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特許7547572情報処理装置、情報処理方法、プログラム、およびアプリケーションプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、およびアプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/36 20120101AFI20240902BHJP
【FI】
G06Q20/36
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2023111483
(22)【出願日】2023-07-06
【審査請求日】2023-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】武田 桃太郎
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-043656(JP,A)
【文献】特開2021-026317(JP,A)
【文献】特開2023-051106(JP,A)
【文献】特開2016-218861(JP,A)
【文献】特開2013-182489(JP,A)
【文献】特開2020-201573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、前記電子決済サービスを利用する一人の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付ける送受信部と、
受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定する決済処理部と、を備え、
前記決済処理部は、前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とし、
前記決済処理部は、前記電子決済サービスの決済金額を前記複数の第1利用者の間で分割した金額を、前記複数の第1利用者に対応する金額枠からそれぞれ引き落とす、
情報処理装置。
【請求項2】
前記送受信部は、前記金額枠を利用可能な前記電子決済サービスの決済対象に関する指定をさらに前記複数の第1利用者の第1利用者端末装置のうち一部または全部から受け付け、
前記決済処理部は、前記第2利用者が前記電子決済サービスの決済対象に係る電子決済を実行した場合に、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とす、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決済対象は、前記電子決済サービスに加盟する加盟店、前記加盟店のカテゴリ、または前記電子決済サービスを介して提供されている付属サービスである、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、前記電子決済サービスを利用する一人の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付ける送受信部と、
受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定する決済処理部と、を備え、
前記決済処理部は、前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とし、
前記決済処理部は、前記電子決済サービスの決済金額を前記複数の第1利用者の数で除算した金額を、前記複数の第1利用者に対応する金額枠からそれぞれ引き落とす、
情報処理装置。
【請求項5】
電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、前記電子決済サービスを利用する一人の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付ける送受信部と、
受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定する決済処理部と、を備え、
前記決済処理部は、前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とし、
前記決済処理部は、前記電子決済サービスの決済金額を前記複数の第1利用者に対応する金額枠で按分した金額を、前記複数の第1利用者に対応する金額枠からそれぞれ引き落とす、
情報処理装置。
【請求項6】
前記第1利用者端末装置から前記第2利用者の第2利用者端末装置に送信される前記金額枠の提供提案と、前記第2利用者端末装置から前記第1利用者端末装置に送信される前記金額枠の提供依頼と、の双方向による前記金額枠の設定を可能とする情報管理部を更に備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報管理部は、前記第1利用者端末装置に、前記電子決済サービスにおいて前記第2利用者を識別するための識別情報とは異なる第2識別情報を介して前記提供提案を送信させる、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、前記電子決済サービスを利用する一人の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付ける送受信部と、
受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定する決済処理部と、を備え、
前記決済処理部は、前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とし、
前記決済処理部は、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を、前記所定期間の開始時に、前記複数の第1利用者の電子決済サービスアカウントからそれぞれ暫定的に引き落とし、前記所定期間の終了時に、前記複数の第1利用者に対応する金額枠から引き落とし金額を減算した余剰金額を前記複数の第1利用者の電子決済サービスアカウントに返還する、
情報処理装置。
【請求項9】
前記第2利用者が前記金額枠を利用した利用履歴を記憶する記憶部を更に備え、
前記送受信部は、前記第1利用者端末装置からの前記利用履歴の取得要求を受信した場合、前記利用履歴を前記第1利用者端末装置に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記送受信部は、前記第1利用者端末装置から前記利用履歴の取得要求を受信した場合、前記利用履歴の開示範囲を制限して前記利用履歴を前記第1利用者端末装置に送信する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記送受信部は、前記金額枠を付与した前記第1利用者が所定基準を満たした場合、前記第1利用者端末装置に特典を付与する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記送受信部は、前記所定基準として、前記第2利用者が前記金額枠を前記所定期間中に利用した場合、前記第1利用者端末装置に特典を付与する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、前記電子決済サービスを利用する一人の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付ける送受信部と、
