(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】センサーユニット駆動装置及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
G09F9/00 352
G09F9/00 350Z
(21)【出願番号】P 2023575133
(86)(22)【出願日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 JP2022046596
(87)【国際公開番号】W WO2023139996
(87)【国際公開日】2023-07-27
【審査請求日】2024-08-01
(31)【優先権主張番号】P 2022008104
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391010116
【氏名又は名称】EIZO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】保古 秀一
(72)【発明者】
【氏名】本村 文彦
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-150213(JP,A)
【文献】特開2015-203794(JP,A)
【文献】特開2012-150136(JP,A)
【文献】特開2014-132304(JP,A)
【文献】特表2019-535031(JP,A)
【文献】特開2013-003273(JP,A)
【文献】国際公開第2018/116339(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0204437(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109521592(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106384563(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105023512(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110751899(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109686254(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0095055(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H05B 33/00-33/28
44/00
45/60
H10K 50/00-99/00
G09G 1/00-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーを有するセンサーユニットと、
前記センサーユニットに接続され前記センサーユニットを駆動する駆動手段とを備え、
前記センサーは、画像を表示する表示面を備える表示パネルの光学特性を測定するように構成され、
前記センサーユニットは、退避位置において前記表示パネルの側面側に設けられ、且つ検出位置において前記センサーが前記表示面と対向するように構成され、
前記駆動手段が前記センサーユニットを駆動すると、前記センサーユニットが移動することで前記退避位置と前記検出位置が切替可能に構成され、
前記センサーユニットは、前記駆動手段が前記センサーユニットを駆動すると、前記退避位置から前記表示面に対して非垂直な回転軸周りに旋回回転する回転動作と、ヒンジ構造を介して前記表示面に向けて屈曲する屈曲動作とにより、前記検出位置に移動するように構成される、センサーユニット駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサーユニット駆動装置であって、
前記表示パネルの前記側面側の周縁には、ベゼルが設けられ、
前記センサーユニットは、前記回転動作により前記ベゼルから突出した後、前記屈曲動作を行うように構成される、センサーユニット駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のセンサーユニット駆動装置であって、
前記駆動手段は、前記表示パネルの前記側面側に、又は前記表示パネルの前記側面側及び背面側に跨って、設けられる、センサーユニット駆動装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のセンサーユニット駆動装置であって、
前記センサーユニットは、前記回転動作の途中で前記屈曲動作を開始するように構成される、センサーユニット駆動装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のセンサーユニット駆動装置であって、
前記ヒンジ構造は、前記センサーユニットの基端側に設けられ、
前記センサーは、前記センサーユニットの先端側に設けられる、センサーユニット駆動装置。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のセンサーユニット駆動装置であって、
スライド部品を備え、
前記スライド部品は、前記ヒンジ構造に接続されて前記センサーユニットの基端側に設けられ、
前記センサーは、前記センサーユニットの先端側に設けられる、センサーユニット駆動装置。
【請求項7】
請求項6に記載のセンサーユニット駆動装置であって、
前記スライド部品は、前記ヒンジ構造に接続される第1部材と、第1部材に接続される第2部材とを備え、
第1部材は、第2部材に対して回動可能に構成される、センサーユニット駆動装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載のセンサーユニット駆動装置であって、
前記スライド部品は、前記ヒンジ構造に接続される側とは反対側の端部に回転動作ピンを備える、センサーユニット駆動装置。
【請求項9】
請求項8に記載のセンサーユニット駆動装置であって、
屈曲動作ピンを備え、
前記屈曲動作ピンは、前記センサーユニットの対向する一対の側面から両端が各々突出するように、前記センサーユニットの前記基端側に設けられる、センサーユニット駆動装置。
【請求項10】
請求項9に記載のセンサーユニット駆動装置であって、
前記駆動手段は、第1カムと、第2カムと、アクチュエータとを備え、
第1カムは、第1溝と、第1溝に連続して形成された第2溝とを備え、
第2カムは、第3溝を備え、
前記回転動作ピンが第1溝に沿って移動することにより前記センサーユニットの前記回転動作が行われ、前記回転動作ピンが第2溝に沿って移動するのと同時に前記屈曲動作ピンが第3溝に沿って移動することにより前記センサーユニットの前記屈曲動作が行われるように構成される、センサーユニット駆動装置。
【請求項11】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のセンサーユニット駆動装置であって、
前記ヒンジ構造は、前記駆動手段側に設けられた第1斜面と、前記センサーユニット側に設けられた第2斜面とを備え、
第1斜面及び第2斜面が相互に摺動することにより、前記センサーユニットの前記屈曲動作が行われるように構成される、センサーユニット駆動装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1つに記載のセンサーユニット駆動装置であって、
