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特許7547585温室効果ガス削減行動誘起装置及び温室効果ガス削減行動誘起方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】温室効果ガス削減行動誘起装置及び温室効果ガス削減行動誘起方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240902BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240902BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0207
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023141155
(22)【出願日】2023-08-31
(65)【公開番号】P2024057579
(43)【公開日】2024-04-24
【審査請求日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】P 2022164292
(32)【優先日】2022-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000156938
【氏名又は名称】関西電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】石田 文章
(72)【発明者】
【氏名】山下 育男
(72)【発明者】
【氏名】横井 健司
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-152792(JP,A)
【文献】特開2022-151174(JP,A)
【文献】特開2012-038234(JP,A)
【文献】特開2015-201213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各家庭で排出する温室効果ガスの排出量を示す第一排出情報を取得する第一取得部と、
比較対象となる前記温室効果ガスの排出量を示す第二排出情報を取得する第二取得部と、
前記第二排出情報で示される排出量から前記第一排出情報で示される排出量を差し引くことで、前記温室効果ガスの削減量を算出する算出部と、
前記削減量に対して得られる対価に応じた特典を前記各家庭に付与するための情報を含む特典情報を出力する出力部と、を備え、
前記出力部は、
前記削減量を証明する非代替性トークンを生成し、
生成した前記非代替性トークンを用いて、前記非代替性トークンが証明する前記削減量に応じた代替性トークンを生成し、
生成した前記非代替性トークン及び前記代替性トークンの双方を前記各家庭に付与するための情報を含む前記特典情報を出力する
温室効果ガス削減行動誘起装置。
【請求項2】
前記第一取得部は、前記各家庭が消費したエネルギー量を示す第一エネルギー情報を、前記第一排出情報として取得し、
前記第二取得部は、前記第一エネルギー情報よりも過去に前記各家庭が消費したエネルギー量を示す第二エネルギー情報を、前記第二排出情報として取得する
請求項1に記載の温室効果ガス削減行動誘起装置。
【請求項3】
各家庭で排出する温室効果ガスの排出量を示す第一排出情報を取得する第一取得部と、
比較対象となる前記温室効果ガスの排出量を示す第二排出情報を取得する第二取得部と、
前記第二排出情報で示される排出量から前記第一排出情報で示される排出量を差し引くことで、前記温室効果ガスの削減量を算出する算出部と、
前記削減量に対して得られる対価に応じた特典を前記各家庭に付与するための情報を含む特典情報を出力する出力部と、を備え、
前記第一取得部は、前記各家庭が購入した環境配慮製品の温室効果ガスの排出量を示す環境配慮製品情報を、前記第一排出情報として取得し、
前記第二取得部は、前記環境配慮製品に対応する標準品の温室効果ガスの排出量を示す標準品情報を、前記第二排出情報として取得し、
前記出力部は、前記削減量を証明する非代替性トークンを生成し、前記非代替性トークンが証明する前記削減量に応じた代替性トークンを生成し、前記代替性トークン及び前記非代替性トークンを前記各家庭に付与するための情報を含む前記特典情報を出力する
温室効果ガス削減行動誘起装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記削減量に対して炭素市場から得られる対価に応じた特典を前記各家庭に付与するための情報を含む前記特典情報を出力する
請求項1~のいずれか一項に記載の温室効果ガス削減行動誘起装置。
【請求項5】
前記第一取得部は、
環境配慮製品の温室効果ガスの排出量を示す情報を取得し、
前記環境配慮製品の購入を前記各家庭に推奨するための情報を出力し、
前記各家庭が前記環境配慮製品を購入したことを示す情報を取得することで、前記環境配慮製品に対応する前記環境配慮製品情報を前記第一排出情報として取得する
請求項に記載の温室効果ガス削減行動誘起装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記各家庭が前記環境配慮製品を購入したことに対して得られる対価に応じた特典を前記各家庭に付与するための情報をさらに含む前記特典情報を出力する
請求項に記載の温室効果ガス削減行動誘起装置。
【請求項7】
前記第一取得部は、外部の第一処理部から、前記各家庭が前記環境配慮製品を購入したことを示す情報を取得し、
前記出力部は、前記第一処理部に、前記特典情報を出力する
請求項に記載の温室効果ガス削減行動誘起装置。
【請求項8】
前記第一取得部は、前記第一処理部に、前記環境配慮製品の購入を前記各家庭に推奨するための情報を出力する
請求項に記載の温室効果ガス削減行動誘起装置。
【請求項9】
前記第一取得部は、前記第一処理部とは異なる第二処理部に、前記環境配慮製品の購入を前記各家庭に推奨するための情報を出力する
請求項に記載の温室効果ガス削減行動誘起装置。
【請求項10】
各家庭で排出する温室効果ガスの削減量を取得し、前記削減量に対して得られる対価に応じた特典を前記各家庭に付与するための情報を含む特典情報を出力する出力部を備え、
前記出力部は、
前記削減量を証明する非代替性トークンを生成し、
生成した前記非代替性トークンを用いて、前記非代替性トークンが証明する前記削減量に応じた代替性トークンを生成し、
生成した前記非代替性トークン及び前記代替性トークンの双方を前記各家庭に付与するための情報を含む前記特典情報を出力する
温室効果ガス削減行動誘起装置。
【請求項11】
温室効果ガス削減行動誘起装置によって温室効果ガスの削減行動を誘起する温室効果ガス削減行動誘起方法であって、
前記温室効果ガス削減行動誘起装置が、各家庭で排出する温室効果ガスの排出量を示す第一排出情報を取得する第一取得ステップと、
前記温室効果ガス削減行動誘起装置が、比較対象となる前記温室効果ガスの排出量を示す第二排出情報を取得する第二取得ステップと、
前記温室効果ガス削減行動誘起装置が、前記第二排出情報で示される排出量から前記第一排出情報で示される排出量を差し引くことで、前記温室効果ガスの削減量を算出する算出ステップと、
前記温室効果ガス削減行動誘起装置が、前記削減量に対して得られる対価に応じた特典を前記各家庭に付与するための情報を含む特典情報を出力する出力ステップと、を含み、
前記出力ステップでは、前記温室効果ガス削減行動誘起装置が、
前記削減量を証明する非代替性トークンを生成し、
生成した前記非代替性トークンを用いて、前記非代替性トークンが証明する前記削減量に応じた代替性トークンを生成し、
生成した前記非代替性トークン及び前記代替性トークンの双方を前記各家庭に付与するための情報を含む前記特典情報を出力する
温室効果ガス削減行動誘起方法。
【請求項12】
温室効果ガス削減行動誘起装置によって温室効果ガスの削減行動を誘起する温室効果ガス削減行動誘起方法であって、
前記温室効果ガス削減行動誘起装置が、各家庭で排出する温室効果ガスの削減量を取得し、前記削減量に対して得られる対価に応じた特典を前記各家庭に付与するための情報を含む特典情報を出力する出力ステップを含み、
前記出力ステップでは、前記温室効果ガス削減行動誘起装置が、
前記削減量を証明する非代替性トークンを生成し、
生成した前記非代替性トークンを用いて、前記非代替性トークンが証明する前記削減量に応じた代替性トークンを生成し、
生成した前記非代替性トークン及び前記代替性トークンの双方を前記各家庭に付与するための情報を含む前記特典情報を出力する
温室効果ガス削減行動誘起方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の温室効果ガス削減行動誘起方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各家庭で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起する温室効果ガス削減行動誘起装置及び温室効果ガス削減行動誘起方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、個人、家族、企業等の社団などの活動主体が、自分たちが行っている様々な活動に伴い、どれだけの量の温室効果ガスが大気中に排出されるかを正確に把握するために役立つような、温室効果ガス排出量管理システム、及び該システムを構成する温室効果ガス排出量確定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-3192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されたような従来の技術では、温室効果ガスの排出量を管理することはできるが、温室効果ガスの排出量の削減行動を誘起するようなものではないため、温室効果ガスの排出量を効果的に削減できないおそれがある。特に、各家庭に、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こさせるのは難しい。
【0005】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目してなされたものであり、各家庭で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起することができる温室効果ガス削減行動誘起装置及び温室効果ガス削減行動誘起方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る温室効果ガス削減行動誘起装置は、各家庭で排出する温室効果ガスの排出量を示す第一排出情報を取得する第一取得部と、比較対象となる前記温室効果ガスの排出量を示す第二排出情報を取得する第二取得部と、前記第二排出情報で示される排出量から前記第一排出情報で示される排出量を差し引くことで、前記温室効果ガスの削減量を算出する算出部と、前記削減量に対して得られる対価に応じた特典を前記各家庭に付与するための情報を含む特典情報を出力する出力部と、を備える。
【0007】
これによれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、各家庭で排出する温室効果ガスの削減量を算出し、当該削減量に対して得られる対価に応じた特典を各家庭に付与するための情報を含む特典情報を出力する。これにより、各家庭では、特典を得るために、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置によれば、各家庭で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【0008】
また、前記出力部は、前記削減量に応じた代替性トークンを前記各家庭に付与するための情報を含む前記特典情報を出力する、としてもよい。
【0009】
これによれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、温室効果ガスの削減量に応じた代替性トークンを各家庭に付与するための情報を含む特典情報を出力する。これにより、各家庭では、代替性トークンを得るために、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置によれば、各家庭で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【0010】
また、前記出力部は、前記削減量を証明する非代替性トークンを生成し、前記非代替性トークンが証明する前記削減量に応じた前記代替性トークンを生成する、としてもよい。
【0011】
これによれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、温室効果ガスの削減量を証明する非代替性トークンを生成し、非代替性トークンが証明する削減量に対応する代替性トークンを生成する。これにより、温室効果ガス削減行動誘起装置は、非代替性トークンによって証明された削減量に基づいて代替性トークンを発行するため、代替性トークンの価値が低下するのを抑制でき、長期的に代替性トークンの価値の向上を図ることもできる。
【0012】
また、前記出力部は、前記代替性トークン及び前記非代替性トークンを前記各家庭に付与するための情報を含む前記特典情報を出力する、としてもよい。
【0013】
これによれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、代替性トークン及び非代替性トークンを各家庭に付与するための情報を含む特典情報を出力する。これにより、各家庭では、代替性トークンに加えて、温室効果ガスの削減量を証明する非代替性トークンも得ることができる。
【0014】
また、前記出力部は、前記削減量を証明する非代替性トークンを前記各家庭に付与するための情報を含む前記特典情報を出力する、としてもよい。
【0015】
これによれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、温室効果ガスの削減量を証明する非代替性トークンを各家庭に付与するための情報を含む特典情報を出力する。これにより、各家庭では、非代替性トークンを得るために、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置によれば、各家庭で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【0016】
また、前記出力部は、前記削減量に対して炭素市場から得られる対価に応じた特典を前記各家庭に付与するための情報を含む前記特典情報を出力する、としてもよい。
【0017】
これによれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、各家庭で排出する温室効果ガスの削減量に対して炭素市場から得られる対価に応じた特典情報を出力する。つまり、温室効果ガス削減行動誘起装置は、温室効果ガスの削減量に対して炭素市場から対価が得られる場合に、当該対価に応じた特典情報を出力する。これにより、各家庭では、炭素市場からの対価に応じた特典を得るために、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こすことが考えられるため、温室効果ガス削減行動誘起装置によれば、各家庭で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【0018】
また、前記第一取得部は、前記各家庭が消費したエネルギー量を示す第一エネルギー情報を、前記第一排出情報として取得し、前記第二取得部は、前記第一エネルギー情報よりも過去に前記各家庭が消費したエネルギー量を示す第二エネルギー情報を、前記第二排出情報として取得する、としてもよい。
【0019】
これによれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、各家庭が消費したエネルギー量に応じた温室効果ガスの削減量を算出し、当該削減量に対して得られる対価に応じた特典情報を出力することとなる。これにより、各家庭では、特典を得るために、消費するエネルギー量を低減する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置によれば、各家庭で消費するエネルギー量を低減するという温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【0020】
また、前記第一取得部は、前記各家庭が購入した環境配慮製品の温室効果ガスの排出量を示す環境配慮製品情報を、前記第一排出情報として取得し、前記第二取得部は、前記環境配慮製品に対応する標準品の温室効果ガスの排出量を示す標準品情報を、前記第二排出情報として取得する、としてもよい。
【0021】
これによれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、各家庭が環境配慮製品を購入して使用することによる温室効果ガスの削減量を算出し、当該削減量に対して得られる対価に応じた特典情報を出力することとなる。これにより、各家庭では、特典を得るために、環境配慮製品を購入して使用する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置によれば、各家庭で環境配慮製品を購入して使用するという温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【0022】
また、前記第一取得部は、環境配慮製品の温室効果ガスの排出量を示す情報を取得し、前記環境配慮製品の購入を前記各家庭に推奨するための情報を出力し、前記各家庭が前記環境配慮製品を購入したことを示す情報を取得することで、前記環境配慮製品に対応する前記環境配慮製品情報を前記第一排出情報として取得する、としてもよい。
【0023】
これによれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、環境配慮製品の購入を各家庭に推奨するための情報を出力することで、各家庭に環境配慮製品を購入して使用することを促す。その結果、各家庭が環境配慮製品を購入すれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、各家庭が環境配慮製品を購入したことを示す情報を取得し、環境配慮製品に対応する環境配慮製品情報を第一排出情報として取得する。このように、温室効果ガス削減行動誘起装置は、各家庭に環境配慮製品を購入させる行動を起こさせやすくすることができる。
【0024】
また、前記出力部は、前記各家庭が前記環境配慮製品を購入したことに対して得られる対価に応じた特典を前記各家庭に付与するための情報をさらに含む前記特典情報を出力する、としてもよい。
【0025】
これによれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、各家庭が環境配慮製品を購入したことに対して得られる対価に応じた特典情報を出力する。つまり、温室効果ガス削減行動誘起装置は、各家庭が環境配慮製品を購入したことに対して環境配慮製品を販売した企業等から対価が得られる場合に、当該対価に応じた特典情報を出力する。これにより、各家庭では、環境配慮製品の購入に対する対価に応じた特典を得るために、環境配慮製品を購入する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置によれば、各家庭で環境配慮製品を購入して使用するという温室効果ガスの削減行動をさらに誘起することができる。
【0026】
また、前記第一取得部は、外部の第一処理部から、前記各家庭が前記環境配慮製品を購入したことを示す情報を取得し、前記出力部は、前記第一処理部に、前記特典情報を出力する、としてもよい。
【0027】
これによれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、第一処理部から、各家庭が環境配慮製品を購入したことを示す情報を取得し、第一処理部に、特典情報を出力することで、同じ処理部を介して各家庭とやりとりできるため、容易に各家庭とやりとりできる。
【0028】
また、前記第一取得部は、前記第一処理部に、前記環境配慮製品の購入を前記各家庭に推奨するための情報を出力する、としてもよい。
【0029】
これによれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、第一処理部に、環境配慮製品の購入を各家庭に推奨するための情報も出力することで、さらに同じ処理部を介して各家庭とやりとりできるため、さらに容易に各家庭とやりとりできる。
【0030】
また、前記第一取得部は、前記第一処理部とは異なる第二処理部に、前記環境配慮製品の購入を前記各家庭に推奨するための情報を出力する、としてもよい。
【0031】
温室効果ガス削減行動誘起装置は、環境配慮製品の購入を各家庭に推奨するための情報については、各家庭が環境配慮製品を購入する行動を起こしやすい場所に提供するのが好ましく、その場所は第一処理部とは異なる場合がある。このため、温室効果ガス削減行動誘起装置は、第一処理部とは異なる第二処理部に、環境配慮製品の購入を各家庭に推奨するための情報を出力する。これにより、温室効果ガス削減行動誘起装置は、適切な処理部を介して各家庭とやりとりできる。
【0032】
本発明の他の態様に係る温室効果ガス削減行動誘起装置は、各家庭で排出する温室効果ガスの削減量を取得し、前記削減量に対して得られる対価に応じた特典を前記各家庭に付与するための情報を含む特典情報を出力する出力部を備え、前記出力部は、前記削減量に応じた代替性トークンを前記各家庭に付与するための情報を含む前記特典情報を出力する。
【0033】
これによれば、温室効果ガス削減行動誘起装置は、各家庭で排出する温室効果ガスの削減量を取得し、当該削減量に対して得られる対価に応じた特典を各家庭に付与するための情報を含む特典情報を出力する。これにより、各家庭では、特典を得るために、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こすことが考えられる。特に、温室効果ガス削減行動誘起装置は、当該削減量に応じた代替性トークンを各家庭に付与するための情報を含む当該特典情報を出力する。このため、各家庭では、代替性トークンを得るために、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置によれば、各家庭で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【0034】
