本体2に設けられた不図示の電極と接触し、メモリチップと装置本体2との通信を行う。メモリチップが記憶する現像ユニット7に関する情報は、現像ユニット7の交換時期に関する情報や、現像ユニット7に収容されるトナーの残量に関する情報を含む。
【0032】
[ドラムユニット]
次に、ドラムユニット6の詳細構成について説明する。ドラムユニット6は、
図2及び
図9乃至
図11に示すように、フレーム610と、フレーム610の後方に回転可能に支持される感光ドラム61と、を主に有している。フレーム610は、1対の左側壁611及び右側壁612を有しており、感光ドラム61は、これら左側壁611及び右側壁612に回転可能に支持されている。
【0033】
フレーム610の前部には、現像ユニット7が装着可能な装着部615(
図2参照)と、ユーザがドラムユニット6を把持する把持部617と、現像ユニット7を前方に押圧する左右1対の押圧部材640と、リフト部材642と、が設けられている。現像ユニット7がドラムユニット6に装着された状態では、左側壁611と右側壁612との間に現像ユニット7のトナー収容部74が配置される。
【0034】
フレーム610の後側上部には、露光装置4から出射されたレーザ光が通過可能なレーザ通過孔616が形成されている。また、フレーム610の第2側壁としての左側壁611には、軸方向外側に突出する第1位置決め突起660及び第1ガイドリブ662が設けられており、第1位置決め突起660は、第1ガイドリブ662よりも前方に配置されている。同様にして、フレーム610の第1側壁としての右側壁612には、軸方向外側に突出する第2位置決め突起661及び第2ガイドリブ663が設けられており、第2位置決め突起661は、第2ガイドリブ663よりも前方に配置されている。第1位置決め突起660及び第2位置決め突起661は、円筒形状に形成され、第1ガイドリブ662及び第2ガイドリブ663は、前後方向に沿った方向に延在している。
【0035】
図2、
図11及び
図14に示すように、ドラムユニット6の左側壁611には、下方に窪んだ凹部664と、リブとしての第1ガイドリブ662と、が設けられている。第1ガイドリブ662は、現像ユニット7のドラムユニット6への挿入方向において、凹部664と少なくとも一部がオーバーラップしている。検知部80及び検知突起83は、凹部664の上方において左側壁611よりも長手方向(軸方向)に突出している。左側壁611は、凹部664が形成されることで剛性が低下するが、凹部664の下方、かつ前後方向に重なる位置に第1ガイドリブ662が設けられているので、第1ガイドリブ662が補強部材として作用し、左側壁611の剛性の低下を軽減できる。
【0036】
ところで、現像ユニット7に収容されるトナー量から決まる現像ユニット7の寿命は、感光ドラム61の感光層の厚みから決まるドラムユニット6の寿命に比べて短く設定されている。従って、寿命に到達した現像ユニット7だけをドラムユニット6とは別に交換することがコスト上望ましい。現像ユニット7のみを交換する場合は、ドア21を開いて装置本体2内からプロセスカートリッジ5を取り出した後、ドラムユニット6から現像ユニット7だけを取り外す。そして、新しい現像ユニット7を
図2の装着方向ADに挿入し、現像ユニット7をドラムユニット6に組み付ける。その後、現像ユニット7とドラムユニット6とが一体となったプロセスカートリッジ5を装置本体2へ装着する。上記第1位置決め突起660、第2位置決め突起661、第1ガイドリブ662及び第2ガイドリブ663は、プロセスカートリッジ5が装置本体2に装着される際に、装置本体2の不図示のガイド溝に案内されて、プロセスカートリッジ5を装着位置まで導く。
【0037】
図2、
図10及び
図11に示すように、フレーム610の左側壁611及び右側壁612には、受け部641がそれぞれ形成されており、受け部641は、現像ユニット7の軸受746A,746Bに当接可能に構成されている。受け部641は、前方が開放された略U字状に形成されており、前後方向に延びる下面641aと鉛直方向に延びる突き当たり面641bとを有している(
図10参照)。
【0038】
また、
図2、
図8、
図9及び
図12に示すように、フレーム610の底面610aには、シートが転写ニップN1に搬送される際に通過するシート通過孔610bと、上方に突出する2つの突起部643,643と、位置決め孔68と、が形成されている。突起部643,643は、現像ユニット7の底面に形成された1対のリブ718,718に当接することで、現像ユニット7を支持する。位置決め孔68は、
図12及び
図13に示すように、シート通過孔610bの左方に設けられており、電極露出孔68aと、係合孔68bと、によって形成されている。
【0039】
電極露出孔68aは、現像ユニット7がドラムユニット6に装着された状態で、メモリ電極85aをドラムユニット6の下方に露出させ、メモリ電極85aが装置本体2に設けられた不図示の電極と接触可能となるように構成されている。すなわち、孔としての電極露出孔68aは、メモリ85のメモリ電極85aを外部に露出させる。係合孔68bは、電極露出孔68aよりも左右方向において小さな寸法で形成されており、現像ユニット7がドラムユニット6に装着された状態で、現像ユニット7の位置決め突起86に対して左右方向に係合する。
【0040】
図13に示すように、感光ドラム61の左端部には第1感光体ギヤ65及び第2感光体ギヤ66が設けられ、転写ローラ63の左端部には第2感光体ギヤ66と噛合する転写ギヤ67が設けられている。ドラムユニット6を含むプロセスカートリッジ5が装置本体2に装着されると、装置本体2に設けられた駆動ギヤが第1感光体ギヤ65に噛合する。この状態で駆動ギヤが回転すると、駆動ギヤによって第1感光体ギヤ65が回転し、第1感光体ギヤ65と一体に感光ドラム61及び第2感光体ギヤ66が回転する。そして、第2感光体ギヤ66の回転が転写ギヤ67に伝達され、転写ギヤ67と一体に転写ローラ63が回転する。
【0041】
更に、
図14、
図15(a)及び
図15(b)に示すように、ドラムユニット6のフレーム610の前部には、一対の押圧部材640が設けられている。押圧部材640は、付勢バネ644によって前方に付勢されており、現像ユニット7がドラムユニット6に装着された状態で、現像ユニット7の筐体700に設けられた一対の被押圧リブ716を押圧する。これにより、現像ユニット7の現像ローラ71が感光ドラム61に押し付けられる。
【0042】
なお、左右1対の被押圧リブ716は、
図14に示すように、右側に配置された被押圧リブ716の方が左側に配置された被押圧リブ716よりも後方に配置されるように設けられている。これは、
図15(a)及び
図15(b)に示すように、後述するリフト部材642が左右方向において右側の被押圧リブ716に重なるように配置され、回動操作されるリフト部材642と右側の被押圧リブ716とが干渉しないようにするためである。このように構成することで、リフト部材642の後方への突出量を抑え、プロセスカートリッジ5を小型に構成することができる。
【0043】
以上のようにドラムユニット6が構成されているため、現像ユニット7が
図2に示すようにドラムユニット6に対して装着方向ADに装着される際には、現像ユニット7の軸受746A,746Bが受け部641の下面641aに案内される。そして、更に現像ユニット7がドラムユニット6に装着されると、軸受746A,746Bが受け部641の突き当たり面641bに突き当たる。
【0044】
この状態で、ユーザが現像ユニット7の把持部701から手を離すと、現像ユニット7は、ドラムユニット6の底面610aに形成された突起部643,643によって支持されると共に、押圧部材640によって前方に押圧される。押圧部材640を押圧する付勢バネ644の付勢力により、現像ユニット7の軸受746A,746Bは、突き当たり面641bに対して押し付けられ、現像ユニット7は、ドラムユニット6に対して前後方向に位置決めされる。これと同時に、現像ユニット7の位置決め突起86が位置決め孔68の係合孔68bに係合することで、現像ユニット7は、ドラムユニット6に対して左右方向に位置決めされる。
