(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】光源装置及びそれを備えた内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/07 20060101AFI20240902BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20240902BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20240902BHJP
H05B 45/22 20200101ALI20240902BHJP
【FI】
A61B1/07 735
H05B47/155
H05B47/105
H05B45/22
(21)【出願番号】P 2023547979
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(86)【国際出願番号】 JP2021033798
(87)【国際公開番号】W WO2023042274
(87)【国際公開日】2023-03-23
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123962
【氏名又は名称】斎藤 圭介
(72)【発明者】
【氏名】亀江 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 毅
(72)【発明者】
【氏名】西尾 真博
(72)【発明者】
【氏名】田中 哲史
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-198189(JP,A)
【文献】特開2009-129687(JP,A)
【文献】特開2008-282936(JP,A)
【文献】国際公開第2009/031103(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
H05B 47/155
H05B 47/105
H05B 45/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子と、
前記複数の発光素子からの光を合成する光学系と、
前記光学系の光路上に位置する波長選択フィルターと、
前記複数の発光素子のうちの1つの発光素子からの光を、光学フィルターを介して受光する光センサと、を有し、
前記光学フィルターは、前記波長選択フィルターの波長選択特性に対応する波長選択特性を有することを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記光学フィルターの波長選択特性は、前記波長選択フィルターの波長選択特性と同一であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
複数の発光モードを有し、
前記複数の発光モードでは、出射する光の波長帯域が、各々の発光モードで異なり、
前記複数の発光モードは、前記波長選択フィルターが前記光路上に位置する第1発光モードと、前記波長選択フィルターが前記光路上に位置しない第2発光モードと、を有することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
複数の光センサを有し、
前記複数の光センサのうちの1つは、前記光センサであり、
前記複数の光センサは、前記1つの発光素子からの光を受光し、
前記複数の光センサでは、受光する光の波長帯域が互いに異なることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
複数の光学フィルターを有し、
前記複数の光学フィルターの内の1つは、前記光学フィルターであり、
前記複数の光学フィルターでは、波長選択特性が互いに異なり、
前記複数の光学フィルターを切り替えて、前記光センサで受光することを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項6】
前記光学フィルターの波長選択特性は、前記波長選択フィルターの波長選択特性を長波長側にシフトした波長選択特性であり、
前記シフトの量は、前記発光素子から前記光センサに向かう光路と前記発光素子から前記光学系に向かう光路との角度に基づくことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項7】
前記一つの発光素子からの光を受光する複数の光センサを有し、
前記発光素子が有する光軸に対し、同一の傾き角方向に前記複数のセンサが設置されていることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項8】
内視鏡と、
ビデオプロセッサと、
モニタと、
請求項1に記載の光源装置と、を有することを特徴とする内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置及びそれを備えた内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、光源装置が開示されている。この光源装置では、通常観察に適した照明光と、血管強調観察に適した照明光が生成される。
【0003】
光源装置は、4つの発光素子を有する。3つの発光素子を用いることで、通常観察に適した照明光が得られる。4つの発光素子を用いることで、血管強調観察に適した照明光が得られる。
【0004】
照明光におけるカラーバランスは、各発光素子における光量を用いて表すことができる。通常観察における照明では、3つの発光素子が用いられる。よって、通常観察用の照明光におけるカラーバランスは、3つの光量の比率で表わされる。血管強調観察における照明では、4つの発光素子が用いられる。よって、血管強調観察用の照明光におけるカラーバランスは、4つの光量の比率で表わされる。
【0005】
観察に最適な照明光におけるカラーバランスを、理想カラーバランスとする。理想カラーバランスにおける光量の比率は、理想的な光量の比率を表している。
【0006】
発光素子では、光量が温度に応じて変化する場合がある。光量が変化すると、光量の比率が変化する。そのため、照明光におけるカラーバランスが崩れる。カラーバランスが崩れた照明光では、光量の比率が理想的な光量の比率と一致しない。その結果、理想カラーバランスを維持することができない。
【0007】
通常観察用の照明光では、光量が変化すると、3つの光量の比率が理想的な光量の比率と一致しなくなる。血管強調観察用の照明光では、光量が変化すると、4つの光量の比率が理想的な光量の比率と一致しなくなる。いずれの場合も、理想カラーバランスを維持することができない。そのため、観察に適した照明光を得ることが困難になる。
【0008】
光源装置では、ダイクロイックミラーが用いられている。ダイクロイックミラーには、発光素子から出射した光が入射する。ダイクロイックミラーから、所定の光が出射する。所定の光は、発光素子から出射した光の波長帯域と全く同じ波長帯域を有する光である。所定の光は、発光素子から出射した光の波長帯域とほぼ同じ波長帯域を有する光であっても良い。
【0009】
通常観察と血管強調観察では、所定の光が照明光に用いられる。発光素子における光量が変化すると、所定の光の光量が変化する。その結果、照明光におけるカラーバランスが崩れる。
【0010】
光源装置では、発光素子ごとに受光部が設けられている。受光部には、発光素子から出射した光が入射する。発光素子から出射した光の波長帯域と全く同じ波長帯域を有する光が所定の光の場合、所定の光が受光部で検出されていると見なすことができる。
【0011】
発光素子における光量の調整は、受光部で検出した光に基づいて行われる。受光部で検出する光は所定の光と見なすことができる。そのため、発光素子における光量が変化した場合、調整を行うことで、理想カラーバランスを維持することができる。その結果、観察に適した照明光が得られる。
【0012】
上述のように、受光部に入射する光は、発光素子から出射した光が入射する。発光素子から出射した光の波長帯域とほぼ同じ波長帯域を有する光が所定の光の場合、所定の光は発光素子から出射した光と若干異なる。この場合、所定の光が受光部で検出されていると見なすことができない。
【0013】
光源装置では、2つの受光部で、波長制限フィルターが用いられている。波長制限フィルターから出射する光の波長帯域は、ダイクロイックミラーから出射する光の波長帯域と同一である。よって、所定の光が受光部で検出されていると見なすことができる。
【0014】
観察手法として、特殊光観察、例えば、狭帯域光観察が知られている。狭帯域光観察用の照明光には、発光素子から出射した光の波長帯域のうちの一部の波長帯域の光(以下、「部分帯域光」という)が含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
特許文献1に開示された光源装置では、所定の光が受光部で検出されていると見なして調整を行う。発光素子における光量が変化した場合、変化率は、所定の光と部分帯域光とで異なる。そのため、調整を行うと、狭帯域光観察用の照明光では、理想カラーバランスを維持することができない。その結果、観察に適した照明光が得られない。
【0017】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、発光素子における光量が変化しても理想カラーバランスを維持することができる光源装置、及び鮮明な画像が取得できる内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る光源装置は、
複数の発光素子と、
複数の発光素子からの光を合成する光学系と、
光学系の光路上に位置する波長選択フィルターと、
複数の発光素子のうちの1つの発光素子からの光を、光学フィルターを介して受光する光センサと、を有し、
光学フィルターは、波長選択フィルターの波長選択特性に対応する波長選択特性を有することを特徴とする。
【0019】
本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る内視鏡システムは、
内視鏡と、
ビデオプロセッサと、
モニタと、
上述の光源装置と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、発光素子における光量が変化しても理想カラーバランスを維持することができる光源装置、及び鮮明な画像が取得できる内視鏡システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施形態の光源装置、照明光の波長帯域、及び波長選択フィルターの波長選択特性、を示す図である。
【
図5】光源装置の第3変形例、照明光の波長帯域、及びダイクロイックミラーの波長選択特性を示す図である。
【