また、本発明は、このような温室効果ガス削減行動誘起装置として実現することができるだけでなく、温室効果ガス削減行動誘起装置に含まれる処理部が行う特徴的な処理をステップとする温室効果ガス削減行動誘起方法としても実現することができる。また、本発明は、温室効果ガス削減行動誘起方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現したり、当該プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体として実現したりすることもできる。そして、当該プログラムは、当該記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができる。また、本発明は、温室効果ガス削減行動誘起装置に含まれる処理部を備える集積回路としても実現することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る温室効果ガス削減行動誘起装置等によれば、各家庭で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】実施の形態に係る温室効果ガス削減行動誘起装置を備える温室効果ガス削減行動誘起システムの概略構成を示す図である。
図2】実施の形態に係る温室効果ガス削減行動誘起システム内における温室効果ガス削減行動誘起装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態に係る温室効果ガス削減行動誘起装置が、各家庭で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起する処理(温室効果ガス削減行動誘起方法)を示すフローチャートである。
図4】実施の形態の変形例1に係る温室効果ガス削減行動誘起装置を備える温室効果ガス削減行動誘起システムの構成を示すブロック図である。
図5】実施の形態の変形例1に係る温室効果ガス削減行動誘起装置が、各家庭で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起する処理(温室効果ガス削減行動誘起方法)を示すフローチャートである。
図6】実施の形態の変形例1に係る温室効果ガス削減行動誘起装置の第一取得部が第一排出情報を取得する処理を示すフローチャートである。
図7】実施の形態の変形例2に係る温室効果ガス削減行動誘起装置を備える温室効果ガス削減行動誘起システムの構成を示すブロック図である。
図8】実施の形態の変形例2に係る温室効果ガス削減行動誘起装置の第一取得部が第一排出情報を取得する処理を示すフローチャートである。
図9】実施の形態の変形例3に係る温室効果ガス削減行動誘起装置の出力部が特典情報を出力する処理を示すフローチャートである。
図10】実施の形態の変形例4に係る温室効果ガス削減行動誘起装置を備える温室効果ガス削減行動誘起システムの構成を示すブロック図である。
図11】実施の形態の変形例4に係る温室効果ガス削減行動誘起装置が、各家庭で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起する処理(温室効果ガス削減行動誘起方法)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る温室効果ガス削減行動誘起装置及び温室効果ガス削減行動誘起方法等について、説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0038】
(実施の形態)
[1 温室効果ガス削減行動誘起装置100の構成の説明]
まず、温室効果ガス削減行動誘起装置100の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100を備える温室効果ガス削減行動誘起システム10の概略構成を示す図である。図2は、本実施の形態に係る温室効果ガス削減行動誘起システム10内における温室効果ガス削減行動誘起装置100の機能的な構成を示すブロック図である。
【0039】
温室効果ガス削減行動誘起システム10は、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起するシステムである。温室効果ガスは、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素またはフロンガス等の、太陽からの熱を吸収し、地表を暖める性質を有するガスである。図1に示すように、温室効果ガス削減行動誘起システム10は、温室効果ガス削減行動誘起装置100と、情報提供部200と、第一処理部300と、を備えている。温室効果ガス削減行動誘起装置100と情報提供部200と第一処理部300と各家庭20(図1では3つの家庭20)とは、通信ネットワーク30を介して接続されている。家庭20は、一軒家もしくはマンションの一室等に住む複数人の家族(世帯)、複数の同居人、または、1人の個人等から構成される1単位であり、企業とは異なる概念である。各家庭20は、スマートフォン、タブレットまたはパーソナルコンピュータ等の通信機器(デバイス)を有しており、当該通信機器によって通信ネットワーク30に接続される。通信ネットワーク30は、有線または無線のLAN(Local Area Network)等のインターネット等のコンピュータネットワークである。
【0040】
温室効果ガス削減行動誘起装置100は、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起するプラットフォーム(コンピュータまたはソフトウェア等)である。温室効果ガス削減行動誘起装置100は、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータシステムがプログラムを実行することによって実現されてもよいし、専用のコンピュータシステムによって実現されてもよい。温室効果ガス削減行動誘起装置100は、後述する第一排出情報151及び第二排出情報152等の情報を取得し、当該情報を用いて温室効果ガスの削減量を算出し、当該削減量に応じた特典情報154を出力する。具体的には、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、通信ネットワーク30を介して、第一排出情報151及び第二排出情報152を取得し、情報提供部200からも情報を取得する。そして、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、第一排出情報151、第二排出情報152、及び、情報提供部200からの情報を用いて、温室効果ガスの削減量を算出する。さらに、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、温室効果ガスの削減量に対して得られる対価に応じた特典情報154を、第一処理部300に出力する。
【0041】
情報提供部200は、通信ネットワーク30を介して、温室効果ガス削減行動誘起装置100に情報を提供する。情報提供部200は、温室効果ガス削減行動誘起装置100が温室効果ガスの削減量を算出するのに必要な情報等を温室効果ガス削減行動誘起装置100に提供する処理部である。情報提供部200は、温室効果ガス削減行動誘起装置100を保有する事業者、その他の企業、または、国等が所有する処理部(コンピュータシステム等)である。
【0042】
第一処理部300は、通信ネットワーク30を介して、温室効果ガス削減行動誘起装置100が出力した特典情報154を取得し、各家庭20に特典を付与する。第一処理部300は、電子商取引を行うEC(Electronic Commerce)サイト等のWebサイトに含まれる処理部、または、ポイントを付与するポイント会社が所有する処理部等(コンピュータシステム等)である。
【0043】
このような構成の温室効果ガス削減行動誘起システム10について、温室効果ガス削減行動誘起装置100の構成を中心に、以下に、さらに詳細に説明する。図2に示すように、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、第一取得部110と、第二取得部120と、算出部130と、出力部140と、記憶部150と、を備えている。なお、図1に示したように、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、キーボード及びマウス等の入力部、並びに、液晶ディスプレイ等の表示部等も備えているが、これらの詳細な説明は省略する。
【0044】
第一取得部110は、各家庭20で排出する温室効果ガスの排出量を示す第一排出情報151を取得する。具体的には、第一取得部110は、各家庭20から、通信ネットワーク30を介して、第一排出情報151を取得する。本実施の形態では、第一排出情報151は、各家庭20が消費したエネルギー量を示す第一エネルギー情報である。具体的には、第一排出情報151は、各家庭20が消費した電力、ガス、及び、灯油等の燃料の少なくとも1つの消費量を示す検針票またはレシート等の画像データ等を含む情報の集まりである。
【0045】
本実施の形態では、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、各家庭20が所有するスマートフォン、タブレットまたはパーソナルコンピュータ等の通信機器に、電力、ガス、及び、灯油等の燃料の検針票またはレシート等の記載内容を転送するアプリ(アプリケーションソフトウェア)を配信する。各家庭20は、当該通信機器を用いて、電力、ガス、及び、灯油等の燃料の所定期間(1ヶ月間等)における消費量を示す検針票またはレシート等の画像データを、温室効果ガス削減行動誘起装置100に送信する。第一取得部110は、各家庭20から送信された当該画像データを、第一排出情報151として取得する。このように、第一取得部110は、各家庭20が消費したエネルギー量を示す第一エネルギー情報を、第一排出情報151として取得する。第一取得部110は、取得した第一排出情報151を、記憶部150に書き込む。
【0046】
第一取得部110は、さらに、情報提供部200から、通信ネットワーク30を介して、温室効果ガスの削減量の算出に必要な情報を取得する。本実施の形態では、第一取得部110は、情報提供部200から、電力、ガス、及び、灯油等の燃料の少なくとも1つの原単位(排出原単位)を示す情報を取得する。原単位(排出原単位)は、一定量の電力、ガス、または、灯油等の燃料をつくる過程で排出する温室効果ガス(二酸化炭素等)の排出量である。第一取得部110は、取得した当該原単位を示す情報を、記憶部150に書き込む。第一取得部110は、当該原単位を示す情報を記憶部150のどのデータに書き込んでもよいが、本実施の形態では、記憶部150に記憶されている第一排出情報151に書き込むこととする。
【0047】
なお、電力会社、ガス会社、または、石油会社等の企業が、第一排出情報151または上記原単位を示す情報等の情報を保有している場合には、第一取得部110は、当該企業から、第一排出情報151または上記原単位を示す情報等の情報を取得してもよい。当該原単位を示す情報は、予め記憶部150に書き込まれていてもよく、この場合、第一取得部110は、当該原単位を示す情報を情報提供部200から取得しなくてもよい。第一排出情報151における第一エネルギー情報の取得期間(各家庭20がエネルギーを消費した期間)は、1ヶ月間には限定されず、3ヶ月間、半年間等、種々の期間を選択可能である。
