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特許7547589サービス提供装置、サービス提供方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】サービス提供装置、サービス提供方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240902BHJP
【FI】
G06Q30/0207 346
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023151931
(22)【出願日】2023-09-20
【審査請求日】2023-09-20
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】チン リンサイ
(72)【発明者】
【氏名】バーニー サッド
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特許第7282228(JP,B1)
【文献】特許第7340674(JP,B1)
【文献】特開2023-079883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子決済サービスを提供するサービス提供装置であって、
電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が得た前記電子決済サービスで発行されたユーザを識別可能なコード情報と、前記第1端末装置と前記サービス提供装置とを仲介する第2端末装置の管理者がユーザに付与する第1特典に関する情報とを含む第1処理情報を前記第2端末装置から取得する取得部と、
前記電子決済サービスを利用した決済または前記電子決済サービスとは異なる決済手法を利用した決済が行われた場合のいずれにおいても、前記ユーザが提示した画像から前記第1端末装置が得た前記コード情報を用いて、
前記電子決済サービスにおいて管理され、且つ記憶部に記憶された前記コード情報のアカウントに前記電子決済サービスで利用可能な前記加盟店が付与する第1特典を対応付ける付与部と、
を備えるサービス提供装置。
【請求項2】
電子決済サービスを提供するサービス提供装置であって、
電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が得た前記電子決済サービスで発行されたユーザを識別可能なコード情報と、前記第1端末装置と前記サービス提供装置とを仲介する第2端末装置の管理者がユーザに付与する第1特典に関する情報とを含む第1処理情報を前記第2端末装置から取得する取得部と、
前記電子決済サービスにおいて管理され、且つ記憶部に記憶された前記コード情報のアカウントに前記電子決済サービスで利用可能な前記加盟店が付与する第1特典を対応付ける付与部と、を備え、
前記取得部が、前記第1処理情報を取得し、更に、前記コード情報と、前記電子決済サービスの電子決済を行うための決済額を示す情報とを含む第2処理情報を取得した場合、
前記付与部は、前記第1特典に加え、前記第2処理情報の前記電子決済サービスの電子決済を行って前記電子決済サービスに基づく第2特典を前記アカウントに付与し、
前記第1特典は、前記加盟店が負担する原資により提供され、
前記第2特典は、前記電子決済サービスが負担する原資により提供される、
サービス提供装置。
【請求項3】
電子決済サービスを提供するサービス提供装置であって、
電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が得た前記電子決済サービスで発行されたユーザを識別可能なコード情報と、前記第1端末装置と前記サービス提供装置とを仲介する第2端末装置の管理者がユーザに付与する第1特典に関する情報とを含む第1処理情報を前記第2端末装置から取得する取得部と、
前記電子決済サービスにおいて管理され、且つ記憶部に記憶された前記コード情報のアカウントに前記電子決済サービスで利用可能な前記加盟店が付与する第1特典を対応付ける付与部と、
コンテンツ提供部と、を備え、
前記取得部が、前記第1処理情報を取得し、更に、前記コード情報と、前記電子決済サービスの電子決済を行うための決済額を示す情報とを含む第2処理情報を取得した場合、
前記付与部は、前記第1特典に加え、前記第2処理情報の前記電子決済サービスの電子決済を行って前記電子決済サービスに基づく第2特典を前記アカウントに付与し、
前記コンテンツ提供部が、
前記取得部が取得した前記第1処理情報と前記第2処理情報とが所定の関係を有する場合、前記第1処理情報に基づく第1特典を示す情報と前記第2処理情報に基づく第2特典を示す情報とを含むコンテンツを前記ユーザの端末装置の表示部に表示させ、
前記取得部が取得した前記第1処理情報と前記第2処理情報とが所定の関係を有さない場合、前記第1処理情報に基づく第1特典を示す情報を含むコンテンツと、前記第2処理情報に基づく第2特典を示す情報とを含むコンテンツとを別々に前記ユーザの端末装置の表示部に表示させ、
前記所定の関係を有するとは、
前記電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が1回コード情報を読み取ることで前記電子決済サービスによる電子決済と、前記第1特典を前記ユーザに付与することとを、前記ユーザまたは前記加盟店が望むと推定される関係であって、(A)と(B)とのうち一方または双方の条件を満たすことであり、
(A)は、前記取得部が、前記第1処理情報の前記コード情報と前記第2処理情報の前記コード情報とのうち最初に一方の情報を取得したときから、所定時間以内に他方の情報を取得したことであり、
(B)は、前記コード情報は前記ユーザの操作または時間に応じて更新されるワンタイムのコード情報であり、前記第1処理情報の前記コード情報と前記第2処理情報の前記コード情報とが同様であることである、
サービス提供装置。
【請求項4】
前記第1特典に関する情報は、前記加盟店における決済額であり、
