(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】煙突煤払い掃除機
(51)【国際特許分類】
F23J 3/02 20060101AFI20240902BHJP
E04H 12/28 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
F23J3/02 A
E04H12/28 Z
(21)【出願番号】P 2024002977
(22)【出願日】2024-01-12
【審査請求日】2024-01-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】719003282
【氏名又は名称】村瀬 明春
(72)【発明者】
【氏名】村瀬明春
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/128547(WO,A1)
【文献】米国特許第05881420(US,A)
【文献】特開2007-303809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23J 3/02
B08B 9/027-9/057
E04H 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱体と、昇降ガイドと、煤払い掃除具とを備えた煙突煤払い掃除機であって、
前記昇降ガイドは、前記支柱体の周囲に
沿って備えており、
前記昇降ガイドは、アームAとアームBと伸縮部材と回転体とを備えており、
前記回転体は、前記アームAと前記アームBの接続部に位置しており、
前記煤払い掃除具は、前記支柱体の最上部に備えられており、
前記伸縮部材は、
前記アームAと
前記アームBとの間に接続されており、それにより前記回転体が前記煙突の内径に追従して、前記煙突の直径方向に変位可能であることを特徴とする煙突煤払い掃除機。
【請求項2】
前記煤払い掃除具の掃除具支持アームは、折れ曲がる機構からなる関節部材を備えていることを特徴とする請求項1記載の煙突煤払い掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煙突に於いて、煙突内の煤を除去する作業を、掃除機自身が昇降し、煤払いをするブラシが煙突内壁をさする事で、人手不要な煙突煤払い掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、煙突の煤払いは、煙突の煙吐き出し口から、ロープを下げ、該ロープに煙突内壁の煤を払うブラシを回転させる機器を吊り下げ、ロープの吊り下げ先端位置で、煙突内の煤払う部分が決まる為、ロープを操作する作業人が、ロープを操作する掃除機が提案されており、ロープの長短を調整する作業人が必要であり、又吊り下げるロープを煙突頂上迄運ぶ危険な作業が有る。
【0003】
特許文献1では、煙突煙吐き出し口にウインチを固定し、ウインチワイヤーフックに吊り下げられた煙突掃除機の電動モーターを駆動し、ブラシで煤を払う構造であり、複雑な機構の構成と、作業前に高所の煙突煙吐き出し口にウインチを固定する危険な作業があり、ウインチを操作する操作人も必要な特徴とする自動煙突掃除機が提案されている。
【0004】
特許文献2では、煙突頂部にウインチを固定し、吊り下げられた掃除機のモーターにより、低速で伝動される相互逆方向に回転する上下2枚の回転基板に取り付けられた回転ブラシにより、煙突内壁の煤払いをする、特徴とする自動煙突掃除機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平06-159652
【文献】特開平08ー049833
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の煙突掃除は煙突上部から吊り下げて作業を行っていた。その為、煙突上部まで作業人が上る必要があり非常に危険がある。
更に、煙突上部にウインチを掛ける支持構造物を備えるための多大な作業が必要となっていた。
一方、煙突内部の内径が上部と下部で異なるための、簡単な機構で対応可能な装置が存在しなかった。
そこで、本発明の目的は、危険作業を排除することと、簡易な機構により、掃除機自体が昇降し煙突内壁をブラシがさする事により作業を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に、発明者は以下の手段を発明した。
