(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】円筒型二次電池セルの生産装置及び円筒型二次電池セルの生産方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/167 20210101AFI20240902BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20240902BHJP
H01M 50/119 20210101ALI20240902BHJP
H01M 50/152 20210101ALI20240902BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20240902BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20240902BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20240902BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20240902BHJP
【FI】
H01M50/167
H01M50/107
H01M50/119
H01M50/152
H01M50/184 D
H01M10/04 W
H01M10/04 Z
H01M10/052
H01M10/058
(21)【出願番号】P 2023500434
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 KR2022000733
(87)【国際公開番号】W WO2022154573
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0005503
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0158065
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジュン-オー
(72)【発明者】
【氏名】シム、キュ-ホン
(72)【発明者】
【氏名】リー、セウン-テ
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-031393(JP,A)
【文献】特開平08-162074(JP,A)
【文献】実開昭56-040849(JP,U)
【文献】特開昭62-166039(JP,A)
【文献】特開2002-025870(JP,A)
【文献】特開平05-036577(JP,A)
【文献】特開昭63-299047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10
H01M 10/04-10/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体及び電解液が収容される電池缶と、前記電池缶に結合するキャッププレートと、前記電池缶と前記キャッププレートとの間に配置されるガスケットと、を含む円筒型二次電池セルの生産装置であって、
前記電池缶の端部と前記ガスケットの端部が予め設定された方向に向かうように配置され、前記キャッププレートが前記ガスケットに接触するように配置された前記円筒型二次電池セル
を収容する支持部材と、
前記支持部材によって予め設定された位置に移動した前記円筒型二次電池セルを固定する少なくとも一つの固定部材と、
前記固定部材によって固定された前記円筒型二次電池セルの上部に位置し、回転しながら前記電池缶の端部を加圧してクリンピング部を形成する成形部材と、を含
み、
前記支持部材は、
前記円筒型二次電池セルを収容する収容部と、
前記円筒型二次電池セルを前記固定部材側へ移動させる第1移動部と、を含む、円筒型二次電池セルの生産装置。
【請求項2】
前記ガスケットが前記電池缶の内側に位置して前記電池缶に接触し、前記キャッププレートが前記ガスケットの内側に位置して前記ガスケットに接触し、
前記成形部材が前記電池缶の外側を加圧する、請求項1に記載の円筒型二次電池セルの生産装置。
【請求項3】
前記電池缶には、前記ガスケットの下部で周りに沿って内側溝が形成され、
前記固定部材は、前記内側溝に挿入されて前記円筒型二次電池セルを固定する、請求項
1又は2に記載の円筒型二次電池セルの生産装置。
【請求項4】
前記固定部材は、
前記内側溝に挿入されるように形成された固定突部と、
前記固定突部に結合して前記固定突部を移動させる第2移動部と、を含む、請求項
3に記載の円筒型二次電池セルの生産装置。
【請求項5】
前記成形部材は、
前記キャッププレートに接触する支持ホルダーと、
前記支持ホルダーに回転可能に結合し、前記支持ホルダーを中心軸にして回転する回転板と、