図6】光源装置の第4変形例、照明光の波長帯域、波長選択フィルターの波長選択特性、及びダイクロイックミラーの波長選択特性を示す図である。
【
図7】光源装置の第5変形例、照明光の波長帯域、波長選択フィルターの波長選択特性、及びダイクロイックミラーの波長選択特性を示す図である。
【
図10】発光素子の配光と、光センサ配置を示すである。
【
図11】照明光の波長帯域、波長選択フィルターの特性、及び光学フィルターの特性を示す図である。
【
図13】本実施形態の内視鏡システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本実施形態に係る光源装置と本実施形態に係る内視鏡システムについて、図面を用いて、このような構成をとった理由と作用を説明する。なお、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0023】
実施形態の説明では、波長選択フィルター、光学フィルター、及びダイクロイックミラーが用いられている。これらの光学素子では、波長に応じて、光の透過と光の反射が生じる。その結果、これらの光学素子では、特定の波長の光、又は特定の波長帯域の光を選択することができる。
【0024】
入射した光に対し特定の波長又は特定の波長帯域の光を選択し照明光などとして有効利用する特性を、波長選択特性という。波長選択特性は、光学系の構成によっては、所望の波長光を透過させて有効利用することもできるし、反射させて有効利用することもできるため、透過率又は反射率で表すことができる。波長選択特性は、透過特性、反射特性、又は透過・反射特性と言い換えることができる。
【0025】
本実施形態の光源装置は、複数の発光素子を有する。発光素子から出射した光は、物体の照明に用いることができる。以下、「照明光」を用いて説明する。
【0026】
発光素子から出射した光は、最終的に物体に照射される。本実施形態の光源装置では、例えば、ダイクロイックミラーが用いられる。そのため、発光素子から出射した光の波長帯域は、物体に照射される光の波長帯域と異なる場合がある。上述の「照明光」は発光素子から出射した光を意味し、物体に照射される光を意味していない。
【0027】
本実施形態の光源装置は、複数の発光素子と、複数の発光素子からの光を合成する光学系と、光学系の光路上に位置する波長選択フィルターと、複数の発光素子のうちの1つの発光素子からの光を、光学フィルターを介して受光する光センサと、を有し、光学フィルターは、波長選択フィルターの波長選択特性に対応する波長選択特性を有する。
【0028】
図1は、本実施形態の光源装置、照明光の波長帯域、及び波長選択フィルターの波長選択特性、を示す図である。
【0029】
図1(a)は、本実施形態の光源装置の第1例を示す図である。
図1(b)は、照明光の波長帯域と波長選択フィルターの波長選択特性を示す図である。
図1(c)は、照明光における光量の変化と波長選択フィルターの波長選択特性を示す図である。
【0030】
第1例の光源装置について説明する。第1例の光源装置は、複数の発光素子を有する。第1例の光源装置では、2つの発光素子が用いられている。一方の発光素子における光量は温度に応じて変化し、他方の発光素子における光量は温度に応じて変化しない。
【0031】
図1(a)に示すように、光源装置1は、発光素子2と、発光素子3と、を有する。発光素子2では、光量が温度に応じて変化する。発光素子3では、光量が温度に応じて変化しない。
【0032】
光源装置1は、更に、ダイクロイックミラー4と、波長選択フィルター5と、光センサ6と、光学フィルター7と、を有する。
【0033】
発光素子2から、照明光L1が出射する。照明光L1は、第1光路OP1を進行する。発光素子3から、照明光L2が出射する。照明光L2は、第2光路OP2を進行する。
【0034】
第1光路OP1と第2光路OP2が交差する位置に、ダイクロイックミラー4が配置されている。照明光L1と照明光L2は、ダイクロイックミラー4に入射する。
【0035】
図1(b)には、照明光L1の波長帯域と照明光L2の波長帯域が実線で示されている。また、波長選択フィルター5の波長選択特性が破線で示されている。横軸は、波長を示している。縦軸は、光量又は透過率を示している。
【0036】
照明光L1の波長帯域は、照明光L2の波長帯域よりも短波長側に位置している。ダイクロイックミラー4は、波長が短い光を透過し、波長が長い光を反射する特性を有する。照明光L1はダイクロイックミラー4を透過し、照明光L2はダイクロイックミラー4で反射される。
【0037】
光源装置1では、ダイクロイックミラー4によって、照明光L1と照明光L2が合成される。その結果、
図1(a)に示すように、ダイクロイックミラー4から、照明光L1と照明光L2が出射する。ダイクロイックミラー4は、照明光L1と照明光L2を合成する光学系ということができる。
【0038】
照明光L1と照明光L2は、第3光路OP3を進行する。ダイクロイックミラー4の出射側には、波長選択フィルター5が位置している。照明光L1と照明光L2は、波長選択フィルター5に入射する。
【0039】
図1(b)に示すように、波長選択フィルター5は、透過帯域ΔabTと、透過帯域ΔcdTと、を有する。波長λaから波長λbまでが、透過帯域ΔabTの波長帯域である。波長λcから波長λdまでが、透過帯域ΔcdTの波長帯域である。波長選択フィルター5は、透過帯域ΔabTの光と透過帯域ΔcdTの光を透過する。
【0040】
上述のように、部分帯域光は、発光素子から出射した光の波長帯域のうちの一部の波長帯域の光である。波長λaから波長λbまでの光は、照明光L1の波長帯域のうちの一部の波長帯域の光である。波長λaから波長λbまでの光を部分帯域光L1’とする。波長λaから波長λbまでが、部分帯域光L1’の波長帯域である。
【0041】
部分帯域光L1’の波長帯域は、透過帯域ΔabTと同じである。よって、部分帯域光L1’が、波長選択フィルター5から出射する。照明光L2の波長帯域は、透過帯域ΔcdTに含まれている。よって、照明光L2が、波長選択フィルター5から出射する。部分帯域光L1’と照明光L2は、第3光路OP3を進行する。
【0042】
図1(c)には、温度が変化したときの照明光L1における光量の変化が示されている。点線は常温より温度が高い場合の光量、実線は常温の場合の光量、2点鎖線は常温より温度が低い場合の光量を示している。また、照明光L1の波長帯域における波長選択フィルター5の波長選択特性が破線で示されている。横軸は、波長を示している。縦軸は、光量又は透過率を示している。
【0043】
図1(c)に示すように、発光素子2では、温度が低くなるにつれて、照明光L1の光量が減少する。そのため、透過帯域ΔabTにおける光量も、温度が低くなるにつれて減少する。部分帯域光L1’は、透過帯域ΔabT透過する光である。よって、温度が低くなるにつれて、部分帯域光L1’の光量が減少する。その結果、照明光におけるカラーバランスが崩れる。
【0044】
理想カラーバランスを維持するためには、部分帯域光L1’の光量の変化を検出し、検出した結果に基づいて発光素子2の光量を調整すれば良い。
【0045】
部分帯域光L1’の検出は、光センサで行えば良い。ただし、波長選択フィルター5の出射側に光センサを配置することは難しい。光源装置1では、発光素子2の近傍に、光センサ6と光学フィルター7が配置されている。光学フィルター7から出射する光の波長帯域が、部分帯域光L1’の波長帯域に対応していれば良い。
【0046】
光センサ6は、発光素子2からの光を、光学フィルター7を介して受光する。発光素子2から照明光L1が出射する。光センサ6は、照明光L1が届く位置に配置されている。
【0047】
光学フィルター7は、光センサ6に隣接している。
図1(a)では、見易さのために、光学フィルター7を、光センサ6から離している。光学フィルター7は、発光素子2と光センサ6の間に配置されている。光学フィルター7は、透過型の光学フィルターである。
【0048】
光学フィルター7は、波長選択フィルター5の波長選択特性に対応する波長選択特性を有する。光学フィルター7の透過帯域と透過帯域ΔabTと関係は、照明光L1の波長帯域では、例えば以下のようになる。
(A)光学フィルター7の透過帯域は、透過帯域ΔabTと同一である。
(B)光学フィルター7の透過帯域は、透過帯域ΔabTを含む。
(C)光学フィルター7の透過帯域は、透過帯域ΔabTに含まれる。
(D)光学フィルター7の透過帯域は、透過帯域ΔabTに対してシフトしている。
【0049】
(B)、(C)、及び(D)は、光学フィルター7の透過帯域が透過帯域ΔabTと略同一であることを意味している。(B)、(C)、及び(D)は、(A)と異なる。しかしながら、その差異は、(A)と同様の作用効果が得られるような差異である。よって、(B)、(C)、及び(D)は、実質的に(A)と見なすことができる。
【0050】
このように、光学フィルター7では、透過帯域の少なくとも一部が透過帯域ΔabTと重なっていれば良い。以下、(A)の場合を例にして説明する。
【0051】
光センサ6では、検出光L1dが検出される。検出光L1dは、光学フィルター7を透過した光である。光学フィルター7には、照明光L1だけが入射する。この場合、検出光L1dの波長帯域は、透過帯域ΔabTと同じになる。透過帯域ΔabTは、部分帯域光L1’の波長帯域と同じである。よって、検出光L1dの波長帯域は、部分帯域光L1’の波長帯域と同じである。
【0052】
照明光L1の光量が変化すると、検出光L1dの光量と部分帯域光L1’の光量が変化する。よって、検出光L1dの光量の変化を検出することで、部分帯域光L1’の光量の変化を検出することができる。光源装置1では、光センサ6から出力された信号に基づいて、発光素子2における光量を調整することができる。
【0053】
調整では、検出光L1dの光量が用いられる。上述のように、検出光L1dの波長帯域は、部分帯域光L1’の波長帯域と同じである。この場合、発光素子2については、波長選択フィルター5から出射する光と同じ光を用いて、調整が行われる。そのため、発光素子2における光量が変化した場合、調整を行うことで、理想カラーバランスを維持することができる。その結果、観察に適した照明光が得られる。
【0054】
光学フィルター7が配置されていない場合、調整では、照明光L1の光量が用いられる。この場合、発光素子2については、波長選択フィルター5から出射する光と異なる光を用いて、調整が行われる。そのため、発光素子2における光量が変化した場合、調整を行っても、理想カラーバランスを維持することができない。その結果、観察に適した照明光が得られない。
【0055】
光センサ6には、照明光L1のうちの一部の光だけが入射する。この場合、光センサ6で検出する光の光量は、波長選択フィルター5から出射する光の光量と異なる。よって、2つの光の光量差を考慮して、発光素子2における調整を行えば良い。
【0056】