【0045】
位置決め突起86及び係合孔68bは、それぞれメモリ電極85a及び電極露出孔68aよりも装着方向ADにおける下流に設けられている。このため、現像ユニット7をドラムユニット6に装着する際に、メモリ電極85aをドラムユニット6に接触させることなく、位置決め突起86を容易に係合孔68bに係合させることができる。よって、現像ユニット7をドラムユニット6に装着する際のユーザビリティを向上すると共に、メモリ電極85aの破損を低減することができる。
【0046】
[現像ユニットの取外し構成]
次に、現像ユニット7をドラムユニット6から取り外すための構成について説明する。
図15(a)においては、
図15(b)に示すリフト部材642を破線で透かして表現している。
図15(a)乃至
図16に示すように、ドラムユニット6の前端部かつ右端部には、リフト部材642が設けられており、リフト部材642は、ドラムユニット6の右側壁612に対して回転軸線642Xを中心に回転可能に支持されている。回転軸線642Xは、感光ドラム61及び現像ローラ71の回転軸線方向と平行に延びている。リフト部材642は、圧縮バネ650によって矢印R1方向に回転するように付勢されており、リフト部材642の一端部に設けられた操作部642Aを下方に押し操作することで、圧縮バネ650の付勢力に抗して矢印R2方向に回転される。
【0047】
現像ユニット7の右側壁705には、右方に突出する円筒形状の突出部751が設けられており、リフト部材642の他端部には、突出部751に当接可能な当接部642Bが設けられている。当接部642Bは、回転軸線642Xを挟んで操作部642Aとは反対側に設けられている。
【0048】
ところで、
図8及び
図16乃至
図17(b)に示すように、押圧部材640は、押圧部材640の前面に設けられ鉛直方向に延びる押圧面640aと、押圧面640aの上端から後方に上り傾斜する傾斜面640bと、をそれぞれ有している。現像ユニット7の被押圧リブ716は、押圧面640aによって前方に押圧される被押圧面716aと、被押圧面716aの下端から前方に下り傾斜する傾斜面716bと、を有している。
【0049】
図17(a)に示すように、現像ユニット7がドラムユニット6に装着されている状態では、付勢バネ644によって付勢される押圧部材640の押圧面640aは、現像ユニット7の被押圧リブ716の被押圧面716aを押圧している。この時、これら押圧面640a及び被押圧面716aは、略鉛直方向に延びており、付勢バネ644の付勢力は、被押圧面716aに対して垂直に作用し、現像ユニット7は前方向に付勢される。これにより、現像ユニット7は、ドラムユニット6に対して離脱しないように装着位置でロックされている。
【0050】
図16に示すように、リフト部材642の操作部642Aが下方に押圧されると、リフト部材642が矢印R2方向に回転し、リフト部材642の当接部642Bが現像ユニット7の突出部751を上方に押し上げる。これにより、
図17(b)に示すように、ドラムユニット6に装着された現像ユニット7の手前側が上方に回動し、現像ユニット7は、装着位置から離脱方向LDに回動する。これにより、現像ユニット7の被押圧面716aは、押圧面640aから上方に離間し、現像ユニット7の傾斜面716bが押圧部材640の傾斜面640bに乗り上げる。
【0051】
この時、現像ユニット7の軸受746A,746Bは、受け部641,641に支持された状態である。この時の現像ユニット7の状態をリフトアップ状態と呼称し、リフトアップ状態となった現像ユニット7の位置を取外し位置と呼称する。現像ユニット7がリフトアップ状態にある際に、傾斜面640b,716bは、押圧部材640の付勢方向である前方向に対して傾斜している。すなわち、リフト部材642によって現像ユニット7が離脱方向LDに回動すると、現像ユニット7の被押圧面716aが押圧面640aから上方に離間する。すると、付勢バネ644によって前方に付勢された押圧部材640の傾斜面640bによって、現像ユニット7の傾斜面716bが上方に持ち上げられ、現像ユニット7は、付勢バネ644の付勢力によって更に離脱方向LDに回動する。このため、現像ユニット7をリフトアップ状態にするための操作力を低減できる。
【0052】
現像ユニット7がリフトアップ状態となっている際には、付勢バネ644の前方向の付勢力のほとんどは、傾斜面640b,716bによって略上方への力として変換されているため、現像ユニット7はドラムユニット6に対してロックされていない。このため、ユーザは、現像ユニット7の把持部701を持ち上げるだけで、他の部材を移動させるなどすることなく、現像ユニット7をドラムユニット6から取り外すことができる。このようにして、ユーザは、ドラムユニット6から現像ユニット7を取り外して、新品の現像ユニット7をドラムユニット6へ装着することができる。
【0053】
[第1の実施の形態のまとめ]
現像ユニット7をドラムユニット6に対して着脱可能に設けたプロセスカートリッジ5では、現像ユニット7に設けられたメモリ85のメモリ電極85aが摩耗すると、メモリ電極85aと装置本体2の電極との接触状態が不安定となってしまう。特に、現像ユニット7をドラムユニット6から取り外すためのリフト部材642に近接してメモリ電極85aを配置すると、リフト部材642の操作に伴ってメモリ電極85aと装置本体2の電極との位置ズレ量が大きくなる傾向がある。
【0054】
そこで、本実施の形態では、像担持体としての感光ドラム61の長手方向(軸方向)において、移動部材としてのリフト部材642をプロセスカートリッジ5の一端側に配置し、記憶部としてのメモリ85のメモリ電極85aを他端側に配置した。より具体的には、リフト部材642をプロセスカートリッジ5の右側に配置し、電極としてのメモリ電極85aをプロセスカートリッジ5の左側に配置した。
【0055】
これにより、リフト部材642を下方に押圧操作して現像ユニット7をドラムユニット6から取り外す際に、メモリ電極85aと装置本体2の電極との位置ズレを低減できる。このため、メモリ電極85aの摩耗を抑え、メモリ電極85aと装置本体2の電極との接触状態を安定化できる。
【0056】
また、検知突起83は、感光ドラム61の長手方向(軸方向)において、リフト部材642とは反対側のプロセスカートリッジ5の他端側、すなわち左側に配置されている。このため、リフト部材642のサイズを大きくしてユーザの操作を容易にすると共に、部品剛性を上げてリフト部材642を撓みにくくすることができる。リフト部材642が撓むと、メモリ電極85aと装置本体2の電極との位置ズレ量が大きくなってしまうが、リフト部材642の撓みを抑えることで、メモリ電極85aの摩耗を抑えることができる。
【0057】
また、検知突起83は、感光ドラム61の長手方向に視て、リフト部材642と少なくとも一部が重なる。これにより、プロセスカートリッジ5のサイズを大きくすることなく、ユーザが操作しやすい位置にリフト部材642を配置することができる。
【0058】
また、ドラムユニット6の左側壁611には、検知部80及び検知突起83が長手方向に突出するための凹部664が設けられている。凹部664が形成されることにより、左側壁611の剛性は低下するが、凹部664の下方、かつ前後方向に重なる位置に第1ガイドリブ662を設けたので、第1ガイドリブ662が補強部材として作用し、左側壁611の低下を軽減できる。
【0059】
なお、リフト部材642をプロセスカートリッジ5の左側に配置し、メモリ電極85aをプロセスカートリッジ5の右側に配置してもよい。また、検知突起83は、リフト部材642と同じ側に配置してもよい。
【0060】
<第2の実施の形態>