【0048】
第二取得部120は、比較対象となる温室効果ガスの排出量を示す第二排出情報152を取得する。具体的には、第二取得部120は、各家庭20から、通信ネットワーク30を介して、第一排出情報151の比較対象(基準)となる第二排出情報152を取得する。本実施の形態では、第二排出情報152は、第一エネルギー情報よりも過去に各家庭20が消費したエネルギー量を示す第二エネルギー情報である。上記「過去」は、ユーザが適宜設定できるが、例えば、前年の同時期(1年前の1ヶ月間等)である。具体的には、第二排出情報152は、各家庭20が過去に消費した電力、ガス、及び、灯油等の燃料の少なくとも1つの消費量を示す検針票またはレシート等の画像データ等を含む情報の集まりである。各家庭20は、温室効果ガス削減行動誘起装置100が配信した上記アプリを用いて、電力、ガス、及び、灯油等の燃料の過去の期間(1年前の1ヶ月間等)における消費量を示す検針票またはレシート等の画像データを、温室効果ガス削減行動誘起装置100に送信する。第二取得部120は、各家庭20から送信された当該画像データを、第二排出情報152として取得する。このように、第二取得部120は、第一エネルギー情報よりも過去に各家庭20が消費したエネルギー量を示す第二エネルギー情報を、第二排出情報152として取得する。第二取得部120は、取得した第二排出情報152を、記憶部150に書き込む。
【0049】
第二取得部120は、さらに、情報提供部200から、通信ネットワーク30を介して、温室効果ガスの削減量の算出に必要な情報を取得する。本実施の形態では、第二取得部120は、情報提供部200から、電力、ガス、及び、灯油等の燃料の少なくとも1つの原単位(排出原単位)を示す情報を取得する。当該原単位は、第二エネルギー情報の取得期間と同時期における値であり、例えば、前年の同時期(1年前の1ヶ月間等)における値である。第二取得部120は、取得した当該原単位を示す情報を、記憶部150に書き込む。第二取得部120は、当該原単位を示す情報を記憶部150のどのデータに書き込んでもよいが、本実施の形態では、記憶部150に記憶されている第二排出情報152に書き込むこととする。
【0050】
なお、電力会社、ガス会社、または、石油会社等の企業が、第二排出情報152または上記原単位を示す情報等の情報を保有している場合には、第二取得部120は、当該企業から、第二排出情報152または上記原単位を示す情報等の情報を取得してもよい。第二取得部120は、過去(1年前等)に第二排出情報152に相当する情報が記憶部150に記憶されていた場合には、当該情報を第二排出情報152として取得してもよく、この場合、各家庭20からは第二排出情報152を取得しなくてもよい。当該原単位を示す情報は、予め記憶部150に書き込まれていてもよく、この場合、第二取得部120は、当該原単位を示す情報を情報提供部200から取得しなくてもよい。または、第二取得部120が取得する原単位を示す情報が、第一取得部110が取得した原単位を示す情報と同じ情報の場合には、第二取得部120は、情報提供部200から原単位を示す情報を取得しなくてもよい。つまり、第二取得部120は、当該原単位を示す情報が第一取得部110が取得した情報と同じであるか否かを判断し、同じであると判断した場合には当該原単位を示す情報を取得せず、同じではないと判断した場合に当該原単位を示す情報を取得することにしてもよい。第二排出情報152における第二エネルギー情報の取得期間(各家庭20がエネルギーを消費した期間)は、1年前の1ヶ月間には限定されず、1年前の3ヶ月間、半年間等でもよく、半年前、2年前等の期間でもよく、種々の期間を選択可能である。原単位の対象時期についても同様である。
【0051】
算出部130は、第二排出情報152で示される排出量から第一排出情報151で示される排出量を差し引くことで、温室効果ガスの削減量を算出する。具体的には、算出部130は、第一排出情報151で示される温室効果ガスの排出量を算出するとともに、第二排出情報152で示される温室効果ガスの排出量を算出する。そして、算出部130は、算出した第二排出情報152で示される温室効果ガスの排出量から、算出した第一排出情報151で示される温室効果ガスの排出量を差し引くことで、温室効果ガスの削減量を算出する。
【0052】
さらに具体的には、算出部130は、記憶部150に記憶されている第一排出情報151から、各家庭20が消費した電力、ガス、及び、灯油等の燃料の少なくとも1つの消費量、並びに、電力、ガス、及び、灯油等の燃料の少なくとも1つの原単位を読み出す。そして、算出部130は、読み出した消費量に原単位を乗じることで、第一排出情報151で示される温室効果ガス(二酸化炭素等)の排出量を算出する。同様に、算出部130は、記憶部150に記憶されている第二排出情報152から、各家庭20が過去に消費した電力、ガス、及び、灯油等の燃料の少なくとも1つの消費量、並びに、原単位を読み出す。そして、算出部130は、読み出した消費量に原単位を乗じることで、第二排出情報152で示される温室効果ガス(二酸化炭素等)の排出量を算出する。この際、算出部130は、3ヶ月間の移動平均を算出する、あるいは前年の同時期の排出量を参照する、さらにそれらに気象条件をもとに補正を行う等により、第一排出情報151で示される排出量に対応した第二排出情報152で示される排出量を算出する。そして、算出部130は、算出した第二排出情報152で示される温室効果ガスの排出量から、算出した第一排出情報151で示される温室効果ガスの排出量を減算することで、温室効果ガスの削減量を算出する。そして、算出部130は、算出した温室効果ガスの削減量を、記憶部150に記憶されている削減量情報153に書き込むことで、記憶部150に記憶させる。
【0053】
出力部140は、温室効果ガスの削減量に対して得られる対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する。特典は、温室効果ガスの削減による環境価値に応じた特典であり、例えば、ECサイト等のWebサイトまたは小売店等で使用可能なポイント、クーポン券、または、電子マネー等である。当該特典として、ユーザのスコア(ランク)をアップさせるような特典が用いられてもよい。本実施の形態では、当該特典は、温室効果ガスの削減量に対して炭素市場40から得られる対価に応じた特典である。つまり、出力部140は、温室効果ガスの削減量に対して炭素市場40から得られる対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する。炭素市場40は、経済的インセンティブによって企業または消費者による効率的な温室効果ガスの排出削減を促すために、世界各国や国際機関が行う炭素排出に価格を付ける炭素市場(カーボンマーケット)である。
【0054】
具体的には、温室効果ガス削減行動誘起装置100を保有する事業者が、算出部130が算出した温室効果ガスの削減量を、炭素市場40を通して売却し、対価(収益)を得た場合、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、当該対価(収益)についての情報を取得する。温室効果ガス削減行動誘起装置100は、当該対価についての情報を、当該対価が得られた場合に自動的に取得してもよいし、上記事業者からの入力により取得してもよい。温室効果ガス削減行動誘起装置100が当該対価についての情報を取得すると、出力部140は、当該対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を、第一処理部300に出力する。つまり、出力部140は、温室効果ガスの削減量に応じたインセンティブとして当該対価の一部を各家庭20に還元(当該対価に応じた特典を各家庭20に付与)するために、第一処理部300に特典情報154を出力して、各家庭20に当該還元することを依頼する。具体的には、出力部140は、記憶部150に記憶されている削減量情報153から温室効果ガスの削減量を読み出し、当該削減量と上記対価についての情報とから特典情報154を生成して、生成した特典情報154を記憶部150に記憶させる。また、出力部140は、特典情報154を第一処理部300に出力する。
【0055】
この結果、第一処理部300は、特典情報154に含まれた情報に示された特典を、各家庭20に付与する。具体的には、第一処理部300は、ECサイト等のWebサイトまたは小売店等で使用可能なポイント、クーポン券、または、電子マネー、ユーザのスコア(ランク)をアップさせるような特典等を各家庭20に付与する。出力部140は、算出部130が算出した温室効果ガスの排出量、及び、温室効果ガスの削減量等を、第一処理部300に出力してもよい。この場合、第一処理部300は、取得した温室効果ガスの排出量及び削減量等を各家庭20に通知(フィードバック)して、各家庭20における温室効果ガス削減の取組みの効果を提示することにしてもよい。
【0056】
なお、出力部140は、第一処理部300を介することなく、特典情報154を各家庭20に出力することで、特典情報154に含まれた情報に示された特典を、各家庭20に付与することにしてもよい。出力部140は、算出部130が算出した温室効果ガスの排出量、温室効果ガスの削減量、及び、特典情報154等の各種情報を、温室効果ガス削減行動誘起装置100が備える液晶ディスプレイ等の表示部に出力して表示させてもよい。
【0057】
記憶部150は、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起するためのデータ等を記憶しているメモリである。具体的には、記憶部150は、上述の第一排出情報151、第二排出情報152、削減量情報153、および、特典情報154を記憶している。なお、第一排出情報151、第二排出情報152、削減量情報153、および、特典情報154は、データ更新の都度、データが書き換えられることにしてもよいし、データが蓄積されていくことにしてもよい。
【0058】
[2 温室効果ガス削減行動誘起装置100の処理フローの説明]
次に、温室効果ガス削減行動誘起装置100が、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起する処理(温室効果ガス削減行動誘起方法)について、説明する。図3は、本実施の形態に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100が、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起する処理(温室効果ガス削減行動誘起方法)を示すフローチャートである。
【0059】
図3に示すように、まず、第一取得部110は、各家庭20で排出する温室効果ガスの排出量を示す第一排出情報151を取得する(S102、第一取得ステップ)。具体的には、第一取得部110は、各家庭20が消費したエネルギー量を示す第一エネルギー情報を、第一排出情報151として取得する。第一取得部110が行うさらに具体的な処理は、上述した通りである。
【0060】
次に、第二取得部120は、比較対象となる温室効果ガスの排出量を示す第二排出情報152を取得する(S104、第二取得ステップ)。具体的には、第二取得部120は、第一エネルギー情報よりも過去に各家庭20が消費したエネルギー量を示す第二エネルギー情報を、第二排出情報152として取得する。第二取得部120が行うさらに具体的な処理は、上述した通りである。
