(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】サービス需要ポテンシャル予測装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0204 20230101AFI20240902BHJP
【FI】
G06Q30/0204
(21)【出願番号】P 2023546815
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(86)【国際出願番号】 JP2022028215
(87)【国際公開番号】W WO2023037766
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2024-02-19
(31)【優先権主張番号】P 2021147670
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】横山 啓太
(72)【発明者】
【氏名】篠田 謙司
(72)【発明者】
【氏名】田中 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】勝丸 徳浩
(72)【発明者】
【氏名】吉田 祥平
【審査官】橋沼 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-139036(JP,A)
【文献】特開2015-049820(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0025975(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象とする自社サービス、およびサービス提供実績数に関する前記自社サービスとの相対的な比率を示す相対化指標の算出に用いる他社サービス、の各々について、前記サービス提供実績数を予め定められたエリアごとに取得する取得部と、
取得された前記自社サービスおよび前記他社サービスについてのエリアごとの前記サービス提供実績数に基づき、前記他社サービスに対する前記自社サービスの前記相対化指標をエリアごとに算出する算出部と、
算出されたエリアごとの前記相対化指標を含む情報に基づき、前記自社サービスのサービス提供実績数が相対的に優位となっている優位エリアを選定する選定部と、
選定された前記優位エリアの特性を表す特徴量を説明変数とし、選定された前記優位エリアにおける前記自社サービスのサービス提供実績数を目的変数とする機械学習を行い、前記優位エリアにおけるサービス提供の需要を予測するための機械学習モデルを構築する構築部と、
構築された前記機械学習モデルに、前記優位エリアでないエリアである非優位エリアの特性を表す特徴量を入力することで、当該非優位エリアが優位エリアであると仮定した場合の前記自社サービスのサービス提供予測数を予測し、得られた前記サービス提供予測数を当該非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとする予測部と、
を備えるサービス需要ポテンシャル予測装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記自社サービスおよび前記他社サービスの各々について、サービスを利用するユーザのユーザ属性情報をエリアごとにさらに取得し、
前記算出部は、取得された前記ユーザ属性情報および前記サービス提供実績数に基づき、対象とする対象ユーザ属性についての前記相対化指標をエリアごとに算出し、
前記選定部は、前記対象ユーザ属性についてのエリアごとの前記相対化指標を含む情報に基づき、前記対象ユーザ属性についての前記優位エリアを選定し、
前記構築部は、前記対象ユーザ属性についての前記優位エリアの特性を表す特徴量を説明変数とし、前記対象ユーザ属性についての前記優位エリアにおける前記自社サービスのサービス提供実績数を目的変数とする機械学習を行い、前記対象ユーザ属性についての前記優位エリアにおけるサービス提供の需要を予測するための機械学習モデルを構築し、
前記予測部は、構築された前記機械学習モデルに、前記対象ユーザ属性についての前記非優位エリアの特性を表す特徴量を入力することで、当該非優位エリアが優位エリアであると仮定した場合の前記自社サービスのサービス提供予測数を予測し、得られた前記サービス提供予測数を、前記対象ユーザ属性についての当該非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとする、
請求項1に記載のサービス需要ポテンシャル予測装置。
【請求項3】
前記予測部は、
前記非優位エリアにおける前記サービス需要ポテンシャル、および、当該非優位エリアにおける前記サービス需要ポテンシャルと前記サービス提供実績数との差分、のうち少なくとも1つを出力する、
請求項
1に記載のサービス需要ポテンシャル予測装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記相対化指標として、
(他社サービスのサービス提供実績数と自社サービスのサービス提供実績数との和)に対する自社サービスのサービス提供実績数の比率を、エリアごとに算出する、
請求項
1に記載のサービス需要ポテンシャル予測装置。
【請求項5】