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明するが、第2の実施の形態は、第1の実施の形態の位置決め突起86を異なる位置に設けたものである。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0061】
本実施の形態に係る現像ユニット7Aは、
図18に示すように、底面から位置決め突起86Aが下方に突出しており、位置決め突起86Aの左方には、メモリ85が配置されている。メモリ85は、現像ユニット7に関する情報を記憶している不図示のメモリチップと、メモリチップと導通しているメモリ電極85aと、を有している。
【0062】
ドラムユニット6Aには、
図19に示すように、軸方向(左右方向)に隣接して設けられる係合孔102a及び電極露出孔103が形成されている。係合孔102aは、位置決め突起86Aが左右方向に係合して、現像ユニット7Aをドラムユニット6Aに対して左右方向に位置決め可能に構成されている。電極露出孔103は、現像ユニット7Aがドラムユニット6Aに装着された状態で、メモリ電極85aをドラムユニット6Aの下方に露出させ、メモリ電極85aが装置本体2に設けられた不図示の電極と接触可能となるように構成されている。
【0063】
メモリ電極85aと装置本体2に設けられた電極との接触は、通信時の電極接触状況の安定化や電極相互の摩耗の観点から、高い位置精度が求められる。従って、ドラムユニット6Aに対する現像ユニット7Aの位置決め機構は、メモリ85に近い位置に配置されることが望ましい。現像ユニット7Aのドラムユニット6Aに対する前後方向における位置決めは、第1の実施の形態と同様に、現像ユニット7Aの軸受746A,746Bがドラムユニット6Aの受け部641,641に押し当てられることで行われる。
【0064】
本実施の形態では、メモリ電極85aと装置本体2に設けられた電極との左右方向における位置精度を向上するために、
図20に示すように位置決め突起86Aを前後方向においてメモリ電極85aと少なくとも一部がオーバーラップするように配置している。言い換えれば、位置決め突起86Aは、軸方向に視て、前後方向においてメモリ電極85aと少なくとも一部がオーバーラップするように配置されている。
【0065】
更に、本実施の形態では、現像ユニット7Aがドラムユニット6Aに装着された状態で、位置決め突起86Aがドラムユニット6Aの前側に配置されている。現像ユニット7Aの前後方向の位置決めを行う受け部641も、ドラムユニット6Aの前側に配置されている。このように、ドラムユニット6Aの受け部641とメモリ電極85aとを近接して配置することで、メモリ電極85aの位置決め精度をより向上することができる。
【0066】
また、
図21に示すように、距離L1に対して距離L2が短くなるようにプロセスカートリッジ5Aが構成されていると好適である。距離L1は、ドラムユニット6Aの第1位置決め突起660の中心線C1と軸受746Aの中心線C2との間の距離であり、距離L2は、中心線C1とメモリ電極85aとの間の上下方向における距離である。このようにプロセスカートリッジ5Aを構成することにより、装置本体2に対するドラムユニット6Aの揺動及びドラムユニット6Aに対する現像ユニット7Aの揺動に対して、メモリ電極85aの位置ずれを抑えることができる。すなわち、メモリ電極85aと装置本体2の電極との接点位置の前後方向及び接触方向の変動を抑え、メモリ電極85a及び装置本体2の電極との接触状態を安定化すると共に、電極の摩耗を抑えることができる。
【0067】
なお、現像ユニット7Aがドラムユニット6Aに装着された際において、
図22の係合孔102aに示す位置に位置決め突起86Aが配置される。本実施の形態では、位置決め突起86A及び係合孔102aは、メモリ電極85a及び電極露出孔103よりも右方に位置しているが、位置決め突起86A及び係合孔102aの位置はこれに限定されない。例えば、
図22の位置102bに示すように、メモリ電極85a及び電極露出孔103よりも左方に位置決め突起86A及び係合孔102aを配置してもよい。一方で、位置決め突起86A及び係合孔102aをメモリ電極85a及び電極露出孔103よりも右方に配置すると、メモリ電極85aよりも位置決め突起86Aがシート通過孔610b日開位置となる。このため、シート通過孔610bを通過するシートがメモリ電極85aと装置本体2側の電極との接点に進入することを、位置決め突起86Aによって規制することができ、電極の接触状態を安定化できる。
【0068】
また、現像ユニット7Aをドラムユニット6Aに位置決めするための構成は、上述した位置決め突起86A及び係合孔102aによるものに限らない。例えば、現像ユニット7Aに係合孔を設け、ドラムユニットに位置決め突起を設けてもよい。
【0069】
[第2の実施の形態のまとめ]
近年、メモリ電極85aと装置本体2に設けられた電極との接触は、通信時の電極接触状況の安定化や電極相互の摩耗の観点から、高い位置精度が求められる。そこで、本実施の形態では、位置決め突起86Aを前後方向、すなわち感光ドラム61の長手方向(軸方向)に直交する方向においてメモリ電極85aと少なくとも一部がオーバーラップするように配置している。言い換えれば、位置決め突起86Aは、軸方向に視て、前後方向においてメモリ電極85aと少なくとも一部がオーバーラップするように配置されている。
【0070】
これにより、メモリ電極85aと装置本体2の電極との接点位置の前後方向及び接触方向の変動を抑え、メモリ電極85a及び装置本体2の電極との接触状態を安定化すると共に、電極の摩耗を抑えることができる。
【0071】
<第3の実施の形態>
次いで、本発明の第3の実施の形態について説明するが、第3の実施の形態は、第1の実施の形態に対して、押圧部材、メモリ及び電極露出孔の配置を変更したものである。
このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0072】
本実施の形態に係るプロセスカートリッジ5Bは、
図23乃至
図25に示すように、ドラムユニット6Bと、現像ユニット7Bと、を有している。現像ユニット7Bは、ドラムユニット6Bに装着された状態で、リフト部材642によってドラムユニット6Bに対してロックされ、ドラムユニット6Bからの脱落が防止されている。
【0073】
ドラムユニット6Bは、フレーム610の底面610aに電極露出孔310が形成されている。また、底面610aの軸方向における両端部からは、支持部301が上方に突出しており、支持部301の前方には、押圧部材640が配置されている。押圧部材640は、支持部301との間に配置された圧縮バネ302(
図27参照)によって前方に付勢されている。支持部301のバネ当接部301aは、圧縮バネ302に当接して圧縮バネ302からの弾性力を受ける。電極露出孔310は、左側に配置された支持部301及び押圧部材640よりも後方かつ左方に配置されている。
【0074】
現像ユニット7Bは、
図26及び
図27に示すように、筐体700の左側壁704及び右側壁705にそれぞれ設けられる被押圧部316を有している。左側壁704に設けられた被押圧部316は、左側壁704から左方に突出して設けられ、右側壁705に設けられた被押圧部316は、右側壁705から右方に突出して設けられている。
【0075】
図28は、プロセスカートリッジ5Bを示す断面図であり、断面図の一部が現像ユニットBの押圧部材640付近の断面を示し、断面図の別の一部がメモリ300付近の断面を示している。各被押圧部316は、
図28に示すように、軸方向に視て、円弧状に形成される円弧部316aと、円弧部316aの両端から前方に延びる延長部316bと、を有している。被押圧部316の円弧部316aは、ドラムユニット6Bに現像ユニット7Bが装着された状態で、押圧部材640によって前方に押圧される。円弧部316aの両端を延長部316bが支持することで、円弧部316aに押圧力を受けても、円弧部316aの変形を低減できる。
【0076】