前記付与部は、前記決済額と、前記加盟店に対応する予め定められた基準とに基づいて前記第1特典の内容を決定する、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載のサービス提供装置。
【請求項5】
前記第1特典に関する情報は、前記第1特典の内容を示す情報であり、
前記付与部は、前記コード情報のアカウントに前記第1特典の内容に応じた特典を対応付ける、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載のサービス提供装置。
【請求項6】
前記加盟店における決済額は、前記電子決済サービスの電子決済を利用した決済の決済額である、
請求項4に記載のサービス提供装置。
【請求項7】
前記加盟店における決済額は、前記電子決済サービスの電子決済とは異なる決済手法を利用した決済の決済額である、
請求項4に記載のサービス提供装置。
【請求項8】
前記第1端末装置または前記第2端末装置から前記基準の設定を受け付けて、前記受け付けた基準を前記第1特典の内容を決定する基準に設定する設定部を、更に備える、
請求項4に記載のサービス提供装置。
【請求項9】
前記第1特典に関する情報は、前記加盟店における決済額であり、
前記付与部は、前記コード情報と、前記加盟店における決済額とを含む前記第1処理情報を取得した場合、前記第1処理情報に含まれるフラグの種別と、前記第1処理情報の特徴を示す情報との一方または双方に基づいて、前記電子決済サービスの電子決済を前記取得した情報に対して行うべきか否かを判定する、
請求項4に記載のサービス提供装置。
【請求項10】
前記付与部は、
前記電子決済サービスの電子決済を前記取得した情報に対して行うべきでないと判定した場合、前記電子決済サービスの電子決済を行わずに、前記コード情報のアカウントに前記電子決済サービスで利用可能な前記加盟店が付与する第1特典を対応付ける、
請求項9に記載のサービス提供装置。
【請求項11】
前記取得部が、前記第1処理情報を取得し、更に、前記コード情報と、前記電子決済サービスの電子決済を行うための決済額を示す情報とを含む第2処理情報を取得した場合、
前記付与部は、前記第1特典に加え、前記第2処理情報の前記電子決済サービスの電子決済を行って前記電子決済サービスに基づく第2特典を前記アカウントに付与する、
請求項1に記載のサービス提供装置。
【請求項12】
電子決済サービスを提供するサービス提供装置のコンピュータが、
電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が得た前記電子決済サービスで発行されたユーザを識別可能なコード情報と、前記第1端末装置と前記サービス提供装置とを仲介する第2端末装置の管理者がユーザに付与する第1特典に関する情報とを含む第1処理情報を前記第2端末装置から取得し、
前記電子決済サービスを利用した決済または前記電子決済サービスとは異なる決済手法を利用した決済が行われた場合のいずれにおいても、前記ユーザが提示した画像から前記第1端末装置が得た前記コード情報を用いて、
前記電子決済サービスにおいて管理され、且つ記憶部に記憶された前記コード情報のアカウントに前記電子決済サービスで利用可能な前記加盟店が付与する第1特典を対応付ける、
サービス提供方法。
【請求項13】
電子決済サービスを提供するサービス提供装置のコンピュータに、
電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が得た前記電子決済サービスで発行されたユーザを識別可能なコード情報と、前記第1端末装置と前記サービス提供装置とを仲介する第2端末装置の管理者がユーザに付与する第1特典に関する情報とを含む第1処理情報を前記第2端末装置から取得させ、
前記電子決済サービスを利用した決済または前記電子決済サービスとは異なる決済手法を利用した決済が行われた場合のいずれにおいても、前記ユーザが提示した画像から前記第1端末装置が得た前記コード情報を用いて、
前記電子決済サービスにおいて管理され、且つ記憶部に記憶された前記コード情報のアカウントに前記電子決済サービスで利用可能な前記加盟店が付与する第1特典を対応付けさせる、
プログラム。
【請求項14】
電子決済サービスを提供するサービス提供装置のコンピュータが、
電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が得た前記電子決済サービスで発行されたユーザを識別可能なコード情報と、前記第1端末装置と前記サービス提供装置とを仲介する第2端末装置の管理者がユーザに付与する第1特典に関する情報とを含む第1処理情報を前記第2端末装置から取得し、
前記電子決済サービスにおいて管理され、且つ記憶部に記憶された前記コード情報のアカウントに前記電子決済サービスで利用可能な前記加盟店が付与する第1特典を対応付け、
前記第1処理情報を取得し、更に、前記コード情報と、前記電子決済サービスの電子決済を行うための決済額を示す情報とを含む第2処理情報を取得した場合、
前記第1特典に加え、前記第2処理情報の前記電子決済サービスの電子決済を行って前記電子決済サービスに基づく第2特典を前記アカウントに付与し、
前記第1特典は、前記加盟店が負担する原資により提供され、
前記第2特典は、前記電子決済サービスが負担する原資により提供される、
サービス提供方法。
【請求項15】
電子決済サービスを提供するサービス提供装置のコンピュータに、
電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が得た前記電子決済サービスで発行されたユーザを識別可能なコード情報と、前記第1端末装置と前記サービス提供装置とを仲介する第2端末装置の管理者がユーザに付与する第1特典に関する情報とを含む第1処理情報を前記第2端末装置から取得させ、
前記電子決済サービスにおいて管理され、且つ記憶部に記憶された前記コード情報のアカウントに前記電子決済サービスで利用可能な前記加盟店が付与する第1特典を対応付けさせ、
前記第1処理情報を取得し、更に、前記コード情報と、前記電子決済サービスの電子決済を行うための決済額を示す情報とを含む第2処理情報を取得した場合、
