(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】ロック解除機構、ブラケットアセンブリ、バッテリーパックのロック解除方法及びロックアップ方法
(51)【国際特許分類】
B60L 53/80 20190101AFI20240902BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240902BHJP
【FI】
B60L53/80
B60L50/60
(21)【出願番号】P 2023500327
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(86)【国際出願番号】 CN2021104808
(87)【国際公開番号】W WO2022007806
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】202010643312.X
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519236398
【氏名又は名称】奥動新能源汽車科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】AULTON NEW ENERGY AUTOMOTIVE TECHNOLOGY GROUP
【住所又は居所原語表記】Block 1, Room 606, No. 1 Yichuang Street, China-Singapore Guangzhou Knowledge City, Huangpu District, Guangzhou, Guangdong 510700, China
(73)【特許権者】
【識別番号】519236387
【氏名又は名称】上海電巴新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI DIANBA NEW ENERGY TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 1,No.4766,Jiangshan Road,Nicheng Town,Pudong New Area Shanghai 201308 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】仇 丹梁
(72)【発明者】
【氏名】周 英富
(72)【発明者】
【氏名】劉 猛
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110001596(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110626524(CN,A)
【文献】中国実用新案第208376505(CN,U)
【文献】特開平11-208287(JP,A)
【文献】国際公開第2019/024886(WO,A1)
【文献】特開2019-174474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
H01M 50/20 - 50/298
B60S 5/06
B60K 1/00 - 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車のブラケットにロックされたバッテリーパックをロック解除するために使用されるロック解除機構であって、
前記ブラケットは出入口を有し、
前記出入口はバッテリーパックがY方向
(水平方向)に沿って前記出入口を介して前記ブラケットに出入りするために使用され、前記ロック解除機構はロック解除入力部材とロック解除出力部材とを含み、前記ロック解除入力部材は、前記ブラケットの底板の下面に位置し、前記ロック解除入力部材は、外部のロック解除駆動部と接続され、且つ外部のロック解除駆動部の駆動により前記ロック解除出力部材を駆動して運動させるために使用され、前記ロック解除出力部材は、前記ブラケットにおけるロックアップ機構と接続され、且つロックアップ機構を駆動して運動させてバッテリーパックをロック解除又はロックアップするために使用され、
前記ロック解除出力部材の両端はそれぞれロックアップ機構とロック解除入力部材と移動可能に接続され、ロック解除入力部材はロック解除駆動部の駆動により
前記Y方向に沿って水平運動し、ロック解除出力部材がロックアップ機構を駆動して回転させることにより、バッテリーパックをロック解除又はロックアップすることを特徴とする、ロック解除機構。
【請求項2】
前記ロック解除入力部材には、変位制限部材が設けられており、ロック解除入力部材がブラケットに対して
前記Y方向に沿って水平移動することを制限するために使用され
ることを特徴とする、請求項1に記載のロック解除機構。
【請求項3】
前記変位制限部材は、ロック解除入力部材のZ方向
(鉛直方向)及び/又はX方向
(水平方向であって、X方向は前記Y方向と垂直する)の移動を制限するために使用されるZ方向変位制限部材及び/又はX方向変位制限部材を含み、
前記Z方向変位制限部材は、少なくとも一つの変位制限柱を含み、前記変位制限柱は、
前記X方向側面に沿って延びて突出し、ブラケットにおける第一変位制限溝に挿入するために使用され、及び/又は前記X方向変位制限部材は、少なくとも一つの変位制限ブロックを含み、前記変位制限ブロックは、
前記Z方向に沿って上向きに延びて突出し、ブラケットにおける第二変位制限溝に挿入するために使用されることを特徴とする、請求項2に記載のロック解除機構。
【請求項4】
前記ロック解除入力部材には、ロック解除駆動部がロック解除入力部材を駆動して
前記Y方向に沿って移動させるために使用される整合部材が更に設けられ
る
ことを特徴とする、請求項1~
3の少なくとも一項に記載のロック解除機構。
【請求項5】
ロック解除出力部材は少なくとも1本のコンロッドを含み、ロック解除入力部材はプッシュロッドを含み、前記コンロッドの両端はそれぞれ前記プッシュロッドと前記ロックアップ機構と移動可能に接続され
る
ことを特徴とする、請求項1に記載のロック解除機構。
【請求項6】
前記ロックアップ機構は接続部とロックアップ部とを含み、接続部の一端はロック解除出力部材と移動可能に接続され、接続部の他端はロックアップ部と固定的に接続されており、前記ロックアップ部は、前記バッテリーパックに対して反転可能なロック舌と、ロック舌を駆動して反転させるロックアップレバーとを含み、前記ロックアップレバーは前記接続部と固定的に接続され、前記ロック解除入力部材はロック解除駆動部の駆動により
前記Y方向に沿って水平移動し、ロック解除出力部材がロックアップレバーを駆動して回転させることにより、更にロック舌を駆動して反転させて、バッテリーパックをロック解除又はロックアップ
する
ことを特徴とする、請求項
5に記載のロック解除機構。
【請求項7】