前記回転板に結合して前記回転板と共に回転し、前記電池缶の端部を加圧して前記クリンピング部を形成する成形ローラーと、を含む、請求項1から
4のいずれか一項に記載の円筒型二次電池セルの生産装置。
【請求項6】
前記成形ローラーは、一対が備えられて前記支持ホルダーの周りに配置され、前記回転板の中心から離隔した位置で前記回転板に結合する、請求項
5に記載の円筒型二次電池セルの生産装置。
【請求項7】
前記成形ローラーは、
前記回転板に結合する連結ロッドと、
前記連結ロッドに結合し、前記支持ホルダーの周りに配置され、前記電池缶の端部を加圧する加圧ロッドと、を含む、請求項
5または
6に記載の円筒型二次電池セルの生産装置。
【請求項8】
前記加圧ロッドは、
前記連結ロッドに結合する回転軸と、
前記回転軸に結合するローラー部材と、を含む、請求項
7に記載の円筒型二次電池セルの生産装置。
【請求項9】
前記ローラー部材は、前記電池缶の端部と接触する部分に傾斜部が形成された、請求項
8に記載の円筒型二次電池セルの生産装置。
【請求項10】
前記成形部材が、金属材質で製作された、請求項1から
9のいずれか一項に記載の円筒型二次電池セルの生産装置。
【請求項11】
電極組立体及び電解液が収容される電池缶と、前記電池缶の上部に結合するキャッププレートと、前記電池缶と前記キャッププレートとの間に配置されるガスケットと、を含む円筒型二次電池セルの生産方法であって、
前記電池缶の端部と前記ガスケットの端部が予め設定された方向に向かうように配置され、前記キャッププレートが前記ガスケットに接触するように配置された前記円筒型二次電池セルが支持部材に
収容される段階と、
前記支持部材によって予め設定された位置へ移動した前記円筒型二次電池セルを固定部材が固定する段階と、
前記固定部材によって固定された前記円筒型二次電池セルの上部に成形部材が位置し、前記成形部材が回転しながら前記電池缶の端部を加圧してクリンピング部を形成する段階と、を含む、円筒型二次電池セルの生産方法。
【請求項12】
前記電池缶の端部を加圧して成形する段階は、
成形ローラーが回転板に結合して前記回転板と共に回転しながら前記電池缶の端部を加圧する段階を含む、請求項
11に記載の円筒型二次電池セルの生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒型二次電池セルの生産装置及び円筒型二次電池セルの生産方法に関し、より詳しくは、クリンピング部の形成が容易な円筒型二次電池セルの生産装置及び円筒型二次電池セルの生産方法に関する。
【0002】
本出願は、2021年1月14日出願の韓国特許出願第10-2021-0005503号及び2021年11月16日出願の韓国特許出願第10-2021-0158065号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に関する技術開発及び需要が増加するにつれ、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加しつつあり、従来、二次電池としてニッケルカドミウム電池または水素イオン電池が用いられていたが、最近は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリー効果がほとんど起こらないため充電及び放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いリチウム二次電池が広く用いられている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質及び負極活物質がそれぞれ塗布された正極板及び負極板がセパレータを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液とともに封止して収納する外装材、即ち、電池ケースと、を備える。
【0005】
リチウム二次電池は、正極、負極及びこれらの間に介されるセパレータ及び電解質で構成され、正極活物質及び負極活物質に何を使用するかによって、リチウムイオン電池(Lithium Ion Battery,LIB)、リチウムポリマー電池(Polymer Lithium Ion Battery,PLIB)などに分けられる。通常、これらのリチウム二次電池の電極は、アルミニウムまたは銅シート、メッシュ、フィルム、ホイルなどの集電体に、正極または負極活物質を塗布した後、乾燥することで形成される。
【0006】
通常、二次電池は、二次電池セルが収容される外装材の形状によって、円筒型、角形またはパウチ型に分けられ、円筒型二次電池は、複数の二次電池セルを直列または並列に接続して二次電池モジュールの形態で使用し得る。
【0007】
特許文献1を参照すると、一次クリンピング金型240が下方へ移動して一次圧力を印加し、二次クリンピング金型250が、傾斜が形成された金属缶210の上端開放部の端部211に対して二次圧力を印加することでクリンピング部201を形成している。