光源装置1では、発光素子に、LED(発光ダイオード)を用いることができる。例えば、発光素子2に紫色の光を出射するLEDを用い、発光素子3に青色の光を出射するLEDを用いることができる。この場合、照明光は、帯域の狭い紫色の光と青色の光とからなる。よって、狭帯域光観察用の照明光が得られる。
【0057】
波長選択フィルター5では、照明光L1の波長帯域のうちの一部の波長帯域の光と、照明光L2の波長帯域全部の光を透過している。しかしながら、波長選択フィルター5で、照明光L1の波長帯域全部の光と、照明光L2の波長帯域のうちの一部の波長帯域の光を透過しても良い。この場合、発光素子3の近傍に、光センサと光学フィルターを配置すれば良い。
【0058】
本実施形態の光源装置では、光学フィルターの波長選択特性は、波長選択フィルターの波長選択特性と同一であることが好ましい。
【0059】
この場合、発光素子2における光量を、高い精度で調整することができる。その結果、より一層観察に適した照明光が得られる。
【0060】
図2は、光源装置の第1変形例を示す図である。
図1(a)と同じ構成要素については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0061】
光源装置1’は、光学フィルター8を有する。光学フィルター8は、照明光L1が届く位置に配置されている。光学フィルター8は、反射型の光学フィルターである。光センサ6は、光学フィルター8から離れた位置に配置されている。
【0062】
光学フィルター8は、波長選択フィルター5の波長選択特性に対応する波長選択特性を有する。光学フィルター8の反射帯域と透過帯域ΔabTと関係は、上述の(A)~(D)と同様である。光学フィルター7の透過帯域を、光学フィルター8の反射帯域に置き換えれば良い。(A)の場合を例にして説明する。
【0063】
光センサ6では、検出光L1d’が検出される。検出光L1d’は、光学フィルター8で反射された光である。光学フィルター8には、照明光L1だけが入射する。この場合、検出光L1d’の波長帯域は、透過帯域ΔabTと同じになる。透過帯域ΔabTは、部分帯域光L1’の波長帯域と同じである。よって、検出光L1d’の波長帯域は、部分帯域光L1’の波長帯域と同じである。
【0064】
照明光L1の光量が変化すると、検出光L1d’の光量と部分帯域光L1’の光量が変化する。よって、検出光L1d’の光量の変化を検出することで、部分帯域光L1’の光量の変化を検出することができる。光源装置1’では、光センサ6から出力された信号に基づいて、発光素子2における光量を調整することができる。
【0065】
調整では、検出光L1d’の光量が用いられる。上述のように、検出光L1d’の波長帯域は、部分帯域光L1’の波長帯域と同じである。この場合、発光素子2については、波長選択フィルター5から出射する光と同じ光を用いて、調整が行われる。そのため、発光素子2における光量が変化した場合、調整を行うことで、理想カラーバランスを維持することができる。その結果、観察に適した照明光が得られる。
【0066】
本実施形態の光源装置は、複数の発光モードを有し、複数の発光モードでは、出射する光の波長帯域が、各々の発光モードで異なり、複数の発光モードは、波長選択フィルターが光路上に位置する第1発光モードと、波長選択フィルターが光路上に位置しない第2発光モードと、を有することが好ましい。
【0067】
図3は、本実施形態の光源装置を示す図である。
図3には、本実施形態の光源装置の第2例が示されている。
図3(a)は、第1発光モードにおける光源装置を示す図である。
図3(b)は、第2発光モードにおける光源装置を示す図である。
図1(a)と同じ構成要素については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0068】
第2例の光源装置について説明する。第2例の光源装置は、複数の発光素子を有する。第2例の光源装置では、4つの発光素子が用いられている。1つの発光素子における光量は温度に応じて変化し、3つの発光素子における光量は温度に応じて変化しない。
【0069】
図3(a)に示すように、光源装置10は、発光素子2と、発光素子3と、発光素子11と、発光素子12と、を有する。発光素子2では、光量は温度に応じて変化する。発光素子3、発光素子11、及び発光素子12では、光量は温度に応じて変化しない。
【0070】
光源装置10は、更に、光学系13と、波長選択フィルター5と、光センサ6と、光センサ14と、光学フィルター7と、回転部材15と、を有する。
【0071】
光学系13は、ダイクロイックミラー4と、ダイクロイックミラー16と、ダイクロイックミラー17と、を有する。
【0072】
回転部材15は、回転板18と、波長選択フィルター5と、平行平板19と、を有する。波長選択フィルター5と平行平板19は、回転板18で保持されている。平行平板19には、無色透明な材料、例えば、ガラス又は樹脂が用いられている。
【0073】
平行平板19は、配置されていなくても良い。この場合、回転板18には、波長選択フィルター5と、貫通孔と、を有する。
【0074】
発光素子11から、照明光L3が出射する。第3光路OP3に、ダイクロイックミラー16が配置されている。照明光L1、照明光L2、及び照明光L3は、ダイクロイックミラー16に入射する。
【0075】
照明光L1の波長帯域と照明光L2の波長帯域は、照明光L3の波長帯域よりも短波長側に位置している。ダイクロイックミラー16は、波長が短い光を透過し、波長が長い光を反射する特性を有する。照明光L1と照明光L2はダイクロイックミラー16を透過し、照明光L3はダイクロイックミラー16で反射される。
【0076】
ダイクロイックミラー16では、照明光L1、照明光L2、及び照明光L3が合成される。その結果、ダイクロイックミラー16から、照明光L1、照明光L2、及び照明光L3が出射する。
【0077】
発光素子12から、照明光L4が出射する。第3光路OP3に、ダイクロイックミラー17が配置されている。照明光L1、照明光L2、照明光L3、及び照明光L4は、ダイクロイックミラー17に入射する。
【0078】
照明光L1の波長帯域、照明光L2の波長帯域、及び照明光L3の波長帯域は、照明光L4の波長帯域よりも短波長側に位置している。ダイクロイックミラー17は、波長が短い光を透過し、波長が長い光を反射する特性を有する。照明光L1、照明光L2、及び照明光L3はダイクロイックミラー17を透過し、照明光L4はダイクロイックミラー17で反射される。
【0079】
ダイクロイックミラー17では、照明光L1、照明光L2、照明光L3、及び照明光L4が合成される。その結果、ダイクロイックミラー17から、照明光L1、照明光L2、照明光L3、及び照明光L4が出射する。
【0080】
光源装置10では、光学系13によって、照明光L1、照明光L2、照明光L3、及び照明光L4が合成される。その結果、光学系13から、照明光L1、照明光L2、照明光L3、及び照明光L4が出射する。光学系13は、照明光L1、照明光L2、照明光L3、及び照明光L4を合成する光学系ということができる。
【0081】
照明光L1、照明光L2、照明光L3、及び照明光L4は、第3光路OP3を進行する。光学系13の出射側には、回転部材15が配置されている。回転板18を回転させることで、波長選択フィルター5と平行平板19のどちらか一方を、第3光路OP3上に配置することができる。
【0082】
第2例の光源装置は、複数の発光モードを有する。光源装置10では、第1発光モードと第2発光モードが用いられている。
【0083】
第1発光モードでは、
図3(a)に示すように、波長選択フィルター5が第3光路OP3上に位置する。平行平板19は、第3光路OP3の外側に位置している。波長選択フィルター5には、照明光L1、照明光L2、照明光L3、及び照明光L4が入射する。
【0084】
波長選択フィルター5は、
図1(b)に示すように、透過帯域ΔabTと透過帯域ΔcdTを有する。よって、照明光L3と照明光L4は、波長選択フィルター5を透過しない。第1発光モードでは、部分帯域光L1’と照明光L2が、波長選択フィルター5から出射する。
【0085】
第2発光モードでは、
図3(b)に示すように、平行平板19が第3光路OP3上に位置する。波長選択フィルター5は、第3光路OP3の外側に位置している。平行平板19には、照明光L1、照明光L2、照明光L3、及び照明光L4が入射する。
【0086】
平行平板19には、無色透明な材料が用いられている。よって、照明光L1、照明光L2、照明光L3、及び照明光L4は平行平板19を透過する。第2発光モードでは、照明光L1、照明光L2、照明光L3、及び照明光L4が、平行平板19から出射する。
【0087】
このように、第1発光モードと第2発光モードとでは、回転部材15に入射する光の波長帯域は同じであるが、回転部材15から出射する光の波長帯域は異なる。
【0088】
平行平板19から出射した光の検出は、光センサで行えば良い。ただし、平行平板19の出射側に光センサを配置することは難しい。光源装置10では、発光素子2の近傍に、光センサ14が配置されている。光センサ14は、照明光L1が届く位置に配置されている。発光素子2と光センサ14の間には、光学フィルターは配置されていない。この場合、光センサ14には、照明光L1の一部が入射する。
【0089】
上述のように、発光素子2では、温度が低くなるにつれて、照明光L1の光量が減少する。その結果、第1発光モードと第2発光モードで、照明光におけるカラーバランスが崩れる。
【0090】
光源装置10では、第1発光モードにおける調整に、光センサ6と光学フィルター7が用いられる。光センサ6と光学フィルター7を用いた調整は、光源装置1で説明している。よって、第1発光モードにおける調整については説明を省く。
【0091】
第2発光モードにおける調整について説明する。説明では、検出光Lsと出射光Loを用いる。検出光Lsは、光センサ14で検出される光である。出射光Loは、平行平板19から出射する光の一部である。検出光Lsと出射光Loは、図示されていない。
【0092】
第2発光モードでは、光センサ14と平行平板19が用いられる。検出光Lsと出射光Loは、共に照明光L1である。そのため、検出光Lsの波長帯域は、出射光Loの波長帯域と同じである。
【0093】
照明光L1の光量が変化すると、検出光Lsの光量と出射光Loの光量が変化する。よって、検出光Lsの光量の変化を検出することで、出射光Loの光量の変化を検出することができる。光源装置10では、光センサ14から出力された信号に基づいて、発光素子2における光量を調整することができる。
【0094】
調整では、検出光Lsの光量が用いられる。上述のように、検出光Lsの波長帯域は、出射光Loの波長帯域と同じである。この場合、発光素子2については、平行平板19から出射する光と同じ光を用いて、調整が行われる。そのため、発光素子2における光量が変化した場合、調整を行うことで、理想カラーバランスを維持することができる。その結果、第2発光モードにおいて、観察に適した照明光が得られる。