手段1の発明は、
支柱体と、昇降ガイドと、煤払い掃除具とを備えた煙突煤払い掃除機であって、
前記昇降ガイドは、前記支柱体の周囲に沿って備えており、
前記昇降ガイドは、アームAとアームBと伸縮部材と回転体とを備えており、
前記回転体は、前記アームAと前記アームBの接続部に位置しており、
前記煤払い掃除具は、前記支柱体の最上部に備えられており、
前記伸縮部材は、前記アームAと前記アームBとの間に接続されており、それにより前記回転体が前記煙突の内径に追従して、前記煙突の直径方向に変位可能であることを特徴とする煙突煤払い掃除機
を提供する。
【0008】
前記回転体は、煙突の内壁に接触して昇降が可能であればどのような構造であってもよいが、最適な構造としては、尖った刃先が備わっているものがよい。尚、前記回転体は、モーター等の駆動装置で回転され、前記モーターの位置はどこにあってもよい。好ましい位置は、アームAとアームBの接続部付近がよい。
支柱体は、支柱管からなるものが好ましいが、例えば、煙突の内径が太い場合には、
図5の1に示すような支柱管を含んだ形状体であってもよい。
【0009】
前記昇降ガイドは、アームAとアームBの間にある伸縮部材により、昇降ガイドが煙突の内壁を突っ張る力に変化し、煙突地上部の太さから、煙吐き出し頂上部迄の太さの傾斜を連続的に対応できる特徴を持っている。
尚、伸縮部材は引く方向に応力が働く材料であればどのようなものでもよいが、例えば、油圧シリンダー、ゴム又はバネが好ましい。図面にはバネで表示しております。
前記昇降ガイドの数は少なくとも3脚あればよく、安全を考慮した場合は、3脚の設置対称に6脚設置であれば尚安全である。
【0010】
手段2の発明は、前記煤払い掃除具の掃除具支持アームは、例えば
図2で示す通り、折れ曲がる機構からなる関節部材を備えていることを特徴とする手段1記載の煙突煤払い掃除機、を提供する。
【0011】
前記関節部材は、煙突の内径が上部下部では異なることから、様々な内径に対応できる特徴を持つ煙突煤払い掃除機。
【発明の効果】
【0012】
本発明の特筆すべき効果は、煙突内壁を掃除機自身が自動昇降する事を、如何に克服するかについてであり、掃除機の自動昇降が作業員の高所からの転落事故を無くすることが出来、又簡便に構成出来る安価な煙突煤払い掃除機である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】煙突煤払い掃除機の側面図と(A-A)断面(B-B)断面を表示
【
図2】掃除具が4個ある場合を想定したA-A断面図
【
図3】昇降ガイドが3脚ある場合を想定したB―B断面図
【
図4】昇降ガイドが6脚ある場合を想定したB―B断面図
【
図6】昇降ガイドを2段に設置し、支柱体を支える側面図
【
図7】昇降ガイドを2段に設置し、上部昇降ガイドの回転体の替わりに、車輪を使用した昇降ガイドで支える側面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を図面により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】
図1には、煙突煤払い掃除機の全体の側面図が描かれており、支柱体(1)の下部には煙突内壁を昇降に必要な部材昇降ガイド(4)が配置されており、該昇降ガイド(4)は、アームA(401)とアームB(402)と伸縮部材(404)と昇降用電動モーター(9)と回転体(403)を言い、該昇降ガイド(4)が煙突内壁を突っ張る力は、伸縮部材(404)の両端に接続の、アームA(401)とアームB(402)の離隔距離を狭める収縮力が、煙突内壁を突っ張る力に変化し昇降に必要な支えとなり、昇降用電動モーター(9)を正転、逆転させることにより昇降する煙突煤払い掃除機であり、
又支柱体(1)上部には煤払い部材が描かれており、掃除具用電動モーター(10)と掃除具支持アーム(5)と関節部材(6)とブラシ(7)が配置されており、関節部材(6)は掃除具支持アーム(5)の約中間に位置し、折れ曲がりが可能で煙突の径の変化に対応させる構造である。
【0016】
図2は、支柱体(1)上部の煤払い部分のA-A断面図で、掃除具用電動モーター(10)と掃除具支持アーム(5)と関節部材(6)及びブラシ(7)が描かれており、掃除具支持アーム(5)の中間に関節部材(6)を設置することで煙突径の変化に適応させている。