【0008】
しかし、前記先行文献に開示された従来技術のクリンピング金型によってクリンピング部を形成する場合、円筒型二次電池セルの大きさと厚さが増加することによって、クリンピング金型にかかる負荷が増加し、また、成形誤差も増大するという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0072990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、円筒型二次電池セルの大きさと厚さが増加する場合にも、誤差なく正確にクリンピング部を形成可能な円筒型二次電池セルの生産装置及び円筒型二次電池セルの生産方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一面によると、電極組立体及び電解液が収容される電池缶と、前記電池缶に結合するキャッププレートと、前記電池缶と前記キャッププレートとの間に配置されるガスケットと、を含む円筒型二次電池セルの生産装置であって、前記電池缶の端部と前記ガスケットの端部が予め設定された方向に向かうように配置され、前記キャッププレートが前記ガスケットに接触するように配置された前記円筒型二次電池セルが引き込まれる支持部材と、前記支持部材によって予め設定された位置に移動した前記円筒型二次電池セルを固定する少なくとも一つの固定部材と、前記固定部材によって固定された前記円筒型二次電池セルの上部に位置し、回転しながら前記電池缶の端部を加圧してクリンピング部を形成する成形部材と、を含む、円筒型二次電池セルの生産装置が提供され得る。
【0012】
また、前記ガスケットが前記電池缶の内側に位置して前記電池缶に接触し、前記キャッププレートが前記ガスケットの内側に位置して前記ガスケットに接触し、前記成形部材が前記電池缶の外側を加圧するように設けられ得る。
【0013】
そして、前記支持部材は、前記円筒型二次電池セルが引き込まれる収容部と、前記円筒型二次電池セルを前記固定部材側へ移動させる第1移動部と、を含み得る。
【0014】
また、前記電池缶には、前記ガスケットの下部で周りに沿って内側溝が形成され、前記固定部材は、前記内側溝に挿入されて前記円筒型二次電池セルを固定するように設けられ得る。
【0015】
そして、前記固定部材は、前記内側溝に挿入されるように形成された固定突部と、前記固定突部に結合して前記固定突部を移動させる第2移動部と、を含み得る。
【0016】
前記成形部材は、前記キャッププレートに接触する支持ホルダーと、前記支持ホルダーに回転可能に結合し、前記支持ホルダーを中心軸にして回転する回転板と、前記回転板に結合して前記回転板と共に回転し、前記電池缶の端部を加圧して前記クリンピング部を形成する成形ローラーと、を含み得る。
【0017】
そして、前記成形ローラーは、一対が備えられて前記支持ホルダーの周りに配置され、前記回転板の中心から離隔した位置で前記回転板に結合し得る。
【0018】
また、前記成形ローラーは、前記回転板に結合する連結ロッドと、前記連結ロッドに結合し、前記支持ホルダーの周りに配置され、前記電池缶の端部を加圧する加圧ロッドと、を含み得る。
【0019】
そして、前記加圧ロッドは、前記連結ロッドに結合する回転軸と、前記回転軸に結合するローラー部材と、を含み得る。
【0020】
また、前記ローラー部材は、前記電池缶の端部と接触する部分に傾斜部が形成され得る。
【0021】
前記成形部材は、金属材質から製作され得る。
【0022】
なお、本発明の他面によると、電極組立体及び電解液が収容される電池缶と、前記電池缶の上部に結合するキャッププレートと、前記電池缶と前記キャッププレートとの間に配置されるガスケットと、を含む円筒型二次電池セルの生産方法であって、前記電池缶の端部と前記ガスケットの端部が予め設定された方向に向かうように配置され、前記キャッププレートが前記ガスケットに接触するように配置された前記円筒型二次電池セルが支持部材に引き込まれる段階と、前記支持部材によって予め設定された位置へ移動した前記円筒型二次電池セルを固定部材が固定する段階と、前記固定部材によって固定された前記円筒型二次電池セルの上部に成形部材が位置し、前記成形部材が回転しながら前記電池缶の端部を加圧してクリンピング部を形成する段階と、を含む、円筒型二次電池セルの生産方法が提供され得る。
【0023】
なお、前記電池缶の端部を加圧して成形する段階は、成形ローラーが回転板に結合して前記回転板と共に回転しながら前記電池缶の端部を加圧する段階を含み得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施例は、円筒型二次電池セルの大きさと厚さが増加する場合にも誤差なく正確にクリンピング部を形成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置によって成形される前の一実施例の円筒型二次電池セルを示した図である。