前記ロック解除機構は、伝動ユニットを更に含み、前記伝動ユニットは、前記ロック解除入力部材と前記ロック解除出力部材とそれぞれ接続され、前記ロック解除駆動部は、前記ロック解除入力部材を駆動して
前記Y方向に沿って回転させ、前記伝動ユニットは、前記ロック解除駆動部が前記ロック解除入力部材を駆動して
前記Y方向に沿って回転させる時、前記ロック解除出力部材を介して前記ロックアップ機構を駆動して
前記X方向に沿って回転させるために使用されることを特徴とする、請求項
3~
6の少なくとも一項に記載のロック解除機構。
【請求項8】
前記伝動ユニットは、互いに協働するロータとスライダとを含み、ロータは、ロック解除駆動部の駆動により回転し、スライダは、ロータに設けられており、且つロータの回転時に回転軸方向に沿って移動し、ロック解除出力部材は前記スライダと固定的に接続され
る
ことを特徴とする、請求項
7に記載のロック解除機構。
【請求項9】
前記ロック解除出力部材の両端は、それぞれ前記スライダと前記ロックアップ機構と移動可能に接続されることを特徴とする、請求項
8に記載のロック解除機構。
【請求項10】
前記ロックアップ機構は接続部とロックアップ部とを含み、前記接続部の一端は前記ロックアップ部と固定的に接続され、前記接続部の他端は前記スライダと移動可能に接続されることを特徴とする、請求項
9に記載のロック解除機構。
【請求項11】
前記ロックアップ機構は、少なくとも1組の接続部とロックアップ部とを含み、複数の前記接続部は連動機構を介して接続され、前記連動機構は、互いに垂直に接続された第一コンロッドと第二コンロッドとを含み、複数の前記接続部は前記第一コンロッドと移動可能に接続され、前記第二コンロッドの両端はそれぞれ前記第一コンロッドとスライダと移動可能に接続されることを特徴とする、請求項
10に記載のロック解除機構。
【請求項12】
前記ロック解除機構はロック解除部材を更に含み、前記ロック解除部材は前記ロック解除入力部材の端部に設けられており、前記ロック解除部材は前記ロック解除入力部材とロック解除駆動部とを接続するために使用されることを特徴とする、請求項1~
11の少なくとも一項に記載のロック解除機構。
【請求項13】
前記ロック解除部材はロック解除スリーブであり、前記ロック解除スリーブの内壁は前記ロック解除駆動部の動力出力部の外壁とマッチングすることを特徴とする、請求項
12に記載のロック解除機構。
【請求項14】
ブラケットと請求項1~
13のいずれか一項に記載のロック解除機構とを含むことを特徴とする、ブラケットアセンブリ。
【請求項15】
前記ブラケットアセンブリは、ロックアップ機構を更に含み、前記ロックアップ機構は、前記ブラケットのエンドプレートの表面に設けられ
る
ことを特徴とする、請求項
14に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項16】
前記バッテリーパックは、前記ブラケットの出入口から水平方向に沿って前記ブラケットに出入りし、前記ロック解除入力部材は、前記ブラケットの出入口の下方に設けられ
る
ことを特徴とする、請求項
14又は
15に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項17】
請求項1~
13のいずれか一項に記載のロック解除機構を採用するバッテリーパックのロック解除方法であって、前記ロック解除方法は、
前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除機構のロック解除入力部材とドッキングさせるステップと、
前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除入力部材を駆動して運動させ、且つロックアップ機構を駆動してロック解除させるステップとを含むことを特徴とする、バッテリーパックのロック解除方法。
【請求項18】
前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除入力部材を駆動して運動させ、且つロックアップ機構を駆動してロック解除させるステップにおいて、具体的には、前記ロックアップ機構をロック解除するために、前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除入力部材に
前記Y方向の推力を加えることを含み、
及び/又は、前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除入力部材を駆動して運動させ、且つロックアップ機構を駆動してロック解除させるステップにおいて、前記ロックアップ機構をロック解除するために、前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除入力部材に回転力を加え、且つロック解除出力部材を駆動して
前記Y方向に沿って運動させることを更に含むことを特徴とする、請求項
17に記載のバッテリーパックのロック解除方法。
【請求項19】
請求項1~
13のいずれか一項に記載のロック解除機構を採用するバッテリーパックのロックアップ方法であって、前記バッテリーパックのロックアップ方法は、
前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除機構のロック解除入力部材とドッキングさせるステップと、
前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除入力部材を駆動して前記ロック解除機構のロック解除方向と逆方向に沿って運動させ、且つロックアップ機構を駆動してロックアップさせるステップとを含むことを特徴とする、バッテリーパックのロックアップ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は出願日が2020年7月6日である中国特許出願202010643312Xの優先権を主張する。本出願は上記中国特許出願の全文を引用する。
【0002】
本発明は、ロック解除機構、ブラケットアセンブリ、バッテリーパックのロック解除方法及びロックアップ方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、ブラケットにロックアップ機構が設けられており、ロックアップ機構によってバッテリーパックがブラケットにロックされている。ロック解除機構はバッテリーパックのアウターシェルに直接に設けられており、アウターシェルにおけるロック解除機構は外力によって押されてバッテリーパックのロック解除が実現され、頻繁にバッテリーパックのシェルに外力を加えることによってアウターシェルが変形しやすくなり、バッテリーパックのシェルの使用寿命に影響を与える。同時にサイズの大きいバッテリーパックに対して、当該方式のロック解除機構を採用すると、ロックアップ機構がバッテリーパックの両側に設けられるため、ロック解除機構とロックアップ機構との間の伝動距離が長くなり、ロック解除の成功率に影響を与える。