前記センサーユニットは、長手方向に伸縮可能に構成される、センサーユニット駆動装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1つに記載のセンサーユニット駆動装置と、前記表示パネルとを備える、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサーユニット駆動装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を表示する画像表示装置として、表示面の輝度等の光学特性を測定し、測定結果に基づきキャリブレーションを行う機能を備えた製品が提案されている。特許文献1には、光センサーを有するセンサーユニットを、表示面の周囲を囲うベゼル内の収納位置と表示面上の測定位置との間で移動させることが可能なセンサーユニット作動機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のセンサーユニット作動機構においては、表示面の前方においてセンサーユニットを収納位置と測定位置との間で回動させる。このような構成では、ベゼル内にセンサーユニットを収納するための空間を設けるために、少なくとも当該空間が形成される部分においてベゼルを表示面の前方にセンサーユニットの厚み以上に突出させ、ベゼルの幅をセンサーユニットの幅以上に確保するというベゼルの設計上の制約が生じる。特に、表示面の中心に近い位置を測定可能な比較的大型のセンサーユニットを用いる場合には、ベゼルの突出量及び幅が大きくなり画像表示装置の外観性が損なわれるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ベゼルを表示面の前方に突出させることなく、且つベゼルの幅をより小さくしつつも、センサーユニットを収納可能とし、且つ収納された状態からスムーズに移動させて表示面の測定を行うことが可能なセンサーユニット駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、センサーを有するセンサーユニットと、前記センサーユニットに接続され前記センサーユニットを駆動する駆動手段とを備え、前記センサーは、画像を表示する表示面を備える表示パネルの光学特性を測定するように構成され、前記センサーユニットは、退避位置において前記表示パネルの側面側に設けられ、且つ検出位置において前記センサーが前記表示面と対向するように構成され、前記駆動手段が前記センサーユニットを駆動すると、前記センサーユニットが移動することで前記退避位置と前記検出位置が切替可能に構成され、前記センサーユニットは、前記駆動手段が前記センサーユニットを駆動すると、前記退避位置から前記表示面に対して非垂直な回転軸周りに旋回回転する回転動作と、ヒンジ構造を介して前記表示面に向けて屈曲する屈曲動作とにより、前記検出位置に移動するように構成される、センサーユニット駆動装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るセンサーユニット駆動装置においては、センサーユニットが、退避位置において表示パネルの側面側に設けられ、且つ検出位置においてセンサーが表示面と対向するように構成される。退避位置のセンサーユニットは、回転動作及び屈曲動作により検出位置に移動する。このような構成では、ベゼルを前方に突出させることなく、且つベゼルの幅をより小さくしつつも、比較的大型、特にモニター中心により近い位置に到達できるセンサーユニットであっても退避位置において収納可能であり、またセンサーユニットをスムーズに検出位置へと移動させることができる。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記表示パネルの前記側面側の周縁には、ベゼルが設けられ、前記センサーユニットは、前記回転動作により前記ベゼルから突出した後、前記屈曲動作を行うように構成される。
好ましくは、前記駆動手段は、前記表示パネルの前記側面側に、又は前記表示パネルの前記側面側及び背面側に跨って、設けられる。
好ましくは、前記センサーユニットは、前記回転動作の途中で前記屈曲動作を開始するように構成される。
好ましくは、前記ヒンジ構造は、前記センサーユニットの基端側に設けられ、前記センサーは、前記センサーユニットの先端側に設けられる。
好ましくは、スライド部品を備え、前記スライド部品は、前記ヒンジ構造に接続されて前記センサーユニットの基端側に設けられ、前記センサーは、前記センサーユニットの先端側に設けられる。
好ましくは、前記スライド部品は、前記ヒンジ構造に接続される第1部材と、第1部材に接続される第2部材とを備え、第1部材は、第2部材に対して回動可能に構成される。
好ましくは、前記スライド部品は、前記ヒンジ構造に接続される側とは反対側の端部に回転動作ピンを備える。
好ましくは、屈曲動作ピンを備え、前記屈曲動作ピンは、前記センサーユニットの対向する一対の側面から両端が各々突出するように、前記センサーユニットの前記基端側に設けられる。
好ましくは、前記駆動手段は、第1カムと、第2カムと、アクチュエータとを備え、第1カムは、第1溝と、第1溝に連続して形成された第2溝とを備え、第2カムは、第3溝を備え、前記回転動作ピンが第1溝に沿って移動することにより前記センサーユニットの前記回転動作が行われ、前記回転動作ピンが第2溝に沿って移動するのと同時に前記屈曲動作ピンが第3溝に沿って移動することにより前記センサーユニットの前記屈曲動作が行われるように構成される。
好ましくは、前記ヒンジ構造は、前記駆動手段側に設けられた第1斜面と、前記センサーユニット側に設けられた第2斜面とを備え、第1斜面及び第2斜面が相互に摺動することにより、前記センサーユニットの前記屈曲動作が行われるように構成される。
好ましくは、前記センサーユニットは、長手方向に伸縮可能に構成される。
好ましくは、上記のセンサーユニット駆動装置と、前記表示パネルとを備える、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2を備える表示装置1の斜視図である。
図1Aはセンサーユニット3が退避位置にある状態を、
図1Bはセンサーユニット3が検出位置にある状態を示す図である。
【
図2】センサーユニット3が退避位置にある状態において、センサーユニット駆動装置2を上方且つ表示パネル11の背面側から見た斜視図である。
【
図3】
図2のセンサーユニット駆動装置2から第1カム41を取り外した状態の斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2の上方から見た分解斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2の下方から見た分解斜視図である。
【
図6】第1実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2の第1カム41の平面図である。
【
図7】第1実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2の第2カム42の側面図である。
【
図8】
図8Aは、
図1AのA部におけるセンサーユニット駆動装置2の動作を模式化したものであり、センサーユニット3が退避位置にある状態を示す図である。
図8Bは、
図8Aから第1カム41を取り外した状態を示す図である。
【
図9】
図9Aは、センサーユニット3が
図8Aの退避位置から回転動作を行った状態を示す図である。
図9Bは、
図9Aから第1カム41を取り外した状態を示す図である。
【
図10】
図10Aは、センサーユニット3が
図9Aの状態からさらに回転動作及び屈曲動作を行った状態を示す図である。
図10Bは、
図10Aから第1カム41を取り外した状態を示す図である。
【
図13】第1実施形態の変形例1のスライド部品7の斜視図である。
【
図14】第1実施形態の変形例2のスライド部品7の斜視図である。
【
図15】第2実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2を上方から見た場合の動作態様の模式図である。
図15Aはセンサーユニット3が退避位置にある状態を、
図15Bはセンサーユニット3が退避位置から回転動作を行った状態を、
図15Cはセンサーユニット3が検出位置にある状態を示す図である。
【
図16】第3実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2が退避位置にある状態の構造図である。
図16Aはセンサーユニット駆動装置2の平面図であり、
図16Bは側面図であり、
図16Cは下方から見た図である。
【
図17】第3実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2が回転動作を行っている途中の構造図である。