【0017】
図3は、支柱体(1)下部に昇降ガイド(4)部分のB-B断面図で、掃除機の中心である支柱体(1)から、煙突内壁に対して、正三角形の頂点に配置された昇降ガイド(4)で固定された状態であり、昇降ガイド(4)はアームA(401)とアームB(402)と伸縮部材(404)と昇降用電動モーター(9)と回転体(403)で構成され、アームA(401)とアームB(402)の交点に昇降用電動モーター(9)と回転体(403)が備わっており、伸縮部材(404)の収縮力により、煙突内壁への突っ張り力と昇降用電動モーター(9)の回転と回転体(403)で昇降出来る煙突煤払い掃除機。
【0018】
図4は、支柱体(1)下部の昇降ガイド(4)部分のB=B断面図で、昇降ガイド(4)を昇降の支柱体(1)から、煙突内壁に対して、正六角形の頂点に配置された、昇降ガイド(4)で固定された状態であり、支柱体(1)を中心に、
図3の正三角形の昇降ガイド(4)が、対称的に2組ある構造で、昇降ガイド(4)が3脚の場合,1脚の突っ張り力が不足すると転落するが、6脚の場合昇降ガイド(4)の内1脚の突っ張り力が不足しても煙突煤払い掃除機は転落する事なく、他の5脚の昇降ガイド(4)で安全に昇降出来る構造である。
【0019】
図5は、煙突の太さが太い場合、支柱体(1)の太さを、昇降ガイド(4)の水平の寸法を差し引いた太さで構成し、該支柱体(1)に昇降ガイド(4)を多角形の頂点に設ける事で、該多数の昇降ガイド(4)が支柱体(1)を支えて、昇降させる構造である。
【0020】
図6は、昇降ガイド(4)を2段に設置し支柱体(1)を、煙突内壁の中芯位置を確保させる為と、支柱体(1)が中芯位置を保つ事による、昇降移動を昇降ガイド(4)全体で、夫々の昇降用電動モーターが同期し昇降を可能にする。
【0021】
図7は、昇降ガイドの回転体(403)に車輪(12)を使用した昇降ガイド(4)を2段に設置し、該上部の回転体(403)の代わりに車輪(12)設置し、支柱体(1)を、煙突内壁の中芯位置を確保させ、昇降移動を昇降ガイド(4)全体で、夫々昇降用電動モーターが同期し昇降を可能にする。
【0022】
煙突自体が鋼鉄製であった場合、回転体(403)の刃先の替わりに磁石を固定し、磁石と鉄間の吸引力で掃除機を自動昇降させることも可能である。
ところで、煙突の上端下端を感知するセンサーを設けることにより、昇降用電動モーターの正回転及び逆回転制御させることにより、高所からの転落事故を防ぐことができる。即ち、本煙突煤払い掃除機を使用することで、自動で昇降することができることから、作業員が不要となった。
【産業上の利用可能性】
【0023】
昨今、コンクリート製煙突も減少をたどり、煙突煤払い掃除をする人も高齢となり、携われる人も減少しており、煙突に登らなくても掃除機自体が煙突内を昇降し、煤払い掃除をしてくれる煙突煤払い掃除機が必要になって来る時代は迫っています。
【符号の説明】
【0024】
1 支柱体
2 固定部
3 可動可能部
4 昇降ガイド
401 アームA
402 アームB
403 回転体
404 伸縮部材
5 掃除具支持アーム
6 関節部材
7 ブラシ
8 支柱体と掃除具の電動モーター固定ピン
9 昇降用電動モーター
10 掃除具用電動モーター
11 電源及び操作盤
12 車輪
ところで、昇降ガイド(4)とは、アームA(401)とアームB(402)と伸縮部材(404)及び回転体(403)を備えるものである。尚、昇降ガイド(4)には、例えば電動モーターを更に備えていてもよい。
また、煤払い掃除具とは、関節部材(6)を備えた掃除具支持アーム(5)とブラシ(7)からなるものである。掃除具支持アーム(5)が回転するための駆動体は、例えば
図1に示す通り支柱体(1)の先端に掃除具用電動モーター(10)を備えていてもよい。
【要約】 (修正有)
【課題】コンクリート製煙突の煤払い作業に於いて、煙突の煙吐き出し口から侵入し、悪質な呼吸環境作業と、落下の危険を無くする為、掃除機自身が煙突内を昇降する煙突煤払い掃除機を提案する。
【解決手段】掃除機中芯の支柱体に、煙突の約半径長アームに引きバネを有する、正六角形頂上に昇降ガイドを配置し、昇降用電動モーターと回転体を備え、支柱体中芯対称に、昇降ガイドを均等6方向に配置し、煙突内壁を突っ張り、電動駆動で昇降させ、該支柱体頂部に掃除具を電動で回転させ煤払いをさせる、掃除機自身が昇降する煙突煤払い掃除機を提供する。
【選択図】
図1