【0004】
バッテリーパックを交換する必要がある場合、まずロックアップ機構に外力を入力して、ロックアップ機構がバッテリーパックをロック解除するようにする。その後、電池交換設備を介してバッテリーパックをブラケットから取り外す。このロック解除プロセスは、バッテリーパックをブラケットから取り外すプロセスを煩雑にし、電池交換過程での車両の信頼性を向上させるのに役立たない。
【発明の概要】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術における車両の電池交換過程での信頼性が低いという欠陥を克服するための、ロック解除機構、ブラケットアセンブリ、バッテリーパックのロック解除方法及びロックアップ方法を提供することにある。
【0006】
本発明は、以下の技術案により、上記技術的問題が解決される。
【0007】
電気自動車のブラケットにロックされたバッテリーパックをロック解除するために使用されるロック解除機構であって、前記ロック解除機構はロック解除入力部材とロック解除出力部材とを含み、前記ロック解除入力部材は、外部のロック解除駆動部と接続され、外部のロック解除駆動部の駆動により前記ロック解除出力部材を駆動して運動させるために使用され、前記ロック解除出力部材は、前記ブラケットにおけるロックアップ機構と接続され、ロックアップ機構を駆動して運動させてバッテリーパックをロック解除又はロックアップするために使用される。
【0008】
当該ロック解除機構は、ロック解除入力部材を設けて外部のロック解除駆動部からドッキングして従動運動することにより、当該運動をロック解除出力部材を介してロックアップ機構に伝達し、ロックアップ機構を駆動して運動させてバッテリーパックをロック解除又はロックアップする目的を実現する。
【0009】
上記構造設定によれば、ロックアップ機構を駆動してバッテリーパックに対してロック解除又はロックアップさせる好ましい実施構造を提供することにより、自動ロック解除又はロックアップの目的を容易に実現し、電池交換過程でのロック解除又はロックアップの工程の信頼性を向上させる。
【0010】
好ましくは、外部のロック解除駆動部とドッキングすることを容易にするために、前記ロック解除入力部材は、前記ブラケットの底板の下面に位置する。
【0011】
好ましくは、前記ロック解除入力部材には、変位制限部材が設けられており、ロック解除入力部材がブラケットに対してY方向に沿って水平移動することを制限するために使用され、これにより、ロック解除入力部材のY方向に沿って水平移動する変位を制限して、ロック解除入力部材がロック解除駆動部の駆動によって、合理的な変位範囲内で移動することができる。
【0012】
好ましくは、前記変位制限部材は、ロック解除入力部材のZ方向及び/又はX方向の移動を制限するために使用されるZ方向変位制限部材及び/又はX方向変位制限部材を含む。
【0013】
上記構造設定によれば、ロック解除入力部材のZ方向及び/又はX方向の移動が変位制限部材によって制限され、ロック解除入力部材がロック解除駆動部の駆動により特定の方向に沿って運動することを確保して、ロック解除機構のロックアップ機構への変位の伝達の信頼性を向上させる。
【0014】
好ましくは、前記Z方向変位制限部材は、少なくとも一つの変位制限柱を含み、前記変位制限柱は、X方向側面に沿って延びて突出し、ブラケットにおける第一変位制限溝に挿入するために使用され、及び/又は前記X方向変位制限部材は、少なくとも一つの変位制限ブロックを含み、前記変位制限ブロックは、Z方向に沿って上向きに延びて突出し、ブラケットにおける第二変位制限溝に挿入するために使用される。
【0015】
上記構造設定によれば、ブラケットにおける対応する変位制限溝に変位制限柱を挿入することにより、ロック解除入力部材の特定方向に沿った移動の自由度を制限する目的を実現し、構造が簡単で補修が容易になる。同時に、対応する変位制限溝から変位制限柱を取り出すことにより、当該ロック解除入力部材の特定方向に沿った移動の自由度に対する変位制限柱の制限を容易かつ迅速に解除することができる。
【0016】
好ましくは、前記ロック解除入力部材には、ロック解除駆動部がロック解除入力部材を駆動してY軸方向に沿って移動させるために使用される整合部材が更に設けられる。
【0017】
好ましくは、前記整合部材は、X方向に沿って延びて突出するピン軸である。
【0018】
好ましくは、前記ロック解除出力部材の両端はそれぞれロックアップ機構とロック解除入力部材と移動可能に接続され、ロック解除入力部材はロック解除駆動部の駆動によりY方向に沿って水平運動し、ロック解除出力部材がロックアップ機構を駆動して回転させてバッテリーパックをロック解除又はロックアップすることにより、ロック解除駆動部のY方向に沿った水平運動を、ロックアップ解除機構を駆動してバッテリーパックをロック解除又はロックアップさせる力に変換する。
【0019】
好ましくは、ロック解除出力部材は少なくとも1本のコンロッドを含み、ロック解除入力部材はプッシュロッドを含み、前記コンロッドの両端はそれぞれ前記プッシュロッドと前記ロックアップ機構と移動可能に接続される。
【0020】
上記構造設定によれば、ロック解除出力部材のコンロッドを利用してロック解除入力部材のプッシュロッドにおける変位を伝達して、コンロッド構造を介してプッシュロッドのY方向に沿った水平運動を、ロックアップ機構を駆動してX方向を中心に回転させる運動に変換することにより、ロック解除機構のバッテリーパックをロック解除する信頼性を向上させることができる。
【0021】
好ましくは、前記ロックアップ機構は接続部とロックアップ部とを含み、接続部の一端はロック解除出力部材と移動可能に接続され、接続部の他端はロックアップ部と固定的に接続され、これにより、ロック解除出力部材の出力変位をロックアップ部に伝達し、且つロックアップ部を介してバッテリーパックをロック解除又はロックアップする。
【0022】
好ましくは、前記ロックアップ部は、前記バッテリーパックに対して反転可能なロック舌と、ロック舌を駆動して反転させるロックアップレバーとを含み、前記ロックアップレバーは前記接続部と固定的に接続され、前記ロック解除入力部材はロック解除駆動部の駆動によりY方向に沿って水平移動し、ロック解除出力部材がロックアップレバーを駆動して回転させることにより、更にロック舌を駆動して反転させ、バッテリーパックをロック解除又はロックアップする。
【0023】
上記構造設定によれば、ロックアップ部は、ロック解除出力部材の変位によりロックアップレバーの回転に変換され、これにより、ロックアップレバーに接続されたロック舌を駆動して反転させる目的を実現し、且つバッテリーパックに対して反転可能なロック舌によりバッテリーパックをロック解除又はロックアップする目的を実現する。
【0024】
好ましくは、前記接続部は、少なくとも一つの夾角を有する折り曲げ部材を含む。