前記選定部は、算出されたエリアごとの前記相対化指標と、(予め取得された自社サービスと他社サービスとを合わせた合算市場占有率)との乗算結果が、予め定められた閾値を上回るエリアを、前記優位エリアとして選定する、
請求項
1に記載のサービス需要ポテンシャル予測装置。
【請求項6】
前記選定部は、全エリアにおける前記自社サービスのサービス提供実績数および全エリアにおける前記他社サービスのサービス提供実績数に基づき、全エリアにおける前記他社サービスに対する前記自社サービスの相対的な比率を示す基準相対化指標を算出し、前記エリアごとの前記相対化指標が、(前記基準相対化指標と予め定められた閾値調整のための係数との乗算結果)を上回るエリアを、前記優位エリアとして選定する、
請求項
1に記載のサービス需要ポテンシャル予測装置。
【請求項7】
前記選定部は、算出されたエリアごとの前記相対化指標が予め定められた閾値を上回るエリアを、前記優位エリアとして選定する、
請求項
1に記載のサービス需要ポテンシャル予測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、あるサービスに対する需要が現状よりもさらにどれだけ増える可能性があるかを示す指標(以下「サービス需要ポテンシャル」と称する)を、予め定められたエリアごとに予測するサービス需要ポテンシャル予測装置に関する。
【0002】
なお、本開示における「エリア」としては、例えば、東西南北に沿った境界線により分割され形成された長方形のエリア、基地局により管理される在圏エリアなど、さまざまなエリアを採用することができ、エリアの形状およびサイズはさまざまに設定可能とされている。
【背景技術】
【0003】
あるサービスをエリア展開して提供する企業には、当該サービスに関するサービス需要ポテンシャルをエリアごとに予測し、予測結果に基づきサービス需要ポテンシャルが高いエリアに的を絞って上記サービス提供の営業活動を行う等の戦略的営業活動を実践したいというニーズがある。上記のようにサービス需要ポテンシャルをエリアごとに予測する技術は、例えば、下記の特許文献1で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際に、エリア展開してサービスを提供する業態を想定した場合、同じエリアで同様のサービスを提供する競合他社(特に、サービス提供実績、企業規模等が自社とほぼ同じ競合他社)が存在することが殆どであり、自社のサービス提供に係る情報のみでなく、競合他社のサービス提供に係る情報も考慮して、サービス需要ポテンシャルを予測するのが望ましいが、特許文献1では競合他社の情報は考慮されていない。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するために成されたものであり、自社のサービス提供に係る情報のみでなく、競合他社のサービス提供に係る情報も考慮してサービス需要ポテンシャルをエリアごとに精度良く予測することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るサービス需要ポテンシャル予測装置は、対象とする自社サービス、およびサービス提供実績数に関する前記自社サービスとの相対的な比率を示す相対化指標の算出に用いる他社サービス、の各々について、前記サービス提供実績数を予め定められたエリアごとに取得する取得部と、取得された前記自社サービスおよび前記他社サービスについてのエリアごとの前記サービス提供実績数に基づき、前記他社サービスに対する前記自社サービスの前記相対化指標をエリアごとに算出する算出部と、算出されたエリアごとの前記相対化指標を含む情報に基づき、前記自社サービスのサービス提供実績数が相対的に優位となっている優位エリアを選定する選定部と、選定された前記優位エリアの特性を表す特徴量を説明変数とし、選定された前記優位エリアにおける前記自社サービスのサービス提供実績数を目的変数とする機械学習を行い、前記優位エリアにおけるサービス提供の需要を予測するための機械学習モデルを構築する構築部と、構築された前記機械学習モデルに、前記優位エリアでないエリアである非優位エリアの特性を表す特徴量を入力することで、当該非優位エリアが優位エリアであると仮定した場合の前記自社サービスのサービス提供予測数を予測し、得られた前記サービス提供予測数を当該非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとする予測部と、を備える。
【0008】
上記のサービス需要ポテンシャル予測装置では、取得部が、対象とする自社サービスおよび上記他社サービスの各々について、サービス提供実績数を予め定められたエリアごとに取得し、算出部が、取得された自社サービスおよび他社サービスについてのエリアごとのサービス提供実績数に基づき、他社サービスに対する自社サービスの相対化指標をエリアごとに算出し、選定部が、算出されたエリアごとの相対化指標を含む情報に基づき、自社サービスのサービス提供実績数が相対的に優位となっている優位エリアを選定し、そして、構築部が、選定された優位エリアの特性を表す特徴量を説明変数とし、選定された優位エリアにおける自社サービスのサービス提供実績数を目的変数とする機械学習を行い、優位エリアにおけるサービス提供の需要を予測するための機械学習モデルを構築する。