図17Aはセンサーユニット駆動装置2の平面図であり、
図17Bは下方から見た図である。
【
図18】第4実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2の動作を表す模式図である。
図18Aはセンサーユニット3が退避位置にある状態を、
図18Bはセンサーユニット3が退避位置から検出位置へ移動する途中の状態を、
図18Cはセンサーユニット3が検出位置にある状態を示す図である。
【
図19】第5実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2の動作を表す模式図である。
図19Aは、センサーユニット3が退避位置にありセンサーヘッド36が筐体35内に収納された状態を、
図19Bは、センサーユニット3が検出位置にありセンサーヘッド36が筐体35から突出した状態を示す図である。
【
図20】第5実施形態の変形例のセンサーユニット駆動装置2の動作を表す模式図である。
図20Aは、センサーユニット3が退避位置にありセンサーヘッド36が筐体35内に収納された状態を、
図20Bは、センサーユニット3が検出位置にありセンサーヘッド36が筐体35から突出した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0011】
1.第1実施形態1.1.基本形態
図1A及び
図1Bは、第1実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2を備える表示装置1の斜視図である。以下の説明において、表示装置1の上下、前後、及び左右方向を
図1Aに示すように定める。つまり、鉛直方向を上下方向とし、表示面11aに向かって左側及び右側に向かう方向をそれぞれ左方向及び右方向とし、表示面11aに向かって手前及び奥に向かう方向をそれぞれ前方向及び後方向と定める。表示装置1は、画像を表示する表示面11aを前面側に有する表示パネル11を備える。また、表示装置1は、表示パネル11の側面と背面(後面)を少なくとも部分的に覆うキャビネット12を備え、表示パネル11の側面側の周縁、具体的には上側面側の周縁にベゼル13が設けられている。ここで、表示パネル11の側面とは、表示パネル11の前面及び後面を連結する4つの面のいずれかを指す。
【0012】
図2から
図5に示すように、センサーユニット駆動装置2は、センサー31を有するセンサーユニット3と、センサーユニット3に接続されセンサーユニット3を駆動する駆動手段4とを備える。センサー31は、表示パネル11の光学特性、例えば、表示面11aの輝度、色度といった物理量を測定するように構成される。
【0013】
センサーユニット3は、
図1Aに示す退避位置において表示パネル11の側面側に配置され、
図1Bに示す検出位置においてセンサー31が表示面11aと対向するように配置される。そして、駆動手段4がセンサーユニット3を駆動させると、センサーユニット3が移動して退避位置と検出位置との間で切り替わる。本実施形態のセンサーユニット3は、退避位置において表示パネル11の上側面側に配置され、キャビネット12内に収納される。
図1Bに示すように、ベゼル13の前面に開口部14が形成され、センサーユニット3は開口部14を介して出し入れされる。また、視認性の観点から
図1A及び
図1Bにおいては省略されているが、開口部14にはヒンジ構造により開閉可能な蓋が設けられる。センサーユニット3が退避位置にある状態において、開口部14は当該蓋により閉じられており、蓋を閉じる方向にバネ(不図示)の付勢力が働いている。センサーユニット3が退避位置から検出位置への移動を開始すると、センサーユニット3の先端がバネの付勢力に抗して蓋を押し開いて開口部14から突出する。そして、センサーユニット3が検出位置から退避位置へ移動しキャビネット12内に収納されると、バネの付勢力により蓋が自動で閉まる。また、キャビネット内の収納に限らず、キャビネットの外にセンサーユニットを配置してもよい、この場合、ベゼルに開口部14を要さない。
【0014】
センサーユニット3は板状の部品であり、退避位置において下面の先端側にセンサー31が設けられ、駆動手段4に接続される基端側にヒンジ構造32が設けられる。また、センサーユニット3の基端側には屈曲動作ピン33が設けられ、屈曲動作ピン33の両端はセンサーユニット3の対向する一対の側面から各々突出している。
【0015】
センサーユニット3の下面には、矩形状の遮光部材(クッション部材)30が両面テープや接着剤等の接着手段で貼り付け固定されている。遮光部材30の略中央には、センサー31を囲みつつセンサー31が表示面11aからの光を受光できるように、四角形状の採光窓30aがくり抜かれている。センサーユニット3が検出位置にある状態において、遮光部材30の採光窓30aと表示面11aとは平行に近接した状態となる。遮光部材30の素材として、例えば、紙、樹脂シート、植毛紙、植毛シート、フェルト、スポンジ、ゴム、エラストマーを用いることができ、植毛紙又は植毛シートを用いることが好ましい。植毛紙や植毛シートは、吸光能力に優れ、クッション性があるため、表示面11aにかかる負荷を抑えつつ効果的に遮光することができるからである。
【0016】
本実施形態のセンサーユニット駆動装置2はスライド部品7を備え、スライド部品7はヒンジ構造32に接続されてセンサーユニット3の基端側に設けられる。スライド部品7は、ヒンジ構造32に接続される接続部71と、接続部71とは反対側の端部において上方に突出する回転動作ピン72とを備える。また、接続部71と回転動作ピン72との間には、スロット状貫通孔73がスライド部品7の長手方向に沿って形成されている。スロット状貫通孔73には一端が第1ベース46に固定されたボス46aの他端が挿入される。ボス46aの外径はスロット状貫通孔73の幅よりもわずかに小さく設計されており、これによりスライド部品7が長手方向に沿ってボス46aに対して相対移動可能となる。
【0017】
駆動手段4は、退避位置のセンサーユニット3が配置される表示パネル11の側面側(本実施形態では上側面側)及び背面側に跨って設けられる。駆動手段4は、第1カム41、第2カム42、及びアクチュエータ43を備える。この他、駆動手段4は、アクチュエータ43が生成する動力を伝達するためのピニオン部材44及びギア部材45、駆動手段4を表示装置1に取り付けるための第1ベース46、ギア部材45及び第2カム42が配置される第2ベース47、第1ベース46と第2ベース47との間に介装されるワッシャー48、アクチュエータ43を第1ベース46に取り付けるためのホルダ49を備え、これらの部品同士はネジやボスにより連結される。なお、本実施形態においては別体として作製された上記構成部品を連結しているが、上記構成部品の一部を一体部品として作製してもよい。例えば、ギア部材45、第2カム42、及び第2ベース47を一体部品として作製してもよい。
【0018】
図2、
図4、
図5、及び
図6に示すように、第1カム41は、平板状の部品であり、第1溝51、及び第1溝51に連続して形成された第2溝52を備える。第2溝52の終端近傍には第1ネジ穴53が、第1溝51の付近には第2ネジ穴54及び第3ネジ穴55が形成されており、各ネジ穴に螺入されたネジ、及びボスにより第1カム41が第1ベース46に対して固定される。第1溝51は始端51aから終端51bまで円弧状に形成されており、円弧の中心は第1ネジ穴53の中心Pに略一致し、円弧の中心角が約45°となるように形成されている。第2溝52は、第1溝51の終端51bを始端52aとして、当該始端52aから凡そ第1ネジ穴53に向かう方向に、第1ネジ穴53近傍に形成された第2溝52の終端52bまで直線状に形成されている。第1溝51及び第2溝52にはスライド部品7の回転動作ピン72が挿入され、回転動作ピン72が各溝に沿って移動可能に構成されている。
【0019】
図2から
図6、及び