【0025】
上記構造設定によれば、夾角を有する折り曲げ部材によりロック解除出力部材の変位をロックアップレバーのX方向に沿った回転に変換することにより、バッテリーパックをロック解除又はロックアップする。
【0026】
好ましくは、前記ロック解除機構は、伝動ユニットを更に含み、前記伝動ユニットは、前記ロック解除入力部材と前記ロック解除出力部材とそれぞれ接続され、前記ロック解除駆動部は、前記ロック解除入力部材を駆動してY軸方向に沿って回転させ、前記伝動ユニットは、前記ロック解除駆動部が前記ロック解除入力部材を駆動してY軸方向に沿って回転させるとき、前記ロック解除出力部材を介して前記ロックアップ機構を駆動してX軸方向に沿って回転させるために使用され、これにより、ロック解除駆動部はY軸方向に沿って回転する運動を、ロックアップ機構を駆動してバッテリーパックをロック解除又はロックアップさせる力に変換する。
【0027】
好ましくは、前記伝動ユニットは、互いに協働するロータとスライダとを含み、ロータは、ロック解除駆動部の駆動により回転し、スライダは、ロータに設けられており、且つロータの回転時に回転軸方向に沿って移動し、ロック解除出力部材は前記スライダと固定的に接続され、これにより、伝動ユニットがロック解除駆動部の回転運動を直線運動に変換し、ロック解除出力部材を駆動して直線方向に沿って移動させる。
【0028】
好ましくは、前記ロータはネジロッドを含み、前記スライダはナットを含み、前記ネジロッドは前記ロック解除入力部材に接続され、前記ナットは前記ロック解除出力部材に接続される。
【0029】
上記構造設定によれば、ネジロッドとナットとの協働を利用して、伝動ユニットは回転運動を直線運動に変換し、これにより、ロック解除入力部材の変位をロック解除出力部材に伝達する目的を実現することができる。
【0030】
同時に、ナットはネジロッドに対してセルフロック機能を有するため、ネジロッドが回転していない場合、ナットは他の外力によって移動しない。
【0031】
好ましくは、前記ロック解除出力部材の両端は、前記スライダと前記ロックアップ機構とそれぞれ移動可能に接続され、これにより、スライダの変位をロックアップ機構に伝達し、バッテリーパックをロック解除又はロックする目的を実現する。
【0032】
好ましくは、前記ロックアップ機構は接続部とロックアップ部とを含み、前記接続部の一端は前記ロックアップ部と固定的に接続され、前記接続部の他端は前記スライダと移動可能に接続され、これにより、スライダの出力変位をロックアップ部に伝達し、ロックアップ部を介してバッテリーパックをロック解除又はロックアップする。
【0033】
好ましくは、前記ロックアップ機構は、少なくとも1組の接続部とロックアップ部とを含み、複数の前記接続部は連動機構を介して接続され、前記連動機構は、互いに垂直に接続された第一コンロッドと第二コンロッドとを含み、複数の前記接続部は前記第一コンロッドと移動可能に接続され、前記第二コンロッドの両端はそれぞれ前記第一コンロッドとスライダと移動可能に接続され、これにより、スライダの変位を連動機構を介してロックアップ機構の複数の接続部及びロックアップ部に伝達する。
【0034】
好ましくは、前記ロック解除機構はロック解除部材を更に含み、前記ロック解除部材は前記ロック解除入力部材の端部に設けられており、前記ロック解除部材は前記ロック解除入力部材とロック解除駆動部とを接続するために使用される。
【0035】
好ましくは、前記ロック解除部材はロック解除スリーブであり、前記ロック解除スリーブの内壁は前記ロック解除駆動部の動力出力部の外壁とマッチングする。
【0036】
ロック解除スリーブを設けることにより、ロック解除駆動部とロック解除入力部材とのドッキングの信頼性及び成功率を向上させて、ロック解除駆動部のロック解除入力部材に対していずれも小さな位置誤差がある場合にも、ロック解除スリーブを介してドッキングを成功させることができる。
ブラケットと上記ロック解除機構とを含むブラケットアセンブリであって、
【0037】
当該ブラケットアセンブリは、ロック解除機構のロック解除入力部材を介して外部のロック解除駆動部からドッキングして従動運動することにより、当該運動をロック解除出力部材を介してロックアップ機構に伝達し、ロックアップ機構を駆動して運動させてバッテリーパックをロック解除又はロックアップする目的を実現する。上記構造設定によれば、自動ロック解除又はロックアップの目的を容易に実現し、ブラケットアセンブリの電池交換過程でのロック解除又はロックアップの工程の信頼性を向上させるための、ロックアップ機構を駆動してバッテリーパックに対してロック解除又はロックアップさせる好ましい実施構造が提供される。
【0038】
好ましくは、前記ブラケットアセンブリは、ロックアップ機構を更に含み、ロックアップ機構は、前記ブラケットのエンドプレートの表面に設けられており、これにより、バッテリーパックのバックプレートをロックして、更にバッテリーパックとブラケットとの間の位置ロックの信頼性を向上させる。
【0039】
好ましくは、前記ブラケットアセンブリは、電気接続ソケットをさらに含み、前記電気接続ソケットを前記ブラケットのエンドプレートの表面に固定することにより、バッテリーパックがY方向に沿ってブラケットに移動する過程で、バッテリーパックとブラケットアセンブリと電気的に接続する工程を同期して完了させる。
【0040】
好ましくは、前記バッテリーパックは、前記ブラケットの出入口から水平方向に沿って前記ブラケットに出入りし、前記ロック解除入力部材は、前記ブラケットの出入口の下方に設けられ、これにより、ロック解除駆動部がブラケットに接近する出入口方向に移動するとき、ロック解除入力部材とロック解除駆動部との接続を実現する。
【0041】
上記構造設定によれば、ロック解除駆動部を電池交換設備に設けることにより、電池交換設備がブラケットアセンブリに対してバッテリーパックを脱着するとき、ロック解除入力部材とロック解除駆動部との接続を同期して実現することができる。
【0042】
好ましくは、前記ブラケットの底板は、前記バッテリーパックの移動方向に沿って延びる形材を含み、前記ロック解除入力部材は前記形材内に設けることにより、底板における形材を利用してロック解除機構の主要部材を収容する目的を実現し、外部衝突による損傷からロック解除入力部材を保護し、ブラケットアセンブリのロック解除の信頼性を向上させる。
【0043】
上記ロック解除機構を採用するバッテリーパックのロック解除方法であって、前記ロック解除方法は、
前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除機構のロック解除入力部材とドッキングするステップと、
前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除入力部材を駆動して運動させ、ロックアップ機構を駆動してロック解除させるステップとを含む。