【0095】
光源装置10では、発光素子に、LEDを用いることができる。例えば、発光素子2に紫色の光を出射するLEDを用い、発光素子3に青色の光を出射するLEDを用い、発光素子11に緑色の光を出射するLEDを用い、発光素子12に赤色の光を出射するLEDを用いることができる。
【0096】
第1発光モードでは、照明光は、帯域の狭い紫色の光と青色の光とからなる。よって、狭帯域光観察に適した照明光が得られる。第2発光モードでは、照明光は、紫色の光、青色の光、緑色の光、及び赤色の光からなる。よって、通常観察に適した照明光が得られる。青色の光、緑色の光、及び赤色の光からなる照明光を、通常観察に適して照明光としても良い。
【0097】
このように、光源装置10は、複数の発光モードを有する。複数の発光モードでは、発光モードの各々で、異なる波長帯域の光が出射する。光源装置10では、複数の発光モードのうちの一つの発光モードにおいて、波長選択フィルターが光路上に配置される。
【0098】
光源装置10では、光センサ6と光センサ14が用いられている。よって、光源装置10は、複数の光センサを有する。光センサ6と光センサ14は発光素子2からの光を受光しているので、複数の光センサは、1つの発光素子からの光を受光している。光センサ6と光センサ14では受光する光の波長帯域が互いに異なるので、複数の光センサでは受光する光の波長帯域が互いに異なる。
【0099】
光源装置10では、光学フィルター7が用いられている。しかしながら、光学フィルター7の代わりに、
図2に示す光学フィルター8を用いても良い。
【0100】
図4は、光源装置の第2変形例を示す図である。
図3(a)と同じ構成要素については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0101】
光源装置10’では、光学フィルター7が移動する。光学フィルター7の移動は、並進又は回転で行えば良い。
【0102】
第1発光モードでは、光学フィルター7は、光センサ6の前に位置している。第1発光モードにおける調整については説明を省く。
【0103】
第2発光モードでは、光学フィルター7は、破線で示す位置に移動する。光学フィルター7は光センサ6の前に位置しないので、光センサ6は、光源装置10における光センサ14と見なすことができる。第2発光モードにおける調整については説明を省く。
【0104】
破線で示す位置に、平行平板を配置しても良い。平行平板の材料は、平行平板19の材料と同じにすれば良い。この場合、光センサ6での受光は、光学フィルター7と平行平板の切り替えによって行われる。
【0105】
平行平板を光学フィルターと見なすと、光源装置10’は複数の光学フィルターを有する。光学フィルター7の波長選択特性と平行平板の波長選択特性は異なるので、複数の光学フィルターでは波長選択特性が互いに異なる。受光では光学フィルター7と平行平板が切り替わるので、複数の光学フィルターを切り替えて光センサで受光する。
【0106】
図5は、光源装置の第3変形例、照明光の波長帯域、及びダイクロイックミラーの波長選択特性を示す図である。
図5(a)は、光源装置の第3変形例を示す図である。
図5(b)と
図5(c)は、照明光の波長帯域とダイクロイックミラーの波長選択特性を示す図である。
図3(a)と同じ構成要素については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0107】
図5(a)に示すように、光源装置10’’は、ダイクロイックミラー20と、光学フィルター21と、を有する。
【0108】
光学フィルター21は、光センサ14に隣接している。
図5(a)では、見易さのために、光学フィルター21を、光センサ14から離している。光学フィルター21は、発光素子2と光センサ14の間に配置されている。光学フィルター21は、透過型の光学フィルターである。
【0109】
光源装置10と光源装置10’’では、波長選択フィルター5と平行平板19が用いられる。ただし、光源装置10ではダイクロイックミラー4が用いられているが、光源装置10’’ではダイクロイックミラー20が用いられている。ダイクロイックミラー4と比較しながら説明する。
【0110】
ダイクロイックミラー4を用いた場合(以下、「ケースD4」という)について説明する。
図5(b)には、照明光L1の波長帯域と照明光L2の波長帯域が実線で示されている。また、ダイクロイックミラー4の波長選択特性が2点鎖線で示されている。横軸は、波長を示している。縦軸は、光量又は透過率を示している。
【0111】
ダイクロイックミラー4は、波長λeより短い光を透過し、波長λeより長い光を反射する特性を有する。照明光L1では、全部の波長帯域が、波長λeよりも短波長側に位置している。よって、照明光L1では、波長帯域の全部の光が、ダイクロイックミラー4から出射する。
【0112】
ダイクロイックミラー20を用いた場合(以下、「ケースD20」という)について説明する。
図5(c)には、照明光L1の波長帯域と照明光L2の波長帯域が実線で示されている。また、ダイクロイックミラー20の波長選択特性が2点鎖線で示されている。横軸は、波長を示している。縦軸は、光量又は透過率を示している。
【0113】
ダイクロイックミラー20は、波長λfより短い光を透過し、波長λfより長い光を反射する特性を有する。波長λfより短波長側が、透過帯域ΔfTの波長帯域である。波長λfより長波長側が、反射帯域ΔfRの波長帯域である。
【0114】
照明光L1は、部分帯域光L1Tと部分帯域光L1Rに分かれる。部分帯域光L1Tの波長帯域は、透過帯域ΔfTに含まれている。部分帯域光L1Rの波長帯域は、反射帯域ΔfRに含まれている。よって、部分帯域光L1Tはダイクロイックミラー20から出射するが、部分帯域光L1Rはダイクロイックミラー20から出射しない。
【0115】
このように、ダイクロイックミラーから出射する光の波長帯域が、ケースD4とケースD20とで異なる。波長選択フィルター5と平行平板19には、ケースD4では照明光L1が入射し、ケースD20では部分帯域光L1Tが入射する。
【0116】
第1発光モードでは、波長選択フィルター5が用いられる。照明光L1の波長帯域と部分帯域光L1Tの波長帯域には、波長λaから波長λbまで波長帯域が含まれている。よって、ケースD4であっても、ケースD20であっても、波長選択フィルター5から部分帯域光L1’が出射する。
【0117】
このように、ケースD4であっても、ケースD20であっても、波長選択フィルター5から出射する光は同じである。この場合、光センサ6で検出する光は、ケースD4とケースD20のどちらであっても、異ならせる必要が無い。よって、光源装置10’’では、光源装置10と同様に、光センサ6での検出に光学フィルター7が用いられている。
【0118】
第2発光モードでは、平行平板19が用いられる。平行平板19には、無色透明な材料が用いられている。よって、平行平板19からは、ケースD4では照明光L1が出射するが、ケースD20では部分帯域光L1Tが出射する。
【0119】
このように、ケースD4とケースD20とでは、平行平板19から出射する光が異なる。この場合、光センサ14で検出する光は、ケースD4とケースD20とで、異ならせる必要がある。
【0120】
そのため、光源装置10’’では、光源装置10のように、光センサ14だけで光を検出せず、光学フィルター21を介して光を検出している。光学フィルター21の透過帯域は、透過帯域ΔfTの波長帯域と同じである。
【0121】
光センサ14では、検出光L1d’’が検出される。検出光L1d’’は、光学フィルター21を透過した光である。光学フィルター21には、照明光L1だけが入射する。この場合、検出光L1d’’の波長帯域は、透過帯域ΔfTと同じになる。透過帯域ΔfTは、部分帯域光L1Tの波長帯域と同じである。よって、検出光L1d’’の波長帯域は、部分帯域光L1Tの波長帯域と同じである。
【0122】
照明光L1の光量が変化すると、検出光L1d’’の光量と部分帯域光L1Tの光量が変化する。よって、検出光L1d’’の光量の変化を検出することで、部分帯域光L1Tの光量の変化を検出することができる。光源装置10’’では、光センサ14から出力された信号に基づいて、発光素子2における光量を調整することができる。
【0123】
調整では、検出光L1d’’の光量が用いられる。上述のように、検出光L1d’’の波長帯域は、部分帯域光L1Tの波長帯域と同じである。この場合、発光素子2については、平行平板19から出射する光と同じ光を用いて、調整が行われる。そのため、発光素子2における光量が変化した場合、調整を行うことで、理想カラーバランスを維持することができる。その結果、第2発光モードにおいて、観察に適した照明光が得られる。
【0124】
光学フィルター21が配置されていない場合、調整では、照明光L1の光量が用いられる。この場合、発光素子2については、平行平板19から出射する光と異なる光を用いて、調整が行われる。そのため、発光素子2における光量が変化した場合、調整を行っても、理想カラーバランスを維持することができない。その結果、第2発光モードにおいて、観察に適した照明光が得られない。
【0125】
光センサ14には、照明光L1のうちの一部の光だけが入射する。この場合、光センサ14で検出する光の光量と、平行平板19から出射する光の光量は異なる。よって、2つの光の光量差を考慮して、発光素子2における調整を行えば良い。
【0126】
図6は、光源装置の第4変形例、照明光の波長帯域、波長選択フィルターの波長選択特性、及びダイクロイックミラーの波長選択特性を示す図である。
図6(a)は、光源装置の第4変形例を示す図である。
図6(b)は、照明光の波長帯域、波長選択フィルターの波長選択特性、及びダイクロイックミラーの波長選択特性を示す図である。
図5(a)と同じ構成要素については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0127】
上述の光源装置では、部分帯域光L1’が波長選択フィルター5から出射する。部分帯域光L1’の波長帯域は、透過帯域ΔabTと同じである。透過帯域ΔabTは、波長選択フィルター5における透過帯域である。よって、部分帯域光L1’の波長帯域は、波長選択フィルター5の透過帯域だけで決まる。
【0128】
しかしながら、波長選択フィルターから出射する光の波長帯域は、波長選択フィルターの透過帯域とダイクロイックミラーの透過帯域で決めることもできる。
【0129】
図6(a)に示すように、光源装置10’’’は、光学フィルター30と、波長選択フィルター31と、を有する。光学フィルター30は、光センサ6に隣接している。光学フィルター30は、透過型の光学フィルターである。波長選択フィルター31は、光路OP3上に位置している。