受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定する決済処理部と、を備え、
前記決済処理部は、前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とし、
前記送受信部は、前記金額枠を付与した前記第1利用者が所定基準を満たした場合、前記第1利用者端末装置に特典を付与し、
前記送受信部は、前記所定基準として、前記第1利用者が前記第2利用者に前記金額枠を付与した継続期間が特定期間以上である場合、前記第1利用者端末装置に特典を付与する、
情報処理装置。
【請求項14】
前記特典は、前記第2利用者によって事前に設定された文字情報又は画像情報である、
請求項11から13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータが、
電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、前記電子決済サービスを利用する一人の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付け、
受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定し、
前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とし、
前記電子決済サービスの決済金額を前記複数の第1利用者の間で分割した金額を、前記複数の第1利用者に対応する金額枠からそれぞれ引き落とす、
情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータに、
電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、前記電子決済サービスを利用する一人の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付けさせ、
受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定させ、
前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とさせ、
前記電子決済サービスの決済金額を前記複数の第1利用者の間で分割した金額を、前記複数の第1利用者に対応する金額枠からそれぞれ引き落とさせる、
プログラム。
【請求項17】
電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置と協働し、前記電子決済サービスを利用する第2利用者の第2利用者端末装置に搭載されるアプリケーションプログラムであって、
前記複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付け、
受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定し、
前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とし、
前記電子決済サービスの決済金額を前記複数の第1利用者の間で分割した金額を、前記複数の第1利用者に対応する金額枠からそれぞれ引き落とす、
アプリケーションプログラム。
【請求項18】
電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、前記電子決済サービスを利用する一人の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付ける送受信部と、
受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定する決済処理部と、を備え、
前記決済処理部は、前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とし、
前記決済処理部は、前記所定期間の終了時に、前記複数の第1利用者に対応する金額枠の合計から、前記所定期間中における前記電子決済サービスの決済金額の合計を減算した余剰金額を、前記複数の第1利用者の電子決済サービスアカウントに返還する、
情報処理装置。
【請求項19】
コンピュータが、
電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、前記電子決済サービスを利用する一人の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付け、
受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定し、
前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とし、
前記所定期間の終了時に、前記複数の第1利用者に対応する金額枠の合計から、前記所定期間中における前記電子決済サービスの決済金額の合計を減算した余剰金額を、前記複数の第1利用者の電子決済サービスアカウントに返還する、
情報処理方法。
【請求項20】
コンピュータに、
電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、前記電子決済サービスを利用する一人の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付けさせ、
受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定させ、
前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とさせ、
前記所定期間の終了時に、前記複数の第1利用者に対応する金額枠の合計から、前記所定期間中における前記電子決済サービスの決済金額の合計を減算した余剰金額を、前記複数の第1利用者の電子決済サービスアカウントに返還させる、
プログラム。
【請求項21】
電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置と協働し、前記電子決済サービスを利用する第2利用者の第2利用者端末装置に搭載されるアプリケーションプログラムであって、
前記複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付け、
受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定し、
前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とし、
前記所定期間の終了時に、前記複数の第1利用者に対応する金額枠の合計から、前記所定期間中における前記電子決済サービスの決済金額の合計を減算した余剰金額を、前記複数の第1利用者の電子決済サービスアカウントに返還する、
アプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、およびアプリケーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子決済サービスにおいて、個人間の送金を実現する技術が知られている。例えば、特許文献1には、利用者間のメッセージを取得して解析し、利用者間で送金が必要と推定される場合に、利用者端末に送金受付メッセージを表示させて、送金指示を受け付ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-145215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引用文献1に記載の技術は、例えば、家族グループなどの信頼できる利用者間での送金処理を円滑化するものである。しかしながら、従来技術では、送金された金銭が、送金を行った利用者の意図通りに利用されるとは限らず、さらに、送金を受ける利用者は、複数の相手から過剰な金額の送金を受ける場合があった。すなわち、従来技術では、利用者間の送金が適正に行われない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、適正な利用者間の送金を実現することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、およびアプリケーションプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、前記電子決済サービスを利用する一人の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付ける送受信部と、受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定する決済処理部と、を備え、前記決済処理部は、前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とす、情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、適正な利用者間の送金を実現することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、およびアプリケーションプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
図4】第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
図7】決済アプリ20のトップ画面の一例を示す図である。
図8】決済サーバ100によって提供される共有ウォレット機能の概要を説明するための図である。
図9】共有ウォレットマスタ情報178の内容の一例を示す図である。
図10】共有ウォレット個別情報180の内容の一例を示す図である。
図11】第1利用者端末装置10A上で実行される共有ウォレットの提供設定の一例を示す図である。
図12】第2利用者端末装置10B上で実行される共有ウォレットの依頼設定の一例を示す図である。
図13】共有ウォレット決済が有効化された第2利用者端末装置10Bによって表示される決済画面の一例を示す図である。
図14】第1利用者端末装置10Aによって表示される決済履歴の閲覧画面の一例を示す図である。
図15】第2利用者端末装置10Bによって表示される、共有ウォレット決済の利用履歴の開示範囲を設定するための画面の一例を示す図である。
図16】第1利用者端末装置10Aに提供される特典の一例を示す図である。
図17】第1利用者端末装置10Aに提供される特典の別の例を示す図である。
図18】変形例に係る共有ウォレットの提供設定の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、プログラム、およびアプリケーションプログラムの実施形態について説明する。決済アプリと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の第1利用者端末装置10A、第2利用者端末装置10B、一以上の第1店舗端末装置50、及び一以上の第2店舗端末装置70のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。以下の説明では、説明の便宜上、第1利用者端末装置10Aが複数台存在し、第2利用者端末装置10Bが一台存在する例について説明するが、少なくとも一台の第2利用者端末装置10Bに対して一以上の第1利用者端末装置10Aが存在すればよい。さらに、以下の説明において、第1利用者端末装置10Aと第2利用者端末装置10Bとを機能上、区別しない場合、「利用者端末装置10」と称する。
【0011】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0013】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0014】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0015】
図2および図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0016】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0017】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0018】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0019】
[決済サーバ]
図4は、第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、決済コンテンツ提供部120と、送受信部130と、決済処理部140と、情報管理部150と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0020】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176、共有ウォレットマスタ情報178、共有ウォレット個別情報180などの情報が格納される。
【0021】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0022】
決済コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。決済コンテンツ提供部120は、決済コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
【0023】
決済処理部140は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部140は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0024】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0025】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0026】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名、加盟店のカテゴリ、売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0027】