以上のようにして、優位エリアにおけるサービス提供の需要を予測するための機械学習モデルを構築した後、予測部が、上記機械学習モデルに、非優位エリアの特性を表す特徴量を入力することで、当該非優位エリアが優位エリアであると仮定した場合の自社サービスのサービス提供予測数を予測し、得られたサービス提供予測数を当該非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとする。以上により、自社のサービス提供に係る情報のみでなく、競合他社のサービス提供に係る情報も考慮してサービス需要ポテンシャルをエリアごとに精度良く予測することができる。また、サービス提供の需要予測のための詳細且つ大量のデータを用いることなく、自社サービスと他社サービスについてのエリアごとのサービス提供実績数に基づき得られるエリアごとの相対化指標を用いて、上記のように比較的簡易にサービス需要ポテンシャルを予測することができる。
【0009】
なお、「サービス」としては、例えば、発明の実施形態にて述べる電子的な決済サービスが該当し、また、これ以外にも、エリアに根差したサービス(例えば自転車のシェアリングサービス、タクシーの配車サービスなど)が挙げられる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、自社のサービス提供に係る情報のみでなく、競合他社のサービス提供に係る情報も考慮してサービス需要ポテンシャルをエリアごとに精度良く予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1および第2実施形態に係るサービス需要ポテンシャル予測装置の機能ブロック構成図である。
【
図2】構築部による機械学習および予測部による機械学習モデルを用いたサービス需要ポテンシャルの予測を説明するための図である。
【
図3】第1実施形態に係るサービス需要ポテンシャル予測装置において実行される処理を示すフロー図である。
【
図4】(a)は、優位エリアと非優位エリア、およびこれら各エリアにおける自社サービスAのサービス提供実績数を示す図であり、(b)は、非優位エリアにおける自社サービスAのサービス提供実績数を示す図であり、(c)は、非優位エリアにおける自社サービスAのサービス需要ポテンシャルの予測値を示す図である。
【
図5】第2実施形態に係るサービス需要ポテンシャル予測装置において実行される処理を示すフロー図である。
【
図6】サービス需要ポテンシャル予測装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照しながら本開示に係る発明の実施形態を説明する。以下では、第1実施形態として、ユーザ属性を限定することなく、自社サービスのサービス提供実績数が相対的に優位なエリア(以下「優位エリア」という)ではないエリア(以下「非優位エリア」という)を選定し、当該非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルを予測する実施形態を説明し、第2実施形態として、対象とする対象ユーザ属性についての非優位エリアを選定し、対象ユーザ属性についての当該非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルを予測する実施形態を説明する。これら第1、第2実施形態では、対象とする「サービス」として、電子的な決済サービスを提供する例を説明し、自社が提供する決済サービスを「自社サービスA(又は、サービスA)」と称し、競合他社が提供する決済サービスを「他社サービスB(又は、サービスB)」と称する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0013】
[第1実施形態]
図1に示すように、サービス需要ポテンシャル予測装置10は、取得部11、算出部12、選定部13、構築部14、および予測部15を備える。以下、各部の機能について説明する。
【0014】
取得部11は、対象とする自社サービス、およびサービス提供実績数に関する自社サービスとの相対的な比率を示す相対化指標の算出に用いる他社サービス、の各々について、サービス提供実績数を予め定められたエリアごとに取得する機能部である。なお、「サービス提供実績数」としては、ユーザが決済サービスにおいて決済処理を実行した回数に関するアプリケーション統計情報、又は、ユーザが決済サービスを利用するためのアプリケーションを起動した回数に関するアプリケーション統計情報などが挙げられる。このようにユーザを識別しない形で取得されたアプリケーション統計情報を「サービス提供実績数」として用いる。なお、便宜上、上記の決済処理を実行した回数に関するアプリケーション統計情報を以下「決済回数」と略称し、上記のアプリケーションを起動した回数に関するアプリケーション統計情報を以下「アプリ起動回数」と略称する。以下では、「サービス提供実績数」として「決済回数」を用いた例を説明する。
【0015】