【
図2】本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置によって成形される前の他の実施例の円筒型二次電池セルを示した図である。
【
図3】本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置において円筒型二次電池セルが支持部材に引き込まれた様子を示した図である。
【
図4】
図3において、支持部材が上昇して成形部材が一部下降した様子を示した図である。
【
図5】
図4において、固定部材が円筒型二次電池セルを固定した様子を示した図である。
【
図6】
図5において、成形部材が完全に下降して円筒型二次電池セルの下部缶の端部を回転しながら加圧してクリンピング部を形成する様子を示した図である。
【
図7】
図6において、円筒型二次電池セルのクリンピング部を成形した後、成形部材が一部上昇する様子を示した図である。
【
図8】
図7において、成形部材が完全に上昇して、固定部材が円筒型二次電池セルから分離され、支持部材が下降した様子を示した図である。
【
図9】本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置によって
図1の円筒型二次電池セルが成形された様子を示した図である。
【
図10】本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置によって
図2の円筒型二次電池セルが成形された様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0027】
図面における各構成要素またはその構成要素をなす特定部分の大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張または省略されるか、概略的に示されることがある。したがって、各構成要素の大きさは、実際の大きさを完全に反映することではない。本発明に関連する公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不要にぼやかすと判断される場合、その説明を略する。
【0028】
本明細書において使用される「結合」、「接続」という用語は、一つの部材と他の部材とが直接結合するか、または直接接続する場合のみならず、一つの部材が接続部材を介して他の部材に間接的に結合するか、または間接的に接続する場合も含む。
【0029】
図1は、本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置によって成形される前の一実施例の円筒型二次電池セルを示した図であり、
図2は、本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置によって成形される前の他の実施例の円筒型二次電池セルを示した図であり、
図3は、本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置において円筒型二次電池セルが支持部材に引き込まれた様子を示した図であり、
図4は、
図3において支持部材が上昇し、成形部材が一部下降した様子を示した図であり、
図5は、
図4において固定部材が円筒型二次電池セルを固定した様子を示した図であり、
図6は、
図5で成形部材が完全に下降して円筒型二次電池セルの下部缶の端部を回転しながら加圧してクリンピング部を形成する様子を示した図であり、
図7は、
図6において円筒型二次電池セルのクリンピング部を成形した後、成形部材が一部上昇する様子を示した図であり、
図8は、
図7において成形部材が完全に上昇し、固定部材が円筒型二次電池セルから分離し、支持部材が下降した様子を示した図であり、
図9は、本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置によって
図1の円筒型二次電池セルが成形された様子を示した図であり、
図10は本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置によって
図2の円筒型二次電池セルが成形された様子を示した図である。
【0030】
図1及び
図9を参照すると、円筒型二次電池セル400は、電極組立体及び電解液が収容される電池缶410と、電池缶410に結合するキャッププレート420と、電池缶410とキャッププレート420との間に配置されるガスケット430と、を含む。
【0031】
そして、
図1のように電池缶410とキャッププレート420との間にガスケット430が配置された状態で電池缶410の端部とガスケット430の端部が共に曲げられて