情報管理部150は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172、加盟店/店舗情報176、共有ウォレットマスタ情報178、共有ウォレット個別情報180を管理する。情報管理部150は、利用者情報172、加盟店/店舗情報176、共有ウォレットマスタ情報178、共有ウォレット個別情報180について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0028】
[電子決済]
決済処理部140は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部140は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部140は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0029】
決済処理部140は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部140は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0030】
[トップ画面]
図7は、決済アプリ20のトップ画面の一例を示す図である。トップ画面には、コード画像CDが表示される。コード画像CDは、例えばバーコードとQRコードを含む。また、コード画像CDと共に、チャージ残高による電子決済を行うか、後払いによる電子決済を行うかを示すテキスト(図では「残高払い」が表示され、これはチャージ残高による電子決済を行う設定になっていることを意味する)が表示される。このテキストは、切替スイッチSWが操作される度に決済アプリ20が更新する情報(チャージ残高決済なのか後払い決済なのか)に基づいて決済アプリ20が描画する。また、トップ画面は、切替スイッチSWを含む操作領域CAと、遷移ボタンTBとを含む。なお、「スイッチ」、「ボタン」とはタッチパネルと協働して実現されるGUI(Graphical User Interface)である。切替スイッチSWは、チャージ残高による電子決済を行うか、後払いによる電子決済を行うかを切り替える操作を受け付けるものである。切替スイッチSWは、デフォルトではチャージ残高による電子決済を行う設定になっており、利用者によって操作される度に、チャージ残高による電子決済を行う設定と、後払いによる電子決済を行う設定との間で設定が切り替わる。操作領域CAには、スキャン(ユーザスキャンの開始)を指示するボタンやチャージを指示するボタンなど、電子決済における主要な操作を指示するボタンが設けられている。遷移ボタンTBが操作されると、電子決済に用いられるコード画像と利用可能額を表示する支払い画面に遷移する。
【0031】
操作領域CAには、さらに例えば、ミニアプリを起動するためのボタン(スイッチ)群MAが表示される。ミニアプリは、例えば、決済アプリ20をプラットフォームとしたアプリである。ミニアプリは、例えば、ネットワークNWに接続されたサービスサーバ(不図示)を介してサービスを提供するサービス提供者が決済アプリ20内で動作するように開発したアプリケーションプログラムである。サービスサーバは、決済サーバ100そのものであってもよいし、決済サーバ100とは異なる外部のサーバであってもよい。サービス提供者は、決済アプリ20の管理者により提供されたアプリ開発用のプログラムや技術文書などであるSDK(Software Development Kit)を参照してミニアプリを開発する。ミニアプリは、例えば、決済アプリ20が起動している状態で動作するアプリである。例えば、決済アプリ20がインストールされるとミニアプリの一部または全部がインストールされてもよいし、ミニアプリに対応するサービスサーバからミニアプリの一部または全部がインストールされてもよい。図7は、一例として、共有ウォレット機能を提供するミニアプリと、保険に関するサービスを提供するミニアプリと、映画に関するサービスを提供するミニアプリとを表している。例えば、利用者が、共有ウォレット機能を提供するミニアプリを示すボタンをクリックすると、当該ミニアプリは、共有ウォレット機能を提供する決済サーバ100又はサービスサーバにアクセスして、利用者は、共有ウォレット機能を利用することができる。また、例えば、利用者が、保険に関するサービスを提供するミニアプリを示すボタンをクリックすると、当該ミニアプリは、保険に関するサービスを提供する決済サーバ100又はサービスサーバにアクセスして、利用者は、保険の加入などの手続きを行うことができる。また、例えば、利用者が、映画に関するサービスを提供するミニアプリを示すボタンをクリックすると、当該ミニアプリは、映画に関するサービスを提供する決済サーバ100又はサービスサーバにアクセスして、利用者は、映画チケットの予約などを行うことができる。ミニアプリは、特許請求の範囲における「付属サービス」の一例である。
【0032】
ここで、共有ウォレット機能とは、電子決済サービスを利用する一以上の利用者(以下、第1利用者と称する)が、利用者端末装置10(以下、第1利用者端末装置10Aと称する)を用いて、電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、電子決済サービスを利用する別の利用者(以下、第2利用者と称する)の利用者端末装置10(以下、第2利用者端末装置10Bと称する)のアカウントに付与し、第2利用者は、所定期間中、第1利用者によって付与された金額枠を用いて電子決済を実行することができる機能を意味する。所定期間は、例えば、一ヵ月などの期間であり、第1利用者によって任意に設定されるものである。以下、決済サーバ100によって提供される共有ウォレット機能について詳細に説明する。
【0033】
[共有ウォレット機能の概要]
図8は、決済サーバ100によって提供される共有ウォレット機能の概要を説明するための図である。まず、それぞれの第1利用者は、第1利用者端末装置10Aを用いて、第2利用者のアカウントIDを指定し、当該第2利用者が所定期間中に利用可能な金額枠を設定する。図8では、一例として、4人の第1利用者が、第2利用者に対して、それぞれ5000円、3000円、2000円、4000円の金額枠を付与することを指定した場合を表している。
【0034】
次に、決済処理部140は、それぞれの第1利用者によって付与された金額枠を、利用者情報172に記憶されたそれぞれのチャージ残高から暫定的に引き落とし、引き落とした金額を集約することによって、第2利用者の共有ウォレットの設定金額(総額)として付与する。図8の場合、決済処理部140は、5000円、3000円、2000円、4000円を集約した14000円を、第2利用者の共有ウォレットの設定金額として付与することとなる。
【0035】