前記第1特典に加え、前記第2処理情報の前記電子決済サービスの電子決済を行って前記電子決済サービスに基づく第2特典を前記アカウントに付与させ、
前記第1特典は、前記加盟店が負担する原資により提供され、
前記第2特典は、前記電子決済サービスが負担する原資により提供される、
プログラム。
【請求項16】
電子決済サービスを提供するサービス提供装置のコンピュータが、
電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が得た前記電子決済サービスで発行されたユーザを識別可能なコード情報と、前記第1端末装置と前記サービス提供装置とを仲介する第2端末装置の管理者がユーザに付与する第1特典に関する情報とを含む第1処理情報を前記第2端末装置から取得し、
前記電子決済サービスにおいて管理され、且つ記憶部に記憶された前記コード情報のアカウントに前記電子決済サービスで利用可能な前記加盟店が付与する第1特典を対応付け、
前記第1処理情報を取得し、更に、前記コード情報と、前記電子決済サービスの電子決済を行うための決済額を示す情報とを含む第2処理情報を取得した場合、
前記第1特典に加え、前記第2処理情報の前記電子決済サービスの電子決済を行って前記電子決済サービスに基づく第2特典を前記アカウントに付与し、
取得した前記第1処理情報と前記第2処理情報とが所定の関係を有する場合、前記第1処理情報に基づく第1特典を示す情報と前記第2処理情報に基づく第2特典を示す情報とを含むコンテンツを前記ユーザの端末装置の表示部に表示させ、
取得した前記第1処理情報と前記第2処理情報とが所定の関係を有さない場合、前記第1処理情報に基づく第1特典を示す情報を含むコンテンツと、前記第2処理情報に基づく第2特典を示す情報とを含むコンテンツとを別々に前記ユーザの端末装置の表示部に表示させ、
前記所定の関係を有するとは、
前記電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が1回コード情報を読み取ることで前記電子決済サービスによる電子決済と、前記第1特典を前記ユーザに付与することとを、前記ユーザまたは前記加盟店が望むと推定される関係であって、(A)と(B)とのうち一方または双方の条件を満たすことであり、
(A)は、前記第1処理情報の前記コード情報と前記第2処理情報の前記コード情報とのうち最初に一方の情報を取得したときから、所定時間以内に他方の情報を取得したことであり、
(B)は、前記コード情報は前記ユーザの操作または時間に応じて更新されるワンタイムのコード情報であり、前記第1処理情報の前記コード情報と前記第2処理情報の前記コード情報とが同様であることである、
サービス提供方法。
【請求項17】
電子決済サービスを提供するサービス提供装置のコンピュータに、
電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が得た前記電子決済サービスで発行されたユーザを識別可能なコード情報と、前記第1端末装置と前記サービス提供装置とを仲介する第2端末装置の管理者がユーザに付与する第1特典に関する情報とを含む第1処理情報を前記第2端末装置から取得させ、
前記電子決済サービスにおいて管理され、且つ記憶部に記憶された前記コード情報のアカウントに前記電子決済サービスで利用可能な前記加盟店が付与する第1特典を対応付けさせ、
前記第1処理情報を取得し、更に、前記コード情報と、前記電子決済サービスの電子決済を行うための決済額を示す情報とを含む第2処理情報を取得した場合、
前記第1特典に加え、前記第2処理情報の前記電子決済サービスの電子決済を行って前記電子決済サービスに基づく第2特典を前記アカウントに付与させ、
取得した前記第1処理情報と前記第2処理情報とが所定の関係を有する場合、前記第1処理情報に基づく第1特典を示す情報と前記第2処理情報に基づく第2特典を示す情報とを含むコンテンツを前記ユーザの端末装置の表示部に表示させ、
取得した前記第1処理情報と前記第2処理情報とが所定の関係を有さない場合、前記第1処理情報に基づく第1特典を示す情報を含むコンテンツと、前記第2処理情報に基づく第2特典を示す情報とを含むコンテンツとを別々に前記ユーザの端末装置の表示部に表示させ、
前記所定の関係を有するとは、
前記電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が1回コード情報を読み取ることで前記電子決済サービスによる電子決済と、前記第1特典を前記ユーザに付与することとを、前記ユーザまたは前記加盟店が望むと推定される関係であって、(A)と(B)とのうち一方または双方の条件を満たすことであり、
(A)は、前記第1処理情報の前記コード情報と前記第2処理情報の前記コード情報とのうち最初に一方の情報を取得したときから、所定時間以内に他方の情報を取得したことであり、
(B)は、前記コード情報は前記ユーザの操作または時間に応じて更新されるワンタイムのコード情報であり、前記第1処理情報の前記コード情報と前記第2処理情報の前記コード情報とが同様であることである、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供装置、サービス提供システム、サービス提供方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子商取引において使用可能な期間が限定されたクーポンを提供する技術が知られている。