そして、現像ユニット7Bの被押圧部316が前方に押圧されることで、現像ユニット7の現像ローラ71は、感光ドラム61に近づく方向に付勢され、感光ドラム61と接触する。現像ローラ71が感光ドラム61に接触した状態で、上述した画像形成プロセスが行われる。
【0077】
次に、現像ユニット7Bのメモリ300について説明する。
図24、
図26及び
図28に示すように、現像ユニット7の左側壁704に取り付けられたサイドホルダ719の底面には、メモリ300が取り付けられている。メモリ300は、現像ユニット7Bに関する情報を記録するための不図示のメモリチップと、メモリチップと接続された電気接点であるメモリ電極300aと、を有し、これらメモリチップ及びメモリ電極300aは、同一の基板上に設けられる。プロセスカートリッジ5Bが装置本体2(
図1参照)に装着されると、メモリ電極300aと装置本体2の本体電極としての電極303とが接触して、装置本体2が現像ユニット7Bに関する情報を読み取り、各種制御を行う。
【0078】
メモリ300のメモリ電極300aは下方に臨むように配置されており、現像ユニット7Bがドラムユニット6Bに装着された状態で、ドラムユニット6Bの電極露出孔310に対応する位置に配置されている。プロセスカートリッジ5Bが装置本体2に装着されると、
図28に示すように、下方から視て電極露出孔310から露出したメモリ電極300aが装置本体2の電極303に接触する。
【0079】
現像ユニット7Bの被押圧部316は、
図28に示すように、軸方向に視て、メモリ300のメモリ電極300a及び電極露出孔310よりも前方に配置されている。すなわち、被押圧部316は、軸方向に視て、メモリ300のメモリ電極300a及び電極露出孔310よりも感光ドラム61に対して近い位置に配置されている。
【0080】
また、現像ユニット7の左右方向における両側に設けられる被押圧部316は、軸方向に視て重なる位置に配置されているため、現像ローラ71の軸方向に視た両側の被押圧部316とメモリ電極300aとの配置関係は両側とも同じ関係である。
【0081】
[第3の実施の形態のまとめ]
現像ユニット7Bを押圧するための押圧部材640をドラムユニット6Bに設置すると以下の課題がある。押圧部材640の押圧力により、現像ローラ71が感光ドラム61に当接するが、押圧部材640の押圧力の反力により、ドラムユニット6Bのフレーム610が変形する虞がある。具体的には、押圧部材640を押圧する圧縮バネ302は、フレーム610に設けられた支持部301のバネ当接部301aに当接する。このため、支持部301には、圧縮バネ302が押圧部材640を押す力と同等の力が圧縮バネ302から作用する。
【0082】
そして、上記反力によるフレーム610の変形が大きくなると、押圧部材640の押圧力が減少し、現像ローラ71を安定的に感光ドラム61に当接させることができず、現像ローラ71と感光ドラム61とが離間して画像不良が発生する虞がある。画像不良の発生を防止するためには、押圧部材640の反力によるドラムユニット6Bのフレーム610の変形を抑制する必要がある。そして、フレーム610の変形を抑制するためには、押圧部材640の反力によってドラムユニット6Bに負荷が発生する領域のフレーム強度を確保する必要がある。負荷が発生する領域とは、感光ドラム61を回転可能に支持するフレーム610の支持部311と、圧縮バネ302と当接する支持部301のバネ当接部301aと、の間の領域である。
【0083】
また、本実施の形態では、プロセスカートリッジ5Bは、
図28に示すように、装置本体2に対して矢印312で示す後ろかつ下向き方向に装着されるが、この場合、プロセスカートリッジ5Bの下面側にメモリ電極300aが配置されることが好ましい。これは、プロセスカートリッジ5Bが装置本体2に対して装着完了となる直前までメモリ電極300aは装置本体2の電極303と離間している方が、メモリ電極300a及び電極303が摺擦せず、耐久性が向上するからである。また、メモリ電極300aや電極303を移動させる特別な装置を設ける必要が無く、コスト上も好ましい。
【0084】
しかしながら、現像ユニット7Bに関する情報を記録するメモリ300をプロセスカートリッジ5Bの下面側に配置するためには、ドラムユニット6Bのフレーム610に電極露出孔310のような孔や切欠きを設ける必要がある。このような孔や切欠きは、フレーム610のフレーム強度を低下させる要因となる。
【0085】
そこで、本実施の形態では、プロセスカートリッジ5を以下のように構成した。ドラムユニット6Bの圧縮バネ302と当接する支持部301のバネ当接部301aを、現像ローラ71の軸方向に視て、メモリ電極300a及び電極露出孔310よりも感光ドラム61に近い位置に配置した。
【0086】
これにより、ドラムユニット6Bのフレーム強度を低下させる要因である電極露出孔310を、ドラムユニット6Bの上述したフレーム強度が必要な領域の範囲外に設けることができる。よって、ドラムユニット6Bのフレーム強度の確保が可能となり、現像ローラ71を感光ドラム61に安定的に当接させ、画像不良の発生を低減できる。
【0087】
また、本実施の形態では、現像ユニット7Bの被押圧部316がメモリ電極300aよりも感光ドラム61に近い位置に配置される。現像ユニット7Vのこのような配置関係によって、上記のようなドラムユニット6のフレーム強度を確保するための条件を実現することが可能である。よって、現像ローラ71を感光ドラム61に安定的に当接させ、画像不良の発生を低減できる。
【0088】
<第4の実施の形態>
次いで、本発明の第4の実施の形態について説明するが、第4の実施の形態は、第3の実施の形態に対して、メモリの配置を変更したものである。このため、第3の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0089】
本実施の形態のドラムユニット6Cのフレーム610は、
図29及び
図30に示すように、左側壁611を有しており、左側壁611には、下方に窪んだコ字状の切欠き305が形成されている。また、現像ユニット7Cのサイドホルダ719には、左方(軸方向)に突出するメモリ支持部306が形成されている。メモリ支持部306の下面には、メモリ1300が支持されており、メモリ1300は、下方にメモリ電極1300aが向くように配置されている。
【0090】
現像ユニット7Cがドラムユニット6Cに装着されると、メモリ支持部306は、ドラムユニット6Cのフレーム610の切欠き305から左方に突出する。この状態で、メモリ支持部306に支持されたメモリ1300のメモリ電極1300aは、フレーム610の左側壁611よりも左方に位置している。そして、現像ユニット7Cとドラムユニット6Cとが一体となったプロセスカートリッジ5Cが装置本体2(
図1参照)に装着されると、装置本体2に設けられた電極303とメモリ電極1300aが接触し、メモリ1300の情報が装置本体2に読み取られる。
【0091】
なお、
図31に示すように、メモリ支持部306の左側面にメモリ2300を取付け、メモリ2300のメモリ電極2300aが左方に向くように配置されてもよい。本実施の形態においても、第3の実施の形態と同様に、バネ当接部301a及び被押圧部316が、軸方向に視てメモリ電極1300a,2300aよりも感光ドラム61に近い位置に配置されている。
【0092】
すなわち、ドラムユニット6Cのフレーム610に形成された切欠き305は、フレーム強度を低下させる要因となるが、切欠き305は、フレーム610でフレーム強度が必要な上述の領域の範囲外に設けられる。したがって、第3の実施の形態で説明した押圧部材640及び圧縮バネ302の反力を受けるフレーム610の領域のフレーム強度を確保し、現像ローラ71を感光ドラム61に安定的に当接させ、画像不良の発生を低減できる。
【0093】
[第4の実施の形態のまとめ]