次に、第2利用者が、所定期間中、第2利用者端末装置10Bを用いて電子決済を行うと、決済処理部140は、第2利用者について設定された残高払い又は後払いに優先して、共有ウォレットの設定金額から決済金額を引き落とす。このとき、第2利用者は、第2利用者端末装置10B上で、残高払い又は後払いに優先して、共有ウォレットを用いた電子決済(以下、共有ウォレット決済と称する)を行うか否かを設定してもよい。例えば、第2利用者は、共有ウォレット決済を無効化することにより、自身のチャージ残高又は後払い残高を用いた電子決済を実行してもよい。図8の場合、例えば、第2利用者が、所定期間中に、6000円分、共有ウォレット決済を実行したとすると、決済処理部140は、所定期間の終了時点において、14000円から6000円を引き落としたこととなり、共有ウォレットの残高金額は8000円となる。
【0036】
次に、決済処理部140は、所定期間中に共有ウォレット決済された決済金額を第1利用者の人数で除算した金額を、それぞれの第1利用者が付与した金額枠からそれぞれ引き落とす。例えば、図8の場合、共有ウォレット決済された決済金額6000円を第1利用者の人数である4人で除算した金額1500円を、それぞれの第1利用者が付与した金額枠からそれぞれ引き落とす。すなわち、この場合、5000円、3000円、2000円、4000円から1500円を引き落として、残高金額は3500円、1500円、500円、2500円となる。なお、図8では、説明の便宜上、所定期間中の決済金額の集計値6000円から、第1利用者の人数で除算した金額1500円を引き落とすように説明している。しかし、実際には、第2利用者が、所定期間中に、共有ウォレット決済を実行した都度、決済金額を第1利用者の人数で除算し、除算した金額を第1利用者が付与した金額枠から引き落とすこととなる。
【0037】
次に、決済処理部140は、所定期間後、それぞれの第1利用者が付与した金額枠から引き落とし金額を減算した残高金額をそれぞれの第1利用者端末装置10Aに返還する。より具体的には、決済処理部140は、残高金額を、それぞれの第1利用者に紐づく利用者情報172のチャージ残高に加算する。例えば、図8の場合、決済処理部140は、残高金額3500円、1500円、500円、2500円を、それぞれの第1利用者端末装置10Aに紐づく利用者情報172のチャージ残高に加算する。このとき、決済処理部140は、第1利用者に対して返還する残高金額のうちの所定金額を手数料として差し引いた上で、第1利用者に対して返還を行ってもよい。これにより、共有ウォレット決済の一連の流れが終了する。このように、共有ウォレット決済は、複数の第1利用者が付与した金額枠の全てを第2利用者に不可逆的に付与するものではなく、第2利用者は、複数の第1利用者によって付与された金額枠を自身の決済金額の範囲内でのみ利用し、かつその負担は、複数の第1利用者の間で分散され、残額は当該複数の第1利用者に返還されるものである。
【0038】
なお、第2利用者が、所定期間中、共有ウォレット決済を実行する過程で、いずれかの第1利用者端末装置10Aの金額枠がゼロになることがあり得る。例えば、それぞれの第1利用者端末装置10Aの残高金額が3500円、1500円、500円、2500円となった時点で、第2利用者が、2900円分、共有ウォレット決済を実行した場合、第1利用者一人当たりの負担金額は725円となるが、三番目の第1利用者の残高金額はゼロとなる。その場合、決済処理部140は、例えば、不足した225円/3=75円分の金額を、残り3人の第1利用者の残高金額からそれぞれ減算する。その結果、それぞれの第1利用者端末装置10Aの残高金額は、最終的に、2700円、700円、0円、1700円となる。
【0039】
さらに、上記の説明では、共有ウォレット決済の決済金額を第1利用者の人数によって除算した金額を、それぞれの第1利用者が付与した金額枠から引き落とす例について説明した。しかし、本発明はそのような構成に限定されず、決済処理部140は、共有ウォレット決済の決済金額を第1利用者が付与した金額枠で按分した金額を、当該金額枠からそれぞれ引き落としてもよい。例えば、図8の場合、決済処理部140は、5000円、3000円、2000円、4000円の金額枠に対して、第2利用者が1400円の共有ウォレット決済を実行した場合、決済処理部140は、上記の金額枠から、それぞれ500円、300円、200円、400円を減算してもよい。
【0040】
図9は、共有ウォレットマスタ情報178の内容の一例を示す図である。共有ウォレットマスタ情報178は、例えば、共有ウォレットID、共有先アカウントID、共有元アカウントID、設定金額(総額)、利用金額、残高金額などの情報が対応付けられたものである。共有ウォレットIDは、設定された共有ウォレットを識別するための識別情報である。共有先アカウントIDは、共有ウォレットが設定された第2利用者のアカウントIDである。共有元アカウントIDは、共有ウォレットを設定した第1利用者のアカウントIDである。設定金額(総額)は、共有元アカウントIDによって示される第1利用者が付与した金額枠の総額を示す。利用金額は、共有ウォレットの有効期間中、第2利用者が共有ウォレットを利用した利用金額を示す。残高金額は、設定金額(総額)から利用金額を減算することによって得られる金額である。後述する通り、第2利用者は、第2利用者端末装置10Bを介して、有効期間や金額枠を設定し、決済処理部140は、設定された金額枠を集約することによって設定金額を算出する。
【0041】
図10は、共有ウォレット個別情報180の内容の一例を示す図である。共有ウォレット個別情報180は、例えば、共有ウォレットが設定された第2利用者ごと(すなわち、共有先アカウントIDごと)に設定されるものであり、第2利用者に設定された共有ウォレットの詳細情報を表す。共有ウォレット個別情報180は、例えば、共有元アカウントID、設定金額(個別)、残高金額、対象カテゴリ、対象加盟店、対象サービス、継続期間、有効期間、自動更新などの情報が対応付けられたものである。設定金額(個別)は、共有先アカウントIDの第2利用者に対して、各共有元アカウントIDの第1利用者が付与した金額枠を示す。残高金額は、設定金額(個別)から、第2利用者の利用金額を各第1利用者で分割した金額を減算した金額を示す。
【0042】
対象カテゴリは、第1利用者が、第2利用者に対して共有ウォレット決済の利用を許可する加盟店のカテゴリを示す。例えば、図10の共有元アカウントID「001」について、第2利用者が「カフェ」又は「飲食」のカテゴリの加盟店の店舗で電子決済を行った場合、決済処理部140は、共有元アカウントID「001」の設定金額(個別)から、決済金額を減算する一方、第2利用者が「カフェ」又は「飲食」のカテゴリ以外の加盟店の店舗で電子決済を行った場合、決済処理部140は、共有元アカウントID「001」の設定金額(個別)から、決済金額を減算せず、他の共有元アカウントIDの設定金額(個別)から、決済金額を減算する。
【0043】