例えば、特許文献1には、商品に対して事前に設定された開始条件が満たされた場合に、当該商品に関する時限付クーポンを提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-179364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、特典の付与に関するサービスが十分でない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、特典の付与に関するサービスを充実させることができるサービス提供装置、サービス提供システム、サービス提供方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、電子決済サービスを提供するサービス提供装置であって、電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が得た前記電子決済サービスで発行されたユーザを識別可能なコード情報と、前記第1端末装置と前記サービス提供装置とを仲介する第2端末装置の管理者が利用者に付与する第1特典に関する情報とを含む第1処理情報を前記第2端末装置から取得する取得部と、前記電子決済サービスにおいて管理され、且つ記憶部に記憶された前記コード情報のアカウントに前記電子決済サービスで利用可能な前記加盟店が付与する第1特典を対応付ける付与部と、を備えるサービス提供装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、特典の付与に関するサービスを充実させることができるサービス提供装置、サービス提供システム、サービス提供方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
図4】決済サーバ100の構成図である。
図5】利用者情報202の内容の一例を示す図である。
図6】加盟店/店舗情報206の内容の一例を示す図である。
図7】特典情報208の内容の一例を示す図である。
図8】電子決済サービスを利用した電子決済が行われた場合の処理の概要を示す図である。
図9】電子決済サービスを利用した電子決済が行われた場合の処理の概要を示す図である。
図10】特典情報208を生成する処理について説明するための図である。
図11】決済処理および特典処理について説明するための図である。
図12】特典処理に係るシーケンス図である。
図13】比較例における特典の付与と電子決済とについて説明するための図である。
図14】本実施形態における特典の付与と電子決済とについて説明するための図である。
図15】電子決済サービスポイントおよび加盟店ポイントの情報を含む決済完了のコンテンツの一例を示す図である。
図16】原資について説明するための図である。
図17】ポイント精算情報210の内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明のサービス提供装置、サービス提供システム、サービス提供方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下に登場する「加盟店サーバ」、「決済サーバ」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者(クラウドサーバの提供者)と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、一以上の第2店舗端末装置70、及び加盟店サーバ80のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。第1店舗端末装置50は「第1端末装置」の一例であり、加盟店サーバ80は「第2端末装置」の一例である。
【0011】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0013】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0014】
加盟店サーバ80は、第1店舗端末装置50と通信して、第1店舗端末装置50から取得した情報を管理したり、取得した情報を決済サーバ100に送信したりする。上記の第1店舗端末装置50は、例えばPOS(Point of Sale)レジであり、加盟店サーバ80は例えばPOSレジを管理するPOSサーバである。加盟店サーバ80と第1店舗端末装置50とを含む構成を店舗システムと称することがある。
【0015】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。
【0016】
図2および図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0017】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0018】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を店舗システムの第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、コード情報であるワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、加盟店サーバ80を介して決済情報を決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17A)。次に、決済サーバ100は、電子決済に応じて特典を利用者に付与する(S17B)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0019】
特典とは、例えば、電子決済サービスで利用可能なポイントやクーポン、バウチャー、割引券などである。特典をユーザに付与するとは、ユーザのアカウント(詳細は後述)に特典を対応付ける処理が行われることである。
【0020】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDや他の利用者を識別可能な情報に基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDや他の利用者を識別可能な情報に対応する利用者を特定する。上記の処理において、コード画像に代えて、コードが表示された印刷物などからコード情報が取得されてもよい。
【0021】
[決済サーバ]
図4は、第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、付与部150と、設定部160と、情報処理部170と、記憶部200とを備える。通信部110および記憶部200以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0022】