【0130】
図6(b)には、照明光L1の波長帯域と照明光L2の波長帯域が実線で示されている。また、ダイクロイックミラー20の波長選択特性が2点鎖線で示され、波長選択フィルター31の波長選択特性が破線で示されている。横軸は、波長を示している。縦軸は、光量又は透過率を示している。
【0131】
上述のように、ダイクロイックミラー20は、波長λfより短い光を透過し、波長λfより長い光を反射する特性を有する。よって、照明光L1では、部分帯域光L1Tはダイクロイックミラー20を透過し、部分帯域光L1Rはダイクロイックミラー20で反射される。その結果、部分帯域光L1Tはダイクロイックミラー20から出射するが、部分帯域光L1Rはダイクロイックミラー20から出射しない。
【0132】
部分帯域光L1Tは、第3光路OP3を進行する。ダイクロイックミラー20の出射側には、波長選択フィルター31が配置されている。部分帯域光L1Tは、波長選択フィルター31に入射する。波長選択フィルター31は、透過帯域ΔadTを有する。波長λaから波長λdまでが、透過帯域ΔadTの波長帯域である。
【0133】
波長λaから波長λfまでの光を部分帯域光L1T’とする。波長λaから波長λfまでが、部分帯域光L1T’の波長帯域である。部分帯域光L1T’の波長帯域は、透過帯域ΔafTと同じである。透過帯域ΔafTは、透過帯域ΔadTに含まれている。よって、部分帯域光L1T’が、波長選択フィルター31から出射する。
【0134】
透過帯域ΔafTでは、波長λaは、波長選択フィルター31の透過帯域で決まる。波長λfは、ダイクロイックミラー20の透過帯域で決まる。このように、光源装置10’’’では、波長選択フィルター31から出射する光の波長帯域は、波長選択フィルター31の透過帯域とダイクロイックミラー20の透過帯域で決まる。
【0135】
第1発光モードにおける調整について説明する。第1発光モードでは、波長選択フィルター31が用いられる。この場合、波長選択フィルター31から、部分帯域光L1T’が出射する。理想カラーバランスを維持するためには、部分帯域光L1T’の光量の変化を検出し、検出した結果に基づいて発光素子2の光量を調整すれば良い。
【0136】
光源装置10’’’では、光学フィルター30を介して光を検出している。光学フィルター30から出射する光の波長帯域は、部分帯域光L1T’の波長帯域に対応していれば良い。具体的には、光学フィルター30は、透過帯域が透過帯域ΔafTと同一となるような波長選択特性を有する。
【0137】
光センサ6では、検出光L1d’’’が検出される。検出光L1d’’’は、光学フィルター30を透過した光である。光学フィルター30には、照明光L1だけが入射する。この場合、検出光L1d’’’の波長帯域は、透過帯域ΔafTと同じになる。透過帯域ΔafTは、部分帯域光L1T’の波長帯域と同じである。よって、検出光L1d’’’の波長帯域は、部分帯域光L1T’の波長帯域と同じである。
【0138】
照明光L1の光量が変化すると、検出光L1d’’’の光量と部分帯域光L1T’の光量が変化する。よって、検出光L1d’’’の光量の変化を検出することで、部分帯域光L1T’の光量の変化を検出することができる。光源装置10’’’では、光センサ6から出力された信号に基づいて、発光素子2における光量を調整することができる。
【0139】
調整では、検出光L1d’’’の光量が用いられる。上述のように、検出光L1d’’’の波長帯域は、部分帯域光L1T’の波長帯域と同じである。この場合、発光素子2については、波長選択フィルター31から出射する光と同じ光を用いて、調整が行われる。そのため、発光素子2における光量が変化した場合、調整を行うことで、理想カラーバランスを維持することができる。その結果、第1発光モードにおいて、観察に適した照明光が得られる。
【0140】
第2発光モードにおける調整では、光センサ14と光学フィルター21が用いられる。光センサ14と光学フィルター21を用いた調整は、光源装置10’’で説明している。よって、第2発光モードにおける調整については説明を省く。
【0141】
光学フィルター30の透過帯域は、透過帯域ΔafTの波長帯域と同じである。透過帯域ΔafTは、透過帯域ΔadTに含まれている。よって、光学フィルター30は、波長選択フィルター31の波長選択特性に対応する波長選択特性を有する。
【0142】
光学フィルター30は1つの光学部材で形成されているが、2つの光学部材で形成されていても良い。この場合、一方の光学部材に波長選択フィルター31の透過帯域と同じ波長帯域を持たせ、他方の光学部材にダイクロイックミラー20の波長選択特性と同じ波長帯域を持たせれば良い。
【0143】
この場合、一方の光学部材が、波長選択フィルター31の透過帯域と同じ波長帯域を有する。よって、光学フィルターを2つの部材で形成した場合も、光学フィルターは、波長選択フィルター31の波長選択特性に対応する波長選択特性を有する。
【0144】
光源装置10’’’では、照明光L1について、波長選択フィルターから出射する光の波長待機委を、波長選択フィルターの透過帯域とダイクロイックミラーの透過帯域で決めている。照明光L2についても、波長選択フィルターから出射する光の波長待機委を、波長選択フィルターの透過帯域とダイクロイックミラーの透過帯域で決めることができる。
【0145】
図7は、光源装置の第5変形例、照明光の波長帯域、波長選択フィルターの波長選択特性、及びダイクロイックミラーの波長選択特性を示す図である。
図7(a)は、光源装置の第5変形例を示す図である。
図7(b)は、照明光の波長帯域、波長選択フィルターの波長選択特性、及びダイクロイックミラーの波長選択特性を示す図である。
図5(a)と同じ構成要素については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0146】
図7(a)に示すように、光源装置10’’’’は、発光素子32と、ダイクロイックミラー33と、波長選択フィルター34と、光センサ35と、光センサ36と、光学フィルター37と、光学フィルター38と、を有する。
【0147】
第1光路OP1と第2光路OP2が交差する位置に、ダイクロイックミラー33が配置されている。波長選択フィルター34は、光路OP3上に位置している。
【0148】
図7(b)には、照明光L1の波長帯域と照明光L2の波長帯域が実線で示されている。また、ダイクロイックミラー33の波長選択特性が2点鎖線で示され、波長選択フィルター34の波長選択特性が破線で示されている。横軸は、波長を示している。縦軸は、光量又は透過率を示している。
【0149】
ダイクロイックミラー33は、波長λFより短い光を透過し、波長λFより長い光を反射する特性を有する。よって、照明光L2では、部分帯域光L2Rはダイクロイックミラー33反射され、部分帯域光L2Tはダイクロイックミラー33を透過する。その結果、部分帯域光L2Rはダイクロイックミラー33から出射するが、部分帯域光L2Tはダイクロイックミラー33から出射しない。
【0150】
部分帯域光L2Rは、第3光路OP3を進行する。ダイクロイックミラー33の出射側には、波長選択フィルター34が配置されている。部分帯域光L2Rは、波長選択フィルター34に入射する。波長選択フィルター34は、透過帯域ΔDTを有する。波長λDより短波長側が、透過帯域ΔDTの波長帯域である。
【0151】
波長λFから波長λDまでの光を部分帯域光L2R’とする。波長λFから波長λDまでが、部分帯域光L2R’の波長帯域である。部分帯域光L2R’の波長帯域は、反射帯域ΔFDRと同じである。反射帯域ΔFDRは、透過帯域ΔDTに含まれている。よって、部分帯域光L2R’が、波長選択フィルター34から出射する。
【0152】
反射帯域ΔFDRでは、波長λFは、ダイクロイックミラー33の反射帯域で決まる。波長λDは、波長選択フィルター34の透過帯域で決まる。このように、光源装置10’’’’では、波長選択フィルター34から出射する光の波長帯域は、ダイクロイックミラー33の反射帯域と波長選択フィルター34の透過帯域で決まる。
【0153】
発光素子2と発光素子32では、光量が温度に応じて変化する。よって、発光素子2の光量と発光素子32の光量を調整する必要がある。
【0154】
発光素子2における調整について説明する。発光素子2では、波長選択フィルター34と平行平板19に、照明光L1が入射する。照明光L1の波長帯域全部は、波長選択フィルター34の透過帯域と平行平板19の透過帯域に含まれている。この場合、第1発光モードと第2発光モードの両方で、照明光L1の波長帯域全部の光が回転部材15から出射する。よって、理想カラーバランスを維持するためには、照明光L1の光量の変化を検出し、検出した結果に基づいて発光素子2の光量を調整すれば良い。
【0155】
光源装置10’’’’では、発光素子2の近傍に、光センサ6が配置されている。光センサ6には、照明光L1の一部が入射する。この場合、発光素子2については、波長選択フィルター34から出射する光と同じ光を用いて、調整が行われる。そのため、発光素子2における光量が変化した場合、調整を行うことで、理想カラーバランスを維持することができる。その結果、第1発光モードにおいて、観察に適した照明光が得られる。
【0156】
発光素子32における調整について説明する。発光素子32では、波長選択フィルター34と平行平板19に、部分帯域光L2Rが入射する。部分帯域光L2Rの波長帯域全部は、波長選択フィルター34の透過帯域に含まれていない。部分帯域光L2Rの波長帯域全部は、平行平板19の透過帯域に含まれている。この場合、回転部材15から出射する光の波長帯域は、第1発光モードと第2発光モードとで異なる。
【0157】
第1発光モードにおける調整について説明する。第1発光モードでは、波長選択フィルター34が用いられる。この場合、波長選択フィルター34から、部分帯域光L2R’が出射する。理想カラーバランスを維持するためには、部分帯域光L2R’の光量の変化を検出し、検出した結果に基づいて発光素子32の光量を調整すれば良い。
【0158】
部分帯域光L2R’の検出は、光センサで行えば良い。ただし、波長選択フィルター34の出射側に光センサを配置することは難しい。光源装置10’’’’では、発光素子32の近傍に、光センサ35と光学フィルター37が配置されている。光学フィルター37から出射する光の波長帯域が、部分帯域光L2R’の波長帯域に対応していれば良い。
【0159】
光センサ35は、発光素子32からの光を、光学フィルター37を介して受光する。発光素子32から照明光L2が出射する。光センサ35は、照明光L2が届く位置に配置されている。
【0160】
光学フィルター37は、光センサ35に隣接している。
図7(a)では、見易さのために、光学フィルター37を光センサ35から離している。光学フィルター37は、発光素子32と光センサ35の間に配置されている。光学フィルター37は、透過型の光学フィルターである。