対象加盟店は、第1利用者が、第2利用者に対して共有ウォレット決済の利用を許可する加盟店を示す。例えば、図10の共有元アカウントID「003」について、第2利用者が「35472」又は「46383」の加盟店IDを有する加盟店で共有ウォレット決済を行った場合、決済処理部140は、共有元アカウントID「003」の設定金額(個別)から、決済金額を減算する一方、第2利用者が「35472」又は「46383」以外の加盟店IDを有する加盟店の店舗で電子決済を行った場合、決済処理部140は、共有元アカウントID「005」の設定金額(個別)から、決済金額を減算せず、他の共有元アカウントIDの設定金額(個別)から、決済金額を減算する。
【0044】
対象サービスは、第1利用者が、第2利用者に対して共有ウォレット決済の利用を許可するミニアプリのサービスを示す。例えば、図10の共有元アカウントID「005」について、第2利用者が「保険」又は「映画」のサービスを提供するミニアプリを利用した場合、決済処理部140は、共有元アカウントID「005」の設定金額(個別)から、決済金額を減算する一方、第2利用者が「保険」又は「映画」のサービスを提供するミニアプリを利用した場合、決済処理部140は、共有元アカウントID「005」の設定金額(個別)から、決済金額を減算せず、他の共有元アカウントIDの設定金額(個別)から、決済金額を減算する。
【0045】
なお、上記の「対象カテゴリ」、「対象加盟店」、「対象サービス」に関する条件は、第2利用者が、これらの条件のうち、少なくとも一つを満たす共有ウォレット決済を行った場合、対応する第1利用者の設定金額(個別)から、決済金額を減算してもよい。例えば、図10の共有元アカウントID「007」について、第2利用者が、対象カテゴリ「カフェ」又は「飲食」の加盟店の店舗で共有ウォレット決済を行うか、又は対象サービス「映画」を提供するミニアプリで共有ウォレット決済を行った場合、決済処理部140は、共有元アカウントID「007」の設定金額(個別)から、決済金額を減算する一方、第2利用者による共有ウォレット決済が、これらの条件のいずれにも該当しなかった場合、決済処理部140は、共有元アカウントID「007」の設定金額(個別)から、決済金額を減算せず、他の共有元アカウントIDの設定金額(個別)から、決済金額を減算してもよい。
【0046】
有効期間は、第1利用者が、第2利用者に対して共有ウォレット決済の利用を許可する所定期間を示す。情報管理部150は、有効期間が切れたタイミングで、当該共有元アカウントIDを削除して、残高金額を第1利用者に返還する。さらに、情報管理部150は、有効期間が切れたタイミングで、共有ウォレットマスタ情報178の供給元アカウントIDを削除するとともに、設定金額(総額)および利用金額から、それぞれ当該第1利用者の設定金額(個別)および負担金額を減算する。なお、図8に示した共有ウォレット決済の概要は、同一日に全ての第1利用者が同一期間(例えば、一ヵ月)を有効期間として設定した場合の返還処理を表している。決済サーバ100の処理負荷を軽減するために、月初から一ヵ月単位で共有ウォレットの設定および精算を行うように第1利用者間で統一してもよい。
【0047】
自動更新は、共有ウォレットの有効期間が満了した際に、当該有効期間を自動延長するか否かを示す情報である。自動更新の有無は、共有ウォレットの新規設定時および利用期間中、第1利用者が、第1利用者端末装置10A上で設定することができる。継続期間は、第1利用者が、継続的に第2利用者に対して共有ウォレットを提供した期間の長さを示す。後述する通り、継続期間の長さに応じて、共有ウォレットを提供した第1利用者に対して特典が付与されてもよい。
【0048】
このように、本実施形態によると、複数の第1利用者が、共有ウォレット決済機能を用いて、第2利用者に送金支援を行う場合、第2利用者は、自身が電子決済を行った金額の範囲内で支援を受けることとなる。これにより、第2利用者が、複数の相手から過剰な金額の送金を受けることを防ぐことができる。さらに、本実施形態によると、各第1利用者は、共有ウォレット決済の設定として、対象カテゴリ、対象加盟店、対象サービスなどの項目を設定することができる。これにより、現金の送金や、従来の電子決済サービスの送金による支援と異なり、送金された金銭を、送金を行った第1利用者の意図通りに第2利用者に利用させることができる。すなわち、本実施形態によると、適正な利用者間の送金を実現することができる。
【0049】
[共有ウォレットの新規設定]
以下、共有ウォレット決済の機能の詳細について説明する。図11は、第1利用者端末装置10A上で実行される共有ウォレットの提供設定の一例を示す図である。図11の左部に示す画面は、例えば、図7に示した決済アプリ20のトップ画面上で、共有ウォレットを示すミニアプリボタンMAを押下し、共有ウォレット提供の設定画面に遷移した際に表示されるものである。図11の左部に示す通り、第1利用者端末装置10Aは、例えば、共有ウォレットの提供先となる第2利用者のアカウントIDを入力するための領域A1と、第2利用者に提供する共有ウォレットの設定金額を入力するための領域A2と、共有ウォレット決済の決済対象を指定するための領域A3~A5(それぞれ図10に示した対象カテゴリ、対象加盟店、対象サービスに対応する)と、共有ウォレット決済の有効期間を設定するための領域A6と、自動更新の有無を選択するためのチェックボックスC1と、を表示する。これらの項目のうち、決済対象の設定は任意であってよく、第1利用者が決済対象を設定しない場合、共有ウォレットを提供される第2利用者は、あらゆる加盟店およびミニアプリに関して、共有ウォレット決済を利用することができる。
【0050】
第1利用者が、領域A1~A6に対応する領域およびチェックボックスC1に情報を入力して提供ボタンB1を押下すると、第1利用者端末装置10Aは、入力された設定情報を決済サーバ100に送信する。送受信部130は設定情報を受信すると、設定情報に含まれるアカウントIDによって特定される第2利用者端末装置10Bに、第1利用者によって提供される共有ウォレットを受け取るか否かを問い合わせる情報を送信し、第2利用者端末装置10Bは、受信した問い合わせ情報を表示させる。
【0051】
このとき、図11の領域A7に示す通り、第2利用者端末装置10Bは、第1利用者によって入力された設定情報を表示して、第2利用者の判断の参考として用いられてもよい。第2利用者が表示された内容を確認して、受取ボタンB2を押下すると、第2利用者端末装置10Bは、第2利用者が共有ウォレットの受け取りに同意した旨を示す情報を決済サーバ100に送信し、送受信部130が同意情報を受信すると、情報管理部150は、共有ウォレットマスタ情報178および共有ウォレット個別情報180に、第1利用者によって入力された設定情報を記憶する。これにより、第2利用者による共有ウォレット決済が有効化される。
【0052】
図12は、第2利用者端末装置10B上で実行される共有ウォレットの依頼設定の一例を示す図である。図12の左部に示す画面は、例えば、図7に示した決済アプリ20のトップ画面上で、共有ウォレットを示すミニアプリボタンMAを押下し、共有ウォレット依頼の設定画面に遷移した際に表示されるものである。図12の左部に示す通り、第1利用者端末装置10Aは、例えば、共有ウォレットの提供元となる第1利用者のアカウントIDを入力するための領域A8と、第1利用者に提供を依頼する共有ウォレットの設定金額を入力するための領域A9と、共有ウォレット決済の決済対象を指定するための領域A10~A13(それぞれ図10に示した対象カテゴリ、対象加盟店、対象サービスに対応する)と、共有ウォレット決済の有効期間を設定するための領域A13と、自動更新の有無を選択するためのチェックボックスC2と、を表示する。