情報管理部140は「取得部」の一例であり、付与部150は「付与部」の一例であり、設定部160は「設定部160」の一例である。
【0023】
記憶部200は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部200は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部200には、利用者情報202、コンテンツ情報204、加盟店/店舗情報206などの情報が格納される。
【0024】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0025】
コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。コンテンツ提供部120は、コンテンツ情報204から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
【0026】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報202を参照しながら決済処理を行う。
【0027】
図5は、利用者情報202の内容の一例を示す図である。利用者情報202は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報202は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、電子決済サービスポイント、加盟店ポイントなどの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0028】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0029】
電子決済サービスポイントは、電子決済サービスの電子決済に応じて提供される特典(第2特典)である。電子決済サービスポイントは、電子決済サービスが負担する原資により提供されるポイントである。加盟店ポイントは、電子決済サービスの電子決済に関わらず、加盟店における決済において提供される特典(第1特典)である。加盟店ポイントは、加盟店が負担する原資により提供されるポイントである。
【0030】
図6は、加盟店/店舗情報206の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報206は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル206Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル206Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル206Cとを含む。加盟店/店舗情報206には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0031】
情報管理部140は、利用者端末装置10や、第1店舗端末装置50、第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報202および加盟店/店舗情報206を管理する。情報管理部140は、利用者情報202および加盟店/店舗情報206について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0032】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報202を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0033】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0034】
[特典の付与]
情報管理部140は、電子決済サービスの加盟店の第1店舗端末装置50が得た電子決済サービスで発行されたユーザを識別可能なコード情報と処理情報とを含む情報(第1処理情報)を第1店舗端末装置50と決済サーバ100とを仲介する加盟店サーバ80から取得する。コード情報は、例えばコード画像が読み取られて得られた電子決済サービスで発行されたユーザを識別可能なコード情報(例えばワンタイムパスコード)である。処理情報とは、決済額や特典の内容などである。処理情報は、例えば、加盟店の管理者が利用者に付与する「第1特典に関する情報」である。
【0035】
付与部150は、電子決済サービスにおいて管理され、且つ記憶部200に記憶されたコード情報のアカウントに、電子決済サービスで利用可能な加盟店が付与する第1特典を対応付ける。第1特典は、電子決済サービスが提供する第2特典とは異なる特典である。第2特典は、電子決済サービスの電子決済が行われたことに応じて付与される特典である。第1特典は、電子決済サービスの電子決済が行われた場合に付与されてもよいし、電子決済サービスの電子決済とは異なる決済が行われた場合に付与されてもよい。異なる決済手法は、クレジットカード決済、バウチャーによる決済、現金など電子決済サービスとは異なる決済である。
【0036】
具体的には、付与部150は、電子決済に応じて電子決済サービスポイントをユーザに付与する。付与部150は、電子決済サービスの電子決済または他の決済手法の決済に基づいて加盟店ポイントをユーザに付与する。付与部150は、決済額と、加盟店に対応する予め定められた基準とに基づいて、加盟店ポイント(第1特典)を導出し、導出した加盟店ポイントをユーザのアカウントに対応付ける。決済額は、例えば電子決済を利用した決済の決済額または電子決済サービスの電子決済とは異なる決済手法を利用した決済額である。なお、付与部150は、加盟店サーバ80から決済額に代えて、付与する特典の情報(特典の内容を示す情報)を取得し、当該特典(例えば○○ポイントなど)をユーザに付与してもよい。
【0037】