【0161】
光学フィルター37は、波長選択フィルター34の波長選択特性に対応する波長選択特性を有する。具体的には、光学フィルター37は、透過帯域が反射帯域ΔFDRと同一となるような波長選択特性を有する。
【0162】
光センサ35では、検出光L2d’が検出される。検出光L2d’は、光学フィルター37を透過した光である。光学フィルター37には、照明光L2だけが入射する。この場合、検出光L2d’の波長帯域は、反射帯域ΔFDRと同じになる。反射帯域ΔFDRは、部分帯域光L2R’の波長帯域と同じである。よって、検出光L2d’の波長帯域は、部分帯域光L2R’の波長帯域と同じである。
【0163】
照明光L2の光量が変化すると、検出光L2d’の光量と部分帯域光L2R’の光量が変化する。よって、検出光L2d’の光量の変化を検出することで、部分帯域光L2R’の光量の変化を検出することができる。光源装置10’’’’では、光センサ35から出力された信号に基づいて、発光素子32における光量を調整することができる。
【0164】
調整では、検出光L2d’の光量が用いられる。上述のように、検出光L2d’の波長帯域は、部分帯域光L2R’の波長帯域と同じである。この場合、発光素子32については、波長選択フィルター34から出射する光と同じ光を用いて、調整が行われる。そのため、発光素子32における光量が変化した場合、調整を行うことで、理想カラーバランスを維持することができる。その結果、第1発光モードにおいて、観察に適した照明光が得られる。
【0165】
光学フィルター37は1つの光学部材で形成されているが、2つの光学部材で形成されていても良い。この場合、一方の光学部材に波長選択フィルター34の透過帯域と同じ波長帯域を持たせ、他方の光学部材にダイクロイックミラー33の波長選択特性と同じ波長帯域を持たせれば良い。
【0166】
この場合、一方の光学部材が、波長選択フィルター34の透過帯域と同じ波長帯域を有する。よって、光学フィルターを2つの部材で形成した場合も、光学フィルターは、波長選択フィルター34の波長選択特性に対応する波長選択特性を有する。
【0167】
第2発光モードにおける調整について説明する。第2発光モードでは、平行平板19が用いられる。この場合、平行平板19から、部分帯域光L2Rが出射する。理想カラーバランスを維持するためには、部分帯域光L2Rの光量の変化を検出し、検出した結果に基づいて発光素子32の光量を調整すれば良い。
【0168】
部分帯域光L2Rの検出は、光センサで行えば良い。ただし、平行平板19の出射側に光センサを配置することは難しい。光源装置10’’’’では、発光素子32の近傍に、光センサ36と光学フィルター38が配置されている。光学フィルター38から出射する光の波長帯域が、部分帯域光L2Rの波長帯域に対応していれば良い。
【0169】
光センサ36は、発光素子32からの光を、光学フィルター38を介して受光する。発光素子32から照明光L2が出射する。光センサ36は、照明光L2が届く位置に配置されている。
【0170】
光学フィルター38は、光センサ36に隣接している。
図7(a)では、見易さのために、光学フィルター38を光センサ36から離している。光学フィルター38は、発光素子32と光センサ36の間に配置されている。光学フィルター38は、透過型の光学フィルターである。光学フィルター38は、透過帯域が反射帯域ΔFRと同一となるような波長選択特性を有する。
【0171】
光センサ36では、検出光L2dが検出される。検出光L2dは、光学フィルター38を透過した光である。光学フィルター38には、照明光L2だけが入射する。この場合、検出光L2dの波長帯域は、反射帯域ΔFRに含まれる。反射帯域ΔFRは、部分帯域光L2Rの波長帯域を含んでいる。よって、検出光L2dの波長帯域は、部分帯域光L2R’の波長帯域と同じである。
【0172】
照明光L2の光量が変化すると、検出光L2dの光量と部分帯域光L2Rの光量が変化する。よって、検出光L2dの光量の変化を検出することで、部分帯域光L2Rの光量の変化を検出することができる。光源装置10’’’’では、光センサ36から出力された信号に基づいて、発光素子32における光量を調整することができる。
【0173】
調整では、検出光L2dの光量が用いられる。上述のように、検出光L2dの波長帯域は、部分帯域光L2Rの波長帯域と同じである。この場合、発光素子32については、平行平板19から出射する光と同じ光を用いて、調整が行われる。そのため、発光素子32における光量が変化した場合、調整を行うことで、理想カラーバランスを維持することができる。その結果、第2発光モードにおいて、観察に適した照明光が得られる。
【0174】
図8は、本実施形態の光源装置を示す図である。
図8(a)は、本実施形態の光源装置の第3例を示す図である。
図8(b)は、本実施形態の光源装置の第4例を示す図である。
図3(a)と同じ構成要素については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0175】
第3例の光源装置について説明する。第3例の光源装置は、4つの発光素子を有する。第3例の光源装置では、4つの発光素子における光量は、温度に応じて変化する。
【0176】
図8(a)に示すように、光源装置40は、発光素子2と、発光素子41と、発光素子42と、発光素子43と、を有する。発光素子2、発光素子41、発光素子42、及び発光素子43では、光量は温度に応じて変化する。
【0177】
光源装置40は、光センサ14と、光センサ44と、光センサ45と、光センサ46と、を有する。
【0178】
光センサ44は、発光素子41の近傍に配置されている。光センサ44は、照明光L2の一部を受光する。発光素子41と光センサ44の間には、光学フィルターは配置されていない。よって、光センサ44は、照明光L2のうちの一部の光をそのまま受光する。
【0179】
光センサ45は、発光素子42の近傍に配置されている。光センサ45は、照明光L3の一部を受光する。発光素子42と光センサ45の間には、光学フィルターは配置されていない。よって、光センサ45は、照明光L3のうちの一部の光をそのまま受光する。
【0180】
光センサ46は、発光素子43の近傍に配置されている。光センサ46は、照明光L4の一部を受光する。発光素子43と光センサ46の間には、光学フィルターは配置されていない。よって、光センサ46は、照明光L4のうちの一部の光をそのまま受光する。
【0181】
光源装置40では、光源装置1と同様に、光センサ6から出力された信号に基づいて、発光素子2における光量を調整することができる。よって、発光素子2における光量が変化しても、調整を行うことで、理想カラーバランスを維持することができる。その結果、第1発光モードにおいて、観察に適した照明光が得られる。
【0182】
また、光源装置40では、光センサ14から出力された信号に基づいて、発光素子2における光量を調整することができる。光センサ44から出力された信号に基づいて、発光素子41における光量を調整することができる。光センサ45から出力された信号に基づいて、発光素子42における光量を調整することができる。光センサ46から出力された信号に基づいて、発光素子43における光量を調整することができる。
【0183】
これらの調整では、照明光L1の光量、照明光L2の光量、照明光L3の光量、及び照明光L4の光量が用いられる。よって、発光素子2における光量、発光素子41における光量、発光素子42における光量、及び発光素子43における光量が変化しても、調整を行うことで、理想カラーバランスを維持することができる。その結果、第2発光モードにおいて、観察に適した照明光が得られる。
【0184】
各発光素子から出射する光の色を適切に設定することで、光源装置10と同様に、第1発光モードでは、狭帯域光観察に適した照明光が得られ、第2発光モードでは、通常観察に適した照明光が得られる。
【0185】
第4例の光源装置について説明する。第4例の光源装置は、4つの発光素子を有する。第4例の光源装置では、4つの発光素子における光量は、温度に応じて変化する。
【0186】
図8(b)に示すように、光源装置50は、レンズ51と、レンズ52と、レンズ53と、レンズ54と、を有する。
【0187】
レンズ51は、発光素子2とダイクロイックミラー4の間に配置されている。レンズ52は、発光素子41とダイクロイックミラー4の間に配置されている。レンズ53は、発光素子42とダイクロイックミラー16の間に配置されている。レンズ54は、発光素子43とダイクロイックミラー17の間に配置されている。
【0188】
照明光L1、照明光L2、照明光L3、及び照明光L4が発散光の場合、レンズによって、発散光を平行光に変換することができる。その結果、光の利用効率を高めることができる。平行光には、略平行な光も含まれる。
【0189】
光源装置50は、光センサ6、光センサ14、光センサ44、光センサ45、及び光センサ46と、を有する。よって、光源装置50でも、光源装置40と同様に、第1発光モードと第2発光モードにおいて、観察に適した照明光が得られる。
【0190】
図9は、光センサ配置を示すである。
図9(a)は、第1の配置例を示すである。
図9(b)は、第2の配置例を示すである。
図9(c)は、第3の配置例を示すである。
図3(b)と同じ構成要素については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0191】
何れの配置例でも、発光素子2から発散光が出射する。発散光は、レンズ51に入射する。発散光の一部は、光センサ6と光センサ14で検出される。
【0192】
第1の配置例を、
図9(a)に示す。第1の配置例では、発散光のうちの中央部分の光がレンズ51に入射する。レンズ51に入射する光は、光センサ6での検出と光センサ14での検出には用いられない。この場合、光センサ6での検出と光センサ14での検出には、発散光のうちの周辺部分の光を用いることになる。
【0193】
周辺部分の光は、レンズ51の外側に位置する円環領域を進行する。よって、第1の配置例では、光センサ6と光センサ14は、この円環領域に配置されている。
【0194】
第2の配置例を、
図9(b)に示す。第2の配置例では、平行平板60が用いられている。平行平板60は、レンズ51の出射側に位置している。
【0195】
第2の配置例では、発散光のほとんどがレンズ51に入射する。発散光は、レンズ51で平行光に変換される。レンズ51から出射した平行光は、平行平板60に入射する。平行平板60では、表面の反射率に応じて平行光が反射される。反射された平行光の進行方向には、光センサ6と光センサ14が配置されている。
【0196】