算出部12は、取得された自社サービスおよび他社サービスについてのエリアごとのサービス提供実績数に基づき、他社サービスに対する自社サービスの相対化指標をエリアごとに算出する機能部である。あるエリアにおける上記相対化指標を算出する際に、算出部12は、(自社サービスのサービス提供実績数/(自社サービスのサービス提供実績数+他社サービスのサービス提供実績数))を算出し、当該エリアにおける相対化指標とする。上記以外に、例えば(自社サービスのサービス提供実績数/他社サービスのサービス提供実績数)を算出し、当該エリアにおける相対化指標とする方法も採用しうる。ただし、(自社サービスのサービス提供実績数/他社サービスのサービス提供実績数)の場合には、相対化指標が非常に大きい値になる可能性があるのに対し、(自社サービスのサービス提供実績数/(自社サービスのサービス提供実績数+他社サービスのサービス提供実績数))を相対化指標とする方法では、相対化指標が0以上1以下の範囲内の値となるため、相対化指標の取り扱いが容易になるという利点がある。
【0016】
選定部13は、算出されたエリアごとの相対化指標を含む情報に基づき、自社サービスのサービス提供実績数が相対的に優位となっている優位エリアを選定する機能部である。選定部13による選定方法はさまざまな方法を採り得るが、後に3つの選定方法を例示する。
【0017】
構築部14は、
図2に示すように、選定された優位エリアの特性を表す特徴量を説明変数とし、選定された優位エリアにおける自社サービスのサービス提供実績数(ここでは、例えば優位エリアにおける自社サービスのサービス決済回数)を目的変数とする機械学習を行い、優位エリアにおけるサービス提供の需要を予測するための機械学習モデルMを構築する機能部である。上記の説明変数とされる「優位エリアの特性を表す特徴量」としては、例えば、(a)端末の位置情報、在圏情報等に基づき時間単位で集約される優位エリアにおける性年代別の日中夜間人口、(b)優位エリアに位置する決済対応加盟店の店舗数、(c)優位エリアのエリア特性(例えば、商業地、住宅地、工業地域、都心、郊外等のエリア特性)を示す特徴量などが例示される。また、ここでは、構築部14が、構築した機械学習モデルMを保管・管理する例を示すが、サービス需要ポテンシャル予測装置10が備える別の機能部によって、機械学習モデルMを保管・管理してもよい。
【0018】
予測部15は、
図2に示すように、構築された機械学習モデルに、優位エリアでないエリアである非優位エリアの特性を表す特徴量を入力することで、当該非優位エリアが優位エリアであると仮定した場合の自社サービスのサービス提供予測数を予測し、得られたサービス提供予測数を当該非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとする機能部である。さらに、予測部15は、予測で得られた非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルを出力する(例えばディスプレイに表示出力する)機能を備える。なお、予測部15は、さらに、非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとサービス提供実績数との差分を算出し、得られた差分を、非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとともに両方出力してもよいし、非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルの代わりに出力してもよい。
【0019】
次に、
図3のフロー図に沿って、サービス需要ポテンシャル予測装置10において実行される処理を説明する。この処理は、
図3に示すように、前半の機械学習モデルの構築(ステップS1~S4)と、後半の機械学習モデルを利用したサービス需要ポテンシャルの予測・出力(ステップS5~S6)とに大別される。
【0020】
まず、前半の機械学習モデルの構築については、取得部11が、対象とする自社サービスAと、相対化計算に用いる他社サービスBに関するサービス利用情報をエリアごとに取得し(ステップS1)、算出部12が、エリアごとのサービス利用情報から、他社サービスBに対する自社サービスAの相対化指標をエリアごとに算出する(ステップS2)。ここでは、算出部12は、前述したように、(自社サービスのサービス提供実績数/(自社サービスのサービス提供実績数+他社サービスのサービス提供実績数))を算出し、当該エリアにおける相対化指標とする。そして、選定部13は、エリアごとの相対化指標を含む情報に基づき、後述する方法により優位エリアを選定し(ステップS3)、構築部14は、
図2に示すように、優位エリアに関するエリア特性を説明変数とし、自社サービスAのサービス提供実績数を目的変数とする機械学習を行うことで、優位エリアにおけるサービス提供の需要を予測するための機械学習モデルを構築する(ステップS4)。以上のステップS1~S4によって、優位エリアにおけるサービス提供の需要を予測するための機械学習モデルが構築される。
【0021】
ここで、ステップS3における優位エリアの選定方法の3つの例を説明する。
【0022】
第1の例は、サービス利用情報において、市場シェアの観点で十分に優位となるエリアを優位エリアとして選定する方法である。各サービスの市場シェアが判明しており、自社サービスAと他社サービスBとを合わせた合算市場シェアが把握できている場合に、この第1の例に係る方法は非常に有効であり、市場シェアの情報を踏まえた上で、優位エリアを適切に選定することができる。一例として、あるエリアの相対化指標Pと対象サービス(上記サービスA、B)の合算市場シェアとの乗算結果が所定の閾値(例えば0.5)を超えていれば、当該エリアを優位エリアとして選定する。例えば、自社サービスAの市場シェアが22%、他社サービスBの市場シェアが48%、あるエリアの相対化指標Pが0.75、閾値が0.5とすると、