付与部150は、例えば、加盟店サーバ80から取得した特典情報と、特典情報208とに基づいて、加盟店ポイントをユーザに付与する。図7は、特典情報208の内容の一例を示す図である。特典情報208は、例えば、加盟店ID(または店舗ID)と、特典付与の基準とが対応付けられた情報である。図7の例では、特典付与の基準は、決済額に対して1%をポイントとして還元することであるが、これに代えて所定のポイントや、所定のクーポンなど特典付与のルールや特典そのものであってもよい。まず、特典の付与の処理の概要については説明し、特典の付与の処理の詳細については後述する。
【0038】
(電子決済サービスの電子決済を利用する場面)
電子決済サービスを利用した電子決済が行われた場合、決済サーバ100は、電子決済サービスポイントと、加盟店ポイントとをユーザに付与する。この場合、第1店舗端末装置50が、ユーザのコード画像を1回スキャンすれば、2つの種類のポイントがユーザに付与される。図8は、電子決済サービスを利用した電子決済が行われた場合の処理の概要を示す図である。
【0039】
(電子決済サービスの電子決済を利用しない場面)
電子決済サービスとは異なる決済手法を利用した電子決済が行われた場合、決済サーバ100は、加盟店ポイントをユーザに付与する。この場合、第1店舗端末装置50が、ユーザのコード画像をスキャンし、更にユーザが異なる決済手法を利用した決済を行えば、加盟店ポイントがユーザに付与される。図9は、電子決済サービスを利用した電子決済が行われた場合の処理の概要を示す図である。
【0040】
上記のように、決済サーバ100は、コード画像を利用して、電子決済サービスポイントとは異なる加盟店ポイントをユーザに付与することができる。これにより、決済サーバ100は、特典の付与に関するサービスを充実させることができる。以下、これらの処理について具体的に説明する。
【0041】
[特典情報を生成する処理]
設定部160は、加盟店サーバ80と連携して特典情報208を生成する。設定部160は、第1店舗端末装置50または加盟店サーバ80から特典付与の基準の設定を受け付けて、受け付けた基準を加盟店に対応する特典付与の基準に設定する。図10は、特典情報208を生成する処理について説明するための図である。設定部160は、例えば、API(Application Programming Interface)として機能する機能部である。
【0042】
(1)加盟店サーバ80が、設定部160に加盟店IDおよび基準(例えば決済額に対する還元率など)を示す情報を送信すると、(2)設定部160は、加盟店IDに対して基準を設定して特典情報208を生成する。基準は加盟店のスタッフが定めた基準であり、スタッフが端末装置を操作して加盟店サーバ80に提供した基準である。(3)設定部160は、設定完了の通知を加盟店サーバ80に送信する。上記のように、加盟店は、設定部160と連携して容易に基準を設定することができる。
【0043】
[決済処理および特典処理]
決済処理部130は、加盟店サーバ80と連携して決済処理を実行する。付与部150は、加盟店サーバ80と連携して特典処理を実行する。なお、決済処理部130または付与部150は、加盟店サーバ80を介さずに第1店舗端末装置50と連携して決済処理または特典処理を実行してもよい。
【0044】
付与部150は、第1特典に関する情報が、加盟店における決済額であり、コード情報と、加盟店における決済額とを含む情報(第1処理情報)を取得した場合、電子決済サービスの電子決済を取得した情報に対して行うべきか否かを判定する。付与部150は、電子決済サービスの電子決済を取得した情報に対して行うべきと判定した場合、決済処理部130に電子決済を行わせ、コード情報のアカウントに電子決済サービスポイントおよび加盟店ポイントを対応付ける。
【0045】
付与部150は、電子決済サービスの電子決済を取得した情報に対して行うべきでないと判定した場合、電子決済サービスの電子決済を行わずに、コード情報のアカウントに電子決済サービスで利用可能な加盟店が付与する第1特典を対応付ける。付与部150は、例えば、取得した情報に含まれるフラグの種別や、取得した情報の特徴(データの形式や送信方法などの種別)などに基づいて電子決済サービスの電子決済を取得した情報に対して行うべきでないと判定する。付与部150は、例えば、取得した情報が、第1特典の付与に関するフラグを含んでいたり、予め定められた特徴を有していたりする場合、電子決済サービスの電子決済を取得した情報に対して行うべきでないと判定する。この場合、電子決済サービスの電子決済は行われずに、第1特典を付与する処理を行われる。
【0046】
図11は、決済処理および特典処理について説明するための図である。以下のように決済処理および特典付与の特典処理が実施されてもよい。(11)加盟店サーバ80が、コード情報を取得する。具体的には、第1店舗端末装置50が、ユーザが提示したコード画像からユーザを識別可能なコード情報であるワンタイムコードを取得する。ワンタイムコードは、第1店舗端末装置50から加盟店サーバ80に提供される。なお、第1店舗端末装置50は、店舗IDや、決済額なども加盟店サーバ80に送信する。(12)および(13)は決済処理であり、(14)および(15)は特典処理である。
【0047】
(12)加盟店サーバ80は、コード情報、加盟店ID、決済額、および決済指示を含む決済情報(第2処理情報)を生成して、生成した決済情報を決済サーバ100に送信する。(13)決済サーバ100は、決済情報に基づいて決済処理を行う。これにより、決済サーバ100は、ユーザが設定している決済方法を利用して電子決済サービスの電子決済を行う。この際、付与部150は、決済情報に基づいて電子決済サービスポイントをユーザに付与する。例えば、決済額に応じたポイントが付与される。ポイントに代えて(または加えて)、その他の特典(クーポンやバウチャー、割引券など)が付与されてもよい。
【0048】
(14)加盟店サーバ80は、コード情報、加盟店ID、決済額、および特典付与指示を含む特典情報(第1処理情報)を生成して、生成した特典情報を決済サーバ100に送信する。(15)決済サーバ100は、特典情報に基づいて特典処理を行う。決済サーバ100は、上述した特典情報208を参照して加盟店ポイントをユーザのアカウントに付与する。
【0049】