【0044】
当該ロック解除方法により、複数のブラケットに対して一つのロック解除駆動部のみを設けることにより、ブラケットがバッテリーパックをロック解除する必要がある場合に、ロック解除駆動部をロック解除入力部材にドッキングさせ、駆動部材の設置数を効果的に減らし、バッテリーパックをロック解除するための駆動部材をブラケットに設ける必要がなくなり、更に当該ブラケット及びブラケットを使用する電気自動車の構造の複雑さを簡素化し、信頼性を向上させることができる。
【0045】
好ましくは、前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除入力部材を駆動して運動させ、且つロックアップ機構を駆動してロック解除させるステップにおいて、具体的には、前記ロックアップ機構をロック解除するために、前記ロック解除駆動部を駆動して前記ロック解除入力部材にY方向の推力を加えることを含む。
【0046】
上記構造設定によれば、ロック解除駆動部は、ロック解除入力部材にY方向の推力を入力することにより、バッテリーパックをロック解除する目的を実現する。
【0047】
好ましくは、前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除入力部材を駆動して運動させ、且つロックアップ機構を駆動してロック解除させるステップにおいて、前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除入力部材に回転力を加え、且つロック解除出力部材を駆動してY方向に運動させることにより、前記ロックアップ機構をロック解除することを更に含む。
【0048】
上記構造設定によれば、ロック解除駆動部がロック解除入力部材にY方向の回転力を入力することにより、バッテリーパックをロック解除する目的を実現することができる。
【0049】
上記ロック解除機構を採用するバッテリーパックのロックアップ方法であって、前記ロックアップ方法は、
前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除機構がロック解除入力部材とドッキングするステップと、
前記ロック解除駆動部を制御して前記ロック解除入力部材を駆動して前記ロック解除機構のロック解除方向と逆方向に沿って運動させ、ロックアップ機構を駆動してロックアップさせるステップとを含む。
【0050】
当該ロックアップ方法により、複数のブラケットに対して、一つのロック解除駆動部のみを対応して設けられることでロックアップ作業を完了させることができる。具体的には、あるブラケットがバッテリーパックをロックアップする必要がある場合、ロック解除駆動部のみをロック解除入力部材にドッキングさせることで、駆動部材の設置数を効果的に減らし、バッテリーパックをロックアップするための駆動部材を別途にブラケットに設ける必要がなく、更に当該ブラケット及びブラケットを使用する電気自動車の構造の複雑さを簡素化し、信頼性を向上させることができる。
本発明の積極的な進歩及び効果は、以下の通りである。
【0051】
当該ロック解除機構、ブラケットアセンブリ、バッテリーパックのロック解除方法及びロックアップ方法は、ロック解除入力部材を介して外部のロック解除駆動部からドッキングして従動運動することにより、当該運動をロック解除出力部材を介してロックアップ機構に伝達し、ロックアップ機構を駆動して運動させてバッテリーパックをロック解除又はロックアップする目的を実現する。上記構造設定によれば、ロックアップ機構を駆動してバッテリーパックに対してロック解除又はロックアップさせるための好ましい実施構造を提供することで、自動ロック解除又はロックアップの目的を容易に実現し、ブラケットアセンブリの電池交換過程でのロック解除又はロックアップの工程の信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】本発明の実施例1に係るブラケットアセンブリとバッテリーパックとの組み合わせ関係の模式図である。
【
図2】本発明の実施例1に係るブラケットアセンブリの構造模式図(一)である。
【
図3】本発明の実施例1に係るブラケットアセンブリの構造模式図(二)である。
【
図4】本発明の実施例1に係るロック解除機構の状態模式図(一)である。
【
図5】本発明の実施例1に係るロック解除機構の正面構造模式図である。
【
図6】本発明の実施例1に係るブラケットアセンブリのエンドプレート側の部分構造模式図(一)である。
【
図7】本発明の実施例1に係るブラケットアセンブリのエンドプレート側の部分構造模式図(二)である。
【
図8】本発明の実施例1に係るロック解除機構の状態模式図(二)である。
【
図9】本発明の実施例1に係るバッテリーパックのロック解除方法のフローチャートである。
【
図10】本発明の実施例1に係るバッテリーパックのロックアップ方法のフローチャートである。
【
図11】本発明の実施例2に係るブラケットアセンブリの構造模式図(一)である。
【
図12】本発明の実施例2に係るブラケットアセンブリの構造模式図(二)である。
【
図14】本発明の実施例2に係るロック解除機構の状態模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、これによって本発明を前記実施例の範囲内に限定するものではない。
【0054】
<実施例1>
図1及び
図2に示すように、本発明は、電気自動車に取り付けるためのブラケットアセンブリ10を提供する。ブラケットアセンブリ10は、ブラケット2と、ロック解除機構1と、ロックアップ機構3とを含む。ここで、ブラケット2は、バッテリーパック200がブラケット2内の出入口2aを介して水平方向(即ち、
図1に示すY方向)に沿って当該ブラケット2に出入りする2組のロックアップ機構3を有し、2組のロックアップ機構3はブラケット2のエンドプレート22に設けられており、エンドプレート22の左右両側にそれぞれ位置して、バッテリーパック200がブラケット2に移動した後に当該バッテリーパック200のバックプレートをロックして、バッテリーパック200を当該ブラケット2に固定するために使用され、バッテリーパック200が電気自動車に取り付けられる目的を実現する。ロック解除機構1は、ロックアップ機構3に対応して設けられており、ロックアップ機構3に接続されるために使用され、ロック解除機構1は、ブラケットアセンブリ10のブラケット2にロックされたバッテリーパック200をロック解除することで、バッテリーパック200をブラケット2から離脱させる役割を果たし、これにより電気自動車に対するバッテリーパック200の脱着の目的を実現することができる。本実施例では、ロック解除機構及びロックアップ機構はそれぞれ2組設けられているが、他の実施例では、バッテリーパックの長さ寸法に応じて1組又は複数組のロック解除機構及びロックアップ機構は設けられる。
【0055】