ドラムユニット6Cのフレーム610は、特に支持部311と、圧縮バネ302と当接する支持部301のバネ当接部301aと、の間の領域において、押圧部材640の反力による負荷が作用する。この負荷によって、フレーム610が変形すると、押圧部材640の押圧力が減少し、現像ローラ71を安定的に感光ドラム61に当接させることができず、現像ローラ71と感光ドラム61とが離間して画像不良が発生する虞がある。
【0094】
そこで、本実施の形態では、上記領域にはフレーム強度を低下させる要因となる孔や切欠きを設けず、左側壁611に切欠き305を設けた。そして、切欠き305からメモリ電極1300a,2300aを外部に露出させるように構成した。これにより、フレーム610の変形を抑え、画像不良を低減することができる。
【0095】
<第5の実施の形態>
次いで、本発明の第5の実施の形態について説明するが、第5の実施の形態は、第3の実施の形態に対して、現像ユニット及びドラムユニットの筐体(フレーム)の構成並びにメモリの配置が異なる。このため、第3の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0096】
本実施の形態のドラムユニット6Dは、
図32乃至
図34に示すように、フレーム610の前壁614を有しており、前壁614には、下方に窪んだ切欠き308が形成されている。このため、本実施の形態のドラムユニット6Dには、第1の実施の形態において前述した把持部617が形成されない。
【0097】
現像ユニット7Dは、前方に突出する延出部307を有している。延出部307は、把持部701を挟んで左右方向における両側に配置されている。延出部307には、画像形成に使用されるトナーが収容される。左側の延出部307の下面には、メモリ3300が支持されており、メモリ3300は、下方にメモリ電極3300aが向くように配置されている。
【0098】
現像ユニット7Dがドラムユニット6Dに装着されると、延出部307は、ドラムユニット6Dの前壁614に形成された切欠き308から前方に突出し、左側の延出部307の下面に支持されるメモリ3300は、前壁614よりも後方に位置する。そして、現像ユニット7Dとドラムユニット6Dとが一体となったプロセスカートリッジ5Dが装置本体2(
図1参照)に装着されると、装置本体2に設けられた電極303とメモリ電極3300aが接触し、メモリ3300の情報が装置本体2に読み取られる。
【0099】
本実施の形態においても、第3の実施の形態と同様に、バネ当接部301a及び被押圧部316が、軸方向に視てメモリ電極3300aよりも感光ドラム61に近い位置に配置されている。
【0100】
[第5の実施の形態のまとめ]
現像ユニット7Dが収容するトナーの容量を大きくする場合、次の課題がある。現像ユニット7Dの幅や高さを変えないとすると、現像ユニット7Dは、前方に突出せざるを得ず、本実施の形態では、前方に延出する延出部307を形成し、延出部307にトナーを収容している。そして、延出部307がドラムユニット6Dの前壁614に干渉しないように、前壁614に切欠き308を形成し、切欠き308内に延出部307を延在させるように構成している。しかしながら、この切欠き308は、ドラムユニット6Dのフレーム610のフレーム強度を低下させる要因となる。
【0101】
そこで、本実施の形態では、延出部307の下面にメモリ電極3300aを有するメモリ3300を配置し、メモリ電極3300aを感光ドラム61から遠い位置に配置した。すなわち、
図28に示すように、ドラムユニット6Dのバネ当接部301a及び被押圧部316が、軸方向に視てメモリ電極3300aよりも感光ドラム61に近い位置に配置されている。
【0102】
これにより、ドラムユニット6Dのフレーム強度を低下させる要因である切欠き308を、ドラムユニット6Dの上述したフレーム強度が必要な領域の範囲外に設けることができる。よって、現像ユニット7Dが収容するトナーの容量を増大させつつ、ドラムユニット6Dのフレーム強度の確保が可能となり、現像ローラ71を感光ドラム61に安定的に当接させ、画像不良の発生を低減できる。
【0103】
また、プロセスカートリッジ5Dを装置本体2に装着する際には、現像ユニット7Dとドラムユニット6Dとが上述したリフト部材642によって一体となっている。このため、ドラムユニット6Dに把持部が設けられずとも、現像ユニット7Dの把持部701を把持することで、現像ユニット7Dをドラムユニット6Dから脱落させることなく、容易にプロセスカートリッジ5Dを装置本体2に着脱させることができる。
【0104】
なお、本実施の形態では、メモリ電極3300aを現像ユニット7Dの延出部307に設けていたが、これに限定されない。例えば、メモリ電極3300aを、第1乃至第4の実施の形態で説明したメモリ電極のいずれかの位置に配置してもよい。このようなメモリ電極の配置であっても、ドラムユニット6のフレーム強度が必要な領域についての強度確保が可能である。
【0105】
<第6の実施の形態>
次いで、本発明の第6の実施の形態について説明するが、第6の実施の形態は、第1の実施の形態に対して、リフト部材の回転、変形及び倒れが規制可能な構成を追加したものである。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0106】
本実施の形態に係るプロセスカートリッジ5Eは、
図35乃至
図37に示すように、ドラムユニット6Eと、現像ユニット7Eと、を有している。ドラムユニット6Eは、フレーム610と、フレーム610に回転可能に支持される感光ドラム61と、を有している。現像ユニット7Eは、ドラムユニット6Eに装着された状態で押圧部材640,640によって前方に押され、これによって現像ユニット7Eに支持される現像ローラ71(
図9参照)が感光ドラム61に接触する。
【0107】
ドラムユニット6Eのフレーム610は、左側壁611及び右側壁612と、これら左側壁611及び右側壁612を接続する底面610a及び前壁614と、を有している。押圧部材640,640は、前壁614に支持されており、右側壁612には、リフト部材642が回転可能に支持されている。
【0108】
現像ユニット7Eは、左側壁704及び右側壁705を有する筐体700と、左側壁704に支持されるサイドホルダ719と、を有している。サイドホルダ719には、第1の実施の形態で説明した検知部80が設けられていると共に、現像カップリング710が外部に露出される孔719aが形成されている。また、サイドホルダ719の底面には、メモリ85及び位置決め突起86が設けられている。右側壁705には、右方に突出する円筒形状の突出部751が設けられている。
【0109】
リフト部材642Eは、
図38及び
図39に示すように、回転軸403bを中心に右側壁612に回転可能に支持されており、リフト部材642Eの左方には、右側壁612に支持される内側壁403fが配置されている。リフト部材642Eは、リフト部材642Eの一端部に設けられ、ユーザによって下方に押し操作可能な操作部410bと、リフト部材642Eの他端部に設けられ、突出部751と当接可能な当接部410aと、を有している。操作部410bは、回転軸403bよりも手前側に配置され、当接部410aは、回転軸403bよりも後側に配置されている。すなわち、操作部410bと当接部410aは、前後方向において、回転軸403bを挟んで互いに反対側に配置されている。
【0110】
また、リフト部材642Eは、操作部410bと一体に設けられる規制部410cを有しており、規制部410cは、右側壁612よりも右方に突出するように、操作部410bの右方に配置されている。内側壁403fは、操作部410bの左方に操作部410bと隣接して配置されている。言い換えれば、内側壁403fは、感光ドラム61の軸線方向において操作部410bの内側に配置されている。フレーム610の操作部410bとフレーム610に設けられる座面493aとの間には、圧縮バネ650が縮接されており、圧縮バネ650は、操作部410bを上方に付勢している。
【0111】