【0061】
次に、算出部130は、第二排出情報152で示される排出量から第一排出情報151で示される排出量を差し引くことで、温室効果ガスの削減量を算出する(S106、算出ステップ)。具体的には、算出部130は、第一排出情報151で示される温室効果ガスの排出量と、第二排出情報152で示される温室効果ガスの排出量とを算出し、算出した温室効果ガスの排出量から温室効果ガスの削減量を算出する。算出部130が行うさらに具体的な処理は、上述した通りである。
【0062】
次に、出力部140は、温室効果ガスの削減量に対して得られる対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する(S108、出力ステップ)。具体的には、出力部140は、温室効果ガスの削減量に対して炭素市場40から得られる対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する。出力部140が行うさらに具体的な処理は、上述した通りである。
【0063】
温室効果ガス削減行動誘起装置100は、以上の処理を、対象の全ての家庭20に対して実行し、対象の全ての家庭20に対して、排出する温室効果ガスの削減行動を誘起する。以上のようにして、温室効果ガス削減行動誘起装置100が各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起する処理(温室効果ガス削減行動誘起方法)は、終了する。このように、本発明は、温室効果ガス削減行動誘起装置100として実現することができるだけでなく、温室効果ガス削減行動誘起装置100に含まれる処理部が行う特徴的な処理をステップとする温室効果ガス削減行動誘起方法としても実現することができる。
【0064】
[3 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100は、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減量を算出し、当該削減量に対して得られる対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する。これにより、各家庭20では、特典を得るために、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置100によれば、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【0065】
また、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減量に対して炭素市場40から得られる対価に応じた特典情報154を出力する。つまり、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、温室効果ガスの削減量に対して炭素市場40から対価が得られる場合に、当該対価に応じた特典情報154を出力する。これにより、各家庭20では、炭素市場40からの対価に応じた特典を得るために、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こすことが考えられるため、温室効果ガス削減行動誘起装置100によれば、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【0066】
また、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、各家庭20が消費したエネルギー量に応じた温室効果ガスの削減量を算出し、当該削減量に対して得られる対価に応じた特典情報154を出力する。これにより、各家庭20では、特典を得るために、消費するエネルギー量を低減する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置100によれば、各家庭20で消費するエネルギー量を低減するという温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【0067】
このように、温室効果ガス削減行動誘起装置100(温室効果ガス削減行動誘起システム10)は、個人(家庭)レベルでの温室効果ガスの排出量(間接排出量を含む)及び削減量の記録管理ができ、個人(家庭)レベルでの環境配慮行動の促進を図ることができる。つまり、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、個人(家庭)に対して日常生活に伴う温室効果ガスの排出量を提示することで、環境配慮に向けた気づきが提供される。次に、それをもとに、省エネ行動といった個人(家庭)の行動変容が促される。さらに、それら個人(家庭)の行動変容の効果が、温室効果ガスの排出量の削減として顕在化されるとともに、インセンティブとして還元される。これらを通して、個人(家庭)レベルの温室効果ガスの排出量及び削減量が管理可能となるとともに、個人(家庭)に環境に配慮した行動を促し、個人(家庭)レベルでの温室効果ガスの排出量の削減が促進される。
【0068】
[4 変形例の説明]
以上、本実施の形態に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100について説明したが、本発明は、上記実施の形態には限定されない。今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0069】
(変形例1)
上記実施の形態において、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、第一排出情報151及び第二排出情報152を各家庭20から取得することには限定されない。図4は、本実施の形態の変形例1に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100を備える温室効果ガス削減行動誘起システム11の構成を示すブロック図である。図4は、図2に対応する図である。図5は、本実施の形態の変形例1に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100が、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起する処理(温室効果ガス削減行動誘起方法)を示すフローチャートである。図5は、図3に対応するフローチャートである。図6は、本実施の形態の変形例1に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100の第一取得部110が第一排出情報151を取得する処理を示すフローチャートである。
【0070】
図4に示すように、第一取得部110は、各家庭20で排出する温室効果ガスの排出量を示す第一排出情報151を取得する。具体的には、第一取得部110は、情報提供部200または第一処理部300から、通信ネットワーク30を介して、第一排出情報151を取得する。本変形例では、第一排出情報151は、各家庭20が購入した環境配慮製品の温室効果ガスの排出量を示す環境配慮製品情報である。環境配慮製品(商品)は、環境に配慮(環境効率に優れた)または環境保全に貢献する製品(商品)であり、環境配慮型製品(商品)、環境対応製品(商品)、環境保全製品(商品)、環境保護製品(商品)、環境調和型製品(商品)等とも呼ばれる。環境配慮製品は、製品のライフサイクルにおいて環境が配慮され、省エネまたは省資源等に寄与する製品である。環境配慮製品は、材料がリサイクルされる等により省資源化が達成されたり、製造過程で省エネが実現される製品、または、省エネ性能を有する製品等である。第一排出情報151は、各家庭20が購入した環境配慮製品について、省エネ性能等の温室効果ガスの排出量を示すデータ等を含む情報の集まりである。第一排出情報151は、環境配慮製品のランク(省エネランク等)を示す情報(Aランク、Bランク、Cランク等)でもよい。
【0071】
本変形例では、第一取得部110は、情報提供部200から、環境配慮製品の温室効果ガスの排出量を示す情報を取得する。つまり、第一取得部110は、情報提供部200から、環境配慮製品の環境配慮製品情報(省エネ性能等)を取得する。本変形例における情報提供部200は、環境配慮製品を販売する企業(BtoC企業)等が所有する処理部(コンピュータシステム等)である。そして、第一取得部110は、第一処理部300に、環境配慮製品の購入を各家庭20に推奨するための情報を出力する。本変形例における第一処理部300は、当該環境配慮製品を含む各種製品を掲載するECサイト等である。当該ECサイトでは、各種製品が温室効果ガスの排出量の優劣等でラベリング(ランク付け)される等により、当該環境配慮製品が推奨される旨が掲載される。各家庭20が、このECサイトの掲載情報を閲覧して、当該ECサイトで環境配慮製品を購入した場合、当該ECサイト(第一処理部300)は、各家庭20が環境配慮製品を購入したことを示す情報を、第一取得部110に送信する。
【0072】
これにより、第一取得部110は、外部の第一処理部300(ECサイト)から、各家庭20が環境配慮製品を購入したことを示す情報を取得する。第一取得部110は、この外部の第一処理部300から、各家庭20が環境配慮製品を購入したことを示す情報を取得することで、当該環境配慮製品に対応する環境配慮製品情報(省エネ性能等)を第一排出情報151として取得する。第一取得部110は、情報提供部200から取得していた環境配慮製品情報を第一排出情報151として取得してもよいし、第一処理部300から新たに環境配慮製品情報を取得してもよい。このように、第一取得部110は、各家庭20が購入した環境配慮製品の温室効果ガスの排出量を示す環境配慮製品情報を、第一排出情報151として取得する。第一取得部110は、取得した第一排出情報151を、記憶部150に書き込む。
【0073】
第二取得部120は、比較対象となる温室効果ガスの排出量を示す第二排出情報152を取得する。具体的には、第二取得部120は、情報提供部200または第一処理部300から、通信ネットワーク30を介して、第一排出情報151の比較対象(基準)となる第二排出情報152を取得する。本変形例では、第二排出情報152は、上記環境配慮製品に対応する標準品の温室効果ガスの排出量を示す標準品情報である。標準品は、環境配慮製品よりも環境への配慮が少ない(温室効果ガスの排出量が大きい)標準的な製品(商品)である。標準品は、当該環境配慮製品と同じ分類の製品のうちの最も多く製造販売されている(最も多く売れている)製品、または、当該環境配慮製品よりも旧タイプの製品(1年前等の製品)等である。第二排出情報152は、当該標準品の省エネ性能等の温室効果ガスの排出量を示すデータ等を含む情報の集まりである。
【0074】