図7に示すように、第2カム42は、略直方体状の一対の部品であり、センサーユニット3を挟むように配置され、底面において第2ベース47に対してネジ留めによりされる。各第2カム42のセンサーユニット3に対向する側面には、第3溝56が形成されている。第3溝56は、全体としてL字型の溝であり、退避位置におけるセンサーユニット3の基端から先端に向かう方向に沿って始端57aから終端57bまで延びる第1部分57と、第1部分57の終端57bを始端58aとして、当該始端58aから終端58bまで第1部分に対して垂直な方向に延びる第2部分58とを含む。本実施形態においては、第1部分57が始端57aから終端57bまで水平方向に延び、第2部分58は始端58aから終端58bまで鉛直下向きに延びる。第3溝56には、センサーユニット3の屈曲動作ピン33の両端が各々挿入され、屈曲動作ピン33が第3溝56に沿って移動可能に構成されている。
【0020】
本実施形態のアクチュエータ43はモータであり、電気エネルギーを回転運動に変換し、ピニオン部材44を介してギア部材45へと伝達する。ギア部材45は、第1カム41の下方に配置され、底面において第2ベース47に対してネジ留めにより固定される。ギア部材45は、平面視において略半円形状の歯車部45aと、歯車部45aから上方へ突出する一対の突出部45bとを備える。一対の突出部45b間の載置溝45cには、スライド部品7が載置溝45cに沿って摺動可能に載置される。歯車部45aには、半円の円弧に沿ってギア歯が設けられる。半円の中心には挿入孔45dが形成されており、ギア部材45は挿入孔45dに挿入されたボス46aを回転軸として回転可能である。アクチュエータ43の回転運動がギア部材45に伝達されるとギア部材45が回転し、これにより、載置溝45cに載置されたスライド部品7、ギア部材45が固定された第2ベース47、及び第2ベース47上に固定された一対の第2カム42が一体的に回転する。
【0021】
ギア部材45の挿入孔45dと、載置溝45cに載置されたスライド部品7のスロット状貫通孔73と、第1カム41の第1ネジ穴53とは鉛直方向に連続するように配置され、挿入孔45d及びスロット状貫通孔73に挿入されたボス46aに、第1ネジ穴53に螺入されたネジ53aが取り付けられる。ピニオン部材44は、円筒形状を有しアクチュエータ43に連結される円筒部44aと、円筒部44aの端面に設けられた歯車部44bとを備える。歯車部44bの側面にはギア部材45のギア歯と噛み合うギア歯が形成されている。
【0022】
次に、
図8Aから
図12Dを参照してセンサーユニット駆動装置2の動作について説明する。
図8Aから
図11Bは、
図1AのA部における動作を模式化したものであり、キャビネット12及びベゼル13は図中で省略されている。
図12Aから
図12Dは、
図8A、
図9A、
図10A、
図11Aの状態における第2カム42の第3溝56を含む面における断面を模式化したものである。具体的には、
図12Aは
図8AのB-B線における断面を、
図12Bは
図9AのC-C線における断面を、
図12Cは
図10AのD-D線における断面を、
図12Dは
図11AのE-E線における断面を模式化したものである。なお、
図12Aから
図12Bにおいては、センサーユニット3、スライド部品7、第2カム42、ボス46a、及び第1ベース46以外の部品は、視認性の観点から省略又は簡略化して図示されている。また、図中の破線は、表示パネル11の上側面の高さを示している。
【0023】
図8A及び
図8Bに示す退避位置において、センサーユニット3は表示パネル11の上側面側に配置される。この状態において、スライド部品7の回転動作ピン72は第1溝51の始端51aに位置し、ボス46aはスロット状貫通孔73の接続部71側の端部に位置している。また、
図12Aに示すように、センサーユニット3の屈曲動作ピン33は、第3溝56の第1部分57の始端57aに位置している。駆動手段4がセンサーユニット3を駆動すると、ギア部材45がボス46aを回転軸として回転する。載置溝45cに載置されたスライド部品7は、ギア部材45の回転に伴い回転動作ピン72が第1カム41の第1溝51に沿って移動することにより、ボス46aを回転軸として回転する。これにより、スライド部品7に接続されたセンサーユニット3が旋回回転して
図9A及び
図9Bの状態となる。この際、センサーユニット3は、回転動作によりベゼル13から突出した状態にある。また、本発明において旋回回転とは、センサーユニット3が、退避位置から表示面11aに対して非垂直な回転軸周りに、退避位置のセンサーユニット3が配置される表示パネル11の側面に沿って旋回回転する回転動作を指す。本実施形態のセンサーユニット3は、表示面11aに対して平行な回転軸周りに、具体的にはボス46aを回転軸として、表示パネル11の上側面に沿って、平面視において反時計回りに旋回回転する。
【0024】
図9A及び
図9Bの状態において、回転動作ピン72は第1溝51の終端51bに位置している。本実施形態では、第1溝51の円弧の中心角が約45°に設計されているため、センサーユニット3も回転軸回りに約45°旋回回転した状態にある。なお、第1溝51の円弧の中心角は、この例に限定されるものではなく適宜設計変更が可能である。この状態において、ボス46aはスロット状貫通孔73の接続部71側の端部に位置したままである。また、
図12Bに示すように、センサーユニット3の屈曲動作ピン33は、第3溝56の第1部分57の始端57aに位置したままである。
【0025】
図9A及び
図9Bの状態からギア部材45がさらに回転すると、回転動作ピン72は第1溝51の終端51bから第2溝52に沿って移動し、同時にスライド部品7がその長手方向に沿ってボス46aに対して相対移動する。つまり、スライド部品7は、載置溝45cに沿ってセンサーユニット3側に移動する。スライド部品7の移動に伴い、センサーユニット3は、回転動作を行いながら、屈曲動作ピン33が第3溝56に沿って移動することによりヒンジ構造32を介して表示面11aに向けて屈曲する屈曲動作を行う。つまり、センサーユニット3は、退避位置から開始した回転動作の途中で、屈曲動作を開始する。具体的には、屈曲動作ピン33が第3溝56の第1部分57を始端57aから終端57bに向かって移動することにより、センサーユニット3が一対の第2カム42から押し出される方向に移動する。そして、第1部分57の終端57bに当接した後屈曲動作ピン33が第2部分58に沿って移動することにより、センサーユニット3が表示面11aに向けて屈曲する。
【0026】
図10A及び
図10Bは、屈曲動作の途中のセンサーユニット3を示す図である。この状態において、回転動作ピン72は第2溝52の途中に位置し、ボスはスロット状貫通孔73の長手方向の途中に位置している。また、
図12Cに示すように、センサーユニット3の屈曲動作ピン33は、第3溝56の第2部分58の終端58bに位置している。
図11A及び
図11Bは、センサーユニット3が
図10A及び
図10Bの状態からさらに回転動作及び屈曲動作を行い、検出位置に配置された状態を示す図である。この状態において、回転動作ピン72は第2溝52の終端52bに位置し、ボス46aはスロット状貫通孔73の回転動作ピン72側の端部に位置している。また、
図12Dに示すように、センサーユニット3の屈曲動作ピン33は、第3溝56の第2部分58の始端58aに位置している。センサーユニット3は、退避位置において表示パネル11の上側面に沿って方向に配置された状態から90°旋回回転し、且つ90°屈曲した状態にある。これにより、センサー31が表示面11aに対向し表示パネル11の光学特性を測定することが可能となる。また、上記の一連の動作を逆の順序で行うことにより、センサーユニット3を検出位置から退避位置へと移動させ、キャビネット12内に収納することができる。
【0027】
図12Aから
図12Dに示すように、センサーユニット3が90°屈曲する間、スライド部品7はその長手方向に沿って水平移動を行っており、接続部71及び回転動作ピン72の上下方向の位置は変化しない。屈曲動作ピン33は、第3溝56の第1部分57の始端57aから終端57bまで移動した後、第2部分58に沿って終端58bまで移動し、さらに第2部分58の終端58bから始端58aまで移動する。センサーユニット3は、ヒンジ構造32を介して、第3溝56に沿って移動する屈曲動作ピン33を回転軸として、当該回転軸周りに回転するように屈曲する。このように屈曲動作の回転軸となる屈曲動作ピン33が第3溝56に沿って移動可能な構成では、センサーユニット3の屈曲動作時にスライド部品7の上下方向の位置が変化しない。従って、スライド部品7が載置溝45cに沿って安定的に摺動可能であり、また回転動作ピン72が第1カム41の第2溝52内を安定的に移動可能となる。