相対化指標P×対象サービスの合算市場シェア
=0.75×(0.22+0.48)=0.525
となり、乗算結果が閾値(0.5)を超えるため、上記のエリアは優位エリアとして選定される。なお、上記の第1の例では、「エリアごとの相対化指標Pが所定の基準値(例えば0.5)を下回らないエリアであること」という追加の条件を加えても良い。また、各サービスの市場シェアとしては、全国レベルの市場シェアを用いてもよいし、所定の地域(例えば関東地方など)又は所定の都道府県(例えば神奈川県など)レベルの市場シェアを用いてもよい。
【0023】
第2の例は、全エリアでの相対化指標とエリアごとの相対化指標の2つを用いて、相対化計算に用いる(他社)サービスBに対して十分に優位となるエリアを優位エリアとして選定する方法である。この方法では、第1の例で述べた合算市場シェアが不明な場合でも、比較対象とする主要サービス事業者を選定し、全エリアにおける当該主要サービス事業者のサービスBに対する自社サービスAの相対化指標(以下「基準相対化指標」という)P’に対し、エリアごとのサービスBに対する自社サービスAの相対化指標Pが十分に優位であるエリアを、優位エリアとして選定する方法である。具体的には、この方法では、市場シェアの代替として、全エリアにおけるサービスBに対する自社サービスAの基準相対化指標P’を算出し、得られた基準相対化指標P’に所定の調整パラメータαを乗算して得られた値を閾値として設定し、エリアごとのサービスBに対する自社サービスAの相対化指標Pが上記閾値を超えるエリアを、優位エリアとして選定する。この第2の例に係る方法によれば、たとえ各サービスの市場シェアが判明していない状況であっても、全体エリアでの基準相対化指標を算出し、得られた基準相対化指標をエリアごとの相対化指標とともに用いることで、優位エリアを適切に選定することができる。
例えば、全エリアでのサービスA、Bそれぞれの決済回数の比から算出された基準相対化指標P’を0.33とし、あるエリアにおける相対化指標Pを0.75とし、閾値の調整に用いられる調整パラメータαを2とすると、
当該エリアにおける相対化指標P(0.75)は、
調整パラメータα(2)×基準相対化指標P’(0.33)により得られる閾値0.66を超えるため、当該エリアは、基準相対化指標P’に対しエリアごとの相対化指標Pが十分に優位であるエリアであると判断できるため、優位エリアとして選定される。
【0024】
第3の例は、上記第2の例の簡易版に相当し、全体エリアでの基準相対化指標P’は算出せずに、エリアごとの相対化指標Pのみを用いる方法である。即ち、あるエリアにおける相対化指標Pが、予め定められた閾値(例えば0.5)を上回るエリアを、優位エリアとして選定する方法である。例えば、あるエリアにおける相対化指標Pが、閾値(0.5)を上回る0.75であれば、当該エリアは優位エリアとして選定される。このような第3の例に係る方法によれば、各サービスの市場シェアが判明していない状況であっても、エリアごとの相対化指標のみを用いて、優位エリアを簡易に選定することができる。
【0025】
次に、
図3へ戻り、後半の機械学習モデルを利用したサービス需要ポテンシャルの予測・出力について説明する。
図2に示すように、予測部15は、構築部14から読み出した機械学習モデルMに、非優位エリアに関するエリア特性を入力することで、当該非優位エリアが優位エリアであると仮定した場合の自社サービスAのサービス提供数を予測し、予測値を当該非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとする(ステップS5)。さらに、予測部15は、予測で得られた非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルを出力する(例えばディスプレイに表示出力する)(ステップS6)。なお、ステップS6において予測部15は、さらに、非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとサービス提供実績数との差分を算出し、得られた差分を、非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとともに両方出力してもよいし、非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルの代わりに出力してもよい。
【0026】
以上説明した第1実施形態によれば、自社のサービス提供に係る情報のみでなく、競合他社のサービス提供に係る情報も考慮してサービス需要ポテンシャルをエリアごとに精度良く予測することができる。また、サービス提供の需要予測のための詳細且つ大量のデータを用いることなく、自社サービスと他社サービスについてのエリアごとのサービス提供実績数に基づき得られるエリアごとの相対化指標を用いて、上記のように比較的簡易にサービス需要ポテンシャルを予測することができる。
【0027】
例えば、