本変形例では、第二取得部120は、情報提供部200から、標準品の温室効果ガスの排出量を示す第二排出情報152(標準品情報(省エネ性能等))を取得する。この場合、情報提供部200は、当該標準品情報(省エネ性能等)を保有する事業者、その他の企業、または、国等が所有する処理部(コンピュータシステム等)であってもよい。このように、第二取得部120は、環境配慮製品に対応する標準品の温室効果ガスの排出量を示す標準品情報を、第二排出情報152として取得する。第二取得部120は、取得した第二排出情報152を、記憶部150に書き込む。なお、第二排出情報152(標準品情報)は、予め記憶部150に書き込まれていてもよく、この場合、第二取得部120は、第二排出情報152を記憶部150から取得することとなる。
【0075】
算出部130は、第二排出情報152で示される温室効果ガスの排出量から第一排出情報151で示される温室効果ガスの排出量を差し引くことで、温室効果ガスの削減量を算出する。具体的には、算出部130は、記憶部150に記憶されている第一排出情報151から環境配慮製品情報を読み出して、環境配慮製品の温室効果ガス(二酸化炭素等)の排出量を算出する。同様に、算出部130は、記憶部150に記憶されている第二排出情報152から標準品情報を読み出して、標準品の温室効果ガス(二酸化炭素等)の排出量を算出する。そして、算出部130は、環境配慮製品の温室効果ガスの排出量から標準品の温室効果ガスの排出量を減算することで、温室効果ガスの削減量を算出する。家庭20が複数の環境配慮製品を購入した場合には、算出部130は、温室効果ガスの削減量に購入台数を乗じる等により、当該複数の環境配慮製品における温室効果ガスの削減量を算出する。そして、算出部130は、算出した温室効果ガスの削減量を、記憶部150に記憶されている削減量情報153に書き込むことで、記憶部150に記憶させる。
【0076】
出力部140は、各家庭20が環境配慮製品を購入したことに対して得られる対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報をさらに含む特典情報154を出力する。つまり、出力部140は、温室効果ガスを削減したこと、及び、各家庭20が環境配慮製品を購入したことに対して得られる対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する。このように、本変形例では、当該特典は、温室効果ガスの削減量に対して炭素市場40から得られる対価、及び、各家庭20が環境配慮製品を購入したことに対して環境配慮製品を販売する企業(BtoC企業)から得られる対価(販売促進費等)に応じた特典である。当該特典は、例えばポイント等、上記実施の形態における特典と同様である。
【0077】
具体的には、温室効果ガス削減行動誘起装置100を保有する事業者が、環境配慮製品を販売する企業(BtoC企業)から対価(収益)を得た場合、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、当該対価(収益)についての情報を取得する。温室効果ガス削減行動誘起装置100は、当該対価についての情報を、当該対価が得られた場合に自動的に取得してもよいし、上記事業者からの入力により取得してもよい。温室効果ガス削減行動誘起装置100が対価についての情報を取得すると、出力部140は、対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を、第一処理部300に出力する。この出力部140が行う処理、及び、その後の第一処理部300が行う処理は、上記実施の形態における処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0078】
次に、本変形例において、温室効果ガス削減行動誘起装置100が、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起する処理(温室効果ガス削減行動誘起方法)について、説明する。温室効果ガス削減行動誘起装置100は、以下の処理を、対象の全ての家庭20に対して実行し、対象の全ての家庭20に対して、排出する温室効果ガスの削減行動を誘起する。
【0079】
図5に示すように、まず、第一取得部110は、各家庭20で排出する温室効果ガスの排出量を示す第一排出情報151を取得する(S112、第一取得ステップ)。具体的には、第一取得部110は、各家庭20が購入した環境配慮製品の温室効果ガスの排出量を示す環境配慮製品情報を、第一排出情報151として取得する。
【0080】
さらに具体的には、図6に示すように、第一取得部110は、環境配慮製品の温室効果ガスの排出量を示す情報を取得する(S202)。そして、第一取得部110は、第一処理部300に、環境配慮製品の購入を各家庭20に推奨するための情報を出力する(S204)。そして、第一取得部110は、外部の第一処理部300から、各家庭20が環境配慮製品を購入したことを示す情報を取得することで、環境配慮製品に対応する環境配慮製品情報を第一排出情報151として取得する(S206)。第一取得部110が行うさらに具体的な処理は、上述した通りである。
【0081】
図5に戻り、第二取得部120は、比較対象となる温室効果ガスの排出量を示す第二排出情報152を取得する(S114、第二取得ステップ)。具体的には、第二取得部120は、環境配慮製品に対応する標準品の温室効果ガスの排出量を示す標準品情報を、第二排出情報152として取得する。第二取得部120が行うさらに具体的な処理は、上述した通りである。
【0082】
次に、算出部130は、第二排出情報152で示される温室効果ガスの排出量から第一排出情報151で示される温室効果ガスの排出量を差し引くことで、温室効果ガスの削減量を算出する(S116、算出ステップ)。算出部130が行うさらに具体的な処理は、上述した通りである。
【0083】
次に、出力部140は、各家庭20が環境配慮製品を購入したことに対して得られる対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報をさらに含む特典情報154を、第一処理部300に出力する(S118、出力ステップ)。出力部140が行うさらに具体的な処理は、上述した通りである。
【0084】
以上のように、本変形例に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、各家庭20が環境配慮製品を購入して使用することによる温室効果ガスの削減量を算出し、当該削減量に対して得られる対価に応じた特典情報154を出力する。これにより、各家庭20では、特典を得るために、環境配慮製品を購入して使用する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置100によれば、各家庭20で環境配慮製品を購入して使用するという温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【0085】
また、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、環境配慮製品の購入を各家庭20に推奨するための情報を出力することで、各家庭20に環境配慮製品を購入して使用することを促す。その結果、各家庭20が環境配慮製品を購入すれば、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、各家庭20が環境配慮製品を購入したことを示す情報を取得し、環境配慮製品に対応する環境配慮製品情報を第一排出情報151として取得する。このように、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、各家庭20に環境配慮製品を購入させる行動を起こさせやすくすることができる。
【0086】
また、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、各家庭20が環境配慮製品を購入したことに対して得られる対価に応じた特典情報154を出力する。つまり、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、各家庭20が環境配慮製品を購入したことに対して環境配慮製品を販売した企業等から対価(販売促進費等)が得られる場合に、当該対価に応じた特典情報154を出力する。これにより、各家庭20では、環境配慮製品の購入に対する対価に応じた特典を得るために、環境配慮製品を購入する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置100によれば、各家庭20で環境配慮製品を購入して使用するという温室効果ガスの削減行動をさらに誘起することができる。
【0087】
また、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、第一処理部300(ECサイト)から、各家庭20が環境配慮製品を購入したことを示す情報を取得し、第一処理部300(ECサイト)に、特典情報154を出力する。これにより、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、同じ処理部を介して(同じECサイトを経由して)各家庭20とやりとりできるため、容易に各家庭20とやりとりできる。
【0088】
また、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、第一処理部300に、環境配慮製品の購入を各家庭20に推奨するための情報も出力することで、さらに同じ処理部(ECサイト)を介して各家庭20とやりとりできるため、さらに容易に各家庭20とやりとりできる。
【0089】
(変形例2)
上記変形例1において、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、環境配慮製品の購入を各家庭20に推奨するための情報を、第一処理部300に出力することには限定されない。図7は、本実施の形態の変形例2に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100を備える温室効果ガス削減行動誘起システム12の構成を示すブロック図である。図7は、図4に対応する図である。図8は、本実施の形態の変形例2に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100の第一取得部110が第一排出情報151を取得する処理を示すフローチャートである。図8は、図6に対応するフローチャートである。
【0090】
図7に示すように、本変形例では、第一取得部110は、第一処理部300とは異なる第二処理部400に、環境配慮製品の購入を各家庭20に推奨するための情報を出力する。第二処理部400は、環境配慮製品を対面で販売する小売業者等が所有する処理部(コンピュータシステム等)である。当該小売業者は、第二処理部400が、環境配慮製品の購入を推奨する情報を取得した場合には、当該環境配慮製品をコーナー展示したり、POP(Point of Purchase)広告したりすることによって、当該環境配慮製品の購入を推奨する。家庭20に所属するユーザが、この推奨に基づいて当該小売業者から環境配慮製品を購入した場合、当該小売業者は、当該ユーザに、ポイントカードを用いてポイント処理を行うように勧める。当該ユーザがポイント処理を行うと、第一処理部300に、当該ユーザが所属する家庭20が環境配慮製品を購入したことを示す情報が送信される。本変形例における第一処理部300は、ポイントを付与するポイント会社が所有する処理部等(コンピュータシステム等)である。第一処理部300は、当該ユーザが所属する家庭20が環境配慮製品を購入したことを示す情報を、第一取得部110に送信する。第一取得部110が行うその他の処理は、上記実施の形態または変形例1と同様であるため、説明を省略する。第二取得部120、算出部130及び出力部140が行う処理についても、上記実施の形態または変形例1と同様であるため、説明を省略する。