【0028】
上記のセンサーユニット駆動装置2の構成においては、センサーユニット3が退避位置において表示パネル11の側面側に配置され、駆動手段4に駆動されると回転動作及び屈曲動作により検出位置に移動する。このような構成では、ベゼル13を前方に突出させる必要がなく、ベゼル13の幅をセンサーユニット3の厚みと同程度まで小さくすることができる。表示面11aの中心付近の測定が可能な比較的大型のセンサーユニット3であっても退避位置において収納可能であり、且つ退避位置と検出位置との間をスムーズに移動することができる。
【0029】
また、第1カム41及び第2カム42を用いて駆動手段4を構成し、スライド部品7の回転動作ピン72を第1溝51及び第2溝52に沿って、センサーユニット3の屈曲動作ピン33を第3溝56に沿って移動可能とすることで、1つのアクチュエータ43によりセンサーユニット3の回転動作及び屈曲動作の両方を駆動させることができる。
【0030】
1.2.変形例1
第1実施形態では屈曲動作の回転軸となる屈曲動作ピン33が第3溝56に沿って移動可能であるが、屈曲動作時に屈曲動作ピン33を第2カム42に対して相対移動させない構成とすることも可能である。その場合、センサーユニット3の屈曲動作時にスライド部品7の上下方向の位置が変化する。従って、載置溝45cの高さや回転動作ピン72の突出長さを適宜調整する必要がある。或いは、
図13に示すような2つの部材からなるスライド部品7を用いてもよい。本変形例のスライド部品7は、第1実施形態のスライド部品7と同様にセンサーユニット3のヒンジ構造32に接続されてセンサーユニット3の基端側に設けられるが、ヒンジ構造32に接続される第1部材7aと第1部材7aに接続される第2部材7bとを備え、第1部材7aが第2部材7bに対して回動可能に構成される点で第1実施形態と異なる。第1部材7aと第2部材7bとの間の連結部7cはヒンジ構造を有する。また、連結部7cとは反対側の第2部材7bの端部に回転動作ピン72が設けられる。
【0031】
本変形例におけるセンサーユニット3の屈曲動作ピン33は、第2カム42に対して相対移動はせず、回転のみ可能となるように挿入される。センサーユニット3が90°屈曲する間、第1部材7aは、第2部材7bと平行な状態から連結部7c周りに上方に向かって回動した後、下方に向かって回動し、第2部材7bと平行な状態に戻る。一方、第2部材7bはその長手方向に沿って水平移動するが、回転動作ピン72の上下方向の位置は変化しない。このような構成では、スライド部品7の上下方向の位置変化を第1部材7aが吸収し、第2部材7bの上下方向の位置は変化しないため、上下方向の位置変化への対応のために載置溝45cの高さや回転動作ピン72の突出長さを調整する必要がない。
【0032】
1.3.変形例2
図14は、2つの部材からなるスライド部品7の他の例を示す図である。変形例1のスライド部品7において第1部材7aが第2部材7bに対して回動可能に構成されるのに対し、本変形例のスライド部品7は、第1部材7aが第2部材7bに対して一軸方向(本例においては、上下方向)に相対移動可能に構成される。第1部材7aには、対向する一対の側面から各々突出する突出部7a1が設けられる。突出部7a1は、第2部材7bに設けられた長孔7b1に挿入され、長孔7b1内をその長手方向に沿って上下方向に移動可能である。
【0033】
センサーユニット3が90°屈曲する間、突出部7a1が長孔7b1に沿って移動することにより、第1部材7aは第2部材7bに対して上向きに移動した後、下向きに移動し、
図14の状態に戻る。一方、第2部材7bはその長手方向に沿って水平移動するが、回転動作ピン72の上下方向の位置は変化しない。このような構成においても、第2部材7bの上下方向の位置は変化しないため、上下方向の位置変化への対応のために載置溝45cの高さや回転動作ピン72の突出長さを調整する必要がない。
【0034】
1.4.変形例3
第1実施形態では、駆動手段4が表示パネル11の側面側及び背面側に跨って設けられるが、駆動手段4を表示パネル11の側面側に設けてもよい。具体的には、第1実施形態において表示パネル11の背面側に配置されるピニオン部材44及びアクチュエータ43を、表示パネル11の側面側に配置してもよい。例えば、第1実施形態ではギア部材45の歯車部45aとピニオン部材44の歯車部44bとが平歯車状に形成されていたが、ギア部材45の歯車部45aをウォームホイール状に、ピニオン部材44の歯車部44bをウォーム状に形成したウォームギア機構とすることも可能である。この場合、ピニオン部材44の歯車部44bの回転軸が表示パネル11の側面(第1実施形態においては上側面)と平行になり、ピニオン部材44及びアクチュエータ43を表示パネル11の側面側に配置することが可能となる。
【0035】
1.5.変形例4
第1実施形態では1つのアクチュエータ43によりセンサーユニット3の回転動作及び屈曲動作の両方を駆動させる構成としたが、駆動手段4に2つのアクチュエータ43を設け、一方のアクチュエータ43が回転動作を駆動し、他方のアクチュエータ43が屈曲動作を駆動する構成としてもよい。この場合、第1実施形態の駆動手段4と比較して、アクチュエータ43の数は増える一方、第1カム41、第2カム42、及びスライド部品7は不要となる。なお、2つのアクチュエータ43が生成する動力により直接センサーユニット3を駆動する構成としてもよく、いずれか一方又は両方のアクチュエータ43とセンサーユニット3との間にギア等の動力伝達部品を配置し間接的に駆動する構成としてもよい。また、一方のアクチュエータ43による回転動作の駆動と、他方のアクチュエータ43による屈曲動作の駆動とは、同時に開始してもよく、回転動作の途中に屈曲動作の駆動を開始してもよく、回転動作の完了後に屈曲動作を開始してもよい。
【0036】
2.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。第2実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2は、駆動手段4の構成が異なる。
【0037】
図15Aから
図15Cは、第2実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2の動作を表す模式図であり、センサーユニット駆動装置2の真上から見た動作態様を模式化したものである。
図15Aに示す退避位置において、破線で示したセンサーユニット3は表示パネル11の上側面側に配置される。センサーユニット3にはヒンジ構造32が設けられ、センサーユニット3はヒンジ構造32周りに屈曲可能である。また、ヒンジ構造32には付勢部材(不図示)が取り付けられ、センサーユニット3をヒンジ構造32回りに表示面11aに向けて屈曲させる方向に付勢力が働いている。付勢部材は、例えばねじりコイルバネである。センサーユニット3は、接続部材8を介して駆動手段4に接続される。
【0038】
駆動手段4は、第1カム41、第2カム42、第1ラックアンドピニオン機構61、第2ラックアンドピニオン機構62、第1付勢部材63、第2付勢部材64、及び第1カム41及び第2カム42を回転駆動可能なアクチュエータ43(不図示)を備える。第1カム41及び第2カム42は、同軸周りに回転可能に構成される。また、第1カム41及び第2カム42の側面は、平面視において回転軸を中心とする円弧状に形成された第1円弧面41a及び第2円弧面42aと、回転軸からの距離が変化する第1曲面41b及び第2曲面42bとを各々有する。第1ラックアンドピニオン機構61は、第1ラック61a及び第1ピニオン61bを備える。第1ラック61aは、先端が第1カム41に当接しており、基端側に配置された第1付勢部材63により、第1カム41に向かう方向(