図3に示すように、ロック解除機構1は、ブラケット2の底板21の下面に設けられており、且つY方向に沿ってブラケット2のエンドプレート22側からブラケット2の出入口2a側まで延びている。ロック解除機構1はロック解除入力部材11とロック解除出力部材12とを含み、ロック解除入力部材11は、外部に位置するロック解除駆動部(図示せず)とドッキングし、且つ外部のロック解除駆動部の駆動によりロック解除出力部材12を駆動して運動させるために使用され、ロック解除出力部材12は、ロックアップ機構3と接続され、且つロックアップ機構3を駆動して運動させて当該バッテリーパック200をロック解除又はロックアップするために使用される。
【0056】
当該ロック解除機構1は、ロック解除入力部材11を設けて外部のロック解除駆動部からドッキングして従動運動し、且つ当該運動をロック解除出力部材12を介してロックアップ機構3に伝達することにより、ロックアップ機構3を駆動して運動させてバッテリーパック200をロック解除又はロックアップする目的を実現する。上記構造設定により、ロックアップ機構3を駆動してバッテリーパック200に対してロック解除又はロックアップさせる好ましい実施構造を提供することで、自動ロック解除又はロックアップの目的を実現し、電池交換過程でのロック解除又はロックアップの工程の信頼性を向上させる。
【0057】
ここで、外部に位置するロック解除駆動部とのドッキングを容易にするように、ロック解除入力部材11は、ブラケット2の底板21の下面に設けられる。ロック解除入力部材11を、ブラケット2の出入口2aの下方に位置させることで、ブラケット2の出入口2aにロック解除駆動部が接近したときにロック解除駆動部とドッキングする目的を実現する。
【0058】
具体的には、ロック解除駆動部は、電池交換設備のバッテリートレイに取り付けられることができる。電池交換設備は、電気自動車に位置するバッテリーパックを脱着し、交換するために使用され、電池交換設備がブラケットアセンブリ10に対してバッテリーパック200を脱着するとき、そのバッテリートレイは必然的に水平移動し、ブラケット2の出入口2aに近接する。したがって、ロック解除駆動部をバッテリートレイに設けることにより、バッテリートレイのブラケット2に接近する方向への移動を利用して、ロック解除駆動部をロック解除入力部材11にドッキングさせる目的を同期して実現することができる。
【0059】
図3及び
図4に示すように、ブラケット2の底板21の下面には、バッテリーパック200の移動方向(即ち、Y方向)に沿って延びる形材211が設けられ、当該ロック解除入力部材11及びロック解除出力部材12は、いずれも形材211内に設けられ、これにより、底板21における形材211を利用してロック解除機構1の主要部材を収容する目的を実現し、外部衝突による損傷からロック解除入力部材11などの部材を保護することで、ブラケットアセンブリ10のロック解除の信頼性を向上させる。同時に、形材211は、ロック解除入力部材11を位置決めするためにも使用され、これにより、本実施例におけるロック解除入力部材11はロック解除駆動部の駆動によりY方向に沿って移動するが、X方向とZ方向に沿って位置決めを保持し、揺れないことができる。
【0060】
具体的には、本実施例は、底板21における形材211がロック解除入力部材11をブラケット2に対してY方向に沿って水平移動するように位置決めする解決策を提供し、
図4及び
図5に示すように、ロック解除入力部材11には変位制限部材111が設けられており、当該変位制限部材111が具体的には2本の変位制限柱であり、ロック解除入力部材11の側面に対してそれぞれX方向に沿って延び突起し、形材211には、Y方向に沿って延びる変位制限溝112が設けられており、二つの変位制限部材111はそれぞれ変位制限溝112内を摺動し、これにより、ロック解除入力部材11全体がブラケット2に対してY方向のみに沿って移動して、ロック解除駆動部の移動をロックアップ機構3に正確に伝達し、バッテリーパック200を正確かつ確実にロック解除又はロックアップする目的を実現する。
【0061】
同時に、ロック解除入力部材11を形材211から取り出す必要がある場合、Y方向に沿って移動するのみで、変位制限部材111を変位制限溝112から移し出せばよい。
【0062】
勿論、他の実施形態では、変位制限部材111は、Z方向又は他の方向に沿って延びて、且つ形材211における変位制限溝112内に位置決めされてもよく、同様にロック解除入力部材11のZ方向又はX方向による移動を制限する目的を実現することができる。また、変位制限部材111は、円柱状の柱構造ではなく、ブロック状の変位制限ブロック等の構造であってもよく、形材211の変位制限溝112内を摺動することにより、ロック解除入力部材11の特定方向への移動を制限する目的を実現する。
【0063】
図4に示すように、本実施例では、ロック解除出力部材12は、1本の直棒であるコンロッドを含み、当該コンロッドの両端にはヒンジ継手端が設けられており、一端はロックアップ機構3とヒンジ接続され、他端はロック解除入力部材11のプッシュロッドとヒンジ接続され(本実施例におけるプッシュロッドは、即ち、ロック解除入力部材11の本体である)、二つの変位制限部材111が何れもプッシュロッドに設けられる。ロック解除入力部材11のプッシュロッドがロック解除駆動部の駆動によりY方向に沿って水平運動する時、ロック解除出力部材12のコンロッドによって形成された連動機構により、水平変位を、ロックアップ機構3を駆動してX軸方向を中心に回転させてバッテリーパック200をロック解除又はロックアップする回転変位に変換し、これにより、ロック解除機構1を利用して、ロック解除駆動部のY方向に沿った水平運動を、ロックアップ解除機構3を駆動してバッテリーパック200をロック解除又はロックアップさせる力に変換する。
【0064】
なお、本実施例では、ロック解除入力部材11とロック解除出力部材12とは互いに接続された二つの異なる構成要素である。しかし、他の実施形態では、ロック解除入力部材11とロック解除出力部材12とは、一体成形された単一部材であってもよい。
【0065】
具体的には、本実施例におけるロックアップ機構3の構造は、
図6及び
図7に示すように、ロックアップ機構3は、接続部とロックアップ部とを含み、接続部の具体的な形態は、夾角を有する折り曲げ部材311であり、その一端はロック解除出力部材12のコンロッドに直接接続されて、ロック解除出力部材12の運動をロックアップ部に伝達するために使用され、ロックアップ部は、バッテリーパック200に対して反転可能なロック舌321と、ロック舌321を駆動して反転させるロックアップレバー322とを含む。ここで、ロックアップレバー322は折り曲げ部材311と固定的に接続され、ロック解除入力部材11はロック解除駆動部の駆動によりY方向に沿って水平移動し、ロック解除出力部材12が折り曲げ部材311とロックアップレバー322を駆動してX方向に沿って回転させることにより、更にロック舌321を駆動して反転させてバッテリーパック200をロック解除又はロックアップする。