図9(b)では、光センサ6は、光センサ14に比べて、平行光の周辺側に位置している。よって、光センサ6での検出には、発散光のうちの周辺部分の光を用い、光センサ14での検出には、発散光のうちの中心部分の光を用いることになる。
【0197】
第3の配置例を、
図9(c)に示す。第3の配置例では、光ファイバ61と光ファイバ62が用いられている。そのため、第1の配置例に比べて、光センサの位置についての制限が少ない。光ファイバ61と光ファイバ62には、例えば、ファイババンドルを用いることができる。
【0198】
光ファイバ61では、一方の端面は発散光の光束内に位置し、他方の端面は光センサ6と対向している。光ファイバ62では、一方の端面は発散光の光束内に位置し、他方の端面は光センサ14と対向している。
【0199】
第3の配置例では、第1の配置例と同様に、発散光のうちの中央部分の光がレンズ51に入射する。レンズ51に入射する光は、光センサ6での検出と光センサ14での検出には用いられない。この場合、光センサ6での検出と光センサ14での検出には、発散光のうちの周辺部分の光を用いることになる。
【0200】
周辺部分の光は、レンズ51の外側に位置する円環領域を進行する。よって、第3の配置例では、光ファイバ61の端面と光ファイバ62の端面が、円環領域に位置している。
【0201】
本実施形態の光源装置では、光学フィルターの波長選択特性は、波長選択フィルターの波長選択特性を長波長側にシフトした波長選択特性であり、シフトの量は、発光素子から光センサに向かう光路と発光素子から光学系に向かう光路との角度に基づくことが好ましい。
【0202】
図10は、発光素子の配光と、光センサ配置を示すである。
図10(a)は、発光素子の配光を示すである。
図10(b)は、第4の配置例を示すである。
図3(a)と同じ構成要素については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0203】
図10(a)に示すように、発光素子から出射する光は広がりを有する。光の広がり方のことを配光といい、配光は明るさと角度で表わされる。角度は、光が進行する方向の角度(以下、「指向角」という)を表している。
図10(a)に示す配光では、指向角が大きくなるにつれて明るさが減少する。
【0204】
図10(b)に示すように、第4の配置例では、発光素子70と、波長選択フィルター71と、光学フィルター72が用いられている。
【0205】
発光素子70における配光は、
図10(a)に示す配光と同じである。発光素子70から、照明光L5が出射する。照明光L5cは、照明光L5のうちの指向角が小さい光である。照明光L5cは、波長選択フィルター71に向かって進行する。照明光L5pは、照明光L5のうちの指向角が大きい光である。照明光L5pは、光学フィルター72に向かって進行する。
【0206】
発光素子70について、発光素子2と比較しながら説明する。発光素子2における配光も、
図10(a)に示す配光と同じである。よって、照明光L1と照明光L5では、指向角が大きくなるにつれて明るさは減少する。
【0207】
発光素子2では、指向角に応じて波長帯域はシフトしない。この場合、照明光L1では、どの指向角の光であっても、波長帯域は同じである。よって、光学フィルター7に入射する光の波長帯域は、波長選択フィルター5に入射する光の波長帯域と同じである。
【0208】
これに対して、発光素子70では、指向角に応じて波長帯域はシフトする。この場合、照明光L5では、各指向角で波長帯域が少しずつ異なる。よって、光学フィルター72に入射する光の波長帯域は、波長選択フィルター71に入射する光の波長帯域と異なる。
【0209】
発光素子70では、照明光L5cが波長選択フィルター71に入射し、照明光L5pが光学フィルター72に入射する。照明光L5pの波長帯域は、照明光L5cの波長帯域と異なる。
【0210】
波長選択フィルター71から部分帯域光L5c’が出射する。光学フィルター72から、検出光L5p’が出射する。光センサ6では、検出光L5p’が検出される。
【0211】
図11は、照明光の波長帯域、波長選択フィルターの特性、及び光学フィルターの特性を示す図である。
図11(a)は、指向角が小さい光の波長帯域を示す図である。
図11(b)は、指向角が大きい光の波長帯域を示す図である。
図11(c)は、指向角が小さい光の波長帯域と波長選択フィルターの特性と示す図である。
図11(d)と
図11(e)は、指向角が大きい光の波長帯域と光学フィルターの特性を示す図である。
【0212】
図11(a)には、照明光L5cの波長帯域が示されている。
図11(b)には、照明光L5pの波長帯域が示されている。横軸は、波長を示している。縦軸は、光量を示している。照明光L5cの光量と照明光L5pの光量は異なる。
図11(a)と
図11(b)では、光量は1で規格化されている。
【0213】
発光素子70では、指向角が大きくなるほど、照明光の波長帯域は長波長側にシフトする。よって、照明光L5pの波長帯域は、照明光L5cの波長帯域よりも長波長側に位置している。
【0214】
波長λg1から波長λg2までが、照明光L5cの波長帯域である。波長λh1から波長λh2までが、照明光L5pの波長帯域である。波長λh1は波長λg1よりも長波長側に位置している。波長λh2は波長λg2よりも長波長側に位置している。
【0215】
図11(c)には、照明光L5cの波長帯域が実線で示されている。また、波長選択フィルター71の波長選択特性が破線で示されている。横軸は、波長を示している。縦軸は、光量又は透過率を示している。
【0216】
波長選択フィルター71は、
図11(c)に示すように、波長λiより短い光を透過する特性を有する。波長λiより短波長側が、透過帯域ΔiTの波長帯域である。部分帯域光L5c’の波長帯域は、透過帯域ΔiTに含まれている。よって、
図10(b)に示すように、部分帯域光L5c’が波長選択フィルター71から出射する。
【0217】
第1発光モードでは、光センサ6から出力された信号に基づいて、発光素子70における光量を調整することができる。光センサ6で検出される光は、検出光L5p’である。
【0218】
検出光L5p’の波長帯域は、光学フィルター72の波長選択特性に応じて異なる。光学フィルター72が第1の波長選択特性を持つ場合と、光学フィルター72が第2の波長選択特性を持つ場合について説明する。
【0219】
図11(d)と
図11(e)には、照明光L5pの波長帯域が実線で示されている。また、
図11(d)には、第1の波長選択特性が一点鎖線で示されている。
図11(e)には、第2の波長選択特性が一点鎖線で示されている。横軸は、波長を示している。縦軸は、光量又は透過率を示している。
【0220】
第1の波長選択特性は、波長選択フィルター71の波長選択特性と同じである。
図11(d)に示すように、波長λiより短波長側が、透過帯域である。波長λh1から波長λiまでが、検出光L5p’の波長帯域である。
【0221】
第2の波長選択特性は、波長選択フィルター71の波長選択特性と異なる。第2の波長選択特性は、波長選択フィルター71の波長選択特性が長波長側にシフトした波長選択特性である。
図11(e)に示すように、波長λjより短波長側が、透過帯域である。波長λh1から波長λjまでが、検出光L5p’の波長帯域である。波長λjは、波長λiよりも長波長側に位置している。
【0222】
図11(d)と
図11(e)を比較すると、特性曲線で囲まれた面積は、第1の波長選択特性の透過帯域と第2の波長選択特性の透過帯域とで異なる。第2の波長選択特性の透過帯域は、第1の波長選択特性の波長帯域よりも広い。よって、第2の波長選択特性における面積の方が、第1の波長選択特性における面積よりも大きい。
【0223】
第1差分を、波長選択フィルター71の波長選択特性で囲まれた面積と第1の波長選択特性における面積との差とする。第2差分を、波長選択フィルター71の波長選択特性で囲まれた面積と第2の波長選択特性における面積との差とする。上述のように、第2の波長選択特性における面積の方が、第1の波長選択特性における面積よりも大きい。よって、第2差分の方が、第1差分に比べて小さい。
【0224】
このように、第2の波長選択特性では、波長選択フィルター71の波長選択特性で囲まれた面積に近い面積が得られる。よって、光学フィルター72に第2の波長選択特性を持たせることで、発光素子2における光量を、高い精度で調整することができる。その結果、第1発光モードにおいて、より一層観察に適した照明光が得られる。
【0225】
光学フィルター72の第2波長選択特性は、波長選択フィルター71の波長選択特性を長波長側にシフトしたときの波長選択特性である。シフトの量は、第1方向の光路と第2方向の光路との角度に基づく。
【0226】
第1方向の光路は、発光素子70から光センサ6に向かう光路である。第2方向の光路は、発光素子70から波長選択フィルター71に向かう光路である。
図3(a)に示すように、波長選択フィルター5に向かう光路には、光学系13が配置されている。発光素子70から波長選択フィルター71に向かう光路にも、光学系13が配置されている。よって、第2方向の光路は、発光素子から光学系向かう光路としても良い。
【0227】
第1の波長選択特性に対する第2の波長選択特性のシフト量は、波長λjと波長λiとの差で表わされる。照明光L5cの波長帯域に対する照明光L5pの波長帯域のシフト量は、波長λh1と波長λgiとの差で表わされる。波長λjと波長λiとの差は、波長λh1と波長λgiとの差よりも小さい。よって、光学フィルター72では、波長選択フィルター5の波長選択特性に対する波長選択特性のシフト量は、照明光における波長帯域のシフト量と異なる。
【0228】
図12は、光センサ配置を示すである。
図9(a)は、第5の配置例を示すである。
図9(b)は、第6の配置例を示すである。
図10(b)と同じ構成要素については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0229】
上述のように、発光素子70では、指向角に応じて波長帯域はシフトする。よって、照明光L5cの波長帯域は、照明光L5pの波長帯域と異なる。複数の光センサを用いる場合、同じ波長帯域の光が届く領域に各光センサを配置することが好ましい。
【0230】
第5の配置例を、
図12(a)に示す。
図12(a)は、第1の配置例(
図9(a))で、レンズ51側から発光素子2を見たときの様子を示している。ただし、発光素子2は、発光素子70に置き換えている。
【0231】
第5の配置例では、照明光L5cは、レンズ51に入射する。この場合、照明光L5cの領域内に、光センサ6と光センサ14を配置することはできない。よって、光センサ6と光センサ14は、照明光L5pの領域内に配置せざるを得ない。
【0232】
照明光L5pの領域内では、位置に関わらず、波長帯域はほぼ同じである。第5の配置例では、結果的に、光センサ6と光センサ14はほぼ同じ波長帯域に配置される。
【0233】