図15Aにおいては右方向)に付勢されている。第1付勢部材63は、例えば圧縮バネである。第1ピニオン61bは、そのギア歯が第1ラック61aに係合し、回転軸が接続部材8に連結されている。このような構成により、第1ピニオン61bが回転すると、センサーユニット3が第1ピニオン61bの回転軸回りに回転する。
【0039】
第2ラックアンドピニオン機構62は、第2ラック62a及び第2ピニオン62bを備える。第2ラック62aは、先端が第2カム42に当接しており、基端側に配置された第2付勢部材64により、第2カム42に向かう方向(
図15Aにおいては左方向)に付勢されている。第2付勢部材64は、例えば圧縮バネである。第2ピニオン62bは、そのギア歯が第2ラック62aに係合する。また、第2ピニオン62bにはワイヤ65が格納されたワイヤボビン(不図示)が取り付けられており、第2ピニオン62bが一方の方向(
図15Aにおいては反時計回り)に回転するとワイヤボビンからワイヤ65が連続的に引き出され、他方の方向(
図15Aにおいては時計回り)に回転するとワイヤ65がワイヤボビンに巻き取られる。
【0040】
ワイヤ65の一端は、センサーユニット3に接続されている。
図15Aに示す退避位置において、ワイヤ65はセンサーユニット3とワイヤボビンとの間で張力がかかった状態で架け渡されている。ワイヤ65の張力により、ヒンジ構造32に取り付けられた付勢部材の付勢力に抗してセンサーユニット3が屈曲せず水平方向に配置されている。
【0041】
次に、本実施形態のセンサーユニット駆動装置2の動作について説明する。
図15Aの状態からアクチュエータ43が作動すると、第1カム41及び第2カム42が時計回りに回転する。第1ラック61aは、第1付勢部材63の付勢力により、先端が第1カム41の第1曲面41bに当接しながら右方向に移動する。第1ラック61aの移動に伴い第1ピニオン61bが反時計回りに回転し、これによりセンサーユニット3が表示面11aに対して平行な回転軸周りに、表示パネル11の上側面に沿って旋回回転する回転動作を行い、ベゼル13から突出した
図15Bの状態となる。センサーユニット3が回転動作を行っている間、第2ラック62aは第2カム42の第2円弧面42aに当接しているため左右方向に移動せず、第2ピニオン62bは回転しない。従って、ワイヤ65の張力により、センサーユニット3が屈曲しない状態が維持される。
【0042】
図15Bのようにセンサーユニット3が退避位置から90°旋回回転した状態から第1カム41及び第2カム42がさらに時計回りに回転すると、センサーユニット3が表示面11aに向けて屈曲動作を開始する。具体的には、第2ラック62aは、先端が第2カム42の第2曲面42bに当接することにより、第2付勢部材64の付勢力に抗して右方向に移動する。第2ラック62aの移動に伴い第2ピニオン62bが反時計回りに回転し、これによりワイヤボビンからワイヤ65が引き出される。ワイヤ65が弛み張力が減少するのに伴い、ヒンジ構造32に取り付けられた付勢部材の付勢力により、センサーユニット3がヒンジ構造32回りに屈曲する。
図15Cは、センサーユニット3が表示面11aに向けて90°屈曲して検出位置に配置された状態を示す図である。センサーユニット3が屈曲動作を行っている間、第1ラック61aは第1カム41の第1円弧面41aに当接しているため左右方向に移動せず、第1ピニオン61bは回転しない。従って、センサーユニット3は、屈曲動作の最中には回転動作を行わない。また、上記の一連の動作を逆の順序で行うことにより、センサーユニット3を検出位置から退避位置へと移動させ、キャビネット12内に収納することができる。
【0043】
第2実施形態の構成においても、センサーユニット3を退避位置において表示パネル11の側面側に配置し、回転動作及び屈曲動作により退避位置と検出位置との間をスムーズに移動させることができる。また、第1カム41及び第2カム42を用いて駆動手段4を構成することで、1つのアクチュエータ43によりセンサーユニット3の回転動作及び屈曲動作の両方を駆動させることができる。
【0044】
なお、上記の構成ではセンサーユニット3が90°旋回回転した後に屈曲動作を開始するが、回転動作及び屈曲動作のタイミングはこれに限定されるものではない。第1カム41及び第2カム42の形状を変更することで、回転動作の途中で屈曲動作を開始させることや、回転動作と屈曲動作を同時に開始させることも可能である。
【0045】
3.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。第3実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2は、センサーユニット3のヒンジ構造32、及び駆動手段4の構成が異なる。
【0046】
図16Aから
図16Cは、第3実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2が退避位置にある状態の構造図である。
図16Aはセンサーユニット駆動装置2の平面図であり、
図16Bは側面図であり、
図16Cは下方から見た図である。センサーユニット駆動装置2は、表示パネル11の側面に沿って配置される本体フレーム90と、センサー31が内蔵されたセンサーユニット3と、センサーユニット3を駆動する駆動手段4とを備える。本実施形態のセンサーユニット駆動装置2は、表示パネル11の上側面側に配置され、矩形板状の本体フレーム90が当該上側面の長手方向(左右方向)に沿って配置される。センサーユニット3と本体フレーム90は、シャフト91により連結される。
【0047】
本体フレーム90のセンサーユニット3側の端部にはガイド部材92が一体的に設けられ、センサーユニット3の本体フレーム90側の端部にはガイド部材92に沿って摺動する摺動部材34が一体的に設けられる。本実施形態においては、ガイド部材92及び摺動部材34がセンサーユニット3の屈曲動作を実現するヒンジ構造32を構成する。センサーユニット3の本体フレーム90側は、回転動作時のガイド部材92への接触を回避するために切り欠いた形状に形成されている。ガイド部材92には第1斜面92aが形成されており、摺動部材34には第2斜面34aが形成されており、第1斜面92a及び第2斜面34aが対向して摺動可能に構成される。
【0048】
摺動部材34の第2斜面34aとは反対側の面には、板バネ34bが本体フレーム90と対向するように取り付けられる。板バネ34bは、金属板をプレス加工して一体成形され、ネジ等の固定手段で固定される。センサーユニット3からは表示装置1の制御基板(不図示)と接続するためのフレキシブルフラットケーブル93が延出しているが、板バネ34bはセンサーユニット3とともに移動し、フレキシブルフラットケーブル93に接触しない構成となっている。なお、板バネ34bを本体フレーム90に取り付け、摺動部材34がガイド部材92に接するように構成してもよい。また、板バネ34bの代わりに皿ばね、ねじりばね、コイルばね等の他のバネや、ゴム等の他の弾性部材を用いてもよい。
【0049】
退避位置において、ガイド部材92の第1斜面92aと摺動部材34の第2斜面34aとの間には所定の隙間S1が設けられている。隙間S1の大きさを調整することにより、センサーユニット3の回転動作の開始後に屈曲動作を開始するタイミングを変化させることができる。本実施形態においては、センサーユニット3の回転動作の途中で屈曲動作が開始するよう、隙間S1の大きさが設定されている。なお、屈曲動作は、回転動作の開始と同時に開始してもよく、回転動作の途中で開始してもよく、回転動作の終了時点以降に開始してもよい。センサーユニット3を回転動作中にベゼル13に当接させないためには、回転動作の途中又は終了時点以降に屈曲動作が開始するよう、隙間S1の大きさを設定することが好ましい。
【0050】
本体フレーム90にはシャフト91を動作させるためのアーム94が取り付けられる。アーム94は、第1アーム94a、第2アーム94b、及び第1アーム94a及び第2アーム94bを連結するスライダ94cを備える。第1アーム94aは、一体成形された回転軸により回転可能に本体フレーム90に取り付けられている。第2アーム94bは、ネジ94b1によって本体フレーム90に取り付けられており、ネジ94b1を回転軸として回転可能に構成される。また、第2アーム94bの一端は、シャフト91に連結される。