なお、電子決済サービスポイントは、決済処理において付与されてもよいし、決済処理とは別の処理として付与部150が付与してもよい。付与部150が、例えば、決済処理部130から決済の完了の通知を取得した場合、決済額に応じて電子決済サービスポイントを決済に係るユーザのアカウントに付与してもよい。電子決済サービスポイントも予め電子決済サービスにおいて定められた基準に基づいて付与される。
【0050】
上記のように、決済サーバ100は、決済処理と、特典処理とを別々に行う。例えば、電子決済サービスを利用した電子決済が行われた場合、決済サーバ100は、決済処理と、特典処理とを別々に行って電子決済と加盟店ポイントの付与とを行う。例えば、電子決済サービスとは異なる決済手法の決済が行い、且つユーザが加盟店ポイントの取得を希望する場合、決済サーバ100は、特典処理を行って加盟店ポイントの付与を行う。
【0051】
上記の例では、電子決済サービスの電子決済が行われる場合、決済情報と特典情報とが別々に送信されるものとして説明したが、これに代えて決済情報と特典情報とを含む情報が決済サーバ100に提供されてもよい。この場合、決済サーバ100は、取得した情報に基づいて決済処理と特典処理とを実行する。
【0052】
[シーケンス]
図12は、特典処理に係るシーケンス図である。図12の処理のうち一部の処理は省略されてもよい。第1店舗端末装置50は、決済アプリが利用者端末装置10の表示部に表示させたコード画像を読み取ってデコードし、コード情報等を取得する(S50)。第1店舗端末装置50は、コード情報、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む特典情報を生成し、生成した特典情報を加盟店サーバ80に送信する(S52)。特典情報において加盟店IDは省略されてもよい。
【0053】
加盟店サーバ80は、特典情報を取得すると、特典付与の判定を行う(S54)。特典を付与すると判定した場合、加盟店サーバ80は、特典情報を決済サーバ100に送信する(S56)。特定付与の判定は、加盟店が定めた条件に基づいて行われる。条件とは、期間や、決済額など任意の条件である。
【0054】
次に、決済サーバ100は、特典情報と、特典情報208とに基づいて、ポイントの還元率を特定して(S58)ポイントを導出し(S60)、更にポイントをユーザのアカウントに付与する(S62)。次に、決済サーバ100は、付与が完了したことの通知を決済アプリに送信する(S64)。決済アプリ20は、付与完了画面を表示部に表示させる(S66)。なお、S50のコード画像に基づいて決済処理が行われる場合、決済完了画面にポイントの付与の情報が含まれ、S64およびS66の処理は省略される。
【0055】
上記のように、決済サーバ100は、コード情報を用いて電子決済の利用の有無に関わらず、加盟店サーバ80と連携して特典をユーザに付与することができる。
【0056】
なお、決済情報と特典情報とには、決済に係る取引を特定するための取引IDが含まれていてもよい。取引IDは、例えば加盟店が決済ごとに発行・管理する識別情報である。例えば、上記の特典処理(図11の(14)または図12のステップS56)において、コード情報が決済サーバ100に提供されることに代えて(加えて)、取引IDが決済サーバ100に提供されてもよい。決済サーバ100は、特典をユーザに付与した場合、取引IDに係る特典を該当するユーザに付与したことを示す情報と、当該取引IDとを対応付けた情報を加盟店サーバ80に提供してもよい。これにより加盟店サーバ80は、取引IDに対応する加盟店の決済に対してユーザに特典が付与されたことを容易に認識することができる。
【0057】
[比較例]
図13は、比較例における特典の付与と電子決済とについて説明するための図である。Aサービスを利用した電子決済において加盟店ポイントをユーザが得たい場合の処理について説明する。この処理はセルフレジにおける処理である。まず、ユーザは、ポイント選択画面において得たいポイントを選択し、コード画像をセルフレジにキャンセルさせる。更にユーザは、支払方法を選択する。例えば、ユーザが、Aサービスの電子決済を選択した場合、先ほどと同様のコード画像をセルフレジにスキャンさせる。上記の2回のスキャンによって決済およびポイントが付与される。セルフレジに代えて、有人レジにおいても同様にポイントおよび支払方法の選択が店舗のスタッフにより実行されて決済およびポイントの付与がされる。
【0058】
上記のように、比較例では、2回のスキャンを行うことで、ユーザは、決済を行い、加盟店ポイントを得ることができる。
【0059】
[本実施形態]
図14は、本実施形態における特典の付与と電子決済とについて説明するための図である。図13の処理との相違点について説明する。まず、ユーザは、ポイント選択画面において得たいポイントを選択し、コード画像をセルフレジにキャンセルさせる。更にユーザは、支払方法を選択する。上記のスキャンの情報が、加盟店サーバおよび決済サーバ100に送信されて、決済およびポイントが付与される。
【0060】
上記のように、本実施形態では、1回のスキャンのみで、ユーザは、決済を行い、加盟店ポイントを得ることができる。
【0061】
上述したように、本実施形態では、1回のコード画像のスキャンによって、決済処理と、特典処理との一方または双方が行われるため、ユーザまたは店舗のスタッフの手間が抑制される。
【0062】
[提供されるコンテンツ]
また、上記のように、例えば、決済処理および特典処理が実行され、決済が完了した場合、決済サーバ100は、電子決済サービスポイントおよび加盟店ポイントの情報を含む決済完了のコンテンツを利用者端末装置10の表示部に表示させる。図15は、電子決済サービスポイントおよび加盟店ポイントの情報を含む決済完了のコンテンツの一例を示す図である。
【0063】
これにより、ユーザは、決済において獲得できた各種ポイントを容易に確認することができる。
【0064】