図9のようにクリンピング部440を形成し、これによって円筒型二次電池セル400が密封され得る。
【0032】
そして、
図1を参照すると、円筒型二次電池セル400の電池缶410には、ガスケット430の下部に、周りに沿って内側溝411が形成される。
【0033】
図2及び
図10の円筒型二次電池セル400は、
図1及び
図9の円筒型二次電池セル400の変形実施例であって、
図2及び
図10を参照すると、正極端子450がクリンピング部440の反対方向に形成されている。
【0034】
図2及び
図10を参照すると、正極端子450は、端子挿入部451を備え得る。端子挿入部451は、電池缶410の閉鎖部412に形成された貫通孔を通して電池缶410内に挿入され、下端部が集電板470の中央部と電気的に接続され得る。電気的接続は、溶接によって行われ得る。溶接は、レーザー溶接、超音波溶接、抵抗溶接などであり得る。
【0035】
端子挿入部451は、電池缶410とインシュレータ480を共に貫通して集電板470と結合し得る。端子挿入部451の下側端部がコーキングジグによって加圧されながら電池缶410の上端部の内側面に向かって正極端子450がリベッティングされながら貫通孔に堅固に固定され得る。
【0036】
即ち、端子挿入部451の下側の周辺端部は、コーキングジグの適用によって電池缶410の内側面に向かって曲げられた形態を有し得る。このために、端子挿入部451の端部の最大幅は、端子挿入部451の貫通によって形成された電池缶410のホールの最大幅よりも大きく形成され得る。
【0037】
正極端子450のリベッティング構造は、一側が開放された円筒型の電池缶410と、電池缶410の底部に形成された貫通孔を通じてリベッティングされた正極端子450と、正極端子450と貫通孔との間に介在されたリベットガスケット460と、を含み得る。
【0038】
リベットガスケット460は、絶縁性及び弾性を有する高分子樹脂からなり得る。一例で、リベットガスケット460は、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化エチレンなどからなり得るが、これらに限定されない。
【0039】
一方、他の実施形態として、端子挿入部451は、電池缶410の内側面に向かって曲げられた形態を有さないこともある。例えば、端子挿入部451は、電池缶410の上面のほぼ中心部に位置したホールを貫通するほぼ円筒状であり得る。
【0040】
ここで、端子挿入部451は、その平面形状が円形であり得るが、これに限定されない。端子挿入部451は、選択的に、角形、星形状、中央から延びるレッグを備える形状などであり得る。
【0041】
正極端子450の端子挿入部451は、インシュレータ480の中心ホールを貫通し得る。そして、インシュレータ480の中心ホールの直径は、端子挿入部451の直径よりも大きいか、または同一に設けられ得る。そして、正極端子450の端子挿入部451は、インシュレータ480の中心ホールを貫通して集電板470と電気的に結合し得る。
【0042】
インシュレータ480は、電池缶410と電極組立体との間、または電極組立体の上部の集電板470と電池缶410との間に介在される。
【0043】
電池缶410には、ビーディング部となる内側溝411とクリンピング部440が形成され得る。内側溝411は、電池缶410の外周面の周りが内側へ凹んで形成される。
【0044】
内側溝411は、電池缶410の幅とほぼ対応するサイズを有する電極組立体が電池缶410から抜け出ないように電極組立体を支持し、キャッププレート420が配設される支持部としても機能できる。また、内側溝411は、ガスケット430の外表面を支持する。
【0045】
図10を参照すると、クリンピング部440は、電池缶410の内側へ延びて折り曲げられ、ガスケット430と共にキャッププレート420の端部を囲んで固定するように設けられる。ここで、クリンピング部440は、電池缶410の配置状態を基準にして正極端子450の反対側に形成され得る。
【0046】
下部集電板490は、電極組立体の下部に結合する。下部集電板490は、アルミニウム、スチール、銅、ニッケルなどの導電性金属材質からなり、電池缶410と電気的に接続される。このために、下部集電板490は、端部の少なくとも一部が電池缶410の内側面とガスケット430との間に介在されて固定され得る。
【0047】
一実施例で、下部集電板490の端部の少なくとも一部は、電池缶410に形成された内側溝411の下端面に支持された状態で溶接によって内側溝411に固定され得る。変形実施例で、下部集電板490の端部の少なくとも一部は、電池缶410の内壁面に直接的に溶接され得る。
【0048】
一方、本明細書で本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置10は、
図1の円筒型二次電池セル400または