【0051】
第1アーム94aには、電極ワイヤ95と電気接続された第1形状記憶合金製ワイヤ96及び第2形状記憶合金製ワイヤ97が固定ネジ98により連結される。第1形状記憶合金製ワイヤ96及び第2形状記憶合金製ワイヤ97は、通電により第1形状記憶合金製ワイヤ96及び第2形状記憶合金製ワイヤ97の伸縮により第1アーム94a及び第2アーム94bが回転し、これに伴いシャフト91がネジ94b1を回転軸として旋回回転する回転動作を行う。なお、第1アーム94aの回転駆動手段は、形状記憶合金製ワイヤに限定されず、モータやソレノイド等の他の手段を用いてもよい。
【0052】
次に、本実施形態のセンサーユニット駆動装置2の動作について説明する。
図16Aから
図16Cに示す退避位置において、ガイド部材92の第1斜面92aと摺動部材34の第2斜面34aとの間には隙間S1が存在する。第2形状記憶合金製ワイヤ97が通電により縮むと、
図17A及び
図17Bに示すように第1アーム94a及び第2アーム94bが一方の方向に回転し、シャフト91が回転する。これにより、センサーユニット3が表示面11aに対して平行な回転軸回りに表示パネル11の上側面に沿って旋回回転する回転動作を行い、ベゼル13から突出する。このような回転動作の間、第1斜面92aと第2斜面34aとは相互に近接し、隙間S1が徐々に小さくなる。
【0053】
第2形状記憶合金製ワイヤ97がさらに縮むと、第1斜面92aと第2斜面34aとが接触して摺動を開始し、これによりセンサーユニット3が回転動作を行いながら表示面11aに向けて屈曲動作を開始する。具体的には、第1斜面92aが第2斜面34aに押圧され、これによりセンサーユニット3が表示面11aに対して近接する方向に押圧される。なお、第2斜面34aは、屈曲動作を阻害しない程度の板バネ34bの付勢力で第1斜面92aに近づく方向に付勢されており、これにより第1斜面92aと第2斜面34aとが確実に接触して摺動可能となる。センサーユニット3が表示面11aに向けて90°屈曲して検出位置に配置された時点で第2形状記憶合金製ワイヤ97への通電を停止し、これにより、センサー31が表示面11aに対向し表示パネル11の光学特性を測定することが可能となる。
【0054】
センサーユニット3を検出位置から退避位置へ移動させる際には、第1形状記憶合金製ワイヤ96に通電を行う。第1形状記憶合金製ワイヤ96が縮むと第1アーム94aが他方の方向に回転し、上記の一連の動作を逆の順序で行って、センサーユニット3を検出位置から退避位置へと移動させ、キャビネット12内に収納することができる。
【0055】
4.第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。第4実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2は、駆動手段4の構成が異なる。
【0056】
図18Aに示す退避位置において、センサーユニット3は表示パネル11の上側面側に配置される。センサーユニット3の基端側にはヒンジ構造32が設けられ、センサーユニット3はヒンジ構造32周りに屈曲可能である。センサーユニット3の基端側には屈曲動作ピン33が設けられ、屈曲動作ピン33の両端はセンサーユニット3の対向する一対の側面から各々突出している。
【0057】
センサーユニット3に接続される駆動手段4は、上側面側及び背面側に跨って設けられる。駆動手段4は、支持部材50、アクチュエータ43、ピニオン部材44、及びギア部材45を備える。支持部材50は、略直方体状の一対の部品であり、センサーユニット3を挟むように配置され、底面において第2ベース47に対して固定される。各支持部材50のセンサーユニット3に対向する側面には、屈曲動作ピン33の両端が支持部材50に対して回転可能に各々挿入される。
【0058】
ギア部材45は、第2ベース47に対してネジ47aを用いて取り付けられており、当該ネジ47aを回転軸として回転可能である。アクチュエータ43の回転運動がピニオン部材44を介してギア部材45に伝達されると、ギア部材45が回転し、これにより、ギア部材45が固定された第2ベース47、第2ベース47上に固定された一対の指示部材、及び支持部材に屈曲動作ピン33が挿入されているセンサーユニット3が、ネジ47aを回転軸として回転する。
【0059】
次に、本実施形態のセンサーユニット駆動装置2の動作について説明する。
図18Aの状態からアクチュエータ43が作動すると、ギア部材45が回転し、センサーユニット3が旋回回転を開始する。本実施形態のセンサーユニット3は、表示面11aに対して平行な回転軸周りに、具体的にはネジ47aを回転軸として、表示パネル11の上側面に沿って、平面視において反時計回りに旋回回転する回転動作を行う。
【0060】
また、センサーユニット3は、
図18Bに示すように、回転動作を行いながら、屈曲動作ピン33を回転軸として当該回転軸回りに回転するように表示面11aに向けて屈曲する屈曲動作を行う。本実施形態のセンサーユニット3は、退避位置において下面が表示パネル11の上側面と接触するように配置されている。そして、退避位置から回転動作を開始しセンサーユニット3がベゼル13から突出すると、センサーユニット3は、下面が表示パネル11の前縁の一部と接触しながら、自重で倒れるようにヒンジ構造32を介して表示面11aに向けて屈曲する。
【0061】
図18Cは、センサーユニット3が
図18Bの状態からさらに回転動作及び屈曲動作を行い、検出位置に配置された状態を示す図である。センサーユニット3は、退避位置において表示パネル11の上側面に沿って水平方向に配置された状態から90°旋回回転し、且つ90°屈曲した状態にある。これにより、センサー31が表示面11aに対向し表示パネル11の光学特性を測定することが可能となる。また、センサーユニット3を検出位置から退避位置へと移動させる際には、上記の一連の動作を逆の順序で行う。この際、センサーユニット3は、旋回回転に伴い下面が表示パネル11の前縁の一部と接触し、前縁に押し当てられて持ち上げられることにより、屈曲動作ピン33を回転軸として表示面11aから遠ざかる向きに回転して水平な状態となる。
【0062】
なお、ヒンジ構造32に付勢部材(不図示)を取り付け、センサーユニット3をヒンジ構造32回りに表示面11aに向けて屈曲させる方向に付勢力が働くように構成してもよい。付勢部材は、例えばねじりコイルバネである。これにより、検出位置においてセンサーユニット3を表示面11aに対して押し付けより近接させることができる。また、センサーユニット3を退避位置において表示パネル11の上側面以外の側面側に設ける場合であっても、センサーユニット3を表示面11aに向けて屈曲させることができる。
【0063】
5.第5実施形態
次に、本発明の第5実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。第5実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2は、センサーユニット3が長手方向に伸縮可能に構成される点で第1実施形態と異なる。
【0064】
5.1.基本形態
図19A及び
図19Bは、第5実施形態に係るセンサーユニット駆動装置2の動作を表す斜視図である。なお、
図19A及び
図19Bにおいては、視認性の観点から第1カム41を省略している。本実施形態のセンサーユニット3は、破線で示した筐体35と、センサーヘッド36とを備える。
【0065】
センサーヘッド36は、板状の部材であり、
図19Aに示す退避位置において下面にセンサー31が設けられる。また、センサーヘッド36は、筐体35から出し入れ可能に構成される。本実施形態では、センサーユニット3の先端側の端面に開口部37が形成され、センサーヘッド36は開口部37を介して出し入れされる。センサーヘッド36と筐体35の内壁38とは付勢部材39で接続されており、付勢部材39はセンサーヘッド36を開口部37から押し出す向きに付勢している。付勢部材39は、例えば圧縮バネである。また、第1ベース46上にベースピン46bが設けられ、ベースピン46bにはワイヤ66の一端が接続される。ギア部材45の上面には、ギア部材45の上方に配置される第1カム41に干渉しない程度の高さを有するワイヤガイド45eが設けられる。ワイヤ66はワイヤガイド45eを経由してセンサーヘッド36まで架け渡され、他端がセンサーヘッド36に接続される。