【0091】
本変形例では、温室効果ガス削減行動誘起装置100が、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起する処理(温室効果ガス削減行動誘起方法)において、第一取得部110が第一排出情報151を取得する処理(図5のS112)は、以下の通りとなる。図8に示すように、第一取得部110は、環境配慮製品の温室効果ガスの排出量を示す情報を取得する(S302)。第一取得部110が行うさらに具体的な処理は、上記実施の形態または変形例1と同様である。そして、第一取得部110は、第一処理部300とは異なる第二処理部400に、環境配慮製品の購入を各家庭20に推奨するための情報を出力する(S304)。第一取得部110が行うさらに具体的な処理は、上述した通りである。そして、第一取得部110は、第一処理部300から、各家庭20が環境配慮製品を購入したことを示す情報を取得することで、環境配慮製品に対応する環境配慮製品情報を第一排出情報151として取得する(S306)。第一取得部110が行うさらに具体的な処理は、上記実施の形態または変形例1と同様である。また、その後に、第二取得部120、算出部130及び出力部140が行う処理(図5のS114~S118)は、上記実施の形態または変形例1と同様である。
【0092】
以上のように、本変形例に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100によれば、上記実施の形態または変形例1と同様の効果を奏することができる。ただし、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、環境配慮製品の購入を各家庭20に推奨するための情報については、各家庭20が環境配慮製品を購入する行動を起こしやすい場所(販売推奨を行う対面の小売業者等)に提供するのが好ましく、その場所は第一処理部300とは異なる場合がある。このため、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、第一処理部300とは異なる第二処理部400に、環境配慮製品の購入を各家庭20に推奨するための情報を出力する。これにより、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、適切な処理部を介して各家庭20とやりとりできる。
【0093】
(変形例3)
上記実施の形態において、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、どのような特典情報154を出力してもよい。図9は、本実施の形態の変形例3に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100の出力部140が特典情報154を出力する処理を示すフローチャートである。図9は、図3に示した出力部140が特典情報154を出力する処理(S108、出力ステップ)の変形例を示している。
【0094】
本変形例においても、上記実施の形態と同様に、出力部140は、温室効果ガスの削減量に対して得られる対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力するが、特典情報154に含まれる情報(特典)が上記実施の形態とは異なる。当該特典は、温室効果ガスの削減量に応じた代替性トークンである。つまり、本変形例では、出力部140は、温室効果ガスの削減量に応じた代替性トークンを各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する。
【0095】
具体的には、図9に示すように、まず、出力部140は、温室効果ガスの削減量を証明する非代替性トークンを生成する(S402)。具体的には、出力部140は、記憶部150に記憶されている削減量情報153から温室効果ガスの削減量を読み出して取得し、当該削減量に応じた非代替性トークン(NFT:Non-Fungible Token)を生成(発行)する。非代替性トークンは、ブロックチェーン上に記録される代替不可能なデジタルデータ(トークン)であり、温室効果ガスの削減量(もしくは、温室効果ガスの削減量から得られる対価(炭素市場40から得られる対価等))を証明するために用いることができる。出力部140は、生成(発行)した非代替性トークンを示す情報を記憶部150の特典情報154に記憶させる。
【0096】
そして、出力部140は、非代替性トークンが証明する当該削減量に応じた代替性トークンを生成する(S404)。具体的には、出力部140は、記憶部150の特典情報154から非代替性トークンを読み出して取得し、当該非代替性トークンが証明する削減量に応じた代替性トークン(FT:Fungible Token)を生成(発行)する。代替性トークンは、ブロックチェーン上に記録される代替可能なデジタルデータ(トークン)であり、ある資産を同じ種類かつ同じ価値をもつ別の資産と交換できるトークンである。本実施の形態では、代替性トークンは、温室効果ガスの削減量を示すデータ(トークン)、もしくは、温室効果ガスの削減量から得られる対価(炭素市場40から得られる対価等)を示すデータ(トークン)である。出力部140は、生成(発行)した代替性トークンを示す情報を記憶部150の特典情報154に記憶させる。
【0097】
そして、出力部140は、代替性トークン及び非代替性トークンを各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する(S406)。つまり、出力部140は、温室効果ガスの削減量を証明する非代替性トークンを示す情報と、当該非代替性トークンが証明する削減量に応じた代替性トークンを示す情報と、を含む特典情報154を出力する。具体的には、出力部140は、記憶部150から、代替性トークンを示す情報と非代替性トークンを示す情報とを含む特典情報154を読み出して取得し、特典情報154を第一処理部300に出力する。そして、第一処理部300は、特典情報154に含まれた代替性トークン及び非代替性トークン(特典)を、各家庭20に付与(出力)する。なお、出力部140は、第一処理部300を介することなく、特典情報154を各家庭20に出力することで、特典情報154に含まれた代替性トークン及び非代替性トークン(特典)を、各家庭20に付与(出力)することにしてもよい。これらトークンには潜在的な市場価値があるため、各家庭20(個人あるいはグループ)は、トークン取得後に、炭素市場40等で対価を顕在化(特典情報154として付与されたトークンが有する潜在的な対価を顕在化)させることができる。
【0098】
出力部140は、代替性トークンの少なくとも一部を、炭素市場40との取引、または、環境保護活動への投資等に活用して運用することで、代替性トークンの価値を上げて、価値が上がった代替性トークンを各家庭20に付与(出力)することにしてもよい。例えば、出力部140は、生成(発行)した代替性トークンの一部(一定比率)を各家庭20に付与(出力)することとしてもよいし、代替性トークンの残り(一定比率)を運用した後に各家庭20に付与(出力)することにしてもよい。
【0099】
本変形例のその他の処理については、上記実施の形態における処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、本変形例は、上記変形例1において、図5に示した出力部140が特典情報154を出力する処理(S118、出力ステップ)についても、同様に適用できる。
【0100】
以上のように、本変形例に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100によれば、上記実施の形態または上記変形例と同様の効果を奏することができる。特に、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、温室効果ガスの削減量に応じた代替性トークンを各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する。これにより、各家庭20では、代替性トークンを得るために、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置100によれば、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【0101】
また、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、温室効果ガスの削減量を証明する非代替性トークンを生成し、非代替性トークンが証明する当該削減量に対応する代替性トークンを生成する。これにより、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、非代替性トークンによって証明された削減量に基づいて代替性トークンを発行するため、代替性トークンの価値が低下するのを抑制でき、長期的に代替性トークンの価値の向上を図ることもできる。特に、非代替性トークンはブロックチェーン技術を使ったインターネット上の唯一無二の暗号資産であり、誰がどれだけの量を削減したかを特定・証明できるため、非代替性トークンが環境価値証書との位置付けとなり、これを炭素市場40等で売却等する際には非代替性トークンを償却することで証書のダブルカウントを防止できる。
【0102】
また、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、代替性トークン及び非代替性トークンを各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する。これにより、各家庭20では、代替性トークンに加えて、温室効果ガスの削減量を証明する非代替性トークンも得ることができる。つまり、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、温室効果ガスの削減量を証明する非代替性トークンを各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する。これにより、各家庭20では、非代替性トークンを得るために、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置100によれば、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。特に、代替性トークンは、非代替性トークンによって証明されている(裏付けられている)ため、その価値を維持でき、特定のプラットフォームのみならず広くインターネット上で取引(法定通貨や別の暗号資産と交換)できる暗号資産であるため、さらなる価値の向上を図ることができる。これにより、各家庭20において、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こす高いインセンティブ効果が期待できる。
【0103】