図2の円筒型二次電池セル400が密封されように電池缶410の端部とガスケット430の端部を共に成形してクリンピング部440を形成するように設けられる。
【0049】
図面を参照すると、本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置10は、支持部材100と、固定部材200と、成形部材300と、を含む。以下、
図3~
図8の場合、
図2の円筒型二次電池セル400が引き込まれて成形されることについて説明する。但し、
図1の円筒型二次電池セル400も、本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置10によって生産可能であることを明らかにする。
【0050】
支持部材100には、円筒型二次電池セル400が引き込まれる。ここで、円筒型二次電池セル400は、
図2と同様に、電池缶410の端部とガスケット430の端部が予め設定された方向、例えば、上方に向かうように配置され、キャッププレート420がガスケット430に接触するように配置された状態で支持部材100に引き込まれる。ここで、ガスケット430が電池缶410の内側に位置して電池缶410に接触し、キャッププレート420がガスケット430の内側に位置してガスケット430に接触するように構成される。
【0051】
即ち、支持部材100には、クリンピング部440が形成される前の円筒型二次電池セル400が引き込まれる。
【0052】
支持部材100は、収容部110と、第1移動部120と、を含む。収容部110は、内側に空間が形成され、その空間に円筒型二次電池セル400が引き込まれる。そして、第1移動部120は、円筒型二次電池セル400を固定部材200側へ移動させるように設けられる。
図3及び
図4を参照すると、例えば、第1移動部120は、円筒型二次電池セル400を上方へ移動させ得る。ここで、第1移動部120は、各種モーターまたは油圧ポンプを含んで構成され得る。
【0053】
第1移動部120には、両側端部に一対の突部121が形成され得る。一対の突部121の間には、予め設定された空間122が形成され得る。そして、
図2の円筒型二次電池セル400の正極端子450が前記空間122に引き込まれるように設けられ得る。このように、正極端子450が前記空間122に引き込まれると、正極端子450と第1移動部120の干渉を防止でき、第1移動部120によって正極端子450が加圧されないため、正極端子450の破損が防止できる。
【0054】
固定部材200は、支持部材100によって予め設定された位置、例えば、
図4及び
図5のように上方へ移動した円筒型二次電池セル400を固定する。
【0055】
固定部材200は、電池缶410の内側溝411に挿入されることで円筒型二次電池セル400を固定する。ここで、固定部材200は一つ以上が備えられ、例えば、4個の固定部材200が電池缶410の内側溝411の4ヶ所を加圧して固定するように設けられ得る。
【0056】
固定部材200は、固定突部210と、第2移動部220と、を含み得る。固定突部210は、電池缶410の内側溝411に挿入されるように形成され、電池缶410の内側溝411に挿入されて円筒型二次電池セル400を固定する。そして、第2移動部220は、固定突部210に結合して固定突部210を移動させるように設けられる。第2移動部220は、各種モーターまたは油圧ポンプを含んで構成され得る。
【0057】
図6を参照すると、成形部材300は、固定部材200によって固定された円筒型二次電池セル400の上部に位置し、成形部材300が回転しながら電池缶410の端部を加圧して
図10のようにクリンピング部440を形成する(
図9も、
図10と同様の方式でクリンピング部440が形成される)。即ち、成形部材300が回転しながら電池缶410の外側を加圧すると、電池缶410の端部とガスケット430の端部が共に曲げられてクリンピング部440が形成される。
【0058】
成形部材300は、支持ホルダー310と、回転板320と、成形ローラー330と、を含む。
【0059】
支持ホルダー310は、キャッププレート420に接触する。支持ホルダー310は、回転板320に対して中心軸として作用し、キャッププレート420に接触されているため、キャッププレート420との摩擦を考慮して支持ホルダー310が回転しないように構成される。
【0060】
回転板320は、支持ホルダー310に回転可能に結合し、支持ホルダー310を中心軸にして回転する。回転板320と支持ホルダー10との間には、ベアリングが結合し得る。支持ホルダー310が固定された状態で回転板320が回転する方式は多様であり、例えば、回転板320の外周面に歯車の歯(図示せず)が形成され、その歯車の歯(図示せず)に噛み合うモーター(図示せず)が備えられ、モーター(図示せず)の回転力によって回転板320が回転するように構成され得る。
【0061】