図4(a)に示す複数のエリアにおいて、斜めのハッチングを付したエリアが優位エリアとして選定された場合、これらの優位エリアに関するエリア特性を説明変数とし、自社サービスAのサービス提供実績数を目的変数とする機械学習を行うことで、優位エリアにおけるサービス提供の需要を予測するための機械学習モデルが構築される。そして、優位エリア以外の非優位エリアのうち、
図4(a)において縦のハッチングが付された2つの非優位エリアX、Yを例にとると、
図4(b)に示す非優位エリアX、Yにおける自社サービスAのサービス提供実績数と、
図4(c)に示す非優位エリアX、Yにおける自社サービスAのサービス需要ポテンシャルの予測値とを比較すると、非優位エリアYについてはサービス需要ポテンシャルの予測値(22)はサービス提供実績数(20)に対し大差ないが、非優位エリアXについてはサービス需要ポテンシャルの予測値(50)はサービス提供実績数(25)に対する差分が非常に大きいことが判明する。これにより、非優位エリアXは、自社サービスAのサービス需要ポテンシャルが非常に高く、今後の営業活動のターゲットとして有望なエリアであるという有益な知見を得ることができる。なお、上記の非優位エリアXのような、サービス提供実績数に対するサービス需要ポテンシャルの予測値の差分が大きくなる有望なエリアが見つからない場合には、例えば、優位エリア選定時の条件を厳しくして(例えば所定の閾値を高く再設定して)、優位エリア選定以降の処理を再度実行することが望ましい。
【0028】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態として、対象とする対象ユーザ属性についての非優位エリアを選定し、対象ユーザ属性についての当該非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルを予測する実施形態を説明する。なお、さまざまなユーザのユーザ属性情報は、一例として、さまざまなユーザの端末からユーザを識別しない形で取得されたアプリケーション統計情報より、取得される。
【0029】
サービス需要ポテンシャル予測装置10の機能ブロック構成は、第1実施形態で説明した
図1に示す構成と同じである。ただし、各機能部は、以下のように、追加的な機能を有する。
【0030】
取得部11は、自社サービスおよび他社サービスの各々について、サービスを利用するユーザのユーザ属性情報をエリアごとにさらに取得する機能を有する。
【0031】
算出部12は、取得されたユーザ属性情報およびサービス提供実績数に基づき、対象とする対象ユーザ属性についての相対化指標をエリアごとに算出する機能を有する。
【0032】
選定部13は、対象ユーザ属性についてのエリアごとの相対化指標を含む情報に基づき、対象ユーザ属性についての優位エリアを選定する機能を有する。
【0033】
構築部14は、対象ユーザ属性についての優位エリアの特性を表す特徴量を説明変数とし、対象ユーザ属性についての優位エリアにおける自社サービスのサービス提供実績数を目的変数とする機械学習を行い、対象ユーザ属性についての優位エリアにおけるサービス提供の需要を予測するための機械学習モデルを構築する機能を有する。
【0034】
予測部15は、構築された機械学習モデルに、対象ユーザ属性についての非優位エリアの特性を表す特徴量を入力することで、当該非優位エリアが優位エリアであると仮定した場合の自社サービスのサービス提供予測数を予測し、得られたサービス提供予測数を、対象ユーザ属性についての当該非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとする機能を有する。
【0035】
次に、
図5のフロー図に沿って、サービス需要ポテンシャル予測装置10において実行される処理を説明する。この処理は、第1実施形態で述べた
図3の処理と同様に、前半の機械学習モデルの構築(ステップS11~S14)と、後半の機械学習モデルを利用したサービス需要ポテンシャルの予測・出力(ステップS15~S16)とに大別される。
【0036】
まず、前半の機械学習モデルの構築については、取得部11が、対象とする自社サービスAと、相対化計算に用いる他社サービスBに関するサービス利用情報(ユーザ属性情報を含む)をエリアごとに取得し(ステップS11)、算出部12が、エリアごとのサービス利用情報から、対象ユーザ属性についての他社サービスBに対する自社サービスAの相対化指標をエリアごとに算出し(ステップS12)、そして、選定部13が、第1実施形態で例示した方法の何れかを用いて、エリアごとの相対化指標を含む情報に基づき、対象ユーザ属性についての優位エリアを選定する(ステップS13)。さらに、構築部14が、対象ユーザ属性についての優位エリアに関するエリア特性を説明変数とし、自社サービスAのサービス提供実績数を目的変数とする機械学習を行うことで、対象ユーザ属性についての優位エリアにおけるサービス提供の需要を予測するための機械学習モデルを構築し、保管・管理する(ステップS14)。
【0037】