【0066】
上記構造設定により、ロックアップ部は、ロック解除出力部材12の変位によってロックアップレバー322のX軸方向に沿った回転に変換されることで、ロックアップレバー322に接続されたロック舌321を駆動して反転させる目的を実現し、且つバッテリーパック200に対して反転可能なロック舌321を介してバッテリーパック200をロック解除又はロックアップする目的を実現する。
【0067】
ここで、ロック解除出力部材12のコンロッドの運動状態は、
図4及び
図8に示すように、ロック解除駆動部がプッシュロッドを駆動してY方向に沿ってブラケット2のエンドプレート22側に移動させる時、コンロッドがコンロッドの伝動する方式により、Y方向の変位をコンロッドのX方向の回転に変換し、これにより、
図7におけるロックアップ機構3のロックアップレバー322を駆動して回転させ、更にロックアップ機構3のロック舌321が反転でき、バッテリーパック200をロックアップ又はロック解除する目的を実現する。図から分かるように、ブラケット2の底板21側の変位をブラケット2のエンドプレート22側に伝達するために、コンロッドが直棒である。
【0068】
また、
図3に示すように、形材211の側面及びロック解除入力部材11のプッシュロッドの側面には、何れも位置決めピン(図示せず)を水平に取り付けるための位置決め孔113が設けられており、ロック解除入力部材11が形材211に対して特定の位置に位置すると、位置決めピンは、形材211とロック解除入力部材11における位置決め孔113内に同時に挿通することができ、ピン接続することにより、ロック解除入力部材11に対する形材211の位置を固定して、ロック解除入力部材11が上記特定の位置に移動した後、ブラケット2に対するロック解除入力部材11の位置を完全に固定し、これにより、ロック解除機構1は、ロックアップ機構3を駆動してバッテリーパック200をロック解除又はロックさせた後、ロック解除駆動部の撤去によりロック解除機構1が別の状態に復帰することなく、ロック解除又はロック状態を保持することができる。
【0069】
ここで、プッシュロッドに対する位置決めピンの取り付け及び取り外しは、ブラケット2の底板21上に設けられた駆動器によって実現することができる。当該駆動器は、位置決めピンを駆動して水平方向に沿って前後に運動させる役割を果たして、形材211に対するロック解除入力部材11のピン接続及び位置固定の目的を実現し、駆動器の具体的な実施構造はここではこれ以上説明しない。
【0070】
図9に示すように、本発明は、上記ロック解除機構1を採用するバッテリーパックのロック解除方法を更に提供し、当該ロック解除方法は具体的には、
ロック解除駆動部を制御してロック解除機構のロック解除入力部材とドッキングするステップS11と、
ロック解除駆動部を制御してロック解除入力部材を駆動して運動させ、且つロックアップ機構を駆動してロック解除させるステップS12とを含む。
【0071】
ブラケットアセンブリ10におけるバッテリーパック200をロック解除する必要がある場合、外部のロック解除駆動部をブラケットアセンブリ10におけるロック解除機構1のロック解除入力部材11にドッキングさせることにより、ブラケットアセンブリ10がバッテリーパック200をロック解除するための動力源を提供し、バッテリーパック200をロック解除する目的を実現する。このロック解除方法では、複数のブラケットアセンブリ10に対して一つのロック解除駆動部のみを設ける必要があり、あるブラケットアセンブリ10がバッテリーパック200をロック解除する必要がある場合に、ロック解除駆動部を当該ブラケットアセンブリ10におけるロック解除入力部材11にドッキングさせてもよく、駆動部材の設置数を効果的に減らし、且つバッテリーパック200をロック解除するための追加の駆動部材をブラケットアセンブリ10に設ける必要がなくなり、更に当該ブラケットアセンブリ10、及びブラケットアセンブリ10を使用する電気自動車の構造の複雑さを簡素化し、設備の全体的な信頼性を向上させることができる。
【0072】
当該ロック解除駆動部は、上記のように電池交換設備のバッテリートレイに直接に設けられることができ、これにより、電池交換設備の突出機構がバッテリートレイを駆動してブラケットアセンブリ10に向かって移動させる時、ロック解除駆動部がロック解除入力部材11に接近して接続を完了させる目的を同期して実現することができる。
【0073】
また、
図10に示すように、本発明は、上記ロック解除機構1を採用するバッテリーパックのロックアップ方法を更に提供し、当該ロックアップ方法は具体的には、
ロック解除駆動部を制御してロック解除機構のロック解除入力部材とドッキングするステップS21と、
ロック解除駆動部を制御してロック解除入力部材を駆動してロック解除機構のロック解除方向と逆方向に沿って運動させ、且つロックアップ機構を駆動してロックアップさせるステップS22とを含む。
【0074】
このロックアップ方法では、ブラケットアッセンブリ10に対して外部に位置するロック解除駆動部がロック解除方向と逆方向に沿ってロック解除入力部材11を駆動して運動させることにより、ロックアップ機構3がバッテリーパック200をロックアップすることができる。
【0075】
本実施例では、ロック解除駆動部がシリンダであってもよく、シリンダの駆動手段を利用してロック解除入力部材11を引っ張ってY方向に沿って移動させて、バッテリーパック200をロックアップする目的を実現し、勿論、ロック解除駆動部は、従来技術において直線運動可能の任意の機構であってもよい。
【0076】
複数のブラケットアセンブリ10に対して、ロック解除駆動部を一つのみ対応して設けることでロックアップ作業を完了させることができる。具体的には、あるブラケットアセンブリ10がバッテリーパック200をロックアップする必要がある場合、ロック解除駆動部をロック解除入力部材11にドッキングさせるのみでよく、駆動部材の設置数を効果的に減らし、且つバッテリーパック200をロックアップするための駆動部材をブラケットアセンブリ10に設ける必要がなくなり、更に当該ブラケットアセンブリ10及びブラケットアセンブリ10を使用する電気自動車の構造の複雑さを簡素化し、信頼性を向上させることができる。
【0077】
<実施例2>
図11及び