次に、ドラムユニット6Eから現像ユニット7Eを取り外す際の動作について説明する。
図40(a)に示すように、リフト部材642Eは、操作部410bが上方に付勢され、例えば不図示のストッパに当接することで所定の待機位置で保持されている。この時、ドラムユニット6Eに装着された現像ユニット7Eの当接部410aは、突出部751から離間しており、突出部751に当接していない。
【0112】
ユーザが操作部410bを下方に押し操作すると、
図40(b)に示すように、当接部410aが上方に揺動し、当接部410aによって現像ユニット7Eの突出部751が上方に押圧される。これにより、現像ユニット7Eは、現像ローラ71の軸方向における側方に配置される軸受746B(746A)を中心に時計回り方向(CW方向)に回転し、ドラムユニット6Eから離脱される。この時、ドラムユニット6Eの突起部643,643に支持される現像ユニット7Eの左右1対のリブ718,718は、突起部643,643から離間する。
【0113】
ユーザは、上述のようにリフトアップ状態となった現像ユニット7Eの把持部701(
図35参照)を把持し、現像ユニット7Eをドラムユニット6Eから引き出すことで、現像ユニット7Eの取外し作業を完了する。
【0114】
次に、プロセスカートリッジ5Eを装置本体2に装着するための構成について説明する。
図41(a)は本実施の形態に係る装置本体2を示す斜視図であり、
図41(b)はリフト部材642Eの周辺構成を示す拡大斜視図である。なお、
図41(a)(b)では、
図1に示すドア21を省略して表示している。
【0115】
装置本体2は、
図41(a)乃至
図43(b)に示すように、右側本体ガイド420と、左側本体ガイド421と、を有している。右側本体ガイド420は、プロセスカートリッジ5Eが収容される装置本体2の収容部の右側に配置され、左側本体ガイド421は、収容部の左側に配置される。右側本体ガイド420は、プロセスカートリッジ5Eの第2位置決め突起661及び第2ガイドリブ663をそれぞれ案内する第1ガイド部420b及び第2ガイド部420cを有している。これら第1ガイド部420b及び第2ガイド部420cは、溝形状を有している。また、右側本体ガイド420は、第1ガイド部420bの上方に配置され、リフト部材642Eの規制部410cと接触可能な接触部420aを有している。
【0116】
左側本体ガイド421は、プロセスカートリッジ5Eの第1位置決め突起660及び第1ガイドリブ662をそれぞれ案内する第3ガイド部421a及び第4ガイド部421bを有している。これら第3ガイド部421a及び第4ガイド部421bは、板形状を有している。第3ガイド部421aの上方には、現像カップリング710に係合可能な駆動伝達部材422が配置されており、駆動伝達部材422が装置本体2に設けられる不図示の駆動源によって駆動されることで、現像カップリング710が駆動される。また、装置本体2の左側下部には、現像ユニット7Eに設けられたメモリ85のメモリ電極85aと接触可能な電極303が配置されている。
【0117】
次に、プロセスカートリッジ5Eが装置本体2に装着された状態におけるリフト部材642Eの動作について説明する。プロセスカートリッジ5Eが装置本体2に装着された状態では、
図44(a)及び
図45に示すように、リフト部材642Eの規制部410cの直下方に接触部420aが配置されている。リフト部材642Eがユーザによって操作されていない状態では、規制部410cは接触部420aに対して僅かな隙間を空けて離間している。また、リフト部材642Eの当接部410aは、突出部751に対して僅かな隙間を空けて離間している。このため、接触部420aがプロセスカートリッジ5Eを装置本体2に装着する作業を阻害することはない。なお、リフト部材642Eがユーザによって操作されていない状態で、規制部410cが接触部420aに対して当接していてもよい。
【0118】
図44(b)に示すように、ユーザがリフト部材642Eの操作部410bを下方に押圧操作すると、リフト部材642Eが圧縮バネ650の付勢力に抗して回動しようとする。しかしながら、リフト部材642Eが僅かに回動したところで、リフト部材642Eの規制部410cが接触部420aに接触するために、リフト部材642Eの反時計回り方向(矢印CCW方向)の回動が規制される。
【0119】
このため、現像ユニット7Eの下面に形成されたリブ718は、ドラムユニット6Eに形成された突起部643に支持された状態が維持される。また、リフト部材642Eの当接部410aは、突出部751から離間したままか、突出部751に対して軽く接触された状態となる。しかし、現像ユニット7Eがドラムユニット6Eから離脱される方向へは移動しない。
【0120】
以上のように、プロセスカートリッジ5Eが装置本体2に装着された状態では、装置本体2に設けられた接触部420aによってリフト部材642Eの回動動作が規制される。これにより、プロセスカートリッジ5Eが装置本体2に装着されたままで、ユーザが誤ってリフト部材642Eを操作したとしても、リフト部材642Eが現像ユニット7Eの突出部751を上方に押し上げることが無い。このため、ドラムユニット6Eから現像ユニット7Eが誤って取り外されることを防止できる。
【0121】
プロセスカートリッジ5Eが装置本体2に装着された状態でリフト部材642Eがユーザによって操作されると、以下のような課題がある。
図45は、プロセスカートリッジ5Eが装置本体2に装着された状態で、ユーザがリフト部材642Eを強い力で操作する時のリフト部材642Eに働く力とリフト部材642Eの変形方向を示した図である。
【0122】
図45に示すように、ユーザがリフト部材642Eの操作部410bを下方に力f1で押圧操作すると、リフト部材642Eの規制部410cは、装置本体2の接触部420aに接触する。そして、規制部410cは、接触部420aから反力f2を受けて停止する。その際、リフト部材642Eが受ける力f1は、反力f2よりも回転軸403bの軸線方向において装置内側(左側)で作用する。これにより、リフト部材642Eが左側に倒れたり変形したりして、リフト部材642Eの左側が矢印m1方向へ移動する。
【0123】
リフト部材642Eは、回転軸403bにより保持されているので、リフト部材642Eの当接部410aは、矢印m1方向とは反対の矢印m2方向へ移動する。その結果、当接部410aが突出部751を押し上げ、メモリ85のメモリ電極85aと装置本体2側の電極303との接触状態が変化する。これが繰り返されることにより、メモリ85の摩耗が促進されてしまい、電極同士の接触抵抗が変化してしまったり接触不良が発生したりする虞がある。
【0124】
そこで、本実施の形態では、回転軸403bの軸線方向において、現像ユニット7Eの、リフト部材642Eによって押し上げられる突出部751とは反対側にメモリ85を配置すると共に、リフト部材642Eに隣接して内側壁403fを配置している。
図46(a)に示すように、現像ユニット7Eは、回転軸403bの軸線方向において突出部751とは反対側において、軸受746Aがドラムユニット6Eの受け部641によって支持されている。
図46(b)に示すように、リフト部材642Eがユーザによって押圧操作されると、上述したリフト部材642Eの倒れや変形により、突出部751はリフト部材642Eの当接部によって押し上げられる。
【0125】
この時、現像ユニット7Eは、突出部751とは反対側に設けられる軸受746Aと受け部641との当接部分を支点にして、リフト部材642Eによって矢印方向に持ち上げられる。そして、メモリ85は、感光ドラム61及び回転軸403bの軸線方向において、上記支点に近く、作用点であるリフト部材642Eの当接部410aと突出部751の当接部分から遠い方が現像ユニット7Eの持ち上げ動作における変位が少ない。このため、本実施の形態では、メモリ85は、感光ドラム61及び回転軸403bの軸線方向において、リフト部材642Eの当接部410aよりも軸受746Aに近い位置に配置され、メモリ85の摩耗を低減できる。