ここで、コンテンツ提供部120は、情報管理部140が取得した特典情報(第1処理情報)と決済情報(第2処理情報)とが所定の関係を有する場合、図15に示すように特典情報に基づく第1特典(例えば加盟店ポイント)を示す情報と決済情報に基づく第2特典(例えば電子決済サービスポイント)を示す情報とを含むコンテンツをユーザの利用者端末装置10の表示部に表示させる。コンテンツ提供部120は、情報管理部140が取得した特典情報と決済情報とが所定の関係を有さない場合、特典情報に基づく第1特典を示す情報を含むコンテンツと、決済情報に基づく第2特典を示す情報とを含むコンテンツとを別々にユーザの利用者端末装置10の表示部に表示させる。
【0065】
所定の関係を有するとは、電子決済サービスの加盟店の第1店舗端末装置50が1回コード画像を読み取ることで電子決済サービスによる電子決済と、第1特典をユーザに付与することとを、ユーザまたは加盟店が望むと推定される関係であって、(A)と(B)とのうち一方または双方の条件を満たすことである。
【0066】
(A)は、情報管理部140が、決済情報のコード情報と特典情報のコード情報とのうち最初に一方の情報を取得したときから、所定時間以内に他方の情報を取得したことである。この場合、前述した図8のように、1回のコード画像の提示で決済処理と、特典処理とが行われたと推定されるためです。
【0067】
(B)は、決済情報のコード情報と特典情報のコード情報とが同様であることである。上述したようにコード情報はユーザの操作(例えばリフレッシュ操作や決済アプリ20の再起動)または時間に応じて更新されるワンタイムコードである。このため、同じコード情報であれば、前述した図8のように、1回のコード画像の提示で決済処理と、特典処理とが行われたと推定されるためです。
【0068】
また、加盟店サーバ80は、特典処理に対応する決済処理または決済処理に対応する特典処理の有無を示す情報を決済情報または特典情報に含めて決済サーバ100に送信してもよい。決済サーバ100は、例えば、決済情報または特典情報に含まれる情報に基づいて、決済処理に関連する特典処理、または特典処理に関連する決済処理の有無を判定して判定の結果に基づいてコンテンツを生成する。例えば関連する処理がある場合、決済サーバ100は、特典情報に基づく第1特典を示す情報を含むコンテンツと、決済情報に基づく第2特典を示す情報とを含むコンテンツとを利用者端末装置10の表示部に表示させる。例えば関連する処理がない場合、決済サーバ100は、特典情報に基づく第1特典を示す情報を含むコンテンツと、決済情報に基づく第2特典を示す情報とを含むコンテンツとを別々に利用者端末装置10の表示部に表示させる。
【0069】
上記のように、決済サーバ100は、決済処理と特典処理との関連に基づいてコンテンツを利用者端末装置10の表示部に表示させる。これにより、ユーザには処理に応じた適切なコンテンツが提供される。
【0070】
[原資について]
加盟店ポイントの原資は、加盟店により提供される。図16は、原資について説明するための図である。加盟店は、電子決済サービスを利用した電子決済の売り上げに対する決済手数を電子決済サービスの管理者に提供する。例えば、決済サーバ100の情報処理部170は、加盟店の売り上げから決済手数料を相殺して、相殺後の売り上げの情報を加盟店サーバ80に提供する。加盟店は、ポイント付与の原資およびポイント手数料を電子決済サービスの管理者に提供する。ポイント手数料は、固定の手数料と、売り上げに対する料率に応じた手数料とのうち一方または双方である。
【0071】
情報処理部170は、図16で説明した売り上げや手数料、原資の情報を管理したり、ポイント精算情報210を生成したりする。図17は、ポイント精算情報210の内容の一例を示す図である。ポイント精算情報210は、例えば、加盟店IDに対して、加盟店の売り上げや、決済手数料、加盟店のポイント付与原資、ポイント手数料(固定、料率)、相殺後の金額などの情報が対応付けられた情報である。相殺後の金額は、売り上げから決済手数料を相殺した後の金額である。なお、ポイント付与原資が省略され、売り上げからポイント手数料が相殺されてもよい。情報処理部170は、決済ごとや、ポイント付与ごとに各種手数料を算出し、算出した手数料を管理する。情報処理部170は、所定の時期に、これまでの各種手数料やポイントなどを統合して所定の期間における売り上げ、決済手数料、ポイント手数料、相殺後の金額を算出してポイント精算情報210を生成する。このポイント精算情報210は、加盟店サーバ80に提供されてもよい。
【0072】
上記のように、情報処理部170が、売り上げや手数料などの情報を管理するため、電子決済サービスの管理者または加盟店の管理の負担が軽減される。
【0073】
以上説明した実施形態によれば、決済サーバ100が、電子決済サービスにおいて管理され、且つ記憶部200に記憶されたコード情報のアカウントに、加盟店が提供する電子決済サービスで利用可能な第1特典を対応付けることにより、特典の付与に関するサービスを充実させることができる。
【0074】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0075】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
50 第1店舗端末装置
80 加盟店サーバ
100 決済サーバ
120 コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
150 付与部
160 設定部
170 情報処理部
208 特典情報
210 ポイント精算情報
【要約】
【課題】特典の付与に関するサービスを充実させることができること。
【解決手段】電子決済サービスを提供するサービス提供装置であって、電子決済サービスの加盟店の第1端末装置が得た前記電子決済サービスで発行されたユーザを識別可能なコード情報と、前記第1端末装置と前記サービス提供装置とを仲介する第2端末装置の管理者が利用者に付与する第1特典に関する情報とを含む第1処理情報を前記第2端末装置から取得する取得部と、前記電子決済サービスにおいて管理され、且つ記憶部に記憶された前記コード情報のアカウントに前記電子決済サービスで利用可能な前記加盟店が付与する第1特典を対応付ける付与部とを備えるサービス提供装置。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17