図12に示すように、本実施例は、ブラケットアセンブリ10を提供し、そのロック解除機構1の構造は、実施例1で提供されたロック解除機構1とほぼ同じであるが、相違点は以下の通りである。本実施例では、当該ブラケットアセンブリ10の外部に設けられるロック解除駆動部は、ロック解除入力部材11を駆動してY軸方向に沿って回転させる。当該ロック解除機構1は、伝動ユニット13を更に含み、伝動ユニット13は、ロック解除入力部材11とロック解除出力部材12との間に設けられており、且つロック解除入力部材11とロック解除出力部材12にそれぞれ接続され、ロック解除駆動部がロック解除入力部材11に入力したY軸方向回転を、更にロック解除出力部材12に伝達するために使用される。伝動ユニット13は、ロック解除入力部材11のY軸方向回転をロック解除出力部材12のY方向水平移動に変換することができ、これにより、ロック解除出力部材12のコンロッドを介して、上記水平移動を、ロックアップ機構3を駆動してX軸方向を中心に回転させる運動に変換して、ロックアップ機構3がバッテリーパック200をロック解除又はロックアップすることができる。具体的には、本実施例におけるロックアップ機構3の構造は、実施例1と同じであり、ここではこれ以上説明しない。
【0078】
図13及び
図14に示すように、伝動ユニット13は、具体的には、互いに協働するロータ131とスライダ132とを含む。ここで、本実施例におけるロータ131は、具体的にはネジロッドであり、それはロック解除入力部11を介してロック解除駆動部に接続されて、ロック解除駆動部の駆動により回転することができ、スライダ132は、具体的にはナットであり、それはネジロッドとネジロッド接続され、且つネジロッドが回転する時にY方向、即ちネジロッドの軸方向に沿って移動し、ナットは、ロック解除出力部材12のコンロッドと接続されて、これにより、ロック解除出力部材12を駆動して水平変位させる。ロータとブラケットとの接続・取付方法は以下の通りである。
【0079】
本実施例における伝動ユニット13は、ネジロッドとナットと協働する方式により、伝動ユニット13は回転運動を直線運動に変換し、ロック解除入力部材11の軸方向回転をロック解除出力部材12に伝達する目的を実現することができる。
【0080】
具体的には、
図14に示すように、ロック解除駆動部がロック解除入力部材11を駆動してある方向に回転させる時、ネジロッドはナットを駆動してエンドプレート22に接近する方向に移動させることができ、これにより、ロック解除出力部材12を駆動して移動させ、ロックアップ機構3を駆動してバッテリーパック200をロック解除させる目的を実現する。同時に、ロック解除駆動部がロック解除入力部材11を駆動して上記方向と逆方向に回転させる時、ネジロッドはナットを駆動してエンドプレート22に離れる方向に移動させることができ、これにより、ロック解除出力部材12を駆動して逆方向に移動させ、ロックアップ機構3を駆動してバッテリーパック200をロックアップさせる目的を実現する。
【0081】
同時に、ナットはネジロッドに対してセルフロック機能を有するため、ネジロッドが回転していない場合、ナットは他の外力によって変位することはない。即ち、本実施例のロック解除機構1は、ロック解除機構1の状態をロックするための位置決めピン等の構造を別途に設ける必要がない。
他の実施形態では、伝動ユニットはまた、軸方向回転を水平運動に変換できるギア、ラックなどの他の機構を採用することができる。
【0082】
また、
図12に示すように、本実施例におけるロックアップ機構3の数も同様に2組であり、ロックアップ機構3の各組は接続部とロックアップ部とを含み、ロック解除機構1の数は1組のみであり、2組のロックアップ機構3の接続部は連動機構を介して接続されている。具体的には、
図13を参照するように、本実施例における連動機構は、ロック解除出力部材12に形成され、具体的には互いに垂直に接続された第一コンロッド12bと第二コンロッド12cとを含み、二つのロックアップ機構3の接続部(即ち、折り曲げ部材311)がそれぞれ第一コンロッド12bと移動可能に接続され、第二コンロッド12cの一端には第一コンロッド12bをスリーブするための貫通孔が設けられており、他端にはスライダ132の突出端をスリーブするための貫通孔が設けられており、これにより、第二コンロッド12cの両端が第一コンロッド12bとスライダ132とそれぞれ移動可能な接続関係を構成して、スライダ132の変位を上記連動機構を介して同時に2組のロックアップ機構3に伝達し、1組のロック解除機構1が複数組のロックアップ機構3を駆動して同期してロック解除又はロックアップさせる目的を実現し、バッテリーパックの取り外しの効率を高めるとともに、ブラケットに取り付けられるロック解除機構の構造を簡略化し、及びブラケットアセンブリ10にドッキングする必要のあるロック解除駆動部の数を低減することができる。他の実施例では、ロックアップ機構の数は、バッテリーパックのサイズにより調整される。
【0083】
また、
図15に示すように、当該ロック解除機構1には、ロック解除スリーブ14が更に設けられており、ロック解除スリーブ14はロック解除入力部材11の端部に取り付けられ、ロック解除駆動部とドッキングするために使用され、ロック解除スリーブ14のロック解除駆動部とドッキングするために使用される端部に斜めに配置された環状のガイド斜面14aを有し、上記斜面14aを利用することにより、ロック解除駆動部をロック解除入力部材11に正確にドッキングさせてカイドすることができ、ロック解除駆動部とロック解除入力部材11とのドッキングの信頼性及び成功率を向上させ、ロック解除駆動部のロック解除入力部材11に対していずれも小さな位置誤差がある場合にも、ロック解除スリーブ14を介してドッキングを成功させることができる。他の実施形態では、ロック解除スリーブ14とロック解除駆動部とのドッキングは、ピン接続、スナップ接続などの他の接続方法であってもよい。
【0084】
ここで、本実施例におけるロック解除駆動部は、ロック解除入力部材11に回転運動を入力する必要があるため、その具体的な構造は、回転モータであってもよく、且つ回転モータの回転軸にロック解除駆動部材を設けることにより、ロック解除スリーブ14とドッキングして回転変位の入力を実現することができる。勿論、ロック解除駆動部は、従来技術における回転運動可能な任意の機構であってもよい。
【0085】
以上、本願の具体的な実施形態を説明したが、当業者であれば、これは例示に過ぎず、本願の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって規定されることを理解すべきである。当業者は、本発明の原理及び本質から逸脱することなく、これらの実施形態に対して種々な変更又は修正を加えることができるが、これらの変更及び修正は、何れも本願の保護範囲内に入るものとする。
【符号の説明】
【0086】
10 ブラケットアセンブリ
1 ロック解除機構
11 ロック解除入力部材
111 変位制限部材
112 変位制限溝
113 位置決め孔
12 ロック解除出力部材
12b 第一コンロッド
12c 第二コンロッド
13 伝動ユニット
131 ロータ
132 スライダ
14 ロック解除スリーブ
2 ブラケット
21 底板、
211 形材
22 エンドプレート
3 ロックアップ機構
311 折り曲げ部材
321 ロック舌
322 ロックアップレバー
200 バッテリーパック