【0126】
更に、
図47(a)に示すように、リフト部材642Eの左方には、内側壁403fがリフト部材642Eに対して僅かに隙間を空けて配置されている。上述したリフト部材642Eの倒れや変形により、リフト部材642Eは、内側壁403fに近づく。そして、リフト部材642Eは、内側壁403fに当接することで、倒れや変形が規制される。これにより、プロセスカートリッジ5Eが装置本体2に装着された状態での、リフト部材642Eによる現像ユニット7Eの持ち上げ量が少なくなり、メモリ85の摩耗を低減できる。
【0127】
内側壁403fは、現像ローラ71及び回転軸403bの軸線方向において、操作部410bに対して、規制部410cと接触部420aとの当接部分とは反対側に配置される。例えば、規制部410cと接触部420aとの当接部分が操作部410bの右方に配置されている場合、内側壁403fは、操作部410bの左方に配置される。
【0128】
好ましくは、
図47(b)に示すように、上記軸線方向に視た際に、内側壁403fは、前後方向において、回転軸403bに対して、当接部410aとは反対側に設けられる。更に好ましくは、内側壁403fは、上記軸線方向に視た際に、操作部410b又は規制部410cと少なくとも一部が重なるように配置される。これにより、リフト部材642Eの倒れや変形が規制され、メモリ85の摩耗をより低減できる。
【0129】
更に、上記軸線方向に視て、リフト部材642Eは、検知部80及び検知突起83と少なくとも一部が重なるように配置されている。これにより、プロセスカートリッジ5Eの限られたスペースを有効活用し、リフト部材642Eの大きさを確保して剛性を保つことで、リフト部材642Eの変形や倒れを抑制したり、ユーザの操作性を向上したりすることができる。
【0130】
[第6の実施の形態のまとめ]
プロセスカートリッジ5Eが装置本体2に装着された状態で、現像ユニット7Eがドラムユニット6Eから取り外し可能であると、装置本体2と現像ユニット7Eとが接触し、装置本体2又は現像ユニット7Eが破損する虞がある。
【0131】
そこで、本実施の形態では、プロセスカートリッジ5Eが装置本体2に装着された状態では、装置本体2に設けられた接触部420aによってリフト部材642Eの回動動作が規制されるように構成した。すなわち、本実施の形態の接触部420aは、プロセスカートリッジ5Eが装置本体2から離脱している際には、リフト部材642Eと接触することなくリフト部材642Eが第1の量だけ移動することを許容する。また、接触部420aは、プロセスカートリッジ5Eが装置本体2に装着されている際には、リフト部材642Eと接触することでリフト部材642Eを第1の量よりも小さい第2の量だけ移動可能となるようにリフト部材642Eの回動を規制する。これにより、装置本体2の内方において、ドラムユニット6Eから現像ユニット7Eが誤って取り外されることが防止され、装置本体2又は現像ユニット7Eの破損を低減できる。
【0132】
更に、接触部420aによってリフト部材642Eの回動動作が規制される構成において、ユーザがリフト部材642Eの操作部410bを強い力で押圧操作すると、リフト部材642Eが倒れたり変形したりすることがある。そして、リフト部材642Eが倒れたり変形したりすると、メモリ電極85aと装置本体2側の電極303とが位置ズレして摩耗し、接触不良となる虞がある。
【0133】
そこで、本実施の形態では、感光ドラム61の長手方向(軸方向)において、プロセスカートリッジ5Eの一端側(右側)にリフト部材を配置し、プロセスカートリッジ5Eの他端側(左側)にメモリ電極85aを配置した。また、リフト部材642Eを挟んで接触部420aとは反対側に、リフト部材642Eの倒れや変形を機視する内側壁403fを設けた。これにより、リフト部材642Eによる現像ユニット7Eの持ち上げ量が少なくなると共に、リフト部材642Eの倒れや変形が規制され、メモリ85の摩耗をより低減できる。
【0134】
<第7の実施の形態>
次いで、本発明の第7の実施の形態について説明するが、第7の実施の形態は、第1の実施の形態に対して、リフト部材の配置及び周辺構成が異なる。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0135】
本実施の形態に係るドラムユニット6Fの左側壁611には、
図48及び
図49に示すように、支持孔520と、回転軸L515を中心として円弧状に形成されるガイド孔521と、が形成されている。支持孔520には、リフト部材642Fの回転軸502が挿入されている。すなわち、リフト部材642Fは、ドラムユニット6Fの左側に設けられ、左側壁611に回転軸L515周りに回転可能に支持されている。
【0136】
リフト部材642Fは、規制部501と、回転軸502と、当接部503と、操作部504と、を有し、圧縮バネ650によって矢印R510方向に付勢されている。規制部501は、左方に突出するように形成されると共に、上記ガイド孔521を貫通して設けられている。
【0137】
リフト部材642Fは、ユーザによって操作されていない状態では、
図50(a)に示すように、当接部503が検知部80の下部80aに対して僅かなクリアランスを存して離間した状態となっている。この時、現像ユニット7Fの被押圧リブ716は、
図50(b)に示すように、付勢バネ644によって付勢される押圧部材640によって後方に向けて付勢されている。より詳細には、被押圧リブ716の被押圧面716aは、押圧部材640の押圧面640aによって後方に押圧されている。
【0138】
リフト部材642Fは、操作部504がユーザによって下方に押圧されると、
図50(a)及び
図51(a)に示すように、圧縮バネ650の付勢力に抗して矢印R510方向とは反対の矢印R511方向に回転する。これにより、規制部501がガイド孔521内を移動すると共に、当接部503が上方に移動する。当接部503は、検知部80の下部80aを上方に持ち上げ、現像ユニット7Fの前端側が矢印R512方向に持ち上がる。
【0139】
これにより、
図51(b)に示すように、現像ユニット7Fの被押圧面716aは、押圧面640aから上方に離間し、現像ユニット7Fの傾斜面716bが押圧部材640の端部522に乗り上げる。すると、付勢バネ644によって前方に付勢された押圧部材640の端部522によって、現像ユニット7Fの傾斜面716bが矢印R513方向に持ち上げられ、現像ユニット7Fは、付勢バネ644の付勢力によって更に矢印R512方向に回動する。このため、現像ユニット7Fをリフトアップ状態にするための操作力を低減できる。
【0140】
図52(a)及び
図52(b)は、リフトアップ状態となった現像ユニット7Fを示す断面図である。現像ユニット7Fがリフトアップ状態となった状態で、リフト部材642Fへの押圧操作が解除されると、リフト部材642Fは、圧縮バネ650の作用によって待機位置に復帰する。また、現像ユニット7Fは、押圧部材640の端部522によって矢印R513方向に持ち上げられることで、
図51(b)に示す状態よりも更に前端側が持ち上げられる。
【0141】
次に、プロセスカートリッジ5Fを装置本体2に装着するための構成及び動作について説明する。
図53に示すように、装置本体2には、プロセスカートリッジ5Fを案内する右側本体ガイド420(
図42(a)参照)及び左側本体ガイド421が設けられている。なお、本実施の形態では、右側本体ガイド420の説明を省略し、左側本体ガイド421のみ説明する。
【0142】
左側本体ガイド421は、プロセスカートリッジ5Eの第1位置決め突起660及び第1ガイドリブ662をそれぞれ案内する第3ガイド部421a及び第4ガイド部421bを有している。
図54に示すように、プロセスカートリッジ5Eが装置本体2へ装着され始めると、プロセスカートリッジ5Fの第1位置決め突起660が第3ガイド部421aの案内面555に当接し、装置後方へ案内される。