但し、このような方式は一実施例に過ぎず、回転板320が回転する方式は多様である。
【0062】
成形ローラー330は、回転板320に結合して回転板320と共に回転し、電池缶410の端部を加圧してクリンピング部440を形成する。
【0063】
図6を参照すると、成形ローラー330は一対が備えられ、支持ホルダー310の周りに配置され、回転板320の中心から離隔した位置で回転板320に結合する。
【0064】
図3を参照すると、成形ローラー330は、連結ロッド331と、加圧ロッド332と、を含む。
【0065】
連結ロッド331は、回転板320の中心から離隔した位置で回転板320に結合する。そして、連結ロッド331は、回転板320の回転によって共に回転する。
【0066】
加圧ロッド332は、連結ロッド331に結合し、支持ホルダー310の周りに配置され、電池缶410の端部を加圧する。即ち、加圧ロッド332は、連結ロッド331の回転によって共に回転しながら電池缶410とガスケット430を成形することでクリンピング部440を形成する。
【0067】
加圧ロッド332は、回転軸335と、ローラー部材336と、を含み得る。回転軸335は、連結ロッド331に結合して回転する。そして、ローラー部材336は、回転軸335に結合して回転軸335の回転によって共に回転する。
【0068】
ローラー部材336は、回転板320が支持ホルダー310を中心軸にして回転する場合、回転板320と共に回転するように設けられ得る。この場合、
図3を基準にしてローラー部材336が水平方向へ回転する。
【0069】
そして、ローラー部材336は、回転軸335の回転によって共に回転するように設けられ得る。この場合、
図3を基準にしてローラー部材336が垂直方向へ回転する。
【0070】
即ち、ローラー部材336は、
図3を基準にして水平方向または垂直方向へ回転し得る。
【0071】
図3及び
図6を共に参照すると、ローラー部材336は、電池缶410の端部と接触する部分に傾斜部337が形成され得る。ローラー部材336の傾斜部337が電池缶410の端部と接触して電池缶410を加圧する。このように、ローラー部材336に傾斜部337が形成されると、電池缶410とガスケット430を容易に曲げることができる。
【0072】
そして、成形部材300は、電池缶410とガスケット430を成形するための剛性が必要であることから、多様な種類の金属材質から製作され得る。但し、成形部材300の材質が金属材質に限定されることではない。
【0073】
一方、下記の本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産方法で説明した部分と共通する説明は、本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置10にも適用可能である。
【0074】
以下、図面を参照して本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産方法の作用及び効果について説明する。但し、本発明の一実施例による円筒型二次電池セルの生産装置10で説明した部分と共通する説明は、前述した説明を代わりにする。
【0075】
図3を参照すると、電池缶410の端部とガスケット430の端部が予め設定された方向、例えば、
図2のように上方に向かうように配置され、キャッププレート420がガスケット430に接触するように配置された円筒型二次電池セル400が支持部材100に引き込まれる。
【0076】
図4を参照すると、成形部材300が下降し、予め設定された位置まで、例えば、固定部材200の位置まで支持部材100が上方へ移動する。
【0077】
図5を参照すると、固定部材200が円筒型二次電池セル400の外側から内側へ移動して電池缶410の内側溝411に接触して円筒型二次電池セル400を固定する。
【0078】
図6を参照すると、成形部材300が完全に下降して固定部材200によって固定された円筒型二次電池セル400の上部に位置する。ここで、成形部材300の支持ホルダー310がキャッププレート420に接触する。そして、成形部材300が回転しながら電池缶410の端部を加圧してクリンピング部440を形成する。即ち、成形ローラー330が回転板320に結合して回転板320と共に回転しながら電池缶410の端部を加圧して
図10のようにクリンピング部440を形成する。
【0079】
図7を参照すると、クリンピング部440の成形が完了して成形部材300が上昇する。
【0080】
図8を参照すると、成形部材300と固定部材200も元の位置へ戻り、支持部材100も下降して元の位置に戻る。この状態で円筒型二次電池セル400が支持部材100から引き出される。
【0081】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能である。