次に、後半の機械学習モデルを利用したサービス需要ポテンシャルの予測・出力については、予測部15が、構築部14から読み出した機械学習モデルMに、対象ユーザ属性についての非優位エリアに関するエリア特性を入力することで、当該非優位エリアが優位エリアであると仮定した場合の自社サービスAのサービス提供数を予測し、予測値を対象ユーザ属性についての当該非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとする(ステップS15)。さらに、予測部15は、対象ユーザ属性についての非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルを出力する(ステップS16)。なお、ステップS16において予測部15は、さらに、非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとサービス提供実績数との差分を算出し、得られた差分を、非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルとともに両方出力してもよいし、非優位エリアにおけるサービス需要ポテンシャルの代わりに出力してもよい。
【0038】
以上説明した第2実施形態によれば、対象ユーザ属性についての非優位エリアを選定した上で、自社のサービス提供に係る情報のみでなく、競合他社のサービス提供に係る情報も考慮して対象ユーザ属性についてのサービス需要ポテンシャルをエリアごとに精度良く予測することができる。
【0039】
なお、上記の第1、第2実施形態では、「サービス提供実績数」として「決済回数」を用いた例を説明したが、「サービス提供実績数」として「決済回数」に代わり、ユーザが決済サービスを利用するためのアプリケーションを起動した回数である「アプリケーション起動回数」を用いてもよい。
【0040】
(用語の説明、ハードウェア構成(
図6)の説明など)
なお、上記の実施形態、変形例の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0041】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)、送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0042】
例えば、本開示の一実施の形態におけるサービス需要ポテンシャル予測装置は、本実施形態における処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図6は、本開示の一実施の形態に係るサービス需要ポテンシャル予測装置10のハードウェア構成例を示す図である。上述のサービス需要ポテンシャル予測装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0043】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。サービス需要ポテンシャル予測装置10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0044】
サービス需要ポテンシャル予測装置10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0045】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。
【0046】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0047】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0048】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、その他の適切な媒体であってもよい。
【0049】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0050】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。 また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0051】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0052】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0053】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0054】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0055】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0056】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0057】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0058】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10…サービス需要ポテンシャル予測装置、11…取得部、12…算出部、13…選定部、14…構築部、15…予測部、M…機械学習モデル、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…バス。