【0143】
更にプロセスカートリッジ5Fが装置本体2に挿入されると、
図55(a)(b)に示すように、第1ガイドリブ662が第4ガイド部421bの上面553及び下面554によって形成される案内空間SPに進入する。ここで、プロセスカートリッジ5Fを上方に傾けると、第1ガイドリブ662が上面553に当接し、プロセスカートリッジ5Fの上方への移動が規制される。このため、プロセスカートリッジ5Fを安定して装置本体2に装着することができる。一方、現像ユニット7Fの検知部80は、ドラムユニット6Fの左側壁611から左方に突出して設けられており、第3ガイド部421aの案内面555の上方を通過する。
【0144】
更にプロセスカートリッジ5Fが装置本体2に挿入されると、
図56に示すように、第1位置決め突起660が第3ガイド部421aの位置決め面556に突き当たり、プロセスカートリッジ5Fの挿入方向への移動が規制される。すなわち、プロセスカートリッジ5Fの前後方向の位置決めが行われる。
【0145】
また、第4ガイド部421bの下面554には、上方に突出する突起部557が形成されており、突起部557の位置における案内空間SPの高さが狭まっている。プロセスカートリッジ5Fが装置本体に装着されかつユーザによる把持が解除された状態では、第1ガイドリブ662の前端部662aは、上記突起部557に支持されている。前端部662aは、断面円形状に膨出している。前端部662a及び突起部557の形状により、前端部662aは案内空間SP内において高さ方向にほとんど移動不能となり、プロセスカートリッジ5Fの回転方向、すなわち高さ方向の位置決めが行われる。
【0146】
このようにしてプロセスカートリッジ5Fが装置本体2に装着された状態では、
図57に示すように、リフト部材642Fに設けられた規制部501は、第3ガイド部421aの案内面555の上方に僅かなクリアランスを存して配置されている。この状態で、ユーザが誤ってリフト部材642Fを下方に押圧操作したとしても、リフト部材642Fは、規制部501が案内面555に接触するために、僅かな量しか回動しない。すなわち、リフト部材642Fは、プロセスカートリッジ5Fに装着された状態では、上記クリアランス分のみしか回動できない。このため、現像ユニット7Fは、リフトアップ状態となるほどは移動せず、装置本体2内でドラムユニット6Fから離脱することはない。
【0147】
これにより、現像ユニット7Fの離脱により発生する、機械的動作不良や、メモリ電極85aと装置本体2の電極303との接触不良による、メモリチップと装置本体2との通信障害の発生を低減することができる。
【0148】
また、
図49及び
図57に示すように、リフト部材642Fの規制部501は、検知部80の検知ギヤ81の回転中心L516、すなわち検知突起83の回転中心L516よりも下方に配置されている。これにより、案内面555を装置本体2のより下側に配置することができ、プロセスカートリッジ5Fを装置本体2に装着する際に、プロセスカートリッジ5Fの第1位置決め突起660をスムーズに第3ガイド部421aに通すことができる。特に、案内面555の起伏が少ないために、プロセスカートリッジ5Fの前部を高く持ち上げる必要が無く、ユーザビリティを向上できる。また、プロセスカートリッジ5Fの前部を持ち上げるための空間を装置本体2内に設ける必要が無いため、装置本体2を高さ方向に小型化できる。
【0149】
[第7の実施の形態のまとめ]
近年、プロセスカートリッジや画像形成装置としてのプリンタの小型化が望まれている。そこで、本実施の形態では、プロセスカートリッジ5Fの現像カップリング710が設けられる左側に、検知部80(検知突起83)、メモリ電極85a及びリフト部材642Fを配置した。これにより、これら検知部80(検知突起83)、メモリ電極85a及びリフト部材642Fをコンパクトに配置し、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置を小型化することができる。
【0150】
また、リフト部材642Fに、感光ドラム61の軸方向外側に突出する規制部501を設け、プロセスカートリッジ5Fが装置本体2に装着された状態では、規制部501が装置本体2に設けられた案内面555に当接可能となるように構成した。このため、プロセスカートリッジ5Fが装置本体2に装着された状態において、リフト部材642Fの操作部504が下方に押圧操作されても、規制部501が案内面555に当接することでリフト部材642Fの回動が規制される。これにより、装置本体2の内方において、ドラムユニット6Eから現像ユニット7Eが誤って取り外されることが防止され、装置本体2又は現像ユニット7Eの破損を低減できる。
【0151】
<第8の実施の形態>
次いで、本発明の第8の実施の形態について説明するが、第8の実施の形態は、第1の実施の形態に対して、ドラムユニットのプロセス構成が異なる。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0152】
本実施の形態に係るプロセスカートリッジ5Gは、
図58に示すように、ドラムユニット6Gと、ドラムユニット6Gに装着される現像ユニット7Gと、を有している。ドラムユニット6Gは、感光ドラム61と、コロナ帯電器62Gと、転写ローラ63と、前露光部201と、回収ローラ202と、を有している。
【0153】
コロナ帯電器62Gは、非接触で感光ドラム61の表面を帯電する帯電ユニットである。前露光部201は光源としての発光ダイオードと導光部材としてのライトガイドを備え、発光ダイオードから出射された光をライトガイドで導き、感光ドラム61の表面に光を照射する。発光ダイオードに供給される電流は、装置本体2から供給される。前露光部201の光の照射により感光ドラム61の表面が除電される。また、回収ローラ202には装置本体2から所定の電圧が印加され、感光ドラム61の表面に付着した紙粉やゴミなどの異物やトナーを回収する。感光ドラム61の画像形成中の回転方向、すなわち図中矢印61a方向に関して、転写ローラ63、前露光部201、回収ローラ202、コロナ帯電器62G及び現像ローラ71の順で、上流から下流に向かって並んで配置されている。
【0154】
[第8の実施の形態のまとめ]
近年、様々な帯電方式のプロセスカートリッジが望まれている。そこで、本実施の形態では、コロナ帯電方式のコロナ帯電器62Gをプロセスカートリッジ5Gに設けた。
【0155】
なお、既述のいずれの形態においても、現像ローラ71は感光ドラム61に接触していたが、現像ローラ71を感光ドラム61に接触しないように構成してもよい。すなわち、現像ローラ71を感光ドラム61に対して微小隙間をあけて対向するように配置し、この微小隙間を介してトナーが感光ドラム61に現像される構成を適用してもよい。
【0156】
また、既述のいずれの形態においても、電子写真方式のモノクロプリンタを用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、中間転写ベルトを用いたフルカラープリンタや、ノズルからインク液を吐出させることでシートに画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置にも本発明を適用することが可能である。なお、既述のいずれの実施の形態及び変形例は、適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0157】
5:プロセスカートリッジ/6:第1ユニット(ドラムユニット)/7:第2ユニット(現像ユニット)/61:像担持体(感光ドラム)/68a:孔(電極露出孔)/71:現像剤担持体(現像ローラ)/83:検知部(検知突起)/85:記憶部(メモリ)/85a:電極(メモリ電極)/303:本体電極(電極)/611:第2側壁(左側壁)/612:第1側壁(右側壁)/642:移動部材(リフト部材)/662:リブ(第1ガイドリブ)/664:凹部