なお、出力部140は、代替性トークン及び非代替性トークンの双方を特典情報154に含めて出力するのではなく、代替性トークンを含む特典情報154と、非代替性トークンを含む特典情報154と、を個別に出力してもよい。また、出力部140は、代替性トークンを含む特典情報154、及び、非代替性トークンを含む特典情報154のいずれか一方しか出力しないことにしてもよい。この場合、出力部140は、代替性トークン及び非代替性トークンの一方しか生成(発行)しなくてもよい。
【0104】
(変形例4)
上記実施の形態において、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、第一取得部110、第二取得部120及び算出部130を備えていなくてもよい。図10は、本実施の形態の変形例4に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100aを備える温室効果ガス削減行動誘起システム13の構成を示すブロック図である。図11は、本実施の形態の変形例4に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100aが、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起する処理(温室効果ガス削減行動誘起方法)を示すフローチャートである。
【0105】
図10に示すように、本変形例における温室効果ガス削減行動誘起装置100aは、上記実施の形態における温室効果ガス削減行動誘起装置100とは異なり、第一取得部110、第二取得部120及び算出部130を備えていない。つまり、本変形例では、温室効果ガス削減行動誘起装置100aは、出力部140と、記憶部150aと、を備えている。本変形例における出力部140は、上記実施の形態における出力部140と同様の構成を有する(同様の処理を行う)。記憶部150aは、上記実施の形態と同様の特典情報154を記憶している。これにより、上記実施の形態における第一取得部110、第二取得部120及び算出部130は、温室効果ガス削減行動誘起装置100aの外部に配置されている。また、上記実施の形態における記憶部150は、上記実施の形態と同様の第一排出情報151、第二排出情報152及び削減量情報153を記憶している記憶部150bとなっている。本変形例のその他の構成については、上記実施の形態における構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0106】
本変形例では、このような構成において、出力部140は、外部の記憶部150bから、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減量を取得し、当該削減量に対して得られる対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する。つまり、上記実施の形態では、出力部140は、温室効果ガス削減行動誘起装置100が備える記憶部150から温室効果ガスの削減量を取得したが、本変形例では、出力部140は、温室効果ガス削減行動誘起装置100aの外部から温室効果ガスの削減量を取得する。本変形例における出力部140が行う以降の処理(削減量を取得した以降の処理)は、上記実施の形態における出力部140が行う以降の処理と同様である。本変形例では、上記変形例3と同様に、出力部140は、温室効果ガスの削減量に応じた代替性トークンを各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する。
【0107】
具体的には、図11に示すように、出力部140は、外部の記憶部150bから、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減量を読み出して取得する(S502、削減量取得ステップ)。そして、出力部140は、取得した削減量に対して得られる対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する(S504、特典情報出力ステップ)。このように、出力部140は、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減量を取得し、当該削減量に対して得られる対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する(S502~S504、出力ステップ)。本変形例では、出力部140は、温室効果ガスの削減量に応じた代替性トークンを各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する。この出力部140が特典情報154を出力する処理は、上記変形例3における処理(図9のS402~S406)と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0108】
以上のように、本変形例に係る温室効果ガス削減行動誘起装置100aによれば、上記実施の形態または上記変形例と同様の効果を奏することができる。つまり、温室効果ガス削減行動誘起装置100aは、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減量を取得し、当該削減量に対して得られる対価に応じた特典を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力する。これにより、各家庭20では、特典を得るために、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こすことが考えられる。特に、温室効果ガス削減行動誘起装置100aは、当該削減量に応じた代替性トークンを各家庭20に付与するための情報を含む当該特典情報154を出力する。このため、各家庭20では、代替性トークンを得るために、温室効果ガスの排出量を削減する行動を起こすことが考えられる。したがって、温室効果ガス削減行動誘起装置100aによれば、各家庭20で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起することができる。
【0109】
特に、本変形例では、温室効果ガス削減行動誘起装置100aは、上記実施の形態における第一取得部110、第二取得部120及び算出部130を備えていないため、構成を簡易化できる。なお、本変形例では、出力部140は、上記変形例3と同様の処理を行うこととしたが、上記実施の形態及び変形例1、2のいずれかと同様の処理を行うことにしてもよい。
【0110】
(その他の変形例)
上記実施の形態では、出力部140は、特典(変形例3では代替性トークン及び非代替性トークン)を各家庭20に付与するための情報を含む特典情報154を出力し、第一処理部300を介する等により特典情報154を各家庭20に付与することとした。この場合、特典情報154を付与する対象である家庭20は、家庭20を代表する人(個人)と言い換えてもよい。つまり、出力部140は、特典(変形例3では代替性トークン及び非代替性トークン)を、家庭20を代表する人(個人)に対して付与することにしてもよい。
【0111】
上記実施の形態では、温室効果ガス削減行動誘起装置100を保有する事業者は、温室効果ガスの削減量に対して炭素市場40から対価(収益)を得ることとしたが、温室効果ガスの削減量を購入する一般企業など、炭素市場40以外の場所から対価(収益)を得ることにしてもよい。この場合、温室効果ガス削減行動誘起装置100の出力部140は、温室効果ガスの削減量に対して当該一般企業等から得られる対価に応じた特典情報154を出力する。
【0112】
上記実施の形態では、第二取得部120は、第一エネルギー情報よりも過去に各家庭20が消費したエネルギー量を示す第二エネルギー情報を、第二排出情報152として取得することとした。しかし、第二取得部120は、各家庭20について、地域区分、家族構成、及び、住宅構成等の情報をもとに標準的な消費したエネルギー量を算出し、算出した情報を第二排出情報152として取得することにしてもよい。
【0113】
上記実施の形態では、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、記憶部150を有していることとしたが、記憶部150を有しておらず、外部のメモリとの間でデータをやりとりすることにしてもよい。
【0114】
上記実施の形態では、温室効果ガス削減行動誘起方法において、第一取得部110が第一排出情報151を取得した後に、第二取得部120が第二排出情報152を取得することとしたが、これには限定されない。第二取得部120が第二排出情報152を取得した後に、第一取得部110が第一排出情報151を取得してもよいし、第一取得部110が第一排出情報151を取得すると同時に、第二取得部120が第二排出情報152を取得してもよい。
【0115】
また、本発明は、温室効果ガス削減行動誘起装置100及び温室効果ガス削減行動誘起方法として実現することができるだけでなく、当該温室効果ガス削減行動誘起方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとしても実現することができる。つまり、温室効果ガス削減行動誘起装置100が備える各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。さらに、本発明は、当該プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray Disc(登録商標))、半導体メモリとしても実現することができる。そして、当該プログラムは、当該記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができる。また、本発明は、温室効果ガス削減行動誘起装置100に含まれる処理部を備える集積回路としても実現することができる。つまり、図2、4、7または10に示した温室効果ガス削減行動誘起装置100または100aの各機能ブロックは、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。このように、温室効果ガス削減行動誘起装置100は、各構成要素が、専用のハードウェアで構成されてもよいし、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0116】
また、上記実施の形態及びその変形例における任意の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、各家庭で排出する温室効果ガスの削減行動を誘起することができる温室効果ガス削減行動誘起装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0118】
10、11、12、13 温室効果ガス削減行動誘起システム
20 家庭
30 通信ネットワーク
40 炭素市場
100、100a 温室効果ガス削減行動誘起装置
110 第一取得部
120 第二取得部
130 算出部
140 出力部
150、150a、150b 記憶部
151 第一排出情報
152 第二排出情報
153 削減量情報
154 特典情報
200 情報提供部
300 第一処理部
400 第二処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11