照明光L5pの領域内に配置される光センサの数は限定されない。更に、光センサ80を配置することができる。光センサ80は、光学フィルター(不図示)と共に用いることができる。光学フィルターの波長選択特性は、光学フィルター6の光学特性や光学フィルター72の光学特性と異なる。
【0234】
照明光L5pの領域の形状は円環で、円環の幅は狭いので、どの位置に光センサを配置しても、中心から光センサまでの距離は同じか、又は略同じである。
【0235】
第5の配置列では、光センサ6、光センサ14、及び光センサ80は、発光素子70からの光を受光している。よって、光源装置は、一つの発光素子からの光を受光する複数の光センサを有する。発光素子70の発光面の中心を中心C(不図示)とし、中心Cから光センサ6に向かう方向を第1方向、中心Cから光センサ14に向かう方向を第2方向、中心Cから光センサ80に向かう方向第3方向とする。第5配列では、第1方向、第2方向、及び第3方向、は互いに異なる。中心Cにおける法線を発光素子70の光軸とすると、光軸と第1方向とのなす角度、光軸と第2方向とのなす角度、及び光軸と第3方向とのなす角度は、同じである。よって、発光素子が有する光軸に対し、同一の傾き角方向に複数のセンサが設置されている。
【0236】
第6の配置例を、
図12(b)に示す。
図12(b)は、第2の配置例(
図9(b))で光センサ6側から平行平板60を見たときの様子を示している。ただし、発光素子2は、発光素子70に置き換えている。
【0237】
第6の配置例では、照明光L5cと照明光L5pは、レンズ51から出射している。この場合、照明光L5cの領域と照明光L5pの領域を合わせた領域内に、光センサ6、光センサ14、及び光センサ80は、を配置することができる。
【0238】
第6の配置例では、光センサ6、光センサ14、及び光センサ80は、照明光L5cの領域内に配置されている。しかしながら、第5の配置例と同様に、これらの光センサは、照明光L5pの領域内に配置しても良い。
【0239】
図12(b)では、第5の配置例との比較のために、照明光L5cと照明光L5pの境界を図示している。しかしながら、第6の配置例では、照明光L5cと照明光L5pの境界は、実際には存在しない。よって、光センサ6、光センサ14、及び光センサ80は、は、照明光L5cと照明光L5pの境界に配置しても良い。
【0240】
照明光L5cの領域内では、位置に応じて、波長帯域が異なる。よって、照明光L5cの領域内では、中心から光センサまでの距離が同じになるように、各光センサを配置している。その結果、光センサ6、光センサ14、光センサ80及びは、ほぼ同じ波長帯域に配置される。
【0241】
指向角に応じて波長帯域がシフトしない場合、破線で示す位置に光センサ14を配置することができる。
【0242】
本実施形態の内視鏡システムは、内視鏡と、ビデオプロセッサと、モニタと、上述の光源装置と、を有する。
【0243】
図13は、本実施形態の内視鏡システムを示す図である。内視鏡システム90は、内視鏡100と、ビデオプロセッサ110と、モニタ120と、光源装置130と、を有する。
【0244】
内視鏡100は、コネクタ101を介して光源装置130に接続されると共に、ケーブル102とコネクタ103を介してビデオプロセッサ110に接続される。
【0245】
内視鏡100は、挿入部104を有する。挿入部104には、ライトガイド105、レンズ106、撮像ユニット107、及び信号線108が内蔵されている。
【0246】
ライトガイド105は、光源装置130で生成された照明光をレンズ106まで導光する。レンズ106から、照明光が出射する。
【0247】
撮像ユニット107は、対物光学系と、撮像素子と、を有する。撮像素子には、信号線108を介してビデオプロセッサ110から駆動信号が送信される。撮像素子は、対物光学系で形成された光学像から画像信号を生成する。画像信号は、信号線108を介してビデオプロセッサ110に出力される。
【0248】
ビデオプロセッサ110では、必要に応じて、画像信号に対して処理が行われる。画像信号は、ケーブル111を介してモニタ120に出力される。モニタ120では、画像信号に基づいて内視鏡画像が表示される。
【0249】
ビデオプロセッサ110は、内視鏡画像の明るさが目標の明るさとなるように、光源装置130を制御することができる。光源装置130を制御する情報は、ケーブル112を介して光源装置130に供給される。
【0250】
光源装置130は、複数の発光素子140と、複数の光センサ150と、複数のレンズ160と、合成光学系170と、駆動部131と、制御部132と、メモリ133と、を有する。
【0251】
複数の発光素子140は、発光素子141と、発光素子142と、発光素子143と、発光素子144と、を有する。
【0252】
発光素子141から、照明光LRが出射する。照明光LRは、赤色の光である。発光素子142から、照明光LGが出射する。照明光LGは、緑色の光である。発光素子143から、照明光LBが出射する。照明光LBは、青色の光である。発光素子144から、照明光LVが出射する。照明光LVは、紫色の光である。
【0253】
複数の光センサ150は、光センサ151と、光センサ152と、光センサ153と、光センサ154と、を有する。
【0254】
光センサ151は、照明光LRが届く位置に配置されている。光センサ152は、照明光LGが届く位置に配置されている。光センサ153は、照明光LBが届く位置に配置されている。光センサ154は、照明光LVが届く位置に配置されている。
【0255】
複数のレンズ160は、レンズ161と、レンズ162と、レンズ163と、レンズ164と、レンズ165と、を有する。
【0256】
照明光LRは、レンズ161に入射する。レンズ161は、照明光LRを平行光に変換する。照明光LGは、レンズ162に入射する。レンズ162は、照明光LGを平行光に変換する。照明光LBは、レンズ163に入射する。レンズ163は、照明光LBを平行光に変換する。照明光LVは、レンズ164に入射する。レンズ164は、照明光LVを平行光に変換する。
【0257】
照明光LR、照明光LG、照明光LB、及び照明光LVは、合成光学系170に入射する。合成光学系170は、ダイクロイックミラー171と、ダイクロイックミラー172と、ダイクロイックミラー173と、を有する。
【0258】
照明光LRと照明光LGは、ダイクロイックミラー171に入射する。ダイクロイックミラー171で、照明光LRと照明光LGが合成される。照明光LBは、ダイクロイックミラー172に入射する。ダイクロイックミラー172で、照明光LR、照明光LG、及び照明光LBが合成される。照明光LVは、ダイクロイックミラー173に入射する。ダイクロイックミラー172で、照明光LR、照明光LG、照明光LB、及び照明光LVが合成される。
【0259】
照明光LR、照明光LG、照明光LB、及び照明光LVは、回転部材180に到達する。回転部材180は、波長選択フィルター181と、平行平板182と、を有する。
【0260】
光路上に波長選択フィルター181が位置する場合、波長選択フィルター181から照明光LBと部分帯域光LV’が出射する(部分帯域LV’は不図示)。この場合、第1発光モードによる照明光、すなわち狭帯域光観察に適した照明光が得られる。
【0261】
光路上に平行平板181が位置する場合、平行平板181から照明光LR、照明光LG、照明光LB、及び照明光LVが出射する。この場合、第2発光モードによる照明光、すなわち通常観察に適した照明光が得られる。
【0262】
波長選択フィルター181から出射した光、又は平行平板181から出射した光は、レンズ165で集光される。集光位置には、ライトガイド105の端面が位置している。集光された光はライトガイド105に入射し、レンズ106まで導光される。レンズ106から出射した光で、物体が照明される。
【0263】
複数の発光素子140では、各々の発光素子が駆動部131に接続されている。駆動部131では、発光素子の点灯と消灯を行う。その結果、PWM制御を行うことができる。PWM制御を行うことで、発光素子における光量の調整が行われる。調整に関する情報は、メモリ133に記憶されている。
【0264】
内視鏡システム90では、調整に関する情報を用いて、各発光素子における光量の調整が行われる。そのため、各発光素子における光量が変化した場合、調整を行うことで、理想カラーバランスを維持することができる。その結果、第1発光モードと第2発光モードにおいて、観察に適した照明光が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0265】
以上のように、本発明は、発光素子における光量が変化しても理想カラーバランスを維持することができる光源装置、及び鮮明な画像が取得できる内視鏡システムに適している。
【符号の説明】
【0266】
1、1’ 光源装置
2、3 発光素子
4 ダイクロイックミラー
5 波長選択フィルター
6 光センサ
7、8 光学フィルター
10、10’、10’’、10’’’、10’’’’ 光源装置
11、12 発光素子
13 光学系
14 光センサ
15 回転部材
16、17、20 ダイクロイックミラー
18 回転板
19 平行平板
21、30、37、38 光学フィルター
31、34 波長選択フィルター
32 発光素子
33 ダイクロイックミラー
35、36 光センサ
40、50 光源装置
41、42、43 発光素子
44、45、46 光センサ
51、52、53、54 レンズ
60 平行平板
61、62 光ファイバ
70 発光素子
71 波長選択フィルター
72 光学フィルター
80 光センサ
90 内視鏡システム
100 内視鏡
101、103 コネクタ
102、111、112 ケーブル
104 挿入部
105 ライトガイド
106 レンズ
107 撮像ユニット
108 信号線
110 ビデオプロセッサ
120 モニタ
130 光源装置
131 駆動部
132 制御部
133 メモリ
140 複数の発光素子
141、142、143、144 発光素子
150 複数の光センサ
151、152、153、154 光センサ
160 複数のレンズ
161、162、163、164、165 レンズ
170 合成光学系
171、172、173 ダイクロイックミラー
180 回転部材
181 波長選択フィルター
182 平行平板
L1、L2、L3、L4、L5、L5c、L5p、LR、LG、LB、LV 照明光
OP1 第1光路
OP2 第2光路
OP3 第3光路
ΔabT、ΔcdT、ΔfT、ΔadT、ΔafT、ΔiT、ΔDT 透過帯域
ΔfR、ΔFR、ΔFDR 反射帯域
λa、λb、λc、λd、λe、λf、λg1、λg2、λh1、λh2、λi、λj 波長
L1’、L1T、L1R、L1T’、L5c’、L2R、L2R’ 部分帯域光
L1d、L1d’、L1d’’、L1d’’’、L5p’、L2d、L2d’ 検出光