【0053】
第2利用者が、領域A8~A13に対応する領域およびチェックボックスC2に情報を入力して依頼ボタンB3を押下すると、第2利用者端末装置10Bは、入力された依頼情報を決済サーバ100に送信する。送受信部130は依頼情報を受信すると、依頼情報に含まれるアカウントIDによって特定される第1利用者端末装置10Aに、第2利用者によって依頼されている共有ウォレットを提供するか否かを問い合わせる情報を送信し、第1利用者端末装置10Aは、受信した問い合わせ情報を表示させる。
【0054】
このとき、図12の領域A14に示す通り、第1利用者端末装置10Aは、第2利用者によって入力された依頼情報を表示して、第1利用者の判断の参考として用いられてもよい。第1利用者が表示された内容を確認して、提供ボタンB4を押下すると、第1利用者端末装置10Aは、第1利用者が共有ウォレットの提供に同意した旨を示す情報を決済サーバ100に送信し、送受信部130が同意情報を受信すると、情報管理部150は、共有ウォレットマスタ情報178および共有ウォレット個別情報180に、第2利用者によって入力された依頼情報を記憶する。これにより、第2利用者による共有ウォレット決済が有効化される。なお、図11に示した受け取りとは異なり、第1利用者は、第1利用者端末装置10A上で、受け取った依頼情報を編集した上で提供ボタンB4を押下してもよい。
【0055】
[共有ウォレットの決済画面]
図13は、共有ウォレット決済が有効化された第2利用者端末装置10Bによって表示される決済画面の一例を示す図である。図13に示す画面は、例えば、第2利用者端末装置10Bが、図3に示したユーザスキャンによって店舗に設置されたコード画像を読み取った際に表示されるものである。図13において、符号A15は、支払い金額を入力するための領域を表し、符号A16は、支払い方法を入力するための領域を表す。共有ウォレット決済が有効化された第2利用者端末装置10Bは、例えば、支払い方法の候補として、残高決済と、後払い決済と、共有ウォレット決済とを表示させる。図13に示す通り、例えば、第2利用者が、支払い方法として後払い決済と共有ウォレット決済とを選択して支払いボタンB5を押下し電子決済を行った場合、決済処理部140は、後払い決済に優先して、共有ウォレットの残高金額から決済金額を減算する。ここで、共有ウォレットの残高金額が決済金額を下回っていた場合、決済処理部140は、決済金額から残高金額を引いた差額分を、指定された他の支払い方法によって決済してもよい。例えば、図13の場合、共有ウォレットの残高金額1500円は支払い金額2000円を下回っているため、決済処理部140は、2000円から1500円を引いた差額分500円を後払い決済によって処理してもよい。
【0056】
別の態様として、決済サーバ100は、第2利用者端末装置10Bに、支払い方法の候補のうちから単一の決済方法のみを選択させてもよい。その場合、図13に示す状況において共有ウォレット決済が選択された場合、決済処理部140は、共有ウォレットの残高金額1500円から支払い金額2000円を引き落とすことができず、電子決済はエラーとなる。
【0057】
[共有ウォレットの履歴閲覧]
図14は、第1利用者端末装置10Aによって表示される決済履歴の閲覧画面の一例を示す図である。図14の左部に示す通り、共有ウォレットを提供する第1利用者の第1利用者端末装置10Aは、例えば、自身の決済履歴を閲覧するためのボタンB6と、共有ウォレットを提供した第2利用者によって実行された共有ウォレット決済の履歴を閲覧するためのボタンB7とを表示させる。第1利用者がボタンB7を押下すると、第1利用者端末装置10Aは、第2利用者によって実行された共有ウォレット決済の利用履歴の取得要求を決済サーバ100に送信し、送受信部130は、取得要求を受信すると、共有ウォレット決済の履歴情報を第1利用者端末装置10Aに送信して、第1利用者端末装置10Aに表示させる。より具体的には、例えば、第1利用者端末装置10Aは、第1利用者が設定した設定金額および残高金額を示すための領域A17と、第2利用者によって実行された共有ウォレット決済の詳細情報を示すための領域A18とを表示させる。
【0058】
このとき、送受信部130は、共有ウォレット決済の利用履歴の開示範囲を制限して、当該利用履歴を第1利用者端末装置10Aに送信する。より具体的には、領域A18に示される通り、送受信部130は、例えば、共有ウォレット決済が実行された加盟店のカテゴリ情報と、当該台1利用者によって負担された負担金額のみを表示させる。これは、仮に共有ウォレット決済の履歴情報を詳細かつリアルタイムに第1利用者端末装置10Aに開示した場合、第2利用者のプライバシーが毀損される懸念が生じるからである。そのため、以下で説明する通り、共有ウォレット決済の履歴情報の開示範囲は、第2利用者によって設定されてもよい。
【0059】
図15は、第2利用者端末装置10Bによって表示される、共有ウォレット決済の利用履歴の開示範囲を設定するための画面の一例を示す図である。図15に示す通り、第2利用者端末装置10Bは、例えば、共有ウォレット決済の利用履歴を開示する対象となる第1利用者のアカウントIDを指定するための領域A19と、開示範囲を設定するための領域A20と、設定された開示範囲を有効化するためのボタンB8とを表示させる。ここで、開示範囲は、例えば、決済金額、決済店舗、決済店舗(または加盟店)、加盟店のカテゴリ、決済時間、リアルタイム通知の有無などの項目を含む。ここで、リアルタイム通知とは、第2利用者が共有ウォレット決済を実行したタイミングで、共有ウォレット決済が実行された旨を示す情報をリアルタイムに第1利用者端末装置10Aに通知することを意味する。このように、共有ウォレット決済の利用履歴の開示範囲を設定するためのインターフェースを提供することにより、第2利用者は、共有ウォレットを提供する第1利用者との関係性に応じて、開示範囲を適切に設定することができる。
【0060】
[共有ウォレットの特典]
さらに、決済サーバ100または第2利用者端末装置10Bは、共有ウォレットを提供する第1利用者の第1利用者端末装置10Aに対して、何らかの特典を提供してもよい。図16は、第1利用者端末装置10Aに提供される特典の一例を示す図である。送受信部130は、第1利用者によって共有ウォレットを提供された第2利用者が、当該共有ウォレットの有効期間中に共有ウォレット決済を実行した場合、当該第1利用者の第1利用者端末装置10Aに特典を提供してもよい。例えば、図16に示す通り、送受信部130は、第1利用者端末装置10Aに、第2利用者によって事前に設定されたメッセージを送信し、第1利用者端末装置10Aは、受信したメッセージをメッセージ領域A21として表示してもよい。この場合、送受信部130は、第2利用者が共有ウォレット決済を実行するたびにメッセージを送信してもよいし、第1利用者の残高金額をゼロになったタイミングでメッセージを送信してもよい。メッセージは、特許請求の範囲における「文字情報」の一例である。
【0061】