【0066】
図19Aに示す退避位置において、ワイヤ66はベースピン46bからセンサーヘッド36まで張力がかかった状態で架け渡されている。付勢部材39の付勢力に抗するワイヤ66の張力により、センサーヘッド36は筐体35内に引き込まれて収納されている。駆動手段4がセンサーユニット3を駆動すると、第1実施形態と同様の回転動作及び屈曲動作により、センサーユニット3は
図19Bに示す検出位置へと移動する。具体的には、ギア部材45に回転に伴いワイヤガイド45eとベースピン46bとの間の距離が縮まると、ワイヤの張力が減少する。そして、センサーヘッド36の少なくとも一部が、付勢部材39の付勢力により開口部37から突出する。これにより、センサー31が表示面11aに対向し表示パネル11の光学特性を測定することが可能となる。なお、筐体35からのセンサーヘッド36の突出長さは、ギア部材45の回転中心とワイヤガイド45eとの間の距離を適宜設定することにより調整可能である。また、上記の一連の動作を逆の順序で行うことにより、センサーヘッド36を筐体35内に収納しながら、センサーユニット3を検出位置から退避位置へと移動させることができる。
【0067】
本実施形態のセンサーユニット駆動装置2の構成においては、センサーユニット3を長手方向に伸縮可能である。従って、検出位置においては、センサーヘッド36を筐体35から突出させてモニター中心により近い位置に到達させることができる。また、退避位置においては、センサーヘッド36を筐体35内に収納し、コンパクトに収納することができる。
【0068】
なお、本実施形態においては第1ベース46上に固定されたベースピン46bにワイヤ66の一端を接続したが、ワイヤの接続態様はこれに限定されるものではない。例えば、ワイヤ66の一端をモータ等のアクチュエータ(不図示)のシャフトに取り付けたワイヤボビン(不図示)に接続し、ワイヤ66をワイヤボビンから連続的に引き出し、又は巻き取り可能としてもよい。このような構成においては、ワイヤ66の巻取り及び引き出しにより張力を増減させて、筐体35からのセンサーヘッド36の突出長さを自在に調整することができる。
【0069】
また、本実施形態におけるセンサーユニット3の伸縮構造は、ベースピン46b、及びベースピン46bとの距離が可変なワイヤガイド45eを設置可能な任意のセンサーユニット駆動装置2の構成に適用可能である。例えば、当該伸縮構造は、第2から第4実施形態のセンサーユニット駆動装置2に対しても適用可能である。5.2.変形例
第5実施形態の変形例を、
図20A及び
図20Bに示す。本変形例においては、センサーヘッド36と筐体35の内壁38とは付勢部材39で接続されており、付勢部材39はセンサーヘッド36を筐体35内に引き込む向きに付勢している。付勢部材39は、例えば引張バネである。また、2本のワイヤ66が用いられ、ワイヤ66の一端は一対の第2カム42の側面に各々接続される。センサーユニット3の内壁にはセンサーヘッド36を挟むように一対の滑車40が設けられ、ワイヤ66は滑車40を経由して、他端である第2端部がセンサーヘッド36の駆動手段4側の側面に接続される。
【0070】
図20Aに示す退避位置において、スライド部品7の回転動作ピン72は第1溝51の始端51aに位置し、センサーユニット3の屈曲動作ピン33は第3溝56の第1部分57の始端57aに位置する。この状態において、センサーヘッド36は、付勢部材39の付勢力により、筐体35内に引き込まれて収納されている。駆動手段4がセンサーユニット3を駆動すると、第1実施形態と同様の回転動作及び屈曲動作により、センサーユニット3は
図20Bに示す検出位置へと移動する。具体的には、スライド部品7がギア部材45の載置溝45cに沿ってセンサーユニット3側に移動すると、屈曲動作ピン33が第3溝56の第1部分57に沿って移動することにより、センサーユニット3が一対の第2カム42から押し出される方向に移動する。センサーユニット3の当該移動に伴い第2カム42に接続されたワイヤ66の一端と滑車40との間の距離が広がると、ワイヤ66の他端に接続されたセンサーヘッド36が滑車40に近づく方向に引っ張られる。ワイヤ66の張力により、センサーヘッド36は付勢部材39の付勢力に抗して開口部37から突出する。屈曲動作ピン33が第3溝56の第1部分57の終端57bに到達後、第2部分58に沿って移動している間は、第2カム42に接続されたワイヤ66の一端と滑車40との間の距離は一定であるため、センサーヘッド36は突出した状態が維持される。これにより、センサー31が表示面11aに対向し表示パネル11の光学特性を測定することが可能となる。
【0071】
6.その他の実施形態
以上、種々の実施形態について説明したが、これらは例として提示したものであり、本発明に係るセンサーユニット駆動装置2はこれら実施形態の構成に限定されるものではない。
【0072】
ベゼル13の設置位置、及び退避位置におけるセンサーユニット3の配置位置は、表示パネル11の上側面側に限定されるものではない。第1から第5実施形態及びその変形例のセンサーユニット駆動装置2の構成は、ベゼル13の設置位置、及び退避位置におけるセンサーユニット3の配置位置が表示パネル11の下側面側、左側面側、右側面側である場合にも適用可能である。
【0073】
第1,2,4,5実施形態の駆動手段4においては、アクチュエータ43が生成した回転運動をピニオン部材44及びギア部材45を用いて伝達したが、駆動手段4の構成はこれに限定されるものではない。例えば、ピニオン部材44及びギア部材45に代えて巻取り及び繰り出し可能なワイヤと付勢部材とを用いて、ワイヤの張力により回転運動を伝達するとともに、付勢部材の付勢力を利用して屈曲動作を実現するように構成してもよい。或いは、形状記憶合金製ワイヤを用いて、ワイヤの伸縮を利用して回転運動を生成してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1:表示装置、2:センサーユニット駆動装置、3:センサーユニット、4:駆動手段、7:スライド部品、7a:第1部材、7a1:突出部、7b:第2部材、7b1:長孔、7c:連結部、8:接続部材、11:表示パネル、11a:表示面、12:キャビネット、13:ベゼル、14:開口部、30:遮光部材、30a:採光窓、31:センサー、32:ヒンジ構造、33:屈曲動作ピン、34:摺動部材、34a:第2斜面、34b:板バネ、35:筐体、36:センサーヘッド、37:開口部、38:内壁、39:付勢部材、40:滑車、41:第1カム、41a:第1円弧面、41b:第1曲面、42:第2カム、42a:第2円弧面、42b:第2曲面、43:アクチュエータ、44:ピニオン部材、44a:円筒部、44b:歯車部、45:ギア部材、45a:歯車部、45b:突出部、45c:載置溝、45d:挿入孔、45e:ワイヤガイド、46:第1ベース、46a:ボス、46b:ベースピン、47:第2ベース、47a:ネジ、48:ワッシャー、49:ホルダ、50:支持部材、51:第1溝、51a:始端、51b:終端、52:第2溝、52a:始端、52b:終端、53:第1ネジ穴、53a:ネジ、54:第2ネジ穴、55:第3ネジ穴、56:第3溝、57:第1部分、57a:始端、57b:終端、58:第2部分、58a:始端、58b:終端、61:第1ラックアンドピニオン機構、61a:第1ラック、61b:第1ピニオン、62:第2ラックアンドピニオン機構、62a:第2ラック、62b:第2ピニオン、63:第1付勢部材、64:第2付勢部材、65:ワイヤ、66:ワイヤ、71:接続部、72:回転動作ピン、73:スロット状貫通孔、90:本体フレーム、91:シャフト、92:ガイド部材、92a:第1斜面、93:フレキシブルフラットケーブル、94:アーム、94a:第1アーム、94b:第2アーム、94b1:ネジ、94c:スライダ、95:電極ワイヤ、96:第1形状記憶合金製ワイヤ、97:第2形状記憶合金製ワイヤ、98:固定ネジ