図17は、第1利用者端末装置10Aに提供される特典の別の例を示す図である。送受信部130は、共有ウォレット個別情報180を参照し、第1利用者が第2利用者に共有ウォレットを付与した継続期間が特定期間以上である場合、当該第1利用者の第1利用者端末装置10Aに特典を提供してもよい。例えば、図17に示す通り、送受信部130は、第1利用者端末装置10Aに、第2利用者によって事前に設定された特典画像を送信し、第1利用者端末装置10Aは、特典画像を受信した旨を表すメッセージ領域A22と、特典画像をダウンロードするためのダウンロードボタンB9とを表示してもよい。特典画像は、特許請求の範囲における「画像情報」の一例である。これらの構成により、従来の銀行振り込みや電子決済サービスによる送金とは異なり、第2利用者に送金を行う第1利用者に対して充実感を与えることができる。
【0062】
なお、上記の特典提供に関する適用条件および特典内容は、図16および図17に示した例に限定されず、任意の組み合わせが実装されてもよい。例えば、送受信部130は、第1利用者によって共有ウォレットを提供された第2利用者が、当該共有ウォレットの有効期間中に共有ウォレット決済を実行した場合に、当該第1利用者の第1利用者端末装置10Aに特典画像を提供してもよいし、第1利用者が第2利用者に共有ウォレットを付与した継続期間が特定期間以上である場合に、当該第1利用者の第1利用者端末装置10Aにメッセージを送信してもよい。さらに、また特典の別の例として、決済サーバ100は、共有ウォレットを提供した第1利用者の第1利用者端末装置10Aと、共有ウォレットが提供された第2利用者の第2利用者端末装置10Bとの間のチャット機能を有効化してもよい。さらに、また特典の別の例として、決済サーバ100は、特定の第2利用者に共有ウォレットを提供する複数の第1利用者の間で、共有ウォレットの設定金額や継続期間をランキング付けし、その結果を各第1利用者の第1利用者端末装置10Aに表示させてもよい。これにより、第2利用者に送金を行う第1利用者に対して更なる充実感を与えることができる。
【0063】
以上の通り説明した本実施形態によると、電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、電子決済サービスを利用する一人の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付け、受け付けた指定に基づいて、複数の第1利用者に対応する金額枠を第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定し、金額枠が第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ第2利用者が電子決済サービスを所定期間中に利用した場合、電子決済サービスの決済金額を金額枠から引き落とす。これにより、適正な利用者間の送金を実現することができる。
【0064】
[変形例]
なお、上記の実施形態では、例えば、図11を参照して説明した通り、共有ウォレットを第2利用者に提供するに当たっては、第1利用者は、当該第2利用者のアカウントIDを入力している。しかしながら、電子決済サービスのアカウントIDは、電子決済サービスへのログインや各種機能の利用に用いられるプライバシー情報の一種である。そのため、第1利用者と第2利用者との直接的な関係性が薄い場合や、第2利用者が多数の第1利用者から共有ウォレットの提供を受ける場合、当該アカウントIDを第1利用者に通知することは、第2利用者にとって望ましくない場合がある。
【0065】
上記の事情を背景にして、本変形例では、第1利用者は、共有ウォレットを第2利用者に提供するに当たり、当該第2利用者のアカウントIDとは異なる識別情報を入力するように構成される。図18は、変形例に係る共有ウォレットの提供設定の一例を示す図である。まず、情報管理部150は、共有ウォレットの生成を希望する第2利用者端末装置10Bからの要求に応じて共有ウォレットIDを生成し、生成した共有ウォレットIDを第2利用者端末装置10Bに通知する。共有ウォレットIDは、特許請求の範囲における「第2識別情報」の一例である。
【0066】
次に、第2利用者は、図18の左部に示す通り、第2利用者端末装置10B上で共有ウォレットIDを確認すると、自身の共有ウォレットIDをメッセージングアプリやSNS(Social Networking Services)を介して、特定または不特定の人物に対して通知する。図18は、第2利用者が、共有ウォレットIDを、メッセージングアプリを介して第1利用者に通知している例を表している。これにより、仮にメッセージングアプリの内容が外部に漏洩した場合であっても、第2利用者の電子決済サービスのアカウントが悪用される事態を防ぐことができる。共有ウォレットIDを確認した人物は、図18の右部に示す通り、第1利用者端末装置10A上に表示された、共有ウォレットIDを入力するための領域A23に、確認した共有ウォレットIDを入力することによって、共有ウォレットの提供設定を行う。その他の入力項目は、図11の場合と同様であるため、説明を省略する。なお、第1利用者による共有ウォレットの提供設定を促進するために、決済サーバ100は、メッセージングアプリやSNSにおいて、共有ウォレットの提供設定画面にスムーズに誘導するためのリンクカード機能などを提供してもよい。
【0067】
以上の通り説明した本変形例によれば、第2利用者のアカウントIDとは異なる識別情報を用いて共有ウォレットの提供設定を行うことにより、第2利用者のプライバシーを保護しつつ、適正な利用者間の送金を実現することができる。
【0068】
なお、上記の実施形態および変形例において、第1利用者端末装置10Aまたは第2利用者端末装置10Bを主体とする動作は、これらに搭載された決済アプリ20によって実行されるものと解釈されてもよいし、決済サーバ100による指令に応じて実行されるものと解釈されてもよい。
【0069】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0070】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
100 決済サーバ
110 通信部
120 決済コンテンツ提供部
130 送受信部
140 決済処理部
150 情報管理部
【要約】
【課題】適正な利用者間の送金を実現すること。
【解決手段】電子決済サービスを利用する複数の第1利用者の第1利用者端末装置から、前記電子決済サービスにおける決済に所定期間中に利用可能な金額枠を、前記電子決済サービスを利用する一人の第2利用者の電子決済サービスアカウントに付与することの指定を受け付ける送受信部と、受け付けた前記指定に基づいて、前記複数の第1利用者に対応する金額枠を前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定する決済処理部と、を備え、前記決済処理部は、前記金額枠が前記第2利用者の電子決済サービスアカウントに対応付けて設定され、かつ前記第2利用者が前記電子決済サービスを前記所定期間中に利用した場合、前記電子決済サービスの決済金額を前記金額枠から引き落とす、情報処理装置。
【選択図】図1
図1
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